1: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 12:27:51.15 ID:bTFvKtv4o
ガラガラ
ロレンス「さて、まずは宿を探さないとな」
ホロ「うむ!」
ホロ「宿に着いたらまず腹ごしらえじゃな!」
ホロ「さっきまで塩っ気のあるものを口にしておったからの、今は何か甘いものが食べたい気分じゃ」
ロレンス「はは、街に着いた途端、上機嫌だな」
ロレンス「俺は何かさっぱりとした物がいいな。りんご酒でも買うか」
ホロ「それもいいの」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1361330870
ロレンス「さて、まずは宿を探さないとな」
ホロ「うむ!」
ホロ「宿に着いたらまず腹ごしらえじゃな!」
ホロ「さっきまで塩っ気のあるものを口にしておったからの、今は何か甘いものが食べたい気分じゃ」
ロレンス「はは、街に着いた途端、上機嫌だな」
ロレンス「俺は何かさっぱりとした物がいいな。りんご酒でも買うか」
ホロ「それもいいの」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1361330870
2: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 12:30:15.54 ID:bTFvKtv4o
ガヤガヤ
ホロ「おお、やはり市は賑やかでよいの」
ロレンス「旅をしばらくしていた身としては」
ロレンス「この喧騒に慣れるまで、少しかかりそうだな…」
ロレンス「俺よりも、ホロの方がその点は辛いんじゃないか?」
ホロ「んむ?」
ピョコピョコ
ホロ「ふむ、まあ街ではこうして被り物をしているわけじゃから」パサ
ホロ「耳につく音はぬし様とそれほど変わらんじゃろ」
ホロ「おお、やはり市は賑やかでよいの」
ロレンス「旅をしばらくしていた身としては」
ロレンス「この喧騒に慣れるまで、少しかかりそうだな…」
ロレンス「俺よりも、ホロの方がその点は辛いんじゃないか?」
ホロ「んむ?」
ピョコピョコ
ホロ「ふむ、まあ街ではこうして被り物をしているわけじゃから」パサ
ホロ「耳につく音はぬし様とそれほど変わらんじゃろ」
3: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 12:32:23.03 ID:bTFvKtv4o
ロレンス「…そう言うものか」
ロレンス「さて。とりあえず飲み物でも買おうか」
ロレンス「冷たいりんご酒が、酔いざましにもちょうどよさそうだ」
ホロ「わっちは、あの蜂蜜酒がいい!」
ホロ「もちろんミルク入りのやつじゃ」ホイ、トリエドウカジャ
ロレンス「…見ているだけで胃がもたれそうだ」
ホロ「いつかぬし様もおいしそうに飲んでいたではないか」コクコク
ホロ「甘くておいしいのー♪」
ロレンス「さて。とりあえず飲み物でも買おうか」
ロレンス「冷たいりんご酒が、酔いざましにもちょうどよさそうだ」
ホロ「わっちは、あの蜂蜜酒がいい!」
ホロ「もちろんミルク入りのやつじゃ」ホイ、トリエドウカジャ
ロレンス「…見ているだけで胃がもたれそうだ」
ホロ「いつかぬし様もおいしそうに飲んでいたではないか」コクコク
ホロ「甘くておいしいのー♪」
4: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 12:34:54.12 ID:bTFvKtv4o
コクコク
ホロ「じゃが、確かに甘いので」
ホロ「一度にたくさんは飲めないのが難点じゃな…」
ロレンス「…難点なのか、それは」グビ
ホロ「ふむ。ちょうど口直しになるパンでもあれば」チラ
ホロ「!」ハッ
ロレンス「…どうかしたか、ホロ」
ホロ「ぬし様よ…わっちは、気づいてしまいんす」
ホロ「さっぱりとしたりんご酒と、とろけるように甘い蜂蜜酒」
ホロ「交互に口にすれば、とても幸せなことになるのではないかや!?」
ロレンス「そんな非生産的なことはやめなさい」
ホロ「じゃが、確かに甘いので」
ホロ「一度にたくさんは飲めないのが難点じゃな…」
ロレンス「…難点なのか、それは」グビ
ホロ「ふむ。ちょうど口直しになるパンでもあれば」チラ
ホロ「!」ハッ
ロレンス「…どうかしたか、ホロ」
ホロ「ぬし様よ…わっちは、気づいてしまいんす」
ホロ「さっぱりとしたりんご酒と、とろけるように甘い蜂蜜酒」
ホロ「交互に口にすれば、とても幸せなことになるのではないかや!?」
ロレンス「そんな非生産的なことはやめなさい」
5: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 12:37:51.85 ID:bTFvKtv4o
ロレンス「何を言い出すかと思えば、まったく」ハア
ホロ「むぐむぐ」ポロポロ
ロレンス「ほら、パン屑がこぼれてる。汚れるぞ」
ホロ「にゅししゃみゃもどうじゃ」
ロレンス「…何を言ってるのかさっぱりだ」
ロレンス「ちゃんと飲み下してから喋るんだ」
ホロ「むぐ」
ホロ「むぐむぐ」ポロポロ
ロレンス「ほら、パン屑がこぼれてる。汚れるぞ」
ホロ「にゅししゃみゃもどうじゃ」
ロレンス「…何を言ってるのかさっぱりだ」
ロレンス「ちゃんと飲み下してから喋るんだ」
ホロ「むぐ」
6: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 12:46:52.26 ID:bTFvKtv4o
ホロ「ほれ、ぬし様の分じゃ」
ロレンス「ああ、俺の分を取っておいてくれたのか」
ロレンス「ありがとう、ホロ」パク
ホロ「ふう。満足じゃ!」
ホロ「さてぬし様よ、このあとはどうするのかや?」ペロ
ロレンス「ああ、とりあえずはいつも通り」
ロレンス「商会に顔を出して、売るつもりだった荷は売りに出す」
ロレンス「まあ、大半は」
ロレンス「道中でどこぞの狼に食べられてしまったわけだが」
ホロ「それは災難じゃったの♪」
ロレンス「全くだ」ハハ
ロレンス「ああ、俺の分を取っておいてくれたのか」
ロレンス「ありがとう、ホロ」パク
ホロ「ふう。満足じゃ!」
ホロ「さてぬし様よ、このあとはどうするのかや?」ペロ
ロレンス「ああ、とりあえずはいつも通り」
ロレンス「商会に顔を出して、売るつもりだった荷は売りに出す」
ロレンス「まあ、大半は」
ロレンス「道中でどこぞの狼に食べられてしまったわけだが」
ホロ「それは災難じゃったの♪」
ロレンス「全くだ」ハハ
7: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:19:37.85 ID:G69/fcKMo
ホロ「それで…」
ホロ「わっちは宿におればいいのかや?」
ロレンス「…いや、別にそれでも構わないが…」
ロレンス「まさか、気を使ってくれているのか?」
ホロ「まさかとはなんじゃ、まさかとは」
ロレンス「わ、悪い悪い。そう言うつもりで言ったんじゃないんだ」
ロレンス「…それじゃあ、まだ体調がよくないのか」
ホロ「いや、そうではありんせん」
ホロ「ただの気まぐれじゃ。気にせんでよい」
ロレンス「…そうか」
ホロ「わっちは宿におればいいのかや?」
ロレンス「…いや、別にそれでも構わないが…」
ロレンス「まさか、気を使ってくれているのか?」
ホロ「まさかとはなんじゃ、まさかとは」
ロレンス「わ、悪い悪い。そう言うつもりで言ったんじゃないんだ」
ロレンス「…それじゃあ、まだ体調がよくないのか」
ホロ「いや、そうではありんせん」
