1: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 02:22:58.97 ID:j9sEUTmY0
光太郎「俺が旅に出てからもう3年か……」

光太郎「あれから確かに世界は平和になった……けど」

佐原夫妻、怪魔界の民……それだけでなく、かつての親友
多くの犠牲を払って得た平和だ。


光太郎「ここは……見滝原か」



てつをの年齢はRX終了から大体3年後(年代ズレはそういう世界という事で……)
投下ペースは一週間に一度、一話ずつ土曜か日曜の予定
時々オリジナル設定出てきます。その都度解説します。解らない事あれば書き込みして頂ければ。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1341595377(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)

引用元: まどか「太陽の子?」 




2: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 02:34:28.30 ID:j9sEUTmY0
~見滝原中学校~
先生「はい、では今日は転校生を紹介します。じゃあ、暁美さん、いらっしゃい」

ほむら「……」

「うわ~」「髪長…」「すげえ美人……」

まどか「!?うそっ……まさか……」

先生「はい、じゃあ自己紹介しましょう!」

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

4: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 02:40:22.70 ID:j9sEUTmY0
~CD屋~

まどか「~♪」

??「助けてっ……」

まどか「えっ?」

??「僕を……助けてっ……まどか……!」

~デパートの中~
まどか「誰?誰なの?何処にいるの?あなた……誰?」

天上が崩れ、上から傷だらけの生き物が落ちてくる

まどか「!?あなたなの!?」

まどかが状況を把握しきる前にほむらが現れる

まどか「ほむら…ちゃん…?」

ほむら「そいつから離れて」

ゆっくりとまどかに近づくほむら
しかし消化器の煙がほむらの邪魔をする

さやか「まどか!こっち!」

まどか「さやかちゃん!」

ほむら「っ……こんな時に」

突然結界が現れる

さやか「何よあいつ、っていうかそれぬいぐるみじゃないよね!?……生き物?」

まどか「わかんないけど、とにかく、助けなきゃ!」

二人が逃げ出した瞬間、突然結界が二人を覆う

5: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 02:43:57.51 ID:j9sEUTmY0
まどか「変だよ……どんどん道が変わってく……」

さやか「ああ……もう!どうなってんのさ!」

まどか「っ……何かいる!?」

6: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 02:49:21.50 ID:j9sEUTmY0
~デパートの上階~
光太郎「はい!ありがとうございました!」

いくら戦士といえども、働かなければ生きて行けない。
旅の道中にあるホテルを宿とし、こうして行く先々で生活費を稼いでいるのである

店員「あ、じゃあ南さん、これあそこまで運んで行ってね」

光太郎「……ひぇ~、こんなに沢山ですか!?それは……」

店員「つべこべ言わないの!」

光太郎「……はーい……」

光太郎「すいませーん、どいてくださーい」

物を運ぼうとして、足に力を入れて踏み出した途端、路上に落ちてあったラムネ菓子に気付かず踏みつけてしまう。
ただそれは光太郎にとってただの偶然ではなかった。

7: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 02:52:44.57 ID:j9sEUTmY0
光太郎「っ……!?」

光太郎(嫌な予感がする……この街に来てからずっとだ……)

光太郎の改造人間として研ぎ澄まされた直感が魔女の結界の出現を僅かに捉えた

光太郎「すいません!ちょっとこれお願いします!」

店員B「えっ!?ちょっと」

任されていた荷物を無理矢理押しつけ
自分の直感に従い走っていく

8: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 02:56:29.40 ID:j9sEUTmY0
~デパートの中~

光太郎「ッ!?何だこれは……」

そこには結界の入り口が広がっていたが、今にも閉じそうだった

光太郎「もしかしたら中に人が閉じこめられているかもしれない!トゥアッ!」

閉じようとする瞬間にその結界の中に飛び込んだ

9: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 03:00:55.17 ID:j9sEUTmY0
~結界の中~

使い魔s「♪ ♪ ♪……」

さやか「冗談だよね?……悪い夢でも見てるんだよね!?ねぇ!まどか!」

使い魔が今にも襲いかかろうとした時

光太郎「トゥアッ!」

光太郎の拳が使い魔を一体吹き飛ばした

まどか「っ!?だ、誰……」

光太郎「大丈夫かい!?ここは危ない、だからどこか安全な場所へ!」

さやか「安全な場所ったって……」

光太郎「っ……さっきの入り口は既に閉じているのか……冗談じゃないぜ!」

10: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 03:05:48.91 ID:j9sEUTmY0
襲い来る使い魔の攻撃を避け、二人を庇いつつ使い魔と格闘。

光太郎(まずはこの二人を外へ避難させる事が最優先だ……)

光太郎は勢いよく腕を構える

光太郎「変身ッ!」

そのまま太陽を掴むように腕を掲げようとしたが

その瞬間光が使い魔を消滅させる


11: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 03:08:56.07 ID:j9sEUTmY0
??「危なかったわね……」

マミ「でも、もう大丈夫。」

金髪の女子中学生が歩み寄ってくる

マミ「あら、キュゥべえを助けてくれたの。ありがとう。」

光太郎「き……君はいったい何者なんだ?」

マミ「そうそう、自己紹介しないとね。でも……その前に」

マミ「ちょっと一仕事、片づけちゃっていいかしら!」

眩い光を纏って魔法少女へと変身するマミ

12: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 03:12:51.85 ID:j9sEUTmY0
光太郎(っ……これは……一体……)

変身と共に無限の魔弾で使い魔を一掃

まどか「す……すごい……」

結界は消滅

光太郎「っ!?元の世界に戻ったのか……」

さやか「た……助かった……」

安堵の空気が流れるが、そこにほむらが現れる

マミ「魔女は逃げたわ。仕留めたいならすぐに追いかけなさい。今回はあなたに譲ってあげる」

ほむら「私が用があるのは……」

マミ「飲み込みが悪いのね。見逃してあげる、って言ってるの」

マミ「お互い余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」

14: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 03:19:13.44 ID:j9sEUTmY0
ほむら「……」

立ち去ろうとするほむら

光太郎「っ……待って!」

四人「っ!?」

光太郎「君たち二人……何か知ってるみたいだけど……」

光太郎「何がどうなってるのか……教えてくれないか!?」

ほむら「……」

無視して立ち去るほむら

光太郎「あっ……」

マミ「貴方……」

光太郎「……そういえば自己紹介がまだだったね。俺、南光太郎。よろしく!」

マミ「はい。私は巴マミ。こちらこそよろしくお願いします。」

まどか「あっ、私鹿目まどかって言います!」

さやか「わ、わたしは美樹さやかって名前……です。」

15: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 03:22:35.44 ID:j9sEUTmY0
さやか(ちょ、ちょっとまどか!?こんな初対面の人に名前教えて良いの!?)

まどか(うん……さっき助けてくれたし、悪い人じゃなさそうだから……それに……)

まどか(この人、悪い人じゃないと思うんだ……)

さやか(……)

光太郎「じゃあ、マミちゃんに、まどかちゃんにさやかちゃんだね。」

マミ「互いに自己紹介も終わった所で・・・その子、ちょっといいかしら」

まどか「あっ……この子、怪我してて……」

マミのソウルジェムからの光がキュゥべえの傷を癒す

QB「ありがとう、マミ!」

マミ「お礼はこの子達に。私は通りかかっただけだから。」

16: ◆E91gIPDjV6 2012/07/07(土) 03:24:08.02 ID:j9sEUTmY0
QB「どうもありがとう。僕の名前はキュゥべえ!」

まどか「あなたが……私を呼んだの?」

QB「そうだよ。鹿目まどか、美樹さやか……あと、君は南光太郎だったね。君は僕が見えるのかい?」

光太郎「……うん、よろしく。」

QB「僕、君たちにお願いがあって来たんだ」

さやか「おねがい……?」

QB「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

                     つづく

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区) 2012/07/10(火) 01:41:42.57 ID:afYZeoRXo
── 帰宅後

仔ごまC「ウェピ…… オカアサ……」グスグス

家に帰ると、仔ごまが泣いていた。
悲しげに涙を流している。
ふむ、親ごまがいなくなったんだから自分が世話を看るしかないか。
哺乳瓶に牛乳を入れて……っと。
ほ~ら、仔ごまどかミルクだぞ~

仔ごまC「ウェヒッ! ミリュキュ~」ピッタンピッタン

鳴いたカラスがもう笑った。
現金な奴だ。
この様子なら、明日を待つまでもなく親ごまのことを忘れているかもしれないな。
減点1。

仔ごまC「ティヒヒヒヒッwwwwww ウマウマwwwwww」ゴクゴク

こいつの減点は2…… いや、今減ったから3か。
う~ん……

ヒョイ

仔ごまC「ティヒィ?」ナニ?

仔ごまを摘み上げて外に出る。
向かう先は例の杏ペンギンを飼っている家。
例の如く、庭先に仔ごまを投げ込んだ。

ポーイ

仔ごまC「ウェヒィ~ッ!?」

杏ペン「キューカイ!」ダッ!!

仔ごまC「ティギッ……!!」

ダイビングキャッチ。
相変わらずの芸達者だ。
撫でてやろう。

杏ペン「ウゼー、チョーウゼー……」ペシン

おぅふ、拒否られたでござる。

29: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:32:55.62 ID:i2mxQ+mv0
まどか・さやか「ま……魔法少女!?」

マミ「……なんて、急に言われても訳解らないわよね。」

さやか「は……はい。」

マミ「良かったら私の家に寄っていかない?丁度ケーキやお茶もあるのよ。」

マミ「もし良ければ南さんも」

光太郎「い……いや、そうしたいのは山々なんだけどさ……」

店員「……南さん、仕事放り出して何かと思いきや、こんな所で女の子と立ち話?」

光太郎「い……いや、その……」

光太郎(どうせ言った所で信じてくれる訳ないよな……)

かつてのゴルゴムやクライシスの侵略を忘れた訳ではあるまい
だがそんな出来事はわずか数年間で風化してしまった
ゴルゴムやクライシスが壊滅させられたのはニュースで大々的に報道され、
今更怪物が出た、等と言っても信じて貰えるはずが無い。

店員「ほっぽり出した分、きちんと埋め合わせて貰いますからね!」

光太郎「は……はい……。」

無理矢理連れて行かれる光太郎

三人「あ……」

30: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:34:45.25 ID:i2mxQ+mv0
~デパート上階~
店員「はいじゃあ、これ運んで、それ終わったら……。」

光太郎「……」

光太郎は魔法少女の存在を信じる事についてはあまり引っかかる点は無かった。
かつて共に戦った的場響子、ゴルゴムやクライシスのたくらみによって超能力を強化させられた者など、
ただの人間が超能力を使う姿は何度も見てきた。
それより気になるのはあの怪物達だ

光太郎(確か……魔女と言っていたな。ならあれは手下に過ぎないということか……。)

光太郎(魔女……魔法少女……一体何処から現れるんだ?この二つの関係性は……)

光太郎(それにあのキュゥべえという生き物も……契約……)

店員「聞いてるの!?」

光太郎「は、はいっ!?」

店員「いい加減にしてくださいね!次やったらクビですから!」

光太郎「ええ~……そりゃ無いですよ~……」

光太郎(とにかく、暫くはこの街に居る事にしよう。)

31: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:36:13.43 ID:i2mxQ+mv0
~マミの家~

QB「願いから産まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから産まれた存在なんだ」

マミ「理由のはっきりしない自殺や殺人事件は、かなりの確率で魔女の呪いが原因なのよ」

マミ「……キュゥべえに選ばれたあなたたちにはどんな願いでも叶えられるチャンスがあるの。」

マミ「でもそれは、死と隣あわせなの。」

マミ「そこで提案なんだけど、二人とも私の魔女退治につきあってみない?」

32: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:39:17.03 ID:i2mxQ+mv0
~学校~

さやか(キュゥべえ、学校についてきたら危ないんじゃないの?あの転校生、同じクラスだよ)

QB「むしろ、学校の方が安全だよ。マミもいるし」

マミ(話はちゃんと聞こえているわ)

ほむら(……何時の時間軸でも、美樹さやかと巴マミとは上手くやれないようね……)

ほむら(そんな事、いつも通りよ。それより気にかかるのはあの男……)

ほむら(今までの時間軸には居なかった……イレギュラーね。)

ほむら(それにこの世界、私が居た時とは歴史の流れが違う……)

ほむら(どうやらこの世界は数々の悪の組織に攻撃され、その度に何者かに守られて来た。)

ほむら(一つや二つではないわ。ショッカーから始まってゲルショッカー、デストロン……)

ほむら(……表向きには軍隊が倒した事になってるけど、仮面ライダーという都市伝説もある……目撃例も何件もあるわ。)

ほむら(異形の怪人……悪の組織……どちらかがインキュベーターの手下の可能性も否定できない。)

33: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:40:55.99 ID:i2mxQ+mv0
~公園~

光太郎「見たところ、異常は無いようだな」

この街には人知れず魔女の魔の手が迫っている事を知った光太郎は街をパトロールしていた。

光太郎「昨日、マミちゃんとあの女の子の会話を聞く限り、少なくとも魔女が一体はこの街のどこかに潜んでいるのは確かだ。」

公園付近には異常なしと見て、立ち去ろうとするがその瞬間
悲痛な親子の叫び声が響いた

光太郎「ッ!?」

すぐさま悲鳴の元に駆けつける
結界が出現、男の子を飲み込もうとしていた。

34: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:42:25.46 ID:i2mxQ+mv0
光太郎「ぐっ……!」

男の子を結界から引きずり出す。

光太郎「大丈夫かい!?さぁ、早くどこか安全な……」

男の子「ママが……ママが……」

光太郎「よし!お兄ちゃんに任せろ!」

結界内に飛び込む

光太郎(奴ら……恐らく結界に人を閉じこめて食い物にするつもりなんだろう……)

光太郎(そんなこと……この俺が許さんッ!!)




時を同じくして魔女の気配を追ってやって来たほむら。

ほむら(あの男……一人でいったいどうする気……?)

35: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:43:55.50 ID:i2mxQ+mv0
~結界内~
その結界の中には
床はピカソの絵画、周りを取り囲む使い魔もまるで芸術作品のような歪さだった。
そして中心に構える巨大な影。巨大な門のような姿
そのすぐ近くには男の子の母親と思わしき人が捕らわれていた

光太郎「!あそこだ!」

救出に走る光太郎だが、その周りを使い魔が取り囲む

光太郎「お前達に構っている暇は無いんだ!」

使い魔を殴り飛ばし、蹴り飛ばし光太郎はその人の元へ向かうが……

使い魔「ギギーッ!」

人形のような姿の使い魔が不規則な動きで光太郎を翻弄する
そして空中に浮遊するムンクの叫びを象った使い魔の放つ衝撃波。

光太郎「うっ!?ぐっ……」

その攻撃にたまらず倒れてしまう
その衝撃波には生物に幻覚を見せる効果があるのだ。

37: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:46:52.90 ID:i2mxQ+mv0
光太郎「ッ……変身ッ!!」


そう叫ぶと天高く腕を掲げ
太陽の力をその体に宿す。

39: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:50:21.49 ID:i2mxQ+mv0
RX「ハッ!」

その体から発せられる閃光が周りを囲む使い魔を消滅させる

RX「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK!R!X!」

使い魔「ギギーッ!」

新たな使い魔が衝撃波を放つも、強化されたRXの体には何の効果も与えられない。

RX「トァッ!」

人形のような使い魔も襲いかかるが、RXのジャンプから繰り出される連続蹴りであっけなく倒される。

イザベル「……」

RX「残るは貴様だけだ!」

使い魔を一掃し、魔女と向かい合う
捕らわれた人を救出すべく、RXは走り出した。

40: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:52:01.53 ID:i2mxQ+mv0
RX「ぐぁっ!?」

だが、魔女の門から現れる巨大な拳に吹き飛ばされる
そうしている内にもどんどん捕らわれた人が魔女に食われようとする。
そして魔女は使い魔を呼び出し、RXの周りを取り囲む

RX「ぐっ……こうなったら……アクロバッター!」

リストビットに呼びかけ、アクロバッターを呼ぶ。
アクロバッターは結界の壁を破り、RXの元に来る。

RX「よし、行くぞ!」

アクロバッター「」ブォンブォン

アクロバッターに乗り、勢いよく走り出す。
使い魔を蹴散らし進んで行く。

41: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:53:44.48 ID:i2mxQ+mv0
イザベル「ッ!」

魔女の門から飛び出した巨大な拳もアクロバッターの大ジャンプで回避。
RXは捕らわれている人の元へとたどり着く。

RX「大丈夫ですか!?」

女性「あなたは……うっ……」

RX「!?……気絶しているだけのようだ。」

女性を抱えたまま、魔女の放つ絵の具のような弾丸をくぐり抜け、離脱。

RX「ライドロンッ!」

リストビットからライドロンを呼び出す。
ライドロンも次元の壁を破り駆けつける。

RX「ライドロン!この人を守ってくれ!」

ライドロン「リョウカイ」

救出した女性をライドロンに託し、RXとアクロバッターはもう一度魔女と向かい合う。

42: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:54:51.81 ID:i2mxQ+mv0
アクロバッターと共に走り出す。
絵の具のような弾丸を放つが、RXを捕らえることはできない。

RX「トゥアッ!」

アクロバッターからさらにジャンプ、魔女の遙か上空から魔女へ手刀を振り下ろす

RX「ぐぁっ……!」

魔女は体をバリアで覆ってRXをはじき返す。
吹き飛ばされたRXに向かい、絵の具の弾丸を浴びせる。
RXはそれを回避、煙に紛れて高く舞う。

RX「RXッ……キィィィックッ!」

魔女がバリアを張ることのできない一瞬の隙を狙い
魔女の体の一部分を抉り取る。

RX「リボルケイン!」

43: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:56:07.64 ID:i2mxQ+mv0

光の杖・リボルケインを引き抜き、魔女に突撃。
巨大な拳の攻撃も、リボルケインに切り裂かれる。

RX「トアッ!」

魔女の体にリボルケインを突き立てようとするも、またバリアに防がれる。

RX「ぐっ……ぬううう!!」

怯まず、渾身の力を込め、リボルケインを突き立てる。

イザベル「……ッ!?」

魔女のバリアが砕け、リボルケインが魔女の体に突き刺さる
エネルギーを送り込み、勢いよく引き抜く。魔女は体から火花を散らし
大爆発、結界も消滅。

44: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:57:15.59 ID:i2mxQ+mv0
RX「……手下がこの前とは違う……。恐らくマミちゃんが言ってたのとは別個体だろう……」

RX「それに……これは……何だ……?」

足下に転がり落ちたグリーフシードを拾い上げる。

45: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 17:58:57.93 ID:i2mxQ+mv0
~公園~

男の子「!ママは!?」

光太郎「大丈夫!ほら、ちゃんと助けたから。」

母親を子供の元へ返して、光太郎はその場を去ろうとする。



光太郎(ッ!?たしかあの女の子は……)

ほむら(あの男……やっぱり……)

ほむらは結界でRXの戦いを見ていた。
先ほどまで本当かどうか解らなかった都市伝説が目の前で戦ったのだ。

光太郎「君!ちょっと待って!」

走ってほむらの元に向かう。
ほむらも逃げるが、追いつかれるのも時間の問題だ。

46: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 18:00:21.60 ID:i2mxQ+mv0
ほむら(下手に介入されても面倒な事になるかもしれない……)

ほむら(魔女を倒したという事は……インキュベーターの手下という線は薄れたけども)

ほむら(……もし魔女を倒すのが目的なら、魔法少女の真実を知ったら魔法少女……それにまどかも殺すかもしれない。)

ほむら(あの男の目的が解るまで様子を見ることにするわ)

ほむらは変身し、時間を止め、去ろうとする。

光太郎「ちょ、ちょっと待ってよ!聞きたい事があるんだ!それになんで時間が……!?」

ほむら「なっ……時間停止が通用しない……!?」

光太郎「君……あの怪物の事、知っているんだろう!?だから……うわっ!?」

ほむらは閃光手榴弾を投げ、光太郎から逃げる

光太郎「……どうして逃げるんだろう」

光太郎「それに……これは……」

光太郎「……でもこれを調べれば、魔女という物について何かわかるかもしれないな!」

47: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 18:01:07.39 ID:i2mxQ+mv0

QB「……いつか気付くと思ってたけど、予想以上に早かったね。」

QB「魔女も倒せるとなると……早めに手を打っておく必要がありそうだ。」

48: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 18:01:57.52 ID:i2mxQ+mv0
~薔薇の魔女結界~

マミ「ティロ・フィナーレ!」

ゲルトルート「グゥゥゥ!?」

結界が消滅する。

さやか「す……すごい……あんなでかいのを……」

まどか「マミさん……格好いい……!」

マミ「……これが、魔女を倒して得られる、グリーフシードよ。」

マミ「これを使って消耗したソウルジェムの穢れを取り除くのよ。」

マミ「……あと一度くらいは使えるはずよ。」

49: ◆E91gIPDjV6 2012/07/13(金) 18:02:46.29 ID:i2mxQ+mv0
ほむら「貴方の獲物よ。貴方だけの物にすれば良い。」

そういってほむらが去る

さやか「感じ悪いやつ!」

ほむら(……この状況での巴マミの死亡する日……3日後だったわね。)

ほむら(巴マミとはウマが合わないのだけれど、ワルプルギスの夜を倒す戦力としては大きいわ。生きていて貰うに越したことは無い。)

ほむら(巴マミが死ぬ……もしその時あの男が何らかの行動を起こせば……)

ほむら(もし何か企んでいるとしたら、目的が掴めるかもしれないわ。)


つづく

58: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:33:19.98 ID:UgbYo7M80
~帰り道~

マミ「じゃあ、また明日ね。」

まどか・さやか「さような……あ!」

光太郎「……あっ!まどかちゃんにさやかちゃん!」

マミ「あら……光太郎さん。 ……!?どうしてグリーフシードを!?」

光太郎「ん……まぁ、ちょっとね。 ……それと、丁度良かった、これについて色々聞きたい事あるんだけど……」

マミ「まぁ……立ち話もどうかと思いますし、私の家に寄っていきませんか?」

59: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:35:22.88 ID:UgbYo7M80
~マミの家~
光太郎「で……その、魔女っていうのはいったい何で、どういう風にして現れるのかな」

光太郎はマミから一通り、ソウルジェム、グリーフシードの使用法などを説明された。

マミ「それは……ただ、魔女は絶望を振りまく存在……」

マミ「理由の無い自殺、犯罪なんかも魔女が引き起こす物……」

マミは自分の知りうる範囲の事を全て話した。
しかしマミは核心的な部分については何一つキュゥべえから説明されていない。

マミ「……ごめんなさい。この場にキュゥべえがいるならすぐにでも聞けたんですけど……」

光太郎「い、いや、マミちゃんのせいじゃ無いよ!……それじゃあ魔法少女ってのは……」

マミ「キュゥべえに願い事を一つ叶えて貰って、その代償としてソウルジェムが生まれるんです。」

マミ「そうして魔女を狩る使命を持った女の子の事です。」

60: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:37:29.72 ID:UgbYo7M80
光太郎「キュゥべえ……は確か、あの白い生き物……」

さやか「どうやら願い事ならどんな事でも叶えてくれるみたいなんです。」

マミ「本当は魔法少女の素質がある女の子にしか見えないんですけどね……」

まどか「そういえばマミさんはどんな事願ったんですか?」

まどか「それに、どうして誰かの為に戦うって決めたんですか?」

マミ「私は……」

まどか「ああ、いや、どうしても聞きたいって訳じゃなくて……」

マミ「…私には、何も考えている余地なんて無かった。あの時は生きる事で精一杯だった。」

61: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:38:43.93 ID:UgbYo7M80
~数年前~

マミ「助けてっ……誰か……」

チャップ「ウガッ!」

ダスマダーの命令により行われる、クライシスの人間狩り。
体の強い人間は奴隷として捕らえ、それ以外は皆殺しにするという計画だ。

マミの母「逃げてー!」

マミの父「マミ……お前だけでも逃げなさい……!」

マミ「お父さん!お母さん!」

両親の最期の姿を直視出来ず、涙を飲んで逃げる。

62: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:40:16.57 ID:UgbYo7M80
マミ「わぁぁ!」

だがチャップ達はいくら逃げても追ってくる。

チャップ「ウ……」

突然チャップの胸元に刺さる矢。

響子「さぁ、早く逃げて!」

マミ「貴方は……」

玲子「こっち!」

手を引っ張られ、物陰に隠れる。

玲子「ここなら大丈夫だから。」

マミ「うぅ……お父さん……お母さん……」

チャップ「ウガッ」

玲子「気付かれたみたいだわ!」

マミの手を引き逃げるも襲いかかってくるチャップに分断される。

63: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:43:26.79 ID:UgbYo7M80
マミ「うわぁぁ!」

また、がむしゃらに逃げ出す。

マミ「う……」

逃げた物の、子供の走る速さ程度ではすぐに路地裏に追いつめられてしまう。

マミ「たすけ……」

QB「それが君の願いかい?」

マミ「だ、誰!?」

QB「君の願いを言いなよ。何でも一つ叶えてあげる。」

マミ「助けて……私を……助けて……!」

QB「契約完了だね。」

マミを囲むチャップが消滅する。

マミ「え……!?」

64: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:44:44.52 ID:UgbYo7M80
マミ「だからあなた達みたいな人にはちゃんと考えて決めて欲しいの。私に出来なかったことだから。」

マミ「それに私は今でも後悔してるわ。自分だけ助かろうとしてお父さんやお母さんを助けられなかった。」

マミ「だから、せめて自分勝手な願いで手に入れた力は、誰かの為に使おう、って決めたの。」

さやか「っ……」

光太郎「……まぁ、さやかちゃん、まどかちゃん、どんな事だって叶えてくれるんだ。」


光太郎「何も今急がなくたっていいだろう?いつか、どうしても叶えたい願いが出てくるかもしれない。」

光太郎「それに、一つの願いと引き替えに、自分の命を賭けて戦う事になるんだ……簡単に決めない方が良い。」

光太郎「だから、よく考えるに越した事は無いと思うよ」

さやか(……)

65: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:45:39.72 ID:UgbYo7M80
光太郎「……それと、マミちゃん、今日は妙な事聞いて悪かったね。お茶やケーキまでご馳走になって……ありがとう!俺は今日この辺でさよならするよ」

マミ「あ……はい。」

光太郎「じゃあ、またね。」

66: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:46:46.76 ID:UgbYo7M80
~ホテルへ向かう帰り道~

光太郎(ソウルジェムにグリーフシード・・・)

光太郎(魔法少女に魔女……この二つにこの謎を解く鍵があるのは間違いない。)

光太郎(まずはこのグリーフシードを調べてみる必要があるな。)

67: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:48:19.92 ID:UgbYo7M80
~使い魔の結界内~
マミ「ティロ・フィナーレ!」

使い魔「ーッ!」

マミの必殺技が使い魔を撃破する。

さやか「やっぱりマミさんは格好いいね!」

マミ「もう……見せ物じゃないのよ。」

68: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:49:16.09 ID:UgbYo7M80
~ホテル内~

光太郎「……」

グリーフシードを顕微鏡で観察する。

光太郎(確か、これは言うなら魔女の卵……それとソウルジェムの穢れを取り除くのに必要でもある物)

光太郎(これは一度も使われてないから空っぽの状態……確かにエネルギーは全く感じられない。)

光太郎(これに穢れを溜め込みすぎるともう一度魔女が孵化する。)

光太郎(……?なら……ソウルジェムに穢れを溜め込みすぎるとどうなるんだ……?)

