106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:02:33.78 ID:sjJqNp8t0
斉木(学園都市、科学技術が相当に発展していて尚且つ超能力を研究していると言われる街だ)

斉木(外部の人間は)

『学園都市はイカレちゃってるよ、アイツら未来に生きてんな』

斉木(と言う者も多いらしい……)

斉木(ここで僕は目立たないように何の能力もない、いわゆるレベル0であるという設定にしてある)

斉木(どうもここにいる超能力者とは一人につき一つの能力しか使えないらしい、そんな中で惜しげもなく力を使えば)

『えっ、あなたって瞬間移動が出来て心が読めて火とか氷とかも操れて物を動かしたりも出来るんですか?』

斉木(これがどういうことか例えると)

『えっ、あなたってイケメンで高身長で高学歴で高収入で運動が出来て性格までいいんですか?』

斉木(こんな目立つ存在になるのは絶対に嫌だ)

引用元: 斉木楠男「学園都市……?」 




112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:14:03.27 ID:sjJqNp8t0
斉木(と、何の変哲もない外部からの体験入学生として授業を受けて下校したまでは良かった)

斉木(問題だったのはその途中で)

美琴「勝負しなさいって言ってんでしょうが!」

上条「だから嫌だって言ってんだろうが!このビリビリ中学生!」

斉木「…………」

斉木(あそこにいるのは上条当麻……僕が体験入学するにあたってルームシェアをしてくれる同級生だが……)

美琴「だから!あたしには御坂美琴って名前があんのよ!」

斉木(なぜ下校途中で恋愛ゲームよろしく素敵なイベントを発生させているんだ)

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:28:36.64 ID:sjJqNp8t0
斉木(困ったな、ルームシェア相手の彼がいなければ帰ることが出来ない……鍵を僕は貰ってないからな)

斉木(勝手に彼の部屋に入って中でスタンバってることも不可能じゃないが……)

上条「ああもう分かったから、御坂な。はい、じゃあ今日はもうこれで終わりな」

斉木(よし、そうだ。面倒事は早々に切り上げるに限る)

美琴「まだよ!あんたとの決着がついてないじゃない!」

斉木(……ずいぶん食い下がるな、何か特別な事情でも…)

美琴(馬鹿!もうちょっとあたしの相手をしてよ!)

斉木(神聖かまってちゃんか)

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:39:58.05 ID:sjJqNp8t0
美琴「いいから……勝負しろやゴルァ!」バチバチ

美琴(これくらいの電撃、アイツならどうとでも出来るわよね)

斉木(いやその理屈はおかしい。当たったら怪我じゃすまないだろ、その電圧)

上条「うおっ!?」

美琴(よ、避けた!?打ち消すんじゃなくて!?)

斉木(…………)

美琴(ヤバい!アイツの後ろにいる人に当たっちゃう!)

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 00:57:20.47 ID:sjJqNp8t0
斉木(さて困ったな、この向かってきてる電撃をどうしようか……ちょっと時間を止めて考えよう)

斉木(防ぐくらいはわけないが……僕がレベル0という設定である以上、目立つようなことは出来ないな)

斉木(考えられるパターンとしては)

パターン1……自然に防ぐ

美琴『どうしよう!あの人に当たっちゃう!』

ビュウ!

上条『あ、突然の突風で看板が飛ばされてきて電撃を防いだ!』

斉木(不自然だろどう考えても)

パターン2……回避

美琴『どうしよう!あの人に当たっちゃう!』

斉木「…………」サッ

美琴『えっ!?』

上条『電撃見てからのマトリックス余裕でした!?』

斉木(これもないな……なら、手は一つしかなさそうだ)

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:08:07.32 ID:sjJqNp8t0
そして時は動き出す

美琴「どうしよう!あの人に当たっちゃう!」

上条「避けろ!」

斉木(この速さの電撃を避けたら逆に不自然……なら)

斉木「っ……」

美琴「あっ……!」

上条「お、オイ大丈夫か!」

斉木(避けない以外にないだろう)

斉木「…………」

上条「しっかりしろ……って……お前、斉木じゃないか!」

美琴「あ、あんたの知り合い?」

上条「ああ、体験入学で学園都市に来てる……俺とルームシェアする予定の同級生だ」

美琴「外部の人ってことは……れ、レベル0ってことじゃない……!」

美琴(ど、どうしよう……あたし、レベル0の人に大変なことを……)

斉木(いや本当に。気絶した振りをするのって大変だからね)

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:21:14.63 ID:sjJqNp8t0
上条「と、とにかく今は救急だ!御坂、連絡頼む!」

斉木「!」

美琴「わ、分かってるわよ!」

斉木(しまった……救急なんて呼ばれたら大事になって余計に目立つ……起きるしかない!)

斉木「っ……」

上条「さ、斉木!良かった、意識が戻ったか!」

斉木(よし……このままならなんとか奇跡の生還をした雰囲気でこの場を乗り切れるか)

美琴「……意識が戻った?」

美琴(あの電撃をモロにくらって……そんな一般人、いるわけが……)

斉木(ちょっといい加減にしようかお嬢さん)

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:34:27.50 ID:sjJqNp8t0
美琴「ねえ……あんた、本当にレベル0?」

斉木「…………」

美琴「おかしいわ、何の治療もなしにこんな早く意識が戻るわけがないのに……」

斉木(そんな危ない電撃をホイホイ撃ってる君も十分おかしい)

美琴「よくよく見れば髪とかピンクだし……何か角みたいなサムシングもあるし」

斉木「!」

斉木(何故だ、そういう意識は確かに逸らしたはず……どういうわけか効果が打ち消されたとでも?)

斉木(……何にしても)

美琴「なーんか……怪しいのよね、あんた」

斉木(……困ったことになったんじゃないか、これは)

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 01:49:30.97 ID:sjJqNp8t0
上条「御坂……いやお前、いきなりビリビリ当てといてその言い草はないぞ」

斉木「!」

美琴「それは……そうなんだけど……」

上条「だったらまず……ほら、言うことがあるだろ」

美琴「……あの、ごめんなさい……本当に」

斉木「…………」

斉木(やれやれ、今度こそターン終了か……君は少し1ターンが長すぎるぞ)

上条「まあ御坂も色々聞きたいだろうけども今日はここまでな、もうちょっとお前は我慢ってものを覚えろ」

美琴「わ、分かってるわよ……反省してるんだから」

上条「そうそう、胸とか体が小さくても心くらいは大きく……」

美琴「…………」バチッ

上条「あ」

美琴「喧嘩売ってんのかあんたはぁぁぁ!」

上条「ふ、不幸だぁぁぁ!」

斉木(基本的に馬鹿しかいないのかこの学園は)

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 02:07:42.71 ID:sjJqNp8t0
・・・
エレベーター

上条「え、えらい目にあった……」

斉木(八割は君の自業自得と言って差し支えないだろ)

上条「っと……この上にあるのが俺の部屋だからな、覚えといてくれよ?」

斉木「…………」

斉木(……透視で他階の部屋を見る限り、そこまで広いわけじゃなさそうだ)

斉木(まああくまで体験入学だ、長居するわけでもない。数日過ごす程度なら問題ないな)

上条「で、この階にあるあそこが俺の部屋……っ!?」

斉木(……の前で誰か倒れてる、けど多分気のせいだろう)

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 02:17:01.32 ID:sjJqNp8t0
斉木(本当に面白いじゃないか……どうあってもこの街は僕が目立つようなイベントを起こしたいらしい)

斉木(だったら僕はそれを全部回避するだけだ……!)

