1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:31:47.25 ID:RnS8YBJZ0
「うおおおお!」「加蓮ちゃーん!」「最高だああああ!」
「加蓮ちゃん可愛いよーっ!」「こっち向いてー!」

加蓮「みんなーっ! ありがとーっ!!」

「またライブしてくれよーっ!」「わああああああっ!」
「ありがとおおおおおお!」「大好きだああああ!」

引用元: 加蓮「えへへ……、本命、だよ。プロデューサー」 




4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:36:12.84 ID:RnS8YBJZ0
凛「お疲れ、加蓮」

李衣菜「カッコよかったよー!」

愛梨「加蓮ちゃん、やったね!」

加蓮「ありがとうっ! みんな、本当にありがとう!」

P「よくやった、加蓮。これ以上ない、良いライブだったよ」

加蓮「プロデューサー……っ!」ダキッ

P「おめでとう、夢が叶ったな」

加蓮「ありがとう……! プロデューサー!」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:41:44.54 ID:RnS8YBJZ0
―――
――


李衣菜「加蓮! かれーん!」

加蓮「………」

凛「李衣菜、どうしたの?」

李衣菜「なにしてんの?」

凛「加蓮にネイル塗ってもらってるんだよ」

李衣菜「ほほう。お揃いですな」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:46:44.72 ID:RnS8YBJZ0
加蓮「ふうっ。おっけー、次、左手ね」

李衣菜「かーれんっ」

加蓮「? ああ、李衣菜。おはよう」

李衣菜「おはよー! ね、ね、アレ見た?」

加蓮「アレ?」

李衣菜「えっへっへー♪」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:50:44.92 ID:RnS8YBJZ0
凛「アレってこれのこと?」グイッ

李衣菜「わひゃあっ! ちょ、ちょっと凛! せっかく驚かせようと思ったのにー」

加蓮「?」

凛「これって……この前の?」

李衣菜「そう! 加蓮の単独ライブ特集!」

加蓮「! う、うそ」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 21:55:42.96 ID:RnS8YBJZ0
P「嘘じゃないんだな、これが」

加蓮「プロデューサー!」

李衣菜「いやぁー加蓮なかなか写真映りいいね! 太ももが眩しいっ!」

凛「李衣菜、なんか感想がおっさんみたいになってるよ」

李衣菜「がびーん!」

P「いい記事だ。こっちにもう一冊あるから、やるよ。記念にとっとくといい」

12: >>9 ありがと 2013/02/14(木) 22:00:56.75 ID:RnS8YBJZ0
加蓮「あ、ありがと。わぁ……なんか……す、すごい恥ずかしいね……」

凛「なにも恥じることなんてないと思うけど」

李衣菜「そうだよー! ちょーイイ写真だよ!」

凛「露出度も李衣菜ほど高くないしね」

李衣菜「ちょちょちょ、どういうこと!?」

加蓮「ふふっ、ありがとう。じゃ凛、左手出して」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:08:08.62 ID:RnS8YBJZ0
李衣菜「あれーっ思ったより食いつかないなー?」

P「そんなことないさ。ほら、加蓮の口元、にやにやしてるだろ」

李衣菜「ほんとだっ! 可愛いなぁ加蓮は!」

加蓮「み、見ないでッ!」

愛梨「おはようございまーすっ! ケーキ作ってきましたー!」

李衣菜「わーいっ愛梨ちゃんのケーキだー!」

P「うんうん、仲良くなー」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:14:43.11 ID:RnS8YBJZ0
ノッテルカーイ! ワアアアアアアアッ

李衣菜「ひゃっほうっ!」

加蓮「すごい熱気……!」

李衣菜「いいなぁいいなぁロックだなぁ!」

加蓮「観客席ってこんな雰囲気なんだね、すごいね」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:18:31.02 ID:RnS8YBJZ0
李衣菜「え!? よく聴こえないよ加蓮!」

