6: ‎ 2009/04/11(土) 16:55:13.50 ID:CCV5WPCdO
「さて…、何でこんな事になったんだ?」
キョンが古泉さんに訪ねている
「恐らくは…」
「いや待て、言わなくても分かる。…ハルヒだな」
「ご名答です。間違いなく涼宮さんの仕業ですね…」
長門さんのマンションには僕を含め五人の人間が居る
そのうち男子二人は頭を抱え、長門さんは先程からずっと本のページを繰っていた。
朝比奈さんは皆にお茶を出した後、時折僕の姿を眺めては優しく微笑んでいた。
「何でハルヒは佐々木をこんな姿に変えたんだ」
こんな姿…と言われて、僕は内心少し傷ついた。これでも結構気に入ってるんだがな…。
キョンが古泉さんに訪ねている
「恐らくは…」
「いや待て、言わなくても分かる。…ハルヒだな」
「ご名答です。間違いなく涼宮さんの仕業ですね…」
長門さんのマンションには僕を含め五人の人間が居る
そのうち男子二人は頭を抱え、長門さんは先程からずっと本のページを繰っていた。
朝比奈さんは皆にお茶を出した後、時折僕の姿を眺めては優しく微笑んでいた。
「何でハルヒは佐々木をこんな姿に変えたんだ」
こんな姿…と言われて、僕は内心少し傷ついた。これでも結構気に入ってるんだがな…。
7: 2009/04/11(土) 16:56:31.41 ID:CCV5WPCdO
「考えられる理由は一つですね。涼宮さんは佐々木さんを恐れているのです。」
「恐れている?なんでハルヒが佐々木を恐れなくちゃいけないんだ。」
「彼女が恐れている事はあなた方お二人が親しい関係になる事ですよ。」
なるほど、そういう事か。
「俺と佐々木は昔からずっと親しいだろうが」
くっくっ、キョン…君は本当に鈍感だね。
「そういう類の親しさでは無いんですよ。彼女が危惧している事は
あなた方が恋人関係へと発展してしまう事なんです。」
「恐れている?なんでハルヒが佐々木を恐れなくちゃいけないんだ。」
「彼女が恐れている事はあなた方お二人が親しい関係になる事ですよ。」
なるほど、そういう事か。
「俺と佐々木は昔からずっと親しいだろうが」
くっくっ、キョン…君は本当に鈍感だね。
「そういう類の親しさでは無いんですよ。彼女が危惧している事は
あなた方が恋人関係へと発展してしまう事なんです。」
9: 2009/04/11(土) 16:57:56.37 ID:CCV5WPCdO
「だが何でハルヒがそんな事を気にするんだ?そりゃ恋人が出来れば
部活動へ毎日参加する事は困難になるだろうが…」
その瞬間、僕を含めた他の四人は口々にこう呟いた。
「鈍感…」
「何が鈍感だって?」
「もういいです…、とにかく彼女は其処にいらっしゃる佐々木さんを
子供に還してしまえば、貴方は彼女に対する興味を失うと考えたのでしょう」
そう、今僕の身体は小学生ほどの大きさに縮小されている。
今朝不可解な夢から目が覚めると、今のような状態に体が縮んでいたのだ。
某高校生探偵にでもなったような気分だった
部活動へ毎日参加する事は困難になるだろうが…」
その瞬間、僕を含めた他の四人は口々にこう呟いた。
「鈍感…」
「何が鈍感だって?」
「もういいです…、とにかく彼女は其処にいらっしゃる佐々木さんを
子供に還してしまえば、貴方は彼女に対する興味を失うと考えたのでしょう」
そう、今僕の身体は小学生ほどの大きさに縮小されている。
今朝不可解な夢から目が覚めると、今のような状態に体が縮んでいたのだ。
某高校生探偵にでもなったような気分だった
11: 2009/04/11(土) 17:01:43.77 ID:CCV5WPCdO
さて、どうしたものかと考えた時にキョンの顔が浮かんだ。
そうだ、彼に助けを請おう。キョンの家になら小学生の妹さん用の服がある。
それを借りよう。そして僕はダボダボの服を引きずりキョンの家まで向かった。
キョンはその時歯磨きをしていて、僕を見るなり驚いてむせ返ってしまった。
しかし直ぐにおおよそ事態を飲み込み、妹さんの服を僕に用意してくれた。
そして何処かに電話をかけ、数分後タクシーが家の前にやってきた。
中には古泉さんが乗っていた。
「おはようございます。つもる話は長門さんの部屋でしましょう。」
そうだ、彼に助けを請おう。キョンの家になら小学生の妹さん用の服がある。
それを借りよう。そして僕はダボダボの服を引きずりキョンの家まで向かった。
キョンはその時歯磨きをしていて、僕を見るなり驚いてむせ返ってしまった。
しかし直ぐにおおよそ事態を飲み込み、妹さんの服を僕に用意してくれた。
そして何処かに電話をかけ、数分後タクシーが家の前にやってきた。
中には古泉さんが乗っていた。
「おはようございます。つもる話は長門さんの部屋でしましょう。」
14: 2009/04/11(土) 17:07:34.11 ID:CCV5WPCdO
そして現在に至る。
「勿論貴方が特殊な 癖を持っていて、子供の方が良い。と言うのであれば話は別ですが」
「やれやれ、安心しろ俺は コンじゃない」
そこで僕は言う。
「それなら、僕がキョンの家で暫く御世話になっても大丈夫だね」
「あぁ、だいじょ…何だって!?」とキョンが戸惑う。
「暫く君の家で世話になりたい。こんな姿で一人で家に居るのは不安なんだよ」
「一人?」
「あぁ、今両親は旅行中で家には誰も居ないんだよ。」
「しかし、子供の姿とはいえ女子と、それも佐々木と一つ屋根の下というのは…。」
「勿論貴方が特殊な 癖を持っていて、子供の方が良い。と言うのであれば話は別ですが」
「やれやれ、安心しろ俺は コンじゃない」
そこで僕は言う。
「それなら、僕がキョンの家で暫く御世話になっても大丈夫だね」
「あぁ、だいじょ…何だって!?」とキョンが戸惑う。
「暫く君の家で世話になりたい。こんな姿で一人で家に居るのは不安なんだよ」
「一人?」
「あぁ、今両親は旅行中で家には誰も居ないんだよ。」
「しかし、子供の姿とはいえ女子と、それも佐々木と一つ屋根の下というのは…。」
16: 2009/04/11(土) 17:10:16.32 ID:CCV5WPCdO
「僕じゃ不満かい?」
「いや、不満とかじゃなくてだな」
「それじゃあ決定ですね。佐々木さんを宜しくお願いします」
「はぁ…、やれやれ」
「くっくっ」
こうして、僕はキョンの家で暫くの間暮らす事になった。
「いや、不満とかじゃなくてだな」
「それじゃあ決定ですね。佐々木さんを宜しくお願いします」
「はぁ…、やれやれ」
「くっくっ」
こうして、僕はキョンの家で暫くの間暮らす事になった。
17: 2009/04/11(土) 17:16:06.86 ID:CCV5WPCdO
・・・
・・
・
家まで古泉がタクシーで送ってくれ、俺の両親に
子供を一人預かってもらいたいと事情を説明した。
俺は二階に居たのでその内容は分からなかったが
古泉の横で話を聞いていた佐々木曰く、
劇作家顔負けの悲劇的な筋立てを創り上げたという
俺の両親は涙を流し、佐々木まで泣きそうになったと言うのだから
よほど古泉の話し方には信憑性があり、熱意が籠もっていたのだろう
古泉、何だかんだでやはりお前は頼りになる奴だな
・・
・
家まで古泉がタクシーで送ってくれ、俺の両親に
子供を一人預かってもらいたいと事情を説明した。
俺は二階に居たのでその内容は分からなかったが
古泉の横で話を聞いていた佐々木曰く、
