1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 22:26:40.68 ID:VePTHlRM0
ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「ナナリー……。そのダモクレスの鍵を―――」

ナナリー「いやです!!」

ルルーシュ「!?」

ナナリー「お兄様は悪魔です!!!私にギアスを使うなんて!!」ウィィィン

ルルーシュ「ま、まて!ナナリー!!ここに逃げ場などないぞ!!」

ナナリー「酷いです!!私にまでギアスをかけようとするなんて!!お兄様は最低です!!」ウィィィン

ルルーシュ「ナナリー!!言うことを聞け!!」

ナナリー「じゃあ、私を捕まえてください!!」ウィィィン

ルルーシュ「くっ……。やってやる。ナナリー、俺の本気を見せてやるぞ!!」ダダダッ

ナナリー「きゃー」ウィィィン

ルルーシュ「まてー!!ナナリー!!」

引用元: ナナリー「私にもギアスを使いますか?」ルルーシュ「な……」 




11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 22:32:36.15 ID:VePTHlRM0
ナナリー「お兄様!!そこまで必死になるなんて!!そんなに私にギアスを使いたいのですか!?」ウィィィン

ルルーシュ「これで全てが整うんだ!!俺が描いた理想の世界が出来上がる!!!」

ナナリー「そんなの……そんなのどうでもいいじゃないですか!!」ウィィィン

ルルーシュ「なんだと!?はぁ……はぁ……!!」

ナナリー「お兄様は何が不満なのですか?!」ウィィィン

ルルーシュ「そ、それは……はぁ……は、なせば……ごほっ……はぁ……ながく……なる……はぁ……」

ナナリー「話してください!!今ここで!!」ウィィィン

ルルーシュ「はぁ……はぁ……それ、は……」

ナナリー「でないと、絶対に私はお兄様のギアスになんてかかりません!!いつまでも逃げ回ります!!!」ウィィィン

ルルーシュ「くっ……!!くそ……!!ナナリー!!!」ダダダッ

ナナリー「お兄様!!私はここです!!」ウィィィン

ルルーシュ「ま、まて……はぁ……はぁ……息が……ごほ……」

ナナリー「お兄様の覚悟はその程度なのですか?!」ウィィィン

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 22:39:05.70 ID:VePTHlRM0
ルルーシュ「ナナリー……は……車椅子に……すわって……いる……。俺は……何も、ない……」

ナナリー「はい」

ルルーシュ「ふ、不公平だ……ろ……?はぁ……はぁ……」

ナナリー「ご自分を棚に上げるのですか、お兄様?」

ルルーシュ「ごほっ……な、んだと?ごほっ……おぇ……」

ナナリー「お兄様はギアスという力で多くの人の心を操ってきました。それは不公平ではないのですか?」

ルルーシュ「……はぁ……はぁ……そ、そうだな……」

ナナリー「8年ぶりにお兄様の顔を見ることが出来たのに……。私の知っているお兄様はもういないのですね……」

ルルーシュ「あ、ああ……そ、そうだ……。俺は……はぁ……ひとごろ……し……だ……」

ナナリー「私も同じ顔をしているのでしょうね」

ルルーシュ「はぁ……はぁ……。よし」

ナナリー「……」

ルルーシュ「ナナリー!!!」ダダダッ

ナナリー「きゃー」ウィィィン

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 22:46:36.70 ID:VePTHlRM0
ルルーシュ「はぁ……ひぃ……く、そ……。ちょっと、休憩に……しよう……ナナ、はぁ……リー……」

ナナリー「お兄様。私にギアスを使う気があるのですか?それとも……まだ、迷っているのですか?」

ルルーシュ「そ、そんなわ、け……ないだろう……。俺は……もう……全てを覚悟し、ここ、まで……ごほっ!!ごほっ!!」

ナナリー「お兄様!?大丈夫ですか?!」

ルルーシュ「ああ……。心配するな」

ナナリー「お水ならここに」

ルルーシュ「助かる……」ゴクッゴクッ

ナナリー「そんなに一気に飲んでは体に悪いですよ?」

ルルーシュ「早く回復させてナナリーを捕まえて、鍵を手にしなければならないからな」

ナナリー「やはり、本気なのですね?」

ルルーシュ「ここまで俺は多くの血を流してきた。引き返すことは勿論、立ち止まることも許されない」

ナナリー「お兄様……。それでもお兄様は悪魔です」

ルルーシュ「なんとでも言うがいい。俺はもうお前を妹だとは思っていない」

ナナリー「な……?!」

ルルーシュ「特別扱いはしないからな」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 22:52:30.55 ID:VePTHlRM0
スザク「ルルーシュ、遅いな。一体、何があったんだ。そろそろ脱出しないと危ないのに」

スザク「ルル―――」

ナナリー「きゃー!!悪魔が追いかけてきます!!!」ウィィィン

ルルーシュ「まてー!!!ナナリー!!!」

ナナリー「私はここです!!お兄様!!!」ウィィィン

ルルーシュ「ふん。全て我が手の内」ダダダッ

ナナリー「まさか、私がこちらに移動することを計算しての行動……!?」

ルルーシュ「お前のことなんて全部お見通しだ、ナナリー」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「そら、捕まえたぞ!!」バッ