加蓮「楽しいね!」

李衣菜「でしょでしょ! うっひょー!」



李衣菜「いやーあそこのギターソロ! 痺れたねーっ!」

加蓮「かっこよかったよね」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:23:02.34 ID:RnS8YBJZ0
李衣菜「私もあんなふうに弾けたらなぁ! ぎゅいぃーん!」

加蓮「あれ。李衣菜ってギター弾けたの?」

李衣菜「ううん……買っただけです……。あ、すいませーんカフェオレおかわりっ」

加蓮「まぁ、李衣菜らしいというかなんというか、だね」

李衣菜「なになにっ?」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:27:10.98 ID:RnS8YBJZ0
加蓮「なんでもないよ♪」

李衣菜「なにさーっ! お姉さんに隠し事かぁっ」

加蓮「そういえば李衣菜っていっこ上だったね。忘れてたよ」

李衣菜「忘れないで!?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:33:11.07 ID:RnS8YBJZ0
凛「おはよ」

愛梨「凛ちゃん、おはよっ!」

加蓮「おはよう」

凛「はぁ、事務所はあったかくていいね。なに見てるの?」

愛梨「チョコレート菓子のレシピだよっ!」

加蓮「愛梨に教えてもらおうかと思ってさ」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:39:47.88 ID:RnS8YBJZ0
凛「へえ。なに作るの?」

愛梨「私はチョコレートケーキかなぁ」

加蓮「アタシはまだ…決めてないけど。どうしよっかな」

愛梨「凛ちゃんも一緒に作る?」

凛「ごめん、卯月と未央と作る約束してるんだ」

加蓮「そうなんだ。李衣菜はどうしてるのかな?」

愛梨「李衣菜ちゃんはお仕事だよ♪」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:47:22.39 ID:RnS8YBJZ0
凛「や、今じゃなくて、バレンタインの話でしょ」

愛梨「バレンタイン? あぁっ、ば、バレンタインだ!」

加蓮「えぇっ、気付いてなかったの!?」

愛梨「あははー、加蓮ちゃんがお菓子作りたいっていうのも、バレンタインだからなんだね!」

凛「私、ときどき愛梨が心配になるよ……」

加蓮「わかるわかる」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:52:54.40 ID:RnS8YBJZ0
愛梨「バレンタインかぁ。ん? 加蓮ちゃんは誰にチョコあげるの?」

加蓮「え、そ、そりゃあ、事務所のみんなだよ」

凛「プロデューサーとか?」

愛梨「あぁ、なるほど! それは大事だねっ!」

加蓮「いっいやいや、そんな、あれだし、ぜんぜんっ」

凛「私は渡すつもりだけどね」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 22:58:50.70 ID:RnS8YBJZ0
愛梨「私もそうしようっ!」

凛「愛梨はあれだよね、こうチョコを自分に塗って、私を食べて♪ とかやりそう」

愛梨「そ、そんなことしないよっ!」

加蓮「どうでもいいけど、さっきの凛はかなりレアだね」

凛「……忘れて!」

愛梨「そっかー、加蓮ちゃんがプロデューサーさんに渡すチョコレートはどれがいいかなぁ……」

加蓮「ちょ、話が進んでる!?」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:05:30.76 ID:RnS8YBJZ0
李衣菜「これは大迫力ですな……」

凛「………」

愛梨「このときは暑かったね!」

加蓮「おつかれー」

「お疲れ」「おっつかれー」「お疲れ様っ!」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:09:42.96 ID:RnS8YBJZ0
加蓮「なにそれ? 写真?」

李衣菜「そうそう。夏にみんなで海にいったときの写真」

加蓮「あぁ、ずいぶん懐かしいね」

凛「あのときは加蓮がめまいがするとか言ってプロデューサーがどたばたしてたよね」

愛梨「プロデューサーさんもう少しで救急車呼ぶところだったね!」

加蓮「悪いと思ってるよ…」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:14:36.82 ID:RnS8YBJZ0
李衣菜「もう元気だもんね! そしてこちらが衝撃の一枚です」

