1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 19:56:54.80 ID:JJGWJymA0
岡部「トゥットゥルー♪ オカリンです♪」

まゆり「クリスティィイイインッナ!! 一体何なのだこれは!!」

紅莉栖「し、知らないわよ! まだ試作段階だったのに勝手に使う方が悪い!」

まゆり「馬鹿を言うな! そもそも中身が入れ替わるガジェットなど何故作ろうとした!」

紅莉栖「岡部が作れって言ったんだろうが!」

まゆり「なんだって!?(この世界線の俺は何をしていたのだ……!)」

岡部「紅莉栖ちゃん、勝手に使ったりしてごめんね?」

紅莉栖「うっ……岡部の声でまゆりのトーンはきついわね……」

引用元: 岡部「ねぇねぇまゆしぃ」 まゆり「どうしてこうなった」 




4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 19:59:18.49 ID:JJGWJymA0
まゆり「それで、どうしたら元に戻れるのだ?」

紅莉栖「……ねえ、その喋り方何とかならないの? まゆりが厨二病みたいで嫌なんだけど」

まゆり「馬鹿を言うな、それならこっちの方がもっと問題だろう!」

岡部「? どうかしたのオカリン? あ、でも今はまゆしぃだね」

紅莉栖「」ゾクッ

まゆり「まゆり頼む、いつもの俺の口調で喋ってくれ!」

岡部「えー、無理だよう。それにオカリンこそまゆしぃみたいに喋ってほしいなぁ」

まゆり「できるか馬鹿者! おい助手、さっさと元に戻してくれ!」

紅莉栖「……無理よ」

まゆり「なにっ!?」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:02:03.53 ID:JJGWJymA0
紅莉栖「理論は完璧だったみたいだけど、ガジェットが壊れちゃってる。また最初から作らないといけないわ」

まゆり「なんてこった……。そうだ、Dメールを使えばいいではないか!」

紅莉栖「それもダメね。もう下の工房は閉まってる時間でしょ?」

岡部「ねぇねぇオカリン、まゆしぃはもう少しオカリンのままでもいいよ?」

まゆり「だめだ、まゆり。今すぐ俺達は元の身体に戻らねばならない!」

岡部「どうして?」

まゆり「どうしてって……それはだな、色々都合が悪いことも多いであろう?」

まゆり(理由はわからんが、元の身体を見つめると心臓の辺りがチクチクと痛む)

まゆり(魂が自分の身体を欲しているせいなのか?)

まゆり「クリスティーナ、では早速同じガジェットをもう1つ作るのだ。可及的速やかにな!」

紅莉栖「え? あ、うん……って無理よ無理! もう機材は使い切っちゃったもの」

まゆり「ええい、金は俺が出す! さっさと買ってこい!」

紅莉栖「はいはいわかったわよ! いい、私がいないからってまゆりの身体に変なことしたら許さないからな!」キィ、バタン!

まゆり「するか!! ったく、天才HE  少女はこれだから」ブツブツ

岡部「……」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:05:03.09 ID:JJGWJymA0
岡部「オッカリーン♪」ギュー

まゆり「うおっ!? い、いきなり抱きつくなまゆり!」

岡部「えへへー。オカリンの人質を逃げないように確保したのです」

まゆり「何を言っている、まままさか機関から精神攻撃を受けているのか!?」

岡部「えー、違うよー? オカリンこういうことされるのいや?」

まゆり「い、いやって事はないが……その、お前こそ元の身体に対していいのか?」

岡部「どういう意味~?」

まゆり「お前も女の子だ。いくら幼馴染だからといえ、自分の身体が男に抱きつかれたらいやであろう?」

岡部「まゆしぃはオカリンとこうしてると楽しいよ?」

まゆり「っ、そうか? むう……。ま、まあいい、やることもないし、好きにするといい」

岡部「~♪」ギュー

まゆり(元の身体でまゆりに抱きつかれたら、恥ずかしくて突き飛ばしかねんな……)

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:07:07.02 ID:JJGWJymA0
岡部「暑いねー」