ナナリー「そう簡単に鍵は渡しません!!」ウィィィン

ルルーシュ「くそっ!!逃げられた!!」

ナナリー「お兄様、そんなことでは私は捕まえられませんよ?」

ルルーシュ「ふん、余裕で居られるのも今のうちだけだぞ。まだ、俺には48の策が残って―――」

スザク「ルルーシュぅぅぅぅぅ!!!!」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 22:57:55.68 ID:VePTHlRM0
ルルーシュ「スザク?!」

スザク「何をナナリーと戯れているんだ!!!」

ルルーシュ「戯れてなどいない!!俺は鍵を奪うために!!」

スザク「君はここに来て自分の道を違えるつもりか!!!!」

ルルーシュ「そんなつもりはない!!」

スザク「なら、どうして鍵を奪わない!?」

ルルーシュ「だから!!今、奪おうとしていた!!」

スザク「ただ妹と追いかけっこしていただけじゃないか!!!」

ルルーシュ「ナナリーが逃げるから仕方ないだろうが!!」

スザク「俺をガッカリさせるな!!ルルーシュ!!!」

ルルーシュ「させたつもりは微塵もない!!!」

ナナリー「そうです。スザクさん。これは私とお兄様との最後の戦いです」

スザク「戦い……?」

ナナリー「はい。私は全ての悪意を集めるためにここにいます。そして、お兄様と決別するためにこの鍵を握っています」

スザク「……」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:05:18.69 ID:VePTHlRM0
ルルーシュ「俺もナナリーも相応の覚悟でこの場所にいる。それだけは間違いない」

スザク「それは分かるよ」

ナナリー「ですから、スザクさん。見届けてください。私とお兄様の決着を」

スザク「そ、そこまでいうのなら。でも、ルルーシュ。時間はない。シュナイゼル殿下も逃げる準備を始めているだろ?」

ルルーシュ「シュナイゼルは既に押さえた。問題はない」

スザク「そうか。ナナリーとの戦いに備えて……」

ルルーシュ「ナナリーが強硬な態度を取ることは予想の範囲内。故に先に全てを済ませてから臨んだほうがいいと考えたまでだ」

スザク「用意周到だね。分かった。僕が見届けるよ。兄妹の戦いを」

ルルーシュ「頼む」

ナナリー「お願いします」

スザク「……」

ルルーシュ「よし……行くぞ……ナナリー……」

ナナリー「はい。お兄様。いえ、ゼロ!」

ルルーシュ「ナナリぃぃ!!!」ダダダッ

ナナリー「鍵は渡しません!!絶対に!!」ウィィィン

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:10:44.51 ID:VePTHlRM0
ルルーシュ「はぁ……はぁ……。ナナリー……タイム……だ……」

ナナリー「お水をどうぞ」

ルルーシュ「すまない……」

ナナリー「もう、お兄様?全然、追いつけてませんよ?」

ルルーシュ「ふん。既に俺の計略は根付いた。あとは実行に移すだけなんだ」

ナナリー「卑劣ですね……お兄様……」

ルルーシュ「当然だ。俺はゼロ。今までもそうしてきた。そして、これからもそうする」

ナナリー「お兄様はやはり……もう死んでしまったのですか……」

ルルーシュ「そうだ。お前の知るルルーシュはもういない」

ナナリー「そんな……」

ルルーシュ「さてと。第3ラウンドと行くか」

ナナリー「分かりました」

ルルーシュ「よーい……」

ナナリー「どんっ」ウィィィン

スザク「待ってくれ、ルルーシュ」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:15:37.39 ID:VePTHlRM0
ルルーシュ「なんだ!!?あとにしてくれ!!」ダダダッ

ナナリー「いやぁ!!こないでください!!!」ウィィィン

スザク「ルルーシュ!!止まれ!!!」

ルルーシュ「邪魔をするな!!スザァァク!!!」

スザク「君は間違っている!!」

ルルーシュ「なんだと!?」

スザク「やはり、迷ったのか?!妹を、家族を前にして!!!」

ルルーシュ「迷うわけがない!!!俺は全てを終わらせる為にここへきた!!!」

スザク「なら、どうしてこんなことをしているんだ!!!」

ルルーシュ「世界のためだ!!!」

スザク「本気か?」

ルルーシュ「ああ。約束しただろ。ゼロ・レクイエムを」

スザク「……」

ルルーシュ「信じろ、スザク。この俺を」

ナナリー「お兄様、インターバルには早いです。早くしてください」ウィィィン

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:20:29.51 ID:VePTHlRM0
スザク「僕も参加する」

ルルーシュ「なに!?」

ナナリー「そんな……」

スザク「ルルーシュの動きじゃナナリーを捉えることはできないよ」

ルルーシュ「もう少しで捕らえることはできた!!」

スザク「あんな直線的な動きじゃ、速度で劣る君に勝ち目は無い!!!トラップだってないじゃないか!!」

ルルーシュ「それは……!!」

スザク「車椅子のエナジーフィラーが無くなるまで追い掛け回すつもりなのか?」

ルルーシュ「その手があったか」

ナナリー「そんな卑怯な手を?!スザクさんは悪魔です!!」

スザク「……」

ルルーシュ「よし。作戦変更だ。覚悟しろ、ナナリー?チェックメイトだ!!!」バッ

ナナリー「くっ……」

スザク「ナナリー?車椅子が動かなくなるまであと何時間ぐらいだい?」

ナナリー「あと6時間は大丈夫です」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:25:17.63 ID:VePTHlRM0
ルルーシュ「持久戦だが、ナナリーほぼ手詰まり。勝ち目はない。早くギアスを使わせろ」

