1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 02:46:03.78 ID:4RlxkQAdO
男「このクラス馴染めるかな」

女「ね。前のクラス見事にバラバラになっちゃったし」

男「上手くやってけるかな」

女「大丈夫でしょ。そのうち慣れるって」

男「浮いてることに?」

女「クラスに」

男「次なんだっけ」

女「日本史」

男「そっか」

引用元: 男「ねえ」女「なに?」 



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 02:49:58.11 ID:4RlxkQAdO
女「あ」

男「?」

女「お弁当忘れた」

男「買い行く?」

女「うん。コンビニいこ」

男「いいよ」

女「前乗って」

男「俺が?」

女「うん」

男「いいけど」

女「外気持ちいいね」

男「ね」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 02:52:56.80 ID:4RlxkQAdO
男「球技大会なんの競技出るの?」

女「バスケ」

男「また?」

女「いいじゃん」

男「まあそうだけど」

女「なに出るの?」

男「バレー」

女「また?」

男「いいじゃん」

女「まあそうだけど」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 02:58:55.74 ID:4RlxkQAdO
女「ひまだね」

男「ね。ひま」

女「なんかないかな」

男「それかして」

女「どれ?」

男「それ。テニスボール」

女「これ?」

男「そう。」

女「はい」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:00:09.21 ID:4RlxkQAdO
男「もう一個落ちてるやつも」

女「はい」

男「いくよ。見てて」

女「おー!すごい。お手玉」

男「でしょ」

女「かして」

男「いいよ」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:01:53.94 ID:4RlxkQAdO
女「できない」

男「へたくそ」

女「うるさい。練習してたの?」

男「うん」

女「ひまなんだね」

男「うるさい」

女「あたしも練習しよ」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:05:38.99 ID:4RlxkQAdO
放課後

男「諦めないねー」

女「もうちょっとでできそう…なの!あ~」

男「へたくそ」

女「もういいや」

男「もういいの?」

女「うん。帰ろ」

男「いいよ」

女「前乗って」

男「いいよ」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:09:41.18 ID:4RlxkQAdO
男「すげー。太陽大きいー」

女「ね。夕日きれい」

男「川きらきらしてる」

女「ね」

男「こっちの道もいいね」

女「ね」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:12:49.24 ID:4RlxkQAdO
男「じゃ、またね」

女「うん。ありがと」

男「いいっていいって」

女「また明日ね」

男「また明日~」

女「あ待って!」

男「なに?」

女「テニスボール持ってきといて」

男「あれ学校に置いてあるでしょ」

女「そっか」

男「うん。またね」

女「ばいばい」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:16:52.76 ID:4RlxkQAdO
女「もう文化祭か~」

男「そうだね。クラスにも少し馴染めたしよかった」

女「ね。最初はどうなるかと思ったけど案外平気だったね」

男「うん。うちのクラスはなにやるんだっけ」

女「なんかあの、あれ。縁日みたいな」

男「ああそうか」

女「で、あたし看板書くことになっちゃった」

男「そう。いいんじゃない、絵上手いんだし」

女「手伝ってよ」

男「いいよ」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:19:28.68 ID:4RlxkQAdO
放課後

女「緑とって」

男「はい」

女「…赤」

男「はい」

女「う~ん…」

男「やっぱ絵上手いなお前」

女「でしょ」

男「うん。ちょっと見直した」

女「ありがと。もっかい緑かして」

男「はい」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:22:26.20 ID:4RlxkQAdO
女「はい。かんせ~」

男「おー、すげー。お疲れ」

女「お疲れ」

男「帰る?」

女「うん。帰ろ」

男「わかった。」

女「前乗ってね」

男「はいよ」

女「あ、あと帰りにヨーカドー寄って」

男「なんか買うの?」

女「うん」

男「わかった」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:25:20.29 ID:4RlxkQAdO
男「うちわなんて売ってるんだね」

女「うん。特別にあおいであげる」

男「ありがとー涼しいー」

女「…あー暑い」

男「もうすぐ夏か」

女「もう夏だよ」

男「そっか」

女「でもまだセミは鳴いてないね」

男「そうだね」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:33:41.39 ID:4RlxkQAdO
女「…」

