1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:03:27.43 ID:AqLHxjd90
見滝原 廃ビル

貴金属「最近若い女性の失踪事件が相次いでいるというから色々当ってみたが、手掛かりはなしのままか……」ジャラ

貴金属「ん?なんだ?あそこの屋上にいるのは…女?」ジャラン

貴金属「まさか!飛び降りでもするつもりか!?急いで助けに行かなければ!」ジャラジャラ

貴金属「!少女達が!!」ジャラジャラ

マミ「今助けるわ!」シュパァーン ヘンシーン

貴金属「な、何ィ!?」ジャラッ

まどか「誰かいるの!?」

さやか「な、誰!?」

マミ「しまった!こんなところで……でも、今は人命第一!」

シュルシュル ポスッ

マミ「危なかったわね……」

貴金属「おいおい、何なんだお前らは?今のはどうやったんだ?」ジャラ

引用元: 貴金属刑事「ソウルジェム?それは一体どんな貴金属なんだ…?」 




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:06:38.30 ID:AqLHxjd90
まどか「えっと、今のはその……」

貴金属「突然格好が変わったと思ったら紐みたいなものまで出てきて消えて……何者だお前ら?」ジャラ

さやか「そういうそっちこそ誰なんですか?ジャラジャラといっぱい身につけてますけど」

貴金属「俺か?俺はこういうものだ」スッ ジャラジャラ

マミ「!警察の方ですか?」

貴金属「あぁ…身内じゃ貴金属さんって呼ばれてる」ジャラ

さやか「見たまんまかよ!」

貴金属「で、結局何なんだお前ら?その制服は見滝原中学だな?」

マミ「仕方ないわね……話すしかなさそうね」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:09:54.63 ID:AqLHxjd90
貴金属「魔法少女だぁ!?そんな馬鹿な話を信じろっていうのか?」ジャラン

マミ「できれば今日のことは忘れてほしいんです。危険と隣り合わせですから」

貴金属「……危険なのか?」ジャラッ

マミ「それは勿論です」

貴金属「なら、俺もその魔女退治とやらについていこう」ジャラ

さやか「げぇ!マジですか!?」

貴金属「こんな子供が頑張ってるってのに、大人が見て見ぬふりできるかよ」ジャラジャラ

貴金属「それに、話を聞いてるとどうやら近頃の女性失踪事件に一枚噛んでるみたいだからな」ジャラッ

マミ「……分かりました。その代わり、絶対に無茶はしないでくださいね」

貴金属「誰に向かって物言ってんだ…俺は刑事だぞ?そこらの小娘と一緒にしないで貰いたいね」ジャラジャラン

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:13:11.88 ID:AqLHxjd90
結界内

マミ「はぁ!」バンバン

貴金属「うぉい!どっからそんな危なっかしいもの出したんだよ!銃刀法違反で逮捕するぞ!」ジャラジャラッ

さやか「だからあれは魔法なんですってば」

貴金属「くそっ、何なんだコイツらは気持ち悪い」ジャラ

マミ「この先に魔女がいます。気を付けて下さい…鹿目さん達も注意しててね」

まどか「マミさん頑張ってください!」

貴金属「あぁっ!ネックレスが引っ掛かった!?」ジャラッジャラッ

さやか「何やってるんですか!危ないから離れないでくださいよ!」

貴金属「そんなこと言ったってよ……」

マミ「行くわよ!」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:18:51.33 ID:AqLHxjd90
魔女「キーンプラーチナー」

マミ「この結界から出ないでくださいね」

貴金属「はぁ…はぁ…くそ、流石若い奴らは違うな。歳のせいか体が重くて仕方ない」ジャラジャラ

さやか「いやいや、明らかにその首からぶら下げてる物のせいでしょ!」

マミ「はぁ!!」

ババンバンババン

貴金属「何だよ当ってねえじゃねえか……」ジャラン

まどか「マミさん危ない!」

貴金属「仕方ない、本来勝手に使っちゃいかんのだが命には代えられん!」スッ ジャラッ

さやか「拳銃!?」

マミ「心配しなくても…!」

シュルシュル ギュッ

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ボシューン ドギャーーン

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:22:57.28 ID:AqLHxjd90
シュアアーン

まどか「あ、結界が」

マミ「これで分かってもらえましたか?どれだけ危険なことか……」

貴金属「あ、ちょっと待って…拳銃にネックレスが引っ掛かって元に戻らん……」グッグッ

マミ「……」

マミ「そうそう、これがグリーフシードよ」

さやか「グリーフシード?」

貴金属「おっ、何だその真っ黒い宝石は?」ジャラッ

マミ「これがあればソウルジェムを綺麗に保てるの」シュゥゥゥ

貴金属「ソウルジェム?それは一体どんな貴金属なんだ…?」ジャラン

マミ「いや、貴金属っていうか魔力の源っていうか……」

貴金属「ほほぅ、綺麗だな……これは興味深い」ジャラジャラ ジロジロ

マミ「……あの、あげられませんよ?」

貴金属「ば、馬鹿言うな!別にそんなつもりはねえよ!」ジャラジャラッ

さやか「嘘くせー……」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:25:38.66 ID:AqLHxjd90
マミ「グリーフシードはあと一回くらい使えるわよ、暁美さん」ヒュッ

ほむら「……」パシッ

まどか「ほむらちゃん!」

さやか「転校生いつの間に!?」

貴金属「なんだよなんだよ、宝石は大事に扱え!貴重なものなんだからな」ジャラン

ほむら「……これはあなたのものよ。あなただけのものにすればいい」ヒュッ

貴金属「おい話聞いてんのか!?」ジャラッ

マミ「……」パシッ

マミ「そう、そういうつもりなのね」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:28:37.38 ID:AqLHxjd90
貴金属「おい、その宝石不要のか?」ジャラン

マミ「いや、いらないわけじゃないんですけど……」

貴金属「不必要になった貴金属はな、ジュエルカフェに売るといいらしいぞ」ジャラジャラ

まどか「ジュエルカフェ…?」

貴金属「金プラチナ、ダイヤも高く買い取ってくれるらしいからな」ジャラジャラッ

さやか「へぇー、それは凄いですね」

マミ「あの、これ必要ですから!まだ使い道ありますから!」

QB「そうだよ、使えなくなったグリーフシードは危険なんだよ」

マミ「あらQB、いたのね」

貴金属「?なんだ、まだ誰かいるのか?」ジャラ

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:32:07.68 ID:AqLHxjd90
QB「勝手に売り物にしないでくれるかな」

貴金属「うわぁ!なんだこいつ!?」ジャラジャラッ

ブチッ

ジャラジャラジャラジャラーー

貴金属「あぁしまった!ネックレスが千切れた!!」ジャラジャラ

貴金属「おい、お前ら手伝ってくれ!」

まどか「え、は、はい!」ヨセヨセ

さやか「もう、なんなのこの人」アツメアツメ

マミ「仕方ないわね」ジャラジャラ

ほむら「……もういいかしら?」

貴金属「お前も手伝ってくれよ!そっちにも転がってるだろ」ジャラン

ほむら(何なのこの男……)

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:36:28.26 ID:AqLHxjd90
10分後

ほむら「ほら、これでいいでしょ」スッ

貴金属「ひぃふぅみぃ……いや、あと一個足りんな」ジャラジャラ

さやか「まだ探すんですか!?」

まどか「もう暗くなってきてるんですけど……」

貴金属「仕方ない、買い取りの値段は下がってしまうがこれ以上子供達をここに留めておくわけにもいかんな」ジャラン

マミ「なら、これで解散と――あっ!」

貴金属「ん?」ジャラ

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:40:07.85 ID:AqLHxjd90
OL「えぐぅ…ひっく……なんで私こんなとこにいるのぉ……」グスグス

マミ「すっかり忘れてたわ」

貴金属「そういやそうだった……よし、後のことは俺に任せてお前らはもう帰れ」ジャラジャラ

貴金属「もうこんな危ない真似するんじゃねえぞ?」ジャラッ

マミ「は、はい、気をつけます」

マミ(大人しく帰るためにもここは頷いておきましょうか……もう会うこともないでしょうし)

