1: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:21:48 ID:Pd6


―――待ち合わせ場所


加蓮「――李衣菜を無視したらどうなるか?」


泰葉「急にどうしたのそんな10年くらい前のSSネタみたいなこと」

加蓮「や、李衣菜ってかわいいじゃん?」

泰葉「うん。目に入れても痛くないくらい」

加蓮「赤ちゃんかな?」

泰葉「ダメだよ無視なんて。いたずらにしても度が過ぎるよ」

引用元: モバP「だりやすかれんの思考実験」 



2: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:22:30 ID:Pd6
加蓮「そんなの分かってるってば。妄想だよ、妄想」

泰葉「むふふぅ♪」

加蓮「なんでアンタそんな物真似うまいの……」

泰葉「芸歴長いからね」フンス

加蓮「芸歴ってすごい」

泰葉「で、どうして李衣菜を無視したいの?」

加蓮「そんなわけないでしょバカじゃないの」

泰葉「え、ごめんね?」

3: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:23:07 ID:Pd6
加蓮「あくまで『李衣菜を無視したらどうなるか?』だよ。どんな結果が生まれるかという思考実験なの、これは」

泰葉「大仰なわりに酷いことするね」

加蓮「だからしないの、妄想なの! かわいいかわいい李衣菜をほんとに無視するやつがいたら」


泰葉「うん、私が海に沈めるね」

加蓮「こっっっわ」

4: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:23:56 ID:Pd6
泰葉「李衣菜を無視すると沈めます。思考実験終了」

加蓮「飛ばしすぎ飛ばしすぎ! そーじゃなくて、李衣菜がどういう反応するかだよ!」

泰葉「あんまり考えたくない……可哀想だもん」

加蓮「それはそうだけど……李衣菜来るまで暇だし」

泰葉「またお寝坊かな? ふふ、しょうがないんだから」

5: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:24:37 ID:Pd6
加蓮「そう、しょうがないんだよ。李衣菜が遅れる方が悪いってことで」

泰葉「それだけで無視するのは」

加蓮「話がループするってば。はい妄想開始!」


ほわわん↑

李衣菜『無視しないでよぉ……ぐすっ』

ほわわん↓


「「しゅーーーーりょーーーーー!!」」

6: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:25:12 ID:Pd6
加蓮「李衣菜を泣かせるやつは許さない!」

泰葉「後悔しながら沈んでしまえ!」

加蓮「だから怖い!」

泰葉「加蓮、手伝ってくれるよね?」

加蓮「……まぁまぁまぁ、やぶさかではないけど! それくらい許さない!」

泰葉「よし、共犯だね♪」ニッコリ

加蓮「その笑顔が一番怖いんだけど!?」

7: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:25:57 ID:Pd6
泰葉「やりますよ。岡崎泰葉は、やりますよ」

加蓮「園崎詩音の一句やめてよ……」

泰葉「1500秒でヤりますよ」

加蓮「その『ヤ』はアイドルが言っちゃダメな漢字だよね?」

泰葉「ピー音入れてね」

加蓮「どうやって!?」


李衣菜「……あの、盛り上がってるとこ悪いんだけどさ」ヒョコ

「「!?」」

8: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:26:34 ID:Pd6
加蓮「り、李衣菜いつの間に!」

李衣菜「泰葉が『海に沈める』とか物騒なこと言ってる時から」

加蓮「結構前から居たんだ……」

泰葉「李衣菜、どこの誰に泣かされたの? 私に任せて」

李衣菜「現実と妄想が混ざってるよ泰葉……無視されたくらいじゃ泣かないからね? そんな弱くないよ私」

9: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:27:17 ID:Pd6
加蓮「まぁ尺的な都合で過程すっ飛ばしたけど」

李衣菜「妄想なのに尺があるんだね……」

泰葉「尺を考えないとバラエティで使ってもらえないからね」

李衣菜「もはや職業病だね……。うーん……でも、もしかしたら泣くのかなぁ私。無視されたことないから分かんないや」

10: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:28:03 ID:Pd6
泰葉「ふふ、だろうね」

加蓮「李衣菜はどこでも人タラシだし?」

李衣菜「そ、それはどうだろ。あんまり考えたことないけど」

泰葉「でも、そういう人ほど妬まれて僻まれるんだよ。社会の常なの、それは」

加蓮「今日の泰葉は闇属性なの?」


李衣菜「……ちょっと分かる、かも」

加蓮「え」

11: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:28:37 ID:Pd6
李衣菜「たまにだけどね、『何も考えてないと楽でいいねー』とか……まぁそういうこと言われるよ。たまにね、ほんとたまに」