上条「こ、こんなに血が……しっかりしろインデックス!傷はどこだ!?」

斉木(まずは傷か……どうやら背中を斬られてるようだが……)

上条「服は破れてるのに……どこにも傷がない?」

斉木(あの程度の傷、遠隔で治療するくらいなら簡単だ)

上条「けど血だまりが出来るくらいに出血してるのに、怪我がないはずが……」

斉木(まき散らされた血か……サスペンスには付き物だが……)

上条「あれ、これ……トマトの匂い?」

斉木(トマトジュースに変えてしまえば問題はない)

175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 02:30:30.18 ID:sjJqNp8t0
斉木(ただ……正直これじゃ無理やりにも程があるな、もう少し状況をいじって……)

上条「……何だ、服の背中側をどっかに引っ掛けて切って、飲んでたトマトジュースを零しただけか」

斉木(単純って素晴らしいと思うよ、本当に)

上条「いや、でもおかしくないか……?」

斉木(……さすがに無理矢理変えすぎたか、やはりもう少し工夫を…)

上条「このトマトジュース……濃縮還元じゃない?」

斉木(そこじゃないだろ)

ステイル「何か騒がしいようだが……それ、回収させてもらえるかな?」

上条「!」

斉木「…………」

斉木(すいません、もういいですこういうの。こっちとしては二秒で切り返す勢いなんで)

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 02:48:24.94 ID:sjJqNp8t0
上条「て、テメエ……!」

ステイル「聞こえなかったかい、それを回収すると言ったんだが」

上条「……そんなにトマトジュースが好きなのか」

斉木(ごめん、ちょっと黙ってて)

ステイル「あーあ、派手にやりすぎちゃって……辺りが血だら……」

ステイル「…………」

ステイル(ちょっと待て、これ血じゃないんだが……え?これトマトジュー……え?ちょ、え?)

斉木(気付いたか、『血だらけで困ったものだ』とかカッコ良く決めたかったんだろうに……)

斉木(ニヒルな感じで言葉を切り出したんだ、もう戻れないぞ……どうする?)

ステイル「…………」

ステイル「あーあ、派手にこぼしすぎちゃって……トマトだらけだ」

斉木(何か色々とすいません)

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 03:02:53.14 ID:sjJqNp8t0
ステイル「とにかく!その子はこっちに渡してもらおう!」

上条「ふざけんな!インデックスをお前らの好き勝手にさせてたまるかよ!」

斉木(え、そういう感じ?今の流れから急に戦いになる感じなのか?)

ステイル「巨人に苦痛の贈り物を!」

上条「…………!」

上条(コイツが『異能の力』なら……俺の右手で打ち消せる……!)

キィン

ステイル「なっ……!」

斉木(バトル展開……まあ、ジャンプ漫画ならよくあることか)

斉木(僕はそんな柄じゃない、離れたところで見守っているとしよう)

201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 03:18:03.20 ID:sjJqNp8t0
ステイル「ありえない……魔術をここまで完全に打ち消す人間が存在するなんて……!」

上条「うおおっ!!」

ステイル「くっ……『イノケンティウス』!」

上条「なっ……コイツ、打ち消しても再生しやがる……!」

ステイル「これが僕のとっておきだ……いくらその右手でもどうにもならないだろう!」

斉木「…………」

斉木(不謹慎だが結構見てて面白いな、あのイノケンティウスっていうのは一体どうやって攻略するか……)

ステイル(フッ……この下の階に貼ってあるルーンがある限り、イノケンティウスは無敵だ)

斉木(分かった剥がしてくる)

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 03:33:21.12 ID:sjJqNp8t0
斉木(これで最後の一枚……と。さて、戻るとしようか)

・・・

ステイル「い、イノケンティウス?どうしたイノケンティウス!」

上条「事情はよく分からねえけど……そのイノケンティウスってのはもう出せないみたいだな」

上条「なら……こっち仕掛けて終わらせる!」

斉木(よし、ちょうどいい場面で戻ってこれたな)

ステイル「くっ……巨人に苦痛の贈り……」

上条「食らえ!DUVS(ダウン・アッパー・ブイ・ストーム)!!」

ステイル「ぐあっ!!」

斉木(どうみてもただのアッパーカットだろ)

288: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 09:26:33.08 ID:sjJqNp8t0
・・・

上条「魔術師は……いなくなったか、なんだったんだあいつは」

斉木(むしろここまで立て続けに面倒を呼び込む君がなんなんだ)

上条「何はともあれインデックスが無事で良かったよ……悪かったな斉木、巻きこんじまって」

斉木「…………」

上条「とりあえず一旦部屋の中に入ろう、気絶してるインデックスをほっとくわけには……」

上条「……あれ、そういえばなんでインデックスは俺の部屋の前で気を失ってたんだ?」

斉木(……まあ当然の疑問か、やはりさっきの改変は少し無理矢理だったな。さて、これはどうやって…)

上条「よっぽどトマトジュース零したのがショックだったんだな」

斉木(どうやってもお花畑にしか見えない、君の頭が)

297: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 09:42:27.99 ID:sjJqNp8t0
禁書『……警告、身体に多大な付加が掛かったことに起因して、強制的にヨハネのペンで目覚めます』

上条「い、インデックス……?」

斉木「…………」

斉木(千年アイテム?いや違う、二重人格というわけじゃないか)

禁書『出血多量に伴い、生命力が流出しています』

斉木(あ)

禁書『私の言う術式を組ん……』

禁書『…………』

禁書(ちょっと待ってください、これ血じゃないんですけど……え?これトマトジュー……え?ちょ、え?)

斉木(『術式を組んで治療してください』とでも言うつもりだったろうが……もう治療は終わってる)

斉木(撒き散らされていた血も今となってはトマトジュースだ……これ以上何を望む)

禁書『…………』

禁書『……すいません、間違えました』

斉木(台無しだよ)

305: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 10:07:22.96 ID:sjJqNp8t0
・・・

禁書「二人とも、どうもありがとう!」

上条「礼なんか言うなよ……で、あいつは一体なんなんだ?」

禁書「……多分、私が持ってる十万三千冊の魔術書を狙ってるんだと思う」

斉木「…………」

斉木(大体の事情は把握したが、ずいぶん厄介なことになった……おそらくあの魔術師はまたやってくるだろう)

斉木(僕が撃退でもしようものなら……目立つどころの騒ぎじゃない、確実に僕も狙われる)

斉木(……なら)

上条「インデックス……心配するな」

斉木(この上条をヒーローにしてしまえば問題はない……!)

