1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 01:09:28.68 ID:UFA0KX3Q0
橘「クリスマスが今年もやってくる~♪」

田中「悲しかった出来事を消し去るように~♪」

橘・田中「……」

橘・田中「うぇーい!」

梅原「た、橘?田中さん?二人とも、どうしちまったんだよ?」

橘「いやさ、梅原?僕、一ヶ月位前に『今年は頑張ってみようと思うんだ!』とか言ったろ?」

橘「……頑張ってみた結果がこれだよ!」

梅原「お、おう。来年に期待だな!」

田中「わ、私も!今年こそはクリスマスまでに彼氏が欲しいな~、と考えてたんだけど」

田中「ごめんね?でも仕方ないよね……?」

梅原「お、俺に謝られても……なぁ?」

橘「うぇーい!」

田中「うぇーい!」

橘・田中「うぇーい!」

引用元: 橘純一「が、頑張ってみた結果がこれだよ!?」 




6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 01:13:59.43 ID:UFA0KX3Q0
橘「いや、本当!嫌になるよね!この時期は!」

田中「うんうん!幸せオーラを私にも分けて欲しいよ!」

橘・田中「うぇーい!」

梅原「二人とも……えらくテンションが高いじゃないな?」

橘「梅原?……これは空元気ってヤツさ……」

田中「……虚勢でも張ってなきゃやってらんないよね……」

橘・田中「うぇーい!」

梅原「ごめんな……?俺、二人がそこまで追い詰められてるなんて知らなかったぜ……」

橘「あ、謝るなよ!僕たちの惨めさが余計に際立つだろ!?」

田中「そうだよ!梅原君も一緒に笑おうよ!」

梅原「お、おう!そうだな!」

橘・田中・梅原「うぇーい!」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 01:22:36.42 ID:UFA0KX3Q0
橘「もうね!僕、サンタ狩りでもしたい気分だよ!」

田中「あ、いいね!私も前からあの浮かれた赤い衣装が気に食わなかったんだよね!」

梅原「おいおい、二人で朝刊の一面記事を独占か!?」

橘・田中・梅原「うぇーい!」

橘「……ま、実際は一日中押入れに篭って毛布を被りながら、この世の中を呪ってるだろうけどね……」

田中「……私は一人で七面鳥でも焼こうかな……あははっ」

梅原「……何だよ?みんなで笑うんだろ?なぁ……?」

橘「ちなみに梅原はどうするんだ?」

田中「あ!意外にもデートとかだったり!?」

梅原「お、俺は……聞くなよ!?なぁ!?」

橘「……ごめん」

田中「……だよね、ごめん」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 01:30:35.37 ID:UFA0KX3Q0
梅原「なぁ?今さ、こんなアイディアが頭をよぎったんだけどよ?」

橘「……うん?」

田中「……どんなアイディアなの?」

梅原「二人ともちょうど暇なんだからさ、デートでもしたらいいんじゃないか?」

橘「え?僕と田中さんがデート?」

田中「わ、私と橘君がクリスマスに?」

橘・田中「……」

橘「何を言い出すかと思えば!それはさすがにないだろ?」

田中「そうだよ!それはないってば!」

梅原「だ、だよな!さすがにないよな!?」

橘「もうね、僕と田中さんがデートだなんて!」

田中「橘君とデートとかさ!」

橘・田中「……」

橘「ねぇ?田中さん?本当にクリスマス暇なの?」

田中「た、橘君こそ。暇なんだよね?」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 01:36:52.41 ID:UFA0KX3Q0
橘「……田中さん?」

田中「……橘君?」

橘「か、勘違いしないで欲しいな!これはあくまで暇つぶしなんだからね!?」

田中「も、もう!橘君こそ勘違いしないでよね!?」

橘「そ、そう!これは実験なんだよ!」

橘「クリスマスの浮かれた雰囲気に僕らがどこまで耐えられるかって実験!」

田中「じ、実験!?心踊る響きだね!」

田中「そういうことなら、是非ぜひ協力させてよ!」

橘「じゃ、じゃあ!当日は~」

田中「うん!集合場所はさ~」





梅原「……あれ?俺は冗談のつもりだったんだぜ?」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 01:44:32.28 ID:UFA0KX3Q0
~デート当日~

橘(うぅ……僕としたことが)

橘(た、田中さんと遊ぶだけなのに、家にいるとそわそわしちゃって落ち着かないなんて!)

