1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:35:23.00 ID:+mA4vBSF0
男「いきなりなんだよあんた……どこから?」

女「なんなんでしょうねー?そんな気になりますか?」

男「ちょっとトイレいってきて部屋に戻ったら知らない女の人がいる、って気にならないほうが変だろ?」

女「そうですかー、まぁお仕事なんですよ?いい回収先も減っちゃって」

男「だから何の用だ!」

女「そう怒らないでくださいよー?私にも回収先に対して責任が生まれるんで追い出されると面倒なんです」

男「……で、何よ?その回収先って」

女「いやねー、最近は不景気でしょ?それにフラグの立て方が雑なのとか多くてー」

男「だからフラグとかなんなんだって!」

女「簡単にいえばキミ、もうすぐ死にます♪」

男「」

引用元: 女「こんにちはー♪回収先はこちらですね?」男「誰だあんた」 




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:36:46.20 ID:+mA4vBSF0
男「え、なんで……?」

女「んーっとねぇ、もうちょっと後に事故がおきて死んじゃうゾ☆」

男「じゃあ家から出ない」

女「トラックに轢かれそうになってる幼馴染ちゃんを助けて身代りになるんですが」

男「……それ、俺がいかないと幼が死ぬパターン?」

女「まぁ当然そうですね?」

男「じゃあ行く」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:38:15.11 ID:+mA4vBSF0
女「あらあら、意外?大抵『俺はいかない!死にたくない!アイツなんてほっとく!』っていうんだけどなー?」

男「俺だって男の子だし。幼には昔からいろいろ世話になったし……」

男「そりゃあ死ぬのなんていやだけどさぁ、まぁ女の子助けて……とかかっこいいし……」

女「あらあら?その年で、ついさっき死を宣言されてもう達観?ありえなーい♪」

男「あー……うん……だってほら……たぶん、俺が助からないのって確定してるんだろ?」

女「うん。まぁ幼馴染ちゃん見捨てても同時刻にキミも死ぬだけだけど」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:40:27.92 ID:+mA4vBSF0
男「ほらもう……なんか朝から嫌な予感がしてたんだよ……これ、外れた覚えがないし」

女「いやー、大した男気だ。こりゃあ回収しがいがあるねぇ。もう少し上乗せしてみる?」

男「あ、そうだ回収って?俺の魂とかってこと?」

女「いやぁ、キミって幼馴染ちゃんに借りがあったよねぇ」

男「……露骨に話そらしたな。うんまぁあるなぁ……いろいろと」

男「弁当とかいつも作ってきてくれるし……子供のころとかも……」

女「いい人なんですねぇ、素敵ですねぇ……死んじゃいますけど」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:42:54.31 ID:+mA4vBSF0
男「だから死なせないっていってるだろ!?」

女「まぁそろそろおうちをでないと幼馴染さんの事故にあっちゃうんですが」

男「はぁ!?先に言えよふざけんな!」

女「急いでいたらお別れの言葉をいうぐらいの時間があるはずだったんですけれどねぇ、話し込んでしまったので」

女「ゆっくりしてると……間に合いませんよ?」

男「くそ……あんた絶対ろくな死に方しないぞ!?」

女「安心してください、私に限ってその心配はないので」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:44:43.11 ID:+mA4vBSF0
男(幼……昔から一緒にいてくれて)

男(子供のころ、川でおぼれた俺を助ける為に飛び込んでくれた)

男(『なんでもない』って笑ってたけど、一緒に流されてあいつまで死ぬところだった……らしい)

男(気絶してる男抱えてツタに1時間も捕まってるとかありえないだろ……)

男(……あぁ、余計なこと考えてる場合じゃない!あいつを探さないと!)

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:47:33.72 ID:+mA4vBSF0
女「うんうん、いい感じで積んでますねぇ」

男「ッ……ッハァ、なんでついてきてるんだよあんた」

女「いえいえ、お構いなく。後40秒ってところですかね?ほらあっちのほうにあるトラック……」

男(!……居眠りでもしてんのか!?なんだかフラフラ……幼馴染は!?)

女「女さんは道路の向こう側、トラック進行方向でーす♪」

女「さぁたいへん、このままじゃかばえずに幼馴染さんは死んじゃいますよ?」

女「もちろんあなたもその瞬間に一緒に死んでしまうのでさびしくはないですけれどー??」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:49:04.99 ID:+mA4vBSF0
男「なら道路をつっきる!」

女「こんなに交通量が多い道をですかー?」

男「こういうのは時間までは死なないってのが相場だろ!」

モブ「バッキャロー!死にたいのか!」

男「もうすぐ死ぬから大目に見てくれ!」

男(幼……俺は……)

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:51:48.34 ID:+mA4vBSF0

男(昔、女のくせに遊びに混ざってこようとするアイツがなんだか気に食わなかった)

男(女のくせに生意気だって思ってた。運動が俺らよりできたのも気に入らなかった)

男(でも、あいつをいじめてやろうって話になった時、なんだか一番腹が立った)

男(その時に気付いたんだ……俺は、俺はアイツが……)

男「幼!危ない!」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:52:46.48 ID:+mA4vBSF0





キィ――――――ガシャン!




