教室~昼~
男「なぁみんなもそう思うだろ?」
生徒「……」
男「女はどう思う?死にたくならない?」
女「……」
男「くくっ、あはは!みんな何も返事しないのかよ!無視するなんてひどいな、ははっ!」
女「……」
男「まぁ、そりゃそうか。だって、ふふっ」
男「死人は口無し、なんだから」
男「なぁみんなもそう思うだろ?」
生徒「……」
男「女はどう思う?死にたくならない?」
女「……」
男「くくっ、あはは!みんな何も返事しないのかよ!無視するなんてひどいな、ははっ!」
女「……」
男「まぁ、そりゃそうか。だって、ふふっ」
男「死人は口無し、なんだから」
引用元: ・男「今日は晴れだから死にたくなるね」
3: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:13:36.54 ID:BFm9/bQYO
男「それにしても、死にたかったのは俺なのに、なんで周りの奴らが死んでるんだか」
男「まぁ生きてても死んでても変わらないんだから、こいつらも幸せだろ」
男「こんな糞みたいにつまらない世界に生きてても、それは死んでるのと同じだ」
男「つまり俺はこの世界の救世主ってわけか。あははっ!」
男「さて、隣の教室も見てみるか」コツコツガラッ
男「まぁ生きてても死んでても変わらないんだから、こいつらも幸せだろ」
男「こんな糞みたいにつまらない世界に生きてても、それは死んでるのと同じだ」
男「つまり俺はこの世界の救世主ってわけか。あははっ!」
男「さて、隣の教室も見てみるか」コツコツガラッ
4: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:16:48.30 ID:BFm9/bQYO
廊下~昼~
男「おぉ、静かだ」
男「……」シン……
男「普段の喧噪がなくなると、学校ってのはこんなにも心地いいのか」
男「最高だね、ますます最高だ」
男「この分じゃ、全校生徒が死んだのかな?」
男「はい、じゃあ確認でーす」ガラッ
男「おぉ、静かだ」
男「……」シン……
男「普段の喧噪がなくなると、学校ってのはこんなにも心地いいのか」
男「最高だね、ますます最高だ」
男「この分じゃ、全校生徒が死んだのかな?」
男「はい、じゃあ確認でーす」ガラッ
5: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:21:39.36 ID:BFm9/bQYO
隣教室~昼~
男「こんにちはー、みなさん元気ですかー?」
生徒「……」
男「あらー、みなさん机に突っ伏してー、眠いんですかねー、くくっ」
教師「……」
男「先生、床の上に寝たら風邪引きますよ。あははっ!」
男「本当に全員死んでるわ。よーし、この調子で校舎全部回りますかー」
男「みんな死んでますようにー」パンパン
男「生きてたらうるさくてかなわないからな」
男「こんにちはー、みなさん元気ですかー?」
生徒「……」
男「あらー、みなさん机に突っ伏してー、眠いんですかねー、くくっ」
教師「……」
男「先生、床の上に寝たら風邪引きますよ。あははっ!」
男「本当に全員死んでるわ。よーし、この調子で校舎全部回りますかー」
男「みんな死んでますようにー」パンパン
男「生きてたらうるさくてかなわないからな」
6: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:25:33.39 ID:BFm9/bQYO
グラウンド~昼~
男「ふぅ、やっぱり全員死んでたな」
男「もう授業も続けられないだろうし帰るか」ザクザク
男「それにしても、授業中にいきなりこんな力が手にはいるなんて、日頃の行いが良かったからかなぁ」
男「死が伝播する力……だったっけ」
男「長ったらしく脳内で説明されたんだよな」
男「ちょっと思い出してみるか」
男「ふぅ、やっぱり全員死んでたな」
男「もう授業も続けられないだろうし帰るか」ザクザク
男「それにしても、授業中にいきなりこんな力が手にはいるなんて、日頃の行いが良かったからかなぁ」
男「死が伝播する力……だったっけ」
男「長ったらしく脳内で説明されたんだよな」
男「ちょっと思い出してみるか」
8: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:31:39.23 ID:BFm9/bQYO
回想~教室~
女「男!男!当たってるよ!」
男「……ん?」
女「先生がこの問題を当ててるの!」ピシッ
教師「男、寝てんなよ。早くここを答えろ」イライラ
男「はい?あぁ、そうですか。わかりました答えます答えます」
教師「チッ、なんだその口の利き方は?」
男「いい加減俺の性格わかってくださいよ先生ーははっ」
女「あんたもうそれ何回目よ……」ボソッ
男(毎度毎度面倒だわ……死にたい……)
女「男!男!当たってるよ!」
男「……ん?」
女「先生がこの問題を当ててるの!」ピシッ
教師「男、寝てんなよ。早くここを答えろ」イライラ
男「はい?あぁ、そうですか。わかりました答えます答えます」
教師「チッ、なんだその口の利き方は?」
男「いい加減俺の性格わかってくださいよ先生ーははっ」
女「あんたもうそれ何回目よ……」ボソッ
男(毎度毎度面倒だわ……死にたい……)
10: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:35:54.79 ID:BFm9/bQYO
?「死にたいのか?」
男(え?誰?つーかどこから?)
教師「……」イライラ
?「死にたいのか、そう聞いている」
男(まぁ、死にたいよ)
女「男……早く答えた方が……」
?「……ならば、死ね」
男(えっと、これは……幻聴?)
男(え?誰?つーかどこから?)
教師「……」イライラ
?「死にたいのか、そう聞いている」
男(まぁ、死にたいよ)
女「男……早く答えた方が……」
?「……ならば、死ね」
男(えっと、これは……幻聴?)
11: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:40:21.80 ID:BFm9/bQYO
生徒・教師「……」ドサッ
男「ん?あれ、みんないきなり倒れてどうしたの?」
?「お前を殺した」
男「はぁ?俺ピンピンしてるけど」
?「お前が死を望むと、周りは死ぬ」
男「そうなんですか。で、あなたは誰?」
?「そうしてお前は死ね。生きながらに死ね」
男「うわー、完全に無視された」
男「あれ?もしもしー?いなくなったのー?」
男「ん?あれ、みんないきなり倒れてどうしたの?」
?「お前を殺した」
男「はぁ?俺ピンピンしてるけど」
?「お前が死を望むと、周りは死ぬ」
男「そうなんですか。で、あなたは誰?」
?「そうしてお前は死ね。生きながらに死ね」
男「うわー、完全に無視された」
男「あれ?もしもしー?いなくなったのー?」
12: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:43:46.17 ID:BFm9/bQYO
男「はぁ……」
男「マジでコイツら死んでるのか?」
男「女ー、俺の大好きな女ー?」
女「……」
男「反応無し。こいつの脈はーっと」ピトッ
女「……」
男「あぁ、マジで死んでるじゃん、これ」
男「……死にたくなったら、周りが死ぬ」
男「じゃあ例えば」
男「今日は晴れだから死にたくなるね」
男「マジでコイツら死んでるのか?」
男「女ー、俺の大好きな女ー?」
女「……」
男「反応無し。こいつの脈はーっと」ピトッ
女「……」
男「あぁ、マジで死んでるじゃん、これ」
男「……死にたくなったら、周りが死ぬ」
男「じゃあ例えば」
男「今日は晴れだから死にたくなるね」
13: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:49:22.66 ID:BFm9/bQYO
下校途中~昼下がり~
男「ふんふーん」
老婆「こんにちは」
男「こんにちは。ところでですね、太陽が眩しいから死にたいんですよ、俺は」
老婆「……」ペタン
男「あぁ、俺とすれ違ったばかりに」
男「ですが、大丈夫。この死に方は一瞬ですから」
男「痛みも、未練も、悔しさも感じる間もなく死ねますから」
男「ふんふーん」
老婆「こんにちは」
男「こんにちは。ところでですね、太陽が眩しいから死にたいんですよ、俺は」
老婆「……」ペタン
男「あぁ、俺とすれ違ったばかりに」
男「ですが、大丈夫。この死に方は一瞬ですから」
男「痛みも、未練も、悔しさも感じる間もなく死ねますから」
14: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:52:11.38 ID:BFm9/bQYO
男「俺は歩く安楽死かよ、ははっ」
男「……」カキカキ
男「今のは面白くねーな、死にたいわ」
カラス「……」ボトッ
男「うわ、ビックリした、死にたい」
カラス「……」ボトッ
男「うわ、ビックリっ」
カラス「……」ボトッ
男「って無限ループじゃねーか」
男「……」カキカキ
スズメ「……」ボトッ
男「……」カキカキ
男「今のは面白くねーな、死にたいわ」
カラス「……」ボトッ
男「うわ、ビックリした、死にたい」
カラス「……」ボトッ
男「うわ、ビックリっ」
カラス「……」ボトッ
男「って無限ループじゃねーか」
男「……」カキカキ
スズメ「……」ボトッ
15: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 22:58:09.41 ID:BFm9/bQYO
男「うーん、一体どれくらいの範囲まで死は伝播するんだ?」
男「試してみるか」
男「確か、家までは残り300mだったな」
男「家にいるのは……この時間なら妹はいないな。よし、電話だ」
男「妹だけは死なせたくはないからなぁ」プルルルル
男「まぁ死んだら死んだで無問題なんだけど」プルルルルガチャッ
男「あ、母さん?」
母「こんな時間にどうしたの?学校は?」
男「嫌なこと聞かれたから死にたいなぁ」
男「試してみるか」
男「確か、家までは残り300mだったな」
男「家にいるのは……この時間なら妹はいないな。よし、電話だ」
男「妹だけは死なせたくはないからなぁ」プルルルル
男「まぁ死んだら死んだで無問題なんだけど」プルルルルガチャッ
男「あ、母さん?」
母「こんな時間にどうしたの?学校は?」
男「嫌なこと聞かれたから死にたいなぁ」
17: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:03:24.21 ID:BFm9/bQYO
母「っ!死にたいなんて言わないで!」
男「あぁごめんごめんことばのあやってやつだよ」タッタッタッ
母「冗談でも絶対やめて!」
男「ところで、今家の100m手前なんだよね」スタッ
母「話を逸らさないで!ちゃんと約束しなさい!」
男「俺が出来る親孝行は、母さんを苦しみから救うことみたいだわ」
母「あんた、何を」
男「そんなわけで、他に親孝行を何も出来ないから死にたい」
母「……」
男「ふーむ、100mか。結構長いな」
男「あぁごめんごめんことばのあやってやつだよ」タッタッタッ
母「冗談でも絶対やめて!」
男「ところで、今家の100m手前なんだよね」スタッ
母「話を逸らさないで!ちゃんと約束しなさい!」
男「俺が出来る親孝行は、母さんを苦しみから救うことみたいだわ」
母「あんた、何を」
男「そんなわけで、他に親孝行を何も出来ないから死にたい」
母「……」
男「ふーむ、100mか。結構長いな」
18: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:06:50.22 ID:BFm9/bQYO
家~昼下がり~
男「ただいまー」
男「……」シーン
男「母さーん、心臓は大人しくしてたー?」トテトテガチャッ
母「……」
男「良くできたみたいだねー。よしよし」ナデナデ
母「……」
男「さて、妹が帰ってきたらどう言い訳しようかなぁ」
男「ただいまー」
男「……」シーン
男「母さーん、心臓は大人しくしてたー?」トテトテガチャッ
母「……」
男「良くできたみたいだねー。よしよし」ナデナデ
母「……」
男「さて、妹が帰ってきたらどう言い訳しようかなぁ」
20: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:11:50.61 ID:BFm9/bQYO
家~夕方~
妹「ただいまー」
男「おかえり。ところで母さんが死んでしまったんだが」
妹「だろうと思ってた。お兄ちゃんの通学路に死体が転がってるんだもん」
男「さすが妹は賢いなぁー、抱き締めてやろう」
妹「わーい!」ダキッ
男「よしよし。ところで、今日学校にいる時、変な声を聞かなかったか?」ギュー
妹「したよ。なんかね、私は死にたくても死ねない身体になったんだってー」
妹「ただいまー」
男「おかえり。ところで母さんが死んでしまったんだが」
妹「だろうと思ってた。お兄ちゃんの通学路に死体が転がってるんだもん」
男「さすが妹は賢いなぁー、抱き締めてやろう」
妹「わーい!」ダキッ
男「よしよし。ところで、今日学校にいる時、変な声を聞かなかったか?」ギュー
妹「したよ。なんかね、私は死にたくても死ねない身体になったんだってー」
21: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:16:54.54 ID:BFm9/bQYO
男「へぇ?そうなのか。俺は死にたくなったら周りが死ぬような体質になったんだって」
妹「そうなの?じゃあ私とお兄ちゃんは相性ピッタリだね!」
男「そうかもなぁ。お前みたいに出来の良い妹がいて良かったよ」
妹「えへへ。ところで、今日のご飯は何にする?」
男「んー、スーパーにでも行って、そこで決めるか」
妹「わかった。そしたら財布を取ってくるから」
男「いや、みんな物要らない身体になるから、タダでいいよ」
妹「あ、そっか!お兄ちゃん便利!」
男「まぁな。お兄ちゃんは凄いんだぞ」
妹「そうなの?じゃあ私とお兄ちゃんは相性ピッタリだね!」
男「そうかもなぁ。お前みたいに出来の良い妹がいて良かったよ」
