1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:19:06.86 ID:7F9RZXNa0
>頭が痛い…意識が朦朧とする……。

>どうやら眠らされていたようだ。

>場所も不明だ。奇妙な横縞の丸い岩山……土も岩山も深紅色に染まった世界だ。

>起きた場所に荷物が置いてある。内容は……。

①ゲーム機(?)
②ゲームカセット
③カロリーメイトのようなブロックタイプの栄養食品(?)
④水筒

>ゲームカセットをゲーム機にセットして起動させてみよう。

チャララララ~♪

『火星の迷宮にようこそ』

>意味不明だ……。

引用元: 番長「クリムゾンの迷宮?」 




2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:20:36.30 ID:7F9RZXNa0
『ゲームは開始された。無事に迷宮を抜け出てゴールを果たしたものは、 
約束通りの額の賞金を勝ち取って、地球に帰還することができる』 

『プレイヤーはチェックポイント(以下CP)において進路に関する選択を与えられる――』 

>要約するとこういうことらしい。 

①プレイヤーは自由に進路を選択できる 
②CPでは生存に役立つアイテムが手に入る場合がある 
③選択肢によって生死に関わる 
④互いのプレイヤーは協力するも敵対するも任意である 

>やはり意味不明だ…。 

『ここからスタート地点である第一CPまでの道のりは以下のとおりである』 

『北へ2500メートル。東北東へ1350メートル。東へ230メートル』 

>相変わらず意味不明な文章が流れているが……この雰囲気には心当たりがあった。 

>マヨナカテレビ……。

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:26:23.81 ID:7F9RZXNa0
>メガネもいつの間にか掛けられている。 

>マヨナカテレビの中ならば……。 

ペルソナッ! 

>……でない。マヨナカテレビの中ではないのだろうか…。 

>仕方ない。他に手がかりもない。ゲームの指示に従おう。 

>眼の前にふたつの道が伸びている。 

>さすがにゲームと称しているからにはどちらかが正解のルートだろう。 

>右と左、どちらに進もう。

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:34:59.44 ID:7F9RZXNa0
ガサッ 

>右の道から物音がする。 

>姿を確認できないが、佇んでこちらをみているようだが、人のようだ。 

>声をかけてみよう。 

千枝「あ、あっ! 番長くんっ!」 

>千枝だ。 

ダダダダッ 

千枝「よ、よかったぁ……こ、怖かったよぉ……」 

>思い切り抱きつかれた。 

千枝「ここどこだかわかんないし、誰もいないし、意味わかんないし……」 

>自分も同じような状況だと告げた。 

千枝「そう、なんだ」 

千枝「でも、あたしが来た方の道はここまでの一本道だったよ」 

>正解は左の道らしい。 

>行こう。

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:41:29.91 ID:7F9RZXNa0
ザクッザクッザクッ 

>足場が悪く歩きにくい。 

>二人とも無言だ。空気が重い……。 

>千枝には何か配給されなかったのか訊いた。 

千枝「あ、あたし? ゲーム機と、カセットと――」 

>どうやら同じものだ。 

>違う情報があるかもしれない。千枝にゲーム機を見せてもらおう。 

千枝「あ、あははは……ごめん。 
   最初、誰かの悪戯だと思ってさ。怒って壊しちゃったんだよね」 

千枝「で、誰かて来るかと思って待ってたんだけど誰も来なくってさ…… 
    どんどん心細くなっちゃって、仕方なく残りの荷物持って歩いてたら番長くんに会ったの」 

>ゲーム機を壊してしまった……良くないことにならなければいいが。

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:46:33.91 ID:7F9RZXNa0
千枝「ほら、これ」 

>予想以上に大破している……。 

>画面はひび割れ、カセットは砕けていた。電池カバーも吹き飛んで電池も入っていない。 

千枝「一応、壊れたゲーム機も持ってきたけど邪魔なだけだし捨てちゃおっか?」 

>どうしようか 

①捨てる 
②捨てない 
>>15

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:47:44.21 ID:IMe4LK5wO
2

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:50:06.64 ID:7F9RZXNa0
>一応捨てないでもっておこう 

千枝「え? いいけど……なんで?」 

>なんとなく、としか今は言えない。 

千枝「でも、番長くんがそういうならそうしておこうかな」 

>千枝はバッグにゲーム機を戻した。 

>進もう。

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:52:42.63 ID:7F9RZXNa0
>ほとんど一本道だ。 

千枝「ゲーム機の指示がなくても自動的に向かう方向決まってるみたいだね」 

>きっと、そうしなければならない理由があるんだろう。 

千枝「でも、この土とかさ人工物って感じじゃないよね」 

>マヨナカテレビだと仮定すれば不思議ではないが……。 

千枝「うーん、わかんないなぁ」 

>今は進もう。

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 14:57:20.91 ID:7F9RZXNa0
>急に視界が開けた。木々に囲まれた平野のような場所が200メートルほど先にある。 

千枝「ここがチェックポイントってやつかな…」 

>地面も細かい砂になっている。あからさまに雰囲気が変わった。 

千枝「ね、ねぇ。あれ……」 

>目を凝らすと人が車座に座っているようだ。 

千枝「人、かな?」 

>わからない…… 

千枝「! こっちに気付いたみたい」 

>立ち上がってこちらを全員が見つめている。

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:05:33.26 ID:7F9RZXNa0
千枝「気づかれちゃったし、一応手を振ってみるね」 

>千枝は大きく手を振っている。 

千枝「反応ないね…」 

>とりあえず近づいていこう 

ザッザッザ 

>近づいていくと見慣れた姿が確認できた。 

りせ「せんぱぁい!」 

陽介「相棒! 里中!」 

完二「先輩!」 

雪子「千枝! 番長くん!」 

直斗「先輩!」 

堂島「おう、お前らか……」 

生田目「……」 

>知ってる人に会えるとは幸運だ。 

千枝「みんなー!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:13:54.62 ID:7F9RZXNa0
>ここに集まったのは全部で9人のようだ…… 

直斗「先輩たちだったんですね、最後の2人は」 

千枝「最後って?」 

直斗「ゲーム機に表示されたんですよ、第一CPのメッセージは9つに分割されてるって。 
    だから後2人来るんじゃないかって予想してたんです」 

>そんなこと書いてあったかな…… 

雪子「あ、それはね。あそこの岩でゲーム機に受信させればいんだ。赤外線が出てるみたい。 
   そうすれば新しいメッセージを受け取れるから」 

千枝「うえっ!?」 

>近づいてみてみると可視できるように赤色の光が灯っていた。 

>新たなメッセージを受け取る

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:18:49.66 ID:7F9RZXNa0
>受信が完了したようだ。 

『この第一CPでのみメッセージが9つに分割される』 

>直斗の言った通りのメッセージが表示された。 

千枝「あ、あのぉ……あたしゲーム機壊しちゃったんですけど……」 

生田目「なっ……!!」 

完二「え……? それって不味くないっスか?」 

直斗「困りましたね……つまりここにいる全員が9番目のメッセージを受け取れないことになる」 

りせ「どうしてそんなことしたんですか?」 

千枝「つ、ついカッっとなっちゃって……」 

雪子「ぷっ……あははははっ! ち、千枝らしいね!」 

生田目「笑いごとじゃないっ!!」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:21:28.41 ID:7F9RZXNa0
あ、時系列は直人が仲間になってしばらくあと程度の人間関係を想定 
それ以外のバックグラウンドは無視。

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:30:26.70 ID:7F9RZXNa0
>生田目議員……。千枝を険のある目で千枝を睨みつけている。 

生田目「本当に壊れているのか? 私にだけ見せないつもりで隠しているんじゃないか!?」 

千枝「そ、そんなことするはずないじゃないですか」 

生田目「さっきから見ていれば私以外全員知り合いのようだしな。 
     お前たちがグルになって私をあざ笑っているんだろう!!」 

>かなり興奮している。自分も壊れたゲーム機を確認したと告げた。 

生田目「信じられるか!! だったらその壊れたゲームを見せてみろ!!」 

>千枝。 

千枝「う、うん! これです」 

>生田目は奪い取るように千枝から壊れたゲーム機をとった。 

>しげしげと眺めた後千枝にゲーム機を突き返した。 

生田目「ふん……壊れたっていうのは本当のようだな」 

>ゲーム機を捨てないでよかった。生田目の態度が少し軟化したようだ。 

千枝「あ、ありがとね。番長くんがあそこでもってようって言ってくれたから……」 

>千枝は照れながらお礼を述べている。 

>千枝と少し仲良くなった

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:35:03.99 ID:7F9RZXNa0
生田目「とりあえず、お前の分だけでも見せてもらおうか」 

直斗「そうですね、見なければはじまりませんし」 

>どうしよう 

①素直に見せる 
②見せない 
③まず、みんなのものを見せてくれという 
>>28 

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:35:52.36 ID:PMAoGy+a0

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:40:09.93 ID:7F9RZXNa0
>まずみんなのものを見せてほしい。 

生田目「私たちが見ている間に好きなだけ見ればいいだろう」 

>条件を同じにしておきたい。それだけの理由だと告げた。 

生田目「ふん……」 

>生田目はそれ以上突っかかってこない。 

千枝「(ちゃんとゲーム機が壊れてるってわかってるからかな?)」 

>千枝が耳打ちしてきた。 

生田目「見るなら早く見てくれ! 私は早く君のものが読みたいんだ!」 

直斗「そうですね、早くしましょう。まず僕のものからどうぞ」 


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:47:31.55 ID:7F9RZXNa0
>直斗のゲーム機にメッセージが表示される。 

>要約するとこういうことらしい。 

①ここではメッセージが分割されている。よって全員で確認することが望ましい。これはスタートにおける不公平をなくすためである。 
②ゲーム機でメッセージを得る方法はここと同じ方法である。 
③このゲーム機は単三アルカリ電池を2本使用している。動作時間は10時間程度。 
④ゲーム機から電池を抜いた場合、過去のメッセージは初期化され消える。 

直斗「こんなところです。このゲームの基本情報みたいですね」 

千枝「あ、あたしどうしよう。壊しちゃった……これすっごく重要なものじゃん……」 

>千枝は青ざめている。 

直斗「それは……あとでちゃんと対策を練りましょう。まずは情報の整理からです」 

りせ「はい! 次はあたしのね!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 15:54:52.96 ID:7F9RZXNa0
>りせのゲーム機にメッセージが表示される。 

>このゲームにおける禁止事項関することが書いてある。要約するとこういうことらしい。 

①崖や岩山に上らないこと 
②ルートを大きくはずれて脱走しないこと 
②以上の事を犯したモノには重大なペナルティが科せられる。 

>これだけなのか? 

りせ「みたいですね……」 

千枝「じゃ、じゃあみんなで助けを呼ぼうよ!」 

直斗「それが禁止事項に書かれていないということは 
   おそらく救難信号を出しても無駄だということでしょう」 

千枝「そ、そんなぁ……」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:00:56.12 ID:7F9RZXNa0
生田目「ちょっとまて! なんでこいつが一緒に見てるんだよ! コイツは機械こわして迷惑かけてんだろ!」 

千枝「う、うう……」 

堂島「ちょっとお前黙っておけ」 

>先ほどから沈黙していたおじさんが口を開いた。 

生田目「な、なんなんだお前は!」 

堂島「俺は警察だ」 

生田目「うっ……ぐっ……」 

生田目「ちっ……警察ならこの状況を早く何とかしてほしいもんだ」 

>生田目は悪態をついてそっぽを向いてしまった。 

千枝「重大なペナルティってなんだろう……」 

直斗「最悪、死ぬこと、でしょうね」 

千枝「死っ……!?」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:05:02.92 ID:7F9RZXNa0
直斗「あくまで最悪の場合を想定しただけですよ」 

千枝「そ、それでも……」 

完二「今はそんなこと考えてもしょうがねぇッスよ。次は俺の番ッスね 
   って言ってももう用済みスけど」 

①第一チェックポイントのアイテムはCPから南に35mの位置、草むらの中にある。 

完二「で、そのアイテムがこれだったッス」 

>かなり雑多なアイテムが並べられていた。 

直斗「アイテムは後で公平に分配しましょう」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:13:01.21 ID:7F9RZXNa0
雪子「次は私ね。って言っても大した情報じゃないんだけど」 

①北のルート:北へ5520メートル。西へ2660メートル。南南西へ520メートル 

直斗「あとは似たような情報が続きます」 

堂島「俺のものもそうだった」 

②南のルート:南南東へ4500メートル。東へ3800メートル。東北東へ430メートル 

陽介「俺もだ」 

③東のルート:東へ2800メートル。北東へ2680メートル。南へ3200メートル 

直斗「で、最後は生田目さんのものなんですが」 

生田目「ふん」 

>ゲーム機を突きつけるように渡された。 

④西のルート:西北西へ4820メートル。西南へ3210メートル。南へ690メートル

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:21:12.55 ID:7F9RZXNa0
>ずいぶん広い場所にいるようだ。 

直斗「みたいですね」 

陽介「さ、次こそ相棒の番だぜ! なんて書いてあったんだ?」 

直斗「おそらくこの行った先の目的地かこのゲームの目的が書いてあると思うのですが――」 

雪子「何をしていいかわからなくて困っていたところに番長くんたちが来たってわけ」 

生田目「早く見せてくれっ。私は一刻も早くここから出たいんだ!」 

>みんなに表示されたメッセージを見せた。 

①サバイバルのためのアイテムを求める物は東へ 
②護身用のアイテムを求める物は西へ 
③食料を求める物は南へ 
④情報を求める物は北へ 

直斗「そういうことですか……」 

陽介「これで全部で揃ったわけだな」 

生田目「ふん……一つ欠けているがな」 

堂島「(ギロッ)」 

生田目「す、凄んだって無駄だぞ! 大切な情報が欠けてることには変わりないんだ!」 

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:29:15.20 ID:7F9RZXNa0
千枝「ご、ごめんなさい……」 

>千枝が怯えきってしまっている。 

直斗「今は責めても仕方ありません。一度情報を整理しましょう」 

直斗「今、我々はどこか不明な場所にいる。 
   地球上かもしれないし、ゲームの言うとおり火星に連れてこられたのかもしれないし、またはそのどちらでもないかもしれない」 

生田目「はっ! 何言ってるんだ。地球上のどこかに拉致されたんだよ私たちは!」 

>堂島と生田目以外、全員が肩を竦ませている。 

直斗「あらゆる可能性を上げたまでです。とにかくどこか不明な場所にいる」 

直斗「ゲームの主催者は不明。またゲームの開催される目的も不明」 

生田目「はん! 不明不明で全く役に立たないな!」 

堂島・完二「(ギロッ)」 

直斗「続けますよ。また僕たちがここに集められた方法も不明 
   気づいたらここにいた。先輩たちには確認をとっていませんが他のみんなはそう言っています」 

>自分たちも同じだと告げた。 

直斗「やはりそうですか」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:38:03.87 ID:7F9RZXNa0
直斗「先ほど生田目さんがおっしゃったように不明な点が多すぎます」 

直斗「でも、ボクはある確信があるといってもいい」 

直斗「みなさんならわかるはずです。この状況、似てると思いませんか?」 

>生田目と堂島以外頷く。 

堂島「どういうことだ?」 

直斗「この状況、そっくりなんですよ。今回の連続誘拐事件に」 

陽介「ようするにここはマヨナカテレビの中って訳か」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:46:31.82 ID:7F9RZXNa0
直斗「ええ。そう考えれば説明がつくんです」 

直斗「ここは誰かの心象が具現化した場所」 

雪子「だからこんなにも変な風景なのね……」 

>だが、ペルソナが出ないことを告げた。 

直斗「……! 本当ですか?」 

ペルソナァ! ペルソナァ! ペルソナァ! ペルソナァ! 

千枝「ホントだ……でない」 

直斗「ふむ……」 

完二「じゃあここはマヨナカテレビのなかじゃないってことッスか?」 

直斗「……とりあえず保留にしておきましょう」 

りせ「じゃあ、これからどうするの? ゲームの指示通りに動く?」 

雪子「そうね……ここにいつまでいても事態は好転しないだろうし」 

直斗「では、しばらくこの画面に従って動くということでいいですか?」 

>どうしようか 
①素直にゲーム機に従う 
②そんなもの無視して脱出の手段を探すべきだと提案する

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:46:47.64 ID:7F9RZXNa0
安価忘れた>>46

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:47:29.71 ID:HWeiXD8e0
安価先指定した方がいいんじゃね 

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:52:13.40 ID:7F9RZXNa0
>ああゲーム機に従っておこう。 

直斗「そうですか。みなさんもそれでいいですか」 

>全員頷いた。 

直斗「どちらにせよ、ゲームの目的はともかく、僕たちの目的は統一しておいた方がいいですね」 

千枝「ゲームをクリアする以外に?」 

直斗「それがすでに術中である気がします。僕たちの目的はあくまで生きてここから脱出することです」 

直斗「その目的を忘れないでください」 

生田目「ふん……」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 16:55:31.89 ID:7F9RZXNa0
陽介「でも、賞金ってもの少し気になるよな……」 

完二「先輩!」 

陽介「ち、ちげぇよ! そういう意味じゃねーよ!」 

りせ「じゃあどういうことですか?」 

陽介「賞金があるってことはそれなりに金を持っているんだろうし。 
    こんな目にあわされてるんだから、ぶんどってやろうかなって」 

千枝「それ強盗だよ?」 

陽介「うっ……ぐっ……!!」 

直斗「……賞金のことは忘れましょう。この場を混乱させるだけです」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:04:04.65 ID:7F9RZXNa0
千枝「ね、ねえ。ひとつ思ったんだけどいい?」 

直斗「なんですか?」 

千枝「ここが、マヨナカテレビって前提で話すけど…… 
   もしかしてこの中の誰かのシャドウがこれ作ってるってことはないかな……?」 

>どういうことだ? 

千枝「マヨナカテレビがどういう構造でああいうのを作っているかわからないけど 
    もしダンジョンにペルソナを出せない、みたいな効果をつけることができるとしたらことができるとしたら……」 

直斗「ペルソナの存在を知っていることが前提になると……」 

千枝「も、もしかしたらだよ? かなり当てズッポーというかみんなのシャドウがもういるわけないのも知ってるけど……」 

直斗「あり得るかもしれませんね。シャドウはある種僕たちの思念ですから。 
    残留思念として分裂し、どこかに残っていることも……」 

直斗「それも可能性としてとどめておきましょう」 

陽介「今はアイテムの収拾が先決だな。どこ行くか決めようぜ」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:05:17.65 ID:7F9RZXNa0
>千枝「マヨナカテレビがどういう構造でああいうのを作っているかわからないけど 
>    もしダンジョンにペルソナを出せない、みたいな効果をつけることができるとしたら……」 

こんな感じで

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:16:44.10 ID:7F9RZXNa0
生田目「さっきからお前たち何言ってるんだよ! 私にもわかるように話してくれ!」 

堂島「それは俺も同意する。お前たちはさっきから何を言ってるんだ?」 

直斗「仮定の上に仮定を塗りつけているような話なので今は話さないでおいていいですか? 
   無用な混乱は避けたいので。僕たちもさっぱりわかっていないというのが本当のところです」 

堂島「…………そうか」 

>納得はしていないようだが引き下がってくれた。 

直斗「では、どこに行くか決めましょうか」 

>東西南北、4つのルートが示されている… 

雪子「私はサバイバル用品を取りに行くわ」 

りせ「あたしは……先輩と一緒のところに行きたいけど……一応護身用にしておこっかな」 

生田目「私は食糧をとりに行く」 

堂島「なら、俺もコイツについていく。何をするかわからんからな」 

生田目「ぐっ……」 

陽介「じゃあ俺も食糧について行こうかな」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:23:56.28 ID:7F9RZXNa0
完二「俺は……」 チラ 

直斗「? どうしたんですか?」 

完二「な、なんでもねぇ! 護身用の武器をとりに行く! ペルソナも出せないんじゃ武器のひとつもなけりゃ不安だからな」 

千枝「あたしは……情報にしようかな。誰も行かないみたいだし」 

千枝「直斗くんは? どうするの?」 

直斗「一番少ないところについて行こうと思います。 
   ですから、サバイバルか情報ですね」 

直斗「先輩はどうしますか? 先輩次第で僕も決めます」 

>どうしようか。 
①雪子と一緒にサバイバルアイテムをとりに東へ向かう 
②りせと完二と一緒に護身用の武器をとりに西へ向かう 
③生田目、堂島、陽介と一緒に食料をとりに南へ向かう 
④千枝と一緒に情報をとりに北へ向かう 

>>58

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:24:59.27 ID:PMAoGy+a0
④かな

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:32:36.90 ID:7F9RZXNa0
>千枝と一緒に情報をとりに行こう。 

千枝「ほんとっ! 番長くんがいてくれるなら百人力だね!」 

直斗「北のルートですね。では僕は東のルートへ向かいます」 

直斗「各自アイテムを集めて再びここに戻ってくる、ということで」 

直斗「では、頑張りましょう。みなさんお気をつけて」 

陽介「よし、行きますか! 2人には行きがてら俺からマヨナカテレビのこと話しておくからな」 

千枝「頼んだからね」 

雪子「よろしくね」 

陽介「おう、任せとけ」 

ザッザッザ…… 

りせ「あたしたちも行きましょう」 

完二「おう」 

ザッザッザ…… 

直斗「僕たちも急ぎましょうか」 

雪子「そうね」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:38:40.00 ID:7F9RZXNa0
千枝「じゃあ、あたしたちもいこっか」 

>ああ 

ザッザッザッ…… 

>しばらく無言で歩いていく 

千枝「ほ、ほんとはね、1人だったらすっごく不安だったんだ。ありがと番長くん……」 

>千枝と少し仲良くなった 

千枝「そういえば、あたしひとつ思ったんだけど……」 

>なんだろう 

千枝「さっきは、ゲームの主催者が誰かのシャドウかもしれないっていったけど……」 

千枝「本当はあの中にシャドウがいるんじゃないかって思ってるんだ」 

>どういうことだ? 

千枝「なんとなく。なんとなくだけど雰囲気が違うと思うの。 
   こんな状況だからみんないつもと違うのかもしれないけど……でも……」 

>なんて言おう >>64 
①仲間を疑うなんて 
②可能性として考えないといけないな 
③そうに違いないな! 
④できる限りそういうことは考えたくない

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:39:44.34 ID:4l5av/Cg0

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:46:17.12 ID:7F9RZXNa0
>可能性として考えておかないといけないな。 

千枝「う、うん。そうだよね」 

>だけど、自分がもしシャドウならどうするつもりだったんだ? 

千枝「番長くんはね……たぶん大丈夫だと思ったんだ。これもなんとなくだけどね」 

>千枝は頬を赤らめている 
>千枝と少し仲良くなった 

千枝「え、えっと……あ、そうだ! さっき第一CPで分けたアイテムを確認しておこっかな!」 

>千枝は慌てて荷物をあさりだした。

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 17:55:09.38 ID:7F9RZXNa0
食糧:ピーナッツチョコレートバー、ミネラルウォーター1?がそれぞれに一つずつ 
雑品:ボールペン、メモ帳、コンパス、万歩計、デイパック各種薬、つばのついた帽子 

千枝「食料が乏しいね……」 

千枝「でも、1人一個ずつ用意されてたからよかった。争うこともなかったし」 

千枝「ん、よし。取りこぼしも無し! 先をいそごっか」 

>そうだな。 

>また黙々と歩いていく……

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 18:00:26.67 ID:7F9RZXNa0
――― 
【サバイバル組】 

雪子「ホントここがどこかわからないね」 

直斗「仕方ありません。誰もどうやってここに来たか覚えてないのですから」 

雪子「……さっき千枝がこの中の誰かのシャドウが主催してるって言ってたわよね?」 

直斗「あくまで可能性ですけどね」 

雪子「私、この中にその主催者が紛れ込んでる気がするの」 

直斗「つまり、僕たちの中に犯人がいると?」 

雪子「そう私たちの中に1人だけシャドウがいる。なんとなくだけど」 

直斗「……それも可能性として考える必要がありそうですね。今は先を急ぎましょう」 

雪子「ええ。だからアイテムをとった後――」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 18:05:26.99 ID:7F9RZXNa0
―― 
【武器組】 

りせ「あーあ、先輩といきたかったなぁ」 

完二「俺じゃ不満かよ」 

りせ「そうは言ってないじゃない」 

完二「俺だって……」 

りせ「俺だって?」 

完二「な、なんでもねぇ!」 

りせ「まあいいわ。ところで、どう思う? 今回のこと」 

完二「犯人見つけてぶん殴る」 

りせ「そういうことじゃなくて! さっき先輩たちが言ってたこと間違ってないと思う」 

完二「俺たちの誰かのシャドウがこのゲームを開催してるって? バカバカしいぜ」 

りせ「違う……こう何か見えない不安みたいなものが常に付きまとってる気がするの 
   だから何か対策しなくちゃ」 

完二「? なにを言いたいんだ?」 

りせ「切り札、保障がほしいって話。だから――」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 18:11:04.74 ID:7F9RZXNa0
―― 
【食糧組】 

陽介「ってことです」 

堂島「俄かには信じがたいな……」 

生田目「あ、ああ……そ、そうだな……」 

陽介「もしかしたらの話ですけどね。 
    俺の話は信じられなくても今目の前で起こっていることは信じられるでしょう?」 

堂島「まあ、なぁ」 

生田目「だ、だったら! 本当にシャドウってやつが取り仕切ってる可能性も!」 

陽介「あると思います」 

生田目「なら、お前たちの中にシャドウが紛れ込んでる可能性だってあるだろう!?」 

陽介「それは……」 

堂島「無いとは言い切れんな」 

陽介「そんな! 相棒……自分の甥まで疑うんですか!?」 

堂島「……警察は疑うことが仕事だ」 

生田目「だったら、不用意に取ってきたものをアイツらに晒すわけにはいかない! 
     だから――」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 18:15:36.98 ID:7F9RZXNa0
―― 

>ようやく第2CPにたどり着いたようだ。 

千枝「ねえ! あれ!」 

>千枝は岩陰に光るものを見つけてとんで行った。 

千枝「番長くん! ここで当たりみたいだよ!」 

>ゲーム機をかざそう。 

チャララララ~♪ 

『北のルート。第二CPへようこそ。ここでは情報が与えられる』

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 18:23:54.66 ID:7F9RZXNa0
>文字が画面に表示されていく 

①ゲームの舞台は、もともとは火星に設定されている。 
 だが君たちが実際にいるところは地球であって地球でないところだ。 
 ここに再現されている場所はオーストラリア、バングル・バングル国立公園の中である。 

②ここはいわゆる異次元である。テレビの中といった方が分かりがいいだろう。 
 ゲームを放りだし逃げ出した場合無限に近い世界を彷徨うことになる。 
  また戻ってきた場合ペナルティもあるため逃げ出すことはオススメはしない。 

千枝「ふざけてる……でも、やっぱりここマヨナカテレビの中なんだ」 

>次のメッセージを表示しよう。

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 18:29:39.29 ID:7F9RZXNa0
③この空間は基本的に外界から隔絶されている。 

④第2CPのアイテムはここから南へ40メートル進んだ平らな岩の下にある。 

>これでメッセージは終わりのようだ。 

千枝「全然役に立たない情報ばかりだったね……」 

千枝「でもアイテムはちゃんととってもって帰らなきゃ!」 

>千枝と情報が示してあった場所へ向かった。 

千枝「あ、これかな?」 

>そこだけわざとらしく岩が置いてあった。 

千枝「ん……しょ! なんか包みが出てきたね」 

千枝「ん~、これ、新しいゲームカセットだ!」 

>どこかで見たようなキャラクターがプリントされている 

千枝「とりあえず、新しい情報かもしれないからつけてみよ」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 18:37:12.33 ID:7F9RZXNa0
>カセットを変え電源をオンにした。 

チャラララ~♪ 

>これは…… 

千枝「く、クマくん!?」 

クマ『やあ、クマはクマクマ。よろしくクマ』 

クマ『食べ物や武器に目がいかずこっちにくるなんて偉いクマね~。 
   クマだったら食べ物の方に言っちゃうと思うクマ』 

クマ『ここは敬意を表してセンセイと呼ぶクマよ』 

千枝「いつもの、クマくんだよね?」 

>もう少し注意深く聞いてみよう。

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 18:44:37.63 ID:7F9RZXNa0
クマ『そんなセンセイには特別に貴重な情報をたっぷり教えちゃうクマよ』 

クマ『まずは相性診断をしてあげるクマ~』 

千枝「相性診断? 何のことだろう?」 

クマ『多分全員で同じものを取りに行くなんてことはしてないと思うクマ』 

クマ『だからいろんなアイテムをとりに行ったチームとセンセイの相性を教えるクマー』 

クマ『もし全員で行動するなんて非効率的なことしてたらこれは役に立たないクマ。ごめんクマ~』 

千枝「じゃあ一応、役に立つってことなのかな……?」 

クマ『じゃあまずはサバイバルアイテムをとりに行ったチームクマ。 
   なかなか現実主義者クマね。組むならここと組んだ方がいいクマ。 
   ただいつまでも慣れ合ってるわけにはいかないクマからちゃんと自分から見切りをつけるクマよ』 

千枝「なんか、このクマくん……変だね」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 18:51:26.74 ID:7F9RZXNa0
クマ『次に武器を選んだ人たち。この人たちは要注意クマー。血気盛んすぎクマ。 
   最後が戦いになるってわかってる連中クマね』 

千枝「りせちゃんと完二くん? でも……そんなのって」 

クマ『最後に食料を選んだ連中クマ。こいつらには近づかない方がいいクマ~。 
   なんでかはまだ言えないクマ。でも中盤以降は絶対に近づかない方がいいクマ。 
   あとで渡すアイテム一覧を見てよく考えるクマ』 

千枝「何言ってるのこのクマくん! 生田目さんは置いといて食糧って花村や番長くんのおじさんじゃん! 
    すっごく不愉快」 

>とりあえず落ち着いて。今は情報収集に専念しよう。 

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 19:01:59.53 ID:7F9RZXNa0
クマ『続いてはクマのサバイバル教室クマ~』 

クマ『センセイなら知ってるかもしれないけど一応おさらいするクマ』 

クマ『サバイバルで重要な順番は水、シェルター、暖、食糧クマ 
   ここでは水と暖はあまり重要じゃないクマ。水は降ってる雨でも飲むクマよ』 

千枝「イチイチ腹が立つように喋ってない? このクマくん」 

クマ『暖も雨季のオーストラリアクマ。凍死することはないクマよ、たぶん』 

クマ『食べられる食料はまとめておいたからあとで見ておいてクマ。 
   あ、そこに紹介してないもの食べておなか壊してもクマは責任取れないクマよ~』 

千枝「……」 

クマ『あ、猛毒のものもあるクマ。それを食べてもクマは責任取らないクマ~』 

千枝「あーもう!」 

クマ『動物も豊富クマからそっちをメインに食べることをお勧めするクマ。 
   昆虫とかもおいしいクマよ。ただ毒を持っているのもいるクマ。あとでリストを送るから確認するクマ』 

クマ『動物の取り方は次のCPについてから教えるクマ。調理方法も大サービスで教えちゃうクマよ』 

クマ『今回はこれくらいクマ。頑張って次のチェックポイントへ行くクマ~』 

千枝「あ。クマくん消えちゃった……その代りに何か表が出てきたね」 

>きっとさっき言っていた。アイテムリストと動物図鑑だろう

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 19:11:21.23 ID:7F9RZXNa0
千枝「もうっ! なんだったの!? あのクマくん!」 

>きっとプログラムだから憤っても仕方ない。 

千枝「プログラム……? あ、ああ、そっか。そうだよね」 

>今はこのリストを確認しよう 

千枝「えっと……うわ、結構あるね」 

>どうやら79品目あるらしい。 

千枝「取得個数とかも全部描いてあるね。スイス・アーミー・ナイフは2本…… 
   ねえ、番長くん。この重要度って何だろう」 

>すべてのアイテムにAAA+~Cまで割り振られている。 

千枝「単純に考えたら生き残るために必要なものなんだろうけど―― 
    スネークバイトキット、毒蛇にかまれた時の救急セットがCっておかしくない?」 

>あくまで応急セットで噛まれたら助からないという意味だろう。 

千枝「あ、そっか……病院にすぐにいかないと意味がないってことね」 

千枝「ん? こ、コ    なんて用意されてる……え、A? 高すぎない?」 

>水袋とかに使えるんだろう。避妊具としての評価ではないはずだ。 

千枝「そ、そうだよね! そうにきまってるよね! わ、わかってたよ? アハハ……」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 19:18:33.27 ID:7F9RZXNa0
千枝「それにしても、カエルに、蛇に、トカゲ……」 

千枝「フツーの日本人に食べられるわけないモノばっかりっ! 間違いなくおなか壊すじゃん!」 

>情報から考えると、1日2日で脱出できる見込みは薄そうだ。覚悟しておいた方がいい。 

千枝「え、ええ~……サバイバルしなきゃいけないの?」 

千枝「う~ん……みんなでさっさと出たいなぁ……」 

>こっちは武器のリストだ。 

千枝「うわ、結構エグイものいっぱいあるねぇ……ってこれ――」 

千枝「どうみても、対人用のものが多いよね?」 

>スリングショット、飛び出しナイフ、特殊警棒、催涙スプレー、改造スタンガン―― 

千枝「このゲームの主催者はあたしたちに殺し合いをしてほしいわけ?」 

>そう受け取れる。 

千枝「……気分悪い」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 19:26:38.04 ID:7F9RZXNa0
千枝「このドクロのマーク何かな? 罠?」 

>食べてはいけないもの。そう考えられるだろう。 

千枝「ビールとFSビスケット……FSってなん略だろ」 

千枝「ふーん……でもビールならあたしたちの中で飲む人は――」 

>おじさんと生田目がいる。 

千枝「うわ、そうだった……」 

千枝「警告しなきゃダメだね」 

>ああ。

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 19:33:58.19 ID:7F9RZXNa0
>戻ろう。 

千枝「うん。あ、番長くん、1ついいかな?」 

>なんだろう 

千枝「もしかしたらあたしたちの中にシャドウがいるかもしれないって話したよね?」 

>それが? 

