1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 14:13:48.85 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「デスピサロ様、あなた様は私の本名をご存じのはず。私の公称は本名にてお願いいたします。」

デスピサロ「お前の要望は分かった。しかし私がそれを聞き届けることは出来ぬ。」

エビルプリースト「何故ですか?相応の実績を積んでいるはずの私が未だに職業名で呼ばれるのは不本意。
  ですので、エビルプリーストなどではなく、本名を呼ばれたいのです。」

デスピサロ「……」

エビルプリースト「こんな事言うのは恐縮ですが、私は既にデスピサロ様のお力をも上回る力を付けたのですよ?」

デスピサロ「悔しいがそれは認める。しかしその事とお前の呼称問題とは別だ。」

エビルプリースト「何故ですか?」

デスピサロ「私は本当にお前の名前を知らないからだ。」

エビルプリースト「…っ。」

引用元: エビルプリースト「はぁ、何でワシには自分の名前が無いのかなぁ。」 



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 14:18:22.90 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「それでは、デスピサロ様はこのまま私に職業名のみを名乗り続けろと?」

デスピサロ「今のままではそうするしかあるまい。ただ。」

エビルプリースト「ただ、何ですか?」

デスピサロ「今お前を職業名で呼んでいるのは、単にお前の本名を誰も知らないからだ。
  故に本名が明らかになれば、今後はお前をその名で呼ぶこととなる。」

エビルプリースト「ですから、私はその本名を知らないのです、私ですら!」

デスピサロ「ならば、本名を明らかにすれば良いでは無いか。」

エビルプリースト「いかなる手段にて?」

デスピサロ「ついて参れ。」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 14:24:24.59 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「ここは…ただの旅の扉ではありませぬか。」

デスピサロ「そうだ。ここをたどり、お前の名を探す旅に出るが良い。」

エビルプリースト「されど、この世界は既に我らが庭も同然。
  今更このような物を用いて、一体何が得られましょうぞ?」

デスピサロ「我らが眷属、ましてや人間共には、単に世界を移動する手段に過ぎまい。
  だが、進化の秘法にて今の強大な魔力を得たお前ならどうだ?
  この世界だけで無く、他の世界にたどり着くのも不可能では無いはずだ。」

エビルプリースト「では?」

デスピサロ「探すのだ!自分のルーツは自分の手でつかみ取るが良い!」

エビルプリースト「ははっ…」

エビルプリースト「ならば、必ずや我が本名を明るみにして戻って参ります」ミュインミュイン

デスピサロ「…これこそが、お前の乗り越える試練なのだ。」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 14:28:33.40 ID:XXS1aC4FP
ギュイイ…ン

エビルプリースト「…着いたか。」フゥ…

エビルプリースト「ワシの名の在処。つまり、ワシの生まれ故郷で聞くのが一番だ。」

エビルプリースト「……」ドキドキ

エビルプリースト「いざ、参らん!」

プシュー

(───株式会社 □e───)

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 14:32:54.80 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「ここか…ワシが生まれた所は。」

エビルプリースト「…あまり懐かしい匂いも雰囲気も無いが…」

エビルプリースト「ともあれ、ワシを産みだした者どもがここにいるのは確か。」

エビルプリースト「では、行くか。」

受付嬢「あの、すみません。」

エビルプリースト「何か?」

受付嬢「来社のご予約等はされてますでしょうか?」

エビルプリースト「そんなもんはしとらん。」

受付嬢「では、こちらで受付の手続きをお願いいたします。」

エビルプリースト「面倒だな…はいよ。」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 14:39:54.61 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「で、どうすればいいのじゃ?」

受付嬢「ご芳名とご役職、それからご来社の目的と面会される弊社の社員名のご記入を。」

エビルプリースト「面倒だ…」カキカキ

エビルプリースト「これで良いかな?」

受付嬢「…あの、失礼ですが、ご芳名のご記載もお願いいたします。」

エビルプリースト「ワシに名前など無い!」ドヤァ

受付嬢「…では、大変恐縮ですが、お引き取りを」

エビルプリースト「うるさいのう。ちょっと頭を冷やせ!」ブシュゥゥゥゥゥ

受付嬢「きゃっ!?」カチコチ

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 14:44:25.17 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「はぁ…全く面倒じゃ。ワシに輝く息なんか使わせるなよ…」テクテク

エビルプリースト「えーと、たしかワシを産みだしたのは、この会社のH氏だと聞いているが…」

エビルプリースト「扉がたくさんあって、どこがどこだかさっぱり分からん。」

エビルプリースト「ワシの魔力で探り当てるしかあるまいな。」レミーラ!