橘(お、落ち着かないから家を早めに出たんだけど……)

橘(なんと!待ち合わせに30分も早く到着しちゃいそうだよ!)

橘(これじゃ、なんだか田中さんを意識しちゃってるみたいじゃないか!)

橘(……ん?待ち合わせ場所にいるのは?)

田中「……」

橘「た、田中さん!?もう来てたの!?」

田中「あ、橘君!やっと来た!」

田中「……じゃなくて!わ、私も今来た所だよ?」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 01:52:41.37 ID:UFA0KX3Q0
橘「い、今来たところなの?」

田中「う、うん!一時間前行動とか基本だよ?」

橘(い、一時間前行動!?)

橘(そんな基本があったなんて……僕、知らなかったよ!)

田中「さてと。じゃあ、予定通り実験しようか!」

橘「う、うん!実験開始だ!」

田中「え~と、始めは~」

橘「デートの定番!映画館から!」

田中「映・画・館!その響きが既に浮かれてるよね!」

橘・田中「うぇーい!行くぞー!」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 02:00:52.86 ID:UFA0KX3Q0
~映画館~

ガヤガヤ……

橘「うわぁ……さすがクリスマスだね」

田中「うん、見事にカップルだらけだね」

橘「だけどさ?僕たちは実験をしなくてはならないんだ」

田中「そう、実験のためにはハードルを上げるべきだよね」

橘「だから!僕たちが見る映画は勿論!」

田中「甘々でベタベタなラブストーリーだよ!」

橘「これは命懸けの実験になるよね」

田中「……橘君?二人で生きて帰ろうね?」




28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 02:07:56.08 ID:UFA0KX3Q0
~劇場内~

橘「な、なんてことだ……こんなに幸せオーラが充満してるなんて……」

田中「うぅ……既に私の許容範囲を超えそうだよ……」

橘「で、でもさ!満席になりそうなところを、二人分チケットとれてよかったよね」

田中「うん。これは絶対に一人では無理だよ」

ビー……(ブサー音)

橘「お、始まるみたいだね」

田中「私さ、実はこの映画見たかったから楽しみなんだ」

橘「……あ、そうなんだ。何かごめんね?」

田中「ううん、こんな機会でもなければわざわざ見にこなかったと思うし。気にしないで?」




32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 02:15:59.01 ID:UFA0KX3Q0




橘「うぅ……相原のバカ!何で星乃さんとサヨナラしちゃったんだよ!」

田中「うん……泣けるよ。うぅ~……」

橘「僕さ、その後の星乃さんのことを考えると涙が止まらないよ!」

田中「最低だよね!私許せないな!」

橘「……でもさ」

田中「……うん」

橘「ラブストーリーだと思って見に来たカップルが、僕ら以上にダメージを負ってるのを見るのは愉快だよね」

田中「そういう意味ではとても甘いラブストーリーだったよね。蜜の味だよ」

橘・田中「うぇーい!」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 02:31:49.22 ID:UFA0KX3Q0
橘「田中さん?次の予定を確認しよう!」

田中「次は薫のバイト先のファミレスで少し早めの夕ご飯だよ!」

橘「う~ん、今日のファミレスは戦場なの間違いなしだよ」

田中「浮かれたヤツらの溜まり場だからね」

橘「きっと他愛ない会話で盛り上がってるんだろうなぁ……」

田中「恋人達からでてる幸せオーラだけで、お腹一杯の胸焼けになりそうだよ!」

橘「今日は無料でおかわり自由だもんね!」

田中「タダより高くつくものはないの好例だね!」

橘「よーし!じゃあ薫のバイト先へ……」

田中「レッツゴー!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 02:37:50.95 ID:UFA0KX3Q0