女1「あ!ねー女」

女「なに?」

女2「女ってさー男と付き合ってるの?」

女「付き合ってないよ。急にどしたの?」

女1「前から仲良いしさー、出来ちゃったのかと思って」

女「それはないよー」

女1「そうなんだ~。」

女2「じゃああたしたち先行くね。お幸せに~」

女「だから付き合ってないってー!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:37:46.56 ID:4RlxkQAdO
男「…」

友「よ」

男「よ。どした」

友「お前って女ちゃんと付き合ってるの?」

男「あー…付き合ってないよ」

友「ほんとかよ」

男「うん。ほんと」

友「好きなの?」

男「どうなんだろうね」

友「なにそれ変なの。まいいや。次移動だから行くね」

男「どこだっけ?」

友「社会科室」

男「あそっか。俺もいく待って」

友「うん」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:43:59.08 ID:4RlxkQAdO
女「ねえ」

男「…」zzz

女「ねえ」

男「…」zzz

女「ねえ!!!!」

男「あ!はい!え!なに!誰!」

女「慌てすぎ。授業終わったよ」

男「うそ。寝てた」

女「知ってる。いこ」

男「うん。あ」

女「どした?」

男「あとでプリント見せて」

女「いいよ」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:49:55.61 ID:4RlxkQAdO
女「これとー…これが今日のやつ」

男「ありがと。明日には返すね」

女「うん」

男「帰りコンビニ寄っていい?」

女「いいよ。プリント貸したんだしなんかおごってよ」

男「ん~、じゃあアイスおごる」

女「やった。前乗って」

男「はいよ」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:54:53.81 ID:4RlxkQAdO
店員「いらっしゃいませ~」

女「は~コンビニ涼し~」

男「涼し~」

女「アイスアイス~」

男「どれ食べる?」

女「うんとね~…これ」

男「はいよ」

女「あ、やっぱこっち。」

男「はいよ。俺はこれにしよっと」

女「いこいこ」

男「うん」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 03:59:31.07 ID:4RlxkQAdO
女「あそこで食べてこ」

男「うん。いいよ」

女「野球やってるね」

男「そうだね」

女「あれってホームラン打ったら川にボール落ちないの?」

男「落ちるんじゃない?落ちるでしょ」

女「そしたらどうなんの?」

男「ボールがなくなる」

女「いやそうだけどさ。あ、溶けちゃう。食べないと」

男「うん」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:02:56.31 ID:4RlxkQAdO
 

男「まだそんだけしか食べてないのかよ」

女「うん。おっきい」

男「お前の一口が小さい」

女「そうなのかな?」

男「うん」

カキーン

男・女「お」

女「打ったねー」

男「ね」

女「今のはいい当たりですか?」

男「今のはいい当たりですよ~」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:07:43.98 ID:4RlxkQAdO
女「ご馳走さまでした。またおごって下さい。」

男「また今度な」

女「はー…空が青い」

男「ね」

女「なんであんなに青いんだろうね」

男「ね」

女「今年でこの制服も最後かー…」

男「ね」

女「高校生活あっという間だね」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:09:31.85 ID:4RlxkQAdO
男「まだ終わってないけどな」

女「そうだね」

男「帰る?」

女「うん」

男「前乗るよ」

女「うん…」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:12:03.64 ID:4RlxkQAdO
女「じゃあね。ありがと」

男「うん。じゃあ、また明日ね」

女「ちゃんとプリント返してね」

男「わかってるよ。ばいばい」

女「うん。ばいばい」





女「…」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:15:47.54 ID:4RlxkQAdO
男「期末範囲多いなー」

女「ね。でもみんな真面目には勉強しないでしょ」

男「まあそれもそうか。受験で忙しいしね」

女「うん。…男は東京の大学受験するんだよね?」

男「うん」

女「そっか…」

男「お前は専門学校だろ?お互い頑張ろうな」

女「うん…」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:24:51.64 ID:4RlxkQAdO
男「えんとつ」