斉木(僕はあれだ、ドラゴンボールで出てきた戦いを見守る犬の国王くらいのポジションでいればいいだろう)

上条「お前は俺たちが必ず護ってやる!」

斉木(『俺たち』じゃない『俺』だからな、正しくは)

313: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 10:31:51.43 ID:sjJqNp8t0
・・・
翌日、某所

斉木(……どうやら上条当麻には妙な力があるらしい)

斉木(どういうわけか彼の思考は僕に流れて来ないし、体が透けて見えることもない……)

斉木(魔術を打ち消していたことからも彼には何か特別な力があると考えていいだろうな)

斉木(ただ……上条一人ですべてを解決させるのはさすがに不自然だと思う)

斉木(……相棒が必要だろう、水谷豊には寺脇康文が必要なように。やはり神戸くんより亀山くんだ)

斉木(ちなみに最近は午後3時から相棒祭りをやっているから是非見てほしい)

317: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 10:46:13.72 ID:sjJqNp8t0
・・・

斉木(ここにはレベル5と呼ばれる超能力者が7人いるらしい……あの御坂美琴とかいう中学生もその一人だそうだ)

斉木(彼女を味方に引き込むのもありだが……どうにも彼女は僕が一般ピープルであることに疑いを持っているらしい)

斉木(その辺は彼女の意識を変えたりすれば解決なのだが……)

美琴『無視すんなって言ってんでしょ!』

斉木(正直、なんていうか、絡みにくい。というか上条と一緒にしとくと心の声がうるさい)

斉木(彼女を除いて味方につけるべき人物を考えると、必然的に一番強いとされる人物になるだろう……)

斉木(彼なら多少の無茶をしても色々と何とかなるだろう、そっちに目が向けられれば僕も動きやすい)

斉木(今日からの目的が決まった……『一方通行を味方に引き入れる』……あと相棒を見る)

322: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 11:09:13.03 ID:sjJqNp8t0
斉木(一方通行……学園都市の第一位、能力が『ベクトル操作』か……)

斉木(この能力がどこまで応用出来るかは分からないが……何にせよ一位には変わらない)

斉木(とりあえずは彼がどんな人物か、実際に見て確かめて見るとしよう……)

・・・

斉木(と言うわけで来てみたが……)

一方通行「へェ、オマエ本当に面白ェわ……」

上条「くっ……」

斉木(お前たちは何をやっているんだ)

330: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 11:17:21.94 ID:sjJqNp8t0
斉木(なんだこの学園は、こんなにイベントばかり起こしてそんなに僕が目立つように仕向けたいのか)

一方通行「あン……誰かいやがるのか……?」

斉木(この状況で彼に見つかるのも面倒だ、ミスディレクションを使って影に……)

上条「さ、斉木!」

斉木(なぜオーバーフローさせた)

337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 11:32:03.19 ID:sjJqNp8t0
斉木(今更だがようやく理解した……上条は超能力だとか魔術が効かない体質らしい)

斉木(右腕に秘密があるようだが……今はそれどころじゃない)

一方通行「なンだ……オマエの知り合いか」

上条「止めろ!俺と斉木は関係もない、同じ部屋で暮らしてるただのルームメイトだ!」

斉木(同じ部屋で暮らしてるって時点で関係があるだろ)

上条「これは俺とお前の勝負だ!あいつを巻き込むんじゃねえ!」

斉木(だから極的に巻き込みに来てるのはお前だろ)

342: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 11:44:58.24 ID:sjJqNp8t0
御坂妹「あなたは……彼を助けに来たのですか?と、ミサカは突如として現れたあなたに問いかけます」

斉木「…………」

斉木(……大体のことは読めたな。つまり、このお嬢さんがあの一方通行に狙われていたと)

斉木(それを知った上条が助け舟を出してると……この女性はあの御坂美琴の妹か)

斉木(まったく、ずいぶんとお人好しだな……当然、僕だって好き好んで誰かが死ぬ場面をみたい訳じゃないが……)

斉木(その人物を助けに入ったことで自分が死ぬリスクを負うのなら関わりたくない、僕は死ぬことはないけども)

斉木(まあ上条の信条に僕が口出ししても仕方ない……前のように眺めているとしよう)

348: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 12:04:12.20 ID:sjJqNp8t0
一方通行(本当に面白ェなコイツ……無能力者が第一位に挑ンでくるなンざ……)

斉木(ですよね先輩、もう大人の余裕見せて軽く受け流す感じで頼みますよ)

一方通行(久々に退屈しなさそうな玩具が来たじゃねェの……少し遊んでからブッ壊すか)

斉木(いや先輩、それはおかしい。え?ちょっと何ですか?先輩あれですか?全てをぶっ壊したい病ですか?)

御坂妹(このままだと間違いなくあの人は殺される……しかしミサカの体ではもう……)

斉木「…………」

斉木(マズい、あの第一位……ガチで殺りに来ているのか)

斉木(まあ……昨日今日会ったばかりの上条は危険を冒してまで間柄じゃない、これで死んでも自己責任だ)

斉木(僕はそこまでお人好しじゃない)

斉木(……いや待てよ。万が一、上条が本当に殺されてしまったら……!)

マスコミ『今、殺された上条当麻さんの同居人が姿を現しました!』

『斉木さーん、何か一言をー!』

『ギロチンのまさゆきについて一言ー!』

斉木(それはマズい!!)

353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 12:14:47.68 ID:sjJqNp8t0
斉木(やれやれ……直接的には無理だが手を貸すか……あくまで僕が目立たないようにするためだが)

斉木(ガチで殺し合いをするつもりの第一位、一方通行……その相手をする上条当麻)

一方通行「行くぜェ……せいぜい頑張って避けるンだなァ」

斉木(二人の戦いに色々と水を差すことで……このガチな殺し合いの空気を……)

上条「くっ……オオオオッ!」

ナレーター『一斉に相手を打ちのめすべき飛び出した二人……』

斉木(ガチンコファイトクラブレベルにまで変えてやる)

『次の瞬間、信じられない出来事が引き起こされる!!』

374: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 13:05:00.96 ID:sjJqNp8t0
バキッ

一方通行「ぐっ……は……!」

一方通行(なン……だと……反射が効いてねェのか……?)

一方通行「テメェ……一体……!」

上条「ウオオオォォォッ!!」バキッ!!

一方通行「がっ……クッソがァァァ!」

御坂妹「どういうことですか……第一位と真正面から戦って勝負になるなんて有り得るはずが……」

斉木「…………」

斉木(やれやれ……まったく面倒を掛けられるな……)

380: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 13:19:35.81 ID:sjJqNp8t0
斉木(今現在、僕は上条と一方通行が殴り合いをしているのを見ている……)

斉木(皆は僕が手を貸していないと思うだろうが……いつから僕が何もしていないと錯覚していた?)