棚町「いらっしゃいませー!何名様ですかー?」

棚町「……って、あんた達……何してるの?」

橘「実験、かな」

田中「か、勘違いしないでね?デートじゃないよ?」

棚町「じ、実験!?」

棚町「……ま、そういうことにしといてあげるわよ」

橘「……含みのある表現だな」

田中「か、薫?だからね、違うよぅ!」

棚町「はいはい、仲のよろしいことで」

棚町「では、席までご案内しますねー」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 02:45:41.48 ID:UFA0KX3Q0



橘「田中さん……僕はクリスマスのファミレスを過小評価していたのかもしれないな……」

田中「うん、クリスマスがついに牙を剥き始めたね……」

橘「右を見ればイチャイチャカップル!」

田中「左を見れば談笑する親子連れ!」

橘「……僕たちみたいな存在はさ、場違いっていうヤツなんだろうね」

田中「……うん、お呼びじゃないよね」

橘・田中「はぁ……」

棚町「な~に、二人ともシケた顔してんのよ!」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 02:54:05.70 ID:UFA0KX3Q0
橘「……薫か」

田中「……薫ぅ」

棚町「ちょ、ちょっと!クリスマスなんだから、テンション上げなさいって!」

橘「そ、そうだ!僕たちには空元気しかないんだ!」

田中「そうだね!私達の限界はこんなもんじゃない!こんなんじゃないよ!」

橘・田中「うぇーい!」

棚町「……ねぇ?見ての通り混んでるから、早く注文して欲しいんだけどな?」

田中「あ、それじゃあね……このクリスマスディナーセットをお願いしていいかな?」

橘「あ、僕もそれにするよ」

棚町「はいは~い。期待して待ってなさいな!」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 03:03:59.63 ID:UFA0KX3Q0



橘「そんな……クリスマスに食べるフライドチキンがこんなにも美味しいなんて!」

田中「こ、このホワイトシチューも物凄く美味しいよ!?」

橘「ク、クリスマスディナーセット恐るべしだね!」

田中「本当、『食べたくなるなる』だよ!」

橘「そうなってくると、突然このファミレスの雰囲気が心地よくなってきちゃうな!」

田中「私、みんなが笑顔になってる理由がわかったよ!」

橘・田中「うぇーい!クリスマスうぇーい!」

棚町(……単純ね、二人とも)


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 03:18:54.88 ID:UFA0KX3Q0
橘「さて……と」

田中「次は今日のメインイベントだよ!」

橘「そう!輝日東のクリスマスといえば!」

田中「うん!創設祭だね!」

橘「きっと浮かれた同級生の姿が沢山見れるぞ~!」

田中「これは堪らないよね!身近な人だからこそ嫉妬しちゃう!」

橘「よーし!自分を強く持って創設祭を楽しむぞ!」

田中「わ、私も!」

橘「それじゃあ……」

田中「うんうん!」

橘・田中「状況開始だッ!」




49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 03:27:30.29 ID:UFA0KX3Q0
~輝日東高校・創設祭~

橘「うぅ……そんな……!」

田中「ど、どうしたの!?」

橘「も、森島先輩が……僕の知らない男と……!」

田中「早速嫉妬タイムだね!?」

橘(森島先輩は、僕なんかじゃ手の届かない人だってことはわかってる!)

橘(……けどっ!けどっ!)