女「?」

男「ほら、あれ」

女「あ、ほんとだ。えんとつ」

男「あれふさごうよ。指出して」

女「こう?」

男「もうちょっと窓から出して」

女「はい」

男「あ、いい感じ。撮るよ」カシャッ

男「ほら」

女「あ、ほんとだふさがった面白い。」

男「ね。面白い」

女「暇人だね」

男「暇人だな」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:32:23.90 ID:4RlxkQAdO
男「うぇっくしゅん」

女「風邪?」

男「かな。寒い」

女「熱は?」

男「多分ない。平気」

女「最近少し冷えてきたね」

男「もうワイシャツ一枚も無理かな」

女「そうだね。」

男「帰りカーディガン買いいこ。一緒にきて」

女「去年のやつは?」

男「でっかい穴あいてた。虫食いかな?」

女「ああそうなんだ。いいよ一緒にいこ」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:38:13.20 ID:4RlxkQAdO
見てくれてる人ありがと

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:40:48.01 ID:4RlxkQAdO
男「これは?」

女「こっちの方が似合うと思う」

男「そう?」

女「うん」

男「ふーん」

女「いやでも好きなの買いなよ」

男「いやいい。こっちにする」

女「そう。あ、待って。これは?」

男「あ、それいい。着てみたい貸して…

――――――――
―――――
―――

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:43:50.27 ID:4RlxkQAdO
男「あーいい買い物した」

女「それはよかった。すごい似合ってるよ」

男「ほんと?」

女「うん」

男「あたし照れちゃう」

女「ばーか。早く前乗って」

男「はいよ」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:48:46.65 ID:4RlxkQAdO
友「お」

男「ん」

友「去年と違うカーディガン?」

男「わかるもんなんだね」

友「色が変わるだけで印象もかなり変わるからね」

男「そっか」

友「女に選んでもらったの?」

男「うん」

友「そっか。仲良くしろよ」

男「うん」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 04:55:19.62 ID:4RlxkQAdO
女「あ、男。帰ろ」

男「いいよ」

女「今日ねー、女1と女4ちゃんがねー…」

男(もう女と会えるのもあと少しか)

男(気がつけば木についていた葉も落ちてきていて…)

男(本当にあっという間だったな)

女「…だったの!すごいよね!あたしびっくりしちゃったよーって」

男「…」

女「男?聞いてる?」

男「あ、あ、うん。聞いてなかった。なに?」

女「もー…ま、いっか。帰ろ」

男「うん。帰ろ」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:02:06.81 ID:4RlxkQAdO
女「はい、前」

男「うん」


キコキコ

女「寒い…」

男「寒いな」

女「…」

男「…」

女「…ねえ」

男「うん?」

女「もっとくっついていい?寒いから…」

男「うん」

女「ありがと…」ギュッ

男「うん…落ちるから離すなよ」

女「…離さないよ」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:05:52.55 ID:4RlxkQAdO
女「ありがとね」

男「なにが?」

女「いや、その…やっぱなんでもない」

男「そう」

女「うん」

男「…そっか」

女「うん…」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:16:25.55 ID:4RlxkQAdO
男「じゃあまた明日な」

女「うん。また明日。ばいばい」

男「ばいばい」





女「また明日…か」

女「あと少しで冬休み。三学期はほぼ登校日なし…」

女「…」

女「男…」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:20:55.30 ID:4RlxkQAdO
担任「え~明日からは冬休みを迎えます。ここにいる多くの人にとっては」

担任「受験最後の砦となる期間なので、しっかりと…」



女「…」

男「おーい」

女「あ、な、なに?」

男「なにボーッとしてんだよ。帰ろ」

女「あ、うん。帰ろ」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:23:40.31 ID:4RlxkQAdO

キコキコ

女「ねー」

男「うん?」

女「受験勉強大変?」

男「そりゃなー。楽じゃないよ」

女「そっか」

男「うん」

女「頑張ってね…あたし応援してるから」

男「うん。…ありがと」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:29:38.45 ID:4RlxkQAdO
女「じゃあ」