ホロ「ただの気まぐれじゃ。気にせんでよい」
ロレンス「…そうか」
8: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:23:28.66 ID:G69/fcKMo
ロレンス「…俺としては、ついて来て欲しいところだが」
ホロ「ほう」パタ
ロレンス「…危ないときには、いつも助けられているしな」
ロレンス「だからこそ、本当に助けてもらうかどうかはともかく…」
ロレンス「後ろにいてくれるだけで心強いというのもある」
ホロ「ほうほう」パタパタ
ホロ「ほう」パタ
ロレンス「…危ないときには、いつも助けられているしな」
ロレンス「だからこそ、本当に助けてもらうかどうかはともかく…」
ロレンス「後ろにいてくれるだけで心強いというのもある」
ホロ「ほうほう」パタパタ
11: >>10 うんごめん、今度はそのつもりで。 ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:26:51.01 ID:G69/fcKMo
ホロ「なるほどのー」
ホロ「ぬし様がそこまで言うなら、わっちも、ついて行くのにやぶさかではない」
パシ
ホロ「仕方ない。ぬし様が言うのだから、仕方ないのう」
ロレンス「…お前まさか、今の台詞を俺に言わせるためだけに」
ロレンス「あんなこと言い出したんじゃないだろうな?」
ホロ「くふ、悪いかや?」
ホロ「ぬし様がそこまで言うなら、わっちも、ついて行くのにやぶさかではない」
パシ
ホロ「仕方ない。ぬし様が言うのだから、仕方ないのう」
ロレンス「…お前まさか、今の台詞を俺に言わせるためだけに」
ロレンス「あんなこと言い出したんじゃないだろうな?」
ホロ「くふ、悪いかや?」
12: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:29:47.16 ID:G69/fcKMo
ロレンス「…」
ロレンス「あ、いや、別に悪くはない、が」
ホロ「今さら、ぬし様がわっちの気持ちを分からんとは」
ホロ「わっちも思ってはありんせん。じゃがの」
パタパタ
ホロ「口に出して言われるのは、とくべつ嬉しいものでありんす」ニコ
ロレンス「…う」
ロレンス「参った。…素直な賢狼には敵わないな」
ホロ「くふふ」
ロレンス「あ、いや、別に悪くはない、が」
ホロ「今さら、ぬし様がわっちの気持ちを分からんとは」
ホロ「わっちも思ってはありんせん。じゃがの」
パタパタ
ホロ「口に出して言われるのは、とくべつ嬉しいものでありんす」ニコ
ロレンス「…う」
ロレンス「参った。…素直な賢狼には敵わないな」
ホロ「くふふ」
13: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:33:23.34 ID:G69/fcKMo
…
バタン
ロレンス「ふう。ずいぶん宿に帰ってくるのがおそくなってしまったな」
ロレンス「すまないな、ホロ。疲れていたろうに」
ホロ「いや、気にすることはありんせん」
ホロ「わっちが好きでついて行ったのじゃ、それに」
ホロ「付き合いとはいえ、なかなかに美味な食事じゃった」
ホロ「あの商人は気前がいいの」
パタッ
ロレンス「この街は、ずいぶん景気がいいらしい」
ロレンス「滞在するしばらくの間は、それにあやかりたいもんだ」ハハ
バタン
ロレンス「ふう。ずいぶん宿に帰ってくるのがおそくなってしまったな」
ロレンス「すまないな、ホロ。疲れていたろうに」
ホロ「いや、気にすることはありんせん」
ホロ「わっちが好きでついて行ったのじゃ、それに」
ホロ「付き合いとはいえ、なかなかに美味な食事じゃった」
ホロ「あの商人は気前がいいの」
パタッ
ロレンス「この街は、ずいぶん景気がいいらしい」
ロレンス「滞在するしばらくの間は、それにあやかりたいもんだ」ハハ
14: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:36:19.89 ID:G69/fcKMo
ゴロ
ホロ「んむぅ…」
ロレンス「おい、服が皺になる」
ロレンス「寝転がるなら、ちゃんと服を脱いでからにしろ」
ホロ「脱がせてくりゃれー」
ロレンス「…そのくらいでは怯まないからな」
ホロ「そんなつもりはないがの♪」
ホロ「んむぅ…」
ロレンス「おい、服が皺になる」
ロレンス「寝転がるなら、ちゃんと服を脱いでからにしろ」
ホロ「脱がせてくりゃれー」
ロレンス「…そのくらいでは怯まないからな」
ホロ「そんなつもりはないがの♪」
15: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:39:40.77 ID:G69/fcKMo
グイ
ドサッ
ホロ「くふふ、ぬし様よ」
ロレンス「お、おいおい」
ギュッ
ホロ「…しばらく、こうしていさせてくりゃれ?」
ロレンス「…満足したら、服は脱いでくれるんならな」
ホロ「それでは、朝までかかってしまいんす」
ロレンス「…全く」
ホロ「♪」
ドサッ
ホロ「くふふ、ぬし様よ」
ロレンス「お、おいおい」
ギュッ
ホロ「…しばらく、こうしていさせてくりゃれ?」
ロレンス「…満足したら、服は脱いでくれるんならな」
ホロ「それでは、朝までかかってしまいんす」
ロレンス「…全く」
ホロ「♪」
16: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:43:18.08 ID:G69/fcKMo
ロレンス「ホロ」
ホロ「…んむ」パチ
ロレンス「悪いな、起こしてしまって」
ロレンス「だが勝手に出て行くよりは、声をかけておいた方がいいと思って」
ホロ「…殊勝な心がけじゃ。…あふ」
ロレンス「まだ早いが、少し出てくる。昼時には戻って来れると思うんだが…」
ロレンス「どうする? 一緒に行くか?」
ホロ「…むう」ゴロ
ホロ「…んむ」パチ
ロレンス「悪いな、起こしてしまって」
ロレンス「だが勝手に出て行くよりは、声をかけておいた方がいいと思って」
ホロ「…殊勝な心がけじゃ。…あふ」
ロレンス「まだ早いが、少し出てくる。昼時には戻って来れると思うんだが…」
ロレンス「どうする? 一緒に行くか?」
ホロ「…むう」ゴロ
17: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:47:25.75 ID:G69/fcKMo
ホロ「…すまんが、まだ起きれそうにない」
ロレンス「いや、構わないさ」
ロレンス「この宿の寝具は一級品だ。長旅の後では、豪華な料理に負けない魅力がある」
ロレンス「どうせまた、馬車の硬い寝床が待ってる。今のうちに存分に堪能しているといい」
ホロ「…すまんの」パサッ
ホロ「行ってらっしゃい。くれぐれも、気をつけてくりゃれ」
ロレンス「ああ、行って来る。飲み水の入った水差しと、パンは机にあるからな」
ホロ「うむ」
ロレンス「いや、構わないさ」
ロレンス「この宿の寝具は一級品だ。長旅の後では、豪華な料理に負けない魅力がある」
ロレンス「どうせまた、馬車の硬い寝床が待ってる。今のうちに存分に堪能しているといい」
ホロ「…すまんの」パサッ
ホロ「行ってらっしゃい。くれぐれも、気をつけてくりゃれ」
ロレンス「ああ、行って来る。飲み水の入った水差しと、パンは机にあるからな」
ホロ「うむ」
18: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:49:21.14 ID:G69/fcKMo
…
ムクッ
ホロ「むぅ、ここの寝床は凶器じゃの」