泰葉「沈めよう」

加蓮「沈めよう」

李衣菜「加蓮さっき怖いって言ってたよね!?」

加蓮「やりますよ。北条加蓮も、やりますよ」

李衣菜「感染った!」

12: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:29:19 ID:Pd6
泰葉「まずスタンガンで」

加蓮「後ろから」

李衣菜「ストップストップ、最後まで聞いてよ! そういうこと言われたら『ライブ観に来て』とか『ラジオ聴いて』とか言うよっ」

李衣菜「私が……ううん、私たち3人がどんなふうにアイドルしてるかまず見て、それから判断してって。そう言ってるよ」

13: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:29:54 ID:Pd6
泰葉「……李衣菜」

李衣菜「そしたらさ、『ごめんね、間違ってた』って理解してもらえるんだ。謝ってほしいわけじゃないんだけど」

加蓮「ふふっ、それも李衣菜の人タラシぢからのせいなんじゃないの?」

泰葉「そうだよ、捻くれてる人はとことん捻くれてるんだから」

李衣菜「ええー、そうかなぁ」

14: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:30:29 ID:Pd6
李衣菜「ってわけで、今のところ無視されるような事態にはなってないから。怖いこと言わないでね」

泰葉「……はーい」

加蓮「へーい」

李衣菜「うーん生返事。ま、困ったことあったら真っ先に2人に相談するよ!」

泰葉「任せて、すぐ沈めるから♪」

加蓮「アンタそのフレーズ気に入ったの?」

15: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:31:05 ID:Pd6
泰葉「決め台詞は『シンキングタイムスタート♪』で行こうかな?」

李衣菜「そっちのシンキング!?」

加蓮「ちょっと好きかも」

泰葉「『なぜ自分が沈められているか考えてみて?』というダブルミーニング……!」

李衣菜「深いね……」

加蓮「深く深く沈んでいくからね」

泰葉「イイね」

16: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:34:13 ID:AVc
加蓮「待って? 話は『李衣菜を無視したらどうなるか?』だよ? なんで泰葉メインになってるの??」

泰葉「言葉遊びって楽しいよね♪」

李衣菜「妄想の種にされるくらいなら多少は闇の話でもいいかな私は」

加蓮「それについては一応ごめん――ってそもそも李衣菜が遅れたのが悪いんだからね!?」

17: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:36:01 ID:AVc
李衣菜「あ、そうだったね! ごめんね遅れちゃって」

泰葉「急ぎじゃないから全然いいよ。ね、加蓮?」

加蓮「どーせ寝坊したんでしょ? 妄想どころか想像しなくても分かるんだから」

李衣菜「ううん、ちょっと人を沈めてきたんだ」

加蓮「ふえ」

泰葉「えっ」

李衣菜「……いや、冗談だよ?」

18: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:37:03 ID:AVc
泰葉「李衣菜、やっぱり……!」ガクガク…

加蓮「ひ、批判した人を……!」ブルブル…

李衣菜「そんなわけないよ!? ちょっ、寝坊! 寝坊しました! だから距離取らないで!」

泰葉「はっ! い、隠語……『寝坊』は隠語……!?」

加蓮「じゃ、じゃあ今までの寝坊も……!?」

李衣菜「やーめーてーよー!!」

19: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:37:55 ID:AVc
泰葉「『キミは永遠に眠ることになるんだ……』って!」

加蓮「エージェント李衣菜! ロックなんじゃない?」

李衣菜「えっほんと? って誤魔化されるかー! 無視されるよりこっちの方がいやだ! この~!」

加蓮「あはは、怒った~♪」タタッ

泰葉「沈められちゃう~♪」テテテッ

李衣菜「こら、待てーっ!」ダッ

20: ◆5F5enKB7wjS6 20/12/28(月)00:38:33 ID:AVc

加蓮「まずは原宿でショッピングね♪」

泰葉「そのあとはクレープ食べようね♪」

李衣菜「最後は東京湾行こうねっ」ムスッ


加蓮「怒んないでよ――♪」

泰葉「奢ってあげるから――♪」

李衣菜「んも~――!」


きゃっきゃ―――



おわり