1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 14:44:38.88 ID:I0+/64Cx0
朝─南家

春香「ごめんね。今日アツコの家でおとまり会で帰ってこないんだけど…」

夏奈「えぇ!?春香もか?」

春香「あれ?夏奈も?」

夏奈「私もケイコの家で勉強会で金曜日だから今日は泊まる予定だ」

千秋「本当に勉強をする気なのか?」

夏奈「失礼な!私は真面目な──

春香「でも、そうなると千秋一人になっちゃうわね…」

千秋「大丈夫です、春香姉さま。私は一人でも平気です」

春香「そう…?明日はできるだけ早く帰ってくるようにはするわ。戸締りだけしっかりね。夕飯はカレーを作ってあるから温めて食べてね」

千秋「ありがとうございます。私のことは気になさらず、ゆっくり楽しんできて下さい」

春香「ありがと。さ、そろそろ出ないと遅刻しちゃうわよ」

夏奈「私の話を聞けー!」

引用元: 千秋(風邪引いたかも…)フラフラ マコト「?」 



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 14:48:50.37 ID:I0+/64Cx0
夏奈「うぅ…寒っ!」

春香「そういえばこの冬一番の冷え込みになるって天気予報で言ってたわね…」

春香「二人共風邪引かないようにね」

千秋「はい、春香姉さま」

夏奈「とにかく学校に向けてしゅっぱーつ!」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 14:53:05.74 ID:I0+/64Cx0
小学校

内田「おはよー千秋」

吉野「おはよー」

千秋「おはよう、内田、吉野」

内田「今日は一層寒いね」

千秋「まったくだ。少しは冬将軍に自重してもらいたい」

吉野「でも今日体育はマラソンだよー」

千秋「え…」ガーン

内田「寒いのに最悪ー中止にならないかなー」

内田「あ、千秋。あのてるてる坊主で雨を…」

千秋「やらねーよ!」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 15:02:24.59 ID:I0+/64Cx0
体育

内田「うぅ…寒い…」

吉野「長袖も意味無いように感じるね…」

マコト「おっしゃー!サッカーやろうぜー!」ハンソデ

田中「マラソンだと言ってるだろー」

千秋(馬鹿野郎はやっぱり馬鹿野郎だな…)


田中「いくぞーヨーイドン」

マコト「よっしゃあぁぁぁ!」ダダダダ

千秋「馬鹿野郎が…」ノロノロ

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 15:09:21.23 ID:I0+/64Cx0
千秋(寒いし、辛いし。やっぱり体育は嫌いだ)ハァ…ハァ…

千秋(あとどれくらいで終わりなのか…)

ポツ…ポツ…

千秋「お?」

ザーッ

田中「体育中止。みんな濡れるから教室に戻れー」

内田「千秋!もっと早く走らないと雨に濡れちゃうよ」

千秋「無理を…言うな…」ハァ…ハァ…

内田「よりによって一番校舎から遠いところだなんて…」

マコト「なんだー相変わらずだらしないなー」

内田「あれ?マコトくん?」

マコト「なかなか戻って来ないから見に来たんだよ」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 15:16:39.55 ID:I0+/64Cx0
 

マコト「ほら、おんぶしてやるよ」

千秋「いい…」

マコト「内田と吉野が雨に濡れてんだぞー」

千秋「…」

内田・吉野 ビッチョリ

千秋「いい…馬鹿野郎の世話にはならん。3人とも先に行ってくれ」

ザーッ!