斉木(ヒントはさっきそこの妹さんが口にした言葉だ)

『第一位と真正面からやり合って勝負になるなんて』

斉木(……疑問に思わなかっただろうか、なぜあの一方通行はわざわざ『真正面からやり合って』いるのかと)

斉木(上条の右手が自分の能力を無効にしていることくらいすぐに気が付くだろう)

斉木(だったら話は簡単で……離れて戦えばそれですむはずだ)

斉木(例えば)

上条『掛かって来やがれ!一方通行!』

一方通行『オッケェ、じゃあ今からこの小石、音速でオマエにぶつけるわ』

上条『…………』

斉木(ぶっちゃけこれで決着がつくだろう)

386: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 13:32:25.57 ID:sjJqNp8t0
斉木(それを意固地に殴り合い……というか近接戦闘ばかりしているのは決して偶然でも、彼が馬鹿なわけでもない)

斉木(僕がそうなるよう、彼の意識を誘導しているのだ……)

斉木(彼は色々と能力を反射してしまうようだが上条のような問答無用で無効化、というわけでもないらしい)

斉木(だったら意識をそらす程度、いくらでも方法はある……)

斉木(とりあえず、これで理不尽な形で勝負に幕が下ろされることはないだろう)

斉木(さて……次の問題は……)

一方通行「いくらその右手が妙な力を持ってよォと……捕まらなきゃ問題はねェ」

上条「くっ……!」

斉木(……近接戦闘に限定させても、やはりあの速さにはついていけないか)

392: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 13:50:49.92 ID:sjJqNp8t0
斉木(超能力を無効化する上条は僕が遠隔操作して動かしてやることも出来ない……なら)

一方通行「終わりだ……」

ブンッ

一方通行「!?」

一方通行(は、外しただと……?)

上条「らあっ!」バキッ

一方通行「がっ……て、テメェ……一体何を……!」

上条「喧嘩慣れはしてないみたいだな一方通行、早く動けても目測を誤ってちゃ世話ないな」

一方通行「…………!」

一方通行(どォなってンだ……今のをアイツはかわしてねェ、そんな動きすら見せなかったはず……)

斉木(ああ、上条自身はかわしてなんかないよ……動いたのは上条じゃない、上条が乗ってる地面だ)

404: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 14:10:35.85 ID:sjJqNp8t0
一方通行(どォなってやがる……頭冷やせ、明らかに何かがおかしいだろうが……)

一方通行(ここまでのことを全てあの無能力者一人でやったとは思えねェ……まさか)

斉木(しまったな、さすがに露骨な乱数調整をしすぎたか……)

一方通行「なァるほどな……そォいうカラクリってわけか」

上条「何言ってんだ……お前……」

一方通行「面倒で愉快なことしてくれてンじゃねェの……俺の敵は一人じゃなかったってワケだ……なあ」

「そうね」

一方通行「!」

上条「おっ、お前……なんで……!」

美琴「アンタの相手はそいつ一人じゃないわ!」

一方通行(第三位……まさか、さっきまでの妙な小細工をしてやがったのはあの斉木って奴じゃなく……)

一方通行「やってくれンじゃねェの……オマエ……!」

斉木「…………」

斉木(計 画 通 り)

413: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 14:34:34.34 ID:sjJqNp8t0
斉木(そろそろだと思ってたよ……あの一方通行が異変に気付くのは……)

斉木(通常ならば起こり得るはずのない苦戦を強いられ、なおかつ目の前にいる敵は右手以外に何の能力もない…)

斉木(この御坂妹さんは上条がやって来るまで戦っていただけあり、手の内は全て割れている)

斉木(だとすれば……一連の不可思議な現象を起こしていると考えられるのはこの場では僕しかいない)

斉木(だが……そのタイミングで……)

美琴「アンタに勝てるとは思ってない、けど……戦わないで逃げる訳にはいかないのよ!」

斉木(御坂美琴が現れれば必ずそちらに目が向くだろう……何しろ、彼女は自分と同じレベル5なのだから)

斉木(そして)

『第三位は自分より格下だ、自分より遥かに弱い、だがそれでもレベル5……戦闘を攪乱することくらいなら……』

斉木(そう考え、僕に対して向けていた疑いを彼女にぶつける……そして僕への注意が逸らされる、と)

斉木(全ては僕の思い通り……目立ってない、僕は今!完全にこの戦闘において空気と化した!)

423: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 14:54:09.33 ID:sjJqNp8t0
斉木(さて、学園都市の第三位と何か色々と無効化出来る上条がいれば何とかなるだろう)

一方通行「うざってェ……まとめて吹き飛ばされてェのか!!」

一方通行「こきかくかかくかきかここ……」

美琴「そ、そんな……空気を圧縮して……そんなことが……あんなのどうにも……!」

斉木(いや、あの、うん。もうちょっと頑張れない?)

上条「みんな手を挙げるな!元気を吸収されるぞ!!」

斉木(お前どれだけ頭の中が光る雲を突き抜けてFly awayすれば気が済むんだ)

431: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 15:08:12.13 ID:sjJqNp8t0
一方通行「圧縮圧縮……空気を圧縮……!」

斉木(しかしなるほど、相当なエネルギーが蓄積されているな。色々と物理法則を無視してる気がするけれども)

斉木(あれが炸裂すれば……まあ一般人なら生きてはいられないだろうな)

斉木(これはさすがに僕一人で目立たずにどうにかするのは無理だな、どこかへ逃げるべきか……)

御坂妹「はっ……はっ……」

御坂妹(助けなければ……ミサカのために戦うあの人を……私を妹と呼んでくれたあの姉を…)

斉木「…………」

斉木(いや……一人で逃げても、重傷者や死人が出てしまってはその場にいた僕も結局は目立ってしまうか)

斉木(やれやれ……まったく)


斉木(どこまでも手間のかかる)

445: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 15:41:50.46 ID:sjJqNp8t0
斉木(さて、どうしたものか……空気を圧縮してるとか言っていたか……)

一方通行(----!----!)

斉木(しかしすごいな……彼の思考が流れ込んでくるが凄まじく複雑な演算だ……)

斉木(ただ……これなら……)

美琴「くっ……」

美琴(ダメだ……これだけのエネルギー、私一人の力じゃどうにも……!)

--空気の流れを変化

美琴(えっ……?)

--まものAは、なかまをよんだ!

美琴(な、なに……テレパシー?一体誰が……!)

美琴「でも待って……あいつが演算してる空気の流れが自然のそれだけだとすれば……!」

美琴「お願い!アンタの力を貸して!」

御坂妹「えっ……?」

斉木「…………」

457: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 16:09:19.17 ID:sjJqNp8t0
一方通行「…………?」

一方通行(なンだ……この空気の流れ、明らかに自然なものじゃ……!)

一方通行「あの風車……まさかテメェ……!」

美琴「気が付いたみたいね……そう、あの子たちよ」

一方通行「…………!」

上条「終わりだな……幕を引こうぜ、一方通行!」

一方通行「オマエみてェな最弱のレベル0に……最強の俺が……」

斉木「…………」

斉木(やれやれ……まったく、本当に出来過ぎなストーリーだったな……)

上条「行くぜ最強(さいじゃく)……俺の最弱(最強)はちっとばかしひ」

斉木(いいから早く殴れ)

474: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 16:42:48.20 ID:sjJqNp8t0
・・・

一方通行「っ…………」

上条「はっ……はっ……」

御坂妹「終わった……のですか?」

上条「ああ、お前のおかげだよ……ありがとな、御坂妹……それに、御坂も来てくれて助かった」

美琴「…………」

上条「……御坂?」

美琴「えっ……ああ、ごめん……何?」

上条「いや……ありがとうなって、最後の風車を回すのだってお前が思い付いてくれたから……」

美琴「う、うん……」

美琴(あの声って……一体……)

斉木(さあ……気のせいだったんじゃないかな)

485: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 16:58:03.47 ID:sjJqNp8t0
斉木(さて、とりあえずはこれで一段落着いたか……)

斉木「…………」

一方通行「…………」

斉木(……ちょっと待て、僕は何をしにここへ来たんだ?)