女「はい、回収完了いたしました」

女「んー、最後にまた一回り乗せてくださったおかげでかなりの大きさになってますよ?」

女「まったく、ありがとうございます♪男さんもこれで浮かばれますよね」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:53:42.25 ID:+mA4vBSF0

男「おい」

女「それでは無事回収が完了しましたところで私席を外させて……」

男「おい」

女「はい?」

男「俺、死んでないぞ?」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:55:38.07 ID:+mA4vBSF0
女「あら!奇跡が起きたんですね!」

男「さんざん死ぬって言っておいてそれか。ギリギリでトラックがそれたみたいで」

男「こうやって立ってしゃべれるぐらいの余裕があるよ」

男「確かにできすぎた奇跡だ、普通なら素直に喜ぶけどな」

男「幼は無事なのか?まさか俺の代わりに……」

女「幼ちゃんはそれたのと逆方向に突き飛ばしたじゃありませんか♪」

男「じゃあ代わりに近くの人が巻き込まれたとかじゃないだろうな?」

女「違います、違いますよー」

男「じゃあ誰の魂を回収したっていうんだよ!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:56:44.15 ID:+mA4vBSF0
女「私、魂の回収とかそんな死神みたいなことしませんよぉ」

男「じゃあ何を回収したっていうんだ?」

女「そうですね……まぁ簡単に言いましょう。『死亡フラグ』です」

男「死亡フラグ……?」

女「そう、死亡フラグ!『こんなところにいられるか!俺は部屋に戻るぞ!』とかが有名ですね♪」

男「それの回収ってどういうことだ?死んだら回収だろ?」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 20:58:34.00 ID:+mA4vBSF0
女「うーん、フラグの回収っていってもフラグ名の通りにするってわけじゃなくてですね」

女「……そう、フラグっていう作物を収穫する感じですかね?」

女「フラグを折る、っていうほうがあなた達にはわかりやすかったですか?」

男「そんなことして何のメリットがあるんだよ」

女「結構純粋なエネルギーとして再活用できていいんですよねぇ、これ」

女「まぁ回収前にあなたが何段階もフラグ積み立ててくれたから立派な大きさになりましたし」

女「なので、安心しても大丈夫ですよ?」

男「……死なないで、済んだのか?」

女「はぁい♪今回のあなたの死亡フラグは無事にエネルギー変換できましたので誰も死んでいません」

男「よかった……本当に、よかった……」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:04:43.60 ID:+mA4vBSF0
男「……あ、じゃあなんでそんなもんが俺にたってたんだよ?」

女「あなた、朝に『今日はなんだかやけに空が青い……嫌な予感がするな』とか呟いてたじゃないですか」

男「あれかよ!?っていうか聞かれてたのかよ!?いやいやそもそもえ、やだもう恥ずかしい」

女「まぁまぁ、誰にだってよくあることですよ♪だから本来さっさと消えてしまうものだったんですけれど」

男「……?」

女「ちょうど同時刻、幼馴染さんが食器を割って『なんだか胸騒ぎがする』、友くんの靴紐が切れて『不吉な』」

女「委員長ちゃんの家の本がひとりでにおちて『男くん……?』後輩ちゃんが『この時、あれが男先輩を見た最後の姿になるとは』」

女「あとは……」

男「待て、もういい。っていうか後輩も結構アレだったな!?」

女「そうですねぇ、だからよくあることって言ったじゃないですか?こんな感じでまったく同時にフラグがたちまして」

女「相乗効果でエラいことになってました♪」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:09:57.21 ID:+mA4vBSF0
男「じゃあやたら煽ってきたのは?」

女「最近って死亡フラグらしきものがたったと思っても覆されたりしやすくてですねぇ」

女「『回収』してないのに死なないパターンが増えてたのでキチンとしたフラグをたててくれる人からは回収しないとと」

女「死ぬのが近々確定したうえで死にそうだってフラグをたててくれれば、それもエネルギーに変換できますから」

女「今回のこの回収はすごーく、ありがたいです♪」

男「……最初から説明しろよ」

女「そんなことしたら回収前にフラグが折れちゃうじゃないですか!失礼な!」

男「基準がわからないわ!……ってあれ?なんか、眠い……」



女「さぁ、キミが助けたかわいいかわいい幼馴染ちゃんが心配してるよ?無事だって言ってあげないと」

女「……恋愛フラグは、回収しないからね?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:11:52.74 ID:+mA4vBSF0
男「……っは!?」

幼「男……目が覚めたの!?おばさん!男が!」

男「……え、あれ?さっきの女は?どうし……いででで!あ、めっちゃいたい!」

幼「起きちゃだめ!男、トラックに轢かれたんだよ!?」

幼「もう3日も眠ったままで、目が覚めないんじゃないかって言われてて……」

男「え、あれ?それて無傷だったんじゃ……」

母「何バカいってるんだいこのバカ息子!幼ちゃんなんてねぇ、ずっと寝ないであんたの心配してたんだからね!?」

幼「いえ、私が悪いんです……男は、私を庇ってくれてそれで……」

男「……まぁいいや」


男「聞いてくれ幼。俺はお前が――――」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:13:53.78 ID:+mA4vBSF0
女「まぁ無傷であの直後のはずだったんですけれどねぇ」

女「ちょーっとフラグを上乗せしすぎたんですよ、回収しきれなかった分が怪我になったみたいで」

女「別に後遺症が残るタイプじゃないみたいですけど、リハビリとか辛いでしょうねぇ?」

女「……誰かと一緒なら、乗り越えられそうですけれど」



女「さて、私のお仕事のご紹介は以上です。どんなフラグを回収しましょうか?」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:15:16.40 ID:+mA4vBSF0
プロローグ終わり

フラグをへし折るSSが書きたいんだけど
なんか嫌いな・好きなフラグを教えてくれ。やれる範囲で・こんな感じで折るから

31: フラグ『やったか!?』 2012/04/13(金) 21:27:07.85 ID:+mA4vBSF0
女「どうもみなさんこんばんわー♪あなたが勇者さんですね?」

勇者「……なんだお前は。魔王の手先か?」

女「かわいい女の子に剣を突き付けるなんてひどいです!えーん」

勇者「ふざけるのもいい加減にしろよ……?それでなんのようだ」

女「んもう、ちょっとはノってくれてもいいじゃないですか!」

勇者「ふざけるな!さっきから貴様……魔物なんじゃないのか?」

女「怖い顔しないでー、ほらほら剣を下げてくださいよー」

勇者「剣を……すり抜けた!?」

女「だって私、そういう相手にはなりえませんから♪」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:31:36.67 ID:+mA4vBSF0
勇者「そんなバカな……女神の加護を受けた神器だぞ!?切れぬものなどないはず!」

