1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 20:22:57.42 ID:J+xE2lKR0
妹(いっつも部屋でxxxxしやがってうるさいんだよ猿)

妹(気持ち悪くてしょうがない、  ゲの音量くらい下げろっての)

妹(はあ…消えちゃえばいいのに)

引用元: 妹「お兄ちゃん消えてくれないかな」 


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 20:28:59.26 ID:J+xE2lKR0
妹(いい加減うざいし直接言ってやるか)



ガチャ



兄「え?」

妹「しね」

兄「お、お前いきなりはいって」

妹「うるっさいんだよカス!気持ち悪い!しね!」

妹「いっつもいっつも丸聞こえなんだよ!消えろ!しね!」

PC「ら、らめえええ!いじめないでええええ!」

兄「え、あ…」

妹「私の前に二度と現れるな!」



バタン



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 20:31:17.53 ID:J+xE2lKR0
妹(ふ、ふふ!やった!言ってやった!)

妹(さいっこうの気分ね!すーっとしたわ!)

妹(今度またあの馬鹿が同じことしてたら罵ってやる!)


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 20:39:04.86 ID:J+xE2lKR0
妹(あーなんかもっといじめてやれないかな)

妹(そうだ、メールしてやろう)



お前がいっつも気持ち悪いゲームしてる音がこっちにきて超迷惑

つーかキモイ!しね!さっさとしねよ!

後妹関係の変なゲームばっかやるなきもい

ねえ何で生きてるの?恥ずかしくない?ねえ

しになよ



妹(これでよし、と。にひひ)


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 20:44:46.80 ID:J+xE2lKR0
1年前



妹「おにいーちゃん!」

兄「んー?どうしたー?」

妹「また今度買い物付き合ってよー」

兄「またかよ、簡便してくれ」

妹「いいじゃーん、ねーお願い」

兄「はぁ…わかったよ」

妹「やったあ!お兄ちゃんだーいすき!」



ぎゅっ



兄「お、おいそんなにくっつくな」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 20:48:12.86 ID:J+xE2lKR0
妹「ねー次はあそこいこ!」

兄「はいはい」



妹「次はあそこー!」

兄「ああ…」



妹「あ、あそこいきたいー!」

兄「おい…」



妹「あー楽しかった!」

兄「…」

妹「どうしたのお兄ちゃんテンションひくいー!」

兄「もう、疲れたよパトラッシュ」

妹「なーに言ってんの、これからカラオケだよ!」

兄「…もう、好きにして」

妹「じゃあいっこーう!」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 20:51:01.03 ID:J+xE2lKR0
妹「楽しかったー!」

兄「よかった…な」

妹「今日はありがとねお兄ちゃん!だーいすき!」

兄「妹が喜んでくれて嬉しいよ」

妹「また付き合ってよね!」

兄「えーまたかよー」

妹「いいの!どうせお兄ちゃん彼女いないんだし!」

兄「言うなよ…」

妹「えへへー。可愛そうだから私が一緒に遊んであげるって!」

兄「はいはい、ありがとな」



妹(お兄ちゃん、大好きだよ)


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 20:57:03.94 ID:J+xE2lKR0
妹「ねえお兄ちゃん、wii一緒にやろう!」

兄「ああいいけど」



妹「あーなんで私に甲羅あてるのー」

兄「勝負の世界は厳しいんだよっと」

妹「むー」

兄「おっさきー」

妹「むうー」

妹「あ、雷でたー」

妹「どかーん!」

兄「ちょ」

妹「ぷちっとな」

兄「ちょ!」

妹「おっさきー」

兄「がああああ」

妹「私のかっちー」


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 21:02:11.28 ID:J+xE2lKR0
妹「あー楽しかった」

兄「…」

妹「ちょっとそんなむくれないでよー」

兄「ふ、ふん。所詮ゲームさ」

妹「えへへー」

兄「お、おいそんなくっつくなって」



むにむに



妹「おにいちゃんだーいすき」

兄「や、やわらかい」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 21:09:35.17 ID:J+xE2lKR0
妹「ねえお兄ちゃん」

兄「ん?」

妹「お兄ちゃんってどんな子が好きなのかな?」

兄「な、なんだよ突然」

妹「いいのー聞かせてって」

兄「そうだな、元気で明るくて頼もしい子がいいかな」

妹「!そうなのわかった!」

兄「じゃあ今度は妹の好きなタイプを」

妹「ふっふーん♪」

兄「え、ちょ、おーい」



妹(お兄ちゃんも私のこと好きなのかも!)

妹(だって私明るくてー頼もしくてー、とっても元気だもん!)


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 21:17:28.78 ID:J+xE2lKR0
兄「なあ妹」

妹「なあにーお兄ちゃん」

兄「前妹がつれてきた子いたじゃん」

妹「あー友ちゃんね」

兄「あの子すっごいかわいいよなー。今度紹介してくれよ」

妹「むっ」

兄「なー頼むよ。まずメアドからでもいいからさー」



どす



兄「カハッ」

妹「ん?なーにお兄ちゃん」

兄「が、がはっ!お、ちょ」

妹「うーん?なにかな?友ちゃんのなんだってー?」

兄「はあはあ、はあ…。いえ、いえなんでも」

妹「うん、よろしい」



妹(お兄ちゃんの馬鹿!私がこんなにお兄ちゃんのこと好きなのに!)