妹「えへへ。ところで、今日のご飯は何にする?」
男「んー、スーパーにでも行って、そこで決めるか」
妹「わかった。そしたら財布を取ってくるから」
男「いや、みんな物要らない身体になるから、タダでいいよ」
妹「あ、そっか!お兄ちゃん便利!」
男「まぁな。お兄ちゃんは凄いんだぞ」
22: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:20:45.28 ID:BFm9/bQYO
スーパー~夕方~
店員「いらっしゃいませー」
妹「今日は何がいいのかなぁー」
男「何だろうなぁー」
妹「お兄ちゃんの食べたい物を教えてください!」
男「そしたら……マツタケ!」
妹「お金払わなくていいからって、えげつないチョイスだね!お兄ちゃんのそんなところが大好き!」
男「だろぉ?もうカゴ一杯に詰め込め!俺が許す!」
店員「いらっしゃいませー」
妹「今日は何がいいのかなぁー」
男「何だろうなぁー」
妹「お兄ちゃんの食べたい物を教えてください!」
男「そしたら……マツタケ!」
妹「お金払わなくていいからって、えげつないチョイスだね!お兄ちゃんのそんなところが大好き!」
男「だろぉ?もうカゴ一杯に詰め込め!俺が許す!」
24: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:24:16.32 ID:BFm9/bQYO
店員「103500円になりまーす」
男「高っ高過ぎだろ!妹もそう思うだろ?」
妹「うん!スーパーで見るような桁じゃないね!」
店員(絶対買う気ないだろ……マツタケしかカゴに入ってねーよ)
男「……今不愉快な目線を向けられた」
妹「死にたいのー?」
男「あぁ、死にたい」
店員「……」ドサッ
男「高っ高過ぎだろ!妹もそう思うだろ?」
妹「うん!スーパーで見るような桁じゃないね!」
店員(絶対買う気ないだろ……マツタケしかカゴに入ってねーよ)
男「……今不愉快な目線を向けられた」
妹「死にたいのー?」
男「あぁ、死にたい」
店員「……」ドサッ
25: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:28:16.51 ID:BFm9/bQYO
妹「凄い!本当にこんな簡単に死んじゃうんだね!」
男「そうなんだよ。本当に人の命って儚いねぇ」
妹「お兄ちゃんいつも言ってたもんね!死ぬように生きるくらいならいっそ……って!」
男「……なんかそう真似されると恥ずかしいんだが」
妹「えー、格好良いから良いんだよぅ!」
男「そ、そうか?俺格好良い?」
妹「うん!」
男「……くふふ」
男「そうなんだよ。本当に人の命って儚いねぇ」
妹「お兄ちゃんいつも言ってたもんね!死ぬように生きるくらいならいっそ……って!」
男「……なんかそう真似されると恥ずかしいんだが」
妹「えー、格好良いから良いんだよぅ!」
男「そ、そうか?俺格好良い?」
妹「うん!」
男「……くふふ」
26: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:32:52.48 ID:BFm9/bQYO
妹「でもその力って、私達がしたいことをするのには不向きだね」
男「したいこと?なんだっけ?」
妹「まさか忘れてないよね?」
妹「あのクソ男に復讐するって誓ったこと、忘れてないよね?」
男「ははっ、クソ男って結構ひどいなそれは」
男「もっとオブラートに包みなさい」
男「一応、俺達の父さんなんだから」
男「したいこと?なんだっけ?」
妹「まさか忘れてないよね?」
妹「あのクソ男に復讐するって誓ったこと、忘れてないよね?」
男「ははっ、クソ男って結構ひどいなそれは」
男「もっとオブラートに包みなさい」
男「一応、俺達の父さんなんだから」
28: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:52:04.25 ID:BFm9/bQYO
妹「お兄ちゃんは優しすぎるんだよぉ」
兄「そうなのか?」
妹「うん!早く帰ってご飯にしよ!」
兄「あぁ、そうするか」
妹「お兄ちゃん大好きだよ!」
兄「そうなのか?」
妹「うん!早く帰ってご飯にしよ!」
兄「あぁ、そうするか」
妹「お兄ちゃん大好きだよ!」
30: 名も無き被検体774号+ 2012/11/10(土) 23:56:20.74 ID:BFm9/bQYO
家~夜~
妹「ごちそうさまー」
男「ごちそうさま。美味しかったよ」
妹「えへへー、作った甲斐がありました」
男「テレビ付けるか」ポチッ
妹「……お兄ちゃん」
男「……なんか、全然話題になってないな」
妹「うん……あれだけ人が死んだら、大事件になってもおかしくなさそうなに」
男「そうだなぁ……少し心配してたんだが、杞憂だったかな」
妹「ごちそうさまー」
男「ごちそうさま。美味しかったよ」
妹「えへへー、作った甲斐がありました」
男「テレビ付けるか」ポチッ
妹「……お兄ちゃん」
男「……なんか、全然話題になってないな」
妹「うん……あれだけ人が死んだら、大事件になってもおかしくなさそうなに」
男「そうだなぁ……少し心配してたんだが、杞憂だったかな」
31: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:00:29.04 ID:BFm9/bQYO
妹「ね、お母さんもいないんだし、今日は一緒に寝よう?」
男「あぁ、そうだな」
妹「あはっ、お兄ちゃん大好きー」スリスリ
男「俺も大好きだぞ、妹」
妹「すぐ死にたくなっちゃうお兄ちゃんには、もう私しかいないんだからね?」
男「わかってるわかってる」
妹「うん、ならよろしい!」ニコッ
男「あぁ、そうだな」
妹「あはっ、お兄ちゃん大好きー」スリスリ
男「俺も大好きだぞ、妹」
妹「すぐ死にたくなっちゃうお兄ちゃんには、もう私しかいないんだからね?」
男「わかってるわかってる」
妹「うん、ならよろしい!」ニコッ
32: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:06:19.77 ID:/degnXgUO
?~?~
?「流石精神がぶっ壊れた奴は違うな」
?「絶望すらしないんだから、驚きだわ」
?「でも、僕ちょっと怖いよ……」
?「まぁ、正常な精神の奴からしたら、そうかもな」
?「なんかその言い方はっきりしないな……一応僕はまだ普通の人間の精神持ってるつもりなんだからね?」
?「私だって普通の精神だぞ!」
?「はは……まぁ、どんな精神だろうが好きだよ、俺は」
?「「……///」」
?「流石精神がぶっ壊れた奴は違うな」
?「絶望すらしないんだから、驚きだわ」
?「でも、僕ちょっと怖いよ……」
?「まぁ、正常な精神の奴からしたら、そうかもな」
?「なんかその言い方はっきりしないな……一応僕はまだ普通の人間の精神持ってるつもりなんだからね?」
?「私だって普通の精神だぞ!」
?「はは……まぁ、どんな精神だろうが好きだよ、俺は」
?「「……///」」
33: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:09:33.88 ID:/degnXgUO
家~朝~
妹「おはよーお兄ちゃん」
男「ん……おはよ」
妹「学校はどうするー?」
男「みんな死んだから学校閉鎖だろ……」
妹「それもそうだねー。あ、そしたら私の学校にも来てよ!」
男「ん。わかった……」
妹「そうと決まれば、もうご飯は作ってるから、さぁ早く食べた食べた!」
男「うーい……」
妹「おはよーお兄ちゃん」
男「ん……おはよ」
妹「学校はどうするー?」
男「みんな死んだから学校閉鎖だろ……」
妹「それもそうだねー。あ、そしたら私の学校にも来てよ!」
男「ん。わかった……」
妹「そうと決まれば、もうご飯は作ってるから、さぁ早く食べた食べた!」
男「うーい……」
34: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:13:31.02 ID:/degnXgUO
通学路~朝~
妹「……お兄ちゃん」
男「あぁ、死体が消えてるな」
妹「……誰かが片付けたのかな?」
男「さぁ、どうだろう。眠くて考えられない……」
妹「本当にお兄ちゃんは朝に弱いよね……」
男「まぁ誰か来ても、俺が死にたくなったら勝手に死ぬしな」
妹「それもそだねー。気にしたら負けって奴だね!」
男「そゆこと。考えるのなんて面倒です」
妹「……お兄ちゃん」
男「あぁ、死体が消えてるな」
妹「……誰かが片付けたのかな?」
男「さぁ、どうだろう。眠くて考えられない……」
妹「本当にお兄ちゃんは朝に弱いよね……」
男「まぁ誰か来ても、俺が死にたくなったら勝手に死ぬしな」
妹「それもそだねー。気にしたら負けって奴だね!」
男「そゆこと。考えるのなんて面倒です」
35: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:18:40.41 ID:/degnXgUO
妹の学校・校門~朝~
妹友「あ、妹ちゃんおはよー!……?後ろの人は?」
妹「おはよー。この人は……私の彼氏!」
男「実妹と結婚出来ないから辛いね、死にたい」
妹友「っ!?あっ、あっ!」ガクガク
男「あれ……何か、すぐ死なないな、この子」
妹「本当だぁ。やだ、妹友ちゃん白目向いてがくがくしちゃってる」
妹友「ひぁっ!いだっ!やめっ、あっ、かはっ……」ドサッ
男「……死んだみたいだな」
妹友「あ、妹ちゃんおはよー!……?後ろの人は?」
妹「おはよー。この人は……私の彼氏!」
男「実妹と結婚出来ないから辛いね、死にたい」
妹友「っ!?あっ、あっ!」ガクガク
男「あれ……何か、すぐ死なないな、この子」
妹「本当だぁ。やだ、妹友ちゃん白目向いてがくがくしちゃってる」
妹友「ひぁっ!いだっ!やめっ、あっ、かはっ……」ドサッ
男「……死んだみたいだな」
36: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:24:29.02 ID:/degnXgUO
妹「友ちゃん凄く苦しそうだったねー」
男「あぁ……他の奴でも試すか」
妹「わかった!じゃあ、友ちゃんの死体で脅して一カ所に集めようよ!」
男「お、名案だな。一気に死んでもらえば、苦しむ奴らの間に何か共通点が見つかるかもな」
妹「そうと決まれば、お兄ちゃん、それ背負って?」
男「はい……おぉ、この子結構巨 だな。勿体無い」
妹「私だって巨 になるもん!他の子で鼻の下伸ばしちゃだめ!」
男「わかったわかった。冗談だよ。さぁいこうか」
男「あぁ……他の奴でも試すか」
妹「わかった!じゃあ、友ちゃんの死体で脅して一カ所に集めようよ!」
男「お、名案だな。一気に死んでもらえば、苦しむ奴らの間に何か共通点が見つかるかもな」
妹「そうと決まれば、お兄ちゃん、それ背負って?」
男「はい……おぉ、この子結構巨 だな。勿体無い」
妹「私だって巨 になるもん!他の子で鼻の下伸ばしちゃだめ!」
男「わかったわかった。冗談だよ。さぁいこうか」
37: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:29:43.76 ID:/degnXgUO
妹の学校・教室~朝~
妹「みんなおはよー!さぁ、これを見てください!お兄ちゃん、床におろして!」
男「はい」ドサッ
生徒A「……?何も見えないよ?」
生徒B「というか、なんでお兄さんが」
妹「え?みんな妹友ちゃんが見えないの?」
生徒C「妹友……?誰、それ」
男「……意味分からなさすぎて死にたくなってきた」
生徒「あがっ……」ドサッ
妹「みんなおはよー!さぁ、これを見てください!お兄ちゃん、床におろして!」
男「はい」ドサッ
生徒A「……?何も見えないよ?」
生徒B「というか、なんでお兄さんが」
妹「え?みんな妹友ちゃんが見えないの?」
生徒C「妹友……?誰、それ」
男「……意味分からなさすぎて死にたくなってきた」
生徒「あがっ……」ドサッ
38: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:34:27.84 ID:/degnXgUO
妹「あ、もうお兄ちゃん!勝手に死にたいと思っちゃだめだよー」
男「悪い、つい。でも、今なんか全員同じくらい苦しんで死んだな……」
妹「どういうことなんだろうねぇ……」
男「それがわかれば、父さんへの復讐も上手くいきそうだけど……」
妹「それに友ちゃんの死体がみんな見えてなかったっていうか、存在が無いことになってたね」
男「もしかしたら、俺の力は存在まで消してしまうのだろうか……?」
男「悪い、つい。でも、今なんか全員同じくらい苦しんで死んだな……」
妹「どういうことなんだろうねぇ……」
男「それがわかれば、父さんへの復讐も上手くいきそうだけど……」
妹「それに友ちゃんの死体がみんな見えてなかったっていうか、存在が無いことになってたね」
男「もしかしたら、俺の力は存在まで消してしまうのだろうか……?」
39: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:38:13.63 ID:/degnXgUO
妹「そういえば、お母さんの死体はどこへやったの?」
男「えーっと、普通にリビングに放置してたはずなんだけど」
妹「スーパーから帰ってきた時には、もう無くなってたね」
男「しばらくしたら消えちゃうのだろうか」
妹「うーん、だからニュースにもならなかったのかなぁ?」
男「そういうことだろうな」
妹「でもそう考えると、便利な力だよね」
男「どうやっても完全犯罪になるからな」
男「えーっと、普通にリビングに放置してたはずなんだけど」
妹「スーパーから帰ってきた時には、もう無くなってたね」
男「しばらくしたら消えちゃうのだろうか」
妹「うーん、だからニュースにもならなかったのかなぁ?」
男「そういうことだろうな」
妹「でもそう考えると、便利な力だよね」
男「どうやっても完全犯罪になるからな」
40: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 00:45:42.84 ID:/degnXgUO