マコト「うわっ!もっと降ってきた。もういいから」グイッ

内田・吉野(お姫様抱っこ…)

千秋「お、おお…下ろせ!下ろすんだ馬鹿野郎!」ジタバタ

マコト「内田と吉野も早く戻ろう!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 15:24:51.30 ID:I0+/64Cx0
教室

内田「あー結局みんなびちょ濡れだねー」

吉野「結構強く雨降ったからね」

千秋「…」ボーッ

内田「千秋?着替えないと風邪引くよ?」

千秋「あ、あぁ…」

吉野「そんなにマコトくんに助けられたのが恥ずかしかったの?」

千秋「ち、違う!私はただ自分の力で最後まで走りたかっただけで…」

内田「みんなの注目の的だったけどね」

千秋「別に私が頼んだわけじゃないのに、あの馬鹿野郎は…」

吉野「でも、女子たちの間で羨ましいって意見が多いけど」

千秋「し、知らん!あんな馬鹿野郎」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 15:32:50.09 ID:I0+/64Cx0
授業中


千秋(なんだかぼーっとする…身体も少し熱いし…)

千秋(…)

千秋(ち、違う!ドキドキしているわけじゃないぞ、断じて…)

マコト『もういいから!』グイッ

千秋(確かに、マコトのわりには男らしいと一瞬思ってしまったが…)

──あき!千秋!

千秋「んぁ?」

内田「どうしたのボーっとして?給食の時間だよ?」

千秋「あ、あぁ…」

千秋(食欲が無い…)

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 15:40:16.18 ID:I0+/64Cx0
午後の授業

千秋(結局全然食べられなかった…)

千秋(なんだかさっきから頭が痛い…体もだるいし…)ゾク

千秋(寒気もしてきた…)

内田「ねぇ、今日遊びに行っても大丈夫?」

千秋「ん?あ、あぁ…今日は…」

千秋(家に誰もいないからな。来てくれるのは賑やかでいいかもしれないが…)

千秋(今日は帰って寝たい…)

千秋「今日はちょっと用事があって駄目なんだ…」

内田「そっか、残念…」

千秋(みんなの世話になるわけにもいかないしな…)

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 15:46:36.36 ID:I0+/64Cx0
放課後

田中「よし、終わるぞー。気を付けて帰れー」

内田「良かった、雨止んだねー吉野、千秋帰ろっか」

吉野「うん」

千秋(内田はともかく吉野は勘が良いからな…一緒にいれば調子が悪いことを気付かれそうだ…)ボーッ

千秋「ふたりとも、先に帰っててくれ」

内田「え?何かあるの?」

千秋「先生に呼ばれてるんだ…時間がかかるかもしれないからな」

内田「そっか…じゃぁ、先に帰るね…」

千秋(今日は不本意ながらマコトに世話になってるからな、これ以上誰かに世話になるわけにはいかない…)

千秋(遠回りして帰ろう…)

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 15:49:29.62 ID:I0+/64Cx0
帰り道

千秋(駄目だ…頭が痛い…身体が重い…寒気もどんどん増してきてる…)

千秋(おまけに…)コホッコホッ

千秋(咳も出てきた…)

千秋(これは…風邪引いたかも…)フラフラ

千秋(いや、かもじゃない…確定だな、馬鹿野郎)フラフラ

マコト「?」

マコト(あれは、千秋…何でこの道通ってるんだ?帰り道と違うけど…)

マコト(まさか何かいけないことを…)

マコト(こっそりつけてみよう)

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 15:56:46.71 ID:I0+/64Cx0
南家のマンション前

マコト(?結局遠回りして家に帰っただけだった…)

マコト(千秋は気まぐれなところあるし、ただの気分で帰り道変えてただけなのか?)

マコト(さっきからフラフラ歩いてるのは気になるけど…)


千秋(やっとマンションまで着いた…遠回りじゃなくて教室でしばらく待っとくんだったよ、馬鹿野郎…)ハァ…ハァ…

千秋(……もう限界だ…)フラフラ

千秋(はるかねぇ、さま……か…な……)バタリ


マコト「!?」

マコト(倒れた?)ダッ

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:00:11.50 ID:I0+/64Cx0
マコト「千秋!?千秋!?」