千枝「あたしたちの持ってる情報を全部晒すのは危険だと思うんだ。 
    だから情報は小出しにして、信頼できるようになったらおしえていくっていうふうにしたいんだけど」 

千枝「あたしたちは何がもってこられるかこれで知ってる」 

千枝「だからもしシャドウがいるところはアイテムを隠しているかもしれない」 

千枝「だからそのチームには近づかない方が」 

>でもそんなことしたら他の人たちも危険にさらされる。 

千枝「そうだけど……」 

>千枝の様子がおかしい。だけど言い分は分かる。 
>どうしよう 

①全ての情報をさらす 
②全ての情報を隠す 
③千枝の言うとおりに全部は情報をさらさない 
>>87

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 19:35:32.11 ID:cXk6fUsF0
1

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 19:41:07.54 ID:7F9RZXNa0
>やはりすべての情報をさらそう。 

千枝「でも! そんなことをしたらあたしたちの武器は何もなくなっちゃうんだよ?」 

>千枝も一歩も引く気がないようだ……。 
>仲違いしても仕方がない。 

>戻ったときに自分たちは最後に報告すればいい。そこで判断しよう。 
>だが基本すべての情報を教えるつもりでいてほしい。やはりみんなを危険にさらすことはできない。 

千枝「そう、わかった……」 

>でも、警告してくれてありがとう。 

千枝「え? あ……ううん。だって番長くんのためだもん……」 

>千枝と少し仲良くなった。 

千枝「じゃあもどろっか。もうすぐ日が落ちちゃう」 

>ああ。

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 19:54:27.72 ID:7F9RZXNa0
―― 

直斗「ああ、戻ってきたみたいですね」 

千枝「あたしたちが最後なんだ」 

直斗「ええ。みなさん無事に戻ってきたようで何よりです。 
   では報告会を始めましょう」 

>少し疲れたから俺たちの報告は最後でいいか尋ねた。 

直斗「……ええ。構いません」 

直斗「では、僕たちから報告します」 

直斗「僕たちはサバイバルアイテムでしたね。 
   スイス・アーミー・ナイフが1本、ライフツール――磁石、ナイフ栓抜き缶切り、そういったものになります。 
   これが2枚です」 

>……! これは。 

千枝「(番長くん! これって……)」 

>自分たちが得た情報と違う。 

千枝「(やっぱり全部の情報をさらすのは危険だって!)」 

>情報が間違っている可能性もある。ゲーム主催者が疑心暗鬼をあおるために。 

千枝「(それは……)」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 20:04:51.45 ID:7F9RZXNa0
千枝「(でもここまで誤差が出る?)」 

>直斗が報告した中にはリストにはあったが存在すら抹消されたももあった。 

直斗「と、こんなところです」 

陽介「じゃあ次は俺らだな! 俺らがとってきた食料はこんな感じだ」 

千枝「けっこうあるわね……」 

陽介「おう3人で行って正解だったぜ。1人2人じゃ無理な量だった」 

千枝「(あの罠って書いてあったビールとFSビスケットってやつがないわね)」 

>またしても情報と違う……どういうことだろう 

陽介「あ、ビールもあったんだけどよ。おっさん達が子供の飲むもんじゃないって取り上げられちまった」 

千枝「ちょ、ちょっと! 飲んでるじゃないでしょうね!」 

陽介「さあ……俺も知らないし」 

堂島「安心しろ、こんな時に酔っぱらうほど馬鹿じゃない」 

生田目「酔わなきゃやってらんねぇぜ」 

>飲まないように警告しなければ

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 20:19:31.00 ID:7F9RZXNa0
千枝「(よく見たらやっぱり少しずつ全部の食糧が情報と違う)」 

>くそ……何が本当なのかわからない。 

完二「じゃあ最後は俺たちッスね」 

>これは……明らかに情報と比べて足りなさ過ぎる 

りせ「ごめんなさい。あまり大したものなかったの」 

>ボウガン、スリングショット、山刀…… 

千枝「(ねえ、番長くん! やっぱり全部の情報をさらすのは危険だよ!)」 

千枝「(もしここで全部の情報をさらして、『言いがかりだって』逆上される可能性もあるんだよ?)」 

千枝「(情報をさらしたら全体が確実に疑心暗鬼になる。それぞれが追及を始める。一気に関係が崩壊しちゃうんだよ?)」 

>だけど…… 

どうしよう。 
①それでも情報を打ち明ける 
②情報を小出しにする 
>>98

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 20:20:49.33 ID:jXhrOzgNO

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 21:33:27.36 ID:7F9RZXNa0
よし書く

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 21:42:49.23 ID:7F9RZXNa0
>情報をすべて打ち明けよう。 

千枝「番長くん!!」 

直斗「ど、どうしました里中先輩? 急に大きな声を上げて」 

>千枝が鬼気迫る表情でこちらを睨みつけている。 

千枝「番長くん、あたしがみんなに説明する。それでいいでしょ?」 

>ここで断る勇気はない。 

千枝「あたしたちが得た情報は、ここがまずマヨナカテレビの中だってこと」 

直斗「やはり……」 

完二「だったら出口探してさっさと出ましょうよ」 

千枝「まずこれを見て」 

りせ「先輩のゲーム機ですか?」 

千枝「とりあえずここに書いてあることを読んでほしいの」 

>みんながゲーム機を覗きこんでいる。 

直斗「なるほど……脱出は難しそうですね」 

千枝「そういうこと」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 21:50:08.85 ID:7F9RZXNa0
雪子「ねえ千枝」 

千枝「何?」 

雪子「この第2CPのアイテムってなんだったの?」 

千枝「それは、これ。蠅除けネット」 

雪子「2つだけね……」 

生田目「でもおかしくないか? 情報なのに他のルートと同じようなアイテムとそんな些末なものだけ」 

直斗「そうですね……情報というからにはもっと情報が得られても良さそうなんですが……」 

生田目「隠し立てすると、ためにならないぞ!!」 

千枝「……待ってよ。焦らないでください」 

陽介「なんだ? まだあるのか?」 

千枝「……ええ、番長くん。ちょっとバッグあさるね」 

>……千枝が紙切れを数枚取り出した。何か走り書きがしてある。いつ書いたのだろう。 

直斗「これは?」 

千枝「そのアイテムを掘り出した後、『この情報は端末に残らないから気を付けるように』って画面に写ったの。 
   危険なアイテムの警告と、この大地で採れる食料の一部らしいわ」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 21:58:40.63 ID:7F9RZXNa0
千枝「もってこられる食糧アイテムの中には罠が仕掛けられているらしいの」 

千枝「それが、ビールとFSビスケット…… 
   ビスケットはこうしてみる分にはないみたいだけど、もし見つけても食べない方がいいと思う」 

陽介「たっ、たた、食べたらどうなるんだ?」 

>陽介が動揺している。 

千枝「……わからない。 
   そこまでは教えてくれなかった。私たちが見たのはアイテムの名前とドクロマーク、そして罠って単語だけ」 

千枝「おそらく、即効性の毒だと思う……ビスケットにしこめるものなんて大したものじゃないだろうし」 

直斗「そうでしょうね……罠というのならそれくらいしなければ意味はない」 

陽介「ど、毒か……即効性ね……」 

堂島「……」 

生田目「……」 

千枝「あとは食べられる木の実と、動物、食べられないモノ……みんなも目を通しておいて」 

直斗「そのほうがよさそうです」 

>みんなが紙に書かれたことを映している。

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 22:06:12.36 ID:7F9RZXNa0
雪子「この、最初に配られたものがFSビスケットってことはないわよね?」 

直斗「ビスケットというにはあまりに形状が違いすぎます。おそらく違うでしょう」 

りせ「千枝先輩」 

千枝「なに?」 

りせ「……本当に情報はこれだけですか?」 

千枝「どういうこと?」 

りせ「……いえ、こうしてみると恐ろしいものがいっぱいあるみたいだったから…… 
   あたし思ってる以上に情報は命に関わるみたいなので……」 

直斗「僕もそう思います。他に何か知っていることはありませんか?」 

千枝「残念ながら、そこに書かれていることと、さっきの端末で見せたのが全部」 

りせ「……そうですか」 

直斗「ふむ。思った以上に収穫がありましたね。 
   また情報を整理してみたいと思います」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 22:17:49.96 ID:7F9RZXNa0
直斗「ひとつはっきりしたのが、このゲームの主催者は短期間で僕たちをここから出す気はないみたいです」 

生田目「はぁ!? どういうことだ?」 

直斗「ここに用意された道具、野生のモノを得るための情報…… 
   両方ともこの食料が尽きてからもここで生きるための方法です。 
   これらが示唆していることは僕らにサバイバル生活を強いているのでしょう」 

りせ「うえええ……」 

直斗「ただ、もう一度確認しますが僕たちの目的は『ここで生きること』ではありません。 
   『ここを生きて脱出すること』です。目的はくれぐれも失わないようにしてください」 

雪子「……そうね」 

直斗「脱出は無謀のようです。だからここは不本意ですが、このCPを辿っていくしかないでしょう」 

完二「でもどうすんだ? 4つもルートがあるぜ?」 

直斗「僕たちに与えられた選択肢は2つ。 
    ひとつは、先ほどと同じようにバラバラに出口を探し最終的に合流する。 
    もう一つは、全員一緒に行動する」 

直斗「どちらをとっても『最終的に全員で脱出する』ということには変わりはありません」 

直斗「どうしますか?」 

>どうしようか >>129 
①全員一緒に行動する 
②あえてばらばらに行動する

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 22:22:59.34 ID:IxpNqexQ0

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 22:32:23.73 ID:7F9RZXNa0
>全員で行動しよう。 

直斗「先輩は全員で、ですか?」 

生田目「私は反対だ。お前らとなんか一緒に行けるかよ」 

生田目「1人でこっちのルートに行く」 

堂島「ダメだ。お前を1人にっせるわけにはいかない」 

生田目「知るか」 

>生田目は行ってしまった。 

堂島「ちっ」 

>堂島もそれを追いかけていってしまった。 

陽介「くそっ! いい大人が何やってるんだよ! 俺連れ戻してくる!」 

>陽介も行ってしまった。 

りせ「もー何やってるのよ……」 

直斗「戻ってきたらアイテムの分配を済ませてしまいましょう」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 22:42:30.20 ID:7F9RZXNa0
>しばらくの後、生田目が戻ってきた。しかし様子がおかしい。 

雪子「酒くさ……これって……まさか!」 

生田目「うるせぇ! 飲んで何が悪いんだ!」 

完二「馬鹿野郎! それには毒が!」 

生田目「入ってねーよ! そんなもん!」 グビグビ 

生田目「だってなぁ……」 

堂島「生田目ッ!! いい加減にしろッ!!」 

生田目「わ、わかったよ……」 

りせ「でも、本当に毒は入ってないみたいね。 
   これだけ飲んで生きてるんだもの。ちょっと酔いすぎな気もするけど」 

生田目「まだ3本目だ! 酔ってるわけねぇだろ!」 

千枝「酔ってるね……でもこんな状況で精神的に疲れてるだろうししょうがないのかも」 

直斗「アイテム分配を済ませてしまいましょう。 
   ドラフト形式……ほしいものを上げてかぶったらくじということで、いいですか?」 

>だれも異論はないようだ。 

>アイテム分配は滞りなく進んだ。

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 22:53:03.74 ID:7F9RZXNa0
直斗「とりあえず、個人でもつ分ということで分配しました」 

直斗「個人で動くにせよ、集団で動くにせよ、それぞれちゃんと保管してください」 

完二「で、結局どうすんだ? あのおっさん完全に酔いつぶれちまってるぜ」 

>生田目は気持ちよさそうに眠っている。 

直斗「……アイテム分配には参加していたのでよしとしましょう」 

りせ「あたしは少なくともこの人と一緒に行動したくない」 

>りせ… 

りせ「だって、集団の輪乱してばっかりだもの。 
   この人がいるならあたしは一人の方がいい」 

完二「俺もそう思うぜ。こいつといると進むもんも進みやしねぇ」 

直斗「ふむ……困りましたね」 

雪子「さっきのチームごとにバラバラに行動する?」 

直斗「……それが一番リスクが少ない気がしますが」 

直斗「先輩はどうですか?」 

>どうしよう。 >>137 
①それでも一緒に行こうという。 
②バラバラに行動しようという。

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 22:55:20.63 ID:JgmJUeq9O

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 23:04:21.99 ID:7F9RZXNa0
>バラバラに行動しよう。 

直斗「先ほどと意見変えたんですね」 

>ここまで、反対されてはな。 

直斗「そうですか……では、先ほどのチームで動くということで」 

陽介「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 俺コイツのお守かよ!」 

千枝「あ……」 

堂島「……こいつは俺が何とかする。お前は好きなところに行っていいぞ」 

陽介「そ、そうですか?」 

陽介「え、えっとじゃあ……」 

>陽介がどこかに入りたそうにしている。 

>どうしよう。 
①このチームに来いと誘う 
②視線をそらして拒否の姿勢を貫く 
③今のまま行けという 
>>140 

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 23:05:54.71 ID:4l5av/Cg0

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 23:14:04.55 ID:7F9RZXNa0
>陽介、俺たちと一緒に行かないか? 

陽介「ほ、本当か! 相棒、助かるぜ!」 

千枝「むー……」 

>なぜか千枝が不機嫌そうだ… 

直斗「では、今日はもう遅いので寝ましょう」 

>なぜかみんなすっきりしない表情のまま夜は更けていった。

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 23:38:41.32 ID:7F9RZXNa0
>朝だ。 

直斗「おはようございます」 

>おはよう 

直斗「他の皆さんももう起きていますよ」 

生田目「うー気分わりー……」 

堂島「……酒弱いのに飲むからだ」 

生田目「……こんな弱くないはずなのになぁ」 

陽介「おっさんは、二日酔いみたいだな」 

りせ「昨日あの程度じゃ酔わないとか言ってたくせに……」 

>あっちは堂島さんに任せよう 

陽介「それにしても腹減ったなぁ……。 
    残りのカロリーメイトみてーなやつでも喰うか」 

>貪るように陽介は食べている。 

直斗「では、最終CPまで行ったらここに戻ってくることにしましょう」 

直斗「そこで、どんな様子かまた情報を統合します」 

直斗「では、みなさんの幸運を祈っています」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 23:47:50.94 ID:7F9RZXNa0
雪子「じゃあね、千枝。またここで」 

千枝「うん、雪子も気を付けて」 

>直斗と雪子は東のルートに消えていった。 

りせ「じゃああたしたちもいこっか」 

完二「そうだな」 

りせ「じゃあね! またここで会いましょ、先輩!」 

>りせと完二も西のルートへ消えていった。 

堂島「俺たちは、こいつの体調がよくなり次第出発する。 
    だから先に出発してくれ」 

>そうします。 

千枝「じゃあ、いこっか。番長くん」 

陽介「腹膨れないなぁ……」 

千枝「花村、もうちょっと計画的に食べなよ」 

陽介「だってなぁ……」 

>行こう。

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 23:57:15.10 ID:7F9RZXNa0
>北のルートを進んでいく。 

陽介「やっぱりどこも同じような景色なんだな」 

陽介「……しかし、腹減ったな」 

千枝「まだ言ってるの?」 

陽介「し、仕方ないだろ!」 

>千枝、陽介、あそこ。 

千枝「どうしたの? あっ!」 

>バオバブの木だ。 

千枝「ここ最初通ったとき気づかなかったのになぁ」 

>情報の力は偉大だ。 

陽介「とにかく飯にしようぜ! 腹が減ってしょうがないぜ」 

千枝「ったく」 

>バオバブの実を取れる限りもいだ。 


161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 00:06:09.31 ID:UJca8pZR0
陽介「意外とイケるぜ、これ」ムグモグ 

千枝「だから花村! 計画的に食べなって!」 

>陽介は何かに憑りつかれた様にバオバブの実を食べている。 

>何か違和感を感じる。 

千枝「あ、番長くんもやっぱり感じる?」 

陽介「なにふぁ?」ムグムグ 

>誰かに見られている気がする。 

千枝「うん……」 

陽介「そうかぁ」 

>気のせいだと思いたいが、気を許すのは良くないだろう 

>そろそろ、第3CPの近くだ

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 00:11:40.77 ID:UJca8pZR0
千枝「あ、あったあった!」 

>千枝が第3CPの赤外線受信ポイントを見つけたらしい 

>ゲーム機をかざした。 

『カセットを変えてください』 

陽介「カセットを変えろ? そんなもんもってないぜ?」 

千枝「……」 

>千枝は難しい顔で何かを考えている。 

陽介「どうすんだよこれ……」 

千枝「花村。今だから聞いておくね」 

陽介「な、なんだよ。そんな改まって」 

千枝「あたしたちに隠してること、ない?」 

陽介「ね、ねーよ! なんなんだよいきなり!」 

千枝「嘘」 

陽介「な、何を根拠に」 

千枝「だってあたし達も隠しゴトしてたから。花村達……ううん。あそこにいた全員が嘘ついてたこと知ってるの」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 00:20:01.10 ID:UJca8pZR0
陽介「は? どういうことだよ?」 

>千枝は何を言うつもりだろう? 

千枝「あたしたちが得た情報は、あれだけじゃなかったって言ってるの」 

陽介「里中……てめぇ」 

>険悪なムードが広がる。 

千枝「でもね。あたしたちが嘘を吐いたのはあそこにいるみんなが嘘をついてたから」 

陽介「……何でそんなことがわかるんだよ」 

千枝「あたしたちが得た情報はね、この大陸の動物と植物のリスト。 
   そして全アイテムリストとその個数の記録されていたデータ」 

陽介「……は?」 

千枝「だから、あそこに出されていたアイテムが全然足りてないことを知っていたの」 

陽介「……」 

千枝「これであたしたちは知ってることを全部話した。 
    もう一度聞くよ、花村。あたしたちに何か隠してることない?」 

陽介「……わーったよ。話すよ。話す」

173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 00:34:01.39 ID:UJca8pZR0
陽介「俺たちは食糧をとりに行ったのは知ってるよな?」 

千枝「うん」 

陽介「そこでゲーム機をかざしたら食料のリストとその説明文が出てきたんだ」 

陽介「でも、そこに書いてるのは当然知ってるようなことばっかりでさ。 
   まー無視したわけさ」 

陽介「で、そこで生田目のおっさんが言ったんだ」 

生田目『あの中にシャドウがいるかもしれない。だったら食料のすべてをさらすのは危険だ』 

陽介「ってな。だから、第1CPにいくつか置いていったんだ」 

>だから足りなかったのか……。 

千枝「あの、FSビスケットは? 食糧のところにあったの?」 

陽介「……あった。ほら、これだ」 

>陽介がバッグから取り出した。100枚程度だろう。 

千枝「データによると450枚だけど……残りはどうしたの?」 

陽介「3人で分けたんだよ。このFSビスケットの説明だけ目を引いたからな」 



175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 00:43:13.07 ID:UJca8pZR0
千枝「どういうこと?」 

陽介「FS……つまりFamin Saver、飢餓防止ビスケットだって。満腹感を促進して栄養価も高いらしい」 

陽介「だから俺たちはこれを持っておいて、他の食糧は他のやつに譲ってやろうってことになったんだ」 

陽介「その証拠に、生田目のおっさんも相棒のおじさんもそんなに食糧に手を付けて無かっただろ?」 

>そういえば……。 

千枝「……そっか」 

陽介「だから、合流前に少しこれ食べてたんだけど…… 
   里中たちの説明訊いて焦ったぜ、毒だって言われたからな」 

陽介「でも、まだ死んでないから……たぶん大丈夫だと思う」 

陽介「そんな理由で生田目のおっさんもビールに手を出してたんだと思う。 
    里中たちはがせの情報でもつかまされたんだろうって」 

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 00:57:20.01 ID:UJca8pZR0
>何か違和感を感じる……。 

千枝「うん……」 

陽介「お、俺はこれ以上隠しゴトはしてねーよ!」 

千枝「ううん。そういうことじゃない。花村のことは信じるよ。 
    これから一緒に行動していこうっていうのにこれ以上ウソついても仕方ないし」 

陽介「じゃあ、何が気になるんだ?」 

>それは……わからない。 

千枝「でも、そのビスケット食べない方がいいと思う」 

千枝「この情報が間違ってないことが前提だけど……毒とか罠とか書いてあるなら、余計に」 

陽介「でも今や貴重な食糧だぜ、これも」 

千枝「うーん。でも……」 

>陽介はどれくらい食べたんだ? 

陽介「これがウマくてよ。10枚くらい食べちった」 

>何枚ずつもらったんだ? 

陽介「俺が100枚、堂島さんが150枚、生田目が200枚だ」 

千枝「生田目だけやけに多いわね」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 01:00:14.08 ID:UJca8pZR0
陽介「ああ、すげぇ気に入ってた。だから俺が50枚くれてやったんだ」 

>なるほど…… 

千枝「とにかく、しばらくそのビスケットは食べない方がいいと思う。 
    ここで捨てていってもいいくらい」 

陽介「う……そこまでか? 
    相棒もそう思うのか?」 

>どうしよう 
①持っているだけならいいんじゃないか? 
②今すぐ捨ててしまえ 
>>184

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 01:01:35.81 ID:1ssvie3Z0
2

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 01:06:48.32 ID:UJca8pZR0
>今すぐ捨ててしまえ! 

陽介「わ、わかったよ……じゃあ捨てる」 

>陽介はビスケットを放り投げた。 

陽介「これでいいだろ?」 

千枝「うん。さっすが花村だね!」 

陽介「さ、里中……相棒もありがとうな」 

>陽介と少し仲良くなった 
>千枝と陽介が少し仲良くなった 

陽介「にしても腹減ったなぁ……」 

千枝「まーだ言ってる」 

>第三CPの情報を受け取りに行こう

196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 01:24:21.98 ID:UJca8pZR0
千枝「はい、番長くん。カセット」 

>カセットを入れ替え、受信した 

チャララララ~♪ 

陽介「な、なんだこの音?」 

千枝「しっ、黙って。聞き逃したらマズいから」 

クマ『やあクマ! 第三チェックポイントによく来たクマね』 

陽介「こ、こいつクマじゃねぇか!」 

千枝「だから花村静かに!」 

クマ『ここでも貴重な情報をたっぷりあげちゃうクマよ~』 

クマ『それじゃあ張り切って始めるクマ! クマの狩猟講座~』 

クマ『センセイ達のように銃器も飛び道具も無しに狩るにはもう罠しかないクマ!』 

クマ『ここではトロい動物を捕まえるための罠を紹介するクマよ~』 

クマ『あ、ただ、ワイヤーみたいなものを持ってないとこれを聞いても意味ないクマ!』 

千枝「よかった……持ってる」 

>重要度AAだったから取っておいてよかった。

207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 01:44:20.85 ID:UJca8pZR0
クマ『罠は大きく分けて3種類あるクマ! 専門用語でスネア、デッドフォール、スピアトラップっていうクマよ!』 

クマ『ただ、大物を狙わない限りスネア以外必要ないクマ!』 

陽介「大物って……オーストラリアでいうとカンガルーか?」 

>嫌な予感がよぎる…。 

>罠の説明が続く……。 

クマ『最後に教えるトラップはボウトラップクマ! 
   これは強力クマよ~! 獰猛な肉食獣だってイチコロクマ! 
   なにせ大きな槍がブスリ! クマ!』 

>また罠の説明がされていく……。 

>嫌な予感が強まる。 

クマ『ここからはおまけコーナークマ! 
   この大地で捕れる動物の調理法を教えちゃうクマ!』 

>調理方法が説明されテイク。 

クマ『最後にこの第3チェックポイントのアイテムを教えちゃうクマ! 
    ここから反対側の岩山の蟻塚に隠してあるクマ! それじゃあセンセイバイバイクマ~!』 

>そういって、クマは消えた

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 01:52:20.46 ID:UJca8pZR0
陽介「あーこれかな」 

>陽介がビニール袋をとり出した。 

陽介「なーんか宝探しやってる気分だぜ」 

>ビニール袋の中を確認した。 

千枝「なにこれ……? 文庫本?」 

陽介「これがアイテムだってのか? ふざけんなよ!」 

>かなり年季の入った本だ…。 

千枝「なになに? 『火星の迷宮』?」 

陽介「聞いたことないな……」 

千枝「あたしもないなぁ……番長くんは?」 

>初耳だ。 

>ぱらぱらとめくってみる。これは……。 

千枝「? 普通の小説じゃないみたいね」 

陽介「これ、ゲームブックだな」 

>ゲームブック?

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 02:05:33.15 ID:UJca8pZR0
陽介「なんだよ。二人とも知らないのか?」 

>何ページに飛べ、など書いてある。 

陽介「一種のロールプレイングゲームだな」 

千枝「これが情報なの?」 

>小説の内容は、火星に集められた主人公たち9人が火星から脱出するために奮闘するものらしい 

千枝「これって……」 

陽介「俺たちの状況にそっくりだな」 

>あるページで目が留まる。 

千枝「これってまるっきり……第1CPのときと同じじゃない!」 

陽介「このゲームの主催者はこれになぞらえてるってことか?」 

>わからない……だけど気味が悪い。 

千枝「これを情報として差し出してるってことは……そうだって言ってるのかな」 

陽介「わからないぜ。ミスリードかもしれない」

212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 02:20:25.87 ID:UJca8pZR0
陽介「しかし、この食屍鬼(グール)ってやつは今出てきてないよな?」 

>人を喰うバケモノとして描かれている。 

千枝「……猛獣のことかしら」 

>わからないことだらけだ。 

陽介「とりあえず今日は寝る場所探そうぜ。それに腹減っちまった」 

千枝「花村……ホント同じことしか言わないね」 

陽介「し、仕方ねぇだろ! さっそくトラップ作ってみようぜ!」 

>みんなでスネアトラップを作った。

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 02:30:51.50 ID:UJca8pZR0
>寝る場所を確保して、食糧をいくつか確保した。 

千枝「ね、ねえ。これ本当に食べるの?」 

>今日獲れたものは、大きなトカゲと芋虫、そしてバオバブの実だ。 

陽介「当たり前だろ? これ喰わないと生きていけないんだぜ?」 

千枝「ま、まだ持ってきた食料余ってるじゃん。そっち食べれば……」 

陽介「節約しようって言ったのは里中だろぉ」 

>ここは腹を決めて食べよう。 

千枝「うう……」 

>トカゲは良く焼いて、芋虫は表面をパリッと焼いた。 

陽介「いっただきまーす!」ムグムグ 

>陽介は躊躇なく芋虫を口に放り込んだ。 

陽介「んー! うめぇなこれ! 表面はクリスピーでカリカリしてやがる!」 

>陽介はどんどん芋虫を口に入れていく 

千枝「うううう……」 

>千枝は バオバブの実を一つずつつまんでいる

217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 02:34:33.73 ID:UJca8pZR0
陽介「あれ? 相棒? 箸が進んでないぜ?」 

千枝「箸なんてないじゃん!」 

陽介「言葉の文ってもんだろー」ムグムグ 

>どうしようか。 
①芋虫を覚悟して食べる 
②千枝と一緒にバオバブの実をつまむ 
>>218

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 02:35:09.82 ID:DLeiOeiy0
① 

そして今度こそ寝る

220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 02:40:21.66 ID:UJca8pZR0
>芋虫を意を決して食べた。 

>……! これは予想外にうまい。 

>勇気が1上がった。 

陽介「な、うまいだろ?」 

>ああ。 

千枝「ううう……」 

>千枝も動物性のタンパク質をとっておいた方がいい。 

千枝「ううう……ば、番長くんがそういうなら……ぱく」 

千枝「……! お、おいしい」 

>千枝もゆっくりとだが芋虫をつまみだした。 

>あっという間に芋虫はなくなった。 

陽介「じゃあ、次はメインディッシュのトカゲだな」 

陽介「かなり焼いたし大丈夫だろ」ムグムグ 

陽介「む……脂っぽいけど……鶏肉みたいだ」 

>みんなでサバイバル生活を楽しんだ。 
>2人との仲が少し良くなったみたいだ。

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 02:46:34.64 ID:UJca8pZR0
陽介「ふー! さすがに腹いっぱいだ!」 

千枝「すっかり陽がくれちゃったね」 

>寝る場所も確保したし今日はこれで終わりだな 

千枝「そうだね……ってあれ……なに?」 

陽介「んー、どうしたそんなに怯えて」 

>千枝の指差す方向を見ると、50メートルほど後方に6つの丸く光るナニカが浮かんでいた。 

千枝「な、何かの眼……?」 

陽介「眼だとしたら……位置が低くないか?」 

>全員臨戦態勢をとる。 

>3対の目はしばらくすると去っていった。 

千枝「な、なんだったのあれ……」 

陽介「ぐ、グール……」 

千枝「そ、そんなバケモノ……」 

>いるはずないと否定はできないな……何せここは―― 

陽介「マヨナカテレビの中……」

223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 02:53:55.88 ID:UJca8pZR0
――翌日。 

>寝た心地がしない。 

千枝「番長くん、おはよ……」 

>おはよう。千枝も疲れ切っているみたいだ。 

陽介「よう、相棒……」 

>ああ、おはよう。 

千枝「……今日はどうしよっか?」 

陽介「食糧がこの先あるかわからないしここで集めていこうぜ。 
    昨日採ったのはもうなくなっちまったし」 

千枝「あたしは反対。もしかしたら昨日の怪物が戻ってくるかもしれないじゃん」 

陽介「そうだけど……腹減ったし……」 

千枝「番長くんはどう思う?」 

>俺は…… 
①陽介の言うとおり食糧確保をする 
②千枝の言うとおり一刻も早くここから離脱する 
>>224

224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 02:57:57.37 ID:4ihuGMF4i
2

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 03:05:52.62 ID:UJca8pZR0
>ここから一刻も早く離脱しよう。死んでしまえば元も子もない。 

陽介「うっ……そう言われると……」 

千枝「正体がわからないモノがうろうろしているところなんて危険極まりないし」 

陽介「…そうだな」 

千枝「ん。そうと決まれば早く移動を開始しましょ!」 

>第4CPは、遠い。15キロ以上離れている。 

陽介「う、うええ! や、やっぱり待ってくれ!」 

千枝「なによ、花村」 

陽介「食料をためようなんて言わない! せめて木の実だけでも採っていこう! 
    腹が減って俺死んじまう……」 

千枝「花村は大げさなんだから」 

>だけど陽介の言い分もわかる。少しだけ集めていこう。 

千枝「もう! 少しだけだからね!」 

>みんなで木の実を採集した。 
>ワイルドプラム、ワイルドピーチをいくらかとることができた。

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 03:08:56.16 ID:UJca8pZR0
千枝「こんなもんでいいでしょ」 

陽介「ああ、行こう」 

>すこし自分たちのいた場所から異臭がする。 

千枝「昨日食べなかったトカゲの頭……」 

陽介「もう腐ったのか」 

千枝「肉や虫の保存は無理みたいね」 

>木の実ももしかしたら脚が早いかもしれない。急ごう。

231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 03:17:13.14 ID:UJca8pZR0
>道中、拾った『火星の迷宮』を読みながら歩く 

千枝「何か変わったことでも書いてあった?」 

>変わったことではないが、気になる記述を見つけた。 

陽介「どれだ?」 

>主人公たちが財宝間近で3匹のグールに襲われそうになる。しかし何もせずに去っていく……。 
>そこで主人公たちは選択を迫られる、その場を離れるか、留まるか。 

千枝「財宝って……食糧? 昨日のあれも、ゲームの一環ってこと?」 

>わからない…… 

陽介「その主人公たちはどうなるんだ?」 

>とどまった場合グールに喰い殺されて終わりだ。その場を離れれば次の話に進める。 

千枝「その本をそのまま信じるわけじゃないけど、あの場にいたら危なかったことかな……」 

陽介「お、俺、里中たちと一緒にいてよかったよ……」 

>先を急ごう 

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 03:25:04.89 ID:UJca8pZR0
>前方に人影が見える。 
>あれは……りせと完二だ。どうやら西へ行くルートと合流してしまったらしい。 
>向こうはまだ気づいていないようだ。 