森島「……ん?あ、橘く~ん!」タタタッ

田中「こ、こっちに来たよ!?」

田中「どうしよう!どうしよう!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 03:39:21.16 ID:UFA0KX3Q0
橘「森島先輩……」

森島「むむむっ!クリスマスなのに暗いぞ!ほら、笑って笑って!」

橘「せ、先輩?さっき一緒にいた男の人は?」

森島「えっ?……あ~、一人でブラブラしてたら、あの人にしつこく話しかけられてただけだよ?」

橘「か、彼氏とかではなくですか?」

森島「……意地悪。そんな人いないって知ってる癖にさ」

森島「橘君こそ、その隣にいる女の子は彼女だったり?」

田中「わ、私は!そういうのではないです!」

田中「た、ただ……お互いに暇を持て余してたから遊んでるだけで……」

森島「……ふぅん?そうなの?」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 03:49:41.08 ID:UFA0KX3Q0
森島「……こりゃ失敗しちゃったなぁ」

橘「えっ」

森島「橘君が暇なら一緒に遊ぼうって誘っておけばよかった、ってね」

橘「……」

森島「そうそう!私さ、今年はひびきとベストカップルコンテストに出るんだ!」

森島「衣装、結構頑張ったからさ!絶対に見に来てね?」

橘「は、はい!絶対に見に行きます!」

森島「わお!いい返事をもらっちゃったわね!」

森島「あ、私、そろそろひびきと衣装合わせとかあるから」

森島「じゃあね!バイバイ!」

橘「失礼します!」

橘「……だってさ?」

田中「……橘君に嫉妬することになるなんて!」

田中「この裏切り者ッ!」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 03:59:47.49 ID:UFA0KX3Q0
橘「嫉妬!?何で僕に!?」

田中「あの森島先輩といい感じだったよね!?」

橘「そ、そんなことないよ!?」

橘「も、森島先輩は誰にでもあんな感じだから……」

橘「……だからさ、勘違いしちゃう男が沢山出てくるんだよ……」

橘「僕なんか、その他大勢の一人だからね……」

田中「う~ん、橘君がそういうならそうなのかもしれないけどさ……」

橘「……田中さん!」

田中「は、はい?」

橘「今はそんなことより、創設祭を回ってみようよ!実験!実験!」

田中「そ、そうだね!今日は実験の日だったよ!」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 04:21:54.29 ID:UFA0KX3Q0



田中「嫉妬!やっぱり橘君に嫉妬!」

橘「えぇ!?何で!?」

田中「水泳部のおでんの屋台でも、茶道部の催物でも可愛い女の子が橘君をお出迎えしてくれるし……」

田中「仕事中の絢辻さんもわざわざ手を休めて話しかけにくるし……」

田中「そ、それにさ、ふかふかした可愛い一年生の女の子にも話しかけられてたよね?」

田中「……な、何より!みんな揃って『もしかして……あなたは橘君の彼女?』と心配そうに尋ねてくるのは何故なの!?」

田中「うん、これには嫉妬を隠せないよ!」

橘「そ、そんなこと言われても……ねぇ?」

田中「はいはい!全部私の思い過ごしなんだよね!?」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 04:32:37.06 ID:UFA0KX3Q0
田中「私も格好いい男の人に話しかけられたいー!」

田中「世の中不公平だよー!」

橘(な、なんて自分に素直な言葉なんだ!)

橘(こんな田中さんが見れるのはきっと今日だけだな!)

田中「……あっ、でもね?嫉妬する中にもいいことがあったよ?」

橘「いいこと?」

田中「こう、橘君が女の子に話しかけられる度に優越感?みたいなものを感じちゃって……気持ちいいかも!」

橘「……え?何でそんなことに?」

田中「私にもわからないよ、あははっ」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 04:47:12.75 ID:UFA0KX3Q0



橘「何だかんだで創設祭を楽しめたね」

田中「うんうん!私、一年分は嫉妬って単語を使った気がするよ」

田中「嫉妬といえば……ベストカップルコンテストでの森島先輩!」

橘「あぁ……あれは、ね」

田中「まさかマイクパフォーマンスで『橘くーん!ちゃんと見に来てるよねー!?』って、びっくりしたよ!」

橘「……あのマイクパフォーマンス、壇上から僕のことをイジリ倒そうとしたところを塚原先輩に半ば無理矢理止められて終わったよね」

田中「会場中から嫉妬されてる橘君、輝いてたよ?」

橘「僕は生きた心地がしなかったかな……」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 04:55:59.95 ID:UFA0KX3Q0
田中「次はどうする?」

