P「これがお前達のジャイアント・キリングだ」
雪歩「私の中のジャイアント・キリング」
伊織「馬鹿プロデューサーとジャイアント・キリング」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 17:46:51.95 ID:fygRvkGW0
"資料室"
『プロデューサーの部屋』
『作業中 開けるな』
雪歩「…………」ソワソワ
雪歩「…………」ソワソワ
雪歩「…ここだよね……?」
雪歩「……プロデューサー、本当に資料室に住んでる…小鳥さんの言ってたの、ホントだったんだ…」
雪歩「……うぅ、何て言えばいいんだろう…」
『プロデューサーの部屋』
『作業中 開けるな』
雪歩「…………」ソワソワ
雪歩「…………」ソワソワ
雪歩「…ここだよね……?」
雪歩「……プロデューサー、本当に資料室に住んでる…小鳥さんの言ってたの、ホントだったんだ…」
雪歩「……うぅ、何て言えばいいんだろう…」
引用元: ・千早「ジャイアント・キリングを起こす72の方法…」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 17:50:49.00 ID:fygRvkGW0
雪歩「あの、プロデューサー。最近勝てないのって、もしかして私のせいなんでしょうか?」
雪歩「………違うよ!」ブンブン
雪歩「…ストレートすぎるよ…うんって言われたら立ち直れない…うぅ……」
雪歩「もっと……そう、軽いカンジで!うん……さりげなく聞けばいいんだから…えーと……」
雪歩「こんにちはプロデューサー!私、ユニットのみんなの役に立ってますか?いぇーい!」
雪歩「………これも違うなぁ……」
雪歩「もっと……そう、オブラートに包んで…詩のように華麗に…」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 17:56:13.74 ID:fygRvkGW0
雪歩「まだ花を咲かせない蕾が目の前にあったら、私が持っている水を代わりにかけてあげてくれますか?」
雪歩「……………」
雪歩「………もう、率直に聞くしかない……」
コンコン
雪歩「し、失礼しみゃっ」
律子「雪歩、何してるの?こんなところで」
雪歩「ひぅっ!?」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:01:41.24 ID:fygRvkGW0
律子「…どうしたの」
雪歩「いえ……なんでもないんです、ごめんなさい…」
律子「もしかして、プロデューサーに用事?今は社長室で会議中よ」
雪歩「…あ、そうなんですか……」
律子「私も一緒に参加してるところだから、よかったら話しつけるけど」
雪歩「え?…い、いえ、別にいいんですっ」
雪歩「わ、私はこれで!」ダッ
律子「………?」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:07:50.01 ID:fygRvkGW0
──────
雪歩「…ふぅ……緊張したぁ」
雪歩「……さすがにあんなこと、律子さん達の前で怖くて聞けないよ…どうしよう…」
雪歩「…でも、気になるし………」
雪歩「……………」
雪歩「……よし」
春香「……それで私に相談しにきたんだ?」
雪歩「いきなりごめんね…自主練中だったのに」
春香「ううん、大丈夫。…で、何かあったの?」
雪歩「うん……これまでも私のミス、多かったし…」
雪歩「もしかして、私やっぱり足を引っ張ってるんじゃないかって………」
春香「…………」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:13:41.44 ID:fygRvkGW0
春香「………雪歩。負けたのが全部自分の責任だなんて思ってる?」
雪歩「……!」
春香「雪歩一人のせいでユニットみんなが負けるなんて、そんなことないんだよ?」
雪歩「そ、そうだよね……ごめんね、春香ちゃん……」
雪歩「…でっ、でも!私が下手なのは変わらないし……」
春香「…………」
雪歩「…もっと下手なりに、ユニットのためにできることとかあるんじゃないか、って……」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:18:12.87 ID:fygRvkGW0
春香「………雪歩は、ユニットのために頑張りたいんだ?」
雪歩「え……?」
春香「……私は自分のために頑張ってるよ」
雪歩「……そうなの?」
──────
P『…………ふぅ…涼しー』
ガチャ
ギィ………
春香『プロデューサーさん』
P『おう。来たか』
春香『わざわざ屋上に呼び出して、一体何の話ですか?』
P『うん。大したことじゃない』
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:24:07.23 ID:fygRvkGW0
P『まずは昨日のIU一次予選、突破おめでとう』
春香『えっ……あ、ありがとうございます』
P『みんなよくやってくれたと思うよ』
春香『……そうですか…』
P『…………』
春香『…………』
P『……いやー、やっぱり屋上からの景色はいいね』
春香『………』
P『なんていうかさ……この街の景色だなあってカンジだよね。俺好きだなぁ』
P『きちんと 色 ってもんがある』
春香『…………』
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:29:44.76 ID:fygRvkGW0
P『この事務所も同じだ』
P『765プロの色はさ………』
春香『…いいんですか?そんな余裕かましてて』
P『………』
春香『勝ったとはいえ、厳しい予選だったことに変わりないはずです』
春香『私たちだけじゃありません。全員に対して課題がありありと出ました』
P『…………』
春香『……プロデューサーさんがこんな調子じゃ、次も勝てるとは限りませんよ』
P『…………』
春香『…………』
P『………ほんっと、煮えきらねえのな。どこまで半端なんだよ』
春香『……!』
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:36:13.56 ID:fygRvkGW0
P『お前みたいなリーダーなんて要らねえ』
P『まだわかんねーのか』
春香『……!!』
春香『…プロデューサーさんに何がっ!!』
P『ま』
春香『………!』
P『それでもお前は765プロを引っ張らなきゃなんねえ』
春香『…………』
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:43:18.22 ID:fygRvkGW0
P『あいつらが、オーディションに勝ったことをいの一番に報告しに来たのは誰に対してだ?』
春香『…………』
P『あの時のチームメイトの顔』
P『…それにファンの声援』
P『お前を今まで見てきた連中の答えが、それに詰まってる』
P『この事務所の色………』
春香『…………』
P『そいつはお前だ。天海』
春香『!!』
P『前だけ向いてろ』
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:48:19.88 ID:fygRvkGW0
P『条件は』
P『ステージの上じゃ絶対服従』
春香『…………』
P『俺の考えを完全に理解し』
P『メンバーに徹底させろ』
P『気づいたことはすべて報告』
P『仲間の目なんか気にするな』
春香『…………』
P『その上でアイドルとして足掻き続けろ』
P『ぬかったら容赦しねえ』
春香『…………』
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 18:53:48.46 ID:fygRvkGW0
P『あとね』
P『他のプロデューサーを探したけりゃ、俺が解任されてからにするように』
春香『…………』
春香『………ふふっ』
春香『プロデューサーさんのこと、まだまだ信用できそうにありません』