ホロ「わっちとしたことが、ぬし様と行くより、眠っていることを選んでしまうとは…」
ホロ「…パンでも食べるかや」
ムクッ
ホロ「むぅ、ここの寝床は凶器じゃの」
ホロ「わっちとしたことが、ぬし様と行くより、眠っていることを選んでしまうとは…」
ホロ「…パンでも食べるかや」
19: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:52:14.33 ID:G69/fcKMo
パクパク
ホロ「暇じゃな」
ホロ「また市にでも行くかや」
ホロ「…いや、下手に動くと入れ違いになるかもじゃな」
ホロ「…大人しく、今日は宿で待っておるかの」
ホロ「昼時には、戻って来ると言っておったしの」パクパク
ホロ「…」ミズミズ
コクコク
ホロ「暇じゃな」
ホロ「また市にでも行くかや」
ホロ「…いや、下手に動くと入れ違いになるかもじゃな」
ホロ「…大人しく、今日は宿で待っておるかの」
ホロ「昼時には、戻って来ると言っておったしの」パクパク
ホロ「…」ミズミズ
コクコク
20: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:54:36.31 ID:G69/fcKMo
パクパク
ホロ「暇じゃな」
ホロ「また市にでも行くかや」
ホロ「…いや、下手に動くと入れ違いになるかもじゃな」
ホロ「…大人しく、今日は宿で待っておるかの」
ホロ「昼時には、戻って来ると言っておったしの」パクパク
ホロ「…」ミズミズ
コクコク
ホロ「暇じゃな」
ホロ「また市にでも行くかや」
ホロ「…いや、下手に動くと入れ違いになるかもじゃな」
ホロ「…大人しく、今日は宿で待っておるかの」
ホロ「昼時には、戻って来ると言っておったしの」パクパク
ホロ「…」ミズミズ
コクコク
21: >>20 ミスった ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:55:08.51 ID:G69/fcKMo
ホロ「…帰ってこん」
ホロ「迂闊じゃった…ぬし様の、いつまでに帰って来るという台詞ほど信用ならんものはないではないか」
ゴロリ
ホロ「退屈じゃなー」
ホロ「…一人でいると、別段、この寝具も…心地よくないの」
ホロ「…ぬし様、早く帰って来てくりゃれ」
ホロ「迂闊じゃった…ぬし様の、いつまでに帰って来るという台詞ほど信用ならんものはないではないか」
ゴロリ
ホロ「退屈じゃなー」
ホロ「…一人でいると、別段、この寝具も…心地よくないの」
ホロ「…ぬし様、早く帰って来てくりゃれ」
22: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 13:59:03.77 ID:G69/fcKMo
バタン
ホロ「む」
ロレンス「す、すまないホロ…お、遅くなった」ゼェゼェ
ホロ「全くじゃ!」
ホロ「…しかしその反省していない面を見ると」ジトッ
ホロ「何やらいい話でも、あったみたいじゃな」
ロレンス「…う、ま、まあな」
ホロ「じゃが、日のあるうちに帰って来るとは、ぬし様も成長しておるようじゃ」
ホロ「それで? どうせまた、すぐに出るんじゃろ」
ホロ「む」
ロレンス「す、すまないホロ…お、遅くなった」ゼェゼェ
ホロ「全くじゃ!」
ホロ「…しかしその反省していない面を見ると」ジトッ
ホロ「何やらいい話でも、あったみたいじゃな」
ロレンス「…う、ま、まあな」
ホロ「じゃが、日のあるうちに帰って来るとは、ぬし様も成長しておるようじゃ」
ホロ「それで? どうせまた、すぐに出るんじゃろ」
23: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 14:02:06.62 ID:G69/fcKMo
ロレンス「あ、ああ。まだしばらく忙しくなりそうでな」
ロレンス「時間を見つけて、何とか迎えに来たんだ。いてくれてよかった」
ロレンス「…約束を破っておいて、都合のいいことを言っているかもしれないが…」
ホロ「…くふ」
パサッ
ロレンス「ホ、ホロ?」
ホロ「なに、機嫌を損ねたりはしておらん」
ホロ「むしろ逆じゃ」
ロレンス「…どういう意味だ?」
ロレンス「時間を見つけて、何とか迎えに来たんだ。いてくれてよかった」
ロレンス「…約束を破っておいて、都合のいいことを言っているかもしれないが…」
ホロ「…くふ」
パサッ
ロレンス「ホ、ホロ?」
ホロ「なに、機嫌を損ねたりはしておらん」
ホロ「むしろ逆じゃ」
ロレンス「…どういう意味だ?」
24: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 14:04:28.49 ID:G69/fcKMo
ホロ「何でもありんせん」
ホロ「ほれ、時間が惜しいんじゃろ」
ギュッ
ホロ「行こう、ぬし様!」
ロレンス「…ああ、分かったよ」
ロレンス「ありがとう、ホロ」
ホロ「ほれ、時間が惜しいんじゃろ」
ギュッ
ホロ「行こう、ぬし様!」
ロレンス「…ああ、分かったよ」
ロレンス「ありがとう、ホロ」
26: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:01:14.64 ID:G69/fcKMo
ホロ「忙しいの」 ver.2013
27: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:01:42.74 ID:G69/fcKMo
カー カー
ホロ「…んむ」パチ
ホロ「いま、なんじじゃ…」
ホロ「…もうこんな時間かや!」バッ
ホロ「い、急いで食事の支度をせんと、ぬし様が帰って来てしまうでありんす!」
ピーッピーッピーッ
ホロ「ひう!」
ホロ「…んむ」パチ
ホロ「いま、なんじじゃ…」
ホロ「…もうこんな時間かや!」バッ
ホロ「い、急いで食事の支度をせんと、ぬし様が帰って来てしまうでありんす!」
ピーッピーッピーッ
ホロ「ひう!」
28: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:03:01.81 ID:G69/fcKMo
ホロ「な、なんじゃ…」
ホロ「…ああ、炊飯器の音かや…」
ホロ「突然騒ぎ立ておって。まだこやつの音には慣れん」
ホロ「…パンが主食じゃった頃が懐かしいの」
ホロ「たまにはパンはどうかと、今度ぬし様に聞いてみよう」
ホロ「うむ。それがいい」
ホロ「…ああ、炊飯器の音かや…」
ホロ「突然騒ぎ立ておって。まだこやつの音には慣れん」
ホロ「…パンが主食じゃった頃が懐かしいの」
ホロ「たまにはパンはどうかと、今度ぬし様に聞いてみよう」
ホロ「うむ。それがいい」
29: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:05:10.23 ID:G69/fcKMo
コポコポ
ホロ「…う、に、苦い…」
ホロ「ぬ、ぬし様はいつもこんなものを飲んでいるのかや…」
ホロ「…ホットミルクの方がよほどおいしいではないか」ズズ
ホロ「と、言ったら…またぬし様に子ども舌などとからかわれてしまう…」
ホロ「…」ニガイ
ホロ「じゃが、飲めんものは無理して飲むものではないな」ウン
ホロ「…う、に、苦い…」
ホロ「ぬ、ぬし様はいつもこんなものを飲んでいるのかや…」
ホロ「…ホットミルクの方がよほどおいしいではないか」ズズ
ホロ「と、言ったら…またぬし様に子ども舌などとからかわれてしまう…」
ホロ「…」ニガイ
ホロ「じゃが、飲めんものは無理して飲むものではないな」ウン