女「そうですねぇ、この世界の物質なら切れないものなどあんまりないでしょうねぇ」

勇者「存在しないと言っている!」

勇者「子供のころからの修業で友人などできなかった」

勇者「だが俺は勇者だ。村の誰より、国の誰より力を持っている」

勇者「だから……俺の秘儀で切れないものなどありえないのだ!」

女「わー、怖い♪それなら魔王も一刀両断、一撃必殺ですね?」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:36:57.04 ID:+mA4vBSF0
勇者「当たり前だろう……まぁいい、俺の邪魔をするな。俺は魔王を倒さないといけないんだ」

女「邪魔なんてしませんよ?かっこいい勇者様のお力をみせてもらうだけですから♪」

女「でもでも勇者様ってかっこいいですよねぇ、好きな人とかいなかったんですか?」

勇者「……!」

女「もー、怖い顔しないでくださいよ♪リラックスリラックス!お話聞かせてくださいな」

勇者「……本当なら切り捨ててやるんだがな」

女「聞かせてくださるんですね?」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:41:02.23 ID:+mA4vBSF0
勇者「……俺が修業を始めた時に」

勇者「誰もが同情はするが近づきたくはないという視線を送っていた時に」

勇者「唯一優しくしてくれた女性がいたんだ」

勇者「たぶん、惚れてたんだろうな。子供のくせに、生意気にも」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:43:31.32 ID:+mA4vBSF0
勇者「あの人がほめてくれるだけで力が沸いた」

勇者「あの人が見ていてくれるだけでやる気になれた」

勇者「あの人が……俺を、助けてくれた」

女「……助けてくれた、ですか?心の支えとして?」

勇者「いや……村が、襲われたんだ」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:49:35.85 ID:+mA4vBSF0
勇者「未熟ながらも俺は勇者だ。村のみんなを助けようとした」

勇者「正直、勝ち目はなかっただろう。それでもほうってはおけなかった」

勇者「その時、あの人は俺に変装し、俺を眠らせ」

勇者「一人で軍勢をひきつけ村を救った」

勇者「わかるか?目が覚めたら村を救ってくれたと担ぎあげられる気持ちが」

勇者「わかるか?好きな女にかばわれ、しかも同時に失う気持ちが!」

勇者「俺の変装をしたまま、軍勢をひきつけ橋を落としたらしい」

勇者「……俺は、そこから生還したということになった」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:53:18.69 ID:+mA4vBSF0
勇者「あの襲撃の手引をしたのが魔王だということはわかったんだ」

勇者「俺は魔王を殺さなければならない……この、俺自身の手で!」

女「なるほどなるほど、よ~くわかました♪がんばってくださいね!」

勇者「……言われなくても当然だろう。……さぁ、玉座の間も近そうだ。おしゃべりはそろそろしまいにしよう」

女「えぇ……とっても素敵ですよ。『回収』しがいがありそうです」

勇者「『回収』……?」

女「いえいえこちらの話です」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 21:57:30.98 ID:+mA4vBSF0
魔王「よくぞ来たな、勇者よ」

勇者「魔王……!貴様だけは俺が殺す!」

魔王「まぁまぁそう急くな勇者よ……貴様に見せたいものがあるのだ」

勇者「俺は貴様と交わす言葉など……!?」

魔娘「……」

魔王「おや、気がついたか?この魔娘……貴様に会いたがっておってなぁ」

勇者「……村娘ねぇちゃん……?」

魔王「そのような名であったこともあったな」

魔娘「……ごめんなさい……」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 22:07:13.61 ID:+mA4vBSF0
魔王「幼きうちに芽は摘むべきかと思ったのだがなぁ、こやつに邪魔されたのは知っておろう?」

魔王「本来ならすぐに編隊を再編成して再襲撃をしてやったのだが」

魔王「ネクロマンサーに死体を回収させた時にこの女も拾ってのう」

魔王「本来ならば捨ておくが……一介の人間にしてはかなり大きな魔力も感じ、改造してやったのよ」

魔王「するとこやつは命を救われた礼として我の身体を求めた」

魔王「我は優しいからなぁ、存分に楽しませてやったぞ?」

魔王「それからも、我が軍を編成しようとするたびに身体を求められてなぁ」

魔王「気絶するまで責めぬと満足せぬゆえ、貴様の村を再び攻めるのも面倒になってしまったのよ」

魔王「なぁ、なかなかの 乱だろう?」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 22:13:34.09 ID:+mA4vBSF0
勇者「そんな……村娘……ねえちゃん……?」

魔娘「……その名前で呼ばないで。私はもう魔王様のものなの」

勇者「そんな……だって、あの村娘ねえちゃんが、こんな」

魔王「さて、感動の再会を果たした気分はどうだ、勇者よ?」

勇者「許さない……絶対に許さない!……殺す!!」

魔王「フン、貴様ごときでは我を殺すことはできぬよ……」

魔王「億にひとつ、我を殺せたところで……そこの魔娘も死ぬぞ?」

魔王「さぁ選べ勇者よ。我に無謀に挑み死ぬか?」

魔王「貴様が望むのならばそこの 便器を貴様専用としてくれてやってもよいのだぞ」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 22:20:07.75 ID:+mA4vBSF0
勇者「ふざ……けるな!貴様を殺すためだけに俺は、技を、力を磨いたんだ!」

魔王「ならば撃つがよい……絶望の底で殺してやろう」

魔王「この、魔娘ごとな」

魔娘「……」

勇者「そんな……どいてくれよ村娘ねえちゃん……俺はそいつを」

魔娘「……フフ。あなたずいぶんおいしそうになったじゃない?」

魔娘「魔王様ほどじゃないけれど 力も強そうだし、私と一緒に永遠を生きない?」

魔娘「世界なんて捨てて、心の望むままに快楽を味わいましょう?」

勇者「……どいてくれないんだな」

勇者「昔、村娘ねえちゃんが教えてくれたんだろ……『勇者』って何かって」

勇者「だから……俺はねえちゃんごとでも、そいつを滅ぼす」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 22:25:07.66 ID:+mA4vBSF0
勇者「後から逝くからさ……だから待っててくれ」

勇者「最初から全開でいく……!」

勇者「≪天を砕く焔≫≪地を斬る風≫魔を滅ぼせ……≪神鳴≫!」


――――――――カッ!


