1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:05:06.97 ID:ku5D4ikX0
森丘~~クックの巣~~~
 
イャンクック「……ふーむ」
 
リオレウス「先生の番ですよ」
 
クック「分かっとるわいちょっと考えさせい」
 
レウス「どう見ても詰みだと思いますけどね」
 
クック「ふん、お前にも教えたじゃろうが諦めたらそこで」
 
「お~いクック先生~、いるかニャ?」
 
レウス「?」
 
クック「うははまいったのう客が来たわい!これでこの勝負ナシ!」
 
レウス「ちょ、そりゃないですよ先生!」
 
クック「うるさいわ。それで……おお、アイル―か。」
 
アイル―「どうも先生。またレウスさんと将棋していたのかニャ」
 
クック「まあの。それで何か用かね?」
 
アイル―「今朝、ボク達の集落の前に変な生き物が倒れてたんだニャ」
 
クック「変な生き物?」

引用元: イャンクック「……ピカチュウ…?」 




2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:06:02.18 ID:ku5D4ikX0
レウス「連れて来てるのか?」 
  
アイル―「連れて来ようとしたけど、なんかフルフルさんみたいにビリビリして無理だったニャ」 
  
クック「ほう。雷を宿すか」 
  
レウス「どんな奴なんだ?」 
  
アイル―「大きさはボクと同じぐらいで、なんか黄色くてポッチャリした鼠みたいな奴ニャ」 
  
レウス「……想像がつかないな」 
  
アイル―「一応、檻の中に入れているニャ。とにかく一度見てほしいニャ」 
  
クック「どれ、気になるの。ちょいと見に行こうかの」よっこいしょ

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:07:14.31 ID:ku5D4ikX0
~~~アイル―達の集落~~~ 
  
クック「どこじゃ?」 
  
アイル―「あいつニャ」ゆびさし 
  
ピカチュウ「ピ、ピカ!ピカチュ!ピカチュウゥゥゥ!!」 
  
レウス「うわ、なんだこいつ」 
  
アイル―「……先生、こいつが何か分かるかニャ?」 
  
クック「……ふーむ……長年生きてきたが……こんな生き物初めて見たわい」 
  
ピカチュウ「ピカ!ピっピカチュ!ピカチュゥゥゥ!!」身振り手振り 
  
アイル―「目を覚ましてからずっとこんな感じニャ」 
  
レウス「……なんか……必死でなにかを訴えているように見えますね」 
  
クック「ほうお前にもそう見えるか。アイルーや、ちょっと檻から出してあげなさい」 
  
アイル―「いいのかニャ?逃げても知らないニャ」 
  
クック「まぁ大丈夫じゃろ」 
  
アイル―「分かったニャ。メラ、開けて」 
  
メラルー「あいよ」 ガチャン!

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:08:38.46 ID:ku5D4ikX0
ピカチュウ「ピ!ピカ!ピカチュ!ピカチュゥゥゥゥゥゥ!!」身振り手振り 
  
アイル―「……逃げニャい……?」 
  
レウス「……やっぱり何か訴えていますよ……俺たちに」 
  
クック「……ふーむ……必死さは伝わって来るんじゃが……分からん」 
  
ピカチュウ「ピカ!ピカチュウう!ピカチュウゥゥゥ!」ポロ…ポロ… 
  
クック「!!」 
  
レウス「なんだ……!?泣いてる!?」 
  
ピカチュウ「ぴかちゅううううう!ぴかああああああ!」ポロ…ポロ… 
  
メラルー「……先生、泣いてますぜこいつ」 
  
クック「………」(……こやつの目……) 
  
レウス「……」(な……なんだ……こいつ……) 
  
ピカチュウ「ピカチュ!ぴかちゅううううう!」ポロ…ポロ…

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:09:56.83 ID:ku5D4ikX0
~~~~後に、あの時現場に居合わせたアイル―はこう語る~~~~ 
  
アイル―「あの時……あのネズミがなにを伝えようとしていたのか……」 
アイル―「少しでも……ほんの少しでも分かる努力をしていれば……」 
  
アイル―「こんな……こんなことには……うっ…ううっ…」ポロ…ポロ… 
  
~~~~~~~~ 
  
あの時、イャンクックたちには知る由もなかったが、ピカチュウはこう叫んでいたのである。 
  
ピカチュウ「逃げて!遠くへ逃げて!あなた達は全員殺される!早く!お願い伝わって!」 
  
と。 
ピカチュウの出現は、あるひとつの世界の終焉を告げるものだった。 
いや、遥か昔、創造主たる絶対的存在がこの世界を創ったとき。 
そしてイャンクックという圧倒的カリスマ性を持つ一匹の竜が生を受けた瞬間…… 
すでにその瞬間から、惨劇が起きることは半ば決定していたのだった。 
  
第1話  完 
  
 

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:12:03.31 ID:ku5D4ikX0
――――――『序盤戦』―――――― 
  
森丘~~~夜~~~~リオレイアの巣 
  
リオレイア「……夜中に何の用かと思ったら……」 
  
レウス「というわけで頼む。このネズミを預かっていてくれ」 
  
レイア「ふざけないでよ!何が嬉しくてそんな奇妙な生き物預かんなきゃいけないのよ!」 
  
ピカチュウ「zzz……zzz……」 
  
レウス「おいあんまり大きな声出さないでくれ。やっとこさ寝かしつけたとこなんだ」 
  
レイア「知らないわよ。アイル―たちが預かっていれば良いじゃない」 
  
レウス「触ってみると分かるが……ビリビリして嫌らしい」 
  
レイア「なっ!私だってビリビリ嫌いだってあんたも知ってんでしょ!」 
  
レウス「お前はアイル―たちより頑丈じゃないか」 
  
レイア「   」かちん 
  
レウス「頼む、お前しかいないんだよ」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:14:12.49 ID:ku5D4ikX0
レイア「……クック先生は?」 
  
レウス「このネズミについて知人を当たってみるってさ。さっき飛び立ったよ」 
  
レイア「あんたは?」 
  
レウス「トライ大陸の兄貴を訪ねてみろって先生の命令だ。そっちにも変な生き物いないかをな」 
  
レイア「トライ大陸って……またあんたラギアと喧嘩になるんじゃないの……?」 
  
レウス「まぁその時は兄貴が止めてくれるさ。ってなんだ心配してくれてるのか?」 
  
レイア「なっ、ち違うわよバカ!なに言ってんの!?バカじゃないの!?」 
  
レウス「ははっ、懐かしいなぁ。ガキん頃、ラギアと喧嘩して死に掛けた俺をお前は一晩中」 
  
レイア「わーはいはいわかったこのネズミ預かれば良いんでしょ!」ぐいつ 
レイア「はいはい私が面倒見とくからそれじゃあねバイバイ!」バタン! 
  
レウス「……ふぅ。んじゃ頼んだぜ。レイア。」ばさっばさっ 
  
レイア「なんなのあいつ…!心配なんかしてないし!それに急にこんな変な生き物押し付けて!」 
  
ピカチュウ「zzz……zzz」 
  
レイア「………」(あ、ちょっと可愛いかも)ツン…ツン… 
    び り っ   
  
レイア「わっ!」さっ

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:16:06.18 ID:ku5D4ikX0
~~~~翌日~~~~正午近く~~~~トライ大陸   孤島 
  
レウス「……ふぅ~……日の出前には着きたかったんだがな……俺もまだまだ遅いな」 
  
ざわ……ざわ……ピーピー 
  
レウス「……なんだ……?小鳥たちがざわついてるな……まさかハンターがいるのか?」 
  
ジャギイたち「あ、レウスさんちーす」 
  
レウス「ん?」 
  
「ちわす」「うす」「んちゃっす」「ちーす」ダダダダ 
  
レウス「おお、久しぶり。どうした?なんか慌ててるように見えるが」 
  
ジャギイ「どうしたもこうしたも大事件っすよ。今朝ラギアさんの惨殺死体が見つかったんす」 
  
  
  
レウス「…………なんだって?」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:18:30.68 ID:ku5D4ikX0
~~~~浜辺~~~~ 
  
リオソウル「……なんだこりゃあ……?」 
  
ドスジャギイ「人間……ハンターの仕業っすかね……」 
  
ソウル「いや、人間たちのやり方じゃねえ。それにあいつらは死体を持って帰る」 
  
ドスジャ「そうっすよね……あいつら、自分らの体あますとこなく何かに使いますもんね」 
  
ソウル「……見ろ、この切断面。肉が焼けただれてる」 
  
~~~浜辺に横たわるラギアクルス。その体は6つほどのパーツに分断されていた! 
開いたままのラギアの眼が、遠い空を虚しく見つめていた!~~~~ 
  
ドスジャ「……なんなんすかね……この切り口……」 
  
ソウル「……グラビさんやアグナのビームが獲物に当たると、こんな感じの切り口になる」 
  
ドスジャ「……まさか、火山の連中が……?」 
  
ソウル「まさか。あいつらはこんな所にまで来れない」 
  
ドスジャ「そっすよね……」 
  
  ばさっ ばさっ  
  
ソウル「ん?」くるっ

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:21:04.35 ID:ku5D4ikX0
レウス「……兄貴……久しぶり」すとっ 
  
ソウル「おお、レウスじゃねぇか!久しぶりだな」 
  
ドスジャ「ちわす」 
  
レウス「……それは……」 
  
ソウル「……ああ。ラギアだ。今朝見つかったんだが……」 
  
レウス「……ラギア……」 
  
ラギアの頭「………………………………」 
  
~~~~~レウスはラギアの頭部をしばし見つめた! 
  
レウス「……なに……勝手に死んでんだよ」 
  
ドスジャ「……うぅっ」(レウスさんとラギアさん……永遠のライバルって感じでしたもんね)ぐすん 
  
ソウル「とりあえずこのままじゃあれだ……ハエもたかってきた。海に流してやろう」 
  
レウス「……白ラギさんには……」 
  
ソウル「例によって行方不明だ。連絡もつかん」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:23:47.24 ID:ku5D4ikX0
~~~~~リオソウルの巣 
  
ソウル「……なるほど。その黄色い鼠の手がかりを探すためクック先生は古龍のじいさんたちに会いに行ったのか」 
  
レウス「ああ」 
  
桜レイア「……で、今その鼠はどこにいんの?」 
  
レウス「今はレイアが預かってます」 
  
桜「ははは妹が!」 
  
ソウル「んで、お前はその黄色い鼠みたいな奇妙な奴がこのトライ地方にも現れたかどうかを調べにきたんだな」 
  
レウス「ああ」 
  
ソウル「……奇妙な生き物ねぇ……」 
  
桜「……もしかして……ラギアを殺したやつって……」 
  
ソウル「……俺たちが見たことない奇妙な生き物……の可能性もあるな」 
  
桜「……だとしたら」 
  
レウス「    」ざわっ (レイア!!!!)がたっ

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:26:09.23 ID:ku5D4ikX0
桜「ちょっ……レウス!」 
  
ソウル「待てレウス落ち着け!」 
  
レウス「しまった!俺はなんて馬鹿なことを!もしラギアを殺った奴とあの鼠が関係あるとしたら!」 
  
ソウル「落ち着けっつってんだろうが!クック先生もその鼠を見てんだろ!?」 
  
レウス「ああ見てる!だからなんだっていうんだ離してくれ!」 
  
ソウル「先生がそいつを見た!その上でレイアちゃんに預けろと言った!そうだな!?」 
  
レウス「そうだよ!それがどうしt」 
  
  がつん!~~桜が翼でレウスの頭を殴った! 
  
レウス「ぐおっ……!」ふらふら 
  
桜「人ん家で騒いでんじゃねえよ何テンパってんだ男だろうがてめーはよ」 
  
レウス「で、でもレイアが……!」 
  
桜「クック先生がレイアに預けろっつったんだろ?なら何も心配いらねーじゃねぇか」 
  
レウス「!……そ、そう言われてみれば……」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:29:34.14 ID:ku5D4ikX0
桜「先生が実際にそいつを見て、安全と確信したからレイアに預けろって言ったんだろうが」 
  
レウス「……そ、そうだ……」 
  
ソウル「それにお前もその鼠を見てんだろ? 危険なやつに見えたか?」 
  
レウス「い、いや…とても…危ない奴には……」 
  
ソウル「ったくお前は昔っからこうだ。座れ」 
  
レウス「すまん兄貴……桜さん」 
  
桜「ほらよ……薬草ぬっとけ」ぽい 
  
レウス「ど、どうも」 
  
ソウル「とは言ったものの、心配っちゃあ心配だな」 
  
桜「………」 
  
ソウル「レウス、お前は今日帰れ。んで鼠はお前とレイアちゃんで面倒見ろ」 
  
レウス「わ、わかった」 
  
ソウル「こっちの地方にも変な生き物の目撃例がないかは、俺と桜で調べておく」 
  
レウス「……たのむ」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:31:46.74 ID:ku5D4ikX0
ソウル「で、後日俺らもそっちに行ってその鼠を見させてもらう」 
  
レウス「わかった」立ち上がり 
  
桜「クック先生によろしく言っておいてくれよ」 
  
レウス「わかりました」ばさっ 
  
桜「それから……妹を頼むよ。レウス!」 
  
レウス「はい!んでは!」ばさっ!ばさっ!  
  
…… 
  
桜「ふふ、相変わらず可愛い坊やだね。あんたの弟は」 
  
ソウル「まったく世話のやける野郎だ。さてと……とりあえず奇妙な生き物見たかそこら聞いて回ってみるか」 
  
桜「そうだね」 
  
ソウル「俺はとりあえず砂原に行ってみる。桜は渓流のジンのとこ行ってみてくれ」 
  
桜「ん」 
  
ソウル「あとは……ペッコの野郎にラギアが殺されたことを伝えておかねーとな」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:33:59.27 ID:ku5D4ikX0
~~~~森丘地方  樹海  昼 
  
迷路のように複雑に入り組んだ樹海の中を、クックは猛スピードで走っていた! 
  
クック「………」ダダダダダダ! 
  
ひゅん……ひゅん…しゃっ…… 
  
クック「……尾けられてるな」チラッ  ダダダダダダ 
  
イャンクックのあとを尾けるひとつの影があった! 
その影は樹から樹へと飛び移りまるで忍者のようにクックに迫る! 
  
クック「……ほう!ワシの速さについてくるかよ」にやり  ダダダダ 
  
   び ゅ お っ !  
  
クック「むっ!?」 
  
その時!イャンクックの顔に向かって何か黒い尖ったものが飛んできた! 
  
クック「ふっ」さっ 
  
クックは首をちょいとふってそれを避けた!クックの顔の横を通り過ぎた物体はそのまま前方にあった樹に突き刺さった! 
黒くて大きな棘だった! 
  
クック「……危ねぇじゃねぇか」チラッ

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:36:50.35 ID:ku5D4ikX0
     ひ ゅ ん っ  
  
黒い影が一瞬だけ姿を見せる!! 
  
クック「!!」 
  
ほんの刹那の間に、その影がクックの死角に回り込んだ! 
  
そしてその影―――――ナルガクルガ(♀)が鋭い翼の刃を光らせてクックに襲いかかった! 
  
     ガ キ ィ ン ! 
  
ナルガの刃を、クックは嘴で挟んで止めていた!! 
  
クック「……」 
  
ナルガ「……」 
  
クックとナルガの視線が至近距離で交錯する! 
と、その時、森の中から声が……!! 
  
「よい。ナルガよ。刃を収めよ。早くせぬと折られるぞ……」 
  
クック「……ったく、こんな優秀な護衛がいるなんて聞いてねぇぜ。え?ヤマツカミよ」にやり 
  
ヤマツカミ「だれかと思ったらてめぇかよ……久しぶりだなぁ。クック」にやにや

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:39:09.97 ID:ku5D4ikX0
~~~~ヤマツカミの巣~~~~ 
  
クック「……ほらよ。てめぇが好きな森丘の湧き酒だ」 
  
ヤマツカミ「気が利くじゃねぇか。どれさっそく」ごくっ 
  
クック「ところであいつはなんだ? あの野郎本気でワシを殺そうとしたぞ」 
  
ヤマツカミ「ふははは良い腕だろう?あいつがまだほんの子竜だったころな、親の死体の前でわんわん泣いておったのよ」 
ヤマツカミ「そこに人間が現れてな、あいつを狩ろうとしていた所を偶然通ったワシが助けたのさ」 
ヤマツカミ「そしたらワシに懐いたみたいでな、徹底的に鍛えてやったわ。今では立派なワシの介護師よ」 
  
クック「けっ!なにが介護だ……下の世話もさせてるってのかよ」 
  
ヤマツカミ「おうよ。あいつはワシにぞっこんd」 
  
ど が ん っ ! 
  
ナルガの尻尾びたーんがヤマツカミの頭にヒットした! 
  
ナルガ「……なに……適当なことを……言っている」 
  
ヤマツカミ「……ご、ごめん…」 
  
ナルガ「…クック…といったか……私は……こいつの下の世話なんて……していないからな」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:41:01.27 ID:ku5D4ikX0
クック「わかっとるわい」にやり 
  
ナルガ「…………」 
  
クック「お主、酒は飲めるか」 
  
ナルガ「……酒は、飲まない」 
  
クック「そうか」 
  
ヤマツカミ「くく、前に一度こいつに酒を飲ませてみたんだがよ、それはもう別人になりやがってよ、ワシに抱き着いてきたr」 
  
   どがんっ! 
  
ナルガ「……本当に……殺すぞ……!!」 
  
~~~ナルガの頬がわずかに紅く染まっている!尻尾びたーん攻撃は必然的に相手に尻を向けて、顔は相手の方を振り向くような体勢になる! 
頬を染めてそのポーズをとるナルガはなんとも  ティックであった! 
  
~~~~~~~ 
  
ヤマツカミ「時にクックよ、何か用事があってきたのだろう。まさか酒を渡す為に来たわけじゃあるめぇ」ぐびっ 
  
クック「……ちょいと聞きたいことがあってな」 
  
ヤマツカミ「……ほう」ぐびっ

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:43:01.48 ID:ku5D4ikX0
~~~~  
  
ヤマツカミ「……雷を宿した黄色い鼠……とな」ぐびっ 
  
クック「トライ地方にも奇妙な生き物がいねぇか弟子に探らせてるところだ」 
  
ナルガ「………」 
  
クック「その鼠がな、どうも何かを必死で伝えようとしとるのさ」 
  
ヤマツカミ「……ほう」ぐびっ 
  
クック「おめぇの耳に入っとらんか? この辺で奇妙な生き物見たとかよ」ぐびっ 
  
ヤマツカミ「ふーむ……そのような話は聞いとらんなぁ」ぐびっ 
  
ナルガ「……その話と……関係あるかは分からない……けど」 
  
ヤマツカミ「おう」ぐびっ 
  
ナルガ「昨日……チャチャブーたちが……変なものを見つけた……って…言ってた」 
  
ヤマツカミ「変なものとな」 
  
ナルガ「生き物なのか……物なのか…分からないけど……意思を持って動くって」 
  
クック「!」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:44:22.36 ID:ku5D4ikX0
~~~~~チャチャブーたちの集落 
  
キングチャチャブー「全員整列ぅあ!!」 
  
チャチャブーたち「   」さささっ 
  
キング「ヤマツカミ殿、ナルガ殿、クック先生、ようこそ我が城へ」すっ 
  
ヤマツカミ「うむ。お主たち昨日、変なものを見つけたらしいな? 見せてくれぬか」 
  
キング「はっ!おい!あれを持って来い!」 
  
チャチャブーたちがなんか籠を持ってきた!籠のなかには―――――。 
  
ヤマツカミ「……なんじゃこりゃ」 
  
ナルガ「……なんか……おもしろいな」 
  
クック「……ぬぅ……これはまた奇怪な……」 
  
コイル「じーっ!じじーっ!」ういんういん

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:46:19.35 ID:ku5D4ikX0
クック「こいつを籠から出してくれぬか」 
  
キング「は…しかし……逃げませぬか」 
  
クック「まぁ大丈夫じゃろ」 
  
キング「はっ!おい開けろ!」 
  
チャチャブー「イエッサ」(クック先生……久しぶりに見たが…やっぱ威圧感すげえな) 
  
コイル「じーっ!じじーっ!」ういんういんういんういん 
  
キング「昨日からずっとこの調子なんですわ」 
  
クック「……」 
  
ナルガ「……逃げないな」 
  
ヤマツカミ「……ふむ。なにやら目玉らしきものはあるの」 
  
コイル「じーっ!じじーっ!じじじじじじ!」ういん!ういん!ういん! 
  
ナルガ「………何かを……伝えようとしてる……?」 
  
クック「……同じだ……あの黄色い鼠と」 
  
ヤマツカミ「……同じ?」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:47:57.73 ID:ku5D4ikX0
クック「こやつも……逃げもせず何かを必死で訴えておる……」 
  
コイル「じーっ!じじーっ!じーっ!」ポロ…ポロ… 
  
全員「!!!???」 
  
ナルガ「……泣いた……」 
  
クック「………」 
  
ヤマツカミ「………」 
  
コイル「じーっ!じじじーっ!じーっ!」ポロ…ポロ… 
  
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 
同刻   トライ地方   砂原 
  
リオソウル「おいおい……こいつは………いったい………」 
  
クルペッコ「な、なんだこれ…!?おえっ!おえええええええっ!!」 
  
砂原にて、ボルボロスとハプルボッカとラングロトラとベリオロス亜種の死体が発見された! 
ボルボロス、ハプル、ラングは焼死体! 
ベリオロス亜種は、十数個ものパーツに分けられたバラバラ死体! 
そしてその亜べリオの『肉片』は―――奇妙なことに、炎天下の砂原で 凍 っ て いた! 
  