?~?~
?「ん、やっと気付いたか」
?「この二人にはどんなことをしたの?」
?「推理してみろよ」
?「私はわかったから黙っておこう」
?「あー、それはズルいよ!」
?「ははっ、まぁ見とけば嫌でもそのうちわかるさ」
?「お前、こいつを殺すのを楽しんでるところが、質が悪いな」
?「お陰様で、楽しめてるんだよ。誰かさんが俺を殺そうとしたからな。こういう話は慣れてんのさ」
?「ふっ、懐かしいな……」
?「ん、やっと気付いたか」
?「この二人にはどんなことをしたの?」
?「推理してみろよ」
?「私はわかったから黙っておこう」
?「あー、それはズルいよ!」
?「ははっ、まぁ見とけば嫌でもそのうちわかるさ」
?「お前、こいつを殺すのを楽しんでるところが、質が悪いな」
?「お陰様で、楽しめてるんだよ。誰かさんが俺を殺そうとしたからな。こういう話は慣れてんのさ」
?「ふっ、懐かしいな……」
46: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 15:29:18.70 ID:/degnXgUO
男の学校~昼~
男「さて、一旦俺の学校に戻ってきたわけだけど」
妹「やっぱり死体はないねー」
男「そうだな……やっぱり死体は消えるみたいだなぁ」
男「……一体どういう仕組みなんだか」
妹「そうした人に聞ければいいんだけどね」
男「それだ」
男「さて、一旦俺の学校に戻ってきたわけだけど」
妹「やっぱり死体はないねー」
男「そうだな……やっぱり死体は消えるみたいだなぁ」
男「……一体どういう仕組みなんだか」
妹「そうした人に聞ければいいんだけどね」
男「それだ」
47: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 15:33:34.28 ID:/degnXgUO
男「おーい!謎の人ー!」
妹「私を不死にした人ー!」
男「もう一回出てきてくれー!」
妹「……出てこないねぇ。というか、人なのかな?」
男「さぁ……頭に直接話しかけてくる人なんて聞いたこと無いけど、いるんじゃね?」
妹「神様……とか?」
男「もしかしたらもしかするかもなー、ははっ」
妹「私を不死にした人ー!」
男「もう一回出てきてくれー!」
妹「……出てこないねぇ。というか、人なのかな?」
男「さぁ……頭に直接話しかけてくる人なんて聞いたこと無いけど、いるんじゃね?」
妹「神様……とか?」
男「もしかしたらもしかするかもなー、ははっ」
48: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 18:55:57.49 ID:/degnXgUO
?~?~
?「行ってあげないの?」
?「まだ早いな」
?「一年も待たされてたんだから、1日なんか甘いってこと?」
?「いや、そういうわけじゃ」
?「結構根に持つタイプだったのか。見損なったぞ」
?「ていうか元はといえばお前のせいだろ」
?「そのお陰で美女二人に囲まれて過ごせているのだから、私に感謝するべきだな」
?「はいはいありがとうございますー」
?「行ってあげないの?」
?「まだ早いな」
?「一年も待たされてたんだから、1日なんか甘いってこと?」
?「いや、そういうわけじゃ」
?「結構根に持つタイプだったのか。見損なったぞ」
?「ていうか元はといえばお前のせいだろ」
?「そのお陰で美女二人に囲まれて過ごせているのだから、私に感謝するべきだな」
?「はいはいありがとうございますー」
49: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 19:00:51.86 ID:/degnXgUO
家~夕方~
男「ふー、もうこんな時間か」
妹「お兄ちゃん帰ってきたのにダラダラしてるからだよー」
男「妹もダラダラしてたくせに」
妹「それはお兄ちゃんのがうつったの。私が始めたんじゃないもーん」
男「わかったわかった。じゃあダラダラするのやめようか」
妹「じゃあ何するー?」
男「今日の考察でもするかな」
男「ふー、もうこんな時間か」
妹「お兄ちゃん帰ってきたのにダラダラしてるからだよー」
男「妹もダラダラしてたくせに」
妹「それはお兄ちゃんのがうつったの。私が始めたんじゃないもーん」
男「わかったわかった。じゃあダラダラするのやめようか」
妹「じゃあ何するー?」
男「今日の考察でもするかな」
50: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 19:44:11.22 ID:/degnXgUO
男「俺の死が伝わって死ぬ人間には二パターンいた」
男「一瞬で死ぬ人間と、苦しんで死ぬ人間だ」
妹「苦しそうにしてたのは、友ちゃんと、クラスのみんなだね」
男「あぁ。そして、妹友の方が明らかに苦しんでいた」
男「これから導かれることは……」
妹「場所が関係あるのかも?」
男「俺もそう思った。学校が関係するのかなぁ」
男「一瞬で死ぬ人間と、苦しんで死ぬ人間だ」
妹「苦しそうにしてたのは、友ちゃんと、クラスのみんなだね」
男「あぁ。そして、妹友の方が明らかに苦しんでいた」
男「これから導かれることは……」
妹「場所が関係あるのかも?」
男「俺もそう思った。学校が関係するのかなぁ」
51: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 21:46:48.82 ID:/degnXgUO
妹「じゃあ試してみようよ!」
男「適当に人を連れてきてやってみようか」
妹「うん。今からやろうよ!」
男「いや、今日やったら夜になるだろうしなぁ。明日にしないか?」
妹「えー……うー、わかった」
男「よし。じゃあ飯にしようか」
妹「はーい」
男「適当に人を連れてきてやってみようか」
妹「うん。今からやろうよ!」
男「いや、今日やったら夜になるだろうしなぁ。明日にしないか?」
妹「えー……うー、わかった」
男「よし。じゃあ飯にしようか」
妹「はーい」
52: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 21:53:46.35 ID:/degnXgUO
男「ごちそうさま。妹は料理が本当に上手だなぁ」
妹「えへへ、お粗末様でしたー」
男「ところでさ、父さんへの復讐の方法は、父さんを苦しめるってことでいいんだよな?」
妹「うん。そうだよ。それがどうかしたの?」
男「他には何かしなくていいのか?」
妹「えっと……無いかなぁ。苦しむところが見れたら、それでいいよ」
男「わかった。そういえば、父さんはどこにいるんだっけ?」
妹「さぁ?ずっと前に家出しちゃったし。まだ死んでなきゃいいけどね」
妹「時間は沢山あるんだから、きっと見つけられるよ」
男「そうだな。余計な心配だったか」
妹「えへへ、お粗末様でしたー」
男「ところでさ、父さんへの復讐の方法は、父さんを苦しめるってことでいいんだよな?」
妹「うん。そうだよ。それがどうかしたの?」
男「他には何かしなくていいのか?」
妹「えっと……無いかなぁ。苦しむところが見れたら、それでいいよ」
男「わかった。そういえば、父さんはどこにいるんだっけ?」
妹「さぁ?ずっと前に家出しちゃったし。まだ死んでなきゃいいけどね」
妹「時間は沢山あるんだから、きっと見つけられるよ」
男「そうだな。余計な心配だったか」
53: 名も無き被検体774号+ 2012/11/11(日) 21:59:25.63 ID:/degnXgUO
妹「ねぇ!久しぶりに一緒にお風呂に入ろうよ!」
男「別にいいけど、俺に見られても恥ずかしくないのか?」
妹「何で?私見られても恥ずかし無い体してるもん」
男「ならいいんだ……じゃあ入ろう」
妹「わーい!お兄ちゃんとお風呂!お風呂!」
男「別にいいけど、俺に見られても恥ずかしくないのか?」
妹「何で?私見られても恥ずかし無い体してるもん」
男「ならいいんだ……じゃあ入ろう」
妹「わーい!お兄ちゃんとお風呂!お風呂!」
58: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 06:56:48.30 ID:W2Ew/a0pO
風呂
妹「こうやって一緒に入るの、何年ぶりだろう」
男「さぁな。頭洗ってやろうか?」
妹「やったー!」
男「昔はよくこうやってたんだよなぁ」シャカシャカ
妹「んー……」
男「昔も今みたいに気持ちよさそうな顔してたっけ」シャカシャカ
妹「ふへぇ……?だって気持ちいいんだもん……」
男「そっか……昔話は湿っぽくなっていかんな。俺のキャラじゃない」シャカシャカ
妹「キャラなんて無いよ……お兄ちゃんは、お兄ちゃんなんだから……」
男「どんな理論だ。流すぞ」バシャッ
妹「ん。ありがとう。相変わらずお兄ちゃんは上手だね!」
妹「こうやって一緒に入るの、何年ぶりだろう」
男「さぁな。頭洗ってやろうか?」
妹「やったー!」
男「昔はよくこうやってたんだよなぁ」シャカシャカ
妹「んー……」
男「昔も今みたいに気持ちよさそうな顔してたっけ」シャカシャカ
妹「ふへぇ……?だって気持ちいいんだもん……」
男「そっか……昔話は湿っぽくなっていかんな。俺のキャラじゃない」シャカシャカ
妹「キャラなんて無いよ……お兄ちゃんは、お兄ちゃんなんだから……」
男「どんな理論だ。流すぞ」バシャッ
妹「ん。ありがとう。相変わらずお兄ちゃんは上手だね!」
59: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 07:04:16.84 ID:W2Ew/a0pO
妹「次は私が洗ってあげる!」
男「わかった。よろしく頼む」
妹「♪」シャカシャカガリッ
男「痛っ、今爪で頭引っ掻いたろ」
妹「あっ、ごめんごめん」シャカシャカ
男「以後気をつけるように」
妹「はぁい。うーん、これ結構難しいねぇ。流すよ?」シャカシャカバシャッ
男「ふー。今妹の気持ちがわかったよ。これ、気持ちいいな」
妹「でしょ?じゃあ今日から毎日これやろうね!」
男「ははっ、毎日か。あぁ、そうしようか」
妹「わーい!お兄ちゃん大好き!」ダキッ
男「わかった。よろしく頼む」
妹「♪」シャカシャカガリッ
男「痛っ、今爪で頭引っ掻いたろ」
妹「あっ、ごめんごめん」シャカシャカ
男「以後気をつけるように」
妹「はぁい。うーん、これ結構難しいねぇ。流すよ?」シャカシャカバシャッ
男「ふー。今妹の気持ちがわかったよ。これ、気持ちいいな」
妹「でしょ?じゃあ今日から毎日これやろうね!」
男「ははっ、毎日か。あぁ、そうしようか」
妹「わーい!お兄ちゃん大好き!」ダキッ
60: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 07:13:10.62 ID:W2Ew/a0pO
男「裸で抱きつくな裸で」
妹「別に兄妹なんだからいいでしょ?スキンシップは大切だよ!」
男「いやさ、確かにそうは思うんだけど、ね?」
妹「もしかして、私に欲 してるの?」
男「そりゃ、妹は可愛いからな。当然だろう」
妹「えへへ……私、お兄ちゃんになら何されてもいいよ?」
男「そういうのは、結婚した相手に言え」
妹「じゃあお兄ちゃんと結婚してから、もう一回言ってあげる」
男「……そ、そうか」
妹「あはっ、心臓がドキドキしてる。照れてるの?」
妹「別に兄妹なんだからいいでしょ?スキンシップは大切だよ!」
男「いやさ、確かにそうは思うんだけど、ね?」
妹「もしかして、私に欲 してるの?」
男「そりゃ、妹は可愛いからな。当然だろう」
妹「えへへ……私、お兄ちゃんになら何されてもいいよ?」
男「そういうのは、結婚した相手に言え」
妹「じゃあお兄ちゃんと結婚してから、もう一回言ってあげる」
男「……そ、そうか」
妹「あはっ、心臓がドキドキしてる。照れてるの?」
61: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 07:20:48.12 ID:W2Ew/a0pO
男「ゆ、湯冷めするから湯船に浸かるか」
妹「ふふ、いーよー。照れてるお兄ちゃんってなんか新鮮だなぁ」
男「ふぁー、良い湯だわ」チャポン
妹「む、2人じゃ結構狭いね」チャポン
男「そりゃそうだ」
妹「じゃあお兄ちゃん足伸ばして。私はその上に座るから」
男「……わかった」
妹「よいしょ。えへへ、こんな入り方初めてかも」
妹「ふふ、いーよー。照れてるお兄ちゃんってなんか新鮮だなぁ」
男「ふぁー、良い湯だわ」チャポン
妹「む、2人じゃ結構狭いね」チャポン
男「そりゃそうだ」
妹「じゃあお兄ちゃん足伸ばして。私はその上に座るから」
男「……わかった」
妹「よいしょ。えへへ、こんな入り方初めてかも」
62: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 07:29:11.70 ID:W2Ew/a0pO
男「妹」ギュッ
妹「何?お兄ちゃん」
男「……何でもないよ」
妹「何か不安なの?」
男「……いなくなったりしないよな?」
妹「しないよ。だって私は死なないんだよ?」
男「なら、いいんだ。でも、もう少しこのままでいさせてくれ」
妹「うん。ずっと一緒にいるよ、お兄ちゃん」
妹「何?お兄ちゃん」
男「……何でもないよ」
妹「何か不安なの?」
男「……いなくなったりしないよな?」
妹「しないよ。だって私は死なないんだよ?」
男「なら、いいんだ。でも、もう少しこのままでいさせてくれ」
妹「うん。ずっと一緒にいるよ、お兄ちゃん」
63: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 07:38:50.04 ID:W2Ew/a0pO
寝室~夜~
妹「今日も一緒に寝よー!」
男「あぁ。そうだな」
妹「シングルベッドに二人で寝ると狭いね」
男「大きくてもどうせくっついて寝るから、変わらないさ」
妹「それもそっか。んー、お兄ちゃんいい匂いがするー」
男「妹もいい匂いするよ」
妹「なんか安心するねー……」
男「なー……」
妹「……すー……すー……」
男「……zzz……」
妹「今日も一緒に寝よー!」
男「あぁ。そうだな」