勇者「……やったか。余裕の見せすぎだったな魔王……村娘ねえちゃん、俺もそっちへ……」

魔王「ほう、どっちへいくのだ?」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 22:31:43.30 ID:+mA4vBSF0
勇者「なにっ!?」

魔王「なかなかの威力ではあったが我を滅ぼすことなどできぬよ」

魔王「まぁ、魔娘はカケラも残さず消し飛んだんだ、おめでとう勇者」

魔王「貴様も少しこちらに寄ったな?」

魔王「あやつは魔力こそ注いでおったがほぼヒトであったからなぁ?ヒトゴロシの勇者よ」

勇者(まずい……今のでほとんど効かないんじゃ手が……)

勇者(それに……はは、覚悟してたはずなのにねえちゃんを殺したって言われたら気力が……)



女「はい、回収完了でございまーす♪」

魔王・勇者「!?」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 22:35:38.53 ID:+mA4vBSF0
勇者「馬鹿野郎!なんででてきてるんだ!さっさと逃げろ!」

魔王「ほう、貴様の連れか?面白い貴様は生かしたままそやつを嬲ってやろう」

魔王「目の前で、嫌だと言っても、無限の時間を……な」

女「いや~ん!   な人は嫌われますよ?」

勇者「ふざけてる場合か!早く……?」

魔王「……な、ばかな……これは!?」

勇者「魔王の身体が崩れている!?」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 22:44:40.22 ID:+mA4vBSF0
女「今回、『やったか!?』フラグの回収したんですよ~♪」

魔王「馬鹿な、我があの程度の攻撃で滅ぶなど……!貴様!何をした!?」

女「私はな~んにもしませんよ。あなたにやられちゃうことはないけどあなたをやっつけるなんてできない」

女「でも当初の予定よりもう少しエネルギー回収できそうだったんで近くにあったフラグもついでにとっちゃいました♪」

勇者「何を、いって……?」

魔王「これは、体内から……!?馬鹿な、ありえぬ!魔娘は精霊の加護を失っていたはずだ!」

女「『女は強し』ってことですよ♪大胆ですよねぇ、魔王の体内へと精霊の力を注ぐだなんて」

女「ばれたら殺されちゃうのに!きゃっ!こわーい♪」

魔王「ありえぬ……ありえぬううううううう!」

男「やらせるか!」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 22:50:11.92 ID:+mA4vBSF0
魔王「バカな……我がこのような……!」

勇者「油断したんだよ、魔王……村娘ねえちゃんが、俺を助けてくれた」

勇者「……俺が、殺しちゃったんだけどな。馬鹿みたいだ」

女「凹んでる勇者さんにお知らせです♪」

勇者「今はふざける気分じゃないんだ、ほっといてくれ」

女「まぁまぁそうおっしゃらずに?あのですね、魔娘……村娘ちゃんは完全に堕ちてました」

勇者「うるさい!それでもねえちゃんは俺を助けてくれたんだ!貴様に何がわかる!」

女「話は最後まで聞きましょう?あなたが声をかけるその時まで、魔娘ちゃんは自分が何かもわからなかったんです」

女「そのままでは、魔王の体内に注いでいた精霊の力を解放させることなんてなかった」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 22:56:46.96 ID:+mA4vBSF0
勇者「だから人間として死ねて幸せだっていうのか?」

女「いーえ。私今回フラグ回収させてもらったんですが」

女「1本、回収直前に自分で折れちゃったんですよねー」

女「だから私、ちょっと違うフラグ回収したことになったんですよ」


?娘「……ん……」

勇者「村娘ねえちゃん……!?」

女「今はちょうど中間地点でしょうか」

女「あなたの必殺技で、敵が吹っ飛ぶ。これって安いですけど『主人公の敵』っていう死亡フラグあってこそなんですよね」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:02:07.76 ID:+mA4vBSF0
女「格闘漫画のズボンが破れないように」

女「味方への誤爆での死は、よっぽど特殊なフラグが介入がない限りはありえない」

女「そんなわけで、『死亡フラグ』回収させていただきました。……あなたのも、ね?」


勇者「ねえちゃ、ん……!」

女「よかったですね♪でもでも、その村娘ちゃんはまだまだ不安定な状態」

女「ほうっておけばまた瘴気にあてられて魔娘になってしまうかも??」

女「……誰かが、精霊の加護を複数年あたえ続けてあげれば普通の人間として暮らせるかもしれませんが」

女「でも全く知らない女性にたいしてそんな長い年月寄り添える人なんて英雄様ぐらいでしょうね♪」

女「……さぁ、どうします?」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:07:50.36 ID:+mA4vBSF0
勇者「……すまなかった」