第2話 完 

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:51:36.52 ID:ku5D4ikX0
~~~~森丘 夜  リオレイアの巣 
  
レウス「レイア!レイアぁーーーーーっ!!!!」だだダダ 
  
がちゃ 
  
レイア「……なにようるさいわね」 
  
レウス「はぁっ!はぁっ!ぶ、無事かっ!?」 
  
レイア「無事ってなにが……てゆーかなんであんたそんな汗だくなの」 
  
レウス「いや、今日の昼に孤島から急いで来たから……」ぜぇーっ、ぜぇーっ 
  
レイア「今日の昼!? あんたいつの間にそんな速くなったの!?」 
  
レウス「!!」(あれ?…そういえばそうだな……ってそれより!) 
レウス「あの鼠は!?」 
  
レイア「寝てるよ……ほら。もしかしてさっきの無事かって、この鼠を心配してのこと?」 
  
レウス「ち、違う!俺はお前が心配で……!!」 
  
レイア「!!!」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:53:29.60 ID:ku5D4ikX0
~~~~~~ 
  
レイア「……そう。ラギアが……」 
  
レウス「ああ。それで、もしかしたらその鼠も危険なんじゃないかって……」 
  
レイア「……」(本当に……私のことが心配で…急いで帰ってきてくれたんだ…)きゅん 
  
レウス「なんか変わったことはなかったか?」 
  
レイア「……」(レウスが…私を想って……半日で孤島から……)きゅきゅん 
  
レウス「おい」 
  
レイア「……」(あんなに……汗だくになって……)きゅきゅきゅん! 
  
レウス「おいレイア!!」 
  
レイア「へ!!?? なななななに!?」どきどきどき 
  
~~~レイアの頬が紅く染まっていた!少女と大人の女との境界線にいる者のみが持つ、幼さと妖艶さを兼ね揃えた色っぽい表情であった!~~~ 
  
レウス「この鼠、昼間になんかしたか?」 
  
レイア「あ、ああ!そう!鼠ね!えっと……あんたが言っていた通り…必死で何かを訴えていたかな」 
  
レウス「やっぱり……」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:55:03.17 ID:ku5D4ikX0
ピカチュウ「zzz……zzz……」 
  
レウス「なにを伝えたいんだろう……」 
  
レイア「仲間に会いたい……とか?」 
  
レウス「その可能性もあるが……仲間に会いたいなら普通探しに行かないか?監禁してるわけじゃないし」 
  
レイア「それもそうね……ふと感じたんだけど……」 
  
レウス「ん?」 
  
レイア「なーんか……私たちのこと心配してるような目で見るのよね……この鼠」 
  
ピカチュウ「zzz……zzz…」 
  
レウス「心配……か」 
  
レイア「……うん」(あんたが……私を心配してくれたようにね)くすっ

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:56:11.90 ID:ku5D4ikX0
~~~~時間は少し戻って~~~トライ地方 砂原 昼 
  
ソウル「……ボルボ、ハプル、ラングは黒焦げだ……強い熱で焼かれたらしいな」 
  
ペッコ「……この人たちを焼くって……相当の火力だよね……」 
  
ソウル「ああ。そして……この亜べリオは……」すっ 
  
~~~ソウルは亜べリオの肉片に触れてみた! 
  
ソウル「……冷たい……凍ってやがる」 
  
ペッコ「……絶対おかしいってこれ……! この暑さで凍ってるなんて……」 
  
ソウル「……ああ。それにまったく氷が解ける気配がしねぇ」 
  
ソウル「ちょっと試してみるか……すまん亜べリオ」ボウッ! 
  
~~~~ソウルは亜べリオの凍った肉片に火球を吐いた! 
  
ペッコ「ひッ!ソウルっ!?な、なんてバチアタリなことをっ!!!」 
  
  じゅ~!じゅ~!  肉が焼ける音がした! 
  
ソウル「……溶けた……」 
  
ペッコ「…………うえっ」(…嫌な匂いだ……)

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 09:59:03.34 ID:ku5D4ikX0
ソウル「……ペッコ、お前の火打石の火花を凍った肉片に当ててみてくれ」 
  
ペッコ「ええっ!!??僕もやるの!?なんで!?」 
  
ソウル「いいからやってみてくれ」すっ 
  
~~~ソウルは凍った肉片をペッコの前に置いた! 
  
ペッコ「……くっ……ううっ……ええいままよ!」(ごめん亜べリオ!)かちっ! 
  
~~~~火花が凍った肉片に当たった! なんと! 氷が解けだしたではないか! 
  
ソウル「………」 
  
ペッコ「………う………氷が解けて……生々しい肉が……」 
  
ソウル「……この氷、おかしいぞ。太陽熱では解けないのに、火なら火花のような小さいものでも解けるらしい」 
  
ペッコ「……普通の氷じゃない…? い、いや、こんな所にある時点で普通じゃないか…」 
  
ソウル「…………」(なんだ……なにが起きてやがんだ……いったい…) 
  
ペッコ「ね、ねぇ、これ……ひょっとして、砂原の住人全滅じゃぁ……」 
  
ソウル「いや、ティガと亜ドボルさんがまだいる。亜ドボルさんは旅に出てるらしいが…」 
  
ペッコ「そ、そうか……そんでティガは頻繁に凍土に行ってるもんね……ポポ喰いに」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:01:45.53 ID:ku5D4ikX0
ソウル「……ペッコ……今すぐに亜ッコを呼べ」 
  
ペッコ「わ、わかった……ソウル……こ、これ……」 
  
ソウル「……ああ……尋常でない何かが起こってる」 
  
~~~~~~~~ 
  
同刻  渓流 
  
ティガレックス「あーくそ!変な風に乗ったらこんなわけ分からん場所に来ちまったぜ」 
  
ティガ「早く凍土でポポ喰いてえのによォ……」 
  
「悪かったなわけ分からん場所で」 ずん…ずん… 
  
ティガ「あん?」くるっ 
  
ジンオウガ「用がないなら出てってくれないか」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:03:48.97 ID:ku5D4ikX0
ティガ「あ~? なんで俺がてめーの言うこと聞かなきゃならねーんだ?」 
  
ジンオウガ「相変わらず馬鹿だなお前は。ここが俺の縄張りだからに決まっているだろう」 
  
ティガ「一言余計なんだよてめーはいつもよ」 
  
ジンオウガ「いいからとっとと消えろ。ぶっ飛ばされんうちにな」 
  
ティガ「ほ~。俺に喧嘩ふっかけてんのかよ」 
  
ジンオウガ「……警告だ。5秒以内に消えろ」 
  
ティガ「……おもしれぇ。消えなかったらどうなるんだ?」ぐぐぐ… 
  
ジンオウガ「……」ばちっ……ばちちっ…! 
  
「ストップ!!」 
  
ティガ&ジン「!!??」 
  
桜「ふう。久しぶりねジン……とティガ」 
  
ジンオウガ「……桜か」 
  
ティガ「……あんだコラ」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:06:17.41 ID:ku5D4ikX0
桜「ティガ……あんたいい加減縄張り荒らす癖治したら?」 
  
ティガ「うるせーよ」 
  
ジンオウガ「……して何の用だ」 
  
桜「ラギアが誰かに……いや、なにかに殺されたんだよ。今朝孤島で死体が見つかった」 
  
ティガ&ジン「!!!」 
  
~~~~~~~~~~ 
  
同刻   凍土 
  
ウルクスス「ひいいい…!いったいなんなんだこいつ……!!」 
  
ベリオロス「くそっ!ちょこまか避けやがって……!」 
  
亜グナコトル「くっそ死ねコラァアアアアッ!!!」水ブレス!! 
  
~~~凍土でウルク、べリオ、亜グナが何者かと戦っているッ! 
周りにはネブラと姉ブラ、亜ボルボとドスバギィが横たわっているッ! 
ネブラ姉妹は上半身と下半身が吹き飛んだようにちぎれているッ! 
亜ボルボとドスバギィは……なんとッ! 
眼、鼻、口、耳から血を吹きだして倒れているではないかッッッ!!!

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:09:26.27 ID:ku5D4ikX0
べリオ「おいウルクっ!こいつは俺と亜グナが止める!お前は今すぐ獄狼さんに伝えに行け!」 
  
ウルク「ひいいい獄狼さんッ!?あの人怖すぎるから一緒に来てくださ」 
  
べリオ「馬鹿野郎ッ!いいから行けッ!殺すぞコラァ!!」 
  
亜グナ「獄狼さんに伝えるのがてめーの仕事だ早く行けコラァアアア!!!」 
  
ウルク「わ、わかりましたよっ…!!そのかわり…お二人さん…!ぜってー死なねーでくださいよっ……!!!」 
  
べリオ「………!」 
  
亜グナ「………早く行け……!!」 
  
ウルク「ご、ご武運をっ……!!」ズサァーーーーーーーーッ!!!! 
  
ド ド ド ド っ ド ド ド ド ド ド  
  
亜グナ「……死なねーで……か…」 
  
べリオ「それはちょっと約束できないかもな……」 
   
  
ミュウツー「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:17:53.94 ID:ku5D4ikX0
~~~~~  森丘地方  旧沼地  昼 
  
キリン「ふ~……みたまえよ…!水面に映った僕の顔を!」 
  
フルフル「はいはい」 
  
~~フルフルは公式設定では雌雄同体で目はないが、ここでは色白碧眼の♀です~~(ってことでおねがいします) 
  
キリン「この世にこれほど美しいものがあるだろうかッ…!」 
  
……ああ……ん…… 
  
フルフル「ん?」 
  
キリン「この角と毛の色、艶、形っ……まさに芸術品っ……!!」 
  
フルフル「ちょっと黙って……!今なにか聞こえなかった……??」 
  
……あああああん……… 
  
キリン「……おや?」 
  
フルフル「だれかが泣いてるわ!」 
  
キリン「電光石火!」ひゅんっ! 
  
フルフル「はやっ!」

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:19:18.86 ID:ku5D4ikX0
バサルモス「あああああああん!!うわあああああああああん!!!」 
  
  しゃっ……キキーっ!! 
  
キリン「ヘイッ!そこのお嬢さん!なにをそんなに泣いているんだい?」 
  
バサル(♀ ロリ)「ああああああああ!うわああああああああん!」 
  
キリン「迷子になっちゃったのかい?よくあることさ!火山と沼地は隣接してるからね!」 
  
バサル「うわああああああああん!!!」 
  
キリン「だからたまーにお嬢さんのようなお茶目な火山の住人が迷い込んでくるのさ!」 
  
バサル「あああああああああ!」 
  
キリン「でも安心して!この僕のスピードならあっという間に火山だよ!」 
  
バサル「うああああああああん!」 
  
キリン「オウ…!まいったな…!僕の体では君を乗せることが出来ない…!」 
  
フルフル「なにやってんのよバカ!」 
  
キリン「おわっ」 
  
フルフル「どうしたのお嬢ちゃん……??」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:21:21.27 ID:ku5D4ikX0
バサル「うわあああん…!め、目が痛いよおおおお」 
  
フルフル「ん…!?」 
  
~~~バサルの眼の周りに『砂』がついているッ! 
  
フルフル「ちょっと待っててね今とってあげるから……」 
  
キリン「……ん?」(なんだ……この砂……) 
  
フルフル「……はいとれたよ」 
  
バサル「あ…ありがとう……でも……パパと…ママが……変なやつに…うわあああん」 
  
フルフル「!!」 
  
キリン「……変なやつ…?? 人間かい…??」 
  
バサル「……ち……違う…なんか、緑色の変なやつ……」 
  
フルフル「……緑色……??」 
  
キリン「……その砂は、どこで被ったんだい……?」 
  
~~~~キリンはどうもこの『砂』が気になっていた!どことなく『不自然な感じ』がするのである! 
  
バサル「その変なやつが現れたとき……なんか……すなあらしが起きたの…」 
  
キリン「……砂嵐……??  火山で……??」

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:23:17.46 ID:ku5D4ikX0
バサル「……そう……あと……なんか……岩がたくさん落ちてきた……」 
  
フルフル「………」 
  
キリン「………」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
フルフル「パパとママが……その変なやつに襲われたの?」 
  
バサル「うん。ショウグンギザミのおじさんも一緒に戦ってた……でも途中で逃げろって言われて……」 
  
フルフル「…………キリン…」チラッ 
  
キリン「……ああ。なにやら事件の香りがするね……」 
  
フルフル「………こんな時は」 
  
キリン「困ったときの先生だ」

173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:25:46.94 ID:ku5D4ikX0
~~~~~ トライ地方 孤島 昼 
  
ティガ「……なに?……なんだって……??」 
  
ソウル「だから凍ってたんだよ」 
  
ティガ「……ウソだろ……砂原でだろ…??」 
  
ソウル「こんな嘘ついて何になる。しかも普通の氷じゃない。火では解けるが太陽熱では解けないんだ」 
  
ティガ「……ちょ、ちょっと待て、何を言ってんだお前はさっきから」 
  
ジンオウガ「……モノはあるのか、今」 
  
ペッコ「……全部溶かして埋めてきたよ……可哀想だったから……」 
  
亜ッコ「……4人とも一緒にね」 
  
桜「周辺はどんな感じだったの?」 
  
ソウル「……少し荒れていたな。戦闘が行われたのかもしれない」

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:28:32.51 ID:ku5D4ikX0
ティガ「……なんで犯人は亜べリオの死体を凍らせたんだ?」 
  
ソウル「……あの感じは……もしかしたら、全身が凍ったところを砕かれた可能性がある」 
  
ティガ「おいおい、凍土でならまだしも、砂原で全身凍るってありえねーぜ」 
  
ソウル「……『敵』は俺たちの常識から外れた未知の力を持っているかも知れない。こっちも発想を飛躍させる必要がある」 
  
~~~『犯人』や『やった奴』とかそういう言い方ではなく、もはやソウルは『敵』と無意識の内に言っていた! 
  
桜「……もしかしてラギアの件と…」 
  
ペッコ「……きっと関係してるよね……」 
  
亜ッコ「…………いったいなにが起きてるの……」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ コ ゙ コ ゙ コ ゙ コ ゙ コ ゙  
  
ソウル「……ティガ、お前が砂原を出たのはいつだ?」 
  
ティガ「陽が昇る少し前だ」 
  
ペッコ「ティガってやけに朝早いよね……そんな顔してるくせに」 
  
ティガ「てめぇそれどういう意味だ」 
  
ソウル「その時はなにか異常はなかったのか?」

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:32:16.22 ID:ku5D4ikX0
ティガ「ねぇよ、なにも。みんな普通に寝てたはずだ」 
  
ソウル「……ふむ。となるとティガが出た直後か。敵が砂原を襲ったのは」 
  
ジンオウガ「……ラギアが殺された時間はいつぐらいだ?」 
  
ソウル「おそらく深夜から明け方にかけてだ」 
  
桜「……ほぼ同じ時間に殺された……? ラギアと砂原の住人は」 
  
ジンオウガ「…ソウルたちは夜ここで何か物音とか聞かなかったのか?」 
  
ソウル「俺と桜は夜中は散飛(散歩の飛ぶバージョン)してた。帰ったのは今朝早くだ」 
  
桜「最初にラギアの死体を見つけたのはジャギイたちだよ。陽が昇ってから」 
  
ティガ「けっ…満天の星空の下いちゃいちゃデートかよ。お熱いこって」 
  
桜「だまれ」 
  
ジンオウガ「ジャギイたちは何か異変を感じなかったのか」  
  
ソウル「それも聞いてみたが、皆普通に寝てたらしい。まぁあいつらはちょっとの物音じゃ起きないが」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:35:03.92 ID:ku5D4ikX0
ペッコ「……ジン、渓流はなにも異常はなかったの?」 
  
ジンオウガ「ああ。何も問題ない。あるとすればどっかの馬鹿が勝手に侵入してきたことぐらいだ」 
  
ティガ「てめっ…!」イラッ 
  
亜ッ子「ティガ……あんたいい加減縄張り荒らす癖治したら?」 
  
桜「……」(私と同じこと言ってる) 
  
ティガ「うるせぇな!なんだよみんなして!」 
  
ジンオウガ「うるさいのはお前の咆哮だ」 
  
ティガ「てめぇいい加減にっ…!」ぶちっ 
  
ソウル「やめろ今は争ってる場合じゃない。少なくともここ(孤島)と砂原は何かに襲われたんだ」 
  
ソウル「水没林と凍土、そして火山の様子を見に行く必要がある」 
  
亜ッコ「……火山……私あそこ行くの嫌だな……」 
  
桜「……まぁ、あそこの連中は狂ってるからな」 
  
ペッコ「旧火山やドス火山は普通なのにね……なんでトライ火山だけあんなに異常なんだろ」

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:37:58.06 ID:ku5D4ikX0
ソウル「ああ。火山はあとだ。分かれて凍土と水没林に行こう」 
  
亜ッコ「なら私とペッコで水没林行くよ。私ら寒いの苦手だし」 
  
ペッコ「ちょうどドボルさんの背中に生えたキノコまた食べたいと思ってたとこだしね」 
  
~~MH豆知識・ドボルベルクの背中にはキノコが生えているのだ!(公式設定)~~ 
  
ソウル「気をつけろよ。何か異変を感じたらすぐ逃げろ」 
  
亜ッコ「大丈夫」 
  
ペッコ「自慢じゃないが僕たちはトップクラスのビビリだ。臆病者の方が危機察知能力に長ける」 
  
ティガ「胸張って言うなよ」 
  
ジンオウガ「俺たちは凍土か」 
  
ソウル「ああ。それで桜、わるいが今トライ地方で起きていることをクック先生に伝えに行ってくれないか」 
  
桜「はいよ」 
  
ソウル「そんでもし向こうの大陸でも同じような事件が起きていたら、そのまま先生の所にいてくれ」  
  
桜「わかった」

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:39:49.21 ID:ku5D4ikX0
ソウル「よし。じゃあ凍土と水没林の様子を見たらまたここに集合だ」 
  
ソウル「異常がなければそこの住人に今起こってることを伝えてくれ」 
  
ペッコ「オーケイ」 
  
ティガ「さあ行こうぜ。ようやく凍土でポポが食えるぜ」 
  
~~~~~~~~~~~ 
  
同刻  凍土 
  
ウルクスス「あいつです!獄狼さん!!」 
  
獄狼「よぉ……てめぇかい。ワシのシマで暴れてるってやつは……」 
  
ミュウツー「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ 
  
獄狼「……なんだぁてめぇ……見たことねぇツラだな」

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:41:48.11 ID:ku5D4ikX0
ミュウツー「    」ギイン! 
  
獄狼「!」しゃッ 
  
~~その時である!突然、ミュウツーの眼が怪しく光ったのだ! 
ミュウツーの眼に力が入った瞬間(つまり光る一瞬前)には、すでに獄狼は横っ飛びに跳躍していた!(なんという反応の速さ!) 
百戦錬磨の老竜、獄狼竜ジンオウガ亜種は相手のほんのわずかな動きから危険を察知して見事ミュウツーの攻撃を避けたのである! 
  
しかし隣にいたウルクススはその攻撃(サイコキネシス)をっ……!! 
  
避けられなかったっ……!! 
  
ウルクスス「……っ」 
  
   『 し ゅ っ  !!!! 』 
   
~~突然、ウルクススの鼻、目、耳、口からしゅっ!という音と共に勢いよく血が噴き出した! 
血の噴き出す勢いで後ろに後頭部から倒れるウルクスス! 
  
ウルクスス「……あ……あ……」ぴくっ……ぴくっ…… 
  
~~仰向けの状態で雪の上でしばらく痙攣し……!! 
  
ウルクスス「…………」…ピク………しーん…… 
  
~~~やがて動かなくなった……!!

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:44:03.27 ID:ku5D4ikX0
獄狼「……」(……なんだ……いまのは)チラッ 
  
~~倒れたウルクススをチラッと見る獄狼! 
まるで真っ赤なバラが生えたかのようにウルクの周りの雪が血で紅くなっている! 
  
そしてさらに周りをよく見ると……!! 
  
ベリオロスも! 
アグナコトル亜種も! 
ボルボロス亜種も! 
ギギネブラとギギネブラ亜種も!(…!…体がちぎれている…!) 
ドスバギィも! 
  
みんなみんな死んでいた! 
  
獄狼「…………」ゴゴゴゴゴ 
  
~~~~~先ほどまで横になびいていた獄狼の白い体毛が……! 
  
ざわりざわりと逆立ちはじめた……! 
  
獄狼「……てめぇ……今なにしやがった……?」ゴゴゴゴゴ 
  
ミュウツー「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ 
  
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド  
  
第3話   完

247: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:47:01.54 ID:ku5D4ikX0
~~~~~森丘   夜 
  
クックは森丘にコイルを連れてきていた! 
気になるということで、ヤマツカミとナルガも一緒に来ていた! 
そしてクックはレウスからラギアが殺されたことを聞かされていた! 
  
ピカチュウ「ピっピカ―ッ!」がしっ 
  
コイル「じっ!じーっ!」がしっ 
  
~~~~ピカチュウとコイルは再会を喜んで抱き合っている! 
  
クック「……ふむ。会わせてみて正解だったようじゃな」 
  
ヤマツカミ「この2匹は面識があったか」 
  
レイア「やっぱり仲間に会いたがっていたのかな」 
  
レウス「……いやしかし」 
  
ピカチュウ「ピカ!ピカピカピカ!」 
コイル「じーっ!じじーっ!」 
  
ナルガ「……今度は……2匹で何かを訴えているな」

256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:49:13.93 ID:ku5D4ikX0
クック「ふーむ……必死さは伝わってくるんじゃが……分からん」 
  
ピカチュウ「ピ!」閃いた! 
  
クック「む……」 
  
ピカチュウ「ピカピカ」ひそひそ 
コイル「じじ」ひそひそ 
  
ヤマツカミ「なにやら2匹で話し合っておるぞ」 
  
ピカチュウ「ぴっ!ピカッ!」指さし 
  
レウス「なんだ…? 地面を見ろ…?」 
  
コイル「じーーーーーッ!」ういんういん 
  
~~~~~コイルが浮きながら地面に向かって何かを念じている! 
すると! 
地面の砂が動いた!磁石で砂鉄を動かしているのである! 
するとなんだっ……!? 
地面に模様が浮かび上がってきたではないか! 
コイルが地面に模様を描いているのである! 
  
