1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 19:24:00.19 ID:+4wj1kQo0
P「ゆっきー!ゆっきーはいるかい!?」

雪歩「はいはい、ここにいますよ。どうかしましたか?」

P「あっ、ゆっきー!ゆっきーの恐怖症を克服しよう!!」

雪歩「えっ?恐怖症を克服、ですか!?」

P「うんっ!犬も男の人もずっと怖いままじゃダメだよっ!!」

雪歩「そ、それは分かりますけど……克服するのはまたの機会ってことには……」

P「ダメだよ、ゆっきー!そうはいかんざきだよっ!」

雪歩「な、なりませんよね、やっぱり……」

P「そうやって、問題を先送りにしてちゃ、いつかその問題に周りを囲まれて動けなくなっちゃうよ」

P「それにね、ホントに克服できなくてもいいんだっ!挑戦することに意味があるからねっ!」

P「嫌なことに立ち向かえたってことは、ゆっきーの今後のアイドル活動においても、きっと役に立つと思うよっ!!」

雪歩「ぷ、プロデューサーがそこまでおっしゃるのなら……頑張ってみますぅ……」

引用元: 雪歩「穴掘って埋まってきますぅー!」 




5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 19:33:57.75 ID:+4wj1kQo0
P「ということでっ!特別講師としてびっきーに来て頂きましたっ!」

響「はいさーい!よろしくだぞっ!」

雪歩「よ、よろしくね響ちゃん」

響「雪歩、ついに犬を好きになろうと思ったんだなっ!」

雪歩「い、いや……別にそういうわけじゃないんだけど……」

P「うんっ!恐怖症を克服しようって思うなんて偉いよねっ!」

雪歩「プロデューサーがそう仕向けたんじゃないですかっ!」

響「まぁまぁ、とにかく!今日は雪歩が犬好きになれるよう、精一杯頑張るぞっ!」

雪歩「お手柔らかにお願いしますぅ……」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 19:44:00.91 ID:+4wj1kQo0
響「まず、雪歩は犬のどんな所が苦手なの?」

雪歩「えっと……吠えたりとか、咬まれたらどうしようとか……」

響「じゃあ、しっかりしつけられた犬なら大丈夫なのか?」

雪歩「多分、そういうわけじゃないんじゃないかな……」

P「フォルムは?犬のフォルムは大丈夫なの?」

雪歩「見た目ですか?見た目……どうなんでしょう?」

響「プロデューサー、雪歩は犬を見ただけで逃げ出すんだぞ?どうしてそんなことを聞くんだ?」

P「いやさ、見た目が大丈夫ならまだ克服できる余地はあるかなって!」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 19:52:54.20 ID:+4wj1kQo0
P「犬って色々な種類がいるでしょ?」

響「うん、沢山いるぞ。自分も覚えきれないくらいだ」

P「そんなにいるならさっ!中には犬っぽくない犬だっているんじゃないかな!?」

響「いや、犬は犬だと思うぞ」

雪歩「多分、犬は犬だと思いますぅ」

P「もうっ!二人とも、なんでそんなところだけ意見が合うのっ!?」

響「そんなこと言われても……なぁ?」

雪歩「う、うん……プロデューサー、外国の人に人っぽくない人っていると思いますか?」

P「なに言ってるの?人はみんな人だよっ!」

雪歩「つまり、そういうことですよ」

響「あぁ、そういうことだな」

P「なにっ!?どういうことなのっ!?全然分かんないよっ!!」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 20:06:24.83 ID:+4wj1kQo0
響「結局、プロデューサーはなにが言いたかったの?」