妹「シングルベッドに二人で寝ると狭いね」
男「大きくてもどうせくっついて寝るから、変わらないさ」
妹「それもそっか。んー、お兄ちゃんいい匂いがするー」
男「妹もいい匂いするよ」
妹「なんか安心するねー……」
男「なー……」
妹「……すー……すー……」
男「……zzz……」
64: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 07:46:37.86 ID:W2Ew/a0pO
?~?~
?「あの二人、仲良いねー」
?「そうだな」
?「兄と妹で結婚の約束を交わすあたり、微笑ましいな」
?「でもあの兄と妹なら本気で結婚しそうだよね」
?「男はお兄ちゃんと呼ばれると弱いものなのか?」
?「いや、俺は呼ばれたこと無いからわからないけど」
?「お兄ちゃん、僕と結婚しよ!」
?「……これはなかなか」
?「私、お兄ちゃんのお嫁さんになるー!」
?「……」
?「だめ……だったか?」
?「……可愛すぎて意識飛んでた」
?「あの二人、仲良いねー」
?「そうだな」
?「兄と妹で結婚の約束を交わすあたり、微笑ましいな」
?「でもあの兄と妹なら本気で結婚しそうだよね」
?「男はお兄ちゃんと呼ばれると弱いものなのか?」
?「いや、俺は呼ばれたこと無いからわからないけど」
?「お兄ちゃん、僕と結婚しよ!」
?「……これはなかなか」
?「私、お兄ちゃんのお嫁さんになるー!」
?「……」
?「だめ……だったか?」
?「……可愛すぎて意識飛んでた」
65: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 07:54:40.62 ID:W2Ew/a0pO
?「僕も今のにはどうやっても勝てる気がしないよ……」
?「私お姉ちゃんも大好きだよ?」
?「ふぇっ、僕もお姉ちゃんのこと大好き!」
?「いや、どっちも姉かよ」
?「お前的にはどっちが姉でどっちが妹だ?」
?「んー、こっちが姉かな」ビシッ
神姉「え?僕がお姉ちゃん?」
神兄「確かに見た目はお前が妹っぽいが、ギャップ萌えを狙ってみた」
神妹「私が妹か……わかった。そうしよう」
?「私お姉ちゃんも大好きだよ?」
?「ふぇっ、僕もお姉ちゃんのこと大好き!」
?「いや、どっちも姉かよ」
?「お前的にはどっちが姉でどっちが妹だ?」
?「んー、こっちが姉かな」ビシッ
神姉「え?僕がお姉ちゃん?」
神兄「確かに見た目はお前が妹っぽいが、ギャップ萌えを狙ってみた」
神妹「私が妹か……わかった。そうしよう」
66: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 07:58:56.71 ID:W2Ew/a0pO
家~朝~
妹「んっ……ふぁー、朝かー」
男「……zzz……」
妹「お兄ちゃーん、朝だよー」ユサユサ
男「……おはよー」
妹「うん、おはよう。じゃあ私ご飯作ってくるから、起きててね?」スタッ
男「わかったー……」
妹「♪」トコトコ
男「よし、起きないと……」スタッ
妹「んっ……ふぁー、朝かー」
男「……zzz……」
妹「お兄ちゃーん、朝だよー」ユサユサ
男「……おはよー」
妹「うん、おはよう。じゃあ私ご飯作ってくるから、起きててね?」スタッ
男「わかったー……」
妹「♪」トコトコ
男「よし、起きないと……」スタッ
67: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 08:07:52.40 ID:W2Ew/a0pO
男「適当に人を連れて行かないといけないけど、どうやる?」
妹「うーん、いきなり学校に来て下さいなんて言っても、怪しまれるよね」
男「脅すしかないのかなぁー」
妹「でもお兄ちゃんの力で死んだ人は存在ごと消えちゃうよ?」
男「そうなんだよなぁ……んー、どうしよ」
妹「それじゃあ私が連れてくるから、お兄ちゃんは学校の門で見張ってて」
妹「もし私が行く前に誰かが通ったら、呪文を唱えて試してみてね」
男「わかった。そうしよう」
妹「うーん、いきなり学校に来て下さいなんて言っても、怪しまれるよね」
男「脅すしかないのかなぁー」
妹「でもお兄ちゃんの力で死んだ人は存在ごと消えちゃうよ?」
男「そうなんだよなぁ……んー、どうしよ」
妹「それじゃあ私が連れてくるから、お兄ちゃんは学校の門で見張ってて」
妹「もし私が行く前に誰かが通ったら、呪文を唱えて試してみてね」
男「わかった。そうしよう」
68: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 08:12:43.31 ID:W2Ew/a0pO
妹の学校~昼~
男「誰も通らないな……」
男「妹はまだだろうか」
男「大丈夫かなぁ……」
男「いや、あいつはしっかりしてるから、大丈夫さ、うん」
男「……はぁ」
妹「お兄ちゃーん、連れてきたよー!」
男「お、やっと来たか」
男「誰も通らないな……」
男「妹はまだだろうか」
男「大丈夫かなぁ……」
男「いや、あいつはしっかりしてるから、大丈夫さ、うん」
男「……はぁ」
妹「お兄ちゃーん、連れてきたよー!」
男「お、やっと来たか」
70: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 08:42:11.91 ID:W2Ew/a0pO
通行人A「こ、こんにちは」
男「はい、こんにちは。じゃあ、ここに立ってもらっていいですか?」
通行人A「えっと、はい。これでいいですか?」
男「はい。では、空を見上げて下さい」
通行人A「え?あぁ、はい」
男「天気はどうですか?」
通行人A「曇り、です」
男「曇り……はぁ、憂鬱ですね。死にたくなるくらい」
通行人A「っ……」ドサッ
妹「んー、一瞬苦しんだね。というか前振り長いよお兄ちゃん」
男「悪い悪い。ていうか、どうやってこの人連れてきたんだ?」
妹「道に迷っちゃったので、学校まで誰か案内して下さい!って言ったの」
男「はい、こんにちは。じゃあ、ここに立ってもらっていいですか?」
通行人A「えっと、はい。これでいいですか?」
男「はい。では、空を見上げて下さい」
通行人A「え?あぁ、はい」
男「天気はどうですか?」
通行人A「曇り、です」
男「曇り……はぁ、憂鬱ですね。死にたくなるくらい」
通行人A「っ……」ドサッ
妹「んー、一瞬苦しんだね。というか前振り長いよお兄ちゃん」
男「悪い悪い。ていうか、どうやってこの人連れてきたんだ?」
妹「道に迷っちゃったので、学校まで誰か案内して下さい!って言ったの」
71: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 08:50:56.06 ID:W2Ew/a0pO
男「その割には妙に聞き分けが良かったな」
妹「案内してもらってる途中で、学校で変人な兄が待ってるって言ったからじゃないかなぁ」
男「変人ですか……否定はしないけれど」
妹「それに、兄は格好良いですよって言ったからかも」
男「そ、そうか」
妹「顔赤いよ?」
男「妹が変なこと言うからだろ」
妹「えー?だって私にとっては本当だもーん」
妹「案内してもらってる途中で、学校で変人な兄が待ってるって言ったからじゃないかなぁ」
男「変人ですか……否定はしないけれど」
妹「それに、兄は格好良いですよって言ったからかも」
男「そ、そうか」
妹「顔赤いよ?」
男「妹が変なこと言うからだろ」
妹「えー?だって私にとっては本当だもーん」
72: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 09:30:15.74 ID:W2Ew/a0pO
男「やっぱり場所が関係するみたいだな」
妹「そうだねぇ。でも妹友ちゃんの方が随分苦しそうだったのはなんでだろ?」
男「んー、時間も関係あるのかな?」
妹「時間?」
男「どれだけここで時間を過ごしたかってこと」
妹「沢山過ごせば過ごすだけ、苦しむのかな?」
男「そうなのかなと俺は思った。よし、実験だ。お、丁度良いところに人が。こんにちは」
通行人B「?こんにちは」
妹「そうだねぇ。でも妹友ちゃんの方が随分苦しそうだったのはなんでだろ?」
男「んー、時間も関係あるのかな?」
妹「時間?」
男「どれだけここで時間を過ごしたかってこと」
妹「沢山過ごせば過ごすだけ、苦しむのかな?」
男「そうなのかなと俺は思った。よし、実験だ。お、丁度良いところに人が。こんにちは」
通行人B「?こんにちは」
73: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 10:24:10.09 ID:W2Ew/a0pO
妹「あの、もし暇だったら、私達とお話しませんか?」
通行人B「まぁ、確かに暇ですけど。ですが、何故でしょうか?」
男「ナンパ、という奴ですよ、お姉さん」
通行人B「ふーむ、しかしあなた達2人はカップルなのでしょう?」
男「いえ、兄妹ですよ?」
妹「えぇ、そこはカップルって言おうよー」
通行人B「む、まさか近 という奴なのですか、いけませんそれは」
男「いえいえとんでもない。こいつの冗談ですよ」
通行人B「まぁ、確かに暇ですけど。ですが、何故でしょうか?」
男「ナンパ、という奴ですよ、お姉さん」
通行人B「ふーむ、しかしあなた達2人はカップルなのでしょう?」
男「いえ、兄妹ですよ?」
妹「えぇ、そこはカップルって言おうよー」
通行人B「む、まさか近 という奴なのですか、いけませんそれは」
男「いえいえとんでもない。こいつの冗談ですよ」
74: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 10:29:08.12 ID:W2Ew/a0pO
通行人B「そうなのですか?妹さんは不服そうな顔をされていますが」
男「ほら、妹。冗談だって言いなさい」
妹「うー、冗談ですよ」
男「ね?違うでしょ?」
通行人B「何だか釈然としませんが、そういうことにしておきましょうか」
男「助かります。ところで、あなたは何をしていたのですか?ここらへんは何もないと思いますが」
通行人B「静かなのが好きなんですよ。特に、誰もいない校舎が好きなので」
男「おぉ、俺と気が合いそうですね。どんなところが好きなんですか?」
男「ほら、妹。冗談だって言いなさい」
妹「うー、冗談ですよ」
男「ね?違うでしょ?」
通行人B「何だか釈然としませんが、そういうことにしておきましょうか」
男「助かります。ところで、あなたは何をしていたのですか?ここらへんは何もないと思いますが」
通行人B「静かなのが好きなんですよ。特に、誰もいない校舎が好きなので」
男「おぉ、俺と気が合いそうですね。どんなところが好きなんですか?」
75: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 10:36:43.71 ID:W2Ew/a0pO
通行人B「何もかもが死んだような雰囲気、でしょうか」
妹(この人……どこかお兄ちゃんと似てる気がする)
男「俺もなんですよ。あの人がいるべきところに誰もいない、まるで世界から人が消えたような、あの空気が最高に好きなんです」
通行人B「今度、誰もいない学校へ一緒に行きませんか?あなたとは気が合いそうだ」
男「えぇ、そうですね。是非」
通行人B「妹さんも行きませんか?」
妹「ふぇっ?あ、あぁ、行きたいです。お兄ちゃんと一緒ならどこでも!」
通行人B「ふふ、お兄さんが大好きなんですね、妹さん」
妹「は、はい。あ、そうだ、今からここの学校に行きませんか?誰もいませんから」
妹(この人……どこかお兄ちゃんと似てる気がする)
男「俺もなんですよ。あの人がいるべきところに誰もいない、まるで世界から人が消えたような、あの空気が最高に好きなんです」
通行人B「今度、誰もいない学校へ一緒に行きませんか?あなたとは気が合いそうだ」
男「えぇ、そうですね。是非」
通行人B「妹さんも行きませんか?」
妹「ふぇっ?あ、あぁ、行きたいです。お兄ちゃんと一緒ならどこでも!」
通行人B「ふふ、お兄さんが大好きなんですね、妹さん」
妹「は、はい。あ、そうだ、今からここの学校に行きませんか?誰もいませんから」
77: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 10:49:33.67 ID:W2Ew/a0pO
妹の学校・校舎内~昼~
男「おい、妹。ここに連れてきて本当によかったのか?」ヒソヒソ
妹「大丈夫。それに出来るだけ長い時間校舎にいてもらった方が、苦しむ時間も長くなりそうだし」ヒソヒソ
通行人B「今日初めて中に入ったのですが、良いですね」
男「でしょう?」
通行人B「えぇ……」
男「……」
妹(何だか良い雰囲気だなぁ、この2人)
男「おい、妹。ここに連れてきて本当によかったのか?」ヒソヒソ
妹「大丈夫。それに出来るだけ長い時間校舎にいてもらった方が、苦しむ時間も長くなりそうだし」ヒソヒソ
通行人B「今日初めて中に入ったのですが、良いですね」
男「でしょう?」
通行人B「えぇ……」
男「……」
妹(何だか良い雰囲気だなぁ、この2人)
78: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 10:55:39.92 ID:W2Ew/a0pO
男「屋上に行きませんか?」
通行人B「屋上、ですか」
妹「普通屋上には出れないんだけどね。誰もいないから大丈夫だよ?」
通行人B「学生時代にもついぞ行ったことはありませんでした。ここで行ってみるのも、良いかもしれませんね」
妹「よし、じゃあ早速出発!」
妹「屋上に行ったら、よろしく頼んだよ、お兄ちゃん」ヒソヒソ
男「ん?あぁ、そう、だな」ヒソヒソ
妹(……この人が死ぬのは、嫌なのかな?)
通行人B「屋上、ですか」
妹「普通屋上には出れないんだけどね。誰もいないから大丈夫だよ?」
通行人B「学生時代にもついぞ行ったことはありませんでした。ここで行ってみるのも、良いかもしれませんね」
妹「よし、じゃあ早速出発!」
妹「屋上に行ったら、よろしく頼んだよ、お兄ちゃん」ヒソヒソ
男「ん?あぁ、そう、だな」ヒソヒソ
妹(……この人が死ぬのは、嫌なのかな?)