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 21:27:54.89 ID:J+xE2lKR0
友「ねえ妹ちゃん」

妹「ん?」

友「この前妹ちゃんの家遊びに行ったときさ」

妹「うん」

友「お兄さんいたじゃない」

妹「うん、あはは。情けない兄だったかな」

友「ううん、違うの。かっこいいなって」

妹「え…」

友「すごい頼もしそうで、私好きになっちゃった、かも」

妹「そ、それは、ちょっと」

友「あ、あのさ!今度会わせてくれないかな!」

妹「え、あの、えと」

友「お願い!」

妹「あ、うん…」

友「あ、ありがとう!や、やった」

妹「は、はは」



妹(そ、そんな…。両思いなの?)

妹(わ、私だってお兄ちゃん好きなのに)


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 21:35:02.93 ID:J+xE2lKR0
妹「……あのさお兄ちゃん」

兄「んー?」

妹「友ちゃんがお兄ちゃんと会いたいって」

兄「え?!それ本当か!」

妹「うん…」

兄「で、いつ?どこで?」

妹「とりあえずお兄ちゃんの意思確認しようと思って」

兄「会うよ会う!」

妹「…わかった伝えとく」

兄「そっかー今からお洒落な服買っとかなきゃ!」

妹「…」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 21:43:21.01 ID:J+xE2lKR0
妹(何でこんなことに…)

妹(私なんかもうずーっと前からお兄ちゃんのこと好きなのに)

妹(兄妹だからなの?だから振り向いてもらえないの?)

妹(今まで何回も好きって言って来たのに全部笑ってごまかされた)

妹(でも、でもまだ付き合うと決まったわけじゃないしね)

妹(そうだよ、きっと二人ともそこまで仲良くならないよ!)

妹(そうだよね…お兄ちゃん)


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 21:53:18.31 ID:J+xE2lKR0
友「お兄ちゃん会ってくれるって?!」

妹「うん…」

友「やった!ありがとう妹ちゃん!」

妹「うん…」

友「どうしようどうしよう。どこで会ったらいいかな?!」

妹「さあ」

友「すごい緊張してきちゃった!ほんっとどうしよう!」

妹「…」

友「あ、そうだ!妹ちゃんも一緒に着てよ!」

妹「え?」

友「そうだよ!お願い!妹なんだから一緒にいても全然大丈夫だし!」

妹「え、ちょっと」

友「お願い!緊張しちゃって会話できないかもしれないし。ね?」

妹「あ、うん…」

友「そうと決まれば後はデートの場所ね、どうしようー」



妹(2人が楽しそうにしてるところなんて見たくないのに…)

妹(つらい、よ…)


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:00:29.47 ID:J+xE2lKR0
妹「友ちゃん喜んでたよ」

兄「そ、そうか!なんだか今から緊張しちゃうなあ」

妹「後、私も一緒にいてくれだって」

兄「そうだな、そのほうが俺も安心だし、俺からも頼むよ!」

妹「…」

兄「あ、後デート場所どこがいいかな?」

妹「知らない」

兄「そんなこと言わないでさー。カラオケとかボーリングがいいかな?」

妹「さあ」

兄「おいおいつれないなー。お兄ちゃんんがようやく彼女できそうなんだぞ!」

妹「…」

兄「そうだなーボーリングの後カラオケがいいかなー、うんうん」



妹「ぐす…ひっく」

妹(もう…つらいよお…)


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:07:39.85 ID:J+xE2lKR0
友「お、お待たせしました」

兄「ううん、ぜんっぜん待ってないよ!な、妹」

妹「…うん」

友「ごめんなさい、準備に時間がかかっちゃって」

兄「いいのいいの!じゃ、じゃあボーリングいこう!」

友「はい!」

兄「いやー今日楽しみで昨日あんま寝れなかったよー」

友「あはは、私もなんです」

兄「えーほんとー?」

友「ほんとですよー」

兄「あははは」



妹(私…いらないじゃん…)



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:12:34.57 ID:J+xE2lKR0
兄「おーうまい!ナイスストライク!」

友「えへへ、ありがとうございます」

兄「ここは俺もいいとこ見せなくちゃな」

友「期待してます」

兄「よーし」



兄「とおっ」



友「あはは!ガーターですね」

兄「くー…情けない」

友「このままじゃ私勝っちゃいますね、ふふ」

兄「うーん負けないぞ!」



妹(私の番…か)



妹「やったストライク…」



兄「えーそうなの?」

友「そうなんです、おかしいでしょう?ふふふ」



妹「…」


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:16:51.04 ID:J+xE2lKR0
友「あー面白かった!」