光太郎「って、もうこんな時間だ!この前怒られたばっかりなのに、遅刻したら今度こそクビになってしまうぞ!冗談じゃないぜ!」

ホテルから飛び出す光太郎

69: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:50:28.34 ID:UgbYo7M80
~病院~

さやか「お待たせ……恭介には逢えなかったよ。都合悪いみたいでさ。」

まどか「あは……それは残念だったね」

さやか「わざわざ来てやったのに、失礼しちゃうわよね!……ってアレ!?」

まどか「あ……あれは……」

QB「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」


さやかとキュゥべえがその場に残り
まどかが急ぎ足でマミを呼びに行く

70: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:52:10.85 ID:UgbYo7M80
~結界内~

まどか「間に合って良かった……」

マミ「無茶しすぎ……って怒りたいところだけど、これは冴えた手だったわ。」

マミ「これなら魔女を取り逃がす心配も……」

まどか「……あっ……」

結界に進入した二人の前にほむらが現れる

マミ「言ったはずよね……?もう二度と会いたくないって。」

ほむら「今回の獲物は私が狩る。貴方は手を引いて。二人の安全は保証するわ。」

マミ「信用すると思って?」

ほむらの体をマミのリボンが拘束する

ほむら「ば……バカっ、こんな事やってる場合じゃ……ぐっ……誰かっ……!!!」

71: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:53:25.91 ID:UgbYo7M80
~街の中~
光太郎「よし……とりあえず普通に行けば間に合うな。」

(ほむら「ぐっ……誰かっ……」)

光太郎(……!?今、誰かの声が……聞き覚えのある……)

女性「あ……わああああ!!!誰か!!!」

そこにあまりの恐怖に錯乱状態となった中年女性が叫びながらやってきた。

光太郎「!?どうしたんですか!いったい!」

女性「あ……目の前で人が消えたのよ……二人……ピンクの髪の子と黄色の髪の子が……」

光太郎(……魔女か!?それに消えた二人……まさかまどかちゃんとマミちゃんじゃ……!)

光太郎(やはりさっきの声は気のせいじゃなかったか!)「……どこですか!?」

女性「ああ……あっちの病院で……!」

72: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:54:35.35 ID:UgbYo7M80
~病院~

光太郎「ここだ……きっとここに違いない!」

光太郎「だが……結界の入り口は完全に閉じて……くそっ……」

光太郎「誰かー!中に誰かいるのかー!?」


~結界内~

ほむら「……うっ……」

(光太郎「誰かー!中に誰かいるのかー!?」)

ほむら「うっ……ぐっ……!」

ほむらは魔法を封じられた状態だが、結界の入り口を少し開ける程度ならなんとか出来た。

~病院~
光太郎「!!結界の入り口が……」

光太郎「今行くぞッ!」

73: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:55:59.58 ID:UgbYo7M80
~結界内~

光太郎「……!君は確かあの時の……!」

ほむら(この男……あの時の……下手に接触するのは避けたかったけど、仕方無いわ……)

ほむら(魔女を倒すのが目的なら、ひとまず巴マミは助かるかも知れない)

ほむら「……私の事は今はいいわ!早く結界の奥まで行って!巴マミが……!」

光太郎「……すまない、後で必ず助けるから!」

結界の奥へ走る

74: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:57:16.67 ID:UgbYo7M80
~結界最深部~

マミ「体が軽い……!こんな幸せな気持ちで戦うの初めて……!もう何も恐くない……!」

魔弾の舞踏が、数十にもなる使い魔達を一気に消滅させる。
そして、最後は魔女を倒すのみとなった。

マミ「お待たせ。」

QB「気をつけて!出てくるよ!」

お菓子の箱のような物から生まれた魔女は、まるでぬいぐるみのような物だった。

マミ「せっかくのとこ悪いけど、一気に決めさせて貰うわよ!ティロ・フィナーレ!!」

さやか「やったぁ!」

巨大な大砲がぬいぐるみのような魔女を撃破した……かのように思えた。

シャルロッテ「♪♪」

マミ「……?」

巨大な口がマミの頭を今にも噛み砕こうとしていた。

75: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:58:23.17 ID:UgbYo7M80
光太郎「!!!危ない!」

奥にたどり着いた光太郎が、飛び出した。
間一髪で魔女の大口からマミを助け出す。

光太郎「危なかった……しっかりするんだ!」

マミ「え……えぇ……!?」

突然現れた光太郎、そして今まで陥る事の無かった状況にマミは震え、その場に座り込んで動けなくなった。

光太郎「来いッ!この俺が相手だッ!」

魔女と向かい合う。

まどか「そ……そんな……ただの人間なのに無理だよぉ……」

76: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 04:59:14.06 ID:UgbYo7M80
~結界内部~
ほむら「っ……!」

リボンによって魔力を封じられたほむらだったが、マミの戦意喪失によって拘束魔法が緩んだ。

ほむら「今なら……!」

魔法少女へ変身し、拘束を解き放ち、結界の最深部へ。

ほむら(巴マミは助かったのかしら……)


77: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:00:41.16 ID:UgbYo7M80
~結界最深部~

光太郎「トアッ!」

シャルロッテ「!!」

今にも光太郎を食らおうとする魔女。
光太郎はそれを身軽な動きで避け続けた。

まどか「凄い……普通の人間なのに……」

QB「でもあれじゃあ、防戦一方だ。魔女にはまともなダメージも与えられていないだろう?」

QB「マミが戦意を取り戻すのもしばらくは無理だろう。あの男を救いたかったら、僕と契約して……」

キュゥべえが二人を勧誘する。
だが二人の脳裏には先ほどの出来事が脳裏に焼き付いていた。
自分が行った所で勝てるのだろうかという恐怖が彼女たちを止めていた。

シャルロッテ「!!!」

魔女が勢いよく光太郎に食らいつく。

78: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:01:55.91 ID:UgbYo7M80
光太郎「トゥアっ!」

ジャンプで避け、魔女の頭を踏み台にしてさらに高く舞う。

光太郎「変身ッ!」

結界に配置された高台に着地、天へ腕を掲げる。
その鋭い瞳が正義の火花を散らし、無限の太陽のエネルギーをその体に滾らせる

まどか「あ……あれって……まさか……」

さやか「仮面……ライダー!?本当にいたのかよ!?」

QB「……」

79: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:03:26.24 ID:UgbYo7M80
RX「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK!R! X! 」

体から放つ閃光が魔女を怯ませる。

RX「行くぞッ!」

高台から飛び降り、魔女の額に渾身のチョップ。
魔女はたまらず地に伏した。

シャルロッテ「……!!!!」

だが体制を立て直しRXへ食らいつくべく突進。

RX「ぐぁっ!」

直撃は避けたが、その牙はRXを切り裂いた。

80: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:05:11.29 ID:UgbYo7M80
RX「なんて破壊力だ……!あんなのに噛みつかれたらひとたまりも無いぞ!」

その瞬間、魔女の体を弾丸が襲った

ほむら「……」

まどか「ほむらちゃん……」

さやか「転校生……」

だが魔女は傷ついた体を破り捨て、新たな体へ。

RX「ヤツは脱皮まで出来るのか!?」

ほむら「その魔女を倒すには、まずは本体を叩く必要があるわ。本体を叩けばそいつも弱る。」

ほむら「そしてそうなったら体内に強力な攻撃をするのよ。そうすれば脱皮が追いつかなくなる。」

ほむら「貴方はそいつを引きつけて。私はその間に本体を叩く。」

RX「解った!」

この魔女には遠距離から攻撃する手だてが無い。一人が魔女を引きつけてもう一人が本体を叩けば案外簡単だ。

81: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:06:45.90 ID:UgbYo7M80
だが……

シャルロッテ「!!!」

RX「ぐっ!」

ほむら「!?きゃぁっ!?」

シャルロッテの口から火炎弾が放たれた。

それはほむらを本体の立つ高台ごと攻撃した。

ほむら「……くっ……」

すんでの所で盾で防ぎ、魔力で落下速度を軽減させ、幸い致命傷にはならなかった。
だが体に火傷を負い、痛みでまともに動けなくなる。

ほむら(おかしい……今まではヤツにあんな能力無かったのに……!)

さらにシャルロッテは三つに分裂した。
内一体がほむらに襲いかかる。

82: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:07:55.93 ID:UgbYo7M80
RX「くっ……まずい!」

RXはほむらへ襲いかかろうとする一体の尾を掴み止めるが、その隙に2体がRXの肩や足に噛みつく。
一つになっている時より威力は落ちているが、それでも生身の人間である魔法少女の体を噛み砕くには十分すぎる威力だ。

RX「ぐあっ……ぐっ……トアッ!」

掴んでいる魔女を投げ飛ばした。
すると噛みついていた魔女も離れ、3体が融合し再び一つの巨大な元の姿へ。

シャルロッテ「 ♪ ♪ ♪」

巨大な口がRXの体に食らいついた

83: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:08:40.91 ID:UgbYo7M80
まどか「……!!」

さやか「うっ……」

仮面ライダーが現れていた事に安心していた二人だが、この光景には目を覆わずにはいられなかった。

まどか「……そんな……」

魔女の口の中からボロボロと何かがこぼれ落ちる

84: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:10:16.52 ID:UgbYo7M80
ロボライダー「……その程度の攻撃で俺を倒せると思っていたか!」

だがそれはRXの体から出た物ではなく、砕けた魔女の牙の破片だった。

ほむら「!?」

RXはロボライダーへと変身し魔女の牙を体で受け止めていた。

ロボライダー「俺は炎の王子!RX!ロボライダー!」

シャルロッテ「!!!」

口から火炎を放つが、ロボライダーには全く通用しなかった。
今度は体当たりをする魔女。

ロボライダー「トァッ!」

だがロボライダーのパンチで結界の壁まで吹き飛ばされてしまう。

ロボライダー「ボルテックシューター!」

壁に打ち付けられた魔女にボルテックシューターを放つ。
大きな爆発を起こすが、同時に分身し襲いかかる。

ロボライダー「ロボイザー!」

アクロバッターの変身した姿、ロボイザーを呼び出す。
向かってくる魔女を猛スピードで跳ね飛ばし、マフラーから放つ弾丸で蜂の巣にする。
だが、再び脱皮。戦況はRXが断然有利だが、決め手を打つ事が出来ない。

85: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:12:13.96 ID:UgbYo7M80
ほむら(うっ……ぐっ……)

致命傷にはならなかったが、全身に傷を負い、動けなくなったほむら。
魔女の本体は遠くへ投げ出されているが、普段であれば狙って当てられない距離ではない。
だがまともに立つ事すらできず、今の状態で兵器を扱った所でまともに当てられないのは予想がついた。

ほむら(でも……あいつを叩くには……今しか……)




マミ「……」

マミ(な……何やってるのよ私は……さっきので怖じ気づいた訳……?)

マミ(ダメ……目の前で人が苦しんでいるのに……これじゃあ……)

マミ(私は誰かを助ける為に魔法少女として戦っているのよ……たとえ誰であっても、助けが必要なら……絶対に助ける……!)

マミは意を決して立ち上がる。

マミ(確か……あの本体を叩けば……)

震える足を無理矢理立たせ、震えた腕で銃を作り出し本体に向かって放つ。

マミ「……っ!」

だがそんな状態ではまともに当たらない。
普段は何ともないはずの銃の反動だけで腰が抜け、その場へ倒れてしまいそうになる程だ。

マミ「……ぐっ……うぅぅぅ!」

震える拳を握りしめ、空中に何十もの銃を出現させる。
そして、そこから放たれる無限の魔弾が本体へと向かう。
当たったのはほんの数発だったが、ぬいぐるみのような本体を消滅させるのには十分だった。
本体はその銃弾に体を燃やされ消滅。

86: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:13:10.35 ID:UgbYo7M80
シャルロッテ「???」

ロボライダー「今だ!」

弱った魔女を殴り飛ばし、また一つへと合体させる。
上を向いてぐったりする魔女だが、そこへ大きく跳躍し、

ロボライダー「トゥアッ!!!」

その口目掛けて必殺の「ハードショット」を打ち込む。

シャルロッテ「!?!?!?!?!?」

魔女の大爆発と共に結界は消滅。

87: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:14:11.23 ID:UgbYo7M80
~病院~
まどか「戻った……」

さやか「助かった……」

ほむら「うっ……」

マミ「……」

まどか「マミさん!ほむらちゃん!」

光太郎「大丈夫か!?二人とも!?」

マミ「……」

マミはほむらの元へ手を差し出し、黄色に光る光でほむらの体を治癒させた。

マミ「暁美さん……本当にごめんなさい。私……貴方の事、誤解してた……。なんて詫びれば良いのか……。」

マミはほむらの事をグリーフシードの為に戦う魔法少女だと思っていた。
だが彼女が言った事は、グリーフシードを手に入れる為の嘘でもなんでもなく、真実だった。

88: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:17:05.14 ID:UgbYo7M80
ほむら「いえ……構わないわ。」

体が完治したほむらは立ち去る。

ほむら「このグリーフシードは貴方に譲るわ。」

光太郎(とりあえず二人が仲直りしたようで良かった。)

光太郎「マミちゃん、一人で歩けるかい?」

マミ「はい……大丈夫です。」

マミの足の震えは歩く事に支障がない程度に治まっていた。

光太郎「なら良かった……。まどかちゃん、さやかちゃん、マミちゃんの事、頼むよ」

ほむら(あの男……巴マミを助けた……)

ほむら(何か企んでいる訳では無さそうね。打算的な物は感じられなかったわ。)

ほむら(『今』はあの男が敵ではない事は確かよ。)


89: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:18:08.04 ID:UgbYo7M80
~街中~

光太郎(……もう1時間も遅刻してる……)

光太郎(なんてことだ……これじゃクビも……)

これからの生活の事を考える光太郎だったが、二つの怪しい黒ずくめの格好の男達が魔女の結界が現れた方向からどこかへ行くのが目についた。

光太郎(何だあいつらは……後をつけてみよう。)

90: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:19:03.34 ID:UgbYo7M80
~路地裏~

???A「魔女と怪人の合成実験は成功したようだな。」

???B「だがRXを倒すにはまだまだだ。もっと強い怪人、魔女を使わなければRXは倒せまい。」

光太郎(魔女と怪人の合成だと!?まさかクライシスが……)

光太郎(いや……だが怪魔界は滅びたはず……)

???A「!?誰だっ!?」

光太郎「貴様らの目的は何だ!」

???A「なっ!?南光太郎!?」

謎の男の二人組は棍棒を取り出し、光太郎に襲いかかる。

だが光太郎はそれを避け、その二人を投げ飛ばす。

91: ◆E91gIPDjV6 2012/07/21(土) 05:20:07.95 ID:UgbYo7M80
???A・B「ぐうう…… ウガッ……」
光太郎「なっ……コイツは……!?」

男達の変装が解ける。
そこから現れたのは見覚えのある姿。

光太郎「こいつは……クライシスの兵士、チャップじゃないか!!」

つづく

103: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 18:52:05.59 ID:V9sJnZEt0
~学校~
ほむら(次は移動教室……)

ほむら(……)

ほむら「巴マミ……コソコソ隠れて何やってるの。言いたい事があるなら出てきなさい」

壁に隠れてほむらの後を着けてきた巴マミ。

マミ「……」

マミ「昨日の事……謝ろうと思って……」

ほむら「……後にして頂戴。それに今日だけで3回目よ。」

ほむらは怪我はしたもののマミとは少なくとも険悪な関係にはならずに済んだ。
しかしそれ以上に気掛かりな事が胸に引っかかる。

ほむら(あの魔女……今までに無い攻撃をしてきた……。)

ほむら(時間軸によって多少の行動に違いはあったけれども、あそこまでの違いは無かった……)

ほむら(私の想像もつかないような異常事態が起こっている……?)

ほむら(この時間軸にはイレギュラーが多すぎる……関係があるのは間違いないわ……)

マミ「あっ……授業に遅れちゃう」


104: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 18:53:12.71 ID:V9sJnZEt0
~街~

光太郎「……どういう事だ!?怪魔界は確かに消滅した……」

光太郎「いや……地球に逃げてきた連中がいてもおかしくはない……」

光太郎「だがこいつらは明かに何かを企んでいた……」

光太郎「つまり……誰かが上でこいつらを動かしていたに違いない……なら、誰が……」

光太郎はチャップの持ち物を探ってみた。すると、謎の機械が出てきた。
それはまるで天秤のような形をした機械。

光太郎「とにかくこれを調べてみよう……」

105: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 18:55:23.90 ID:V9sJnZEt0
~学校屋上~
QB「……そうか。でも、それなら仕方ない。」

まどか「……もしあそこで……誰も助けに来てくれなかったら……」

まどか「そう考えただけで……マミさんがどうなってたかって……」

まどか「考えただけで……胸が苦しくなって……」

さやか「仕方ないよ……私だって……」

QB「僕の立場で無理強いはできないよ。」

QB「短い間だったけど。ありがとう。」


さやか(どうしてよ……どうしてなのよ……)

さやか(ここはあたしがマミさんと一緒に戦うって立ち上がるべきじゃないの……)

さやか(なんで……踏み出せないのよ……!)

106: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 18:57:41.79 ID:V9sJnZEt0
~病院~
恭介「さやかは……僕を虐めているのかい……?」

さやか「えっ……?」

恭介「もう聴きたくなんかないんだよッ!自分で弾けもしない曲、ただ聴いてるだけなんてッ!」

恭介「僕は……僕は……」

恭介「僕の手はもう二度と動かないんだ……不思議な事でもない限り治らないんだ……」

さやか「っ……ごめん……。」

さやか「でも、絶対、治るよ!絶対……」

恭介「ごめん……今日は……もう、出てってくれないか。」

~病院前~

さやか(……)

さやか「……今が、これが私の絶対叶えたい願い。」

さやか「恭介を救って、マミさんも光太郎さんも助ける……これがきっと、私のやるべき事……」

QB「……」

107: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 18:59:19.11 ID:V9sJnZEt0
~街~

まどか「ほむらちゃん、マミさんとは仲直りしたみたいで良かった……」

まどか「……仁美ちゃん……?」

仁美「あらまどかさん、ごきげんよう。」

まどか「何処行くの?……!」

まどか(これ……魔女の口づけ……!)

仁美「是非まどかさんもご一緒に……」

まどか「えっ……そ、そうだ、マミさんに連絡しなきゃ!」

まどか「…うっ…繋がらない……!こんな時に……」

108: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:00:29.45 ID:V9sJnZEt0
~工場~

まどか「ああ……あれ、危ないんだよ!みんな死んじゃうよ!」

仁美「邪魔をしてはいけません。あれは神聖な儀式ですのよ」

仁美「それが……どんなに素敵なことかわかりませんか……?」




~工場付近~
そこでは魔女に魅入られ工場へ向かおうとする人がユラユラと歩いていた

???「おい!こんな大勢で何処行くんだよ!」

???「クソ……返事もしねぇ……きっと何かに操られてるんだな……」

???「クライシスの連中を見かけて追いかけてきたら……奴ら、また何か企んでやがるな……」


109: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:01:18.63 ID:V9sJnZEt0
~工場~

まどか「だめぇぇ!!」

???「おい!お前ら……それ……」

???「こんなモノ……こうだッ!」

薬品を遠くまで投げ飛ばす。

???「お嬢ちゃん!大丈夫か!?」

まどか「えっ……貴方は……」

ジョー「俺か……俺はなぁ、霞のジョーってんだ!」

110: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:02:36.88 ID:V9sJnZEt0
ジョー「とにかく、今はこのヤバそうな連中から逃げるぜ!」

追っ手を振り払いまどかの手を引き、工場の部屋に逃げ込む

ジョー「ここまでくりゃとりあえず安心……ってええ!?」

魔女の結界に飲み込まれる
使い魔が現れ、二人を連れて行こうとする。

ジョー「クッ……こいつら、クライシスか何かの手先か……仕方ねぇ。」

ジョー「お嬢ちゃんは下がってな!こいつらは俺がなんとかする!」
ジョーは武器を構え、使い魔に投げつける

111: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:04:14.81 ID:V9sJnZEt0
だが使い魔は無数に沸いてくる。体術で振り払うがとうとう捕まってしまう。

ジョー「離せっ……ってう、腕がぁっ!?」

危うく使い魔に持ち去られそうになったとき、結界にヒビが入る。

光太郎「トゥアッ!」

そこにはアクロバッターの力を借り、結界を破って進入した光太郎。

光太郎「まどかちゃん、大丈夫かい!?って……ジョー!?何故ここに!?」

ジョー「兄貴ィ!と、とりあえず助けてくれよぉ!」

ジョーにしがみつく使い魔を殴り飛ばし、ジョーを救出する
だが使い魔が二人を取り囲む。

ジョー「兄貴、今は説明してる暇はねぇ……こいつらをやっつけようぜ!」

光太郎「ああ!俺たちでこの魔女を倒すぞ!」

ジョー「おう!……って、魔女? ……説明は後か。」

光太郎「まどかちゃんは後ろに下がってて!」

光太郎とジョーが沸いてくる使い魔を次々打ち倒す。

112: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:05:42.31 ID:V9sJnZEt0
そこに現れる魔女。

エリー「……」

光太郎「あれがこの結界の魔女か!」

使い魔を一通り蹴散らした光太郎が魔女に立ち向かおうとする。

だが魔女はそのモニターに映像を映し出す。
その映像は光太郎のトラウマを抉る物。光太郎の記憶から映し出した物だ。
父親を守れなかった事、信彦を自らの手で殺めた事……。

光太郎「ッ……」

一時的に戦意喪失する光太郎。
背後から使い魔が迫る。

113: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:06:51.12 ID:V9sJnZEt0
~街~
ほむら「魔女の結界……こっちだわ。」

ほむら「今日は美樹さやかが魔法少女になるか、ならないか……」

ほむら「ただ、この状況だとなっているでしょうね。恐らく……。」

さやかが魔法少女になるということは、貴重な戦力を得るか、失うか。
その極端な二択を迫られるという事。

ほむら「何にせよ……急がないと。」

結界へ急ぐほむら

ほむら「……何!?この魔女より、もっと強大な魔女の波動が……!?」

さらに強大な魔女の反応がほむらのソウルジェムに届く。

ほむら(……でも、あっちにはまどかが……)

箱の魔女の方へ急ごうとするも、その強大な魔女の作り出した結界に飲み込まれる。

114: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:07:56.12 ID:V9sJnZEt0
~箱の魔女結界~

光太郎「ッ……」

後ろから今にも使い魔が光太郎を捕らえようと迫る。

光太郎「……もう二度と……あのような悲劇は繰り返させはせんッ!」

光太郎「変身ッ!!」

光太郎の体は仮面ライダーへ変わる。
その閃光が使い魔を消し去る。

RX「俺は太陽の子!仮面ライダーBLACK!R!X!」

RX「人々を操り……命を食おうなど、この俺が許さんッ!!」

使い魔をなぎ倒す。だが魔女はさらに使い魔を増やす。

115: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:08:59.41 ID:V9sJnZEt0
ロボライダー「RX!ロボライダー!」

ロボライダーに変身し、ボルテックシューターで使い魔を打ち抜く。
ほんの数秒で使い魔は全滅する。

エリー「!!!」

魔女は使い魔をさらに大勢召還。
そして魔女は結界の奥へと逃走。

ロボライダー「ッ……待てッ!!」

追いかけようとするも、大勢の使い魔がロボライダーを取り囲む。
ここで追いかけてしまえば、まどかに危険が及ぶ。

ロボライダー「ジョー!早く片づけて奴を追いかけるぞ!」

ジョー「おう!」

116: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:12:17.46 ID:V9sJnZEt0
~結界深部~

エリー「……」

そこには二人を撒いて逃げてきた魔女。

エリー「……?」

さやか「はぁぁぁ!!!」

突然魔法少女となったさやかが魔女へ突撃。
魔女はその攻撃を真っ正面から受け、吹っ飛ばされる

エリー「……」

魔女はさやかに向け使い魔を数体放つ。

さやか「はぁぁ!はぁっ!」

大振りな動きで一体ずつ使い魔を切り倒す

117: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:13:59.04 ID:V9sJnZEt0
さやか「はぁっ……はぁっ……これでっ……最後っ!!」

さやか「あとは……お前だけだぁッ!」
使い魔を全て切り倒し、剣を握り治し魔女へ立ち向かう。

エリー「……!」

だがその瞬間、箱の魔女の体から3対の発射口が出現
そこからミサイルを放つ

さやか「きゃあっ!?」

ギリギリの所で身をそらし、なんとか直撃こそ避けたものの、爆風に飲み込まれ吹き飛ばされる。

さやか「うっ……く……」

体に火傷を負うも、その魔法で体の傷をすぐに癒す。

さやか「くっ……負けない……んだからぁっ!」

再び放たれるミサイル
だがさやかは魔法で壁を作り出し防ぐ。

さやか「ぐ……ぁ……」
まだ魔法の使い方に慣れてなく、ミサイルの衝撃で壁は破壊された。
だが威力は軽減され、なんとか持ちこたえた。

さやか(このまま近づいて……渾身の一撃を……勝てる!)