貴金属「さあもう大丈夫。俺に掴まって」スッ ジャラジャラ

OL「うぐぅ……あ、ありがとうございます」ギュッ

貴金属「さあしっかり掴まって」ギュゥ ジャラン

OL「痛たたた!あの、指輪とかいろいろ痛いんですけど!?」

貴金属「我慢しろ!」ジャラッ

OL「ふぇぇ……」

テクテク

マミ「……一件落着、かしら?」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:45:34.83 ID:AqLHxjd90
後日

貴金属「やれやれ、女性の失踪事件がまさか魔女とかいう化け物の仕業でした、なんて報告できるわけないよなぁ……」ジャラ

貴金属「ま、それはいいとして。この間助けたOLさんが入院してるから見舞いに行ってやらなきゃな」ジャラジャラ

貴金属「ん?あいつらは……」ジャラッ

まどか「こっちですマミさん!」

マミ「オッケー!急ぎましょう!」

貴金属「おいお前ら!」ジャラジャラン

マミ「うっ、この音は……」

貴金属「また何か危ないこと企んでるのか?」ジャラッ

まどか「やっぱり貴金属さんだ……」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:51:29.25 ID:AqLHxjd90
貴金属「最近おかしな事件はないが…まさかまた魔女だとか言うんじゃないだろうな?」

マミ「……残念ですけどその通りです」

貴金属「危険なことは大人に任せておけばいいんだ。その、魔法少女ってのは大人じゃなれねえのか?」ジャラッ

マミ「さ、さあ…QBに聞いてみないことには……」

貴金属「こないだの目が宝石みたいに綺麗なやつか。そいつはどこにいる?」ジャラッ

まどか「この中にさやかちゃんと一緒に」

貴金属「ったく…仕方ない。今回だけだぞ!今回もまたついていってやるからな!それで終わりにしろよ!」ジャラジャラッ

マミ「は、はぁ……」

マミ(正直一般人を巻き込むのは気が進まないのに)

貴金属「行くぞっ!」ガチッ

貴金属「だぁっ!?くそっ、貴金属製の眼鏡紐が引っ掛かった!?」グッグッ ジャラジャラ

マミ「……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 22:56:53.93 ID:AqLHxjd90
結界内

貴金属「こないだとはうって変わって甘そうな空間だな……これは用心した方がよさそうだ」チャキッ ジャラッ

マミ「急ぎましょう。もうすぐ魔女が孵るかもしれないわ」

貴金属「そういや、まだ名前聞いてなかったな」ジャラン

マミ「巴マミです」

まどか「鹿目まどかです。こないだ一緒にいたもう一人の子が美樹さやかちゃん」

貴金属「そうか…ま、俺のことは気軽に貴金属さんとでも呼んでくれ。身内はみんなそう呼んでる」ジャラッ

まどか(こないだも言ってたけどどんな身内なんだろう……)

ほむら「待ちなさい巴マミ」スッ

まどか「ほむらちゃん?どうしてここが……」

貴金属「お、そういやお前の名前も聞いてなかったな。何て名前なんだ?」ジャラン

ほむら「今日の魔女は私がやるわ。あなたは手を出さないで」

貴金属「……おいおい、無視していいのは、ネックレスがバラバラになり過ぎて買い取ってくれなかったジュエルカフェの店員さんだけだぜ?」

まどか(買い取って貰えなかったんだ……)

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:01:36.74 ID:AqLHxjd90
マミ「信用すると思って?」シュルシュル

ほむら「!?バカ…こんなことしてる場合じゃ…!」

マミ「行きましょう鹿目さん、貴金属さん」

まどか「は、はい……」

貴金属「いいのか?仲間じゃないのか?」ジャラン

マミ「同じ魔法少女でも事情があるんです」

貴金属「そうか……」

スッ ブチッ

貴金属「あぁ!?しまった、またしてもネックレスが千切れてしまっただと!?くそう、だが時間がない……」ジャラッ

貴金属「巴、俺のことはいいから先に行ってやってくれ」ジャラジャラッ

マミ「で、でも一人だと危険です」

貴金属「俺を誰だと思っている?誰が呼んだか貴金属刑事だぞ?早く行け!」ジャラッ

マミ「…分かったわ。行きましょう鹿目さん!」タッタッタ

まどか「はい」タッタッタ

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:06:41.04 ID:AqLHxjd90
ほむら「……なんのつもり?今自分で千切ったわよね?そのネックレス」

貴金属「……さてと、どうやったらほどけるんだコイツは」ジャラジャラ

ほむら「!どういうつもりなの?」

貴金属「なに、こう見えても宝石や貴金属を見る目って奴だけはあるんだがな」ジャラン

貴金属「お前の手にある宝石が泣いてるように見えたんでな…それだけさ」ジャラッ

ほむら「意味が分からないわ」

貴金属「なに、こんな危ない所に子供一人置いとけるかって話だよ」ジャラジャラ

ほむら「……」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:13:01.45 ID:AqLHxjd90
ほむら「無理よ。普通の人にはどうすることもできない」

貴金属「確かに、この紐相当頑丈だな……ちょっと我慢してくれよ」スッ ジャラ

バキュンバキュン

スパッ

貴金属「貴重な玉使ってやったんだ。感謝しろよ」ジャラン

ほむら「……えぇ、感謝するわ。だからもうここから逃げなさい」

貴金属「はぁ?馬鹿言うな、中でまだ子供が戦ってるんだぞ!大人が見過ごしてどうする!」ジャラジャラン

ほむら「そう、なら勝手にしなさい」ヒュン

貴金属「消えただと!?何なんだ一体…まるで気が付いたらなくなっている結婚指輪みたいなやつだな」ジャラッ

貴金属「それにしても綺麗な宝石だったな……」ジャラン

貴金属「おっと、いかんいかん。巴達を追わなければ」タッタッタ

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:15:47.94 ID:AqLHxjd90
最深部

マミ「お待たせ」

さやか「良かったぁ、間に合ったぁ」ホッ

QB「見て、魔女が孵化するよ!」

魔女「……」

バキィッ

マミ「悪いけど、一気に決めさせて貰うわよ!」

ババンバンババン

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ボシュゥーン

魔女「ダイヤーモーウルーノー」ニュッ

マミ「――っ!」

まどか「あ」

さやか「え」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:19:46.45 ID:AqLHxjd90
パクッ

まどか「そんな、首が…!」

ほむら「まだよ!」

さやか「転校生!?」

ガキーーン

マミ「ぐっ、うぐっ…!?」

さやか「首を噛まれてるはずなのにマミさんが生きてる!?」

貴金属「ふぅ…髪一発だったな」ジャラジャラン

さやか「貴金属さん!?なんでここに!?」

貴金属「俺が特別ぶ厚いネックレスを輪投げのように投げた…そしてそれは巴の首にかかり、魔女はその上から噛みついた」ジャラッ

貴金属「だから貴金属がクッションとなり、巴はまだ生きている」ジャラッ

さやか「どんなだよ!!!」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:24:01.22 ID:AqLHxjd90
マミ「よくもこの…はぁっ!!!」

バババババン

魔女「ジュエリーウルナラー」ゴハッ

まどか「やった!魔女が離れた!」

マミ「なんだか首が重いけど助かったみたいね…ここからが反撃よ!!」

ほむら「巴マミ」

マミ「暁美さん……横取りにでも――」

ほむら「私が惹きつけるから、その隙にやつに最大威力でぶち込んでやりなさい」

マミ「!……狙いは何?」

ほむら「来るわよ」

マミ「分かったわ、一時休戦という訳ね!」

ドバババババアーン

まどか「二人ともすごい!」

貴金属「くそう、あの分厚いの高かったんだがな……あんなにへこんでても買い取ってくれるのかな、ジュエルカフェは」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:29:34.42 ID:AqLHxjd90
マミ「そこ!ティロ・フィナーレ!!」