劇作家顔負けの悲劇的な筋立てを創り上げたという
俺の両親は涙を流し、佐々木まで泣きそうになったと言うのだから
よほど古泉の話し方には信憑性があり、熱意が籠もっていたのだろう
古泉、何だかんだでやはりお前は頼りになる奴だな
22: 2009/04/11(土) 17:20:53.06 ID:CCV5WPCdO
帰り際に古泉は、なるべく早急に佐々木を元に戻す方法を考えるので
それまでは宜しく頼む、と言い残した。
「ふぅ、やっと落ちついたな」
俺たちは二階の自室に行き、腰を下ろしくつろいだ。
「そうだね、キョン。あっ…」
「どうした?」
「そういえば学校はどうしよう…」
「あ…」
俺は古泉に電話を掛け、助けを請う事にした。
「彼女の学校ですか…、考えもしませんでした。不覚です。
…結論から言うと、これは不味いですね」
「あぁ…、確かに授業を休み続けるのは不味…」
「そうじゃありません!」俺の言葉を断つ形で古泉が叫ぶ。
それまでは宜しく頼む、と言い残した。
「ふぅ、やっと落ちついたな」
俺たちは二階の自室に行き、腰を下ろしくつろいだ。
「そうだね、キョン。あっ…」
「どうした?」
「そういえば学校はどうしよう…」
「あ…」
俺は古泉に電話を掛け、助けを請う事にした。
「彼女の学校ですか…、考えもしませんでした。不覚です。
…結論から言うと、これは不味いですね」
「あぁ…、確かに授業を休み続けるのは不味…」
「そうじゃありません!」俺の言葉を断つ形で古泉が叫ぶ。
23: 2009/04/11(土) 17:28:22.48 ID:CCV5WPCdO
いきなり古泉が大声を上げるもんだから、俺は驚き一瞬体を浮かせた。
それを見て佐々木がクスクス笑う。
「大声を上げてすいません。しかし状況は深刻です」
「どういう事だ?」
「考えてもみて下さい。観察対象である佐々木さんが目の前から
消えてしまったら、彼女達がどう出るかは想像はつくでしょう?」
「おいおい、“彼女達”ってのは一体…」そう言い掛けた俺の脳裏に
ある三人の顔が浮かんだ。
それを見て佐々木がクスクス笑う。
「大声を上げてすいません。しかし状況は深刻です」
「どういう事だ?」
「考えてもみて下さい。観察対象である佐々木さんが目の前から
消えてしまったら、彼女達がどう出るかは想像はつくでしょう?」
「おいおい、“彼女達”ってのは一体…」そう言い掛けた俺の脳裏に
ある三人の顔が浮かんだ。
38: 2009/04/11(土) 18:08:14.02 ID:CCV5WPCdO
「橘、藤原、そして九曜…。あいつらか」
「えぇ、その通りです。彼女達なら直ぐに異変を察知し、血眼になって
佐々木さんを捜すでしょう。」
「どうすりゃいい?」
「どうしようもありませんね…。」と古泉は言う。
「えぇ、その通りです。彼女達なら直ぐに異変を察知し、血眼になって
佐々木さんを捜すでしょう。」
「どうすりゃいい?」
「どうしようもありませんね…。」と古泉は言う。
40: 2009/04/11(土) 18:14:59.52 ID:CCV5WPCdO
「相手方も馬鹿じゃありません。佐々木さんの交友関係も既に抑えてる筈です。
その中でも貴方は中学以来の友人で、尚且つ僕らとも繋がっていますからね」
「……」
俺は古泉が属する“機関”と橘が属する“機関”、この二つの対立について考えを巡らせてみた。
ハルヒと佐々木、二人の“神”を巡っての根深い対立だ。
その中でも貴方は中学以来の友人で、尚且つ僕らとも繋がっていますからね」
「……」
俺は古泉が属する“機関”と橘が属する“機関”、この二つの対立について考えを巡らせてみた。
ハルヒと佐々木、二人の“神”を巡っての根深い対立だ。
41: 2009/04/11(土) 18:23:43.89 ID:CCV5WPCdO
恐らくは血生臭い抗争も幾度と無くあったに違いない…。
古泉も参加したのだろうか?その…言うなれば“宗教戦争”に
そして人を…
「どうしました?」
古泉の一言で俺は現実に引き戻される。
「いや、なんでもない。」
「そうですか。でもたとえ居場所が彼女に見つかったとしても
貴方と貴方のご家族の身の安全は保証できますよ。」
古泉も参加したのだろうか?その…言うなれば“宗教戦争”に
そして人を…
「どうしました?」
古泉の一言で俺は現実に引き戻される。
「いや、なんでもない。」
「そうですか。でもたとえ居場所が彼女に見つかったとしても
貴方と貴方のご家族の身の安全は保証できますよ。」
44: 2009/04/11(土) 18:29:04.00 ID:CCV5WPCdO
「どういうことだ?」
「貴方は佐々木さんにとって大切な友人です。その友人を傷付け、
わざわざ佐々木さんに嫌われる様な真似を彼女達はしませんよ」
古泉のこの一言で俺は安堵の溜息をついた。
「ただ佐々木さんからは目を離さない事です。いつ彼女達が接触してくるか
分かりませんから。」
「あぁ、そうだな。取り敢えず明日一日は傍を離れない様にする。」
「貴方は佐々木さんにとって大切な友人です。その友人を傷付け、
わざわざ佐々木さんに嫌われる様な真似を彼女達はしませんよ」
古泉のこの一言で俺は安堵の溜息をついた。
「ただ佐々木さんからは目を離さない事です。いつ彼女達が接触してくるか
分かりませんから。」
「あぁ、そうだな。取り敢えず明日一日は傍を離れない様にする。」
45: 2009/04/11(土) 18:36:10.74 ID:CCV5WPCdO
「では貴方は明日の市内探索に来れませんね。
涼宮さんのご機嫌取りが大変そうです。」そこで古泉は溜息をついた。
「スマン…今度何か奢らせてもらう」
「大丈夫です、涼宮さんのご機嫌取りは今や僕の日課です。」
「恩に着るぞ古泉。」
「いえいえ、それではまた…」
「あぁ、それじゃあな」
涼宮さんのご機嫌取りが大変そうです。」そこで古泉は溜息をついた。
「スマン…今度何か奢らせてもらう」
「大丈夫です、涼宮さんのご機嫌取りは今や僕の日課です。」
「恩に着るぞ古泉。」
「いえいえ、それではまた…」
「あぁ、それじゃあな」
47: 2009/04/11(土) 18:41:55.10 ID:CCV5WPCdO
電話が切れる。
「さて」
俺は声に出して呟く。
さて、気を引き締めなくては…
古泉も言っていたが俺がしっかり佐々木を見守っていなくてはならない。
俺は一階に降り洗面所で顔を洗い、冷たい水を飲んだ…。
「さて」
俺は声に出して呟く。
さて、気を引き締めなくては…
古泉も言っていたが俺がしっかり佐々木を見守っていなくてはならない。
俺は一階に降り洗面所で顔を洗い、冷たい水を飲んだ…。
49: 2009/04/11(土) 18:47:18.82 ID:CCV5WPCdO
部屋へ戻ると、佐々木はベッドの上に横たわり眠っていた。
慣れない身体で疲れていたのだろう。
俺は腹が減り再び一階へ降り、台所へ冷蔵庫の食物を漁りに行く事にした。
慣れない身体で疲れていたのだろう。
俺は腹が減り再び一階へ降り、台所へ冷蔵庫の食物を漁りに行く事にした。
54: 2009/04/11(土) 18:52:24.41 ID:CCV5WPCdO
・・・
・・
・
ん…、眠ってしまっていたか…。
慣れない子供の身体のせいか疲れてたんだな、きっと。
僕はベッドから起き上がり、部屋を見渡した。
…キョンが居ない?トイレかな?