兄「く、くやしい」

友「私の圧勝でしたねー」

兄「こ、今度は負けないぞ!」

友「え、今度って…」

兄「あ、いや、その…よければ、ね」

友「あ、えと、喜んで!」

兄「あ、うん!あ、次はカラオケだね」

友「歌声期待してますよー」

兄「よーしはりきっちゃうぞ!」

友「ふふふ」



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:23:04.90 ID:J+xE2lKR0
兄「ごまえ~ごまえ~がんばあっていっきまっしょ」



友「ちょ、お兄さん何ですかその歌ー」

兄「お気に入りなんだ!」

友「じゃあ私も歌っちゃおう!」



友「いちおくとーにせんーねんまえからあっいっしってっるー」



兄「あ、そうだ妹も歌いなよ、せっかく来たんだしな」

妹「…うん」



妹「どなどなどーなーどーなー」

兄「ねえねえ友ちゃんアニメ好きなんだ」

友「ええ、好きなんですよー」

妹「こうしをのーせーてー」

兄「じゃあ今度一緒に見ようよ!」

友「ええ、ぜひ!」

妹「どなどなどーなーどおなー」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:28:13.91 ID:J+xE2lKR0
友「今日はありがとうございました」

兄「いや、こちらこそ。楽しんでもらえたかな?」

友「はい、すっごく!」

兄「あ、あのもしよかったらまた会ってもらえるかな」

友「あ、もちろんです!」

兄「よかった、じゃあメアドを交換しよう」

友「はい」



兄「それじゃあまた!」

友「はい!妹ちゃんもありがとね、それじゃあ!」

妹「…」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:33:13.24 ID:J+xE2lKR0
兄「いやー今日は楽しかったなあ!」

兄「なあ、妹」

妹「…」

兄「おいおいどうした元気ないなあ」

兄「いつもの元気はどうした?」

妹「そんな気分じゃ…ない」

兄「今日は妹のおかげで成功したみたいなもんだからな、何でも奢っちゃうぞ!」

妹「…うそだ。私いらなかった」

兄「ん?なんか言ったか?あんま高いのだめだぞ?」

妹「いらない!」



だっだっだっ



妹(もう知らない!知らない!)


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:36:14.04 ID:J+xE2lKR0
妹(私なんかいらなかったじゃない!)

妹(私なんかいないみたいな感じでいちゃいちゃして!)

妹(私の方がずーっと前からお兄ちゃんのこと好きだったのに!)

妹(誰よりも愛してるのに!)

妹(なんでこんなことになっちゃってるの…)



妹「うえーん…もう…やだあ…」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:47:19.05 ID:J+xE2lKR0
兄「ただいまー」

兄「おーい妹どうしたいきなり置いてくなんて酷いぞー」

妹「…」

兄「いやあ、お兄ちゃんこんなに楽しかったのはじめてだよ」

妹「…」

兄「友ちゃんとすっごく相性いいみたいなんだよ」

兄「妹もそう思うよな?」

妹「別に…」

兄「いや、絶対俺らの相性は最高だ!今度思い切って告白する!」

妹「え?」

兄「決めた!応援しててくれよ、妹よ」

妹「ちょ、ちょっと」

兄「うーどきどきするー」

妹「ねえ、ねえって!」

妹「そん…な」


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:53:14.99 ID:J+xE2lKR0
友「妹ちゃん、この前はありがとね」

妹「あ、うん…」

友「私お兄さんのこと本気で好きになっちゃったみたい!」

友「今度のデートのとき告白するつもりなんだ!」

妹「あ、え」

友「あんなに楽しく過ごせた人お兄さんがはじめて」

妹「ま、まだ一回会っただけだし…」

友「ううん、もうどうしようもなく好きになっちゃったの!」

妹「え、でも」

友「応援しててね!」

妹「…」



妹(両思い…)

妹(私…私は…)



妹「はは、は…」


89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 22:57:39.89 ID:J+xE2lKR0
兄「おーい妹喜べ!俺友ちゃんと付き合うことになったぞ!」

妹「…」

兄「おいおいどうしたそんなしらけた顔して!祝ってくれよ!」

妹「…そう、よかったね」

兄「ああ!はは、我が世の春がきたーなんてね!」

兄「お前も早く彼氏探せよな!」

妹「…」

兄「何なら俺が紹介してやるぞ?ん?」

妹「…さい」

兄「ん?どうした遠慮なんていらないぞ?」

妹「うるさい!うるさい!」



だっだっだっ



兄「お、おい」



妹(酷いよ酷いよ!私の気持ちなんて知らないで!)