魔女「ジュエルカフェー」

ドギャーーン

さやか「良かった、結界が戻ってく」

QB「本当に危なかったね」

貴金属「あぁ、本当にその通りだな」ガシッ ジャラッ

QB「何かな?」

貴金属「お前、どういう理由でこんな子供に危険なことやらせてるんだ?こういうのは大人の仕事だろうが」ジャラッ

QB「素質とかいろいろと理由はあるんだけど、まあ、一番は絶――」

貴金属「大人はなれねえのか!?」ジャラッ

QB「……前例はないね」

貴金属「そうか、なれるかもしれないんだな」ジャラン

QB「いや、流石に男性はちょっと……」

貴金属「何!?くそう、流石に不必要な金属を簡単に買い取ってくれるジュエルカフェのようにすんなりとはいかないってことか……」ジャラジャラ

ほむら(今ものすごく大事な何かが流された気がするわ)

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:35:57.13 ID:AqLHxjd90
ほむら「グリーフシードはあなたにあげるわ」ヒュッ

貴金属「お前この間の話聞いてなかったのかぁ!?」ジャラッ

マミ「今回は助けて貰ったもの…あなたが使うべきよ」ヒュッ

貴金属「お前らなぁ!!……まあ、それはいいとして」ジャラン

貴金属「とりあえず、どうすれば魔法少女になるのか詳しく教えて貰おうか」ジャラジャラ

QB「別に話すだけなら構わないけど」

マミ「なら、ここで話すのもなんですからうちに来ます?」

貴金属「いや、若い娘さんのお宅に刑事がお邪魔するなど親御さんが大騒ぎするからな。遠慮しておくよ」ジャラジャラ

マミ「心配しなくても、うちは一人暮らしですし」

貴金属「おいおい、その歳でか?」ジャラッ

マミ「色々とありまして……」

貴金属「全く、色々と話したいことが山積みだよ」ジャラ

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:41:09.60 ID:AqLHxjd90
マミの家

QB「――という感じさ」

貴金属「ふむ、願い事の代わりに戦えってか……確かに大人の方が欲望まみれの願いを持っているからな、子供に預けたくなるのも分かる」ジャラン

QB「いやそういうわけじゃないんだけど」

貴金属「それで、ソウルジェムってのをもう一度よく見せてくれないか?」ジャラジャラ

マミ「これがそうです。ついでにこっちがグリーフシード」スッ

貴金属「ほほぅ、相変わらず綺麗な宝石だな……」ジッ ジャラジャラッ

貴金属「……ん?」ジャラッ

まどか「どうかしたんですか?」

貴金属「いや、似てるなと思ってよ」ジャラン

ほむら「!」ピクッ

さやか「この二つがですか?」

貴金属「あぁ、長年貴金属を見てきた俺だ。一目で純金かそうじゃないかを見分けるくらいの目は持ってるつもりだ」ジャラッ

さやか「地味に凄いですけど、それとこれと何の関係があるんですか?」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:46:01.16 ID:AqLHxjd90
まどか「ねえほむらちゃん、私良く分からないんだけど、宝石と貴金属って仲間なの…?」

ほむら「しっ…言っちゃ駄目よ」

貴金属「うーん……どうにも怪しい。QBだったか?このソウルジェムってのは一体何で出来てるんだ?グリーフシードはどうなんだ?」ジャラ

貴金属「これ、同じもので出来てるんじゃないのか…?」ジャラァ

ほむら(なんて男……)

QB「……まさか材質からそこに辿り着く者がいたとはね。人間というのはまだまだ底が知れないね」

マミ「QB、どういうことなの?」

QB「さっきこの男の言った通り、この二つは同じもので出来ているのさ」

ほむら「つまり、ソウルジェムが変化した物がグリーフシードという訳ね」

まマさ「!!!」

貴金属「やはりそうだったか……」ジャラジャラン

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:49:59.36 ID:AqLHxjd90
まどか「どういうこと…?だって、グリーフシードは魔女が落とすものだって」

QB「簡単なことさ。魔法少女はいずれ魔女になるということだよ」

さやか「なっ…!あんた、あたしらを騙してたんだね!!」ガタッ

QB「騙すとは失礼だな。僕はちゃんと魔法少女になってくれってお願いしたじゃないか。実際の正体がどういうものかは省略したけれど」

貴金属「てめえそれは詐欺だぞ!逮捕してやる!」ジャラジャラッ

貴金属「って手が小さすぎて手錠がつけられんじゃないか!」ジャラッ

さやか「落ち着いて貴金属さん!首を狙うんですよ!」

貴金属「な、なるほど!」ジャラッ

QB「おっと、そう簡単には捕まら――」

カチッ

QB「ない……あれ?」

ほむら「まあ、こんなことをしても無意味なのだけれどね」

貴金属「貴様を詐欺の容疑で逮捕する!」ジャラン

ガチャン

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/17(金) 23:56:28.60 ID:AqLHxjd90
QB「僕を捕まえるだなんて意味のないことだよ。どの道人間に姿は見えないからね」

貴金属「貴様!」ジャラ

マミ「どうして…どうして黙ってたの!!」

QB「話していたらキミは契約しなかったのかい?自分の命が危険な状況にあっても?」

マミ「そ、それは――」

QB「僕を攻めるのはお門違いもいい所だよ。契約したのは君だというのにさ」

貴金属「もういい。お前は署に連れていく。その耳についてる貴金属のリングも没収するからな」ジャラッ

QB「勝手にしなよ。そうそう、これ以上聞かれると面倒だから先に言っておくけれど、ソウルジェムはキミの魂なんだよ」

マミ「!?」

まどか「何言ってるのQB…?」

QB「つまりソウルジェムが壊れたら死ぬってことだよ」

貴金属「な、何だってーー!?」ジャラジャラッ

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:02:50.95 ID:EGeM5dG40
QB「その体が傷ついてもソウルジェムが傷つかない限り君達は無敵だよ」

さやか「何それ…じゃあ魔法少女はゾンビみたいなもんだっていうの!?ふざけんな!」

QB「まあ、なんといって貰っても」バチュン

まどか「え…」

シュルシュル

ほむら「しまった!」

ほむら(こんなに給にばれるとは思っていなかったから油断したわ……)

マミ「ソウルジェムが魔女を生むなら…みんな死ぬしかないじゃない」チャキッ

ほむら(まずい、こんなところで死ぬわけには…!)

貴金属「馬鹿野郎!!」ジャラジャラン

パシーン ジャラジャラジャラ

マミ「……だ、だって」

貴金属「魔法少女が魔女になる?それがどうした!お前が今までやってきたことは何だ?人殺しか?」ジャラジャラジャラジャラジャラジャラッ

貴金属「違うだろ!お前はこないだOLを救った!こいつらも助けた!なのに今人を殺そうってのか!?」ジャラジャラジャラジャラジャラッ

マミ(貴金属がうるさくて何を言ってるのか分からないけれど……でも、貴金属さんの言いたいことがなんとなく分かる気がするわ)

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:08:39.79 ID:EGeM5dG40
貴金属「お前は俺たちにできないような危険を冒してまで人を助けてきた!それがどれだけ素晴らしいか分かってないのか!?」ジャラジャラジャラジャラ

さやか(貴金属さん興奮しすぎでうるさいんですけど……)

まどか(でも、貴金属さんの熱い気持ちがなんとなく伝わってくる)

ほむら(何かしらこの気持ち……)

貴金属「お前は一人じゃない…みんながいる。お前がやるのは人殺しじゃない、人を救うことだ。そうだろ!?」ジャラジャラッ

マミ「あっ…う、ううぅぅ……うあぁぁあああああぁぁぁぁ」ガクッ

ほむら「あっ」シュルシュル

ほむら(この男の…貴金属さんのおかげでこの場は何とかなったわね)

貴金属「今はただ泣け。泣いていいんだ」ガバッ ジャラッ

マミ「あうぅ…うぐぅぅ……」グスン

マミ(貴金属さんの胸……冷たい…そして痛い……)

貴金属「お前はよく頑張った」バシバシ ジャラジャラ

マミ(叩かれてる背中も指輪で痛い……)

マミ「でもありがどうございまずううぅぅぅ」ヒッグ

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:12:19.15 ID:EGeM5dG40
貴金属「落ち着いたか?」ジャラ