P『…はっ』
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:00:44.38 ID:fygRvkGW0
──────
春香「……改めてユニットのリーダーとしてやってるけどさ」
春香「自分がステージで何ができるか……いつも模索してる」
春香「毎回、必死だよ」
雪歩「…………」
春香「だから、私から言えることなんて何もない。ごめんね」
雪歩「…………」
春香「…………」
雪歩「……ううん。ごめんね、変な事聞いて。じゃぁ……」
春香「IUの舞台ってさ」
雪歩「!」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:06:50.02 ID:fygRvkGW0
春香「やっぱり他のステージとは緊張感が段違いだし……」
春香「IUにつながるオーディションも、同じようにプレッシャーはすごい」
春香「……おっかながりの雪歩が慣れるのにも時間がかかると思うよ」
雪歩「…………」
春香「…偉そうなこと言ってるけど、私だって全然平気じゃいられないもん」
雪歩「春香ちゃんも……?」
春香「当たり前だよ」
春香「だからさ、失敗も含めて今のうちに経験値上げとかなきゃね。お互い」
雪歩「…………」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:13:30.78 ID:fygRvkGW0
春香「そしたらさ……新しく見えてくることもあるかもしれないよ」
春香「私もよくわかんないけど」
雪歩「…………!」
春香「…………それだけ」
雪歩「……うん。ありがとう。春香ちゃん!」ダッ
春香「あっ…雪歩?」
春香「…………あれでよかったのかな」
雪歩「(あの春香ちゃんだって必死なんだ……)」
雪歩「(私も…もっと頑張らなきゃ!)」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:20:50.92 ID:fygRvkGW0
──────
高木「では、以上だ。お疲れ諸君」
高木「私は少し出かけてくるから、あとはよろしく頼むよ」
小鳥「はい。お疲れ様でした」
律子「お疲れ様でした」
バタン
律子「……プロデューサー。今度のオーディションの件、進んでます?」
P「うん。今色々と調べてるとこ」
小鳥「…頑張って勝ってくださいね。春香ちゃんたちのために」
P「分かってるよ。…ジュピター」
P「リーダーのあま…けせふゆうま?」
律子「天ヶ瀬冬馬、です」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:27:18.50 ID:fygRvkGW0
P「ごめんごめん、んで御手洗翔太……それに伊集院北斗の3人組ユニット」
律子「…プロデューサーがここに来る少し前に961プロからデビューしました」
律子「メディアへの露出、CDの売り上げ等すべて相当の勢いがあります」
P「……ふーん」
律子「やはり961プロの財力を生かした強力なバックアップとプロモ活動によるところが大きいかと思いますが……」
律子「実力も侮れません。この間フェアリーの3人が行っていた遠征のことですが」
P「うん?」
律子「彼女たちが参加していた音楽フェスに、ジュピターもいたんですよ」
P「……それで?」
律子「まあ、勝負をつける場ではないのでなんともいえませんが……3人とも『力の差を感じた』と」
P「…同じアイドルとしても、強力な敵ってわけか」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:35:51.01 ID:fygRvkGW0
小鳥「……追い詰めるようで申し訳ないんですが、IUにはランクアップリミットというのがありまして」
小鳥「次回の予選までに一定数のファンを集めることができないと、その時点で失格」
小鳥「………不戦敗になります」
P「そうだね」
律子「それを避けるためには、何とかジュピターを下してオーディションに勝たないといけませんよ」
律子「どうするんです?」
P「……どうするもこうするも」
P「そりゃ、勝つしかないでしょ」
律子「……それはそうですが」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:40:49.56 ID:fygRvkGW0
P「まだ時間はある。今度のオーディションに向けての対策も頭ん中でちゃんと考えてる」
P「ちょうどいい、天海達をここに集めてくれ。まずはミーティングだ」
──────
『デビューから数ヶ月にして、人気絶頂のスーパーアイドルユニット!』
『そのジュピターは今年度のIUに参加しているとのことですが、ぜひ意気込みを!黒井社長』
『わが961プロが誇る3人組が王者の座に立つ瞬間を、皆様楽しみにしておいてくださいね』
ブチッ
P「……今の見た?随分自信満々な発言だこと」
律子「あなたに言われちゃ世話もないですよ」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:48:54.84 ID:fygRvkGW0
P「…というわけで。今度ジュピターがお前たちと同じーディションに出ることになった」
春香「うわぁ……そうだったんですか……」
雪歩「つ、強い相手が一緒に参加するって……まさか961プロだったなんて……うぅ…」
律子「こらこら、いまから怖気づいてどうするの」
響「そ、そうだぞ。なんくるないさ……!」
真「……手強そうだなぁ」
千早「……大変になりそうね」
P「まあまあ落ち着け。ビビリなお前たちでも勝てる策をきちんと用意してやる」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:54:21.00 ID:fygRvkGW0
響「でもプロデューサー、自分たちこないだの予選以来ひとつも勝ててないぞ……」
真「で、でも!最近は惜しい時もあったしさ」
雪歩「わ、私のせい……」
真「そんなことないよ!今度こそ勝てるって!」
春香「…………」
P「いーから聞けーい」
P「確かに今のお前たちにとっちゃ怖い相手かも知れねえ」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 19:58:26.35 ID:fygRvkGW0
P「でもね」
P「だからこそ楽しみなんだ。俺は」
春香「……………」
雪歩「……………」
千早「……………」
P「勝ったらすごいことになるぜ」
P「あんだけ勢いに乗ってる961プロの売れ線ユニットをぶちのめす」
P「考えただけで面白いね。にひひ」
律子「………」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 20:02:06.33 ID:fygRvkGW0
響「…そうだね!やるしかないぞ!うおぉぉっ!」
春香「……うん。頑張ろう」
P「(…単純な性格の奴がいてくれて助かるわ)」
P「んじゃ、作戦はまた伝える」
P「今日のところはとりあえず解散。明日からオーディションに向けたメニューにするからな」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 20:33:02.00 ID:fygRvkGW0
──────
美希「こっち、こっちなの!」
伊織「もう、なんで私まで……」
亜美「まあまあそう言わないでさーいおりん。はるるんたちも頑張ってるんだから」
伊織「味方を偵察して何になるって言うのよ……」
真美「だってー、今度の勝たないと終わりなんだよ?次は真美たちなんだからさ」
亜美「兄ちゃんがどんだけキッツいレッスンしてんのか気になるじゃん?」
やよい「ちょっと楽しいね、これ!えへへ」
貴音「何をしているのです?」
「「「「!!!!!」」」」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 20:40:00.87 ID:fygRvkGW0