>どうする? 
①声をかける 
②見つからないように迂回して進む 
>>233

233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 03:26:14.26 ID:85uyxFMf0
1

234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 03:36:34.51 ID:UJca8pZR0
>声をかけることにした。 
>しかし、相手はこちらを凝視したまま動かない。 

りせ「……? 先輩? せんぱぁい!」 

完二「……ウス」 

>2人の雰囲気が明らかにおかしい。まだ1日しか経っていないはずなのに……。 
>2人とも見覚えのない武器を携帯している。おそらく隠してあったものだろう。 

りせ「先輩たちこんなところでどうしたんですか?」 

千枝「第4CPに向かう途中なんだ」 

りせ「そうなんですか……」 

完二「先輩たち、何か食いもん持ってないすか? もしよかったら分けてほしいんすけど」 

りせ「情けない話、あのメモ書きの実がどれかわかんなくって。 
   ……あたしたちあんまり食糧取らなかったから」 

完二「昨日出発して以来何も食ってないんす」 

>どうしよう…… 
①無償で木の実を分ける 
②何か武器と交換を持ちかける

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 03:38:49.81 ID:P5KeOrihi
2で

243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 04:08:00.04 ID:UJca8pZR0
>木の実を分ける代わりに何か武器がほしい。 

完二「武器、ですか?」 

千枝「昨日何かに襲われかけたんだ。その時持ってる武器がこの小さい鉈しかなくてさ。 
    すごく心細くって……」 

千枝「それに食糧に関しては私たち、大飯ぐらいがいるからさ」 

陽介「ははは……メンボクねぇ」 

>りせと完二は顔を見合わせている。なにか小声で相談しているようだ。 

りせ「じゃあ、この催涙スプレーなんかどうですか? 動物なら十分撃退できますし」 

>……なぜか違和感が付きまとう。 

千枝「できればもう1つほしいな。鉈含めて1人1個は装備していたくて」 

完二「……じゃあ、この特殊警棒なんかどうすか? 突けば骨くらいなら軽く折れるッス」 

>特殊警棒を受け取った。 

完二「じゃあ、食いモノを」 

千枝「このバッグの中の木の実全部上げるね」 

陽介「ちょ! 里中! それじゃ足りなくなっちまうよ!」 

千枝「花村が無駄に食べなければいいだけの話でしょ?」

244: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 04:11:04.44 ID:UJca8pZR0
完二「……足りねぇッス」 

千枝「え?」 

完二「俺たちも、なけなしの武器を譲ったんスよ。もう少し欲しいッス」 

りせ「そうね……貴重な戦力を手放したわけだし」 

千枝「そんなこと言われても……」 

>千枝がこちらを見つめてくる。 
>どうする? 
①陽介のバッグにある木の実を渡す 
②自分のバッグの木の実を渡す 
③今持っているすべての木の実を渡す 
④渡さない 
>>245

245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 04:12:17.61 ID:vRb26foAO
もしもし 

2で 

ガチャッ

249: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 04:32:54.23 ID:UJca8pZR0
>じゃあ自分のバッグにある木の実を渡そう 

りせ「さっすが先輩! さんきゅっ!」 

完二「……どもッス」 

千枝「じゃあ、私たちも行こうか」 

りせ「じゃね!」 

>りせと完二から離れた。 

千枝「こ、怖かったぁ……」 

>その割には冷静だったみたいだが。 

千枝「動揺したら何気取られるかわからないんだもん」 

陽介「何かおかしなところあったふぁ?」ムグムグ 

千枝「あ、こら! 花村ぁっ! 貴重な木の実食べるな!」 

陽介「す、スマンつい……」 

>それにしてもなんだったのか。 

千枝「わかんない……!! って、な、何今の声!?」 

>劈くような怒号が後方からする。りせと完二が口論しているようだ。

251: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 04:40:05.19 ID:UJca8pZR0
陽介「な、何やってんだあいつら?」 

>怒号だけが聞えてきて何で口論してるかまでは分からない……。 

千枝「とりあえず離れよう? なんか殺気立っていて怖い……」 

>若干早足でその場を離れた。 

―― 

>歩いているうちに違和感の正体に気付いた。 

千枝「どうしたの?」 

>りせと完二は俺たちが鉈を例に挙げて『武器』を要求したが、渡したものは催涙スプレーと警棒。 

陽介「何がおかしいんだ? 十分武器だろ?」 

>ああ、武器には違いないが……これは殺傷能力は極めて低い。護身用の武器だ。 

千枝「……あ。言われてみればそうだね」 

>おそらく俺たちの中にシャドウがいないか疑っているんだろう。 

陽介「だから武器は渡せないって訳か……」 

>りせたちに疑われている……憶えておいた方がいいだろう。

309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 15:03:53.39 ID:UE4lf8aI0
戻った。書く

310: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 15:04:15.20 ID:UE4lf8aI0
はい。またID変わった

312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 15:05:32.30 ID:UE4lf8aI0
証明する方法ないけどしょうがないよね

315: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 15:25:49.18 ID:UE4lf8aI0
>>251から 

>ようやく第4CPについた。 

陽介「さあ、相棒。ここにあるみたいだぜ」 

>赤色の可視光線が光っている。 

チャララ~♪ 

千枝「いいかげんこの音楽にも飽きてきたね」 

クマ『やあクマ! 元気クマ? センセイ達の友達クマクマ!』 

陽介「元気なわけねーじゃん……腹減って倒れそうだよ」 

千枝「一々ゲームに突っ込まないの!」 

>静かに聴こう。 

クマ『まずは生きてここまでたどり着けたことを表彰するクマ! パチパチパチークマ!』 

クマ『前回までに食べるときのために毒を持った動物は教えてあったはずクマ! 
   今回はそれも含めてここに住んでいる危険な動物を教えてあげるクマ! 
   クマのどきどき動物ワールドクマ~!』 

陽介「何か今更だな……」 

千枝「きっとこの後のCPに行くときに遭遇する可能性があるんだと思う……ちゃんと聞いておかないとね」

319: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 15:36:22.93 ID:UE4lf8aI0
クマ『雰囲気を出すためにちょっと準備が必要クマ! 待つクマ~』 

>帽子とマント、そして鼻眼鏡を付けた。 

陽介「コイツふざけやがって……」 

クマ『それじゃあさっそく始めるクマ! まずは害虫編クマ~』 

>クマが害虫について説明していく……。 

クマ『といったわけクマ。何匹かは感染症を引き起こすクマから気を付けるクマ~』 

千枝「気をつけろってどうればいいのよ……」 

陽介「教える気はねーみたいだな」 

クマ『あ、感染症と言ってもマラリアにはならないから安心して苦しんでほしいクマ! 
   ローズリバーフェバーも致命的な疾患クマけどね!』 

陽介「うるせぇ!」 

>陽介、落ち着け。 

陽介「ぐ、ぐぐぐ……」 

クマ『サソリも、毒グモも、ムカデにも注意するクマよ。こいつらもひどい毒持ちクマ! 
   あと何種類かの蟻も毒持ちクマ。リストを送るから確認するクマ~』

324: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 15:49:06.15 ID:UE4lf8aI0
クマ『ここからは毒蛇を詳しく解説するクマ! こいつらの毒は致死に直結するから聞き逃さない方がいいクマ!』 

クマ『世界の毒蛇、猛毒持ちランキングがこれクマ!』 

>1位から22位まで表示されていく。 

陽介「世界のって……ここオーストラリアなんだろ!? 意味ねぇランキング送ってくるんじゃねぇよ!」 

クマ『今、世界の毒蛇ランキングが意味ないとか思ったんじゃないクマ? 
   ちちち、甘いクマねぇ~。ちゃんと意味があるクマ!』 

陽介「こ、ここここ、コイツ!!!」 

>だから陽介落ち着け。 

千枝「花村! 黙って聞く!」 

陽介「わ、わかってるけどよ……」 

クマ『実は、世界の毒蛇といっても1位から10位まですべてオーストラリアに棲息してるクマ! 
   しかも22種類中19種類はオーストラリア産クマ!』 

クマ『だから19種類全部気を付けるクマ! 19種類全部気を付けるクマ! 19種類全部気を付けるクマ!』 

千枝「1位から……10位まで全部オーストラリア!?」 

陽介「冗談じゃねぇぞ……」 

>クマは延々と19種類全部に気をつけろと言い続けている…

328: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 16:01:31.67 ID:UE4lf8aI0
陽介「いくらなんでも、ここに全部生息してるなんてことはないだろ? オーストラリア全部再現してるわけでもないんだし」 

千枝「でも、クマくんがこれだけ念を押すってことは……」 

>意図的に放出しているんだろう。 

陽介「マジかよ……」 

クマ『ちゃんと覚えたクマね? 19種類全部に気を付けるクマよ?』 

クマ『最後は哺乳類について教えるクマ! 
   ここで危険な哺乳類はたった2種類しかいないクマ! 覚えやすいクマね~』 

クマ『まずはディンゴクマ! もしかしたらもう会ってるかもしれないクマね! 
   見た目は柴犬にてるクマ! でもお友達になろうなんて考えたらだめクマよ?』 

クマ『特徴として烈肉歯がすっごく大きいクマ! 家畜犬とは全く違うクマよ。 
   コイツでガブリ! とやられたらいくらセンセイでもイチコロクマ~』 

クマ『こいつの特徴としては滅多に吠えないクマ』 

千枝「あ、もしかして。昨日のあの怪物だと思ったの……」 

>コイツだったのかもな。 

陽介「きっと偵察に来てたんだな……もしあそこに留まっていたら」 

>恐怖が込みあげる……。

330: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 16:08:50.84 ID:UE4lf8aI0
千枝「昨日は武器も小さい鉈しかなかったし」 

陽介「襲われてたらアウトだったな……」 

クマ『じゃあ、次に行くクマ! 次はクマの人類文化学クマ~! 
   クマがヒトについて解説するなんて小粋なジョーククマねぇ!』 

クマ『せっかくオーストラリアが再現されてる場所にいるクマ! 
   オーストラリアといえばアボリジニクマ! だからアボリジニの神話について教えるクマ!』 

陽介「そんなこと聞きたかねぇんだよ……」 

千枝「……?」 

>違和感を覚えたが、貴重な情報があるかもしれない。あとで考えることにしよう。

334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 16:17:35.94 ID:UE4lf8aI0
クマ『これがカモノハシが生まれた経緯クマ! 
   あ、もしかしたら水辺の近くにカモノハシがいるかもしれないクマけど不用意に近づかない方がいいクマ! 
   実はカモノハシも毒を持ってるクマ! でもこちらから近づかなければ安全クマよ』 

陽介「本当にどうでもいい情報だったな……」 

千枝「……」 

>有益な情報は特になかった。 

クマ『ここ、バングル・バングルについての神話クマ。 
   なんとここには、恐ろしい怪物が住んでいてという話クマ! 
   その名も食屍鬼(グール)クマ!』 

>グール……火星の迷宮という本にも出てきた怪物の名前だ。 

クマ『名前からしておっかないクマねー。 
   こいつらの主食はなんと人間クマ! 人食い鬼ってやつクマね! 
   クマはくまでよかったクマー』 

千枝「ぐ、グール……?」 

陽介「い、いるわけないよな?」 

>全員が不安の表情のまま固まっている…。

339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 16:26:14.36 ID:UE4lf8aI0
陽介「で、でも、こんなにポップに紹介されちゃ恐怖も半減だよな、ははは……」 

>確かにアニメーションなどが使われ飽きないような処理がされている。 

クマ『ちょっと長く話し過ぎたクマね。また第5CPまで頑張ってほしいクマ~。 
   バイバイクマ~』 

>そうしてまた画面は消えた。 

陽介「クソっ。ムナクソ悪い話しやがって」 

千枝「ねえ、番長くん。何か見落としてる感じしない?」 

>自分も違和感を覚えたことを告げた。 

千枝「やっぱり? でもなんだろう……」 

陽介「な、何かあったか?」 

>思い返してみる。 
>……………! 

千枝「うーん……あ!」 

>千枝も思いついたようだ。 

千枝「きっと同じことだよね。危険な哺乳類の説明、もう1種類がされてない」 

陽介「そういえば……クマのヤロォ……」

340: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 16:32:52.07 ID:UE4lf8aI0
>これが意図するところは……。 

千枝「考えたくはないけど、そういうことなのかな」 

陽介「ど、どういうことだよ?」 

千枝「……ここにいるじゃない。最も分かりやすい哺乳類が」 

陽介「に、人間ってことか?」 

千枝「やっぱりこれを主宰してる人間は殺し合いをさせたいみたい」 

>もう一度目的を確認しよう。 

千枝「全員で生きてここから脱出する」 

陽介「ああ。奴らの意図通りになってたまるか」 

>この2人となら安心できそうだ

344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 16:40:13.45 ID:UE4lf8aI0
>第4CPの周りを探索しよう。 

陽介「ああ。腹減ったしなぁ」 

千枝「まったく……でも花村のそういうところにあたしたち救われてるのかもね」 

>ああ、そうだな。 

花村「どういうことだよ……」 

>とにかく日が落ちる前に探しださないといけない 

千枝「うん」 

……… 
…… 

>みんな探索が終わって戻ってきたようだ。 

千枝「全然ダメ……この辺り木々もまばらだし、動物も少ないみたい」 

陽介「俺ほうもダメだ。食べられそうなもんがなかった。小さい河を見つけたくらいだ」 

>3つだけ木の実を見つけたが……どうしよう。 
①3人で分ける 
②隠しておいて自分だけで食べる 
③千枝に渡す 
④陽介に渡す 
>>344

345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 16:40:54.24 ID:C48v+kyO0
3

347: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 16:49:48.44 ID:UE4lf8aI0
>とってきた木の実を千枝に渡した。 

千枝「え……? これって?」 

陽介「あ、相棒?」 

>これしか取れなかった。俺たちはいいから千枝が食べてくれ。 

陽介「あ、相棒~……俺だって腹減ってるんだぜ……」 

>今日だけ我慢しよう。 

陽介「ううっ……」 

千枝「番長くん……ありがと。でもこれはみんな分けよう?」 

陽介「さっすが里中だな!」 

>千枝は1人1つ木の実を渡した。 
>陽介は一心不乱に貪っている。 

千枝「(き、気遣ってくれてありがと。すっごく嬉しかった)」 

>千枝が耳打ちしてきた。 
>千枝とまた少し仲良くなったみたいだ。 
>千枝はこちらを意識している。 

>木の実がうまい。

350: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 16:57:44.43 ID:UE4lf8aI0
>あっという間に木の実はなくなった。 

陽介「分かっていたけどさすがに腹は膨れないな……」 

千枝「さすがに……今回はそうだね」 

>陽介、さっき小さい川を見つけたといってたよな? 

陽介「あ、ああ。でも魚とかいないと思うぜ?」 

>水を飲みに動物が現れるかもしれない。そこに罠を仕掛けよう。 

陽介「……! そうか!」 

>3人で川へ向かった。 

陽介「ここだぜ」 

千枝「濁っていて飲み水にできそうにないね……」 

>とりあえず罠を仕掛けた。 
>だが確かに飲み水がそろそろ尽きそうだ。 

陽介「源流の方ならまだ澄んでる かもしれないな」 

千枝「罠仕掛けたし……ちょっとさかのぼってみようか」 

>そうしよう。 
>また3人で水流を辿っていった。
 

355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 17:07:07.91 ID:UE4lf8aI0
>水流を辿り、岩のトンネルをくぐると開けたドーム状の場所に出た。わずかに天井から光がさしている 

千枝「ここって」 

陽介「ここから水が湧いてるみたいだな」 

千枝「ここが……思ったより近くてよかった」 

>水を確認する。澄んでいて飲み水に使えそうだ。 

千枝「エコノキックスとか大丈夫かな……」 

>今は心配していても仕方ない。 

千枝「…そうだね」 

>みんな喉を潤し各々水筒に水を入れた。 

陽介「ぷはぁ……こうして一息ついて気づいたんだけど、ここ、プールみたいだよな」 

>澄んだ水がたまり水面がきらめいている。小魚が泳いでいるのも確認できた。 

千枝「……お風呂」 

>千枝? 

千枝「ねえ、番長くん。ここで水浴びしていかない?」 

>そういえばここに来てから身体を洗っていない…

364: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 17:17:09.47 ID:UE4lf8aI0
陽介「水浴びするのはいいけど……水着も何も持ってないぜ?」 

千枝「もちろん……脱いで入るの」 

陽介「お、お前わかってるのか!? こっちは男二人だぜ!? 困るよな、相棒!」 

>ああ。せっかくなら服も洗濯したい。 

陽介「そういうこと言ってるんじゃないぞ!?」 

陽介「あ、服のまま入ればいいのか、この気候ならすぐ乾くだろうし」 

千枝「……あたしは身体擦りたいから脱ぐ。そのあと服洗う」 

陽介「だあーかあーらあ! 覗くぞ! 百パー覗くぞ! いいのか!?」 

千枝「せ、背に腹は変えられないもんっ!」 

>陽介。外で待っていよう。そのあと俺たちも入ればいい。 

陽介「あ、ああ……そうだな」 

>陽介と2人で外で待つことにした。 

…… 

千枝「……番長くんと2人きりなら見せてもよかったのに」

370: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 17:24:05.32 ID:UE4lf8aI0
>陽介と2人で外で待つのはいいが暑い…… 

陽介「な、なあ相棒」 

>覗きはダメだぞ。 

陽介「違う! ここにいるだけじゃ無駄に体力使うだけだぜ?」 

>そうだな 

陽介「だからせめて日陰で待とうぜ。 
   トンネルの出口付近なら水も近いから涼しいし」 

>どうしよう。 
①ここで待つ 
②ドーム近くのトンネルで待つ 
③思い切ってドームまで戻る 
>>371

371: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 17:27:24.76 ID:LRsEt0Cy0

372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 17:35:05.79 ID:UE4lf8aI0
>ここで待とう。 

陽介「あ、相棒正気かよ!」 

>戻ったら千枝の裸を不可抗力で見てしまう可能性がある 

陽介「ってもなぁ……」 

>この後の関係悪化を考えたらそんなことはできない。 

陽介「……そうだな」 

>マヨナカテレビから抜け出したら一緒に覗きに行こう。 

陽介「……さすが相棒だぜ! 約束だ!」 

>陽介と少し仲良くなった。

376: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 17:41:09.54 ID:UE4lf8aI0
>しかしそろそろ限界だ。暑い…… 

千枝「ごめん、お待たせっ!」 

陽介「お、おせーよ里中……乾し肉になっちまうぜ……」 

千枝「やははは……ホンットごめんっ! 気持ちよくてつい。 
   あたしはここで服乾かしてるから、たっぷり入ってきて」 

>ああ。 

陽介「日差しがきつくなったら迷わずこっち来いよ。無駄に体力削るのもアレだからな」 

千枝「……うん。そうする」 

陽介「うっし! じゃあ相棒行こうぜ!」 

>ああ、思いっきり泳ごう。 

377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 17:43:17.95 ID:UE4lf8aI0
ザッパァン! 

陽介「気持ちいいなぁ!」 

>最高だ。 

陽介「あー一瞬だけここもいいなぁとか思っちまった」 

>今だけはしょうがない。 

陽介「だな! ……って相棒…お、お前の相棒……」 

>どうした? 

陽介「ま、負けた……」 

>何を言っているか意味不明だ…。

382: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 17:49:27.47 ID:UE4lf8aI0
>本当に気持ちがいい。 

陽介「あー、ホントにな里中が長く入ってたのもわかるなぁ」プカプカ 

>服も洗ったしそろそろ出よう。 

陽介「うっし。そうだな」 

――ザッパァ。 
陽介「お、日の当たるところに置いておいたら●●●乾いてるぜ。 
    ……よし。履いても気持ち悪くない」 

>よかった。俺も上がろう。 
――ザッパァ。 

千枝「暑いぃ~。こっちにいてもいい~?」 

>あ。 

千枝「……………」 

千枝「ごごごごご、ごめんっ!」 

>見られた……。 

千枝「み、見てない!」 

>嘘だ。 

千枝「嘘です……」

383: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 17:52:53.86 ID:UE4lf8aI0
千枝「ふ、フツ―逆でしょ! こういうのって!」 

陽介「里中も、自分が悪いってわかってるから謝ったんだろー」 

千枝「……はい、ごめんなさい。あたしが不用意でした」 

>気にするな。 

千枝「あ、あたしが気にするの!」 

千枝「それより2人とも早く服着てよ! なんで●●●1枚のまま仁王立ちしてるの!」 

陽介「いやぁ、せっかく●●●乾かしたからせめてズボン乾くまで待ってようかなって」 

千枝「ここは虫も少ないからって……男はいいね」 

>まったくだ。 



387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 18:02:48.40 ID:UE4lf8aI0
―― 

>そろそろ服も乾いたな。 

陽介「うし、じゃあさっき仕掛けた罠のところまで戻るか」 

千枝「泳いだら少し疲れちゃった」 

>食料が見つかるといいな 

千枝「そだね……」 

陽介「……おい! 相棒! あれ!」 

>陽介の指す岩山の中腹では小型のカンガルーのようなものを巨大な蛇が飲み込んでいた。 

千枝「うえええええ、気持ち悪い……」 

陽介「確かに気持ち悪いが……食糧だ!」 

>仕留めよう。 
>蛇が小型のカンガルーのようなものをの丸呑みしてしまった。食べ終わって蛇はぐったりしている。 

陽介「ここは投石だな」 

>ああ。しかし何度か投石したが当たらない… 

陽介「くそっ! なかなか当たりやしねぇ」 ヒュン 

ガッ――ボトッ

388: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 18:08:36.14 ID:UE4lf8aI0
陽介「やりぃ!」 

>まだ蛇は生きている。 

陽介「とどめ!」 ガッ! 

>蛇は息絶えたようだ。 

千枝「どっちが獲物?」 

陽介「どっちもだ!」 

千枝「仕留めたはいいけど、毒があったら中のは食べられないね」 

>調べてみたが毒は無いようだ。飲み込まれたのはロック・ワラビーというらしい。 

陽介「漁夫の理だな!」 

>今日は食料に困りそうにないな 

陽介「この調子でさっき罠仕掛けたところまで戻ろうぜ」 

>陽介が蛇を担いで歩き出した

393: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 18:17:54.08 ID:UE4lf8aI0
――洞窟内。 

陽介「ちぇっ、結局罠には何もかかってなかったな」 

>だがこの洞窟を見つけられたことは幸いだろう。 

陽介「まあ、そうだけどさ。何かの巣って訳でもないみたいだからな」 

>千枝は真剣にクマの料理教室を見直していた。 

千枝「あ、あった。グラウンドオーブン……ワラビーはこれで蒸し焼きにすればいいみたい」 

>蛇から取り出したワラビーはまだほとんど消化されていなかった。 

千枝「うん、これだね」 

陽介「蛇はどうするよ?」 

千枝「あ、あたしはワラビーだけでいい」 

陽介「相棒は?」 

>自分もワラビーだけでいいと告げた。 

陽介「お、マジ? じゃあこの蛇俺だけで食うぜ! やりぃ!」 

>蛇はトカゲと同じようにただよく焼けばいい 

陽介「オッケオッケ!」

395: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 18:23:42.49 ID:UE4lf8aI0
千枝「花村、あんた……」 

陽介「あ、俺はこの蛇あるからワラビーは少しでいいぜ」 

千枝「ワラビーを食べるのはいいけど……そんなに食べられるの?」 

陽介「余裕余裕! 腹減って仕方がないぜ」 

>少し陽介の様子がおかしい……気がする。 
>ここに来たときより、ほんの少し目が大きくなったような気がする。 
>気のせいだろうか。 

千枝「さ、日が暮れる前に作っちゃお」 

>3人で協力してグラウンドオーブンを作った。 
>千枝がこちらを気にしている。

397: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 18:30:16.68 ID:UE4lf8aI0
千枝「……! おいっし!」 

>確かにロックワラビーはこれまで食べた野生動物の中で一番うまい。 
>陽介は蛇を食べることに没頭している。 

千枝「ねえ、花村……美味しいの? それ」 

陽介「ああ! ちょっと臭みがあるけど……食えないことはないぜ? 
   里中も食うか?」 

千枝「ううん……ワラビーでお腹いっぱいになったから」 

陽介「そうか。なら全部喰っちまうぜ? 相棒も構わないか?」 

>ああ、構わない。 

陽介「じゃあ遠慮なく!」 

>またガツガツと食べ始めた。 

千枝「ねえ、番長くん。あとどれくらいだろうね」 

>わからない……。 

千枝「本当にあたしたちここから出られるのかな……」 

>千枝が不安に駆られている。 >>398 
①俺がいる、という。 
②俺と陽介がいれば、できないことはないという。 
③みんな頑張ってるんだ、きっと大丈夫という。

398: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 18:32:17.84 ID:VyJ31JUj0


401: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 18:44:33.61 ID:UE4lf8aI0
>みんな頑張ってるんだ、きっと大丈夫。 

千枝「そっか……そうだよね。あたしただけじゃないんだもんね」 

>ああ。 

千枝「そうだね! あたしたちも頑張らなくちゃいけないんだよね!」 

陽介「みんなで、思いだしたんだけどふぁ」 

千枝「食べ終わってから喋りなよ……」 

陽介「わりぃ。で、だな」 

千枝「で、何?」 

陽介「俺らはこうやって情報のルート進んで、情報を得ているけど…… 
   他のチームは何を各CPでもらってるんだろうな」 

>そういえば……。 

千枝「順当に考えれば、やっぱり同じものじゃない? 
   サバイバルチームはサバイバルアイテム、武器チームは武器、食糧チームは食糧……」 

陽介「やっぱり? だったら食糧チームは何も食糧困らないんだな。羨ましいぜ」 

>……! 

千枝「そうかもね……」

405: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 18:58:31.21 ID:UE4lf8aI0
――翌日。 

ザァァァァァ―― 

>雨だ。 

千枝「土砂降りね……まるで滝の裏にいるみたい」 

>洞窟の入り口を大雨がカーテンのように塞いでいた。 

千枝「……ま、どっちにしてもでられなかったけどね」 

陽介「うう……す、すまねぇ」 

>陽介が昨晩急に体調不良を訴えた。 

陽介「腹を下したみたいで……下痢がひどい」 

千枝「昨日の蛇ね、それくらいしか心当たりないもの」 

>しょうがないだろう。 

千枝「うん。この分だと他のチームも動けないでしょうし今日は休憩ね」 

>陽介はかなり発汗してる。かなりだるそうだ。 

>止みそうにない雨を見ながら1日が過ぎていく…

409: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 19:08:38.61 ID:UE4lf8aI0
――3日後。 

ザァァァァァ―― 

千枝「まだ、止んでないの……」 

>まだ雨が降り続いている。 

千枝「もうダメ……動けない」 

>千枝も陽介も自分も寝転がって動こうとしない。 

陽介「くそ……腹減ったな……」 

千枝「花村……塩とか砂糖とか取ってなかったっけ」 

陽介「あればとっくに出してるっつーの……」 

千枝「だよね……」 

>みんな動く気力がなくなってるようだ… 
>俺は動けないことはないが……今はエネルギーを節約しよう

411: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 19:17:46.25 ID:UE4lf8aI0
休憩終わり書く

416: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 19:30:09.84 ID:UE4lf8aI0
>喉が渇いた…… 

>コップを持ち洞窟の入り口へ行く。雨を組んだ。 

千枝「そっか……水ももうないんだったね……」 

>ああ。 

>雨の中に、動く何かを見つけた。 

千枝「ちょ……! 怖いこと言わないでよ……」 

>何か小さいものだ……。 

>食べられる動物かもしれない……! 

タッタッタ…… 

>カエルだ。ウシガエルの一種だろう。カエルにしてはかなり大きい。近くでもう一匹動いた。動きはトロい 
>持って帰ろう 

…… 

千枝「びしょ濡れになって何してきたの?」 

>食べ物だ。 

千枝「カエル……」 

陽介「しょうがねぇって……今は貴重な食糧だ」

418: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 19:37:32.74 ID:UE4lf8aI0
>確認してみたがノーザン・スナッピング・ジャイアント・フロッグという種類らしい。 

千枝「一応食用できるみたいね……」 

陽介「とりあえず捌こうぜ」 

>とりあえずマッチもまだ湿気ていない。サバいてから炙ろう。 

千枝「あの時陽介がおなか下さなければマッチも使えなくなってたかもね」 

陽介「へへへ……何がどう転ぶかわからねーモンだな」 

>カエルを捌いていく。手が血まみれになっていった。 

陽介「洞窟の奥にあった残りの枯れ木持ってきたぜ」 

千枝「枯れ木もこれで全部ね……」 

陽介「早く止まないとマズイよな……」 

>捌いていたら胃の中から消化されかかった小型のカエルが出てきた。 
>かなり意を決すれば食べられなくもないが…… 

>千枝「陽介食べたいなら食べていいよ……」 

陽介「さすがにいらねぇ……」 

>陽介なら食べるというと思ったのだが……

420: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 19:44:13.64 ID:UE4lf8aI0
>カエルの炙りができた。 
>全員、貪るように食べている……が今は恰好なんて気にしていられない。 

千枝「これで、あと少しはもつね」 

陽介「だな」 

千枝「珍しい……全然足りないとかいうと思ったのに」 

陽介「……? ああ、そうだなぁ、なんでだろう」 

>下痢から復帰して食欲が少し収まってきたのだろうか。 

千枝「あとは早く雨が止んでくれることを祈るだけか」 

陽介「だな……」 

>蠅が寄ってくる。血の匂いに興奮してるんだろう。 
>鬱陶しい……

426: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 19:59:00.27 ID:UE4lf8aI0
千枝「番長くん何やってるの?」 

>『火星の迷宮』を読み直していた。 

陽介「何かわかった?」 

>バッドエンドが5つとグッドエンド、トゥルーエンドが1つずつあることを告げた。 

千枝「バッドエンドがやたら多いね……」 

陽介「まーゲームブックなんてそんなもんだ」 

千枝「どんな終わり方なの?」 

>バッドエンドは全部グールに貪り食われている。 

千枝「うえ……」 

千枝「ハッピーエンドっていうのは?」 

>ヒロインと共に主人公が火星を無事に脱出する。そこで終わっている。 

陽介「他のやつらは?」 

>主人公とヒロイン以外全員グールに食い殺されている。 

千枝「……」 

陽介「……全然ハッピーじゃねぇ」

433: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 20:07:20.68 ID:UE4lf8aI0
千枝「トゥルーエンドっていうのは?」 

>トゥルーエンドに分岐するまでの流れのページを見せた。 

千枝「え? なにこれ?」 

陽介「主人公が精神科の病室で目覚めて……ってよくわかんねーな」 

千枝「これで終わりなの?」 

>ああ 

陽介「これってほとんど夢オチだな……」 

千枝「うん……いきなりサイケな感じから現実が崩壊してって、よく分からないし」 

陽介「ああ、そうか! きっとこれも夢オチなんだ!」 

千枝「そんなことあるわけないでしょ……」 

陽介「だよな……」 

千枝「この本に今やってるゲームがなぞらえてあるとしたら、 
   主催者はどういう結末にしたいんだろうね」 

陽介「……確かに分からんな」 

>深く考える必要もないのかもしれない。 

千枝「かもね」

447: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 20:20:55.16 ID:UE4lf8aI0
――その夜。 

>ようやく雨が降りやんだ。 

千枝「長かった…‥けどこれで食べ物を探しに行けるね」 

陽介「ああ……ってあれ見ろよ。あんなでけー木がここまで流されてる」 

千枝「もう少しで洞窟まで浸水してたかもしれなかったんだ……」 

>止んでくれてよかった。 

陽介「お、木の実なってるぜ。そんなに量は多くないけど」 

>今日の夜はこれで凌ごう。 

陽介「ああ、夜移動するのは危険だな」 

千枝「移動も食糧調達も明日ね」 

>木の実を採集して洞窟へと戻っていった。

450: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 20:30:20.00 ID:UE4lf8aI0
――翌日。 

>カラッと晴れている。 

千枝「晴れたのはいいけど、暑くなりそう」 

陽介「ああ。食糧をとったら次のCPに急ごう」 

>昨日までの雨で多くの木が流されてきている。木の実をいくらか採集することができた。 

千枝「ここではこんなものかな。あとは行きがけにとりながらってところ?」 

>そうだな。 

陽介「思うんだが……他の奴らと今は会わないようにした方がいいと思う」 

>どうしてだ? 