女「あれあれ?どうなさったんですか?」

勇者「お前は、いや……貴女様はきっと俺に加護を与えてくれている女神とは別の神に違いない」

女「そんな素敵なものじゃないですよ♪なかなか回収しづらいんですよ『やったか!?』フラグって」

勇者「『ふらぐ』とやらが何かはわからないが、それが目的だったとしてもだ」

勇者「村娘ねえちゃ……村娘さんと、一緒に生きていられるのはきっと貴女のおかげだ」

女「買いかぶりですよ!本当はN  フラグも回収したかったんですが」

女「あなたに声をかけられて、少しだけ理性を取り戻して……立ってたはずのものが自力で折れちゃうなんて」

女「……あなたは、自分が思っているより愛されているんでしょうね?」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:13:28.98 ID:+mA4vBSF0
勇者「……あぁ、ありがとう。本当に、感謝している」

女「それでは末永く爆発してくださいね♪あなた方の未来にこれ以上大きなフラグは……なさそうですから」




女「うーん、あそこって普通は『でも魔王様が死んだら私もう気持ちいいことしてもらえない……!』ってN  フラグが」

女「すごいですねー、昔にちょっとお世話しただけの相手を、何年も自分に快楽を与えてくれていた相手より優先するなんて」

女「こういうことがあるから面白いんですけど……あぁ、今回はレアフラグがとれただけであんまり効率はよくなかったかな?」

女「でもまぁ『やったか!?』でやられちゃう間抜けなラスボスもみれましたからよしとしましょう!」

フラグ『やったか!?』完

69: フラグ『N  幼馴染編』 2012/04/13(金) 23:35:06.77 ID:+mA4vBSF0
男「……あー、明後日でつきあって一ヵ月か」

男「っていってもなぁ、昔から一緒にいすぎて実感なんてわかないし……」

男「まぁ、なんかプレゼントでも贈るかな……」

男「サプライズのためにあいつには黙っておこう。『一ヵ月でお祝いとか乙女じゃないんだから!』みたいに言われそうだ」


幼(っていうような独り言を聞いてしまった)

幼(アイツは本当にバカだ。考えを声に出すとかネタじゃないんだから)

幼(……まぁ、裏表がないってとればかわいいんだけどさ)

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:41:14.97 ID:+mA4vBSF0
幼「……で、どうしたのさ男?男のほうから『デートしたい』だなんて明日は大雪でも降りそうじゃん?」

男「お前なぁ……俺をなんだと思ってるんだよ。別にいいだろ?気分だよ気分!」

幼「こーんなかわいい幼馴染さまを『気分』で振り回すなんていい度胸だね!」

男「別にいいだろ、付き合ってるんだし!」

幼「そういうこと全然しない癖に!」

男「まぁ……それはほら、お互いの合意があってだな?」

幼「へたれ」

男「うるせーばか」


幼(サプライズとか何用意してるのかなー?)

男(幼はやっぱかわいいよなぁ、かわいいだけに手を出すタイミングとか測りかねるわ。昔から一緒だしな)

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:47:33.15 ID:+mA4vBSF0
幼「んー?男、どうしたの?」

男「いや別に。なんでもないけどさ」

幼「へー……はははっ!」

男「なんだよ急に」

幼「いや、なんとなく。顔見たら笑えてきた」

男「あ、すげーひどい!?

幼「まぁまぁ細かいことは気にしないの!」

男「俺が気にするわ!」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:50:55.03 ID:+mA4vBSF0
幼「まぁまぁ小さき者よ、気にするでないぞ」

男「お前に小さいって言われるのはどうかと思うんだけど」

幼「物理的な話じゃないよ!精神的なハ・ナ・シ!」

男「精神的にもどうかなぁ……?」

幼「その冷たい目はやめて、私のガラスのハートが砕けちゃうっ!」

男「小さいっていうか幼いな」

幼「お互い様でしょ?」

男「まあいいだけどよ……で、映画館につきましたよーっと」

幼「あ!私見たい映画あったんだよね!」

男「知ってる」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/13(金) 23:55:39.99 ID:+mA4vBSF0
幼「ほほう?では当ててみたまえ男くん!」