P「いやね、犬っぽくない犬がいるなら、その犬を犬じゃないって雪歩に言うの!」

P「それでその犬を雪歩に触らせてから、実は犬だったんだよって言うの!」

P「そしたら雪歩も、犬は怖い動物じゃないって気づけるんじゃないかなって!!」

響「そう上手くいくかなぁ……」

雪歩「犬って知った途端、穴掘って埋まってる自分の姿が目に浮かびます……」

P「きっと上手くいくって!ゆっきーも、今からそんなこと思ってちゃいけないよっ!!」

雪歩「そんなこと言われても……私、そもそも乗り気じゃないですし……」

P「乗ろうよっ!乗っていこうよっ!乗りかかった船なんだよっ!?」

響「まぁでも、雪歩にそれ言っちゃったら、もう意味ないね」

P「えっ!?あっ、しまった!!やってしまったっ!!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 20:20:26.12 ID:+4wj1kQo0
P「もうなにも出来ることがない!びっきー、あとは頼んだっ!!」

響「まかせてっ!ていうか、最初からそのつもりさー!」

雪歩「響ちゃんは、元々プロデューサーに期待してなかったんだね」

響「まぁね!プロデューサーにまかせてたら、年が明けちゃうぞ」

P「ひどいっ!!二人とも、扱いが雑だよっ!!もっと労ってっ!!」

響「まぁまぁ……プロデューサーはそこで雪歩が犬好きになるのを見てればいいよ」

雪歩「ほ、本気なの……?そんなことやめてよっ!私たち、友達でしょ……?」

響「そんなの関係ないっ!自分は……もう我慢できないんだっ!雪歩を見てると、自分はっ!!」

雪歩「い、いやぁ!やめてっ!!や……やだよ、こんなの!プロデューサー、助けてっ!!」

響「いくら叫んだって、プロデューサーは助けになんてこないよっ!さぁ、もう諦めるんだっ!」

P「な、なにこの寸劇……どうしてこうなった!?」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 20:32:01.17 ID:+4wj1kQo0
響「さぁ!自分は色々考えるのが面倒だから、当たって砕けろ方式さー!」

雪歩「あ、当たって砕けろ方式……?」

P「つまり、どういうことだってばよ?」

響「聞くよりも見たほうが早いねっ!カモン、いぬ美!」

いぬ美「バウッ」

雪歩「ひっ!?い、犬ですぅうううぅぅぅううぅうぅううぅぅううぅ!!!!!!」

P「ゆっきー、大丈夫だよっ!犬は犬でもいぬ美だからねっ!!」

響「……なぁプロデューサー、ホントに雪歩の犬嫌い直せるのか?」

P「やってやれないことはないよ、きっと!ほら、ゆっきー!いぬ美は女の子だよっ!!」

雪歩「お、女の子とかそんなの関係ありませんっ!!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 20:44:35.36 ID:+4wj1kQo0
P「どう?少しは落ち着いた?」

雪歩「は、はい……ごめんなさい、ご迷惑おかけして……」

P「ううん!そんなことないよっ!それにプロデューサーは、アイドルに迷惑をかけられてこそだからねっ!」

雪歩「……ありがとうございます、プロデューサー」

P「うんっ!……それにしても、びっきーと随分離れちゃったね」

雪歩「だ、だって……響ちゃん、いきなりいぬ美ちゃんを連れてくるから……」

P「まぁ……今は仕方ないかっ!でも、いつかはちゃんといぬ美と面と向かって、お手出来たらいいねっ!!」

雪歩「……そうですね。それが出来たら、とても素敵なことだと思います」

P「じゃあ、早く犬嫌いを克服しよう!」

雪歩「あ、あの、やっぱりもう少し待ってもらっても……」

P「ダメだよ、ゆっきー!犬嫌いはタイムイズマネーだよっ!!」

雪歩「どういうことですか、それ……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 20:55:38.52 ID:+4wj1kQo0
ドスコイ デンワダヨ セイウォー