まぁいい、そのうちに戻ってくるだろう。
僕が再び部屋を見渡した時、本棚に眼が留まった。
そうだ、キョンが戻ってくるまで何か本でも読んでいよう。
・・
・
ん…、眠ってしまっていたか…。
慣れない子供の身体のせいか疲れてたんだな、きっと。
僕はベッドから起き上がり、部屋を見渡した。
…キョンが居ない?トイレかな?
まぁいい、そのうちに戻ってくるだろう。
僕が再び部屋を見渡した時、本棚に眼が留まった。
そうだ、キョンが戻ってくるまで何か本でも読んでいよう。
57: 2009/04/11(土) 18:58:08.58 ID:CCV5WPCdO
僕は本棚の最上段に小説を見つけ、それを手に取ろうとして椅子を用意した。
うぅ…駄目だ。手が届かない…あとちょっと…
「よし、やっと掴めた…。」
が、本を手に掛けた瞬間、気の緩みから椅子の上で保っていたバランスが崩れた。
「うわっ!?」
僕は椅子から落ち、その反動で僕が掴んでいた小説と共に他の書物もなだれ落ちてきた。
うぅ…駄目だ。手が届かない…あとちょっと…
「よし、やっと掴めた…。」
が、本を手に掛けた瞬間、気の緩みから椅子の上で保っていたバランスが崩れた。
「うわっ!?」
僕は椅子から落ち、その反動で僕が掴んでいた小説と共に他の書物もなだれ落ちてきた。
60: 2009/04/11(土) 19:03:46.97 ID:CCV5WPCdO
「あいたた…」
辺りには本棚から落下した大量の書物が散乱している。
そしてその書物の中には実に興味深い書物も数冊見受けられた…。
ん?これは
「……ッ!!」
なるほど…くっくっ、実に面白い…
辺りには本棚から落下した大量の書物が散乱している。
そしてその書物の中には実に興味深い書物も数冊見受けられた…。
ん?これは
「……ッ!!」
なるほど…くっくっ、実に面白い…
61: 2009/04/11(土) 19:09:54.10 ID:CCV5WPCdO
──二階への階段をのぼる途中何かが倒れる物音が聞こえ、俺は慌てて階段を駆け上がった。
部屋に入ると佐々木が椅子に座り、あたりには書物が散乱していた。
「どうしたんだ!?」
「本を取ろうとして、椅子から落ちたんだよ。大丈夫、怪我はない。」
「そうか…怪我が無くて良かったよ。」
佐々木は「くっくっ」と、その独特な笑い方で笑っている。
俺は何故笑っているのだろうと思ったが、取り敢えず散らばった本を片付ける事にした。
部屋に入ると佐々木が椅子に座り、あたりには書物が散乱していた。
「どうしたんだ!?」
「本を取ろうとして、椅子から落ちたんだよ。大丈夫、怪我はない。」
「そうか…怪我が無くて良かったよ。」
佐々木は「くっくっ」と、その独特な笑い方で笑っている。
俺は何故笑っているのだろうと思ったが、取り敢えず散らばった本を片付ける事にした。
64: 2009/04/11(土) 19:20:27.92 ID:CCV5WPCdO
あたりには沢山の本が散らばっていた。
小説は元より、週刊誌までもが、床一面に散乱している。
俺はそれを一つずつ拾い集めていく。
ジャンプ、マガジン、サンデ、
そしてxx…
xx?
小説は元より、週刊誌までもが、床一面に散乱している。
俺はそれを一つずつ拾い集めていく。
ジャンプ、マガジン、サンデ、
そしてxx…
xx?
67: 2009/04/11(土) 19:29:03.13 ID:CCV5WPCdO
俺はハッとなって佐々木を見た。
佐々木はゆっくりと立ち上がり、俺に向かって話し始めた。
「キョン…まさか君がこんな雑誌を読んでいるとはね…」
「これは…その…谷口が…」
「谷口?誰だいそれは?」
「き、北高の同級生だよ。そいつが置いてったヤツなんだよ…それ。」
スマン、谷口。
佐々木はゆっくりと立ち上がり、俺に向かって話し始めた。
「キョン…まさか君がこんな雑誌を読んでいるとはね…」
「これは…その…谷口が…」
「谷口?誰だいそれは?」
「き、北高の同級生だよ。そいつが置いてったヤツなんだよ…それ。」
スマン、谷口。
73: 2009/04/11(土) 19:35:32.97 ID:CCV5WPCdO
「へぇ、じゃあ中身は読んでないんだね?」
「あ、あぁ。他人の所有物を勝手に捨てるのも悪いからな。保管しているんだよ。」
「なんだ、そうなのか。」
「そ、そうなんだよ。あはは…」
ほっ…なんとかやり過ごせたか…。
俺は安堵の溜息をつく。
「そうかそうか。………Yes.ロリータ」
「No.タッチ!」
しまった!!
「あ、あぁ。他人の所有物を勝手に捨てるのも悪いからな。保管しているんだよ。」
「なんだ、そうなのか。」
「そ、そうなんだよ。あはは…」
ほっ…なんとかやり過ごせたか…。
俺は安堵の溜息をつく。
「そうかそうか。………Yes.ロリータ」
「No.タッチ!」
しまった!!
80: 2009/04/11(土) 19:42:57.33 ID:CCV5WPCdO
「キョン、君には失望だよ。すんなり非を認めるどころか人の所為にするなんてね」
「スマン…」
「今日は妹さんと一緒に寝る事にするよ。」
「あぁ…って、え?」
「スマン…」
「今日は妹さんと一緒に寝る事にするよ。」
「あぁ…って、え?」
81: 2009/04/11(土) 19:44:49.99 ID:CCV5WPCdO
俺の方は始めからそうするつもりだったんだが…
まさか俺と一緒に寝るつもりだったのか…?それは些か勿体ない事をしたな。
その時、階下のお袋が夕飯の支度が出来た事を告げた。
まさか俺と一緒に寝るつもりだったのか…?それは些か勿体ない事をしたな。
その時、階下のお袋が夕飯の支度が出来た事を告げた。
83: 2009/04/11(土) 19:50:46.68 ID:CCV5WPCdO
夕飯の席でも佐々木は俺とは眼を合わそうとはしなかった。
そして夕食が終わった後は妹の部屋でTVゲームで妹と遊んでいた。
俺は気が滅入ってきたので、シャワーを浴びた。
入浴を終え階段を上っていると、妹が佐々木と一緒に二階から降りてきた。
そして夕食が終わった後は妹の部屋でTVゲームで妹と遊んでいた。
俺は気が滅入ってきたので、シャワーを浴びた。
入浴を終え階段を上っていると、妹が佐々木と一緒に二階から降りてきた。
84: 2009/04/11(土) 19:55:41.48 ID:CCV5WPCdO
「キョンく~ん、佐伯ちゃんとお風呂入ってくるね~」
佐伯というのは古泉がとっさに考えた偽名だ。
あぁ、いってらっしゃい…
通りすぎる間際の佐々木の「覗かないでくれよ」という言葉で、
俺はというとまた気が滅入ってしまった。
佐伯というのは古泉がとっさに考えた偽名だ。
あぁ、いってらっしゃい…
通りすぎる間際の佐々木の「覗かないでくれよ」という言葉で、
俺はというとまた気が滅入ってしまった。
89: 2009/04/11(土) 20:18:27.31 ID:CCV5WPCdO
9時を回ったあたりで、妹の部屋から物音が消えた。
二人はもう眠りに就いたのだろう。
俺もなんだか疲れていたので眠る事にした。
・・・
・・
・
何かが俺の腕に当たった。とても暖かい…一体何だろう?