男「『ゴジラ&ゴジラ&ゴジラ 超ゴジラ大戦3D エピソードグレー カアチャンとカミナリの石』」

幼「ほほう!よくわかったな、ほめてつかわす」

男「ありがたきしあわせ……ま、ふざけるのもたいがいにしとこうか」

幼「んー、まぁいくら私が見たがってるってわかったからって特撮選ぶとかどうかと思う」

男「だってお前恋愛映画とか開始5分で寝るだろ?」

幼「いいや……3分あれば十分だね」

男「かっこつけんなバカ」

幼「いてっ」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:00:43.00 ID:biTUKvjm0
~~~~☆観賞終了☆~~~~

男「……いや、なんだかんだいっても面白かったな……まさかカアチャンが……」

幼「いやぁ、今回は評判結構よさげだったんだけど……最高だったね!特にあのプールの……」

男「いやいやあれはありえないだろ!?だってお前プールの中から海底火山って意味わかんないじゃん!?」

幼「こまけぇこたぁいいんだよ!っていう精神じゃないといけないよ、男くん?」

男「……そういうもんなのか。まぁいいんだけどさ……でさ、これから飯も予約してあるんだ」

幼「へー、男にしては気が効くじゃん!」

男「俺はやればできる子だからな」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:03:14.78 ID:+mA4vBSF0
幼「……ねぇ」

男「どうした?」

幼「いや、これ私たち場違いじゃない?こんな高そうな店とか私お金持ってないよ?」

男「ハッハーン、甘いね幼くん?こんなこともあろうかととお金は持ってきてるのさ!」

幼「それでも!デートは割り勘じゃないの?」

男「……たまにはかっこつけたっていいだろ?」

幼「やだ、かっこいい……」

男「よだれが垂れてなかったらうれしかった」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:09:02.87 ID:7jd0izuk0
幼「……なんかもう、しゃれ過ぎてて私にはどう食べていいのかわかんないよ?」

男「いいんだよ、多少雑でも感謝をこめてれば……ってトリコでいってた」

幼「その基準はどうかと思う……っていうか男はわりとそういうのできるじゃん?」

男「あ?あー……漫画とかだと結構あるんだよ高級品と品格云々とかの話が」

男「まぁうまければなんでもいいと思うんだがな」

幼「んー……それでもやっぱきっちりしてるとかっこいいと思うよ?」

男「ほれなおしたか?」

幼「いや、動きが」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:10:51.33 ID:7jd0izuk0
男「あぁ、うん……動きの問題ね、動きの……」

幼「別に、今更ほれなおすとかないぐらいには好きだしね?」

男「お前は時々すごくはずかしいセリフをいうな?」

幼「男のほうが時々はずかしいよ?」

男「マジかよ……」

幼「うん、痛い」

男「そっちの恥ずかしさの話はやめてくれ、切実に、マジで」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:16:31.70 ID:7jd0izuk0
男「それで……さ、幼」

幼「なに?急にあらたまって」

男「ん……これ、プレゼント」

幼「開けていい?」

男「あぁ、開けてくれ」

幼「……ペンダント?」

男「……だめか?」

幼「いや、男にしてはいいセンス……ううん、嬉しい。ありがとう」

男「喜んでもらえたならありがたいね」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:21:28.94 ID:7jd0izuk0
幼「それじゃあお礼しないとなー」

男「あ?別にいいんだよ、俺が好きで勝手にやったことだし……」チュッ

幼「……キス、しちゃった」

男「お、お、おまえ……!」

幼「ははは、男ったら顔真っ赤だよ?」

男「お前こそ真っ赤じゃねぇか!」

幼「……へへ、キスなんか今更な気もするのに恥ずかしいね」

男「子供のころなんか一緒に風呂入ったりしたのにな……」

幼「幼馴染だし……でも、意識してからのは初めてだよ?」

男「あぁ、俺もだけどな」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:26:46.59 ID:7jd0izuk0
幼「きょ、今日はもう帰ろっか!」

男「あ?……あぁ、そうだな。そろそろ暗くなってきてるしな!」

幼(なんか意識しだしたら急に恥ずかしくなってきた……!)

男(意識したとたん急に恥ずかしくなってきたみたいな感じであわてる俺の幼馴染かわいすぎて生きるの捗る)


幼「じゃあまた『明日』、……次は、男からキスしてよね?」

男「ばっ……あぁ、また明日な!」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:33:06.24 ID:7jd0izuk0
幼(男とキス……しちゃった)

幼(昔は、すごい仲のいい一番の友達って感じで意識なんてしてなかったのになぁ)

幼(あいつ……だんだんかっこよくなって……私の見方が変わっただけかな)

幼(でも、幸せだな……顔真っ赤にしちゃってさ、あいつからもしてくれたら……なんて)

キャアアー!

幼「!?何この悲鳴……あっち!?」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:41:53.46 ID:7jd0izuk0
幼「声はこっちから……ってあんたたち、何やってんのよ!」

娘「いや……たすけて……!」

DQNa「あぁ~ん?みてわかんない?タノシイことしようとしてるんだけど」

DQNb「ん?お譲ちゃんも混ぜてほしいの?ナニしようとしてたかわかるなんて●●●に興味津々なんd」ドサッ

幼「……こう見えても登場人物は全員18歳以上よこの野郎!」

DQNc「ンだこらなめやがって!●すぞコラ!?」

幼「好きなやつにも見せてないのにあんたらなんかには指一本触れて欲しくないね!」

幼「そこの子、早く逃げて人呼んできて!早く!」

娘「は、はい!」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:50:43.64 ID:7jd0izuk0
DQNa「あーあーいっちゃった……どうオトシマエつけるの?お譲ちゃん?」

幼「さー、どうしようかな?私ヒーロー気質だからねー」

DQNc「ッザけがってよォ……!ただじゃおかねぇぞ!」

幼(……さすがにケンカとか勝てる気がしないし隙をついて逃げないと……!)

ガッ

幼「ッ……!?」

DQNb「不意打ちは卑怯だよねぇお譲ちゃん?お・か・え・し!」

DQNa「アタマたたくとかひっでーなぁ!バカになっちまったらどうすんのよ?」

幼(あ、やばいフラフラする……早く、逃げないと)

DQNc「ドコいくんだァ?おら、遊ぼうぜ?」

DQNb「お詫びでチューしようぜ、チュー!ほらほら」