ナナリー「最後の最後まで抵抗します」

ルルーシュ「強情な奴だ。後悔させてやるぞ!!!」

ナナリー「いやー」ウィィィン

スザク「捕まえた」ガシッ

ナナリー「!?」

ルルーシュ「スザク!?」

スザク「大人しくするんだ」

ナナリー「そ、そんな……こうも簡単に……」

ルルーシュ「……」

スザク「さあ、ルルーシュ。ナナリーにギアスをかけるんだ」

ルルーシュ「そ、そうだな……」

ナナリー「お兄様!?」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「やめてください!お兄様!!!」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:32:20.90 ID:VePTHlRM0
ナナリー「ダモクレスの鍵アタック」ドゴォ

スザク「ぐっ?!」

ナナリー「今のうちに距離を……!!」ウィィィン

ルルーシュ「スザク!!この間抜けめ!!千載一遇のチャンスを!!」

スザク「す、すまない。まさか、鍵で叩いてくるなんて思わなかった」

ルルーシュ「俺の妹だということを忘れるな」

スザク「そうだね。ここからは本気でやるよ」

ナナリー「お兄様……スザクさん……」

ルルーシュ「お前は言った。俺たちの敵だと。こうなることを予想していなかったわけではないはずだ」

ナナリー「……」

スザク「もう諦めるんだ、ナナリー。僕から逃げることはできないよ」

ナナリー「スザクさんも……私の知っているスザクさんも死んでしまったのですか……」

スザク「許しは乞わないよ。僕はナイト・オブ・ゼロ。ルルーシュの騎士であり、君の敵だからね」

ルルーシュ「いくぞ!!ナナリぃぃ!!!」ダダダッ

ナナリー「車椅子の速度を一段階上げないと……!!」ウィィィン

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:39:54.91 ID:VePTHlRM0
スザク「甘い!!」バッ

ナナリー「!?」

スザク「捉えた!!」

ナナリー「私は負けません!!全ての悪を私が背負います!!」ギュルルル!!!

スザク「なに!?」

ルルーシュ「高速バック走が可能なのか?!」

ナナリー「……っ」キキッ!!

スザク「考えが甘かった。ナナリー、君の想いを軽くみていたかもしれない」

ナナリー「周囲の人は私を利用していただけかもしれません。シュナイゼル兄様もお父様も……お兄様も」

ルルーシュ「……!」

ナナリー「それでも私は私自身の信念と矜持を守るために負けるわけには行きません」

スザク「うん。それはよく分かったよ」

ルルーシュ「行くぞ、ナナリー」

ナナリー「はいっ」

スザク「うおぉぉぉぉ!!!!」ダダダッ

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:45:32.60 ID:VePTHlRM0
カレン「ルルーシュはまだ、いるんでしょ……?」

ジノ「ああ、出てきていないからな」

カレン「ちょっと行ってくる」

ジノ「すぐに出たほうがいい。会ってどうするつもりだ?」

カレン「確かめるんだ……。あのとき、あたしに言ったことを……。あたしに生きろって言った意味を……!!」

ジノ「……分かった。私はここで待っていよう」

カレン「ありがとう、ジノ」

ジノ「ただし、生きて帰ってくるんだぞ」

カレン「うん」

カレン「ルルーシュ!!今度こそあたしは!!」ダダダッ

カレン「ルル―――」

ナナリー「はっ!ほっ!」シュバッ!!

ルルーシュ「そっちだ!!スザク!!」

スザク「くそ!!追いつけない!!なんて車椅子捌きなんだ!!」

ナナリー「お二人は私にそれほどまでギアスを使いたいのですか?!やめてください!!」ウィィィン

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:49:47.31 ID:VePTHlRM0
カレン「……」

ルルーシュ「まてー!!」

スザク「挟み撃ちだ!!」

ナナリー「きゃー」ウィィィン

スザク「くっ!!避けられた!!」

ナナリー「いやぁー」ウィィィン

カレン「……」ガシッ

ナナリー「え?」

カレン「エナジーフィラーは……ここね」カチャカチャ

ナナリー「え?!あ、それは!!」

カレン「はい。取れた。もうそれは重たいだけの車椅子よ、ナナリー?」

ナナリー「あぁぁ……」

ルルーシュ「カレン!?何故、ここに?!」

スザク「まずい!!隠れないと!!僕は死んだことになってるのに!!」ダダダッ

カレン「……何してたの?鬼ごっこ?」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/15(木) 23:55:52.80 ID:VePTHlRM0
ルルーシュ「違うな。間違っているぞ。これは世界を手にするために……その……追いかけていただけだ」

カレン「ふーん」

ナナリー「私のエナジーフィラー返してください!!」バッ

カレン「ダメ」サッ

ナナリー「いやぁ!!返して!!カレンさんは鬼です!!悪魔です!!」

カレン「……」

ナナリー「返して!!エナジーフィラー!!返してくだ―――あ?!」バタッ

ルルーシュ「ナナリー?!大丈夫か!?」

ナナリー「エナジーフィラー……うぅ……」

ルルーシュ「カレン!!なんの真似だ!!」

カレン「それはこっちのセリフよ!!なにやってんだ!!!ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアはぁぁ!!!」