レウス「……なっ……すげーなこいつ…!」 
  
レイア「……砂が勝手に動いてる……!」

266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:51:05.90 ID:ku5D4ikX0
そしてその模様がっ!みるみるうちに絵に変わっていく!  
  
ヤマツカミ「……これは……絵か……?」 
  
クック「……ふむ。これはワシらじゃな」 
  
ナルガ「……うまいな」 
  
なんとコイルは地面にクックたちが(と思われる)横一列に並んでいる絵を描いたのだ! 
そして……! 
  
ピカチュウ「ピカ!」 
  
~~ピカチュウがどこからか拾ってきた木の棒の先を、一番端に描かれたクックの首に置いた! 
  
クック「なんだ? ワシの首がどうかしたk」 
  
ピカチュウ「ピカーーーーーーっ!!!」ばっ 
  
全員「!!!」 
  
なんとピカチュウは、その棒を一気に横にきった!ちょうど絵の人物たちの首を通るように! 
そうまるで! 
絵の人物たちの首を一刀両断するかのように!!!!

275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:53:25.16 ID:ku5D4ikX0
ピカチュウ「ピーピカ!ピカっ!」 
コイル「じじっ!っじー!」 
  
2匹は絵を指さしながら必死で何かを訴えている!! 
  
レイア「……これは…」 
  
レウス「……俺たちを……殺す……?」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
ナルガ「……いや……ちがう」 
  
ヤマツカミ「……この2匹は、ワシらが死ぬってことを伝えとるようじゃの……もしくは」 
  
クック「……ワシらが……誰かに殺される……か」 
  
全員「!!!!!」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ  
  
レウス「……やっぱりこいつ……ラギアを殺った奴と関係あるんだ」 
  
クック「…………」

287: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:55:03.85 ID:ku5D4ikX0
ヤマツカミ「……これは警告かの」 
  
ナルガ「ラギアを殺した奴と……この2匹は仲間じゃないのか…?」 
  
クック「おそらく関係はしているじゃろ。しかしわざわざ警告してくれたということは…」 
  
レウス「この2匹は……ラギアを殺った奴を裏切っている……?」 
  
ピカチュウ「ピカ!ピカチュウ!」 
  
コイル「じーっ!じじーっ!」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  

       が さ っ  
  
レイア「ん? だれかくる…?」 
  
「こんばんは……ってどうしたのこんな集まって」 
  
レイア「お姉ちゃん!」 
  
桜「よっ!久しぶり」

298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 10:57:04.39 ID:ku5D4ikX0
クック「おお!桜か…!久しぶりだな」 
  
桜「どうも先生」 
  
ヤマツカミ「ほほーっ!あの時のお嬢ちゃんがこんなべっぴんになりよったか」 
  
桜「ふふっ!ヤマツ先生も久しぶり」 
  
ナルガ「…………」 
  
桜「おや? あんたは初めてだね。桜だよろしく」 
  
ナルガ「……ナルガ……よろしく」 
  
レイア「ところでお姉ちゃんどうしたの?」 
  
桜「ああそうだクック先生。トライ地方で何かヤバいことが起きてる」 
  
レウス「!」 
  
桜「砂原の住人が殺された。ボルボ、ハプル、ラングは黒焦げで」 
  
桜「亜べリオはバラバラだ。それで肉片が全部凍っていたって」 
  
全員「!!!!!」 
  
クック「なに?」 
  
レウス「あ、兄貴は無事なんですか!」

310: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:00:52.57 ID:ku5D4ikX0
桜「ソウルは無事だよ。ジンとティガ、ペッコ亜ッコで行動してる」 
  
ヤマツカミ「……やはりこの2匹が伝えたいことは……」 
  
クック「ワシらを殺して回っている奴らがいるということじゃな」 
  
ピカチュウ「ピカ!」 
  
桜「…ん? ああ。これがレウスの言ってた黄色い鼠だね。横の銀のは?…ってなんだこれ生き物?」 
  
レイア「銀の方は、樹海に現れたんだって」 
  
 がさがさっ 
  
レウス「……ん…? また誰かくる?」 
  
「おやおや?どうしたんだいこんなに集まって」 
  
桜「…………うるせーのが来たな」 
  
キリン「やぁクック先生!」 
フルフル「こ、こんばんは」 
バサル「…………」

328: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:03:58.47 ID:ku5D4ikX0
クック「おお、キリンにフルフル!……ん?その子はグラビの子か」 
  
フルフル「お久しぶりです先生」 
  
ヤマツカミ「ほほー!お主は赤フルの妹か!赤フルは元気かね?」 
  
ナルガ「……赤フル……?」  
  
ヤマツカミ「クックの一番目の弟子だ。ナルガ、おめーより強ぇぞ」にやにや 
  
ナルガ「………あっそ」 
  
~~~~赤フル。鮮血の赤ッフの異名を持つっ…!クックの一番最初の弟子であるっ…! 
数人いるクックの弟子の中でも最強と言われている!!――――――。 
  
フルフル「はい。……たぶん、兄は今もどこかで修業してると思います」 
  
クック「ところでこのバサルはどうした?」 
  
キリン「そうそう先生!何やら火山で事件発生のようだよ!」 
  
クック「……なに?」

336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:06:30.76 ID:ku5D4ikX0
~~~~~旧火山    夜 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
クック「…………まさかこやつらがやられるとはな」 
  
レウス「………なんだこれ……岩が突き刺さってる……?」 
  
キリン「………おえっ」 
  
~~~3人の前に横たわるはグラビ、亜グラビ、ショウグンの火山の3強! 
全身に大小さまざまな岩が突き刺さっていた! 
光の消えた、虚ろな瞳が天井を見上げていた! 
  
クック「……」すっ 
  
~~~クックは翼の先で、殺された3人の瞼を優しく下ろし目を閉じさせてあげた! 
3人の表情が少しだけ……安らいだように見えた! 
  
レウス「くそっ……! なんなんだっ……!いったいグラビさんたちが何をしたっていうんだっ……!」じわっ… 
  
クック「……キリン、バサルはここで砂嵐が起きたと言っていたらしいな?」 
  
キリン「う、うん……あの子の眼にも変な砂がついてたよ」

342: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:08:04.90 ID:ku5D4ikX0
キリン「あと、岩が宙に浮いていたとも言ってた」 
  
レウス「なに!?そんな馬鹿な……!!」 
  
クック「しかしこの岩の刺さり方……普通じゃありえん」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
クック「……『敵』は未知の力を持っているぞ」 
  
~~~~~~~~~~~~ 
森丘 
  
バサル「zzz……zzz……」 
  
フルフル「やっと寝たみたいです」 
  
レイア「ん。ありがとうフルフルちゃん」 
  
フルフル「いえ。けど……どうなっているんでしょうかね……」 
  
ナルガ「……怖い、か?」 
  
フルフル「……はい」  
  
~~~少し怯えた様子で目を伏せるフルフル!気弱な少女は保護欲をそそる可愛さを持っている!

350: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:10:08.99 ID:ku5D4ikX0
桜「恥ずかしがることないよ。正直私だってびびってるんだ」 
  
レイア「お姉ちゃん……ソウルさんと一緒じゃなくていいの?」 
  
桜「あいつなら大丈夫だよ。それに向こうを一通り調べたらこっちに来るってさ」 
  
ヤマツカミ「ふむ。ワシらもこっちの地方を見て回る必要があるな」 
  
ナルガ「……樹海には……この銀球が現れて」 
  
コイル「……zzz……zzz……」 
  
レイア「……森丘には……黄色い鼠」 
  
ピカチュウ「…zzz……zzz……」 
  
桜「……火山で、バサルの言う緑色の変なやつか」 
  
ヤマツカミ「……ならば雪山、密林、砂漠、沼地にも何かが現れた可能性があるな」 
  
フルフル「……沼地は……特になにもなかったです」

352: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:12:03.46 ID:ku5D4ikX0
ヤマツカミ「……ふむ。しかし今は分からぬぞ。」 
  
フルフル「……そうですね……何もないと良いのですが……」 
  
レイア「……でも、どこから来たんだろう……この2匹は」 
  
ピカチュウ「…zzz…zzz…」 
コイル「zzz…zzz……」 
  
桜「……分かんねーけど……ひとつ言えることは……この2匹は悪い奴じゃあないな」 
  
ピカチュウ「…zzz…zzz…」 
コイル「…zzz……zzz…」 
  
レイア「……そうだね。ふふっ、可愛い寝顔……」 
  
~~~~~~~~~ 
その頃    雪山 
  
ドドブランゴ「…すげぇ!あのバケモンに勝っちまった…!さすがだ…!やっぱり、牙獣の王はあんたしかいねぇっ……!はぁっ…!はぁっ…!」 
  
ブランゴたち「うきーっ!ざまぁみやがれ!相手見て喧嘩売れってんだ!うきっ!」 
ブランゴたち「ラージャン万歳!ラージャン万歳!」 
  
ラージャン「ぜぇーっ!ぜぇーっ!久しぶりに……手ごたえのある野郎だったぜ…!」 
  
キュレム「 … … 」ぴくっ…ぴくっ

377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:16:31.54 ID:ku5D4ikX0
ラージャン「しかし……おいドド……なんなんだこいつは……」 
  
ドド「それが…分からねぇんすよ…どこからか突然現れて…俺の仲間を…瞬く間に…うっ…」 
  
ラージャン「……見たことねぇ野郎だ……」 
  
ドド「も、もし……ラージャンさんが近くにいなかったら…お、俺…う…ううっ…」ポロ…ポロ… 
  
ラージャン「もういい泣くな。それより……この事を…先生に伝えた方がよさそうだな…」 
  
ドド「そ、そっすね……」 
  
キュレム「……っ……っ…」ぴくッ…ぴくっ 
  
ラージャン「まだ息があるか……こいつは危険だ…とどめを刺す。離れてろ」 
  
ラージャン「おい…こいつの姿形をよーく覚えておけよ」 
  
ドド「へ、へいっ…!」 
  
ラージャン「いくぜ……破ぁーーーーーーーーッ!!!!」 
  
ブランゴたち「出たぁーーーーッ!ラージャンさんのサンダーデスボール!!」 
  
   ぴ か っ どーーーーーーーーん!!!!

391: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:18:59.82 ID:ku5D4ikX0
~~~~時間は少し巻き戻って  トライ地方 凍土 夕方 
  
ティガ「……おいおい」 
  
ソウル「……遅かったか」 
  
ジンオウガ「……酷いな」 
  
3人の前には凍土の住人の亡骸が横たわっている! 
  
ティガ「俺は頻繁にここに来るから気づいたけどよ……地形変わってるぜ……これ」 
  
ソウル「やっぱりか……辺りがめちゃくちゃだ。よっぽど激しい戦闘があったらしいな」 
  
ジンオウガ「……ネブラ姉妹は体が吹っ飛ばされたように千切れているが…あとの奴らは妙だぞ」 
  
ソウル「……目立った外傷はないのに顔中の穴から血が噴き出した跡があるな……」 
  
ティガ「……なんだこりゃ……鼻血はともかく眼と耳から出血ってことは……」 
  
ジンオウガ「…………」くいっ 
  
~~~~ジンオウガがウルクススの頭部を持ってよく観察してみた!(…冷静過ぎる…!) 
  
ジンオウガ「……脳を直接破壊されたかもしれん」 
  
ティガ「頭に傷をつけずにか? いったいどうやって」 
  
ジンオウガ「……わからん」

400: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:21:51.84 ID:ku5D4ikX0
ソウル「やはり敵には俺たちの常識は通用しないらしいな」 
  
ジンオウガ「…………む?」すたすたすた 
  
ソウル「どうした?」 
  
ジンオウガ「この倒壊した木の破片に、僅かに赤黒い焦げ跡が残ってる」  
  
ソウル「!」  
  
ジンオウガ「先生だ……これは先生の龍弾の跡だ」 
  
ソウル「……獄狼さんか」 
  
~~~ソウルたちの言う先生とはクックのことだが、ジンオウガの言う先生とは獄狼竜ジンオウガ亜種のことである! 
先生とは生きる術や戦い方を教えてくれる『師』のことである! 
ちなみに獄狼にはジンオウガの他にあと1人弟子がいるっ…! 
  
ティガ「そういえばあのイカレジジイの姿がねぇな……逃げた…?…ってのはありえねぇか」 
  
ジンオウガ「ああ。先生が自分の土地をここまでされて逃げるなんてありえない」

405: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:24:37.61 ID:ku5D4ikX0
ジンオウガ「自分が相手の土地に入って始まった戦闘なら退くこともないわけではないが」 
  
ジンオウガ「侵略者に対しては容赦しない。もし勝てない相手だとしても……」 
  
ジンオウガ「自分の命と引き換えに相手の目玉のひとつ、腕のひとつ貰って逝く、そういう人だ」 
  
ソウル「……敵は殺した者をそのまま場に放置するらしい……ここに獄狼さんの姿がないってことは」 
  
ティガ「……勝ったのか? あのジジイ。 しかし敵の死体がねぇぞ」 
  
ソウル「敵が逃げて獄狼さんがそれを追った可能性があるな」 
  
ジンオウガ「……いずれにせよ……もう先生は行動を起こしている」 
  
ジンオウガ「ここに現れた敵は……『ハズレくじ』ひいたぞ」 
  
~~~~~~~~~~~~ 
  
同刻  遥か上空 
  
びゅおおおおおおおおおおおおおおお 
  
アマツマガツチ「……ねぇ……あのさ……人の背の上でグロいもん食べるのやめてくれない?」 
  
獄狼「くちゃ…くちゃ…なんだ、てめぇも食いてえのか」みちっ…くちゃ、くちゃ

420: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:29:49.79 ID:ku5D4ikX0
アマツ「……落とすよ」 
  
獄狼「けっ…払うもん払ってんだからよ、黙って運べや」くちゃくちゃ 
  
アマツ「……ほんと昔から変わんないねあんたは」 
  
獄狼「変わるも何もワシはワシ以外の何者でもねーだろうがよ」ごくん 
  
アマツ「……ところでさ……それなに? 見たことない生き物だけど」 
  
獄狼「……突然凍土に現れてな、住人を皆殺しにしやがったのよ」 
  
アマツ「……へぇ~……強いんだね」 
  
獄狼「ワシにかかりゃ雑魚よ」 
  
アマツ「よく言うよ、あんたも珍しく怪我してるじゃないのさ」 
  
獄狼「ふんっ…」みちっ……くちゃくちゃ 
  
アマツ「……で、なんで森丘地方に行くわけ?」 
  
獄狼「こいつがよ、死ぬ間際におもしれーことを言いやがったのよ」 
  
アマツ「……なんて?」 
  
獄狼「……イャンクック……ってな」 
  
アマツ「……そりゃ驚きだね」

426: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:31:39.95 ID:ku5D4ikX0
獄狼「ソウルたちの師だろう? クックってのは……会ったことはねぇがよ」 
  
アマツ「ハンサムで良い~男さ。若い頃のあいつを思い出すだけで下半身が熱くなるよ」 
  
獄狼「……ババアがなに言ってやがる。で、強ぇのかい? クックは」 
  
アマツ「本当に落とすよ。 強いよ。べらぼーにね」 
  
獄狼「……そうか強ぇか」にやり 
  
アマツ「……で、あんたはその変な生き物がクックと関係してると思ってるわけ?」 
  
獄狼「…そうは思わん。なんつーかこいつの匂いはよ……この世のものじゃねぇ」  
  
アマツ「……妙なことを言うね」 
  
獄狼「自分でもよく分からんわい」みちっ……くちゃくちゃ 
  
アマツ「……ねぇ……それ美味しいのかい」 
  
獄狼「くく、やっぱりてめぇも喰いてぇんじゃねぇか……ほらよ」ぽいっ 
~~~獄狼はアマツの口にミュウツーの腕を放り入れた! 
  
アマツ「ん」ばきっ……ばきっ……くちゃ…くちゃ 
アマツ「あら」 
  
獄狼「うまいか」にやり 
  
アマツ「……結構いけるわね」ペロリ

435: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:33:46.05 ID:ku5D4ikX0
~~~~~~水没林  夕方 
  
亜ッコ「なっ……これは……!!」 
  
ペッコ「うええええええええっ」 
  
~~~2人の前にはロアルドロスとチャナガブルと大量のルドロスたちが死んで横たわっている! 
体の至る所を噛みちぎられたように肉が抉れている! 
  
亜ッコ「……ひ…ひどいっ…!!」 
  
ペッコ「も、もう出よう!そんで早くソウルたちに伝えないと!」 
  
亜ッコ「ま、待って…!ドボルさんは…!?ドボルさんの姿がない!!」 
  
ペッコ「ほ……ほんとだ…いったい……どこに……」 
  
  くちゃ…   くちゃ… 
  
亜ッコぺっこ「!!!!!?????」ぞくりっ 
  
亜ッコ「…き…聞こえた……? いま…」 
  
ペッコ「……う……うん……」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
?

438: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:35:35.73 ID:ku5D4ikX0
ペッコ「……あっちの……デカい木の陰から……」 
  
亜ッコ「……うん」 
  
  みち… くちゃ… くちゃ…  
  
ペッコ「……ごくり」そろーり 
亜ッコ「……ごくり」そろーり 
  
~~~2人はその音を咀嚼音と分かっていたのだ! 
しかしある種の好奇心がっ……! 
この一連の怪事件の真相に迫れるのではないかという想いがっ…! 
  
亜ッコペッコ「……ゴクリ」そろーり、そろーり 
  
~~~2人を突き動かしたっ……!!! 
  
ペッコ「     」ぞっ 
  
亜ッコ「     」ぞっ 
  
そして2人は同時に そいつ を見るっ……!!!! 
  
サザンドラ「くちゃ……くちゃ……がぶりっ……みちっ」 
  
なんとそこには3つの顎でドボルベルクの肉を食らう、サザンドラの姿があった!!

442: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:37:23.86 ID:ku5D4ikX0
ペッコ「……ッ!!!」(なッ…なんだあいつッ…!?) 
  
亜ッコ「~~~~~~ッ!!!」(ひッ……ド、ドボルさんッ……!!)あとずさり 
  
~~~~亜ッコが後ずさりした!足元に枯れ枝が落ちていた! 
  
   『  ぱ き っ  』 
  
~~~やっぱり踏まれるっ!枯れ枝っ!音が鳴ったっ……! 
  
ペッコ「     」 
  
亜ッコ「   あ  」 
  
サザンドラ「      」ギロリッ!! 
  
ペッコ亜ッコ「     」ぞくりっ!! 
  
~~~~サザンドラがペッコ亜ッコに気付いた! 
  
サザンドラ「キシャ―ッ!!」しゅばっ! 
  
~~~~サザンドラが2人に襲いかかるっ……!!

453: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:39:12.97 ID:ku5D4ikX0
亜ッコ「ハァァアアアアイイイイイイイイィッッッ!!!???」ぴかーんっ!! 
  
~~~亜ッコが涙を流しながら無我夢中で電気石を打ちつけた!閃光が走るッ! 
  
サザンドラ「きッ!?」まぶしっ 
  
ペッコ「おああああああああ圧!目がっ!目がああああああっ!!!」まぶしっ! 
  
サザンドラ「汽車っ」まぶしっ! 
  
~~~サザンドラが見えない目で手当たり次第に辺りを攻撃している! 
  
亜ッコ「トワッタ!ひいいいいいいいいいィっ!!」さっ 
  
ペッコ「うっ!おおおおおおおおおおっ!」ポロポロポロポロ 
  
~~ペッコが無理やり目を開けようとする!涙が止まらないッ! 
  
亜ッコ「助けて!助けてぇぇぇぇぇぇジョーさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」じょぼぼぼぼ 
  
イビルジョー「呼んだ?」ぬっ 
  
ペッコ「うおッうおわあああああああああああッ!!!???」 
  
~~~ペッコがやっとのことで目を開けたら目の前にイビルジョー(♀ 可愛い)がいたのだ!凄まじい衝撃であった!! 
?

465: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:42:00.30 ID:ku5D4ikX0
亜ッコ「ジョーさん!!」ぱああああ 
  
ペッコ「じょ……ジョーさんっ…!!」(ほんといつもどこから沸いてくるんだ!?この人!) 
  
イビルジョー「どしたん?」 
  
亜ッコ「じょ、じょじょじょじょ、ジョーさん!いまお腹すいてる!?」 
  
イビルジョー「んー、空いてるといえば空いてるかな」 
  
亜ッコ「ジョーさんあいつ!あの変なやつ!あれめっちゃ美味しいらしいよ!」 
  
イビルジョー「ん? どれ?」 
  
サザンドラ「キシャ―ッ!!」ひゅおッ 
  
イビルジョー「これ? 本当に美味しいの?」 
  
亜ッコ「それはもう!極上の一品なんだって!!」 
  
イビルジョー「……ふぅん」ニタァ~ 
  
ペッコ「ひっ…!」(こわっ!) 
  
サザンドラ「キシャ―ッ!!!」  
  
イビルジョー「      」がばァっ 
  
  …………………         ガ バ チ ョ っ !!!

473: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:44:45.06 ID:ku5D4ikX0
~~~~森丘地方  旧砂漠  夕方 
  
ディアブロス「そこで僕はあいつにこう言ってやったのさ」 
  
ディアブロス「ヘイ、ガノトトス、君の尻尾の下には異次元へと繋がる扉でもあるのかい? ってね」 
  
砂ブランゴ&ドスガレオス「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!」 
  
砂ブラ「おもしろい!いつ聞いても君のジョークは最高だよディア!」 
  
ドスガレ「僕の腹筋もまるで雷に打たれたかのように痙攣しているよ!さぁもっと聞かせておくれ!」 
  
ディア「いや、すまない……今日はこれだけなんだ」 
  
ドスガレ「ヘイ、ディア。どうしたんだい? いつもならまるで湧き出る水のように君の口からジョークが溢れてくるじゃないか」 
  
砂ブラ「朝から元気がなさそうだった……まるでしおれたアサガオの花のようにね。なにか悩みでもあるのかい?」 
  
ディア「……実は……最近、黒ディアとうまくいってないんだ……」

483: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:47:00.62 ID:ku5D4ikX0
砂ブラ「……オウ……どうしてそう思うんだい?」 
  
ドスガレ「…………」 
  
ディア「最近、妙に冷たい気がするんだよ。まるで地底湖に生えたコケになったような陰鬱な気分さ」 
  
砂ブラ「フーム……女の子は気難しいからね」 
  
ドスガレ「これは……言うべきか迷っていたんだが……」 
  
ディア「……なんだい?」 
  
ドスガレ「僕、前に見てしまったんだ。ディア……君の家からモノブロスが出てくるのを」 
  
ディア「なんだって!?」 
  
ディア「酷いじゃないか!どうしてもっと早く話してくれなかったんだ!」 
  
ドスガレ「すまない。君がショックを受けるんじゃないかと思って……」

491: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:49:04.70 ID:ku5D4ikX0
ディア「ショックだって!?今もこうしてショックを受けているんだから同じことじゃないか!」 
  
砂ブラ「ヘイ、ディア。ディア。ディア。一旦落ち着こう。いいね? 落ち着くんだ」 
  
ディア「これが落ち着いていられるかい!? もう怒った!」 
  
ディア「モノブロスの尻の穴に僕の角をぶっさしてやる!」 
  
砂ブラ「待った。待った待った。ディア。そんなことをすれば、まるでお腹の調子がすこぶる良い朝に出た一本糞のような形をした立派な君のその角に、モノブロスの糞がついてしまうよ」 
  
ディア「うっ……それは嫌だな……」 
  
砂ブラ「それにまだ黒ディアが浮気したと決まったわけじゃないんだ」 
  
ドスガレ「……なんなら今から君の家に行ってみるかい?」 
  
~~~~~~~~~~ 
ディアブロスの巣の前 
  
    ぬちゅ…  
  
ディア「……?……ヘイ、今なにか聞こえなかったかい?」ひそひそ 
  
砂ブラ「……いや、とくに何も……」ひそひそ 
  
  ぬちゅっ……ぬちゅっ!  
  
ディア&砂ブラ&ドスガレ「!!!!!?????」

498: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:51:54.62 ID:ku5D4ikX0
~~~ぬちゅっという湿った音が3人の耳に届いた!! 
  