118: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:17:11.42 ID:V9sJnZEt0
意を決し壁を作る魔法を腕に集中させ近づくさやか

エリー「……!!!」

さやか「あっ……ちょっ……離せよっ……!」

背後から現れた使い魔に両腕を捕まれ動きを封じられる。
その隙に無防備なさやかへ発射口からミサイルを発射する魔女。

さやか「……ッ!!」

だが爆音は確かに聞こえたが、ミサイルがさやかに直撃することは無かった。

119: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:18:23.51 ID:V9sJnZEt0
さやか(……!?)

驚き瞑っていた目を見開く。

ロボライダー「……!」

そこには自らの体を盾としてさやかを庇うロボライダーの姿。

ロボライダー「さやかちゃん!大丈夫か!」

さやか「は……はい! おりゃぁっ!」

腕を掴んでいた使い魔を振り払い、切り倒す。

ロボライダー「魔女ッ!この俺が相手だ!」

少しずつ迫ってくるロボライダーへ魔女はミサイルを放つが、ロボライダーには直撃しても
その体に傷すら付けられない。
魔女はさやかに標的を変更、ミサイルを放つ準備をするも

エリー「……!?」
何かが発射口に直撃、発射口を破壊される。

ジョー「へっ!俺を忘れて貰っちゃ困るぜ!」

まどか「さやかちゃんっ・・・?その格好……!」

咄嗟にジョーが投げつけた武器が発射口を破壊。

120: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:19:43.16 ID:V9sJnZEt0
ロボライダー「トゥアッ!」

その隙にロボライダーの鋼鉄の鉄拳が炸裂。
魔女のモニターは砕かれ、魔女は宙に浮く事すら思うように出来ず、地に伏す。

さやか「今だ!……だぁぁぁぁぁ!!!!!」
ロボライダーの背後から勢いよく飛び上がり、箱の魔女へ渾身の一撃。

エリー「ーッ!?」

魔女は真っ二つに切り裂かれ爆発。
同時に結界も消滅。


~工場~

さやか「はぁ……はぁ……やった……」

戦い慣れしてない上、想像以上の強敵との戦闘に疲労しきったさやか
安堵に包まれ、膝をついてしまう。

まどか「さやかちゃん、魔法少女に……?」

光太郎「大丈夫ですか!?しっかりして!」

仁美「う……ここは……」

121: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:20:41.38 ID:V9sJnZEt0
~帰り道~

光太郎「そうか……君も魔法少女に……」

さやか「はは……最初はこの街を守ってやるって気持ちだったんですけど……」

さやか「初戦からあんなんじゃ……」

光太郎「大丈夫だよ。どんな事も恐れない勇気があるなら絶対に強くなれる。」

光太郎「それに……俺だって全力でサポートする。それに、きっとマミちゃんや……ほむらちゃんだって。」

さやか「はい……ありがとうございます。」

ジョー「お……おい兄貴、俺、魔女とか魔法少女とか全然解らねーんだけど……」

光太郎「あ、そういえば説明がまだだったな。 ……それについては俺よりきっとマミちゃんの方が」

さやか「……じゃあ、私、この辺で……」

光太郎「またね!」

ジョー「おう!またな!」


122: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:21:31.69 ID:V9sJnZEt0
~結界内~

ほむら「うっ……ここは……あの魔女の結界……」

マミ「はぁ……はぁ……なんて強さなの……」

強力な結界に飲み込まれたほむら
その中には魔女と戦闘中のマミの姿があった

ギーゼラ「……」

ほむら(この魔女、巴マミがここまで苦戦するよな相手では無かったはずよ……)

ほむら(見る限りだとこれも何かが原因で強くなってる……?)

魔女はほむらが結界に侵入してきた事を察知する。
その魔女の瞳が怪しく光る。

ほむら「ッ!」

盾を操り時間を停止させる。
魔女が瞳から紫色のビームを放ったときにはほむらはそこに居なかった。

123: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:22:36.38 ID:V9sJnZEt0
マミ「くぅっ……ティロ・フィナーレ!!!」

魔女の気が逸れた瞬間、傷ついた体を無理矢理立たせ、渾身の必殺技を打ち込む。
その弾丸は魔女の側頭部に炸裂。大きな爆風が魔女を包み込む。

マミ「……やったかしら?」

爆風の中から傷一つついてない無傷の魔女。
魔女はその巨大な腕をマミに向けた。

ギーゼラ「!!!」

その瞬間、その腕が体から離れ、ジェット噴射の猛スピードでマミへ発射された。

マミ「うっ……って、一体何が……あ、暁美さん!?」

ほむら「……」

ほむらは間一髪の所で時間停止を使い、マミをその射程から遠ざける。

ほむら「巴マミ。現状じゃこの魔女には勝てないわ。一旦引くわよ。」

マミ「!? でもそんな事をしたら沢山の人々が犠牲に……」

ほむら「今はそんな事言ってる場合じゃないわ。このまま戦っても無惨に殺されるだけ。」

ほむら「今貴方が死ねばもっと多くの犠牲が生まれる事になるわよ。」

124: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:25:20.02 ID:V9sJnZEt0
マミ「……」

???「ざまぁねぇなぁお前ら!あたしの獲物を横取りしようとしたワリにはその程度かい?」

???「つーわけで、そいつはあたしが狩る。アンタらはとっととすっこんで……って、マミ!?」

マミ「佐倉さん!?なんでこの町に……!?」

杏子「てめっ!?……マミじゃねぇか!」

杏子(チッ……ここに来たからにゃぁいつか会うのは覚悟してたんだがなぁ・・・いきなり鉢合わせかよ……)

杏子「っぜぇ……とっととすっこんでろよ!帰れ!」

ほむら(佐倉杏子……大丈夫、あの子は自分が勝てないと解ったらすぐ逃げる……)

ほむら(わざわざ自分を犠牲にしてまで魔女を倒そうとはしないはず。大丈夫ね。)

ほむら「逃げるわよ。」

マミ「ええっ!?ちょ」

ほむらは時間停止でマミを連れて結界から逃げ出す。

~結界外~

マミ「う……早く傷を治してあの魔女を倒さなきゃ……」

ほむら「……そうね。今度はちゃんと体制を立て直して作戦を立ててからにしましょう。」

マミ「……暁美さんも協力してくれるの……?」

ほむら「ええ。魔女を倒すという目的は同じだわ。」

125: ◆E91gIPDjV6 2012/07/29(日) 19:26:17.48 ID:V9sJnZEt0
二人が引き返そうとすると、結界から杏子が逃げ出てきた。

杏子「……!なんだアイツ!?前に戦ってたよりも強くなってら!」

マミ「佐倉さん……?」

ほむら「やはり勝てなかったのね。」

杏子「っ……お前ら、まだこんな所にいたのか……」

マミ「貴方……体は大丈夫だったの? もし良かったら私の家に来ても……」

杏子「うっせ! バーカバーカ!」

マミ「あっ!待って!佐倉さん!」

杏子は足早に去っていった

つづく

131: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 22:57:37.32 ID:Ejtr/q/t0
あと補足設定等
①時間停止について

ほむらの時間停止は、結界の内外では時間の流れが違うため、結界内で使っても結界外に影響はありません。


仮面ライダーの認知度について
この世界では、悪の組織は誰でも知っている程認知度は高いですが、
仮面ライダーは都市伝説程度です。表向きには警察や軍隊が悪の組織をやっつけた事になってます。

132: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:00:37.21 ID:Ejtr/q/t0
~帰り道~

光太郎「ところでジョー、お前はどうしてこの街に来たんだ?」

光太郎がジョーに問いかけるも、まるで返事が返ってこない。
それどころか周囲の物も不自然に動きを止めている。

光太郎(!?時間が止まっている……!? という事はどこかでほむらちゃんが魔法を使ったという事か!?)

ジョー「……? どうした、兄貴、急にそんな顔して」

光太郎「……ジョー!また何処かで魔女が暴れているかもしれない!探すぞ!」

ジョー「お、おう!行くぜ!」


魔女を捜し回る二人だったが、二人には魔女の結界を探し出す能力はない。
場所さえ解ればアクロバッターやライドロンの力を持ってすれば中へ入れるが、
場所が解らない以上、どうしようもない。

光太郎「さっきの魔女は偶然操られている人を見かけたが……今回は手がかりが全くない……」

ジョー「足で探すしかねぇな……っと、そこのお嬢ちゃん!」

杏子「あん?」

ジョー「なんかよ、この辺で人が急にいなくなったりとか、そういうの見なかったか?」

杏子(……なんだ?コイツら……どうみてもただの男だよな……?なんでコイツら……魔女の事知ってるんだよ!?)

杏子(……めんどくせぇしうぜぇから無視すっか……)

杏子「しらねーよ」

ジョー「そうか……いきなり変な事聞いて悪かったな!じゃあな!気ィ付けて帰れよ!」

133: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:02:03.49 ID:Ejtr/q/t0
宛もなく歩いている内につい先ほどまで結界があった場所へたどり着く
そこには傷だらけのマミを支えているほむら。

光太郎「!マミちゃん!それにほむらちゃん!」

ほむら「……あの男……」

マミ「光太郎さん……?」

光太郎「二人とも!大丈夫か!?」

マミ「えぇ……何とか……。 …そちらの方は?」

光太郎「あ、紹介するよ。俺の仲間の霞のジョーさ。」

ジョー「よろしくな!」

ジョー「でも今は自己紹介してるより、怪我を治した方が……」

光太郎「……マミちゃん、良かったら家まで運んで行くよ」

ほむら「心配しないで。私一人で十分だわ。」

光太郎「あぁ、よろしく頼んだ」

134: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:04:01.17 ID:Ejtr/q/t0
~ホテル~

ジョー「そうか……俺たちの知らない所でそんな事がなぁ……」

光太郎「あぁ……俺もこの街に来るまで全く知らなかったんだ。」

光太郎「これが魔女の卵のグリーフシードという物らしい。調べてみたが、教えて貰った事以外は何も発見できなかった。」

光太郎「魔女という物が何なのかも今度マミちゃんに説明してもらおう。」

ジョー「おう。 それとよ、もう一つ」

光太郎「……もしかしてクライシスの事か?」

ジョー「そう!最近よ、たまたまこの辺通りかかったらクライシスのチャップがウロチョロしててよ!」

ジョー「そんで追いかけて来たらあの魔女って奴に操られた人たちを見つけて、そして結界に迷いこんじまったみたいで」

光太郎「そうか……俺もマミちゃんやほむらちゃんと一緒に魔女を倒した後、チャップを見つけたんだ。」

光太郎「そしてそいつらが持っていた物を探ったら……こんな機械が出てきた。」

天秤のような機械を出す。

ジョー「なぁ、これ……」

ジョーが光太郎の持っているグリーフシードを天秤のような機械に入れる。
まるで測ったかのようにグリーフシードはぴったりと嵌った。

135: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:05:31.34 ID:Ejtr/q/t0
光太郎「確か奴らは魔女と怪人の合成と言っていた……ならこれは二つを合体させる機械か!」

ジョー「また奴ら、妙なことを企んでるに違いないぜ!」

光太郎「ああ……早く企みをあばいて阻止しなければ!」

ジョー「だけどよ、怪魔界はクライシス皇帝の自爆で滅んだんだろ?」

ジョー「地球に逃げてきた残党が居てもおかしくは無いけどよ、でもそんなやつらがまた何かできるとも思わないぜ?」

ジョー「クライシス人は強化細胞が無いと地球じゃ生きられないのが殆どだし、怪魔戦士が数年も身を潜めてじっと出来るとも思わないな」

光太郎「怪魔界は滅んだのは確かだ……それにジョーの言うとおりだ。」

光太郎「だが裏ではとてつもなく大きな影が潜んでいるように思える。それにあのキュゥべえという生き物も……」

ジョー「キュゥべえ?」

光太郎「あの不思議な力を使って戦う少女達を見ただろう?あの子たちは皆キュゥべえという生き物から力を与えて貰ったそうだ」

ジョー「へぇ。 不思議なこともあるもんだな。」

光太郎「まだ解らない事が多い。ジョーの力も貸してくれ!」

ジョー「良いぜ!言うまでも無いさ!」

136: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:06:52.78 ID:Ejtr/q/t0
~放課後、学校近くの丘~

まどか「さやかちゃん、学校に来ても大丈夫だったの?怪我してない?」

さやか「まどか~、いくらなんでも心配しすぎ!このさやかちゃんがあれくらいで死ぬわけないでしょ!」

まどか「……さやかちゃん、恐くないの……?」

さやか「……そりゃあ、昨日の奴は強敵だったし……光太郎さんが助けてくれなかったらちょっと危なかったかな……って」

さやか「魔法少女になって、この街をガンガン守ってやる!って気持ちだったけど、最初からあのザマじゃね……」

まどか「さやかちゃん……大丈夫だよ、きっと、マミさんだって協力してくれると思うし……」

さやか「……そうだよね、それに勇気があれば強くなれるって光太郎さんも言ってた。」

さやか「いつかはあの二人をちゃんと助けられるようになる!そしてこの街の平和をさやかちゃんが守り抜く!」

まどか「うん!私も出来る限りの事はするよ!」

さやか「……あ!もうこんな時間!ごめんまどか、私ちょっと行ってくるよ!」

137: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:08:01.25 ID:Ejtr/q/t0
~何処か~
杏子「んだよ……あの魔女、契約したてのアタシですら楽勝の逃げ足だけ速い魔女だったのによ……」

杏子「……考えてたってしょうがねぇ……あいつはやめだ、別の魔女を狩りに行くか」

QB「確かにこの街には他と比べて魔女も多いからね。その分魔法少女も多いけど」

杏子「でもマミ以外は大体新米っしょ?」

QB「確かにさやかはそうだけど、僕にもよく分からないのが二人ほどいるんだ。」

QB「片方は魔法少女。だけど僕が契約した記憶は無い。もう片方は、魔法少女ではないのに魔女と戦っている。」

杏子「なんだよ、アンタと契約したんだろ? ……まぁいいか、そんくらいの方がやりがいがあるってもんだ」

138: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:09:32.16 ID:Ejtr/q/t0
~学校~

ほむら「で……貴方が私に話があるって?」

さやか「あのさ、私と一緒に魔女退治手伝ってくれないかなぁって……」

さやか「マミさんもきっと手伝ってくれるだろうし、3人で行けば安全でしょ?」

さやか「だからあたしと契約して一緒に戦ってよ!って……アハハ」

ほむら「意外な話ね。貴方は私をグリーフシード目当ての魔法少女と思っていたのではなくて?」

さやか「そりゃ、最初はそうだったけどさ。あの時来てくれたのはマミさんや光太郎さんを助けようとしてたんでしょ?」

さやか「グリーフシード目当てならマミさんが殺されてから行けば邪魔な相手が一人減るのに、それをせず来てくれた」

さやか「キュゥべえをいじめてたのはまだ納得行ってないけど、それも何かあったんでしょ?」

さやか「それに、最近マミさんと仲良いじゃない。マミさんが信頼するって事は少なくとも悪い人間じゃないのかなぁ、って」

ほむら「別に仲良くしてるつもりは無いのだけれど」

まどか「ほむらちゃん、私からもお願い!」

深々と頭を下げるまどか

ほむら(最近の魔女は異常に強くなってる。複数で行動した方が安全ね。)

ほむら「良いわ。でも忘れないで。貴方はまだまだ未熟よ。」

ほむら「複数で行動するからには決して一人で飛び出したりしないで。」

さやか「うっ……わ、わかったよ!」

さやか「じゃあ、今日の夜7時からパトロール!後でマミさんにも伝えておくよ!」

139: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:11:01.50 ID:Ejtr/q/t0
~工事現場~

作業員「おっ!新入りの光太郎君、なかなか力持ちだねぇ!じゃあ次はこれを頼むよ!」

光太郎「ハイ!」

前のデパートのバイトは仕方がないとはいえ、他人から見れば仕事をサボり、
次の日は遅刻という風に見られてしまう。
もう来なくて良いと言われてしまったのである。

ジョー「フゥ……こう一日中力仕事ってのも思ってたより疲れるもんだなぁ」

光太郎「まぁ、それも生きてく為には仕方ないよ。」

作業員「あー、じゃあ今日はここまで。新入りの光太郎君とジョー君はよく働いてくれました!」

作業員「明日からもその調子でよろしくね!」

光太郎・ジョー「「ハイ!」」

140: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:12:31.82 ID:Ejtr/q/t0
~公園~

さやか「到着ー!」

まどか「気合い入ってるねさやかちゃん。まだ待ち合わせ時間まで20分もあるよ」

さやか「待ち合わせ提案した本人が遅れてどうすんの!って思ったけど、いくらなんでも早すぎたかな……」


その時、さやかのソウルジェムに微かな反応
さやか「……! 今ソウルジェムに反応が……」

まどか「えっ!?でもまだマミさんもほむらちゃんも来てないよ!」

さやか「この反応だとそんなに強くない使い魔だよ!あたし一人でも大丈夫、急ごう!」

まどか「う、うん!」

141: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:13:31.15 ID:Ejtr/q/t0
~街~
光太郎「いやぁ~、いい汗かいたなぁー」

ジョー「……なぁ兄貴、あの二人、前に会った……」

光太郎「まどかちゃんにさやかちゃん!あの様子だとただ事じゃ無さそうだ!」

ジョー「俺たちも急ごうぜ!」

光太郎「あぁ!」

142: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:14:16.28 ID:Ejtr/q/t0
~路地裏~

さやか 「ここだ!」

使い魔「だだだー!」

QB「油断は禁物だよ!」

まどか「キュゥべえ!いつからそこにいたの!?」

さやか「行くよ!」

さやかは変身し、使い魔を追跡。

さやか「はぁっ!はぁっ!」

だが使い魔には攻撃が当たらず、逃げられる。

さやか「待てっ!」

さやか「……きゃっ!?」

いきなり何者かが現れ、吹き飛ばされる

杏子「何やってんのさ!あれは魔女じゃなくて使い魔!」

杏子「4~5人ばかり食って魔女になるまで待てっての。そうすりゃちゃんとグリーフシードも孕むんだからさ」

さやか「どけって……!早くしないと人が食べられちゃう!」

143: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:19:14.81 ID:Ejtr/q/t0
~街~
ほむら「今日はいつも通りなら美樹さやかと佐倉杏子が初めて接触する日」

ほむら「この二人の接触は美樹さやかの今後に大きく関わるわ……」

ほむら「でも今の状態なら上手くやれば魔女化は回避できるかもしれないわね。」

人気の無い道を歩き待ち合わせ場所へ向かう
だがそこに3体の髑髏のような怪物が現れる

スカル魔「グゥ……」

ほむら「魔女!?でもソウルジェムに反応は無かったわ」

QB「君の能力は我々の計画の大きな邪魔になる」

QB「ここで君を排除させて貰うよ」

ほむら「インキュベーター!今度は一体何を企んで」

QB「……さぁね。僕にも解らない。」

ほむら「それはどういう……!」

スカル魔が容赦無くその巨大な鎌を振り下ろす

ほむら「クッ……」

閃光弾を放ちその場から逃げる。
だが一時的に怯んだもののスカル魔はほむらを追いかける

144: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:20:28.69 ID:Ejtr/q/t0
~路地裏~
光太郎「こっちだ!」

二人を追いかけ路地裏に入ってくる光太郎とジョー
そこでは杏子に追いつめられるさやかの姿

ジョー「あーっ!あの娘、この前の!」

まどか「こ、光太郎さん!さやかちゃんを助けてください!」

まどか「それに使い魔だってこの先に逃げたままなんです!」

光太郎「君!やめるんだ!何故同じ魔法少女同士で争って……」

杏子「うっせーな、部外者は黙ってろよ!」

結界を作り3人をそれ以上進めなくする

杏子「終わりだよ!」

槍の柄をさやかの腹に打ち付け、さやかを壁にたたきつける。
さやかは気絶、変身が解除される。

145: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:22:14.62 ID:Ejtr/q/t0
光太郎「さやかちゃん!? クソッ……ぐっ……はぁっ!」

結界を破壊し、進む。

杏子「なっ……無理矢理壊しやがった……」

光太郎「さやかちゃん!しっかりして!……まどかちゃん!さやかちゃんを安全な所まで連れて行って!」

杏子「んだよ……部外者はすっこんでろって言ったろ?」

光太郎「君……同じ魔法少女なのに、何故争うんだ!」

杏子「アンタもそいつと同じタイプかい。あのなー、アンタが思ってる程綺麗じゃないんだよ。」

杏子「グリーフシードがなきゃあたしらは生きていけない。だからこうして使い魔を育てなきゃいけないわけ。」

光太郎「その為に、人を見殺しにしても良いと思ってるのか!?」

杏子「ウゼェ……」

光太郎「自分の為に罪の無い人間を犠牲にするなんて、本当の正義じゃないぞ!」

杏子「……ウゼェってんだよぉぉぉ!」

怒りが最高潮に達し、槍の柄を思い切り光太郎の腹目掛けて振り回す

光太郎「ぐッ!」

その一撃を光太郎は受け止める。

146: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:23:37.41 ID:Ejtr/q/t0

杏子「へっ……ちったぁやるようじゃないの。そんくらいなきゃ面白くねーって!」

光太郎(相手は人間だ……傷つける訳にはいかない。)

光太郎(早くこの娘を何とかして使い魔を倒さなければ!)