P「あっ、びっきーから電話だ!もしもーし?」

響『もしもし、プロデューサー?そっちはどうだ?』

P「ゆっきーは、もう大分落ち着いたよ!お茶ってすごいねっ!」

響『お茶がすごいかは知らないけど、それなら良かったよ』

P「うんっ!それで、一体なんの用なの?」

響『実はさっき、雪歩の犬嫌いを克服する名案が思いついたんだっ!』

P「ホントにっ!?どんなのなのっ!?」

響『それはまだ秘密さー。ていうか……プロデューサーに話すと、そのまま雪歩に伝わりそうだし』

P「えっ?そ、そんなことないよ?」

響『自信の無さがありありと伝わってるぞ……』

響『で、話を戻すけど、プロデューサーには雪歩を自分のところまで連れてきて欲しいんだ』

P「うんっ、分かった!プロデューサーにまかせなさいっ!!」

響『それじゃあ頼んだぞ。待ってるからね』

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 21:02:50.19 ID:+4wj1kQo0
P「と言うわけだから、行こう!ゆっきー!」

雪歩「えっ?行くってどこへですか?」

P「びっきーのところだよっ!さっき電話で、ゆっきーを連れてきてって言ってたんだっ!」

雪歩「それってつまり、いぬ美ちゃんのところへ……ど、どうしても行かなきゃいけませんか!?」

P「うんっ!ここまで来たら行くしかないよっ、ゆっきー!」

雪歩「うぅ……わかりましたぁ……」

P「それじゃあ早速行こう!レッツゴーだよっ!!」

雪歩「あ、あの……私のこと守ってくださいね?」

P「ゆっきー!ノーと言える日本人って素敵だと思わない!?」

雪歩「な、なんでこのタイミングでそれを聞くんですかっ!?」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 21:13:51.95 ID:+4wj1kQo0
響「あっ、二人ともやっと来たな」

P「ごめんね、びっきー!ゆっきーがちょっとゴネちゃってね!」

雪歩「プロデューサーが守ってあげるって、言ってくれないからですよっ!」

P「安心して、ゆっきー!危なくなったら、ちゃんと守ってあげるからねっ!」

雪歩「い、今更ですかぁ!?……お願いしますね」

P「うんっ!ゆっきーには指一本触れさせないよっ!!」

雪歩「はい……えへへ……」

響「こらっ!自分の前でいちゃいちゃするなー!」

P「別にいちゃいちゃなんてしてないよっ!」

雪歩「そ、そうだよ響ちゃん!い、いちゃいちゃなんて……そんな……」

響「うぅ……こうなったら、雪歩に目にもの見せてやるっ!」

雪歩「やめてっ、響ちゃん!今の状況だとシャレにならないからっ!」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 21:23:25.94 ID:+4wj1kQo0
響「とりあえず、雪歩はこれを付けて」

雪歩「これって……目隠し、だよね?」

P「あつ!なんとなく予想がついたかもっ!」

響「うんっ!今から雪歩には、それを付けていぬ美に触ってもらうんだ!」

雪歩「えぇーっ!?む、無理だよそんなことっ!!」

P「ええっーっ!?スイカ割りするるんじゃないのっ!?」

響「プロデューサーはちょっと黙ってて!雪歩も、目隠ししてたらきっといぬ美に近づけられるって!」

雪歩「で、でも……その、吠えたりするでしょ?」

響「いぬ美はちゃんとしつけてるから、そんな無闇に吠えたりしないよっ!なっ、いぬ美!」

いぬ美「バウッ」

雪歩「ひぃっ!!い、今だってほら……」

響「い、今のは吠えたんじゃなくて返事だよ!安心してっ!」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 21:39:31.85 ID:+4wj1kQo0
雪歩「そ、それでも……ずっとハッハハッハ言ってるし……」

響「そ、それは呼吸だから流石に……が、我慢してくれっ!」

雪歩「で、出来ないよ、我慢なんてっ!!」

響「これくらい我慢できないと、雪歩は一生犬が怖いままだよっ!?それでもいいのっ!?」

雪歩「い、いいよ別にもう……」

響「なっ!?自分は雪歩の将来を心配してだな……」

雪歩「そんなこと言われても……プロデューサーに言われて、無理矢理やってるだけだもん……」

響「……まさかここまでやる気がないなんて思ってなかったよ」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 21:41:14.80 ID:+4wj1kQo0
P「こらっ!二人とも落ち着きなさい!ケンカなんてしてちゃいけないよっ!!」