ルルーシュ「な、なんだ?」

カレン「みんなが命張って戦ってるときに、あんたは妹のお尻をおいかけて……情けない!!!」

ルルーシュ「ご、誤解だ!!ナナリーのお尻など追いかけてはいない!!」

カレン「そうとしか見えないから言ってるんでしょ!!!」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:04:02.13 ID:W+t7ylhn0
ルルーシュ「それは目の錯覚だ、カレン。さ、そのエナジーフィラーを渡してもらおうか」

カレン「どうして?」

ルルーシュ「俺は今、ナナリーと最終決戦をしていた。水を差すな」

カレン「最終決戦?あたしには仲のいい兄妹が楽しそうにお花畑で遊んでいるようにしか見えなかったけど」

ルルーシュ「ナイトメアの操縦で眼に疲労が溜まっているんじゃないか?どう見ても、悪の皇帝の魔の手から逃げ惑う妖精の構図だっただろうが」

カレン「ごめん。全く見えなかった」

ルルーシュ「何が望みだ?」

カレン「別に。もうどうでもよくなっただけ」

ルルーシュ「ならば、そのエナジーフィラーを返してもらえるか?」

カレン「……」

ナナリー「うぅ……」

カレン「……あたしを捕まえられたら、返してあげる」

ルルーシュ「なんだと!?何故そんなことをする?!メリットなどないだろうが!!」

カレン「ただの意地悪よ!!」

ルルーシュ「腐っている!!それでも黒の騎士団エースか!!カレン!!!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:09:58.15 ID:W+t7ylhn0
カレン「ほら、欲しいんでしょ?奪ってみなさいよ!!ルルーシュ!!!」

ルルーシュ「馬鹿な……スペックに差がありすぎる……!!勝てるわけが……!!」

カレン「やらないなら、このままあたしは帰るけど」

ルルーシュ「……」

カレン「今日の晩御飯はなにかなー?」

ルルーシュ「くっ……」

ナナリー「エナジー……フィラー……ぐすっ……」

ルルーシュ「―――いいだろう。始めるぞ」

カレン「ふっ。追いつけると思ってるの?」

ルルーシュ「やってみないと分からないだろ?」

カレン「どんな奇策妙策考えても、身体能力の差は埋められないのよ!!ルルーシュゥゥ!!!」ダダダッ

ルルーシュ「ナナリー」

ナナリー「はい」パシッ

カレン「きゃぁ!?」バタッ

ルルーシュ「流石のカレンも足を掴まれたら、躓くしかないな。フフフハハハハハ!!!!」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:15:30.76 ID:W+t7ylhn0
カレン「こ、こんなことで……!!」

ルルーシュ「返してもらうぞ、エナジーフィラー」

カレン「くっ……」

ルルーシュ「よし、ナナリー。今、エナジーフィラーを入れる」

ナナリー「お願いします」

カレン「……」

ルルーシュ「これでいい。長いハーフタイムになったな。続きを始めるか」

ナナリー「ええ」

ルルーシュ「いくぞ!!」

ナナリー「こないでください!!」ウィィィン

カレン「はぁ……。かえろ……」

スザク「……」ジーッ

カレン「スザク、あんた生きてたのね」

スザク「驚かないでくれ、カレン。僕は幽霊なんだ」

カレン「へー。びっくりした。やっぱり死んだのね、スザクは」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:21:52.22 ID:W+t7ylhn0
スザク「ああ。そうだ」

カレン「じゃあ、あたしは今、幽霊と話してるわけ?」

スザク「うん。もう枢木スザクはこの世にいないんだ」

カレン「ふーん」

スザク「カレン。どうしてここに来たんだ?」

カレン「ルルーシュに聞きたいことがあったの。でも……」

ルルーシュ「ギアスを使わせろー」

ナナリー「いやー」ウィィィン

カレン「あれじゃあ、聞けそうもないし。もう帰ることにした」

スザク「今しかないのに?」

カレン「……」

スザク「カレンが後悔しないならそれでいいけど」

カレン「あの鬼ごっこ、いつ終わるの?」

スザク「あと……5時間かな」

カレン「食べるものある?」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:28:07.63 ID:W+t7ylhn0
ルルーシュ「はぁ……はぁ……」

ナナリー「お水です、お兄様」

ルルーシュ「ありがとう」

カレン「今、ギアス使えばいいのに」

スザク「二人の時間はこれで最後だからね」

カレン「……え?」

スザク「いや、なんでもない」

カレン「ルルーシュ、死ぬの?」

スザク「……何を言っているんだ。カレン。これから悪虐皇帝ルルーシュは悪の限りを尽くして、80歳ぐらいまでその座に君臨し続ける所存だよ、ははは」

カレン「そう。ルルーシュは死んで責任を取るってこと……」

スザク「違うよ。カレン、妄想はいけない」

カレン「だから、あたしに生きろって言ってのね……」

スザク「カレン、ルルーシュは死なないよ。ホントに」

カレン「……」

スザク「……そう。ルルーシュは死ぬ。ゼロに殺されてね」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:35:09.99 ID:W+t7ylhn0
カレン「そう……」