95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:00:26.52 ID:J+xE2lKR0
妹(もう生きててもつまらない)

妹(外に出ても何も面白いことはない)

妹(私にとってお兄ちゃんが全てだったのに)

妹(お兄ちゃんは私のことなんとも思ってなかった)

妹(…今日、何日だった、かなあ)

妹(どうでもいい、や…)


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:02:32.80 ID:J+xE2lKR0
兄「妹は今日も部屋から出てないのか?」

母「そうなのよ、もうどうしたらいいか…うっ」

兄「母さんしっかりして!なんとか、なんとかするから…」



兄(妹を救うには…)


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:05:24.54 ID:J+xE2lKR0
兄(俺は妹が好きだ)

兄(家族としてではなく、女として)

兄(一般的にはおかしい、でも好きなものはしょうがない)

兄(そして妹も俺のことが好きだと思う)

兄(両思いなら喜ぶべきだと思うかもしれないが、それは違う)

兄(兄妹で付き合うのはやはりタブーだ)

兄(今はよくても将来必ずつらい思いをするはずだ)

兄(俺はどんな目にあってもかまわないが、妹が一生つらい思いをするのは耐えられない)


105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:07:57.00 ID:J+xE2lKR0
妹「ただいまー」

友「お邪魔します」

兄「おかえり。とそっちの子は?」

妹「私の友達の友ちゃん、かわいいでしょー」

友「あ、友って言います。はじめまして」

兄「友ちゃんか、妹と仲良くしてやってくれよな」

友「はい!」

妹「さ、いこいこ!」



兄(妹が友達を連れてくるなんてはじめてだな)

兄(よっぽど仲がいいのか)

兄(これは、都合がいいかもしれない)


 


127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:30:34.33 ID:J+xE2lKR0
友「お邪魔しました」

妹「また明日ね」

友「うん、学校で」

兄「また着てね」

友「はい、お邪魔しました」



兄(今しかないな)



兄「あ、ちょっと出かけてくる」

妹「ん、いってらっしゃい」

妹「ついでにかわいい妹のためお菓子のご褒美はあるかなー?」

兄「わ、わかった」

妹「さーすがお兄ちゃん」

兄「っとじゃあ」

妹「はーい待ってますよー」


131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:32:49.24 ID:J+xE2lKR0
たったったっ



兄(いた!)



兄「おーい友ちゃん」

友「?」

兄「追いついた」

友「妹ちゃんのお兄さん、どうしたんですか?走ってきて」

兄「あのさ、ちょっと話があるんだ」

友「え?」

兄「いや、えっと怪しい誘いじゃなくて、なんていうか」

友「ぷっふふ、わかりました」

兄「あ、ありがとう!」


133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:35:56.38 ID:J+xE2lKR0
兄「この喫茶店でいいかな?」

友「はい」



兄「あのさ、友ちゃんは妹と仲いいかな?」

友「はい、もちろん。じゃなくちゃ遊びに来ません」

兄「あ、そうだけど。学校で一番妹と仲いいかな?」

友「一番かはわかりませんが、一番一緒にいると思います」

兄「それじゃ折り入って相談があるんだけど」

友「相談、ですか?」

兄「ああ、あまり引かないで聞いて欲しい」

友「はい」

兄「俺、妹のことが好きなんだ。女として」


138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:40:39.17 ID:J+xE2lKR0
友「え?」

兄「驚くよね。後、妹も恐らく俺のことが好きらしいんだ」

友「…」

兄「いきなり何言ってるんだって思うよね。でも、本当なんだ」

友「私…驚きましたけど、信じますよ」

兄「ありがとう」

友「妹ちゃん、学校でも他の男の子のことなんて全然話さないんです」

友「変わりにいっつもお兄さんのことばかり」

兄「そう、なんだ」

友「はい。昨日は一緒にデートしたーとか一緒に遊んだーとか」

友「それはもう、嬉しそうな顔でしゃべるんですよ」

兄「はは、嬉しいな」

友「ええ、それで相談というのは?」

兄「妹とのそういう関係を終わりにしたい」


139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:44:38.37 ID:J+xE2lKR0
友「え?」

兄「ずっとお互いが好きな状態をもう終わりにしたいんだよ」

友「なんで、また」

兄「友ちゃんは優しいから平気な顔して聞いてくれてるけど」

兄「普通の人にこんな話をしたら思い切り引かれると思う」

友「…」

兄「そう、普通じゃないんだよ。社会的にね」

兄「どんなにお互い好きでも今の社会ではそれは許されることじゃない」

友「それは…」

兄「だから今のうちにお互い距離を置くべきだと思うんだ」


143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:48:11.25 ID:J+xE2lKR0
友「でも、お互いすごくつらい思いをするんじゃ」

兄「それは…しょうがない」

兄「このまま続いてしまったら一生つらい思いをすることになると思う」

兄「そうなる前に、今だけつらくても結果的にいいと思える日が来ると思うんだ」

友「でも、妹ちゃんがお兄さんのことが好きなのは変えられないですよ?」

兄「そこで、相談というか協力して欲しいことがある」

友「なんですか?」

兄「今日、お互いひとめぼれしたことにして欲しいんだ」

友「ひとめぼれ?」


146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:51:54.67 ID:J+xE2lKR0
兄「そう、ひとめぼれ」

友「でもなんで…」

兄「妹に諦めてもらうため」

兄「つまり今日お互いひとめぼれしたことにして、デートするんだ」

友「それで私たちが仲がいいところを見せて、妹ちゃんに諦めさせると」

兄「察しがよくて助かるよ」

兄「そう、それで一回デートした後付き合うことにする」

友「付き合う、ですか?」

兄「もちろん本当に付き合うんじゃなくて、振りだけどね」

友「付き合う振り…」


149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:55:40.98 ID:J+xE2lKR0
兄「俺が誰かと付き合うようになったらさ、流石に妹も諦めると思うんだ」