ディア「    」ぶちっ 
  
~~~その瞬間、ディアブロスの頭の中が怒りで赤く染まった! 
脳裏によぎったのだ! 
愛する黒ディアブロスが仰向けになり股を開き、そこに覆いかぶさるモノブロスという、耐え難い情事の光景が! 
  
ディア「オアアアアアアアアァァッッッ!!!!」どどどどどど!  
  
~~~ディアブロスが巣に突っ込む! 
  
砂ブラ「ヘイッ!!待つんだディアッ!なにか様子がおかしいッ!!!」 
  
~~~砂ブラもディアブロスを追って走り出した! 
  
ディア「ヘイッモノブロス!!!てめぇの尻に僕の……角………を………」 
  
~~~怒り狂ったディアブロスでさえ言葉を失う驚愕の光景が、そこには広がっていた! 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
ディア「…………ノォ………」  
  
~~~砂ブラとドスガレも追いついた!揃ってその光景を見るっ!!

501: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:53:55.73 ID:ku5D4ikX0
砂ブラ「……なんてこった……」 
  
ぬちゃッ……ぬちゃッ! 
  
ドスガレ「……ヘイ……君は……だれだい…? そこで……なにをしているんだい…?」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
  
ガブリアス「…………ん?」くるっ 
  
~~~なんとそこには!! 
すでに息絶えている黒ディアブロスとモノブロスの体を爪で切り刻んで遊んでいるガブリアス(♀)の姿があったのだ! 
血と臓物が散らばったおぞましい場所でっ……!! 
死体で遊んでいたのであるッ純粋な瞳でッ!!! 
  
ガブリアス「…………あは」にィ~~~ 
  
ディア&砂ブラ&ドスガレ「       」 ぞ く り っ

511: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:56:18.86 ID:ku5D4ikX0
~~~~ドス地方  火山(洞窟内部)  夕方  ~~~ 
  
テオ・テスカトル「……なぁ、ガノスよ。海のずっとずっと向こうには何があるんだろうな」 
テオ「トライ地方でも森丘地方でもない大陸があるのだろうか。行ってみたいとは思わぬか」 
  
ヴォルガノス「なりません!それはなりませんぞぼっちゃん!」 
  
テオ「ぼっちゃんはやめろと言っているだろうが」 
  
~~~テオとヴォルガノス。この2人はいったいどういう関係なのか? 
今から二十数年前、ヴォルガノスはここでハンターに襲われ死に掛けた。 
しかしそこを偶然通ったテスカトル(親父)に救われ、一命を取り留めた。 
回復したヴォルガノスは、テスカトル(親父)になにか恩を返させてくれと頼んだ。 
テスカトル(親父)は、ならば自分の子供の世話係をやってくれないかと言った。 
とあるハンターと決着をつけるために戦いに行かねばならないらしい。 
もうすぐ孵る雰囲気の卵をヴォルガノスに渡すテスカトル(親父)。 
ナナ・テスカトリは卵を産み落としてすぐに死んだという。(死因は不明) 
   
そして数日後、卵が孵った。 
  
――――――― 
  
幼テオ「おぎゃーっ!おぎゃーっ!」 
  
ヴォルガノス「ぼっちゃん…!お忙しいお父上に代わって、このわたくしめが愛情たっぷりにあなたのお世話をしますぞ……!必ずや、あなたを立派な火山の王にっ…!!」 
  
――――――――――――― 
  
こんな感じである。(召使と王子みたいな関係)

519: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 11:58:16.04 ID:ku5D4ikX0
テオ「……腹が減ったな。ひと狩り行くか」 
  
ヴォル「今日はどちらに赴きましょう?」 
  
ダダダダダダ! 
  
「テオ様!テオ様ぁーーーーーっ!!」ダダダダダダだ! 
  
テオ「……む?」 
  
ヴォル「?」 
  
イーオス「はぁっ!テ、テオ様っ!そ、外にっ!ボスがっ!き、黄色いっ!」はぁっはっ 
  
テオ「落ち着け。何を言っているのか分からん」 
  
イーオス「ボ、ボスがいま黄色い変な奴に襲われているんです!とにかく来て下さい!」 
  
テオ「……なに?」 
  
ヴォル「……黄色い……?」

529: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:00:30.10 ID:ku5D4ikX0
~~~洞窟の外   
  
イーオス「ボスっ!ボスーーーーーーっ!!」だだだだだだ! 
  
~~~ドスイーオスが倒れている!そこに駆け寄るイーオス!そして触れた瞬間っ! 
  
イーオス「あばっ!」びりっ! 
  
~~~ドスイーオスに触れた瞬間、イーオスは『 感 電 』したのだ! 
 ドスイーオスの体が帯電していたのである! 
  
ヴォル「!」 
  
イーオス「…っ……っ」びくっ…びくっ… 
  
ヴォル「ぼっちゃん!なにか様子がおかしいですぞ!」 
  
テオ「…………」ゴゴゴゴゴゴ 
  
ヴォル「………ぼっちゃん?」 
  
テオ「………ガノス、感じぬか。俺たちに向けて誰かが殺気を放っている」 
  
~~~~テオは感じ取ったのだ!どこからか自分たちに向けられている殺気を!敵の気配を! 
  
テオ「…………」(…2……3……3人か…?) 
  
~~~~なんとっ…!3人っ…!!敵が3人近くに潜んでいるらしいっ……! 
テオは敵の気配と殺気を完璧に掴んでいるッ!さすがッ火山の王は並の男ではないッ!!

536: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:02:25.66 ID:ku5D4ikX0
ヴォル「……殺気…!?」 
  
テオ「気をつけろ」ゴゴゴゴゴ 
  
~~~とその時!岩陰から『黄色い影』が飛び出してきた! 
テオに向かって! 
  
テオ「!」しゃっ! 
  
~~~テオが瞬時に反応して跳躍する! 
空中で体をひねりさっきまで自分がいた所を見た!「そいつ」がいた! 
  
ヴォル「……なっ……なんだ貴様はっ…!?」 
  
ド ド ド ド ド ド ド ド ド  
  
テオ「…………お前か。ドスイーオスをやったのは」ゴゴゴゴゴゴ 
  
  
ライコウ「…………」ばちっ!ばちちちちちちちっ!! 
  
しゅたっ! 
  
~~テオが地面に降り立った! 
  
テオ「………答えろ」ゴゴゴゴゴゴ 
  
ライコウ「…………」ゴゴゴゴゴゴ

553: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:06:17.83 ID:ku5D4ikX0
ヴォル「ぼっちゃん!そいつはなんだか危険な香りがします!逃げましょう!」 
  
テオ「……おい、俺の言っていることが分かるか」ゴゴゴゴゴ 
  
ライコウ「…………」ゴゴゴゴゴゴ 
  
ヴォル「ぼっちゃ―――」 
  
~~~~そしてっ……!!ライコウが口を開いたっ……!!! 
  
ライコウ「………お前……こっちの世界の【炎帝】って呼ばれているらしいな」 
  
ヴォル「!!!!!」(……しゃべったっ……!!!!) 
  
テオ「まぁそう呼ぶ連中もいる」(………世界……?) 
  
ライコウ「……【えんてい】ならこっちにもいるぜ」 
  
しゃっ! 
  
ヴォル「!!!!!」 
  
~~~~また岩陰から何か飛び出してきた!今度は―――――― 
  
エンテイ「………お前より俺の方が【炎帝】だ」ゴゴゴゴゴゴ!

559: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:08:18.45 ID:ku5D4ikX0
ヴォル「……なっ……!」(なんだこいつらはっ……!?) 
  
テオ「……言っている意味が分からんな」 
  
『なかなかかっこいい容姿をしているな。お前』 
  
ヴォル「!!!???」 
  
~~~~岩陰から声がした! 
  
テオ「……」ゴゴゴゴゴ 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
~~~~~そしてそいつが岩陰からのそりと出てきた! 
  
スイクン「……まぁ俺ほどじゃないが」ゴゴゴゴゴゴ 
  
ヴォル「~~~~~~っ!!!!」(また増えたっ……!!) 
  
ライコウ「……」ゴゴゴゴゴ 
エンテイ「……」ゴゴゴゴゴ 
スイクン「……」ゴゴゴゴゴ 
  
~~~~の3匹がヴォルガノスとテオを取り囲んだ!!

570: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:10:28.94 ID:ku5D4ikX0
テオ「……何者だ、お前ら。どこから来た」ゴゴゴゴゴゴゴ  
  
スイクン「遠いところさ」ゴゴゴゴゴゴ 
  
テオ「海の向こうか」ゴゴゴゴゴ 
  
エンテイ「違う。そういう次元じゃない」ゴゴゴゴゴゴ 
  
テオ「じゃあどこだ」ドドドドドド 
  
ライコウ「聞いても意味ないぜ。お前は今から死ぬんだ」ゴゴゴゴゴ 
  
テオ「そうか。ところでお前ら」 
  
ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ  
  
テオ「粉塵爆発って知ってるか」がちん! 
  
ヴォル「―――――――」 
  
~~~~~次の瞬間! 
ぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼむぅんッッッッッ!!!! 
  
『 大 爆 発 』したッ!!!テオの周囲一帯の空間がッ!!!!

579: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:12:44.73 ID:ku5D4ikX0
土煙がゆっくりと晴れていく! 
  
テオ「……」ゴゴゴゴゴゴ 
  
ヴォル「……ぼ、ぼっちゃん!殺す気ですかッ!私をッ!」 
  
テオ「許せ。しかしマヌケな奴らだな、こいつら」 
  
ライコウ「…ッ…ッ」ぴくッ…ぴくっ… 
エンテイ「…ぐ……」ぴくッ…ぴく… 
スイクン「……う…」ぴくッ…ぴくッ… 
  
~~~なんと!テオは3匹と話している時に、実にさりげなく、ゆっくりと、それでいて丁寧に粉塵を空気中に散布していたのである! 
そしてヴォルガノスへの合図で『粉塵爆発』と言った! 
聞いたと同時に、ヴォルガノスは地面に思いきり伏せったのだ! 
ヴォルガノスが伏せるのとテオが牙を打ち合わせるのはほぼ同時! 
牙から発生した火花が空気中の粉塵に引火! 
なにも知らない3匹はまともに爆発に巻き込まれたッ! 
不意打ちの大爆発であるッ! 
3匹は倒れたっ……!!! 
  
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド  
  
テオ「……さてと……貴様らにいくつか聞きたいことがあるんだが」ゴゴゴゴゴゴ 
  
第4話 完

592: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:15:26.91 ID:ku5D4ikX0
~~~~森丘  夜  クックの巣 
  
ヤマツカミ「……ふーむ……火山(旧)の3強がやられるとはな……」 
  
桜「……殺戮が起きるのはトライ地方だけじゃないってことか」 
  
クック「そういうことじゃな。敵はこの地方にもいる」 
  
レウス「この黄色い鼠と銀球と、殺戮者が仲間だったとして……」 
レウス「この2匹が殺戮者を裏切って俺たちにいろいろ警告とかしてくれているとしたら……」 
  
ピカチュウ「ピカピカ!」 
コイル「じじじ」 
  
レイア「この子たちに会いに、ここにやってくるかも知れないよね……」 
  
ナルガ「………」 
  
キリン「この2匹をここに置いておくのは危険……?」 
  
フルフル「………」

602: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:17:34.35 ID:ku5D4ikX0
ピカチュウ「ピカピカ!」 
コイル「じ」 
  
レウス「しかしなんでこの2匹は殺戮者を裏切って俺たち側についているんだ?」 
  
レイア「殺戮者たちに嫌気がさしたとか……?」 
  
桜「……優しいんだろうな、こいつら。目を見れば分かる」 
  
クック「いま分かることは、こやつらはワシらの敵ではないということじゃ」 
クック「そしてこやつらをここに置いておいても、置いておかなくても、敵はいずれここにも来るじゃろ」 
  
キリン「!」 
  
クック「まぁ戦闘は避けられぬであろうな」 
  
レイア「……ゴクリ」 
  
フルフル「グラビさんたちを襲った敵は……火山から移動したのでしょうか」 
  
クック「火山にはいなかった。隣接する沼地も探ってみたが、手がかりは掴めなんだ。おそらく移動したな」 
  
桜「……この地方のどこかを徘徊しているわけか」

604: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:19:39.62 ID:ku5D4ikX0
ヤマツカミ「こうしちゃおれんな。砂漠と密林と雪山も敵に襲われているかもしれん」 
  
桜「見に行く必要があるな……」 
  
ヤマツカミ「今度はワシが行こう」 
  
クック「待て。1人では行くな」 
  
ヤマツカミ「分かっとる。ナルガ、行くか」 
  
ナルガ「……ああ」すっく 
  
キリン「じゃあ僕は雪山に行くよ」 
  
ヤマツカミ「いやよい。危険だ。ワシとナルガで全部まわろう」 
  
フルフル「大丈夫ですか? 一応私たちも行った方が……」 
  
クック「そうじゃな。キリンとフルフルも一緒に行ってやってくれ」 
  
ヤマツカミ「いいって言うとるに……まぁよいか。4人で行こう」 
  
クック「気をつけろよヤマツカミ」 
  
ヤマツカミ「おう。んじゃ行こうかの」よっこいしょ

611: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:21:38.53 ID:ku5D4ikX0
~~~~クックの巣の外 
  
ヤマツカミ「よし、ナルガ、キリン、フルフル、わしの背中に乗れ」  
  
キリン「ほいっと」すたっ 
  
フルフル「失礼します」よじよじ 
  
ナルガ「…………」よじよじ 
  
桜「ん? どうしたナルガ? やけに嬉しそうじゃないか」にやにや 
  
ナルガ「なっ!!!」 
  
ヤマツカミ「くくっ、おめぇが小せぇ頃はしょっちゅうワシの背中に乗って遊んでたもんなぁ!滑り台だぁとか言ってよ」にやにや 
  
ナルガ「くっ!!!」 
  
フルフル「…………」(意外と可愛い人なんですね)くすっ 
  
ヤマツカミ「よし、全員乗ったか。行くぞ」

616: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:23:31.64 ID:ku5D4ikX0
クック「……頼んだぞ。ヤマツカミ」 
  
ヤマツカミ「おう」 
    
         ぼぶわん 
  
~~~こうして、キリン、ナルガ、フルフルを乗せたヤマツカミは夜空へと飛び立った! 
  
レウス「……ちょっと心配だな」 
  
レイア「……うん」 
  
桜「まぁ、ヤマツ先生もいるし大丈夫だろ。それに……あのナルガって娘……かなり強ぇだろあれ」 
  
レウス「……え……そうなんですか」 
  
桜「見て分かれよ……。只者じゃないよあの娘」 
  
クック「ああ強いぞ。ヤマツめ、いったいどんな鍛え方したか知らんg」 
  
    ざ わ り っ  !!!! 
  
クック「―――――!――――――」 
桜「ッ!」ざわっ 
レウス「  」ざわっ 
レイア「  」ぞくっ 
  
~~~~~~場の全員に悪寒が走るっ……!!!!

620: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:25:34.24 ID:ku5D4ikX0
クック「……お主たち……感じたか」 
  
全員「   」こくっ 
  
~~~~今っ……!! 
とてつもなく強大な戦闘力を湛えた 何 者 か が っ !!! 
この森丘に足を踏み入れたのであるっ……!! 
  
ド ド ド ド ド ド ド ド ド  
  
レウス「……くっ……なんでこのタイミングなんだっ……!?ほんのついさっきまでならヤマツさんたちいたのにっ!」 
  
桜「……すげぇオーラだなおい……気配を隠そうって気は微塵もねぇらしい」 
  
レイア「……ゴクリ」 
  
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド  
  
クック「ふむ。まっすぐこっちに向かってきておるな」 
  
~~~ゆっくりとっ…!!!確実にっ……!!そいつはここに近づいてきているッ! 
  
桜「……もう、すぐそこまで来てるな」ゴゴゴゴ 
  
~~今…!!月明かりの下っ……!! 
4人の屈強な竜たちが身構えていた! 
クックと桜を中心に4人は横一列に並びっ……!! 
禍々しいオーラを発している「なにか」がいる暗い森の中を見据えていたっ……! 
まさに圧巻の光景であるっ……!!

625: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:27:13.47 ID:ku5D4ikX0
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ  
  
がさっ……がさっ……ぱきっ……ぱきっ…… 
  
ド ド ド ド ド  ド ド  
  
暗い森の中からっ……!! 
「なにか」が草木を掻き分け、枯れ枝を踏み砕く音が聞こえてくるっ……!! 
  
 がさっ……ずしん……ばきっ……がさっ 
  
クック「……」ゴゴゴゴゴゴ 
  
桜「……」ゴゴゴゴゴ 
  
レウス「……ゴクリ」 
  
レイア「……ゴクリ」 
  
美しい大きな満月がっ……! 
その場を青く照らしていたっ……!! 
  
  ひゅお~…… 
  
クック「……」ゴゴゴゴゴ 
  
柔らかな夜風が、クックの頬を撫でたっ……!!!

630: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:28:25.89 ID:ku5D4ikX0
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
クック「……来るぞ」 
  
やがてそいつがッ!木々の間からッ!! 
  
クック「!」 
  
レウス&レイア「!?」 
  
桜「……ごっ……!!」 
  
――――――――姿を現すッ!!!! 
  
獄狼「よぉ……イャンクック……ってのは誰だい」 
  
桜「……獄狼……さん……!」 
  
レウス「!?」(こ、この人が獄狼さん……!? 話には聞いていたが…!!) 
  
レイア「……!!」(なに……この人…!?) 
  
クック「……どうやら……ワシらが想定していたのとは違う客らしいな」 
  
獄狼「………あん?」

640: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:29:52.29 ID:ku5D4ikX0
クック「イャンクックはワシだ」 
  
獄狼「……あんたかい……ちょいと聞きてぇことがあるんだが」 
  
クック「……ここじゃなんだ……家に入れ」 
  
獄狼「……そうかい……邪魔するぜ」ずん…ずん… 
  
ド ド ド ド ドド ドド ドド ド  
  
桜「……!!!」(なんで……獄狼が…!!どうやってこの大陸に…!?) 
  
クック「……桜よ」 
  
桜「!」 
  
クック「バサルを連れて、全員でレイアの家にいろ」 
  
桜「……了解」

642: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:31:15.18 ID:ku5D4ikX0
~~~~~クックの巣の中 
  
獄狼「……」チラッ 
  
ピカチュウ「~~~~~」ガクガクブルブル 
コイル「~~~~~~」ガクガクブルブル 
  
~~~獄狼はチラッとピカチュウとコイルを見た! 
獄狼の怖すぎる眼差し(と雰囲気)に2匹はびびりまくっている! 
しかし獄狼はすぐに2匹から視線をそらした! 
  
獄狼「……」すとっ  座り 
  
クック「……酒は飲むか」 
  
獄狼「……ワシみてーなやつにも出してくれんのかい」 
  
クック「客だからな」 
  
獄狼「そうかい。いただくよ」 
  
クック「ここで採れる湧き酒だ」すっ 
  
獄狼「……ほう」ぐびっ

645: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:32:46.69 ID:ku5D4ikX0
クック「……うまいか」 
  
獄狼「……ああ。悪くねぇぜ」  どひゅんっ! 
  
クック「     」 さっ! 
  
ヒュンッ……キィィィィィィィィィィン……びゅおっ!!! 
  
 チュドォオン!!!!! 
  