陽介「先に断っておくけど見殺しにするわけじゃないぞ? 
   他の奴らもこの雨で食料が乏しくなってるはず」 

千枝「そうかもね」 

陽介「だが今の俺たちに食糧を分け与える余裕はない。 
   会えば奪い合いにまで発展するかもしれない。食が手に入らない時の人間はこえーからな……」 

千枝「共倒れになる可能性があるってことね……」 

陽介「ああ、だから周りに気を使いながら移動した方がいいと思うんだ」

453: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 20:36:33.54 ID:UE4lf8aI0
千枝「うん。それはあたしも賛成」 

>2人は賛成している。どうしよう。 
①それでも最短ルートでCPに行くべき 
②俺もその意見に賛成だ。慎重に行こう 
>>454

454: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2012/05/17(木) 20:37:25.13 ID:uW2kN+kY0
2

459: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 20:46:32.32 ID:UE4lf8aI0
>俺もその意見に賛成だ。慎重に行こう。 

陽介「だな。じゃあ出発するか」 

千枝「遠回りしていくなら休憩も多めに取っていかなきゃね」 

>出発しよう。 

……… 

>目のつく限り食糧になるものを採りながら進んでいく。 

千枝「これくらいあればもしほかのチームと遭遇しても分けてあげられるね」 

陽介「ああ。困っていたら快く渡してやろう」 

>そうだな。 

>さあ、CPに向かおう。

460: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 20:52:28.87 ID:UE4lf8aI0
千枝「やっと着いたー」 

陽介「もう日が傾いてきちゃったな……」 

>寝る場所も心配だ。早く情報を受け取って寝る場所を探そう。 

>ゲーム機をかざした。 

チャララララ~♪ 

陽介「もうこの音楽も食傷気味だな」 

千枝「そうね……」 

>クマが画面に現れる……がどこか様子がおかしい。 
>眼の下に隈を作り、瞳孔が開いている。禍々しい印象を持った。 
>BGMも変わっていた。 

千枝「なに……これ」 

陽介「なんか様子が変だな」 

>とりあえず情報を聞こう。 

469: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 21:05:59.81 ID:UE4lf8aI0
クマ『ちゃんと来たクマね。ここが第5CPクマ! 
   よくここまで生きて来られたクマね。褒めてあげるクマ』 

クマ『もしかしたら、まだ誰も欠けてないクマ? 
   そんなことないと思うクマけど、もし欠けてないなら 
   もう一度ゲームの目的をおさらいてやるクマ!』 

陽介「なんかすげー偉そうだな……」 

千枝「うん、明らかに雰囲気ちがうよね」 

クマ『クマがセンセイと呼んでるんだから明晰な頭脳を持ってるはずクマ! 
   そんなセンセイたちは気づいていると思うクマけど気づいていない可能性も含めて喋るクマ!』 

クマ『本当は喋りすぎるとクマの身も危ないクマ。それをあえて喋るんだから感謝してほしいクマ』 

クマ『もう一度確認してほしいクマ』 

>クマがこちらに指を突き付け獰猛な笑みを浮かべている…… 

クマ『このゲームは定められたCPをただ通って、みんなでゴールしてああよかったねってするクマ?』 

クマ『そう思ってるならあえて言うクマ! バカも休み休み言うクマ!』 

クマ『センセイならそう思ってないと信じてるクマ!』 

陽介「コイツ……! 今すぐぶっ壊してやりてぇ……!」 

千枝「お、抑えてよ花村。あたしだってそうしたいのガマンしてるんだから……!」

475: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 21:20:22.86 ID:UE4lf8aI0
クマ『ただ分かっていても躊躇することもあると思うクマ』 

クマ『そこでクマから仏教の要諦を伝授するクマ! 
   これ本当はお坊さんが長い間禅を組んでようやく至る境地クマ! 
   やっぱりここでもクマに感謝して欲しいクマ~』 

陽介「……」 

千枝「……」 

>2人とも食い入るように画面を覗きこんでいる。 

クマ『ごほん、いいクマ? 
   僧に会えば僧を殺すクマ、仏に会えば仏を殺すクマ』 

クマ『つまりクマ! 生き残りたければ自分が殺される前に殺すクマ! 
   そのためには先制攻撃クマ! やるクマ! 殺すクマ! 殺せ!』 

クマ『殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。 
   殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。殺せ。』

482: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 21:32:12.69 ID:UE4lf8aI0
>画面いっぱいに殺せの文字がまだ続いている… 

千枝「う、うわっ! な、なにこれ……」 

陽介「……クソ」 

>ふっと文字が消え画面が暗転した。 

千枝「あ、あれ?壊れちゃった?」 

陽介「電池切れか?」 

>電池はまだ駆動時間的に余裕があるはずだが… 

千枝「あ、あれ? 画面戻ったみたいだよ?」 

陽介「……なんかクマのやつ椅子に縛られてる。どうしたんだこれ?」 

>眼の周りに青痰ができており頭の上には星が回っている。どうやら殴られて縛られたという演出らしい。 

クマ『やれやれクマ。喋り過ぎって怒られたクマ。 
   残念ながらクマとはここでお別れみたいクマ。 
   センセイ達はクマみたいにならないように気を付けるクマ!』 


486: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 21:40:25.58 ID:UE4lf8aI0
>画面の上手からスーツの男が出てくる……どうやら画面で映像をとっているというシチュエーションのようだ。 
>顔はカメラに背を向けているため見えない。 

千枝「……? なんかスーツの男の人が出てきたんだけど……」 

陽介「どこかで見覚えがある気がする背格好だな」 

>クマに近づいていく男の手には拳銃が握られている。 

クマ『そうクマ! 最期なら喋っちゃうクマ! こういうビデオ見たことあるクマ? 
   このゲームの主催者の目的は、ゲームをす――』 

ドォン――。 

千枝「……っ!」 

陽介「くっ……!」 

>クマは眉間に銃弾を受けたらしい焦げ跡がついている。 
>クマは動かなくなっていた…

491: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 21:51:19.11 ID:UE4lf8aI0
>引き金を引いたスーツの男が振り返った。この人は……! 

足立『どうもどうも! みなさんはじめまして! 
   僕の名前は足立って言います! よろしくねぇ~』 

千枝「あ、足立さん!? なんで!?」 

陽介「あ、あの人もこのゲームの関係者なのかよ!?」 

クマ『残念ながら、さっきの彼は重大な服務規程違反があったから、処刑しちゃいましたぁ』 

>ケラケラと足立さんは笑っている…… 

千枝「クマくんとかから考えて……全然違うキャラクターとして 
   仕立てあげられてるって考えていいのかな…」 

陽介「かもしれないな」 

>足立さんはまだしゃべり続けている 

足立『さっきの彼の代わりに、ピンチヒッターとしてこれから先は僕が引き継ぐからねぇ。 
    どうぞよろしくー』 

>足立さんはへらへら笑っている… 


498: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 22:04:12.31 ID:UE4lf8aI0
足立『ええとぉ。前任者が大半喋っちゃったかぁ。じゃあ僕がここでいうことは後ひとつしかないや』 

足立『毒蛇注意の表示のお知らせだね。アルファベットのVの字に注意してね~。 
    あ、無知なキミたちに教えておくとヴェノムススネークのVね』 

足立『それから表示が見えて、近くに数字があるときは毒蛇ランキングを参照してね。 
   あとは自分で考えてねぇ、以上足立情報でしたぁ』 

>画面から足立さんが消えてしまった…。 

千枝「クマくん……生きてるよね? あれ、クマくんじゃないよね?」 

>千枝は涙を目にいっぱいためている。 

陽介「きっと大丈夫さ……きっと」 

>今は情報を整理しよう。生き残るために。 

千枝「う、うん」 

陽介「クマのやつ最期に何か言ってたよな……」 

>このゲームの主催者の目的は、ゲームをす、といっていた。 

陽介「この後に続く単語を考えると……なんだろう」 

千枝「ゲームをす……わかんない」 

>ゲームをす……。す、す……。すること? 

505: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 22:11:28.88 ID:UE4lf8aI0
陽介「ゲームをすることが目的?」 

千枝「どういうこと?」 

>ここの場所を考えてみてほしい。 

陽介「オーストラリアの、バングル・バングル国立公園だっけ?」 

>違う。この苛酷な状況に忘れがちだが。 

千枝「そっか! マヨナカテレビ!」 

陽介「あ、ああ。そうだけど……何か違いがあるのか?」 

>マヨナカテレビのことを思い出してほしい。この中に投げ込まれた人間がどうなるか。 

陽介「放っておいたら、自分のシャドウに取り殺されるんだろ?」 

千枝「それもそうだけど……現実世界のテレビに映る……!」 

>そう。きっと犯人はこの状況を現実世界に映して楽しんでいるんだと思う。 
>そして、それが目的……。 

陽介「じゃあ、犯人の目的はもう達成してるってことかよ!?」 

千枝「ううん……まだ、まだあると思う。だって殺し合いをさせようとしてるんだよ?」 

>だがそれ以上は今の段階では分からない……

510: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 22:24:35.74 ID:UE4lf8aI0
>今日はもう休むところを探そう。 

千枝「そうだね……」 

陽介「もうすぐ日が落ちるしな」 

……… 
…… 
… 

――翌日。 

千枝「今日はどうするの?」 

>第6CPまで向かおう。距離も5キロ程度で短い。 

陽介「また食糧集めていかないとな。昨日晩飯結構喰っちまったし」 

千枝「長い距離歩いたから……しょうがないよ」 

>じゃあ、出発しよう。方向は南東だ。 

千枝「南東って今まで来た道を引き返す感じになっちゃうね」 

陽介「出られんのかな……」 

>……急ごう。

512: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 22:31:59.57 ID:UE4lf8aI0
……… 
…… 

>距離の半分といったところだろうか。 

千枝「ねえ、番長くん。どうしてこんなにコソコソ移動してるの? 岩陰に隠れたり草むらに隠れたり」 

>他のチームと合わないようにするためだ。 

千枝「みんなを信用しようっていうのは甘い話なのかな……?」 

陽介「空腹状態……俺たちの状況から考えても他のチームも極限状態を強いられているだろう。 
   俺たちはまだ食、という部分に困っていないからいいものの……他のところは分からない」 

千枝「それは、そうだね」 

陽介「そこでもし、俺たちほどじゃないけど何か情報を得て、チーム員以外全員がシャドウだなんて吹き込まれてみろ。 
    それで全員殺せば出してやるなんて聞かされたら――」 

千枝「花村、考え過ぎだよ…きっと」 

陽介「かもな。ただ俺が言いてーのは用心することに越したことはないってことだ」 

千枝「それは、そうだけど……」 

>とにかく慎重に行動しよう。対抗できる武器を俺たちはあまりにももっていない。 

千枝「うん……」

540: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/17(木) 23:44:52.92 ID:UE4lf8aI0
>この先の道は開けている。手前にある大き目の岩のところに行こう。 

陽介「ああ」 

千枝「うん」 

>岩の陰に移動した。 

千枝「次は結構開けてるね」 

>ああ。できれば一気に駆け抜けたい。 

陽介「そうだな……他のチームに見つかる可能性が一番高い」 

>岩の陰から道の方を覗いてみる。 

>……!! 

陽介「ど、どうした相棒?」 

>ジェスチャーで大きな声を立てないように指示をする。 

千枝「(だ、誰かいたの?)」 

>岩陰から道の中央あたりを指差した。 

千枝「ひっ(あ、あれって……!)」 

>千枝は声が出そうになったのか指を思い切りかんでいる。 
>あれは……生田目なんだろうか……

543: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 00:00:35.31 ID:FIwWfr5n0
>しかし……何だあれは。 

陽介「なっ……!!」 

>陽介も声が出そうになるのを必死に堪えている。 

>2人の男、距離は50メートル前後。1人は横顔を確認できたが……あれは。 

千枝「(ど、どういうことなのあれ? 誰なの!?)」 

>あまりにも風貌が変容している……かなり痩せており頬がこけている。 
>微かに生田目の面影が残っていたものの、はっきり言って別人に近い。 

陽介「(あ、あれじゃ化物だぜ……?)」 

>その中でも特に目を引いたのが……異様に大きく突出している目だ。 
>目つきが険しいなどというレベルではない……もはや獣のそれを髣髴とさせる。 

千枝「(あ、ああ、あれ、生田目さんなの……?)」 

>千枝は恐怖で手指が震えている。 

陽介「(い、いくらあの豪雨で食糧が取れなかったとはいえあの痩せ方はおかしいぜ!?)」 

>確かに、自分たちも対して食べていなかったため気持ち痩せた気もするが……あれは明らかに異常だ。 

陽介「(そもそも、生田目って食糧チームだろ!? なんであんな風になってるんだよ!?)」 

>わからないことだらけだ……

550: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 00:12:07.64 ID:FIwWfr5n0
千枝「(ご、ごめん。あたしが間違ってた……彼らには絶対見つかっちゃいけない)」 

陽介「(あ、ああ……見つかるわけにはいかない……なにされるかわからないからな)」 

千枝「(クマくんの言ってた言葉……こういう意味だったんだね……)」 

>ああ、今になって痛感することになるとは。 

陽介「(……? どういう意味だ?)」 

>陽介に第2CPで受け取ったクマからの警告を教えた。 

陽介「(食糧って……俺らのチームのことか? 俺もあんな風になってたかもしれないってことかよ)」 

>かもしれないな 

陽介「(くそぉ……)」 

>陽介も震えだしている。 

千枝「(ま、待って! アレが生田目さんだとしたら……もう一人は堂島さんってこと?)」 

>まさか……おじさんが……? 相変わらず後ろを向いていて顔は確認できない。 
>しかし、風貌からはとてもおじさんとは思えない……。 

陽介「(後姿じゃわかんねーな……)」 

>もう一度確認しよう。 
>岩陰からまた少し顔を出して確認しようとしたとき、生田目がこちらを向いた。

555: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 00:26:25.87 ID:FIwWfr5n0
>慌てて、姿を隠した。 
>マズイ、見つかったかもしれない。 

バクン、バクン、バクン―― 

陽介「(ど、どうした相棒?)」 

>生田目がこちらを向いた。もしかしたら見つかったかもしれない。 

千枝「(こ、ここから結構遠いよ? 注視してなきゃ気づかないと思うけど……)」 

>どうする……どうする……。 
>2人のぼそぼそとした不明瞭な話声が風に乗って聞こえてくる。 
>辛うじて『東』という単語が聞き取ることができた。 

>こちらへ向かってくる気配はないが見つかってしまったかもしれない。 
>千枝も陽介も恐怖のあまり固まっている……。 
>自分が判断を下さなければいけない。 

>『火星の迷宮』に同じようなシチュエーションをあることを思い出した。 
  『あなたは、大きな岩の後ろに隠れられるような窪みを見つけた。 
   2頭のグールは着実な足取りであなたに迫っているが、まだあなたに気が付いていない。 
   こちらにやってくるかどうかは運次第だろう。今闘っても勝ち目はない。 
   全速力で逃げるか、隠れてやり過ごすか、あなたは選択しなければならない』 

>どちらの結末が正しいのかは覚えていない…。だがどちらかはグールに食い殺されていた。 
>どうする? >>555 
①気づかれることは確実だが2人を連れて全力で逃げる。 
②この場で隠れてやり過ごす。 
③勇ましく戦うために、あえて向かっていく

557: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 00:28:32.99 ID:jtNCZOvL0
1

561: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 00:36:59.78 ID:FIwWfr5n0
>2人とも、気をしっかり持て。 

千枝「(ど、どうするの……?)」 

陽介「(まさか戦おうなんて言わないよな?)」 

>逃げるぞ。ここで待っていたらアイツらがこちらに来るかもしれない 

陽介「(で、でも確実に見つかっちまうぞ!?)」 

千枝「(うん……覚悟は決めた……行こう)」 

陽介「(しょ、正気かよ)」 

>3、2、1で全力で走るぞ…… 
>3、2、1……!! 

ダダダダッ!! 

生田目「おい! アイツら!!!」 

>走り出してすぐ生田目の怒号が耳に届く。 
>二つの猛烈な足音が迫ってくる。 
>いつまで逃げても後ろの足音は消えない。 

千枝「はぁ、はぁ、はぁ、ば、番長くん……も、もうダメ……」

564: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 00:48:06.24 ID:FIwWfr5n0
>千枝の走るスピードが徐々に落ちていく。 

陽介「里中! 諦めんな!」 

千枝「で、でも……も、もう心臓張り裂けそ――」 

トッ――ドサッ――。 

陽介「さ、里中ぁぁあああああああ!!」 

>巨大なサバイバルナイフの刃が背中から胸へ突き出している。 

生田目「ひひひひひ」 

>生田目が突き刺さったナイフを引き抜く。 
>血しぶきがが生田目に降りかかるが気にしている様子はない…。 

陽介「あ……ああ……あああ……」 

>2人とも千枝の死を目の前に動けなくなっていた。 

生田目「いいモンが手に入った」 

ドスッ――。 
>俺の胸にもナイフが突き立てられる。 
>その言葉を最後に、俺の意識は途絶えた。 

BAD END >>565 
直前からやり直しますか? 
①はい ②いいえ

565: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 00:48:53.68 ID:KRBfBBpx0
ど1

570: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 00:51:00.50 ID:FIwWfr5n0
>どちらの結末が正しいのかは覚えていない…。だがどちらかはグールに食い殺されていた。 
>どうする? >>571 
①気づかれることは確実だが2人を連れて全力で逃げる。 →BADEND 
②この場で隠れてやり過ごす。 
③勇ましく戦うために、あえて向かっていく

572: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 00:59:48.95 ID:FIwWfr5n0
>>555から 

>2人の手を握る。 

陽介「(ど、どうすんだ相棒)」 

千枝「(ば、番長くん……?)」 

>祈ろう。こちらに来ないことに。 

千枝「(に、逃げなくて大丈夫なの?)」 

>逃げても間違いなく追いつかれてしまうだろう。 
>だったら。 

千枝「(うん……分かった)」 

陽介「(ああ)」 

>2人の手を強く握る。 
>2人も強く握り返してきた。 

>……! 2人が動き出したみたいだ。 
>足音が遠ざかっていく。見つからずに済んだみたいだ。 

千枝「は、はぁ~……生きた心地がしなかった」 

陽介「まったくだぜ……」 

>2人とも手に汗をじっとりとかいている。

575: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 01:14:28.17 ID:FIwWfr5n0
>岩陰から姿を確認すると2人が遠ざかってるのが確認できる。 

陽介「もうしばらく動かない方がよさそうだな」 

千枝「これからどうしよっか?」 

陽介「アイツらのどうこうが分からなくなるのは怖いな…… 
   第6CPはあいつらが向かった方向だし、ある程度の距離をとりながら尾行するっていうのは?」 

千枝「そんなのダメッ! 危険すぎる! せっかくここで見つからなかったのが水の泡になる!」 

陽介「じゃあ、どうするんだよ。結局第6CPにはいかないといけないんだろ?」 

千枝「少し引き返して距離をとるっていうのは?」 

陽介「引き返したところで結局またここにくるんだろ? あんまり意味ないと思うぜ」 

千枝「じゃあ、どうすればいいっての!?」 

陽介「お、怒るなよ……相棒はどうした方がいいと思う?」 

>東という単語が気になる……。 

陽介「東か……あいつらが向かった方向とは別方向だな」 

>どうしようか… >>576 
①陽介の言うとおりそのまま第6CPへ向かう 
②千枝の言うとおり引き返す。 
③東という単語が気になる。東へ向かう 
④この場に留まる

577: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 01:16:42.03 ID:S0N+3nCa0
3

582: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 01:27:00.92 ID:FIwWfr5n0
>東に向かおう。 

陽介「わかった。あいつらが言ってたことは俺も気になるしな」 

千枝「あの2人から離れられるなら何でもいい」 

>決まりだ。 

>生田目たちが立っていた場所から東へ歩いていった。 

陽介「第6CPは今日中に行けるか心配だけどな……」 

千枝「そうだね……あたしもできるだけ早くこんなこと終わらせたい……」 

>2人とも気分が沈んでいる。 
>どうしよう。 
①大丈夫。3人なら何とかなる。 
②俺がいる。 
③他のみんなの様子も知りたい。 
④何も言わない 

>>583

583: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 01:28:04.63 ID:wukMRg3Zi
1

584: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 01:36:32.91 ID:FIwWfr5n0
>大丈夫。3人なら何とかなる。 

陽介「……おう! そうだな!」 

千枝「そうだね。3人なら何とかなる気がする」 

>不安は根強く残っている…。 
>それでも口に出すことで、少しだけ心が軽くなった。 
>2人とまた少し仲良くなった。 
>千枝はこちらを強く意識強いている。 
>陽介はこちらを意識している。 

千枝「行こう」 

陽介「ああ」 

>先ほど彼らがいた場所から東へ向かって進んでいく。 

……… 
…… 
… 

千枝「ね、ねえ、ここ。見覚えない?」 

陽介「ああ。俺もそう思っていたところだ」 

>ここは……第4CPの近くだ。 

千枝「も、戻ってきちゃったってこと?」

591: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 01:52:04.73 ID:FIwWfr5n0
>あの岩山はロック・ワラビーを仕留めたところだ。 

陽介「あ、ああ! 間違いない! ここ第4CPの近くだ」 

>かなりルートを錯綜しているらしい。 

千枝「あ! あそこ! あたしたちが作ったグラウンド・オーブンの残骸!」 

>だが、自分たちの作ったものよりも形状が変化している。 

陽介「確かに……穴がかなり大きくなっているな」 

千枝「何かもっと大きな獲物でも捕まえたってことかな」 

>大量の蠅がたかっている。何か入っているのだろうか…… 

>嫌な予感がよぎる…… 

千枝「これ使ったのって、生田目さんたちなのかな……?」 

陽介「どうする? 中確認してみるか?」 

>2人の表情は固い。自分と同じく何か嫌な予感がしているのだろう。 
>確認してみよう…。 

陽介「相棒、一緒に確認しよう。里中はそこで待っていてくれ」 

千枝「わ、わかった」 

>グラウンド・オーブンに近づいていく。何かの腐臭がする…

598: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 02:07:17.91 ID:FIwWfr5n0
>グラウンド・オーブンの近くに何かの血の流れた跡がある。 
>何が入っているか確認しよう。 

ガサガサ……。 

陽介「……!! こ、これって」 

>手だ……ところどころ指が欠損した人の手。 
>……ほとんど白骨状態だが肉が少しこびりついている。 

陽介「あ、相棒……吐いたら悪い」 

>安心しろ。俺も似たような状態だ。 

陽介「問題は……この手の持ち主だよな」 

>さらに草をどけていく。 
>……? 何か大きいモノが下にある。 

>!!!!!!!! 

陽介「う、うわぁあぁあぁあぁぁぁあぁっ!!!!!」 

千枝「ど、どうしたの?」 

陽介「里中来るな! 絶対にくるな!」 

>堂島さんの頭部がゴロリとでてきた。 
>首元と耳に歯形がくっきりと残っている。食いちぎろうとした痕だろう……。 
>脳天から鼻の下までひとつの刃筋で骨諸共大きく切り裂かれていた。

606: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 02:22:54.00 ID:FIwWfr5n0
>吐き気が込みあげてくる…。 

陽介「き、きっと自分が死んだことすらわからなかっただろうな……」 

陽介「もう見るのはやめよう……」 

>陽介は草をかけて遺体を隠した。 

陽介「もう行こうぜ……相棒」 

>押し寄せてくる吐き気を堪えて遺体に背を向けた。 
>堂島さん…… 

千枝「な、何があったの?」 

陽介「……相棒の、おじさんの死体だ」 

千枝「ひっ……ば、番長くんの?」 

>……確認したから間違いない。 

千枝「番長くん……」 

陽介「……相棒、今は場所を変えて情報を整理しよう」 

千枝「花村! そんな言い方」 

陽介「……考えていればその間だけでも忘れられる。 
   今ここに留まることは得策じゃない。早く移動しなければ命が脅かされるかもしれない」 

608: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 02:28:37.79 ID:FIwWfr5n0
>ああ、そうだな 

陽介「……あとで泣けばいいさ。今だけ我慢してくれ。わりぃこんなことしか言えなくて」 

>いや、ありがとう。 

……… 
…… 

陽介「とりあえずここら辺でいいかな」 

>ああ。情報を整理しよう。 

陽介「堂島さんは、生田目と一緒に行動してたよな?」 

>ああ。食糧チームだ。 

陽介「さっき会った生田目……異常に痩せてた」 

千枝「それってもしかして……」 

>遺体の状況から考えてもそうだろう。餓えた結果、殺して喰った……。 

千枝「うっ……」 

陽介「無理かもしれねぇけどできるだけ想像しない方がいい」 

>だけど不自然な点がある。おじさんの顔……そこまで痩せていなかった。 

陽介「……! そういえばそうだった」

613: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 02:41:18.87 ID:FIwWfr5n0
千枝「どういうこと?」 

>お互いに行動して、餓えていたのならおじさんも生田目のように痩せていなければおかしい。 

千枝「あ、そうか」 

陽介「どういうことだ……?」 

>生田目だけに何かが起こったと考えるべきだろう。 

千枝「何か、か。そういえばどうして番長くんのおじさんだってわかったの?」 

>なぜか頭だけ食べられていなかった。 

陽介「あの感じ……きっとためらったんだろうぜ」 

>だけど、一度喰ってしまえば次はもう躊躇わないだろう。 

千枝「食屍鬼……グール……」 

陽介「まさか、これもゲーム主催者の思惑通りだっていうのかよ」 

>クマの警告が蘇る。 

――クマ『最後に食料を選んだ連中クマ。こいつらには近づかない方がいいクマ~。 
      なんでかはまだ言えないクマ。でも中盤以降は絶対に近づかない方がいいクマ』 

>そういうことだったのか?

616: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 02:55:42.41 ID:FIwWfr5n0
千枝「ちょっと待って。でもそれっておかしくない?」 

陽介「何がだ?」 

千枝「生田目は誰かと一緒にいたんだよ? 
   あのもう一人が番長くんのおじさんじゃなかったら誰だっていうの?」 

>そういえば。あれは一体誰なんだ? 体格的に男だと思うが今では自信がない.。 
>ボロイ布のようなものを日除けに使っていたせいで誰かわからなかった。 

陽介「でも死体は間違いなく本物だったぜ」 

千枝「それに一緒に行動するっていうのもおかしいよ」 

>あの生田目と一緒に行動できるような人物…。 

陽介「それこそグールだぜ」 

千枝「同じようになった人……?」 

>わからない……。

622: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 03:10:25.24 ID:FIwWfr5n0
千枝「あ、そういえば、一応これ拾ってきたんだけど……」 

>ゲーム機だ。 

陽介「これは……堂島さんの?」 

千枝「多分。電源つけて第一CPのメッセージ確認すればだれのものかわかると思うけど」 

>つけてみよう。 

千枝「わかった」 

パチ。 

千枝「ひゃっ!」 

>どうした? 

千枝「画面いっぱいの大きさでこれが……」 

『BAD END』 

陽介「ふざけんな! 何がバッドエンドだ!」 

>でもこれで一つはっきりした。 
>ゲームの主催者は俺たちを間違いなく監視している。

623: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 03:16:45.83 ID:FIwWfr5n0
千枝「これ、他には何も映さないみたい」 

千枝「役に立ちそうにはないけど……どうする? 持っていく?」 

>どうしよう。 
①荷物になるだけだ。捨てていこう。 
②念のため持っていこう。何が役に立つかわからない。 
>>624

624: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 03:17:56.82 ID:cO/9S8RF0
2

626: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 03:23:37.39 ID:FIwWfr5n0
>持っていこう。 

千枝「分かった。最初も番長くんが壊れたゲーム機捨てないでおこうって言ってくれたおかげで役に立ったしね」 

>千枝はおじさんのゲーム機をバッグにしまった。 

>これからどうしようか。 

陽介「アイツらもいい加減遠くに行ってるだろうし、そろそろ第6CPに向かうべきじゃないか?」 

千枝「でも、あたしらが第5CPから第6CPに向かってるときみたいに、来た道を戻ってくる可能性もあるし」 

陽介「だからってこの場に留まってることだって危険だと思うぜ」 

千枝「何をしてもリスクはあるってわけね……」 

>同じリスクがあるなら進もう。 

千枝「わかった。番長くんがそう決めたのなら従う」 

陽介「ああ」 

千枝「それにしても、危険な哺乳類ってこういう意味だったんだね……」 

陽介「俺は同じ人かどうかももう疑ってるぜ」 

>空気が重い…だが進んでいくしかない。

628: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 03:31:28.31 ID:FIwWfr5n0
>周りを警戒しながら歩いていく。 

陽介「強制的に、ルール追加かよ……」 

千枝「どういう意味?」 

陽介「アイツらに見つからないように歩いていきましょうってね」 

千枝「ああ……そういうことね」 

陽介「まさか、狩られる立場がこんなに怖いものだとはなぁ…」 

千枝「うん……とっても怖い」 

>警戒して進んでいるものの、今の俺たちにできることは、出会わないように祈るだけだ。 

>必要以上の言葉を発することなく3人とも歩いていく。 

>黙っていると、あの惨状が蘇る。 

>おじさん……。 

千枝「番長くん……これ」 

>ハンカチ? 

千枝「泣いてるよ……」

631: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 03:40:25.97 ID:FIwWfr5n0
>……ありがとう。 

陽介「第6CPまであと少しだから」 

>ああ。頑張ろう。 

………… 
…… 

足立『やあやあ! よく来たねぇ! ここは第6CPだよぉ~』 

>軽快なサンバのリズムと共に足立さんが画面に現れた。 

足立『ゲームもいよいよ佳境って感じかな? 僕はいつだって君たちのこと見守っているからねぇ! 
    ゲームの中からだけど! あ、これ笑うところね』 

千枝「……あたし現実の足立さんも嫌いになりそう」 

陽介「ああ」 

足立『ここではぁ。この足立さんから耳寄り情報を教えちゃいまぁす! どう? いいでしょ? 嬉しいでしょ?』 

足立『多分みんな知らないことなんじゃないかなぁ。心して聞いた方がいいよぉ。 
   言うよ? いい? 準備はできた? お風呂はいった? 歯磨きはした? アハハ! これも笑うところだから!』 

>この勿体つけ方に悪意を感じる…。

633: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 03:53:10.22 ID:FIwWfr5n0
千枝「くあー!! 腹立つ!」 

足立『あ、じゃあそろそろ言うからね。いい? メモの準備はした?』 

足立『実はなんと……コアラとウォンバットってもともとは同じ生き物だったんだって! 
   アハハハ! すっごいよねぇ!』 

陽介「……ぐっ……ぐうううううううう!!」 

千枝「は、花村。怒りたい気持ちは痛いほどわかるけど! ゲーム機投げようとしないで!」 

陽介「こんなくだらない情報を掴むためにここまで来たってのかよ!」 

>足立さんは生物の起源について話してる。表情も完全にこちらを嘲弄している。 

足立『きっと君たちもゲームの中の僕に感謝してるんじゃないかなぁ』 

陽介「誰がするか!」 

足立『あ、そうそう。ゲームといえば僕も今君たちが持ってるハードと同じもの持ってるんだけど。 
   外で暇なとき便利だよねぇ。今どき電池だけど20時間持つし。外で切れても変えればいいだけなんだからさ』 

足立『あ、そろそろ時間だね! 生き残るためには持ってるアイテムフル活用してねぇ。 
    すっごくお得な耳寄り情報でした! じゃあねぇ』 

>画面が暗転した。 

陽介「ふざけんな!」

637: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 04:06:14.47 ID:FIwWfr5n0
千枝「ねえ……本当に役に立たない情報だったのかな」 

>ああ、何か違和感を感じる。 

陽介「感情的になりすぎて細かく聞いてなかった……」 

千枝「なにかこう……前聞いたときと違うこと言ってたような」 

陽介「そんなこと言っても、生き物の起源がどうとか生き物の雑学がどうとか。 
   挙句の果てにはゲームだぜ?」 

>……! ゲーム! それだ! 