兄「そしたら俺は安心できる」

兄「あ、もちろん友ちゃんはなんの得もしないし協力してくれなくてもいいんだ」

兄「ただ妹のためなんだ」

友「なんか…ずるいですね、その言い方」

兄「え、あ、ごめん!そんなつもりじゃ」

友「ふふ」

兄「?」

友「いえ、優しいなと思って」

兄「そうかな」

友「私もお兄さんみたいな兄が欲しかったです」

兄「て、照れるな」


150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:57:20.15 ID:J+xE2lKR0
兄「それで、協力してくれるかな?」

友「はい、ただし」

兄「ただし?」

友「全部終わったらケーキバイキング奢ってくださいね」

兄「え、あ、ああ!お安い御用さ!」

友「ふふ、期待してますよ」

兄「それで具体的な計画なんだけどね…」


151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/16(月) 23:59:47.99 ID:J+xE2lKR0
兄(そして計画は全部終えた)

兄(妹が所々見せる悲しい顔を見たときは死にたくなったが…)

兄(それでもここまでやりきった)

兄(だけど今、妹は塞ぎこんで引きこもってしまっている)

兄「俺の…俺のせいで)

兄(妹を救うには全て打ち明けるしかない!)


155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:05:38.77 ID:vzFdu7Ke0
兄「ということなんだ」

友「わかりました、全てを打ち明けるんですね」

兄「ああ、俺は妹にこんな状態になってほしかったんじゃない!」

友「わかってます。大丈夫です、きっと理解してくれますよ」

兄「じゃあ明日うちに来てくれ」

友「はい、それでは」



兄(頼む妹、また元気に笑ってくれ…)


156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:07:07.98 ID:vzFdu7Ke0
友「お邪魔します」

兄「やあ、よくきてくれたね」

友「君ならできるよ」

兄「とりあえず俺の部屋に行こうか」

友「はい」


158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:09:18.34 ID:vzFdu7Ke0
兄「まず妹なんだけど、部屋から出てくることはない」

兄「トイレ以外では部屋をでない。食事は自室でとってる」

兄「そしてもちろん俺にも会ってくれない」

友「はい…」

兄「だから、妹がトイレに行くときを狙って会いに行こうと思うんだ」

友「そんなに深刻になっていたんですね」

兄「ああ…これも俺が!」

友「お兄さんは悪くないです、妹ちゃんのことを思っての行動だったんですから」

兄「でも…でも…」

友「自分をあまり責めないでください」


160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:12:12.15 ID:vzFdu7Ke0
兄「妹がまた元気になって欲しい…」

友「きっと、きっと大丈夫です」

友「こんなにも妹ちゃんのことを思ってるんですから」

兄「ありがとう。友ちゃんがいなかったらどうにかなってそうだ」

友「もっと私を頼っていいんですよ」

兄「ありがとう…」


161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:14:15.52 ID:vzFdu7Ke0
ギィ

バタン



友「お兄さん」

兄「ああ、いよいよだな」

友「行きましょう」

兄「ああ」



兄「妹の部屋に入るのは久しぶりだな」



ガチャ


163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:17:16.36 ID:vzFdu7Ke0
兄「暗いな」

友「電気、消してるんですね」

兄「…」



パチ



兄「…前見たときとあまり変わりはない、か」

友「そうですね」

兄「ひとまず安心か」

友「お、お兄さん!これ!」

兄「ん?…!」

兄「血がついてるティッシュが大量にゴミ箱に?」

兄「これは…」

友「リストカット…」


165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:19:59.10 ID:vzFdu7Ke0
兄「リスト…なに?」

友「腕を自分で刃物で切る自傷行為です」

兄「え、な…」

友「風呂場や洗面所で行うことも多い行為です」

兄「な、なんでそんなこと!」

友「それだけ追い詰められている…のでしょうか」

兄「そん…な」



ガチャ


172: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:23:38.63 ID:vzFdu7Ke0
兄「あ、い、妹!」

友「妹ちゃん…」

妹「…」

兄「ちょっと話があるんだ、聞いてくれ!」

妹「…」

兄「俺と友ちゃんが付き合ってる話だ」

妹「…知ってる。だからなに」

兄「そうじゃない!本当は付き合ってなかったんだよ!」

妹「…」

兄「あ、あれは全部演技で…」

兄「最初のデートから全部嘘で、全部お前をだますためにやったことなんだ!」


173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:27:24.32 ID:vzFdu7Ke0
妹「だま、す?」

兄「そ、そうなんだ!それでだましてお前に」

妹「だますって…」

兄「お前に普通の恋愛を」

妹「だますって何よ!!!!!」

兄「?!」

友「い、妹ちゃん」

妹「だますってなによ!なんのためよ!なんでよ!ねえなんで!」

兄「だ、だからそれは」

妹「私がどんな気持ちだったか!最低!くず!ごみ!しね!」

兄「お、おい」

友「い、妹ちゃん落ち着いて」

妹「だまれ!だまれ!だまれえええええ!消えろ!2人とも出てけ!」

妹「出てけ!出てけ!出てけ!出てけ!出てけ!出てけ!」

妹「消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!消えろ!」

妹「でてけええええええええ!」


175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:28:55.79 ID:vzFdu7Ke0
兄「あ、まっ」