ジョー「おおっと。兄貴も、お嬢ちゃんも、そこまでだ」

ジョー「兄貴、早く使い魔をやっつけに行ってくれ。この先をまっすぐ行ったらしい」

ジョー「女の子相手に暴力はしたくないが……お嬢ちゃん、君の相手はこの俺だ!」

光太郎「あぁ!」

光太郎はその場を離れ使い魔を追いかける

杏子「チッ……てめぇ、ただじゃおかねぇよ」

ジョーへ槍を向ける

147: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:24:51.60 ID:Ejtr/q/t0
光太郎「待てッ!」

結界から追い出され、街へ向かう使い魔を追いかける。

光太郎「トアッ!」

大きく跳躍、使い魔を腕で捕まえ渾身の膝蹴り

使い魔「だー!?」

それを受けた使い魔は地に落ち、消滅。

148: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:25:56.64 ID:Ejtr/q/t0
~路地裏~
杏子「らぁぁー!」

ジョー「くっ……そらっ!」

槍を振り回す杏子。ジョーはそれを武器で受け止める。

杏子「……おらぁっ!」

槍がいくつにも分かれ、ジョーの体を締め上げる

ジョー「うぉっ!?」

杏子「あたしの勝ちだな。これに懲りたらもう二度とあたしに関わろうとすんじゃ……?」

動けなくさせたはずのジョーが 多節棍から抜けだし、杏子の背後に立っていた。

ジョー「霞流拳法・関節外しってな。さぁお嬢ちゃん、堪忍しな!」

杏子の腕を掴み、捻る。

杏子「いてっ…… チッ、解ったよ、今日はここまでにしてやる」

149: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:28:01.39 ID:Ejtr/q/t0
ジョー「もう悪さすんなよ?」

槍を地面に投げ捨てる
魔法を使いその場から飛び去ろうとしたが、ソウルジェムに反応
それは以前に覚えのある、強大な反応。

杏子「ッ……何か来るぞッ!?これは前と同じ……」

そこにいる3人は結界に飲み込まれた。

150: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:30:01.21 ID:Ejtr/q/t0
~結界内~
アルベルティーネ「キャハハ!」

そこには先ほどの使い魔を生み出した魔女。

ジョー「こいつか……」

杏子「違う!こんな奴じゃねぇ、前に戦ったのは……」

その瞬間、落書きの魔女の結界が別の魔女の結界に塗り替えられる。
まるで荒廃した砂漠のような結界だ。

杏子「そうだ……ここだ!」

アルベルティーネ「キャハ……?」

突然二本の豪腕が落書きの魔女の顔を掴み、そして体の中へ取り込む

ギーゼラ「グォォォォ!」

杏子「あいつだ……悪いがあたしは降りるぜ!」

結界の扉を開き逃げようとするも、

杏子「開かねぇ……どうなってやがんだ……」

さやか「ん……?」

まどか「さやかちゃん!?怪我は大丈夫!?」

さやか「う、うん! ここは……?」

ジョー「……どうやら相当ヤバそうなやつだが、倒すしか無いそうだな……」

151: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:31:41.26 ID:Ejtr/q/t0
~路地裏~

QB「まったく、あの男のせいでまたまどかと契約する機会を失っちゃったよ」

QB「我々の計画にはまどかを契約させずに捕らえる事が必要だ」

QB「早くまどかと契約しないと。」

QB「自分でも何をやっているのか、わけがわからないよ」

そこへ光太郎が戻ってくる

光太郎「!?」

だがそこには誰もいなかった

光太郎「どういう事だ!?」

QB「ここにいた皆は魔女の結界に捕らえられたよ」

QB「杏子の反応を見るに相当強い魔女だろうね。」

QB「早く助けに行ったほうが良いんじゃないかな。」

光太郎「何ッ!?」

光太郎「……変身ッ!」

光太郎は魔女を倒す為、仮面ライダーへ変身。

RX「アクロバッター!」

アクロバッターを呼び出し、共に結界を破る。

152: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:33:07.21 ID:Ejtr/q/t0
~街~
ほむら(……こいつら、素早いわ。逃げてもすぐ追いつかれてしまう)

ほむら(こうなったら……)

ほむらは時間を停止させる。

ほむら「ッ!」
動きの止まったスカル魔へ銃弾を連射。
時は動き出す。

スカル魔「グゥゥ!?」

魔力で強化された銃弾にスカル魔が一体消滅。

残りの2体が襲いかかる

ほむら(マズイ……魔力がもう限界……)

その瞬間、スカル魔を魔弾が吹き飛ばす。
さらに巨大な弾丸がそのスカル魔を消し去る

マミ「暁美さん!大丈夫!?」

ほむら「と……巴マミ……」

マミ「待ち合わせ場所に行ったら誰もいなくて、近くであなたが魔法を使ってる反応があったの」

マミ「あとは私に任せて!ティロ・フィナーレ!」

スカル魔スター「グゥゥゥ!?」

スカル魔達は全員消滅した。

ほむら「……助かったわ。」

ソウルジェムにグリーフシードを当て、穢れを取り除く

マミ「暁美さん、すぐで悪いけど、この近くにこの前の強大な魔女の反応があるわ。」

マミ「美樹さん達は多分ここにいると思うの。とにかく危険だわ!」

ほむら「ええ。急ぎましょう。」

153: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:35:52.00 ID:Ejtr/q/t0
~結界内~
杏子「くそっ……ロクに通用しねぇ……」

さやか「うぅっ……」

恐怖心で足が震える。
そこに魔女の巨大な拳が振り下ろされようとする。

ジョー「あぶねっ!」

さやかを突き飛ばす。
直撃は免れたものの、ジョーはその衝撃に吹き飛ばされる

ジョー「ぐぁっ……」

さやか「ジョーさん!?」

杏子「おい!ヒヨッ子!そんな半端な気持ちで戦ってんじゃねぇ!」

杏子(でもこの状況じゃあたしもまずいかもな……逃げれないのかよ……)

さやか「このっ……おおお!」

魔女に剣を持ち飛びかかる。
が、その拳に吹き飛ばされる
さやかは床にたたきつけられ、変身が解除される

さやか「あぁっ……」

魔女は腕をさやかに向かって腕を飛ばす。

さやか「きゃっ……って……え……?」

だがさやかからソウルジェムを奪うだけだった。
そして自らの体の中へ取り込む

154: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:37:13.28 ID:Ejtr/q/t0
さやか「か、返せよ!そんな物奪っ……て……」

まどか「さやかちゃん!どうしたの!?」

ジョー「お、おい、しっかりしろ!」

さやかは急に倒れる。

ジョー「ッ!?呼吸も脈も止まってやがる……」

杏子「どういう事だオイ!それってようは死んでるって事じゃねぇか!」

まどか「さやかちゃん!起きてよ!目開けて!」

まどかが目に涙を浮かべ、なんども呼びかけるがさやかからは何の反応も無い。
その瞬間、結界が破られる

RX「トォッ!」

アクロバッターの力を借り、結界を破ったRX。
そのままアクロバッターから高くジャンプ、魔女の顔部分に跳び蹴り。
魔女は少し怯む。

RX「皆!大丈夫か!?」

まどか「さやかちゃんが……さやかちゃんが……」

RX「何ッ!?さやかちゃん!どうしたんだ!」

ジョー「それがよぉ、宝石みたいなのを取られた瞬間、まるで死んだみたいに……」

155: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:38:07.98 ID:Ejtr/q/t0
QB「何言ってるんだい。それはさやかじゃないよ。どうやらさやかは魔女に取り込まれてしまったみたいだね」

QB「普通なら100m圏内なら問題無いはずなんだけど……魔女によって繋がりが遮断されているようだ。」

QB「これは流石にマズイよ。さやかのソウルジェムが完全に食べられればそれはさやか自身が食べられる事に等しい」

RX「!?それはどういう事だ!?」

QB「それはさやかじゃなくてただの抜け殻って事だよ。」

QB「ソウルジェムはいわば君たちの魂さ。」

QB「壊れやすい身体のままで魔女と戦ってくれなんて、とてもお願い出来ないよ」

杏子「てめぇ……それじゃあたしらゾンビにされたようなモンじゃねぇか!」

RX「貴様ッ!そんな事を黙って契約を結んでいたのかッ!?」

ジョー「?? お、おい、なんで何も無い所に話しかけて……」

QB「だって、聞かれなかったじゃないか。」

キュゥべえの話す事実に皆怒りを顕わにする。
その静けさの中、魔女の咆吼が響き渡る。、

156: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:39:19.28 ID:Ejtr/q/t0
RX(……今は考えている暇は無い!あの魔女からさやかちゃんのソウルジェムを取り返さなければ!)

RX「マクロアイッ!」

RXの鋭い眼光が魔女を透視する。
魔女の分厚い鎧のような胸の中央に、さやかの反応。
取り返そうと真っ正面から魔女に飛びかかる。

ギーゼラ「グォォ!」

魔女が巨大な腕を振るう。
だがRXはジャンプでそれを回避、頭へ飛びかかる。

RX「RX!キィィッ……ぐぁっ!?」

魔女の頭へRXキックを放とうとするも、魔女の目から放たれる紫色の光線がRXを打ち落とす。
地に落ちたRXだが、体制を立て直し、一度離れる。

RX「奴の胸は狙えない……頭か腕しか攻撃できん!」

RX「なら……」

その瞬間RXのサンライザーが輝き、RXの体を変質させる。

ロボライダー「俺は炎の王子!RX!ロボライダー!」

ロボライダー「ボルテックシューター!」

魔女の頭部へ向かい、ボルテックシューターを放つ。

157: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:41:04.19 ID:Ejtr/q/t0
ギーゼラ「……」

ロボライダー「何ッ!?」

だがその光弾は魔女の頭部を囲むように発生した紫色の稲妻のバリアによって防がれる。
さらに魔女の瞳から紫色の光線。

ロボライダー「ハッ…… ぐぁっ!?……!?」

その紫色の光線はロボライダーの体に傷は付けられないが、ロボライダーの体にまとわりつき、
ロボライダーを動けなくしてしまう。

ロボライダー「磁力光線かッ……ヤツは磁力を操る能力も持っているのか!」

ギーゼラ「ググゥ……」

鋼鉄の体を持つロボライダーの唯一の弱点である磁力を浴びせられ、動けなくなる。
そこに魔女が二本の豪腕を振り上げ迫り来る。

まどか「!光太郎さん!」

ジョー「兄貴ィ!」

杏子「何ボケっと突っ立ってんだよ!」

ジョーと杏子が武器を投げつけるも、魔女の体に傷は付かない。
そして遂に、ロボライダー目掛けてその巨大な腕が振り下ろされた。

158: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:42:13.17 ID:Ejtr/q/t0
ギーゼラ「グググ……」

巨大な鈍い音が響き渡る。
魔女がゆっくりとその腕を上げると、ロボライダーはその場所から消滅していた。
そして魔女の勝ち誇った笑い声のような咆吼。

まどか「光太郎さん……!?嘘だよっ……こんなの……」

杏子「……あのバカ野郎……」

ジョー「……大丈夫だ。兄貴はあの程度じゃ絶対に死なねぇ。」

まどか「……え?」

その瞬間、魔女の鉄槌の跡から、水晶の輝きを持つ水が宙で一つになる。
それは人の形を作り上げ、そして青い体を完成させる。

バイオライダー「俺は怒りの王子ッ!RX!バイオッ!ライダッ!」

まどか「生きてた……!良かった!」

杏子「あんなんアリかよぉ……」

ジョー「な、言ったろ。 さ、驚いてる暇はねぇ、俺たちも兄貴の助太刀だ!」

杏子「指図すんな!」

159: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:43:19.20 ID:Ejtr/q/t0
ギーゼラ「グガッ!」

魔女の瞳から放たれる紫色の光線。
だがそれはバイオライダーの体をただ貫通するだけだった。

バイオライダー「ソウルジェムを返して貰うぞ!」

その体を液化させ、魔女をかく乱。
そして一瞬の隙を見つけ魔女の胸からソウルジェムを奪い取る。

ギーゼラ「グゥ!?グゥッ!?」

バイオライダーの手の中には奪い取ったソウルジェム

バイオライダー「ジョー!これを早く、さやかちゃんの元へ!」

ジョー「おう!」

ソウルジェムを渡し、魔女と向き合う。

ギーゼラ「ギィィッ!」

その腕をジェット噴射で飛ばす
だがバイオライダーはそれを避け、魔女へキック。
魔女は磁力バリアでそれを防ぐ。

160: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:45:14.21 ID:Ejtr/q/t0
バイオライダー「やはりバリアが……バイオブレードッ!」

剣を生成。魔女へ飛びかかる。
勢いよく振り下ろすも、磁力バリアに受け止められる。

バイオライダー「ぐっ……トゥアッ!」

磁力のエネルギーを刀身に吸収させ、磁力バリアを消滅させる。
さらにそれを攻撃エネルギーとして魔女へ打ち返す。

ギーゼラ「グゥゥ!?」

魔女は飛ばした腕を引き戻そうとするも、思うようにいかない。
腕に何かが絡みついているのだ。

杏子「うぎぎ……これはあたしが止めておくから、アンタはさっさとそいつを倒せ!」

杏子の槍が腕を封じていたのだ。

杏子「うぐぐっ……」

魔女の強大な力に力負けしそうになる。
その瞬間、魔女の腕が爆破。杏子は勢い余って尻餅。

161: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:47:08.74 ID:Ejtr/q/t0
杏子「だ、誰だッ!?」

マミ「良かった!間に合って」

ほむら「……」

そこには大砲を二人で抱えたマミとほむらの姿。
結界外と内では、時間の流れが違うため時間停止を使っても早く来ることは出来なかったのだ。

ほむら「二人の魔力を一つにして攻撃だなんて、無茶な事するわね。」

マミ「でも上手くいって良かったわ。こうでもしなきゃあの魔女に傷も付けられないもの。」

片腕を失った魔女をバイオライダーがズタズタに切り裂く。

ギーゼラ「ギィィ!!!」

その瞬間、魔女の体の黒いサビが解き放たれ、多数の使い魔を出現させる。
そして魔女は銀色に輝く機械のような体となり、結界の奥へ逃走。
まどか達のいる周辺の結界が薄まっていく。

バイオライダー「トアッ!逃がさんッ!マックジャバーッ!ライドロンッ!」

使い魔を切り倒し魔女を追いかけるべくマシンスクランブル。

162: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:48:19.25 ID:Ejtr/q/t0
~結界深部~

ギーゼラ「ググ……」

勢いよく逃走。腕を失った状態では不利と見て、一度逃げ体を癒す事にした。
だがそんなことをRXが許すはずもない。
魔女の進行方向を逆走して向かってくる赤い車。
それは先端から銀色の牙を展開、猛スピードで向かってくる魔女に正面から突撃しようとする。

ギーゼラ「グゥゥッ!?」

魔女は正面からぶつかり、粉々に砕く算段だったか、跳ね飛ばされ、さらにその牙に捕らえられる。
そしてライドロンに乗り上げてしまい、そのまま自由を失う。
そこにバイオライダーとマックジャバーが向かってくる。
バイオライダーがその体を液体にし、バイオアタックで魔女の体を側面から突き飛ばす。
魔女は転げ落ちる。

バイオライダー「……ッ!」

バイオブレードに青色のエネルギーを走らせ、そして魔女へ走り出す。

バイオライダー「……トォアッ!!!」

素早く振り上げ、魔女の体を斜めに切り裂く。
必殺のスパークカッターだ。

ギーゼラ「ガァァァッ!!!」

断末魔と共に結界が消滅。


163: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:49:01.65 ID:Ejtr/q/t0
~路地裏~
ジョー「さやかちゃん、これを……」

さやか「……ん……?」

さやか「何……?」

ジョー「さやかちゃん!しっかりしろ!」

さやか「え……?な、何……?何があったの……?」

マミ「美樹さん、一体何があったの?」

さやか「えっと、魔女にソウルジェムを奪われて……それで……」


光太郎「貴様!一体あれはどういう事だ!何故あんな事をしたんだ!?」

QB「さっきも説明したじゃないか。壊れやすい身体のままで、魔女と戦ってくれなんて、とてもお願い出来ない、って。」

さやか達から少し離れた所で光太郎が怒りをぶつける。

光太郎「だからって、彼女たちは戦闘マシーンじゃ無いんだ!」

光太郎「彼女たちの思いを踏みにじり、魂を弄ぶなど……許さん……ッ!」

QB「でも彼女たちの願いは間違いなく実現したじゃないか。」

QB「命を捧げるほどの願いの代償としては当たり前だよ。」

QB「それにさやかは魔法少女は魔女と戦う者だって知ってて契約したんだよ。自ら戦闘マシーンになったような物じゃないか。」

光太郎「違うッ!彼女は魔女を倒すためになったんじゃないッ!」

光太郎「誰かを守る為に魔法少女になったんだ!」

164: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:49:51.87 ID:Ejtr/q/t0
QB「違いがわからないな。君と話しても時間の無駄って解ったよ。」

そういうとキュゥべぇは何処かへ去っていく

光太郎「……ッ!」

その拳を怒りの余り握りしめる。

ジョー「……俺には見えねぇが、そのキュゥべえってヤツが相当残酷なヤツなのは解ったぜ。」

光太郎「ああ……奴らは願いを代償に、彼女たちの魂を弄んでいたんだ」

光太郎「きっとそれだけじゃない。もっと凶悪な何かを企んでいるに違いない……!」

さやか「一体何があったの……?」

光太郎「……」

光太郎は葛藤していた。少女達にこの真実を伝えるべきかどうか。
そんな事をしてしまえば、この少女達は絶望の淵へ墜ちてしまうかもしれない。

ほむら(まずいわね……一つ目の真実に触れてしまったわ……)

ほむら「……本当の事を知りたいなら、今ここで話し合うよりあいつに聞く方が良いと思うわ。」

ほむら「でもそれはきっとろくでも無いこと。聞かない方が良いかもしれないわね。」


杏子「へっ、こいつは貰って行くよ……って、そんな空気じゃねぇな……」

杏子「ったりめぇだよ……自分がいつの間にかゾンビにされたんだもんな……」

杏子はグリーフシードを拾い、そこから去る。

165: ◆E91gIPDjV6 2012/08/05(日) 23:50:44.22 ID:Ejtr/q/t0
~街~

まどか「待って!ほむらちゃん!」

人の少ない帰り道、そこでほむらとまどかが二人きりになる

まどか「ほむらちゃん、もしかして知ってたの?あの事……」

ほむら「ソウルジェムが私たちの魂の事なら、知ってたわ。」

ほむら「何故そんな残酷な事をするのか、って思ってるでしょう。でもあいつには人間の価値観が通用しないわ。」

光太郎「……まるでキュゥべえが人間達とは別の世界から来たような言い方だね」

ほむらの元に光太郎が現れる

ほむら「……やっぱり後を着けてきたのね。悪趣味だわ。」

光太郎「……今までの君の様子だと、君はもっと秘密を知っているようだ。」

光太郎「全て俺に教えてくれないか……?」

ほむら「それは無理ね。別に私は貴方と一緒に戦ってはいるけれど、信用してる訳ではない。」

ほむら「真実を知ったとき、あなたがどんな行動に走るのか、想像がつかないもの。」

光太郎(……そうか。ソウルジェムだけじゃない、もっと残酷な真実がまだあるという事か……)

光太郎「……とにかく、ヤツが何かを企んでいるのは間違い無いという事かな」

ほむら「ええ。でもヤツを潰そうとしてもそれは無理よ。」

ほむら「話すことはもう無いわ。さよなら、まどか」
   つづく

177: ◆E91gIPDjV6 2012/08/12(日) 23:44:20.83 ID:ia+/DDCN0
~通学路~

仁美「ごきげんよう。」

まどか「おはよう……あれ、さやかちゃんは?」

仁美「まぁ……でもさやかさんが待ち合わせに遅れるのは珍しい事ではないですのに」

まどか「……そうだね」

仁美「さやかさんならきっとそのうち走って追いついてきますわ。」

178: ◆E91gIPDjV6 2012/08/12(日) 23:46:54.33 ID:ia+/DDCN0
~学校~

仁美「あら……さやかさん、今日はお休みでしょうか。」

まどか「……」

その時、教室のドアが空く。

さやか「おはよう……皆……」

さやか「ごめん、まどか、仁美、朝ちょっと体調崩しちゃって……」

先生「さやかさん、体調悪いならすぐ言ってくださいね。」

先生「えー、今週中には、怪我で入院していた上条君が退院できるそうです。」

先生「久々の学校で戸惑う事も多いでしょう。皆さん、フォローしてあげてくださいね。」

まどか「さやかちゃん!上条君退院するって!」

さやか「……」

まどか「さや……かちゃん?」

さやか「……ごめんまどか、今日調子悪い……もう帰るって先生に伝えておいて……」


179: ◆E91gIPDjV6 2012/08/12(日) 23:47:48.11 ID:ia+/DDCN0
~街~

さやか「これが……あたし……」

ほむらに釘を刺されていたにも関わらず、キュゥべえに真実を聞いたさやか。
その真実は彼女の心には辛すぎる悲しみだった。

さやか「……どうして……どうして……」

あまりに深すぎる悲しみに涙すら出ない。
自分は最早人間ではなく化物になってしまったのだ。

さやか「あたし、キュゥべぇに騙されてたの……?それで、こんな化け物同然の体に……」

悲しみに明け暮れてただただ当ても無く街を彷徨う。
本来なら喜ぶはずの恭介の退院も、こんな体になってしまった以上会う事が恐ろしくてたまらない。


杏子「チッ……気になって覗きに来たら案の定これか……」

遠巻きにさやかの跡を着けていた杏子。

杏子「……今のアイツには何言っても無駄か……仕方ねぇ……」

ゆま「あのお姉ちゃんがまえにいってた、さやかってひと?」

杏子「そう。とんでもねー甘ちゃんさ……」

180: ◆E91gIPDjV6 2012/08/12(日) 23:49:26.92 ID:ia+/DDCN0
杏子「……あ!」

ジョー「君はこの前の!」

その場から去ろうと振り向いた瞬間、買い物袋を抱えたジョーと鉢合わせする。

杏子「……別にアンタと争うつもりはねーよ……」

ゆま「おじさんだれ?キョーコをいじめるならゆるさないよ!」

ジョー「いや、そんなんじゃ無いんだ…… そんな事より、君たち普通なら今学校の時間だろ?なんでこんなとこ……」

杏子「うるせ、そもそも行きたくてもいけねーんだよ」

ジョー「えっ?」

杏子「別にあたしの事はどうでも良いだろ。んな事より……」

ジョー「どうしたんだよ、急に俯いて。」

杏子「なんでもねーって!」

ジョー「ん?」

ゆま「キョーコはあのさやかってひとがきになるんだよ」

杏子「ゆ、ゆま!余計な事言うんじゃねぇ!」

そういうと杏子はゆまの手を引き早足で去っていった。

ジョー「なんだよ、つれないなぁ全く。」

181: ◆E91gIPDjV6 2012/08/12(日) 23:53:58.17 ID:ia+/DDCN0
~公園~
ジョー「こんな時間に、落ち込んで、どうしたんだ?」

さやか「……ジョーさん……」

公園のベンチに一人座っていたさやかの横に腰掛けるジョー

ジョー「……昨日のこと、かい?」

さやか「……」

落ち込んだように顔を伏せるさやか。
ジョーが隣に座った途端、心が少し緩んだのか、ゆっくりとキュゥべぇから告げられた事を話す。
そして全てを話し終わった途端、目から涙が溢れ、ボロボロと静かに涙をこぼし、泣いた

ジョー「人間じゃない、ってんなら俺もそうだぜ。」

さやか「え……?」

ジョー「俺だけじゃねぇ。兄貴だってそうだ。」

ジョー「俺も、兄貴も改造人間なんだ。ゴルゴムにクライシス。知ってるだろ?」

さやか「ええ……少し前に、日本を襲った……」

ジョー「いや、それだけじゃない、詳しくは知らねぇけどショッカーとかデストロンとか言う連中もいるそうだな。」

さやか「はい……お父さんとお母さんから聞きました。」

182: ◆E91gIPDjV6 2012/08/12(日) 23:55:26.82 ID:ia+/DDCN0
ジョー「俺たちだけじゃない、俺たちよりずっと前からそういう奴らに化け物にされても、戦ってた奴ら……。」

ジョー「化け物って言われても、何と言われようとも、ずっと戦い続けてる……それが仮面ライダーっていうのの正体さ。」

さやか「え!?仮面ライダーって光太郎さんだけじゃ無いんですか!?」

ジョー「おう!1号ライダーに、2号ライダーに、V3……」

ジョー「……仮面ライダーが何で戦えたか、解るか?」

さやか「……」

ジョー「……どんな体になっても、愛した人たちを守るためだよ」

ジョー「人間じゃなくたって、誰かを愛する気持ちは変わらない。俺だって、兄貴だって」

ジョー「いいか、愛ってのはな、人間だとか、そうじゃないとか関係無いんだ。ただ気持ち!それだけの問題なんだ!」

さやか「うっ……なんでそれを……」

キュゥべえから話された事を言っただけなのに、自分の悩みをズバリと当てられて困惑。

ジョー「へへ、顔に書いてあるぜ!」

さやか「ちょっと……!からかわないで下さいよ!」

ジョー「わりぃ、わりぃ、ま……美味いモン食って元気だせよ。食うか?」

買い物袋からリンゴを取り出しさやかへ差し出す。

さやか「……頂きます……」

ジョー「ま、何か悩んでるなら、俺も、兄貴も、まどかちゃん達も、君の荷物を少しくらい持ってやるくらいならできるさ。苦しんでるのは、君独りじゃない!ってな」

ジョー「……あ!、バイトの時間だ!じゃあな!さやかちゃん!」


183: ◆E91gIPDjV6 2012/08/12(日) 23:57:02.74 ID:ia+/DDCN0
~ゲームセンター~

杏子「へっ♪ とっ♪ おりゃっ!」

普段学校に行っていない杏子にとって、昼間は暇な時間が多い。
魔女とて毎日現れる訳では無い。

ゆま「キョーコ、ゆまもそれやりたい」

杏子「……お前にはまだ早いかもな」

ゆま「~~~!!!できるもん!!!」

ほむら「……ちょっといいかしら。」

杏子「……アンタか。何の用だ?」

ほむら「あなたにはこの街に留まって貰いたい。グリーフシードは貴方に譲るわ。」

ほむら「悪い話では無いはずよ。その代わり美樹さやかには手を出さないでほしい。」

杏子「魔女を狩り尽くすまではそのつもりだけどよ。マミの野郎もいるじゃねぇか」

杏子「アンタが何者は知らんが、もしかしたらマミとアンタでアタシをハメようとしてる訳じゃ……。」

184: ◆E91gIPDjV6 2012/08/12(日) 23:57:53.36 ID:ia+/DDCN0
杏子「……いや、マミの奴はそんな事できる程頭良くないか……」