マミ「はい…ご心配かけてすみません」

まどか「そういえば、QB死んじゃったね」

さやか「これでもう騙される奴もいなくなるのかな?」

ほむら「そうとは限らないわ。奴は必ずまた現れる」

まどか「ほむらちゃんは…何か知ってるの?」

さやか「ずっと落ち着いてたもんね。ひょっとして知ってたんじゃないの?」

ほむら「……美樹さやか、あなたって鋭いわ」

さやか「やっぱり……」

貴金属「そういえばお前、結局名前聞いてなかったな」

ほむら「暁美ほむらよ」

貴金属「そうか。暁美のソウルジェムも見せて貰っていいか?」

ほむら「…?構わないけれど」ヘンシンカイジョー

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:17:46.55 ID:EGeM5dG40
貴金属「ふむ、なるほど……お前はいつやつと契約とやらをしたんだ?」ジャラッ

ほむら「言う必要はないわ」

貴金属「そうか……随分と年季の入っている貴金属だからな、契約したのは随分前なんじゃないのか?」ジャラン

ほむら「!」

貴金属「その反応…暁美にも何か事情があるようだな」ジャラッ

ほむら「……」

貴金属「いや、今は言わなくていい。俺は刑事だが、これは事情聴取でも何でもないからな」スクッ ジャラッ

貴金属「ただな、お前の周りにいる奴らくらいには信じて話してやってもいいんじゃないか?」ジャラン

ほむら「……」

貴金属「ま、若い娘達の中にいるのはどうも苦手だからな。おじさんは帰るとしよう……じゃあ、お邪魔しました」ジャラッ ブチィッ

貴金属「あぁっ!?腰につけていたチェーンがドアノブに引っかかって…!?」ジャラジャラジャラァ

さやか(しまらない人だなぁ)

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:23:38.11 ID:EGeM5dG40
バタン

さやか「結局壊れたチェーン拾うのにまた20分ぐらいかかっちゃったし」

まどか「ねえほむらちゃん…その、貴金属さんが言ってたこと、どういう意味なのかな?」

ほむら「っ……」

さやか「こうなった以上、あたしも是非聞きたいんだけどな」

ほむら「それは」

マミ「暁美さん……辛いことがあったのね?良かったら聞かせて貰えないかしら。私なら、私たちなら大丈夫だから」

ほむら「……私は――」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:23:58.63 ID:EGeM5dG40
貴金属「やれやれ、遅くなってしまった…ようやくお見舞いに来れた」ジャラジャラ

ドンッ

包帯の男「気をつけろよ」

貴金属「あぁ、すいませ――あっ!お前!!」ジャラッ

包帯の男「げっ!?この間の刑事!?」ダッ

貴金属「今日こそ逃がさんぞ!待てぃ!!」ジャラジャラジャラ

タッタッタ

貴金属「くそう、貴金属が!貴金属がぁ!!」ジャラジャラジャラジャラジャラジャラジャラ

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:29:06.20 ID:EGeM5dG40
数日後

貴金属「ここか、密売に使われているという噂の工場は」ジャラッ

貴金属「どうやら既に何人か人が集まっているらしいが……ん?」ジャラ


まどか「やめてよ仁美ちゃん!こんなことしたらみんな死んじゃうよ!」

仁美「うふふ、みんなでジュエルを売りにいきましょ~」


貴金属「また鹿目がいるな……ということは、こいつら魔女にやられたのか?」ジャラ

貴金属「これは密売どころじゃないがどうしたものか…もう少し様子を」ググー ジャラッ

ブチィッ ジャラジャラジャラァ

工場長「誰だお前はぁ?」ユラァ

まどか「あ、貴金属さん!?」

貴金属「くっ、ばれてしまったか!」ジャラジャラッ

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:32:13.46 ID:EGeM5dG40
仁美「捕まえろですわ~」

まどか「ひっ、逃げなきゃ…!」

貴金属「鹿目、こっちだ!早く入れ!」ジャラジャラ

まどか「は、はい!」

バタン

貴金属「ここなら入って来れんだろう」ジャラ

まどか「はぁ…はぁ……あれ、ここって」

魔女「キーンモーダイヤモー」

使い魔「ウマレカワーレルー」

まどか「嘘、魔女の結界…!?」

貴金属「何ィ!?拳銃がありはするが――」ガシッ 

使い魔「モグラモー」

貴金属「な、何をする!離せ!」ジャラジャラッ

使い魔「オケラモー」

まどか「貴金属さん!」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:36:45.47 ID:EGeM5dG40
店員『いつも貴金属お似合いですね』

貴金属『!』ポッ ジャラッ

貴金属『この男を見ませんでしたか?』ジャラッ

店員『私、ここで金プラチナダイヤの買い取りをしていたので見ていません』

貴金属『これを買い取ってくれませんか?』ジャラッ

店員『残念ながら貴金属が一部足りませんので無理です』

貴金属『そ、そうですか』ガーン ジャラン


貴金属「ぐっ、や、やめろ…!彼女のことはもう諦めたんだ…!」

まどか「貴金属さん!」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:39:39.95 ID:EGeM5dG40
ザシュズバァズガガガ

貴金属「うわっ」ドテッ ジャラァ

貴金属「あだぁぁ~~!!!貴金属の上から落ちたから二倍痛い!!!!」ジタバタ ジャラジャラ

貴金属「ぐぁぁぁ~~!!!転げまわったらさらに痛い!!!!」ジタバタ ジャラジャラ

まどか(なら外せばいいのに……)

まどか「それより誰なの!?」

杏子「ったく、今片付けてやるよ!!」

ズバアアーーン

杏子「いっちょあがり、グリーフシードゲット」パシッ

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:43:54.89 ID:EGeM5dG40
マミ「佐倉さん、先走りすぎよ」スタッ

ほむら「心配しなくてもグリーフシードはまだ余裕があるのよ」

杏子「いいだろ別に。子のおっさんも危なかったんだしさ」

まどか「マミさん、ほむらちゃん!それと……」

杏子「佐倉杏子だ。昔マミと色々あってね…手を貸してほしいっていうからさ」

まどか「そっか…ワルプルギスの夜のこと聞いたんだね」

杏子「まあな。ついでに魔法少女のこともいろいろ聞いたし、頭ん中ごちゃごちゃしてるけどさ」

杏子「とりあえず目の前の障害を片付けてから考えようと思ってね」

まどか「ありがとう杏子ちゃん!」

貴金属「フー…フー…ようやく痛みが引いてきた……」ジャラン

杏子「で、このおっさん誰?やたらジャラジャラしてるんだけど」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:48:44.41 ID:EGeM5dG40
貴金属「あ、あぁ…キミは佐倉っていったかな?私は貴金属刑事。身内は貴金属さんって呼んでるよ」ジャラ

杏子「貴金属さんって……それより、刑事だと?」ビクッ

貴金属「まあね。お、キミのソウルジェムもなかなか綺麗だな」ジャラッ

杏子「そりゃあグリーフシードで綺麗に保ってるからな」

貴金属「いや、そういうことじゃなくてね…なんていうか、心が綺麗っていうのかな?そんな気がするよ」ジャラァ

杏子「はぁ!?何言ってんだこのおっさん」ゾワワァ

マミ「落ち着いて佐倉さん。貴金属さんの貴金属を見る目は本物よ」

杏子「イヤこれ貴金属っていえるのか?」

貴金属「細かいことは気にするな」ジャラジャラッ

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:53:51.56 ID:EGeM5dG40
杏子「ふーん……別になんでもいいけどね」

杏子(このおっさんの貴金属うまいことふんだくれねーかな……そうすりゃジュエルカフェに売ってしばらく生活に困らないんだがなあ)

貴金属「さあ、もうこんな時間だし君達は早く帰りなさい!ここは俺達警察に任せるんだ!」ジャラッ

まどか「でも仁美ちゃんが……」

ほむら「まどか、大事にしないためにはここは貴金属さんに任せましょう」

貴金属「そういうことだ。ほら、俺が送ってやるから早く帰れ」ジャラ

杏子「なあおっさん」

貴金属「貴金属さんと呼べ」ジャラジャラ

杏子「あたし家族がいなくて泊まるところがないんだけどさ、今夜おっさん家に泊めてくんねえかな?」

貴金属「お前もか!?なんでこんなに親がいない子供たちが……はぁ……俺達が不甲斐ないばっかりに」ジャラッ

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 00:59:58.37 ID:EGeM5dG40
マミ「佐倉さん、あなたは今日はうちにいらっしゃい」