P「びっきーもそうやって怒っちゃダメだよ。ゆっきーだって、頑張ってやってるんだから」

P「ゆっきーもとりあえずやってみようよ。びっきーが一生懸命考えてくれたことなんだしさ」

響「……確かに、ちょっと大人げなかったかもしれないな」

雪歩「そうですよね……せっかく私のために響ちゃんが考えてくれたんですもんね……」

響「ごめんね、雪歩。ちょっと言い過ぎたよ」

雪歩「ううん、私のほうこそごめんね、響ちゃん。文句ばかり言っちゃって……」

P「仲直りだねっ!仲良きことは素晴らしきかなだねっ!」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 21:54:03.78 ID:+4wj1kQo0
雪歩「……私、やってみるよ!プロデューサー、響ちゃん!」

P「うんっ!一緒にがんばろう!」

響「自分もついてるから安心してくれ!」

雪歩「この目隠しを付ければいいんだよね?」

響「うんっ!それを付けたら準備完了だよっ!」

P「大丈夫?一人でつけられる?」

雪歩「流石にそれくらいは……はい、付けましたぁ」

響「それじゃあ……どう?今、雪歩の前にいるけど、自分のこと見える?」

雪歩「えっ?ううん、なにも見えないよ」

P「それは雪歩の体が昔より大人になったからだよっ!!」

響「プロデューサー!ふざけないのっ!」

雪歩「えっ!?わ、私のこのちんちくりんな体が大人に……」

響「雪歩も乗るなっ!」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 22:07:33.34 ID:+4wj1kQo0
雪歩「それで私はどうしたらいいの?」

響「雪歩はそのままじっとしてて。あとは自分がいぬ美を雪歩のところまで連れて行くから」

雪歩「うぅ……やっぱり怖いよぉ……」

響「今更、怖じ気づくなんてダメだぞっ!ここまで来たらやるしかないんだから!」

雪歩「そ、そうだよね……私、頑張ってみる!」

響「うんっ!その意気だ!それじゃあ、いぬ美を連れてくるからちょっと待っててね!」

雪歩「うん、行ってらっしゃい響ちゃん」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 22:09:13.22 ID:+4wj1kQo0
雪歩「……ぷ、プロデューサー、どこですか?」

P「ここだよー」

雪歩「えっ?あの……どこですか?」

P「ゆっきーの左後ろだよっ!」

雪歩「左後ろ?……この辺りですか?」

P「違うよっ!もっと左!ゆっきー!左だよ、左っ!」

雪歩「もっと左……まだ左ですか?」

P「あっ、ゆっきー行きすぎてるよっ!!もうちょっと右!!」

雪歩「み、右……ど、どこですかぁ?」

響「こらーっ!雪歩で遊ぶなーっ!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 22:23:20.04 ID:+4wj1kQo0
雪歩「ひ、響ちゃん?どこー?」

響「いいから、雪歩はそこで待ってて!プロデューサーはあとでお説教だからなっ!!」

P「お、お説教!?……仕方ない、甘んじて受け入れようぞっ!」

響「もう……プロデューサーは真面目にする気があるのか?」

雪歩「あ、あの……響ちゃん、私は……」

響「あっ、ごめん雪歩!すぐ行くからっ!」

P「びっきー、忙しそうだねっ!!」

響「誰のせいだと思ってるんだっ!!」

P「なにか手伝うことある?」

響「プロデューサーはなにもしなくていいからぞ。ていうかお願いだからじっとしてて」

P「分かった!じっとしとくねっ!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 22:37:43.78 ID:+4wj1kQo0
響「さっ!雪歩、今自分がどこにいるか分かるか?」