ピカチュウ&コイル「…………」ポカーン…… 
  
~~~~~今ッ!! 何が起きたのかッ!? 
『……ああ。悪くねぇぜ』――獄狼はこの台詞と共にッ!! 
何の予備動作もなしにッ! い き な り 龍弾をクックの顔に向けて放ったのであるッ!! 
その時の獄狼の視線はクックの方など向いておらず、斜め下、まるで違う方向ッ! 
にもかかわらず、その 弾 道 は正確にクックの顔への軌跡を描いていたッ! 
一切の予備動作なしッ実にさりげないッそして唐突な 見 切 り 不 可 能 の獄狼の先制攻撃であったッ!! 
  
そしてその至近距離からの突然の攻撃を、クックは驚異的な反射神経で首を振って避けたッ!(つまり見切ったのだッ!!) 
  
クックの顔の横を通った龍弾はそのまま赤い尾を引きながら綺麗な弧を描いてカーブしッ! 
2匹で仲良く並んでいるピカチュウとコイルの 間 の せ ま い 空 間 を通り過ぎッ! 
  
『チュドォオン!!!!!』 
  
そして着弾ッ!!壁に穴が開いたッ!!! 
  
ほんの一瞬の間の出来事であったッ!!!

651: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:35:32.84 ID:ku5D4ikX0
ピカチュウ&コイル「~~~~~~」じょおおおおお 
  
~~~ピカチュウとコイルが泣きながら失禁しているっ……!!! 
  
クック「……あの2匹を必要以上に怖がらせるな」 
  
獄狼「くくく、あんなにしっかり避けなくてもよ、ハナっから当てるつもりなんてなかったぜ」 
  
獄狼「ほんの挨拶よ。あんたが止まっていても弾はちゃあんと逸れていったわい」 
  
クック「……ぬしの狙いが外れるという場合もある」 
  
獄狼「くく、ワリィがそれはありえねぇ」にやり 
  
クック「……危険な客だ」 
  
獄狼「昔っから治らねぇ癖でな、強ぇ奴を見ると試したくなっちまうのよ」 
  
クック「……」 
  
獄狼「強ぇな、あんた……師は誰だい」 
  
クック「……バルカン老師だ」 
  
獄狼「ほっ……そりゃあまた」ぐびっ

658: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:37:41.25 ID:ku5D4ikX0
クック「……ぬしの師は誰だ」 
  
獄狼「……いくつか渡り歩いたことはあるが……結局はやはり我流が一番よ」ぐびっ 
  
クック「渡り歩いたとな」 
  
獄狼「……ああ」ぐびっ 
  
クック「破門されたか」 
  
獄狼「立ち会ったのよ」 
  
クック「……」(……) 
  
獄狼「……」ぐびっ 
  
クック「……40年ほど前……」 
  
獄狼「……」ぐびっ 
  
クック「テスカトル殿とクシャル殿、それにナズチ殿が1年の間に相次いで何者かに殺されるということがあった」 
  
獄狼「……そうかい」ぐびっ 
  
(※テスカトル殿―――先ほど出てきたテオの『祖父』である。ちなみにさっきのテオと同世代の――つまり若い個体―――のクシャルとナズチも生存してる)

660: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:38:56.36 ID:ku5D4ikX0
クック「……この3名には……ある共通点があった」 
  
獄狼「……」ぐびっ 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
クック「皆……死ぬ間際まで……」 
  
獄狼「……」ぐびっ 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ  
  
クック「トライ地方のとある竜を弟子にしていたと」 
  
ド ド ド ド ドド ドド ドド ド  
  
獄狼「……」ぐびっ 
  
 ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ  
  
クック「貴様がやったのか」ゴゴゴゴゴゴ 
  
獄狼「……さぁて」にやり

663: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:40:20.58 ID:ku5D4ikX0
獄狼「……だったらなんだ? 仇をとるってかい」 
  
クック「……立ち会いの結果の仇討ちなど……彼らへの侮辱にしかならぬ」 
  
獄狼「……ワシを弟子にとったが運の尽きよ……」ぐびっ 
  
~~~(余談だが、さっきこの大陸に来る時に獄狼がアマツに払った飛行機代は霞龍の宝玉である。アマツが好きなもの――例えば宝玉とかレアなもの――を払えば背中に乗せてくれるのだ!アマツは!) 
  
クック「……」ぐびっ 
  
獄狼「……」ぐびっ 
  
クック「……本題に入るか」 
  
獄狼「……」ぽいっ 
  
  どさっ 
  
~~~獄狼は背負っていたミュウツーの腕をクックの前に放り投げた! 
  
クック「……これはなんだ」 
  
獄狼「凍土に突然現れてな、住人を皆殺しにしやがった奴の腕よ」

671: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:43:19.11 ID:ku5D4ikX0
クック「……残りは」 
  
獄狼「食った」ぐびっ 
  
クック「……ラギアと砂原の住人を殺したのはこいつか?」 
  
獄狼「……何の話だ」 
  
クック「ラギアと砂原の住人が殺されたのよ……知らんのか」 
  
獄狼「……ほう。知らなんだ」ぐびっ 
  
クック「こっちでは火山の住人が殺された」 
  
獄狼「ほう……どんな死に方だ?」 
  
クック「ラギアはバラバラ、砂原では3人が焼死体、1人がバラバラで肉片が凍っていたらしい」 
  
獄狼「……凍っていた?」 
  
クック「ああ。こっちの火山の住人は体中に岩が突き刺さっていた」 
  
獄狼「……岩とな」ぐびっ

673: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:45:11.02 ID:ku5D4ikX0
クック「……凍土の住人はどんな死に方だ」 
  
獄狼「……まぁ、氷だとか焼死だの岩だのは、こいつじゃねぇわな」 
  
クック「……」 
  
獄狼「まぁこいつもおもしれぇ攻撃をしてきたけどよ」ぐびっ 
  
クック「どんなだ」 
  
獄狼「掌からよ、強力なエネルギーの球体を作り出してそれを打ち込んでくるのよ」 
獄狼「これがなかなかの威力、避けるのをしくじれば腕ぐらい簡単に吹き飛ぶわい」 
  
~~~(サイコブレイク。ネブラ姉妹はこれをくらって体が吹き飛んだのだ!) 
  
クック「……ほう」 
  
獄狼「それに……妙な技を使う」 
  
クック「妙とな」 
  
獄狼「ああ。外側を全く傷つけずに、中の脳ミソだけを破壊すんのよ」 
  
クック「……恐ろしいな」

675: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:46:44.37 ID:ku5D4ikX0
獄狼「そいつはよ、相手の眼を見ながら何かを念じると相手の内部を破壊できるみてーなんだわ」 
  
~~~(サイコキネシス。念波が届く前に反応すれば避けられる。実際に獄狼が避けた!) 
  
クック「……ぬしはその技をくらわなんだのか」 
  
獄狼「長年、死と隣り合わせの生活をしていたおかげでな、そういう勘は働くんだ」 
  
獄狼「こいつの眼が動いた瞬間、ワシの中の警報が鳴ってな。いやはや、敵の眼を見ずに戦うのは難儀なもんじゃて」ぐびっ 
  
獄狼「それに驚いたのがよ、こいつ、傷が瞬く間に塞がるのよ」 
  
~~~(言わずもがな自己再生である!) 
  
クック「なに?」 
  
獄狼「傷が塞がるだけじゃねぇ。腕を噛みちぎってもまた生えてきやがった」 
  
クック「どうやって殺した」 
  
獄狼「首を切り離して頭を叩き潰してやったわ」ぐびっ

679: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:48:35.04 ID:ku5D4ikX0
獄狼「……んで……そん時な……」ぐびっ 
  
クック「……」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ  
  
獄狼「首だけになったそいつがよ、ある言葉を発したのよ」 
  
クック「……」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴゴゴ 午後 
  
獄狼「いざ叩き潰そうって、まさにその瞬間にな」  
  
クック「 … … 」 
  
ド ド ド ド ド ド ド ド ド  
  
獄狼「確かにつぶやいたのよ」ぐびっ 
  
ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド  ッ  
  
クック「     」 
  
獄狼「     イャンクック      ってな」 
   
  
クック「    な  ん     …      だ   と   」

686: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:52:21.40 ID:ku5D4ikX0
獄狼「……ワシゃ確かに聞いたぜ」ぐびっ 
  
クック「……!!」(どういうことだ……!?) 
  
獄狼「まっ……あんたのその反応を見ると、こいつらとは無関係らしいがよ」ぐびっ 
  
クック「……発した言葉はそれだけか」 
  
獄狼「そうだ」ぐびっ 
  
クック「……」(いったい……なにが……どうなっておる……) 
  
獄狼「しかしよ……こいつみてーのがそこら中に現れてんのかね」 
  
クック「……そのようだ」 
  
獄狼「……」チラッ    
  
ピカチュウ「っ!」びくっ 
  
コイル「っ!」びくっ

691: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:54:11.03 ID:ku5D4ikX0
獄狼「ひとつ気になってたんだがよ」 
  
クック「……なんだ」 
  
獄狼「その黄色いのと銀のやつはなんだい」 
  
ピカチュウ&コイル「~~~~~」ガクガク 
  
クック「……2日ほど前に、突然現れた」 
  
獄狼「……」ぐびっ 
  
クック「……各地で殺戮が始まる少し前だ」 
  
獄狼「……その2匹からよ」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ 
  
獄狼「凍土に現れたこいつと似たような匂いがするんだわ」 ギ ロ リ  
  
ピカチュウ「ヒィィィィィィィィィィィィィィッ」じょおおおおお 失禁した! 
  
コイル「      」がくっ 失神した!

697: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:55:44.00 ID:ku5D4ikX0
クック「この2匹は殺戮者と関係がある……ワシらもそう踏んでおる」 
  
獄狼「……だろうな」 
  
クック「しかしこやつらは殺戮者と関係はあるが、ワシらの敵ではない」 
  
獄狼「……なぜそう言える」 
  
クック「こやつらは警告してくれたのよ……ワシらが何者かに殺されるとな」 
  
獄狼「警告とな」 
  
クック「そうだ」 
  
獄狼「……」チラッ 
  
ピカチュウ「!」びくっ 
コイル「!」びくっ 
  
獄狼「……凍土に現れたやつはよ、なぜあんたの名を呟いたんだろうな」ぐびっ 
  
クック「……分からぬ」

700: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:57:14.13 ID:ku5D4ikX0
獄狼「……まぁわかりゃ苦労はねぇよな」すっく……立ち上がり 
  
クック「行くのか」 
  
獄狼「ああ」 
  
クック「これからどうするつもりだ」 
  
獄狼「さて……どうするかな」 
  
クック「1人で行動はするな……と言っても無駄よな」 
  
獄狼「……分かってるじゃねぇか」にやり 
  
~~~~~~~~~~~~~~ 
クックの巣の外 
  
クック「今宵は貴重な情報をくれたこと、感謝する」 
  
獄狼「…けっ……自分の家の壁に穴開けやつに感謝かよ」 
  
クック「壁は貸しにしておく。いつか返せ」にやり 
  
獄狼「……ふんっ……じゃあな……良い酒だったぜ」すた…すた… 
  
クック「……」

703: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 12:59:13.21 ID:ku5D4ikX0
~~~~森の中~~~~ 
  
獄狼「……くく…イャンクック……か」  
  
獄狼「最期は……ああいうやつと戦って死にてぇもんだな」 
  
獄狼「……さて……火山か……」 
  
~~~~~~~~~~~~~~ 
  同刻    遥か上空 
  
アマツマガツチ「……う~ん……なんだろうねぇ……この異様な空気は……」びゅおおお 
  
アマツ「不吉な匂いがするねぇ」びゅおおおおおおおお 
  
アマツ「……ん?」 
  
~~~アマツは前方に何者かの影が佇んでいることに気付いた! 
臆することなくアマツはその影へと迫る! 
そして相対する! 
  
アマツ「……」 
  
レックウザ「……」ゴゴゴゴゴゴ 
  
アマツ「なんだいあんた……そこはあたしの通り道なんだ。どいてくれるかい」

713: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:03:30.68 ID:ku5D4ikX0
レックウザ「…………死んでくれませんかね?」 
  
アマツ「……ん?  なに?」 
  
レックウザ「お前ら全員」びゅおっ! 
  
アマツ「!」 
  
~~~~~~~~~~ 
  
  同刻 トライ地方   
  
ティガ「ったく獄狼のジジイは今どこでなにしてやがんだよ」 
  
ジンオウガ「……分からん。敵狩りをしているかもしれん」 
  
ソウル「……ジン、そういえばさっき、獄狼さんは敵の土地で始まった戦闘なら退くこともあるって言ったな?」 
  
ジンオウガ「ああ」 
  
ティガ「あのジジイが退くことあんのかよ。想像できねーな」 
  
ジンオウガ「……過去に2回だけ……戦いから退いたことがあるらしい」

717: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:05:19.64 ID:ku5D4ikX0
ティガ「誰との戦いだ?」 
  
ジンオウガ「……ひとつは……アルバトリオンって言っていた」 
  
ティガ「ぶっ」 
  
ソウル「……あの人アルバさんに戦い挑んでいたのか」 
  
ティガ「ボケてんじゃねーのかあのジジイ」 
  
ジンオウガ「いや、挑んだのは今の俺たちと同じぐらいの年齢の時らしい」 
      (※二十歳くらい) 
  
ジンオウガ「……挑んだっていうか、アルバに弟子入りしていたらしい」 
  
ティガ「師匠殺しかよ。いろいろぶっ飛び過ぎなんだよあのジジイは」 
  
ソウル「……もうひとつは……?」 
  
ジンオウガ「……ハンターだ」 
  
ティガ「なにっ!?」 
  
ジンオウガ「……なんと言ったか……ココナッツだか……コケコッコの英雄とか呼ばれている奴だ」 
  
ソウル「……ココットの英雄か」 
  
ジンオウガ「そうそれだ」

722: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:07:56.03 ID:ku5D4ikX0
ティガ「ああ、あれか。ガキの頃はよく言われてたな、遭遇したら逃げろってよ」 
  
ソウル「……竜人族だよな確か。それで負けたのか、獄狼さんは」 
  
ジンオウガ「……いや、勝負がつかなかったと言っていた。互いに満身創痍でどちらからともなく退いたらしい」 
  
ソウル「……クック先生も……昔一度そのココットの英雄と戦ったことがあると言っていたな」 
  
ティガ「なに! どうだったんだ?」 
  
ソウル「5日間戦い続けたが勝負がつかなかったとさ。お互いに死ぬ寸前だったらしい」 
  
ティガ「獄狼とクック……このジジイ2人でも勝てないってどんな化け物だよ」 
  
ソウル「ココットも小柄なジジイだぞ」 
  
ティガ「……ったく、元気過ぎんだよこの辺のジジイどもはよ。老人はおとなしく寝てろってんだ」 
  
~~~~~~~~~~ 
  同刻 森丘地方 旧砂漠 
  
月明かりに照らされた砂漠の光景を眺める、スターウォーズのヨーダに似ている1人の老人の姿があった! 
  
村長「……なんだこりゃあ?」 
  
~~~彼こそがココット村の村長でありながら、最強の竜人族ハンター!ココットの英雄である! 
(※ ココット村の村長は公式設定でヨーダにちょっと似ている。緑色じゃないが)

728: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:09:53.73 ID:ku5D4ikX0
~~そして村長の眼前には! 
おびただしい数のガレオスたちの死体が転がっていた!いずれも体中あちこち切り刻まれている! 
  
村長「……ったくサボテンの花を摘みにきただけだってのによ……こりゃいってぇどういうことだ?」ざっ…ざっ…ざっ… 
  
ガレオス「……う……く…」ぴく…ぴく… 
  
村長「……ん? 生きてるやつがいたか」ざっ、ざっ 
  
~~~死体の山の中に一匹だけ生きてるガレオスがいた!しかし虫の息だ! 
  
村長「おい、ここでなにが起きたんだ」 
  
ガレオス「……う……?………ディ……ディア……ブ……の……家……に……」 
  
村長「あ?」 
  
~~~~(竜人族はモンスターと会話ができるのだ!非公式) 
  
ガレオス「…………」      死亡 
  
村長「……ちっ……ディアとか聞こえたな……ディアブロの巣でも行ってみるか」すっく

735: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:12:04.16 ID:ku5D4ikX0
~~~~~ディアブロスの巣 
  
村長「……うお……酷ぇな」 
  
~~~そこには、ディア、黒ディア、モノブロ、砂ブラ、ドスガレの死体! 
全身を切り刻まれ臓物が散乱していた! 
  
村長「……しかし……この切り口……えらく切るのが下手くそなヤローだな、これをやったやつは」 
  
村長「昔樹海で戦った緑迅竜を見習えってんだ」 
  
~~~昔戦った緑迅竜―――かなりの強敵だったために村長の印象に残っていたのだ!『斬る攻撃』において緑迅竜に並ぶ者はいなかったという! 
そしてその緑迅竜は……ナルガの母親である! 
  
村長「……内臓を引きずり出すだけで喰うわけでもねぇ……タチのワリィ奴がいたもんだな」 
  
~~~~そして村長は巣をひとしきり見て回ったあと…… 
  
村長「……胸糞ワリィ……出るか」 
  
~~~~巣を出た!    
  ―――――――――その時である!

743: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:14:06.48 ID:ku5D4ikX0
近くの岩陰から、村長の背後を見据える一対の眼光があった! 
ピタリと、村長の足が止まった! 
  
村長「…………」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
村長「……てめぇがやったのか」 
  
影「!」 
  
~~~村長は背後の岩陰にいる気配に向けて呟いた! 
  
ッド ト ゙ ト ゙ ト ゙ ド ド ド ド ド ド ド  
  
村長がくるりと振り向いた! 
そいつも岩影から出てきた! 
  
村長「……なんだぁてめぇは……見たことねぇ野郎だな」 
  
ガブリアス「……しゃべれるんだ」 
  
村長「あ?」 
  
ガブリアス「人間なのに私としゃべれるんだね」 
  
村長「ワリィな……ワシは人間じゃねーんだ」 
  
ガブリアス「ふ~ん……そっくりなのに」

745: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:16:08.67 ID:ku5D4ikX0
村長「てめぇがやったのかよ、これは」 
  
ガブリアス「うん」 
  
村長「なぜだ」 
  
ガブリアス「やれって言われたから」 
  
村長「誰にだ」 
  
ガブリアス「あなたに言って私に何か得があるのかな」 
  
村長「けっ!年寄りの言うことは聞くもんだぜ」 
  
ガブリアス「あっそ」 
  
村長「いいから答えねぇかサメ野郎」 
  
ガブリアス「……凄いねおじいちゃん。私を見ても全く動じないなんて……あ!」 
  
村長「あ?」 
  
アブリアス「もしかしてあなた……イャンクックって名前?」 
  
村長「ほっ!こりゃまたおもしれー名前を出すじゃねーか」

755: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:18:14.14 ID:ku5D4ikX0
ガブリアス「なんだ違うのか」 
  
村長「残念だったな」 
  
ガブリアス「……」 
  
村長「……」 
  
  
  
    し ゃ っ !  
  
~~突然、ガブリアスの体が消えた! 
いや、消えたのではない! 
いきなり超高速でガブリアスが村長に突っ込んだのだ! 
その残虐なる爪を振りかざして! 
  
 ガキィィィィィィィィィィン! 
  
ド ド ド ド ド ド ド ド ド  
  
村長「……」ニィ 
  
~~~そのガブリアスの爪を! 
村長は腰の鞘から抜き放った片手剣で受け止めていた!! 
(そして不敵に笑ったのだ! ニィっと!)

763: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:20:18.87 ID:ku5D4ikX0
ガブリアス「……私の初太刀を受けるなんて……やるねおじいちゃん」 
  
村長「おいてめぇまさか今の……本気じゃねーよな?」 
  
ガブリアス「   」かっち~ん 
  
村長「あまりの遅さにせっかく滾りかけた体がサメちまったぜ」 
  
ガブリアス「   」 
  
村長「てめぇがサメに似てるからか?」にや 
  
ガブリアス「……寒いんだよじいちゃん」ゴゴゴゴゴ 
  
村長「夜の砂漠は冷えるからな」 
  
ガブリアス「いちいちムカつくな。だから老人は嫌いなんだ」 
  
村長「ワシゃてめぇみてーなガキが嫌いだぜ」 
  
ガブリアス「ぶっ殺す」 
  
村長「やってみろよ」 
  
ド ド ド ド ド ド  ド ド ド ド ド ド  
  
第5話 完

783: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:24:18.42 ID:ku5D4ikX0
~~~~~トライ地方  火山  夜 
  
亜レックス「……ぐっ……うぐっ……」ふら…ふら… 
  
ブラキディオス「ぜぇーっ!はぁーっ!」ぜぇ、ぜぇ 
  
亜レックス「……う……」どしーん! 
  
ブラキ「うおおおおおおおおおおおおおおおおォッ!!!!!!」 
  
ウオオオ大オオオオ 
ブーラーキ! 
ブーラーキ!ブーラーキ! 
  
アグナコトル「なんっということでしょうかッ!?無敗のチャンピオン亜レックスを挑戦者ブラキ選手が見事打ち破りましたッ!」 
  
ウラガンキン「ブラキ選手も相当の摂生をしたでしょうねぇ。鍛え抜かれた肉体による素晴らしい殴り合いでした」 
  
うおおおおおおおおお 
ブーラーキ! 
ブーラーキ! 
  
アグナ「会場は新チャンピオンの誕生に大変盛り上がっておりますッ!」

788: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:26:11.93 ID:ku5D4ikX0
うおおおおおおおおおお 
  
おお……!? 
  