スザク「全ての悪意を背負って……。全ての人が優しくいられる世界を創るために、ルルーシュは死ぬ」

カレン「で、アンタは?」

スザク「僕はもう死んだ。何もできない」

カレン「……そう。スザクはゼロになるのね」

スザク「違う。幽霊がゼロってどんなオカルトだ。笑えないよ、カレン」

カレン「……」

スザク「……ああ。僕がゼロになる」

カレン「だから、ルルーシュは世界そのものを敵にしてたのね」

スザク「……」

ルルーシュ「まてー!!ナナリー!!もう諦めろ!!!」

ナナリー「諦めません!!まだ5時間はがんばります!!」

カレン「死ぬからあんなことしてるの?」

スザク「いや、ナナリーから鍵を奪わないことにはダモクレスを制圧したとはいえないから……」

カレン「ふぅん」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:42:05.98 ID:W+t7ylhn0
ルルーシュ「はぁ……はぁ……もう疲れた……」

ナナリー「お兄様、今日は終わりにしますか?」

ルルーシュ「そうだな……腹もへったし……。続きは明日だな」

ナナリー「では、私はここでお待ちしていますね」

ルルーシュ「分かった。首を洗って待っていろ」

カレン「ちょっと」

ルルーシュ「なんだ?」

カレン「外でどれだけの命が消えたと思ってるの?」

ルルーシュ「……」

カレン「ルルーシュ。悪意を背負って死ぬからって、最後にこんなことしてたら素直に感動も感心もできなくなるでしょ?」

ルルーシュ「スザク!!!貴様!!!」

スザク「まずい!!カレンが喋った!!」ダダダッ

ルルーシュ「口の軽い男め……!!」

カレン「死ぬなら気持ちよく、すぱっと死んでよ」

ルルーシュ「しかし、まだナナリーがダモクレスの鍵を所持してる。このままではダモクレスで世界中を武力で押さえつけるという計画が成功しない」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:48:18.23 ID:W+t7ylhn0
カレン「じゃあ、今すぐ奪ってよ」

ルルーシュ「体力がもたない」

カレン「あたしがやってあげる」

ルルーシュ「兄妹の戦いだ。手を出してもらっては困る」

カレン「……」

ルルーシュ「なんだ、その汚物を見るような目は?」

カレン「死ぬのが怖いの?」

ルルーシュ「……?!」

カレン「撃っていいのは撃たれる覚悟があるやつだけでしょ?」

ルルーシュ「カレン。君は何も知らないからそういえるんだ」

カレン「どういうこと?」

ルルーシュ「スザクが発注した俺を刺し殺すための剣を見れば、誰でも怖くなる」

カレン「何?剣が大きいの?」

ルルーシュ「長さと太さはこれぐらいだな」

カレン「うわ……。って、注射を怖がる子どもじゃないんだから」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 00:57:42.64 ID:W+t7ylhn0
ナナリー「お兄様、ピザを注文しますけど、どうしますか?」

ルルーシュ「俺はいいよ。ありがとう」

ナナリー「そうですか」

カレン「ナナリーは知らないの?」

ルルーシュ「薄々感付いているかもしれないな」

カレン「でも、死ぬまでは思ってないかも」

ルルーシュ「そうかもしれないな……」

カレン「……今日中になんとかならないの?.あたし、C.C.とか海に沈めちゃったし。明日また再戦なんてどんな顔していいかわかんないんだけど」

ルルーシュ「そうか……。C.C.を……」

カレン「どうかした?」

ルルーシュ「いや。俺を迎えに行くとか言っていたから、少し期待していたんだが……」

カレン「ああ、そう」

ルルーシュ「カレンはどうやってここから離れるつもりだ?」

カレン「それはジノが……。あ、ジノのこと忘れてた」

ルルーシュ「確かに再戦は気まずいだろうな。ニーナも全部やり遂げたって顔をしていたし……」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:04:12.31 ID:W+t7ylhn0
ルルーシュ「ナナリー!!予定が変わった!!やはり今日中に決着をつけるぞ!!!」

ナナリー「そこまで私にギアスを使いたいのですか?!お兄様!!!」

ルルーシュ「これは宿命だ!!ナナリー!!もう家族には戻れない!!!ここで終わりにするんだ!!!」

ナナリー「いやです!!」

ルルーシュ「ナナリー!!」

ナナリー「折角、8年の歳月を経て、お兄様の目を見て、お話ができるのに!!もうお別れなんてあんまりです!!」

ルルーシュ「俺だって辛い!!だが、世界を背負っている以上、俺たちは兄妹ではいられないんだよ!!」

ナナリー「お兄様!!大好きです!!」

ルルーシュ「ナナリー!!!愛している!!!」

カレン「……ねえ、ナナリー?」

ナナリー「どうしました?」

カレン「ルルーシュ、これが終わったら死ぬつもりみたいだけど、止めなくていいの?」

ルルーシュ「カレン!!!」

ナナリー「え……。お兄様が……どうして……」

カレン「全ての悪を自分に向けさせて、優しい世界を創るみたいだけど」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:10:01.02 ID:W+t7ylhn0
スザク「カレン!!一番喋ったらいけない相手に暴露するなんて!!!」

ルルーシュ「元はと言えばお前の所為だろ!!その軽い口を閉めろ!!!」

スザク「ルルーシュ……すまない……」

ナナリー「お兄様……。どうしてそこまでするのですか?」

ルルーシュ「それは……」

ナナリー「私はお兄様が居てくれば……それでいいのです……。お兄様がいない明日なんて欲しくありません」

ルルーシュ「ナナリーが望んだ優しい世界が実現するんだ」

ナナリー「お兄様がいない世界は私に優しくありません」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「お兄様……」

