1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:49:30.85 ID:z9NBDEd50
「・・・」ふわふわ

夏目「何だろう・・・」

『・・・夏目様・・・友人帳の夏目様ですね?』

夏目「うわっ!靄が喋った!?」

『あっ・・・この様な姿で失礼を。少々お待ち下さい』ふわっ

・・・

引用元: 夏目「何か浮いてる・・・」 



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:50:32.51 ID:z9NBDEd50
煙々羅「私は煙々羅と申します。少し、お時間を頂けませんか?」

夏目「わざわざ人の姿になってもらって悪いが、今日は早目に帰らなきゃいけないんだ」

煙々羅「そんな・・・」

夏目「またなー」

煙々羅「うぅっ・・・」グスグス

夏目「えっ」

ニャンコ先生「迎えに来てやったぞーー、っと、にゃんとぉ!?」

夏目「ああ先生、迎えに来てくr」

ニャンコ先生「夏目が女を泣かせとるー!」

夏目「い、いや、違う!違うんだよ先生!」

ニャンコ先生「まさかお前が女を泣かせる日が来るなんて思わなんだ」

夏目「違うって言ってるだろ!それに、そいつは妖だ!」

ニャンコ先生「・・・そうか、人間にモテないあまり、妖に手を出したか」

夏目「違う」ゴスッ

ニャンコ先生「んにゃふ」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:51:05.71 ID:z9NBDEd50
・・・

夏目「はぁ・・・何か疲れた」

ニャンコ先生「あれしきの冗談でこの私に手を上げるとは・・・鬼だな」

夏目「本気だっただろ、絶対」

ニャンコ先生「・・・」

夏目「本気だったろ」

ニャンコ先生「にゃんっ☆」

夏目「尻尾の毛抜いてやるー!」ガバァ!

ニャンコ先生「うるさい馬鹿者ー!紛らわしい事をしとるからだ!それに匂いで分かっておったわー!」キシャー!

夏目「分かってたなら逆ギレしないだろっ!」

ニャンコ先生「黙れ白アスパラー!」

煙々羅「うふふ」

夏目「ん、笑った?」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:51:32.88 ID:z9NBDEd50
ニャンコ先生「隙ありー!」シュバッ!

夏目「甘いぞ先生っ!」パシッ、カリカリカリカリ

ニャンコ先生「んにゃふんにゃふん」ゴロゴロゴロ

煙々羅「ふふっ」クスクス

煙々羅「仲が良いのですね」

夏目・ニャンコ先生「どこが!?」

煙々羅「うふふ」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:52:08.16 ID:z9NBDEd50
・・・

夏目「それで、用と言うのはやっぱり・・・」ゴソゴソ

夏目「この友人帳か」

煙々羅「はい。名をo」

夏目「分かった、すぐ終わるよ」

夏目「・・・我を護りし者よ、その名を示せ」パラパラ・・・

ニャンコ先生「また薄くなるなー・・・お人好しが」

パラパラパラパラ・・・パサッ

夏目「えっ?」

ニャンコ先生「ん?」

煙々羅「あの・・・何をされているのですか?」

夏目「いや、名前を返そうと」

煙々羅「いえ、私の名前をお渡ししようと来たのです」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:52:33.62 ID:z9NBDEd50
夏目「えぇー!」

ニャンコ先生「自ら名前を渡すなど、正気か?」

煙々羅「はい・・・私は煙の妖。流れ流れて、何処へ行くか解りません。ならばせめて、この場所くらいには戻れたら、と思いまして・・・」

ニャンコ先生「呼ばれたらいつでもここへ来れる、と言う訳か」

煙々羅「はい」

夏目「でも・・・」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:53:01.02 ID:z9NBDEd50
・・・

夏目「結局、もらってしまったなぁ・・・」

ニャンコ先生「あやつは自分の意思で名前を渡したのだ。何を気にする必要がある」

夏目「それはそうだけど・・・」

ニャンコ先生「ふん、この地に未練があるのだろう。まー、あの妖には、我々に危害を加える力など無い。どっしり構えておればいいのだ」

夏目「未練か・・・」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:53:35.00 ID:z9NBDEd50
・・・