ざわ…ざわ… 
  
ブラキ「……?」 
  
アグナ「おお?……なにやら観客席がざわついているようです」 
  
ガンキン「……おや? 観客席から誰かかリングに向かってきているようですね」 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
ルカリオ「…………」すたすたすたすたすた 
  
ドスフロギィファミリー「……なんだあいつ?」ざわ…ざわ… 
  
ウロコトルたち「だれあれ?」ざわ…ざわ… 
  
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  
  
ルカリオ「……」 
  
ブラキ「……」 
  
アグナ「なんだぁーーーーーーーッ!?何者かがブラキ選手の前に立ちはだかったぞォーーーーーーッ!!!???」

792: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:28:47.70 ID:ku5D4ikX0
ざわ…ざわ… 
ざわ…ざわ… 
ざわ…ざわ… 
  
アグナ「ガンキンさん彼はいったいッ!?」 
  
ガンキン「う~ん見たことありませんねぇ…けど確実に言えることは…」 
ガンキン「彼はブラキ選手に闘いを挑んでいるようです」 
  
うおおおおおおおお 
  
アグナ「ぬわぁーーーーーーーんとッ!!たった今生まれた新チャンピオンに早くも挑戦者が現れたようですッ!!」 
  
うおおおおおおおおお 
  
アグナ「どうするのかブラキ選手ッ!?このまま挑戦を受けるのかッ!?」 
  
ブラキ「……」すっ    ファイティングポーズ 
  
うおおおおおおおお 
  
アグナ「なんっっっっっっっということでしょうッ!?ブラキ選手ッこの謎の人物の挑戦を受け入れたぁーーーーーーーッ!?」

794: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/08(土) 13:30:03.09 ID:ku5D4ikX0
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ  
  
ブラキ「……名は?」 
  
ルカリオ「……ルカリオ」 
  
アグナ「んルカァーーーーーールィオッ!!!!会場のみなさん聞こえましたでしょうかッ!?彼の名前はルカリオですッ!!!」 
  
ガンキン「う~ん聞いたことありませんねぇ」 
  
ざわ…ざわ… 
  
ルカリオ? 知らねー マジでだれ?  ざわ…ざわ… 
  
亜ガンキン「……」ぐい~ん  頭持ち上げ 
  
アグナ「さあッ!亜ガンキンが今ッ!大きく頭を持ち上げましたッ!間もなくゴングですッ!」 
  
ブラキ「……誰だか知らないが」すっ 
  
ルカリオ「……」すっ 
  
ブラキ「このリングに立つからには全力で行かせてもらうぞ」 
  
亜ガンキン「ふんっ!」ごォ~~~~~~~~~~ん!!!! 
  
アグナ「ゴ~~~~~~ングッ!亜ガンキンの顎ングが今鳴りましたッ!試合開始ですッ!!」 
   
うおおおおおおおおおおおおおおお!!!


41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:21:03.54 ID:1JrBAGBxo

~~~~~~トライ地方   神域  夜
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
 
アルバトリオン「……」(なんだ…?こいつら…)
 
~~~~今、アルバは4匹の鳥型モンスターに囲まれていた!
 
フリーザー「……」ゴゴゴゴ
 
サンダー「……てめぇなんだその頭はなめてんのかコラァッ!」
 
ファイヤー「……」キッ   にらみつける!
 
ホウオウ「…………」   流れる溶岩を見ている!
 
~~~~(砂原の住人を殺害したのはこの一味であるッ!)
 
フリーザー「……」すっ
 
~~~フリーザーが一歩前に出た!
 
フリーザー「煌黒龍アルバトリオンさんですね? ちょっとツラ貸して貰えませんか」



45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:23:25.86 ID:1JrBAGBxo

アルバ「……」(……ん……?…あいつ……)
 
~~~アルバはフリーザーなど気にも留めず、ある一匹を見ていた!
4匹の中で唯一、アルバに目を向けずに流れ行く溶岩をぼーっと眺めている者…ホウオウにである!
 
アルバ「……」(……あいつがボスか)
 
フリーザー「……聞いてんスか」
 
サンダー「聞いてんのかって言ってんだよコラァッ!」
 
ファイヤー「……」ギロッ!  にらみつける!
 
アルバ「……うるせーな聞いてるよ。で、お前らはなんだ?」
 
フリーザー「……イカした飛行タイプですよ」
 
アルバ「……あ?」
 
サンダー「あ?じゃねーよなめてんのかコラァッ!」
 
ファイヤー「……」ギロロン!
 
アルバ「あんたに聞いていいか。そこの……派手な人」
 
ホウオウ「……」くるっ



47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:24:47.90 ID:1JrBAGBxo

アルバ「何の用だ? 喧嘩しにきたのか?」
 
ホウオウ「…………まぁそんな感じだ」
 
アルバ「なるほど」
 
フリーザー「……これからあんたボコりますけど、悪く思わないで下さいね」
 
アルバ「悪い? 全然そんなこと思ってないぜ。良い暇つぶしになりそうで何よりだ」
 
フリーザー「……そっすか」ゴゴゴゴ
 
サンダー「かっこつけてんじゃねぇぞコラァッ!」
 
ファイヤー「……」ギロッ!ギロリッ!ギロロンッ!
 
ホウオウ「……お前ら、最初から全力で行け。こいつ強ぇぞ」
 
3匹「!」
 
アルバ「ああ、そこの派手な人の言う通り……」
 
ド ド ド ド ド ド  ド ド ド ド  
 
アルバ「俺は強いぞ」ゴゴゴゴゴ



50:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:26:09.34 ID:1JrBAGBxo

~~~~ドス火山  夜
 
~~~夕方に粉塵爆発をくらったスイクン、ライコウ、エンテイはまだ倒れていた!
 
ヴォル「……ぼっちゃん、全然起きませんぞ……もう死んでいるのでは……」
 
ライコウ「……」
スイクン「……」
エンテイ「……」
 
テオ「……おい、寝ているフリはやめていい加減起きたらどうだ」
 
ヴォル「なんですと!?」
 
3匹「……」(!!!……なッ……ばれているッ!?)
 
~~~なんと!3匹は寝ているフリをしていたのだ!
粉塵爆発を食らって瀕死になった3匹は、しばらくして意識を取り戻した!
そして3匹はある物を携帯していたのだ!
そう!『きのみ』である!
テオとヴォルがドスイーオスとイーオスを埋葬している間に、3匹はこっそり『きのみ』を食べた!
体力がほんの少し回復したのだ!
しかしテオとの力の差を痛感した3匹は、そのまま気絶したフリをしてスキを見て逃げ出そうと目論んでいたのだ!
 
 しかしテオは気づいていた!3匹がもうとっくに意識を取り戻していることに!



53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:27:32.88 ID:1JrBAGBxo

スイクン「……」(…くっ…)
 
ライコウ「……」(…どうする…!?)
 
エンテイ「……」(……くそ……お……俺の方が…)ゴゴ
 
スイクン&ライコウ「!?」
 
エンテイ「炎帝なんだぁーーーーーーーッ!!!!!」がばッ!
 
ヴォル&テオ「!」
 
~~~~エンテイが起き上がりざまにテオに飛びかかった!
 
テオ「ぬんっ!」   ご っ ! 
 
~~~テオの右フック!エンテイの横っ面をとらえた!
 
エンテイ「ぶっ」
 
~~~エンテイが吹き飛んだ!
 
スイクン&ライコウ「~~~~~~っ」
 
2匹はますます痛感するッ!テオとの実力差をッ!



56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:28:42.07 ID:1JrBAGBxo

テオ「おい、お前らの正体はなんだ、言え」
 
スイクン「……」ムクり
ライコウ「……」ムクリ
 
ヴォル「…!」(お、起き上がった……!)
 
スイクン「……俺たちが言うより、…俺らのボスから説明を受けた方が良いだろ…?」
 
テオ「……ボス?」
 
スイクン「呼んでくるからちょっと待っていてくれないか」
 
ライコウ「少し待てば良い」
 
ヴォル「ぼっちゃん!こいつら逃げる気ですぞ!早くトドメを!」
 
テオ「待て。ボスというのが気になる。……ああ良いぞ呼んでこい」
 
ヴォル「ぼっちゃん!!!」
 
スイクン&ライコウ「……」す…
 
テオ「ただし黄色い方、お前はここに残れ」
 
ライコウ「ファッ!?」



62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:29:58.82 ID:1JrBAGBxo

テオ「お前は……まぁいわば人質みたいなもんだ」
 
スイクン「……」ゴゴゴゴ
 
ライコウ「……くっ」
 
テオ「あとあそこでノビてるやつもな」
 
エンテイ「……」
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 

スイクン「……わかった。ライコウ、ちょっと待っていてくれ」
 
ライコウ「……ああ」
 
スイクン「すぐ戻る」くるっ
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ ゴ ゴ 
 
テオ「ほう、お前の名はライコウというのか」
 
~~~~その時っ!!テオがライコウに話しかけたその瞬間っ……!!!



64:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:31:13.30 ID:1JrBAGBxo

スイクン「    」くるっ
 
ヴォル「――――――」
 
~~~1回、くるっとテオたちに背を向けたスイクンがッ!
その直後、またくるっと半回転し再びテオの方向を向いたのだッ!
 
スイクン「死ね毛玉ヤロォーーーーーーーーーーーッ!!!!」びゅびょおおおおおおお
 
~~~スイクンのクリスタルから凄まじい冷気の波が迸った!テオに向けて!
 
テオ「!」
 
~~~テオが避けようとしたッ!その時ッ!
 
ライコウ「なめんなッ!毛玉ッ!!」がッ
 
~~~ライコウがテオの体を掴んだッ!ライコウはテオと一緒に食らう気なのだッ!スイクンの攻撃をッ!
 
テオ「――――――」
 
~~~~スイクンの攻撃がテオに当たるッ!寸前ッ!
 
ヴォル「ぼっちゃんッ!!!」びゅおっ!
 
~~~~ヴォルガノスが割って入ったのだッ!テオとスイクンの間にッ!!!



68:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:32:26.31 ID:1JrBAGBxo

ヴォル「つぁばッ!!!」
 
~~~スイクンの攻撃をヴォルガノスが受けたッ!テオの盾となってッ!!
 
テオ「ガノスッッッ!!!」
 
スイクン「ちっ!!!」
 
ライコウ「くっ!!」
 
ヴォル「……がっ……かっ………はっ………はっ………」どしーん!
 
~~~~ヴォルガノスが倒れたッ!
スイクンの放った冷気の攻撃はなんだったのかッ!?
冷凍ビーム!?    否ッ!
吹雪!?        否ッ!
オーロラビーム!?  否ッ!
 
    スイクンのしかけた攻撃ッ!それはッ!
 
ヴォル「………は………か…………はっ…………はっ………」びくっびくっ
 
~~~~
 無慈悲の    絶 対 零 度  であるッ!(なんという悲劇ッ!)



74:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:33:40.72 ID:1JrBAGBxo

テオ「ガノスッッッッ!!!!」ゴォーーーーーーーーーッ!!!!
 
~~~テオの体から凄まじい炎のオーラが迸った!
 
ライコウ「熱ッ!あッ……ぎゃあああああああああああ!」じゅわッ
 
~~~テオに密着していたライコウは、炎のオーラに全身はもとより体の内部をも焼かれた!
 
ライコウ「……あ………あ……」しゅう~~~~~    焼死体となった!
 
テオ「貴様ッッッ!!!!!」びゅおっ!
 
~~~テオがスイクンに飛びかかった!
 
スイクン「ひっ」     
 
~~~『  ぱきょっ  』
 
~~~テオがスイクンの顔面を思いきり殴りつけた!スイクンの顎の骨が砕けたッ!
 
スイクン「……か……」どしーん!   倒れた!
 
エンテイ「がああああッ!」びゅおッ
 
テオ「ガルァッ!!!!!」がぶりっ!
 
~~~背後から襲ってきていたエンテイに気付いたテオ!テオは振り向きざまにエンテイの頭部に噛み付いたッ!



75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:34:44.89 ID:1JrBAGBxo

 『  ごきゃ  』
 
エンテイ「……あ………が………」どしーん    死亡
 
~~~テオがエンテイの頭部を 噛 み 砕 い た ッ!!
 
テオ「ガノスッッッ!!!!」びゅおッ!
 
~~~3匹を瞬殺したテオ!!倒れているヴォルガノスのもとへ跳ぶ!!
 
ヴォル「……ぼ………ぼ………っちゃ………」がくがく
 
テオ「ガノスッ!しっかりしろ!」
 
ヴォル「……ぼっちゃ………この……こと……を……他の……古龍……に」がくがく
 
テオ「ああ分かった……! お前も一緒に行くぞ」
 
ヴォル「……ふ……ぼっちゃん……」にこ
 
~~~ヴォルガノスは微笑んだ!
 
ヴォル「……分か…る…のです………私は……もう……助からない……」がくがく
 
テオ「……おい、何ふざけたことを言っている」



77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:35:40.88 ID:1JrBAGBxo

ヴォル「…わた…し…は…一足…先に……ぼっちゃんの……お父上と……母君の……ところ…へ」がくがく
 
テオ「おいガノス」
 
ヴォル「……久しぶり……に………会え……る……」にこ
 
テオ「おい」
 
ヴォル「……最後……に……ぼっちゃ…ん……を…お守り…できて……よか…」がくがく
 
テオ「おいガノスいい加減にしろ。あまりおふざけが過ぎると怒るぞ」
 
ヴォル「……ふふ……」にこ
 
テオ「親父のところになど行かせん」
 
ヴォル「…私…は…今まで……ぼっちゃ…の…たくさん…の…わがまま…を…聞いて…きま…し」がくがく
 
テオ「ああそうだ。だから今も俺の言うことを聞け」
 
ヴォル「……今回……は……私……の……わが…まま…を」がくがく
 
テオ「わかったこれで最後の我儘にする。だから最後の我儘を聞いてくれ」
 
ヴォル「……ふ…」にこ
 
テオ「……頼むガノス……。死ぬな。生きてくれ」



79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:36:32.44 ID:1JrBAGBxo

ヴォル「……ふ……ぼっちゃ……ん……」がくがく
 
テオ「俺はまだ……お前に何も返していないではないか」…じわ
 
ヴォル「……いいえ……ぼっちゃ…んは……私…に……たくさ…んの…楽しい…思い出…を…」がくがく
 
テオ「逝くなガノス」ポロ…ポロ…
 
ヴォル「……ふふ……ぼっちゃ……には……涙は……似合いませぬ」にこ
 
~~~~~20年以上前――――――。
 
ヴォル「……う……妻よ……仇は……とった……ぞ」どしーん
 
ハンター「……」  死亡
 
ヴォル「……ふふ……相討ち……か…」すぅ…
 
 ばさッ  ばさッ 
 
テスカトル(親父)「……ん?  まだ息があるか」
 
ヴォル「……」



81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:37:13.00 ID:1JrBAGBxo

~~~~~
 
ヴォル「はっ…!  ここは…!?」きょろきょろ
 
テスカトル「気が付いたかね」
 
ヴォル「あ、あなたが……私を……?」
 
~~~~~
ヴォル「……お子さんの……世話係…ですか…」
 
テスカトル「うむ。やってくれんかね」
~~~~~
 
幼テオ「へへーんだ!がのすのばーか!」
 
ヴォル「ああっ!ぼっちゃん!早く降りてくるのです!落ちたら大けがしますよ!」
 
幼テオ「やだよー!  あ 」  とぅるん
 
ヴォル「ぼっちゃんッ!」だだ!    ぽふっ
 
ヴォル「ほっ…間に合った…!」
 
幼テオ「あはは今のは楽しいな!もう一回やるぞ!」
 
ヴォル「なんですと!? いけません!いけませんぞぼっちゃん!」



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:37:50.28 ID:1JrBAGBxo

~~~~~
少年テオ「……ふう」
 
アプケロス「……」ぴく…ぴく…
 
ヴォル「お見事ですぞぼっちゃん!そのお年でアプケロスを一撃で仕留めるとは!」
 
少年テオ「……なぁガノス、前に俺に聞かせてくれた話に、ラオシャンロンってのがいたな」
 
ヴォル「はぁ」
 
少年テオ「そいつと力比べをしてみたい。案内してくれ」
 
ヴォル「な、何をおっしゃっているのですかぼっちゃん!!」
 
少年テオ「早くいくぞ」
 
ヴォル「なりません!絶対になりませんぞぼっちゃん!」
 
少年テオ「……つべこべ言うな。ところでガノス、そのぼっちゃんってのそろそろやめてくれないか」



88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:39:04.33 ID:1JrBAGBxo

~~~~~
「ぼっちゃん!」 
~~~~~
「ああもう!たまには私の言うことを聞いてくだされ!」
~~~~~~
「もうぼっちゃんってば!」
~~~~~
「ぼっちゃん!」  「ぼっちゃん!」  「ぼっちゃん!」
~~~~~~
 
~~~~~~~~~
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ ゴ 
 
ヴォル「……ぼっちゃん…!…私は……あなたに…出会えて……本当に……幸せでした…!」にこ
 
テオ「なに気持ち悪いことを言っているんだ。そんなのいいから起き上がってくれ」ポロ…ポロ…
 
ヴォル「お父上と……母君には……ちゃんと……伝えて…おき……ます…」がくがく
 
ヴォル「ぼっちゃんは……立派な……火山の…王に……なられたと……」がくがく
 
テオ「待て」ポロ…ポロ…
 
ヴォル「…さようなら……ぼっちゃん……どうか……お元気で……」  すぅ
 
~~~こうして、ヴォルガノスは息を引き取った!
安らかな寝顔であった!



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:39:42.79 ID:1JrBAGBxo

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
 
テオ「ガノス…!ガノス…!くそ…!」
 
ヴォル「……」
 
スイクン「    」
 
~~~ 育 て の 親 を抱きしめるテオ!
 
テオ「……くそっ…!」
 
スイクン「    」
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
 
~~~その背後でっ……!!!
 
テオ「……う……く……」
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
 
 
スイクン「       」ムクリ……



96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:40:36.89 ID:1JrBAGBxo

ド ド ド ド ド ド ド 
 
スイクン「……」ゴゴゴゴゴ
 
~~~顎が砕けたままのスイクンが起き上がった!
 
スイクン「アアアアアアアアッ!!!!」
 
~~~~スイクンがテオの背に突っ込む!
その時ッ!!
 
『    ゴ  ウ  ッ     』
 
~~~テオの全身から凄まじい炎のオーラが迸った!先ほどとは比べ物にならないくらいの強大なオーラっ!!!
 
スイクン「……がっ……は………」じゅうううううう~~~~
 
~~~~~スイクンの体が 蒸 発 したっ!!!!
 
テオ「…………」ゴォーーーーーーーーッ!!!



100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:41:46.98 ID:1JrBAGBxo

テオ「……貴様ら……さっき【世界】がどうの言っていたな……」ゴォーーーーーッ!
 
~~~鬼神ッ!!!
テオは今、鬼神の貌(かお)をしていたッ!!!
 
テオ「……まだ他に…仲間がいるということだな……」ゴォーーーーーーーッ!!
 
ト ゙ ト ゙ド ト ゙ ド ドド ドド ド ド 
 
テオ「いいだろう…! 一匹残らず…!  灰にしてやる」ゴォーーーーーーーッ!!!
 
~~~~このっ…!今まさに修羅と化した
怒 れ る 炎 帝 によってっ…!!!
やがてポケモン勢はっ……!!! 否っ……!!!
ポ ケ モ ン の 世 界 は っ  !!!!
地 獄 の 業 火 に 灼 か れ る ことになるのだがっ  !!!
それはっ……!!  もう少しあとのことであるっ……!!!
 
そして物語はっ……!!
ここから  怒涛の『中盤戦』へと 突入するッ!!!!!
 
――――――
第6話 並びに『序盤戦』  完



103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:43:20.57 ID:1JrBAGBxo

~~~~森丘地方  深夜 
 
獄狼「………んん?」
 
~~~獄狼は岩の上から遠くの空を眺めていた!獄狼が見ている方向の空が異様な荒れ方をしているのだ!
 
獄狼「くくっ……おいおい何年振りだあの空を見るのは……アマツのババアが暴れてやがるぜ」にやり
 
~~~~空が荒れている原因は、どうやらアマツマガツチが暴れているかららしい!
そう!つまり今まさに『戦闘』が行われているのだ!遥か上空で!!
 
獄狼「……しかし……異常な荒れ方だな……あの野郎苦戦してやがんのか?」
 
~~~~未だかつてない空の荒れ模様を見て、獄狼の胸に、ほんのわずかな心配(というにはあまりにも乏しい感情であったが)がよぎった!
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
 
獄狼「……死ぬんじゃねぇぞ……! ババア……!」
 
 
――――――『中盤戦』――――――



108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:44:13.74 ID:1JrBAGBxo

~~~~~森丘  クックの巣  深夜
 
レウス「……先生の名前を?」
 
クック「ああ。この腕の主がワシの名をつぶやいたらしい」
 
~~~レウス、レイア、桜はミュウツーの腕を眺めた!
(バサルとピカチュウとコイルは今は寝ている!)
 
レイア「……獄狼さんが……嘘をついてる可能性は……ないよね」
 
クック「ないな。おそらく」
 
桜「いよいよわけがわかんなくなってきたな」
 
クック「……もしかしたら……この事件は……」
 
クック「……ワシのことを恨んでいる者が引き起こしているかもしれん」
 
レイア「先生を恨む……?」
 
レウス「……いったい誰が……あ…!」
 
桜「……1人だけいるな」
 
レイア「……だれ……?」



111:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:45:10.08 ID:1JrBAGBxo

レウス「……あいつだよ……レイアも知っているはずだ」
 
レイア「……え……?   あ…!」
 
桜「……ああ。  イャンガルルガ だ」
 
クック「……あやつは今もどこかで生きておる。ワシを恨みながらな」
 
~~~~~~~~
  同刻  上空  
 
ナルガ「………クックの……子供……?」
 
ヤマツカミ「ああ。クックには1人だけ息子がいる。ガルルガっていう、手の付けらんねぇ暴れん坊がな」
 
フルフル「……」
 
キリン「……凄い怖い人だったよね」
 
ナルガ「……似ているのか……?  クックに」
 
ヤマツカミ「似ているのは姿とその『強さ』だけだ。性格は似ても似つかねぇ」
 
ナルガ「……悪いやつなのか……?」
 
ヤマツカミ「ああ。生粋のワルだ」



113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:46:19.66 ID:1JrBAGBxo

ヤマツカミ「遺伝子の情報が……ほんのちょっとズレちまったんじゃろうな」
 
ナルガ「……」
 
ヤマツカミ「クックの子供が……あんな悪だなんてよ」
 
キリン「……」
 
ヤマツカミ「ガルルガのせいで人間たちと全面戦争寸前まで行ったのは一度や二度じゃねぇ」
 
ヤマツカミ「人間だけじゃねぇ。飛竜と牙獣で仲間割れしかけたこともある」
 
ヤマツカミ「ガルルガの最も厄介な所はクックの強さをそのまま……いやクックよりも凶悪に引き継いでおるところでな。圧倒的な暴力に任せてやりたい放題じゃった」
 
ナルガ「……母親は……」
 
ヤマツカミ「……ガルルガが殺した。奴が15歳の時だ」
 
~~~~(※ 母親は青クックである。
クック×青クックの組み合わせでも、稀にガルルガが産まれるのだ。
というか悪に生まれるとガルルガみたいな見た目になる  ってことでお願いします)



115:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:47:33.81 ID:1JrBAGBxo

ナルガ「……それで……どうなったんだ……?」
 
ヤマツカミ「……ガルルガは、そのままクックにも戦いを挑んだ。命をかけてな」
 
ヤマツカミ「雨の中の平原での凄惨な戦いだったわい……実の父子が殺しあっているのだぞ…?」
 
ナルガ「……」
 
ヤマツカミ「結果はクックの勝利だった。雨の中傷だらけの体で、クックは自分の息子を見下ろしていた」
ヤマツカミ「泥の中に伏っしている、瀕死の我が子をな……」
 
~~~~~~~~~~
 
ザアアアアァアアァアアアア(雨)
 
クック「…………」ゴゴゴゴゴゴ
 
ガルルガ「…………」ぴくっ……ぴくっ……
 
ゴロゴロピッシャーン!
 