79: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 11:01:29.32 ID:W2Ew/a0pO
屋上~昼~
通行人B「……気持ちのいい空ですね。さっきまでは曇っていたのに」
男「……えぇ、本当に」
妹「お兄ちゃん?」
男「悪い、あと少しだけ、話させてくれないか?」
妹「……わかった」
男「あなたは、死にたいと思ったことはありませんか?」
通行人B「?んー、自分が死にたいとは思いません。逆のことはよく思いますが」
男「逆?」
通行人B「えぇ、他の人がみんないなくなって、一人静かにいれればなって」
通行人B「……気持ちのいい空ですね。さっきまでは曇っていたのに」
男「……えぇ、本当に」
妹「お兄ちゃん?」
男「悪い、あと少しだけ、話させてくれないか?」
妹「……わかった」
男「あなたは、死にたいと思ったことはありませんか?」
通行人B「?んー、自分が死にたいとは思いません。逆のことはよく思いますが」
男「逆?」
通行人B「えぇ、他の人がみんないなくなって、一人静かにいれればなって」
81: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 11:07:50.97 ID:W2Ew/a0pO
男「そうですか……」
通行人B「あなたは、死にたいんですか?」
男「……はい。良くそう思います」
妹「……」
通行人B「でも、あなたは死ねませんよ。あなたのことが大好きな妹さんがいるんですから」
男「!……えぇ、そうですね。妹は、大切ですから」
妹「お兄ちゃん……」
通行人B「あなた達が、少し羨ましくなっちゃいました」
通行人B「あなたは、死にたいんですか?」
男「……はい。良くそう思います」
妹「……」
通行人B「でも、あなたは死ねませんよ。あなたのことが大好きな妹さんがいるんですから」
男「!……えぇ、そうですね。妹は、大切ですから」
妹「お兄ちゃん……」
通行人B「あなた達が、少し羨ましくなっちゃいました」
82: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 11:16:58.73 ID:W2Ew/a0pO
通行人B「今日は楽しい時間を下さって、ありがとうございました」
通行人B「ここらへんでお暇させて頂きます」
通行人B「また、ここで会えたら良いですね」
男「……一つ、教えて下さい」
通行人B「はい?」
男「死は、救いだと思いますか?」
通行人B「……さぁ、どうでしょうか。さっきまでは答えを知っていたはずなのに、あなた達を見ていたら、わからなくなってしまいました」
男「そう……ですか」
通行人B「答えられなくてごめんなさい。それでは、さようなら」
通行人B「ここらへんでお暇させて頂きます」
通行人B「また、ここで会えたら良いですね」
男「……一つ、教えて下さい」
通行人B「はい?」
男「死は、救いだと思いますか?」
通行人B「……さぁ、どうでしょうか。さっきまでは答えを知っていたはずなのに、あなた達を見ていたら、わからなくなってしまいました」
男「そう……ですか」
通行人B「答えられなくてごめんなさい。それでは、さようなら」
83: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 11:23:07.78 ID:W2Ew/a0pO
男「……」
妹「……不思議な人だったね」
男「……」コク
妹「……お兄ちゃん?」
男「……ごめんな。俺、死にたいと思えなくなっちまった」
妹「……」
男「お前の復讐のためには、俺の力が必要なのにさ」
男「ごめんな……ダメな兄貴で」
妹「そんなこと、ないよ。お兄ちゃんとずっといれるなら、復讐なんて、いらないよ」
男「妹……」
妹「……不思議な人だったね」
男「……」コク
妹「……お兄ちゃん?」
男「……ごめんな。俺、死にたいと思えなくなっちまった」
妹「……」
男「お前の復讐のためには、俺の力が必要なのにさ」
男「ごめんな……ダメな兄貴で」
妹「そんなこと、ないよ。お兄ちゃんとずっといれるなら、復讐なんて、いらないよ」
男「妹……」
84: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 11:29:26.63 ID:W2Ew/a0pO
妹「ねぇ、私のこと、好き?」
男「好きだよ」
妹「私が死んだら、死んじゃいたくなる位好き?」
男「多分」
妹「ずっと一緒にいたい?」
男「うん」
妹「私は死ななくて、お兄ちゃんが死んだらきっと自棄になるけど、その時はどうする?」
男「どうにかする」
妹「何それ。ふふ、適当だなぁ」
妹「でも、きっとお兄ちゃんならなんとかしてくれるって信じてるよ」
妹「大好き」
男「好きだよ」
妹「私が死んだら、死んじゃいたくなる位好き?」
男「多分」
妹「ずっと一緒にいたい?」
男「うん」
妹「私は死ななくて、お兄ちゃんが死んだらきっと自棄になるけど、その時はどうする?」
男「どうにかする」
妹「何それ。ふふ、適当だなぁ」
妹「でも、きっとお兄ちゃんならなんとかしてくれるって信じてるよ」
妹「大好き」
85: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 11:39:35.32 ID:W2Ew/a0pO
?~?~
神兄「……運命の力って奴かもな」
神姉「ん?何が?」
神兄「あの2人が出会ったことが、だよ」
神姉「んん?どういうこと?」
神兄「その内、わかるよ」
神妹「私は前から運命という奴を信じているがな」
神妹「お前たちと出会えたのを、運命と呼ばずして何と言う」
神兄「確かに、そうかもな」
神姉「妹ちゃん良いこと言った!お姉ちゃんは感動した!」
神妹「何か子供扱いされてるように感じる……」
神兄「……運命の力って奴かもな」
神姉「ん?何が?」
神兄「あの2人が出会ったことが、だよ」
神姉「んん?どういうこと?」
神兄「その内、わかるよ」
神妹「私は前から運命という奴を信じているがな」
神妹「お前たちと出会えたのを、運命と呼ばずして何と言う」
神兄「確かに、そうかもな」
神姉「妹ちゃん良いこと言った!お姉ちゃんは感動した!」
神妹「何か子供扱いされてるように感じる……」
87: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 11:43:15.41 ID:W2Ew/a0pO
家~夕方~
妹「お兄ちゃーん」
男「何だ」
妹「今日も帰ってきてからダラダラしちゃったねぇ」
男「そうだなぁ」
妹「明日からもダラダラしようねぇー」
男「だなぁ」
妹「む、もうこんな時間か。ご飯を買いに行こうよ」
男「いきなりシャキッとしたな。はいはい、わかったよ」
妹「お兄ちゃーん」
男「何だ」
妹「今日も帰ってきてからダラダラしちゃったねぇ」
男「そうだなぁ」
妹「明日からもダラダラしようねぇー」
男「だなぁ」
妹「む、もうこんな時間か。ご飯を買いに行こうよ」
男「いきなりシャキッとしたな。はいはい、わかったよ」
89: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 11:50:32.90 ID:W2Ew/a0pO
家・寝室~夜~
男「今日は色々あったなぁ」
妹「そうだね」
男「これからは、妹が死ねる方法を探さないといけないのか」
妹「なんか、死についての話ばっかりだね、私達」クスッ
男「じゃあ……逆の話でも、する?」
妹「えっ、えーっと、それって……」
男「こ、子供は何人欲しい?」
妹「あ、あわわ、い、一杯!」
男「そ、そっかー!じゃあ頑張らないとなー」
妹「ふぇっ、が、頑張る!」
男「今日は色々あったなぁ」
妹「そうだね」
男「これからは、妹が死ねる方法を探さないといけないのか」
妹「なんか、死についての話ばっかりだね、私達」クスッ
男「じゃあ……逆の話でも、する?」
妹「えっ、えーっと、それって……」
男「こ、子供は何人欲しい?」
妹「あ、あわわ、い、一杯!」
男「そ、そっかー!じゃあ頑張らないとなー」
妹「ふぇっ、が、頑張る!」
90: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 11:56:39.04 ID:W2Ew/a0pO
男「ま、まぁ、流石にまだ色々段階があるからな!うん!」
妹「そそそ、そうだよ!まだまだだよ!」
男「じゃ、じゃあ今日のところは」
妹「えっと、キス?」
男「……」
妹「……」チュッ
妹「しちゃった、ね///お、おやすみ」ギュッ
男「……おやすみ」ギュッ
妹「そそそ、そうだよ!まだまだだよ!」
男「じゃ、じゃあ今日のところは」
妹「えっと、キス?」
男「……」
妹「……」チュッ
妹「しちゃった、ね///お、おやすみ」ギュッ
男「……おやすみ」ギュッ
91: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 12:04:48.03 ID:W2Ew/a0pO
?~?~
神兄「さて、もうそろそろ、種明かしと行こうかな」
神姉「具体的にはどうするの?」
神兄「そうだな……簡単に言えば」
神兄「あいつらの父親に、全て説明するのさ」
神兄「さて、もうそろそろ、種明かしと行こうかな」
神姉「具体的にはどうするの?」
神兄「そうだな……簡単に言えば」
神兄「あいつらの父親に、全て説明するのさ」
92: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 12:06:17.65 ID:W2Ew/a0pO
家~朝~
男「ごちそうさま」
妹「お粗末様でした」
男「ふー、今日は何をしようかなぁ……」
妹「ダラダラでしょ?それとも、デートでも行く?」
男「それも良いかもなぁ」ドンドン
男「ん?玄関が騒がしいな。見てくるよ」ドンドン
男「はい、今開けますねー」ガチャッ
?「男……母さんを、母さんを殺したのか!?」
男「なんで、今更父さんが来るんだよ……?」
男「ごちそうさま」
妹「お粗末様でした」
男「ふー、今日は何をしようかなぁ……」
妹「ダラダラでしょ?それとも、デートでも行く?」
男「それも良いかもなぁ」ドンドン
男「ん?玄関が騒がしいな。見てくるよ」ドンドン
男「はい、今開けますねー」ガチャッ
?「男……母さんを、母さんを殺したのか!?」
男「なんで、今更父さんが来るんだよ……?」
93: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 12:20:47.44 ID:W2Ew/a0pO
父「お前、お前ぇぇぇ!」バキッ
男「っ!相変わらず、暴力的なところは変わっていないんだな」
父「何故だ!?何故殺した!?」
男「はぁ?俺が殺したわけじゃない。俺が死にたいと思ったら、勝手に死んだだけだ」
父「ふざけるな!それはただの責任転嫁だ!」
男「黙れ!俺は殺してなんかいない!妹を虐待したあんたみたいな人間に、そんなこと言われる筋合いは無い!」
父「っ!それは!」
妹「朝からどうし……」
父「妹……?」
妹「あ、あ……嫌ぁぁぁ!」
男「っ!相変わらず、暴力的なところは変わっていないんだな」
父「何故だ!?何故殺した!?」
男「はぁ?俺が殺したわけじゃない。俺が死にたいと思ったら、勝手に死んだだけだ」
父「ふざけるな!それはただの責任転嫁だ!」
男「黙れ!俺は殺してなんかいない!妹を虐待したあんたみたいな人間に、そんなこと言われる筋合いは無い!」
父「っ!それは!」
妹「朝からどうし……」
父「妹……?」
妹「あ、あ……嫌ぁぁぁ!」
94: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 12:27:06.15 ID:W2Ew/a0pO
男「妹!おい、しっかりしろ!」
妹「あ、あぁっ……うぅ……」
男「何でだ、何で現れたんだよ!?」
父「……男」
男「何だよ……」
父「お前は、妹のことが好きだったな?」
男「だから、だから何だよ」
父「今も好きか?」
男「そうだよ」
父「そうか……俺はな、昨日力をもらったんだよ」
父「不死を殺せる力を、な」
妹「あ、あぁっ……うぅ……」
男「何でだ、何で現れたんだよ!?」
父「……男」
男「何だよ……」
父「お前は、妹のことが好きだったな?」
男「だから、だから何だよ」
父「今も好きか?」
男「そうだよ」
父「そうか……俺はな、昨日力をもらったんだよ」
父「不死を殺せる力を、な」
95: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 12:32:23.44 ID:W2Ew/a0pO
男「それで、どうするんだ?」
父「妹は不死なんだろう?だから、殺しに来たんだよ」
妹「嫌だっ、私、まだ死にたくないよ!やめてっ!」
男「何でだ?何で殺すんだよ!?別に殺さなくてもいいだろ!?」
父「黙れ。非力なお前には、俺を止めることは出来ないだろ?」
父「折角の力も、お前は死にたいと思えないから、使えない。そんなお前は、俺を止められない」
男「何で、それを……?」
父「力をもらうときに教えてもらったんだよ」
父「妹は不死なんだろう?だから、殺しに来たんだよ」
妹「嫌だっ、私、まだ死にたくないよ!やめてっ!」
男「何でだ?何で殺すんだよ!?別に殺さなくてもいいだろ!?」
父「黙れ。非力なお前には、俺を止めることは出来ないだろ?」
父「折角の力も、お前は死にたいと思えないから、使えない。そんなお前は、俺を止められない」
男「何で、それを……?」
父「力をもらうときに教えてもらったんだよ」
96: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 12:39:53.57 ID:W2Ew/a0pO
父「忘れたのか?お前は力を得るときに、こう言われただろう?」
父「生きながらに死ね、と」
男「っ!?」
父「妹が死んだ後、絶望の中で生きながらに死ぬんだよ、お前は」
父「それがお前の受ける報いだ。人を殺した、その報いだ」
男「……殺す。お前を殺してやる……殺す殺す殺す!!」
父「へぇ、良いのか?お前、そんなことしたら、」
男「っ!?痛っ、あ、あぁっ!」
妹「お兄ちゃん!?ねぇ、どうしたの!?お兄ちゃん!?」
父「死ぬぞ?」
父「生きながらに死ね、と」
男「っ!?」
父「妹が死んだ後、絶望の中で生きながらに死ぬんだよ、お前は」
父「それがお前の受ける報いだ。人を殺した、その報いだ」
男「……殺す。お前を殺してやる……殺す殺す殺す!!」
父「へぇ、良いのか?お前、そんなことしたら、」
男「っ!?痛っ、あ、あぁっ!」