加蓮「? でかッ!」

愛梨「もーっ私の写真の話はいいでしょっ。ねっ、凛ちゃん」

凛「ちくしょう」

愛梨「え?」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:19:06.12 ID:RnS8YBJZ0
凛「また行きたいね」

李衣菜「うんうん! 今年もみんなでいこーっ!」

愛梨「はいっ! 賛成ー! 約束だよーっ!」

加蓮「はしゃいじゃって、ほんとにもう」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:24:32.53 ID:RnS8YBJZ0
P「よっ」

加蓮「あれ、プロデューサー? お疲れ」

P「うん、お疲れ加蓮」

加蓮「どしたの? わざわざ出迎えなんて珍しいじゃん」

P「そんなことないだろー。……体調はどうだ?」

加蓮「だ、だいじょうぶだってば。最近はほら、ほんと調子いいし」ピョンピョン

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:30:31.63 ID:RnS8YBJZ0
P「無理しなくていいんだぞ」

加蓮「……もう、プロデューサー、あのライブの前にも言ったでしょ。アタシは、夢のためにがんばるんだって」

P「ああ」

加蓮「あのとき、背中を押してくれたのはプロデューサーじゃん。
   くじけそうになって、あきらめようとしてたアタシに、手を貸してくれたのはプロデューサーでしょ」

P「……そうだけど」

加蓮「それで、アタシは夢をつかむことができた。……子供みたいだけどさ、アタシの夢を叶えてくれたのは、プロデューサーなんだよ」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:36:08.61 ID:RnS8YBJZ0
P「そうじゃない。あれは加蓮が意志を貫いたからで、」

加蓮「ひとりじゃムリだった」

P「……」

加蓮「アタシひとりじゃムリだったんだよ。プロデューサーがいてくれたから……がんばれたの」

P「加蓮、」

加蓮「だからもうちょっと夢を見させてよ。アタシをアイドルでいさせて……お願い」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:41:07.89 ID:RnS8YBJZ0
P「………。なにかあったら、すぐ言えよ。絶対だ」

加蓮「うん。約束する」

P「約束だ。……さて! じゃあどっかで甘いものでも食べてくか!」

加蓮「ほんと? プロデューサーのおごり?」

P「えっ」

加蓮「えっ」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:46:15.72 ID:RnS8YBJZ0
凛「じゃあ明日ね」

李衣菜「明日ねーっ!」

愛梨「チョコレートがんばろうね!」

加蓮「おつかれー」

李衣菜「さてさて、それじゃあ私たちもチョコレートつくろうっ! さあいざ我が家へ!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:50:26.59 ID:RnS8YBJZ0
愛梨「お友達の家に行くなんて久しぶりー♪」

加蓮「そうだね。楽しみだね」

李衣菜「ふっふっふー。ロックな私の部屋を見て感動していいよ!」

愛梨「ロックされてる部屋に入るの? どうやって?」

加蓮「その前にさ、材料買いにいかなくちゃ行けないんじゃないの?」

李衣菜「そうだった!」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:54:42.99 ID:RnS8YBJZ0
愛梨「じゃ、チョコレートを作ろーっ!」

李衣菜「いぇーいっ!」

加蓮「とときんとチョコレート工場……」

愛梨「?」

加蓮「ごめん、なんでもない。最初はどうするの?」

愛梨「えーっとね、李衣菜ちゃんはチョコレートを刻んでくれる?」

李衣菜「りょっかーい!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:57:04.68 ID:RnS8YBJZ0
加蓮「アタシは?」

愛梨「うん、加蓮ちゃん、なんか暑くない?」

加蓮「え、いや、別に」

愛梨「そう? 私ちょっと暑くなってきちゃった」ヌギヌギ

加蓮「えー……」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/14(木) 23:59:05.82 ID:RnS8YBJZ0
李衣菜「おいしくなーれ♪ おいしくなーれ♪」