杏子「いやいや待ってくれよマミ。あたしらは昔の関係じゃないんだぞ?一日くらい猶予を置いた方がいいと思う」

マミ「佐倉さん……」

杏子(おっさんから貴金属頂くなら早い方がいいしな)

貴金属「……よし分かった」ジャラ

杏子「おっさん!」

貴金属「間を取って暁美の家に泊まりなさい」

杏ほ「えっ?」

貴金属「お前のご両親は?」ジャラン

ほむら「私は今一人暮らしよ。両親は別の場所にいるわ」

貴金属「見滝原の子ども事情はどうなっているんだ……じゃあ鹿目、お前のうちはどうだ?」ジャラジャラ

まどか「えっと、タッくんが…あ、三歳の弟がいるんですけどそれでも良かったら」

貴金属「うーん、ちょっと幼いな……仕方ない、美樹の家にするか」ジャラジャラ

杏子「誰だよそいつ!!」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:04:09.10 ID:EGeM5dG40
杏子「いいじゃんかおっさんの家に泊めてくれりゃあ!」

貴金属「俺も一人暮らしだからな。若い娘を泊められるわけないだろう!」ジャラッ

杏子「え、おっさんまだ独身かよ……うわぁ」

貴金属「ぐっ……たまに若い子の視線が貴金属のように冷たいことがあるんだよなあ……」ジャラァ

貴金属「とにかく、ここは今から呼ぶ警察に任せるとして、今から送っていくからお前ら車に乗れ!」

杏子「マジかよ……美樹って誰だよ……」


密売人1「おい、なんだこれは!?」

密売人2「ひ、人がいっぱい倒れてやがる!」

ファンファンファンファン

密売人1・2「なん…だと…?」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:08:38.20 ID:EGeM5dG40
さやかの家

さやか「……あ、ども、初めまして美樹さやかです」ペコリ

杏子「あ、あぁ、佐倉杏子だ」ペコリ

さやか「して貴金属さん、これは一体…?」

貴金属「もろもろの事情で泊めてやってくれんか?」ジャラ

さやか「今から!?貴金属さん同僚の女の人とかいないんですか!?」

貴金属「じゃ、任せた」ジャラジャラ

ブオオオオオオオオン

さやか「なんてこった……いきなりなんてこった」

杏子(なんてこった……あんまりあいつらと接点の無さそうなおっさんからなら盗っても大丈夫かと思ったが、友達から何か盗ったらやばいなんてもんじゃないな)

さやか「……あ、とりあえずおあがりなさい」

杏子「お邪魔するよ……」

さやか「……」

杏子「……」

さや杏(気まずい……っていうか誰なんだコイツ!)

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:14:24.80 ID:EGeM5dG40
まどかの家

詢子「警察ぅ!?まどか!あんた一体何やったんだ!?」ユサユサ

まどか「違うよママ!これはそのえぇっと……貴金属さん!」

貴金属「大したことではありません。お友達たちと貴金属について語り明かしていたらいつの間にか夜になっていたところを私が発見したまででして」ジャラジャラ

まどか(なんなのその苦しい言い訳!?)

詢子「貴金属か…なら仕方ないな。あれはいいもんだよ、うん」

まどか(ママ!?)

詢子「そうかそうかぁ、まどかも遂に色を知る年頃かぁ」

まどか「う、うん、そうなの!ごめんね遅くなっちゃって!」

貴金属「では、私は最後の子を送っていきますので」ジャラジャラ

詢子「ご苦労様です!」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:19:13.40 ID:EGeM5dG40
ブオオオオオオオオオオオオオン

まどか(なんだかよく分からないけど助かった~)

ガシッ

まどか「……あの、ママ…?」

詢子「まどか、ちょっと話がある」ゴゴゴゴゴゴ

まどか「ひっ…は、はい……」

まどか(怒ってる…怒ってるよぉ……)ガクガク


貴金属「後は暁美だけだな」ジャラジャラ

ほむら「貴金属さん、私達は魔法少女ですよ?その気になれば家に帰るくらい――」

貴金属「少しは大人を頼れ」ジャラッ

貴金属「魔法少女でも何でもない只の大人が言うのもなんだがな、もう少し大人を信じてやってくれないか」ジャラン

ほむら「……そうね。次からはそうするわ」

貴金属「次があるのか?ワルプルギスってのがヤバいんじゃないのか?」ジャラッ

ほむら「!どうしてそれを……」

貴金属「さっき佐倉と鹿目が話してただろう…伊達にのたうちまわってたわけじゃない」ジャラ

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:24:31.77 ID:EGeM5dG40
貴金属「警察にできることはあるか?」ジャラン

ほむら「……その日はスーパーセル…超大型の嵐になるの。せいぜい一般市民の避難を手伝うくらいでしょうね」

貴金属「そうか……まあ、俺なら風に飛ばされたりはしないんだがな」ジャラジャラ

ほむら「見れば分かるわ」

貴金属「拳銃でも無理か?」ジャラッ

ほむら「……無理よ」

ほむら(拳銃どころかミサイルでもおそらくは……)

貴金属「そうか……大変なんだな、魔法少女ってのは」ジャラジャラ

貴金属「俺に出来ることがあればいつでも言ってくれ」ジャラッ

ほむら「……あれば、ね」

貴金属「さあ着いたぞ」ジャラッ

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:29:13.17 ID:EGeM5dG40
後日

貴金属「もうこんな時間か。昼飯にするか?」ジャラッ

後輩「貴金属さん、何か食べたいものあります?」

貴金属「そうだな…久しぶりに――ん?」ジャラ

後輩「どうかしましたか?」

貴金属「あれ、あれを見ろ」ジャラジャラ


杏子「……」キョロキョロ

スッ


後輩「万引き!?貴金属さん、行きましょう!」

貴金属「いや、俺一人で行く」スタスタ ジャラジャラ

後輩「貴金属さん…?」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:32:51.19 ID:EGeM5dG40
杏子(後は立ち去るだけか)

貴金属「……」スタスタ ジャラジャラジャラ

杏子(!まずい、この音はまさか)

貴金属「よう佐倉、しばらくぶりだな」ジャラッ

杏子「あ、あぁ、なんだおっさんかよ…なんかしてんのか?」

貴金属「何、ちょっとカフェで飯でもと思ってたんだがな」ジャラジャラ

杏子「だったらなんでコンビニに」

貴金属「……その指輪」

杏子「これか?これはソウルジェムが変化したものだって言ったっけ?」

貴金属「……前より穢れているな」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:37:58.25 ID:EGeM5dG40
杏子「はぁ?そんなはずはねーよ!これでも機能グリーフシードで綺麗に――」

貴金属「そういうことじゃない。ソウルジェムは魂……お前の心が穢れたと言ったんだ」ジャラン

杏子「……言ってる意味が分かんねーな」

貴金属「俺の貴金属を見る目は誤魔化せない。その貴金属は嘘を吐いている色だ」ジャラジャラッ

杏子「……」

貴金属「出しなさい」

杏子「くっ!」ダッ

貴金属「フッ!」ヒュッ ジャラッ

杏子「のわっ!?」ドシャァ

貴金属「俺が貴金属を輪投げのように投げ、そして踏み出した足に引っ掛けた……だから転んだ」ジャラジャラ

杏子「いつつ……!?中身が潰れてやがる…!」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:42:01.75 ID:EGeM5dG40
コンビニ店員「あの、お客様?これは一体」

貴金属「スマンがこれで頼む」スッ ジャラジャラ

コンビニ店員「えっと、このネックレスは…?」

貴金属「ジュエルカフェで売ればいい値段になるはずだ。それで今回は見逃してくれんか?」ジャラジャラ

コンビニ店員「は、はあ……」

杏子「おっさん……」

貴金属「さあ、行こう」ジャラジャラッ


杏子「……なんで捕まえなかったんだ」

貴金属「俺が金を払って買ったんだ。一体なんで逮捕しなきゃならないんだ?」ジャラン

杏子「うっ……」

貴金属「どれ、俺はこのアンパンを貰うとしよう」ジャラッ

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:48:50.99 ID:EGeM5dG40
貴金属「そうだ、これをやろう」スッ ジャラジャラ