美希「あはっ…貴音なの」
あずさ「なんだか楽しそうね~。見学かしら」
伊織「ま、まあそんなところよ」
貴音「…春香たちですが、どうやら961プロとの対戦らしいですね」
真美「あまとうはなかなか面白い奴だよね→」
亜美「イジリがいはあるよね→」
美希「馬鹿にしてちゃダメなの。ああ見えてジュピターは結構強敵なんだよ?」
あずさ「……勝ってほしいわね~…」
伊織「アイツらなら心配要らないでしょ」
貴音「……伊織」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 20:45:43.23 ID:fygRvkGW0
伊織「皆あんなに頑張ってるんですもの。これで勝てなかったら今度こそ承知しないわ」
真美「……いおりーん、それは兄ちゃんに対するエールでもあるのかな?んっふっふ~」
伊織「違うわよ。いい加減に勝たせてくれないと、安心できないってワケ」
亜美「とかいって、この前のゲームにも夢中だったじゃ→ん」
伊織「む、夢中ではないわよ!!」
美希「とにかく、ちょっとレッスン風景を覗き見しちゃおっか」
ギィ……
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 20:51:36.68 ID:fygRvkGW0
律子「1、2、3、4、………はい、ストップ!」
千早「はぁ…はぁ……はぁ…」
雪歩「ゼェ……ゼェ…ゼェ……」
響「……ふぅ……きっついぞー……」
春香「……はぁ…はぁ……」
真「いつにも増して…ハードだね……」
やよい「うわー、しんどそうです………」
亜美「律っちゃんも気合の入れ方がハンパないねー」
美希「すごいの。……でもプロデューサーは、さっきからずっと紙になんか書いてるけど…?」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 20:57:09.80 ID:fygRvkGW0
P「……律子。悪いけどちょっと抜けるわ、あとよろしく」
律子「…えっ!?いや、今レッスン中で……」
P「ちょっと考えが出てきたんだよ。後でもどる」
律子「ちょっ……プロデューサー!?」
美希「ヤバっ、こっちくるの!!」
亜美「えっ!?」
やよい「は、早く離れないと……!」
伊織「や、やよい!押さないで!」
貴音「皆、落ち着くのです……!」
あずさ「あらあら……」
ガチャ
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:03:36.42 ID:fygRvkGW0
美希「うわぁっ!?」ドタッ
真美「ぎゃー!」バターン
伊織「……いったた……」
やよい「…伊織ちゃん、ごめんね……」
P「…………」
亜美「………やほ、兄ちゃん…」
美希「あはっ、こんにちは、なの……」
「「「「…………」」」」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:09:25.93 ID:fygRvkGW0
──────
律子「…はい、今日はこの辺にしておきましょう。お疲れさま」
真「あひぃー、律子厳しすぎだよ……」
律子「私じゃないわ。これはプロデューサーが考えたメニューだもの」
春香「ホントに……?」
律子「ええ?何も考えてないようで、実はかなりしっかりやってくれてるみたいよ?」
律子「…………結局あれから戻ってこないけど」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:16:28.01 ID:fygRvkGW0
雪歩「」
千早「…萩原さん。萩原さん。大丈夫?」
雪歩「…………み、みず………」
千早「………クスッ」
千早「……ごほん。萩原さん、立てる。今日は特にハードだったものね」
雪歩「………ごめんね…わたし、スタミナなくて……」
千早「そんなことないわ」
響「千早もさ、意外って言ったらあれだけど、スタミナある方だよね」
千早「……そう?」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:22:37.23 ID:fygRvkGW0
律子「確かに……最近、ボーカル以外のレッスンも頑張ってるみたいだし」
千早「…それ、私が今まで頑張ってなかったみたいな言い方ね」
律子「今まで以上に、ってことよ。でも、私も嬉しいわ」
千早「えっ?」
律子「だって、ようやくアイドルに大事なのは歌だけじゃないって分かってくれたってことだもの」
千早「…………」
真「千早はさ、ダンスもいい線行ってるんだからこれからもっと磨きなよ!」
響「そうだぞ!頑張れば自分くらい上手に踊れるようになるのも時間の問題さー!」
春香「響ちゃん……あはは…」
千早「…………」
千早「そうね」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:28:41.27 ID:fygRvkGW0
律子「………千早?どうかした?」
千早「…いえ、なんでもないわ。私先に上がるから」スタスタ
バタン
律子「…………」
真「…………」
響「…………」
雪歩「」
春香「…………千早ちゃん…?」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:35:19.59 ID:fygRvkGW0
──────
千早「………はぁ…」
千早「今までは歌にしか興味がなかったから、か……」
──その通りよ
千早「………確かに今までの私は、仕事に文句を言うわがままな人間だったかもしれないけど」
千早「………」
──そんなに奇妙かしら
私が歌以外を頑張ろうとするのは──
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:41:12.50 ID:fygRvkGW0
千早「…………」
『歌にしか興味がなくて、ほとんどのプロデューサーが面倒になって投げ出したあんたを』
『あの時新ユニットの候補として使ってくれたからかしら?』
『それで歌以外にも力を入れようと決めたって訳?』
『………やっすいプロ根性だこと』
千早「……ふふっ」
千早「確かに、安いプロ根性なのかも」
千早「………そういえば、前のプロデューサーは」
千早「一人で悩みを抱えるな、って言ってたっけ………」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:47:44.13 ID:fygRvkGW0
──────
美希「そしたら響がこういったの」
美希「『そんなの、沖縄じゃ米軍がしょっちゅうやってるぞ!』ってね」
美希「どう?面白いでしょ?あはっ☆」
P「………星井」
P「頼むからちょっと一人にしてくれねえ?……考え事してんの俺は」
美希「ぶーっ、プロデューサーってちょっと冷たい人なんじゃないかって思うな」
貴音「美希、プロデューサーは春香たちの為の作戦を考えているところなのですよ」
伊織「いいからこっち来ておとなしく座ってなさい」
P「ほら、デコもそう言ってるだろ?」
伊織「ちゃんをつけなさいよっ!!!」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:53:51.55 ID:fygRvkGW0
美希「大体、ミキはミキって呼んでってプロデューサーにちゃんと頼んだの」
美希「それなのにずっと苗字で呼ぶなんて、ヨソヨソしいってカンジ!」
真美「ミキミキ→次順番だよ」
亜美「早くしてくれないと人生ゲーム進まないよー」
美希「ねー、ミキって呼んで?ほらほら」
P「あー、飛んだ。今俺の頭の中のアイデアが飛んだ」
P「ここじゃダメだ。部屋に戻る」
美希「プロデューサー!」
伊織「待ちなさい」
P「?どうしたの」
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 21:59:08.43 ID:fygRvkGW0
伊織「………これ、差し入れ」
