1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 22:38:57.42 ID:NnBZ27DA0
弟「どうしたの?」

姉「・・・・・・・・・・ううん、特に用事はないんだけど」

弟「そっか」

姉「・・・・・・・・・・・」

弟「・・・・・・・・・・・」

姉「・・・・・・・・・・・」

弟「な、なにもしないんだね」

姉「・・・・・・・・・・・・うん」

弟「本とか読んでもいいよ?」

姉「・・・・・・・ううん、気にしないで」

弟「(気にしないでと言われてもなぁ・・・)」

引用元: 姉「・・・・・・入ってもいいかな」弟「ん、どうぞ姉さん?」 




5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 22:43:25.63 ID:NnBZ27DA0
姉「・・・・・・・・・・」

弟「どうしたの?さっきから僕の方ばっかり見て」

姉「・・・・・・・・・み、みて・・・ないよ」

弟「そう?」

姉「うん・・・・・」

弟「(姉さんの動機がよく分からない)」

姉「・・・・・・・・・・・・」

弟「(黙ったままだけど時折、顔がにこやかになる)」

姉「・・・・・・・・・・・・」

弟「というか、正座のままって疲れない?」

姉「ん?・・・・・ううん、そんなこと無いよ?心配してくれてあるがとう・・・・」

弟「いや、流石に正座しっぱなしは・・・。ベッドにでも座っててよ。そのほうが楽だろうし」

姉「べべべ、ベッド!?」

弟「ど、どうしたの?」

姉「・・・・・・・・・・な、なんでもない」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 22:48:47.34 ID:NnBZ27DA0
弟「・・・・・・・・・・・」

姉「・・・・・・・・・・・」

弟「・・・・やることないの?」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」

弟「じゃあ、人生ゲームでもしようか」

姉「・・・・・・・・人生ゲーム?」

弟「たしかこの辺にあったような・・・」

姉「・・・・・・・・あっ・・・それこの前お父さんがバザーかなんかに出してたような」

弟「本当?」

姉「・・・・・・・・うん・・・・・・多分」

弟「困った父さんだ・・・。どうしようかな」

姉「・・・・・・・あ」

弟「どうしたの?」

姉「・・・・・・・・・・・・まってて」

弟「(突然部屋を飛び出して、トテテテと駆けていった姉さん。何をするつもりなのか全く分からない)」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 22:54:54.74 ID:NnBZ27DA0
姉「・・・・・・・・っ、と」

弟「?」

姉「・・・・・・・・・・」

弟「(紙とペンを持って帰ってきた姉さんは、机の前に座り真剣な顔になって、紙に何かを書き始めた)」

姉「・・・・・・・・・・」

弟「(紙とにらめっこする様が無邪気で、姉には見えない幼さがあるけど)」

姉「・・・・・・・・・・・っと、できた・・・・」

弟「(・・・・・工作が完成した幼稚園児みたいな笑みを浮かべる姉は、やっぱり姉には見えないのであった、まる)」

姉「・・・・・・・・・おーい・・・・・?」

弟「ああ、ごめん姉さん。考え事してて」

姉「その・・・・邪魔してごめん・・・・・・・・?」

弟「いやいや、姉さんの話を聞いてなかった僕が悪いんだ。で、姉さん何ができたの?」

姉「・・・・うん。聞いて驚け、見て・・・・笑えー」

弟「(何歳児なんだろう)」

姉「ええと・・・・・・・お姉ちゃんが、人生ゲーム・・・ううん、すごろく?を作っちゃいました・・・!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 22:59:20.74 ID:NnBZ27DA0
弟「おお・・・・・」