杏子「!これ、おっさんの指輪じゃねーか!」

貴金属「それをジュエルカフェに売ればしばらくは大丈夫だろうな」ジャラジャラ

杏子「なんで、あたしなんかの為に」

貴金属「なに、佐倉がいなきゃ巴も暁美もワルプルギスとかいうのに勝てないんだろうなと思ってな」ジャラッ

貴金属「それだけだ」ジャラン

杏子「……ワルプルギスを倒したら、あたしを捕まえるか?」

貴金属「それは佐倉次第だな」ジャラッ

貴金属「さてと、俺はラーメンでも食いに行くとするか。後輩も待たせてるしな」スクッ ジャラジャラ

貴金属「じゃあな。頼むから俺に手錠をかけさせるなよな」スタスタ ジャラジャラ

杏子「……貴金属さん、か」

ブチッ

貴金属「あぁっ!フェンスにネックレスが引っ掛かって!?」ジャラジャラジャラジャラ

杏子「フッ、変なやつだな」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 01:55:46.64 ID:EGeM5dG40
数日後

貴金属「え、拳銃やらなんやらが突然消えた!?」ジャラッ

上司「あぁ、管理は完璧だったはずなんだがな」

貴金属「……ちなみに貴金――」

上司「そんなものは盗まれてない」

貴金属「そうですか……」ジャラン

上司「最近お前は調子がいいからな。一つやってみてくれ」

貴金属「分かりました」ジャラッ


貴金属「とは言われたが、普通じゃないってことはおそらく魔女か魔法少女が絡んでるな」ジャラジャラン

貴金属「ムッ!貴金属の…いや、ソウルジェムの気配を感じる!あっちか!!」タッタッタ ジャラジャラジャラジャラ

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:02:57.55 ID:EGeM5dG40
ズガガガガガガ

貴金属「あれは暁美か」ジャラ

ほむら「終わりよ」ヒュッ

魔女「キットワタシモー」

ドガーーン

貴金属「手榴弾!?何処からそんなものを」ジャラジャラッ

ほむら「!この音はまさか……」

貴金属「よう暁美。こんな危険なこと、止めろと言っても止めてくれないんだろうな」ジャラジャラ

ほむら「それは勿論。止めたら穢れが溜まって魔女になるもの」

貴金属「さっきの手榴弾、その前に使ってたマシンガンもだが、何処で手に入れたんだ?」ジャラン

ほむら「!……あなたには関係ない」

貴金属「実は最近とある場所から大量の武器が消えたらしいんだ。これは極秘なんだがな」ジャラン

ほむら「言いたいことははっきり言ったらどうかしら」

貴金属「そうだな、貴金属のように滑らかに言わせてもらう」ジャラジャラ

貴金属「暁美が盗んだのか…?」ジャラッ

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:06:55.85 ID:EGeM5dG40
貴金属「違うならそうだと言ってほしい」ジャラ

ほむら「勿論違うわ」

貴金属「……人は身につけている貴金属で嘘は吐けない。暁美のソウルジェムがそれを物語っている」

ほむら「……証拠でもあるのかしら」

貴金属「いや、ない…それに、魔法少女の仕業でしたなんて言っても信じて貰えんからな」ジャラッ

貴金属「だがそれだけの装備があれば十分勝てるんじゃないのか?今の奴みたいに」ジャラン

ほむら「残念ながらワルプルギスは別格よ。核兵器でもない限り倒せないかもしれないわね」

貴金属「そんな危険なやつとお前らは戦うというのか?」ジャラジャラッ

ほむら「それが私のやるべきことだもの」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:13:07.99 ID:EGeM5dG40
貴金属「そいつが過ぎ去るのを待つというのは?」ジャラジャラ

ほむら「街は跡形もなくめちゃくちゃになるでしょうね。おそらく避難していても死人が出るほどに」

貴金属「!一体どんな化け物なんだ……俺達は、ただお前らに頼るしかないというのか…!」ジャラッ

ほむら「分かったなら口を出さないで。これ以上はあなたの命が危ないわ」

貴金属「……勝てよ。必ず勝つんだぞ」ジャラッ

ほむら「言われなくてもそのつもりよ。まどかを魔法少女にするわけにはいかないもの」

貴金属「鹿目を?どういう意味だ?」ジャラン

ほむら「……なんでもないわ」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:18:11.25 ID:EGeM5dG40
貴金属「まあ、前も言った通り俺にはどうしようもないからな。話しても仕方ないことかもしれん」ジャラジャラ

貴金属「ただお前は他の二人に比べて随分ワルプルギスに執着しているな」ジャラッ

ほむら「なぜ?」

貴金属「貴金属は嘘を吐かないからだ」ジャラァ

ほむら「……魔法少女は魔女になる、これは言ったわね」

貴金属「あぁ」ジャラ

ほむら「まどかが魔女になれば地球が滅ぶ」

貴金属「鹿目が!?」ジャラジャラジャラ

ほむら「まどかはそれだけの力を秘めている。ワルプルギスを倒すのはまどかなら一瞬でしょうけど、その代わり地球を滅ぼしてしまうの」

貴金属「なんてジレンマだ……貴金属は買うときは高いが売るときはそれより値が下がってしまうのと同じということか」ジャラジャラ

ほむら「違うわ全然違うわ」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:21:44.96 ID:EGeM5dG40
貴金属「なら、やっぱりお前達三人に任せるしかないんだな」ジャラン

ほむら「何度もそう言ってるじゃない」

貴金属「分かった…後は好きにするがいい。使わなかった武器はできれば返してくれるとありがたいんだがな」ジャラジャラン

ほむら「正直残るとは思えないけれど、まあ残っていたらね」

貴金属「よろしく頼むぞ」ジャラジャラ


貴金属「若いっていうのに、なんてものを背負っているんだ……」ジャラン

店員「今日はどの貴金属になさいますか?」ニコッ

貴金属「あ、この懐中時計をください」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:26:24.22 ID:EGeM5dG40
さらに数日後

貴金属「何ィ!?病院で立て籠りだとぉ!?」ジャラジャラジャラ

後輩『貴金属さん、何言ってるか聞こえないです!それより早く来て下さい!』

貴金属「よし、すぐ行く!」ジャラジャラジャラジャラ


貴金属「状況は?」ジャラッ

後輩「犯人は二人。人質をとって立て籠っています。要求は5億円」

貴金属「ふざけやがって!」ジャラ

後輩「それから犯人達は貴金属さんをお金の受け渡しに使ってほしいそうです」

貴金属「何だと!?わざわざ俺を指名してきたってのか?」ジャラン

後輩「はい、何でも分かり易いからだとか何とか……」

さやか「恭介!恭介ぇ!」

貴金属「ん、あれは美樹じゃないか」ジャラジャラ

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:30:39.44 ID:EGeM5dG40
貴金属「おい、美樹!」ジャラジャラジャラ

さやか「この音は貴金属さん!貴金属さん恭介を助けて!」ガバッ

貴金属「落ち着け!恭介って誰だ?どういうことだ?」ジャラン

さやか「恭介はあたしの幼馴染で今はここに入院中なんです……でも、まさかこんなことに巻き込まれるなんて……」グスン

貴金属「大丈夫だ、心配するな」グリグリ ジャラジャラ

さやか「指輪が痛いです貴金属さん」

貴金属「幸か不幸か、向こうさんは俺を金の受け渡しに使うつもりらしい。どうにかその時にお前の幼馴染を助けてやる!」ジャラッ

さやか「き、貴金属さん!」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:34:53.35 ID:EGeM5dG40
犯人1「金はどうしたぁ!?人質がどうなってもいいのかぁ!?」

貴金属「では上司、行って参ります」ジャラッ

上司「頼んだぞ貴金属!」バシッ

上司「痛っ!……お前の方はいつ叩いても痛いな」

貴金属「おーい!金と逃走用の車を用意した!人質を解放するんだ!」ジャラジャラ

犯人2「兄貴、貴金属刑事です」

犯人1「ようし、ノコノコやって来たか」

犯人1「貴金属刑事!そのままお前一人で入ってくるんだ!当然丸腰だぞ!」

貴金属「貴金属も駄目かぁ!?」ジャラッ

犯人1「それは許す!むしろ付けとけ!」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:37:58.95 ID:EGeM5dG40
病院内