千秋「はぁ…はぁ…まこと?」グッタリ

マコト「凄い熱じゃないか!なんで一人で帰ってるんだよ!」

千秋「ばかやろうの…世話には…ならん…」

マコト「どっちが馬鹿野郎だよ。とにかく、家まで行く」

千秋「うん…」

マコト(いつもの威勢が全く無い…これは本当にまずいんじゃ…

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:07:27.67 ID:I0+/64Cx0
南家

ガチャ

マコト「お、おじゃましまーす…」

マコト(そういえばマコトの状態でココに来るのは久しぶりだな…)

マコト(って。何考えてるんだ俺は…とにかく春香さんか夏奈に…)

マコト「すみませーん!」

千秋「誰もいないよ…ばかやろう…」

マコト「あ、まだ学校なのか…」

千秋「いや……二人共今日は…友だちの家に…おとまり会だ…」

マコト「え…じゃぁ千秋一人なのか…?」

千秋「そういうことだよ…ばかやろう…」

マコト(本当にどっちが馬鹿野郎だよ…)

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:16:01.09 ID:I0+/64Cx0
千秋の部屋

ポスン

マコト「とりあえず、暖かくして寝とけよ」

千秋「ケホッ…お前に…言われケホッ…なくても…」

マコト(一応毛布と布団かけて、暖房もつけたから大丈夫だろう…)

マコト(とりあえず…春香さんか夏奈に連絡しないと…電話電話…)

キュッ

マコト(っと…服の裾が……が?)

千秋「まこと…帰るのか…?」ギュッ

マコト「い、いや…まだ帰らないよ…」

マコト(帰れるわけない…いや、帰るつもりは無かったけど…)

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:19:44.88 ID:I0+/64Cx0
千秋 スースー

マコト(結局部屋から出れなくて連絡もできてない…)

マコト(服の裾は握られたままだし…)

千秋「ん…ハァ…ハァ…」

マコト(結構辛そうだな…)

千秋「ハァ…ハァ…」

マコト(帰り道で見つけてなかったら結構大変だったかもな…)

マコト(っと…握る手が少し緩んだ)スクッ

千秋「はるか…ねえさま…」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:24:18.31 ID:I0+/64Cx0
マコト「寝てるけどとりあえず体温計を口に…」

千秋「んむ…」

マコト(何かいけないことしてる気分だ…)

ピピピ

マコト「39度…これだと倒れるわけだ」

マコト「とりあえず冷えピタを貼っておこう」ペタ

千秋「んにゅ…」

マコト(晩飯何がいいかなーっと)

マコト(おぉ!カレーが作ってある)ゴクリ

マコト(…)

マコト(風邪引いてる時にカレー何て食べれないよな…)

マコト(やっぱり定番のお粥だな…)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:31:19.98 ID:I0+/64Cx0
千秋「ん…」

あき─千秋!

千秋「あれ?」

夏奈「何寝てるんだよ!この大変な時に!」

千秋「な、何が大変なんだ、このばかや─」

夏奈「春香が!春香がトラックに…」

千秋「え…」

病院

医者「残念ながら…即死です」

夏奈「私が…私が嫌がらずに買い物に行ってたら…」

千秋「春香…姉さま…」

夏奈「ねぇ…千秋、屋上行こ?」

千秋「…私は、春香姉さまの近くに…」

夏奈「いいから…」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:35:51.04 ID:I0+/64Cx0
屋上

夏奈「ねぇ…私たち南家は3人で一つだよね…」

夏奈「だったら、春香今頃寂しい思いしてるはずだよね…」

千秋「夏奈…何を…危ないから柵の内側に…」

夏奈「私も先に行って待ってるから、千秋も早く来いよ…」フラ

千秋「夏奈…やめ─」

ヒュン

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:41:11.63 ID:I0+/64Cx0
千秋「かなっ!」パチ

千秋「あ…はぁっ…」

千秋「ゆ…め?」ポロ

千秋(誰もいない…暗い……)ゾク

部屋 マックラ

千秋「…うっ…うぅっ…」ポロポロ

千秋「春香姉さまぁ…夏奈ぁ…」グスッ

千秋「う…コホッ!コホッ!うぅ…グス」

千秋(寂しい…寂しいよ…)ポロポロ

千秋(苦しいよ…)コホッ

千秋(誰かぁ…)