まゆり「抱きついたりするからだ」

岡部「そうだね、えへへ。何か冷たいもの飲もっか?」

まゆり「ドクペがあるはずだ、それを飲もう」

岡部「りょーかいなのです。……あれぇ、1本しかないよ?」

まゆり「む、買い足すの忘れていたか。ならばそれはまゆりが飲むといい」

岡部「オカリンはどうするの?」

まゆり「近くのコンビニにでも行ってくる。ついでに何か欲しいものがあるなら買ってくるぞ」

岡部「えー、それならまゆしぃがお買いものしてくるよー。オカリン今お金あるの?」

まゆり「ぐっ、そういえば唯一あった諭吉を助手に握らせてしまったんだった……」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:10:05.44 ID:JJGWJymA0
岡部「じゃあまゆしぃが行ってくるね? 欲しい物はある?」

まゆり「そうだな、元に戻れるまで外出する用を増やしたくない。食料もついでに頼む」

岡部「りょーかいなのです♪ オカリンはそのドクペ飲みながら待っててね」キィ、パタン

まゆり「気をつけてな――行ってしまったか」

まゆり「……」

まゆり「……」

まゆり「……」

まゆり「……ふむ」モ モ  

まゆり(っていかぁん! なに俺は幼馴染の成長具合を確かめておるのだ! 変 か!)

まゆり(……)

まゆり(しかしこれほど柔らかいものなのか……。まゆりもすっかり女の子らしくなったのだな)

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:13:00.92 ID:JJGWJymA0
まゆり「む? 誰かラボに来たようだな。まゆりか?」ガチャッ

ダル「ふぅ、今日も暑いおー。あれ、まゆ氏しかいないん?」バタン

まゆり「なんだダルか。今日はメイクイーンニャン×2に寄ってそのまま帰るのではなかったのか?」

ダル「」

まゆり「どうしたダル、そんなとこで固まっt」

まゆり(ってしまったああああああああ!!)

ダル「ま、まゆ氏がグレた……オカリンの厨二病がついに伝染しちゃったお……」

まゆり「ち、違う! これは訳があってだな」

ダル「オカリンのやつ、幼馴染のJKを厨二病に染めるとか犯罪もいいとこだろ常考!」

まゆり「ダル、だから話を聞いてくれ!」

ダル「まゆ氏まゆ氏、何があったか知らないけど無理してオカリンぽくしなくていいと思われ」

まゆり(だめだ、埒が明かない! ……ってまた誰か来たぞ?)ガチャ

岡部「トゥットゥルー♪ オカリンただいまー。あれ、ダルくんそんなところでどうしたの?」

ダル「」

まゆり「」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:16:17.72 ID:JJGWJymA0
ダル「なーんだ、牧瀬氏のガジェットのせいだったのかお」

まゆり「これ以上変なことにならんよう、一刻も早く戻らねばな……」

ダル「でもまゆ、じゃなくてオカリン。僕にはまゆ氏が結構楽しそうに見えるお」

岡部「~~♪」

まゆり「ダルもそう思うか。誰かと中身が入れ替わるなんて貴重な体験だとは思うが……」

まゆり(まゆりは元の身体に戻りたいとは思わないのか?)

岡部「ねぇねぇまゆりん、お弁当買ってきたけどもう食べる?」

まゆり「自然に混ぜるな! それに俺はまゆりんでもオカリンでもなく、鳳凰院凶真だと何度言ったr」

ダル「まゆ氏ボイスだと全然マッドサイエンティストっぽく聞こえない罠」

まゆり「ぐぬぬ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:19:10.40 ID:JJGWJymA0
ダル「じゃあ、僕はそろそろお暇するお。もともと忘れ物取りに寄っただけだし」

まゆり「そうか。ああダル、このことはあまり言いふらすなよ?」

ダル「わかってるお。でもその代わり、僕が今やってるゲームのテキストを読み上げてみてほしいんだけど」

岡部「ダルくんどんなゲームやってるの?」

まゆり「どうせ  ゲだろう、俺はやらんぞ。まゆりの身体を好きにはさせん」

ダル「えー、でもオカリンさっきまで一人だったんしょ? やましいこととか本当にないん?」

まゆり「と、当然だ! 俺がまゆりに手を出すわけがないだろう!」

岡部「? ねぇねぇオカリン、何のお話してるのかまゆしぃにも教えて?」

まゆり「ま、まゆりは気にしなくていい。大丈夫だ、何も問題は……ない」

まゆり(すまない、まゆり。あとでジューシー唐揚げナンバーワンでも買ってやるからな……)

