2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:17:47.40 ID:2YefYo7E0

 その時はずっとね、雛菜に黒ってあんまり似合わないと思ってたんだー。

引用元: 市川雛菜が幸せじゃなかった理由 


3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:18:41.75 ID:2YefYo7E0
 透先輩は大人っぽいところもあるからすごく似合ってたし、円香先輩はまあ、全然違和感ないしー。
 小糸ちゃんは雛菜より似合ってないんじゃないかなって思った、しかも泣き止まないから服ぐちゃぐちゃ〜。
 ハンカチ、貸してあげたけどそれもすぐにぎゅーって絞れるくらいになっちゃった〜。

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:19:15.90 ID:2YefYo7E0
 円香先輩は相変わらず静かで、目も閉じてるから眠ってるみたいに見えててー。
 そんなことだけ考えてたら時間、ぶわ〜、って過ぎちゃって、気付いたらみんなでお家の前でかいさーん、ってことになってて〜。
独りになったし、せっかくだから溜まってた宿題ぜんぶやっちゃお〜、って思って机に向かってたけど、全然集中できないの〜。
 それでね、しかたないからずっとスマホのアルバム見てた時にね、窓、こんこん、って叩く音がしてー。
 開けたら不機嫌そーな円香先輩がいて、雛菜うわーってなっちゃった〜。
 なんでうちに来たの、って訊く前に遮るみたいに話し出すし、困っちゃう、そういうの〜。

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:19:55.75 ID:2YefYo7E0

『ハロー、ミス・ハピネス。何やってんの、こんな時間まで』

 今日くらいはねー。何ー、そのミスって〜。円香先輩がそうやってテンション高いのもそのせいじゃないの〜? ハローでもないしこんばんはでもないし、夜分遅くにすみません〜、みたいな時間ー。

『今夜は忙しいから気が立ってるだけ。だから手短に言うけど、雛菜。私はあんたを呪う』

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:20:36.77 ID:2YefYo7E0

 えー、怖いー。雛菜そういうの好きじゃないー。

『そっちの言い分はどうでもいい。いい? 今から言うこと、守って。破らないで』

 そうしないと呪われちゃうならちゃんと聞くけどー。

『違う。いいから』

 むー、は〜い。何〜?

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:21:14.62 ID:2YefYo7E0

『浅倉の側にいて。あいつにはそういうの、要るから』

 うん〜もちろんー。当たり前でしょ〜? それでー、次はー?

『小糸の側にいて。笑わせてあげて』

 それも当たり前〜。そういうことわざわざ言うとか、円香先輩、変〜。

『そう。変でも、別に』

 やっぱ変〜。雛菜もう呪われたくないから、終わりね〜。

『勝手なやつ』

 それは円香先輩ー。

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:21:44.24 ID:2YefYo7E0

『そうかもね。じゃ』

 もう行くの〜?

『世話にはなったから。一応、それには報いる』

 こんな時間に〜?

『眠れてるわけないでしょ。もう行く』

『雛菜』

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:22:23.61 ID:2YefYo7E0
 ん〜?

『任せた』

 はーい、任された〜〜〜♡

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:23:14.63 ID:2YefYo7E0

 それでー、円香先輩、事務所の方へ行っちゃったー。
 雛菜がなんか言おうとしてたから、多分わざと背中向けててー。
 そういうところ、ずっときらい〜。
 ばいばいも言わないんだからー、今日くらいいいでしょ、って思ったのにな〜。

 で、雛菜呪われちゃって幸せじゃないから、だから、次の日の朝も、三人一緒になって学校へ行ったの〜。
 

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:24:07.04 ID:2YefYo7E0

 みんなでしあわせ〜♡になれるように……ね?

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/11/12(木) 20:26:06.13 ID:2YefYo7E0
終わり。

呼んで頂きありがとうございました。
完全にノリと勢いで書いてしまった掌編ですが、何かを感じ取って頂けていれば幸いです。