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:46:47.49 ID:I0+/64Cx0
ガチャ

千秋「!?」

マコト「お、起きたのか千秋」パチッ

千秋「ぁ…」グスッ

マコト「な?ど、どうしたんだよ?」

マコト「苦しかったのか?大丈夫か?」アセアセ

ギュッ

マコト「ななななな」

千秋「うぅ……グスッ」

マコト「…」ナデナデ

千秋「!」ビクッ

マコト「な、やっぱり駄目でした!?」バッ

千秋「ぁ…」ウルッ

マコト「え…」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 16:56:32.67 ID:I0+/64Cx0
マコト「…」ナデナデ

千秋「ん…」ギュッ

マコト(可愛すぎるだろ!)

千秋「…」ウトウト

マコト(姫がお眠りになられた。俺を抱きまくらにしたまま…)ピト

マコト(まだ大分熱があるな…)

マコト(俺にも睡魔が…)ウトウト

千秋・マコト「zzz」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 17:01:02.88 ID:I0+/64Cx0
千秋「む…」パチ

千秋(ここは…私のベッド…)

千秋(確かマンションの前まで来てそれから…)

千秋(アイツは…マコト…そうだ、また世話になってしまって)

千秋(それから…)ボーッ

千秋(思い出せない…頭が痛い…)

千秋(そういえば何やら温かいこれは…)チラッ

マコト「むにゃ…」

千秋「なっ…」

千秋「ななななな!」グイッ

マコト「ん?あぁ千秋、おはよう」

千秋(そうだ…そういえば…)カァッ

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 17:05:10.65 ID:I0+/64Cx0
マコト「?」

千秋「さ、さっさと私のベッドから出て行け!馬鹿野郎!」グイグイ

マコト「おい、風邪引いてるんだからあんまり暴れるなよ」

千秋「あ…あ、うん」シュン

千秋(コイツにまともな事を言われるとは…)

マコト「晩飯作るから、大人しく待っとけよ」スクッ

千秋「ぁ…」ブルッ

マコト「ん?」

千秋「な、何でも無いよ!早く夕飯作りに行けよ!馬鹿野郎!」カァッ

マコト「千秋も大人しくなー」ガチャ

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 17:09:22.26 ID:I0+/64Cx0
千秋(違う…違うぞ…アイツはただの…湯たんぽ、そう私にとってただの湯たんぽだったんだ)

千秋(だからアイツが出た瞬間の喪失感は寒かったからで………)

千秋(…)スンスン

千秋(マコトの匂い…)ギュ

千秋「はっ」バッ

千秋(落ち着いていたのか…今私は安心していたのか!?)ドキドキ

千秋(そ、そんな馬鹿な…)

千秋(…)クンカクンカ

千秋 ホッ

千秋「なっ」

千秋「はわわわ」ゴロゴロゴロ

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 17:14:40.47 ID:I0+/64Cx0
 
ガチャ

マコト「できたぞー」

千秋「はわわわわ」バッ

マコト「おい、大人しくしてろって言っただろ」

千秋「ノックくらいしろよ!馬鹿野郎!」

マコト「お盆持ってたからドア開けるので精一杯だよ」コト

千秋「む…」

鍋 グツグツ

千秋「玉子粥…」

マコト「消化に良いモノが良いだろー」

千秋「お前、こんなもの作れたのか」

マコト「え」ドキリ

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 17:23:52.83 ID:I0+/64Cx0
マコト「か、母さんのを見てたら勝手に覚えただけだよ!」アセアセ

千秋「そうなのか。夏奈にも見習ってほしいものだな」

マコト「と、とりあえず熱いウチに食べろって!」

千秋「そうだな、いただきます」

マコト「お、おう」ホッ

千秋「……」カチャ

マコト(?)