ダル「それじゃ、僕はこれで」キィー

岡部「ダルくんまたね~」

まゆり「気をつけて帰れよ」バタン

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:22:06.26 ID:JJGWJymA0
岡部「紅莉栖ちゃん遅いね」

まゆり「そろそろ戻ってくるだろう。それより、腹は空かないか?」

岡部「うん、まゆしぃはもうお腹がぺこぺこなのです」

まゆり「では、まゆりが買ってきてくれたものを食べよう」



まゆり「――ふぅ……まゆりは結構、胃の容量が大きいのだな」

岡部「え~、そんなことないよぅ。今日は特別お腹が空いてたんだよー」

まゆり「いつも間食ばかりしてるからではないのか?」

岡部「そうかな~、そんなことないと思うけどなぁ」

まゆり「まあ、その分動けば何も問題はない。まゆりは健康的だから食べ過ぎても大丈夫だろう」

岡部「えへへ。でもオカリンはあまり健康じゃなかったのです。さっきすぐ疲れちゃったよ?」

まゆり「ぐぬぬ……俺の事はいいのだ! マッドサイエンティストに体力など必要ない!」

岡部「まゆしぃはオカリンに健康でいてほしいけどなぁ」

まゆり「……、あー。……まあ、多少は、考慮してやってもいいがな。最低限度は、な」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:25:16.26 ID:JJGWJymA0
岡部「ねぇねぇオカリン、変なこと聞いていい?」

まゆり「ん? まあ内容次第だな」

岡部「オカリンって、紅莉栖ちゃんのこと、好き?」

まゆり「なにっ!? な、なんだというのだいきなり!!」

岡部「うーん、何となくね。オカリンの身体になってからなんだけど」

岡部「紅莉栖ちゃんのことを見て、なんだかドキドキするなぁって」

まゆり(なん……だと……?)

岡部「だからね、もしそうだったら応援したいなぁって思うんだ~」

まゆり「俺が、助手を? ば、馬鹿なことを言うな、まゆりよ。この鳳凰院凶m」

岡部「オカリン、紅莉栖ちゃんは良い子だけど、ツンデレさんだから優しくしてあげなきゃだめだよ?」

まゆり「むう……」

まゆり(俺が、クリスティーナを好きだって? どうして俺がクリスティーナを……)

まゆり(確かにあいつの天才ぶりを見ていると、つい強がってしまったりはするが)

まゆり(……いかん、また胸が少し痛みだした。早く元の身体に戻って確認せねば)

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:28:02.24 ID:JJGWJymA0
まゆり「ええい、遅い! 買い物すらろくにできんのかあの助手は!」

岡部「もうすっかり遅くなっちゃったねぇ」

まゆり「まったく、俺はともかく終電がなくなったらどうするのだ……」 ガチャッ

紅莉栖「……悪かったな、遅くなって」

まゆり「なっ、クリスティーナ!」

岡部「紅莉栖ちゃんおかえり~」バタン

紅莉栖「そうだった、中身が入れ替わってるのよね……はい岡部」

まゆり「? これは……ガジェット?」

紅莉栖「機材を調達してから一度、ホテルに戻ったのよ。ついでに作ってきた」

まゆり「ついでって、そんなノリで作ったものをこれから使えと言うのか?」

紅莉栖「急げって言ったのは岡部だろ、それに1回は使えるって岡部とまゆりが証明してる」

まゆり「ふむ……ならば、なぜラボに戻って作らなかったのだ?」

紅莉栖「それは、その……せっかくの機会だし? 二人きりで話したい事もあるんじゃないかと思って」チラッ

岡部「?」

まゆり(そう言われると、助手には聞かせられん話をしたな……主にまゆりがな)

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:30:22.30 ID:JJGWJymA0
まゆり「まあいい、仕事が早くて助かった。……感謝するぞ、紅莉栖」

紅莉栖「ふぇっ? な、なによ急に改まったりして。ふ、ふんっ」

まゆり「まゆり、もうお終いだ。元の身体に戻るとしよう」

岡部「りょーかいなのです。えっと、どうやって使うんだっけ?」

まゆり「たしか……ここにお互いの手を重ねたんだったか」

岡部「こうかなぁ?」ギュッ

まゆり「ああ。では、起動するぞ」ポチッ





――――――――――――――――――――――――――――――――――

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:33:05.57 ID:JJGWJymA0
岡部「――くっ、ど、どうなった?」