カレン「で、どうするの?決意は変わらない?」

ルルーシュ「……ああ」

ナナリー「お兄様!!」

ルルーシュ「俺が死ななければ恒久の平和は訪れない。分かってくれ、ナナリー。あと、鍵を渡してくれ」

ナナリー「お兄様のいない世界なんていりません。鍵も渡しません」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:15:19.23 ID:W+t7ylhn0
カレン「ルルーシュ……」

ルルーシュ「カレン、汚物を見るような目で見るな」

カレン「それ、あたしの目つきが悪いってこと?」

ルルーシュ「ナナリーになんと言われようが、ゼロ・レクイエムは決行する」

カレン「……そう」

ナナリー「お兄様!!やめてください!!ダモクレスの鍵をお渡ししますから!!」

ルルーシュ「なに?」

ナナリー「どうぞ」

ルルーシュ「……つまり、鍵を受け取ったら……俺は……!!」

ナナリー「私と幸せになっていただきます」

ルルーシュ「ぐっ……!!」

スザク「ルルーシュ!!ギアスを使うしかない!!」

ナナリー「ギアスは通じません!!目を瞑りますから!!」

ルルーシュ「スザク!!貴様の所為で先手を打たれただろうが!!!」

スザク「すまない……」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:22:14.99 ID:W+t7ylhn0
ルルーシュ「ナナリー!!どうして分かってくれないんだ!!!このままでは世界は何も変わらない!!」

ナナリー「それは……」

ルルーシュ「俺は死ぬべきなんだ。流さなくてもいい血を流してきた。ユフィも殺した……シャルルも……」

ナナリー「……」

ルルーシュ「だから……」

ナナリー「お兄様、どうしても考えを改める気はないのですね?」

ルルーシュ「ない」

ナナリー「では、私にギアスをかけてください」

ルルーシュ「ナナリー……」

ナナリー「お兄様の死を悲しまないようにって」

ルルーシュ「……」

ナナリー「ギアスの力に頼らないと、私はきっとお兄様の死を乗り越えることはできないと思います」

ルルーシュ「分かった。―――ナナリー、俺が死んでも悲しむな!!」キュィィン

ナナリー「……ありがとうございます。お兄様、愛しています」

ルルーシュ「俺もだよ、ナナリー?」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:27:20.13 ID:W+t7ylhn0
ナナリー「ふふ……」

ルルーシュ「では、鍵を―――はっ!?」

ナナリー「気がついたみたいですね、お兄様!!」

ルルーシュ「ナナリィィィ!!!」

カレン「え?え?」

スザク「どうしたんだい、ルルーシュ?」

ナナリー「さあ、お兄様。私から鍵を奪えますか?」

ルルーシュ「策士め……!!先にギアスを行使させ、鍵の譲渡を拒むか……!!」

ナナリー「その代償に、お兄様が死んでも私は悲しむことができなくなりました。十分な対価を払ったと思います」

ルルーシュ「ナナリー……!!」

ナナリー「さあ、お兄様。私の最後の我侭を聞いてください!!」

ルルーシュ「聞いてやる!!なんだ!!」

ナナリー「私を捕まえてください!!」ウィィィン

ルルーシュ「よし!!捕まえてやるぞ!!ナナリー!!!」

ナナリー「きゃー」ウィィィン

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:32:16.68 ID:W+t7ylhn0
5時間後

ナナリー「あ……」ウィィィ…

ルルーシュ「時間切れのようだな」

ナナリー「そうですね」

ルルーシュ「鍵を渡してくれるな?」

ナナリー「いやです」

ルルーシュ「ほら、渡せ」ググッ

ナナリー「いや……です……」ググッ

カレン「ふわぁぁ……おわったの……?もう日付、かわったけど……」

スザク「ナナリー、もう十分じゃないのかい?」

ナナリー「……」

ルルーシュ「さあ、カレンのことを待っているジノもいる。ナナリー、渡してくれ」ググッ

ナナリー「……」ググッ

スザク「誰かに似て、強情だね」

カレン「仕方ないわよ。お兄ちゃんが死ぬのなんて……想像するだけで、怖いし……」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:38:56.78 ID:W+t7ylhn0
ナナリー「私はお兄様の死を悲しむことができません。それが最も怖いです」

カレン「……」

ルルーシュ「ナナリー、いい加減にしろ」

ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「俺はお前を愛している。それで満足できないのか?」

ナナリー「私が一番ですか?」

ルルーシュ「当然だ」

ナナリー「では、最後の思い出に……」モジモジ

ルルーシュ「スキありだ」スッ

ナナリー「あ!?お、お兄様!!」

ルルーシュ「いくぞ、スザク」

スザク「ああ」

ナナリー「待ってください!!返して!!お兄様!!!お兄様は悪魔です!!!鬼!!!」

カレン「……」

ナナリー「おにいさまぁぁ……!!」ウルウル

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:46:44.19 ID:W+t7ylhn0
C.C.「夜の海は怖いものがあるな……」プカプカ