俺はゆっくりと眼を開く。となりには佐々木がいた。
二人はもう眠りに就いたのだろう。
俺もなんだか疲れていたので眠る事にした。
・・・
・・
・
何かが俺の腕に当たった。とても暖かい…一体何だろう?
俺はゆっくりと眼を開く。となりには佐々木がいた。
94: 2009/04/11(土) 20:23:32.17 ID:CCV5WPCdO
「起こしてしまったかな。すまない」
俺は驚いて声を上げそうになったが、佐々木がそれを制した。
「しー、今は夜中の3時だ。大声を出したら皆起きてしまうよ」
俺は枕元の目覚まし時計を見る。時刻は3時7分を差していた。
「どうしたんだ?一体」
俺は小声で尋ねる。
俺は驚いて声を上げそうになったが、佐々木がそれを制した。
「しー、今は夜中の3時だ。大声を出したら皆起きてしまうよ」
俺は枕元の目覚まし時計を見る。時刻は3時7分を差していた。
「どうしたんだ?一体」
俺は小声で尋ねる。
95: 2009/04/11(土) 20:28:28.08 ID:CCV5WPCdO
「さっき目を覚ましたんだが、どうにも眠れなくなってしまってね」
「それと俺の布団に潜りこむ事とどう関係あるんだ?」
「僕が最も安心出来る場所にいれば眠れると思ったんだ。」
「?どういう意味だ?」
「くっくっ。君は本当に鈍感だね、キョン…」
「それと俺の布団に潜りこむ事とどう関係あるんだ?」
「僕が最も安心出来る場所にいれば眠れると思ったんだ。」
「?どういう意味だ?」
「くっくっ。君は本当に鈍感だね、キョン…」
96: 2009/04/11(土) 20:36:30.92 ID:CCV5WPCdO
「よく言われる。俺は一緒に眠る事には一向に構わないぞ」
「襲わないかい?」
佐々木がクスクス笑いながら尋ねる。
「あのな、こんな場所で事に及んだりしても…」
「くっくっ、冗談さ。第一君にそんな度胸があるようには思えない。」
「やれやれ…」
「襲わないかい?」
佐々木がクスクス笑いながら尋ねる。
「あのな、こんな場所で事に及んだりしても…」
「くっくっ、冗談さ。第一君にそんな度胸があるようには思えない。」
「やれやれ…」
97: 2009/04/11(土) 20:44:38.65 ID:CCV5WPCdO
「ねぇキョン、頭を…撫でてくれないか。」
「何だって!?」
俺は驚いて声を上げる。
「しー!声を出しちゃいけないって。」
「あ、あぁ…すまない。だが何で頭を撫でて欲しいんだ?」
「キョン、君に撫でて貰えたら…なんだかよく眠れると思うんだよ。」
「何だって!?」
俺は驚いて声を上げる。
「しー!声を出しちゃいけないって。」
「あ、あぁ…すまない。だが何で頭を撫でて欲しいんだ?」
「キョン、君に撫でて貰えたら…なんだかよく眠れると思うんだよ。」
100: 2009/04/11(土) 20:53:22.77 ID:CCV5WPCdO
「お前がそこまで言うなら…」
「くっくっ、礼を言うよキョン。
僕が寝た後なら、少し位なら悪戯しても構わないよ?」
「はぁ…、あのなぁ」
「くっくっく、冗談さ。君の事を僕は信じるよ。」
「やれやれ…」
「くっくっ、礼を言うよキョン。
僕が寝た後なら、少し位なら悪戯しても構わないよ?」
「はぁ…、あのなぁ」
「くっくっく、冗談さ。君の事を僕は信じるよ。」
「やれやれ…」
102: 2009/04/11(土) 21:00:33.69 ID:CCV5WPCdO
それから俺は佐々木が眠りに就くまでの間、頭を撫でてやった。
佐々木は眠れなくなったという話が嘘の様に、直ぐにぐっすりと眠ってしまった。
佐々木が眠った後も、勿論俺は悪戯などしなかった。
やがて俺にも再び眠気が訪れ、目を閉じるとすぐに俺の意識を闇が飲み込んだ。
次の日、橘京子が俺の家を訪れた。
佐々木は眠れなくなったという話が嘘の様に、直ぐにぐっすりと眠ってしまった。
佐々木が眠った後も、勿論俺は悪戯などしなかった。
やがて俺にも再び眠気が訪れ、目を閉じるとすぐに俺の意識を闇が飲み込んだ。
次の日、橘京子が俺の家を訪れた。
118: 2009/04/11(土) 21:49:02.62 ID:CCV5WPCdO
俺が朝目を覚ましたとき、既に佐々木は一階にいた。
なんでもお袋の朝食作りを手伝っていたらしく、お袋がえらく感心していた。
「佐伯ちゃんは偉いわねぇ、高校生のあんたよりしっかりしてるわ」
まぁ、佐々木は高校生なわけだが…
そして朝食を食べ、俺は部屋に戻り佐々木を元の姿に戻す方法を考えていた。
だがそんな事は考えるだけ無駄だった。結局は全てハルヒの気まぐれなのだ。
なんでもお袋の朝食作りを手伝っていたらしく、お袋がえらく感心していた。
「佐伯ちゃんは偉いわねぇ、高校生のあんたよりしっかりしてるわ」
まぁ、佐々木は高校生なわけだが…
そして朝食を食べ、俺は部屋に戻り佐々木を元の姿に戻す方法を考えていた。
だがそんな事は考えるだけ無駄だった。結局は全てハルヒの気まぐれなのだ。
124: 2009/04/11(土) 21:57:01.87 ID:CCV5WPCdO
そこに立つ人物に俺は見覚えがあった…。
かつて朝比奈さん誘拐を決行したその女に…
「こんにちは。取り敢えず中に入れてもらえるかしら?」
──橘京子…古泉達と対立する一派の一人だ。
「用件を言え…」
俺の声は震えていた。背中には嫌な汗を掻き、Tシャツが背中に張り付いた。
用件は分かっている。佐々木だ。
かつて朝比奈さん誘拐を決行したその女に…
「こんにちは。取り敢えず中に入れてもらえるかしら?」
──橘京子…古泉達と対立する一派の一人だ。
「用件を言え…」
俺の声は震えていた。背中には嫌な汗を掻き、Tシャツが背中に張り付いた。
用件は分かっている。佐々木だ。
125: 2009/04/11(土) 22:05:42.99 ID:CCV5WPCdO
「用件?そんなの決まってるでしょ?佐々木さんよ。」
「佐々木は此処にはいないぞ。」
「あら?何であたしが佐々木さんを捜してるって分かったの?」
くそ…、口の中が乾いて行くのが感じられる。
腋下から汗が噴き出す。
落ち着け、落ち着け俺。此処は強引にでもコイツを帰してしまおう。
が、そこに声が響いた。
「キョーン、一緒にTVゲームをしないかい?」
「佐々木は此処にはいないぞ。」
「あら?何であたしが佐々木さんを捜してるって分かったの?」
くそ…、口の中が乾いて行くのが感じられる。
腋下から汗が噴き出す。
落ち着け、落ち着け俺。此処は強引にでもコイツを帰してしまおう。
が、そこに声が響いた。
「キョーン、一緒にTVゲームをしないかい?」
128: 2009/04/11(土) 22:12:26.83 ID:CCV5WPCdO
「キョン?」
佐々木が二階から降りてくる。
「橘さん?」
佐々木が橘京子を発見する。
「あら、やっぱり佐々木さんいるじゃ…どうしたのその身体!?」
最悪だ…
佐々木が二階から降りてくる。
「橘さん?」
佐々木が橘京子を発見する。
「あら、やっぱり佐々木さんいるじゃ…どうしたのその身体!?」
最悪だ…
130: 2009/04/11(土) 22:14:00.33 ID:CCV5WPCdO
「そういう事だったのね。」
俺は結局、洗い浚い何もかもを話してしまった。
佐々木と橘京子が接触してしまった以上、隠し続けることは困難だった。
「だから佐々木さんはあたし達の前から姿を消したのね?