まゆり「オカリーン……」

岡部「その声は、まゆり? お、おお、これは俺の声だな? ということは、元に戻ったのだな!」

岡部「フゥーハハハハハハハハハ!!!!」

紅莉栖「はいはい、良かったわねー。どうでもいいけど、いつまでまゆりと手を繋いでるわけ?」

岡部「ハハハ――はっ、す、すまないまゆりっ!」パッ

まゆり「ううん。ねぇオカリン、まゆしぃはちょっとふらふらするのです……」

紅莉栖「後遺症とかあるのかしら……まゆり、ちょっと見せて」

岡部「お、おい、クリスティーナ、まゆりは大丈夫なのか?」

紅莉栖「岡部がピンピンしてるから大したことないはずだけど……」

岡部「そ、そうか、よかった。な、なにか俺にまゆりのために出来ることはないか?」

紅莉栖「そうねぇ、だったらちょっと外に出てってくれない?」

岡部「」

紅莉栖「心配すんな、私を誰だと思っている? それとも、HE  マッドサイエンティストは幼馴染の身体が恋しくなっちゃった?」

岡部「む、むぅ……わかった。下のベンチにでも座って待っていよう」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:36:05.43 ID:JJGWJymA0
岡部「……」

岡部「まゆりは大丈夫だろうか……」

岡部「……」

岡部(まゆりは……俺が紅莉栖を好きなんじゃないかと尋ねてきたな)

岡部(あの時、まゆりと入れ替わった直後の俺の身体が、紅莉栖を見てドキドキした、か)

岡部(俺は、紅莉栖の事が……好きなのか?)

岡部「……」

岡部(まゆりの手……手を繋ぐのなんていつ振りだったろうか)

岡部(紅莉栖に指摘されて、俺は焦ってすぐ離してしまったが)

岡部(ドキドキ、か。それを言うなら、今の俺は何に対して胸の鼓動を早まらせているのだ)

紅莉栖「……岡部、もういいわよ」

岡部「ん、クリスティーナか。まゆりは大丈夫なのか?」

紅莉栖「ええ、問題ないわ。でも少し休んでもらってるから、岡部のことはここで見てあげる」

岡部「見るって、何を見るのだ? 俺はこの通り――」

紅莉栖「いいから、見せろ。……というか、私の話を聞きなさい」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:38:39.84 ID:JJGWJymA0
紅莉栖「ねえ岡部。まゆりの身体と入れ替わって、何かいつもと違うところはなかった?」

岡部「違うところ? 自分の身体でないという違和感ならあったが」

紅莉栖「そうじゃなくて……質問を変える。それじゃあ岡部、まゆりに何か変なこと聞かれなかった?」

岡部「変なこと、か。そうだな、一つだけ、返答に困った質問をされた」

紅莉栖「そう。それって、私に聞かれたらまずいことじゃなかった?」

岡部「っ……! ま、まあな、それについては否定しない」

紅莉栖「やっぱりね。そうじゃないならそうじゃないで問題なかったんだけど」

岡部「……クリスティーナ。どうしてわかったんだ? まゆりがそんなことを尋ねるなどと」

紅莉栖「私だって、ラボメンなのよ? 日は浅いかもしれないけど、あんた達のことは見てきたつもり」

紅莉栖「……ねえ、まゆりになんて言われたの?」

岡部「それは……だな……」

岡部(まゆりが言ったこと……紅莉栖に話しても、よいのだろうか?)

岡部(考えろ、考えろ。俺は紅莉栖に――)


>>35
1.聞かれた通りに答える
2.思いのまま話す



39: 2.思いのまま話す 2012/05/05(土) 20:43:49.04 ID:JJGWJymA0
岡部「――まゆりが、俺がお前の事を好きなのではないかと尋ねてきてな」