橘「解散するのにはまだ勿体無い感じがするんだよね」

田中「あ、私もそう思ってたところなんだ」

橘「じゃあさ、ちょっと歩きながら話そうか?」

田中「それいいかも」

橘「それなら……」

田中「うん!」

橘・田中「聖なる夜のお散歩!うぇーい!」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 05:02:34.79 ID:UFA0KX3Q0
~丘の上の公園~

橘「……あ、こんな所まで歩いてきちゃった」

田中「浮かれてたから、あっという間だったよ」

橘「……少しベンチに座って休もうか?」

田中「そうだね、結構歩いたもん」

スッ……

橘「……」

田中「……」

橘「今年はホワイトクリスマスにはならなそうだね。星が綺麗だもん」

田中「本当、綺麗な星空だよね」

橘「……」

田中「……」

橘(さ、さっきまであんなに話してたのに)

橘(きゅ、急に沈黙が訪れると……何だか意識しちゃうよ!)

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 05:11:19.90 ID:UFA0KX3Q0
田中「……橘君?」

橘「は、はい?」

田中「少し寒いから、橘君の方に寄ってもいい?」

橘「か、構わないよ?」

田中「よっこいしょっと……んっ」

橘(田中さん近くない!?ほぼ密着してるよ!)

田中「えへへっ。橘君ってあったかいね?」

橘「そ、そうかな?」

田中「うん。ぽかぽかしてる」

橘「……」

田中「……」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 05:14:41.01 ID:UFA0KX3Q0
橘(こ、こうも距離が近いと、より意識しちゃって……!)

橘(ぼ、僕の心臓……凄くドキドキしてる!)

田中「私達……傍目から見たら浮かれたカップルに見えるかな?」

橘「あ、あははっ。そう見えるかもね」

田中「……カップルならさ」

橘「うん」

田中「キス……とかしちゃうのかな?」

橘「し、しちゃうかもね!なんといっても浮かれてるからね!」

田中「わ、私達も……してみる?」

橘「……えっ?」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 05:21:24.31 ID:UFA0KX3Q0
田中「ほ、ほら!実験だよ!実験!」

田中「今日見た映画でもそんなのあったし!」

田中「今日は実験の日だから、色々やってみようよ?」

橘「で、でも……いいの?」

田中「だから!実験だよ?」

田中「……下心とかそういうのはなしでね?」

橘「う、うん!それなら実験してみようか!」

田中「じゃあ……目瞑るから」

田中「橘君……?い、いいよ……?」

橘「う、うん……いくよ?」


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 05:27:10.90 ID:UFA0KX3Q0
橘(田中さん……!)

田中(橘君……!)

梅原「あれ?二人ともこんなところで何してんだ?」

橘「えっ?」

田中「う、梅原君?」

梅原「暇だからぶらぶらと散歩しててよ」

梅原「それで浮かれたカップルを見つけた思ったら、お二人さんか」

梅原「……なぁ?今のってさ?」

橘「じ、実験だよ!」

田中「そう!実験!実験なの!」

梅原「そ、そうか!実験か!」

梅原「ご、ごめんな!実験の邪魔しちまって!」

橘「ははっ、気にすんなよ!」

田中「あははっ!」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/16(水) 05:37:05.53 ID:UFA0KX3Q0
~後日~

橘・田中「うぇーい!」

梅原「浮かれてんな……相変わらず」

橘「だ、だってさ!来月の今頃はバレンタインだよ!?」

田中「そ、そうだよ!男の子も女の子も買ったり負けたり大忙しで、はた迷惑な行事が迫ってるんだよ!?」

橘「これがまともな精神で受け入れられるかってんだ!」

橘・田中「うぇーい!」

梅原「なぁ?次はバレンタインの浮かれた空気にどこまで耐えられるか、とか実験するつもりか?」

橘「梅原?それは愚問というものだよ?」

田中「実験は勿論やるよ?でも橘君への嫉妬の嵐の予感!」

橘・田中「うぇーい!」