でも酷いじゃないですか、あたし達に何の報告もせずに…」
「キョンに口止めされていてね。」
「はぁ…、あたし達がどれだけ焦った事か…」
疲れ切った声で橘京子は呟く。
橘はSOS団でいう俺の様な位置にいるのかもしれない。
そんな事を考えていると不思議と親近感が沸いてきた。
俺は結局、洗い浚い何もかもを話してしまった。
佐々木と橘京子が接触してしまった以上、隠し続けることは困難だった。
「だから佐々木さんはあたし達の前から姿を消したのね?
でも酷いじゃないですか、あたし達に何の報告もせずに…」
「キョンに口止めされていてね。」
「はぁ…、あたし達がどれだけ焦った事か…」
疲れ切った声で橘京子は呟く。
橘はSOS団でいう俺の様な位置にいるのかもしれない。
そんな事を考えていると不思議と親近感が沸いてきた。
131: 2009/04/11(土) 22:16:45.09 ID:CCV5WPCdO
「さて、じゃああたしはもう帰ります。」
「もう帰るのかい?ゆっくりしていけばいいのに…」
「いえ、あたしは佐々木さんの無事を確認できて取り敢えず安心出来ました。」
そして橘京子は何事も無かったかの様に帰って行った。
現に何も起きちゃいないんだが。
「もう帰るのかい?ゆっくりしていけばいいのに…」
「いえ、あたしは佐々木さんの無事を確認できて取り敢えず安心出来ました。」
そして橘京子は何事も無かったかの様に帰って行った。
現に何も起きちゃいないんだが。
136: 2009/04/11(土) 22:26:12.98 ID:CCV5WPCdO
帰り際、俺は橘京子に尋ねた。
「お前は事態をどう見る?」
一拍間をおき橘は答えた。
「結局は涼宮さんの気紛れなんですから、気が収まるまで待ちますよ。」
「随分と気が長いんだな。」
「えぇ、幸い佐々木さんの力が失われた訳じゃない、
だから貴方方には危害は加えないわ。安心して。」
そう言い残し、橘京子は部屋を後にした。
「お前は事態をどう見る?」
一拍間をおき橘は答えた。
「結局は涼宮さんの気紛れなんですから、気が収まるまで待ちますよ。」
「随分と気が長いんだな。」
「えぇ、幸い佐々木さんの力が失われた訳じゃない、
だから貴方方には危害は加えないわ。安心して。」
そう言い残し、橘京子は部屋を後にした。
139: 2009/04/11(土) 22:30:08.57 ID:CCV5WPCdO
夕方になり、俺は古泉に電話を掛けた。
二回コールした辺りで古泉は電話に出た。
「古泉、今日はすまなかったな。ハルヒの様子はどうだった?」
「ご想像の通りかと」
「やはり団長様はご立腹か…」
「えぇ、ですが幸い閉鎖空間の発生はありませんでした。」
「そうか、古泉…お前には迷惑を掛けっぱなしだな。」
「いえ、気にしないで下さい。涼宮さんのご機嫌取りは最早僕の日課です。」
「本当にすまない…やはりお前は頼れるヤツだ。」
二回コールした辺りで古泉は電話に出た。
「古泉、今日はすまなかったな。ハルヒの様子はどうだった?」
「ご想像の通りかと」
「やはり団長様はご立腹か…」
「えぇ、ですが幸い閉鎖空間の発生はありませんでした。」
「そうか、古泉…お前には迷惑を掛けっぱなしだな。」
「いえ、気にしないで下さい。涼宮さんのご機嫌取りは最早僕の日課です。」
「本当にすまない…やはりお前は頼れるヤツだ。」
142: 2009/04/11(土) 22:35:03.25 ID:CCV5WPCdO
「おやおや、嬉しい事を言ってくれますね」
「いやいや、本心から出た言葉だぜ?」
「嬉しいですよ、とても。それではまた明日、学校で会いましょう。」
「あ、待て!実は今日…」
俺は古泉に橘京子が訪問した事を話した。
そしてあいつ等は事態を長い目で見ること、俺達に危害は加えないと言った事。
「どう思う?信じてもいいのか?」
「そうですねぇ、現時点では彼らにも慌ただしい動きが無いので
信じても宜しいかと。」
「そうか…」
俺は取り敢えず安堵する事が出来た。
「いやいや、本心から出た言葉だぜ?」
「嬉しいですよ、とても。それではまた明日、学校で会いましょう。」
「あ、待て!実は今日…」
俺は古泉に橘京子が訪問した事を話した。
そしてあいつ等は事態を長い目で見ること、俺達に危害は加えないと言った事。
「どう思う?信じてもいいのか?」
「そうですねぇ、現時点では彼らにも慌ただしい動きが無いので
信じても宜しいかと。」
「そうか…」
俺は取り敢えず安堵する事が出来た。
143: 2009/04/11(土) 22:38:09.71 ID:CCV5WPCdO
「ところで明日は学校だが、佐々木はどうする?俺が目を離して大丈夫なのか?」
「心配せずとも大丈夫です。明日は長門さんが佐々木さんに着いていてくれるそうです。
朝、長門さんのマンションまで佐々木さんと一緒に来て下さい」
「わかった、それじゃあな」
そして俺は電話を切った。
「心配せずとも大丈夫です。明日は長門さんが佐々木さんに着いていてくれるそうです。
朝、長門さんのマンションまで佐々木さんと一緒に来て下さい」
「わかった、それじゃあな」
そして俺は電話を切った。
144: 2009/04/11(土) 22:43:15.58 ID:CCV5WPCdO
そこに風呂から上がった佐々木が入ってきた。
「誰と話していたんだい?」
「古泉さ。明日俺が学校に行ってる間、誰がお前と一緒にいるかを話していたんだ」
「この家に居ちゃ駄目なのかい?」
俺としては佐々木には誰か一人は着いていてもらいたい。
橘は長い目で見ると言っていたが、万が一強硬策に出るという事もあるからな。
「誰と話していたんだい?」
「古泉さ。明日俺が学校に行ってる間、誰がお前と一緒にいるかを話していたんだ」
「この家に居ちゃ駄目なのかい?」
俺としては佐々木には誰か一人は着いていてもらいたい。
橘は長い目で見ると言っていたが、万が一強硬策に出るという事もあるからな。
146: 2009/04/11(土) 22:48:38.13 ID:CCV5WPCdO
「キョン…?」
「いや、やはり心配だから長門に見ていてもらうよ」
「そうかい?キョンがそこまで言うのなら僕は構わないよ。」
そしてその後俺達は眠りに就き、その日は終わりを迎えた。
佐々木は今日は始めから俺のベッドで眠った。