貴金属「さて、このまま犯人と連絡を取って人質の解放を――」

ほむら「その必要はないわ」

貴金属「!お前らなぜここに!?」ジャラッ

マミ「大切なお友達が困っているんですもの…黙って見ているわけにはいかないわ」

杏子「おっさんには借りがあるからな。そのついでだ」

貴金属「馬鹿野郎!これが犯人にばれたら人質がただじゃ済まないんだぞ!」ジャラッ

プルルルルルルルルル

貴金属「犯人からだ…お前ら騒ぐなよ!」ジャラッ

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:41:48.26 ID:EGeM5dG40
ピッ

貴金属「私だ、貴金属だ」ジャラッ

犯人1『あぁ、ジャラジャラうるさいが間違いなさそうだな。そのまま金を持って三階に登ってこい』

貴金属「その前に人質の解放だ!」ジャラジャラジャラ

犯人1『うるせーってんだよ!お前のジャラジャラした音が聞こえたら解放してやるよ!』

ピッ

貴金属「くっ…なんて卑怯な奴らだ!」ジャラッ

マミ「手を貸しますよ」

杏子「ぱぱっと黙らせてやろうぜ」

ほむら「私がサポートするわ」

貴金属「いや、必要ない」ジャラン

ほま杏「!?」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:46:13.50 ID:EGeM5dG40
貴金属「これは俺の仕事だ。子供のお前らは黙って見ているんだ」ジャラジャラ

マミ「危険です!ここは私達が――」

貴金属「お前らは危険じゃないのか!?」ジャラジャラジャラジャラン

貴金属「お前ら自分達が特別だとでも思ってるんじゃないのか?どんだけ魔法少女とやらが凄かろうと、お前らはまだ子供だろうが!」ジャラジャラジャラジャラ

貴金属「子供は大人しくしておくんだ!」ジャラッ

ほむら(なんて言ってたのかよく聞こえなかったけれど)

杏子(多分あたしらを叱ってたよな…?)

マミ(貴金属さん……)

貴金属「まあ、黙って見てろ。大人の凄さを見せてやる」ジャラジャラブチィッ

貴金属「あぁっ!階段の手すりに引っかかって腰のチェーンが!?」ジャラジャラジャラジャラァ

ほマ杏(駄目そう……)

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:51:41.09 ID:EGeM5dG40
ジャラ…ジャラ…

犯人2「兄貴、来ましたぜ」

貴金属「私だ。約束通り丸腰で金を持ってきた」ジャラッ

犯人1「ようしいいだろう。ほら人質ども、降りていけ」

ゾロゾロ

犯人2「おい、おめえもだよ」チャキッ

上条「いいんです……どうせ僕は歩けないですし、正直死んでも構わないと思ってますから」

貴金属「何ィ!?」ジャラッ

犯人1「はっ、こいつはおもしろい!おい、そいつをこっちに連れてこい」

上条「ごめんなさい刑事さん、僕のことは気にしなくていいですから早く犯人を捕まえて下さい」

犯人1「ゆっくりバッグを投げるんだ」

上条「刑事さん!」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 02:58:09.89 ID:EGeM5dG40
貴金属「……」ヒョイッ ジャラッ

ドサァ

上条「刑事さん!僕はもう生きてる希望何かない!死んでもいいんですから僕のことは気にしないで――」

貴金属「馬鹿野郎!」ジャラッ

貴金属「お前、本気でそう思ってるのか?」ジャラジャラ

上条「だって、こんな腕じゃあもうバイオリンは……」

貴金属「知ってるか上条?貴金属はな、勝った時は新品でも使うたびにくすんで傷んでぼろくなっていく」ジャラン

貴金属「けどな、ジュエルカフェに持っていくと生まれ変われるんだ」ジャラァ

貴金属「人間と一緒でな、どんなに古くなったって磨き直してやればまた復活するんだ!!」ジャラジャラジャラジャラ

貴金属「その可能性をお前は潰そうっていうのか!?たかだか14の子どもの癖にか!?磨きが足りんぞ!!」ジャラジャラジャラジャラ

上条(どうしよう、後半は何を言ってたのかよく聞こえなかったけど……でも)

上条(熱い気持ちが伝わってくる…!)

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:01:06.41 ID:EGeM5dG40
貴金属「金もプラチナもダイヤも、モグラもおけらもきっとお前も!生まれ変われるんだよ!」ジャラジャラジャラ

上条「け、刑事さん…!」

貴金属「その可能性を捨てるのか!?どうなんだ!?」ジャラァン

上条「ぼ、僕は……まだ諦めたくない」

上条「可能性があるなら、生きていたい!」

貴金属「それでこそおと」

バチュン

上条「……え?」

貴金属「あ……うぐ……!?」ジャラ

犯人1「ゴチャゴチャジャラジャラうるせえよ!おい、さっさとずらかるぞ!」

犯人2「へ、へい!」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:05:45.55 ID:EGeM5dG40
犯人1「おらおらぁへぶぁっ」バキャッ

ほむら「……」

犯人2「あ、兄貴!っとぁっ!?」ドシャァ

マミ「……」シュルシュル

犯人2「な、何だってんだごぺぱぁ」バキャァッ

杏子「……」

上条「あ、あぁぁ……」

ほむら「貴金属さん……貴金属さん!」

杏子「おいしっかりしろ!」ユサユサ

マミ「いや!貴金属さん死なないで!!」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:09:34.06 ID:EGeM5dG40
貴金属「お、お前ら結局来やがったのか」ムクリ ジャラジャラ

ほむら「……え」

杏子「あ、あれ…?」

マミ「え、だって、銃弾を受けたはずじゃ…?」

上条「刑事さん!?無事だったんですか!!」

貴金属「いやぁ、こいつのおかげで助かったよ」スッ ジャラッ

ほむら「それって、懐中時計?」

貴金属「買ったばっかりだったんだけどなぁ……まあ、命には代えられんな」ジャラジャラジャラ

貴金属「アッハッハッハッハ」ジャラジャラジャラジャラ

貴金属「ハッハッハ……あ、あの、どうしたお前ら?」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:14:30.73 ID:EGeM5dG40
ほむら「心配して損したわ」スクッ

杏子「とんだ茶番だったな」スクッ

マミ「今日の夕飯は何がいいかしら」スクッ

ヒュン

貴金属「消えちまった…割と本気で死んだと思ったんだけどな……おっと、早く手錠かけなきゃな」ゴソゴソ ジャラジャラ

上条「なんだったんだ今の人たちは……」

貴金属「おっと、そういやあ美樹と約束してたんだった」ジャラジャラ

上条「え、さやかに?」

貴金属「お前を助け出すってな」ジャラッ

貴金属「お前のことかなり心配してたんだからな。後で礼言っとけよ」ジャラン

上条「……はい」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:19:53.76 ID:EGeM5dG40
さやか「発砲音もしたけど貴金属さん大丈夫かな…?」ソワソワ

まどか「大丈夫だよ、ああ見えてやる時はやる人だよきっと!」

ヒュン

杏子「今日はカレーがいいな」

マミ「それは美樹さんに言いなさいよ」

さやか「おわっはぁ!?びっくりしたぁ!!」

まどか「三人とも、なんでそんなところから!?」

ほむら「心配しなくても無事みたいよ。良かったわね」

ジャラ…ジャラ……

さやか「この音、もしかして!」クルッ

ジャラジャラ…ジャラジャラ…

まどか「もしかして!」クルッ

貴金属「犯人、逮捕いたしました!」ジャラッ

まどさや「貴金属さんだ!!!」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:23:22.53 ID:EGeM5dG40
杏子「まあやったのはあたしらだ――」

マミ「佐倉さんしーっ」

上条「さやか!」

さやか「恭介!無事だったんだね!」

上条「すまない、心配かけたね」

さやか「うぅん、恭介が無事で良かったよ……」グスッ

上条「さやか、僕また初めからやり直そうと思うんだ。一度はくすんだ貴金属を蘇らせるみたいに、また磨き直していこうと思う」

さやか「うんうん、その意気だよ恭介!」

まどか「良かったねさやかちゃん!」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:27:26.72 ID:EGeM5dG40
貴金属「ふー、流石に疲れた……身体がいつも以上に重い」ジャラン

後輩「いつもも重いんですね」

貴金属「ほっとけ」


ほむら(何とか無事に終わったみたいね)

ほむら(考えて見ればワルプルギスが来るのって明後日なのだけれど……)

ほむら(必ず倒してみせる!)