エビルプリースト「ああ、ここかここか。よし。」

ガチャ

エビルプリースト「頼もう!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 14:49:09.34 ID:XXS1aC4FP
ドヨドヨ

(なんだ、この変な格好のオヤジは…)

(過激なレイヤーが社内に押し入ったのか?)

(警察呼んだ方が…)

エビルプリースト「あのう、ちょっとおたずねしたいんじゃが。」

社員「な、なんでしょうか。」ビクビク

エビルプリースト「こちらに、Hさんという方はおられるかいのう?」

社員「あ、あちらのフロアに…」ビクビク

エビルプリースト「おう、ありがとよ。」

社員「どういたしまして…」ヒクヒク

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 14:54:00.43 ID:XXS1aC4FP
ガラッ

エビルプリースト「すんません、こちらにHさんはおられるかな?」

H氏「あーあ、ちょっとエビさん、何やってるんですか。」

エビルプリースト「(この人がワシを産みだした男…)」ピリピリ

H氏「困るんだよね。想像上の人物が現実世界に乗り込んでこられちゃ。」

エビルプリースト「いや、困ってるのはワシの方じゃ。あんたに聞きたいことが」

H氏「エビさんの名前なら無いよ。」キッパリ

エビルプリースト「…はぁ?」

H氏「だって、決めてないもん。」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 15:00:56.56 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「いや、そんな馬鹿な台詞なんて聞きたかないんじゃ!」

H氏「そんな事言われたって、決めてないものは決めてないんだから、しょうが無いじゃん。」

エビルプリースト「ワシは雑魚敵じゃないんじゃぞ!ラスボスの手下にして隠しボスの」

H氏「ああ、そんなのは後付け設定だしね。緒戦は三下ですし、いちいち名前なんか。」

エビルプリースト「ささささ三下ぁ!?しかも後付け設定ってあんた、そんな無責任な!」

H氏「しょーがないじゃん、事実なんだから。リメイクであれだけ光を当ててあげただけでも
  感謝して欲しいくらいだしね。」

エビルプリースト「きききき貴様じゃ話にならん!社長を出せ!!」ドヤァ!

H氏「まぁまぁそんなクレーマーみたいなこと言わないで、良いこと教えてあげるから。」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 15:08:20.20 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「……」

(H氏「後付け設定とさっき言ったよね?つまり、もしかしたら、他の世界を覗いてみたら、
   エビさんの名前に繋がる設定とかそういうのが見つかるかも知れない。」)

(H氏「あの世界からここまで来られるくらいの力があるなら、そのくらい出来るよね?」)

(H氏「じゃあ、頑張って!」)

カキカキ

エビルプリースト「つくづくワシらはカオスな世界で産まれたもんじゃのぅ。」

カキカキ

エビルプリースト「…なんか納得いかんが。」

カキカキ

エビルプリースト「よし、簡易旅の扉も描いたし、
  H氏に教えて貰った世界に赴くとするか!」ミュインミュイン

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 15:16:14.18 ID:XXS1aC4FP
「…このキラーパンサーの子は?」

「捨て置きなさい、野に帰ればやがてその魔性を取り戻すはず…ん?何ですか、あれは?」

ギュイイ…ン

エビルプリースト「ここが未来世界とされてる所か…」

ジャミ「な、何だお前は!?」

ゴンズ「人間じゃないようだが、ミルドラース様の配下でもないようだ。ゲマ様、お心当たりは?」

ゲマ「ジャミ、ゴンズ、うろたえるんじゃありません。このような者は見覚えがありませんよ。」

エビルプリースト「お主たち…もしかして名前があるのか?」

ゴンズ「当たり前だ。俺たちはミルドラース様の元で要職に就いているんだ。
  名前が付いてて当然だろう。」

ジャミ「そこらの三下と一緒にされちゃ困るんだよ。俺らは雑魚モンスターじゃねぇ!」

エビルプリースト「ぐぬぬ…」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 15:22:43.78 ID:XXS1aC4FP
ゲマ「(この魔力…ミルドラース様に匹敵する実力を秘めていますね…何者なのでしょう)」