岡部「俺にはよくわからんのだが、まゆりには思うところがあったようだ」

岡部「俺の身体でお前を見つめると、どうやらドキドキしたらしい」

岡部「しかし俺は……先程まゆりと手を繋いでからというものの、妙に落ち着かなくなった」

岡部「思い返すと、まゆりの身体で元の俺の身体を見た時も、何かこう、胸が少し痛くなったな」

岡部「俺の中に渦巻いた感情が、何を意味しているのかがわからない」

岡部「――そんな、ところか。以上だ」

紅莉栖「……そう、だいたいそんな感じかなとは思ってたけど」

岡部「心当たりがあるのか?」

紅莉栖「勘、かしら。非科学的な発言なのは承知してる」

岡部「……お前の事だ、きっとそれは正しいのだろう。だから教えてくれ」

紅莉栖「……いい、心して聞きなさい? 今から言う事は岡部とまゆりにとって大切な事なんだから」

岡部「ああ、覚悟しよう」

紅莉栖「まずは……そうね、岡部。あんたはね、まゆりのことが好きなのよ」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:46:22.70 ID:JJGWJymA0
岡部「……」

紅莉栖「今だって、残ってるまゆりの感触を意識してるんでしょう?」

岡部「まあ、な……」

紅莉栖「岡部はいつもまゆりを人質とかなんとか、厨二っぽく誤魔化してるけど」

紅莉栖「まゆりだって、一人の女の子よ。……そうでしょう?」

岡部「……」

紅莉栖「幼馴染だから、なんて言い訳にして、いつも側にいてくれた女の子の気持ちは●●にはわからないか」

岡部「……スイーツ(笑)●●が何を言うか」

紅莉栖「わかるわよ。私だって、一応……女だぞ?」

岡部「ふっ、非科学的な発言だな」

紅莉栖「最初から言っとろうが。……話を続けるわよ」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:49:04.88 ID:JJGWJymA0
紅莉栖「岡部も気にしてると思うんだけど、岡部が私にドキドキしたって話ね」

岡部「何やら聞いてるだけでむずがゆくなるな……」

紅莉栖「我慢しろ。それで、話を進める前に一つ、仮説を立てておくわね」

岡部「仮説? 急に実験大好きっ娘に戻ったな」

紅莉栖「茶化すな。……あんた達は、それまでの自分の意識と記憶を引き継いで入れ替わったのよね?」

岡部「まあ、そうだな。身体だけが入れ替わったと言える」

紅莉栖「そう。でも、まゆりの身体になってから、元の身体で感じることのなかった特別な感情があったんじゃない?」

岡部「どういうことだ? 別に、俺は……」

紅莉栖「直接それが何なのか自覚しなくてもいい。感情を表すための副作用、とでも言うのかしら?」

岡部「むぅ……」

紅莉栖「よく思い出して、岡部も言ってたじゃない。岡部がまゆりの身体になって、それから自分の身体を見た時の事よ」

岡部「……。そう、いえば……」

岡部「胸が、痛んだな。僅かだが、針で突かれているかのような」

紅莉栖「それよ! つまり、身体が覚えてたのかどうかまでは検証できてないけど」

紅莉栖「本来、岡部とまゆりが元の身体で知覚するはずだった感情を、その時の身体の持ち主がそのまま抱いてしまったのよ」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:52:13.58 ID:JJGWJymA0
岡部「……? それが正しいとして、何を言いたいんだ?」

紅莉栖「岡部が私を見てドキドキしたって話よ。まずは状況を整理しましょう」

紅莉栖「岡部とまゆりは、私に無断で試作段階だったガジェットを使ったわね?」

岡部「そうだな、俺が興味を持ったからだ。まゆりは悪くないぞ」

紅莉栖「わかってるわよ。それで、ねえ岡部。私に何か言うことはないの?」

岡部「言うこと?」

紅莉栖「試作段階のガジェットを勝手に使って、まゆりを巻き込んで、こんなことにまでなって」

紅莉栖「岡部、どんなガジェットだったのかなんて自分は知らないって態度だったわよね」

岡部「ぐぬぬ……」

紅莉栖「岡部はヘタレだから、あの時私に怒られて内心焦ったんじゃない? 自分に非があったことくらいわかってるんでしょ?」

岡部「それは……むぅ、この狂気のマッドサイエンティストがそんな小心者のはずが」

紅莉栖「おーかーべー?」ゴゴゴゴ

岡部「すみませんでした、申し訳ありません」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:54:28.92 ID:JJGWJymA0
紅莉栖「そういうことよ。岡部の身体はドキドキしたんじゃなくて、私が恐くてビクビクしてただけなの」