ゆま「あのおねえちゃん、ばかなの?」

杏子「おー、そうだぞ、あのクルクルヘアーと同じで頭も……」

ほむら「……とにかく、そう思ってるなら良い。巴マミは貴方が余計な事をしない限り争いにはならないはずよ。」

ほむら「それに、もうすぐこの街にワルプルギスの夜がやってくる。」

ほむら「出来るだけ最大の戦力で迎え撃ちたいの。余計な事をして戦力をすり減らしたくない。」

杏子「……ん?ちょっと待てよ、なんで解るんだ?」

ほむら「それは秘密よ。ともかく、そいつさえ倒せたら、私はこの街を出て行く」

ほむら「巴マミと折り合いを付けてここで魔女を狩るか、出て行くか、何にしろ好きにしていいわ」

ほむら「とにかく、美樹さやかの今後は予想できないけれど、過度な干渉は避けて。」


185: ◆E91gIPDjV6 2012/08/13(月) 00:01:16.59 ID:x7yn6FNV0
~恭介宅前~

さやか「恭介……」

あれから、さやかは少しだけ気力が沸いた。
ゾンビだって構わない、自分の望みとそれは関係ない、そう自分に言い聞かせた。
だが、恭介の元に来ればどうしても躊躇してしまう。

杏子「あれが、アンタの幼なじみってヤツかい」

さやか「お前は……!」

杏子「アンタ、あの坊やの為にキュゥべぇに願い事をしたんだろ?」

杏子「それで怪我を治してやって、告白して付き合おう、って魂胆だったんだろ?」

さやか「!」

杏子「……そしたら自分がゾンビになって、人間じゃないから付き合えないーなんて思ってんだろ?」

186: ◆E91gIPDjV6 2012/08/13(月) 00:02:45.32 ID:x7yn6FNV0
さやか「……うるさい!」

杏子「ならよ、いっそ人間らしく生きなくても良いじゃねぇか。」

杏子「魔法ってのは上手く使えば人の心を操ることもできるんだぜ?ならそうして無理矢理……」

杏子「もっと手っ取り早い方法で今から乗り込んで坊やの手足を潰してやるのも良い。」

杏子「他人の為に契約したって結局自分が犠牲になってんだ。自分の為に魔法をつかうべき……」

そう言いきる前にさやかが杏子の胸ぐらを掴み、思い切り投げ飛ばした。
さやかは正義の為に戦う事を胸に決めた。
だがそれが自分の為に戦う杏子への憎悪を激しくしてしまったのだ。

杏子「えっ……?な、何すんだテメェ!」

さやか「丁度良かった……決着つけようよ。」

杏子「クソッ……何でだよ…」

187: ◆E91gIPDjV6 2012/08/13(月) 00:03:35.80 ID:x7yn6FNV0
~橋の上~

さやか「らあああ!!!」

杏子「クッ……」

さやかの剣の猛攻。だがそれは素人のそれで経験を詰んだ杏子なら簡単にかいくぐれる物だ。
だが杏子はそれをただ受け流すだけだ。


~街~

まどか「さやかちゃん!」

キュゥべぇからさやかと杏子が再び戦っている事を知らされ、橋へ向かうまどか。

まどか「マミさんにも連絡しないと……!」


マミ「急ぎましょう!」

マミと合流し、さやかの元へ急ぐまどか。

188: ◆E91gIPDjV6 2012/08/13(月) 00:04:56.89 ID:x7yn6FNV0
まどか「さやかちゃん、自分の体に酷い事されて、凄く悲しんでる……」

まどか「早く、なんとかしてあげないと……」

何とかしようとこそ思う物の、まどか自身には不思議な力など何もない。
マミにだって不可能だ。

マミ「……そうね……」

まどか「……マミさんは、平気なんですか?」

マミ「平気……って言ったら嘘になるけど、私は仕方なくして魔法少女になったし、こんな体になっても生きていられるだけで奇跡だもの。」

マミ「でも、自分から願って裏切られた美樹さんのショックは相当深刻でしょうね……」

189: ◆E91gIPDjV6 2012/08/13(月) 00:07:50.84 ID:x7yn6FNV0
~橋周辺~

橋のすぐ下の道路。
そこには光太郎とジョーが二人を見守っていた。

ジョー「兄貴……止めに行かないのか?」

光太郎「ジョー、俺はどうしてもあの子が悪い子には思えないんだ。」

光太郎「魔女を倒す目的が同じだけかもしれないが、前の戦いじゃ俺に協力してくれた。」

光太郎「それに、今のあの子からは本気でさやかちゃんを倒そうという気迫が感じられない……」

光太郎「何か、むしろ悲しんでるようにも思えるんだ。」

ジョー「兄貴も、か。 ……俺、昼間杏子ちゃんに会ったんだ。」

ジョー「あの子、最初はあんなんだったけど、さやかちゃんの事が気に掛かるみたいでよ」

ジョー「さやかちゃんの様子を伺って、跡を着けていたみたいだぜ。」

ジョー「自分が人間じゃない!って思い詰めてたさやかちゃんを同じ魔法少女の自分が何とかしてやりたい、って思ったんじゃねぇかな」

光太郎「そうか……。 今はあの二人でしかこの問題は解決出来ない。」

光太郎「俺たちは、見守るだけにしよう。」


190: ◆E91gIPDjV6 2012/08/13(月) 00:09:02.76 ID:x7yn6FNV0
~橋の上~

マミ「美樹さん!佐倉さん!それ以上はやめて!」

さやか「マミさん!?」

マミに気を取られた瞬間、さやかの腹を思い切り杏子は殴る。

さやか「うぐっ!?」

たちまちその場に跪く。

杏子「もう……良いだろ、こんな事。」

そう言うと杏子はまるで降参したかのように槍を投げ捨てる

さやか「何よ……ナメるんじゃ……」

その瞬間、さやかの体にリボンが絡みつく。

マミ「美樹さん。もうそこまでだわ。」

まどか「さやかちゃん!大丈夫!?」

さやか「うう……」

マミ「美樹さん、皆で一緒に頑張ろう、って言ったの、貴方だったでしょ。」

マミ「何故一人で抱え込んでいるの?そんなに私たちの事、信用できない?」

さやか「マミさん……」

杏子「なぁ……さやか」

変身を解除し、さやかと目を合わせる。
そこから杏子は自分が魔法少女になった経緯を話した。

191: ◆E91gIPDjV6 2012/08/13(月) 00:11:34.12 ID:x7yn6FNV0
杏子「……へへ。思えばアンタもアタシも根は同じだったのかもしれねぇな。」

杏子「だからアンタ達を見てると、昔の自分思い出してイライラしちまったのかもしんねぇ。」


さやか「……」

杏子「アンタさ、こんな体にされて後悔してるのは解る。」

杏子「他人の為に願って、それで裏切られた。アンタもアタシと同じさ」

杏子「これからは釣り銭を取り戻すことを考えなよ」

さやか「……ごめん……。でもあたしは後悔なんてしてないつもり。」

さやか「自分の気持ちに嘘は付きたくない。だから後悔はしないって決めたの。」

さやか「でも、ありがとう。あんた、こう見えて結構あたしの事心配してくれてたんだね」

いつの間にか、さやかの心にあった杏子への憎悪は、根拠の無い信頼のような物に変わっていた。

杏子「あ……?うるせぇよ、そんなんじゃ……」

さやか「……まどか、マミさん、ごめん、あたし、自分で仲間になろうって言っておきながら」

さやか「一番スタンドプレーしてたの、あたしだったね。」

マミ「美樹さん……」

杏子「ったく……世話の焼ける奴だな……」

192: ◆E91gIPDjV6 2012/08/13(月) 00:12:48.31 ID:x7yn6FNV0
杏子「アンタ、いつからそこにいたんだよ!」

ほむら「余計な接触はしないでって言ったはずよ……って言いたいけど」

ほむら「今回ばかりは感謝するわ。」

193: ◆E91gIPDjV6 2012/08/13(月) 00:13:53.79 ID:x7yn6FNV0
~街~

さやか「……みんな……」

自分が人間でない事に絶望していた心が少しだけ上を向いた。
自分にはまどかやマミやほむら、光太郎にジョー達の仲間もいる。

さやか「あたしは……まだ恭介を愛してる心があるんだ……」

さやか「恭介に告白する……ここだけは、自分勝手になって良いよね。」

さやか「絶対に後悔はしたくないから。」

まだ葛藤も残っている。だが今は少しだけ忘れる事ができた。

つづく

198: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 21:50:34.46 ID:OmfkXQdB0
QB「全く、事実を突きつけて絶望の淵に追いやって魔女になってもらうつもりだったんだけど」

QB「美樹さやかの魔女となればRXも倒すのを諦めるはずさ」

QB「こうなったらマミを利用してさやか達を殺して貰う必要があるね。」

QB「ったく、君はいつまで僕の体の中に居座るつもりなんだか」

199: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 21:52:21.69 ID:OmfkXQdB0
~街~

杏子「いいか、ゆま、今から食いもん調達してくるからここで迷子のフリして泣いてろよ」

杏子「誰かに話しかけられても困らせるんだぞ。」

ゆま「うん!」




杏子「ほら、ゆま、今日の昼飯だ……ぞ……。」

光太郎「君、大丈夫?家は何処?」

ゆま「んーとね……えーとね……」

少し高価そうなレストランから出てくる杏子。

杏子「なんでお前がここにいんだよ!」

光太郎「あ、杏子ちゃん。 この子が迷子みたいだったから……君の知り合いかい?」

杏子「……そうだよ、関係ねーだろそんなん」

光太郎「丁度良かった、さやかちゃんの事で聞きたいことが……」

ゆま「キョーコ!ごはん!」

杏子「はいよ、解ったよ。」

??「待てー!」

杏子「やべ、ばれた」

200: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 21:54:56.40 ID:OmfkXQdB0
光太郎「きょ、杏子ちゃん、その食べ物は盗んだ物なのか!? それなら今すぐ返してくるんだ、俺も謝るから!」

怒ったレストランのコックが駆けだしてくる。

???「いやね、君たちの事は解ってるから、食べ物を貰うのは良いんだけどさ」

???「事前に言ってくれないと、こっちも埋め合わせとか手配すんの大変なんだから……」

そのコックの顔と体格は光太郎に見覚えがあった。

光太郎「……吾郎ちゃん!?」

吾郎「……光太郎さーん!!」

それは以前佐原航空でコックをしていた吾郎だった。

光太郎「この子達と知り合いなんですか?」

吾郎「それがね、この子達家が無いらしくてさ。一応食べ物だけでも協力してあげられたら、って思ってるんだけどね」

吾郎「……そんなことより、俺、夢を叶えたよ!ほら!」

吾郎が勤めているレストランは見滝原だけではなく、日本でも五本の指に入るだろうというレストラン。

光太郎「凄いじゃないですか!おめでとう!」

吾郎「……っても、まだまだ駆け出しだけどね。」

吾郎「折角だし、俺の料理食べていってよ!奢るからさ!」

杏子「ホントか!?」


201: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 21:57:14.28 ID:OmfkXQdB0
ゆま「レストランでごはんたべるの久しぶり!やった!」





光太郎「ジョー達には内緒だぞ?」

杏子「わーってるよ」

食事を終わって出てくる3人

ゆま「くー……」

杏子「腹一杯になったら寝ちまいやがって……」

ゆまを抱えて出てくる杏子。

光太郎「なぁ、昨日のさやかちゃんの事……」

杏子「あいつがどうかしたってのか」

光太郎「昨日の晩、君と戦っていただろう。あの時の、さやかちゃんの様子が知りたくて」

杏子「あぁ、その事か……」

杏子「あれならあいつなりに答えは出たみたいだぜ」

杏子「ま……マミのおかげだけどな。礼くらいは言ってやってもいいか……」

光太郎「そうか……なら、良かった。」

光太郎「さやかちゃんも仲間がいる心強さに気付いてくれたみたいだね。もう恐い物なんて無いさ!」

光太郎「ありがとう、杏子ちゃん!」

杏子「あ?なんでアタシが礼言われなきゃならねーんだよ!」

杏子「ったく、最後の最後で調子狂う……ゆまが起きない内にアタシは帰るぞ!」

202: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 21:58:20.21 ID:OmfkXQdB0
~学校~

さやか「おはよう!まどか!仁美!ほむら!昨日は心配かけてごめんねー!」

まどか「さやかちゃん、大丈夫!?」

さやか「へーき!へーき!見ての通りだよ!」

ほむら(……解りやすいわね。)

まどか「上条くん、学校に来たよ!声、かけてきたら?」

さやか「よ、よーし、きょ……きょうすけー……」

さやかの声は照れが混じりあまりにも小さくうるさい教室内では近くにいるまどかにすら聞き取れない程の声だ。

まどか「さやかちゃん、何言ってるかわかんないよ……」

203: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 21:59:14.33 ID:OmfkXQdB0
仁美「さやかさん、お話がありますわ。」

さやか「え?何?」

仁美「恋の相談ですわ。その……上条くんについて。」

教室の隅でヒソヒソと話をする二人

仁美「私、上条恭介君のこと、お慕いしてましたの」

仁美「でも、あなたは幼なじみだから、あなたには私の先を越す権利があるべきです。」

仁美「丸一日だけお待ちしますわ。さやかさんは後悔なさらないよう決めて下さい」

仁美「上条君に気持ちを伝えるべきかど……」

さやか「そんな事、しなくて良いよ」

仁美「……え?」

仁美の言葉に、さやかのスイッチが入った

さやか「仁美も!恭介の事が好きってんなら、二人で一緒に告白しよう!」

突然大声で宣言するさやか。
当然教室は騒然とする。

204: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:00:56.84 ID:OmfkXQdB0
中沢「オイ……今の聞いた?美樹と志筑がお前の事好きって……」

恭介「えぇ……えぇ!?」

「確かに美樹さんと上条君、前から良い雰囲気だったけど……」

「あのお嬢様の仁美と直接対決だなんて……」

仁美「さ、さやかさん!?、大きな声で言わないで下さい!」

まどか「急に何言い出すの!?」

さやかの宣言に顔を真っ赤にする仁美、つられてまどかも顔を赤くする

さやか(ヤバッ……勢いに任せて何言ってるのよ……)

だが一度入ったスイッチはなかなかオフにはならないのである

さやか「ひ、人にばれて恥ずかしいなんて気持ちで告白なんて、恭介をバカにしないで!」

さやか「と、とにかく!恭介!聞いたよね!じゃあ今日の7時、公園に来て!仁美も!」

顔を真っ赤にしてまくし立てる。

仁美「……いいですわ。そこまでの覚悟があるなんて。逃げも隠れもしませんわ。」

さやかの目を睨み付け、覚悟をしたように言う。

まどか「う……」

二人の覚悟にまどかは口を挟めない。

ほむら(ほんと……バカなんだから……)

ほむらの心には少しの安堵。

恭介「な、なんでこんな事に……~~~」

205: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:01:56.31 ID:OmfkXQdB0
~屋上~

さやか(~~~~!!!)

さやか(な、何言っちゃったのよ~!皆に聞かれたじゃない……!)

さやか(ほんと、ほんと、あたしってほんとバカ……!)

さやか(でも……これがあたしの本当の望みだったんだよね……)

さやか(光太郎さんの教えてくれた勇気と、ジョーさんの教えてくれた心が、私にあるんだ。)

さやか「よ、よーし!待ってろよ仁美!そして恭介!さやかちゃんの人生をかけた告白を見せてやるー!!!」

206: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:03:56.25 ID:OmfkXQdB0
~街~

マミ「皆、集まってくれたわね。最近、また普通とは違う強大な魔女の反応がこの近くで現れたの。」

光太郎「また強化された魔女が……よし、行こう!」

ジョー「……そういや、さやかちゃんは?」

まどか「さやかちゃんは、今から告白するって」

まどか「今日教室で皆に宣言したの!」

杏子(んだよ、あいつの様子気になるから着いてきたらこれかよ……)

光太郎「本当!?それは良かった……安心したよ」

ほむら(佐倉杏子、何時の間に……)

マミ(私が呼んでおいたのよ。少しでも人では多いに越した事は無いわ。)


ほむら「……でも告白が成功するとは限らないわよ。」

光太郎「大丈夫。失敗しても、さやかちゃんは自分に勇気を出したんだ。」

光太郎「結果はどうであれ、後悔はしないよ。」

マミ「えぇ。そうね。 美樹さんを安心させる為に、私たちも早く魔女を倒しましょう。」

207: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:05:22.07 ID:OmfkXQdB0
~公園~

仁美「さやかさん、遅いですわね……」

公園には恭介と仁美。
時間は既に6時55分。

さやか「あ……あわわ……」

まるでロボットのようなぎこちない動きで公園の門の前を徘徊する。

さやか「ど、どどどうしよう……あと4分しかない……」

自分で言ったものの、勢いは続かなかったようだ。

さやか「こ、こういう時は手に……な、なんて書くんだっけ、い、いぬ……?」

さやか「あ……緊張する~!目、目が回ってきた……」

208: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:06:08.35 ID:OmfkXQdB0
QB「全く、あの男達は随分厄介な事をしてくれたね」

QB「でも、良い機会を見つけたよ。」

209: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:07:15.18 ID:OmfkXQdB0
その瞬間、公園に響き渡る二人の叫び声。

さやか「!?仁美!?恭介!?」

ソウルジェムに強い反応。

さやか「二人は結界に閉じこめられたの!?助けなきゃ!」

例えもう一人が恋のライバルであっても、だからこそさやかは助けると決心する。
この勝負、魔女ごときに邪魔をさせる訳にはいかない。

210: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:09:02.22 ID:OmfkXQdB0
~結界内~

エルザマリア「………」

そこには何かに祈りを捧げるような姿の魔女。

仁美「……ど、どうなってるんですの……!?」

恭介「な、なんだよここ……僕たちは何処に迷い込んだんだ……?夢なら早く……」

エルザマリア「!!!」

その髪のような鋭い無数の触手を二人へ向かって打ち出す。
二人を串刺しにし、補食しようとするように。

恭介「わ、わあぁぁ!!」

仁美「上条くん!!」

足の動かない恭介の手を引き、逃げようとするも当然触手から逃れる事はできない。

仁美・恭介「っ……!」

211: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:10:59.59 ID:OmfkXQdB0
さやか「ふ……ふたりとも……はや……く……逃げ……」

だが変身したさやかが魔女と二人の間に割り込んだのだ。
二人を庇い、鋭い触手をその体で受け止める。
魔女が触手を引き抜く。
それと同時に何本もの触手が刺さっていた体からは血がとめどなくあふれ出す。

さやか「あ……うぅ……」

あまりの激痛に気を失いその場に倒れ伏す。
体からは血が噴き出すように流れ出す。

エルザマリア「ギ……」

そして細い触手がさやかの腹にあるソウルジェムに触れる。
だがそれはソウルジェムを破壊する訳ではなく、何か黒い霧のような物をさやかのソウルジェムに流し込む。

恭介「さ……さやかぁ!ど、どうして……」

恭介「おい!しっかりしてくれ……目を開けてくれよ……うわぁぁぁ……!」

動かない足を引きずり、さやかの元へ。

仁美「さやかさん……!まずいですわ、まずは血を止めないと……」

エルザマリア「ゲゲーッ!!!!」

その三人へ向け、何本も束ねた一つの巨大なドリルのような触手。

恭介「…………さやかぁ……!」

さやかを守るように抱き上げ、魔女から目をそらす。
だが目を反らした所で魔女が消えるはずもない。
3人の死はすぐそこまで迫っているのだ。

212: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:13:40.37 ID:OmfkXQdB0
RX「トァッ!」

その巨大な触手をアクロバッターの前輪で切り落とす。。
そして黄金の魔弾が触手を破壊する。

マミ「危なかったわね……美樹さん!?」

杏子「さやかぁ!」

まどか「さやかちゃん!大丈夫!?」

さやかの元へ駆け寄るまどか。

RX「さやかちゃん!しっかりしてくれ!」

RX「……ライドロン!」

結界の壁を破り、ライドロンが走ってくる。

RX「ライドロン!さやかちゃん達を安全な所まで頼む!」

ライドロンはさやか、まどか、仁美、恭介を結界の外まで連れ出す。


RX「貴様ッ……!……許さんッ……!!!」

その胸の中に怒りを爆発。

魔女を取り囲む4人。

213: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:15:33.05 ID:OmfkXQdB0
エルザマリア「ギギィー!」

その触手を四方に展開。
それぞれへ向けて襲いかかる。


マミ「はぁっ!」

銃をいくつも作りだし、触手を狙撃。
だが猛スピードで絶え間ない攻撃にはマミは不利だ。

マミ「まずい……このままじゃ……」

ジリジリと追いつめられる。

杏子「おいマミ!……ったく、見てらんねっつの!」

槍を振り回し、マミへ襲いかかる触手を斬り飛ばす。
そのまま魔女へ向かって進む。

マミ「……佐倉さん!危ない!」

勢いよく魔女へ突っ走る杏子の足をマミのリボンが縛り、勢い余って杏子は転倒。
その瞬間、今日のの背中の上を赤い高熱のレーザーが通り過ぎる

214: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:16:32.23 ID:OmfkXQdB0
RX「トゥアッ!!」

マミと杏子から少し離れた場所。
手刀やキックで襲いかかる触手を打ち落とす。

エルザマリア「ギギー!!!」

RXへ高熱レーザーを乱射。
だがすんでの所で回避される。


ほむら(やはりこいつも……!)