30: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:06:41.18 ID:G69/fcKMo
ホロ「さて、と」
ホロ「コーヒーを飲んだら眠気も覚めた」
ホロ「さっさと飯の支度をしてしまうかや」
シュル
ホロ「それにしても…」
ホロ「エプロンはわっちには邪魔にしかならんのじゃが…」
ホロ「着けぬとぬし様がうるさいしの」ハア
ホロ「料理は豪快にするものじゃろ。多少服が汚れるくらいの方が、趣があると、わっちは思うんじゃがな」
ホロ「…服を汚すくらいで、何をあんなにうるさく言うんじゃろうか」
ホロ「コーヒーを飲んだら眠気も覚めた」
ホロ「さっさと飯の支度をしてしまうかや」
シュル
ホロ「それにしても…」
ホロ「エプロンはわっちには邪魔にしかならんのじゃが…」
ホロ「着けぬとぬし様がうるさいしの」ハア
ホロ「料理は豪快にするものじゃろ。多少服が汚れるくらいの方が、趣があると、わっちは思うんじゃがな」
ホロ「…服を汚すくらいで、何をあんなにうるさく言うんじゃろうか」
31: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:07:51.37 ID:G69/fcKMo
ホロ「…」
ホロ「そう言えば、以前、素っ裸にエプロンをつけておる変り者がおったの」
ホロ「まあ、テレビなど変り者しかおらんが…」
ホロ「…わっちがすると、ぬし様も喜んでくれるじゃろうか…」
ホロ「…」//
ホロ「く、下らないことを言ってないで、さっさと始めるかや」//
ホロ「そう言えば、以前、素っ裸にエプロンをつけておる変り者がおったの」
ホロ「まあ、テレビなど変り者しかおらんが…」
ホロ「…わっちがすると、ぬし様も喜んでくれるじゃろうか…」
ホロ「…」//
ホロ「く、下らないことを言ってないで、さっさと始めるかや」//
32: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:09:40.77 ID:G69/fcKMo
ホロ「…遅いの」
ホロ「まあいつものことじゃが」
ホロ「…そうじゃ、焦ることはなかったか。ぬし様は、仕事の虫じゃ」
ホロ「わーかーほりっくじゃ」
ホロ「遅れて帰って来ることも分かっておらんとは、わっちもまだまだじゃな」ハハ
ホロ「…」
ホロ「まだかのー」
ホロ「まあいつものことじゃが」
ホロ「…そうじゃ、焦ることはなかったか。ぬし様は、仕事の虫じゃ」
ホロ「わーかーほりっくじゃ」
ホロ「遅れて帰って来ることも分かっておらんとは、わっちもまだまだじゃな」ハハ
ホロ「…」
ホロ「まだかのー」
33: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:11:16.47 ID:G69/fcKMo
ホロ「料理が冷めてしまった」
ホロ「まあ、みそ汁は温め直せばよい」
ホロ「生姜焼きも…そうじゃな。すぐに温められるように、ラップをかけておくかや」ピッ
ホロ「…むう」
ホロ「ぬし様は、忙しいの」
ホロ「まあ、みそ汁は温め直せばよい」
ホロ「生姜焼きも…そうじゃな。すぐに温められるように、ラップをかけておくかや」ピッ
ホロ「…むう」
ホロ「ぬし様は、忙しいの」
34: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:12:54.67 ID:G69/fcKMo
パサッ
ホロ「…ん」
ロレンス「っと」
ホロ「…あふ。ぬし様かや」
ホロ「お帰り」
ロレンス「あ、ああ。ただいま」
ロレンス「すまないな。遅くなってしまって」
ホロ「…うむ」ムニャ
ホロ「別にいい…ん? ぬし様とな」ガバッ
ホロ「…ん」
ロレンス「っと」
ホロ「…あふ。ぬし様かや」
ホロ「お帰り」
ロレンス「あ、ああ。ただいま」
ロレンス「すまないな。遅くなってしまって」
ホロ「…うむ」ムニャ
ホロ「別にいい…ん? ぬし様とな」ガバッ
35: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:14:15.49 ID:G69/fcKMo
ホロ「やっと帰って来たのか! この朴念仁め!」
ロレンス「お、おい。今、許してくれたんじゃ」
ホロ「許すものか、寝ぼけておっただけじゃ!」
ホロ「あほ、このあほう! いつもいつもわっちを一人で待たせおって…!」
パサッ
ホロ「…なんじゃ、この上着は」
ロレンス「お、おい。今、許してくれたんじゃ」
ホロ「許すものか、寝ぼけておっただけじゃ!」
ホロ「あほ、このあほう! いつもいつもわっちを一人で待たせおって…!」
パサッ
ホロ「…なんじゃ、この上着は」
36: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:15:43.67 ID:G69/fcKMo
ロレンス「あ、いや…」
ロレンス「机に伏して眠ってしまっていたからな、風邪をひいてはよくないと」
ホロ「…」ワナワナ
ホロ「…」ハア
ホロ「…それでわっちが、喜ぶとでも思ったかや?」
ロレンス「…それは…」
ホロ「帰って来たのなら、起こしてくりゃれ」
ホロ「ぬし様に会えぬまま終わる一日など、どれだけ疲れていようと」
ホロ「わっちは暢気に眠ることなどできないでありんす」
ロレンス「机に伏して眠ってしまっていたからな、風邪をひいてはよくないと」
ホロ「…」ワナワナ
ホロ「…」ハア
ホロ「…それでわっちが、喜ぶとでも思ったかや?」
ロレンス「…それは…」
ホロ「帰って来たのなら、起こしてくりゃれ」
ホロ「ぬし様に会えぬまま終わる一日など、どれだけ疲れていようと」
ホロ「わっちは暢気に眠ることなどできないでありんす」
37: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:16:46.82 ID:G69/fcKMo
ロレンス「あ、ああ。悪かった」
ホロ「許さん」
ポテッ
ホロ「そう簡単には許さんぞ、ぬし様よ」
ホロ「じゃが…疲れておるのじゃろ」クンクン
ロレンス「…ホロ」
ホロ「食事も、外で食べて来たと見える」
ホロ「そうじゃな、ゆっくり風呂に浸かって」
ホロ「疲れを癒すとよい。ぬし様は、忙しい身じゃからな」
ホロ「…それに、ぬし様がぬし様なりに気を使ってくれたことが…分からぬわっちでもない」
ホロ「許さん」
ポテッ
ホロ「そう簡単には許さんぞ、ぬし様よ」
ホロ「じゃが…疲れておるのじゃろ」クンクン
ロレンス「…ホロ」
ホロ「食事も、外で食べて来たと見える」
ホロ「そうじゃな、ゆっくり風呂に浸かって」
ホロ「疲れを癒すとよい。ぬし様は、忙しい身じゃからな」
ホロ「…それに、ぬし様がぬし様なりに気を使ってくれたことが…分からぬわっちでもない」
38: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:17:52.62 ID:G69/fcKMo
ナデナデ
ロレンス「…ありがとう。ごめんな、ホロ」
ロレンス「いつも気苦労をかけるばかりだ、俺は」
ホロ「気にすることはありんせん」
ホロ「…惚れた弱みじゃ」
ホロ「ぬし様についてここへ来たことも、後悔したりはしておらんからの」
ロレンス「…ああ」
ロレンス「…ありがとう。ごめんな、ホロ」
ロレンス「いつも気苦労をかけるばかりだ、俺は」
ホロ「気にすることはありんせん」
ホロ「…惚れた弱みじゃ」
ホロ「ぬし様についてここへ来たことも、後悔したりはしておらんからの」
ロレンス「…ああ」