姉「どう・・・・かな・・・・」

弟「(綺麗な字で書かれたそれは、手作りながらも思考を凝らした一品となっており・・・・)」

弟「グレイト!」

姉「・・・もうっ・・・弟ったら・・・・・」

弟「姉さん、顔赤い」

姉「っ」

弟「(咄嗟に顔を手で隠す様が、実に初々しい)」

姉「そ、それより・・・・・やろ・・・・?」

弟「うん、やろうか」

姉「・・・・・・・これ、駒」

弟「いつの間に折り紙まで・・・・」

姉「・・・私、ほら・・・・得意だし・・・」

弟「得意だから出来る速さ・・・ってのを超えてると思うけど」

姉「・・・・・・・・・・そうかな」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 23:08:47.18 ID:NnBZ27DA0
弟「ええっと、ここがスタートかな」

姉「・・・・・・うん」

弟「サイコロは?」

姉「・・・・・・・・・・ええっと、はい」

弟「有難う姉さん」

姉「・・・・・・・・・先に、はじめていいよ」

弟「了解。えっと、それっ」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・んと」

弟「2、かな」

姉「2進んで・・・えっとえっと」

弟「『隣の人のマッサージをすると2マス進める』だって」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

弟「(下を向いて俯く姉さん。自分で書いたのに自分に来ると思ってなかったのだろうか)」

姉「・・・・・・・・・・・そ、その・・・・しなくても・・・・」

弟「進みたいからなぁ?姉さん、マッサージさせてもらうよ?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 23:12:55.47 ID:NnBZ27DA0
姉「・・・・・・・・・・・・ううっ」

弟「観念して・・・ほら、俯せになって」

姉「・・・・・・・・・・・・はふ」

弟「何処が凝ってますかー?」

姉「・・・・・・・・・・・・あふ・・・・」

弟「足?」

姉「・・・・・・・・・・・・えふっ・・・・」

弟「あれ・・・姉さん聞こえてる?」

姉「・・・・・・・気持ちいい」

弟「・・・・・・・・ん、ならいいや」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・うん」

弟「(気持ちよさそうに脱力する姉さんは、さながら人間たれパ○ダのようだった)」

姉「・・・・・・・そろそろ・・・・・いいよ?」

弟「そう?」

姉「・・・・・・・・うん、十分解された」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 23:19:11.52 ID:NnBZ27DA0
弟「じゃあ次は姉さんの番だね」

姉「・・・・・・・・・・・・んっ、と」

弟「5?凄いな姉さん。進むね?」

姉「・・・・・・・・・え・・・っと」

弟「・・・・・これって」

姉「『罰ゲーム』・・・・・・」

弟「自分で書いて自分であたってる・・・・何々。『隣の人にマウントポジションを取られてくすぐられる。相手の人に気が済むまで』」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

弟「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

弟「黙っててもダメですから、姉さん」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お手柔らかにお願いします・・・・・・」

弟「考えとく」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・鬼畜」

弟「こんなマス作った姉さんが悪い」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 23:25:31.52 ID:NnBZ27DA0
弟「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

弟「姉さん、マウントポジションって」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やだ」

弟「幼稚園生かっ」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・やー・・・・」

弟「(顔を真っ赤にして俯せのままこっちを見ない)」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

弟「転がすぞー」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・あふっ」

弟「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

姉「・・・・・・・・・・・・・恥ずかしいっ」

弟「(仰向けになるかとおもいきや、そのまま横向いて体操座りのような格好をし始める)」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・」

弟「(正に、駄々をこねる子供だ・・・・)」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 23:31:33.93 ID:NnBZ27DA0
姉「・・・・・・・・・・・・・・・・」

弟「・・・・・・・・・・・・・・・・」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・」

弟「隙ありっ」

姉「ひゃあっ!」

弟「(姉さんが気を抜いて手を緩めた隙に体を伸ばさせ仰向けにして、マウントポジションを取った)」

姉「うううっ・・・・・」

弟「(赤くなった顔を隠す手さえ今は僕の下にあるので、姉さんはどうしようもなく目線をあちこちに泳がせる)」

姉「は、はやく・・・・するなら・・・してっ」

弟「う、うん」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ」

弟「そんな怖がられたらできないよ・・・・」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

弟「そんな泣きそうになられたらもっとできない」

姉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・むうっ・・・・」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 23:36:31.60 ID:NnBZ27DA0
弟「いくよ?」