塔子「ごめんなさいねぇ、庭掃除手伝ってもらっちゃって」

夏目「いえ、これくらい」ザッザッ

塔子「助かるわぁ」

夏目「後は任せて下さい」

塔子「うーん・・・じゃあお言葉に甘えて、お買い物に行っちゃおうかしら」

夏目「はい」

塔子「そうそう、はいコレ」

夏目「これは?」

塔子「お芋を頂いたの♪落ち葉を燃やす時に焼いてね?」

夏目「ありがとうございます」

ニャンコ先生「にゃんっ(焼き芋ーっ!」

塔子「くれぐれも火には注意してね?火をつける前にバケツに水を汲んで、それから・・・云々」

夏目「はい」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:54:16.06 ID:z9NBDEd50
塔子「じゃあ、後はお願いねー」

夏目「はーい、いってらっしゃい」

ニャンコ先生「夏目!さっさと火をつけろ!焼き芋だー」

夏目「はいはい」カチカチ・・・ボッ

ニャンコ先生「早く芋を焼くのだ!」

夏目「さっきからうるさい」

パチパチ・・・パチッ

夏目「ふー、温まるな」

ニャンコ先生「芋ー!芋はまだか」

夏目「まだだよ、先生。さっき入れたばっかりだろ」

ニャンコ先生「ぬうう・・・」

ユラ・・・ユラ

夏目「・・・ん?煙が」

ニャンコ先生「どうした?焼けたか夏目?」

ユラユラ・・・ボッ!

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:54:47.37 ID:z9NBDEd50
夏目「うわあっ!煙から顔がっ!」

ニャンコ先生「んん?」

煙々羅「こんにちわ~」

夏目「煙々羅!?」

煙々羅「来てしまいました」

夏目「な・・・」

ニャンコ先生「お、おい!芋が出てしまっておるぞ!」

煙々羅「驚かせてしまってすいません・・・夏目様が名を呼んで下さらないので、こちらからお邪魔しました」

夏目「そうか・・・ビックリしたよ」

ニャンコ先生「おい!夏目!芋を戻さんか!」

煙々羅「どうして名を呼んでいただけないのですか?」

夏目「いや、どうしてって言われても・・・」

ニャンコ先生「こうなったら私が直々に芋を戻し・・・熱ーっ!」たしっ!たしっ!

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:55:16.56 ID:z9NBDEd50
夏目「俺は、妖を操る気は無いよ」

煙々羅「・・・そうですか」

ニャンコ先生「聞いとんのか!こら!」

煙々羅「・・・」

夏目「・・・ああ、もう少しで芋が焼けるんだ。食べるか?」

煙々羅「はいっ」

ニャンコ先生「私の分が減ってしまうではないか」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:55:45.99 ID:z9NBDEd50
・・・

夏目「焼けたぞー」

ニャンコ先生「やっと出来たか。一番デカイのをよこせ」

夏目「はいはい、先生はこれな。煙々羅はこれ」

煙々羅「ありがとうございます」

ニャンコ先生「すぐに食って二本目に・・・あーーん」がぶ

夏目「熱いから気をt」

ニャンコ先生「んなー!」

夏目「・・・だから言ったろ」

ニャンコ先生「フーフーしてから渡さんかー!」キシャー!

夏目「そんなことするかー!」

煙々羅「ふふふっ」

夏目・ニャンコ先生「何がおかしい!?」

煙々羅「ふふふふっ」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:56:31.05 ID:z9NBDEd50
・・・

夏目「で、どうして名を呼ばれたいんだ?」

煙々羅「えぇと・・・それはですね」

ニャンコ先生「むう」たしっ!たしっ!