岡部「情けない話だが、その解釈が納得できてしまう。悔しい……」

紅莉栖「でも感じちゃったんだから仕方ないでしょ。って、それはいいのよ!」

紅莉栖「それよりも、まゆりのこと。岡部は今、まゆりのことを意識している」

岡部「……そう、かもしれないな。これは助手の時とは違うものかもしれん」

紅莉栖「全然別物よ。そして、岡部がまゆりの身体で感じたこともあるでしょう?」

岡部「胸の痛みのことか」

紅莉栖「そう。そこからは私の勘になるんだけど……」

岡部「どうした?」

紅莉栖「きっと……いいえ、絶対ね。まゆりは、……まゆりも、あんたのことが好きなのよ」

岡部「……なっ!?」

紅莉栖「というか、早く気付いてあげなさいよ。付き合いの短い私ですら知ってたわよ?」

岡部「……」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 20:57:18.29 ID:JJGWJymA0
紅莉栖「……、何か質問ある? もう私がお節介する必要はないと思うんだけど」

岡部「いや、その、それは……本当なのか? まゆりが、俺を……?」

紅莉栖「馬鹿、本人に聞きなさいよ! ……大丈夫、何なら保証してあげる」

岡部「くっ……」

紅莉栖「ほらっ、何してんの? さっさとまゆりのとこに行ってあげなさい」

紅莉栖「……まゆり、岡部が私を好きだって、勘違いしてるから」

岡部「……わかった。行ってくるよ。紅莉栖……感謝する」

紅莉栖「はいはい、お幸せに。あんまり女の子を待たせちゃだめなんだぞ?」

岡部「しかし、お前はどうするんだ。もう夜も遅いが――」

紅莉栖「――っ、こっちみんな! いいからさっさと行け!」

岡部「? あ、ああ……では、行ってくる」



紅莉栖「……付き合いの短い私でも、か」

紅莉栖「そうよね、そんな私が、あいつのこと……好きに、なるわけ……」

紅莉栖「……うぅ……ぐすっ……ひっく――――」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 21:00:53.45 ID:JJGWJymA0
――――
――

まゆり「ねぇねぇオカリン、ほんとにまゆしぃでいいの?」

岡部「何を言っている? お前は今までもこれからも、俺の大切な人質だ」

まゆり「そうなんだぁ、えへへ♪ それじゃあ仕方ないね」

岡部「……あー、まゆりさん? 一体何をしているのだ?」

まゆり「オカリンにぎゅーってしてる。だってオカリンの人質さんだもん」

岡部「そ、そうか……。あ、暑いから、できれば手短に頼みたいのだが」

まゆり「……まゆしぃね? ずっとオカリンにこうしてみたかったんだぁ」

まゆり「でもね、オカリンはまゆしぃより、紅莉栖ちゃんのことが好きなんじゃないかなって思ったら」

まゆり「もうこんなことしてもらえないなぁって思って、オカリンの身体だったけどオカリンに抱きついちゃった。……ごめんね?」

岡部「……気にするな、まゆり。もう済んだことだ、そんなことよりこれからのことを考えよう」

まゆり「これから?」

岡部「ああ、そうだ。その、こういう関係になって何をすべきなのかはよくは知らんのだが」

岡部「……あれだ、あれ。まずは……デートというやつでも、やってみようと思うのだが、どうだ?」

まゆり「――っ、うん! まゆしぃも、オカリンとデートをしてみたいのです♪」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 21:02:20.25 ID:JJGWJymA0
お終いです。読んでくれた人ありがとう

60: >>30 1.聞かれた通りに答える 2012/05/05(土) 21:11:38.93 ID:JJGWJymA0
岡部「――まあ、その、だな。まゆりが、俺の身体で感じたことを尋ねてきたんだ」