バタン



兄「…」

友「…追い出されて、しまいましたね」

兄「…う、うああ、あああ」

兄「お、俺は取り返しのつかないことを!」

友「お、落ち着いてお兄さん」

兄「あああああああ!」

友「と、とにかく部屋に戻りましょう」


178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:30:48.75 ID:vzFdu7Ke0
友「落ち着きましたか?」

兄「……」

友「お兄さん?」

兄「もう、終わりだよ」

友「え?」

兄「妹に完全に拒絶された。いや、もうされてたのかも」

友「お兄さん…」

兄「もう、もう終わりだよ…終わりだ…」

友「ま、また明日電話しますね!」

兄「ぶつぶつ…」

友「お、お邪魔しました」


179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:32:44.44 ID:vzFdu7Ke0
兄(妹が俺の全てだった…)

兄(妹が幸せになってくれればいいと、誰よりも願っていた)

兄(でも、結果的には嫌われて…)

兄(しかも妹を不幸にしたのは俺だ…)

兄(俺…なんだ…)



兄「ははは…俺のせい…ははは」


182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:34:58.87 ID:vzFdu7Ke0
妹(あいつら屑は私がお兄ちゃんが好きなのを知ってそれでだましてたんだ!)

妹(許せない許せない許せない!)

妹(二人とも信じてたのに!憎い憎い憎い!)

妹(復讐…してやる!絶対だ!)


187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:36:43.34 ID:vzFdu7Ke0
兄(あれ以降妹は俺を無視し続けている)

兄(もう俺は生きる目的がなくなってしまった)

兄(全ては妹のために生きてきたのに…)

兄(だから最近では引きこもって  ゲーばかりしている)

兄(特に妹がメインのやつだ)

兄(PCの妹に自分の妹を重ねて…)


191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:38:51.54 ID:vzFdu7Ke0
友「あ、妹ちゃん!」

妹「…」

友「よかった学校きてくれるようになったんだ!」

妹「…」

友「ね、ねえ妹ちゃん」

妹「おい」

友「え?」

妹「話しかけんなカス」

友「ちょ、ちょっと…」

妹「いいか?二度と、私に、話しかけるな」

友「あ、ま、まって!」

友「そん…な…」


198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:41:30.00 ID:vzFdu7Ke0
妹(問題はどうやって復讐するか)

妹(私が捕まっちゃ意味がない)

妹(あんな屑どものためにつかまりたくない)

妹(あーなんかいい方法ないかなー)



「あん、お兄ちゃん!らめええええ!」



妹(またかよ!うるせえんだよ屑野労が!)

妹(あーそうだ、とりあえずメールでしねって送ろうかな)

妹(本当にそれで自殺してくれりゃいいけどね、にひひ)


200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:43:39.94 ID:vzFdu7Ke0
兄(妹からメールが久しぶりにきた)

兄(絶望的な内容だった)

兄(完全な拒絶。妹にとってむしろ俺は生きていてはいけないと理解した)

兄(妹に何かしてやれないかと、ずっと考えてきた)

兄(それが今、妹の願いをかなえることができる)

兄(俺は幸福に包まれていた)


206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:48:51.39 ID:vzFdu7Ke0
かーなしーみのー♪

むーこおーへとー♪



妹(屑からメールだ)





妹今まで悪かった。

いくら謝っても許してもらえないことはわかってる。

でも、ごめん。

俺は妹のことが大好きだ。もちろん今も変わらない。

妹が一番好きなんだ。でも、妹は俺がいないほうがいいと思ってるね。

だから俺は、もう二度と妹が俺に会わないでいいようにするよ。

俺の生きる目的は妹に幸せになってもらうことだから。迷惑はかけたくない。

今までありがとう。そしてごめんね。

幸せになれよ!







妹「…」


208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:51:11.05 ID:vzFdu7Ke0
妹(何このメール。どうせ嘘だよ)

妹(私がしねって送ったから…死ぬつもりなの?)



妹「はは、まさか」



妹(でも今日は隣の部屋に人の気配が…)



妹「嘘、だよね…」





トントン



妹「ねえ」



ドンドン



妹「ねえってば!ねえ!」


214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:54:21.74 ID:vzFdu7Ke0
ガチャ



妹「い、いない…」

妹「お、お兄ちゃん!」



だっだっ



妹「ね、ねえ今日お兄ちゃん出かけたの?!」

母「さあ、部屋にいるんじゃないかしら。もう最近ずっと出てこないし…」

妹「いないの!」

母「え?」

妹「お兄ちゃん、部屋にいないの!」

母「そう、ようやく外に出て」

妹「違う!違うの!違うの!」



だっだっだっ



妹(お兄ちゃん!)


223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:56:41.36 ID:vzFdu7Ke0
妹(どこに行ったのお兄ちゃん!)



だっだっだっ



妹(ここにもいない!)