ほむら(そうだわ、帰って盾の中身を整理しないと)

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:31:35.28 ID:EGeM5dG40
翌日、ほむらの家

ほむら「弾薬も爆弾もその他全て完璧ね。後は明日に備えるのみ」

ほむら「あら、まだ盾に何か……」ゴソゴソ

ほむら「?これは一体……」

ほむら「あ」

~~~~~~~~~~

貴金属「お前も手伝ってくれよ!そっちにも転がってるだろ!?」

~~~~~~~~~~

ほむら「あの時のネックレスの一部……」

ほむら「まさか、こんなところに入りこんでいたなんてね」

ほむら「返した方が……いえ、戦いが終わってからにしましょうか」

ほむら「今度こそ、決着をつける!」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:36:31.18 ID:EGeM5dG40
ワルプルギスの夜襲来

~~~~~~~~~~

ワル夜「ジュエルカーフェ~キンプラーチナ~ダイヤーモーウルーノー」

杏子「ぐっ……くそう、もう魔力が……」

マミ「はぁ…はぁ…なんてやつなのかしら……」

ほむら「また、なの…?何度やってもあいつに勝てないの…?」

ほむら「私がやってきたことは結局……」

まどか「ほむらちゃん!みんな!」

ほむら「まどか!?どうしてここに!?」

QB「やあ。正直僕の出番はもう無いと思ってたよ」

マミ「QB!」

杏子「てめえノコノコと現れやがって!」

QB「僕を呼んだのはまどかだよ。言いたいことはまどかに言うんだね」

ほむら「な、何ですって…?」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:38:31.44 ID:EGeM5dG40
マミ「鹿目さん!あなたが魔法少女になってしまったら、地球が滅ぶかもしれないのよ!?」

杏子「てめえ正気か!?」

まどか「大丈夫です。そうならないための願いをちゃんと考えてきましたから」

ほむら「やめて!まどか!」

QB「さあ、君の願いを聞かせてごらんよ」

まどか「私の願いは……」


まどか「魔法少女達のソウルジェムを全部貴金属に変えて!」



132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:42:09.01 ID:EGeM5dG40
QB「その願いは…!そんな願いが叶うとすれば、それは過去の魔法少女達のソウルジェムを貴金属に変えることになる!」

QB「そんなことをすれば歴史の改編なんてレベルじゃないよ!」

まどか「何でもいいから叶えてよ!インキュベーター!」

キュイーーンシュパァァーーン

ほむら「ま、まどかあああぁぁぁぁ!!!!!」


こうして世界は一巡した



133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:45:45.67 ID:EGeM5dG40
ほむら(ん……ここは、病院…?)

ほむら「はっ!?」ガバッ

ほむら「転校する一週間前…?どうして戻っているの…?」

ほむら「ソウルジェムは……」ジッ

まどか「それはもう只の貴金属だよ、ほむらちゃん」

ほむら「ま、まどか!?どうしてここに?」

まどか「うーん、なんていうか、偶然?たまたまほむらちゃんの近くにいたから近くに戻ってきちゃったのかもね」

ほむら「何がどうなってるの?」

QB「それは僕も是非聞きたいね」

ほむら「インキュベーター!」

まどか「いいよ、教えてあげるね」ティヒヒ

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:50:02.83 ID:EGeM5dG40
まどか「私の願いは魔法少女のソウルジェムを貴金属に変えることでしょ?」

QB「つまり、どういうことだい…?」

まどか「ソウルジェムが魂の器じゃなくなれば、もうグリーフシードになることはないよね?魔女もいなくなるよね?」

QB「あー、まー、そうとも言える…かな?」

まどか「だから歴史が変わって魔法少女が魔女になることはなくなった」

ほむら「ギリギリ理解できるわ」

まどか「じゃあどうやって穢れを浄化するのかというとね」

ほむら「えぇ」

まどか「貴金属と同じように、重曹につけたり歯磨き粉で磨いたり専用のシートで拭きとったりするの」

ほむら「……んん?」

QB「ごめん、わけが分からないよ」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:55:15.49 ID:EGeM5dG40
まどか「これでいつでもソウルジェムを綺麗な状態に保てるんだよ」

ほむら「そもそもそういうのって本当に効果あるの?」

まどか「まちまちみたいだけど、多分。不安なら専門店に持っていくしかないけどね」

まどか「あ、ちなみに魂の器じゃないから離れても全然問題ないよ」

QB「ちょっと待って!エネルギーは!?エネルギー問題はどうするのさ!?」

まどか「擦った時の摩擦熱とか浮き出た汚れをそのまま変換すれば大丈夫だよ!」

QB「えぇー……まあ、君の願いが叶ったんならそうなんだろうね。うん、もういいや」ピョイッ

まどか「行っちゃった……」

ほむら「信じられないわね、重曹でグリーフシードいらずだなんて」

まどか「早速試してみる?」

ほむら「えっ?」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 03:58:51.27 ID:EGeM5dG40
ほむら(その後やってみたら本当に出来てしまった)

ほむら(なぜか前の世界のことを覚えているのは私とまどか、そしてQBだけだった)

ほむら(他の人たちはごしごしと歯ブラシでソウルジェムを擦ることに何の疑問も抱いていないようだった)

ほむら(正直少し引いたのはまどかには内緒)

ほむら「でも、これでようやくまどかを救うことができたのね」

ピンポーン

ほむら「誰かしら?」

ガチャッ

貴金属「よう、元気そうだな」

ほむら「あ、き…えっと、どちらさまですか?」

貴金属「なんだよ、貴金属さんって呼んでくれないのか?暁美ほむらさんよ」

ほむら「!あなたどうして…?」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 04:02:08.32 ID:EGeM5dG40
貴金属「俺もよく分からないんだけどな、どうも前の世界のことを覚えてるみたいでさ」ジャラジャラ

ほむら「一体……あ、もしかして」

スッ

ほむら「これのせいで」

貴金属「それはいつぞやのネックレスの一部!?お前が持ってたのか!」ジャラジャラ

ほむら「たまたまよ!たまたま盾に引っかかってたの!」

貴金属「ふーん…で、そいつのおかげだっていうの?」ジャラン

ほむら「あなたもこのネックレスの残り、まだ持っているんでしょう?」

貴金属「あぁ、いつか見つかるんじゃないかと思ってたからな」ジャラジャラ

貴金属「まさかこんな所で見つかるとわな!」ジャラジャラッ

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 04:07:01.69 ID:EGeM5dG40
ほむら「この一部が私に触れていて、残りをあなたが持っていたからいろいろと意識が一緒に戻ってきたってことね」

貴金属「そうだったのか……なんだかよく分からんが、凄いな」ジャラン

ほむら「これ、返すわね」スッ

貴金属「いや逆だ。これをお前にやろう」スッ ジャラジャラ

ほむら「どうして?」

貴金属「こんなボロだが、無事に生還おめでとうってことだよ」ジャラジャラ

ほむら「……ありがとうございます、貴金属さん」

貴金属「ははっ、いらなくなったらジュエルカフェにでも売ってくれて構わないからな?」ジャラン

ほむら「いえ、繋ぎ直して大切に使います…ちょっと趣味は悪いですけどね」

貴金属「一言余計だ!……っと、電話か……あぁ、俺だ…何!?包帯の男が見つかっただと!?分かった、すぐ行く!」ジャラジャラ

貴金属「というわけだ。達者でな!いつでも大人を頼るんだぞ!」

ほむら「えぇ、いつか…ね」

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/02/18(土) 04:08:31.47 ID:EGeM5dG40
金もダイヤも

生まれ変われる

モグラもおけらも

きっと私も――

ジュエリー売るなら

JUWEL CAFE

終わり