C.C.「くしゅん……。冷えるな……」


アーニャ「……」

ジェレミア「……」

アーニャ「まだ?」

ジェレミア「ルルーシュ様が勝ち鬨の声を我々に促すまでここで待機しなければならない。私のジークフリードは大破してしまったしな」

アーニャ「そこにいられると……困るんだけど」

ジェレミア「しばし待て」


星刻「がはっ……!!いつになったら……停戦指示がでるのだ……」

天子「しんくー!!」

玉城「扇と連絡がとれねえ!!あいつと連絡とれるやついないかー?!」

神楽耶「海に落ちた兵士の皆さんは全員回収できましたかー!?」

藤堂「ダモクレスから通信が入ったぞ!」

星刻「なに……ようやくか……?」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 01:55:26.86 ID:W+t7ylhn0
ルルーシュ『良く聞け!!ダモクレスは私の支配下となった!!』

ジェレミア「おお!!ルルーシュ様!!!オール・ハイル・ルルーシュ!!!!さあ、一緒に!!オール・ハイル・ルルーシュ!!!」

アーニャ「オール・ハイル・ルルーシュ……」

C.C.「私を回収してくれー」

ルルーシュ『つまり、これで全ての世界は我がものに―――』

ナナリー『お兄様!!返してください!!鍵を!!鍵を!!』

ルルーシュ『ナナリー?!こら!!やめろ!!』

ナナリー『私が鍵を奪い返せばまだわかりません!!』

ルルーシュ『やめろ!!ナナリー!!これは全世界に中継されているんだぞ?!』

ナナリー『え?』

スザク『ナナリー、ダメだよ。カレン、ナナリーをお願い』

カレン『う、うん』

ルルーシュ『スザァァク!!!』

スザク『え?あ!!僕は死んでなきゃいけないのに!!!えーと……これは僕が死ぬ一週間前に撮ったもので……』

ルルーシュ『馬鹿者!!この戦が予定調和だったと思われるだろ!!』

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:03:49.26 ID:W+t7ylhn0
ジノ『カレーン、どこだー?おお、いたいた!心配したぞ』

カレン『ジノ!?今はダメ!!生放送だから!!』

ジノ『生放送?どこに中継しているんだ?いえーい、みてるー?』

ルルーシュ『お前!!ラウンズとしての品位はどうした?!』

ジノ『もう私はラウンズじゃない。残念だったな』

ルルーシュ『貴様!!』

ジノ『スザクも無事だったのか。よかった、よかった。敵とは言え、心配したぞ』

スザク『ジノ!違うんだ!!僕は死んでいるんだ!!』

ジノ『触れるし、生きてるだろ。何を言っている?』

スザク『ジノ!!空気を読んでくれ!!』

ナナリー『お兄様!!鍵を渡してください!!』

ルルーシュ『やめろ!!おい!!カメラを止めるんだ!!!今すぐに!!!全てが水の泡になる前に!!』

カレン『うん。えっと……どこを押せばいいの……?』オロオロ

スザク『ここかな?』

カレン『ズームボタンじゃないの?ほら、ジノの顔しか映ってないし。多分、こっちが停止ボ―――』

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:16:42.86 ID:W+t7ylhn0
数時間後 アッシュフォード学園 体育館

ミレイ「ただいまより、一連の騒動について説明するためにルルーシュ・ヴィ・ブリタニア皇帝陛下が会見を行います」

ルルーシュ「……」

ミレイ「あ、出てきました」

ルルーシュ「お集まりの諸君。初めにこれだけは言っておく。私とシュナイゼルは命の賭け、戦った。これは間違いない」

ミレイ「あの。では、どうして敵対組織である紅月カレン、ナナリー・ヴィ・ブリタニア皇女と仲睦まじくカメラの前にいたのですか?」

ルルーシュ「それは……目の錯覚だ。私に歯向かった以上、後日死刑にする」

ミレイ「枢木スザクさんはどうして何度も「僕は死んでいる」と叫んでいたのでしょうか?」

ルルーシュ「発作のようなものだ」

ミレイ「そのような発作、彼になかったと思うのですが」

ルルーシュ「ラウンズになってから色々あったのですよ」

ミレイ「……」

ルルーシュ「ともかく、今回の一戦はネットで騒がれているような八百長でも特需を狙ったものではない」

藤堂「枢木にも話を聞きたい。枢木を出せ」

ルルーシュ「……奴は死んだ!!以上だ!!!」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:28:59.30 ID:W+t7ylhn0
2ヵ月後

スザク「本当にやるのか?」

ルルーシュ「ああ」

スザク「でも……」

C.C.「何か裏かあると色々なところで騒がれているのにか?」

ルルーシュ「やらないわけにはいかないだろうが!!」

スザク「でも、完璧なものにはならないよ。ルルーシュ」

C.C.「中には「妹を守るために仕組んだ」とも考察している者がいる」

ルルーシュ「何故……こんなことに……」

カレン「さっさと、ナナリーにギアスを使わないで遊んでいるからでしょ」

ルルーシュ「それは……ナナリーが……」

ナナリー「ジェレミアさんもギアスを?」

ジェレミア「ええ。ギアスを打ち消すギアスです」キュィィン

ナナリー「まぁ……」

ルルーシュ「俺が死ねば全てがうまくいく……いくはずだ……」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:36:44.26 ID:W+t7ylhn0
ミレイ「ルルーシュ皇帝陛下が見えてきました」

ルルーシュ「……」

「その死刑囚は助けてくれるんでしょー?!」

「妹さんは無罪放免ですよねー?!」

「皇帝陛下ー!!このあとゼロが出てきて皇帝を刺し殺すってネットの書き込みでみたんですけど、本当ですかー?」

「ナナリーを僕にください!」

「妹もえー」

ルルーシュ「……」

ミレイ「民衆の罵詈雑言にも眉一つ動かしません。少し前まで死刑の対象だったのに、どういうことでしょうか」

ナナリー「お兄様……」

藤堂「紅月。やはりゼロが出てくるのか?」

カレン「……」

千葉「私たち助かるんですね」

玉城「ルルーシュはやっぱマブダチだなぁ!!はーっはっはっははっは!!」

ルルーシュ「……」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:44:46.26 ID:W+t7ylhn0
ゼロ「……」バッ!!!