姉「・・・」

弟「腋でいいかな」

姉「・・・ど、どこでもいい」

弟「じゃあ腋で」

姉「・・・」

弟「こちょこちょ」

姉「っ・・・!」

弟「あ、耐えてる顔だ」

姉「・・・・・・」

弟「こちょこちょ」

姉「ひゃっ」

弟「あ、耐え切れなかった?そっかそっか・・・不意打ちは効くんだ・・・」

姉「・・・・・・」

弟「さーて、こんな罰ゲーム作った姉さんにはどれだけこちょこちょすればいいのかな?」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 23:44:45.86 ID:NnBZ27DA0
姉「・・・・・・」

弟「それっ!」

姉「っ・・・・ひっ・・・・ひゃっ・・・・」

弟「・・・・・・・・」

姉「っ・・・・んっ・・・・っ・・・・!」

弟「姉さんが大笑いする所が見たいのに・・・」

姉「っっん・・・・あふっ・・・・ひひっ・・・」

弟「そんなに耐えられても困るよ・・・」

姉「・・・・も・・・もう終わり・・・?」

弟「うん・・・姉さん意外と頑固だから・・・」

姉「・・・・良かっ」

弟「隙あり」


姉「っ!ひゃあっ・・・はははははははは――――――――――――」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 23:48:14.80 ID:NnBZ27DA0
弟「・・・・・・だ、大丈夫姉さん」

姉「・・・・・・」

弟「(無口な姉さんに戻ったと言うより、言葉すら出せないほどぐったりしてる・・・みたいな感じだ)」

姉「・・・・・・次・・・いこっか」

弟「大丈夫なの・・・?」

姉「・・・・自業・・・自得」

弟「まあそうなんだけど・・・・」

弟「(やりすぎた感もある)」

姉「・・・私が先でいい?」

弟「うん」

姉「・・・・・・よっ」

弟「あ、6?また進むね姉さん」

姉「うん・・・えっとこのマスは・・・『結婚』・・・?」

弟「結婚って・・・」

弟「(そりゃ人生ゲームにはあるけど・・・)」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/07(土) 23:54:02.44 ID:NnBZ27DA0
姉「えっと・・・だから・・・その」

弟「うん」

姉「・・・結婚して下さい!」

弟「うん」

姉「・・・えっ、いいの?」

弟「うん、そりゃあ」

弟「(ゲームだし)」

姉「じゃあまず・・・誓いの言葉から」

弟「(やるんだ、結婚式)」

姉「私は・・・貴方を一生夫として辛い時も安らかな時も共に過ごすと誓います・・・」

弟「僕も?」

姉「うん・・・」

弟「僕も、姉さんを妻として迎え、一生共に過ごすことを誓います」

姉「・・・・・・っ」

弟「姉さんこんなので赤くならなくても・・・」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 00:06:20.29 ID:Xd2ISuH40
姉「こ、こんなのって・・・!」

弟「ご、ごめん」

姉「ううん・・・・」

弟「じゃあ、次に」

姉「・・・ダメ」

弟「?」

姉「まだ・・・続きがあるから・・・」

弟「続き・・・?」

姉「続き・・・。誓いの口づけ・・・」

弟「ちょ、ちょっと待ってよ姉さん」

姉「嫌・・・?」

弟「別に・・・そんなんじゃ」

姉「ねぇ・・・弟は・・・その・・・」

弟「?」


姉「・・・・・・・私のこと・・・好き・・・?」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 00:10:00.16 ID:Xd2ISuH40
弟「隙はあるよね、姉さん」

姉「・・・私は、真剣だよ」

弟「・・・・・・」

姉「・・・・・・ごめん、意地悪だったよね、私」

弟「いや・・・・いきなりでびっくりしただけで」

姉「・・・・・・・私が先に言うべきなんだよね」

弟「・・・・・先に言うって・・・?」

姉「・・・私が、弟のことどう思ってるか」

弟「・・・・・・突然すぎるよ」

姉「・・・・・ごめん」

弟「・・・・・・・」

姉「・・・・・・・・」

弟「やっぱ言ってよ、なんか煮え切らないや」

姉「・・・・・・・!」

弟「聞かせて、姉さんが僕をどう思ってるか・・・・さ?」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 00:14:39.35 ID:Xd2ISuH40
姉「私は・・・」