「いや、やはり心配だから長門に見ていてもらうよ」
「そうかい?キョンがそこまで言うのなら僕は構わないよ。」
そしてその後俺達は眠りに就き、その日は終わりを迎えた。
佐々木は今日は始めから俺のベッドで眠った。
149: 2009/04/11(土) 22:53:40.32 ID:CCV5WPCdO
次の日の朝、俺は佐々木の手を引いて長門のマンションに向かった。
マンションに着き、長門の部屋のインターホンが鳴らすと、直ぐに長門は出てきた。
「スマン長門、佐々木を任せたぞ。」
「…任せて。」
「キョン、いってらっしゃい。」
そして俺は自宅まで自転車を取りに戻り、それから登校した。
ハルヒは昨日俺が探索を休んだ事もあり
朝のうちは終始不機嫌だったが、それでも徐々に機嫌を直していった。
マンションに着き、長門の部屋のインターホンが鳴らすと、直ぐに長門は出てきた。
「スマン長門、佐々木を任せたぞ。」
「…任せて。」
「キョン、いってらっしゃい。」
そして俺は自宅まで自転車を取りに戻り、それから登校した。
ハルヒは昨日俺が探索を休んだ事もあり
朝のうちは終始不機嫌だったが、それでも徐々に機嫌を直していった。
151: 2009/04/11(土) 23:01:27.26 ID:CCV5WPCdO
そして放課後になり俺は部室へと向かった。
その日の活動は長門が居ない事もあり、いつもより早く終了を迎えた。
そして俺達は帰路についた。
その日の活動は長門が居ない事もあり、いつもより早く終了を迎えた。
そして俺達は帰路についた。
154: 2009/04/11(土) 23:04:49.87 ID:CCV5WPCdO
その日の帰り道、俺は古泉に尋ねてみた。
「なぁ、どうハルヒを説得すれば佐々木は元へ戻る事が出来ると思う?」
「…正直言わせて貰いますと、お手上げですね。」
古泉はさらに続ける。
「説得のしようが無いんですよ。まさか涼宮さんに、『人を子供の姿に
変える事はいけない事です。』なんて言える訳無いですしね。」
「……」俺もお手上げだった。
結局俺達には佐々木を元の姿に戻す為の、ハルヒの説得方法は何も浮かばなかった。
「なぁ、どうハルヒを説得すれば佐々木は元へ戻る事が出来ると思う?」
「…正直言わせて貰いますと、お手上げですね。」
古泉はさらに続ける。
「説得のしようが無いんですよ。まさか涼宮さんに、『人を子供の姿に
変える事はいけない事です。』なんて言える訳無いですしね。」
「……」俺もお手上げだった。
結局俺達には佐々木を元の姿に戻す為の、ハルヒの説得方法は何も浮かばなかった。
156: 2009/04/11(土) 23:11:13.38 ID:CCV5WPCdO
そして俺達は別れた。
俺は家に向かうふりをして、自転車で長門のマンションに向かった。
長門に礼を言い。それから佐々木と二人で帰路についた。
「こうして二人で夕暮れの町を歩いていると、中学時代を思いだすよ。」
佐々木が話し始める。
「僕らは学習塾で出会った。そして親しくなり、行動を共にする事が多くなった。」
あぁ、そうだったな。俺は学習塾で佐々木に出会い。それ以来佐々木と
こうして親友関係になったのだ。
俺は家に向かうふりをして、自転車で長門のマンションに向かった。
長門に礼を言い。それから佐々木と二人で帰路についた。
「こうして二人で夕暮れの町を歩いていると、中学時代を思いだすよ。」
佐々木が話し始める。
「僕らは学習塾で出会った。そして親しくなり、行動を共にする事が多くなった。」
あぁ、そうだったな。俺は学習塾で佐々木に出会い。それ以来佐々木と
こうして親友関係になったのだ。
162: 2009/04/11(土) 23:17:12.27 ID:CCV5WPCdO
「思えばあの頃は楽しかったよ。何故なら君が居たからね、キョン。」
「…佐々木?」
「今の僕はまるで蛹の様に乾いてしまった。今の僕には全てを打ち明けられる
ような心を開ける人間は存在しない。」
俺は黙って話を聞いていた。
「キョン、君だけだったんだ。」
佐々木がこちらに向き直る。
「僕には君しか居なかったんだ。」
「…佐々木?」
「今の僕はまるで蛹の様に乾いてしまった。今の僕には全てを打ち明けられる
ような心を開ける人間は存在しない。」
俺は黙って話を聞いていた。
「キョン、君だけだったんだ。」
佐々木がこちらに向き直る。
「僕には君しか居なかったんだ。」
191: 2009/04/12(日) 00:27:22.25 ID:bsGXRRxiO
俺は返答に困り、茫然としていた。
辺りはもう薄暗くなり、昼の暖かさはもう消えていた。辺りには冷たい風が吹きつけている。
俺は佐々木が泣いている事に気付き、慌てて我に返る。
「どうした…?」
「なんだか哀しくなってきたよ…キョン。僕が元の姿に戻ってしまったら、
僕は君の家を出ていかなけばならない。そしたら…君ともまた会えなくなる。」
「佐々木…」
「そして僕はまた独りぼっちに─」
辺りが沈黙に包まれる。いつの間にか風も止んでいた。
完全な沈黙が訪れ時間が静止したかのような錯覚に陥る。
気が付くと、俺は佐々木の身体を抱き締めていた。
辺りはもう薄暗くなり、昼の暖かさはもう消えていた。辺りには冷たい風が吹きつけている。
俺は佐々木が泣いている事に気付き、慌てて我に返る。
「どうした…?」
「なんだか哀しくなってきたよ…キョン。僕が元の姿に戻ってしまったら、
僕は君の家を出ていかなけばならない。そしたら…君ともまた会えなくなる。」
「佐々木…」
「そして僕はまた独りぼっちに─」
辺りが沈黙に包まれる。いつの間にか風も止んでいた。
完全な沈黙が訪れ時間が静止したかのような錯覚に陥る。
気が付くと、俺は佐々木の身体を抱き締めていた。
196: 2009/04/12(日) 00:35:36.33 ID:bsGXRRxiO
「…キョン?」
佐々木は戸惑った様に俺の名前を呟いた。
「もういい、何も言うな。お前は独りなんかじゃない。お前には俺がいる!
俺はお前を独りぼっちになんてさせない。お前が元の姿に戻っても
俺はずっとお前の傍にいてやる。」
「…キョン?それって…。」
佐々木が俺の目を覗き込みながら呟く。
「佐々木…俺はお前が好きだ。」
佐々木は戸惑った様に俺の名前を呟いた。
「もういい、何も言うな。お前は独りなんかじゃない。お前には俺がいる!