斉木「…………」

斉木(一段落……着くっていうか……段落そのものがなくなったな)

490: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 17:11:33.88 ID:sjJqNp8t0
前回のあらすじ

早く殴れ

・・・

斉木(しかし困ったな……まさか仲間に引き入れようとしたらその仲間を打ち倒す感じになるとは……)

斉木(まあ、あの様子なら御坂姉妹はいざという時は協力してくれそうだが……)

斉木(さながら、更木剣八を仲間にしようと思ったら朽木兄妹辺りが仲間なった感じか)

斉木(悪くはないが……さて……どうしたものか……)

一方通行「…………」

斉木「…………」

一方通行「……顔貸せ」

斉木(おっふっ……け、剣八……さん……)

499: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 17:27:03.47 ID:sjJqNp8t0
斉木「…………」

斉木(マズいマズい、非常にマズい。学園都市の第一位と二人でお洒落なキャフェでコーヒーだなんてこの上なく目立つ)

一方通行「ビクついてンじゃねェよ……こンな人目に付くところで派手なことなンざしねェ」

斉木(むしろ僕はその人目そのものが怖い)

一方通行「……まあいい、話は単純だ」

斉木「…………」

一方通行「オマエだろ……あン時、色々と小細工仕掛けてやがったのは」

斉木「…………」

斉木(戦いが終わった後だったとしても、そこに気が付くとは……やはり天才か)

斉木(どこかのお花畑とはやはり違うな)

512: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 17:44:44.86 ID:sjJqNp8t0
一方通行「あン時……俺は何故か基本的に近接戦闘しか仕掛けなかった……」

斉木(それは僕がそういう風に意識を誘導したからな)

一方通行「何故か目標を誤って外すはずのねェ攻撃を外したり」

斉木(ああ、それも僕が外したからな)

一方通行「妙に都合のいいタイミングで現れた第三位……」

斉木(ああ、彼女がこっちに向かってると察知してから合流までの時間調節には大分苦労したな)

一方通行「三下が的外れなことを抜かして油断させにかかってきたのも……」

斉木(あ、それ僕じゃないです)

528: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 18:07:13.91 ID:sjJqNp8t0
一方通行「こんだけのことが無能力者に出来るはずがねェ……冷静に考えれば、第三位にだって不可能だ」

斉木(……大したやつだ)

一方通行「一つの能力じゃ……これだけのことは対応しきれねェ……」

斉木(こいつ……かなりの切れ者……)

一方通行「加えて、三下に頭が抜けてるよう振る舞うことまで指示してやがったと来た……」

斉木(もう僕が指示したってことでいいよ、もう)

一方通行「……オマエ、一体何なンだ?」

斉木「…………」

一方通行「……ハッ、言いたくねェンなら聞きやしねェがな」

斉木(どうする……この第一位なら何か話しても問題はないのかもしれないが……)

一方通行(チッ、話しやがらねェか……今度コイツがコンビニで並んでたら前に横入りして宅急便申し込ンでやる)

斉木(色んな意味でとんでもない嫌がらせだな)

539: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 18:24:47.40 ID:sjJqNp8t0
・・・
某所

一方通行「オマエには少し興味があってな……仮にオマエがマルチスキルの能力者だとすれば……俺も色々と知りてェことがある」

斉木(少なくともコンビニの宅急便とかセコい復讐を考えてる奴に話すことは何もない)

斉木(さて……とりあえずは上条家に一旦帰宅……)

上条「…………!」

一方通行「あそこにいンの……三下じゃねェか?」

斉木(魔術師フラグだ)

上条「テメェは……!」

神裂「神裂火織、と申します。インデックスを……彼女を保護しに来ました」

斉木(うん知ってた)

545: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 18:34:18.45 ID:sjJqNp8t0
神裂「人払いのルーンを刻んでいたはずですが……二人ほど、結果の中にいらしたようですね」

斉木(チッ……バレていたか、これだから魔術師は……)

一方通行「オイオイオイ、なンだなンですかなンなンですかァ?随分な面白イベントが炸裂してるンじゃねェか?」

斉木(なんでお前はそんなに嬉しそうなんだ)

一方通行(あの三下守ることに漕ぎ着けて憂さ晴らしする絶好の機会が来たじゃねェか)

斉木(ああ、そう)

571: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 19:33:51.22 ID:sjJqNp8t0
神裂「魔法名は名乗らせないでください……あなたたちを傷付けたくはない」

上条「それはつまり……インデックスを大人しく渡せってことかよ」

神裂「そういうことになりますね」

上条「ふざけんな!あの炎の魔術師みたいにいきなり襲ってくるような連中に渡せるか!」

神裂「以前は……歩く教会が破壊されているとは思わなかったので、私も少々やり過ぎてしまいましたね」

上条「以前って……まさかお前、前にもインデックスを……!」

神裂「あなたの家の前にあの子が倒れていたことがあったでしょう……あれは私がやったことです」

斉木(ああ、血だらけであのシスターが倒れていた件か)

上条「ふざけんなよ……なんで……」

神裂「私も……あそこまでするつもりはな」

上条「なんでテメェはトマトジュースを零しやがった!」

神裂「…………」

斉木(ごめん、そうだった。何かそんな感じにしてたね)

578: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 19:44:10.55 ID:sjJqNp8t0
神裂(トマトジュー……え?ちょ、え?)

斉木(そのリアクションをしたのは君で三人目だよ)

上条「インデックスの奴は気絶してたんだぞ……お前が派手にぶちまけるから!」

斉木(もうそろそろ止めろ、見てるこっちが恥ずかしくなるから。いやホントに)

神裂「…………」

神裂(あの子はそんなにトマトジュースが……覚えておきましょう)

斉木(君も大概な馬鹿だな)

584: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 19:54:44.70 ID:sjJqNp8t0
神裂「それで……どうするのですか、どうしても大人しくあの子を引き渡す気にはなりませんか?」

斉木(戦いは避けられない雰囲気だな……というか何だあの刀、どうやって鞘から抜くつもりなんだ?)

上条「ああ……ならねェな!」ダッ

一方通行(なンで能力の分からねェ相手に真っ直ぐ突っ込むンだあの馬鹿は)

斉木(君も似たようなことしてたけどね)

神裂「七閃……」

上条「ぐっ……!?」

上条(なんだ……右手の能力が効かない……?)