妹「お兄ちゃん!?ねぇ、どうしたの!?お兄ちゃん!?」
父「死ぬぞ?」
97: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 12:48:08.08 ID:W2Ew/a0pO
父「お前が死にたいと思えば、周りが死ぬんだ」コツ
男「うるさっ、がはっ、だま、れっ!」
父「ならその逆は?殺したいと思えば?そしたらな、お前が死ぬんだよ」コツ
妹「やめてっ!お兄ちゃんっ!死んじゃうよ!」
父「あとな、お前の力で殺された人間は、痛みも何も感じなかったわけじゃない」コツ
父「ショック死を引き起こす致命的な痛みを与えていただけだ」コツ
男「はっ、はっ、はっ」
父「痛いだろう?それがお前が殺した人間の痛みだ」コツ
男「うるさっ、がはっ、だま、れっ!」
父「ならその逆は?殺したいと思えば?そしたらな、お前が死ぬんだよ」コツ
妹「やめてっ!お兄ちゃんっ!死んじゃうよ!」
父「あとな、お前の力で殺された人間は、痛みも何も感じなかったわけじゃない」コツ
父「ショック死を引き起こす致命的な痛みを与えていただけだ」コツ
男「はっ、はっ、はっ」
父「痛いだろう?それがお前が殺した人間の痛みだ」コツ
98: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 12:54:20.67 ID:W2Ew/a0pO
父「妹と関係のある人間程、生きている時間は延長される」コツ
父「不死のもたらす影響力という奴だ。まぁそのせいで苦しむ時間は長くなるのだが」スッ
男「やめっ、ろっ、いだっ、はっ、はっ」
父「お前は妹から愛されているが故に、苦しむのさ」
父「皮肉な物だな。そのせいで目の前にいる俺を止めることも出来ない」
妹「お兄ちゃんっ、やだよっ……死なないでぇ……」
父「このナイフで妹を貫いた瞬間、妹は死ぬんだ」
男「お前ぇぇ!殺してやるっ、殺してやるっ!」
父「不死のもたらす影響力という奴だ。まぁそのせいで苦しむ時間は長くなるのだが」スッ
男「やめっ、ろっ、いだっ、はっ、はっ」
父「お前は妹から愛されているが故に、苦しむのさ」
父「皮肉な物だな。そのせいで目の前にいる俺を止めることも出来ない」
妹「お兄ちゃんっ、やだよっ……死なないでぇ……」
父「このナイフで妹を貫いた瞬間、妹は死ぬんだ」
男「お前ぇぇ!殺してやるっ、殺してやるっ!」
100: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 13:02:10.86 ID:W2Ew/a0pO
父「妹、お前、自分の心配をした方がいいんじゃないか?」
妹「う、うるさいっ!私は、私はっ」
父「……俺は一応お前達の父親だ。だから、お前に兄を救うチャンスをやろう」
妹「な、なに?」
父「このナイフで兄を殺せ」
妹「無理だよっ!そんなの、私出来ないよっ!」
男「やめろっ、妹をっ、傷つけるなっ」
父「兄を楽にしてあげたいだろう?どうせそいつは死ぬんだ。遅いか、早いかの違いじゃないか」
妹「でもっ!私はっ!」
父「わがままを言って、やめるのかい?君の兄は、ちゃんとやれたのに?」
妹「お兄ちゃんが……?どういうこと……?」
兄「俺は何もやってなんてっ、いなっ、ぐぁっ」
妹「う、うるさいっ!私は、私はっ」
父「……俺は一応お前達の父親だ。だから、お前に兄を救うチャンスをやろう」
妹「な、なに?」
父「このナイフで兄を殺せ」
妹「無理だよっ!そんなの、私出来ないよっ!」
男「やめろっ、妹をっ、傷つけるなっ」
父「兄を楽にしてあげたいだろう?どうせそいつは死ぬんだ。遅いか、早いかの違いじゃないか」
妹「でもっ!私はっ!」
父「わがままを言って、やめるのかい?君の兄は、ちゃんとやれたのに?」
妹「お兄ちゃんが……?どういうこと……?」
兄「俺は何もやってなんてっ、いなっ、ぐぁっ」
101: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 13:10:13.57 ID:W2Ew/a0pO
父「この世界で、男が殺した人間の存在は、消えてしまったよな?」
男「ぐっ、それがなんだっ」
父「これも、逆があってしかりだろう」
妹「……?」
父「死んでいたはずの人間が、存在しているのだって、ありえるんだよ」
妹「そんな……じゃあっ、私はっ?」
父「妹は、兄に殺されているんだよ」
妹「嘘…?なんで、お兄ちゃんが、私を……?」
父「度重なる虐待で衰弱していくお前を見て、男はお前を殺したんだ」
男「なんだよっ、それっ……嘘だ!そんなのは嘘だ!」
男「ぐっ、それがなんだっ」
父「これも、逆があってしかりだろう」
妹「……?」
父「死んでいたはずの人間が、存在しているのだって、ありえるんだよ」
妹「そんな……じゃあっ、私はっ?」
父「妹は、兄に殺されているんだよ」
妹「嘘…?なんで、お兄ちゃんが、私を……?」
父「度重なる虐待で衰弱していくお前を見て、男はお前を殺したんだ」
男「なんだよっ、それっ……嘘だ!そんなのは嘘だ!」
102: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 13:15:48.92 ID:W2Ew/a0pO
父「それからだろう?お前が死を救いだと考えるようになったのは」
兄「違うっ!違う違う違うっ!」
父「妹を殺したのでは無く、救ったのだと思い込んだのだろう?」
兄「やめろ……やめろっ……」
父「大好きな妹のところへ行くために、死にたかったんだろう?」
兄「……」
妹「……お兄ちゃん?ねぇ、何か言ってよ!お兄ちゃん!」
父「精神が崩壊したか。さぁ、妹。早く兄を殺せ」
兄「違うっ!違う違う違うっ!」
父「妹を殺したのでは無く、救ったのだと思い込んだのだろう?」
兄「やめろ……やめろっ……」
父「大好きな妹のところへ行くために、死にたかったんだろう?」
兄「……」
妹「……お兄ちゃん?ねぇ、何か言ってよ!お兄ちゃん!」
父「精神が崩壊したか。さぁ、妹。早く兄を殺せ」
103: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 13:28:43.33 ID:W2Ew/a0pO
父「そいつももう限界だ。さぁ、早く殺してあげなさい」
妹「嫌だっ……嫌だ!」
妹「お兄ちゃんは、心が壊れてしまうくらい、私を殺したことを後悔してた!」
妹「私はそれを知って、凄く苦しい」
妹「私のために、お兄ちゃんは苦しんだんだって思うと、どんなことより辛い」
妹「折角生き返れたんだもん。私がどうにかしてお兄ちゃんを救う!こんな辛さを味あわせない。そして2人で絶対、絶対幸せになる!」
父「……お前がもしここで男を救っても、現実世界でお前が生き返ることは、無いんだとしてもか?」
妹「現実、世界?」
妹「嫌だっ……嫌だ!」
妹「お兄ちゃんは、心が壊れてしまうくらい、私を殺したことを後悔してた!」
妹「私はそれを知って、凄く苦しい」
妹「私のために、お兄ちゃんは苦しんだんだって思うと、どんなことより辛い」
妹「折角生き返れたんだもん。私がどうにかしてお兄ちゃんを救う!こんな辛さを味あわせない。そして2人で絶対、絶対幸せになる!」
父「……お前がもしここで男を救っても、現実世界でお前が生き返ることは、無いんだとしてもか?」
妹「現実、世界?」
104: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 13:33:10.17 ID:W2Ew/a0pO
父「現実で、存在が消えたり蘇ったりするわけ、ないだろ」
父「ここは神が作った仮初めの世界なんだ」
父「お前が男を殺すことで、この世界は終わる」
父「この世界での記憶は、現実には持っていけない」
父「妹、お前の死は覆ることは無いんだ」
妹「……」
父「だから、わかったら、早く兄を殺してくれ……お願いだから……」
妹「なんで、お父さんが泣くの?」
父「ここは神が作った仮初めの世界なんだ」
父「お前が男を殺すことで、この世界は終わる」
父「この世界での記憶は、現実には持っていけない」
父「妹、お前の死は覆ることは無いんだ」
妹「……」
父「だから、わかったら、早く兄を殺してくれ……お願いだから……」
妹「なんで、お父さんが泣くの?」
105: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 13:43:20.60 ID:W2Ew/a0pO
父「……うるさい。お前の行動が役立たずなことは、わかったろ。早く殺せ」
妹「……それでも、やだ」
父「何故?現実に戻りたくないからか?」
妹「違う。神様がこの世界を作ったのなら、こうして私を生き返らせた意味が、きっとあるはずだから」
父「そんな、根拠の無いことを」
妹「私が不死の力をもらうときに、女の人が、こう言ったんだ」
妹「これは、諦めない力だ」
妹「どんな無茶に見えることでも、絶対に諦めるな、って」
妹「だから、私は諦めない。私がお兄ちゃんを救ってみせる!」
妹「……それでも、やだ」
父「何故?現実に戻りたくないからか?」
妹「違う。神様がこの世界を作ったのなら、こうして私を生き返らせた意味が、きっとあるはずだから」
父「そんな、根拠の無いことを」
妹「私が不死の力をもらうときに、女の人が、こう言ったんだ」
妹「これは、諦めない力だ」
妹「どんな無茶に見えることでも、絶対に諦めるな、って」
妹「だから、私は諦めない。私がお兄ちゃんを救ってみせる!」
106: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 13:52:54.05 ID:W2Ew/a0pO
?~?~
男「……ここは?」
神兄「俺の家だよ」
男「あんた、誰?」
神兄「お前に力をあげた張本人」
男「それなら、頼みがある」
神兄「何?言ってごらん?」
男「現実世界で、妹を生き返らせてくれ」
神兄「俺もそうしたかったんだけどね、無理だわ」
男「何故?」
神兄「無理なもんは無理だから」
男「……じゃあ、俺が生きている意味なんて、無いじゃないか」
男「……ここは?」
神兄「俺の家だよ」
男「あんた、誰?」
神兄「お前に力をあげた張本人」
男「それなら、頼みがある」
神兄「何?言ってごらん?」
男「現実世界で、妹を生き返らせてくれ」
神兄「俺もそうしたかったんだけどね、無理だわ」
男「何故?」
神兄「無理なもんは無理だから」
男「……じゃあ、俺が生きている意味なんて、無いじゃないか」
107: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 14:02:22.89 ID:W2Ew/a0pO
神兄「妹が、お前を救うのを諦めないって言ったの、聞いてたろ?」
男「あぁ、だけど、妹がいないなんて、そんなの救いなんかじゃない」
神兄「一番辛いのは、お前じゃなくて妹なのに、なんでお前が後ろ向きなわけ?」
男「じゃあ、じゃあどうしろっていうんだよ!?妹が生き返ることは、無いんだろ!?」
神兄「ああ。それだけは出来ない。ごめんな。でも、だから、それ以外での救いは、なんだ?」
男「……妹に、辛い思いをさせない。俺が彼女に付けた傷を埋めることが、俺の救いだ」
男「あぁ、だけど、妹がいないなんて、そんなの救いなんかじゃない」
神兄「一番辛いのは、お前じゃなくて妹なのに、なんでお前が後ろ向きなわけ?」
男「じゃあ、じゃあどうしろっていうんだよ!?妹が生き返ることは、無いんだろ!?」
神兄「ああ。それだけは出来ない。ごめんな。でも、だから、それ以外での救いは、なんだ?」
男「……妹に、辛い思いをさせない。俺が彼女に付けた傷を埋めることが、俺の救いだ」
108: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 14:13:55.93 ID:W2Ew/a0pO
神兄「そのためには何をすればいい?」
男「俺が妹を……殺、した事実を受け入れて、彼女のせいでおかしくなる、なんてことが無いようにする」
神兄「そうだな。出来るか?」
男「……妹が諦めてないんだ。兄貴の俺が諦めたら、格好が付かない」
神兄「うん。よく言った。そんなお前のために、3つアドバイスをしよう」
神兄「1つ、お前が現実世界に戻るトリガーは、お前が『さされる』こと」
神兄「2つ、この世界は精神世界であること」
神兄「3つ、お前の記憶は、間違っているところがある。そうして、さっきまでのやりとりで、それに気付きかけてる」
神兄「以上だ。じゃあな」
男「俺が妹を……殺、した事実を受け入れて、彼女のせいでおかしくなる、なんてことが無いようにする」
神兄「そうだな。出来るか?」
男「……妹が諦めてないんだ。兄貴の俺が諦めたら、格好が付かない」
神兄「うん。よく言った。そんなお前のために、3つアドバイスをしよう」
神兄「1つ、お前が現実世界に戻るトリガーは、お前が『さされる』こと」
神兄「2つ、この世界は精神世界であること」
神兄「3つ、お前の記憶は、間違っているところがある。そうして、さっきまでのやりとりで、それに気付きかけてる」
神兄「以上だ。じゃあな」
109: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 14:20:55.67 ID:W2Ew/a0pO
男「ぐっ、痛っ……」
妹「お兄ちゃん!?気付いたの!?」
男「ちょっと、神様に会ってきたっ、いっ!」
父「馬鹿な……死ぬほどの痛みの中で理性を保てるのか……?」
男「あぁ、くっ、はぁっはぁっ、おい、父さんっ」
父「な、何だ?」
男「妹を虐待してたわりにはっ、優しすぎやしないかっ?」
父「……」
男「本当の、くっ、ことを、言ってくれよっ」
父「……俺は、本当はお前達の義父だ。妹を虐待していた父とは、違う」
男「くっ……はぁっ、やっと痛みから解放された……」
妹「お兄ちゃん!?気付いたの!?」
男「ちょっと、神様に会ってきたっ、いっ!」
父「馬鹿な……死ぬほどの痛みの中で理性を保てるのか……?」
男「あぁ、くっ、はぁっはぁっ、おい、父さんっ」
父「な、何だ?」
男「妹を虐待してたわりにはっ、優しすぎやしないかっ?」
父「……」
男「本当の、くっ、ことを、言ってくれよっ」
父「……俺は、本当はお前達の義父だ。妹を虐待していた父とは、違う」
男「くっ……はぁっ、やっと痛みから解放された……」
110: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 14:34:29.38 ID:W2Ew/a0pO
妹「えっ、どういうこと?」
男「俺も詳しくはわからないんだ。説明してくれ」