俺はお前を独りぼっちになんてさせない。お前が元の姿に戻っても
俺はずっとお前の傍にいてやる。」
「…キョン?それって…。」
佐々木が俺の目を覗き込みながら呟く。
「佐々木…俺はお前が好きだ。」
201: 2009/04/12(日) 00:44:13.06 ID:bsGXRRxiO
言ってしまった…俺は佐々木に告白してしまったのだ。
数秒ほど佐々木は呆気に取られたような顔をしていたが、
やがて優しい微笑みを顔に浮かべた。
「嬉しいよ、キョン…。僕は、いや私は、ずっと君にそう言って貰いたかった…」
そして俺達は唇を重ねた。
その行為には何かしら必然性が帯びているようにも感じられた。
恐らく俺達は今日、キスするべくしてキスをしたのだ。
この光景を通行人に見られでもしたら、恐らく俺は刑務所行きだろうな。
なんて考えが一瞬頭を過ったが、そんな考えは直ぐに意の外に追いやられた。
数秒ほど佐々木は呆気に取られたような顔をしていたが、
やがて優しい微笑みを顔に浮かべた。
「嬉しいよ、キョン…。僕は、いや私は、ずっと君にそう言って貰いたかった…」
そして俺達は唇を重ねた。
その行為には何かしら必然性が帯びているようにも感じられた。
恐らく俺達は今日、キスするべくしてキスをしたのだ。
この光景を通行人に見られでもしたら、恐らく俺は刑務所行きだろうな。
なんて考えが一瞬頭を過ったが、そんな考えは直ぐに意の外に追いやられた。
207: 2009/04/12(日) 00:51:08.80 ID:bsGXRRxiO
俺達は互いにしっかりと寄り添いながら帰宅した。
「キョンく~ん、お帰り~!あ、佐伯ちゃんもいる~!」
「あぁ、駅前でばったり会ったんだ。」
家族には佐々木は隣町の小学校に通っていると言ってある。
そして夕食を食べた後風呂に入り、部屋でぼんやりしていると佐々木が入ってきた。
「キョンく~ん、お帰り~!あ、佐伯ちゃんもいる~!」
「あぁ、駅前でばったり会ったんだ。」
家族には佐々木は隣町の小学校に通っていると言ってある。
そして夕食を食べた後風呂に入り、部屋でぼんやりしていると佐々木が入ってきた。
211: 2009/04/12(日) 00:57:38.58 ID:bsGXRRxiO
「どうしたんだ?」
佐々木は答える。
「僕は君を見誤っていたよ。まさか君があそこまで積極的な男だったなんてね…」
「あの時はああするのが一番だと思えたんだ。何故だかは分からんがな。」
実際その通りだった。
「でも実際あのキスはとても素晴らしかったよ。端からみればただの 愛者だけどね。」
佐々木はそこでくっくっと笑う。
やれやれ、まぁその通りだ。端からみればただの コン野ろ…
「そうだ!! コンだ!」
俺は叫ぶ。
「どうしたんだい急に?そんな大声で君の 癖を叫んだりして…」
佐々木は答える。
「僕は君を見誤っていたよ。まさか君があそこまで積極的な男だったなんてね…」
「あの時はああするのが一番だと思えたんだ。何故だかは分からんがな。」
実際その通りだった。
「でも実際あのキスはとても素晴らしかったよ。端からみればただの 愛者だけどね。」
佐々木はそこでくっくっと笑う。
やれやれ、まぁその通りだ。端からみればただの コン野ろ…
「そうだ!! コンだ!」
俺は叫ぶ。
「どうしたんだい急に?そんな大声で君の 癖を叫んだりして…」
214: 2009/04/12(日) 01:02:57.22 ID:bsGXRRxiO
「違う、そうじゃない。俺は コンなんかじゃない。」
俺は弁明する。
「xxなんかを読んでいるのにかい?」
佐々木がキツい声で尋ねた。
「ぐ…、それは置いといてとにかく今は俺の話を聞いてくれ。浮かんだんだ!」
「何がだい?」
「お前を元に戻す方法さ!」
俺は弁明する。
「xxなんかを読んでいるのにかい?」
佐々木がキツい声で尋ねた。
「ぐ…、それは置いといてとにかく今は俺の話を聞いてくれ。浮かんだんだ!」
「何がだい?」
「お前を元に戻す方法さ!」
220: 2009/04/12(日) 01:09:58.99 ID:bsGXRRxiO
次の朝、俺は決意を胸に家を出た。
佐々木を連れ、長門のマンションまで歩く。
そして部屋から出てきた長門に、俺が考え出した打開策を説明する。
「……という訳だ。」
「…なるほど、確かにその方法は打開策になり得る。」
長門も賛意を示してくれた。
「くっくっ頑張ってくれよ、キョン。」
「…健闘を祈る」
そして俺は長門のマンションを後にし、学校にむかった。
佐々木を連れ、長門のマンションまで歩く。
そして部屋から出てきた長門に、俺が考え出した打開策を説明する。
「……という訳だ。」
「…なるほど、確かにその方法は打開策になり得る。」
長門も賛意を示してくれた。
「くっくっ頑張ってくれよ、キョン。」
「…健闘を祈る」
そして俺は長門のマンションを後にし、学校にむかった。
226: 2009/04/12(日) 01:24:20.15 ID:bsGXRRxiO
学校に到着するとすぐ、俺は放課後に備えた。
古泉と朝比奈を呼び、作成内容を簡単に説明した。
「なるほど…、その方法なら確かに涼宮さんは佐々木さんの身体を戻しますね。」
古泉は微笑んでいる。
「良いでしょう。その作戦、乗りました。」
「で、でもその作戦じゃキョン君と古泉君が…」
「俺のことは良いんです。古泉もこの作戦に乗ってくれました。なぁ、古泉?」
「勿論です。他ならぬ貴方の頼みですから」
そして放課後が訪れた。
古泉と朝比奈を呼び、作成内容を簡単に説明した。
「なるほど…、その方法なら確かに涼宮さんは佐々木さんの身体を戻しますね。」
古泉は微笑んでいる。
「良いでしょう。その作戦、乗りました。」
「で、でもその作戦じゃキョン君と古泉君が…」
「俺のことは良いんです。古泉もこの作戦に乗ってくれました。なぁ、古泉?」
「勿論です。他ならぬ貴方の頼みですから」
そして放課後が訪れた。
227: 2009/04/12(日) 01:26:36.12 ID:bsGXRRxiO
「ふぅ、この作戦は僕としても些か失う物は大きいですね…」
「すまん、古泉…」
俺は古泉に頭を下げる。
「良いんですよ。現状の打破が最重要課題ですからね。」
その時、
「み、みっみっみらくる!みっくるんるん」
「どうしたのよみくるちゃん?急に歌いだして」
──来た!朝比奈さんの合図だ!!
二人がドアの前に立つのを見計らい、俺は叫ぶ。
「古泉!!今月号のxx買ったかぁ!?」
「すまん、古泉…」
俺は古泉に頭を下げる。
「良いんですよ。現状の打破が最重要課題ですからね。」
その時、
「み、みっみっみらくる!みっくるんるん」
「どうしたのよみくるちゃん?急に歌いだして」
──来た!朝比奈さんの合図だ!!
二人がドアの前に立つのを見計らい、俺は叫ぶ。
「古泉!!今月号のxx買ったかぁ!?」
236: 2009/04/12(日) 01:32:23.07 ID:bsGXRRxiO
二人がドアのまえで立ち止まる。
「いえ、今月号はまだ買っていません!」
古泉も叫ぶ。
「なら俺が貸してやるよ。もう読み終わったから!」
「それはとても有難いです!」
そして俺は続ける。
「小さい女の子って最高だよなぁ!なぁ、古泉!」
「えぇ、特に小学校高学年辺りの娘なんて特に!」
会話内容は下手すりゃ窓を隔てた外にまで漏れているかもしれない。
いや、漏れているだろう。
誰も聞いてない事を願い、俺はさらにまくし立てる。
「いえ、今月号はまだ買っていません!」
古泉も叫ぶ。
「なら俺が貸してやるよ。もう読み終わったから!」
「それはとても有難いです!」
そして俺は続ける。
「小さい女の子って最高だよなぁ!なぁ、古泉!」
「えぇ、特に小学校高学年辺りの娘なんて特に!」
会話内容は下手すりゃ窓を隔てた外にまで漏れているかもしれない。
いや、漏れているだろう。
誰も聞いてない事を願い、俺はさらにまくし立てる。
237: 2009/04/12(日) 01:33:32.86 ID:bsGXRRxiO
「僕っ娘の小学生とかもいいよなぁ!」
「えぇ、最高です!」
「髪も余り長くない方がいいな!」
「そうですね!」
ここで俺はとどめの一言を叫んだ。
「ていうかもう佐々木が小学生になれば良いのになぁ!!」
「えぇ、最高です!」
「髪も余り長くない方がいいな!」
「そうですね!」
ここで俺はとどめの一言を叫んだ。
「ていうかもう佐々木が小学生になれば良いのになぁ!!」
242: 2009/04/12(日) 01:36:38.63 ID:bsGXRRxiO
「そうすりゃもう俺は佐々木に惚れるな、確実に!」
その時、ドアが勢い良く開かれた。
「あ、あ、アンタ達!神聖な部室でな、な、何を話してるのよ!!」
ハルヒの顔は真っ赤になっていた。
「ち、小さい女の子が好きとか、し、小学生が良いとか、古泉君まで一緒になって!!」
ハルヒは更に続ける。
「あ、挙げ句の果てには、佐々木さんが小学生になれば良いですってぇ…」
そしてハルヒは高らかに叫んだ。
「そ、そんな事あるわけないじゃないの!!」
──終わった…全てが終わった。
その時、ドアが勢い良く開かれた。
「あ、あ、アンタ達!神聖な部室でな、な、何を話してるのよ!!」
ハルヒの顔は真っ赤になっていた。
「ち、小さい女の子が好きとか、し、小学生が良いとか、古泉君まで一緒になって!!」
ハルヒは更に続ける。
「あ、挙げ句の果てには、佐々木さんが小学生になれば良いですってぇ…」
そしてハルヒは高らかに叫んだ。
「そ、そんな事あるわけないじゃないの!!」
──終わった…全てが終わった。
244: 2009/04/12(日) 01:37:41.32 ID:bsGXRRxiO
さて、エピローグ書くか…
保守お願いできる?