加蓮「できたよ、愛梨」

愛梨「じゃ、それは冷やしておこうっ。李衣菜ちゃんのそれも、こっちに流し込んで冷蔵庫に入れよう?」

李衣菜「オッケー!」

加蓮「次は?」

愛梨「加蓮ちゃんはココアパウダーをここに広げてくれるかな?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 00:06:01.30 ID:tXK/Z0Ja0
李衣菜「いやー熱いね! なかなかロックな感じだよ今のとこ!」

愛梨「そうだね♪ 私ももう一枚脱ごうかなー」

加蓮「下着だけになっちゃうでしょうが」

李衣菜「窓開ける?」

愛梨「ううん、加蓮ちゃんが寒いから。ありがとっ」

加蓮「アタシは平気だけどね。よし、こんなものかな」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 00:12:21.81 ID:tXK/Z0Ja0
愛梨「それじゃちょっと休憩しよっか」

李衣菜「いいの?」

愛梨「チョコが冷えて固まるまでだよ♪」

加蓮「李衣菜、イス座っていい?」

李衣菜「いいよー! お茶いれるよ!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 00:18:18.81 ID:tXK/Z0Ja0
愛梨「それでね、凛ちゃんがプロデューサーさんのネクタイをぐいってやってー」

李衣菜「あははっ! 凛ってばもう!」

加蓮「ふふふ、けっこう可愛いとこあるよね。凛も」

李衣菜「おやおやぁ? 加蓮もひとのこと言えないんじゃないかなぁ?」

加蓮「なッ……あ、アタシは別に…」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 00:25:20.96 ID:tXK/Z0Ja0
愛梨「えへへ、加蓮ちゃんこの前プロデューサーさんに衣装誉められて顔真っ赤だったね!」

加蓮「ち、違っ、あれは……」

李衣菜「愛梨ちゃん! その話、もうちょっと詳しく聞かせてよ!」

加蓮「李衣菜!」

愛梨「加蓮ちゃんがライブの衣装を試着してねー、」

加蓮「愛梨ももういいから! ち、違う話をしよっ! ね?」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 00:31:44.82 ID:tXK/Z0Ja0
愛梨「あ、そろそろチョコ冷えたんじゃないかな」

李衣菜「よーし、じゃあ仕上げといこーっ!」

加蓮「うんうんそれがいいよ。ほっ……」



愛梨「はい、完成っ♪」

李衣菜「やったぁー!」

加蓮「うまく出来てよかったよ」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 00:37:30.78 ID:tXK/Z0Ja0
李衣菜「じゃ、これは各自で渡すということで、ほい」

愛梨「うん!」

加蓮「ありがと。あ、凛からメールだ。みんなでご飯食べないかってさ」

李衣菜「いいねいいね!」

愛梨「お腹すいたねーっ」

加蓮「ん。じゃあ行こっか」

「「はーい!」」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 00:44:04.30 ID:tXK/Z0Ja0
李衣菜「はい、プロデューサー!」

P「お? あぁ、ありがとう李衣菜」

李衣菜「へっへー♪ もっと喜んでもいいよ!」

P「はいはい。愛梨が冷蔵庫にケーキ入れていったから、食べていいぞ」

李衣菜「ホント!? やったぁっ!」

P「ぜんぶ食うなよー」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 00:50:54.34 ID:tXK/Z0Ja0
李衣菜「ばか、食べないよっ!」

P「ん? はい、もしもし。……え?」

李衣菜「ねー、プロデューサーも食べるー? プロデューサー?」

P「加蓮が倒れた……!?」

李衣菜「!」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 00:56:47.39 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「………」

コンコン

加蓮「はい」

P「宅配便でーす」ガラッ

加蓮「……ばか」

P「……どうなってる」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:03:20.08 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「……プロデューサーだけ?」