幼(いや、いや……!たすけて、おと、こ――――)

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 00:55:42.01 ID:7jd0izuk0
?「『フラグ回収』、完了しました」

DQNb「んあ?今なんか言った?」

DQNa「どーしたよ、ついにゲンチョー聞こえるようになったか?」

DQNc「やっべーな!おまえアタマおかヘブァ」

男「頭おかしいのはテメーらだろうが」

男「人の彼女捕まえて何やってんだ……ぶち殺すぞ」

DQNb「あァー?こいつのカレシかよ?こいつのせいで俺怪我したんだけど?」

男「そうか、じゃあ死ね」

DQNa「うっわー会話成立しないとかこいつチショーじゃんチショー」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:02:45.31 ID:7jd0izuk0
男「……イテテテ……いや、まじありえないわ……ケンカとか不毛すぎるわ……」

幼「おと、こ――?」

男「あーそうですよ、愛しの男様ですよー」

幼「……男……男ぉ……!」

幼「怖かった……怖かったの……!」

男「うん、ごめんな。怖い思いさせて。送ってやればよかったな」

幼「でも……きでくれて、あ、ありが、ありがとう……」

男「うん、間に合ってよかった。なんかいやーな予感がしてさ……あー、ほら泣くなよ」

チュッ

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 01:07:52.32 ID:7jd0izuk0
男「……しょっぱい」

幼「……え」

男「ほら、『次は俺から』って言っただろ?だから」

男「……っていうのはいいわけで。なんか、キスしたくなった」

幼「……ムードもないし、理由もサイテー。……でも、ありがと。好きだよ男」

男「俺も好きだよ、幼……」




女「はてさて実はイチャラブ純愛っていうのは常にいろんなフラグがたってるんです」

女「『ヤンデレ化』フラグとかもうわかりやすいのですけどね、純な恋ほどフラグがたちやすく」

女「『幸せな明日』をほのめかすだけで死亡フラグやらなんやらいろいろ立ちます」

女「まぁ……エネルギー回収効率はいいんですけどね?ごちそうさまです、いろいろと」

フラグ『彼女が誘拐  xxxされて●●されて   ダブルピースレター送ってきたでござる的N  』完

123: フラグ『N  後輩』編 2012/04/14(土) 01:49:32.26 ID:7jd0izuk0
後輩「先輩!今日もお話聞かせてください!」

先輩「ん、あぁ……そうだな、今日は何の話がいいか」

後輩「先輩が聞かせてくださるのなら、どんなお話でも楽しいです!」

先輩「そうか?じゃあ今回は、そうだな……男と女の歩き方の違いだが」


後輩(私は、先輩のことが好きだ)

後輩(少し前、先輩から告白されて晴れて両思いに……なれたと思う)

後輩(少し変人だけど、なんでも知ってる先輩から)

『先輩「これからも話を聞き続けてほしい」』

後輩(自分でもよくわかってないみたいだったけど、告白のはずだ)

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 02:05:59.31 ID:7jd0izuk0
先輩「そうそう、それに方向音痴の人間は見ている点が常に一点である傾向が強いらしい」

後輩「集中してみてるなら迷わなそうな気もするんですけれど……」

先輩「物事を覚えるなら、そうかもしれないが……道の場合は様々な情報を細かくチェックしたほうが迷わない」

後輩「へー……私も方向音痴なんですよ!じゃあちゃんと周り見ながら歩かないといけませんね」

先輩「あぁ、だがあまりキョロキョロしていたら迷子みたいに思われるぞ?」

後輩「う……そこまで子供じゃないですよ!」

先輩「安心しろ、半分は冗談だ。キョロキョロしてなくても迷子に見える時がある」

後輩「なお悪くなってるじゃないですか!?」


後輩(昔はジョークをいったら元ネタ解説しだすぐらいの変人だったのに)

後輩(最近、ちょっとは冗談を言ってくれるようになった……からかわれてばかりだけど)

後輩(それでも私は先輩のことが好きだ)

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 02:23:47.21 ID:7jd0izuk0
後輩「あ、先輩!よかったらご飯一緒に食べませんか?」

先輩「ん、あぁ。いつもすまないな……」

後輩「『すまないな……』じゃなくて、『ありがとう』って言ってほしいんですけれど!」

先輩「あぁ、すまん……ありがとう、後輩」

後輩「いえいえ先輩のためですから……あ~ん?」

先輩「そ、そういうのは遠慮しておくよ。本当にありがとう」



後輩(でも、先輩は私に対して一線ひいてる気がする)

後輩(もっと仲良く、恋人らしく振舞いたいのに……)

後輩(私に女性としての魅力があんまりないのがいけないのかな)

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 02:39:51.53 ID:7jd0izuk0
イケメン「あれ?後輩ちゃんどうしたのさ?」

後輩「あ……イケメン先輩、こんにちは。別に大したことじゃないんですけれど……」

イケメン「大したことない割にはすっごくおちこんでるようにみえたけどなぁ」

後輩「いえ、大丈夫です……本当に、なんでもないですから!ありがとうございました」

イケメン(……ガードが堅いなぁ)


後輩(イケメン先輩は、女子にも人気があって優しい人だ)

後輩(私なんかにも構ってくれるし、素敵だと思う)

後輩(きっと恋愛でもいろんな経験をしている……はず)

後輩(今度、恋愛について聞いてみるのもいいかもしれない)

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 03:06:56.03 ID:7jd0izuk0
先輩「…………」

女「……♪……………」



後輩「……なんだか、とんでもないものを見てしまった気がする」

後輩「今、先輩が女の人と話してた……私以外の、人と話してるの初めてみたかも……」

後輩「……別に嫉妬とか、じゃない……と思うけど……」

後輩「……はぁ、私って悪い子なのかな」

イケメン「お?どうしたの後輩ちゃん、一段と調子悪そうだけれど」

後輩「……イケメン、先輩……私、悪い子なんです」

イケメン「どうしたの?アイツとケンカでもした?」

後輩「違います、私が、私が勝手に……」

イケメン「まぁ落ち着いて、話しようか。そっちの教室とかなら人も来なくて話しやすいだろ?」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 03:13:12.14 ID:7jd0izuk0
イケメン「それで……どうしたの?」

後輩「その……先輩が、女の人と話してて」

後輩「私以外の人と、あんなに話している先輩みるのは初めてで」

後輩「なんだか、嫉妬しちゃって、そんな自分も嫌だって思っちゃって」