保守お願いできる?
271: 2009/04/12(日) 02:19:43.08 ID:bsGXRRxiO
俺は長門のマンションに向かっていた。
結局あの後ハルヒは激昂し、部活は早々に終了となった。
古泉はハルヒの入室直後に“バイト”が入り、部室終了を待たずして
閉鎖空間に向かっていった。古泉、本当にすまない…
俺は長門の部屋のインターホンを押した。
もう結果は分かりきったことだ。佐々木は元に戻っている。
「長門、佐々木を迎えに来たぞ」
「…問題が生じた」
俺は絶望した。ここまでしたのに元に戻らなかったのか…?
「…そうではない。」
長門が否定する。俺は無意識に独り言を呟いていたのだ。
「…取り敢えず部屋に来て欲しい。」
結局あの後ハルヒは激昂し、部活は早々に終了となった。
古泉はハルヒの入室直後に“バイト”が入り、部室終了を待たずして
閉鎖空間に向かっていった。古泉、本当にすまない…
俺は長門の部屋のインターホンを押した。
もう結果は分かりきったことだ。佐々木は元に戻っている。
「長門、佐々木を迎えに来たぞ」
「…問題が生じた」
俺は絶望した。ここまでしたのに元に戻らなかったのか…?
「…そうではない。」
長門が否定する。俺は無意識に独り言を呟いていたのだ。
「…取り敢えず部屋に来て欲しい。」
275: 2009/04/12(日) 02:22:16.96 ID:bsGXRRxiO
長門の部屋に入ると、佐々木の姿は見えなかった。
まさか…ハルヒは佐々木を存在ごと消しちまったのか…?そんなのあんまりだ。
「…そうでもない。」
長門が答える。
「…彼女はその部屋に居る。」
俺は長門が指を差す方向を見る。その部屋は4年前の七夕から俺と朝比奈さんが
約3年間眠っていた事があるその部屋だった。
「…彼女はそこに居る。しかし…」
「佐々木!」
俺は勢い良く戸を開く。佐々木は其処にちゃんと居た。
身体の大きさも元に戻っている。だが…
「…何も着ていない。」
長門よ…言うのが遅い…。
まさか…ハルヒは佐々木を存在ごと消しちまったのか…?そんなのあんまりだ。
「…そうでもない。」
長門が答える。
「…彼女はその部屋に居る。」
俺は長門が指を差す方向を見る。その部屋は4年前の七夕から俺と朝比奈さんが
約3年間眠っていた事があるその部屋だった。
「…彼女はそこに居る。しかし…」
「佐々木!」
俺は勢い良く戸を開く。佐々木は其処にちゃんと居た。
身体の大きさも元に戻っている。だが…
「…何も着ていない。」
長門よ…言うのが遅い…。
280: 2009/04/12(日) 02:24:31.70 ID:bsGXRRxiO
佐々木は一糸纏わぬ姿で其処に立っていた。
いや、毛布を肩から羽織ってはいた。しかし、●●や…その…大事な部分は
すっかりと見えてしまっている。
俺が我に帰ると同時に、佐々木が悲鳴を上げた。
「きゃあ!!!」
「す、すまん!」
考えれば分かることだ…、今まで俺の妹の服を着ていたのだ。
身体が戻ればその服が着れなくなるのは当然だ。
俺は家から、佐々木が最初俺の家を訪れた時に着ていた服を持ってきた。
結局部屋を出るまで、佐々木は一言も俺と口を聞いてはくれなかった。
いや、毛布を肩から羽織ってはいた。しかし、●●や…その…大事な部分は
すっかりと見えてしまっている。
俺が我に帰ると同時に、佐々木が悲鳴を上げた。
「きゃあ!!!」
「す、すまん!」
考えれば分かることだ…、今まで俺の妹の服を着ていたのだ。
身体が戻ればその服が着れなくなるのは当然だ。
俺は家から、佐々木が最初俺の家を訪れた時に着ていた服を持ってきた。
結局部屋を出るまで、佐々木は一言も俺と口を聞いてはくれなかった。
284: 2009/04/12(日) 02:30:25.57 ID:bsGXRRxiO
「それじゃ長門さん、お世話になりました」
「長門、ありがとうな」
「…いい」
長門の部屋を後にし、俺達はマンションの外に出た。
「佐々木、さっきはすまなかった…。」
「……」
「事故だったんだ、あれは…」
「…き…てくれ」
佐々木が何かを呟いた。
「ん、なんだって?」
「抱き締めてくれ、キョン。」
「昨夜の様に僕を抱き締めてほしい。今度はこの身体で。」
俺は無言で頷き、佐々木を抱き締めた。
「キョン…幸せだよ。ずっとこんな幸せが続くと良いのに…。」
「続くさ…。俺が続かせてみせる…。」
俺達は暫くの間無言で抱き合っていた。マンションに入る住人の何人かに
俺達はじろじろ見られたが、そんなものは最早気にもならなかった。
「長門、ありがとうな」
「…いい」
長門の部屋を後にし、俺達はマンションの外に出た。
「佐々木、さっきはすまなかった…。」
「……」
「事故だったんだ、あれは…」
「…き…てくれ」
佐々木が何かを呟いた。
「ん、なんだって?」
「抱き締めてくれ、キョン。」
「昨夜の様に僕を抱き締めてほしい。今度はこの身体で。」
俺は無言で頷き、佐々木を抱き締めた。
「キョン…幸せだよ。ずっとこんな幸せが続くと良いのに…。」
「続くさ…。俺が続かせてみせる…。」
俺達は暫くの間無言で抱き合っていた。マンションに入る住人の何人かに
俺達はじろじろ見られたが、そんなものは最早気にもならなかった。
287: 2009/04/12(日) 02:33:50.37 ID:bsGXRRxiO
佐々木と別れたあと、俺は自転車を走らせ帰路についていた。
其処に古泉から着信が入る。
「古泉かさっきはすまなかったな。だが今自転車を運転中なんだ。
出来ればもう少し後にまた…」
「大変です!今度は涼宮さんの身体が縮んでしまいました!!」
俺は急ブレーキをかけた。
「すまん、もう一度言ってくれ…」
「ですから涼宮さんが──」
やれやれ…
そして俺は溜息をついた。
fin
其処に古泉から着信が入る。
「古泉かさっきはすまなかったな。だが今自転車を運転中なんだ。
出来ればもう少し後にまた…」
「大変です!今度は涼宮さんの身体が縮んでしまいました!!」
俺は急ブレーキをかけた。
「すまん、もう一度言ってくれ…」
「ですから涼宮さんが──」
やれやれ…
そして俺は溜息をついた。
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