陽介「?」 

>ゲームの駆動時間だ。最初の説明のときを思い出してほしい。 

千枝「たしか……直斗くんのものに出てたやつだっけ?」 

>千枝がメモをぱらぱらとめくっている。 

千枝「ん~……あ、これだ。『動作時間は10時間』 
   あれ? 足立さん20時間って言ってなかったっけ?」 

>何か意味があるのかもしれない。 
>それともうひとつ気になることを言っていた。 

陽介「あったか?」 

>ここにきて、あれだけアイテムの使用を念押しするのは不自然だ。

641: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 04:21:23.65 ID:FIwWfr5n0
>もう一度みんなが持っているアイテムを確認しよう。 

陽介「わかった」 

>各自アイテムをひとつずつおいていく。 

【アイテム一覧】 
小型の鉈…1 
ライフツール…2 
マッチ…2 
ナイロンの釣糸…1 
プラスチックの食器セット…1 
蠅除けネット…2 
受信機…1 
コ    …1(半ダース) 
スネーク・バイト・キット…1 
特殊警棒…1 
催涙スプレー…1 
・ 
・ 
・ 
etc 

644: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 04:30:37.57 ID:FIwWfr5n0
千枝「花村の取ったものとあたしたちの取ったモノ結構被ってたんだ」 

>この中でまだ使っていないものは……。 

千枝「スネークバイトキット、これ花村のやつね」 

陽介「ああ」 

>重要度は確かCだったが……。 

千枝「あとは警棒と、催涙スプレー……」 

陽介「まあ戦ってないからな」 

陽介「当然コ    もだな」 

千枝「あ、当たり前じゃない! 水筒もあるんだし!」 

陽介「何焦ってんだよ……」 

千枝「ご、ごほん。あとはー……あ、これだ高性能受信機」 

陽介「なんでそんなもん取ったんだ?  
   電池はアイテムの中になかったからゲーム機の使わなくちゃいけないって分かってたはずだろ? 
   だからみんな敬遠してたわけだし」 

>だが、重要度は最高に近いAAAが記されていた。 

陽介「……わからん。無線機ならお互いに連絡取れるんだろうけど、何を受信するんだこれ? 
   チューナーもついてないから単一電波しか受信できないだろうし」

646: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 04:40:38.00 ID:FIwWfr5n0
千枝「ねえ。そろそろ食糧取らないとマズイ気がするんだけど…」 

>隠れながら進んだせいでほとんど食糧を採れていなかった。 

>気づけば日が傾きはじめている。 
>受信機の機動実験もしてみたかったがそれもあとだ。 

陽介「よし、早く探そう。日が落ちたら本当に何も取れない」 

>急ごう。 

…… 
… 

――翌日 

>昨日は食事の後すぐに寝てしまった……。 

千枝「堂島さんのこともあったし、疲れてたんだよ」 

陽介「第7CPってどこなんだ?」 

>近い。ここからすぐだ。 

千枝「最終CPね……」 

陽介「出口があるといいな」 

>行こう。

652: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 04:49:31.74 ID:FIwWfr5n0
…… 
… 

>最終CPについた。 

千枝「ここが最終CPね」 

陽介「ぱっと見出口はないみたいだな… 
   これって、アイテムか? これ見よがしにおいてあるけど」 

>CPにアイテムがあるのは久しぶりだ。 

千枝「双眼鏡みたいだね。120倍まで拡大できると。アイテムリストの評価はAA」 

>ずいぶんと豪華だな。 

陽介「最終CPにいいもの置いておくなんてタチが悪すぎるぜ」 

>嫌な予感がする……。 
>ゲーム機をかざした。 

足立『やあやあ! よく来たねぇ! ここは第7CPだよぉ~。 
   ゲームもいよいよ佳境って感じかな? 僕はいつだって君たちのこと見守っているからねぇ! 
   ゲームの中からだけど! あ、これ笑うところね』 

千枝「なにこれ? 第6が第7になっただけじゃん」 

陽介「ふざけてんのか」 

>動きも全く同じだ。

655: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 05:00:28.07 ID:FIwWfr5n0
足立『さてと、ここでCPは終わり。長いことよく頑張ったねぇ! 褒めてあげちゃう。パチパチパチ~』 

千枝「ホント腹立つね」 

陽介「さっさと出口を教えろ」 

足立『CP目指して頑張ってここまできた君たちにご褒美あげちゃう。 
    これからの行動は自由だよ。もう面倒なCPに行かなくてもいいんだ。よかったねぇ。 
    あ、でもここから脱走しようとしちゃダメだからね。もしそんなことしたらペナルティあるから。 
    ついでに簡単な地図もあげちゃう! 流石最終CP、アイテムすっごく豪華だね! よかったよかった!』 

陽介「ふ、ふっざけんなよ! 何が自由に行動しろだ! 出口は!?」 

千枝「きっと……そんなものないんだよ。ここで殺し合いし続けろって……」 

陽介「くっそ!」 

>陽介が思いきり壁を叩いた。表情も怒りに満ちている。 

足立『ここではぁ。この足立さんから耳寄り情報を教えちゃいまぁす! どう? いいでしょ? 嬉しいでしょ?』 
   多分みんな知らないことなんじゃないかなぁ。心して聞いた方がいいよぉ。 
   言うよ? いい? 準備はできた? お風呂はいった? 歯磨きはした? アハハ! これも笑うところだから!』 

足立『あ、じゃあそろそろ言うからね。いい? メモの準備はした?』 

陽介「また雑学でもたれようってか?」 

千枝「これ終わったら、あたし自分の壊れたゲームもっかい壊す……」

658: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 05:17:26.04 ID:FIwWfr5n0
足立『もう南のルートに行った人たちと会ったかな? 会ってたら多分ここにはいないよね。 
   だから次会ったときにはびっくりしちゃうと思うよぉ。前任の彼も警告した多と思うけどできるだけあわないようにした方がいいね』 

陽介「は、は? どういうことだよ」 

>画面に妖怪の餓鬼のようなキャラクターが出てきた。これは……。 

千枝「な、生田目にそっくり」 

陽介「やっぱり生田目がああなったのはゲーム主催者の仕業か……!!」 

足立『あ、これ一応人間ね。ほら握手握手』 

>餓鬼のようなキャラクターは足立にいきなり噛みついた。足立の肘から先が骨になっている… 

千枝「ひっ……」 

足立『アハハ。困ったねぇ。食いしんぼうさみたいだ。でも君たちだって僕みたいになっちゃうかもしれないんだよ? 
   でもただの人間はここまでならないよね? なんでこうなっちゃうかというと……答えは食べ物!』 

陽介「ま、まさか……」 

足立『群生しているもの食べてればよかったんだけどねぇ。アイテムリストの中にドクロマークついてるのあったの憶えているかな? 
    そう! FSビスケットとビール! 罠、なんて書いてもあったんだからフツーは食べないよね。 
    まさか、君たちは誘惑に負けて食べたり飲んだりしてないよね?』 

陽介「う……ぐ……!」 

>陽介の顔が青ざめている。 

663: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 05:35:27.03 ID:FIwWfr5n0
足立『でもまあ、少しくらいなら大丈夫かな。一口なら効果は全くでないし。 
   定期的に摂取し続けなければ一時的に症状は出るかもしれないけど、それ以上摂らなきゃ大丈夫! たぶん。 
   アハハ。個人差があるからね! 僕からはこれ以上何とも言えないなぁ』 

陽介「くそ……今の俺は大丈夫なのか?」 

>一時、陽介の眼が少し突出していたときことを思い出す。あれが症状だったのだろうか。 

千枝「大丈夫だよ、花村。顔つきから全然違う」 

陽介「お、おう」 

足立『でも、南のルートの人たちはそうはいかなかっただろうなぁ。だって各チェックポイントごとに毎回おいてあったんだから。 
    アハハハ、獲物は自分で獲ろう! 教訓だねぇ』 

>足立さんはいつの間にか半分以上が骨になっている… 

足立『まずはFSビスケットの秘密から教えちゃおう! FSって何の略かわかる? わからないよねぇ。 
    だってわからないようにしたんだから! アハハハ! 南のルートを選んだ人たちにはFamine Saver、飢餓防止って教えたんだけどね。 
   ぷっ……くくくく……あーっはっははっはっは!! 嘘だよ! 大嘘! 本当はFat Slicer、直訳すると脂肪を切り取っちゃうってこと! あははは! 
   つまりスーパーダイエット食品ってこと!』 

足立『まあ、どんな成分が含まれているか専門的なこと言ってもキミたちピンとこないだろうから、いろいろ薬がぶち込まれて作られてるって思ってくれればいいから。 
   それでも知りたいって言うならちょっと教えてあげちゃうけど。 
   ビタミンB群、こいつは脂肪の燃焼を促進する。あとは基礎代謝を上げる甲状腺ホルモン、あと男性ホルモン各種、カフェイン、アドレナリンなんかも入ってるね』 

陽介「こ、こいつなんてもん喰わせやがった……!」 

足立『あ、あと食べてみたらわかると思うんだけど、一応甘いんだよね。でもそれはエリスリトールとキシリトール。 
   キシリトールはほぼ全部体外に排出されちゃうし、エリスリトールはいっぱい食べると下痢起こしちゃう! アハハ困ったねぇ!』

665: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 05:48:12.96 ID:FIwWfr5n0
足立『だから実質あのビスケットはカロリーゼロ! すごいねぇ。売ったらバカ売れだねぇ。 
    まあ、薬事法に思いっきり引っ掛かるから売れるわけないんだけどね! アハハハハハハ!!』 

足立『このビスケットの一番の問題は甲状腺ホルモンだねぇ。市販されてる甲状腺ホルモンは当然の如く全部使われているし。 
   昔は、やせ薬として普通に売られていたらしいよ? まあとりすぎるとハゼドウ病に似た症状が出るってんですぐ使用禁止になったけど』 

足立『甲状腺ホルモンが何か知らない? 困った子たちだなぁ。よし。特別に教えちゃおう! 
   甲状腺ホルモンが過剰になると、激しい動悸、手指の震え、下痢、発汗などなど……』 

足立『ここで面白いのがさ、食欲が亢進するんだよねぇ。 
   やせ薬として飲んで食欲増してたら世話ないね! アハハハ!』 

>出発してから、しばらくの間の陽介の様子と同じだ… 

陽介「くっ……」

719: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 13:02:06.83 ID:69E9Ulzt0
>>665 
足立『もし食べてたら、抜けるときに似たような症状でるからね。苦しんでよかったんじゃないかな?』 

足立『甲状腺ホルモンを過剰摂取するとガンガン痩せていくんだけど、活動はやたらめったらハイになるんだよねぇ。 
    むしろハイパーなのかな? かなり怒りっぽくて攻撃的になるんだよ、ほらこいつらみたいにね。あー痛い痛い』 

>足立さんの身体は首から上以外骨になっている…。 

足立『顔もね、こいつらみたいになっちゃうの。具体的に言うと眼球がどんどん突出してきて、いかにも恐ろしげな顔になるんだよ。 
   あー、怖い怖い』 

>足立さんはへらへら笑っている。 

千枝「な、生田目はもしかして……」 

陽介「ああ、こいつらの都合であんな姿にさせられたんだ……!」 

>陽介の顔に現れていた変化もこれのせいだったのか…。

728: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 13:36:45.31 ID:69E9Ulzt0
千枝「花村、何かおかしいところない? 体調悪いとか……」 

陽介「今はない……正直言うと出発してから洞窟で下痢するまでずっとこんな感じだった」 

陽介「喰っても喰っても物足りなくてさ……」 

>今はもう大丈夫なのか? 

陽介「あ、ああ。食欲も収まったし大丈夫だと思う」 

>顔の変化も落ち着いている。 

足立『まあ、FSビスケットの効果はこんなもんかな』 

足立『続いてビール! いいよねぇ、ビール美味しいよねぇ。僕も大好きだよぉ。 
   でもここにあるビールだけは飲みたくないなぁ!』 

足立『まあ、未成年だから飲まない、なんてわけのわからない倫理観振り回してないと思うけど。 
   それでも飲まなかったというなら大正解、大当たり! アハハハ! でも飲んじゃうと思うんだよねぇ。目の前にある貴重な水分なんだから』 

足立『雨とか川の水とか飲むよりよっぽど衛生的だもんねぇ』 

足立『でもまあ、用心するべきだったよねぇ。缶の底見ればてっきとうに、はんだ付けした跡が見つかったんだけど! 
   それに味もちょっと苦かっただろうしねぇ。口に含んでも違和感覚えて吐き出すとかもできただろうし。注意一瞬ケガ一生ってね!』 

足立『え? なんでかって? 知りたい? 知りたい? アハハハハ! 焦んなくても大丈夫ちゃんとおしえてあげるから! 
    実はあのビールの中には数十種類の幻覚剤やら向精神薬が入ってたんだよねぇ。 
    特製ナルコティックカクテル! どんなヤク中でも満足すること請け合い! アッハハハハハハ!!』 

>……!

733: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 13:52:36.31 ID:69E9Ulzt0
足立『これはね、とある国で優秀な兵士を作るために調合されたものだったんだけどさ。 
   失敗も失敗。だーい失敗! 勇敢なる兵士、じゃなくてただの殺人鬼、サイコ・キラーを量産しただけ。 
   やれやれだね。失敗は成功の母だね。意識の明晰さは保ったまま、良心やら人間らしさを麻痺させちゃったもんだから…‥』 

足立『あ、彼らは被害者、社会病質者――ソシオパスだからね。出会ったら優しく介護してあげて! その前に喰われるだろうけど! 
   アーッハッハッハッハハハ!!』 

足立『物事はほどほどに! 教訓だねぇ』 

>足立さんは甲高く笑っている…。 

足立『あ、そろそろお別れかな。僕も喰われちゃうし』 

>足立さんは顔の半分以上を骨になっても喋り続けている…。 

足立『さあ、最後まで頑張ってねぇ。さよーならー』 

千枝「消えた……」 

陽介「うっ……うぉえぇええぇええぇ」 

>陽介が盛大に吐き出した。 
>自分の食べさせられたものに嫌悪感を覚えたんだろう… 

千枝「花村……」 

>初めからこうなることは決まっていたんだろう…。 

千枝「生田目さん……食糧チームがこうなることは主催者側は最初から想定済みだったんだね……」

739: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 14:07:03.42 ID:69E9Ulzt0
千枝「でも、堂島さん……番長くんのおじさんに顔変化してなかったってことは……」 

>きっと食べなかったんだろう。ビスケットもビールも…。 

千枝「あたしたちの警告……ちゃんと受け取ってくれたんだ」 

>ここからは予想だけど……。 

千枝「うん。聞かせて」 

>おじさんはきっと、生田目にビスケットをあげたんだと思う。 
>目の前で体調不良と空腹を訴えて、痩せていく生田目にできるだけ高カロリーのものをあげようって。 

千枝「普通に考えたらただのビスケットだもんね……」 

>飲み物も水より衛生的だと思って、ビールだったんだと思う。 

千枝「だけど生田目さんは健康になるどころか、どんどん痩せて顔も変っていった……」 

>そこで、何かいざこざがあったんだろう。食べ物が少ないとか。 

千枝「そして……生田目さんは堂島さんを……」 

>……たぶん。 

千枝「うっ……うううう……ううううううう!!」 

>くそっ……。

745: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 14:22:07.36 ID:69E9Ulzt0
陽介「……生田目は最初からグールの役回りを押し付けられてたって訳か」 

>大丈夫か? 

陽介「ああ……」 

千枝「もしかしたら花村もああなってたかもしれなかったんだよね」 

陽介「考えただけでぞっとする」 

>これからどうしようか… 

陽介「見つからないことが前提として……」 

千枝「彼らが餓死するのを待つっていうのが一つね」 

陽介「もう一つは他チームと合流してあいつらを倒す、ってのもある」 

千枝「少なくとも、あたしたちだけで立ち向かうっていうのは賢い選択じゃないと思う」 




747: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 14:27:46.10 ID:69E9Ulzt0
陽介「アイツらと交渉してみるっていうのも論外だよな」 

千枝「一番現実的なのはこの情報を見せて、他チームと合流するっていうのだけど」 

陽介「どこにいるかもわからないしなぁ。闇雲に歩き回るのも得策じゃない」 

千枝「生田目さんたちに会う可能性もあるしね……」 

陽介「脱出は不可能、連絡は取れない、不用意に動き回れない。八方ふさがりだ……」 

千枝「番長くん……」 

陽介「相棒……」 

>どうしよう。 
①とりあえずここから離れよう。 
②あえて見つかるように行動しよう。 
③もう一度現状分析をしよう。 
④もうなにも分からない…… 

>>748

748: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 14:28:19.37 ID:4cJW9Rxa0

750: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 14:37:30.23 ID:69E9Ulzt0
>もう一度現状分析をしよう。 

陽介「って言ってもなぁ」 

千枝「あ……そういえばまだ受信機試してなかったね」 

陽介「そういえば……もしかしたら新情報が手に入るかもしれないし」 

>スイッチを入れてみる。……なにも反応がない。 

千枝「番長くん。電池入れなきゃ」 

>そうか。だが、余っている電池は…。 

千枝「あ、堂島さんのゲーム機!」 

>千枝が拾ったゲーム機をとり出す。 

陽介「ああ、持ってたな。ホント何が役に立つかわからないな」 

千枝「これも番長くんが持っていこうって言ってくれたんだよ」 

陽介「流石だな! 相棒!」 

>2人とまた少し仲良くなった。 
>千枝はこちらを強く意識している。 
>陽介はこちらを強く意識している。

755: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 14:46:52.37 ID:69E9Ulzt0
>電池を入れ、スイッチを入れてみる。何も反応がない。 

陽介「反応ないな。本当にこれ役に立つのか?」 

>たぶん、としか言えないが。 

千枝「何か心当たりでもあるの?」 

>足立さんはゲームの動作時間が20時間だといっていた。 

千枝「だけど、最初の説明では10時間だって言ってたよね? 何か関係あるの?」 

>きっと、他に電池を消耗する装置がついているんだと思う。 
>それと、謎の受信機。アイテムリストに電池がないことから電池はゲーム機からとるしかない。 

千枝「本当なら、起動させるためには自分たちのゲーム機からとらなきゃいけなかったんだ……」 

>ああ。つまり受信機を起動させるには、むしろこちらのゲーム機が駆動していては困るような状況なんだと思う。 

陽介「……? どういうことだ?」 

>おそらくだが、盗聴器が仕掛けられているはずだ。それはすべてのゲーム機に仕掛けられていると考えるのが妥当だ。 
>よってゲームと盗聴器を同時に駆動させた場合、この近距離では自分たちの音声を拾ってしまうんだろう。 

陽介「な、なるほど」 

千枝「盗聴器……」 

>千枝。壊れたゲーム機を貸してくれないか? 入っていないか調べてみよう。

757: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 14:54:48.64 ID:69E9Ulzt0
千枝「……! う、うん!」 

>ゲーム機のカバーを外す。 

陽介「……素人目にもわかるなこれ。盗聴器かどうかは分からないけど 
    完全にゲームには不要な機械だ」 

千枝「これが……盗聴器……」 

>実験してみよう。 

千枝「実験?」 

>幸いこちらはゲーム機から電池を抜かずに生きているものが2つある。 
>だから起動させてみて、受信できるか確かめてみよう。 

陽介「ああ、俺のと相棒のやつだな」 

>近すぎると、ハウリングを起こすかもしれない。少し離れる。 
>手をあげたら電源を入れてくれ。 

陽介「ああ」 

タッタッタ―――サッ。 

チュイイン……ガガ。 

陽介『どうだ? 聞えるか?』 

>陽介の声が鮮明に聞こえる。間違いなさそうだ。

771: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 15:39:16.66 ID:69E9Ulzt0
千枝「本当に盗聴器だったんだ」 

陽介「でも、盗聴できる距離ってどんなもんなんだろうな」 

>わからない…… 

――ガガ。 

生田目『おい……本当にこっちなんだろうな』 

千枝「こ、これ、生田目さん!?」 

陽介「声もしゃがれて変わっている……声帯がイカれたのか……」 

>かなり鮮明だ。まさか近くにいるのだろうか。 

千枝「ち、近く!?」 

陽介「ヤバイんじゃねぇの!?」 

生田目『そもそも、お前が取り逃がすから悪いんだからな』 

??『うるせぇ』 

>声がしゃがれていて誰かわからない。だが男のようだ。 

??『とにかく強襲すればいいんだろ』 

生田目『武器は?』

780: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 15:45:07.32 ID:69E9Ulzt0
??『さあ。スタンガンとスリングショットじゃないか?』 

??『どっちにしてもアイツには使いこなせねぇよ』 

生田目『……ちっ』 

千枝「これって……」 

陽介「誰かを襲う算段をしてるのか……?」 

>そのようだ。 

千枝「ね、ねえ。もう一人ってもしかして……完二くん?」 

陽介「馬鹿な! ありえねぇ! だってビスケットも、ビールも俺たちが独占してたんだぞ!?」 

千枝「そうだけど……男の人ってあと完二くんしかいないよ?」 

陽介「う……ぐっ!」 

>まだ断定するには早いだろう。 

生田目『まあ、女一人襲うくらい大したことねぇな』 

??『ああ』 




788: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 15:56:57.35 ID:69E9Ulzt0
生田目『私は、絶対に生き残る。……なんてもうどうでもいい。人を喰いたい』 

??『ああ。だけどもう餓えることはまっぴらだ。腹が減った』 

>現在地をどうか言ってくれ……! 

生田目『とにかく挟撃すればいい。それで終わりだ』 

??『ああ』 

>それっきり会話が途切れた。 

千枝「だ、誰を襲うつもりなんだろう……」 

>スリングショットとスタンガンを持っている人……。 

千枝「両方最初の分配のときにはなかったね」 

陽介「途中のCPで手に入れたか……最初から隠していたか」 

>武器ルートの女性……りせ……! 

千枝「ねえ、ここでもしりせちゃんがあいつらに喰われたら……」 

陽介「武器も奪われるし、何よりりせちーを死なせるわけにはいかねぇ!」 

>だがアイツらは一人と言っていた。完二はどこに行ったのだろう……やはりもう一人は完二なのか? 

千枝「信じたくないけど……その可能性が高そうだね……」

794: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 16:15:53.01 ID:69E9Ulzt0
>このまま受信機を付けたまま移動したいが……電池が不安だ。 

千枝「あたしのは電池ないし……」 

陽介「安心しろ、相棒。俺のがある。このゲーム機ほとんど使ってねえからな」 

>……! いいのか? 電池を抜いたらすべてのデータが消えるんだぞ? 

陽介「大した情報も入っちゃねぇし大丈夫だって」 

>助かる。 

千枝「じゃあ早く出発しよ! りせちゃんが殺されちゃう!」 

>きっとあいつらの口ぶりからして近くにいるはずだ。 

陽介「急ごう」

798: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 16:30:56.98 ID:69E9Ulzt0
>受信機からは2人が歩いているであろう音だけが聞えている… 

陽介「くそっ……場所が分からねぇ」 

千枝「待って。 よく聞いて」 

ザクッ、ザクッ、ザクッ。 

陽介「2人の歩いてる音だけしか聞こえねぇ」 

千枝「しっ……この地面……草むらじゃないね」 

>砂礫か何かの上を歩いている音だ。 

千枝「この砂の音……第5CPから第6CPに行くときになかった?」 

>初めて変わり果てた生田目を見つけたところか。 

千枝「うん……」 

陽介「だけど第3から第4に行く最初の方もそうじゃなかったか?」 

千枝「あ……」 

>くそ。どちらかわからない……

805: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 16:44:26.07 ID:69E9Ulzt0
生田目『おい、これ』 

??『赤い光……チェックポイントか』 

生田目『……カセットを変えてください? 意味不明だ』 

??『大方情報チームのCPだろうぜ。 
   他のやつらが簡単に情報を手に入れることができちゃ情報の価値も激減だからな』 

生田目『なるほどな』 

??『ここでカセットを手に入れたのか、もっと前に手に入れてたのかはわかんねぇけどな』 

生田目『……ふん。まあいい。行くぞ』 

??『おう』 

千枝「CPの近く……」 

>今アイツらがいるのは第3CPだ 

陽介「その近くにりせちーもいるんだな!」 

>ああ、早く行こう!

807: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 17:00:12.29 ID:69E9Ulzt0
>第3CPまでは地図を見る限り直線距離で2~3キロメートルだ。 

千枝「すっごく長い距離を歩いてたように思うけど……こうして直線距離にしちゃうと案外近いんだ」 

陽介「とことんゲーム主催者は俺たちを弄びたいようだな」 

>憤るのは後にしよう。今はりせの救出だ。 

陽介「ああ」 

……… 
…… 

>開けた場所に出た。 

千枝「さっきから受信機からも歩く音聞えないね」 

陽介「もしかして電池が切れたか?」 

>いや。電池はまだ生きている。 

陽介「ってことは……」 

千枝「聞えないくらい遠くに離れてちゃったのかな」 

>もしくはゲームの電源を切っているか。 

陽介「たぶんそっちだな」 

>場所がつかめない……どうすれば。

810: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 17:16:32.82 ID:69E9Ulzt0
千枝「気づかれたってことかな……?」 

>それはないはずだ。情報ルートを辿っている俺たちも盗聴器の存在を知ったのはついさっきだ。 
>他のルートを進んでいるチームが知っているはずがない。 

千枝「単純に節約ってことね」 

陽介「だけどうするよ」 

>もう一度考えよう……。 

陽介「挟撃するって言ってたよな」 

千枝「何でかしらないけどあいつらりせちゃんの居場所知ってるみたいだったね」 

>きっと食糧ルートがグールになることを想定している主催者だ。 
>なにか他の人たちがどこにいるかわかるようなアイテムを持たせたのかもしれない。 

陽介「ちっ……」 

>単純に感覚器官がおかしくなってわかるのかもしれないけどな……。 

――ガガ。 

りせ『はぁっ……はぁっ……! な、なんでアイツが! ほ、他に武器はないの!?』 

>りせこの声が! 

陽介「おい、ヤバイって! この感じ襲われてるんじゃねぇか!?」

812: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 17:24:37.49 ID:69E9Ulzt0
千枝「ううん、きっとりせちゃんだけ気づいたんだと思う。それで何かほかの武器がないか情報を見るために」 

陽介「ゲーム機をつけたって訳か」 

>だがどちらにしてもマズイ。あいつらはもうりせの近くまで迫っている。 
>りせを救出する前にあいつらに発見されるかもしれない。 

千枝「ど、どうしよう番長くん!」 

>俺たちに武器はない…。闘っても勝ち目はないだろう。 
>どうしよう。 
①とにかく走り出す。 
②自分たちに注意が向くように大声を出しながらりせを探す。 
③もう一度受信機に耳を傾ける。 
④どうしようもない見捨てる。 
>>813

813: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 17:26:21.71 ID:nnfzlATP0
③かなぁ

816: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 17:36:11.71 ID:69E9Ulzt0
>りせの場所を特定しなければ助けることができない。もう一度受信機に耳を傾けよう。 

千枝「そんな悠長なことして大丈夫?」 

陽介「ここは相棒に任せよう」 

りせ『はぁ……はぁ……うう……なにもない。なにもない……ここに隠してあった武器もとられちゃってるし……』 

りせ『うっ……うううっ…なんであたしがこんな目に……助けて……誰か助けて……セン……パイ……』 

>りせのすすり泣く声が聞こえる… 

千枝「番長くん!」 

>千枝。地図を! 

千枝「ここが、武器チームの各CP……隠すならきっと最初に取ってきたもののはず!」 

>というと第1CPから第2CPの間か! 

陽介「ああ、俺たちもそうした。そうに違いない」 

>急ごう!

820: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 17:44:09.30 ID:69E9Ulzt0
――ガガ。 

生田目『おい、ここら辺じゃねぇのか』 

??『ここら辺を拠点にしてたんだがな……』 

生田目『……? 木の実の種? まだ湿ってるな。唾液か』 

??『近くにいるみたいだな』 

生田目『探すぞ』 

陽介「や、やべぇって! まじでやべぇ! すぐそこにいるんじゃねぇか?」 

千枝「でもここから第2CPって1キロ以上離れてるよ!?」 

>急ごう! 

りせ『ううう……どうしよう……どうしよう……どうしよう…』 

生田目『ここか?』 

りせ『……!』 

生田目『おかしいな……ここら辺にいると思ったんだが』 

千枝「ね、ねえ!」 

>急げ、急げ!

826: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 17:56:30.04 ID:69E9Ulzt0
>音声がダブって聞こえる。 

千枝「これって2人がすぐそばにいるってことだよね!?」 

陽介「くそっ! くそぉっ!! りせちーが喰われちまう!!」 

『ガサッ』 

生田目『そこか?』 

??『おい』 

生田目『なんだお前か』 

??『そっちにはいなかったのか?』 

生田目『ああ』 

千枝「……? どういうこと? 何言ってるの?」 

陽介「さっき挟撃するって言ってただろ。だからお互いに真ん中で鉢合うようにしたんじゃないか?」 

千枝「あいつらの思惑が外れたってこと?」 

>だが音声がダブっている。近くにいることは確実だ。

832: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 18:18:23.10 ID:69E9Ulzt0
千枝「ここでりせちゃんも食べられて、武器まで奪われたら……」 

>いよいよ勝ち目はなくなる。 

陽介「そんなこと抜き差し無しでりせちーを助けないと!」 

>だが……もう…… 

生田目『おかしいな……隠れられる場所なんてなさそうなのに』 

??『もう一度あたりを探すぞ』 

生田目『フン』 

りせ『ううう……こ、怖い……怖いよ……でもここはやっぱりあいつらも意識の外みたい……』 

千枝「意識の外……?」 

陽介「どこにいるんだ?」 

>意識の外……

838: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 18:37:44.59 ID:69E9Ulzt0
千枝「わかんない……」 

>陽介はどこにアイテムを隠していたんだ? 

陽介「隠したってより、普通にCPにおいていっただけだしなぁ」 

>そうか……。 
>意識の外…。 

陽介「意識の外ってことは、あいつらが思いもつかないような場所ってことだろ?」 

>この状況でそんなことがあるか? 

千枝「うーん……」 

りせ『大丈夫だよね……ここまでなら大丈夫だよね……』 

生田目『ちっ見つからねぇ』 

??『……』 

>どこだ? 

陽介「ここまでならってどういうことだ?」 

千枝「……」

840: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 18:46:46.77 ID:69E9Ulzt0
>……! まさか! 

千枝「ど、どうしたの急に?」 

陽介「何キョロキョロしてるんだ相棒?」 

>ルールを覚えているか? 

陽介「ルールってどの?」 

>違反行為の部分だ。 

千枝「岩山に上らないこと、脱走しないこと、だっけ?」 

>それだ。りせは岩山やそれに近いところの中腹にいいるんだと思う。 

陽介「そうか。登ってはいけないのルールのせいで上は死角だ」 

>きっとりせは、何かのきっかけである程度登ってもペナルティがないことに気付いたんじゃないか? 
>たとえば猛獣や虫に襲われて高いところに行ってしまった。しかしペナルティはなかった。 

千枝「だから今回もある程度のところまで登って身を隠した……!」 

陽介「ここら辺で岩山があるのは」 

>あそこだ!

845: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 18:55:07.24 ID:69E9Ulzt0
陽介「だけど奴らまだうろうろしているぜ?」 

千枝「諦めることもしないと思う」 

>場所の検討ついたのに、動くことができない……! 
>どうしよう。 
①大声をだし、奴らがこちら呼び寄せて、そのうちにりせの場所へ向かう。 
②見殺しにする 
③俺がおとりになる 
④誰かをおとりにしてそのうちに救出を。 
>>846

846: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 18:56:16.90 ID:rTQf2Gj5i
1

851: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 19:04:40.66 ID:69E9Ulzt0
>ここからあそこまで距離がある。 
>だからここで大声を出して、まず奴らをこっちにおびき寄せる。 
>奴らがこちらに向かってくる間に迂回し、りせの元へ向かう。 

千枝「危険すぎる!」 

陽介「正気かよ、相棒」 

千枝「それに奴らがこっちにくる確証もないんだよ!」 

>奴らは俺たちがりせを助けに来たとは思っていない。 
>だから助けを求めるような大声を出せば、いいカモが来たとりせよりもこちらを優先する。 
>食欲が優先だからな。 

千枝「そうかもしれないけど……」 

陽介「あいつらがすぐここまでくる可能性もあるぜ?」 

>岩山からここまでは500メートルほどだが… 

――ガガ。 

生田目『やはりここら辺にいるとしか思えないな』 

??『……』 

>マズイ。奴らが気づくのも時間の問題だ……

855: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 19:19:38.57 ID:69E9Ulzt0
りせ『うう……』 

>音声がダブっている。 

千枝「ってことは今アイツらはあそこにいるわけね」 

>やるぞ! 

陽介「ま、マジかよ」 

>やるなら今しかない。すぅー…… 

千枝「待って! あたしがやる。女の方が声が通るはずだから」 

陽介「さ、里中?」 

>……頼んだ。 

千枝「すぅー……誰か! 助けてくださぁいっ!! ここにいまぁす! 助けてくださぁい!!」 

――ガガ。 

生田目『なんだ?(ぇてくだぁい……)』 

??『ククク……何でもいいじゃないか。獲物だ』 

>千枝の声が生田目のところから聞こえる。 

千枝「さあ、行こうっよ! ここからは時間との勝負だから!」

857: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 19:21:14.88 ID:69E9Ulzt0
うご…大事なところで誤字…

859: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 19:31:00.44 ID:69E9Ulzt0
千枝「きっと奴らはまっすぐこっちにくる!」 

陽介「くそ!」 

>行こう! 

―― 

――ガガ。 

りせ『な、なんだったの? さっきの……』 

>より音声が鮮明になる。 

陽介「頼むぜー頼むぜー、あいつらまっすぐさっきのところ行ってくれよー……」 

千枝「今は早くいくことだけ考えて!」 

ダダダダッ!! 