マシンガンの弾幕で触手を打ち落とす。

ほむら「少し動かないで。」

時間を停止させる。

RX「!時間が……」

ほむら「この魔女は今戦っている通り、触手が邪魔をして攻撃が通らないわ。」

ほむら「誰かが触手を切り落とし、その隙に誰かが強力な一撃を裸になった魔女へ打ち込むしか無い。」

RX「解った!俺が魔女の触手を引き受けよう!」

RX「……!」

RXの体が青く輝く。

バイオライダー「俺は怒りの王子!R!X!バイオッ!ライダッ!」

時間が動き出す。

215: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:17:57.41 ID:OmfkXQdB0
マミ「あれ……いつの間に……」

杏子「さっきまでアタシあそこにいたはずじゃ……」

ほむら「説明してる暇は無いわ。あの男が魔女の触手を切り落とす。」

ほむら「その隙に私たちは本体に攻撃を打ち込む。」

マミ「……なら、あれしか無いわね。佐倉さん、協力して。」

杏子「……あれ?」

ほむら「……あれ、ね。」

216: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:19:50.26 ID:OmfkXQdB0
魔女へ走るバイオライダーを四方八方から触手が取り囲むように襲う。
だがバイオライダーは体を液体化させ、脱出。

エルザマリア「ギギギー!」

巨大な触手の中にバイオライダーを閉じこめる。
だが、バイオブレードに切り裂かれ、脱出される。

バイオライダー「トアッ!」

体を半液体化、バイオブレードを構えたまま、液体化の猛スピードで魔女の触手を切り落とす。
すぐさま魔女は丸裸に。

バイオライダー「今だ!皆!」


マミ「行きましょう!必殺技名は……えーと……」

巨大な大砲を構えたマミの肩に手を支えるように置くほむらと杏子。
こうして魔力をマミへ送り込んでいるのだ。

ほむら「早くして!」

杏子「今考えるのかよ!んなもんスーパーティロフィナーレでいいだろ!」

マミ「……佐倉さん、センス無いわ」

杏子「うるせぇよ!」

ほむら「何やってるの!早くしなさい!」

マミ「そうね、暁美さんの言う通りだわ。詳しい名前は後にしましょう。二人とも、行くわよ!」

杏子「ええ!アタシも叫ぶのかよ!」

マミ「当たり前でしょ!行くわよ……」

      「「「スーパー……ティロ・フィナーレ!!!(……)」」」

黄と赤と黒の巨大な魔弾が魔女を消滅させる。

217: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:20:23.14 ID:OmfkXQdB0
QB「一時はどうなるかって思ったけど、魔女が上手く毒を注入してくれたようだ。」

QB「もうさやかが魔女になるのはほぼ確定したような物だね。」

218: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:23:53.20 ID:OmfkXQdB0
~街~

QB「……じゃあ、最後にさやかを襲って魔力を消耗させてきてくれるかい。なるべく早い方が良いんだ。」

チャップC・D「ウガッ!」

キュゥべえの前に跪く二人のチャップ。
その命令を受け、さやかのいる場所へ。


チャップC「ここだな。さやかという小娘がいる場所は。」

チャップD「早い内にソウルジェムとやらを真っ黒にしないとな……!?ウガッ!」

何者かに攻撃をされるチャップ。

ジョー「……さっきからコソコソしてると思ったら、さやかちゃんの跡をつけてたのか!」

ジョーは途中、チャップ達の不穏な動きを発見、魔女退治から離脱していた。

ジョー「どうやらソウルジェムを真っ黒にするのが目的らしいな。」

ジョー「答えろ!それが起きたらどうなる……?何が目的だ!」

逃げようとするチャップを組み伏せながら声を荒げる。

チャップC「ウ……そ、それは……ウガァァァ!?」

その瞬間、二人のチャップは赤い光に飲まれ、消える。





QB「全く。困るね。それがバレてしまったら先に手を打たれちゃうじゃないか。」


219: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:24:56.30 ID:OmfkXQdB0
~公園~

さやか「……う……」

まどか「さやかちゃん!」

恭介「さやか!」

仁美「さやかさん……!」

ライドロンに助けられ、結界の外へ出た。

さやか「み……皆……」

その場に立ち上がるさやか。

恭介「さやかぁぁ!……酷い怪我だ!志筑さん、早く救急車を! さやかぁ……死なないでくれ……」

仁美「……さやかさん、そんな怪我で!早く、安静に!」

3人の慌てようがまるで今にも死にそうな人間を前にした程の物だった。
だがさやかにはそれが自分の為にされているとは思えない。
別の世界にいるような感覚。

220: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:25:32.84 ID:OmfkXQdB0
さやか「え……?」

ふと我に帰る。
自分の体を見れば、明かに致死量を超えたような血が流れ出て、
足下にはかなりの大きさの血だまりが出来ている。

さやか「え……?い、嫌だ、何で……」

無意識の内に痛覚を切ってしまっていたのだ。
そんな大出血をしてもなお平気に立つ自分の姿は、端から見れば化け物だろう、と瞬時に予想がついた。

さやか「え……いや、いやだ、あたし、これじゃ、いや、いや、わぁぁぁぁぁ!!!」

絶望と驚きの混ざったような叫び声。
そして3人から逃げるようにその場から飛び出す。

まどか「待ってぇ!さやかちゃん!」

追いかけようとするも、目の前の血だまりに足が震え、立つ事すら出来ない。
目の前の血は親友の物なのだ。

221: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:26:51.01 ID:OmfkXQdB0
ジョー「……まどかちゃん!」

公園に入れ替わるようにジョーがやってくる。

ジョー「……血!? こいつは誰の……」

まどか「ジョーさん!さやかちゃんを助けて!」


222: ◆E91gIPDjV6 2012/08/18(土) 22:27:39.67 ID:OmfkXQdB0
QB「僕の作戦に狂いは無かったよ。」

QB「さやかの絶望エネルギーさえ手に入れば、この窮屈な体からも出られるし、ね。」

つづく

227: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:26:49.84 ID:NiQH7bhf0
~公園~
光太郎「さやかちゃん!」

ライドロンが4人を連れ出した場所へ、光太郎達がやってくる。

ジョー「兄貴!さやかちゃんを探すぞ!」

光太郎「何!?さやかちゃんに何が……!?」

マミ「っ……血っ……!!」

ほむら「状況から見て、美樹さやかの物と見て間違いないわね。」

杏子「オイ!さやかが、どうしたってんだ!」

まどか「うっ……ぐぅっ……」

まどかはその場でへたり込み、ただ泣くだけだった。
仁美も、心が抜けたような表情だ。

ジョー「さやかちゃん、血だらけでも平気立ってる姿を見られちまったみたいでよ……」

ジョー「また自分の事化け物だって思ったに違いない。早く探さねぇと!」

ほむら「……そうね。それに、彼女のソウルジェムも危ないわ。」

ほむら「一応、ある程度綺麗な状態には保っていたようだけど、ソウルジェムは絶望でも濁るわ。」

ほむら「このまま放っておいて、もしソウルジェムが黒く染まりきってしまえば……致命的な事になる。」

ジョー「……それに、クライシスの連中もさやかちゃんのソウルジェムがどうだって企んでいたんだ!」

光太郎「クライシスはさやかちゃんに狙いを付けてきたのか!」

杏子「ったく、さやかの野郎……早く探さないと!」

マミ「えぇ、急がないと、どこか遠くへ行ってしまう前に!」


228: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:28:30.42 ID:NiQH7bhf0
光太郎「まどかちゃん!さやかちゃんはどの方に!?」

まどか「あ……あっち……」

6人がまどかの指を指した方向へ走り出す。


恭介「待って!」

動かない足を引きずり、這い蹲るような姿勢で叫ぶ。

光太郎「君は……」

恭介「僕も行く……!さやかは、僕を庇ってくれたんだ……」

まどか「上条くん……?」

恭介「いつもそうだ……僕はさやかに守られてばかり……」

恭介「本当なら、僕がさやかを守らないといけないのに……!」

恭介「僕の為に来てくれたさやかに、八つ当たりまでして……!」

恭介「僕は……僕は……だから……!」

光太郎「君は……さやかちゃんの友達なんだね。」

仁美「私も行きます!さやかさんとの決着、まだついてませんもの!」

ジョー「おう、頼むぜ、嬢ちゃん!」

光太郎「よし、行こう!」

光太郎は恭介を背負い、皆は公園から飛び出す。


229: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:30:19.73 ID:NiQH7bhf0
~街~

マミ「美樹さん!」

杏子「さやかぁ!」

ほむら「……もう随分遠くへ行ってしまったようね……」

光太郎「ここは二手に分かれよう」

光太郎「……じゃあ、まどかちゃん、ほむらちゃん、恭介くんは俺と一緒に!」

光太郎「マミちゃん、杏子ちゃん、仁美ちゃんはジョーと!」

ジョー「あぁ!」

230: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:33:10.05 ID:NiQH7bhf0
~何処か~

さやか「うぅ……」

血だらけの体でさやかは当てもなく彷徨い続ける。

さやか「あんな姿で……恭介に見られるなんて……」

さやか「あたし……どんな風に思われてるのかな……ゾンビみたいに思われたのかな……」

フラフラと歩いていると、何かに躓き、倒れる。
ふと顔を上げると、目の前に水たまり。

さやか「……どんな顔、なのかな……」

水たまりに顔を写し出す。
そこに写るのは、血が抜けて青くなった自分の顔、そして魔法の力でみるみる内に傷口の塞がる姿。

さやか「いやっ……これじゃあ、本当に化け物じゃない……」

その姿はさやかの絶望の淵へ落とすのには十分過ぎた。




ゆま「うう……キョーコ……どこ……うぅ……」

夜は子供は寝る時間だ、と夜に魔女狩りをする時は教会で無理矢理留守番をさせられるゆまが起きた。
普段は数時間で帰ってくるが、今日はいつまで待っても帰ってこない。
不安の余り教会を飛び出し、泣きながら杏子を探していた。

231: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:34:30.93 ID:NiQH7bhf0
ゆま「……ねぇ、けがしてるの?」

さやか「あぁっ……」

ゆまは魔女退治をして、怪我をした杏子を何度も治癒してきた。
それに目の前で魔女に両親を殺された。
だからちょっとの怪我程度ではどうと言う事は無い。

さやか(駄目……こんな小さい子まで怖がらせちゃ……本当に……)

ゆま「さやかおねえちゃ、どこいくの!?ゆまがなおしてあげるのに……」

232: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:36:04.14 ID:NiQH7bhf0
~街~

ジョー「クソッ、こっちにも居ないか……」

マミ「ダメ、テレパシーも通じないわ……それほどソウルジェムの力が弱まってるなんて……」

杏子「何処だよ!どこにいんだよ!」

仁美「もう、心当たりのある場所は……」

仁美はさやかのいそうな場所をいくつか挙げたが、どこにもいない。

ゆま「うぇえええん……キョーコ……」

ジョー「……杏子ちゃん!あの子!」

杏子「あぁ!ゆま、お前なんでこんな所に!」

ゆま「だ、だって、キョーコ、うぐっ、いつになってもかえってこないんだもん、うぅ……」

泣きながら杏子に抱きつくゆま。

杏子「……悪かったよ、ゆま。 もう、約束破ったりしないからな。」

仁美「……妹ですの?」

杏子「……そんなに遠くねぇかな。」

マミ「ねぇ、ゆまちゃん。 青い短い髪の女の子見なかった?」

ゆま「さやかってひとなら、さっき、みたよ」

杏子「おい!それホントか!?何処で見た!?」

ゆま「あっち! でも、ゆまのかおをみて、すぐにげちゃった……」

ジョー「サンキュ、ゆまちゃん!皆、急ぐぜ!」

233: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:37:59.04 ID:NiQH7bhf0
~航空~

光太郎「すみません!佐原航空の者です!一機貸して下さい!」

光太郎はヘリコプターのパイロットの免許も持っている。
空から探す方が見つけやすいだろう、と踏んでの事だ。
一刻を争う時だ、夜中でも構わず中にいる人を起こした。

光太郎「皆!許可がとれた!さぁ、早く乗って!」



~空~

ほむら「……駄目ね。まだ、美樹さやかのソウルジェムが濁りきっていないなら、ギリギリまで近づいたのなら反応するはずなのだけれど……」

光太郎「恭介くん、さやかちゃんが行きそうな場所、何処か心当たりは!?」

恭介「……僕がさやかを招待した事のあるコンテスト会場はもう……」

恭介「……いや、待てよ!? 確か、僕がさやかと友達になって、初めて招待したのは……」

恭介「確か、あの駅から一つ向こうに行った駅の近くにあったはずです!」

光太郎「解った!」

234: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:39:48.07 ID:NiQH7bhf0
~街~

ジョー「クソッ……遅かったか……」

マミ「でも足で動いていたならまだ遠くへは行ってないはずよ!それにこの血の跡……」

杏子「……これが道しるべになってるって訳か……」

仁美「こんなに傷だらけになって……」

人気の無い通路で、さやかを見つける事は出来なかったがさやかの足がかりを見つけた。

ジョー「これを辿って行けば……」

ゆま「わっ!」

杏子「!?おい、ゆま!どうした!」

突然後方で爆発。
その爆風の中に銀色のドレスのような格好の少女が立っていた。
少女は頭にヘルメットのような機械を装着していた。

織莉子「……」

235: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:41:06.54 ID:NiQH7bhf0
~空~

恭介「……あそこです!」

恭介の言った会場の近くまで移動。

まどか「ほむらちゃん、さやかちゃんは……」

ほむら「…………!今、ほんの微かに反応が!」

一瞬、僅かだがほむらのソウルジェムにさやかの反応が灯る。


~空き地~

光太郎「ほむらちゃん、頼む!」

コンテスト会場の近くの空き地にヘリコプターを停め、足での捜索に切り替える。

ほむら「……まずは会場近くまで行きましょう。」

近くにいる事は解ったが、再び反応を見失う。

光太郎「……危ないッ!」

何かを察した光太郎が三人を抱え、その場に伏せる。
同時にヘリコプターがズタズタに切り裂かれる。

恭介「うぅ……」

光太郎「……誰だッ!」

ほむら「……貴方は……」

4人に少しずつ近づく闇に溶け込むような黒い服を纏った少女。
その少女もまた頭に謎の機械を付けていた。

キリカ「………」

236: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:44:16.33 ID:NiQH7bhf0
~街~

マミ「この子……魔法少女!?」

杏子「間違いねぇ、ソウルジェムに反応がある!」

ゆま「だれかわからないけど、キョーコをいじめさせないよ!」

仁美「い……一体どうすれば……」

3人は変身し、臨戦態勢へ。

ジョー「仁美ちゃんは下がっててくれ!……みんな、聞いてくれ!」

ジョー「この子は多分操られてるだけだぜ!あの頭の機械を壊せば、あの子は正気に戻る!」

以前自分が操られていた物と同じ機械だ。
それを壊すか、操っている者を倒せば正気に戻る事は知っていた。


237: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:46:40.85 ID:NiQH7bhf0
~空き地付近~

ほむら「呉キリカ……この時間軸では契約していたのね……」

光太郎「待って!あの子は操られているだけだ!あの頭の機械を壊せば……」

まどか「上条くん、隠れてよう!」

状況を察して、まどかは恭介の車いすを引き、物陰に隠れる。
ほむらは光太郎の制止をも聞き入れず、盾から兵器を出現させキリカへじりじりと迫る。

光太郎「やめるんだ、ほむらちゃん!彼女は操られて……」

ほむら「むしろ操られている方がまだマシだわ。こいつらは……」

何かを言いかけるも、途中でキリカが攻撃を仕掛けてくる。
光太郎はそれを避けるも、ほむらの動きが異常に遅くなっている事に気付く。

光太郎「……どういう事だ!?」

キリカの持つ固有魔法の時間の流れを遅くする結界。
光太郎の持つキングストーンは時間操作を無効化出来る為、その影響を受ける事は無かった。
キリカの爪がほむらに迫る中、光太郎は走り出すもほむらが時間を停止させる。


238: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:47:40.01 ID:NiQH7bhf0
光太郎「ほむらちゃん、どうして君はこの子を殺そうとするんだ!」

ほむら「……彼女を放っておいたらまどかを殺すわ。」

ほむらの顔は冷静に見えても、頭の中ではまるで血液が煮えたぎる程に冷静さを失っていた。
近くにまどかが居る、少し油断すればあっという間にまどかが殺される。

光太郎「何故そんな事を知っているんだ!?」

ほむら「貴方には関係無いわ!」

時間が動き出す。
キリカの斬撃は地面を抉るだけだった。

光太郎(まずい……この子を正気に戻さないと……)

光太郎はこの子にも、ほむらにも誰かを殺す苦痛を味合わせたく無かった。

239: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:49:16.10 ID:NiQH7bhf0
~街~

ジョー「でやぁっ!」

頭部の機械を破壊しようとジョーが攻撃を仕掛けるも、全て当たる事は無い。

ジョー「クソッ……まるでこっちの攻撃が全部解ってるみたいだぜ……」

マミ「……なら、予測できても回避出来ない攻撃をすれば良いだけだわ!ゆまちゃん、協力して!」

ゆま「うん!」

そう言うとマミはいくつも銃を作りだし、織莉子へ乱射。
それをゆまが衝撃波で軌道を変え、回避を困難にする。

織莉子「……!」

四方八方からランダムに迫る銃弾はいくら予知が出来ても回避するのは簡単な事では無い。
体の周りに球体を召還し、いくつか相殺するも、その間を縫った弾丸がリボンへ姿を変え織莉子へ迫る。

ギリギリの所で宙へ跳び回避するも、空中で杏子の鎖に捕らえられる。
空中の行動不可能の場所では、予測が出来ても役には立たない。

ジョー「でかしたぜ、杏子ちゃん!」

身動きの取れなくなった織莉子の頭部の機械を外し、武器で破壊する。
機械を取られた織莉子は気を失い、変身を解く。

マミ「この女の子も魔法少女……初めて見たわ。」

杏子「アタシも聞いたことねーな……」

240: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:50:54.88 ID:NiQH7bhf0
~空き地付近~

ほむら「くっ……!」

ほむらがマシンガンでキリカを狙う。だがキリカはそれを回避。

光太郎「トァッ!」

ほむらの攻撃から庇うようにキリカへ飛びかかる。
そして、頭の機械を外す。キリカも気を失い変身を解きその場に倒れ込む。

241: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:53:16.03 ID:NiQH7bhf0
~街~

ジョー「この機械……間違いねぇ、クライシスが作った物だな」

マミ「ねぇ、起きて!」

織莉子「……う……」

ジョー「……なぁ、この機械、一体何処で誰に付けられたんだ?」

織莉子「……? 私、一体何を……」




~空き地付近~

光太郎「君!しっかりして!」

キリカ「……あ」

ほむらも流石に戦意を失った相手のソウルジェムを砕くような事をする気になどなれず、変身を解く。

ほむら「……ごめんなさい。私とした事が冷静さを欠いていたわ。」

光太郎「どうして君は操られて……」

光太郎が問いかけようとするも、手をはね除けられる。

キリカ「触らないでくれ!私は今それどころじゃないんだ!」

意識を取り戻した途端、突然焦ったように声を荒げる。
だがその瞬間、キリカの瞳は獣のような鋭い視線でまどかをにらむ。

まどか「!?」

まどかへ向かって少しずつ歩み寄ろうとするキリカ。
ほむらもそれに気づき、盾から拳銃を取り出そうとするが、突然キリカが歩みを止める。

キリカ「……解ったよ、織莉子。君が言うなら仕方ない。」

その場でキリカは振り返り、夜の闇に消えて行くよう走り出した。

光太郎「……さっきの子、明かにまどかちゃんを狙っていた……君は何か知っているようだけど……」

ほむら「前も言ったはずよね。私は貴方を信用してないって。」

242: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:54:42.45 ID:NiQH7bhf0
QB「……やはり無理矢理操った魔法少女じゃあ時間稼ぎにもならないか。」

QB「さっきの魔女が打ち込んだ絶望を増幅させてソウルジェムの濁りを急速に早くする毒……その効果もせいぜい丸一日だ。」

QB「なんとかしてさやかには魔女になって貰わないとね。とにかく、時間を稼がないと。」

QB「残念だけど今は魔女のグリーフシードが何処にも見あたらない。あの二人を操っていた奴と……」

QB「一度RXに倒された事のある怪人じゃ不安だ。仮面ライダーの相手は仮面ライダーにするとしよう。」

QB「その石の力と、僕の力を合わせればどんな怪人でも復活させられるからね」

「はっ……!」

全身を黒装束に包んだ男がその手に持った緑色に輝く石を輝かせる。
同時にキュゥべえの瞳から光線が放たれる。
いっそう強く輝く光を放ち、止んだと思えば新たに6人の怪人がその場に立っていた。

QB「……君たちに頼むよ。」



QB「……こんな事してる場合じゃ無いね。」

何かを思い出したようにキュゥべえが何処かへ去って行く。

「やはり皇帝陛下の魂はまだ軟弱だ……インキュベーターの利用するエネルギー程度では復活までほど遠い……」

「早急に鹿目まどかという人間を捕らえなければな……」


243: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:56:18.45 ID:NiQH7bhf0
~街~

マミ「……!暁美さん達が美樹さんの反応を見つけたそうよ!」

気を取り戻した織莉子と別れ、さやかの捜索に乗り出して暫くした後、ほむらが再びさやかの反応を捕らえた。

マミ「場所は街はずれのコンサートホール。急ぎましょう!」

杏子「マジか!」

その場にいる全員が街はずれのコンサートホールに急ぐ。

QB(マミ、ちょっといいかい?)

マミ(……キュゥべぇ!?)

ゆま「いたっ!」

キュゥべえに念話で呼びかけられ、突然足を止める。
急に止まったマミの足に躓き、ゆまが転ぶ。

仁美「大丈夫ですの?」

杏子「ゆま!」

ゆま「へーき……だよ!」

ジョー「? マミちゃん、急にどうした?」

244: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:57:37.29 ID:NiQH7bhf0
QB(マミ、ちょっと良いかな。出来れば一人で来て欲しい。)

QB(美樹さやかの事が心配なんだろう?)

マミ(……美樹さんについて話があるのね……)


マミ「……ごめんなさい、私急ぎの用事が出来ちゃった。後で必ず追いつくわ。」

マミ「先行ってて!」

そう言い残しマミは何処かへ足早に走っていく。

杏子「お、オイ!こんな時に用事って……」

ジョー「いや、この状況だ。きっとさやかちゃんの事に違いねぇ……」

杏子「……でもこんな時に何が……」

杏子「……誰かがテレパシーでマミに話しかけたのか。」

ジョー「あのキュゥべえってやつが呼び出したのかもしれねぇ!」

杏子「あぁ……アイツも何か怪しいしな……」

ジョー「俺がマミちゃんを追う!見つけ次第、マミちゃんから君に連絡して貰う!」

ジョー「だから君達はさやかちゃんの所へ急いでくれ!」


245: ◆E91gIPDjV6 2012/08/26(日) 23:59:34.11 ID:NiQH7bhf0
~何処か~

マミ「キュゥべえ。いきなり何かしら?急いでいるから早く終わらせてほしいのだけれど。」

QB「マミ、さやかが今大変な事になってるのは知ってるよね。」

マミ「ええ、そうよ!用があるなら早くしてほしいわ。」

QB「……そういえばマミ、君は以前僕に魔女は何処から沸いてくるのか、って質問した事があったよね。」

マミ「えぇ……使い魔が成長するのでしょう?それが今更どうかしたの?」

QB「使い魔が成長するって事はそれを生み出した魔女がいるって事だよね。」

マミ「魔女は呪いから産まれるはずよ?」

QB「……まぁ、その通りさ。間違ってはいない。」

QB「状況が状況だ。話すのは避けたかったけど、君に魔女について全て説明するよ。」

QB「まずソウルジェムのメカニズムから説明しないとね……」




ジョー「おい!マミちゃん!」

ジョーがマミの後を追って駆けつけた。
その時、マミは地面にへたり込んで、糸の切れた人形のような状態だった。

ジョー「おい、どうした!?しっかりしろ!」

ジョー「まさか……おい!キュゥべえ!いるのか!いるなら返事しろ!」


QB「……いるよ、でも返事した所で君には解らないだろう?」

QB「……最後の望みはマミだけだ……頼んだよ……」

QB「マミが錯乱してさやかを殺せば、まどかも契約するに違いないよ……」

QB「そうなれば僕の勝ちだ……」

246: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:01:22.24 ID:cxZI4Rdw0
~コンサートホール前~

ほむら「……ここね、間違いないわ。」

キリカと一戦交えたが、その後再びさやかの反応を見つけ、コンサートホールまでやって来たのだ。

まどか「急ごう、ほむらちゃん!」

杏子達にも居場所を伝え、いよいよさやかの元へ辿り着いた。
さやかは恭介とさやかが幼い頃、初めて自分を招待してくれたコンサートホールの
すぐ近くの駅のホームにいたのだ。

光太郎「待っててくれ……今すぐ助けるから!」


4人がさやかの元へ駆け出そうとした途端、巨大な爆発が4人を襲う。
幸い、誰も怪我を負うことは無かった。


光太郎「……誰だッ!?」

「グハハ……!」

「ギィィ……」

その体は光太郎には見覚えのある無骨な体。
だがそれは記憶の物とは少し違っていた。

247: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:04:16.04 ID:cxZI4Rdw0
光太郎「そうか……貴様があの子を操っていたのか!」

「そうさ……俺は怪魔界最強の戦士……」

「怪魔ロボット!ネックスティッカーⅡ!!」

ネックスティッカー。以前怪魔界で戦った相手だ。
体から発する怪電波、それを受信するヘルメットを使い、有機生命体を操る事が出来る。その体は以前とは違い、右肩にはキューブリカンの砲身、そして両腕が巨大なチェーンソーへと変化していた。

「ギィィ……」

光太郎「!?貴方達は……いや、違う!」

光太郎の背後から現れる3つの影。
光太郎にとって共に戦った仲間であり、頼もしい先輩の姿とうり二つのその姿。

「ショッカーライダーNO.1!」

「ショッカーライダーNO.2!」

「ショッカーライダーNO3!」

それは仮面ライダーの偽物、だが性能はオリジナルとほぼ同じであるショッカーライダーだ。

光太郎「……!」

体に力を込め、戦闘態勢へ移行。

光太郎「ほむらちゃん、まどかちゃん、恭介君!君たちは早くさやかちゃんの元へ!」

そう言い、怪魔ロボットの進撃を止めるべく飛びかかる。

ネックスティッカーⅡ「グハハ!南光太郎、貴様の体をバラバラにしてやる!」

チェーンソーの攻撃を何とか避け、足下へ蹴り。
だが怪魔ロボットの鋼鉄の鎧には跳ね返されるのみだ。


ほむら「解ったわ。急ぎましょう。」

ほむらは変身、まどかと恭介の手を引き、さやかの元へ急ぐ。

まどか「わぁ……ほむらちゃん、こんな魔法を……」

恭介「なんだこれ……!?」

光太郎「今だ!変身ッ!」

時間が止まった瞬間、高く跳び仮面ライダーへと変身。

RX「行くぞッ!」

時が動き出す。

ネックスティッカーⅡ「な!?いつの間に変身を!?だがまぁ良い、バラバラにしてやる事に変わりは無い!」

RXと怪魔ロボット、そしてショッカーライダーの戦いの火蓋が斬って落とされた。


248: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:07:58.11 ID:cxZI4Rdw0
~駅~
さやか「うぅ……ぐぅ……」

人気の無くなった駅のイスに腰掛け、静かに悲しみにおぼれていた。

さやか「あたし……やっぱりゾンビだったんだ……こんなの、恭介だって怖がってるはずだよ……」

ほむら「こんな所にいたのね。相変わらず世話が焼けるわ、貴方は」

まどか「さやかちゃん!」

さやか「……二人とも……」

ほむら「……もう貴方のソウルジェム、限界だわ。あと数分遅れていたらどうなっていたのか。」

さやか「……もういいよ。あたしにはもう人間でいる事なんて出来ないんだ。」

まどか「さやかちゃん、でも心があるって、体なんて関係無いって……」

さやか「……でも、あんなゾンビみたいな姿見られて、恭介があたしの事受け入れてくれるはず無いよ。」

ほむら「……それね。そんなの実際会ってみなきゃわからないわよ。」

さやか「……無理だよ……怖がるに決まってる……」

249: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:09:52.70 ID:cxZI4Rdw0
恭介「そんな事無いよ!」

二人から少し遅れてやって来た恭介。

さやか「……恭介!?どうして……」

恭介「さやか、大丈夫かい?」


恭介「……暁美さんから大体の事は聞いたよ。僕の為に魔法少女になってくれたって。」

恭介「……ごめん。さやかがこんなに僕の事思ってくれてたなんて知らないで、八つ当たりして……」

さやか「恭介……」

恭介「君は誰かの為に自分を犠牲にしてくれる……誰よりも優しい人間だったね。」

恭介「昔からそうだったよ。 ……僕は君に憧れてたんだ、優しくて、強くて……」

恭介「……さやかが人間だとか、どうだとかなんてどうでも良い。 これからも、君は僕のヒーローで居て欲しいんだ。」

250: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:11:28.08 ID:cxZI4Rdw0
さやか「でも、あんなゾンビみたいな姿……恐かったでしょ……」


恭介「さやかは、僕をバカにしてるのかい……?」

さやか「えっ……?」


恭介「言っただろ。君は僕のヒーロー……そのヒーローが僕を傷だらけになってでも守ってくれたんだ。」

恭介「どうして……?ここに怖がる必要なんて無い、本当に、さやかがヒーローだったんだから」

恭介「そんな事より、僕はそのヒーローが落ち込んでいる姿なんて、見たくないんだ!」

恭介「いつもの、格好良くて前向きで、誰よりも格好いいヒーローに戻ってくれよ!」

さやか「恭介……うぅ……」

少しだけ目に涙が溜まる。

251: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:14:40.08 ID:cxZI4Rdw0
仁美「そ、れ、に、私との決着、まだついてませんわ」

仁美「ライバルに自分から申し込んだ勝負、逃げ出すなんて卑怯な真似、さやかさんはしないはずですわ。」

少し遅れて駅のホームにやってきた仁美。

杏子「さやか!何処だ!」

ゆま「あっちだよ!」

さやか「……さっきの、女の子!」

ゆま「さやかお姉ちゃん、だいじょうぶだった?きずならゆまがなおしてあげるよ」

さやか「……ありがとう。でももう大丈夫だよ。」

杏子「さやか、大丈夫か!? もう心配すること無いぞ!」

さやか「きょ……杏子……」

ほむら「……水を差すようで悪いけど、早くこれを使いなさい。」

杏子「そんだけ黒かったら一つじゃ足りねえだろ、これも使えよ」

さやか「……皆……ありがとう……!!」

252: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:16:37.10 ID:cxZI4Rdw0
~コンサートホール前~


RX(しかし一体こいつらは……?俺の記憶の限りではクライシスにもゴルゴムにもこんな怪人はいなかったはず……)

RX(先輩達のコピー……という事は恐らく先輩達の戦った組織の物だろう……だが何故……!?)