~~~~~~~~~~~
 
ヤマツカミ「ワシはてっきりそのままトドメを刺すかと思っていたが、クックはそのまま背を向けて、雨の中飛び去っていった」



118:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:49:24.77 ID:1JrBAGBxo

ヤマツカミ「……トドメを刺さなかったのは……クックのせめてもの情けであろうな」
 
ナルガ「……それで」
 
ヤマツカミ「振り続ける雨の冷えと、体の傷で、ガルルガはじきに死ぬとだれもが思っていた」
 
ヤマツカミ「クックが何もせず帰ったのだから、ワシが何かする権利はない。ワシもその場を後にした」
 
ヤマツカミ「しかし翌日、そこを見に行ってみると、ガルルガの姿はなかった」
 
ナルガ「……瀕死じゃなかったのか…?」
 
ヤマツカミ「瀕死のはずだった。歩くことはおろか立つことも出来んほどであった」
 
ナルガ「……誰かが……助けたのか…?」
 
ヤマツカミ「……分からん。 まぁそれが今から17年ほど前のことだ」
 
ヤマツカミ「もし今もガルルガがどこかで生きているなら……きっとクックを恨んでいるじゃろうな」
 
フルフル「……」
 
ヤマツカミ「……お!……そろそろ砂漠(旧)につくぞ」



119:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:50:26.20 ID:1JrBAGBxo

~~~~トライ地方  孤島  深夜
 
~~~孤島にソウル、ティガ、ジンオウガ、ペッコ、亜ッコが集結していた!
 
ソウル「……口が三つあった?」
 
ペッコ「う、うん…!俺たちみたいな普通の頭と、左右の腕の先端にひとつずつ…!」
 
亜ッコ「その三つの口で……ど、ドボルさんを食ってた……」
 
ティガ「……口が3つとかバケモンだな」
 
ジンオウガ「その口野郎にお前らは襲われたのか」
 
亜ッコ「そう。その時にジョーさんが助けてくれてそいつをペロリと食べちゃった」
 
イビルジョー「呼ばれたような気がしたんだけど」 ぬっ 
 
ペッコ「そうそうこんな感じに颯爽と現れたジョーさんが……ってうおっ!うおおおおおおおおおおおおっ!!!!????」びくっ
 
全員「!!!」
 
ティガ「げっ!」



120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:51:16.25 ID:1JrBAGBxo

イビルジョー「どしたんこんなに集まって……あっ!ティガくん!」
 
ティガ「うおっ!寄るなっ!」
 
ペッコ「はぁーっ!はぁーっ!び、びびったっ……!!」(ほんと……毎度毎度どこから沸いてくるんだ!?)
 
イビルジョー「ティガくぅ~ん!はぁはぁティガくんねぇいつになったら私のものになってくれるのねぇってば」頬ずり頬ずり
 
ティガ「痛っ!ちょっ!いたたっ!離れろっ!顎の棘が痛いっ!」
 
イビルジョー「はぁはぁ可愛い可愛過ぎるよティガくん食べちゃいたいはぁはぁ」
 
ソウル「……ジョー、水没林で食った奴のこと、覚えているか?」
 
イビルジョー「ん?…あー…あ! あれか!うん!覚えてるよ!美味しかった!」
 
ソウル「ふむ。少なくとも、このトライ地方に4匹の殺戮者が現れたわけだ」
 
ジンオウガ「……孤島、砂原、凍土、水没林…」
 
ソウル「そして水没林の口野郎はジョーが殺害、凍土の奴は獄狼さんに殺された可能性が高い」
 
ソウル「あと渓流と火山だが……」
 
ジンオウガ「渓流は今のところ問題ない。何か異常があれば雷光虫が知らせてくれるからな」
 
ソウル「……だな。問題は火山か」




124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:52:04.28 ID:1JrBAGBxo

亜ッコ「……出たよ、火山」
 
ソウル「ああ。しかしこんな状況だ。ほっとくわけには行かん」
 
亜ッコ「……今思ったんだけど、ここにこうして集まっているのも危ない…よね?」
 
ペッコ「……ラギアを殺した奴が近くにいるかも知れないもんね」
 
ソウル「まぁな。しかし俺たちに釣られてそいつが現れたら、逆に敵の正体を知るチャンスだ」
 
ティガ「生け捕りにでもすんのか?」
 
ソウル「余裕があればな」
 
ジンオウガ「水没林の口野郎は……言葉が通じたのか?」
 
ペッコ「……う~ん…言葉らしい言葉は発していなかった気がする」
 
ソウル「まぁ何にせよ、トライ地方に殺戮者が徘徊していることは確かだ。ジョー、お前も常に俺たちといろ」
 
イビルジョー「え~……」
 
ティガ「ほっ」
 
ソウル「ティガと一緒にいろ」
 
イビルジョー「やったぁ!」ぱああああ
 
ティガ「げっ」



127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:52:55.06 ID:1JrBAGBxo

ソウル「それからペッコと亜ッコ、朝になったら2人で森丘に行ってクック先生にこっちの状況を伝えてくれ」
 
ペッコ「分かった。ソウルたちは…?」
 
ソウル「俺たちは火山に行ってみる」
 
ティガ「火山か……火山には亜レックスの野郎が」
 
       ピ カ ッ !!!!!
 
ティガ「い」
 
   ばちこぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉん!!!!!!
 
全員「   」
 
ティガ「  かっ…! かはっ…! 」ぷすっ…ぷすすっ…!ふらふら
 
全員「   !!!!!????   」
 
ティガ「………ぐ………がっ……!」 どしーん!  ぴくっ……ぴくっ……
 
~~~~~今っ…!!何が起きたのかっ!?
『雷』であるッ!雷が突如としてティガに直撃したのだッ!
もちろん今宵、孤島では雷雲など皆無ッ!綺麗な星空ッ!
つまりこれは……敵襲であるッ!!!



129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:53:54.39 ID:1JrBAGBxo

イビルジョー「……ティガ……くん……?」
 
ティガ「……ッ……ッ……」びくッ……びくっ 
 
ソウル&ジン「      」ばっ!!!
 
~~~ソウルとジンオウガが反射的に頭上を見上げるッ!!
 
カイリュー「……」ゴゴゴゴゴゴ
 
~~~そこには満月をバックに宙に浮かぶカイリューの姿ッ!!
 
ソウル「   」ばさッ
 
ジンオウガ「ウオオオオオオン!!!」バチバチバチバチバチバチバチ!!!
 
~~~ソウルとジンオウガが瞬時に臨戦態勢に入るッ!!
 
カイリュー「    」すっ……ぎゅんっ!
 
ソウル「    」びゅんっ!
 
~~~カイリューが後方に一気に距離をとったッ!ソウルがそれを追うッ!



130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:54:40.33 ID:1JrBAGBxo

~~~~空中
カイリュー「ガァアアッ!!」 破壊光線!!
 
ソウル「  !  」さっ……チチッ!
ソウル「!!!」
 
~~~カイリューが破壊光線を放ち、ソウルはそれを避けたッ!
その際、光線がほんのわずかにソウルの体をかすったッ!
その瞬間、ソウルはこの光線に高い熱があることと、驚異的な威力があることを理解ッ!
脳裏によぎったのはラギアクルスの死体の切断面ッ!
ソウルは確信するッ!
こいつだッ!
こいつがラギアの体をこの光線で焼き切ったのだッ!!
 
ソウル「てめぇだったかコラァァアアアアァッ!!!!」ゴウッ!  火球ッ!
 
カイリュー「    」さっ…!   避けるッ!
 
カイリュー「    」びゅおッ!   ドラゴンダイブッ!
 
ソウル「!」 さっ…!  避けるッ!
 
ソウル「!?」
 
~~~斜め上からのカイリューのドラゴンダイブを(凄まじい勢いのタックル)を見事避けたリオソウルッ!しかしッ!
ソウルの体のすぐ横を、斜めに通り過ぎたカイリューはそのまま勢いを殺すことなくまっすぐに下に向かっているッ!
 
ソウル「―――――――!!!」(狙いは俺じゃない――――――!!!)



131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:55:15.77 ID:1JrBAGBxo

ど お お お お お お お お お お お ん ! !!!
 
イビルジョー「  がっ…! 」ふらっ
 
~~カイリューのドラゴンダイブがイビルジョーに直撃したッ!
 
ジンオウガ「ぬんっ!」  切り裂きッ!
 
  ずばっ!
 
~~~ジンオウガの雷を帯びた切り裂きが炸裂ッ!カイリューの腹(あのぽっこり出た腹)にヒットッ!
カイリューの腹の皮膚がざっくり切れたッ!
 
カイリュー「痛ぇなこの」ぐるんッ!  尻尾アタック!
 
~~~カイリューの尻尾アタックがジンオウガを真横から打ったッ!
 
ジンオウガ「ぐぬっ!」
 
~~~重い一撃ッ!ジンオウガが吹き飛んだッ!
 
ペッコ&亜ッコ「…え!?  え!?……  え!?」きょろきょろ
 
カイリュー「   」ギロリ
 
ペッコ&亜ッコ「    」ぞくりっ



134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:57:29.50 ID:1JrBAGBxo

~~~カイリューがペッコ亜ッコに狙いを定めたッ!
  
    ご う ッ !
 
~~~~突如、火球がカイリューの頭上から降ってきたッ!ソウルの火球であるッ!カイリューの頭にヒットしたッ!
 
カイリュー「…ぐッ…熱ッ…!」
 
ソウル「オラァッ!!!」
 
~~~ソウルが空中からの急襲ッ!!2連蹴りがカイリューの顔面を捉えたッ!
爪が顔の肉を裂いたッ! 鮮血が舞うッ!
 
カイリュー「…ちぃぃぃっ!」ぎゅん!
 
~~~再びカイリューが後方に距離をとり、また宙へ舞い上がったッ!
ソウルがそれを追おうとして跳んだ  そ の 時 ッ!! 
 
カイリュー「    」ギイン!
 
~~~~カイリューの両目が怪しく光ったッ!2本のヒゲが揺れたッ!その直後ッ!
 
   びゅおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 
~~なんとッ!『吹雪』であるッ!!! 
圧倒的吹雪っ……!!!
孤島で吹雪が発生したのだッ!!



135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:58:15.80 ID:1JrBAGBxo

びゅおおおおおおおおおおおおお
 
~~~冷気と雪がその場に渦を巻くッ!!
 
ソウル「!」(なっ……!!)
 
ペッコ「!」(え、ちょ、なにこれ)
 
亜ッコ「寒っ!」
 
ジンオウガ「!!」(馬鹿なっ……!!孤島で吹雪だと!? ありえん!!)
 
~~ し か し 有 り 得 て い る の だ 実 際 に ッ !!
  
イビルジョー「ティガくん!…ティガくん!!…」
 
ティガ「……はっ………はっ………はっ……」
 
ソウル「!?」ぐらっ…どしーん!
 
~~~~吹雪が発生した次の瞬間、ソウルが地上に墜落したッ!
 
ジンオウガ「ソウルッ!」
 
ソウル「ぐっ…」(な、なんだ……!?)



137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 14:59:21.06 ID:1JrBAGBxo

ソウル「―――――!!!――――」
 
~~~そしてソウルは気づいたッ!自分の体の異変にッ!
 
ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
 
ソウル「なッ……なんだこりゃあああああッ!?」
 
~~~なんとッ!!
  凍 っ て いたのだッ! 翼と両足がッ!!!
 
ソウル「―――――」(馬鹿なッ!!!)
 
~~~~とソウルは思うッ!それもそのはずッ!
ソウルは凍土で吹雪ぐらい体験したことがあるのだッ!!
そうッ!考えられないのであるッ!あんな一瞬で体が凍りつくことなどッ!!!
 
カイリュー「   」ぱかぁ   口を開けた!
 
ソウル「    」ぞくっ
 
~~~宙に浮いているカイリューが地上のソウルに向けて口を開けたッ!
喉の奥が淡く光っていたッ!
今まさに破壊光線を撃とうとしているのだッ!ソウルに向けてッ!!!
 
ソウル「!!!」(やべぇ…!!避けらんねぇ…!!!)
 
~~~ソウルは翼と足が凍っていて動けないッ!
まさに絶体絶命ッ!!戦慄が走るッ!!!



140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:00:49.63 ID:1JrBAGBxo

カイリュー「が」…撃つッ!
 
ソウル「――――」
 
~~~ソウルの頭に走馬灯がよぎるッ!!!
 
ソウル「     」(ワリィ―――!!―――桜―――!!――死)
 
 
アオアシラ「セアァァアアッ!!!!!!」びゅおっ
 
   ど ぎ ゃ っ !
 
カイリュー「ぐっ!」(!!!???)
 
~~~~なんとッ!!!ここで救世主っ…!!アオアシラっ……!!!
崖の上から跳躍したアオアシラが、空中にいるカイリューに跳び蹴りをぶちかましたのだッ!!
そうッ!ライダーキックであるッ!
アオアシラの右足が(あの短い脚が)、カイリューの側頭部に衝突したッ!!
 
ソウル「アシラッ!!!!」
 
ジンオウガ「!!!」
 
カイリュー「…うぐっ…」どしーん!
 
~~~カイリューが地面に墜落したッ!!



144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:02:23.95 ID:1JrBAGBxo

アオアシラ「   」くるくるくる……しゅたっ!
 
~~アシラは空中で膝を抱え込んで3回ほど回転し、地面に降り立った!
 
アシラ「……よお」ゴゴゴゴゴゴ
 
ソウル「アシラっ……!!助かったぜ…!!」ごうっ!
 
~~~ソウルは自分の翼と足に火球を吐いた!氷が解けた!
 
ジンオウガ「……アシラ……ここ(孤島)にいたのか」
 
アシラ「孤島に入ったのはついさっきだ。ジン、獄狼先生は元気か?」
 
ジンオウガ「……相変わらずだ」
 
アシラ「…ふっ」にや
 
~~~~獄狼のもう一人の弟子はこのアオアシラだったのだッ!
 
カイリュー「    」がばァ!
 
~~~アシラの背後に倒れていたカイリューが唐突に起き上がった!
 
アシラ「あたぁッ!!」ひゅッ!   裏拳!
 
ごッ!
 
カイリュー「ぐッ」





150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:03:46.92 ID:1JrBAGBxo

~~~アシラの裏拳がカイリューの顔面にヒット!カイリューがひるんだッ!
 
アシラ「ぬありゃぁッ!!」びゅんッ…!
 
~~~そしてアシラは、その場で跳躍し、後ろ向きに回転したッ!バック宙の形である!その時に、右足を思いきり伸ばしていたッ!
右足の甲がカイリューの脳天に直撃したッ!
そうつまり オ ー バ ー ヘ ッ ド キ ッ ク であるッ!
 
カイリュー「……かっ……」どしーん!
 
~~~~カイリューが白目を剥きながら倒れたッ!!
 
カイリュー「……ッ……」ぴくッ…ぴくっ…
 
アシラ「……ふぅ!ところでなんだこいつは」
 
ペッコ「……す……すげぇ…!!」
 
亜ッコ「……た……助かった…!?」
 
イビルジョー「ティガくん!ティガくん!」
 
ティガ「……はっ……はっ……!……」びく…びく…
 
ペッコ「はっ!ティガああああああ!」だだだ



159:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:08:26.27 ID:1JrBAGBxo

ペッコ「うおおおおお死ぬなあああティガああああああ!!」くるっ!くるっ!…回復ダンス!
 
亜ッコ「わ、私も…!」くるっ!くるっ!…回復ダンス!
 
ティガ「はぁー…!はぁー…!……」
 
ペッコ「おお…! ちょっと良くなった……?」 
 
ティガ「はっ…!はっ…!はっ!…はぁっ…!」びくっ!びくっ!びくっ!
 
イビルジョー「ペッコ!! 踊り続けて!!」
 
ペッコ「うおおおおおおおおおおおおお!!!」くるっくるっくるっ! 回復ダンス!
 
ティガ「……よ……よぉ……」
 
イビルジョー「ティガくん!!」ぶわっ
 
ティガ「…………なに……が……おき……がはっ!」
 
ソウル「しゃべるなティガ。敵に襲われたんだ。でも倒した。安心しろ」
 
ティガ「……そ……そう……か……がはっ!」
 
イビルジョー「ティガくん!」ポロ…ポロ…



162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:09:26.34 ID:1JrBAGBxo

アシラ「……雷に打たれたのか」すっ
 
ジンオウガ「……ああ」
 
ティガ「……はっ……はっ……………… …………?……」
 
~~~~アシラがティガの怪我の具合を診てみた!!
 
アシラ「――――!!―――」(……これは……)
 
イビルジョー「……大丈夫だよね? 死なないよね?」ポロ…ポロ…
 
ティガ「……へ……なめんな……あれ…ぐらいで…がはっ…死ぬかよ……」
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 
 
ソウル「……どうだ?」
 
アシラ「……運が良かったなティガ。寝て起きりゃ治る」
 
イビルジョー「よかった!」ポロ…ポロ…
 
ティガ「……へっ……」
 
アシラ「   」チラッ
 
ソウル&ジン「!!!!」
 
~~アシラがソウルとジンに意味深な視線を向けたっ…!これは……つまり……!



164:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:10:13.99 ID:1JrBAGBxo

ド ド ド ド ド ド ド 
 
ソウル「……」(…ティガ……)
 
ジンオウガ「……」(……くそ……!…)
 
アシラ「……ペッコ、亜ッコ、踊り続けてくれ」
 
ペッコ「うおおおおおおおおお!」(ほ…、ほんとに助かるのか……これ…!!)
 
亜ッコ「はああああああああ!」(む…無理だよ……私たちのダンスじゃ、これ以上の回復は……)
 
ペッコ「おおおおおおおお!」(……まさか……アシラさんは……)
 
イビルジョー「よかったねティガくん…! 寝れば治るって…!」ポロ…ポロ…
 
ティガ「……はぁーっ…はっ……はっ……へ……たりめーだ……」(…………)
 
イビルジョー「……ティガくん……」ポロ…ポロ…
 
ティガ「……ジョー……悪かっ……たな……今…まで……」
 
イビルジョー「いきなり何言い出すのティガくん」ポロ…ポロ…
 
ティガ「……ただ…恥ず……かしかった……だけ……なん……がはっ!」
 
イビルジョー「しゃべらないで!」



166:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:10:55.08 ID:1JrBAGBxo

ティガ「……お……れ……も……お……まえ……が……かはっ!」
 
イビルジョー「しゃべらないでってば!!!」
 
ティガ「………あり……が……と……ジョ……がっ!がはっ!!」
 
イビルジョー「しゃべるなっ!!!!」
 
ティガ「……へ…へへ…わるい……ちょい……寝る……わ…」
 
イビルジョー「安心して寝ていいよ。私が守るから」
 
ティガ「……それは……頼も……し……いな……」すぅ
 
イビルジョー「!!!!」
 
~~~その時っ!!ティガがイビルジョーの手をぎゅっと握ったのだ!
 