――ガガ。 

生田目『どうする? まずは友好的に近づくか?』 

??『みつけたら問答無用でぶっ殺す。それでいい』 

陽介「こえー、こええよ。あいつら。なんてこと話してるんだよ!」 

千枝「見つかったら確実に終わりね…」

865: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 19:44:48.75 ID:69E9Ulzt0
ダダダダダッ!! 

陽介「ここか!」 

>上だ! 

千枝「! りせちゃん!」 

りせ「ひっ……! せ、センパイ……?」 

>りせ! 逃げるぞ! 

りせ「で、でも! 先輩達もあたしを殺そうとここに来たかもしれないじゃないですか……!」 

>確かに殺さないなんて証明はできない……でも今だけは信じてくれ! あいつらが戻ってきてしまう!! 

千枝「りせちゃん!」 

陽介「りせちー!」 

りせ「う……うううう………わかりました……どうせバレたんです。降りていきます」 

>ありがとう。 

りせ「う……ううう……ううううう」 

りせ「せんぱぁぁぁい!!! こわ、怖かった……怖かった……ううう」 

>りせに思い切り抱き着かれた。 
>りせは強く意識している。

872: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 19:51:38.14 ID:69E9Ulzt0
>千枝の視線を感じる…。 
>陽介の視線を感じる…。 

千枝「ご、ごほん。いい! あいつらもすぐ戻ってきちゃうから」 

陽介「そ、そうだそうだ! そんなことしてる場合じゃねぇ!」 

>それでもりせは自分の胸で泣き続けている。 

――ガガ。 

生田目『おい、どこにもいねぇぞ』 

??『……』 

生田目『おおい……』 

??『まさか……やられた!!』 

生田目『あん?』 

??『俺たちをおびき寄せるための罠だ! クソがぁ!!!! 絶対見つけてぶっ殺してやる!!』 

生田目『とりあえず、さっきのところまで戻るぞ!』 
   
  『ダダダダ』 

陽介「や、やべぇ! バレた!!」 

千枝「逃げなきゃ!!」

873: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 19:56:35.76 ID:69E9Ulzt0
千枝「で、でも4人だとさすがに目立ちすぎるよ!?」 

陽介「どうする!? 二手に分かれるか!?」 

>どうしよう。 
①全員バラバラで逃げる。 
②それでも全員で逃げる 
③千枝と逃げる。 
④陽介と逃げる。 
⑤りせと逃げる。 
>>874

876: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 19:57:21.63 ID:tZn6w3wn0
2で

905: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:17:23.11 ID:69E9Ulzt0
>>873 

>バラバラになるのはマズイ! 一緒に逃げるぞ! 

千枝「……うん! 番長くんがそういうなら!」 

陽介「走るぞ!」 

りせ「うん!」 

――ゥゥゥウオオオオオオオ!!! 

>獣のような雄叫びが後方から聞こえる…… 

陽介「はええよ!!」 

千枝「姿ばれたら終わりよ! 全速力で走って!」 

>そっち開けた場所に出てしまう! こっちだ! 

909: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:24:50.69 ID:69E9Ulzt0
陽介「くそぉ!! いつまで走っても声が聞えなくなんねぇよ!!」 

>変わらず後ろからは叫び声が聞こえている…。 

千枝「今は走る!!」 

りせ「もー!!」 

――ガガ。 

生田目『どこ行きやがったぁ!!』 

??『うるおおおおオヲををおおお!!』 

―――おぉぉぉ…… 

>遠くからこだましている。 

陽介「もしかしてあいつら別の方向行ったか!?」 

千枝「でも、気を抜けない。今はできる限り離れる!」 

…… 
… 

陽介「はぁ、はぁ、はぁ……」 

千枝「ど、どうにか撒いた……?」 

りせ「わか、わかんない……」

911: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:32:29.58 ID:69E9Ulzt0
――ガガ。 

生田目『ど……だ……くっ……やる……』 

??『ぜっ……い……く……る……ぶっ……』 

>不鮮明な音声だ。かなり離れたということだろう。 

陽介「よ、よかったぜ……あいつら違う方向にいったってことか」 

千枝「でも、今夜はたき火とか間違ってもできないね」 

りせ「うん、火って結構遠くからでもわかるから」 

>そういえばここはどこだろう。 

りせ「ごめんなさい。あたしは分からないです」 

千枝「あれ……? ここって……」 

陽介「第4CPの近く?」 

>また戻ってきてしまったのか…

912: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:36:09.38 ID:69E9Ulzt0
千枝「あ、でも待って! ここ第4ってことは」 

陽介「あのプールみたいなところがあるな!」 

>……! 

千枝「そ、そこにいこ? あそこならきっと見つからないから!」 

陽介「でも、もしあいつらがあそこに来たら袋の鼠だぜ?」 

千枝「でも……」 

>どうしよう。 
①以前水浴びした場所に行く 
②今はもっと離れよう 
>>913 



913: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:36:50.58 ID:ULkXE7HT0
1

919: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:45:50.21 ID:69E9Ulzt0
>あそこへ行こう。そろそろ休憩もとりたい。 

陽介「相棒あそういうならいいけどよ……」 

千枝「やた!」 

りせ「……? 話が見えないんですけど……」 

千枝「行けばきっとわかるから! りせちゃんも喜ぶと思う!」 

>とにかく行くなら急ごう。とどまっていることが一番危ない。 

…… 
… 

――岩のドーム内。 

りせ「わぁ……!」 

千枝「とりあえず一息つけそうだね」 

陽介「つ、つかれたぁ……」 

>全員へたり込んでいる。 

千枝「休んだ後、情報整理しよ」 

>ああ。……疲れた。

921: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 21:53:48.24 ID:69E9Ulzt0
陽介「多分身を隠すことはできると思う」 

>食糧をとりに出たいが、一度入ったからには出ない方がいいだろう。 

陽介「だよなぁ。出るなら二度と戻ってこないくらいの覚悟はほしいよな」 

千枝「うん……」 

りせ「あの……4人が全員満足するほどじゃないけど、ちょっとなら」 

>りせのバッグから木の実が出てきた。 

陽介「り、りせちー!」 

りせ「今日はこれで……」 

>ありがとう。 

りせ「あの……何がどうなってるか。どうして先輩たちはあそこに?」 

>りせに事情を説明した。 

りせ「そう……なんですか。出口はない……」 

>ショックを隠せないようだ。 

千枝「りせちゃん。今、何か武器持ってない?」 


925: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:12:19.80 ID:69E9Ulzt0
りせ「武器ですか? スリングショットとスタンガンくらいですけど」 

千枝「他の武器は?」 

りせ「それは……」 

千枝「もう隠しごとは無しだよ。あたしたち武器隠してたのだって知ってるんだからね」 

りせ「はい……最初に分配で受け取った武器以外にあたしたちは武器を隠しておきました」 

りせ「最初の分配で受け取った武器は2人で平等に分けました。それが催涙スプレーと飛び出しナイフです」 

りせ「あたしと完二はCPから武器をとって戻っていったんだけど…… 
   みんなの中にシャドウがいるんじゃないかって思って」 

りせ「だから。さっきあたしがいるところに隠しておいたんです。 
   上るのは禁止されてたけど……あたし蛇に驚いちゃって。 
   ルールも忘れてどんどん上に登って行ったんです」 

りせ「そのあとルールのこと思いだして。どんなペナルティだろうって震えてたんですけど 
   結局ペナルティは何もありませんでした」 

>そこである程度登っても大丈夫だということを知ったのか。 

りせ「はい」 

りせ「だから、他のみんなは分からないだろうって思って、あそこに完二と武器を隠したんです」 

りせ「隠した武器は、山刀、スリングショット、スタンガン、ボウガン……その4つのうち、みんなと別れた後にスリングショットとスタンガンだけ回収しました」

943: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:30:17.19 ID:69E9Ulzt0
りせ「山刀とボウガンは本当に万が一のとき……戦闘になりそうなときに取りにこようって」 

>警棒は? 

りせ「警棒は……第3CPのアイテムだったんです」 

りせ「そのあと、先輩たちに会って……食糧を分けてもらったんですけど」 

>あのときすごい怒声が聞えたな……。 

りせ「そこで完二と喧嘩になりました。あたしは食糧を計画的に食べるべきだって。 
   完二はこうやって、木の実のビジュアルが分かったんだからまた採ればいい。全部食べてしまおうって」 

りせ「でもそのあと、仲直りしてまた次の場所に行きましたよ」 

りせ「問題は第4CPに行った後です」 

りせ「完二が食糧取ってくる。そういって一人で出ていった後……あの豪雨になりました」 

りせ「それ以来、完二は戻ってきませんでした」 

>……! 

りせ「かなり待っていましたけど、完二は戻ってこない……だから、1人で次のCPに行こうとしました」 

りせ「第5に行く途中の夜に……犬のようなものがたくさんあたしの方を見ていて 
    ……その時は襲ってこなっかったんですけど怖くなってしまって」 

りせ「だから、ボウガンと山刀を取りにあそこまで戻ったら……あいつらに見つかって!」

964: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 22:58:41.49 ID:69E9Ulzt0
>それで上に上って隠れていたわけか。 

りせ「うん……」 

陽介「なあ、もう一人って誰だったんだ? 1人は生田目だったんだけど……」 

りせ「……」 

千枝「りせちゃん?」 

りせ「完二……だったと思う」 

>だった思う? 

りせ「だって! 姿かたちが変わり果ててたんだもの!」 

りせ「でも……あれは完二だったと思う」 

陽介「たしかに……」 

千枝「でも、完二くんならりせちゃんの隠れていた場所わかる気もするんだけど……」 

りせ「……!」 

陽介「そうだなぁ」 

>たしかにそうだ。

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:15:05.96 ID:69E9Ulzt0
 

りせ「うん……」 

陽介「なあ、もう一人って誰だったんだ? 1人は生田目だったんだけど……」 

りせ「……」 

千枝「りせちゃん?」 

りせ「完二……だったと思う」 

>だった思う? 

りせ「だって! 姿かたちが変わり果ててたんだもの!」 

りせ「でも……あれは完二だったと思う」 

陽介「たしかに……」 

千枝「でも、完二くんならりせちゃんの隠れていた場所わかる気もするんだけど……」 

りせ「……!」 

陽介「そうだなぁ」 

>たしかにそうだ。 

 
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:26:38.56 ID:69E9Ulzt0
りせ「で、でも……あれは……」 

>りせは混乱しているようだ…。 

>今日はもう休もう。 

りせ「はい……」 

千枝「りせちゃん……」 

りせ「な、なんですか?」 

>千枝がりせに詰め寄っていく…。 

千枝「ごめんっ! あたしたちも隠しゴトしてました!」 

りせ「あ、いえ……あたしもごめんなさい」 

>ごめん。 

りせ「いえ……」 

陽介「俺も、ごめん」 

>4人の絆が強まった。 
>千枝はこちらを強く意識している。 
>陽介は強くこちらを意識している 
>りせはこちらを意識している。

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:36:54.18 ID:69E9Ulzt0
千枝「りせちゃん。ここ、水浴びできる程度には綺麗だから」 

りせ「ホントですか!」 

>女子グループが水辺ではしゃいでいる。 

陽介「なあ。りせちーの話、どう思う?」 

>完二のことか? 

陽介「ああ……ちょっと信じらんねぇよ……」 

陽介「たとえ完二がグールになったとしても……どうやってビスケットもビールも手に入れたんだよ!?」 

>ビスケットは……心当たりがある。 

陽介「!?」 

>第2CPのところで、FSビスケットを捨てた。 

陽介「まさか……それを拾って!?」 

>1枚ずつパッケージされていたから湿気たりもしなかったんだろう……。 

陽介「……」 

>……あくまでも予想だ。 

陽介「…ああ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:45:07.11 ID:69E9Ulzt0
千枝「ね、番長くん。あたしたち今から水浴びするから後ろ向いててね」 

りせ「流石に出ていけなんて言いませんから」 

>ああ。 

千枝「花村、後ろ向いたらぶっ飛ばすかんね!」 

陽介「わーってるよ」 

>後ろで2人が水浴びをする音がする…。 

りせ「はぁぁぁぁぁ……久しぶり……気持ちいい……」 

千枝「うん、気持ちいい」 

陽介「……絶対振り向くなよ。絶対だからな」 

>ああ。 

陽介「絶対だぞ!」 

>……振り向きたいのか? 

陽介「だって、りせちーの裸だぜ!? さ、里中だって……」 

>気持ちは十分に分かるがやめておけ。 

陽介「……だな。相棒と約束したしな」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/18(金) 23:50:14.36 ID:69E9Ulzt0
千枝「花村ぁ!! 聞えてるからね!」 

陽介「いいっ!!」 

りせ「こんなときに何言ってるんですか」 

陽介「ごめん……」 

…… 
… 

千枝「ふうっ。気持ちよかった」 

りせ「久しぶりに生きた心地したぁ」 

>服は洗わなくていいのか? 

千枝「洗いたいけど……二人がいるし乾かすのに外に出られないし」 

りせ「先輩の●●●……」 

陽介「やーい! ●●●●●●!」 

千枝「花村は後でぶっ飛ばす。ここから出たらぶっ飛ばす」 

陽介「えぇ……」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:01:24.50 ID:aYVewmw90
千枝「じゃあ、今度はあたしたちが後ろ向いてるから浴びてきなよ」 

陽介「おう」 

…… 
… 

陽介「ふいー」 

>今日はもう寝て明日に備えよう。 

千枝「うん」 

りせ「はい」 

陽介「おう」 

>それぞれが横になっていく。 
>失神したように眠りについた。 

…… 
… 

>ん……まだ夜が明けていない。起きてしまったようだ。 
>1、2……誰かいない? 
>いないのは…… 
①陽介 
②千枝 
③りせ 
>>35

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:02:04.08 ID:qHCbk8hH0

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:12:00.16 ID:aYVewmw90
>千枝の姿が見えない…。 

>あたりを見渡すと月明かりの中で岩の切れ間から空を眺めている千枝を見つけた。 

千枝「……あ。番長くん、起こしちゃった?」 

>そんなことはない。 

千枝「……ね。こっちこない? 空、綺麗だよ」 

>ああ。 

>空を見上げる。確かに綺麗だ…。 

千枝「……そんなに離れたところにいないで、もっとこっちきなよ」 

>……月明かりに照らされた千枝の顔が高揚している。 

千枝「こうしてると、化物に追われていることも、 
    ここがマヨナカテレビの中だってこうしてると忘れちゃうね」 

>ああ。 

千枝「あたしね。番長くんがいなかったら今生きてないと思う」 

>そんなことはない。千枝なら大丈夫だ。これまでも頑張ってきた。 

千枝「ううん。番長くんがいたから頑張れた」 

>千枝……。

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 00:55:43.36 ID:aYVewmw90
千枝「あ、アハハっ。極限状態でこんなこと言うのも変だよね」 

千枝「でも……ちょっと疲れちゃった」 

>千枝が自分の肩に頭をもたげてきた。 

千枝「今だけ……いいよね」 

千枝「生きたい……生きて、番長くんと一緒にここから出たい……」 

>千枝……。 

千枝「番長くん……」 

>唇が合わさる…。

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:03:55.23 ID:aYVewmw90
千枝「あむ…ちゅ……ちゅる……んんっ…ふっ……んっ…ぷは」 

>お互いに激しく唇を貪る…。 

千枝「キス……しちゃったね…んむっ!」 

>何度も、何度も貪る。 

千枝「ぷぁっ……はぁ…はぁ」 

>千枝の顔はさっき以上に紅潮している…。 
>千枝に覆いかぶさる。 

千枝「う、嬉しいけど……これ以上は……ダメ…‥みんな起きちゃう」 

千枝「絶対、声我慢できない……」 

>どうしよう。 
①みんなが起きるのを覚悟で全力で抱く 
②それもそうだ。冷静になろう 
>>69

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:04:19.96 ID:7E/MmCo0i
2

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:16:49.76 ID:aYVewmw90
>ああ。そうだな。 

千枝「ん……絶対、生きてここから出ようね」 

>お互いに強く抱きしめあう…。 

>2人とも再び眠りについた。 

…… 
… 

りせ「じゃあ行きましょうか」 

千枝「うん」 

陽介「気が重いぜ……」 

>千枝が昨日のことを引きずっている様子はない。

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:32:31.80 ID:aYVewmw90
>受信機をつけてみよう。 

――ガガ。 

『う……る? こ……か……』 

『わか……いよ……いぶ……きい……ない』 

千枝「これって?」 

>生田目たちでは無いようだが。 

りせ「もしかして、サバイバルチーム?」 

陽介「近くにいるのか?」 

>音声からして、近いということはなさそうだが……。 

千枝「受信できる距離にはいる、と」 

りせ「探しましょ! あいつらに少人数で立ち向かうなんて無理!」 

>受信機はこれ以降何の反応も示さない。 

>どうしよう。 
①サバイバルチームを探して合流しようと試みる 
②グール達から逃げるためにとりあえずここから遠ざかる 
③闇雲に動かずここに留まる 
>>87

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:33:05.22 ID:A6geY+JY0

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:46:25.37 ID:aYVewmw90
>サバイバルチームと合流を試みよう。 

りせ「さんせー!」 

陽介「そうだな……今なら結構武器あるし対抗できるかもしれない」 

>みんなに武器を持っておいてもらおう。 
>>93 陽介 
>>94 千枝 
>>95 りせ 
>>96 自分 

【武器リスト】 
①特殊警棒 
②催涙スプレー 
③スリングショット(石礫などを射出するパチンコ型武器) 
④高出力スタンガン 
⑤小型の鉈 

被ったら余ったもの自動振り分け

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:47:11.22 ID:GNirHFta0
スプリングショット

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:47:23.33 ID:gXr9t9bg0

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:47:36.24 ID:3TfQcKJh0
2

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:48:00.66 ID:7E/MmCo0i
1

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 01:54:11.22 ID:aYVewmw90
>それぞれに武器を渡しておこう 

陽介「俺はスリングショットか」 

>遠距離で一番攻撃力のある武器だ。頼んだ。 

陽介「ああ!」 

千枝「あたしは高出力スタンガン?」 

>近接でこれを一番うまく使えるのは千枝だと思う。 

千枝「うんっ」 

りせ「あたし、催涙スプレーですか?」 

>一番罪悪感が少なく、躊躇なく撃てる。中距離武器だ。 

りせ「ちゃんと考えていてくれたんですね」 

>俺は特殊警棒を持つ。 

陽介「いざとなったら頼りにしてるぜ」 

>ああ

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 02:05:36.27 ID:aYVewmw90
>じゃあ、使い方を確認したら行こう。 
>あくまで武器は、自衛の手段にしてくれ。見つけたからって襲いかかろうとしないこと。 

りせ「たぶん……ボウガンと山刀もってるから遠距離も近接も気を付けて」 

>ボウガンは分かるけど、山刀ってどんなものだ? 

りせ「山刀は大型の曲刀って思ってくれればいいよ。 
   かなり刀身が重いから、もし何かでガードできても吹き飛ばされるし、 
   そもそもその重さで叩き斬るようなのだから、柔いものならガードごと切り裂かれると思う」 

>わかった。 

千枝「うん……雪子無事でいて」 

陽介「直斗……待ってろよ」 

>受信機を頼りに歩き出した。

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 02:10:34.60 ID:aYVewmw90
>反応は相変わらずない……。 

千枝「こっちは方向が違うのかな」 

陽介「どうする? 別方向探すか?」 

りせ「さっき聞えたってことは、たぶんつけっ放しなんだよね」 

>どうしよう。 
①引き返す 
②このままいく。 
③ここから別方向を探す 
>>108

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 02:11:01.84 ID:GNirHFta0
2

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 02:17:36.31 ID:aYVewmw90
>このまま行こう。 

陽介「だ、大丈夫かなぁ……」 

りせ「とりあえず、拾えると思っていきましょ」 

千枝「うん。結局どっち行ってもわからないから何しても同じだしね」 

…… 
… 

千枝「拾わないね……」 

陽介「はずれってことか?」 

りせ「あんまり時間食うのはまずいわよ」 

>クソ……早く電波拾ってくれ……!

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 02:24:37.39 ID:aYVewmw90
>歩いても歩いても電波を拾ってくれない。 

りせ「せ、先輩! これヤバイ気がするんですけど」 

千枝「うん、番長くん。こっちじゃないと思う」 

陽介「戻ろうぜ、もしくは別方向へ行こう」 

>どうしよう 
①それでもこのままで行く 
②引き返そう 
③別方向へ行こう 
>>121

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 02:25:27.62 ID:rSK+9jqF0
3

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 02:40:10.46 ID:aYVewmw90
>別方向に行こう。 

千枝「戻るっていうのはないとして……」 

>こっちだ。どうせ根拠はない。迷うくらいなら早く決めよう。 

陽介「おう」 

―― 

――ガガ。 

りせ「! 受信した!?」 

生田目『ここら辺で……た気がす…だが』 

完二(?)『ああ。血痕だ。……ガンが当たって……んだろう』 

千枝「こ、これって……!!」 

りせ「生田目と……完二!」 

陽介「そこまではっきりと聞こえるわけじゃないから距離はあるんだろうけど…」 

>気になることを言っていた…… 

千枝「雪子……直斗くん……」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 03:03:34.17 ID:aYVewmw90
>この方向に行けば、おそらく鉢合うだろう……だが。 

千枝「リスクはあるけど、やっぱり言った方がいいと思う」 

りせ「あいつらと会ったら……反撃はできるけど生き残れるかは」 

陽介「そうだな……」 

>だけど見捨てることはできない 

陽介「そうだけど……」 

千枝「とにかくこのまま進もう。なにか他にわかるかもしれない」 

>ああ 

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 03:12:57.51 ID:aYVewmw90
――ガガ。 

生田目『くそっ……どうやって姿をくらましやがった』 

完二(?)『血痕がここで途切れてやがる……』 

生田目『このままだとお前を喰っちまいそうだ』 

完二(?)『俺が先に喰ってやろうか』 

生田目『ふん……女の肉だ。お前なんぞより今はな』 

完二(?)『喰ってやる……喰ってやるぞ』 

千枝「!! まずいよ! 雪子たちが襲われてる!」 

陽介「くそッ…またこの状況なのかよ!」 

>自体は一刻を争うようだ…。 

りせ「あの時、先輩たちきてくれなかったらあたし間違いなく食べられてた……」 

>早く場所を特定しなければ!

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 03:42:16.60 ID:aYVewmw90
>とにかく電波の強くなる方向へ行こう! 
>武器は常にすぐだせるようにしていてくれ! 

陽介「ああ!」 

…… 
… 

――ガガ。 

生田目『……見つけた、新しい血痕だ』 

完二(?)『近いぞ』 

雪子『だい……ぶ? なお……くん…・・・・』 

直斗『なん……いあく、ぼ……を置いて…‥いませんか……』 

雪子『なにい……るの!』 

千枝「雪子!」 

陽介「近づいてきたけど……いよいよやべぇぞ。直斗のやつっ怪我してるっぽい」 

りせ「どこにいるのよ!」 

>場所を特定できるようなことを言ってくれ……!

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 03:54:07.30 ID:aYVewmw90
>最初のタイムロスがここにきて響いてきている。 

りせ「お願い……お願い……無事でいて……」 

>徐々に音声が明瞭になってきている。 

雪子『くっ……追いつかれちゃう……』 

直斗『やはり、僕は置いていってください。その間に逃げてください』 

雪子『嫌よ! そんなこと!』 

生田目『こっちだ』 

完二(?)『……?』 

雪子『(き、きちゃった……)』 

直斗『(隠れていても無駄でしょう……すぐに見つかってしまう)』 

>2人の声のトーンが落ちる。 

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 04:08:34.73 ID:aYVewmw90
りせ「嫌、嫌、嫌! そんなの絶対嫌!」 

陽介「どうする? りせちー救ったときと同じようなことするか!?」 

千枝「そうしよう! 雪子が、直斗くんが死んじゃう!」 

>やってみよう! 

りせ「すぅ…わあああああああああああああああああああああああ!!」 
陽介「すぅ…ああああああああああああああああああああああああ!!」 
千枝「すぅ…わあああああああああああああああああああああああ!!」 

>……ダメだ! 受信機からはこちらの声が聞こえてこない。 
>まだ遠いらしい。 

千枝「雪子……ゆきこぉ……」 

陽介「天城、直斗!」 

りせ「いや、いやあぁあああ!!」 

>叫び続けよう!

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 04:44:16.14 ID:aYVewmw90
生田目『おい、これ』 

完二(?)『今までで一番新しい血だ……!!』 

雪子『(もう……ダメ……)』 

直斗『(あれは……! もしかして……!)』 

直斗『(いいですか、あいつらが眼の前から消えたら全速力で走ってください)』 

雪子『(……! ふ、ふざけたこと言わないで! 死ぬつもりならやめて!)』 

直斗『(大丈夫です。そんなつもりはないですから)』 

雪子『(どういうこと……?)』 

直斗『(説明している時間はありません。ただ、神様がくれたんですよ。最後のチャンスを……)』 

直斗『(あとは……ボウガンの矢が当たらないことを祈るだけです)』 

直斗『(では、もし生きていれば第4CPで会いましょう。ここから一番遠いところです)』 

雪子『(直斗く――)』 

直斗『うわあああああああああああああ!!!』 

生田目『いやがった!! ふははははは!!』 

完二(?)『肉だ! 肉だ! 肉だ!!』

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 04:54:57.68 ID:aYVewmw90
りせ「い、いやああああああああああああああ!!」 

陽介「直斗……・」 

千枝「直斗くん…」 

>その後、直斗と生田目たちは受信圏外へと出ていってしまったようで音声は途切れてしまった。 

雪子『直斗くん……直斗くん……』 

>雪子は直斗の名前を呟きながら、走っているようだ。 

千枝「探そう!」 

陽介「せめて天城だけでも……」 

>音声から考えて遠くへ行っているということはなさそうだ。 

千枝「雪子ーーー!!」 

陽介「天城ーーー!! いたら返事しろー!!」 

りせ「天城せんぱぁい!!」 

>全員、生田目たちに見つかることなど度外視で叫んでいる

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 05:17:52.03 ID:aYVewmw90
雪子『この声って……!(ぃこぉぉぉぉ)』 

>盗聴器から自分たちの声が聞こえてくる。 
>近い。 

千枝「近く!? 雪子!」 

ガサッ―― 

雪子「ち、千枝……」 

千枝「雪子!! って……それ……」 

>雪子の腕には深々とボウガンの矢が突き立っている。 

陽介「天城……その腕!!」 

雪子「ち……え……」ドサッ 

千枝「雪子!? 雪子!?」 

>失神してしまったようだ。 

りせ「とりあえず、場所を移動しましょ! ここは危ない!」 

>場所を変えよう。

170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 05:55:53.66 ID:aYVewmw90
>矢を引き抜いて手当てをした後も雪子は昏々と眠っている。 

陽介「またここに戻ってきちまったな……」 

>岩のドーム内。ほとんど自分たちの起点だ。 

りせ「でもいい加減本当に目立っちゃうわね」 

千枝「足跡も……目立つようになってくるしね」 

陽介「ばれなけりゃいいが……」 

>不安だ。 

千枝「とりあえず雪子が眼が覚めるまで待機ね」 

>受信機も反応しない。近くにはいないようだ。 

陽介「休もう、休めるときに」 

りせ「ええ……」

270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 17:08:06.16 ID:9VQF62fY0
…… 
… 

雪子「うう……」 

>雪子が気づいたようだ。 

千枝「雪子!」 

陽介「天城!」 

雪子「ひぃっ!」 

>ものすごく怯えている。 

千枝「大丈夫、ここにいる人たちはみんな味方だから」 

雪子「千枝……千枝!!」 

>雪子は千枝に強く抱きついている。 

千枝「ね、何があったのか教えて?」 

雪子「うん……」

342: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 21:41:51.58 ID:3Vo2MLNP0
>>270 

>まず雪子に、こちらの状況と第1CPのことを謝罪した。 

雪子「……あたしも、ごめんなさい」 

千枝「ううん、今は先のことを話そう」 

雪子「うん」 

りせ「あのあとどうしたんですか?」 

雪子「私たちは、普通に第7CPまでいったの。もちろん途中の豪雨とかは困ったけど……」 

雪子「直斗くん博識で、いろんなこと知ってた。途中でとった釣り糸で罠作って動物得たり」 

千枝「食糧にも困らなかったんだね」 

雪子「うん。最初に千枝たちがくれた情報のおかげだって。アイテム隠してたことに罪悪感感じてるみたいだった」 

>……すまない。 

雪子「……続けるね。それで、サバイバル用のアイテムをとりながら最終CPまで行ったんだけど…… 
   ゲーム機に表示された内容は絶望的だった」 

>自由に行動しろか。 

雪子「うん……だから他のみんなと合流するために来た道を引き返していたの」 


349: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 22:06:28.71 ID:3Vo2MLNP0
雪子「引き返していたんだけど……そのとき突然足元にボウガンの矢が飛んできたの」 

雪子「私はすっごく驚いたんだけど、直斗くんは冷静だった」 

雪子「あたりを見回しても誰もいない。だから主催者に脱走とみなされてペナルティが発動したのかもしれない、って」 

雪子「だから直斗くんは、脱走の意思がないことを大きな声で伝えたの」 

雪子「そ、そうしたら突然……け、獣のような呻き声と、笑い声が……」 

千枝「あいつらだったって訳ね……」 

雪子「うん……それで突然笑い声が止まったと思ったら…… 
   わ、私の腕にボウガンの矢が刺さって、それですぐ次の矢で直斗くんの脚にも…」 

>どうしてすぐにボウガンの矢を抜かなかったんだ? 

雪子「直斗くんが出血が激しくなるから抜かない方がいい、って。だからそのままにしたの」 

千枝「流石直斗くん……でもそれで、よく逃げられたね」 

雪子「うん、私もそう思う。 
   ボウガンの矢の方向からいる方は分かってたし、見えてないから距離もあったからツイてたって言うのもあるのかな」 

りせ「それでも、不思議……あいつらの脚、相当早いはずなのに」 

>何かトラブルがあったのだろうか……? 

陽介「そう考えるのが妥当だろうな」

355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 22:23:48.16 ID:3Vo2MLNP0
陽介「本当に矢を抜かないのは大正解だったな」 

>ああ。あいつらは血痕で追っていた。もっと激しかったらすぐに追いつかれていただろう。 

雪子「で、でも……直斗くんが……」 

千枝「……」 

>全員黙ってしまった…。 

雪子「あの……ひとつ聞いていい?」 

千枝「なに?」 

雪子「あれ……本当に生田目さんと完二くん?」 

>……? どういうことだろうか。 

雪子「だ、だってあれ……も、もう人の顔じゃ……なかった」 

りせ「え?」 

>俺たちが見たときも豹変はしていたが、それほどということではなかったが……。 

陽介「あ、ああ……辛うじてだったけど、生田目だって」 

千枝「うん」 

雪子「う、嘘! あ、あんなバケモノ……!!」

362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 22:43:15.90 ID:3Vo2MLNP0
雪子「嘘よ! 嘘! あんなの……あんなの!」 

>雪子が震えだしている。よほど恐ろしいものを見たのだろうか。 

雪子「あの獣のようなほとんど瞬きをしない眼…口元の唾液も吹かずに垂れ流してて…… 
   顔も異様な数の吹出物で覆われてて、ほとんど判別できなかった!」 

雪子「あんな人間の顔なんて見たことない! ば、化物よ!」 

りせ「あ、あたしが見たときにも特大のニキビみたいなものはあったけど……そこまでじゃなかった」 

陽介「人を喰ったことの副作用か……?」 

>……? 何か違和感を覚える。 

雪子「あ、あんな化物に追われてたら……直斗くんは――」 

>雪子が泣き出してしまった。 

千枝「雪子。泣きたい気持ちはあたしも同じ……だけど、今は生き残ることを考えよう」 

雪子「そんなこと言われても……」 

千枝「雪子の持っているもの、教えて」 

雪子「そんなこと今ッ―― 

千枝「見せて」 

雪子「…………わかった。ごめん、千枝」

372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 22:59:24.69 ID:3Vo2MLNP0
>雪子も今何すべきか分かったのだろう。 

【雪子アイテム一覧】 
ライフ・キット・ツール…1 
釣り糸…1 
マッチ……1 
プラスチック食器セット…1 
塩の錠剤…20粒 

雪子「これだけ……」 

陽介「武器は無しか」 

雪子「ごめんね。ナイフは直斗くんが持ってて……」 

陽介「あ、いや! そういうこと言ってるんじゃねぇさ」 

>一応小さい鉈を渡しておこう。 

雪子「うん……ありがとう」 

千枝「作戦会議をしましょ」 

陽介「ああ……あいつらを倒さなきゃな……」 



375: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 23:08:42.94 ID:3Vo2MLNP0
りせ「あの怪物を倒すってどうするの? 一番攻撃力のあるボウガンも山刀も向こうよ?」 

陽介「それは……」 

千枝「餓死でも待ってみる……? 人間しか食べる気がないなら」 

>……! それだ! 