ゲマ「あなたは一体何者ですか?名を名乗りなさい!」

エビルプリースト「ワシは…エビルプリーストと呼ばれておる。」

ゲマ「エビルプリースト…?それは種族名か職業名でしょう。お名前は何ですか?」

エビルプリースト「…知らぬ。」ボソ

ゴンズ「はぁ?聞こえないんだよ。もっと大きな声でぶべらっ!?」シュゥゥゥ…

ゲマ「お黙りなさい。…なるほど、あなたは名前を与えられなかったのですね?」

エビルプリースト「…そうじゃ。」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 15:32:17.58 ID:XXS1aC4FP
ゲマ「なるほどなるほど…古の世に産み落とされた世界では、
  相当の実力者でも名を与えられぬ場合が多かったと聞きますが…あなたはその一人なのですね?」

エビルプリースト「何度も繰り返さないでくれ。故にワシは我が名を求めて彷徨っておる。」

ゲマ「ああ、ごめんなさいね。…そういえばはるか昔、
  エスタークの復活を試みた魔族の集団がいたと聞きますが…もしやあなたは?」

エビルプリースト「そうじゃ、ワシはお主らから見て過去の世界で確かにエスターク様を復活させておる。」

ゲマ「そうですか。…!あなたはもしや当時の魔王であるデスピサロに対して
  貶める為の罠を仕掛け、挙げ句に謀叛を企てたという。」

エビルプリースト「もう昔の事じゃ。」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 15:40:23.52 ID:XXS1aC4FP
ゲマ「ま、過去の事に触れるのは止しましょう。我らにもあなたにもお互い
  何の関わりも無いことですから。」

ゲマ「あなたの要望は分かりました。ですが、この世界に手がかりは無いと思ってください。」

エビルプリースト「何故じゃ?」

ゲマ「先ほども触れましたが、我らは世界の構築の手法がある程度固まった時に生み出されました。
  つまり、そこにいる中位職にも名前が設けられる下地があったのです。」

ゲマ「残念ながら、あなたは産まれた時期が悪かった。もう少し遅くに誕生の機を得ていたなら…」

エビルプリースト「利いた風な口を聞かないでくれ!
  要するにこの世界には我が名に繋がる手がかりは無いと言いたいのじゃろう?」

ゲマ「はい、その通りです。しかし、希望が無いわけではありません。」

エビルプリースト「どういう意味じゃ?」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 15:50:11.34 ID:XXS1aC4FP
ゲマ「私は本来、この世界に傀儡として据え置かれている者の配下として生み出されました。」

ゲマ「しかしながら時が経ち、再度世に送られる機会を得ました。
  そのときに私の立ち位置はブラッシュアップされ、ミルドラース様の、
  今この世界に君臨されている方なのですが、その方の懐刀としての地位を得たのです。」

エビルプリースト「お前もそのクチじゃったか…ワシは真の支配者としての機会を与えられたわ。」

ゲマ「ならば話は早いですね。つまりこの世界には、運命をも曲げる力、
  いわゆる『後付け設定』と呼ばれる不可思議な概念がありまして、
  その流れにうまく乗ることが出来れば、今まで得られなかったものすら得る事も可能なようです。」

エビルプリースト「その在処は?」

ゲマ「…わかりません。所詮我らは与えられた世界に君臨するが関の山。
  しかし、時空を駆け巡る貴方なら、あるいは辿り着けるやも知れませんね。」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 15:55:54.45 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「有益な情報じゃ、恩に着る。今後のワシの方向性が見えてきおったわ。」

ゲマ「お役に立てたようですね。」

エビルプリースト「…ところでお主たちはここで何をしておるのじゃ?子供二人と、焼死体…?」

ゲマ「子を思う親の気持ちはいいものですからね。あなたも身に覚えはありませんか?」

エビルプリースト「ま、ワシは人間では無く、眷属に手を出したがな。」

ゲマ「ほっほっほ、あなたも相当な者ですね。では、道中お気を付けて。」

エビルプリースト「それじゃ、旅を続けようぞ。」ミュインミュイン

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 16:07:21.13 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「(とは言え、その後付け設定とやらがどこにあるのか、それが分からん事にはな。)」

ギュイイ…ン

エビルプリースト「ここはどこじゃ…遠くからかすかに噴煙の匂いがするが。」

キエェェェェェェ!!!