煙々羅「・・・昔、こんな事がありました」

ニャンコ先生「おい、フーフーしてくれ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 17:57:06.65 ID:z9NBDEd50
~~~~

煙々羅「ああ、いい天気」ふわふわ

『お前なんてどっかいけ!』

『そーだそーだ!』

煙々羅「・・・喧嘩?」

男1「そーら!」バシッ!

男2「もう姿を見せるな!」ゲシッ!

女「っく!・・・このっ!」バチッ!

男1「いってぇ!こいつ!」

ユラ・・・ユラユラ・・・

男1・2「ん?」

女「?」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 18:01:12.40 ID:z9NBDEd50
ユラユラ・・・ボウッ!!

男1「うわああああ!」

男2「な、何だっ!」

ボウッ!!モクモクモク

男1「に、逃げろ!」ダッ!

男2「うわあっ!」ダッ!

煙々羅「ふう・・・女一人に二人がかりなんて・・・」

女「・・・ありがとう」

煙々羅「えっ?」

女「・・・」

煙々羅「私が見えるんですか?」

女「まぁね。貴方、妖よね?」

煙々羅「・・・はい」

女「所で、貴方、名前は?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 18:01:55.20 ID:z9NBDEd50
煙々羅「煙々羅と申します」

女「そう、可愛い名前ね」

煙々羅「い、いえいえ!そ、そんな・・・!」

女「ねぇ、私と勝負しない?」

煙々羅「勝負、ですか?」

女「私に勝てば何でも貴方の言う事を聞いてあげる。負けたら、私の子分になるのよ」

煙々羅「勝負だなんて・・・」

女「悪い条件じゃ無いと思うけど」

煙々羅「し、勝負なんて無理ですー!」ふわっ

女「あっ、ちょっと!」

煙々羅「私は、空から見守ってますから」ふわふわ

女「・・・そう」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 18:02:28.58 ID:z9NBDEd50
~~~

煙々羅「と言う事があって、この辺りに戻ってくるのも久し振りで・・・」

煙々羅「友人帳の噂を聞き、夏目様に名前をお渡ししたのです。この地にまた、戻れる様に」

夏目「・・・その女の人って・・・」

煙々羅「どこか、夏目様に似ていたような気もします」

ニャンコ先生「レイコか」

煙々羅「レイコ?」

夏目「・・・夏目レイコは俺の祖母なんだ。妖に勝負を挑んで打ち負かしては、友人帳に名前を書かせていたらしい」

煙々羅「・・・そうでしたか」

ニャンコ先生「ちなみに、こんな姿だったろう?」ボンッ

レイコ(先生)「どうだ?」

煙々羅「あ・・・あの時の!?・・・それで、そのレイコさんは何処に」

夏目「レイコさんはもう他界したよ。亡くなったんだ」

ニャンコ先生「あ、よっこらせ」ボンッ

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 18:03:02.62 ID:z9NBDEd50
煙々羅「そん・・・な・・・私が、居ない間に・・・」

ニャンコ先生「人間の命など短いものだ、仕方がないのさ」

夏目「煙々羅・・・やっぱり、名を返すよ。受け取ってくれ」

煙々羅「・・・はい」

夏目「我を護りし者よ・・・その名を示せ・・・」

パラパラパラパラ

ビッ

・・・パンッ!

フッ

シュウウウ・・・

夏目「ありがとう、煙々羅・・・祖母の、優しい友人」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 18:04:04.94 ID:z9NBDEd50
・・・

夏目「今日も落ち葉が凄いなぁ」ザッザッ

ニャンコ先生「にゃん、にゃん!」ガサガサ

塔子「またお掃除手伝って貰っちゃってごめんなさいねぇ。猫ちゃんまで」

夏目「いえ、これくらい」

ニャンコ先生「にゃん」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 18:04:33.57 ID:z9NBDEd50
塔子「また任せてお買い物に行ってもいいかしらぁ?特売なのよー」

夏目「はい、後はやっときます」

塔子「ごめんなさいね。・・・それでね、また、お芋を頂いたのよー。よかったら食べてね?」

夏目「はい、いただきます」

塔子「火には気を付けてねー」

夏目「いってらっしゃーい」

ニャンコ先生「今日も焼き芋だー!」

夏目「今日は塔子さん達の分も残すからな」

ニャンコ先生「いいから焼け夏目ー!」

夏目「はいはい」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 18:05:01.24 ID:z9NBDEd50
・・・

ユラ・・・ユラ・・・

ボッ

煙々羅「こんにちは~」

夏目「うわっ!」

ニャンコ先生「また芋が出てしまったではないか馬鹿者ー!」

煙々羅「す、すいません・・・!今夜辺り、遠くに流されそうですので、ご挨拶に・・・」

夏目「そうか・・・ああ、そうだ。まただけど、焼き芋食べるかい?」

煙々羅「はいっ」

ニャンコ先生「おい!聞いとんn熱ーっ!」たしっ!たしっ!

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/16(木) 18:06:21.04 ID:z9NBDEd50
終わり

いつまでも煙々羅が出ないのでむしゃくしゃしてやった

反省も後悔もない