雪子「どうしたの番長くん?」 

>さっきの違和感の正体だ。 

千枝「違和感? 何かあったかな」 

>奴らは何を食べているんだ? 

陽介「今更確認する必要もねぇだろ? 人だって、人」 

>そう。人だ……だが、奴らは堂島さん以降人を殺していない。 

りせ「あ、そういえば……」 

>ビールとFSビスケットで慢性的な飢餓状態に陥れられている。 
>そんなやつらが堂島さん一人で足りるだろうか。 

陽介「考えたくはねぇけど……保存用にとっておいたとか」 

>この高温の気候では無理だ。すぐに腐ってしまう。 

雪子「じゃ、じゃあ、いったい何を食べているの……?」

380: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 23:18:03.19 ID:3Vo2MLNP0
千枝「群生しているものを食べているわけではなさそうだし」 

りせ「わかんないね……」 

>考えても答えが出そうにない。 

陽介「これからどうするか……」 

>なんにせよこれからの方針を決めなければ。 
>どうしよう。 
①グールを倒すために打って出る 
②直斗の行方が心配だ 
③ゲームを放棄して脱出を試みる 
④ここでしばらく待機しよう 
>>381

381: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 23:18:41.50 ID:JtgSs7cC0

386: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 23:26:05.93 ID:3Vo2MLNP0
>直斗の行方が心配だ。 

千枝「そうだね……でも」 

雪子「それ以上言わないで千枝」 

千枝「ご、ごめん」 

雪子「直斗くん、私たちの第4CPに来いって言ってた」 

陽介「……行こう。直斗ならきっとあいつらから逃げ果せてるって」 

りせ「うん、そうしよう」 

雪子「じゃ、じゃあ。今から――」 

>まだ雪子は目覚めたばかりだ。今日はここで休もう。 

陽介「だな」 

千枝「うん」 

りせ「そうだね」 

>明日、一気に行こう。

390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 23:38:54.72 ID:3Vo2MLNP0
――翌日。 

>よし。行くぞ。 

千枝「雪子、怪我は大丈夫?」 

雪子「うん」 

>重要度Cだったがスネークバイトキットの応急セットが役に立った。 

陽介「俺が持っててよかっただろ?」 

りせ「……急いでいこう。できる限り早く」 

雪子「あたしたちの第4CPはここから北東の方向」 

>15キロメートルほどだ。 

陽介「結構あるな」 

>雪子のことを考えたらそれほど飛ばせない。 

りせ「2日間くらい見ておいた方がいいかもしれないですね」 

>とにかく出発しよう。武器は常に使えるようにしておいてくれ。

393: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/19(土) 23:52:19.07 ID:3Vo2MLNP0
ザクッザクッザクッ。 

>砂礫で足場が悪い……。 

陽介「なあ、そろそろ休憩にしないか?」 

>ああ…・。 

千枝「番長くん、受信機はどう?」 

>特に反応はしていない。近くにいないのだろう。 

陽介「じゃあ今日はここら辺でキャンプにすっか」 

りせ「あ、ちょうどあそこに洞窟あるかあそこにしましょ!」 

>りせは勇んでいってしまった。 

陽介「じゃあ、今日はあそこに泊まるってことで。洞窟確認したら食糧を採りに――」 

りせ「きゃぁあぁぁああぁぁああぁあああああああっっ!!!」 

396: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:00:17.18 ID:3TNZx18P0
陽介「りせちー!」 

千枝「ど、どうしたの?」 

りせ「あ、あ、あれ……」 

>りせが指差した方向には何者かの衣服とバラバラになった人骨が無造作に散らばっていた…。 

雪子「ううっ」 

陽介「服……スーツか。男、だよな?」 

>……誰のものか見当がつかない。 

陽介「服装的に直斗じゃねぇと思う」 

陽介「里中、天城、りせちーはここで待っていてくれ」 

>行こう、陽介。 

陽介「……ああ。ヤな仕事だが俺達がやらなきゃな」 

陽介「うっ、文字通り骨までしゃぶり尽くされてやがる。ってことは――」 

>ヤツらだろう。軟骨までがすり減っている…… 

陽介「今回は顔まで全部だな……」 

>服を調べたら財布が出てきた。中に免許証が入っている。 
>……? 誰だ? 知らない男だ。

400: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:15:03.72 ID:3TNZx18P0
>陽介は知っているか? 

陽介「さあ……?」 

>他の人たちにも見せよう。 

千枝「知らない人だね」 

天城「誰かしら?」 

りせ「―――!! う、嘘……」 

>知っているのか? 

りせ「あ、あたしの、ま、マネージャーさんだった人……」 

陽介「なんでこんなところに……?」 

>……? 別の骨が奥に散らばっている。 

りせ「え……え……う、嘘……嘘でしょ、あ、あの服って……」 

りせ「お、おばあちゃん……あばあちゃん!!??」 

>マル久の文字がついた割烹着が傍らに落ちている…

406: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:21:30.38 ID:3TNZx18P0
りせ「なんで……何でこんなことに……!!」 

りせ「うわあああぁぁぁああああああぁぁああああああぁあぁぁぁああぁぁああああああああああっ!!!」 

千枝「な、なんでこんなことに…」 

雪子「私たち以外にも放り込まれてきた人がいる……!?」 

>もう一つの可能性がある。 

陽介「え?」 

>これが……ペナルティ。 

千枝「そんなの……!!」 

りせ「あ、あたしが崖に上ったから……?」 

りせ「そんなの……そんなの!! うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

455: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:43:03.85 ID:3TNZx18P0
>>406 

>せめて埋葬して弔ってあげよう。 

千枝「うん……」 

りせ「嫌よ! 嫌!! こんなところに埋めないで!!」 

陽介「りせちー……」 

りせ「いや……嫌よ……いやぁ……」 

>りせは亡骸にしがみついて離れようとしない…。 

千枝「……しばらくは、無理そうだね」 

陽介「クソが!! これがゲーム主催者のやり方かよ!!」 

>どうして2人も……。 

千枝「2回……登ったから? 武器を隠すときと、奴らから逃れるとき……」 

陽介「たかがそんなことで……」 

雪子「ひどい、ひどすぎるわ……」 

りせ「えぐっ……ひぐっ……おばあちゃん……マネージャーさん……ううっ……」 

>掛ける言葉が見つからない……

463: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 02:06:12.74 ID:3TNZx18P0
…… 
… 

>どれくらい時間が経っただろうか。りせはまだ泣き続けている。 

千枝「一応、木の実とか取ってきたけど……」 

雪子「たき火は使えないからね」 

陽介「……あいつら……もう本当に人じゃねぇ」 

>この人たちを食べたから……ヤツらは飢餓状態じゃなかったのか。 

陽介「なあ、俺たちも知らず知らずのうちにペナルティ犯してるってことはないよな……?」 

千枝「た、たぶん」 

>みんなの顔が険しくなっている…。 

雪子「でも、今は私たちは久慈川さんの分まで気を張らないと……」 

>夜が更けていく…。

466: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 02:25:41.56 ID:3TNZx18P0
――翌日。 

りせ「みんな、起きて」 

>朝だ…。 

陽介「り、りせちー……?」 

千枝「りせちゃん、大丈夫なの?」 

りせ「……大丈夫じゃないです。でも、こんなところで止まっていられない」 

りせ「絶対に……絶対に!」 

りせ「だから行きましょう、直斗も、待ってると思うから」 

>吹っ切れてはいないが、決意をした目だ…。 

千枝「うん。いこう」 

陽介「ああ、ここで止まってられない」 

雪子「うん……」 

りせ「(天城先輩……鉈と催涙スプレー交換してもらえませんか)」 

雪子「(え、ええ……それはいいけど……)」 


478: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 03:05:23.54 ID:3TNZx18P0
ザクッザクッザクッ。 

>なかなかうまく進んでいけない……。 

陽介「あっちぃ……」 

雪子「水もそろそろ尽きそう……」 

雪子「でも、私たちの第4CPまでもうすぐだから」 

千枝「あいつらに会わなくて済んだのは幸運だね…」 

>頑張ろう。 

…… 
… 

雪子「見えてきた!」 

陽介「直斗のやつ、いるか……?」 

>……? 誰かが倒れている? 

雪子「直斗くん!?」 

直斗「う……」

483: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 03:38:07.10 ID:3TNZx18P0
直斗「……? み、みなさん一緒……だったんですね」 

千枝「きゃああぁぁああぁあああぁぁぁあああぁぁあああああ!!」 

雪子「直斗くん!? 直斗くん!?」 

りせ「どうして、こんなことに……」 

陽介「直斗!!」 

>雑な止血はされているが、直斗の……片腕がない。 

直斗「流石に……無傷では逃げ切れませんでした……」 

雪子「と、とにかく移動しましょう!」 

>急ごう! 

…… 
… 

雪子「どうして……どうしてこんなことに……」 

陽介「生きてるのが不思議なくらいだぜ」 

千枝「あのあと、何があったんだろう」 

りせ「あいつら…………絶対に許さない……」 

雪子「わた、私のせいでこんなことに……」

488: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 03:50:52.56 ID:3TNZx18P0
――近場の洞窟内。 

>直斗は失神したように眠りにつき3日間起きない…。 

千枝「……」 

雪子「うっ……うっ……」 

陽介「くそっ……」 

りせ「…………」 

>空気が重い…。 

直斗「う……あ」 

陽介「起きた!」 

雪子「直斗くん!!」 

千枝「よ、よかったぁ……死んじゃったかと思った…」 

りせ「直斗!」 

>よかった。 

直斗「ここは……?」 

>近くの洞窟まで移動してきた。

491: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 04:05:34.95 ID:3TNZx18P0
直斗「そうですか……」 

雪子「直斗くん……ごめんね。私のせいで、ごめんね……ごめんね……」 

直斗「気にやまないでください。はは……僕の詰めが甘かっただけですから、ぐっ……」 

>今は寝ていた方がいい。 

陽介「そうだぜ……その、大怪我してるんだし」 

直斗「いえ……どうなっているのか話を聞かせてください…今聞いておきたいんです」 

>わかった。話そう。 

…… 
… 

直斗「そうですか。僕たちもすみませんでした」 

千枝「それはもうお互い様だから」 

直斗「そうですか……では、僕からもお話が。 
   受信機ではどこまでお聞きでしたか?」 

陽介「天城と別れるとこまでだ」 

雪子「……あのあと、何があったの?」 

直斗「あの後、あの怪物どもに追われていったんですが……」

494: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 04:26:39.04 ID:3TNZx18P0
… 
…… 
……… 

直斗『うわあああああああああああ!!(こい! こっちだ!)』 

生田目『いやがった!! ふははははは!!』 

完二(?)『肉だ! 肉だ! 肉だ!!』 

ダダダダダダッ! 

直斗『(くそっ……速いッ!!)』 

直斗『はぁ、はぁ、はぁっ……!!(もうすこし、もう少しで)』 

ドシュッ―――。 

直斗『うぐっ!! ま、またボウガンが……』 

直斗『あと少し……あと少しなんだ……』 

生田目『うえへぇぇえぇえへへぇぇえへ』 

直斗『ば……バケモノめ……(気づかれるな……あと少し……あと少し……)』 

完二(?)『肉……肉!!』 

ガブッ!!

497: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 04:43:23.42 ID:3TNZx18P0
直斗『っっがぁああぁぁああぁぁぁああああぁぁああぁあぁあぁあぁぁぁあっっっ!!』 

完二『(ぐちゅ、ぷちゅ、ずチゅる……)』 

完二(?)『肉は生きたまま喰うに限る』 

生田目『うめぇ……うめぇよ……若い肉だ……』 

直斗『があああああッ!!(僕の腕を喰ってる……!? 意識が、飛びそう…だ……)』 

直斗『でも……この……ワイヤーさえ引っ張れば!!』 

グイッ――!! スガァン!! 

生田目『ぐっ……あっ……!』 

直斗『前に作った……デッドフォールトラップ!!』 

直斗『(高度からの落石……ダメージはでかいはず。1人は気絶したか……?)』 

完二(?)『舐めた真似ヲォオオォ!!』 

ザシュン―――!! 

直斗『ぎぃいいぃあぁああぁあぁあぁあぁぁぁぁっっっっ!!!』 

完二(?)『喰ってやる。この腕みたいにバラバラにして食ってやる……!!』 

直斗『が……ぁあ……ま、まだだ……まだある』

498: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 04:53:47.57 ID:3TNZx18P0
直斗『ト……ラップは…ひとつじゃない!!』 

グイッ!! ガァン!! 

完二(?)『ぐ……お……キ…サま……』 

直斗『が……ああ……ッ……』 

直斗『だ、ダメだ……まだ…ここで、気を失ったら……』 

直斗『し、止血を……くそ……片腕じゃ満足にできない……』 

直斗『く……なら……布を無理矢理っ……押し当てる……』 

直斗『ここ……から……離れなければ……』 

ズル、ズル、ズル――。 

… 
…… 
……… 

直斗「僕も、生きているのが不思議でした」 

直斗「ただ……どうやってあそこまで行ったのかわからないんです。 
   止血も、僕のものより丁寧で……」 

>誰かが連れて行ったんだろうか……。 


502: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 05:11:21.64 ID:Fx7wIBpi0
直斗「僕たち以外、誰かがいるんでしょうか」 

>その可能性があることを伝えた。 

直斗「そうですか……」 

陽介「とにかくこれからどうするかだ」 

千枝「あいつら想像よりずっとヤバイね」 

雪子「生きたまま食べようとするなんて……」 

りせ「あたしは……おばあちゃんとマネージャーさんの敵をとりたい」 

陽介「た、戦いに行くのかよ」 

りせ「そうでもしなきゃ……気が済まないもん!」 

千枝「気持ちは分かるなんて軽々しく言えないけど…… 
   でも、それでも対峙するのは危険すぎる!」 

雪子「直斗くんの攻撃で死んだってことはないのかな」 

直斗「おそらくそれはないと思います。あれは、あくまで中型動物の狩猟用。 
   当たり所がよければ死んでいるかもしれませんが…… 
   不意打ちで無防備なところへの衝撃程度ですから、せいぜい気絶が関の山だと思います」 

雪子「そう……」

503: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 05:23:06.19 ID:Fx7wIBpi0
>とにかく選択肢をあげよう。 

陽介「まずは……あいつらから逃げ回る、だな」 

千枝「そうだね。でも根本的な解決にはならない」 

雪子「餓死を狙おうにも主催者はグールに食糧を補給しているみたいだからできないし……」 

りせ「やっぱりここは闘おうよ!」 

直斗「危険です……彼らの攻撃力は僕たちを確実に上回っています」 

りせ「でも……」 

陽介「あとは……ここから脱出を試みる、ってところか」 

雪子「でも、終わりがないんでしょう?」 

陽介「主催者曰く、な」 

千枝「一番いいのは、今すぐこのゲームを中止させることだね」 

陽介「んなことできるのかよ?」 

千枝「分かんないけど……」 

>ゲームの主催者を倒す、か。 
>そういえば……千枝、地図を。 

千枝「うん? はい、これ」

505: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 05:29:24.52 ID:Fx7wIBpi0
>表示された地図は、これだ。 

千枝「それがどうしたの?」 

>そのうち、各チェックポイントがこれだ。 

千枝「一応、全部のルートのチェックポイントが示されてるんだっけ」 

>ここの右上を、見てほしい。 

陽介「あん? 何もないけど」 

>そう、なにもない。それが逆に不自然だと思わないか? 

直斗「そうか……!」 

雪子「どういうことなの?」 

直斗「ここはきっと、ゲームの主催者の拠点があるんですよ」 

>そう。他のとこはくまなくチェックポイントが設置されているが…… 
  まるでここだけ近づけさせないように空白ができている。 

千枝「偶然じゃないの?」 

>確かに、偶然の可能性もある……。 

直斗「……でも、賭けてみる価値はありそうですね」 

>どの選択をすべきか……。

534: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 09:27:55.27 ID:1/otJ+MU0
>>505 
千枝「番長くん、どうする……?」 

>どれをとっても、うまくいく可能性はないが……。 

①ヤツらから逃げ回る 
②打って出る 
③脱出を試みる 
④地図の空白地帯に向かう 
>>534

535: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 09:28:40.30 ID:BvjNGlMn0

539: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 09:45:31.84 ID:1/otJ+MU0
>空白地帯に行こう。 

陽介「でもそれって賭けだぜ?」 

直斗「ですが……主催者は最後の1人になるまで、いいえ最後の1人になっても出さない可能性があります」 

陽介「そうだけどよ……」 

りせ「あいつらは……あいつらはどうするの!?」 

雪子「あんなのと対峙する必要ないよ! 私達も食べられちゃうかもしれないんだよ?」 

りせ「ならあたしだけでも……」 

直斗「ここは全員で行動すべきです。相手は……危険すぎます」 

>直斗の腕の痕が痛々しい……。 

りせ「でも……」 

>りせは納得していないようだ。 

>どうしよう。 
①わがままはよくない 
②1人は危ない。りせも一緒に行こう 
③りせが1人で行ったらみんなが心配する 
>>540 


542: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 10:02:30.28 ID:1/otJ+MU0
>りせが1人で行ったらみんなも心配する 

千枝「うん、1人で行くなんて絶対ダメ」 

雪子「お願い……」 

直斗「僕はたまたま運が良かっただけです。次にあったら命はないでしょう」 

りせ「…………」 

陽介「頼むぜ、りせちー」 

>りせ。 

りせ「……わかりました」 

>りせ、ありがとう。 

りせ「いえ…」 

千枝「じゃあ、出発しよ」 

陽介「ああ」

545: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 10:17:45.24 ID:1/otJ+MU0
ザッザッザッ……。 

>なかなか行進速度は上がらない…… 

直斗「はぁ、はぁ、はぁ……」 

雪子「大丈夫?」 

直斗「え、ええ、大丈夫ですけど……すみません。足手まといで」 

千枝「しょうがないよ」 

陽介「そうそう。目的地までは近いしさ」 

直斗「ですが……遅ければ見つかる可能性も高くなってしまいます」 

>確かに、いつもの半分くらいの速度だ…。 

千枝「大丈夫、受信機に反応がなければそれなりに離れているから」 

>確かに何の反応もない。 

陽介「電池切れってことはないよな?」 

>さすがにそんな馬鹿なことはしない 


548: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 10:28:50.62 ID:1/otJ+MU0
…… 
… 

>今日はこの辺りで休もう。 

千枝「そうね、直斗くんももう限界だし……」 

雪子「この渓谷を抜けたら、未踏の地に行くんだね」 

陽介「じゃあ、俺らは食糧を取りに行ってくるから」 

千枝「うん。お願い」 

>焚火は絶対にしないように。 

直斗「ええ、ヤツらに場所を知らせるようなものですしね」 

りせ「すみません、先輩たちばかりに」 

陽介「いいさ。できるやつがやらねぇとな! な、相棒!」 

>そうだな。

552: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 10:47:37.80 ID:1/otJ+MU0
…… 
… 

陽介「こんなもんでいいか?」 

>そうだな。遅くなりすぎるのもマズイ。 

陽介「……ここで過ごしてて、かなり遠目が効くようになったな」 

>ああ、かなり遠くの木の実も見つけられるようになった。 

陽介「虫とか動物とか、さすがに生で食ったら間違いなく腹壊すよなぁ」 

>きっとな。 

陽介「木の実だけでいいか、戻ろうぜ」 

>ああ。……! あれは? 

陽介「どうした?」 

>遠くに人影が見えた気がする。 

陽介「それって……ヤツらか!?」 

>身を伏せよう。 

陽介「……受信機は?」 

>つけているが反応しない。……双眼鏡を使って確認しよう。

606: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 14:59:45.58 ID:PJjnCEPQ0
 

陽介「どうだ……?」 

>……! 雪子の言った通りだ……。もはや面影すらない。 

陽介「見せてくれ」 

陽介「……! ば、バケモノ……」 

>頭皮にまで特大の吹出物ができている…。 

陽介「あれじゃ誰か判別できないな」 

>二人はあたりをキョロキョロ見回している。 

陽介「相棒、あいつらゲーム機とり出したぞ!」 

>双眼鏡を貸してくれ 

>……ゲーム機を除いてなにか喋っている。 

――ガガ。 

生田目『く……でん…がきれ…かってやが……』 

完二(?)『お……のも、もう……いぞ』 

>電池が切れかかっているようだ。

618: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 15:52:30.30 ID:PJjnCEPQ0
陽介「くそ……何でこいつらここまで来てるんだ」 

>確かに。ピンポイントすぎる。 

生田目『…つら、どう…てこっち…』 

完二(?)『さあ。…くてきは…からない……』 

陽介「要領を得ないな。何言ってるかわからねぇ」 

>どうやらこちらにはこないようだ。 

陽介「はあ……良かった」 

陽介「だけどなんであいつらこっちにきたんだ?」 

>わからない。急いで戻ろう。 

…… 
… 

千枝「おかえり」 

>今あったことをみんなに伝えた。 

千枝「え、え……!」 

雪子「移動しなくて大丈夫!?」 

>別方向にいったようだが……。

623: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 16:13:25.14 ID:PJjnCEPQ0
>とりあえずボウトラップとデッドフォールトラップを辺りに仕掛けておこう 

陽介「ああ……オチオチ寝てもいられねぇ」 

千枝「手伝うよ!」 

雪子「わ、私も」 

直斗「すみません、手伝えなくて」 

りせ「いいのよ、直斗は休んでて」 

>日が暮れるまでにトラップを仕掛け得ることができた

628: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 16:32:21.53 ID:PJjnCEPQ0
――翌朝。 

>この渓谷を抜ければ、未踏の地だ。 

陽介「よし、行こうぜ!」 

>ああ。 

直斗「……待ってください」 

千枝「どうしたの? 傷が痛む?」 

直斗「いえ、そうではなくて……あの渓谷の形を見ていたんです」 

>形? 

直斗「ええ……聞かせてもらった情報の中にVの表示に気をつけろというのがありましたよね?」 

陽介「え、ああ……それがどうした?」 

直斗「あの渓谷の形……Vの文字に見えませんか?」 

>そういえば……。 

直斗「すっかり、標識でも立ってるのかと思いましたけど……」 

雪子「あれが毒蛇の表示ってこと?」 

直斗「可能性ですけどね…」

632: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 16:51:48.07 ID:PJjnCEPQ0
陽介「で、でもよ。ここを抜けなけれりゃかなり遠回りだぜ?」 

>逆に考えれば簡単に向こう側に来てほしくないのだろう 

千枝「な、なるほど」 

雪子「でも、あいつら近くにいるんでしょう……? 遠回りするのは危険だと思う」 

直斗「アレが表示だとは限りませんが……もし本当なら近くに数字の表示があるはずです」 

>行ってみよう。 

…… 
… 

直斗「数字は分かりやすく置いてあるわけではないみたいですね」 

>探してみよう 

…… 
… 

陽介「お、おい。これ、数字の8か?」 

直斗「ふむ……これは自然にできたものではありませんね」 

>8は……デスアダー。死を与えるものを意味する凶悪な毒蛇だ。

641: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 17:20:08.10 ID:PJjnCEPQ0
直斗「ここは進まない方が無難そうですね……」 

陽介「こっちに来させないための狂言ってことはないか? 実は何もいないって」 

直斗「可能性としては考えられますが……低いと思います」 

雪子「どうして?」 

直斗「どうせ守るのなら、放しておいた方が安全ですからね」 

陽介「それもそうだな……」 

>ということはやはり回り道をした方が得策だな。 

直斗「ええ、最悪全滅。よくても何人かの犠牲が出るでしょうね」 

千枝「ヤツらに見つかるリスクはあるけど…しょうがないね」 

>回り道をしていこう

644: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 17:34:28.58 ID:PJjnCEPQ0
ザッザッザ…… 

>岩山に沿って歩いていく。 

陽介「なあ……思ったんだけどよ」 

>どうした? 

陽介「もしあそこが毒蛇の巣だったら……ここら辺にも出てきてたりするんじゃないのか?」 

>確かに。 

千枝「ひっ! もしかして足もとにいるかもしれないの?」 

りせ「へ、蛇は……無理っ!」 

雪子「い、いないよね! いないよね?」 

直斗「大丈夫だと思いますよ」 

>どうしてだ? 

直斗「都合良く、あの渓谷に蛇がいるとは思えません。おそらく意図的に放したんでしょう」 

直斗「そもそも、19種類が天然にこの狭い地域で生息しているわけありませんしね」 

陽介「そ、それがどうして大丈夫につながるんだよ」 

直斗「おそらく、V字の渓谷の入り口と出口に蛇の嫌いな薬でも塗ってあるんでしょう。意図的に放して意図的に閉じ込めているんだと思います。 
   そうしなければV字に注意しろ、の意味がありませんから」

649: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 18:07:12.87 ID:PJjnCEPQ0
>じゃあ、蛇に関しては入らない限り大丈夫と考えてよさそうだな。 

直斗「ええ」 

陽介「じゃあ、ヤツらにさえ気を付けていればいいんだな」 

直斗「そうですね……ですが――」 

雪子「あいつら、かなり遠い距離から狙撃してくるから、相当気を付けていないと」 

>ああ。周りにはできる限り気を配ろう。 

直斗「大人数で目立ちますからね」 

…… 
… 

陽介「またV字の渓谷の入り口があるな」 

直斗「ここは……3番ですか」 

>3はコモン・タイパンだな 

千枝「コモン・タイパンって確か……」 

>クマが言っていた世界最悪の蛇だ。 
>敏捷性、獰猛性、毒の致死性、毒牙の長さ、総合的には毒性1位のインランド・タイパンよりも凶悪らしい。 

陽介「姿も、フツーの毒のない蛇みたい、とも言っていたな……ここだけは渡りたくねぇ」 

669: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 19:41:10.44 ID:PJjnCEPQ0
直斗「では、さらに迂回しま――」 

ヒュン―――ドッ――!! 

直斗「なっ……!!」 

雪子「ボウガンの、矢!?」 

>ボウガンの矢が地面に突き立っている 

陽介「ま、まさか……!」 

>目を凝らしてみると遠くに2人の影が見える。 

千枝「ヤバイって! この距離じゃすぐに追いつかれちゃう!」 

>どうしよう。 
①迂回して逃げる。 
②決死の覚悟で洞窟に入る。 
③この場で迎え撃つ 
>>669 

671: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 19:41:51.18 ID:gXHoJJGC0

676: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 19:52:55.64 ID:PJjnCEPQ0
>この場で迎え撃つぞ! 

千枝「で、でも! 向こうはボウガン持ってるんだよ!」 

>逃げても追いつかれてしまう! 

りせ「殺してやる……殺してやるっ!!」 

>みんな、武器を構えろ! 

千枝「う、うん」 

雪子「これ効くかな……」 

>直斗は後ろに下がっていろ! 

直斗「は、はい!」 

陽介「まずは俺がスリングショットで――」 

りせ「あ、あいつらがおばあちゃんを……マネージャーさんを!!」 

りせ「うわあああああああああああああああああっ!!」 

陽介「りせちー! まだ飛び出しちゃだめだ!!」 

ヒュン――ドッ!! 

りせ「がっ……あ、ああ……」

685: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 19:59:46.04 ID:PJjnCEPQ0
陽介「りせちー!」 

りせ「痛い……痛いよ……」 

ヒュンヒュン―――!! 

ドッドッ!! 

りせ「はぐっ……」ドサッ 

>りせがその場に倒れ動かなくなった。 

陽介「く、くそぉっ!! うぉおおおおおおおおお!!」 

陽介「これでも、くらッ――」ググッ…… 

ヒュンヒュン――ドドッ!! 

陽介「あ……が……」ドサッ 

千枝「花村! 花村ぁあああ!!」 

生田目「よお、今回は沢山あるな」 

雪子「ひっ……ひぃいいっ!!」 千枝「う……ああっ……ああああ……」 直斗「う、あああ……」 

>みんな、恐怖で固まり動けない…。 
>そこで俺たちの意識は途切れた。 
BAD END 
>>669に戻りますか? ①はい ②いいえ >>685

688: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 20:00:21.99 ID:bnnFMYCV0
1

694: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 20:02:22.58 ID:PJjnCEPQ0
直斗「では、さらに迂回しま――」 

ヒュン―――ドッ――!! 

直斗「なっ……!!」 

雪子「ボウガンの、矢!?」 

>ボウガンの矢が地面に突き立っている 

陽介「ま、まさか……!」 

>目を凝らしてみると遠くに2人の影が見える。 

千枝「ヤバイって! この距離じゃすぐに追いつかれちゃう!」 

>どうしよう。 
①迂回して逃げる。 
②決死の覚悟で渓谷に入る。 
③この場で迎え撃つ 
>>695

695: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 20:02:29.37 ID:xeYz6sj20
間違うたここで2

708: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 20:21:11.50 ID:PJjnCEPQ0
>渓谷に入るぞ! 

陽介「そ、そんなこと言ったって毒蛇いるんだぞ!」 

>だが、迂回していては確実に撃たれてしまう! 

陽介「だけど!」 

直斗「みなさん、急いで入口の土をすくってください! 
   そして土を全身に隈なく塗りつけながら、走り抜けます!」 

りせ「なんで? そんなことしてる暇があるなら――」 

直斗「説明は後です! 早く!」 

>全員が土をすくう 

ヒュン――ガッ!! 

>ボウガンが岩壁に突き立つ。 

陽介「ヤバイって!」 

>いくぞ!

713: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 20:30:36.42 ID:PJjnCEPQ0
ダダダッ!! 

陽介「こ、これでいいのか?」 

直斗「皮膚が露出しているところは入念に!!」 

>顔にもぬりたくる… 

陽介「うげっ……ぺっぺっ口に入った……」 

千枝「今は無駄口叩かないで走る!!」 

ヒュン――ガッ!! 

>さっきまで走っていたところにボウガンの矢が突き刺さる。 

雪子「も、もう、追いつかれた!?!」 

陽介「くそっ……すぐ後ろにいるってことかよ!」 

>後ろを振り返ると二つの影が猛追してくる 

ヒュン――!! ガッ! 

千枝「ま、またボウガンが!」 

>走っているせいか、次弾の発射が遅い。ボウガンの命中精度も低い。 

シュラララ……。

731: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 20:52:00.76 ID:PJjnCEPQ0
シュララララララ……――。 

陽介「う、わ……」 

千枝「ひっ……」 

>思わず全員が脚を止める。 

雪子「い、いや……」 

直斗「はぁ、はぁ……最悪ですね」 

陽介「蛇が頭をあげてるときって……」 

直斗「怒って攻撃を仕掛けようとするときです…」 

>だが、なかなか襲いかかってこない。 

陽介「攻撃してこねーな……」 

直斗「土を塗りつけたからですよ。あそこ、何か薬品の刺激臭がしていました。 
  やはり、蛇たちが嫌う薬品が塗ってあったようです……」 

ヒュン―――ガッ!! 

>足元にボウガンが飛んできた…! 




750: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 21:06:44.44 ID:PJjnCEPQ0
陽介「う……こ、これって」 

ザッザッザ……。 

生田目「手間かけさせやがってガキが」 

>遂に追いつかれてしまった…。 

生田目「ひーふーみー、こりゃ喰い切れねぇな…ひははは!」 

>……? 生田目が1人しかいない。後ろにも他の姿はない。 

生田目「ちっ……これなら奴も連れて来るんだったぜ。刃物は奴が持ってるからな……」 

>何か独り言を言っている…。 

生田目「ここで殺すものいいが、運ぶのが面倒だな。ま、これだけいりゃ問題ねぇ。一人くらいここで生きたまま喰っちまうか」 

生田目「おい、お前ら」 

>なんだ。 

生田目「……くく。誰かひとり犠牲になれば、他のやつらはしばらく生かしておいてやる」 

生田目「誰か自分から名乗りでてくれば、他のやつらは無事だ。自己犠牲溢れる選択をする者はいないかな?」 

>生田目は醜悪に笑っている…。 

753: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 21:11:06.21 ID:PJjnCEPQ0
千枝「くっ……」 

>みな恐怖で固まっている。 
>どうする? 
①自分が名乗り出る 
②誰かが名乗り出るまで待つ。 
>>754

754: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 21:11:31.90 ID:C56ZXZ5W0

758: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 21:22:01.79 ID:PJjnCEPQ0
>俺が行こう…。 

千枝「番長くん!」 

りせ「先輩!」 

陽介「やめろ、相棒!」 

直斗「……僕が行きます」 

>ダメだ。俺が行く。 

生田目「お前か……女の肉を喰いたかったが、まあいいか」 

>少し、待ってくれ。 

生田目「なんだ? 命乞いか?」 

>……違う。最後に、食事をしたい。 

生田目「あ?」 

>そこの蛇を喰いたい。焼いたモノを最後に食べたいんだが。 

生田目「ああ、いいぞ。それも俺の血肉になるからな」

762: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 21:31:49.99 ID:PJjnCEPQ0
>じゃあ、鉈を……。 

生田目「ダメだ。武器を持つな」 

>ではどうしろと? 