エビルプリースト「なんじゃ!?」

(バラモスやゾーマをも超える邪悪な思念…あなたは何者ですか?)

バサッ バサッ バサッ

エビルプリースト「なんという巨大な鳥!だが、ワシの敵ではあるまい!」ブシュゥゥゥゥゥ

(無駄ですよ、我は不死鳥。現世の力は通じません。)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 16:14:46.73 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「死なない?進化の秘法でもそこまでの奇跡は望むべくも無い。」

(どうやら貴方は討ち滅ぼされるべき者のよう。
 バラモスとの戦いに挑む人間たちと共に挑まねばなりませんね。)

エビルプリースト「このような者を相手にしては無傷ではいられまい。致し方ない、退却じゃ!」ミュインミュイン

======================

ギュイイ…ン

エビルプリースト「ここまでは着いてこられまい…」

キエェェェェェェ!!!

エビルプリースト「まさか、貴様も時空を飛び越える能力が?」

(あなたにだけ許された力とお思いですか?)

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 16:21:04.87 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「待て待て、これ以上貴様と戦うつもりはない。
  この世界に手出しする意図で赴いたのでもない。」

(では、何の目的で時空を飛び回っているのです?)

エビルプリースト「ワシはあるものを探しに、方々を駆け巡っておる。とても大事なものをじゃ。」

(…名前を欲しているのですか)

エビルプリースト「思念が読めるのじゃな?そうじゃ、究極の力を得たワシじゃが、
  それでもなお得る事が出来なかったのが、名前じゃ。」

(なるほど。今は邪悪な目的を果たすつもりはないようですね。)

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 16:32:05.21 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「…旅を重ねるうちに、ワシは世界が何によって形作られたのか、
  その一端を知ることが出来たような気がする。」

(傲慢な思い込み…そう言いたいところですが、あなたの仮説はおそらく正しい)

エビルプリースト「そう言う根拠は何じゃ?…まさかお主も」

(そう、私も世界を見つめ続ける者たちの思念により、産まれついて持ち合わせたものの他に
 違うものを与えられる機会がありました。正邪の違いはあれど、それを望む者がいるのです。)

エビルプリースト「ワシもその支配下にあると?
  ワシの力はワシが自ら進化の秘宝で鍛え上げ、得たものじゃ。」

(その出来事こそ、望まれて産まれしもの。)

エビルプリースト「ならば、それを望んだものはいずこにあるというのじゃ?」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 16:39:27.02 ID:XXS1aC4FP
(既にその方法にはたどり着いているはず。しかし、あなたは目測を誤りました。)

エビルプリースト「…H氏には会った。しかし、彼の者はヒントなど与えてくれなかった。」

(そうではありません。誰もが辿る道ですが、産まれたものは見守られて育まれる。)

(生まれついて持ち合わせていなかったものでも、後から望めば叶う場合もある。)

エビルプリースト「!…後付け設定の事か?」

(そのような言葉で言い表すこともできましょう。)

エビルプリースト「では、あの世界に戻れば、ヒントが見つかるというのか。」

(答えは、自分自身で見つけること。あなたの主君もそういったのではないですか?)