P「みんなまだ仕事だ」

加蓮「放ってきたんだ。プロデューサー失格だね」

P「加蓮……!」

加蓮「……そんな怖い顔しないでよ。イス座っていいよ」

P「親御さんに連絡はいってるよな」

加蓮「うん。しばらくしたら来るんじゃない? プロデューサーが一等賞だよ」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:09:30.43 ID:tXK/Z0Ja0
P「加蓮」

加蓮「………」

prrrrr

P「! くそっこんなときに……! ごめん、加蓮。――もしもしっ」ガラッ

加蓮「……ごめんなさい」



P「はい、はい、それでお願いします、はい、失礼します」

男女「こんにちは」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:15:19.81 ID:tXK/Z0Ja0
P「こんにちは、……! あ、あの」

男「先生にお話を伺ってきました。……これまで、ありがとうございました」

P「!」

男「あの子は、あなたのおかげで夢を見れたと言っていました。本当にありがとうございます」

P「……! か、加蓮は、」

女「お引き取り願えますか」

男「やめないか。あなたには本当に世話になりました。申し訳ないですが、これでおしまいです」

P「………。失礼します……」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:21:56.00 ID:tXK/Z0Ja0
凛「はい、おみやげ」

加蓮「ありがと」

李衣菜「私はねー! はい! 作曲:タダリーナのロックンロール!」

加蓮「はは、ありがと」

凛「愛梨は収録でね。ふたりだけだけど」

加蓮「ううん、すごく嬉しいよ」

李衣菜「ねー愛梨ちゃんも早く来ないと加蓮、退院しちゃうよって言っといたからね!」

凛「ほんとだよ」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:28:15.31 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「あはは……」

凛「………」

李衣菜「それでね、この曲はねー、UKのカンジとー、」

凛「李衣菜。そろそろ行かないと」

李衣菜「え? あぁっ時間だ! ちぇっ。ごめんね、加蓮、また来るね!」

凛「それじゃ」

加蓮「うん。またね」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:36:16.34 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「愛梨、忙しいらしいね」

愛梨「うん、ちょっとね! ごめんね、もっと早く来ようと思ったんだけど」

加蓮「あ、ううん、そうじゃなくて。シンデレラガールだもんね、おめでとう」

愛梨「あ、えっと、うん、ありがとう加蓮ちゃん。えへへ」

加蓮「そうだ、ごめん、チョコレート渡せなかったよ。せっかく愛梨と作ったのに」

愛梨「ううんっ、ぜんぜん、そんな。でも、残念だったね。退院したらもう一回作ろうよ!」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:42:41.98 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「そうだね。次はもっとてきぱきできるよ」

愛梨「今度は凛ちゃんも一緒にねっ」

加蓮「うん。みんなで、一緒に……」

愛梨「か、加蓮ちゃん?」

加蓮「愛梨、時間だいじょうぶ?」

愛梨「へ? わわわっ、急がなくちゃ! またね加蓮ちゃん!」

加蓮「うん、またね」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:48:52.69 ID:tXK/Z0Ja0
P「………」

加蓮「………」

P「……聞いたよ」

加蓮「………」

P「……ごめん」

加蓮「プロデューサーのせいじゃないよ」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:54:33.93 ID:tXK/Z0Ja0
P「……でも、」

加蓮「夢はさ、いつか覚めちゃうもんなんだよ。アタシの夢はこれでおしまい」

P「加蓮……」

加蓮「あはは…、ありがとねプロデューサー。おかげでいい夢が見れたよ」

P「……俺は、」

加蓮「……ねぇ、プロデューサー」ポロッ

P「!」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 01:59:06.79 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「やだよ……もうおしまいなんてやだよ……!」ポロポロ

P「加蓮……っ」ギュッ

加蓮「また凛と一緒にネイルしたい……、
   また李衣菜とライブにいきたい……、
   また愛梨とお菓子作りたい……、
   もっとみんなと遊びたいよぉ……っ!」