P「……オレンジジュース?」
伊織「また資料室に缶詰でややこしい作戦練るんでしょ?疲れた顔でここに来られると迷惑なのよ」
P「…………」
伊織「それでも飲みながらやれば?」
P「……無果汁って飲んだ気しないんだよなー…」
伊織「あんたにはそれがお似合いよ!はい、もう行っていいわよ!」
P「…まあいいや。サンキュ」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 22:06:12.49 ID:fygRvkGW0
バタン
美希「…もー、つれないの」
亜美「」ニヤニヤ
真美「」ニヤニヤ
伊織「………なによ」
やよい「伊織ちゃん、優しいなーって。えへへ」
伊織「…………」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 22:48:37.01 ID:fygRvkGW0
──────
P「………」
P「…………」
P「………うーん」
P「頭が働かない」
P「……こいつら、なかなかしっかりしたパフォーマンスだもんなぁ……」
P「どこかにないもんかねぇ……スキが…」
P「…………」ゴクゴク
P「……だめだ。頭が疲れてきた」
P「ちょっと外歩くか……」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 22:53:26.67 ID:fygRvkGW0
ガチャ
千早「!」ビクゥ
P「……お?」
千早「………こ、こんばんは。プロデューサー」
P「如月…おまえこんな時間まで何してんの?」
千早「いえ……少し自主レッスンを」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 22:55:24.48 ID:fygRvkGW0
P「…はぁ。お前といいこないだの萩原といい、みんな夜遅くまで残るのが好きなの?」
P「もう帰れよ。本番に疲れ残さないようにな」
千早「プロデューサーこそ、こんな遅くまで……」
P「俺は大人だし、家がここだからいいの」
千早「…そうだったんですか」
P「…………」
千早「あの、プロデューサー」
P「…あ?」
千早「…相談したいことが」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 22:57:18.36 ID:fygRvkGW0
──────
黒井「………私は高木には負けん」
黒井「これまでも。これからもだ」
黒井「そして頂点を手にする………そのためにお前たちはいるのだ」
黒井「準備は出来ているだろうな?」
冬馬「もちろんだぜ」
北斗「いつも通りですよ」
翔太「今日も軽く勝っちゃうからね」
黒井「それでいい。勝利を手に出来ないものは必要ない」
黒井「それが"王者"961プロのあり方なのだ」
黒井「……行ってこい」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:04:20.91 ID:fygRvkGW0
──────
P「………んじゃま」
春香「…………」
響「…………」
真「…………」
雪歩「…………」
千早「…………」
P「ジュピターをブッ倒しにいきますか」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:08:30.44 ID:fygRvkGW0
律子「………勝てるでしょうか」
P「勝たなきゃ先に進めないんだ。悪いこと考えてても始まらない」
P「ステージでやるべきことも、ちゃんと昨日のうちに理解してもらったことだし」
P「今のあいつらなら961プロ相手でも大丈夫だよ」
律子「………信じますよ」
スタスタスタ……
P「……噂をすれば」
律子「!」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:16:36.32 ID:fygRvkGW0
黒井「…………」
P「にひひ、どーも。社長さんが直接オーディションに出向くなんて熱心だねえ」
黒井「………765プロは、今日勝てなければIU失格になるそうだな」
律子「………」
P「知ってたの?そーなんだよね実は。いやー参った」
黒井「………手加減をするつもりはない。貴様らにはここで負けてもらう」
P「…………」
律子「…………」
P「………はっ」
P「………そうこなくっちゃ、こっちもやりがいがない」
P「心配しなくていいよ」
P「ウチら今日勝つし」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:20:36.85 ID:fygRvkGW0
黒井「…………」
P「…………」ニヤリ
黒井「………いいオーディションにしよう」スッ
P「はいはい」スッ
ギュッ
律子「…………」
黒井「では、会場でな」スタスタ
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:26:08.43 ID:fygRvkGW0
──────
雪歩「………961プロのジュピター…」
真「響はこないだおなじフェスに参加したんだよね?」
響「うん。あの3人はレベル高いぞ」
千早「…春香」
春香「ん?どうしたの?」
千早「961プロって、ウチの事務所とは色々あるみたいよ」
春香「…らしいね」
千早「因縁の相手、という奴かしら。私たちには直接関係ないかもしれないけど」
春香「そっか…でも、私そういうのはよく分からないし……」
千早「今朝、美希が言ってたことなの」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:31:14.99 ID:fygRvkGW0
美希『千早さん。インネンの対決って、なんだかカッコイイよね』
千早『どうしたの、いきなり?』
美希『昨日ドラマで見たの。こう……胸が熱くなるって言うか…』
千早『……それは、今日の961プロとのオーディションのことを言ってるのかしら?』
美希『……うん』
千早『わたしは別に、961プロになんの因縁も感じないわ…』
美希『ミキが言いたいのはね』
美希『勝ってね、ってこと』
千早『………』
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:35:36.44 ID:fygRvkGW0
千早「そう。勝とうってことよ」
春香「…………」
春香「……そうだね」
響「…うん!」
真「やってやるよ!」
雪歩「が、頑張りますぅ…!」
千早「……頼りにしてるわよ。リーダー」
春香「………OK」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:38:32.72 ID:fygRvkGW0
春香「死ぬ気でやろうね」
春香「いくよっ!!!!!」
「「「おうっ!!!!!」」」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:43:30.84 ID:fygRvkGW0
──────
流行
①Vo.★★★★★②Da.★★★③Vi.★★
:参加ユニット:
No.1…ジュピター RankD ImageLv.10
No.2…765Angels RankD ILv.8
No.3…まあまあ RankD ILv.6
No.4…タイホク RankD ILv.6
No.5…朝ごはんまだ? RankD ILv.7
No.6…きりとりせん RankE ILv.5
律子「プロデューサー。オーディションの特別ルールはもちろん知ってますよね?」
P「うん」
律子「通常のオーディションと違って、中間審査で1位通過したユニットのみ★をもらえる……」
P「大丈夫。あいつらにもそれに合わせた作戦を伝えてある」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:51:12.41 ID:fygRvkGW0
P「うし」
P「行ってこい」
・第一回審査開始
千早「(まずは一回だけ……)」Vo.appeal +80p