姉「私は、弟が好き。これは家族として・・・じゃなくて、恋愛対象として・・・」


弟「・・・そっか」

姉「・・・・・・気持ち悪いよね、ごめんね・・・」

弟「・・・・・・」

姉「・・・・・・こんな・・・お姉ちゃん、いらな・・・いよね」

弟「・・・・・・」

姉「だ・・・いじょうぶだから・・・っ・・・もうすぐ、大学に行って・・・この家からいなくなるからっ・・・」

弟「・・・・・・・」

姉「だから・・・っ」

弟「・・・そんなに涙で顔ぐしゃぐしゃにしといて・・・なにが大丈夫なんだよ、姉さん」



姉「・・・・・・っ」


弟「・・・誓いの口づけ。これで結婚式は完了だよ、姉さん。そして、これが僕の答えだ。」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 00:18:43.15 ID:Xd2ISuH40
弟「姉さんのことが気持ち悪いなんて思ってなかったし、思うつもりもない」

姉「・・・・・・・・・!」

弟「・・・僕だって、きっと姉さんのことが好きだったんだ。でも、勘違いだとずっと思ってた」

姉「・・・・・・・・・」

弟「こんなの誰にでもある、姉に対するあこがれ・・・みたいなもんだと思ってた。でも今の姉さんの言葉で分かったよ」

姉「・・・・・・・・・・・」

弟「僕も、姉さんのことが大好きなんだって」

姉「・・・・・・・・・・っ」

弟「大学に行くから家を出る?・・・・僕もついてく。姉さんと離れ離れなんかになれない」

姉「それはっ・・・ダメだよ」

弟「でも・・・姉さん!」

姉「・・・弟は、まだしなきゃいけないことが・・・ここでしなきゃいけないことがあるから・・・ダメ・・・」

弟「姉さん・・・」

姉「それに、一生会えなくなるわけじゃないでしょ・・・?」

弟「・・・・・・・でも・・・・っ」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 00:23:08.98 ID:Xd2ISuH40
姉「だから・・・だからさ、今は・・・このすごろくで我慢しようよ」

弟「・・・・・・」

姉「まだ・・・ゴールしてないよ?」

弟「・・・姉さん」

姉「今だけ・・・っ、今だけだから・・・ね?」

弟「分かった・・・・分かったよ」

姉「ほら・・・じゃあサイコロ振って・・・・」

弟「・・・姉さんの涙で濡れてる」

姉「・・・ごめん」

弟「ううん、全然不快じゃないんだ。逆にさ、直ぐにゴール出来そうな気がする」

姉「・・・・そうかな」

弟「姉さんにまつわることは、全部運がいいからね」

姉「・・・・有難う」

弟「結婚式のマスから6マスでゴール・・・。一発で決めるよ?」

姉「うん・・・弟、サイコロ振って・・・・・・・・!」
______________________________________

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 00:29:03.25 ID:Xd2ISuH40
___________________________________
_____________________________
_______________________



弟「久しぶり、姉さん」

姉「・・・久しぶり、弟」

弟「元気だった?」

姉「・・・弟こそ」

弟「僕は・・・それなり」

姉「・・・私も」


弟「じゃあ・・・姉さん」

姉「・・・うん」

弟「この敷居またいだら・・・ね?」

姉「・・・じゃあ、いっせーのせ、で」

弟「いくよ?」

姉「うん・・・・」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 00:31:35.31 ID:Xd2ISuH40
弟「・・・いっせーのせ」


姉弟『ゴールっ!』


















姉「・・・今日から、ずっと、よろしくね?・・・弟?」

弟「うん、よろしく、姉さん」



~fin~