雪歩「私の目の前、だよね?」

響「正解だぞっ!それじゃあ……いぬ美はどこにいるか分かるか?」

雪歩「わ、私の目の前……だよね?」

響「うん、そうだぞ。……どう?怖い?」

雪歩「こ、怖い……すっごく恐いよ……今すぐ穴掘って埋まっちゃいたいくらいに……」

響「そ、そうか……でも、よく我慢出来てるな!偉いぞ!」

雪歩「だ、だって……もうやるって決めたから」

響「うんっ!それじゃあそろそろいぬ美触ってみよっか!」

雪歩「う、うん……やって、みるね……」

いぬ美「バウッ」

雪歩「ひぃいいいぃいいぃぃいぃいぃいぃぃぃいぃいいいいぃいぃ!!!!!!!!!!!」

P「ハァアアアァアアァァアァアァアァァァアァアアアアァアァ!!!!!!!!!!!」

響「い、いぬ美!このタイミングでほえたらダメだろっ!?あとプロデューサー!ホント何回言えば分かってくれるんだっ!?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 22:51:36.47 ID:+4wj1kQo0
P「びっきー、ぶつなんてひどいよ……いたい……」

響「プロデューサーが悪いんだろ!?なんでじっとすることも出来ないんだっ!?」

P「だって……やることないと暇なんだもん」

響「なら、今からやることを与えてやる!穴掘って埋まった雪歩をここまで連れてくるんだっ!」

P「えっ?それは……出来るかな?」

響「出来るか出来ないかじゃないんだ! や る ん だ っ ! ! 」

P「わ、分かったよ……行ってきまーっす!」

響「……プロデューサーに行かせたはいいけど、ホントに大丈夫なのか?」

響「もしかして自分、とんでもない失敗をしたんじゃ……」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 23:00:15.44 ID:+4wj1kQo0
雪歩「うぅ……やっぱり恐いよぉ……」

雪歩「見るだけでダメなものを触るなんてそんな……」

雪歩「そもそも目隠ししたからって、大丈夫になるわけないんだよ……」

雪歩「あぁ、おぞましい……考えただけでおぞましいよ……」

P「ゆっきー!!ここにいるのー!?」

雪歩「えっ!?あっ……プロデューサー……」

P「今日はまた深いねー!出れそー!?」

雪歩「で、出たくないですぅ……」

P「えっ!?なに!?聞こえなーい!!」

雪歩「で、出たくないって言ったんです!!」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 23:11:26.88 ID:+4wj1kQo0
P「でも、ずっとここにいるわけにもいかないよー!?」

雪歩「そ、それは分かってますけど……」

P「えっ!?なに!?聞こえなーい!!」

雪歩「だから分かってるって言ったんですぅ!!」

P「とりあえず出て話そー!!これじゃ会話すら出来ないしねー!!」

雪歩「わ、分かりました……でもどうやって出るんですかー!?」

P「実はこんなこともあろうかと、ロープ持ってきてるんだー!!今からロープ下ろすから掴まってねー!!」

雪歩「あっ、ロープ……掴まりましたー!!」

P「分かったー!!それじゃ行くよー!!ファイトーっ!!」

雪歩「い、いっぱーつ……」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 23:18:54.22 ID:+4wj1kQo0
P「ふぅ……やっと出られたね!」

雪歩「そうですね。……ごめんなさい」

P「えっ?なんで謝るの?」

雪歩「だ、だって……私、プロデューサーに迷惑かけっばなしだから……」

P「そんなことで謝らなくてもいいよっ!」

雪歩「えっ、でも……」

P「ほら!さっきも言ったけど、プロデューサーはアイドルに迷惑かけられてこそ、だからねっ!!」

雪歩「プロデューサー……」

P「だからゆっきーは、気なんて使わないでどんどん迷惑ければいいんだよ!!」

雪歩「はい……ありがとうございます」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 23:29:20.44 ID:+4wj1kQo0
P「うんっ!それじゃあ、びっきーのところへ戻ろっか!」