真「(ここからはポイントを固めて……)」Da.appeal +74p
雪歩「(相手の出方を見る……)」Da.appeal +70p
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/15(日) 23:56:50.95 ID:fygRvkGW0
冬馬「(最初から飛ばしてるな、765プロ)」Vo.appeal +85p
翔太「(もう少しのびのびやればいいのにね)」Vi.appeal +84p
北斗「(……そっか、これ負けたらダメなんだもんね。なるほど)」Da.appeal +86p
律子「…はじめは随分穏やかにやるんですね、彼ら」
P「………気をつけろよ?」
P「奴ら牙を剥くときは一瞬だぞ」
響「(さすがだなー、ジュピター)」Da.appeal +77p
春香「(確実にアピールを……)」Vi.appeal +72p
真「(……そろそろかな?)」Da.appeal +74p
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:00:56.96 ID:FugByV/30
北斗「(……さて)」Da.appeal +86p
翔太「(長いこと楽しんでいたいところだけどね)」Vo.appeal +80p
冬馬「(……序盤で勝負を決めろって、おっさんからの指示だからな!!)」
──冬馬 思い出アピール Success!!──
Vo. +210p Da. +120p Vi.122p
律子「来ました!!」
P「はっ!かかってこいってんだ!!」
P「やられんじゃねーぞ!お前ら!!」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:05:54.51 ID:FugByV/30
北斗「(悪いけど、ここで全部決めさせてもらうよ)」Da.appeal +86p
翔太「(えいっ!)」
──翔太 思い出アピール Success!!──
Vo.+120p Da. +121p Vi.204p
冬馬「(この第一回をパーフェクトで締めて、その後の勝負を楽に進める!)」Vo.appeal +85p
律子「ボムを二回使ってきましたね……プロデューサーの言ったとおりに」
P「あいつらはああいうやり方だ。早いうちから攻めて攻めての攻撃的アピールがウリ」
P「とくに今回みたいなルールだと、一回目の審査でさっさと★10個取ってしまったらあとの展開は楽になる」
P「取り合う★は全部で30個。半分の15個取れば1位は確実だからな」
律子「…なるほど」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:12:54.50 ID:FugByV/30
P「過去の映像を見てもその傾向は強かった。個々の能力も高いし、それで十分戦ってこれたみたいだしね」
P「自信に裏打ちされたスタイルってワケ。安定感がある」
律子「……確かに」
P「反対に」
P「そこを崩すことで、こっちに勝機が生まれるんだ」
響「(プロデューサーの言ったとおりだ!)」Da.appeal +77p
真「(このタイミングで仕掛けてきた…バッチリだ!)」Da.appeal +74p
響「(ここでっ……)」Da.appeal +77p
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:19:24.38 ID:FugByV/30
・第一回審査結果
Vo. 1位…ジュピター(480p) 2位…朝ごはんまだ?(400p) 3位…タイホク(344p)
Da. 1位…765Angels(523p) 2位…ジュピター(499p) 3位…まあまあ(400p)
Vi. 1位…ジュピター(410p) 2位…きりとりせん(329p) 3位…タイホク(209p)
総合:現在2位(★×3)
春香「(よし…ここまでは作戦通り)」
雪歩「(この次はああやって、こうやって………)」
千早「(…やってみせる)」
冬馬「(ちっ…Da.だけ取りに来たのか)」
翔太「(どうしよっか)」
北斗「(………)」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:24:20.57 ID:FugByV/30
P「まずは1つのアピールに集中して1位を取りに行くことだけを考えさせてる」
律子「それで流行2位のDa.にたくさんのポイントを割いたってワケですか」
P「とにかく、これで奴らの計画は狂った」
P「すでにボムを2つ消費してるんだ、さっきみたいに大胆には攻められない」
P「あとはもう1つのチャンスがやってくるタイミングを見逃さないことだ」
律子「もう1つのチャンス?」
P「うん。それをしっかり待てば逆転は見えてくる」
P「さあて、どう来る?黒井さんよ」チラッ
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:31:55.84 ID:FugByV/30
黒井「(……なるほど…)」
黒井「分野を絞って★を稼ぎに来るというわけか…」
黒井「……だが、Vi.を落とした以上そのやり方では貴様らに勝ち目はない。哀れだな」
黒井「……このまま見せ付けてやれ。ジュピターの底力を」
黒井「…王者961プロの意地を」
・第二回審査開始
P「ここが勝負どころだ」
律子「そうなんですか?」
P「奴らをおびき出す」
律子「おびき出すって……?」
P「見てなよ」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:36:54.53 ID:FugByV/30
冬馬「(おっさんが指示を出してる?……こうか)」Vo.appeal +85p
翔太「(……珍しいじゃん。クロちゃん直々なんてさ)」Vi.appeal +84p
北斗「(…………)」Da.appeal +86p
春香「(プロデューサーさんの作戦によれば…)」Vo.appeal +74p
響「(ここはDa.とVi.中心に…)」Da.appeal +77p
雪歩「(…………)」Vi.appeal +75p
冬馬「(あとの流れは北斗に任せておくか…)」Vo.appeal +85p
北斗「(……もう少し…)」Da.appeal +86p
翔太「(………)」Vo.appeal +80p
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:42:01.39 ID:FugByV/30
真「(……今来る…?後で来る…?)」Da.appeal +76p
雪歩「(…………いける…)」Vi.appeal +75p
響「(……頼むぞ…!)」Da.appeal +77p
P「いっぺん揺さぶっとくか」
雪歩「(……私が…!)」
P「萩原。行ったれ」
雪歩「(分かりました…!!)」
──雪歩 思い出アピール Success!!──
Vo. +110p Da. +115p Vi. +190p
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:48:41.64 ID:FugByV/30
律子「よし……いいわよ、雪歩」
黒井「…………」
冬馬「(……ここできやがったか!)」Vo.appeal +85p
北斗「(まだだよ。様子を見る)」Da.appeal +86p
翔太「(………)」Vi.appeal +84p
春香「(……いけるか…!?)」Vi.appeal +73p
響「(………)」Da.appeal +77p
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:53:07.40 ID:FugByV/30
・第二回審査結果
Vo. 1位…ジュピター(335p) 2位…朝ごはんまだ?(300p) 3位…タイホク(258p)
Da. 1位…765Angels(345p) 2位…まあまあ(300p) 3位…ジュピター(238p)