だっだっだっ



妹(ここでもない!)



だっだっだっ



妹(いない!)



妹(いない!)



妹(いない!)


228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 00:59:38.23 ID:vzFdu7Ke0
妹(そ、そうだ!友なら!)

妹(でも…友は…)

妹(そんなこと言ってる場合じゃない!)



妹(出て、お願い!)



友「はい」

妹「あ、友!お兄ちゃん知らない?!」

友「え、い、妹ちゃんいきなりどうしたの」

妹「お兄ちゃん今日どこ行ったか知らない?!」

友「い、いや知らないけど…」

妹「そう…わかった」



妹(どこなの!どこなのよお兄ちゃん!)


234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:01:42.42 ID:vzFdu7Ke0
妹(どこにも…いないよ…)

妹(私が悪かったよ。私が悪かったの!)

妹(今わかったの、私本当はお兄ちゃんに死んで欲しくなんかなかった!)

妹(お願いだから…ねえ、お願いだから…)



妹「…ひっく、ぐす…、うぇええ」


241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:05:31.10 ID:vzFdu7Ke0
妹(お兄ちゃんに電話はずっと繋がらないまま…)

妹(家に、帰ってきてくれてるよね?お兄ちゃん)



妹「…ただいま」

母「おかえりー。妹お兄ちゃん知らない?ご飯の時間だから部屋に持っていったらいないのよー」

妹「あ…、いない、の…」

母「まったくー、まあ久しぶりに外出てめいっぱい遊んでるのかな?」

母「ようやく外出てくれて嬉しいよお母さんは!よーし今夜は奮発しちゃうぞ!」

妹「う、うえ…ぐす」



だっだっだっ



母「妹ーどこ行くのよ!全くー」



妹「ぐすっ、おにいちゃああん…ぐす…」


243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:07:54.63 ID:vzFdu7Ke0
とぼとぼ



妹「…」



とぼとぼ



妹「…」



妹(いない…どこにも。どこにも)



とぼとぼ



妹「…」



妹(でも、お兄ちゃんが私を置いてくなんてしないよね)

妹(ずーっと今まで一緒だったんだし)

妹(うん!そうだよ!絶対大丈夫だ!)


258: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:10:40.46 ID:vzFdu7Ke0
かーなしーみのー♪

むーこおーへとー♪



妹「お兄ちゃん見つかったの?!」

母「い、妹!お、おお、お兄ちゃんが!」

妹「うん!」

母「し、死体で見つかったって」

妹「え…、何言って」

母「焼死体で見つかったって!」

妹「…」



妹(え?何?お兄ちゃんが死んだ?)

妹(はは、冗談だよ。だって、だって…)



妹「あ、あは、あはは…」



バタッ


266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:12:24.85 ID:vzFdu7Ke0
兄「おい、妹起きろ。朝だぞ」

妹「うーん」

兄「ほーら遅刻するぞ」

妹「後5分ー」

兄「馬鹿言ってないで早くしろ!」

妹「はあーい」



妹「うーん…」


297: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:15:07.41 ID:vzFdu7Ke0
母「い、妹!」

父「気づいたか!」

妹「う、ん…。あれ?ここは?」

母「病院よ」

妹「病院?なんで?」

母「あなた、気を失ってたのよ」

妹「え?なんで?」

母「私と電話してたときに気を失ったのね」

妹「電話?」

母「お兄ちゃんのことで」

妹「お兄ちゃん…。電話…。……あ」

母「…」

父「…」


311: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:17:55.59 ID:vzFdu7Ke0
妹「嘘…だよね?」

母「…」

妹「ね、ねえ。だ、だって馬鹿げてるよ!ねえ!」

妹「あのお兄ちゃんだよ!だって、私たちずっと一緒に!」

妹「ねえ!嘘だと言ってよ!おかしいよ!なんでよ!なんで!」

母「うぅ…」

父「く…」

妹「そ、そんなあ…。お兄ちゃん…」

妹「お兄ちゃん…。うぇ…うああ、うああああ!」


323: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:21:23.31 ID:vzFdu7Ke0
妹(お兄ちゃんは焼け死んだ)

妹(ドラム缶に灯油を入れ、そこに体を入れて蓋を閉じて逃げられなくしていたと聞いた)

妹(もがき苦しんだ後があったという…)

妹(私はお兄ちゃんの最後の姿すら見ることができなかった)

妹(だからいまだに実感が沸かない)

妹(そして今日、葬式がある…)


337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:24:20.30 ID:vzFdu7Ke0
妹(葬式は特に変わったことなく終わった)

妹(通常棺には顔を確認できるように扉があるものだが、今回はすでに骨だけの形となったいた)

妹(不思議と涙は出ない)

妹(まだ現実と思えずふわふわした気持ちでいるためだろうか…)

妹(葬式が終わった後、彼女が話しかけてきた)


352: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:27:43.98 ID:vzFdu7Ke0
友「お久しぶり」

妹「…」

友「ふふ」

妹「…何が、何がおかしいの」

友「別に?何であんたは何食わぬ顔していきてんのかなーって思っただけ」

妹「どういう」

友「おっとここで言い合いはやめましょ。明日この場所で夜会いましょう」



友「じゃあね」

妹「…」



妹(これは…この場所は…)