男「うん」

女「し、試験頑張ってね!男ならきっと大丈夫だから」

男「ありがとう。頑張るよ。」

女「ちゃんと連絡してね…」

男「うん。試験はまだだいぶ先だけどな。ちゃんと結果は連絡するよ」

女「うん。それじゃあまたね…」

男「うん、またな」


――――――――
―――――
―――

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:37:09.32 ID:4RlxkQAdO
男試験日


試験会場

男(あ~緊張する)

男(不安だ…怖い…)

男(いや、今まで積み重ねたことをしっかり発揮できれば)

男(きっと大丈夫…)


女宅

女(男頑張ってるかな)

女(きっと大丈夫だよね…)

女(でも大学に受かっちゃったら男は…)

女(ううん、違う。頑張って、男…!)

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:48:58.08 ID:4RlxkQAdO
しばらく経ったある日


prrrrrr…

女「ん、電話。誰からだろ」

女「!!」

女「男からだ!」

ピッ

女「もしもし!」

男「もしもし、女?」

女「そうだよ!それで…その、どうだった?」

男「ああ」

男「大学、受かったよ。」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:52:48.28 ID:4RlxkQAdO
女(!!)

女「え、うそ!おめでとう!じ、じゃあ春からは大学生だね!」

男「そりゃな。春からは大学生だ。」

女「うん…おめでとう!」
男「ありがとう。あ、ごめん今少し忙しいから、またな」

女「わかった!またね。ばいばい」

ピッ

ツー、ツー、ツー



女「…」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 05:57:40.58 ID:4RlxkQAdO
卒業式前日、卒業式予行


女「久しぶり!…」

男「久しぶり」

女「卒業式の予行なんてやんなくてもいいのにね」

男「そうだな」

女「今日は少し暖かいね」

男「そうだな」





女「…今日も一緒に帰ろうね」

男「…うん」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 06:06:56.03 ID:4RlxkQAdO

キコキコ


女「…」

女(この背中を見るのも明日で最後、か…)

男「…」

男(女と二人乗りをするのも明日が最後になるのかな…)


キコキコ…


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 06:11:30.00 ID:4RlxkQAdO
卒業式当日

「これより、平成24年度、第42回卒業証書授与式を…」

男「…」

女「…」

――――――――
―――――
――

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 06:16:21.68 ID:4RlxkQAdO
女『ねー、男くん!』

男『なに?』

女『二人乗りしてみよーよ!二人乗り!』

男『えー、怖いよー…怪我しちゃうよー…』

女『平気だって平気!男くんなら大丈夫!はい乗って!』

男『うん…ほんとに平気かなあ』

女『大丈夫!…せーので足離すよ!』

男『わかった…』

女『いくよー』

男・女『せーの!』

――――――――
―――――
―――

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 06:18:49.34 ID:4RlxkQAdO
キコキコ

女「卒業しちゃったね」

男「卒業しちゃったな」

女「本当にあっという間だった…」

男「早かったな」

キコキコ…

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 06:22:55.95 ID:4RlxkQAdO
男「着いた」

女「ありがとね」

男「うん」

女「…」

男「…」

女「お別れ?」

男「…まあしばらくはそうなるかな」

女「そっか…」

男「うん…」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 06:32:09.80 ID:4RlxkQAdO
女「えっと、こういうときってなんて言えばいいんだろうね…」

男「そうだな…俺もよく分かんない…」

女「あのね、男」

男「なに?」

女「あたしね、その…」

男「うん」

女「…」

男「…」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 06:48:12.96 ID:4RlxkQAdO
女「…やっぱりなんでもない」

男「…そっか」


春の日差しの下、二人は見つめ合う。
どれ程そうしていたかは分からない。
だが、ゆっくりと吹いた暖かい風と、静かに舞う桜の花びらが見つめ合う男女の前を横切ると、二人は優しい笑顔を浮かべた。


女「また、乗せてね。後ろ。」

男「いつでも乗せるよ。ただ、少しだけ待っててな」
女「うん…
それじゃあ、またね」

男「うん。またな」


二人は背を向け合い、それぞれの道へ歩いていった。
まるで、ゆっくりと、しかどこか力強く、流れるタンポポの胞子のように…



おしまい