Vi. 1位…765Angels(413p) 2位…タイホク(359p) 3位…ジュピター…(168p)
総合:現在2位(★×8)
冬馬「(……ちっ)」
翔太「(なかなか手ごわいなぁ……)」
北斗「(…………)」
黒井「……お前たち、気を抜くんじゃないぞ」
黒井「まだチャンスはある。しっかりと見極めろ」
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 00:58:07.51 ID:FugByV/30
P「ジュピターは様子見をつらぬいたな。少し余裕ができたから、Da.とVi.に絞って★を手に入れられた」
P「見事にプランどおりだね」
律子「…それでもまだ安心はできません。依然彼らが1位であることに変わりはないですよ」
P「大丈夫大丈夫」
律子「…逆転の可能性があるとすれば、残り二つのボムをどこで使うかが鍵ですね」
律子「とはいえ、ジュピターのほうも1つ残してありますし…」
律子「中途半端になれば勝ちきることはできませんよ」
P「いや。どこにアピールするかははじめから決まってある」
律子「?」
P「あいつらの動きをよく見てろよ」
P「そろそろそのときが来るから」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 01:04:12.75 ID:FugByV/30
・第三回審査開始
冬馬「(落ち着け……765プロの★は今8つ)」Vo.appeal +85p
翔太「(つまり僕たち相手に逆転するには、Vo.をとることが必要なんだ)」Da.appeal +82p
北斗「(…つまり、そこを抑えることができれば俺たちは勝てる!)」
──Double appeal!!──Vo. +41p Vi. +42p
律子「…! 少しずつVo.へポイントを偏らせてますよ……?」
P「もうちょいだ。……耐えるんだぞ如月」
千早「(………私が何とか止めて見せる…)」Vo.appeal +80p
雪歩「(千早ちゃん……頑張って……)」Vi.appeal +76p
千早「(……プロデューサー、信じますよ……!)」Vo.appeal +80p
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 01:10:51.43 ID:FugByV/30
──────
P『いいか』
P『こっからが重要だかんな。よく聞けよ』
春香『………』
響『………』
雪歩『………』
真『………』
千早『………』
P『俺の頭ん中じゃ、後半……』
P『ジュピターはVo.に多めのポイントを割くはずだ』
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 01:17:00.57 ID:FugByV/30
響『…どうしてそんなこと分かるんだ?』
P『ここまでのプランどおりだと、二回目の審査が終わった時点で俺たちの★は8つ』
P『勝つにはあと7つの★が必要ってワケ』
春香『そうですね…』
P『そうなるとあちらさんだって気づくだろう。俺たちが勝つには三回目の審査、Vo.で1位をとることが絶対に必要なんだ』
P『だったらそこを押さえに来るはずだよな』
真『…確かに……!』
P『おそらく、ボムが手元に残っているとしたらVo.に使ってくるだろう』
P『……ここだけは絶対に負けちゃダメなんだ。分かるか?如月』
千早『…………』
P『Vo.に特化した才能の出番だ』
P『お前の実力が発揮されるところだぜ』
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 01:25:36.90 ID:FugByV/30
千早『…分かりました。全力で食らいつきます』
P『よし』
P『その上で、がら空きになったDa.とVi.の★もすべていただく』
P『そのために俺たちはここまででボムを2つ残すってワケだ』
雪歩『…………』
P『いいか!オーディションで勝つのはただ強いアピールのできる奴じゃない』
P『常にライバルの動きを察知し、周りの状況を理解して……』
P『戦況を読み、効果的な動きができる奴!』
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 01:31:07.67 ID:FugByV/30
P『それがお前たちだ』
春香『!!』
雪歩『!!』
響『!!』
真『!!』
P『……俺のプランどおりなら』
P『その頃には見えてくるはずだ。相手が何をしようとしているか…』
P『そのスキをつくには、何をすればいいのかがな』
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 01:38:09.67 ID:FugByV/30
──────
P「俺たちは今、ちょうどジュピターの真下の順位にいる」
P「十分逆転も可能なスコアだ」
P「でもって基本的にアピールはDa.とVi.に絞っている」
律子「……そうですね」
P「ただ、ここまでみたいにその二つだけとってればいいってワケでもない」
P「それをね、ジュピターが悟っているってのを逆に利用するんだ」
律子「…………」
律子「………これまでの★の取り方はすべて計画のうちで……」
律子「三回目のジュピターのアピールの仕方を、こちらから操るってことですか……!?」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 01:43:25.72 ID:FugByV/30
P「…そんな超能力みたいなもんじゃない」
P「相手のスキをつく戦法ってのはね……面白いもんでさ」
P「スキのない相手なら、作らせてやればいいって話だよ」
P「奴らがVo.にポイントを割くことになるんなら、その分Da.とVi.が手薄になる」
P「それが奴らのスキになるってわけ」
律子「………」
P「スキがあったら突くしかないでしょ」
律子「(………なんて人なの…)」
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 01:49:18.34 ID:FugByV/30
P「さぁて、そろそろかな」スッ…
律子「!」
律子「(プロデューサーが前に出て………最後の指示を……!)」
P「王者・961プロだって?ハッ。笑わせる」
P「だったらその王者相手に見せつけてやろうじゃん。黒井サンよ」
P「最高のジャイアント・キリングって奴をさ」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 01:55:25.87 ID:FugByV/30
千早「(……こういうことだったのね……)」Vo.appeal +80p
響「(分かる……向こうが次に何をしてくるのか…)」Da.appeal +77p
春香「(………見えるって、こういうことか…)」Vi.appeal +76p
北斗「(何かある…!向こうは確かにVo.への割り振りが急に増えたみたいだけど)」
北斗「(俺たちがそれに釣られてあわせる必要は……!?)」
北斗「(おそらく向こうはこっちの出方を見てる……)」
冬馬「(……ちっ、しぶといな!)」Vo.appeal +85p
翔太「(でも、Vo.ばっかり対応しすぎてもまずいような気がするなぁ…)」
──Double appeal!!── Vo. +40p Da. +42p
北斗「(だけど……両方を警戒しないわけには…!)」Da.appeal +82p
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:01:31.01 ID:FugByV/30
P「次だ」
律子「えっ?」
P「最後の3回のアピールで」
P「一気に畳み掛ける」
黒井「Vo.を抑えていれば確実に勝てるものだと思っていたが…しぶとくついてくるな…」
黒井「(しかし……手っ取り早くポイントを稼ぎたいならVo.にボムを使用しているはず……)」
黒井「……一体どういうことだ……」
黒井「…………」