RX(ここ最近の怪現象は裏でクライシスが糸を引いていると思っていたが……)

ショッカーライダー1「ギギギーッ!」

指先から放たれるミサイルと、口から放たれる火炎。
RXはバックステップで回避するも、4対1では流石のRXも戦いを有利に進める事は出来ない。
着地したRXの周辺に漂う黒い煙。ショッカーライダーNO.2の得意武器、毒ガス攻撃だ。

RX「ぐっ……」

変身したRXには毒ガスは通用しない。
だが本来の目的はそうじゃない。RXの視覚を遮断するのだ。

RX「ぐあぁぁっ!」

突然足下で爆発。
NO.3が得意とする爆雷攻撃。
そして追撃の怪魔ロボットの装備している大砲での射撃。
RXは二つの攻撃に吹き飛ばされる。

253: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:18:58.09 ID:cxZI4Rdw0
ネックスティッカーⅡ「これでもくらえええっ!!!」

爆雷によって毒ガスの煙幕から飛び出したRXを両腕に備え付けられたチェーンソーで切り裂く。
その攻撃に跳ね飛ばされ、地に伏す。

ショッカーライダー「ギギギ……」

3体が地に伏したRXに3人のショッカーライダーが近づく。
RXは3体と格闘するも、怪魔ロボットの援護射撃もある中ではまともに戦うことすら出来ず、3人に体を取り押さえられる。

RX「ぐぁっ……しまった!」

身動きの取れないRXに向かって怪魔ロボットが腕のチェーンソーを構え少しずつ迫る。

ネックスティッカーⅡ「ガハハ……ここでさらばだな、RX!」

その巨大なチェーンソーがRXの体を真っ二つに切り裂いた。
だがその攻撃はRXだけでなく、RXを後ろから羽交い締めの形で取り押さえていたショッカーライダーNO.3の体をもの切り裂いた。

ショッカーライダー3「ギィィィィッッ!!!???」

肩から胸にかけて刃が通されたその体は爆発。

バイオライダー「R!X!バイオッ!ライダッ!」

その体を液化させ、怪魔ロボットの攻撃、ショッカーライダーの拘束から抜け出したのだ。

ネックスティッカーⅡ「おのれバイオライダー!」

ショッカーライダー2「ギィィィィィ!!!」

バイオライダーの正面からはチェーンソーを構えた怪魔ロボット、
背後からはバッタの脚力を最大に生かした回し蹴りが後頭部に向かう。
だがバイオライダーは素早い身のこなしでその両面からの攻撃を回避。
ふり回された怪魔ロボットのチェーンソーはバイオライダーではなくショッカーライダーNO.2の右膝から下を斬り飛ばす。

254: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:20:47.35 ID:cxZI4Rdw0
バイオライダー「トアッ!」

必殺武器、バイオブレードを構え怪魔ロボットに挑む。
怪魔ロボットは今度は砲撃を放つも、バイオライダーの体をすり抜け、背後にいたショッカーライダーを二人吹き飛ばす。
足を失ったショッカーライダーNO.2はその爆発に飲み込まれ、破壊。

バイオライダー「今だッ!」

その一瞬の隙を突き、バイオブレードが怪魔ロボットの巨大なチェーンソーを備えた右腕を切り落とす。

背後から一人となったショッカーライダーが迫るも、それを察知し上空へ高く跳ぶ。

RX「RXキィィィィックッッッ!!!」

再びRXの体へと戻り、後方へ旋回、ショッカーライダーの背後から必殺のRXキックをたたき込む。
ショッカーライダーは怪魔ロボットの居る方へ吹き飛ばされた。

ネックスティッカーⅡ「ぐっ!?よせ、よせ!」

ショッカーライダーの体内に内蔵されている火炎放射装置。
その燃料が体内に装備されているため、爆発のエネルギー量は他のショッカーライダーよりも強大だ。
残った怪魔ロボットの左腕を巻き込み、ショッカーライダーも爆砕する。

RX「リボルケインッ!」

怪魔ロボットが爆煙で視界を封じられ、身動きが取れない所にリボルケインを引き抜いたRXが飛びかかり、その怪魔ロボットの鋼鉄のボディを貫く。

RX「ッッ!!」

リボルケインを引き抜き、怪魔ロボットは火花を散らし爆発。


255: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:22:01.79 ID:cxZI4Rdw0
~駅~
仁美「別に礼には及びませんわ。さやかさんは私たちを助けてくれたのですもの。」

恭介「これでおあいこ、だね。」


仲間達の協力のおかげでさやかは希望を取り戻した。
グリーフシードを受け取り、浄化する。


さやか「うぅっ!?……あ……」

突然空から飛んできたビームがさやかのソウルジェムを貫いた。
そのビームを浴びた途端、さやかは異常なまでに苦しみ始める。

さやか「うぅぅぅぅ……あぁ………あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ソウルジェムが手からこぼれ落ちる。
立つことすらままならなくなり、自分の胸を押さえ苦しみのあまり暴れ出す。
目を見開き、体の底から出したような悲痛な叫び声を上げた後、ぱたりと手足を投げ出した。

マミ「……」

ジョー「……おい!さやかちゃん!しっかりしろ!」

マミ「美樹さん……うぅ……間に合わなかった……」

ジョー「どういう事だ!?一体何が!」

杏子「クソッ……なんだよ、全然吸い取れねぇ!」

黒く濁りきったソウルジェムにグリーフシードを当てるも、全く汚れは吸い取れなかった。

恭介「さやか!しっかりしろ!」

ほむら「……どうして!? 」

256: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:23:10.05 ID:cxZI4Rdw0
QB「無駄だよ。それはもうソウルジェムじゃないからね。」

そこには目を赤黒く輝かせたキュゥべえの姿。

ほむら「……インキュベーター……ッ!貴方の仕業ね……!」

QB「全く、余計な事をしないで欲しいな。」


そして、さやかのソウルジェムがグリーフシードへと変化し始める。

マミ(……壊さなきゃ……ソウルジェムを……)

銃を構え、狙いを定める。

ジョー「……やめろ!マミちゃん!」


マミ「……出来ないっ……こんな事……仲間を殺すなんて……」

手が震え、視界も涙で曇る。

そして遂に結界が広がる。

257: ◆E91gIPDjV6 2012/08/27(月) 00:23:57.96 ID:cxZI4Rdw0
QB「ふぅ。これで美樹さやかが魔女になってくれたよ。」

QB「一時はどうなるかって思ったけど、これでRXも倒すことが出来るし」

QB「何よりも美樹さやかのエネルギーが手に入った。」

つづく

264: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 02:50:09.21 ID:BgPwHdmu0
RX「早くさやかちゃんの元へ急がなければ……ッ!?」

RX(何か強大なエネルギーの反応が……? まさか皆を狙って怪人が……!?)




~結界内~

杏子「テメェ……一体何なんだよ……」

マミ「うぅ……」

グリーフシードへと変化し、魔女となったさやか。
杏子は何が起きたかが全く理解出来ず、全てを知ってしまったマミはその場にへたり込む。

ジョー「おい!しっかりしろ!……あの時と同じか、またソウルジェムが奪われたって事か!?」

オクタヴィア「オオオオオオッッ!!」

突然現れた魔女は大剣を作りだし、振り回す。

まどか「さやかちゃん……どうして……!?」

ゆま「さやかおねえちゃん、しっかりして!」

その場に横たわっているさやかの体に話しかけるも、当然反応は無い。


マミ「……!」

恭介「え……?」

マミはリボンを召還し、恭介と仁美を結界の外へ放り出す。

マミ「私が……私が……」

例えさやかであっても魔女を放っておく訳にはいかない。
何も知らなかったとしても親友の殺される姿を恭介と仁美には見せたくなかった。
これは魔女だ、魔女だと何度も心の中で唱え、銃を構えるも、打つ事は出来ない。
かつての仲間だ、共に戦った仲間を殺せるなど出来はしない。

265: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 02:51:47.47 ID:BgPwHdmu0
ほむら「美樹さやか……この世界でも、貴方は……」

ほむらは、まどかを救う事のみを第一に考えていた。
だが彼女はまだ冷血になりきる事が出来ず、さやかを救えなかった事への動揺もまた大きかった。

RX「トァッ!」

結界の中へRXが跳び入る。

RX「!やはり魔女か!」

RX「……さやかちゃん!しっかりしろ!」

さやかの体を見つけ、返事を呼びかけるも反応はない。

RX(やはりあの魔女の仕業か……!)

ジョー「きっとまた魔女がソウルジェムを奪ったんだ!とにかく早く奪い返さないと、さやかちゃんのソウルジェムは限界だ!」

杏子「……そういう事かよ……ナメた真似してよ……」

266: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 02:53:26.74 ID:BgPwHdmu0
魔女への怒りを顕わにした杏子と、
RXとジョーが魔女と向かい合う。

オクタヴィア「ウォォォォ!!!」

魔女は二人目掛けて車輪を放つ。

ロボライダー「ボルテックシューター!」

その銃から放つ光線が車輪を消滅させる。

ロボライダー「ソウルジェムを返して貰うぞ!」

魔女へボルテックシューターを向ける。

マミ「……駄目ッ!!!」

その魔女とロボライダーの間にマミが割ってはいる。
まるで魔女の盾となるよう立ちふさがった

ロボライダー「!?どうしたマミちゃん!早く避けるんだ!」

マミ「駄目っ……美樹さんを……美樹さんを殺すなんて……」

ロボライダー「……何ッ!?一体どういう事なんだ!?」

267: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 02:54:46.06 ID:BgPwHdmu0
杏子「オイ!マミ、今なんつったんだよ!」

オクタヴィア「オオオオオオッ!!!」

無防備なマミの背へ魔女の剣が振り下ろされる。

ロボライダー「……危ないッ!」

素早く魔女とマミの間へ入って、剣をその体で受け止める。
マミが待避した所を見計らって、脱出。

RX「……マクロアイッ!」

RXの姿へ戻り、その眼光で魔女の体を透視。
さやかの魔力の反応を調べるのだ。

RX「……!?マミちゃんの言うとおりなのか!?あの魔女の体全体から、さやかちゃんの反応が……!?」

杏子「……オイ!?どういう事だよそれ!?」

ジョー「じゃ、じゃああの魔女が本当に……!!」

まどか「……え……?嘘……だよね……」


ほむら「……一旦退くわ。」

ほむらが時間を停止させる。

RX「……!」

ほむら「ここに居ても埒があかないわ。どうするにしても一度体制を立て直さないと。」

268: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 02:57:32.81 ID:BgPwHdmu0
~結界外~

さっきまでいた駅のホーム。
魔女の結界から出てきた6人。

恭介「さやかは……!?さやかは!?」

まどか「うぅ……」

ゆま「さっきから、返事してくれない……」

何も知らないゆまはさやかの体に何度も話しかけた。

杏子「うわぁぁぁぁぁ!チクショォォォォ!!!」

大声を上げて杏子が地面を思い切り殴る。
拳が血だらけになろうとも、何度も何度も。
杏子にとってはさやかはまるで昔の自分のように思えた。
何も救えなかった自分の最後の希望だった。その希望を目の前で砕かれたのだ。

ジョー「……さっきのはどういう意味なんだよ、マミちゃん!」

焦るようにマミに話しかける。

マミ「………」

だが悲しみの余り頭が真っ白になり、返事は帰ってこない。

269: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:01:11.75 ID:BgPwHdmu0
ほむら「……巴マミの言うことは本当よ。」

ほむら「ソウルジェムが濁りきったとき、私たちはグリーフシードへと変化する……それが魔法少女の最期。」

恭介「それって……さっきの怪物がさやかって事……?」

仁美「さやかさんが……?」

ゆま「そんな……」

杏子「……嘘……だろ……」

まどか「折角……折角さやかちゃん、立ち直ったのに……どうして……」

ジョー「……ふざけんじゃねぇ……んな事、あってたまるかってんだ!」

光太郎「……ッ!」

光太郎はまた葛藤した。
もう一度、仲間をこの手で殺さなければならないのか。
彼女たちに仲間を殺す悲しみを味合わせる事になるのか。
脳裏に何度も浮かぶ信彦の顔。今でもその事に心が締め付けられる事がある。
何度も誓った、信彦を救う、救う、と。だがそれは不可能に終わってしまったのだ。
この悲劇が再び起きようとしているのか、と。

QB「……様子を見に来れば、これはどういう事だい?」

QB「マミ、君なら発狂してさやかのソウルジェムを打ち抜いてくれると思ったんだけど……」

QB「全く、君は群れるようになってから弱くなったね。」

杏子「テメェ!よくもヌケヌケと現れやがって……」

杏子が全てを言い終える前に、光太郎の拳がキュゥべえを砕いた。

光太郎「貴様ッ!何故さやかちゃんを魔女へ……ッ!!!!」

光太郎「これほどまで彼女たちを残酷な目に遭わせるなんて……許さん………ッッ!!!」

270: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:04:08.99 ID:BgPwHdmu0
ほむら「……美樹さやかのソウルジェムに打った光線、犯人は貴方でしょう。答えなさい、あれは何?」

拳銃を突きつけほむらが脅しかける。
何度もそれは無駄なことだと知っている、のに。

QB「さぁね。わからないよ。」

意外な答えにほむらは戸惑う。
インキュベーターには感情がない。膨張表現や黙秘は出来るが、嘘を付くことなどできやしないのだ。

光太郎「……魔女を人間に戻す方法は、さやかちゃんを元に戻すにはどうすれば良いんだ!」

QB「さぁね。前例は無いね。」

QB「でも、不条理を覆すのが君たちだ。何をしても驚かないよ。」


杏子「クソッ!、またアイツに騙されて……こんなのがさやかの最期だってのかよ……」

ゆま「うぅ……」

ジョー「……諦めてる場合じゃないぜ……!」

ジョー「さやかちゃんを救えるのは俺たちだけなんだ!そんな俺たちが落ち込んでて、どうすんだよ!」

ジョー「たとえあのキュゥべえとか言う奴が不可能だと言っても、あんな奴の言うこと信用する必要なんか無ぇ!」

マミ「……!」

光太郎「……あぁ、そうだな!ジョー!」

ジョーの言葉にマミは顔を上げ、光太郎の顔から悲しみの色が薄れる。

271: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:04:59.02 ID:BgPwHdmu0
ほむら「……美樹さやかの魔女の反応が消えたわ。」

ほむら「……こうなった以上、今日はもう深追い出来ないわね。」

ほむら「美樹さやかの魔女の対策は後日になるわ。そうなるなら、一度策を練っておきましょう。」

杏子「ああ……」

マミ「……取り戻しましょう、美樹さんを」

ゆま「うん!」

まどか「私も、出来る限りの事はするよ!」

恭介「僕もだ……恩返しはまだやりきってないよ……」

仁美「決着をつけるまで、諦めませんわ!」

ジョー「……あぁ、絶対助けようぜ!

272: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:08:10.94 ID:BgPwHdmu0
一致団結をした皆は体を休めるため、一度家へ戻った。
一部を除いて。

光太郎「話があるって……」

ほむら「……単刀直入に聞くわ。」

ほむら「貴方、あの魔女をどうするの?」

光太郎「……助けるよ。」

ほむら「言葉だけじゃ、信用出来ないわね……」

そう言ったほむらが光太郎の顔を見据える。
だがその瞳の奥には自分と同じ、悲しみに似たような感情が渦巻いているように思えた。

光太郎「……俺には、親友がいたんだ。名前は信彦。」

光太郎「俺と信彦はまるで兄弟みたいに育てられた。でも、俺も信彦もゴルゴムの改造人間にされたんだ……。」

光太郎「俺は何とか脱出出来たけど、信彦は捕らわれたまま。そのまま完全にゴルゴムになってしまった。」

光太郎「俺は……信彦と戦わなければならなかった。何度も何度も元に戻そうとしたけど……」

光太郎「……結局俺はこの手で信彦を殺してしまったんだ。 ……今はそれと全く同じ事になっている。」

光太郎「でも、俺は君たちに仲間を失う悲しみ、仲間をこの手で殺める悲しみを知って欲しくない……」

光太郎「さやかちゃんだって同じだろう。あんな姿になって、人を襲ったりしたくないんだ。」

光太郎「救えなかった仲間……そんな後悔を、君たちにして欲しく無い!」

もし魔女を倒す等と口走ったならば、それはまどかの強大な力に気づけばまどかを殺すかもしれない。
だからその頭をマシンガンで吹き飛ばしてやるつもりだった。
光太郎の話を聞き、ほむらは自分と同じ物を感じた。
友を救う為に死力を尽くし、それで届かなかった……自分が何度も通ってきた道だ。
その正義に燃える心の奥でそんな悲しみを封じ込めていた事に驚きが隠せない。

ほむら「……そうなの。そんな事があったのね……。」

ほむら「……私も同じよ……。私も、ただまどかを救うために……」

ほむらは光太郎にある種の信頼のような物を感じた。
自分の唯一の理解者が現れた、そんな気分だ。

273: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:10:15.18 ID:BgPwHdmu0




光太郎「君も、そうやって何度も戦ってきたのか……」

ほむら「そうよ。私はあの子を救うためなら、絶対に諦めない。」

全てを話し終えたほむら。
ふと光太郎が目をやると、言葉の強さとは裏腹にその肩は年相応の少女の物だ。
強がり、自分を押し隠していたほむらの内なる感情が初めて見えた。

杏子「んだよ、そんな事隠していたのか?」

ほむら「……杏子!?」

杏子「やけに色々知っていると思ってたら、案の定か。」

杏子「アンタも誰かの為に願って、それでも戦い続けてる……なんだ、根はアタシやさやかと同じじゃねぇかよ」

杏子「……きっとこれがアタシのあるべき姿だったんだろうな。いいぜ、さやかも救って、ワルプルギスも倒して、まどかも救おうぜ。」

ほむら「でも……魔女が戻った試しなんて今まで一度も……」

その声は普段から想像もつかない程震えた声。

ゆま「いままでできなくても、こんどはどうなるかわからないよ!」

ゆまの声が飛ぶ。幼い声でも、だからこそ効果は抜群だ。

ジョー「それに、ほむらちゃんの話聞く限りじゃ今まで俺たちと一緒に戦った事なんて無かったそうじゃねぇか」

ジョー「でも俺たちもいる今なら、出来るかもしれないぜ?」

光太郎「そうだよ! 奇跡なんて無くても、俺たちの力で!」

マミ「そうよ。そんなに抱え込んでいるならすぐ話せば良かったのに」

マミ「曲がりなりにも私は見滝原の魔法少女のリーダー。リーダーに隠し事なんて、許しません!」

ほむら「巴さん……」

光太郎にのみ話したつもりが、他の4人にも聞かれていたのだ。

ほむら「皆……うぅ……」

まるで契約したての時の純粋な信じる気持ちを思い出したかのような涙。
それを表すかのように朝日が昇り空が薄紫に染まる。


274: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:12:11.94 ID:BgPwHdmu0
~マミの家~

夜が明け、その日の夕方、さやかを救う為の策を練る為、マミの家に皆が集まった。

杏子「作戦はもう一つしかねぇ、まどか達が呼びかけて、元に戻るのを待つ。」

杏子「アタシ達はその間時間を稼ぐ。それだけだ。」

杏子「それにさやかの体を腐らせない為にもアタシとマミのどっちかは抜けなきゃいけない。」

杏子「……マミ、それはマミがやってくれないか……?さやかを救うのはアタシがやりたいんだ、頼む!」

要求に驚く。だが杏子の熱意に押され、承諾しようとするも、


光太郎「……俺に任せてくれ。呼びかける人数は一人も欠けない方が良い。」

マミ「光太郎さん……?」

光太郎「腐らせないという事は命のエネルギーを与え続けていれば良いんだ。」

光太郎「……あそこならそれが出来るかもしれない。」

275: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:13:22.37 ID:BgPwHdmu0
ジョー「……俺にまともに魔女と戦う力はねぇ。でも使い魔の掃除くらいなら出来るぜ。」

魔女と戦うフォーメーション、まずはジョーが使い魔の対処を買って出た。

光太郎「俺が魔女の前で攻撃を受け流す。その隙にマミちゃんと杏子ちゃんが魔女の動きを止めてくれ。」

光太郎「ほむらちゃん、君はまどかちゃん達を使い魔から守ってくれ。」

光太郎「ゆまちゃん、恐らく長期戦になる。君は怪我をした場合の治療を頼む。」

ゆま「うん!」

まどか「仁美ちゃん、上条くん、いきなりでごめんね、でも、頑張ろう!」

恭介「言うまでも無いよ」

仁美「勿論ですわ」


杏子「そうだよ、さっさとさやかを元に戻してワルプルギスってヤツをぶちのめさないとな!」

まどか「ワルプルギス……?」

ほむら「ワルプルギスの夜よ……。数日後、見滝原に上陸する、超弩級の魔女。」

マミ「……そういえば私もそんなに多くはしらないわ。」

ゆま「どきゅー?すごいの?」

光太郎「……一体どの位の規模なんだい?」

ほむら「えぇ……それは……」

276: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:16:45.12 ID:BgPwHdmu0
~アリゾナ州~

アリゾナの人気の無い廃工場。
そこにぽつんと立つ倉。

「一也の衛生からの情報だ。昨日突然太平洋上に現れた謎のスーパーセル……このまま行けば静岡、山梨、長野を通って群馬へ到達する……」

「幸運な事に静岡、山梨、長野はこのまま経路が変わらない限りは人的被害の少ない場所を通る。」

そう言うと片方の男が地図上の太平洋、そこから群馬までの道のりを指で示す。

「そうか……で、一番危険なのはこの大都市の見滝原、って事か」

「この規模のスーパーセルが通過すれば街一帯はたちまち壊滅する。」

「それにここ最近世界の各地で僅かだが、クライシスの兵が現れている事は風見達の報告から明らかになっている。」

「そのスーパーセルにクライシスが絡んでいる可能性は少なからずあるという訳だな……」

「何人かは既に日本へ向かっている。俺たちも急ごう、隼人。」

「あぁ!本郷!」

277: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:18:02.74 ID:BgPwHdmu0
~マミの家~