イビルジョー「ティガくんっ……!!」ポロ…ポロ…
 
~~~~~~~~~~
 
幼イビル「うえええええん痛いよおおおおお!」
 
ハンター「…ちっ……幼体でも恐暴竜か……タフだな」



168:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:11:35.27 ID:1JrBAGBxo

幼イビル「う、うわあああああん」
 
ハンター「こいつの素材は高く売れるからな。偶然来た凍土で遭遇とはラッキーだぜ」すっ
 
びゅおっ   しゅばッ!
 
ハンター「ぎゃっ!? 目がっ!目があああああああっ!!!」
 
幼ティガ「おいお前!早く逃げろ!」
 
幼イビル「……え…?…」
 
ハンター「くっ……轟竜の子供かっ!この糞がああああああああ!!」
 
幼ティガ「早く逃げろって言ってんだよコラァアアアアアアアアッ!!!!」
 
幼イビル「…は、はいッ!!」
 
~~~~~~~
 
幼イビル「……さっきの人……大丈夫かな……はぁー、はぁー、うう、寒いな」ぶるる
 
がさッ
 
幼イビル「!」
 
幼ティガ「……よう」



172:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:12:09.25 ID:1JrBAGBxo

幼イビル「……あ……だ……大丈夫……??」
 
幼ティガ「……ああ」
 
幼イビル「……け、怪我してるよ……?」
 
幼ティガ「……おめーの方が酷い怪我じゃねぇか。どれ、見せてみろ」
 
幼イビル「……え……」
 
幼ティガ「……ほら、薬草だ」ぬりぬり
 
幼イビル「……あ……ありがと……」
 
幼ティガ「……おめぇ、1人なのか」
 
幼イビル「……うん…」ぶるる
 
幼ティガ「寒いのか」
 
幼イビル「……う……うん……」
 
幼ティガ「これ飲んでみろ」すっ
 
幼イビル「……なに…これ……?」
 
幼ティガ「凍土に来る人間が持ってる飲み物だ。かっぱらってきた」



174:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:12:57.82 ID:1JrBAGBxo

幼イビル「……ん……」ごくっ
 
幼ティガ「……どうだ」
 
幼イビル「……あ……」ぽかぽか
 
幼ティガ「あったけぇだろ」
 
幼イビル「……あたたかい……」ポロ…ポロ…
 
幼ティガ「!?」
幼ティガ「なに泣いてんだてめーーーーーーっ!!!」
 
幼イビル「……だって……こんなに……優しくされたこと……なくて…」ポロ…ポロ…
 
幼ティガ「……」
 
幼イビル「どうぢで……私に…ごんなに……やざじくじでぐれるの……」ポロ…ポロ…
 
幼ティガ「勘違いすんじゃねぇーーーーーーっ!!!!」
幼ティガ「俺はたまたま通りかかっただけだッ!困ってる奴を見捨てるようなだせぇ奴にはなりたくねぇだけだッ!」
幼ティガ「もし俺が、お前だから特別に助けたとか思ってんなら、てめぇぶっ殺すぞ!」
 
~~~~イビルジョーはひと時も忘れたことはなかった!
自分を助けてくれたこの小さな勇者の背中を!
凍えるような凍土で飲ませてくれたホットドリンクの味を!
生まれて初めての優しさと温もりを!



177:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:13:52.72 ID:1JrBAGBxo

~~~~~~~~
 
イビルジョー「今度は私が、ティガくんを助ける番だからね」
 
ティガ「……すぅ…すぅ……」
 
亜ッコ「……う……ジョーさん……」ポロ…ポロ…
 
ペッコ「う、うおおおおおおおおおおおッ!」ポロ…ポロ…
 
イビルジョー「……私が……必ず……」
 
~~~~イビルがティガの手をぎゅっと握った!
 
ソウル「…………」
 
ジンオウガ「…………」
 
アシラ「…………」
 
イビルジョー「私がティガくんを守る」
 
・・・・・・・・・・
 
・・・・・・・・・・
 
―――――――――――――― 1時間後、ティガレックスは死んだ。
 
第7話 完



181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:15:27.15 ID:1JrBAGBxo

~~~~~森丘 クックの巣  深夜
 
レウス「……そろそろ砂漠(旧)についた頃かな、ヤマツさんたち」
 
桜「もうついてるだろうな」
 
レイア「……やっぱり、砂漠も襲われているのかな」
 
クック「……分からん。無事を祈るしかあるまい」
 
バサル「……zzz……zzz……」
 
ピカチュウ「……zzz……zzz……」
 
コイル「……zzz……zzz……」
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ ゴ 
 
ピカチュウ「…………」パチリ
 
クック「む?」
 
~~~~寝ていたピカチュウの眼が、ふと開いた!
クックがそれに気づいた!



182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:16:17.25 ID:1JrBAGBxo

コイル「…………」パチリ
 
~~~~コイルも起きた!
 
桜「……ん?どうしたんだ?急に起きたぞ」
 
クック「……」(……なんだ……?)
 
ピカチュウ「…………」(………!……)
 
~~~~最初に【気づいた】のはピカチュウ!その直後にコイル!
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ ゴ  
 
クック「――――!!!――――」
 
~~~~~その次がクックであったッ!!!!
 
クック「お主ら跳べッッッ!!!」
 
全員「!!!!!????」
 
~~~~なんだ!?っとレウス、レイア、桜は思うッ!
しかし信頼するクックが、いや、クック先生が【跳べ】と言ったッ!!
ならばつべこべ考えずに跳ぶべきッ!!
というよりも、この3人はクックの叫びに反射的に体が反応していたッ!
 
レウス&レイア&桜「     」ヴァッ!
 
~~~3人は跳んだッ!!!



184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:17:12.26 ID:1JrBAGBxo

~~~~その直後っ……!!!
 
地 割 れ ワ レ ワ レ ワ レ ワ レ ワ  レワレワレワレワレ
 
【 地 割 れ 】であるッ!!!
突如地割れが発生したのだッ!!!
 
桜「なっ……!!」
 
レウス「……なにィィイイイイッ!?」
 
~~~ガラガラと音を立てて地面が割れていくッ!!
 
ピカチュウ「ひいいいいいいいッ」(……ピカ!ピカピ!)がくがく
               (※ ヤバい!あいつだ!)
 
バサル「…zzz…う~ん……zzz……う~ん…」
 
クック「……」しゅたッ!
 
~~~~クックが降り立った!
そして割れた地面の中から声が聞こえてきたッ!!
 
  「てめぇなに避けてんだバカヤロウコノヤロウ」
 
全員「!!!!!」
 
~~~~そしてそいつが割れ目から這い出てきたッ!!
 
グラードン「ふざけんじゃねぇぞコノヤロウバカヤロウ」



187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:18:09.79 ID:1JrBAGBxo

ド ド ド  ド ド ド ド ドドドドドドド
 
レウス「……っ!!」
レイア「!?」
桜「……!!」
 
クック「……地割れをも自由に引き起こせるのか……」ゴゴゴゴゴ
 
~~~~4人は初めて相対するッ!異世界の住人ッ!!!
 
ピカチュウ「~~~~~っ!!」
 
コイル「~~~~~~~っ!!」
 
グラードン「……ん?」チラツ
 
ピカチュウ「!!!!」
 
グラードン「あっ!ピカチュウてめぇこんなとこにいやがったのか!」
 
ピカチュウ「――――」(ピカ!)
           (※ やばい!)
 
グラードン「また勝手なことしやがって……【アルさん】怒ってたぞバカヤロウ」



190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:19:21.88 ID:1JrBAGBxo

ドド ド ド ド ド ド 
 
レウス「……!」(…なんだって……ピカ……?)
 
コイル「~~~~~っ!!」
 
グラードン「あっ!コイルまでいるじゃねぇかバカヤロウ」
 
桜「!!」(……コイル……?)
 
ド ド ド ド ド ド ド ト ゙ ト ゙ ト ゙ ト ゙
 
グラードン「ピカチュウてめぇコノヤロウいい加減にしねぇとマジ殺されるぞバカヤロウ」
 
レイア「……っ!!!」
 
ド ト ゙ ト ゙ ト ゙ ドド ド ド ドド ド  
 
イャンクック「 … …  」
 
ピカチュウ「……ピっ…!ピカチュウゥゥゥゥゥゥ!」がくがく
 
ドッ ドッ ドッド ッ ドッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッ ド ッドッ ド ッ ド ッ  
 
 
 
イャンクック「……ピカチュウ…?」



192:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:20:26.55 ID:1JrBAGBxo

ピカチュウ「ピカチュゥゥゥゥゥゥ!!!」
 
クック「……そうか。お主の名はピカチュウというのか」
 
グラードン「ああっ!?俺の名はグラードンだバカヤロウ!」
 
桜「おめーに言ったんじゃねぇよ」ゴゴゴゴゴゴ
 
グラードン「てめぇの名はなんだバカヤロウ!」
 
クック「イャンクックだ」
 
グラードン「!!!!!!」
 
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド 
 
グラードン「なんだバカヤロウ早く言えってんだコノヤロウ」ゴゴゴゴ
 
クック「狙いはワシか」
 
グラードン「そうだバカヤロウ!」シャキン!
 
~~~~グラードンの両方の爪がキラリと光った!
その場にいる誰も感じ取ったッ!
この得体の知れない赤い奴が臨戦態勢に入ったとッ!!
 
クック「……闘いになるかよ……」ゴゴゴゴゴ



193:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:21:29.25 ID:1JrBAGBxo

レウス&レイア&桜「!!!!!」ぞッ
 
~~~クックも臨戦態勢に入った瞬間、3人の背に鳥肌が立ったッ!!
 
グラードン「まず最初は爪で切り裂いたらぁーーーーーーーッ!!!」ぐあぁッ
 
クック「――――――」
 
グラードン「なわけねーだろバカヤロウ!!!!」ギイン!!
 
~~~~~グラードンの眼が怪しく光ったッ!その直後ッ!!
 
ぐ ら ぐ ら ぐ ら 羅 ら ら ラ ラ ラ  ら ら 
 
『 地 震 』ッ!!!地震が発生したッ!!!!
 
レウス「うおッ!!!」ゆらららら
 
レイア「わッ!!!」ぐらり
 
桜「ちィッ!」ぐらッ!
 
バサル「ッ!!!!????」 飛び起きた!
 
クック「っ」ヴァッ!
 
~~~~クックの尋常ならざる反応速度ッ!!跳んで回避したッ!!



197:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:22:55.28 ID:1JrBAGBxo

グラードン「だから避けんなって言ってんだよバカヤロウ!!!」ドドドド
 
~~~グラードンが爪を振りかざして宙にいるクックに向かって突っ込んだッ!
疾いッ!!!重そうな外見に似合わず疾い動きをするッグラードンッ!!!
 
グラードン「アイアンクロォァアアッ!!!」ぶんッ!
 
クック「ぬ」しゃッ
 
~~~~しかしクックはもっと疾いッ!アイアンクロ―を避けるッ!
 
グラードン「てんめぇ~~~コノヤロォオオオァアアッ!!!」ぶちぶち
 
~~~どうやらグラードンは自分の攻撃が外れることを激しく嫌うらしいッ!
 
グラードン「浮いてたら普通避けれねぇだろうがバカヤロウ!」ぶんッ
 
グラードン「アイアンテールぅああああッ!!!!」ぶおッ!
 
クック「   」ひゅッ
 
~~~~グラードンがその太く硬い尻尾を宙にいるクックに向かってフルスイングしたッ!斜め下から斜め上に向けてであるッ!
そしてクックは宙で膝を抱え込んで、丸くなったッ!
なんとッ!!
クックはグラードンの尻尾攻撃を両方の 足 の 裏 で受けたのだッ!!
尻尾の衝撃に逆らわず、パワーの方向にそのまま飛ばされたのであるッ!
相手の攻撃の威力がどれほどのものか測れてなおッ!自身にダメージはないッ!という、超高度なテクニックであるッ!
常軌を逸した運動神経と格闘センスを合わせ持つ者のみに許された、神業的受け身であるッ!!!



200:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:23:53.15 ID:1JrBAGBxo

クック「    」くるくるくるくる……すとっ
 
~~~クックはそのまま宙でくるくると回転し、すとっと羽毛のように軽く降り立ったッ!
 
グラードン「てめぇこの野郎ッ……!!この野郎てめぇッ……!!」ぶちぶちぶちっ!
 
クック「……ふむ」(……地割れや地震を起こす特殊能力に……)
 
グラードン「なにシャレた避け方してんだバカヤロウ!!!」
 
クック「……なるほど」(……まともにくらえば全身の骨が砕けるであろう威力の肉弾攻撃か)
 
ド ド ド ド ド ド  ド 
 
 
クック「……強敵じゃな」
 
グラードン「ああッ!?」
 
クック「おもしろいわ」にやり
 
~~~クックは不敵に笑ったのだッ!!未知の強敵を前にしてッ!!!
 
グラードン「てんめぇコノヤロウバカヤロウてめぇ~~~~」ぶちぶちぶちぶち!
 
~~~~が、その不敵な笑みはグラードンのお気に召さなかったらしいッ!!
 
グラードン「人を馬鹿にすんのもいい加減にしとけよバカヤロォアアアアッ!!!!」




202:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:24:48.13 ID:1JrBAGBxo

桜「……おめぇの攻撃を避けてるだけで」
 
レウス「……別に馬鹿にしてるわけじゃ」
 
レイア「……ゴクリ」
 
グラードン「うるせぇぞバカヤロウ!!」シャキン!
 
クック「――――む」
 
グラードン「オアァッ!!!」 マッドショットッ!!!
 
~~~グラードンが口から泥の塊を放った!弾丸のようにクックに向かっているッ!
 
クック「   」さっ  避けるッ!!
 
グラードン「     」しゃッ!!!
 
クック「!」
 
~~~~疾いッ先ほどよりもッ!!!
マッドショットを撃ったと同時に動き出していたグラードンッ!
右手の爪がクックを襲うッ!!!



203:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:25:55.48 ID:1JrBAGBxo

     ず ど ん っ !!!!
 
グラードン「……がっ……」ぼごォっ……!!!!
 
レウス&レイア&桜「……!!!」
 
クック「…………」
 
~~~~今なにが起きたのかッ!?
マッドショットを撃つと同時にクックに突っ込んだグラードンッ!!右手の爪でクックの体を切り裂こうと爪をまっすぐ突き刺したッ!
これをクックは見切ったッ!
爪が届く直前、まずクックは半回転してグラードンに対し、一瞬だけ背を向ける状態になったッ!!
背を向けると同時に、左足を軸足にして右足を敵の方向にまっすぐに突き出したのであるッ!
そうつまり  後 ろ 蹴 り の形であるッ!!
突っ込んできたグラードンの攻撃を避けつつ、カウンターの後ろ蹴りをお見舞いしたのだッ!!
クックの右足の踵が、グラードンの腹のど真ん中に叩き込まれていたのであるッ!!
 
そして『  ずどんっ!  』という物凄い音が鳴ったのだッ!!!
グラードンの腹が『ぼごォッ』と大きく陥没していたッ!!!!



205:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:26:57.69 ID:1JrBAGBxo

グラードン「……がッ……ひゅッ……」ふらッ……どたッ!
 
~~~グラードンが膝を着いたッ!!
 
グラードン「……ひゅッ……ひゅっ……がはぁっ!!」 吐血っ!!!
 
レウス「……す……すげぇ…!」
 
桜「……」(相変わらずだな先生の強さは……)
 
レイア「……ゴクリ」
 
グラードン「…ひゅっ…ひゅっ…」(…ふ……ふざけんじゃねぇぞバカヤロォ~~~っ…!)
 
クック「……さて、グラードンくん……といったかな?」コツ…コツ…
 
グラードン「…ひゅっ……ひゅ~っ!…」(こんな化け物なんて聞いてねぇぞコノヤロォ~~~っ……!!)
 
クック「まず、君たちは何者で……なぜ我らを狙う?」コツ…コツ…
 
グラードン「……ひゅっ…ひゅ~っ…!!」(や、やべぇぞ…!!)
 
クック「  こ た え よ  」 ギロリ
 
    ぞ く り っ !!!!
 
グラードン「ひゅっ…ひゅっ…ひゅっ」(…い…息が出来ねぇんだよバカヤロウッ…!)



206:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:27:53.14 ID:1JrBAGBxo

~~~~~トライ地方  火山  深夜
 
ブラキ「……ぐっ……」ふらっ……どさっ
 
ルカリオ「はぁーっ!はぁーっ!」ゼイ、ゼイ
 
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 
アグナ「素晴らしいッ!!素晴らしい戦いでしたッ!!!」
アグナ「両者一歩も譲らぬ壮絶な殴り合いを制したのはッ!! 謎の新人ルカリオ選手ッ!!!」
アグナ「新チャンピオンにどうぞ盛大な拍手をッ!!!!」
 
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 
ルカリオ「……」すっ…  手を差し出した!
 
ブラキ「………ふっ……」にやり…   がっ  手を握った!
 
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 
アグナ「なんとッ!!!握手ですッ!!倒れたブラキ選手にルカリオ選手が手を差出し、ブラキ選手がそれを握ったッ!そして抱き起したッ!!!」
 
ルカリオ&ブラキ「………」 だきっ
 
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 
アグナ「そのまま熱い抱擁をかわしているぅーーーーーーーーっ!!!!」
 
ガンキン「うう……涙が止まりません」ぐすっ



209:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:28:42.28 ID:1JrBAGBxo

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 
アグナ「私はっ…!!この戦いを見れたことをっ……心から幸せに思うっ…!!ううっ!」ポロ…ポロ…
 
ガンキン「…ううっ……ほんと……に……感動ぢました」ポロ…ポロ…
 
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 
ルカリオ「…………ブラキ…」ひそひそ
 
ブラキ「……なんだ…?」
 
ルカリオ「……今から言うことを……俺の言うことを信じて聞いてくれ」ひそひそ
 
ブラキ「……?」
 
ルカリオ「……この歓声に紛れて……遠くに逃げろ」
 
ブラキ「……なに…?」
 
ルカリオ「……お前たちは……全員殺される」
 
ブラキ「…………な……」
 
ルカリオ「頼むブラキ。信じてくれ。お前は死なせたくない」




215:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:30:03.23 ID:1JrBAGBxo

ルカリオ「いいから逃げるんだ。できるだけ遠くへ」
 
ブラキ「……俺だけか?」
 
ルカリオ「…ああ。とてもこの人数h」
 
ぎゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいん
 
~~~突如ッ!!! ルカリオの背後の空間に裂け目が生じたッ!!!
 
ルカリオ「        」ぞッ……    くるッ!  振り向くッ!!!
 
「ルカリオ……あなたはいったい何をやっているのです……?」
 
全員「!!!!????」
 
ブラキ「!!??」
 
~~~~そして空間の裂け目から、そいつが出てきたッ!!!
 
パルキア「……いったいどういった理由で敵と抱擁など……?」
 
アグナ「な、なんだぁーーーーーーーッ!? また誰か現れたぞォーーーーーーッ!?」



220:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:31:40.40 ID:1JrBAGBxo

ルカリオ「……ッ」
 
ド ッ ド ッ ド ッ ッ ド ッ  ドッ ッぅt ド ッ ド  ッド 
 
パルキア「……こたえなさい」ゴゴゴゴゴ
 
ブラキ「……ッ!!!」(なッ……なんだこいつはッ…!!)
 
ざわ…ざわ… なにあれ? 手品? ざわ…ざわ…
 
ガンキン「……何者でしょうか……? 彼は…」
 
アグナ「なんだかよくッわからんけどとりあえず名乗ってくださいッ!そこの人ッ!!」
 
パルキア「……!」くるッ
 
アグナ「お名前をッ!!!」
 
パルキア「……私ですか?」 
 
アグナ「はいッ!よろしければッ!!」
 
パルキア「これは失礼」すっ
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴ 
 
パルキア「【アルセウス直属護衛軍】の1人……パルキアと申します」ぺこり



224:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:33:06.66 ID:1JrBAGBxo

ざわ…ざわ… なに? アル? 護衛? パルキア? ざわ…ざわ…
 
アグナ「パルキアっ…!!パルキアという名前らしいですっ!!!」
 
ガンキン「だれかの護衛をしているようですね」
 
パルキア「以後お見知りおきを……ところでルカリオ」くるっ
 
ルカリオ「!!!」
 
ブラキ「……」ゴゴゴゴゴ
 
パルキア「ふふ、なるほど。そこの方と戦っているうちに友情でも芽生えましたか」
 
ルカリオ「……っ!!」
 
ド ド ド っ ド ト ゙ ト ゙ ド っ 度 
 
パルキア「まぁあなたが我々を裏切って【そちら側】につきたいなら、それで構いませんよ」
 
パルキア「そうなったらそうなったで……」
 
ドド ドド ドド ド ド ド ド  ドド   
 
パルキア「 修 羅 場 …… それだけのこと……」ニィ… ペロリ
 
ルカリオ「っ!!!!」 ぞ く り っ !!



230:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:34:16.53 ID:1JrBAGBxo

ブラキ「……っ!!」(こいつ……!!)
 
ルカリオ「ブラキ……」
 
ブラキ「!!」
 
ルカリオ「俺が時間を稼ぐから……全力で逃げろ」
 
ブラキ「なに!?」
 
パルキア「おや。私と戦うつもりですか……?」
 
ルカリオ「……早く逃げろ」ゴゴゴゴ!
 
パルキア「仲間と戦うのは不本意ですが……仕方ありませんね」ゴゴゴゴ
 
「その必要はないよ。パルキア」
 
~~~~~~~さっきの空間の裂け目から、声がしたっ!
そしてその声の主が、ぴょんと飛び出してきたッ!!!
 
 
アルセウス「やぁ。ルカリオ。元気そうだね」
 
全員「!!!!!??????」



234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:35:37.50 ID:1JrBAGBxo

アグナ「なななななんだぁーーーーッ!?どうなっているんだぁーーーーッ!?まーたまた誰か現れたぞォーーーーーーーッ!!!???」
 
ガンキン「う~ん……神々しいですねぇ」
 
ブラキ「ッ!!」
 
ルカリオ「……あ……あ……」がくがく
 
パルキア「アルセウス様」すっ…    膝をついて頭を下げた!
 
アルセウス「ルカリオ。僕たちを裏切るつもりかい?」
 
ルカリオ「……あ……く………」がくがく
 
アルセウス「ん?」
 
ルカリオ「……あ……あんたは……間違ってる……」
 
アルセウス「はは、面白いことを言うね。いつも言っているだろう?」
アルセウス「勝者は常に正しい者だ。正しい者が勝つ。そして僕はあらゆることに勝ってきた」
 
ルカリオ「     」
 
ド ド ド ド ド ド ドド  ド ド 
 
アルセウス「  全てに勝つ僕は  、 全て正しい  」アカシ



235:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/12/08(土) 15:37:08.80 ID:1JrBAGBxo

ルカリオ「……で……でも…!……こんな……こんな……やり方…!!」
 
アルセウス「わかったわかった」
 
ルカリオ「!!!」(……ああ……)
 
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  ゴゴ ゴ ゴ ゴ  
 
ブラキ「…っ!!」(なんだ…っ!!こいつはっ…!!)
 
アルセウス「そこまで言うなら」
 
パルキア「……ふふ」
 
ルカリオ「…………」(……ああ……俺は……)
 
~~~~~ルカリオはこの絶望的な状況の中でっ…!!!
あるひとつの確信を抱いていたっ……!!!
 
ルカリオ「…………」(ああ。俺は。……)
 
ゴゴ ゴ ゴ ゴゴ ゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  

ああ。
俺は。
今ここで死ぬ。
 
―――――――第8話   完