39: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:19:10.23 ID:G69/fcKMo
ロレンス「さて、それじゃあお言葉に甘えて」
ロレンス「風呂に入らせてもらおうか」
ホロ「うむ。そうするとよい」
ロレンス「…そうだ、たまには一緒に入るか」
ホロ「…なんじゃと?」
ロレンス「風呂に入らせてもらおうか」
ホロ「うむ。そうするとよい」
ロレンス「…そうだ、たまには一緒に入るか」
ホロ「…なんじゃと?」
40: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 16:20:38.30 ID:G69/fcKMo
ホロ「それは…どうかの、何と言うか…は、恥ずかしいではないか」//
ロレンス「はは。珍しいな、お前が恥ずかしいなんて言うとは」
ホロ「なっ」
ホロ「ひ、人のことを恥じらいのない者のように言うでない!」
ホロ「この、たわけが!」
ロレンス「はは」
ホロ「…全く」
ホロ「ぬし様にそんな風に誘われては、断るわけにはいかんではないか…」
ホロ「くふ、自分から言ったからには、覚悟しておくんじゃぞ」
ホロ「のう、ぬし様よ?♪」
続く
ロレンス「はは。珍しいな、お前が恥ずかしいなんて言うとは」
ホロ「なっ」
ホロ「ひ、人のことを恥じらいのない者のように言うでない!」
ホロ「この、たわけが!」
ロレンス「はは」
ホロ「…全く」
ホロ「ぬし様にそんな風に誘われては、断るわけにはいかんではないか…」
ホロ「くふ、自分から言ったからには、覚悟しておくんじゃぞ」
ホロ「のう、ぬし様よ?♪」
続く
43: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 22:49:26.35 ID:dWmszX30o
ほろ「ひまじゃな」
44: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 22:50:45.71 ID:dWmszX30o
トテトテトテ
ほろ「ぬしさまよ。これはなにかや」
ロレンス「ん…りんごだな」
ほろ「あかいの」
ギュッ
ほろ「…見るからに辛そうじゃ…わっちのてきじゃな…」プルプル
ロレンス「よしよし」ハハ
ほろ「ぬしさまよ。これはなにかや」
ロレンス「ん…りんごだな」
ほろ「あかいの」
ギュッ
ほろ「…見るからに辛そうじゃ…わっちのてきじゃな…」プルプル
ロレンス「よしよし」ハハ
45: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 22:52:24.64 ID:dWmszX30o
ロレンス「安心しろ。りんごは辛いどころ甘くて瑞々しい」
ロレンス「むしろ、ホロがきっと気に入るような味だぞ」
ほろ「うむ? あまいのかや」
ほろ「…ぬしさまよ」ダラー
ロレンス「はいはい、後で買ってやる」
ロレンス「今はまだ商談中だからな。あとにしてくれ」ヒョイ
ほろ「うむ。ではおとなしくしよう」
ほろ「わっちは、よいつのけんろーじゃからな!」
商人「(なんだあの可愛いのおい)」
ロレンス「むしろ、ホロがきっと気に入るような味だぞ」
ほろ「うむ? あまいのかや」
ほろ「…ぬしさまよ」ダラー
ロレンス「はいはい、後で買ってやる」
ロレンス「今はまだ商談中だからな。あとにしてくれ」ヒョイ
ほろ「うむ。ではおとなしくしよう」
ほろ「わっちは、よいつのけんろーじゃからな!」
商人「(なんだあの可愛いのおい)」
46: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 22:54:55.85 ID:dWmszX30o
パシ
ロレンス「ほら。そのまま齧って大丈夫だぞ」
ほろ「んむ。あーん」ガブリ
ほろ「…」シャクシャク
ほろ「ぬしさまよ、これは」モグモグ
ほろ「ぱないの!」
ロレンス「どこで覚えた」
ロレンス「ほら。そのまま齧って大丈夫だぞ」
ほろ「んむ。あーん」ガブリ
ほろ「…」シャクシャク
ほろ「ぬしさまよ、これは」モグモグ
ほろ「ぱないの!」
ロレンス「どこで覚えた」
47: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 22:56:47.35 ID:dWmszX30o
バクバク
ほろ「たしかに甘くてみずみずしい!」
ほろ「むぐむぐ♪」ボタボタ
ロレンス「…お前、食べ方汚いなあ。服がべとべとになる」
ロレンス「まあどうせ大した量は食べられないだろ」
ロレンス「お前の食べる量くらいなら買ってやるから、落ち着いて食え」
ロレンス「あと、今のうちにお腹いっぱいになると、晩飯、食えなくなるぞ」
ほろ「しんぱいない! こんなにびみなものが、食べられぬことはないわー」バクバク
ロレンス「そうかい」
ほろ「たしかに甘くてみずみずしい!」
ほろ「むぐむぐ♪」ボタボタ
ロレンス「…お前、食べ方汚いなあ。服がべとべとになる」
ロレンス「まあどうせ大した量は食べられないだろ」
ロレンス「お前の食べる量くらいなら買ってやるから、落ち着いて食え」
ロレンス「あと、今のうちにお腹いっぱいになると、晩飯、食えなくなるぞ」
ほろ「しんぱいない! こんなにびみなものが、食べられぬことはないわー」バクバク
ロレンス「そうかい」
48: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 22:58:44.17 ID:dWmszX30o
ほろ「ふぐう…お、おなかいっぱいじゃ」
ロレンス「三つも食べたんだ、そりゃそうなる」
ロレンス「まあ大半は水分だ。腹持ちはよくないだろうし、晩までにはお腹も空くだろう」
ほろ「うう、ぬしさまー…動けぬ…」ンアー
ロレンス「おいおい、賢狼がずいぶんだらしない」
ロレンス「はは、今のお前、羊そっくりだぞ」
ほろ「なんじゃと!?」ガーン
ほろ「わ、わっちを…あんなのろまでほこりのないものと比べるなど…」
ほろ「お、おこがましいわ」
ほろ「うっぷ」
ロレンス「おい、吐くのだけは勘弁だからな」
ロレンス「三つも食べたんだ、そりゃそうなる」
ロレンス「まあ大半は水分だ。腹持ちはよくないだろうし、晩までにはお腹も空くだろう」
ほろ「うう、ぬしさまー…動けぬ…」ンアー
ロレンス「おいおい、賢狼がずいぶんだらしない」
ロレンス「はは、今のお前、羊そっくりだぞ」
ほろ「なんじゃと!?」ガーン
ほろ「わ、わっちを…あんなのろまでほこりのないものと比べるなど…」
ほろ「お、おこがましいわ」
ほろ「うっぷ」
ロレンス「おい、吐くのだけは勘弁だからな」
49: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:01:03.88 ID:dWmszX30o
ポテ
ほろ「う、うつぶせはいかん。あおむけに」
ロレンス「はいはい」ゴロ
ロレンス「はは、腹がまん丸じゃないか」ポンポン
ほろ「! ぬ、ぬしさまよ。かりにもわっちはきむすめじゃ」
ほろ「そんなもののおなかを、きやすく撫でるでない…!」
ロレンス「はいはい。全く、生娘なんて言葉、どこで覚えて来るんだか」ハア
ほろ「う、うつぶせはいかん。あおむけに」
ロレンス「はいはい」ゴロ
ロレンス「はは、腹がまん丸じゃないか」ポンポン
ほろ「! ぬ、ぬしさまよ。かりにもわっちはきむすめじゃ」
ほろ「そんなもののおなかを、きやすく撫でるでない…!」
ロレンス「はいはい。全く、生娘なんて言葉、どこで覚えて来るんだか」ハア