父「……これは母さんから聞いた話なんだが、お前達の父は、ある時から妹に虐待を始めたらしいんだ」
父「勿論母さんは止めようとしたんだがな、やはり大の男には太刀打ち出来なかったそうなんだ」
父「ある時、隙を見つけて3人で逃げ出してな、そうしてある民家に飛び込んだそうだ」
父「それが俺の家でな。その時の妹と母さんはひどい有様だったよ」
父「それから、俺の家で暮らし始めたんだけど、妹は心的外傷を負ってしまっていたんだ」
父「幻覚、幻聴は当たり前。それによるストレスで、飯を食べてもすぐに戻していた」
父「日に日にやせ細っていく妹を見かねた俺は、入院させることにした」
男「俺も詳しくはわからないんだ。説明してくれ」
父「……これは母さんから聞いた話なんだが、お前達の父は、ある時から妹に虐待を始めたらしいんだ」
父「勿論母さんは止めようとしたんだがな、やはり大の男には太刀打ち出来なかったそうなんだ」
父「ある時、隙を見つけて3人で逃げ出してな、そうしてある民家に飛び込んだそうだ」
父「それが俺の家でな。その時の妹と母さんはひどい有様だったよ」
父「それから、俺の家で暮らし始めたんだけど、妹は心的外傷を負ってしまっていたんだ」
父「幻覚、幻聴は当たり前。それによるストレスで、飯を食べてもすぐに戻していた」
父「日に日にやせ細っていく妹を見かねた俺は、入院させることにした」
111: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 14:48:17.83 ID:W2Ew/a0pO
父「しばらくして帰ってきた妹は、精神的にも肉体的にも回復していたように見えた」
父「そうして安心していたんだがな。あれは、きっと我慢を覚えてきただけなんだろう」
父「俺と母さんは共働きだったんだが、ある日家に帰ってくると、部屋の中央で血まみれのまま抱き合う男と妹を見つけた」
父「表情を無くした男の手に握られた包丁を見て、全て理解したよ」
父「そうして、妹を殺したのは俺だと警察に言い、そのまま逮捕された。妹のことに気づけなかったことへの、罪滅ぼしをしたかったのかもしれない」
父「だから本当は、義父だと名乗る資格も無いんだろうな……」
父「でも、信じれないかもしれないが、俺はお前たちを本当に愛してる」
父「男を早くこんな世界から出してやろうと悪役を演じたのに、それも失敗してしまったがな……すまない」
父「そうして安心していたんだがな。あれは、きっと我慢を覚えてきただけなんだろう」
父「俺と母さんは共働きだったんだが、ある日家に帰ってくると、部屋の中央で血まみれのまま抱き合う男と妹を見つけた」
父「表情を無くした男の手に握られた包丁を見て、全て理解したよ」
父「そうして、妹を殺したのは俺だと警察に言い、そのまま逮捕された。妹のことに気づけなかったことへの、罪滅ぼしをしたかったのかもしれない」
父「だから本当は、義父だと名乗る資格も無いんだろうな……」
父「でも、信じれないかもしれないが、俺はお前たちを本当に愛してる」
父「男を早くこんな世界から出してやろうと悪役を演じたのに、それも失敗してしまったがな……すまない」
112: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 14:53:49.66 ID:W2Ew/a0pO
男「……」
妹「……お父さんも、辛かったんだね」
父「俺には、父の資格なんて……」
妹「私達のお父さんは、お父さんだよ。ありがとう。私も大好きだよ」
父「……くっ、うぅっ……」
男「父さんが泣いてどうすんだよ。大黒柱なんだろ?しっかりしろって」
父「あぁ……すまない……うぅっ……」
妹「……お父さんも、辛かったんだね」
父「俺には、父の資格なんて……」
妹「私達のお父さんは、お父さんだよ。ありがとう。私も大好きだよ」
父「……くっ、うぅっ……」
男「父さんが泣いてどうすんだよ。大黒柱なんだろ?しっかりしろって」
父「あぁ……すまない……うぅっ……」
114: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 15:03:35.52 ID:W2Ew/a0pO
男「神様が言ってたんだけど、この世界は精神世界なんだってさ」
妹「どういうこと?」
男「多分、この世界の人の精神は本物なんだ。そして、肉体だけが仮初め」
妹「確かに私も小さい頃死んだはずなのに、ちゃんと成長した体だもんねー。」
男「そうだ。つまり、妹の精神は、まだちゃんと存在しているんだよ」
妹「それじゃあ……」
男「うん。全部生き返らせるのは無理だけど、精神だけなら、一緒にいれるかもしれない」
妹「方法はある?」
男「一緒に、この世界から抜け出す」
妹「どういうこと?」
男「多分、この世界の人の精神は本物なんだ。そして、肉体だけが仮初め」
妹「確かに私も小さい頃死んだはずなのに、ちゃんと成長した体だもんねー。」
男「そうだ。つまり、妹の精神は、まだちゃんと存在しているんだよ」
妹「それじゃあ……」
男「うん。全部生き返らせるのは無理だけど、精神だけなら、一緒にいれるかもしれない」
妹「方法はある?」
男「一緒に、この世界から抜け出す」
115: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 15:15:54.75 ID:W2Ew/a0pO
男「ここでは、俺は『さされる』と現実に戻ってしまうらしい」
妹「うんうん」
男「逆に言えば、俺が『さされる』までは現実には戻らない」
妹「どういうこと?」
男「別の原因で死んで、肉体を捨てて精神だけになっても、すぐに現実に戻るわけじゃないってことだ」
妹「?」
男「多分ね、俺が力で殺した人の精神は、まだその場に残っているはずなんだ」
父「じゃあ、母さんの精神はまだここにあるのか?」
男「うん。まぁ、見れないことが問題なんだけど……」
妹「うんうん」
男「逆に言えば、俺が『さされる』までは現実には戻らない」
妹「どういうこと?」
男「別の原因で死んで、肉体を捨てて精神だけになっても、すぐに現実に戻るわけじゃないってことだ」
妹「?」
男「多分ね、俺が力で殺した人の精神は、まだその場に残っているはずなんだ」
父「じゃあ、母さんの精神はまだここにあるのか?」
男「うん。まぁ、見れないことが問題なんだけど……」
116: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 15:22:53.16 ID:W2Ew/a0pO
男「でもさっき神様に会った時に、優しそうだったから、きっと俺達にも新しい力を与えてくれてるはず!」
妹「お兄ちゃん、他力本願だね……」
父「母さーん!」ガチャ
妹「父さん部屋の中に行っちゃった」
男「追いかけよう」ガチャ
父「この青い人魂みたいなのが、精神なのか?」
男「多分。話しかけてみて」
父「母さん?俺だよ。久しぶりだね」
母「……っ、あなた……?」
父「会いたかったよ、母さん」
母「あぁ、夢でも見ているのかしら?」
妹「お兄ちゃん、他力本願だね……」
父「母さーん!」ガチャ
妹「父さん部屋の中に行っちゃった」
男「追いかけよう」ガチャ
父「この青い人魂みたいなのが、精神なのか?」
男「多分。話しかけてみて」
父「母さん?俺だよ。久しぶりだね」
母「……っ、あなた……?」
父「会いたかったよ、母さん」
母「あぁ、夢でも見ているのかしら?」
117: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 15:30:48.17 ID:W2Ew/a0pO
父「~こんなわけで、今みんなここにいるんだ」
母「そう……大変だったわね。2人とも、不甲斐ないお母さんでごめんなさい」
妹「そんなことないよ?ね、お兄ちゃん」
男「あぁ、そうだ。だから、気にしないで。あと、死にたいなんて言ってごめんなさい。もう言わないし、思わないよ」
母「うん。その言葉が聞けただけで、十分」
父「母さん、妹と男の精神だけを抜くって、出来るかい?」
母「目覚める少し前に、何処かから声が聞こえてきてね、それを出来るようにしてあげるって言われたわ。あれが神様って奴かしら?」
母「そう……大変だったわね。2人とも、不甲斐ないお母さんでごめんなさい」
妹「そんなことないよ?ね、お兄ちゃん」
男「あぁ、そうだ。だから、気にしないで。あと、死にたいなんて言ってごめんなさい。もう言わないし、思わないよ」
母「うん。その言葉が聞けただけで、十分」
父「母さん、妹と男の精神だけを抜くって、出来るかい?」
母「目覚める少し前に、何処かから声が聞こえてきてね、それを出来るようにしてあげるって言われたわ。あれが神様って奴かしら?」
118: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 15:36:25.00 ID:W2Ew/a0pO
男「何か他に言ってなかった?」
母「えーっと、久々にあいつの苦虫を噛み潰したような顔を見れたから、神使いが荒いのは許してやるって言ってたわ」
女「多分私の時と一緒の神様だね!」
男「当番でもあるのか?」
父「はいはい。早く魂になって。男が『さされる』と、現実に戻るんだよな?」
男「そうだよ。お父さん、よろしく頼んだ」
父「任せろ」
母「じゃあ、行くわね。よいしょっ」
母「えーっと、久々にあいつの苦虫を噛み潰したような顔を見れたから、神使いが荒いのは許してやるって言ってたわ」
女「多分私の時と一緒の神様だね!」
男「当番でもあるのか?」
父「はいはい。早く魂になって。男が『さされる』と、現実に戻るんだよな?」
男「そうだよ。お父さん、よろしく頼んだ」
父「任せろ」
母「じゃあ、行くわね。よいしょっ」
119: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 15:42:56.44 ID:W2Ew/a0pO
男「おぉ、本当に抜けた」ホワホワ
妹「お母さん、よいしょはどうかと思うよ……」
母「私ももうおばさんなのよ」
男「これ動けるのかな?」ススッ
妹「うん、出来るみたいだね」
母「じゃあ、2人共手を繋いで……あ、手は無いのか。適当に引っ付いて」
男「はい、これでいい?」ピトッ
母「うん、大丈夫。じゃあお父さん、お願い」
妹「お母さん、よいしょはどうかと思うよ……」
母「私ももうおばさんなのよ」
男「これ動けるのかな?」ススッ
妹「うん、出来るみたいだね」
母「じゃあ、2人共手を繋いで……あ、手は無いのか。適当に引っ付いて」
男「はい、これでいい?」ピトッ
母「うん、大丈夫。じゃあお父さん、お願い」
120: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 16:03:02.25 ID:W2Ew/a0pO
父「わかった。男、ちゃんと母さんの言うことは聞けよ?妹、お兄ちゃんと幸せにな」
母「妹、お兄ちゃんを助けてあげてね。男、お父さんの話、私からちゃんと聞いて、お父さんに会いに行ってね?」
男「わかった。ありがとう。2人とも」
妹「記憶には残らなくても、ここであったことは、きっと魂に刻まれるよね?」
男「この世界は、精神、つまり魂は本物なんだ。きっとそうさ」
母「最後に。男、妹とずっと一緒になれたんだから、それは結婚と一緒よ?おめでとう。指輪は買いなさいね?」
妹「ふぇっ、親公認だよお兄ちゃん!?」
男「なっ、どんなタイミングだよ!父さん!はやく指で『さして』!」
父「ははっ、おめでとう。丁度、一回は言ってみたかったセリフがあるんだ。こほん」
父「どこの馬の骨かわからぬ奴に、娘は渡さん!」ビシッ
男「お前の子供だよー!」シュンッ
母「妹、お兄ちゃんを助けてあげてね。男、お父さんの話、私からちゃんと聞いて、お父さんに会いに行ってね?」
男「わかった。ありがとう。2人とも」
妹「記憶には残らなくても、ここであったことは、きっと魂に刻まれるよね?」
男「この世界は、精神、つまり魂は本物なんだ。きっとそうさ」
母「最後に。男、妹とずっと一緒になれたんだから、それは結婚と一緒よ?おめでとう。指輪は買いなさいね?」
妹「ふぇっ、親公認だよお兄ちゃん!?」
男「なっ、どんなタイミングだよ!父さん!はやく指で『さして』!」
父「ははっ、おめでとう。丁度、一回は言ってみたかったセリフがあるんだ。こほん」
父「どこの馬の骨かわからぬ奴に、娘は渡さん!」ビシッ
男「お前の子供だよー!」シュンッ
121: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 16:12:34.59 ID:W2Ew/a0pO
?~?~
神姉「あははっ、あの家族面白いね!」
神兄「普通はもっと湿っぽくなりそうなだけどなぁ……」
神妹「ふふっ、お疲れ様だ、お兄ちゃん」
神兄「お前楽しそうだなぁ……」
神姉「ねぇねぇ、結局、なんであんな世界を作ったの?」
神兄「あぁ、それはな、現実世界で、男は死を救いだと思って、大量殺人をするのさ」
神妹「それを止めるには、ああする必要があったのだ」
神姉「妹を死なせないことは、出来なかったの?」
神兄「俺達が世界を変えることが出来るのは、俺達が神になってから後の世界だけだ」
神姉「あははっ、あの家族面白いね!」
神兄「普通はもっと湿っぽくなりそうなだけどなぁ……」
神妹「ふふっ、お疲れ様だ、お兄ちゃん」
神兄「お前楽しそうだなぁ……」
神姉「ねぇねぇ、結局、なんであんな世界を作ったの?」
神兄「あぁ、それはな、現実世界で、男は死を救いだと思って、大量殺人をするのさ」
神妹「それを止めるには、ああする必要があったのだ」
神姉「妹を死なせないことは、出来なかったの?」
神兄「俺達が世界を変えることが出来るのは、俺達が神になってから後の世界だけだ」
122: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 16:19:01.67 ID:W2Ew/a0pO
神妹「私は世界の全てを平和にすることは、出来なかった。彼の妹が死んだのは、私のせいだ」
神兄「またそうやって1人で抱え込むなよ。その後悔は、三等分してみんなで持てばいいんだ」
神姉「そうだよ。私たちは、三人で1つなんだから」
神妹「ふふ……ありがとう」
神姉「あ、そういえば、あの通行人Bは、なんだったの?」
神兄「あれはな……いや、見ていればわかるさ」
神兄「またそうやって1人で抱え込むなよ。その後悔は、三等分してみんなで持てばいいんだ」
神姉「そうだよ。私たちは、三人で1つなんだから」
神妹「ふふ……ありがとう」
神姉「あ、そういえば、あの通行人Bは、なんだったの?」
神兄「あれはな……いや、見ていればわかるさ」