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 16:42:21.74 ID:XXS1aC4FP
エビルプリースト「それが事実なら、あるいはお主と一戦交える機会がいずれあるやも知れぬな。」

(そのような時が来ないことを願うばかりです。)

エビルプリースト「では、参るか。だが、その前にお主の名を教えてはくれぬか?」

(…私の名はラーミア、ですがこの世界ではレティスと呼ばれております)

エビルプリースト「ワシが喉から手が出るほど欲した名前が二つも…羨ましい限りじゃ。」ミュインミュイン

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 16:47:51.80 ID:XXS1aC4FP
□e

ギュイイ…ン

エビルプリースト「頼もう!H氏に会わせるのじゃ!」

受付嬢「この間は不覚を取りましたが、今度は大丈夫!ダウンジャケットも着込んだし、エネループ懐炉も。」

エビルプリースト「じゃかぁしいわ!」ギュンギュンギュンギュンギュン

受付嬢「きゃっ!…あれっ?防寒具一式がどこにもない!」

エビルプリースト「凍てつく波動は吹雪系攻撃じゃない。周到な準備を無効化するのじゃ。」ドヤァ

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 16:55:12.18 ID:XXS1aC4FP
タッタッタッタッタッタ

エビルプリースト「おい、Hさんよ!また邪魔するぜ!」

H氏「あれ、エビさんまた来たの?言っておくけど名前の公式資料なんてどこにもないよ。」

エビルプリースト「嘘をついちゃいかん。後付け資料はどこじゃ。」

H氏「ん~、というと?」

エビルプリースト「あんたが作ったゲームが大ヒットして、リメイクとかやったじゃろ?」

H氏「うん、そうだけど?」

エビルプリースト「そのリメイクは人気があったから企画されたはず。
  となれば、人気が出たときに誰かが何か補完するようなものを世に出して、
  それを基にリメイクの世界を再構築したんじゃ無いか?」

H氏「身も蓋も無いメタな事言うようになったね。」

エビルプリースト「いいからワシにその在処を教えるのじゃ。」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 17:01:19.58 ID:XXS1aC4FP
H氏「そこまで見抜いてるんならしょうが無いなぁ。とりあえず手を出して。」スッ

エビルプリースト「何じゃその紙切れ…金か?」

H氏「ここでは『ゴールド』じゃなくて『円』というんだけどね。」

エビルプリースト「ひょっとして、その後付け資料の基になった何かが買えるのか?教えるのじゃ!」

H氏「あんまり騒ぎを起こすなよ?お前のナリは変 オヤジにしか見えないから。」

エビルプリースト「いいから早く。」

H氏「んじゃ、この地図を見て。」カチカチ

エビルプリースト「あんたんとこの地図は便利じゃな。拡大出来たり道順指し示したり。」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 17:09:06.12 ID:XXS1aC4FP
書店

店員「いらっしゃいま…せー?」アセアセ

エビルプリースト「えーと、どこかな…」レミーラ!

エビルプリースト「あー、あったあった。この本買いたいんじゃが。」

店員「は、はい…えっと、カバーはお付けしますか?」

エビルプリースト「いらん。」

店員「…ありがとうございましたー……」


エビルプリースト「表紙カバーも邪魔じゃなー。」ポイ

テクテクテク…

……オオー コレガワシノナマエナノカー!!!
ミュインミュイン


……ヒュー カサカサ
「やあね、ゴミを散らかすなんて。ちゃんと拾って捨てなきゃ…なになに…?」
(『小説 ドラゴンクエスト4』)

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/06(月) 17:18:37.23 ID:XXS1aC4FP
ギュイイ…ン

エビルプリースト「デスピサロ様、ただ今帰還いたしました。」

デスピサロ「戻ったか!…その表情、おまえの求めた答えが見つかったようだな?」

エビルプリースト「おかげさまで。そこでお願いなのですが、今後は私のことは
  エビルプリーストという役職名ではなく、今から言う本名で」

デスピサロ「さてエビルプリースト、帰還早々すまないが、早速任務だ。」

エビルプリースト「いや、私の名前は」

デスピサロ「アッテムト鉱山にまたしても人間共が押し寄せてきたのだ。
  人間共め、有毒ガスが噴出しても金を得たいとは、つくづく業の深い生き物だ。」

エビルプリースト「ちょ、聞いてくださいよ、私の名は」

デスピサロ「人間をアッテムトから追い払って貰いたい。
  エビルプリースト、おまえの力ならたやすい任務だろう。」

アームライオン「さすがエビルプリースト様。仕事の速さ確実さは折りがき付きという事ですな。」

キリキリバッタ「エビルプリースト様かっこいいー!」

エビルプリースト「聞くんじゃ、おーい!!」


END