50: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:02:50.21 ID:dWmszX30o
ほろ「…あふ」
ロレンス「何だ、眠たいのか」
ロレンス「お腹いっぱいになると眠くなる。子どもというか、その辺りは狼らしいのか?」
ほろ「ぬしさまよ、そのせりふ、狼をぐろうしてはおらぬか…?」
ほろ「じゃが、いまはゆるそう」
ギュッ
ほろ「しあわせな気分じゃからな」
ロレンス「そうか。それはよかった」ナデナデ
ほろ「…くふふ」
ロレンス「何だ、眠たいのか」
ロレンス「お腹いっぱいになると眠くなる。子どもというか、その辺りは狼らしいのか?」
ほろ「ぬしさまよ、そのせりふ、狼をぐろうしてはおらぬか…?」
ほろ「じゃが、いまはゆるそう」
ギュッ
ほろ「しあわせな気分じゃからな」
ロレンス「そうか。それはよかった」ナデナデ
ほろ「…くふふ」
51: 書き溜めなくなった。 ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:03:57.70 ID:dWmszX30o
ほろ「…」スヤスヤ
ロレンス「…」ナデナデ
ロレンス「…お休み、ホロ」
52: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:17:00.51 ID:dWmszX30o
ムクリ
ほろ「…ん…ぬしさま…?」パサッ
ほろ「…」イナイ
ほろ「ん、そうか。でると言っておったか」
ほろ「まったく、わっちがまどろんでいるときにかってに行きおって」
ほろ「…まあ、いい」
ほろ「のんびりしておこうかの」
ほろ「…ん…ぬしさま…?」パサッ
ほろ「…」イナイ
ほろ「ん、そうか。でると言っておったか」
ほろ「まったく、わっちがまどろんでいるときにかってに行きおって」
ほろ「…まあ、いい」
ほろ「のんびりしておこうかの」
53: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:20:29.85 ID:dWmszX30o
~~~~~~
ギューッ
ロレンス「ホロ。おい、こら」
ほろ「…むにゃ」
ロレンス「いつまでもしがみついていられたら、仕事にならないじゃないか」
ロレンス「ほら、いい子だから。離してくれ」
ほろ「…む、にゅししゃまはー」
ほろ「またわっちのことを子どもあつかいする気じゃな…」
ほろ「むぅ」コクコク
ロレンス「…」ハア
ギューッ
ロレンス「ホロ。おい、こら」
ほろ「…むにゃ」
ロレンス「いつまでもしがみついていられたら、仕事にならないじゃないか」
ロレンス「ほら、いい子だから。離してくれ」
ほろ「…む、にゅししゃまはー」
ほろ「またわっちのことを子どもあつかいする気じゃな…」
ほろ「むぅ」コクコク
ロレンス「…」ハア
54: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:24:03.33 ID:dWmszX30o
ポテ
ほろ「あう」
ほろ「ぬ、ぬしさまよ…わっちをおいて行くのかやぁ…」
ロレンス「大げさな。約束があるんだ」
ロレンス「どうせまだ眠たいんだろ? 無理してついて来なくていい」
ロレンス「布団で大人しく寝ていろ」
ほろ「…ぬう」
ほろ「ぬしさまは、わからずやでありんす」バサッ
ロレンス「…とか言いながら、布団に包まるんだな」
ほろ「あう」
ほろ「ぬ、ぬしさまよ…わっちをおいて行くのかやぁ…」
ロレンス「大げさな。約束があるんだ」
ロレンス「どうせまだ眠たいんだろ? 無理してついて来なくていい」
ロレンス「布団で大人しく寝ていろ」
ほろ「…ぬう」
ほろ「ぬしさまは、わからずやでありんす」バサッ
ロレンス「…とか言いながら、布団に包まるんだな」
55: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:28:49.18 ID:dWmszX30o
ロレンス「飲み物と食べ物は、そこに置いて行くからな」
ロレンス「…りんごもあるぞ」
ほろ「!」パタパタ
ロレンス「(分かり易いやつ)」
ロレンス「それじゃあな、できるだけ早めに帰って来るよ」
ほろ「…それがよい…」
ほろ「…」zzz
ロレンス「…りんごもあるぞ」
ほろ「!」パタパタ
ロレンス「(分かり易いやつ)」
ロレンス「それじゃあな、できるだけ早めに帰って来るよ」
ほろ「…それがよい…」
ほろ「…」zzz
56: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:34:03.67 ID:dWmszX30o
~~~~~~~~~~~~~~
ほろ「ほっ」
ヒュッ、パシッ
ほろ「…ひまじゃな」
ほろ「はやくかえって来んかのー」
ほろ「…しかし、この、りんごと言ったか」
パシ
ほろ「おいしかったの」
ほろ「…」ダラー
ほろ「ほっ」
ヒュッ、パシッ
ほろ「…ひまじゃな」
ほろ「はやくかえって来んかのー」
ほろ「…しかし、この、りんごと言ったか」
パシ
ほろ「おいしかったの」
ほろ「…」ダラー
57: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:40:22.94 ID:dWmszX30o
ゴシゴシ
ほろ「い、いかんいかん」
ほろ「ぬしさまには、わっちをこけにしたぶん、今日という日は」
ほろ「いつにもましてびみな夕食を食べさせてもらわねばならん」
ほろ「…いまは、がまんじゃ」
ほろ「…」ゴシゴシ
ほろ「い、いかんいかん」
ほろ「ぬしさまには、わっちをこけにしたぶん、今日という日は」
ほろ「いつにもましてびみな夕食を食べさせてもらわねばならん」
ほろ「…いまは、がまんじゃ」
ほろ「…」ゴシゴシ
58: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:46:07.31 ID:dWmszX30o
コテ
ほろ「…それに、ひとりで食べてもおいしくないしの…」
ほろ「…ぬしさまはいそがしい」
ほろ「わっちは、ぬしさまのじゃまじゃろうか」
パタパタ
ほろ「このみょうな身のせいで、しばしばぬしさまにはめいわくをかけておる」
ほろ「…はあ」
ほろ「ひまじゃなー、おもしろくないのー」
パタパタ
ほろ「…それに、ひとりで食べてもおいしくないしの…」
ほろ「…ぬしさまはいそがしい」
ほろ「わっちは、ぬしさまのじゃまじゃろうか」
パタパタ
ほろ「このみょうな身のせいで、しばしばぬしさまにはめいわくをかけておる」
ほろ「…はあ」
ほろ「ひまじゃなー、おもしろくないのー」
パタパタ
59: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:53:22.21 ID:dWmszX30o
ガタ
ほろ「! ぬしさまかやっ」
??「…やっと見つけた」
ほろ「ん?」
ほろ「…なんじゃおぬし」
??「怪しいものじゃないよ」
??「ホロちゃんを迎えに来たんだ」ハアハア
ほろ「…み、見るからに怪しいがの」
ほろ「! ぬしさまかやっ」
??「…やっと見つけた」
ほろ「ん?」
ほろ「…なんじゃおぬし」
??「怪しいものじゃないよ」
??「ホロちゃんを迎えに来たんだ」ハアハア
ほろ「…み、見るからに怪しいがの」
60: ◆5elc53sAMI 2013/02/20(水) 23:56:21.74 ID:dWmszX30o
ジリッ
ほろ「ひぃ、く、来るでない」
??「安心して。ボクなら、しがない行商人なんかより」
??「きっとホロちゃんを幸せにして上げられるから!」ハアハア!