雪歩「えっ!?そ、それはちょっと……」

P「どうして?いぬ美がいるから?」

雪歩「そ、それもありますけど……」

P「けど?まだなにかあるの?」

雪歩「響ちゃん……きっと私に愛想尽かしてると思うから……」

P「そんなことないよっ!びっきーはそんな子じゃないもんっ!」

雪歩「で、でも!私、あそこまで言っておいて結局逃げちゃうし……」

雪歩「そんなんだから、いくら響ちゃんでも愛想尽かしちゃうって……!」

雪歩「うぅ……もう穴掘って埋まってきますぅー!」

P「ゆっきー!そうはいかんざきだよっ!!」

雪歩「プロデューサー、どいてっ!!穴を掘れないっ!!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 23:37:05.40 ID:+4wj1kQo0
P「ゆっきー、落ち着いてっ!!穴ならさっき掘ったでしょ!?」

雪歩「でも!私なんて、穴掘って埋まってるのがお似合いなんですぅー!」

P「似合わないよっ!!ゆっきーみたいな可愛い子が、穴掘って埋まってるなんてっ!!」

雪歩「私が可愛いなんてそんな……ってえぇっ!?」

P「ゆっきーに一番似合うのはステージの上だよっ!!ダンスしてるゆっきーはすごく可愛いんだよっ!?」

雪歩「えっ!?そ、そんなこといきなり言われても……」

P「だから、穴掘って埋まってるなんて寂しいこと言わないでっ!!」

雪歩「……わかりました。今は我慢します」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/11(金) 23:53:46.46 ID:+4wj1kQo0
P「そろそろ、びっきーのところへ戻れそう?」

雪歩「どうでしょう……自信ありません」

P「まだびっきーのこと心配してるの?」

雪歩「はい……どんな顔して会えばいいのか……」

P「いつものゆっきーの顔で会えばいいと思うよっ!!」

雪歩「えっ?いつもの顔、ですか?」

P「うんっ!ゆっきーはなにも心配することないよってこと!びっきーはとても思いやりの深い子だからねっ!!」

雪歩「……そうですね。響ちゃん、こんな私に付き合ってくれてるんですもんね」

P「あっ、あとね!ゆっきーを連れて来いってびっきーに頼まれたんだよっ!」

雪歩「えっ?響ちゃんに頼まれたんですかっ!?」

P「うんっ!だから、なにも心配することないって言ったでしょ?」

雪歩「そう……ですね」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 00:07:52.31 ID:jQmmijub0
響「あっ!もー、やっと来たな!二人とも!」

P「いやー、待たせたね!案外時間かかっちゃった!」

雪歩「ご、ごめんね響ちゃん……私、あんなこと言ったくせに逃げ出しちゃって……」

響「いいよ、雪歩が謝らなくても。吠えちゃったいぬ美のほうが悪いんだから」

いぬ美「バウッ」

雪歩「ひぃっ!」

P「ハァッ!」

響「こら、いぬ美……ごめんね、また驚かしちゃって」

雪歩「う、ううん!響ちゃんが謝ることじゃないよ!」

響「そっか……ありがとね、雪歩」

雪歩「ううん……私こそありがとう、響ちゃん」

P「無視するなんてひどい……まるでここにいないかのように……」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 00:16:54.43 ID:jQmmijub0
響「それで……今日はどうする?やめる?」

雪歩「えっ?そ、それは……」

P「ゆっきー、犬が恐いのを克服するのは大事だけど、無理することはないんだよ?」

響「プロデューサーの言うとおりだぞ。今日はもう十分頑張ったさー!」

雪歩「……ううん、私はやりたい!」

響「えっ!?い、いいのか?無理してないか?」

雪歩「無理は……してるかもしれないけど、今日やらなきゃ一生ダメな気がするの!」

雪歩「それに、私のために二人がここまでしてくれたのに、結局なにも出来なかったなんて私が我慢出来ないっ!!」

P「うんっ!それでこそゆっきーだよ!」

響「別に自分たちのことは気にしなくていいんだぞ?」

雪歩「ありがとう、響ちゃん。でも……もう決めたことだから」

響「そっか……よし!それじゃあ自分はとことん付き合うぞっ!!」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 00:23:57.07 ID:jQmmijub0
響「じゃあはい、目隠し」