斉木「…………」

斉木(なるほど……レベルを上げて物理で殴ってきたか)

590: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 20:08:08.36 ID:sjJqNp8t0
斉木(これは上条じゃ少し厳しいか……まあ幸いなことに)

一方通行「チッ、馬鹿が……何やってンだ、あの三下は」

斉木(こっちには剣八がいる、一瞬でザラキを掛けてくれるだろうさ)

斉木(だから……上条……)

バキッ

上条「ぐっ……あ……!」

斉木(心置きなくメガンテでもなんでもするがいい)

600: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 20:20:03.58 ID:sjJqNp8t0
上条「なんでだよ……」

神裂「?」

上条「あの魔術師にしろアンタにしろ……それだけの力があるのになんで……なんでそんなことしかできねェんだよ」

上条「弱い俺とは違うだろ!それだけの力があれば誰だって守れるのに!誰だって救えるのに!」

上条「なのになんで……そんなことしかできねェんだよ……」

斉木(始まったか……メガンテが)

一方通行(前から思ってたけど話が長ェ)

610: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 20:33:18.25 ID:sjJqNp8t0
神裂「私だって……私たちだって好きでやっているわけではないんです……!」

上条「…………?」

神裂「十万三千冊の魔導書を持つあの子は……私の親友なんですから……」

上条「なん……だと……?」

一方通行(いや……そォいうお涙頂戴はいいンで、とっとと本筋を話せ本筋を)

斉木(気が短いな……お前とはサスペンスを見られないな、自供シーンはこんなモンじゃない)

斉木(今日の相棒なんか特に長かった……しかしまさか病院の医師のうち三人がグルだったとは……)

630: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 21:03:24.81 ID:sjJqNp8t0
神裂「完全記憶能力、という言葉を知っていますか?」

上条「それが十万三千冊の正体だろ……見たものを全て残さず覚える能力……」

斉木「…………」

斉木(完全記憶能力……あのシスター、そんな能力を持ってたのか)

神裂「彼女の脳の八五%以上は禁書目録の十万三千冊に埋め尽くされてしまっている……」

斉木(……What?)

神裂「彼女は残りの十五%しか脳を使えない……常人と同じように生活していれば脳がパンクしてしまうんですよ」

斉木(……Pardon?)

637: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 21:15:50.13 ID:sjJqNp8t0
神裂「だから私たちは……あの子の脳がパンクしてしまう前に捕らえ……記憶を消しているんです」

斉木(いや、その理屈はおかしい)

上条「そんな……そんなわけ……」

斉木(なんでお前は狼狽えているんだ、こんな話に騙さ……)

神裂(上条当麻……この少年はあの子を思いやってくれている……でも、それでも記憶を消さなければあの子は……)

斉木「…………」

斉木(『真性』か、この魔術師は)

643: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 21:29:32.87 ID:sjJqNp8t0
神裂「人間の脳の容量は意外に小さい。それでも人間が百年も脳を動かしていられるのはいらない記憶を忘れて整理しているからなんです」

斉木(うわぁ)

神裂「--あなただって、一週間前の晩御飯なんて覚えていないでしょう?」

斉木(いやそんなドヤァって感じで言われても)

神裂「忘れることのできない彼女が生きていくには、誰かの力を借りて忘れる以外に道はないんです」

斉木(……これ、一方通行はどう思ってるんだ?完全に呆れかえってるんじゃないか)

一方通行(Zzz……Zzz……)

斉木(ゲッ、ゲェーッ!こ、こいつ……立ったままKOされてる!?)

657: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 21:40:38.47 ID:sjJqNp8t0
神裂「わかったでしょう…彼女を助けたってあなたには何の益にもなりませんよ」

「何だよそりゃ…立ったふざけんな!俺はインデックスの味方だ、どんな時でもな!」

神裂「…………」

斉木(あ、マジで切れる五秒前)

「何で説明して誤解を解いてやらない!何で敵として追い回してんだ!アイツの気持ちをなんだと思っ」

神裂「うるっせえんだよ、ド素人が!!」

斉木(君も大概なド素人だがな)

663: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 21:50:55.44 ID:sjJqNp8t0
神裂「私たちだって頑張った!頑張ったんですよ!それでもダメで!悩んで!苦しんで!」

上条「ぐっ……あっ……」

斉木「…………」

神裂「あなたなんかに……何が……」

斉木「!」

斉木(あの太刀でフルスイングは……マズい)

神裂「あなたなんかに何がわかるって言うんですか!!」

ブンッ

上条「くっ……」

ガシッ

上条「……え?」

斉木「…………」

神裂「私の七天七刀を受け止め……あなたは……?」

斉木(……やってしまった)

668: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 21:59:57.48 ID:sjJqNp8t0
斉木(まさかこんな形で堂々と攻撃を受け止めてしまうとは……くっ、完全なミスだ)

神裂「あなたは……上条当麻の知り合いですか?」

上条「俺の友達だ……インデックスの話とは関係ない」

神裂「……部外者であるなら手を出さないでくれますか、これは私たちの問題です」

斉木「…………」

斉木(まったく、たちが悪いな……自分が言った話が本当だと信じ込んでいるから余計に扱いにくい……)

ステイル「……時間が掛かりすぎだよ、神裂」

斉木(そして、なんで面倒な奴が増えるんだ)

675: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 22:13:29.22 ID:sjJqNp8t0
斉木(どうする……もうここまで来たら二人まとめて本当のことを教えてやったほうがいいんじゃないか?)

斉木(どこで覚えたか知らない知識を口走るよりかはここで一発、恥をかいておいたほうが幸せだろう……)

神裂「……何か、言いたいことでも?」

斉木(察しがいいな……じゃあなるべくオブラートに、外角低めを変化球で攻めるレベルで……)

一方通行「あン?そこの馬鹿が曰ってた馬鹿みてェなクソ脳科学の御高説はもう終わったのか?」

神裂「!?」

斉木(ジャイロ回転掛かったストレートで真ん中投げてきたよ)

684: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 22:21:17.31 ID:sjJqNp8t0
一方通行「悪ィな、オマエがあまりにもぶっ飛んだこと言ってやがるからつい寝ちまった」

神裂「そんな……私たちは真面目な話をして……!!」

一方通行「脳の構造についてクソみてェな知識しかない奴がほざいてンじゃねェよ」

一方通行「この--ド素人が」

神裂「…………っ!」

斉木(なんて美しいブーメランの軌道だ)

697: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 22:34:55.05 ID:sjJqNp8t0
一方通行「そもそも……人間の脳がパンクするだァ?いいねいいねェ……愉快で素敵な最っ高の妄言じゃねェか!」

ステイル「何がおかしい……!」

一方通行「例えばだ……」

キィン

ステイル「うっ!」

一方通行「今オマエを吹っ飛ばしたのはベクトル操作によるものだが……能力を使うには演算が必要なンだよ」

神裂「演算……?」

斉木(えんざんと聞いてロックマンのライバルを思い浮かべた人と僕は仲良くなれる気がする、ちなみに僕は3派だ)

一方通行「演算において今まで俺は凄まじい量の情報を処理してきたンだがなァ……」

一方通行「どういうわけだ?パンクどころかむしろスッキリしてやがる」

斉木(それはさっき寝てたからだろ)

714: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 22:49:48.76 ID:sjJqNp8t0
斉木(というか……そんな小難しい話なんかしなくてもさっきの話が嘘なのは明白だ)

『十五%しか脳を使えない、完全記憶能力者のインデックスは一年も立てば脳がパンクする』

斉木(確かに完全記憶能力者っていうのは珍しい体質だが……世界に一人しかいないレベルの稀少価値じゃない)

斉木(完全記憶能力者が仮に脳の十五%も使って一年分の記憶しか溜められないなら……)

斉木(彼らは六歳か7歳までには死ぬって結論でファイナルアンサーだ……)

斉木(だからそこまで脳医学に詳しくない僕でも直感で分かった……)

斉木(嘘だろ、常識的に考えて……なのに)

一方通行「っつーわけでだ、オマエらの刷り込まれた知識は全部ゴミなンだよ」

神裂「そんな……」

ステイル「まったく……気が付かなかった……」

斉木(どいつもこいつも馬鹿ばかり……)

720: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 22:59:29.35 ID:sjJqNp8t0
神裂「私たちはあの子に……無用の苦しみを与えてしまったようです」

ステイル「だが……それなら一年周期であの子がうなされる原因は……一体……」

神裂「それを調べるのは私たちの仕事です……あなた達には迷惑を掛けました」

一方通行「…………」

斉木「…………!」

斉木(ちょっと待て、重大なことに気が付いてしまった……まさか……今の僕は……)

斉木(上条よりも目立ってしまっているんじゃないか?)