生田目「蛇くらい素手で捕まえろ」 

>………もしあいつらが毒を持っていたら、俺の肉は食えないぞ? 

生田目「じゃあお前のお願いはダメだ」 

>くっ……。 

シュラララ――。 

生田目「あん? なんだこの蛇……しっし」 

>刺激しない方がいい。 

生田目「私に命令をするな!」 

ヒュン――! ドシュ! 

生田目「ふん、蛇ごとき――」 

シュララララ!!

779: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 21:51:48.85 ID:PJjnCEPQ0
生田目「な、なんだお前たち!」 

シュララララ!!! 

>蛇たちが猛烈に怒っている。 

直斗「みなさん……」 

生田目「クソ蛇がぁあぁぁ!!」 

ドシュッ!! 

シュラララララ!! 

生田目「く、来るな……た、助けろお前ら!! 矢の装填が……!!」 

シャァァアアァァアァアアア!! 

生田目「がぁああぁあぁぁあああぁッ!!」 

>生田目に無数の蛇が噛みついている…。 

直斗「走りますよ!!」 

>ボウガンが足元に落ちている。 
>拾っておこう。矢は1本だけだ。

782: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 21:58:33.81 ID:PJjnCEPQ0
ダダダダッ!! 

直斗「足元にだけ気を付けてください!」 

>蛇が生田目の方向へ向かって這っていく。 

――がぁああぁぁぁぁああッッ!!! 

>背後から生田目の方向が聞える。 

千枝「ひっ……ひっ……!」 

雪子「うっ……く……」 

陽介「頼む……あれで死んでくれ……!!」 

ダダダダダッ――。 

直斗「みなさん! 出口です!!」 

シュラララ――。 

陽介「お、おい! 後ろから蛇の大群が!」 

雪子「いやぁあああ!!」 

千枝「はやく、はやくっ!」 

シュララララ―――!!

789: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 22:08:40.25 ID:PJjnCEPQ0
直斗「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」 

>直斗のスピードが落ちてきた。 

直斗「ぼ、僕のことはいいですから、先輩は早く脱出を……!」 

陽介「抜けたぞ!!」 

雪子「2人とも早く!」 

千枝「番長くん!! 直斗くん!」 

直斗「蛇に……追いつかれる……完全に怒っている……。 
   土を身体に、塗った程度の薬じゃ、このままじゃ攻撃される……!」 

>もう少しだ! 

りせ「先輩! 後ろ!!」 

シャアァァァアアアァアアァッ!! 

>マズイ……噛まれる……ッ! 

……ヒュウン――ビシィッ!! 

陽介「あ、あたった……?」 

>スリングショット……?

797: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 22:18:22.18 ID:PJjnCEPQ0
直斗「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」 

>何とか抜け出すことができたようだ…。 

千枝「は、花村何をしたの?」 

陽介「この、スリングショットでこの小石を飛ばしたんだけど」 

>ありがとう。でもよく当たったな。 

陽介「一応、使えるようにって練習してたからな……当たるとは思わなかったけど」 

雪子「花村くん、ありがとう」 

直斗「助かりました、先輩」 

陽介「よせよ、照れる」 

>ありがとう。陽介。 

陽介「あ、相棒なんだから当然だろ?」 

802: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 22:29:29.02 ID:PJjnCEPQ0
陽介「そ、そんなことより進もうぜ」 

千枝「進もうって言ってもここがどこだかわかんないね」 

雪子「地図にないところに来たけど」 

直斗「結局同じ風景が広がっているだけですね」 

>右も左も同じ風景だ。 

雪子「ね、ねえ。あれ。建物じゃない?」 

>かなり遠くに小屋のようなものが見える。 

陽介「あれが、ゲーム主催者の拠点か?」 

直斗「流石に考えにくいと思いますが……」 

>どうしよう。 
①行ってみる 
②無視して他の場所を探す 
>>803 


803: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 22:29:59.94 ID:IgGkZFkS0
①で

809: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 22:38:56.64 ID:PJjnCEPQ0
>行ってみよう。 

りせ「そうね……他に手がかりもないし」 

千枝「直斗くんも休ませてあげたいし」 

直斗「ご迷惑をおかけしてすみません」 

…… 
… 

陽介「近づいてみたけど……」 

>異様なくらい静かだ。 

陽介「様子を見ようにも窓もついていないしな……」 

千枝「掘っ建て小屋って感じね」 

>気を付けながらドアを開けてみよう。

810: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 22:42:34.47 ID:PJjnCEPQ0
ギィィィィ――。 

??「ひっ」 

>誰かが中にいる…。 

陽介「相棒、気をつけろ」 

>武器を構えておこう…。 

陽介「3、2、1で同時に行くぜ」 

>ああ。 

陽介「3、2、1……」 

陽介「動くな!」 

奈々子「ひゃあっ!」 

>菜々子? 

千枝「え? 菜々子ちゃん?」

831: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 23:05:31.45 ID:PJjnCEPQ0
奈々子「え? お兄ちゃん?」 

>菜々子! 

奈々子「お兄ちゃんっ!!」 

>菜々子は思いきり飛びついてきた。 

>奈々子はどうしてここに? 

奈々子「……わからない。お家でお父さんとお兄ちゃんを待っていたら 
    いつの間にかここにいたの……」 

陽介「奈々子ちゃんまで巻き込みやがって……」 

千枝「絶対許せない……」 

直斗「でも、どうして巻き込まれたんでしょう」 

陽介「まさか、ペナルティで?」

837: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 23:11:55.47 ID:PJjnCEPQ0
>菜々子を……!? 

りせ「許せない……許せない……ッ!」 

>空気が重い……。 

奈々子「あ、そうだ! お兄ちゃんたちが帰ってきたとき用にサンドイッチ作ってたんだ!」 

奈々子「えっと、はい、これ!」 

陽介「うおおおおっ!」 

千枝「さ、サンドイッチ……」 

雪子「ご、ごくっ……」 

>これは、うまそうだ。 

直斗「……これごと持ってこられた? 主催者は何がしたいんだ。」

843: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 23:22:32.39 ID:PJjnCEPQ0
>ランチボックスに詰まっていたサンドイッチは瞬く間になくなっていった。 

陽介「う、うめぇええええぇえ!!」 

千枝「久しぶりに人間らしい食事をした気がする……」 

雪子「うっ……ううっ……」 

奈々子「お、お姉ちゃんなんで泣いてるの? おいしくなかった……?」 

雪子「ううん。奈々子ちゃんのサンドイッチがおいしすぎて……」 

直斗「本当においしいですね」 

奈々子「ホント! お兄ちゃんは……?」 

>ああ、おいしいよ。 

奈々子「やったぁ!」 

>奈々子は無邪気に喜んでいる。 

直斗「奈々子ちゃんは、いつ気が付きました?」 

奈々子「えっと、ついさっきだよ」 

直斗「ふむ……サンドイッチの状態を考えたら妥当か……」

845: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 23:35:32.91 ID:PJjnCEPQ0
陽介「どうしたんだ直斗?」 

直斗「いえ。もしかしたら犯人が近くにいないかと思いまして……」 

千枝「どういうこと?」 

直斗「奈々子ちゃんが目覚めたのがついさっき……」 

直斗「そして、サンドイッチがパンの表面が少し乾いていました」 

直斗「ですから、少なくともここ1日以内に連れてこられたみたいです」 

雪子「そうか。犯人が連れてきたのならすぐ近くにいるかもしれないってことね」 

直斗「ええ」 

直斗「もう一つの可能性もありますが……あまり考えたくはないです」 

>言ってくれ。 

直斗「……では、少し嫌な言い方をしますが堪えてください」 

直斗「僕たちが知らず知らずのうちにルール違反を犯しペナルティとして連れてこられた。 
   しかし、同時にルールを犯したため、共通の知人を連れてきた」 

直斗「そして、ノタレ死なれては、餌としても、ペナルティとしても困る。 
   だから、生きていられるように小屋に入れておき、食糧まで一緒に置いておいた」 

>……。

848: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 23:43:00.51 ID:PJjnCEPQ0
千枝「それってつまり……!」 

りせ「あたしたちがペナルティ犯してるってこと!?」 

直斗「こちらにはCPも何もない。だから脱走と見なされたのかも知れません。 
   僕たちがこちらに来ると決意したときに連れて来ることは決まっているのでしょう」 

雪子「でも、どうやって!」 

直斗「盗聴器ですよ。僕たちが使っているとばかり思い込んでいましたが…… 
   おそらく主催者も聞いているのでしょう」 

千枝「でも、それじゃ主催者も常に近くにいるってこと!? 
   盗聴器の拾える距離って大したことないんでしょ?」 

直斗「それも可能性としてありますが……僕は別の可能性を示したいです」 

>どういうことだ? 

直斗「この受信機は、単波しか受信できません。だから、もう一つの盗聴器の可能性が見えていなかった」 

直斗「ゲーム主催者用に長距離用の別電波の盗聴器が仕掛けられているのかもしれません」 

>千枝、壊れたゲーム機はまだ持っているか? 

千枝「う、うん」 

>ふたを開けたところに、おかしな機械がついていたのは確認したが…… 

直斗「基盤の後ろを見てみましょう…おそらく……」

854: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 00:06:07.52 ID:ASvUqR4i0
>これは……何かの機械が2つついている 

直斗「何かは分かりませんが、ゲーム機に不要なものであることは確かですね」 

陽介「ならはずしちまおうぜ」 

直斗「それも危険です」 

直斗「主催者がそれに気づいたらどうなりますか?」 

雪子「何されるかわからないね……?」 

直斗「ええ」 

直斗「今は、このままいくしかないでしょう」 

陽介「くそっ」 

直斗「とにかくここは危険です。早く出ましょう」 

千枝「危険?」 

直斗「わざわざ、小屋に菜々子ちゃんを入れておいたんですよ? 
   きっと、主催者はグールにこの場所を教えているはずです」 

>……! 急いで出よう。 

857: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 00:19:32.97 ID:ASvUqR4i0
ギィィィィ――― 

陽介「……大丈夫だ。周りには誰もいない」 

>急いでここから離れよう。 

…… 
… 

陽介「離れたが……くる気配はないない……」 

直斗「迂回していたみたいですし、時間がかかっているのかもしれません」 

雪子「……ゲームの主催者を止めなきゃ」 

千枝「うん。それ以外にここから脱出する方法はないね」 

りせ「でも、どこにいるかわからないんじゃ、どうしようも……」 

直斗「そのことなんですが――」 

―――オオオォオオオォオォヲオオヲヲオオオォオ!! 

陽介「な、なんだ!?」 

>奴が来たのか? 

――ヲヲヲヲオオオオオヲヲヲオ!!!

861: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 00:28:33.50 ID:ASvUqR4i0
直斗「あの雄叫びは」 

>後方からすさまじい雄叫びが響き続けている…。 

直斗「できる限り離れましょう!」 

… 
…… 

完二(?)『俺の飯をォオオオヲヲヲオオオォ!!! ドこヘヤッタああぁあアアあああぁあぁッ!!』 

完二(?)『ユルさネェ……クってヤル……クッテヤルゾ……ゼんいンクッテヤる……』 

完二(?)『ク……クク……ヤツらのルートなんテ……丸ワカりなんだヨ……』 

完二(?)『ヲオオヲオヲヲヲオオオヲオ―――!!』 

… 
…… 

りせ「ねえ! 全然声が離れないんだけど!」 

千枝「それって確実にこっちを追ってきてるってこと!?」 

陽介「感覚器官も人間以上になったっていうのかよ!!」 

>今は走ろう!

863: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 00:32:57.41 ID:ASvUqR4i0
ヲオオヲオオヲオオオ―――!!! 

千枝「声近づいてきてる!!」 

雪子「ダメ……! 追いつかれちゃう!!」 

直斗「はぁ……はぁ……」 

>菜々子を背負っていては速く走れない…。直斗も辛そうだ。 

陽介「どうする!? 相棒?」 

>どうしよう。 
①このままでは全滅だ。迎え撃とう。 
②このまま走り続けるぞ! 
>>864

864: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 00:33:19.66 ID:xTaINhdW0

870: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 00:38:50.99 ID:ASvUqR4i0
>このまま走り続けるぞ! 

直斗「も、もう……僕は置いていってください」 

奈々子「お兄ちゃん、降ろして! 菜々子自分で走れるよ!」 

>2人ともダメだ! 

ヲオオヲヲオヲヲ――!! ミツけたゾォォオオォ!! 

陽介「ヤバイッ!!」 

直斗「はぁっ……もう……無理で…す」 

雪子「直斗くん! ダメ! 後ろ!!」 

直斗「え――」 

ザシュン!! 

直斗「がっ……」ドサッ 

千枝「直斗くん!!」 

完二(?)「イッぴキ……ツカまえタ……」 

>く……!

875: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 00:47:40.76 ID:ASvUqR4i0
>その顔面はもはや誰だか判別ができない…。 

完二(?)「ククク……くイでガアるな……オれのイブクロにオさまルかどうか……ククッ」 

>眼は狂気に満ち……山刀を構えている。 

完二(?)「おマエ……ウまそうなモン……背負ってるじゃねぇか……!」 

>狙いは俺か! 

>だがボウガンが……! 

完二(?)「ヲオオオオヲオオヲヲッッ!!」 

奈々子「お兄ちゃん!!」 

>しまった……奈々子を背負っていてボウガンを使えない! 

完二(?)『オオオオヲオオヲヲオヲ!!』 

ザシュン―― 

>が……あ……意識が……途切れる…… 

奈々子「お兄ちゃん! お兄ちゃん! おにい――」 
ザシュン……――― 

こうして俺の意識は途切れた。 
BAD END 
>>863の選択を変えますか? ①はい ②いいえ >>876

877: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 00:48:05.17 ID:GhUieyGg0

883: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 00:57:36.76 ID:ASvUqR4i0
>>863 

>このままでは追いつかれて全滅だ! 迎え撃とう! 

千枝「でも、勝てるの!?」 

>今ならボウガンがある! 

陽介「だけど、あいつあの山刀で打ち落としそうな気がするぜ!?」 

>必ず俺が仕留める。だから俺がボウガンを撃つまで、気をそらしてくれ! 

陽介「分かった、相棒を信じる」 

完二(?)『ヲオオヲオオヲオヲオヲオオオヲ!!!』 

千枝「き、きたよ!?」 

雪子「これでも……くらいなさい!!」 

ブシュウウウウッッ――!! 

完二(?)「っがあぁああぁぁああぁぁぁ!! クソガァアアァア!!」 

雪子「あ、あんまり効いてない!?」 

>完二(?)は山刀をでたらめに振り回している。 

>ボウガンの矢は一発だ。外せない。

886: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 01:07:33.66 ID:ASvUqR4i0
陽介「これでも……」ギリギリ 

陽介「くらえッッ!!」 

ヒュウン――ビシィッ!! 

完二(?)「!!!?? ガアァアアアァァア!!」 

>ひるんだ…今―― 

完二(?)「ヲヲオオヲオオオヲヲ!!」 

>!! こちらに突進してきた! 

完二(?)「ガッアアァアァアアァッ!!」 

>ガハッ……。マウントポジションを取られた……こ、殺される……! 

りせ「お前は……おばあちゃんのカタキ!!」 

ビュオンッ!! 

完二(?)「!!」バッ 

>りせの攻撃は空を切った…が助かった。 

りせ「お前なんか……お前なんか、死んじゃえ!!」ビッ!! 

>りせの投げた小型の鉈は完二(?)を目掛けて飛んでいく。

891: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 01:14:12.98 ID:ASvUqR4i0
完二(?)「ソんナモノ……当たるカァアァァッッ!!」ヒュン 

りせ「……!」 

>紙一重で交わされてしまった…! 

完二(?)「クッ……!」 

>バランスを崩した! 今だ! 

ドシュッ!――ドッ…… 

完二(?)「がっ……あ……ああ……」ズルズル…… 

>心臓に命中しているがこちらに這いずってきている…。 

千枝「ごめんね、完二くん」 

バチバチバチッ!! 

完二(?)「ガッ……」 

>完二(?)が完全に動かなくなった……。 

陽介「終わった……のか?」 

雪子「多分……」 

千枝「完二くん……」

893: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 01:19:31.23 ID:ASvUqR4i0
りせ「……」 

直斗「……」 

>空気が重い……。 

奈々子「? 奈々子、なんで目隠しされてるの?」 

>直斗の腕が菜々子の眼を覆っている。 

直斗「もう少し、このままでいてね……」 

奈々子「うん、わかった」 

>……直斗、ありがとう。奈々子にこんなところは見せられない。 

直斗「いえ、僕はこれくらいしかできませんから」 

>すこし、ここから離れよう……。 

…… 
… 

直斗「今、ごめんね、奈々子ちゃん」 

奈々子「ううん、大丈夫だよ?」 

陽介「これで終わりなのか……?」 

>だといいが……。

899: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 01:37:49.29 ID:ASvUqR4i0
雪子「……このゲームの主催者を倒さなきゃ、終われないのかな」 

千枝「でも、どこにいるかわからないよ?」 

陽介「だな……場所が分からなきゃどうしようもねぇ」 

りせ「せっかく、グールを倒したのに……」 

直斗「……考えてみましょう、ゲームの主催者の場所を」 

>場所…… 

陽介「そんなこと言ってもなぁ……」 

千枝「そもそも、こっち側にあるのかな」 

直斗「それは間違いないと思います」 

雪子「だけど、それらしい建物もないよね」 

>もしかして地下か? 

直斗「マヨナカテレビですからどんなでたらめも許されるのかもしれませんが…… 
   ここまで現実に準拠しているんです。地下では盗聴器の電波も入らないでしょう」 

陽介「なら、地上ってことになるよなぁ……」

900: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 01:44:55.75 ID:ASvUqR4i0
奈々子「建物探しているの?」 

雪子「うん、だけど見つからなくって」 

りせ「奈々子ちゃん、何か知らないよね?」 

奈々子「うーん……わかんない……」 

りせ「だよね……」 

>みんな沈黙してしまった。 

奈々子「あ、奈々子いいこと思いついた!」 

奈々子「高いところに登れば辺り一面見渡せるよ! そうすれば建物も見つかると思う!」 

陽介「あー……奈々子ちゃん、あそこは登っちゃいけないんだ」 

奈々子「なんで?」 

陽介「あー……危ないから、かな」 

奈々子「そっか……」 

直斗「……! そうか。そうだったんだ!」 

直斗「奈々子ちゃん、ありがとう! そうだったんだ!」 

奈々子「え? う、うん」

903: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 01:53:21.03 ID:ASvUqR4i0
>どうした? 

直斗「分かったんですよ、拠点の場所が」 

雪子「本当!?」 

直斗「ええ。ヒントは最初からあったんです」 

>どういうことだ? 

直斗「ルールの内のひとつ。高いところに登ってはいけない。これがヒントだったんです」 

直斗「最初は、なぜなのかわかりませんでした」 

直斗「これを中継するカメラでもあるのかと思ったんですが……よく考えたらマヨナカテレビです。勝手に中継される。 
   だから隠したかったのはもっと別のことだったんです」 

>そういうことか! 

直斗「そう、拠点は岩山か崖の上にあったんですよ。 
   ただ、下から見ても分からないような位置にある」 

直斗「それを見つかるのを恐れた主催者は、過剰ともいえるペナルティを課した」 

りせ「そんなことのためにおばあちゃんは殺されたの……?」 

直斗「……」 

>直斗続けてくれ。

906: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:13:06.59 ID:ASvUqR4i0
直斗「盗聴器の時点で気づくべきでした。 
   これだけ岩山や高所が多いところで電波を飛ばすには、 
   主幹となる塔はそれより高いところになければならない」 

直斗「だけど見渡す限りそんな高い棟は存在していない。だからこその高所拠点なんです」 

陽介「だけどよ、登ったらペナルティが」 

直斗「もうダメですよ。僕たちは気づいてしまった。主催者は問答無用で殺しにかかってくるはずです。 
   もしくはそれ相応のペナルティを起こすはずです」 

雪子「どどど、どうしよう!」 

>ならば、こちらから攻めるしかない。 

千枝「……うん。そうだね」 

陽介「そうか、そうだよな」 

りせ「行こう、決着をつけるために」 

直斗「ええ。片腕でどこまで登れるかわかりませんが……」 

>菜々子もいる。まずは自分と陽介で登ってみてこよう。 

陽介「ああ。行くぜ相棒」 


910: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:28:42.86 ID:ASvUqR4i0
…… 
… 

>見つけた……! 明らかに大きな建物がある。 

陽介「あそこにいるのか……この元凶が」 

>場所も近い。 

…… 
… 

>見つけたことを伝えた。 

陽介「あそこに行けばすべてが終わる」 

千枝「行こう」 

雪子「うん」 

りせ「決着をつけよう」 

直斗「このゲームを終わらせるために」 

>行こう。

911: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:34:08.23 ID:ASvUqR4i0
…… 
… 

――建物内部。 

千枝「なにこれ……? お城?」 

雪子「どこかで……見たことがあるような」 

直斗「……? 僕はないのですが……」 

>みんな、武器を構えておいてくれ。 

陽介「ああ……」 

??「パチパチパチパチ……おめでとう、君たちは真の勇者だ」 

>誰だ! 

??「忘れちゃったのか? オレだよ」

913: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:44:13.14 ID:ASvUqR4i0
陽介「お前は……!」 

ミツオ「久しぶり、なのかな?」 

>お前は、警察にいるはずじゃ……! 

ミツオ「ああ、そのことか。逃がしてくれたんだよ、親切な人が」 

>親切な人……? 

りせ「アンタ、なにしたかわかってるの!?」 

ミツオ「当然じゃないか。オレは力を手に入れたんだ。 
    力があるものが力を使って何が悪い?」 

りせ「こ、コイツ……!!」 

ミツオ「どうだったかな、真・ボイドクエストは? 
    楽しんでもらえた自信はあるんだけど。 
   圧倒的リアリティ! 圧倒的臨場感! リセットすら効かない死と隣り合わせの真のゲームを!」 

ミツオ「……本当はお前らのほとんどがグールに喰われる予定だったんだけど。そこは計算外だった」 

>コイツ……! 

ミツオ「ここまで来た勇者御一行に敬意を表して、褒美になんでもこたえてやるぜ?」

917: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:57:38.13 ID:ASvUqR4i0
>何でこんなことをした。 

ミツオ「力を試したくなったのさ」 

千枝「そ、そんな理由で!!」 

ミツオ「お前らを選んだのは、俺を馬鹿にしたからだ。 
    あのとき……テレビから連れ出した時……見下しやがって……!!」 

ミツオ「だから力を手に入れたときに決めたのさ。まずお前らで試してやろうってな!」 

ミツオ「お前らはムカつく奴らだったからな……ハハッ」 

ミツオ「オレはこの場所で、力を得た。自在にダンジョンを作り、キャラクターを作れる力を!」 

千枝「ペルソナが出せないのも……」 

ミツオ「もちろん俺がそうした。勇者御一行は自分の力でここまで来ないと意味がないからな。 
    惜しげもなく見せてくれてありがとうな、ハハハハッ!!!」 

雪子「くっ……!!」 

ミツオ「お前らの醜態とみっともなく喰われる姿をを町中に、見られていると思うとすげー笑えたぜ! ハハハハハッッ!!」 

>俺たちを選んだ理由は分かった。だがどうして叔父さんと生田目と直斗を選んだ! 関係ないはずだろう!? 

ミツオ「警察のヤローはオレの胸ぐらをつかんで恫喝した。だからいれた。生田目のヤツは何となくムカつくから。もう一人の探偵坊やはお前らの仲間だからさ」 

>そんな理由で……!! 

918: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:06:41.73 ID:ASvUqR4i0
直斗「……このゲームにした理由は?」 

ミツオ「対した理由はない。この本を読んで気に入ったからさ。 
    特に、参加者同士で殺し合うってところがな。あとグールの登場も心が惹かれた」 

>クリムゾンの迷宮? 

ミツオ「名作だぜ? 読んでみろよ。無教養のバカには面白さが分かんないと思うがな」 

直斗「……僕を、第4CPまで運んだのは君か?」 

ミツオ「正確には俺の作ったキャラだ」 

直斗「どうしてそんなことをした。そのまま放っておけば死んだだろう」 

ミツオ「野垂れ死にじゃぁ、面白くないんだよ。グールに喰われて死ぬことにこのゲームの意義がある! 
    それに、お前みたいな足手まといがいれば、お得意のくっせぇ仲間意識で互いを守りあって死んでくれると思ったんだがな。 
    計算違いだった」 

陽介「どうやって、俺たちをここにいれた」 

ミツオ「普通に後ろから襲ったり? あと俺を逃がしてくれた親切な人も手伝ってくれたおかげかな。 
    あの人のおかげで、ここまでスムーズにゲームを開始できた」 

>親切な人とは誰だ。 

ミツオ「おっと、それだけは答えられない。その人との約束だからな」 

920: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:19:34.60 ID:ASvUqR4i0
ミツオ「だが、まあ……餌の調達もあの人のおかげで簡単にできた。 
    素晴らしい人だよ、あの人は」 

りせ「そんなことで、おばあちゃんを……!」 

ミツオ「おいおい、それは逆恨みってもんだぜ? 俺は警告してやったんだ。 
    それなのにルールを破るお前が悪いんだよ! アッハッハハハハ!!!」 

>菜々子をここにいれたのもお前か。 

ミツオ「ああ、もちろん。あの糞刑事の娘だと知って、入れてやった。 
    ……まあ、これもあの人のおかげだな」 

ミツオ「お礼にこのゲームにいいポジションで出演してもらった。やっぱりあの人は最高だ!」 

ミツオ「ま、納得いかないのはお前らがこの人数でここに来たことだ」 

ミツオ「本当はほとんどのやつがグールに喰われて、それでグールを倒した最後の1人がここにくる予定だったんだけどな」 

ミツオ「勇者は孤独だから勇者なのにさ……」 

ミツオ「そして、最後にオレがその最後の1人を殺す! そしてハッピーエンドだ!」 

>ふざけるなよ……! 




921: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:27:40.96 ID:ASvUqR4i0
>お前さえいなければ……!  
>堂島さんも死ぬ必要なんてなかった! 直斗も腕を失う必要だってなかった!  
>りせのマネージャーもお婆さんも! 生田目だって、完二だって、グールになんてならなかった!! 

ミツオ「おいおい。ひとつ勘違いしてるぜ? オレは完二ってやつをこのゲームには参加させてねぇよ」 

陽介「どういうことだ!?」 

ミツオ「ヤツは参加してない。いや、参加できなかったんだよ」 

ミツオ「オレがコイツで真っ先に殺したからなぁ!!」 

ドォンッ!! 

>ぐあぁぁあぁあぁああぁぁっっ!! 

千枝「番長くん!!!!」 

>り、リボルバーの拳銃……? 

ミツオ「脚に命中か……なかなか難しいな。残り4発……」 

ミツオ「オレを逃がしてくれた人からの贈り物さ。あのとき胸ぐらをつかんできやがったアイツは真っ先に消してやった。 
    ヒァハハハハハハハッ!!」 

ミツオ「だから、あの場にいたヤツは俺の作ったキャラさ! よくできていただろ?」 

>ぐっ……!!

926: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:43:09.29 ID:ASvUqR4i0
ミツオ「もともとあいつは、万が一誰もグールにならなかったときの予備とゲームマスターをやらせるつもりだった。 
    だけど、切れ者の探偵坊やがいてくれたおかげで、俺が作ったキャラだと気取られることなく潜り込ませることができた」 

ミツオ「ククク……感謝するよ」 

直斗「くそっ……」 

ミツオ「もうお喋りは終わりかな?」 

ミツオ「じゃあ、死ね」 

ヒュン――ビシィッ!! 

ミツオ「がぁっ!!」 

陽介「てめぇの作った武器でやられてりゃ世話ねぇわな」 

ミツオ「消してやる……そんな武器、消してやる!!」 

ミツオ「ペルソナ!!」 

陽介「!!」 

千枝「う……そ……」 

りせ「なんでアンタが……ペルソナを……」 

直斗「……!!」 

ミツオ「言っただろう? 俺は力を手に入れたって……この世界からヤツらの持っている武器を消せ!!」

927: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:48:07.72 ID:ASvUqR4i0
陽介「武器が……消えていく……!」 

ミツオ「これが俺のペルソナの力さ。戦闘力はないが……」 

>だけどこれで勝ち目がなくなった…… 

ミツオ「これで、心置きなく打ち殺すことができる」 

ガチッ―― 

>撃鉄が引かれた……終わりだ。 

ミツオ「じゃあな」 

奈々子「だめぇっ!!」 

――ズガァン!!

929: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:00:33.68 ID:ASvUqR4i0
ミツオ「うぐっ!」 

>外れた……? 

ミツオ「このクソガキがぁっ!!」 

奈々子「ひっ!」 

>菜々子! 

陽介「行くぞ、天城、里中!」 

陽介「おぉおおぉおおぉおおぉおッ!!」 

雪子「はぁあああぁあぁぁぁあッ!!」 

ミツオ「ひっ、く、来るなお前ら!!」 

ガチッ―― 

千枝「はぁああぁぁぁぁああぁあッ!!」 

ミツオ「ぐあっ!」 

バシンッ!! カラカラカラカラ―― 

ミツオ「ぐっ……じゅ、銃が! 銃がない!」 

>……! 銃がこちらに転がってきた……。

931: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:05:10.14 ID:ASvUqR4i0
>残りは3発……。 
>撃鉄を引いた…。 

チキッ――。 

ミツオ「ひぃっ!! じょ、冗談だよな? う、撃たないよな?」 

>身勝手過ぎる言い分だ…。 
>引き鉄に指を掛ける。 

陽介「相棒、好きにしていいと思うぜ」 

雪子「……うん」 

りせ「先輩……」 

直斗「……最後の判断は任せます」 

千枝「番長くん……」 

>俺は……!! 
①撃つ 
②それでも撃たない 
>>932

932: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 2012/05/21(月) 04:05:46.75 ID:sDdxPyaV0
2

936: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:12:14.68 ID:ASvUqR4i0
>……警察にいこう。 

陽介「いいのか?」 

>ああ……ここには奈々子もいるから。 

奈々子「お兄ちゃん……?」 

>いいんだ。奈々子は気にしなくていいんだよ。 

奈々子「うん……」 

陽介「オラ、立てっ」 

ミツオ「いた、痛い! 痛い!!」 

陽介「出口はどこだ」 

ミツオ「それは……」 

陽介「相棒が撃たないなら、俺が撃ってもいいんだぞ」 

ミツオ「ひぃいいぃいぃっ!! あ、あっちです」 

陽介「次に、何か言いよどんだら遠慮なく腕を折る」 

ミツオ「は、はいい!!」 

>これで、ようやく、戻ることができる……。

937: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:18:22.62 ID:ASvUqR4i0
チュンチュンチュン―――。 

>どうやらこちらは朝方のようだ。 

陽介「戻ってきたんだよな……」 

雪子「うん、うん……!」 

りせ「やっと、やっと戻ってきた!」 

直斗「とても長い悪夢でした……」 

千枝「番長くん」 

>何だろう? 

千枝「お疲れ様、番長くんのおかげだよ」 

陽介「ああ、戻ってこられたのは相棒のおかげだ」 

りせ「先輩と一緒でよかった」 

直斗「僕がこうして生きているのも先輩のおかげです」 

>そんなことはない。みんなのおかげだ。 

千枝「ありがとっ!」 

>千枝は臆面もなく抱きついてきた。撃たれたところの傷が痛い……。

941: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:33:36.40 ID:ASvUqR4i0
――後日。 
>俺たちの長期間の失踪はかなりの騒ぎになっていたらしい。 
>久保ミツオは再逮捕されたが、超常現象を法律で追及することは難しいとのことだ……。 

>陽介は、まだミツオに対し怒りに打ち震えている。「ほうで捌けないなら俺が…」といい続けている。 
>完二は撃たれたのち、緊急搬送され一命は取り留めたもののいまだに意識が戻らない。 
>りせは、いまだに落ち込んでおり、まだ立ち直っていない。 
>直斗は、片腕ながら探偵業に精を出している。 
>雪子は、「直斗くんの腕は私のせいだから…」と、直斗を手伝っているらしい。 
>菜々子は、父親を亡くしたショックは大きく、なかなか立ち直れていない。しばらく実家の両親があずかるらしい。 
>そして俺たちは……。 

千枝「番長くん、実家に戻るんだ…」 

>ああ。奈々子のこともあるから。 

千枝「うん……でも、番長くんとはずっと一緒にいたい」 

>俺も千枝と一緒にいたい。だけど、ここで一度さよならだ。 

千枝「うん。またこっちに来てね、絶対だからね!」 

>ああ、また会おう。 

プシュウ……ガタンガタン――。 

>稲羽市が遠ざかっていく…。 
>事件は解決した。……だけど失ったものが多すぎた。違う選択をしていたらまた別の未来があったのだろうか。そう考えずにはいられない…。 

――番長「クリムゾンの迷宮?」 END――