紅莉栖「……うん。それで?」

岡部「どうやら俺は、お前を見てるとドキドキするんだそうだ」

紅莉栖「……うん、うん? え?」

岡部「まゆりにはこう聞かれた。俺はお前の事が好きなんじゃないかって」

紅莉栖「」

岡部「生憎、俺にはそのような感情がよくわからんのでな。まゆりに言われるまで気付かなかった」

紅莉栖「え、ちょ、あ、お、おおおおおお岡部?」

岡部「何だ?」

紅莉栖「いや、その、あれ? おかしいな、私の予測と違う……」

岡部「なっ!? おま、お前! 話が違うではないか! 全てを悟ったような顔をしておいてなんだその言い草は!」

紅莉栖「しししししし知らないわよ! ちょっと待って、あれ? 私、今、」

紅莉栖「岡部に……告られた?」

岡部「」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 21:14:34.60 ID:JJGWJymA0
岡部「な、何を言うかこのスイーツ(笑)脳全開●●が! お、おおお俺が何だって!?」

紅莉栖「だ、だだだだから、岡部が、私にっ……!」

岡部「」

紅莉栖「」

岡部「……そ、そういうことになる……のか?」

紅莉栖「……そ、そうなんじゃない?」

岡部「……」

紅莉栖「……」

岡部「……なあ、お前はどうなのだ?」

紅莉栖「ふぇっ!? ……と、言いますと?」

岡部「この際だ、お前の気持ちを聞かせてくれ。このままではフェアじゃないだろう」

紅莉栖「……そ、そうね。私だけ岡部の気持ち聞いて終わりじゃずるいわね」

岡部「ああ。それで、お前は――」

紅莉栖「紅莉栖、って呼べ。馬鹿岡部……」

岡部「む、むぅ……すまない。では……紅莉栖は、どうなんだ?」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 21:17:08.21 ID:JJGWJymA0
紅莉栖「私は、岡部の事……」

紅莉栖「……」

岡部「……紅莉栖?」

紅莉栖「だ、大丈夫。ちゃんと言うわよ、よく聞きなさい?」

紅莉栖「……わ、私も」

紅莉栖「お、岡部と同じ事象が発現してたんだと思う」

岡部「どういうことだ?」

紅莉栖「だから、岡部が、私にドキドキしたって言ったじゃない?」

紅莉栖「つまり……そういうことよ」キリッ

岡部「……何キリッとした顔をしているのだ」

紅莉栖「ううううっさい! 少しは察しろ、馬鹿岡部!」

岡部「くっ、口の減らないスイーツ(笑)め……」

紅莉栖「スイーツ(笑)言うな!」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 21:21:10.19 ID:JJGWJymA0
岡部「つ、つまりだな? 紅莉栖よ、俺達は一つの結論に到達したようだ」

紅莉栖「な、なによ……私は解を持ち合わせてないぞ」

岡部「いや、大丈夫だ。考えてみれば簡単なことだ」

岡部「俺達は……その、両想いというやつなのではないか?」

紅莉栖「」

岡部「」

紅莉栖「な――ななななななななななな!?」

岡部「ど、どうだ? 何か間違ってるか?」

紅莉栖「そ、そんなのわかんないわよ!」

紅莉栖「えっと、こういう時の解を求める公式って、何? 岡部、知ってる?」

岡部「そんなものは――むぅ」

岡部「……そんなものは、こうだ」

紅莉栖「ちょ、おか……っ――――」


「「――――――」」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 21:23:49.73 ID:JJGWJymA0
紅莉栖「――それで、結局あのガジェットは何のために作ろうとしたのよ?」

岡部「それなんだが、俺もよくわからんのだ」

紅莉栖「Dメールのせいでわからない、とか言うんじゃないでしょうね?」

岡部「……」

紅莉栖「……黙らないでよ」

岡部「ま、まあ、もういいではないか。あのガジェットは開発中止だ。異論はないな」

紅莉栖「え、ええ。せっかく作ったのにもったいないけど、仕方ないわね」

岡部「? クリスティーナよ、やけにあっさりとしたものだな。製作に掛けたものが全て徒労に終わったというのに」

紅莉栖「べ、別に、それくらいは実験の結果がわかっただけでも十分よ」

岡部「さすがは実験大好っ娘だな」

紅莉栖「うっさい! ……それよりも、もっと大切なものも手に入ったし、私は何も言うことはないわ」

岡部「ほう、それは余程のものなのだろうな?」

紅莉栖「あーあー、きこえなーい」

紅莉栖「……」

紅莉栖「……ふんっ、岡部のばーか――」チュッ

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/05(土) 21:25:06.69 ID:JJGWJymA0
今度こそお終いです。読んでくれた人ありがとう

一億と二千番煎じネタで申し訳ない