後輩「私、先輩と一緒にいてもいいのかなって自信が無くなってきて……」

イケメン「そっか……辛かったね」ヨシヨシ


後輩(あたま、なでられてる……)

後輩(気持ち、いいかも……)

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 03:23:46.36 ID:7jd0izuk0
後輩「ありがとう、ございます。もう大丈夫です」

イケメン(……いつまでも撫でさせてはくれないか。もうひと押し……)

イケメン「本当にどうしたの?いつも元気な後輩ちゃんらしくない、話してみてよ」

後輩「……その、前から先輩は私に対して一線ひいてるようなところがあって」

後輩「告白してくれたんだと、思ってたんですけれど……本当に、前と何にも変わらなくて」

後輩「私、本当は嫌われてるんじゃないかなって思えてきて……ずっと、私がくっついているのが嫌なのかもって」

後輩「なんだか悪いことばかり考えちゃって……ごめんなさい、いろいろとお世話になりました」

イケメン「まぁまぁ、待ちなよ後輩ちゃん」

後輩「なんですか?もう私なら大丈夫……」

イケメン「俺とつきあってみない?」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 03:31:31.37 ID:7jd0izuk0
後輩「……え?」

イケメン「だからさ、俺とつきあってみない?」

後輩「じょ、冗談はやめてください!イケメン先輩にはもっといい人がいるじゃないですか」

イケメン「何言ってるの?後輩ちゃんは魅力的な女の子だよ」

後輩「で、でも私には先輩が……」

イケメン「本当に付き合ってるのか、わからないんだろ?」

後輩「っ……」

イケメン「本当に後輩ちゃんのことが好きならアイツだってほうっておかないはずだ」

イケメン「後輩ちゃんみたいにかわいい女の子をおいておくなんて、俺ならそんなこと絶対にしない」

イケメン「アイツだって何も思ってないんじゃないのか?……それに」

イケメン「後輩ちゃんが俺と付き合っていて嫌だと思ったり、アイツが後輩ちゃんに嫉妬するようなら」

イケメン「俺から離れてかまわない。お試しだよ、お・た・め・し」

イケメン「どうだい後輩ちゃん。お試しで付き合ってみない?」

後輩「そ、それでも私……私は……」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 03:41:49.74 ID:7jd0izuk0
後輩「私……私は……」

後輩(本当に、先輩の隣にいてもいいんだろうか?)

後輩(先輩はわかりやすく砕いてくれているんだろうけれど、難しいお話だとよくわからない)

後輩(文学作品の内容なんて国語の教科書レベルしか知らない)

後輩(先輩は、頭もよくて……優しくて、なんでも知ってて)

後輩(私なんかより、もっとふさわしい人がきっといる……)

後輩(先輩だって、私にくっつかれて嫌だったのかもしれない)

後輩(話す相手がいなくて、少し退屈だから気まぐれに相手しただけかもしれない)

後輩(それなら、いっそ先輩から離れたほうが……いいのかもしれない……)

後輩「――――――は」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 03:49:02.55 ID:7jd0izuk0
ガラッ

先輩「突然すまんイケメン、ここら辺にいるって聞いて探してたんだ。この前の予算会議の件なんだが……ん?」

後輩「あ……せん、ぱ……」

先輩「……あぁ、邪魔をしてしまったみたいだな。すまない」

後輩「い、いや……ちが……」

後輩(違う?何が?今イケメン先輩と付き合う、って言おうとしてたのに何が『違う』の?)

先輩「すまないな、後輩……いつも遅くまで話を聞いてもらって。イケメンと一緒に帰れなかっただろう?」

先輩「弁当も……いつもありがとうな。でも面倒だろう?飯も、ちゃんと自分で考えるから」

イケメン(……ちっ、予定は狂ったけど外堀は埋まったからよしとするか。こいつも手出しする気にならないだろ)

後輩(私が、私がしたかったのは……?)

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 03:55:50.68 ID:7jd0izuk0
?「フラグ回収、完了しました」



後輩「ご、ごめんなさい……」

先輩「どうした?何のことだ?」

後輩「いえ……先輩じゃなくて、イケメン先輩にです」

イケメン「……なに?」

後輩「イケメン先輩は、かっこよくて優しくてみんなの憧れの的です」

イケメン「それで周りに申し訳ないって?いいんだよ、俺が好きなのは……」

後輩「いいえ。それでも、私は……私は、先輩のことが好きなんです」

後輩「空気の読めない、勉強しかできない、恋人らしいことのひとつもしてくれない」

後輩「そんな先輩が好きなんです」

後輩「だから……ごめんなさい。私なんかを好きっていってくれて、ありがとうございました」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 04:06:11.42 ID:7jd0izuk0
イケメン「……ッチ。ちょっと気にかけてやったら調子にのりやがって」

後輩「……え?」

イケメン「お前なんてキープしておこう、ぐらいにしか考えてないんだよ。フるだぁ?ずいぶん上からだな」

イケメン「……っは。冷めたわ。あばよ」



後輩「……いっちゃいました」

先輩「……すまない、まったく状況がつかめないんだが」

後輩「ふふっ、先輩は本当に空気が読めないんですね?」

先輩「いや……まぁその通りだな。でも……俺のことが好き、って?」

後輩「そのままの意味ですよ、先輩?私は、先輩が、好きです」

先輩「……正面から好意を向けられることには慣れてないんだ」

先輩「……でも、俺も後輩のことが、好きだ」

先輩「この前は……『告白かわからない』なんて言ったが」

先輩「この気持ちは、きっとそういうものなんだろう。イケメンにとられると思ったら嫌だ、とはっきり思ったんだ」

先輩「……誰にも渡したくない。俺と付き合ってくれ」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/04/14(土) 04:11:58.54 ID:7jd0izuk0
後輩「さぁ、どうしましょう?」

先輩「な、なに!?」

後輩「付き合ってほしいのなら……誓いのキスをください、王子様?」

先輩「……起きてる姫にキスをする王子が出てくる作品は意外と少なくてな」

後輩「もう!そういうふうにごまかさないでくださいよ!」





女「あの時に一言言えていたら」

女「たったひとつの言葉とそのタイミングでフラグの立ち方ってえらく変わるんです」

女「今回は先輩くんの乱入と、その場での後輩ちゃんの勇気が合わさってのフラグ回収でした」

女「これから、少しは先輩くんも積極的になれるといいですね?言葉にしないと伝わらないことも多いんです」

フラグ『自分になついている後輩がイケメンヤ   にN  た上に  捨てられたでござる』完