黒井「……まさか…これは」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:09:18.44 ID:FugByV/30
北斗「(………ここでVo.にボムを使うべきか……!?)」
北斗「(…………!!)」
北斗「(………いや違う……!ここは……!)」
黒井「!」
冬馬「(どう来る…?)」
黒井「冬馬!Da.だ!!」
冬馬「!!」Da.appeal +79p
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:14:55.76 ID:FugByV/30
律子「来ましたよ!」
P「時間だ」
P「今だっ!!!!我那覇ぁっ!!!!」
響「待ってました!!!」
──響 思い出アピール Success!!──
Vo. +121p Da. +190p Vi. +122p
翔太「!!!」Vi.appeal +84p
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:19:14.28 ID:FugByV/30
P「萩原ぁっ!!!」
雪歩「いっ、行きますぅ!!!」
──雪歩 思い出アピール Succes!!──
Vo. +119p Da. +120p Vi. +202p
北斗「(くそっ……!)」
──北斗 思い出アピール Success!!──
Vo. +130p Da. +210p Vi. +132p
千早「(そして私が………!!)」Vo.appeal +80p
黒井「………」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:24:25.81 ID:FugByV/30
律子「よしっ!言うとおりでしたね!!」
律子「手薄になったDa.とVi.に一気に仕掛ければ、両方同時にぶっちぎりのポイントを稼げる!」
P「だね。でもこれもVo.で支えてくれた如月の功績が大きい」
P「さすが事務所一の歌姫さんだ」
千早「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
春香「…千早ちゃん、大丈夫……?」
千早「……えぇ……平気……」
響「…どうだ!?」
真「結果は!?」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:31:18.38 ID:FugByV/30
・第三回審査結果
Vo. 1位…765Angels(560p) 2位…朝ごはんまだ?(450p) 3位…ジュピター(382p)
Da. 1位…ジュピター(413p) 2位…765Angels(387p) 3位…まあまあ(334p)
Vi. 1位…765Angels(376p) 2位…ジュピター(258) 3位…タイホク(212p)
:総合:
1位…765Angels(★×15)
1位…ジュピター(★×15)
3位…×
律子「……Da.が獲られてる……!?」
P「! ……ちっ」
春香「…これって……」
雪歩「……同点1位……?」
真「……ということは…」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:36:15.42 ID:FugByV/30
黒井「…………」
P「……あ」
律子「…………」
黒井「…同時優勝とはな」
P「……やっぱそうなるんだ」
黒井「TV放送も特別に2枠用意してもらう。お前たちも首の皮1枚で生き残ったというわけだ」
P「そっかそっか……は?用意してもらう?」
スッ
P「!」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:41:01.72 ID:FugByV/30
黒井「次にオーディションで会った時……」
黒井「今度こそ貴様らを倒す」
P「…………」
律子「…………」
黒井「覚悟しておくんだな」
P「…はっはっは」
P「望むところだよ」スッ
ギュッ
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:46:26.97 ID:FugByV/30
黒井「せいぜいIUで当たるまでにヘマをしてくれるなよ」
P「そっちこそ、あんまなめてっと足元すくわれるぜ?黒井さん」
黒井「………」
黒井「やってみるがいい」
スタスタスタ……
P「…………」
律子「………」
P「実はさ、俺見てたんだ」
律子「えっ?」
P「最後、普段Vo.担当の天ヶ瀬がとっさにDa.のアピールに切り替えた」
P「あれはあの社長の指示だ」
律子「!」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 02:51:30.98 ID:FugByV/30
P「Vo.のアピールにボムを使うって読みも、外しちゃった」
P「おかげでDa.の★をとられちまったんだな」
律子「それも、黒井社長が………」
P「ただのすかしたおっさんじゃないってことだね」
律子「……そうだったんですか」
P「ま、いいんだ。実際やってみたら向こうの新たなスキも見えたし」
P「ウチのアイドルも、これから伸びてくれそうだしね」
律子「……はい」
P「見てろってんだ」
P「次やるときこそコテンパンにしてやるよ」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 03:27:26.48 ID:FugByV/30
黒井「…………」
『ウチなんかに負けたら、赤っ恥だ』
『今年のIU、俺が面白くしてやるよ』
黒井「(……確かに、765プロを危険視するライバル事務所は少ないだろう)」
黒井「(しかし…今日の戦いぶり)」
黒井「(そこらのプロデューサーがやっているのではない。今年の765プロは侮れんかもしれないな)」
黒井「…しかしこの世界、なめてかかってくれるほど甘くはないぞ」
黒井「……達海猛、か。高木もたまには面白い人間を拾ってくる」
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 03:34:10.04 ID:FugByV/30
──────
春香「………あ」
真「あ」
雪歩「!!」
響「おー」
千早「………」
冬馬「……よう」
北斗「こんにちは」
翔太「お疲れさまー」
冬馬「……まあ、楽しかった」
春香「!」
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 03:40:48.52 ID:FugByV/30
冬馬「だけどな…勝ちきれなかったおかげで今日はおっさんから説教受けそうだぜ」
雪歩「………」
冬馬「次はカンペキに勝ってやる」
冬馬「覚悟してろよ!」スタスタ
真「………」
北斗「…ごめんね。あんなんがリーダーでさ」
響「相変わらずだなー」
翔太「あとできつく言っておくよ」
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 03:45:24.33 ID:FugByV/30
北斗「またね」
翔太「バイバイ」
スタスタ
真「……響、知り合いだったんだね」
響「まあ、何回かフェスで顔合わせた程度だけど」
雪歩「…………」
千早「……帰りましょうか」
春香「…だね」
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 03:49:18.32 ID:FugByV/30
──────
ガチャ
春香「ただいまー!」
小鳥「あっ、春香ちゃん!みんなも!お帰りなさい!」
小鳥「みんなー、帰ってきたわよー!」
美希「おめでとうなのー!」
亜美「すごかったね→!」
真美「まさかジュピターと引き分け優勝しちゃうなんてね!」
亜美「ゆきぴょーん、よかったよ」
雪歩「あ、ありがとう…」
伊織「お疲れさま。悪くなかったわよ」
真「へへっ、ありがとう!」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 03:55:57.51 ID:FugByV/30