ほろ「…うう、ぬしさまよ…助けてくりゃれ…」
ほろ「ひぃ、く、来るでない」
??「安心して。ボクなら、しがない行商人なんかより」
??「きっとホロちゃんを幸せにして上げられるから!」ハアハア!
ほろ「…うう、ぬしさまよ…助けてくりゃれ…」
61: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:02:08.74 ID:BHHQY5Zwo
コロン
ほろ「あっ」
??「…ホロちゃんは、りんごが好きなんだね」
??「ボクならいくらでも、りんごを買って上げられるよ」
ほろ「い、いらん」
ほろ「おぬしにかってもらったりんごなど食べたくない」
ほろ「わっちは、ぬしさまにかってもらったりんごが好きなんじゃ!」
バシッ
ほろ「あっ」
??「…ホロちゃんは、りんごが好きなんだね」
??「ボクならいくらでも、りんごを買って上げられるよ」
ほろ「い、いらん」
ほろ「おぬしにかってもらったりんごなど食べたくない」
ほろ「わっちは、ぬしさまにかってもらったりんごが好きなんじゃ!」
バシッ
62: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:07:49.94 ID:BHHQY5Zwo
??「…いて」
??「…この、わがまま言っていると!」
ほろ「ひう!」
ガッ
??「いっ!」
??「…ぐ、な、なんだ?」
??「…この、わがまま言っていると!」
ほろ「ひう!」
ガッ
??「いっ!」
??「…ぐ、な、なんだ?」
63: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:09:24.61 ID:BHHQY5Zwo
ロレンス「おい、お前」
??「…ロ、ロレンスさん…じゃ、ないですか…」
ロレンス「勝負に負けたなら、潔くホロから手を引くんじゃなかったのか?」
ロレンス「おら、黄鉄鉱でも食らえ」ビシビシ
??「い、痛い。痛いですよ。黄鉄鉱は人にぶつけるものじゃないですよ」
??「…ロ、ロレンスさん…じゃ、ないですか…」
ロレンス「勝負に負けたなら、潔くホロから手を引くんじゃなかったのか?」
ロレンス「おら、黄鉄鉱でも食らえ」ビシビシ
??「い、痛い。痛いですよ。黄鉄鉱は人にぶつけるものじゃないですよ」
64: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:12:38.07 ID:BHHQY5Zwo
イツカカナラズムカエニイキマスカラネー!
ロレンス「一昨日来やがれ、このすけこまし」ドカッ
ロレンス「おい、ホロ。大丈夫だったか」
ガバッ
ロレンス「っと」
ほろ「ぶじなわけあるか! あんなへんな男にいいよられて」
ほろ「うう…わっちはよごれてしもうた…!」
ロレンス「…いくらなんでも、言い寄られただけで汚されたというのは」
ロレンス「あの男にも悪いと思うんだが」ハハ…
ロレンス「一昨日来やがれ、このすけこまし」ドカッ
ロレンス「おい、ホロ。大丈夫だったか」
ガバッ
ロレンス「っと」
ほろ「ぶじなわけあるか! あんなへんな男にいいよられて」
ほろ「うう…わっちはよごれてしもうた…!」
ロレンス「…いくらなんでも、言い寄られただけで汚されたというのは」
ロレンス「あの男にも悪いと思うんだが」ハハ…
65: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:15:11.91 ID:BHHQY5Zwo
ほろ「そんなことないわ、あんな こん」
ロレンス「だから、どこで覚えて来るんだそんな言葉」
ほろ「ヘレーナじゃ」
ロレンス「あの娘、俺のホロに妙なこと吹き込みやがって」ゴゴ
ほろ「…むう、ぬ、ぬしさまよ。そんなにこわいかおをするでない」
ロレンス「おっと。すまないな」
ロレンス「だから、どこで覚えて来るんだそんな言葉」
ほろ「ヘレーナじゃ」
ロレンス「あの娘、俺のホロに妙なこと吹き込みやがって」ゴゴ
ほろ「…むう、ぬ、ぬしさまよ。そんなにこわいかおをするでない」
ロレンス「おっと。すまないな」
66: ちょっと離れる。 ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:17:13.13 ID:BHHQY5Zwo
ギュウ
ほろ「もう、わっちをひとりにせんでくりゃれ?」
ロレンス「はいはい。そうだな」
ロレンス「ヨイツの幼い賢狼サマは、大人気だしな」
ロレンス「俺がいつもついていないと、悪い虫がつく」
ほろ「うむ。そうじゃ」
ほろ「じゃから、の」
ほろ「もう、わっちをひとりにせんでくりゃれ?」
ロレンス「はいはい。そうだな」
ロレンス「ヨイツの幼い賢狼サマは、大人気だしな」
ロレンス「俺がいつもついていないと、悪い虫がつく」
ほろ「うむ。そうじゃ」
ほろ「じゃから、の」
67: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:47:33.51 ID:BHHQY5Zwo
ナデナデ
ロレンス「分かったよ。今回は俺も迂闊だった」
ロレンス「だから、いつまでもそんな顔をしていることはない。な」
ほろ「うむ…」ギュウ
ほろ「のう、ぬしさまよ」
ロレンス「どうした」
ほろ「ぬしさまは、わっちのことを、どう思っておるのかの」
ロレンス「…何だ、藪から棒に」
ロレンス「分かったよ。今回は俺も迂闊だった」
ロレンス「だから、いつまでもそんな顔をしていることはない。な」
ほろ「うむ…」ギュウ
ほろ「のう、ぬしさまよ」
ロレンス「どうした」
ほろ「ぬしさまは、わっちのことを、どう思っておるのかの」
ロレンス「…何だ、藪から棒に」
68: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:52:33.67 ID:BHHQY5Zwo
ほろ「じゃが、そうじゃろ…あの男なら」
ほろ「わっちのいぎょーの身を、わずらわしく思うこともなかろうし…」
ロレンス「ホロ」
ほろ「…なんじゃ」
ロレンス「滅多なことは言うな。…全く、何を言うかと思えば…」ハア
ほろ「わっちのいぎょーの身を、わずらわしく思うこともなかろうし…」
ロレンス「ホロ」
ほろ「…なんじゃ」
ロレンス「滅多なことは言うな。…全く、何を言うかと思えば…」ハア
69: ミス >>68と入れ替えて読んでくだしあ。 ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:55:34.48 ID:BHHQY5Zwo
ほろ「…わっちは、わがままじゃし」
ほろ「いつもぬしさまに助けられてばかりじゃ」
ロレンス「…ホロ」
ほろ「も、もしぬしさまがいうなら」
ほろ「わっちはさっきの男に付いていった方が」ガタガタ