千秋「あれ…?あれ…?」フルフル

千秋(体が怠くて言うことを効かない…)

千秋「マコト…」

マコト「?」

千秋「食べさせろ」スッ

マコト「えぇ!?」

千秋「私はお腹が空いてるんだよ、早く」アーン

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 17:32:21.70 ID:I0+/64Cx0
マコト「…」スッ

千秋「あむ」

千秋「熱っ」ビクッ

マコト「あ、悪い!」

千秋「この馬鹿野郎が」ゲシ

マコト「悪いかったって!だから暴れんなよ」

千秋「あう…」

マコト「まったく…」フーフー

マコト「ほら」スッ

千秋「あむ」

千秋「うむ…うむ…」モグモグ

マコト「ど、どうだ?」

千秋(春香姉さまの料理と同じような味がする…)

千秋「10点…」ボソッ

マコト「えぇ~」ガーン

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 17:42:31.44 ID:I0+/64Cx0
マコト「厳しいなぁ…」フーフー スッ

千秋(10点満点だよ…馬鹿野郎)モグモグ


鍋 カラッポ

千秋「ごちそうさまでした」ボソ

マコト「食欲はそこそこあるみたいだな」

マコト「じゃぁ食器片付けてくるから、大人しくな」

千秋「何度も言わなくてもわかってるよ」

千秋「ところでお前は夕飯は…」

マコト「ん?何も食ってないよ」

千秋「…」チラッ

千秋(9時…)

千秋(もう帰ってしまうのかな…)

千秋「台所に春香姉さま特製のカレーがある」

マコト「知ってるよ」

70: 人いないとおもってたから驚き 2013/01/25(金) 18:02:01.63 ID:I0+/64Cx0
千秋「特別に食べることを許そう」

マコト「マジで!?いいの!?」

千秋「あぁ、不本意だがここまでしてもらったしな」

マコト「よし、遠慮なく頂くよ」

マコト(春香さん特製カレー!)

ガチャ ダダダダッ

千秋「全く…馬鹿野郎だよ…」ボソ

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 18:08:18.15 ID:I0+/64Cx0
シーン

千秋(誰もいないというのはここまで静かなんだな…)

千秋(うるさいのは嫌いだが…)

千秋「コホッコホッ」

千秋(今は静かなのも嫌いだ…)ボーッ

千秋「…」

千秋「マコトの奴…帰っちゃうのかな…」シュン


シーン

千秋「…」スクッ

千秋「リビングに行こう…」フラフラ

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 18:21:57.33 ID:I0+/64Cx0
マコト「んー流石は春香さん。絶妙なスパイスに隠し味…学ぶべきはまだまだある…」モグモグ

マコト(って!何を言ってるんだ俺は!今はマコトだぞ!)

ガチャ

マコト「?」チラッ

千秋「ぅー」フラフラ

マコト「何してんだよ千秋!」

千秋「退屈なんだよ、馬鹿野郎」フラフラ

マコト「仕方無いだろ。部屋に戻って寝てろよ…」

千秋「むぅ…」

マコト「ほら、今は体を休めるのが第一だから…」

千秋「お、お前がいないと寂しいんだよ!馬鹿野郎!」

マコト「 」

千秋「あ…あっ」フラッ

マコト「おっと」ガシッ

千秋「な…」カァッ

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 18:37:01.23 ID:I0+/64Cx0
マコト「わ、わかった!悪かった。一緒にいてやるから部屋に戻ろう」ドキドキ

千秋「…///」コクン


千秋の部屋

マコト「とりあえず熱を計ろう」スッ

千秋「あむ」

マコト(なんか  い…)ドキドキ

ピピピ

マコト(38度…少しマシになったか…)

千秋 ボーッ

マコト「無理して歩くから、悪くなったんじゃないのか」

千秋「うるさいよ…ばかやろう」コホッコホッ

prrrrrr

マコト「電話?」

千秋「春香姉さまかもしれない」

マコト「と、取ってくる!」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 18:43:51.45 ID:I0+/64Cx0
prrrrrr

マコト(春香さんからの電話…)ゴクリ

マコト(待てよ!声だけならマコちゃんと勘違いされるかも…)