妹(…兄が死んだ場所だった)


364: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:30:02.88 ID:vzFdu7Ke0
ざっざっ



友「着たわね」

妹「…」

友「ここがお兄さんが亡くなった場所よ」

妹「何の用?」

友「言ったでしょ、お話がしたくて」

妹「話すことなんて…」

友「あなたになくても私にはあるの」


379: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:32:49.90 ID:vzFdu7Ke0
友「私、お兄さんのことが好きだったんだー」

妹「え?」

友「最初はね、あなたを騙すための振りだったんだけどね」

友「だけどお兄さんの優しさに触れて、どんどん好きになっていった」

妹「…」

友「そしてね、あなたがひきこもった後はずっと独占状態だったわ」

友「幸せだった。あなたを心配してどこか浮かない顔をしてたけど、幸せだったわ」

妹「…」


398: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:36:46.90 ID:vzFdu7Ke0
友「でも、あなたが殺した」

妹「ち、ちが」

友「あなたが殺したも同然、そうでしょ?」

妹「ち、違う!私は何もしてない!」

友「じゃあこれは何かしら?」

妹「え?」

友「お兄さんが私に最後に送ってきたメールよ」



友ちゃん、今までありがとう。

妹のと俺のためいろいろ付き合わせて悪かったね。

でももう会うことはないと思う。

妹が最後に俺にして欲しいことを言ってくれたんだ。

これほど嬉しいことはないよ。

ちゃんと妹の言ったとおりにしようと思う。

最後にもう一度、ありがとう。





妹「な…に?」


417: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:41:20.15 ID:vzFdu7Ke0
妹「何…これ?」

友「ね、ここの一文見て。ちゃんと妹の言ったとおりって」

妹「私の言ったとおり…」

妹「…あ」



妹(あの時面白がって何通かメール送ったけど…)

妹(その中に確か、二度と顔見せないでって送った…よう、な)



妹「う、嘘…」

友「嘘なもんですか。あんたが殺した!」

妹「う、あ…」

友「それも焼き殺すなんて…酷すぎる」

妹「あ、ああ…うあ…あ…」



妹(ドラム缶で焼かれながら暴れてたって…)



妹「うあ、あああ!」


428: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:43:58.09 ID:vzFdu7Ke0
友「あああと一つあなた大きな誤解してるわ」

妹「うあ、ああああ」



バシッ



友「聞け!」

妹「う、うぅ…」

友「あなたね、私とお兄さんが悪戯で付き合ってる振りしてたって誤解してるじゃない」

妹「ぅ…うぅぅ…」

友「あれね、まーったく逆だわ」

妹「うぅ…、ぎゃ、逆?」

友「そう、逆」


436: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:46:34.20 ID:vzFdu7Ke0
友「お兄さんはね、あなたのためにあんなことしたの」

妹「私の…た、め?」

友「そうよ。あなたとお兄さんは両思いだったの」

妹「両…思い」

友「お兄さんもあなたのことを誰よりも好きだったのよね」

妹「…お兄ちゃん」

友「それはあなたも最後に気づいたかも知れない」

友「それでね、お兄さんは兄妹で恋愛なんて将来つらいだけだって、そう考えてたの)

妹「…」


446: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:49:58.66 ID:vzFdu7Ke0
友「だからね、私に相談してきたの」

友「私と付き合う振りをして、その間に何とか妹に彼氏ができないかってね」

友「なのにあなたは!」

妹「うぁ…ぅ」

友「その好意を勘違いしてお兄さんを自殺させた!」

妹「うあ、うあああ、ああああ!」

友「何であんたが生きてんのよ!あんたがしねばいいのに!」

妹「うあああああああ!」

友「私の話はそれだけ、別にあんたを殺したりしないわ」

妹「ううううううう、あああああうううううう」

友「じゃあね、二度と、私に、姿を見せるな」

友「あははは!あーーははははは!ははははは!」

妹「うああああああ、あああああ!」


459: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:52:14.82 ID:vzFdu7Ke0
妹「ぐす…ひっく、うぇ…」



妹(私が、お兄ちゃんを…殺した)

妹(しかも、しかも残忍な…やり方で)



妹「ごめんね、お兄ちゃん」

妹「今更謝っても仕方ない、よね」

妹「お兄ちゃん、まだ私のこと好きでいてくれてる?」

妹「……」


477: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/03/17(火) 01:55:22.82 ID:vzFdu7Ke0
妹「お兄ちゃん、大丈夫、私も同じだよ」



じょぼじょぼ



妹「同じ死に方すれば、絶対会えるよね」



じょぼじょぼ



妹「ごめんね、まず謝りたい」



じょぼじょぼ



妹「今、逝くよ」



ちゃぷ



妹「お兄ちゃん、大好きだよ」



しょぼっ

ごおおおおお



妹「ああああああああついあつい!あつい!あああああ」

妹「お兄ちゃん!おにあn、おたぱえあ」

妹「…」



~fin~