律子「私からも改めて、お疲れさま」
律子「みんな本当によくやってくれたと思うわ」
高木「いやぁ、鼻が高いよ。これでわが765プロのアイドルは、他のどの事務所にも負けないすばらしい子たちばかりだと証明できた!」
高木「今の961プロ相手にあれほど善戦できるユニットは、おそらく他にいないだろうからね」
響「あずささーん!見ててくれたか!?」
あずさ「ええ。響ちゃん、頑張ってたわね~」
響「えへへ!まーこれも、プロデューサーの作戦のおかげさー!」
やよい「千早さん、すごかったです!」
千早「…え?」
やよい「だって、思い出とか一つも使わないでVo.のアピール頑張ってましたもんね!」
千早「……そ、そうかしら」
やよい「私じゃ多分まねできません。尊敬します!」
千早「あ、ありがとう…高槻さん」
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:01:03.98 ID:FugByV/30
春香「………ようやく一勝かぁ……」
貴音「数字の上では、ただの勝ち星一つに過ぎないかもしれません」
春香「! 貴音さん」
貴音「ですが、あれだけ勢いのあったジュピターを相手にしてこの結果です」
貴音「皆、自信をつけたはず」
貴音「大きな一勝だと思いますよ。春香」
春香「………分かってますよ、貴音さん」
春香「ここからです」
春香「765プロは、ここから巻き返しますよ」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:08:55.46 ID:FugByV/30
ガチャ
P「うーい。ただいま」
美希「プロデューサー、お帰りなさいなの!」
小鳥「お帰りなさい。さすがですね、プロデューサーさん」
P「ありがと、ピヨちゃん」
高木「黒井に何かされなかったかね?」
P「…いんや、何も」
高木「…そうか、なら……いいんだが」
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:14:54.35 ID:FugByV/30
P「帰ってきて早々悪いけどさ、高校生組はこの後ミーティングあるから。他のやつらはピヨちゃんに任せるよ」
小鳥「は、はい!」
P「んじゃ、社長室借りるぜ。律子もな」
律子「分かってますとも」
春香「じゃ、行って来ますね」
貴音「ええ。また後ほど」
115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:20:43.55 ID:FugByV/30
──────
千早「プロデューサー」
P「……ん?何してる。もうみんな帰ったぞ」
千早「ありがとうございました。この前のこと」
P「………別に」
P『相談事なら、俺より律子にしたほうが…』
千早『いいから聞いてください』
P『………あーわーったよ、話せ』
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:25:38.53 ID:FugByV/30
千早『プロデューサー、私は……歌のためにアイドルをやっています』
P『知ってる』
千早『……はじめは、歌以外何もいらない…私には歌しか残されていない』
千早『ずっとそう考えていました』
千早『選べる立場になんてないくせに、歌以外の仕事は嫌がったり、断ったりもしていました』
P『(そういや律子が問題視してたな)』
千早『ですが、最近になって、少しはその考えも改めるべきなんじゃないかと思い始めたんです』
P『……ふーん』
千早『ユニットの一員になって……自分のわがままばかり通して、和を乱してしまうのは嫌で』
P『………』
千早『最近、ダンスのレッスンには力を入れているつもりです』
千早『ですが、今度は……そんな私をみんなが変な目で見るんです』
P『変な目?』
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:30:18.21 ID:FugByV/30
千早『いえ、決して悪い意味ではないんですけど…歌以外に打ち込む私の姿が、珍しいんじゃないかと』
P『…………』
千早『……それだけです。すみません、よく考えたら相談じゃなくて愚痴でしたね』
P『…………』
千早『…遅くに失礼しました。とりあえず、今のまま頑張ってみます』
P『そっか』
千早『…はい』
千早『また明日…』
P『いいユニットってのは』
千早『……?』
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:37:43.48 ID:FugByV/30
P『誰か一人が活躍すればいいわけじゃない』
P『それぞれが要所要所で持ち味を生かして……』
P『全員が役割を理解した上で、初めてオーディションに勝てる』
千早『…………』
P『歌がお前のすべて?』
P『結構なことじゃねえか』
千早『!!』
P『そうやって、自分の武器を自信持っていえる奴ってのは』
P『必ずどこかで敵を恐怖させることができる』
千早『…………』
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:40:00.90 ID:FugByV/30
P『仲間に心から頼られる場面が生まれ』
P『そこで最大限の持ち味を発揮できる』
P『お前には歌しかないんじゃない』
P『歌がお前のすべてを引っ張るんだよ』
千早『!』
123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:45:13.89 ID:FugByV/30
P『胸を張れ、如月』
P『お前が持ってるもんは、お前が思ってる以上に強いパワーと可能性を秘めてるんだ』
P『もちろん、ダンスを磨くこともいいことだ。アピールの幅が広がる』
P『だけどな』
P『お前のダンスが他の誰より上手になったとしても、自分は歌が全てですといえるようなアイドルになればいい』
P『今お前が持ってるその原動力、意志、思い入れ』
P『歌のためにあるんだって、全部受け入れてからステージに立ってみな』
千早『…………』
P『それが、お前にとってのジャイアント・キリングだよ』
千早『…ジャイアント・キリング………』
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 04:50:33.26 ID:FugByV/30
P『一つだけ言っとくわ』
千早『はい』
P『今度のオーディション…ジュピター対策に、ある程度の作戦は完成してるんだけどな』
P『お前にしかできないでかい仕事を用意した』
千早『!』
P『どうする?引き受けてくれるか?』
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 05:00:06.60 ID:FugByV/30
P「あれを実現できたのはお前だからだよ。胸を張ればいい」
千早「いえ。プロデューサーの言葉があったからこそです」
P「……ならいいけど」
千早「私、これからも頑張ります……歌以外に、アイドルとして必要なこと全て」
P「………おう」
千早「でも、歌のために。ですよね?」
千早「プロデューサー。私を必ず、アイドルの頂点に連れて行ってください」
P「…………」
P「いいぜ。任された」
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/16(月) 05:00:36.40 ID:FugByV/30
──────
P「うーっし。揃ってるか」
P「勝ったからって浮かれてんじゃねーぞ。まだたったの一勝だ」
P「俺たちは弱小なんだ。調子乗ってる暇はないんだからな」
P「んじゃ、今日も厳しくレッスンするから」
P「いいな?」
「「「「はいっ!!!!」」」」
続く
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