雪歩「……目隠しはいいよ、響ちゃん」

響「えっ?でもそれだと……」

P「びっきー!ここはゆっきーの言うとおりにねっ!」

響「……分かったよ。でもどうして?」

雪歩「ちゃんといぬ美ちゃんを見て触らないと、克服出来ない気がするの。だから、かな」

響「そっか……よしっ!それなら自分たちは準備万端だぞっ!雪歩のタイミングで来てくれっ!」

雪歩「う、うん……!」

P「頑張れ、ゆっきー!ゆっきー、頑張れ!」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 00:37:03.38 ID:jQmmijub0
雪歩「よ、よし……それじゃあ行くね……」

響「いつでもどうぞ!」

P「おぉっと!!ゆっきーが段々といぬ美との距離を縮めていくっ!!」

雪歩「ひっ!ひいぃっ……ひいぃいいぃい!!!」

響「もう少し……もう少しだぞっ……!」

雪歩「ひいいぃぃいぃいいぃ!!!!ひぃいいぃぃいいぃいいぃいぃぃぃいぃいい!!!!!」

P「もう少しでゆっきーといぬ美との距離が0にっ……!!」

響「触れるっ……!!その瞬間がもうすぐここに!!」

雪歩「ひぃいいぃぃぃいいいぃいぃいいぃいぃいぃいいぃいぃいぃいいいい!!!!!!!」

P「そしてついにっ!」

響「雪歩といぬ美の距離がっ!」

P・響「「0にっ!!」」

雪歩「も、モフモフするーっ!!」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 00:56:42.69 ID:jQmmijub0
響「で、どうだった雪歩。いぬ美を触ってみてなんか感じたか?」

雪歩「ど、どうだろう……結局すぐ手を離しちゃったから……」

P「でも、すごいねゆっきー!あんなに犬が恐いって言ってたのに、いぬ美に触れたなんてねっ!!」

響「うんっ!ホントにすごいぞっ!目隠しもしなかったしなっ!!」

雪歩「これは全部二人のおかげです。本当にありがとうございますぅ!」

響「いやいや、自分はなにもしてないよ。いぬ美に触れたのは雪歩が頑張ったからだよ」

P「よしよし!良きにはからえー!」

響「プロデューサー、あんまり調子に乗るんじゃないのっ!さっきから言ってるでしょ!」

雪歩「あはは、プロデューサーさっきから同じことばかり言われてますね」

P「一回言えば分かるのに、びっきーったらしつこいよね!ホントにさっ!」

響「分かってないと思うから言うんだよっ!ホントに分かってるなら、そういう態度をしてよねっ!!」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 01:12:11.51 ID:jQmmijub0
P「それでさっ!ゆっきーは犬恐いの克服出来そう!?」

雪歩「どうでしょう……まだ今日始めたばかりですから」

響「雪歩さえよければ、自分はいつでも手伝うよっ!」

雪歩「ホントに?ありがとう、響ちゃん。……それなら頑張れそうかな」

P「それじゃあ、雪歩の犬恐怖症の克服は時間の問題ってことだねっ!!」

雪歩「えっ!?い、いや……そう言い切るのは早いかと……」

響「あぁ!自分がついているからな!しっかり雪歩の恐怖症を直してみせるぞっ!!」

雪歩「ひ、響ちゃんまで……お、お手柔らかにね……」

P「とにかく!雪歩の犬恐怖症の克服はまだ始まったばかりだってことだねっ!」

雪歩「そ、そうですぅ!だから、これからどうなるかなんてことはまだまだわからないっていうか……あの……」

響「どうしたんだ、プロデューサー。いきなりそんなこと言って?」

P「これ言わないとなんか締まった気がしないのっ!だからねっ!!」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 01:13:51.48 ID:jQmmijub0
これで終わり

最後の最後で雪歩って言わせちゃった