727: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 23:11:03.90 ID:sjJqNp8t0
上条「ちょっと待てよ……」

斉木(お)

上条「俺たちに謝ってどうするんだ……テメェらが謝らなきゃならない相手は他にいるだろうが!」

斉木(リーチ)

神裂「!」

一方通行「珍しく意見が合うなァ三下……オマエら、真実を知ったことが今までの贖罪になるとでも思ってンのか?」

斉木(味方が現れる演出のスーパーリーチ)

上条「お前らが記憶を消したインデックスは……この世から消えちまったインデックスはもう戻らない!」

上条「そいつらに対して何の言葉もないのかテメェらは!」

斉木(ボーナスステージ突入……勝ったな)

732: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 23:19:49.02 ID:sjJqNp8t0
一方通行「今までは知らなかったから許されるとでも思ってンのならはっきり言ってやる」

一方通行「体に付いた汚れってのはもう一生落ちることはねェよ……一生な」

ステイル「…………」

上条「だからそいつを忘れちゃダメなんだ……お前たちが記憶を消した今までのインデックスのことも!全部だ!」

上条「それを魂に刻み込んで……これからどうするかを考えろ!」

神裂「…………」

神裂「あの子に……謝ります、ちゃんと向き合って……心から」

ステイル「……ああ、そうだな」



斉木(……目立っていない。完璧だ)

745: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 23:29:28.54 ID:sjJqNp8t0
・・・
数日が経ち

禁書「はぁ……はぁ……」

上条「くそっ……何なんだよ、コイツを苦しめてる物の正体は!」

神裂「あなたが分からなくても仕方ありません……専門家の私たちですら突き止めることが出来なかったのですから」

ステイル「だが……今回は大きな収穫があった、癪だがちゃんと礼は言わせてもらうよ」

御坂妹「科学の観点からも手を尽くして調べましたが、条件に一致する病名は発見出来ませんでした。と、ミサカは報告します」

上条「ありがとうな御坂……いきなり面倒かけて」

美琴「いいわよ……人の命が掛かってることなんだから……」

一方通行「チッ……」

749: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 23:39:51.26 ID:sjJqNp8t0
斉木「…………」

斉木(不謹慎極まりないのを承知で言うが、こういう種の分からない謎解きは嫌いじゃない)

斉木(科学技術においては最高レベルのこの街で該当する事例がないということは……やはり魔術による物だろう)

斉木(しかし……どうやら彼女は『歩く教会』と呼ばれる防護壁に身を守られていたらしいが……)

斉木(ということは……どういう……)

禁書「はぁ……はぁ……」

斉木「…………」

斉木(透視してみたら……何か見えたぞ、喉の奥に)

758: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/23(木) 23:57:04.03 ID:sjJqNp8t0
美琴「やっぱり考えたんだけど……何か絡繰りがあるとすればこの子の体だと思う」

御坂妹「お姉さまもやはりそう思われますか、とミサカは姉の考察に賛同します」

美琴「それも普段、他人に触られたり見られたりしないような……そういう……」

斉木(ナイスアシストだ御坂姉妹、あとでハッピーターンまでなら奢ろう)

神裂「そんな場所ていえば……口の中……とか、でしょうか」

上条「悪い……少し見せてくれ……」

上条(……なんだこれ、喉の奥に何かが)

キィン!

764: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:03:08.08 ID:PuIFGlMg0
上条「ぐあっ!?」

美琴「ちょっとアンタ!何やってんの!?」

上条「喉の奥に何かあったんだ……それに右手の人差し指で触れた途端……弾き飛ばされた!」

ステイル「これは……まさか……」

神裂「あの子が……魔術を……?」

御坂妹「なんにしても……戦闘準備をすべきですね、とミサカは慌てつつも状況を冷静に判断して進言します」

一方通行「ハッ……面白ェ仕掛けじゃねェか」

斉木「…………」

斉木(異能の力を打ち消す能力者に……学園都市の第一位……第三位とその妹、加えて魔術師が二人か……)

斉木(…………)

斉木(楽勝じゃないか)

773: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:20:15.23 ID:PuIFGlMg0
禁書「警告、禁書目録の『首輪』、全結界の貫通を確認。再生不可……書庫の保護のため、侵入者の迎撃を開始します」

上条「インデックス……今助けてやるからな、行くぞ斉木!」

斉木(なぜ僕に振る)

斉木「…………」

斉木(いや待て、おそらく今からこの操られた?インデックスと戦うんだろうが)

斉木(これだけの駒が揃っているんだ。はっきり言って、僕は必要ないだろう)

禁書「--『竜王の殺息』」

神裂「ドラゴン・ブレ……よ、避けてください!」

上条「くそ……この野郎が!」キィン

神裂(そんな……あの一撃すら打ち消してみせるなんて……)

一方通行「三下ァ!」

上条「この攻撃は俺が抑える!あとは頼んだぞ!みんな」

美琴「手荒になるけど……やるしかないわね」バチバチ

御坂妹「了解です」バチッ
斉木「…………」

780: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:34:46.66 ID:PuIFGlMg0
斉木「…………」

斉木(僕は目立つことをなるべく避けて生きてきた)

上条「ぐっ……うっ……!」

斉木(そうするのが正しい選択だと思っていたし、それが間違いだったとも思わない)

美琴「何なのよあれ……電撃が弾かれてる!」

御坂妹「こちらの攻撃に対する防御障壁を展開しているのでしょう、とミサカは推測します」

斉木(だけれど)

一方通行「耐えろ三下ァ!!こっちは必ず何とかする!!」

斉木(自分以外の全員が命を懸けて動いているこの状況で何もしないのは)

ステイル「神裂!竜王の殺息に対抗する魔術結界は!」

神裂「術式を組み上げるのに時間が掛かりすぎます!」


斉木「尚更、目立つことになるじゃないか」

809: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 00:45:03.13 ID:PuIFGlMg0
斉木(まず第一に……あの竜王の殺息とかいうのを何とかする必要があるか)

斉木(単に勝つだけならば無理やりに押し込んでごり押ししてもいいが……)

斉木(それによってインデックスやその他の誰かが傷付いてしまっては元も子もない)

斉木(なら……)

禁書「第一標的である上条当麻の位置が上空へ移動……攻撃の軌道を修正します」

上条「上空へ移動……?」

斉木(あの攻撃そのものをどうにかするのが難しいなら……攻撃される標的の認識をずらせばいい)

斉木(……衛星とか打ち落とさなければいいが)

824: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:04:53.02 ID:PuIFGlMg0
斉木(次は……インデックスを囲う防御障壁か、これは……)