ジョー「……とんでもねぇバケモノだな……」

杏子「でも安心しろよ!今度は大丈夫だって!なんせアタシ達もいるわけだし!」

ほむら「……!?」

まどか「今度……?ほむらちゃん、前にも戦ったことあるの?」

ほむら「い、いや、その……」

光太郎「ほ、ほら、きっと外国で戦ってたんだよ!きっとここに来たのもそいつを追ってきたからで……」

まどか「……そうだったんですか。」

光太郎「悪い、俺行ってくるよ。約束の時間までには必ず戻る。」

278: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:19:11.81 ID:BgPwHdmu0
~廃工場~

「ここが美樹さやかの魔女の居場所か。」

黒装束に身を包んだ男。右手には緑色の石、そして肩には黒い色をした火の玉のような物が浮かんでいる。

「この魔女と融合させるには怪魔妖族が適任だな。おい、準備しろ。」

チャップ「ははっ……」

チャップが廃工場の壁に突き刺さっているグリーフシードを抜く。
そして天秤のような機械に、男がもう片方に緑色の石を装着する。

「出でよ……怪魔妖族最強の戦士……百目婆ァよ!」

肩に乗った火の玉から緑色の石にビームが注がれ、グリーフシードに百目婆ァをインストールする。

「ククク……お前には感謝している。お前のエネルギーのおかげで皇帝陛下の魂がインキュベーターの体を借りずとも存在出来る程になったのだからな。」

「褒美に最強の妖族の体をくれてやろう。」

279: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:20:11.39 ID:BgPwHdmu0
~何処か~

光太郎「……」

抜け殻となったさやかの体を抱えて、薄暗い、洞窟のような所に一人やってきた。
洞窟は酷く荒れ果て、瓦礫が散らばったようになっていた。

光太郎「……聖なる海の洞窟よ!俺たちに最後……この一度だけ力を貸してくれ!」

その洞窟は聖なる海の洞窟。かつてクジラ怪人が死んだ自分を再生させてくれた場所。
そこはもうライドロンに全ての力を与え、崩れ最早瓦礫しか残っていない。

光太郎「俺はあの時貴方に頼るのは最後だと言った……だけどもう一度だけ、この子を救う為に!」

何もない洞窟。光太郎が叫ぶと僅かに光が灯る。
光太郎の望みを聞き、無いに等しい力を分け与えてくれるのだ。

光太郎「……ありがとう!」

その洞窟にさやかの身を預け、光太郎は仲間達の元へ戻っていく。
もうすぐ約束の時間だ。

281: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:25:26.84 ID:BgPwHdmu0
~街~

杏子「……こっちの方だ!」

さやかの魔女が再び行動を開始した。
その魔力を捕らえ、さやかを救うべく皆廃工場へと向かう。

QB「……やぁ、まどか」

ほむら「インキュベーター!?」

光太郎「貴様!」

ジョー「よくわからねぇけど、また来たのか!」

ゆま「べーっっだ!」

皆キュゥべぇへの憎悪を顕わにする。

QB「別に君たちに用がある訳じゃないよ。僕が用があるのはまどかさ。」

QB「君は今からさやかを助けに行くんだろう?でも僅かな奇跡に賭けるよりは、君が契約してさやかを元に戻すのが一番手っ取り早いんじゃないかい?」

QB「どういう訳か解らないけど、何故か君には途方もない力が備わっている。宇宙の法則をねじ曲げる程の、ね。」

ほむら「やめて、まどか!契約しないで!」

ゆま「そうだよ、いままどかおねえちゃんが契約したらなんのためにほむらおねえちゃんは……」

杏子「ば、ばか、それ以上言うな、ゆま!」

まどか「……え……?」

ゆまの漏らした言葉に皆が一瞬静まる。
それを押し隠すかのようにマミが叫ぶ。

マミ「と、とにかく、キュゥべえ、これ以上契約を結ぼうとするなんて、許さないわ。」

QB「なんだいマミ。君は随分仲間を欲していたじゃないか。」

282: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:27:12.21 ID:BgPwHdmu0
QB「君にとってまどかが契約するのは嬉しい事のはずなんだけどな。」

QB「まったく、君は随分と弱くなったよ。」

光太郎「違う!マミちゃんは弱くなんか無い!」

光太郎「確かに最初は仲間に依存していただけかもしれない……けど、今はそれを乗り越えた!」

光太郎「何度も俺たちを助けてくれた……仲間の為に命を賭けられたマミちゃんが弱いはずなど無い!」

マミ「そうよ……戦ってなんかくれなくても良い。側にいてくれるだけで、支えになってくれる仲間がいる。」

少し顔が明るくなったマミ。
少しの笑を浮かべながら言い放つ。

ジョー「そうだ!何言ってるか解らねぇけどお前の言ってることは全て間違いって事だ、キュゥべぇ!」

周りの流れに乗ってジョーが叫ぶ。

光太郎「インキュベーター……貴様の目的を全て話して貰おうか……」

QB「やれやれ、解ったよ。」

283: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:29:26.96 ID:BgPwHdmu0



QB「全ては宇宙の為さ。宇宙の為に死んでくれる気になったら契約してよ。」

光太郎「そんな目的の為に少女の希望や命を弄んでいたのか!?」

QB「そんな、なんて酷いな。宇宙を枯れさせない為にやってることさ。」

QB「そもそも何で君たちが一個体の生き死ににそこまで拘るのかな。」

光太郎「地球に生きている生命、一つ一つが掛け替えのない命なんだ!皆調和して生きている!」

光太郎「地球だけじゃない、宇宙に生きている生命全てが手を取り合えば、どんな困難もきっと乗り越えられる!」

ほむら「……そうね……。ふふっ、きっとそうだわ。」

光太郎の熱弁に納得し、何故か少しだけ心に余裕が出来、少しだけ笑みが浮かぶ。

杏子「エントロピーとか言われても訳わかんねーけど、とりあえずテメーがここにいるべきじゃねってのは解った。」

ジョー「交渉決裂だな。とっとと地球からでてきやがれ!」

何も見えないジョーも反論する。


QB「そんなあるかどうか解らない可能性に賭けるなんて出来ないよ。」

QB「今ある合理的な方法で解決するんだ。そんな事する必要は本来は無いんだけど……」

284: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:31:42.36 ID:BgPwHdmu0
その瞬間、空の彼方からやってくる黒い霧。
まるで龍のような動きをしながらこちらに向かってくるのを誰も気づくことはなかった。

「そうだ、余計な事をする必要は無いな。」

インキュベーターの頭を突然踏みつける黒いブーツ。
その頭は砕ける。

「久しぶりだな、南光太郎。霞のジョー。」

その黒装束に身を包んだ男は二人にとっての宿敵。
かつて地球の全ての生命の存亡を賭けて戦った敵の親玉直属の下部。
いや、というよりはほぼ敵の親玉と同じだろう。

ジョー「お前は……!」

光太郎「……ダスマダー!」

マミ「……!?」

杏子「だ、誰だ!?」

ダスマダー「……フフ。」

光太郎「ダスマダー!何故ここにいる!?クライシス皇帝は滅びたはずだ!」

ジョー「今度は何を企んでやがる!」

ダスマダー「……その内解る事だ。今日は挨拶代わりに来ただけだ。」

ダスマダー「フンッ!」

そう言い残すとダスマダーは黒い霧となって消えて行く。

ジョー「……ダスマダーの野郎まで出てくるとはな……」

光太郎「ヤツが存在するという事はクライシス皇帝も存在するという事か……!」

光太郎「何故……?奴はあの時怪魔界と共に滅びた……」

光太郎「怪魔界亡き今、奴が生きていたとして何故地球を攻撃する……?」

ほむら「驚いている所、申し訳ないけど、急ぎましょう。」

ほむら「一秒ですら惜しいわ。」

光太郎「あぁ……今は奴に構っている時じゃない。考えるのは後にしよう。」

285: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:32:59.83 ID:BgPwHdmu0
~結界前~

杏子「……昨日と魔力パターンが同じだ……クソッ……」

ほむら「パターンは同じ、だけどとても強くなってる。」

ゆま「魔女がげんきになってる……」

光太郎「もう奴らが目を付けていたのか……おのれ……」

杏子「ウダウダ言ってる場合じゃねぇ!さっさと入るぞ!」

286: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:35:02.90 ID:BgPwHdmu0
~結界内~

光太郎「この結界の奥に行けば……」

ジョー「3人とも、俺の側から離れるんじゃねぇぞ。」

ジョーが呼びかけるのを担当する3人に話しかける。

まどか「ねぇ……私が契約すれば、さやかちゃんは元に戻るの……かな……」

杏子「な、何言い出すんだよ、これから戦うって時に……」

まどか「だって、私、今まで何もしないで皆にばっかり戦わせて……」

まどか「私って、本当は凄い卑怯じゃないのかなって……うぅ……」

目の前で親友が苦しんでいたのに、何もしない自分。
全部誰かに投げっぱなしの自分を耐えられない。

ほむら「……そんな事無いわ。」

ほむら「貴方が卑怯なんてはず無いわ。卑怯だったらどうして、そんなに誰かの為に犠牲になったりするのよ……」

ほむら「どうして、どうして貴方はそんなに優しいの……どうして自分ばっかり……」

杏子(な、何急に言い出してんだアイツ!? あんな秘密にしたがってたくせに……)

仁美「あら……」

光太郎「……何も一緒に戦うだけが仲間じゃないさ。ただ、後ろから誰かの手を握るだけで良い。」

戦ってくれなくても、仲間だ。
かつて、孤独な戦いに疲れ果てた自分を支えてくれた家族とも呼べる仲間。
それがあるだけで光太郎は心強かった。だからどんな強敵にも打ち勝つ事が出来た。

ジョー「……ま、どうしてもってなら俺たちが戦って駄目な時だな。」

マミ「鹿目さんが契約する必要なんて、無いでしょうけど……。もっと私たちを信じてくれてもいいのよ?」

マミ「だって、鹿目さんや美樹さんがいてくれるだけで私、幸せだもの。」

少し笑って二人が言う。

ゆま「……!くるよ!」

扉が開き、魔女の結界の最深部へ。

287: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:36:32.66 ID:BgPwHdmu0
~結界最深部~

杏子「良いな。打ち合わせ通りに!」

そう言うと杏子が結界を作り出し恭介、仁美、まどかの三人を守る。

オクタヴィア「ガァァァァ!!!」

魔女が車輪を飛ばす。

光太郎「変身!」

光太郎は飛び上がりRXへと変わる。

RX「トァッ!」

そのまま前方へ宙返りし、手刀で車輪を破壊する。
そして魔女のすぐ近くまで飛び込む。


恭介「さやか……早く戻ってくれよ……!」

まどか「さやかちゃん!」

仁美「さやかさん!」


結界の中から三人が呼びかける。

ジョー「クソッ、数が多すぎるぜ……」

迫ってくる車輪は以前よりも数も強さも増していた。
受け流すだけで精一杯だ。

ゆま「たすけるよ!」

ほむら「ッ……!」

ジョーへと進む車輪をゆまとほむらが打ち壊す。

ジョー「サンキュ、助かった!」

288: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:37:34.22 ID:BgPwHdmu0
マミ「レガーレ!」

オクタヴィア「グォォォォ!!!」

その口から火炎攻撃を放つ魔女。
その火炎はマミの放つリボンを焼き払い、RXの体をも焼く。

RX「ぐっ……」

少し怯んだRXへ魔女はその巨大な剣を振り下ろす。
だがRXはその体を液体へと変え、空中で体を再構成。

バイオライダー「バイオアタックッ!」

杏子「でかした!オラッ!」

マミ「行くわよ、レガーレ・ヴァスタアリア!」

体を液体にし、その体当たりで魔女を怯ませ、その隙にマミと杏子が巨大な鎖、リボンで魔女を拘束。

バイオライダー「バイオブレード!トアッ!」

魔女が車輪を生み出し、打ちだそうとするも、バイオブレードに全て破壊される。

まどか「さやかちゃん、さやかちゃんはこんな事したく無かったはずだよ……」

仁美「お願いします……さやかさんに戻って下さい……」

恭介「さやか、僕だ、僕の声くらい覚えてるだろう……?」


289: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:38:35.64 ID:BgPwHdmu0
~結界前~

ダスマダー『お前達はそこで待機していろ。もしも魔女を倒して疲労しきったRXが出てきたならば、すぐ倒せ。』

ダスマダー『そして、鹿目まどかを捕らえろ。インキュベーターの契約はなんとしても阻止しろ。』

ショッカーライダー「「ギィィー!!」」

結界前に待機するのはショッカーライダーの4、5、6だ。
魔女がRXを倒せばそこまで、RXが魔女を倒すようであれば出てきた所を潰す。

290: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:39:32.97 ID:BgPwHdmu0
~結界最深部~

オクタヴィア「グ……グ……ウォァアアアアアアアア!!!!」

杏子「さやか……さっさと元に……うわぁっ!」

マミ「きゃぁっ!」

バイオライダー「ぐぁぁっ!」

一瞬だけ何か苦しんだように思えた魔女だったが、次の瞬間に暴れ出しマミと杏子を吹き飛ばす。
そしてその剣でバイオライダーを切り裂き、結界の壁まで吹き飛ばす。
吹き飛ばされたバイオライダーは壁から床に弾み、床が崩れ落ち下の階まで落下。

ジョー「兄貴!?」

杏子「クソッ……聞き分けねぇにも程があるぜ!」

マミ「美樹さん、大人しくして……」

しかし魔女は体にまとわりついた鎖とリボンを千切り、さらに暴れ回る。
剣を振り回し、車輪を飛ばす。

オクタヴィア「ガァァアアアアッ!!!アアアッッ!!!」

体の周囲に大量の車輪を召還し打ち出す。
その量はとても防ぎきれる量ではない。
それに加え、付加された怪人の能力、レーザーに火炎まで加わるのだ。


291: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:40:29.73 ID:BgPwHdmu0
マミ「ぐっ……きゃあぁっ!」

四方八方から迫る車輪や火炎を銃を生成し迎え撃つが、最後には車輪の体当たりをまともに受けてしまい、背中を負傷。さらに脳しんとうで動けなくなる。

杏子「マミ!このやろっ!」

マミの元に杏子が飛び込む。
結界を作り出しマミを隔離、自分は槍を振り回し車輪をかいくぐりながら魔女の元へ。

杏子「らぁぁぁぁっ……!!!」

持ち前のスピードで車輪や火炎をくぐりぬけ、魔女の元へ到達。

杏子「さやか……、落ち着けってんだよぉっ!」

跳び、槍を振り下ろすも、空中で動きが止まる。
魔女が念力を使ったのだ。

杏子「ぐっ……!?な、なんだこれ……動けねぇ……」

その空中で身動きのとれない杏子に魔女は剣を振り下ろそうとする。
その一撃が決まれば杏子は再起不能だろう。

292: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:42:22.33 ID:BgPwHdmu0
ジョー「ガハッ!」

車輪の猛攻を避けきる事が出来ず、吹き飛ばされる。
大量に迫ってくる車輪、ほむらは時間停止を駆使してそれを破壊するも、絶え間なくせまる車輪には焼け石に水だ。

ほむら(使い魔が強力すぎる……このままじゃ、魔力が尽きるのも時間の問題……)

ゆま「えいっ!えいっ!」

がむしゃらにハンマーを振り回し車輪の軌道を結界に守られた三人から逸らす。
だが捌ききれなかった車輪が少しずつ結界に当たり、僅かずつ壊していく。

まどか「さやかちゃん、正義の味方になるって……わっ!」

仁美「どうして……どうしてこんな事……」

攻撃に晒されながらも必死に呼びかけ続ける。

恭介「さやかぁぁぁーッ!!!」


293: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:43:45.12 ID:BgPwHdmu0
杏子(クソッ、こんな所で終わるのかよ……)

魔女はその巨大な剣を振り下ろす。

杏子「くっ……! ……?」

全て終わりと悟った杏子だったが、その剣の動きが僅かに鈍った。

魔女「ガ……ガ……アアアアッ!!!」

マミ「佐倉さん!!」

再び勢いよく剣を振り下ろした魔女から間一髪、マミがリボンで杏子を救い出す。
だが完全に避けた訳では無く、その剣は杏子の足を砕いた。

杏子「ぐああっ……うっ……」

マミ「待ってて、今治癒魔法を……」

杏子を自分の作った結界の中へと引き込み、その足を治癒しようとするも、杏子はそれを拒否。

杏子「よせよ……そんなんじゃ、魔力がもたねぇっての!自分の怪我も治せねぇクセしてよ……」

マミ「でも、そんな怪我してたら……痛みを消して戦ったら、それこそ魔力がもたないわ!」

杏子「うるせぇ、こんなん何でもねぇよ……それに、お前だって随分やせ我慢してんだろ……」

マミ「……」

さっきの使い魔の攻撃をまともに受け、背中を負傷、頭から血を垂らしたマミ。
マミも魔法を使わず痛みに耐えていたのだ。

294: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:45:14.70 ID:BgPwHdmu0
ゆま「わあぁぁっ!」

遂にゆまが吹き飛ばされ、三人を守っていた結界が破壊される。

オクタヴィア「ウオァァァァ!!!ウアァァァアァッ!!!」

魔女はその豪腕をまどかへ伸ばす。

恭介「よせっ……よせ、さやか!」

ジョー「待てっ!さやかちゃん!」

突然、先ほどまで倒れていたジョーが叫ぶ。
ダメージが抜けきらず、足も震えている状態だ。

ジョー「さやかちゃん……君は、そんな事したくなかったはずだろ!?」

ジョー「君は何度も自分に負けそうになっても、それを乗り越えて来たじゃねぇか!」

ジョー「もう一度、もう一度自分の心に打ち勝てよ……!安心しろ、俺たちだって……君の呪いを背負ってやる!」

ジョー「だからもう一度……自分の心と戦って、勝ってくれ!さやかちゃん!」

何度も、ジョーは叫ぶ。
さやかは何度も絶望し、何度もそれを乗り越えて来たのだ。
その力をジョーは信じていた。

オクタヴィア「アァァ……アアアアア!!!」

魔女の動きが僅かに停止する。
だが暫くするとまた狂ったように暴れ出し、剣を振り回す。

オクタヴィア「オォォ……オノレ……コム……スメ……ジャマシオッテェェェ!!!」

剣を振り回し、その矛先は3人に迫っていた。
狂った剣が3人を切り刻もうとしていた。

ほむら「まどか……!? うぅっ……!?」

まどかを助けようと走ろうとするも倒れる。
使い魔を倒すのに魔力を使いすぎた。
もう魔力が残っていない。


恭介「……!まずい、志筑さん、鹿目さん、逃げてッ!」

まどか「でも、上条くんも!」

仁美「一緒に逃げましょう!」

恭介「僕なんかに構ってる暇なんて……それに……」

恭介「さやかは……僕を一番恨んでるはずなんだ……だから……」

まどか「……バカな事言わないで!」

295: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:46:50.73 ID:BgPwHdmu0
RX「RX!キィィィィックッッッ!!!」

オクタヴィア「ガアアアァッ!?」

突然飛び込んできたRXが魔女の剣を破壊する。

RX「魔女の様子が……おかしい……?」

魔女は今までとはまるで違う、藻掻くような動き。


杏子「……もうアタシたちも限界だ……」

杏子「このまま行っても……アタシだけじゃなくて、皆死んじまう……」

杏子「奇跡なんて……あるわけ、無かったんだ……」

マミ「やめて……そんな事、言わないで……」

マミ「私達が美樹さんを見捨てて……どうするのよ……」

マミ「そんなの……先輩として失格じゃない……」

自分の非力さに絶望する二人。
しかも怪我を負ってまともに立つ事すらままならない。

RX「二人とも、頼みがある。」

マミ「光太郎さん……?」

296: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:47:32.58 ID:BgPwHdmu0
~結界前~

ショッカーライダー4「そろそろ、出てくる頃だな……」

ショッカーライダー5「あぁ……ん?何だ、あの赤いマシンは」

ショッカーライダー6「RXのマシンか! ……それだけじゃない!?何だ、キサマらは!?」


297: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:48:51.94 ID:BgPwHdmu0
RX「君たちの必殺技をあの魔女にぶつけてほしいんだ。」

杏子「……さやかを、殺すって事か……? ……ふざけんな……ふざけんじゃねぇっ!!」

杏子「テメェが最初に助けるって言い出したんだろ!?なんで、いの一番に諦めてやがんだよ……!」

マミ「でも……もう……それしか、手は無いのね……」


RX「……さやかちゃんは今魔女の中で魔女の邪悪な心と必死に戦ってる……」

RX「でも、もうそのさやかちゃんの力が尽きてしまうのも、時間の問題だ……」

RX「だから、君たちが魔女を攻撃して……魔女の力が弱まった瞬間……俺のエネルギーを全てさやかちゃんの心に注ぎ込む……。」

RX「……一かバチかの賭けだ。……でも、助け出すチャンスは、今しか無いんだ! 頼む、協力してくれ……!」


杏子「……へっ、なんだ、そんな事かよ。」

マミ「それなら、お安いご用よ。佐倉さん、アレ、行きましょう。」

杏子「……あぁ。」

そう言うとマミが巨大な大砲を作り出す。
そして杏子がマミの肩に手を置き、魔力を送る。

杏子「マミッ!行くぞ!」

マミ「OK!せーっの!」

      「「スーパーッ!ティロ!フィナーレッッッッ!!!!」」

298: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:50:03.38 ID:BgPwHdmu0
赤と黄金の混ざった弾丸が魔女の体を貫く。

オクタヴィア「アァァァァ!?」

RX「今だ……さやかちゃん……魔女の心に勝つんだ……!」

RX「キングストーンッ!!フラァッシュッッッ!!!」

RXのサンライザーから放たれる太陽の輝き。
その輝きが魔女を包み込む。

RX「ぐぅっ……ッッッッッ!」


オクタヴィア「グアァァァァァァッ!?!?!?!?!?」

その輝きに炙られ、魔女の体から黒い霧のような物が漏れる。
黒い霧に覆われ、魔女の姿は隠れてしまう。

RX「うぉぉぉぉっ……ぐっ……」

光太郎「……っ」

キングストーンの力を全て使い果たし、RXは光太郎へと戻り、倒れる。

299: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:51:05.06 ID:BgPwHdmu0
杏子「さやかは……!?さやかは……!?」

マミ「……佐倉さん!見て!」


恭介「さやかは、どうなったんだ!?」

仁美「さやかさん……!」

ほむら「……!これって……」


ジョー「見ろ!あれ!」

ゆま「ソウルジェムだ!」

黒い霧の中から落ちる青いソウルジェム。
同時にマミ、杏子、ほむら、ゆまのソウルジェムにさやかの魔力の反応が灯る。


杏子「間違いねぇ……さやかのだ!」

マミ「……!!!」

動かない足を無理矢理引きずり、ソウルジェムを手に取る。
間違いなく、さやかの物。

まどか「やった……やった!」

ほむら「こんな、奇跡を起こすなんて……今まであり得なかった……!」

恭介「……さやかぁぁぁっ!!!」

光太郎「……良かった……」

300: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:52:33.43 ID:BgPwHdmu0
杏子「モタモタしてらんねって!早くこれをさやかの元へ……あれ……?」

マミ「おかしいわ……結界が、消滅しない……」


ジョー「どうなってんだ……?ソウルジェムが元に戻ったって事はグリーフシードが無くなったって意味だよな……」









オクタヴィア「ギャハハハハハ!残念だったねぇ!」

ゆま「魔女!なんで?なんで?」

ほむら「おかしい、グリーフシード無しじゃ魔女は存在できないはず……」

オクタヴィア「ところがそうでも無いのさ!私はね、魔女と融合させられてた百目婆ァさ!」

オクタヴィア「お前達があの小娘を切り離してくれたおかげでね、この体を自由に使うことが出来るようになったのさ!」

まどか「そんな……!」

オクタヴィア「南光太郎……良いザマだねぇ。まずは、前のお返しとして……」

オクタヴィア「安心しな、あたしゃ優しいからね、苦しまず、一発で殺してやるよ……」

光太郎「……くっ……」

そう言うと魔女は剣を振り上げ、光太郎目掛けて振り下ろす。

アクロバッター「!!!」

しかし突如現れたアクロバッターが剣へ体当たり、その軌道を光太郎から逸らす。

光太郎「アクロバッター……!」

オクタヴィア「何だい!?うるさい虫だねぇ!」

魔女は手を振り払いアクロバッターを吹き飛ばす。

301: ◆E91gIPDjV6 2012/09/02(日) 03:53:17.27 ID:BgPwHdmu0
杏子「クソッ、今は戦ってる時じゃねぇ!マミ、アタシが結界を開けるから光太郎を連れて来い!」

オクタヴィア「無駄だよ!」

そう言うと魔女は手をゆらす。

杏子「!開かなくなりやがった!」

オクタヴィア「折角お前達を捕らえたのにねぇ~逃がすなんて惜しいにも程があるよ!」

オクタヴィア「さぁて、ジャマが入ったけど……」

魔女は光太郎へ再び剣を振り下ろそうとする。

ほむら「駄目っ……!」

ほむらは光太郎を救い出そうとするも、魔力が限界で時間停止はもう使えない。

杏子「チクショォ……何で、何で……」

マミ「そんな……折角、美樹さんが助かったって言うのに……」

ゆま「やめてー!」

ジョー「兄貴ィィィ!!!」