1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 12:22:14.09 ID:/rQghf3H0
千「ハ、ハク様?」

ハク「……ハァハァ」

千「?」

ハク「いややっぱりハク君と」

千「ハク君」

ハク「もっと同級生の気さくなクラスメイトっぽく!」

千「ハーク君っ!」

引用元: ハク「私のことはハク様と呼べ」 



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 12:26:50.29 ID:/rQghf3H0
ハク「やっぱりさん付けで呼んでくれる?」

千「ハクさん」

ハク「うーん…」

千「結局どう呼べばいいの?」

ハク「待ってくれ…一回お兄ちゃんと呼んでみてもらってもいいだろうか」

千「………」

千(こいつ…変 だ!)

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 12:31:25.23 ID:/rQghf3H0
千「ハクお兄ちゃん」

ハク「いい響きだ」

ハク「次は普通に呼び捨てで呼んでくれ」

千「ハク」

ハク「甘えた声で!」

千「ハクぅ~」

ハク「爽やかに!」

千「ハクっ」

ハク「ツンデレっぽく」

千「ハクっ!//」

ハク「うっとおしそうに!」

千「…チッ」

ハク「あぁん…」ゾクゾク

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 12:34:49.96 ID:/rQghf3H0
ハク「っと、もうこんな時間か」

ハク「私は行くからな」

千「で結局どう呼べばいいの?」

ハク「ハク様と呼べ」

千「……」

ハク「ではしっかりやるんだぞ」

千「………」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 12:42:29.48 ID:/rQghf3H0
千「ねぇリンさん」

リン「んー?」

千「ハクって普段どんな感じなの?」

リン「あいつ最悪だぜ」

千(やっぱ変 なのかな)

リン「超冷たくて細かくて姑みたいだぜ」

千(えっ…)

千「結構面白い人だと思ったけど」

リン「はぁ!?ないないない!」

リン「面白みのかけらもない奴だよ」

千「えー…まさか別人?ハクっていう人二人いたりして」

リン「あんなの二人もいたらたまんないよ」

千「そうだよねぇ」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 12:46:30.80 ID:/rQghf3H0
千「うーん…?」

リン「来たばっかりでまだ色々慣れてないんだろ」

リン「そのうち周りの奴らの性格とかわかってくるよ」

千「そうだね」

リン「疲れただろ。もう寝ようぜ」

千「うん。おやすみなさい」


リン「グーグー」

千(寝られない…緊張してるのかな)

千(外明るくなってきちゃった)

トントン…

千(誰か来る…)

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 12:51:24.54 ID:/rQghf3H0
ハク「橋のところへおいで」

ハク「いいものがあるんだ」

千「……!」

千(今、ハクいたよね)

千(よし行ってみよう)


千「ハクー」

ハク「千!」

ハク「ハク様と呼べと言っただろ?」

千「あ…うんごめん」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 12:55:44.87 ID:/rQghf3H0
ハク「ちゃんと呼びなおせ」

千「ハク様」

ハク「よし、いい子だ」

ハク「ご褒美にこれをあげよう」

千「…服?」

ハク「千に似合うと思って持ってきたんだ」

千「あのー…これってメイド服?」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:02:22.21 ID:/rQghf3H0
ハク「女の子はそういうフリフリしたの好きだろう」

千「う、うーん…」

ハク「そこの木の陰で着替えて!覗かないから!」

千「え、でも」

ハク「早く!営業時間になっちゃうだろ!」

千「…はい」


千「き、着たよ」

ハク「おぉ…うん。いい」

ハク「可愛いよ千」

千「あのー、ちょっと思ったんだけど」

千「ハク様って変 ?」

ハク「はうっ!」

千「!?」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:06:55.24 ID:/rQghf3H0
ハク「い、今のいい…サラっといった感がさらにいい…」

千「……」

ハク「もう一回だけ…お願い…」

千「ハク様って変 ?」

ハク「ahhhh!」

ハク「様って呼ばれてるのに罵られるのがこんなにいいとはぁぁぁん」

千「あのー…もう帰ってもいい?」

ハク「あ、っちょ、ちょっと待って!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:12:21.73 ID:/rQghf3H0
ハク「これを食べてくれ」

千「おにぎり…?」

ハク「そなたのために作ってきたんだ」

千「ハク……!」

ハク「……」ギロッ

千「…様」

ハク「いい子だ。お食べ」

千「…いただきます」

パクッ

千「…!おいしい」

ハク「元気が出るようまじないをかけて作ってきたんだ」

千「ハク…さま…」ブワワッ

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:18:54.45 ID:/rQghf3H0
千「えっ…えっ…」ポロポロ