美琴「急いで一方通行!」

一方通行「黙ってろ!もォ少しで障壁の解析が終わる!!」

斉木(一方通行がやってるが……さすがに魔術の解析なんてのはやったことがないらしいな)

斉木(もうしばらく時間がかかるとして……次にすべきは、インデックスに新たな動きをさせないことか)

禁書「竜王の殺息を継続使用、かつ他の侵入者に対しても同時攻撃を加えます」

ステイル「来るぞ……イノケンティウス!」

神裂「Salvare000!」

830: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:16:59.47 ID:PuIFGlMg0
禁書「侵入者に対する簡易対抗措置……発動します」

ステイル「これは……イノケンティウス!?」

美琴「違う……あたしが今までに放った電撃も……!」

斉木「…………」

斉木(なるほど……今までに自分が受けた攻撃と同等のものを相手に向けさせる食らわせる術式か)

斉木(面白いじゃないか、やってみるといい……僕がなんとでもしてやろうじゃないか)

バチバチ

斉木(電撃か……確かにこれだけの電撃、当たれば少しは堪えるが……)

斉木(当たらなければどうということはない)

841: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:35:20.46 ID:PuIFGlMg0
斉木(次は炎……イノケンティウスだったか、これに限っては)

ステイル「面白いじゃないか……あの子を護るための僕がいつも使ってきた術式だ……」

ステイル「僕のイノケンティウスがどれほどの力を持っているか……試させてもらうよ」

斉木(そして……神裂火織による七閃、これはどうするか……ちょっと時間を止めて考えよう)

斉木(さて、と……七つの線が一度に襲いかかってくるわけか……難しい)

斉木(…………)

斉木(……普通に時間が止まっている間に攻撃が届かないところまで退避すればいいのか)

846: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:43:20.89 ID:PuIFGlMg0
一方通行「ハッ……捕まえたぜェこの野郎が……防御障壁の解析完了だ!」

斉木(もう終わったのか、さすがに早い。ちょっと奮発してブラックサンダーを奢ってやろう)

神裂「上条当麻……障壁が消えたら一気に駆け抜けてください、私たちがサポートします」

ステイル「その右手で魔術に支配されたあの子に触れれば……それで、僕たちの勝利だ」

御坂妹「失敗したらかっこ悪いですね、とミサカはある程度のプレッシャーを掛けつつ鼓舞します」

美琴「大丈夫、あんたなら出来るわ」

斉木(僕から言いたいのはただ一つ、余計な言葉の前にとりあえず手を出せ)

854: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 01:52:52.06 ID:PuIFGlMg0
一方通行「行くぜ……防御障壁、解除!」

上条「うおおおっ!」

美琴「あいつへの魔術攻撃、全部撃ち落とすわよ!」

御坂妹「はい」

斉木「…………」

斉木(まったく、本当に慣れないことをした。まさかちょっとした戦闘までするとは……)

斉木(目立つのを極端に嫌がる僕がここまでやったんだ、何が何でもやり遂げてくれよ)

上条「この物語が神様の創造したシステムの通りに動いてるってんなら……」

まずはその幻想をぶち殺す!

キィン!

858: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:02:09.93 ID:PuIFGlMg0
禁書「再生……不可……竜王……吐息……」

禁書「…………」

美琴「こ、これで……終わったの?」

斉木(あ、ちょ、それはフラ)

ステイル「いや、まだだ!」

斉木(フラグですよね)

御坂妹「あれは……羽、でしょうか。とミサカは見たままの感想をそのまま言葉にします」

神裂「ダメです!この羽に触っては!」

美琴「あんた!早くその子を連れてこっちに!」

上条「ああ、今行く……っ!」

上条(足が……動かねえ!)

神裂「ここにきて……上条当麻の体にダメージが……!」

斉木「…………」

863: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:14:36.68 ID:PuIFGlMg0
一つ、皆に教訓を述べておきたい

一方通行「オマエ……待て!斉木!」

美琴「ちょ……ちょっとあんた何やって!」

御坂妹「!」

やはり、普段目立たないよう努めている人間は

ステイル「よせ!死にたいのか!」

神裂「危険です!あなたの命が!」

やはり、どんな局面であっても

上条「さ、斉木……っ?」

斉木(テキサス・コンドル・キーック!)バキッ!

上条「うあっ!」

神裂「け、蹴り飛ばされた上条当麻はこちらへ回帰しましたが……代わりに……!」

上条「さ、斉木ィィィ!!」


馴れないことをするものじゃない

880: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:27:41.43 ID:PuIFGlMg0
その後も殺人的な威力を持つ光の羽は降り続けた。

全員が安全確保のためにその場を一度離れることとなる。

そして羽が降り止んだとき、再び決戦の場に足を運ぶと

そこに斉木楠雄の姿はどこにもなかった。

忽然として、最後に仲間を守り姿を消した斉木楠雄。

彼は今---生きているのだろうか。



斉木「生きているに決まってるだろ」

892: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:35:01.02 ID:PuIFGlMg0
斉木(やれやれ危ないところだった、上条を弾き飛ばしてからの瞬間移動……ギリギリもいいとこだ)

斉木(しかし僕も流石に慌てたか……移動した先がまさか)

つちの なかに いる

斉木(まあ、それでもこうしてちゃんと脱出できたんだ……とりあえずは良しとしよう)

斉木(果たして学園都市内で僕はどんな扱いになっている?とりあえず多少なりとも注目されてる可能性が高いな)

斉木(ちょうどいい、体験入学もこれで終わりだ……このまま僕の住んでいる街まで帰るとしよう)

909: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:41:52.39 ID:PuIFGlMg0
上条「斉木!」

斉木「!」

美琴「……悪かったわね、初対面のときは」

斉木(本当にな、あれは是非深く反省してほしい)

御坂妹「お元気で……とミサカは無難な別れの言葉を粛々と伝えます」

斉木(言うことないなら無理はしなくていい)

ステイル「……フッ、やってくれたね」

斉木(いや何を?)

917: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:48:11.40 ID:PuIFGlMg0
神裂「お元気で……」

斉木(……どうも)

神裂「聞き忘れてました……高校生のあなたから見て、私は一体何歳に見えているのでしょうか」

斉木「……18歳で」

神裂「斉木楠雄!必ず!また!会いましょうね!」

斉木(喜びすぎだろ、実年齢をそのまま口にしただけだぞ僕は)

神裂(初対面の方に十代に見られたのは生まれて初めてです!今日は赤飯ですね!)

(なんかすいませんでした)

930: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/24(金) 02:58:29.42 ID:PuIFGlMg0
一方通行「結局オマエ、何もねェまま終わったな……まあいいけどよォ」

一方通行「マルチスキルを持つレベルmの軌跡が見えたんだ……そンだけでもう言うことはねェ」

斉木(頭が切れたり、時には寝ていたり僕は君が最後までよく分からなかったよ)

上条「本当に……ありがとうな、最後は助けてくれて」

禁書「私ととうまのために命懸けで助けに来てくれて……ホントにありがとう!」

斉木「…………」



斉木(やはり、馴れないことをはするものじゃないな)

斉木(この僕が他人から感謝されるなんて……よほど目立つことをしたらしい)


斉木(まったく、とんだψ難だったな)

fin