マコト(ここは少し低めな俺のワイルドな声で)

マコト「もしもし」

夏奈『あれ?マコちゃん?』

マコト「夏奈かよ!!今はマコトだよ!」

夏奈『何でお前がウチの電話に出てるんだ?しかもマコトの状態で』

マコト「夏奈こそなんの用事だよ」

夏奈『可愛い妹が一人で寂しい夜を過ごしてないか不安になったんだよー』

夏奈『千秋はいるのかー?』

マコト「実はその千秋が……」

夏奈『へ?』

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 18:52:28.81 ID:I0+/64Cx0
マコト「かくかくしかじか」

夏奈『そうだったのか。とりあえず千秋にかわってくれよ』

マコト「おう」

ガチャ

マコト「千秋、夏奈から」

千秋「もしもし…」

千秋「あぁ、大丈夫だ。お前に心配されるほど私はやわでは無い」

マコト(倒れてたけど…)

千秋「寂しいあるか!馬鹿野郎」

マコト(…)

千秋「あぁ…はい夏奈がかわれと」

マコト「もしもし」

夏奈『いやー千秋が世話になったなーマコト。いや、世話になってるなーか…』

マコト「そんなことはどうでもいいけど。夏奈は帰ってこれないのかよ」

夏奈『悪いなーバスの時間終わっちゃってるんだよ』

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 19:07:10.45 ID:I0+/64Cx0
マコト「なんと…」

夏奈『そんなわけだ。千秋をよろしくなー』ガチャ

マコト「あっ、おいっ!」

千秋「まったく…馬鹿野郎の相手は疲れる…」ニコッ

マコト(嬉しそうだ…)

prrrrrrr

千秋「今度こそ春香姉さまだろう…もしもし」

千秋「はい…こほっ…」

千秋「いや、これは…大丈夫です」

マコト(バレたな…)

千秋「いえ…本当にだいじょう、こほっこほっ」

千秋「はい、ちゃんと食べました…」

千秋「本当です!マコトが作ったお粥を…あ…」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 19:14:29.29 ID:I0+/64Cx0
千秋「…はい……ほれ」

マコト「へ?」

千秋「春香姉さまが代わって欲しいと」

マコト「なな…l

千秋「早くしろ」

マコト「もっ…もしもし!」

春香『あ、マコト君?ごめんね、千秋が迷惑をかけたみたいで…』

マコト「いえそんなことは!」

春香『体弱いからすぐに風邪引くし』

マコト「そ、そうですか…それより今日春香さんは帰って…」

春香『それが、今雪の影響で電車が停まってるみたいで…』

マコト「えっ!?」チラッ

雪 シンシン

マコト「確かにこれは…」

春香『本当にごめんなさいね…』

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 19:23:35.97 ID:I0+/64Cx0
春香『あと…』

マコト「?」

春香『千秋のことだから、きっと寂しいと思うの。今晩は一緒にいてあげてもらって良いかな?』

マコト「えっ…えぇえ」

春香『お願い!』

マコト「はい…」

春香『ありがと!この埋め合わせはいつか必ずするから』

マコト「い、いえ…そんな」

春香『じゃぁ、千秋のことよろしくお願いします』

マコト「はい…」

春香『じゃぁ、おやすみなさい』

マコト「おやすみなさい」

ピ

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 19:34:27.44 ID:I0+/64Cx0
マコト「よ…よし…」

マコト「そ…そろそろ寝ろよ千秋!」

千秋「む、そうだな…頭痛がまた出てきた…」

千秋「だけど…」

マコト「?」

千秋「やっぱり制服では寝辛いぞ…」

マコト「あ、そういえば…」

千秋「パジャマを…」フラ

マコト「あ、お…俺が取ってくるよ!」

 

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 20:44:13.01 ID:I0+/64Cx0
マコト「どこにパジャマあるんだ?」