ミレイ「ゼロです!!予告通りにゼロが現れました!!」

「スザーク!!」

「枢木ゼロ!!」

「スザク!スザク!スザク!スザク!!」

ジェレミア「賊め!!捕らえよ!!」

ゼロ「……」ダダダッ

ミレイ「ああ!!枢木スザクが……!!いえ、ゼロが!!皇帝陛下の目の前に!!」

ゼロ「……」シャキン

ルルーシュ「何者だ!!」

「スザク!!」

リヴァル「スザク!!ルルーシュを刺すとかうそだよなぁ!?」

コーネリア「枢木!!やれ!!」

ゼロ「……」

ルルーシュ「……」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 02:53:17.18 ID:W+t7ylhn0
ゼロ「じゃあ……」

ルルーシュ「一思いにやってくれ」

ゼロ「……」グッ

ナナリー「スザクさん!!やめてください!!」

ゼロ「……!」

玉城「そうだぞ!!ゼロ……ルルーシュは俺たちのことを思ってやってくれたんだろ?!」

藤堂「悪いが話は全て聞いた」

千葉「どうして相談をしてくれなかった、ゼロ!!」

星刻「全てが許されることではない。しかし、償えることもあるはずだ」

天子「ルルーシュ、しなないで。神楽耶が悲しみます」

神楽耶「よよよ、未亡人はいやですわー」

ルルーシュ「……誰が、全てを話したんだ」

ゼロ「……僕だ」

ルルーシュ「何故だ」

ゼロ「もう8割バレているし……みんなの追及が激しかったから……」

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:00:58.32 ID:W+t7ylhn0
リヴァル「ルルーシュ!!生きて償え!!!」

ミレイ「そうよ!!ルルーシュ!!」

「ルルーシュ!!ルルーシュ!!ルルーシュ!!」

ジェレミア「オール・ハイル・ルルーシュ!!!」

アーニャ「ルルーシュ、ばんざーい」

ヴィレッタ「ルルーシュ!!扇が消えた!!どこに行ったかしらないか?!」

カレン「ルルーシュ!!」

シュナイゼル「ルルーシュ!!」

ジノ「死んで責任を放棄するな!!生きろ!!」

コーネリア「じゃあ……生きるなら私の面倒を見ろ!!できないなら、死んで詫びろ!!」

ゼロ「ルルーシュ……」

ルルーシュ「スザク……殺してくれ……」

ゼロ「……」

ルルーシュ「頼む……俺はこの世界で生きていく自信が無い……」

ゼロ「すまない……ルルーシュ……」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:08:53.90 ID:W+t7ylhn0
ナナリー「お兄様……」

ルルーシュ「ナナリー……俺は間違っていたのか……」

ナナリー「私にかけたギアスが……答えではないですか?」

ルルーシュ「え……」

ナナリー「お兄様は確かにギアスを使いました。とても優しいギアスを」

ルルーシュ「……」

ナナリー「その優しさがあれば……きっと変えていけるはずです……。お兄様」

ルルーシュ「だが……この俺が積み重ねた業は……」

ナナリー「私も背負います。だから……」

ルルーシュ「ナナリー……」

「「オール・ハイル・ルルーシュ!!!オール・ハイル・ルルーシュ!!!オール・ハイル・ルルーシュ!!!」」

ナナリー「もう一度、やってみましょう。今度は血を流さなくてもいいように」

ルルーシュ「ああ……。そうだな……。もう……やるしかない」

ナナリー「はい」

ゼロ「これにて一件落着!!!」バッ!!!

160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/11/16(金) 03:18:21.90 ID:W+t7ylhn0
数週間後

ナナリー「おにいさまー、こっちですよー」ウィィィン

ルルーシュ「待て待て。そんなに急ぐことも無いだろ?」

ナナリー「久しぶりの休日ですから」

ルルーシュ「そうだな」

C.C.「いいご身分だな」

ルルーシュ「家族サービスをしていると庶民にアピールしておかないといけないだろ」

C.C.「王の力は人を孤独にするはずだが、お前の場合は例外だったな」

ルルーシュ「そうだな。ナナリーがいて……お前もいる」

C.C.「言ってろ」

ルルーシュ「だが、これからだ。また1から世界を変えていかなくてはならない。お前には期待している」

C.C.「はいはい」

ルルーシュ「なにはともあれ、まずは……戦場で仲間を見捨てた扇要を探し出すところからだな。ヴィレッタや藤堂が血眼になって探しているし」

C.C.「それについてだが、有力な目撃情報が―――」

ナナリー「これからも優しい世界でありますように……」
                                     おしまい