ハク「つらかったんだね。さ、お食べ」

千「うん…うん…私…」ポロポロ

千「こっちに来てから…ずっとひとりぼっちで…」ポーロポロポロ

ハク「ずっと張り詰めていたんだね」

ハク「私の前では完全に心を開いていいのだぞ」

千「それは無理…変 だし…」

ハク「はぁんっ」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:22:16.44 ID:/rQghf3H0
千「とにかくありがとう…服も、大切にするね」

ハク「待って、服は返してほしい」

千「え…そうなの?」

ハク「ああ。貸してほしい時はいつでも貸してあげるよ」

千(いや別に借りたくない…)

千「あ、じゃあ洗って返すね」

ハク「いや、脱いだらそのまま返してくれ」

ハク「洗濯は私がやるよ」

千「……」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:26:37.49 ID:/rQghf3H0
ハクの部屋

すーはーすーはー

ハク「はぁ!はぁぁぁ!」

すーはーすーはー

ハク「良いかほりだ!良いかほりだ!」

こっそりついてきた千(うっ…わぁ…)

ハク「あぁーん」ゴロゴロゴロ

千(…吐きそう、部屋もどろ)

ハク「ちひろっ!ちひろっ!」スーハースーハー

千「…!」

千(ちひろ…?ちひろって確か…)

千(私の名前…)

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:30:59.87 ID:/rQghf3H0
千(どういうことなの…)

千(なんで今まで忘れてたの…)

リン「千!何ぼーっとしてんだ!」

千「あっ…!はい!」

リン「湯婆婆にさぼってんのばれたらとんでもないことになるぞ!?」

千「はーい!」

千(気持ち悪い。何この感じ)

千(あとでハクに聞いてみよう…)

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:34:41.79 ID:/rQghf3H0
コンコンッ

ハク「誰だ?」

千「私だよ」

ハク「千っ!」ドッキューン

千「ちょっといい?」ガチャ

ハク「あぁ。散らかっていて済まないな」

千「あ、ううん」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:40:23.81 ID:/rQghf3H0
ッシーン

千(切り出しづらい…あと  臭い…)

ハク(この前千で●●た罪悪感で気まずいがちょっと興奮する…)

千(よ、よーし…)

千「わたしこの前、ハク様の部屋の前を通ったの」

千「そしたらハク様が、『ちひろ』って叫んでたのを聞いて…」

ハク(●●声を聞かれたッ!?)ウハァッ

千「…なんか息遣い荒いけど大丈夫?」

ハク「なんでもない。続けてくれ」

千「ちひろって私の本当の名前よね?」

千「どうして私今まで忘れてたの!?」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:44:45.35 ID:/rQghf3H0
ハク「それは…湯婆婆のせいだ」

ハク「湯婆婆に名前を奪われたんだ」

千「えっ…」

千「どうして…」

ハク「湯婆婆はね、相手の名前を奪って支配するんだ」

ハク「名前を奪われると帰り道がわからなくなるんだよ」

千「そんな…」

千「じゃあハク様にも本当の名前があるの?」

ハク「私はどうしても思い出せないんだ」

千「……」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:50:35.36 ID:/rQghf3H0
千「どうして、今まで黙っていたの?」

ハク「……」

千「私の本当に名前を知ってたのに…」

ハク「済まない…」

ハク「ちひろに、ずっとここに居てほしかったんだ」

ハク「ちひろが好きだから」

千「え…っ」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:54:21.56 ID:/rQghf3H0
ハク「これを見て」

千「お別れにもらったカード…!」

ハク「ここにちひろと書いてある。これを持っていればもう名前を忘れない」

ハク「大切にしまっておくんだよ。」

千「……」

ハク「私のことは、嫌ってくれて構わない」

ハク「それだけのことを私はした」

千「……」

ハク「もう部屋に戻りな。おやすみ、ちひろ」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/11(日) 13:57:09.15 ID:/rQghf3H0
千「ハク、私ずっとここにいるよ」

ハク「…!」

千「変 だけど、私もハクのことが好きだから」

ハク「……せ、千……」

千「ん?」

ハク「様を」

千「ん?????」

ハク「……いえ、なんでもありません」


両親「ブヒー」

おわり