千秋「そこのクローゼットの中…」

ガラッ

マコト「はい、パジャマ」

千秋「夏奈や春香姉さまのパジャマもあったのに良くわかったな」

マコト「い、いや。大きさでわかったよ…」

マコト(マコちゃんの時によく見てるからなんだけど…)

千秋「さて…」ヌギッ

マコト「ちょっ…!千秋ストップ!ストップ!」アセアセ

千秋「あっ…」カアア

マコト「おっ…俺外出てるから」ドタドタ

千秋「ば…ばかやろう…」

千秋「…」チラッ

まな板「よう」

千秋「…」シュン

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 20:56:55.32 ID:I0+/64Cx0
マコト「もういいかな…」

コンコン

マコト「千秋ーもういいかー?」

千秋「とうの昔に終わってるよ」

ガチャ

マコト「ほら、お湯とタオル持ってきたからこれで体拭けよ」

千秋「あぁ…」

マコト「お…俺はまた外に出てるよ」ドキドキ

千秋「あ、あぁ」カァッ

千秋「…」フキフキ

千秋(汗臭くなかったかな…)ドキドキ

 『おっと』ガシッ

千秋(マコトのくせに…)カァッ

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 21:00:57.77 ID:I0+/64Cx0
千秋「あっ…」

千秋(背中…届かない…)

千秋「おい、マコト…」

マコト『なんだー?』

千秋「ちょっと…」

マコト「んー?」ガチャ

マコト「なっ…ななななな////」

マコト「なんで上着てないんだよ!」

千秋「せっ…背中ぐらいで騒ぎすぎだ、馬鹿野郎」カァッ

千秋「背中にとどかない、拭いてくれ」

マコト「お…おう…」

千秋「ぜ…絶対に前を見るなよ!」

マコト「あ、当たり前だよ」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 21:09:43.15 ID:I0+/64Cx0
フキフキ

マコト・千秋「…」ドキドキ

マコト「お、終わったよ」

千秋「お、おう…」

マコト「じゃぁこれ片付けてくるから…」

千秋「あの、マコト…」

マコト「な、なんだ?」

千秋「きょ…今日は…その、か…帰らないのか…?」

マコト「あ、うん。さっき春香さんにも言われたし、今日はずっといるよ」

千秋「そ…そうか」ホッ

マコト「あの、風呂借りてもいいか?」

千秋「もちろんだ」

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 21:20:25.66 ID:I0+/64Cx0
千秋「…」ゴロゴロ

千秋(体育の時間といい、さっき倒れそうになった時といい、今日のマコトは何かおかしい…)ドキドキ

千秋(いや、おかしいのは私なのか…)

千秋(そうだ…これは風邪のせいだ、この火照りもドキドキも……少しさみしいのも…)

千秋(全部風邪の…)チラッ

千秋(マコトの制服…)

千秋「…」キョロキョロ

ギュ

千秋「っ───!私の…」

ギュッ

千秋「私の…負けだよ……ばかやろう…」カァッ

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 21:31:33.58 ID:I0+/64Cx0
シャー

マコト(千秋のやつ…大人しくしてるかな…)

マコト(素直にしてれば可愛いんだな…)ドキドキ

マコト(って!俺は弱った女の子相手に何を考えてるんだ!)ブンブン

マコト(でも…)

 『まこと…帰るのか…?』ギュッ

マコト(なんか…守ってあげたいというか…)ドキドキ

マコト「…」

マコト「さ…さっさと上がろう」

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 21:45:18.75 ID:I0+/64Cx0
マコト(で…)

千秋「zzz」ギュ

マコト(姫が俺の制服を抱いて寝てるわけだが…)

千秋「ふふ…」

マコト(可愛すぎる)


マコト(1時か…)ノビーッ

マコト(春香さんからの命を受けたからには、眠らずに千秋の看病をしなければ…)ウトウト

マコト(まぁ…ここまでぐっすりなら大丈夫そうだけど…)

マコト(眠気覚ましでテレビでも見ようかな…)

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 22:00:53.63 ID:I0+/64Cx0
千秋「ん…?」