P「加蓮……!」

加蓮「またみんなで海に行くって約束したもん……!
   プロデューサー! アタシ、アタシ、いやだぁ……っ!
   まだ死にたくないよぅ……っ!」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 02:06:03.77 ID:tXK/Z0Ja0
P(加蓮が倒れてから、一ヶ月が経った)

P(今日は、加蓮から呼び出されて病院に来た)

P「宅配便でーす」ガラッ

加蓮「サインで、いい?」

P「アイドルのサインなら、もったいないくらいだな」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 02:11:34.13 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「よびだしちゃって、ごめんね」

P「いや。で、どうした?」

加蓮「ちょっと、外に、いこうよ」

P「だ、だいじょうぶなのか?」

加蓮「へいき、だよ。ちょっと、だけ、なら」

P「そうか……」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 02:18:15.19 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「ふふ、押して、もらうと、らくだね」

P「ちゃんと上着の前合わせてろよ。風はないけど、寒いんだから」

加蓮「はいはい」

P「……ここらへんでいいか?」

加蓮「うん」

P「………」

加蓮「………」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 02:25:20.84 ID:tXK/Z0Ja0
P「……それで、」

加蓮「もう、一年、くらいに、なるのかなあ」

P「え?」

加蓮「ありがとう、プロデューサー。アイドル、なれて、よかったよ。アタシ」

P「……うん」

加蓮「………。プロデューサー、私ね。


   何度生まれ変わっても――あなたのアイドルになるよ……」


P「!」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 02:32:31.58 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「はい」

P「これは?」

加蓮「いっかげつ、遅れちゃったけど、バレンタインチョコ。きせいひんで、ごめんね」

P「いや……ありがとう。嬉しいよ、加蓮」

加蓮「えへへ……、本命、だよ。プロデューサー」

P「加蓮、」

加蓮「じゃあね」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 02:36:37.37 ID:tXK/Z0Ja0
P(一人で車いすを繰る加蓮を、俺は追いかけられなかった)

P(翌朝、加蓮は目を覚まさなかった)

P(俺は加蓮にもらったチョコを食べた)

P「……ありがとう、加蓮」ポロッ




90: じゃあ要る人だけ 2013/02/15(金) 02:54:26.77 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「………」

P「………」

加蓮「どう? どう?」

凛「どうって言われても」

P「自虐ネタ、なのか? これ」

奈緒「うあ”あ”……加蓮ん”死んじゃやだぁ”」ボロボロ

凛「!?」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 03:00:56.97 ID:tXK/Z0Ja0
P「おい、奈緒、落ち着け、今のは加蓮の妄想だから!」

加蓮「妄想って言い方はひどくない? ドラマの脚本をかーんがーえーたーの!」

凛「自分がヒロインのドラマって。しかもなんかありきたりだし」

奈緒「うえぇぇぇぇん」

P「泣くなよ奈緒ーなーよしよーし」ナデナデ

凛「ま、考えるだけにしてよ。加蓮とお別れなんて、やだからね」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 03:07:40.21 ID:tXK/Z0Ja0
加蓮「当然! てゆーかアタシもう元気だから! でもね、プロデューサー」

P「え、何?」

加蓮「本命ってのはホントだから。よろしく♪」

凛「はぁッ!?」

奈緒「プロデューサーさん死んじゃやだぁぁ」グイグイ

P「ちょちょちょ俺じゃない俺じゃないから」ガックガック

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/02/15(金) 03:14:44.55 ID:tXK/Z0Ja0
凛「ちょ、ちょっと加蓮! どういうこと!?」

加蓮「~♪」

奈緒「ふえぇぇ…」ギュウッ

P「すまん加蓮、なんて? 奈緒がちょっと…」

加蓮「えへへ、本命だよ。プロデューサーっ♪」



おしまい