123: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 16:28:50.31 ID:W2Ew/a0pO
教室~昼~
女「男!男!当たってるよ!」
妹「お兄ちゃん!起きて!」
男「ん……妹?」
女「先生がこの問題当ててるの!」ビシッ
教師「男、寝てんなよ。早くここを答えろ」イライラ
妹「んー、これは3x-5だね」
男「……3x-5?」
教師「……わかってても、寝ないように」
女「どうしちゃったの、男?真面目に答えたのなんて初めてじゃない?」
男「いや、なんか、妹の声が……」
女「妹?」
男「あー、気のせいだ。ごめん」
妹「気のせいじゃないよ?」
男「うわぁっ!?」ガタッ
教師「何だ?」
男「いや、その、体調が悪いので保健室に行ってきます!」タッタッタガラッ
女「男!男!当たってるよ!」
妹「お兄ちゃん!起きて!」
男「ん……妹?」
女「先生がこの問題当ててるの!」ビシッ
教師「男、寝てんなよ。早くここを答えろ」イライラ
妹「んー、これは3x-5だね」
男「……3x-5?」
教師「……わかってても、寝ないように」
女「どうしちゃったの、男?真面目に答えたのなんて初めてじゃない?」
男「いや、なんか、妹の声が……」
女「妹?」
男「あー、気のせいだ。ごめん」
妹「気のせいじゃないよ?」
男「うわぁっ!?」ガタッ
教師「何だ?」
男「いや、その、体調が悪いので保健室に行ってきます!」タッタッタガラッ
124: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 16:36:34.03 ID:W2Ew/a0pO
学校・校門~昼~
男「幻聴のため早退か……初めてだな」
妹「だから、幻聴じゃないよ?」
男「……あーもう!わかったわかった!何だ?本当に妹なのか?」
妹「うん!そうだよ、お兄ちゃん!」
男「何がどうしてこうなったんだ?お前は俺がこ、殺したじゃないか?」
妹「うーん、確かにそうなんだけど、お兄ちゃんが好きだから戻ってきた……ような気がする」
男「気がするだけか……まぁ、いいか。俺も妹のこと好きだしな」
妹「そ、そう?えっと、じゃあ……指輪!指輪買いに行きたい!」
男「指輪?また何でそんなものを?」
妹「えーと……私達、結婚してる、から?」
男「ごめん、全く意味が分からないぞ。妹よ」
男「幻聴のため早退か……初めてだな」
妹「だから、幻聴じゃないよ?」
男「……あーもう!わかったわかった!何だ?本当に妹なのか?」
妹「うん!そうだよ、お兄ちゃん!」
男「何がどうしてこうなったんだ?お前は俺がこ、殺したじゃないか?」
妹「うーん、確かにそうなんだけど、お兄ちゃんが好きだから戻ってきた……ような気がする」
男「気がするだけか……まぁ、いいか。俺も妹のこと好きだしな」
妹「そ、そう?えっと、じゃあ……指輪!指輪買いに行きたい!」
男「指輪?また何でそんなものを?」
妹「えーと……私達、結婚してる、から?」
男「ごめん、全く意味が分からないぞ。妹よ」
125: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 16:53:21.72 ID:W2Ew/a0pO
妹「お兄ちゃんと結婚するんだもん!結婚したいしたいしたい!」
男「頭の中で暴れるな、頭痛いくなるからっ」サッ
?「あの、大丈夫ですか?」
妹「あっ、通行人Bさん!」
男「通行人B?」
?「なんて失礼な呼び方でしょうか。自分にはちゃんとした『妹』という名前があります。」
男「それって、妹と同じ名前……?」
妹「えぇ!?そんな運命的な存在だったの通行人Bさん!?」
?「む、妹さんが自分と同じ名前なのですか?珍しい名前だと思っていたのですが……運命を感じますね」
妹「じゃあ、その子は妹Bちゃんか……」
男「頭の中で暴れるな、頭痛いくなるからっ」サッ
?「あの、大丈夫ですか?」
妹「あっ、通行人Bさん!」
男「通行人B?」
?「なんて失礼な呼び方でしょうか。自分にはちゃんとした『妹』という名前があります。」
男「それって、妹と同じ名前……?」
妹「えぇ!?そんな運命的な存在だったの通行人Bさん!?」
?「む、妹さんが自分と同じ名前なのですか?珍しい名前だと思っていたのですが……運命を感じますね」
妹「じゃあ、その子は妹Bちゃんか……」
126: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 17:00:47.22 ID:W2Ew/a0pO
男「は、はぁ……運命ですか」
妹B「あなたの名前は?」
男「『男』です」
妹B「っ!?」
妹「まさか兄弟と一緒の名前とか、無いよね?」
男「そ、それはないだろ。おい、大丈夫?」
妹B「……」
男「もしもーし?妹Bさーん?」
妹B「……私は妹Bじゃない。『男』だ。」
妹B「あなたの名前は?」
男「『男』です」
妹B「っ!?」
妹「まさか兄弟と一緒の名前とか、無いよね?」
男「そ、それはないだろ。おい、大丈夫?」
妹B「……」
男「もしもーし?妹Bさーん?」
妹B「……私は妹Bじゃない。『男』だ。」
127: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 17:04:53.93 ID:W2Ew/a0pO
妹「に、二重人格がその名前だったの!?予想外すぎるよ!?」
男B「もうこれは運命以外の何物でも無いだろう。さぁ、私の家に来るといい」
男「は、はぁ……」
妹「お兄ちゃん!?行くの!?」
男「あぁ、これ行かないといけない奴だと思うんだ、なんとなく」
妹「も、もう!お兄ちゃんの浮気者!馬鹿!あんぽんたん!もう知らない!」
男「い、妹?おーい?返事してよー?」
男B「何を1人でブツブツ言ってるんだ?」
男「いや、妹が拗ねちゃって」
妹B「呼びました?」
男「いや、君じゃなくて、俺の妹の方!」
男B「もうこれは運命以外の何物でも無いだろう。さぁ、私の家に来るといい」
男「は、はぁ……」
妹「お兄ちゃん!?行くの!?」
男「あぁ、これ行かないといけない奴だと思うんだ、なんとなく」
妹「も、もう!お兄ちゃんの浮気者!馬鹿!あんぽんたん!もう知らない!」
男「い、妹?おーい?返事してよー?」
男B「何を1人でブツブツ言ってるんだ?」
男「いや、妹が拗ねちゃって」
妹B「呼びました?」
男「いや、君じゃなくて、俺の妹の方!」
128: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 17:13:08.73 ID:W2Ew/a0pO
妹B「あれ?でも妹さんなんてどこにもいませんよ?」
男「いやー、その、俺の中にいるみたいなんですよ」
妹B「私と一緒のようなものですね。ますます運命を感じます」
男「そ、そうですか?妹、指輪買ってあげるよ?」
妹「……結婚してくれる?」
男「わかったわかった結婚するから」
妹「うん。機嫌直すね!」
男「現金な奴だ……ん?」クイクイ
妹B「その……まだプロポーズされたばかりで気が早いのは承知していますが、こ、子供は何人欲しいですか?」
妹「お兄ちゃぁぁあん!?」
男「勘弁してくれぇぇぇ!!」
男「いやー、その、俺の中にいるみたいなんですよ」
妹B「私と一緒のようなものですね。ますます運命を感じます」
男「そ、そうですか?妹、指輪買ってあげるよ?」
妹「……結婚してくれる?」
男「わかったわかった結婚するから」
妹「うん。機嫌直すね!」
男「現金な奴だ……ん?」クイクイ
妹B「その……まだプロポーズされたばかりで気が早いのは承知していますが、こ、子供は何人欲しいですか?」
妹「お兄ちゃぁぁあん!?」
男「勘弁してくれぇぇぇ!!」
129: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 17:22:07.23 ID:W2Ew/a0pO
?~?~
神姉「な、なんかまた凄い人だね」
神兄「妹がいなかったら、2人でどんどんネガティブを増幅しあってたんだけど……あれぇ?」
神姉「妹さんが入ると、こんなに変わるものなのなんだね……」
神妹「いや、多分あれは相当特殊なパターンだろう……」
神兄「な、何はともあれ、一件落着……かな?」
神妹「そうだな。そろそろこの名前も面倒になってきたしな。えいっ」
女神「あぁ、結構気に入ってたのに」
神「それはさておき、だ。男、もうそろそろ私達も、指輪が欲しいのだが」
男神「わかったよ。じゃあ、行こうか」
神姉「な、なんかまた凄い人だね」
神兄「妹がいなかったら、2人でどんどんネガティブを増幅しあってたんだけど……あれぇ?」
神姉「妹さんが入ると、こんなに変わるものなのなんだね……」
神妹「いや、多分あれは相当特殊なパターンだろう……」
神兄「な、何はともあれ、一件落着……かな?」
神妹「そうだな。そろそろこの名前も面倒になってきたしな。えいっ」
女神「あぁ、結構気に入ってたのに」
神「それはさておき、だ。男、もうそろそろ私達も、指輪が欲しいのだが」
男神「わかったよ。じゃあ、行こうか」
130: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 17:30:08.13 ID:W2Ew/a0pO
結婚指輪専門店
店員「はぁ、同じ指輪を3つ、ですか?」
男神「えぇ、三人ペアで」
女神「神ちゃんこれも可愛いよね?」
神「可愛いな。だがこっちもなかなか良いのではないか?」
男「な、何かすごい三人組がいる」
妹「あれ……あのお姉さんの声どこかで……」
店員「はぁ、同じ指輪を3つ、ですか?」
男神「えぇ、三人ペアで」
女神「神ちゃんこれも可愛いよね?」
神「可愛いな。だがこっちもなかなか良いのではないか?」
男「な、何かすごい三人組がいる」
妹「あれ……あのお姉さんの声どこかで……」
131: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 17:34:06.56 ID:W2Ew/a0pO
妹B「これがいいです!男さん!」
男「え?あぁ、そうだな。でも金が無いから……」ゴソゴソ
神「……えいっ」
男「……あれ、なにこの紙の塊……さ、札束?」
妹「!お兄ちゃん、それ、神様からのプレゼントだよ」
男「え、使っていいのか?」
妹「うん!大丈夫!」
男「すいません、この指輪3つ下さい」
店員「が、学生が3つこれを!?世も末だわ……ビックリか?何なんだ?」ブツブツ
男「え?あぁ、そうだな。でも金が無いから……」ゴソゴソ
神「……えいっ」
男「……あれ、なにこの紙の塊……さ、札束?」
妹「!お兄ちゃん、それ、神様からのプレゼントだよ」
男「え、使っていいのか?」
妹「うん!大丈夫!」
男「すいません、この指輪3つ下さい」
店員「が、学生が3つこれを!?世も末だわ……ビックリか?何なんだ?」ブツブツ
132: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 17:40:03.14 ID:W2Ew/a0pO
男「妹Bさん、手を出して下さい」スッ
妹B「だからBはやめて下さい。ですが……嬉しいです。ありがとうございます」
男「あはは、喜んでもらえたんなら、嬉しいです。妹の分は、どうしようかなぁ……」
女神「やぁっ!」
男神「うわぁっ、ビックリした!いきなり叫ぶな」
神「女は相変わらず使うのが下手だなぁ……」
妹B「だからBはやめて下さい。ですが……嬉しいです。ありがとうございます」
男「あはは、喜んでもらえたんなら、嬉しいです。妹の分は、どうしようかなぁ……」
女神「やぁっ!」
男神「うわぁっ、ビックリした!いきなり叫ぶな」
神「女は相変わらず使うのが下手だなぁ……」
133: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 17:48:41.07 ID:W2Ew/a0pO
異空間
男「ここは……って妹……?」
妹「あれ、なんか、今だけ体が見えるみたいだね」
男「っ、妹……」ギュッ
妹「ふふ、お兄ちゃん……もう、こんなこと出来ないかと思ってた……」
男「妹、俺さ、妹B……いや、妹さんと結婚すると思うんだ。なんか、そう、運命みたいなもんだと思う」
妹「そっか……」
男「でも、その、うまく言葉に出来ないけど、俺は妹が大好きなんだ。だから、手、出して」
妹「……はい」
男「妹、ありがとな。これからは、ずっと一緒だ」スッ
妹「うん……うん!」
男「ここは……って妹……?」
妹「あれ、なんか、今だけ体が見えるみたいだね」
男「っ、妹……」ギュッ
妹「ふふ、お兄ちゃん……もう、こんなこと出来ないかと思ってた……」
男「妹、俺さ、妹B……いや、妹さんと結婚すると思うんだ。なんか、そう、運命みたいなもんだと思う」
妹「そっか……」
男「でも、その、うまく言葉に出来ないけど、俺は妹が大好きなんだ。だから、手、出して」
妹「……はい」
男「妹、ありがとな。これからは、ずっと一緒だ」スッ
妹「うん……うん!」
134: 名も無き被検体774号+ 2012/11/12(月) 18:02:42.64 ID:W2Ew/a0pO
結婚指輪専門店
男「っ!……指輪が、無くなってる。さっきの、幻じゃなかったのか」
妹B「さぁ、帰りましょうか」
男「ん、わかりました。あの、これだけは言っておきたいんですが」
男「俺は、妹と結婚してます。妹さん、あなたは、それでもいいですか?」
妹B「ふふっ、別に構いませんよ?それを言うなら、自分だって男と結婚していますから」
男「ははっ、そうでした。俺達、似たもの同士でしたよね」
妹「複雑な関係だねぇ、私達」
男B「妹Bをよろしく頼む」
妹B「男!勝手に出てこないで!えっと、ふつつかものですが、よろしくお願いします」
男「ふふっ、えぇ。じゃあ、まずは俺の大好きな母と父に挨拶に行きましょうか」
おわり
男「っ!……指輪が、無くなってる。さっきの、幻じゃなかったのか」
妹B「さぁ、帰りましょうか」
男「ん、わかりました。あの、これだけは言っておきたいんですが」
男「俺は、妹と結婚してます。妹さん、あなたは、それでもいいですか?」
妹B「ふふっ、別に構いませんよ?それを言うなら、自分だって男と結婚していますから」
男「ははっ、そうでした。俺達、似たもの同士でしたよね」
妹「複雑な関係だねぇ、私達」
男B「妹Bをよろしく頼む」
妹B「男!勝手に出てこないで!えっと、ふつつかものですが、よろしくお願いします」
男「ふふっ、えぇ。じゃあ、まずは俺の大好きな母と父に挨拶に行きましょうか」
おわり
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