千秋「ここは…どこだ…?」

千秋(暗い…何もない…)

千秋「春香姉さま!夏奈!」

シーン

千秋「…」

千秋「内田!吉野!冬馬!マコト!」

シーン

千秋「…」

千秋(嫌だ…)

千秋(暗い…怖い…寂しい…)

千秋(助けて…)

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 22:14:43.99 ID:I0+/64Cx0
千秋「はっ…」パチ

千秋「はぁっ……はぁっ………」

千秋「また…ゆめ…?」

部屋 マックラ

千秋「あう…」ゾク

千秋(マコトは…?)キョロキョロ

千秋(かえったのか…?)ウルッ

千秋「う…こほっこほっ」

千秋(苦しい…そういえば風邪引いてたんだ…)

千秋(マコトがいたから忘れられたのに…)

千秋(誰も…いないのかな…)グス

千秋「うぅ…」ポロポロ

千秋(!ドアの向こうが明るい…)

千秋「はぁっ…まこと……こほっ」フラフラ

千秋「まこと…マコト…」フラフラ ガチャ

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 22:26:04.29 ID:I0+/64Cx0
マコト(さっきから千秋のこと考えてばっかりだ…)

マコト(どうなんだ!?俺は千秋のことが…)

マコト(…千秋は俺のことどう思ってるんだろう)

ガチャ

マコト「!千秋、起きたのか」

千秋「ぁ……」フラッ

マコト「おいっ!」ガシッ

千秋「ばか、こほっ…やろう…なんでいなくなるんだよ」グスッ

マコト「いや、その…ごめん」

千秋「う…うぅ…」ポロポロ

マコト「千秋…」ギュ

千秋「もういなくならないって約束しろ…」ギュ

マコト「ぁ…」

マコト(やっぱり…俺は…)

マコト「うん…約束する…」

193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 22:36:31.94 ID:I0+/64Cx0
マコト「とりあえずまた寝て…」ギューッ

マコト「あの…千秋さん?」

千秋「お前は既に嘘を付いてるからな、信用できない」

千秋「このまま一緒に寝るんだ、馬鹿野郎」

マコト「え…えぇ!」ドキ

千秋「嫌か…?」

マコト「い、いや別に…」

千秋「そうか」ギュッ

千秋「ん…マコトの匂いだ……」スヤ

マコト「──っ」

マコト(もう…俺の負けだよ…)ギュッ

マコト(千秋…良い匂い…)スヤ

199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 22:44:53.21 ID:I0+/64Cx0
チュンチュン

千秋「ん」パチ

千秋(あれ以降悪夢は見ないで、よく眠れた…)

マコト「zzz」スヤスヤ

千秋「お前のせいか、馬鹿野郎」ツン

マコト「ん…」スヤスヤ

千秋「…」

千秋「…ありがとう」ボソ

マコト「んにゅ…」パチ

マコト「んあ…おはよう千秋」

千秋「お、おおおおはよう…馬鹿野郎」

マコト「調子はどうだ…?」

千秋「まだ少し頭が痛い…」

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/25(金) 22:55:50.31 ID:I0+/64Cx0
マコト「そうか…とりあえず熱を計ろう」

千秋「あむ」

ピピピ

マコト「37度5分…今日と明日くらいゆっくりしてれば、月曜日は学校来れるだろ」

マコト「春香さんも帰ってくるし、栄養のあるもの作ってもらって…」

千秋(そうか…マコトはもう帰ってしまうのか…)シュン

千秋「…」

千秋「あの…」ギュッ

マコト「ん?」

千秋「じ…実は、風邪よりもっと深刻な病気になって…」モジモジ

マコト「な、なんだよ!もっと早く言えよ!だ、大丈夫か」

千秋(この馬鹿野郎は…)

マコト「きゅ、救急車とか呼んだほうがいいか!?いや、それより春香さ──」グイッ

マコト「んっ」チュ

千秋「こっ…恋の病だよ!馬鹿野郎!」カァッ
                                           おわりんこ