ロレンス「む、無理はするな。口にするだけで震えてるじゃないか」
ほろ「う、うむ」
ほろ「き、きいてはおったが… こんはおそろしいの」ガタガタ
ほろ「いつもぬしさまに助けられてばかりじゃ」
ロレンス「…ホロ」
ほろ「も、もしぬしさまがいうなら」
ほろ「わっちはさっきの男に付いていった方が」ガタガタ
ロレンス「む、無理はするな。口にするだけで震えてるじゃないか」
ほろ「う、うむ」
ほろ「き、きいてはおったが… こんはおそろしいの」ガタガタ
70: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 00:59:02.86 ID:BHHQY5Zwo
ギュ
ほろ「わぷ」
ロレンス「あのな、ホロ」
ロレンス「お前は、俺といると、楽しいか?」
ほろ「…あ、あたりまえじゃ!」
ほろ「ひろってもらってから、わっちは」
ほろ「いつでも、ぬしさまといて楽しくなかったことはない!」
ロレンス「旅の道中は、質素な食事にいつも不満そうだが」
ほろ「ぐぬっ」
ほろ「あ、あげあしをとるでない!」
ほろ「わぷ」
ロレンス「あのな、ホロ」
ロレンス「お前は、俺といると、楽しいか?」
ほろ「…あ、あたりまえじゃ!」
ほろ「ひろってもらってから、わっちは」
ほろ「いつでも、ぬしさまといて楽しくなかったことはない!」
ロレンス「旅の道中は、質素な食事にいつも不満そうだが」
ほろ「ぐぬっ」
ほろ「あ、あげあしをとるでない!」
71: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 01:00:49.41 ID:BHHQY5Zwo
ロレンス「だが、ホロ。そう言うことだ」
ほろ「…む、ど、どういうことじゃ」
ロレンス「お前がいて楽しいと思う相手が」
ロレンス「お前と一緒にいて、それをいやだと思うはずがない」
ナデナデ
ほろ「ふあ…」
ロレンス「そう言うことだ」
ロレンス「お前のことを面倒だと思ったことなんて、一度もないよ」
ほろ「…む、ど、どういうことじゃ」
ロレンス「お前がいて楽しいと思う相手が」
ロレンス「お前と一緒にいて、それをいやだと思うはずがない」
ナデナデ
ほろ「ふあ…」
ロレンス「そう言うことだ」
ロレンス「お前のことを面倒だと思ったことなんて、一度もないよ」
72: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 01:02:46.98 ID:BHHQY5Zwo
ほろ「…ぬしさまは、わっちといてしあわせかや?」
ロレンス「ああ」
ほろ「わっちは、ぬしさまといてよいのか?」
ロレンス「ああ。当たり前だ」
ほろ「…ふぐぅ」ポロポロ
ロレンス「おいおい、泣くことないじゃないか」
ロレンス「ああ」
ほろ「わっちは、ぬしさまといてよいのか?」
ロレンス「ああ。当たり前だ」
ほろ「…ふぐぅ」ポロポロ
ロレンス「おいおい、泣くことないじゃないか」
73: 今日はここまで。 ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 01:04:54.95 ID:BHHQY5Zwo
ロレンス「よしよし」
ほろ「…んむ、ぬしさま…」ギュ
ほろ「…わっちは、ぬしさまのことがだいすきじゃ」
ほろ「いつまでも、わっちといっしょにいてくりゃれ」
ロレンス「ああ。約束するよ」
ほろ「…んむ!」
ほろ「…んむ、ぬしさま…」ギュ
ほろ「…わっちは、ぬしさまのことがだいすきじゃ」
ほろ「いつまでも、わっちといっしょにいてくりゃれ」
ロレンス「ああ。約束するよ」
ほろ「…んむ!」
74: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 11:58:32.43 ID:YrxC9xa4o
!ヽ, __ ,/{
!,ゞ´ ヾ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
! !l iリノハリリ .|
ノ リ |゚ ー゚ノ!|、 < 読んでくれているぬし様たちよ!
(´( と〉j卉!つ ) |
ッ、,/#__ヽ,, \_____
◎ ゙゙"rェェ"゙´
ホロ「こんにちはじゃ! 見てくれていて、わっちは嬉しいぞ」
ホロ「さて今日のお話を更新する前に、わっちから」
ホロ「このSSについて少々整理をさせてもらうぞ」
ホロ「…全く、初めのうちにしておけばよかったのにの。まあ、そうは言っても今さらじゃ」
!,ゞ´ ヾ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
! !l iリノハリリ .|
ノ リ |゚ ー゚ノ!|、 < 読んでくれているぬし様たちよ!
(´( と〉j卉!つ ) |
ッ、,/#__ヽ,, \_____
◎ ゙゙"rェェ"゙´
ホロ「こんにちはじゃ! 見てくれていて、わっちは嬉しいぞ」
ホロ「さて今日のお話を更新する前に、わっちから」
ホロ「このSSについて少々整理をさせてもらうぞ」
ホロ「…全く、初めのうちにしておけばよかったのにの。まあ、そうは言っても今さらじゃ」
75: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 12:05:15.79 ID:uW3C+7FDO
1:本筋(実質的な前スレ)「暇じゃな」→「忙しいの」
→2:本筋のパラレルワールド「ひまじゃな」
3:「忙しいの」ver.2013
→4:同時間軸パラレルワールド←New!
ホロ「前回のスレと、今回のスレで最初にお送りした物語が1」
ホロ「それから次にお送りしたのが、3、そして前回更新が2というわけじゃ」
ホロ「これからは分かりよいように更新のときにはどこが舞台なのか」
ホロ「これらの数字で示すからの。気にしておいてくりゃれ?」
→2:本筋のパラレルワールド「ひまじゃな」
3:「忙しいの」ver.2013
→4:同時間軸パラレルワールド←New!
ホロ「前回のスレと、今回のスレで最初にお送りした物語が1」
ホロ「それから次にお送りしたのが、3、そして前回更新が2というわけじゃ」
ホロ「これからは分かりよいように更新のときにはどこが舞台なのか」
ホロ「これらの数字で示すからの。気にしておいてくりゃれ?」
76: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 12:06:43.46 ID:uW3C+7FDO
ホロ「と、いうわけで今日は」
ホロ「4、ver.2013の、小さいわっちが登場する舞台のお話じゃ」
ホロ「…幼くなったわっちのことも、応援してくりゃれ?」
ホロ「4、ver.2013の、小さいわっちが登場する舞台のお話じゃ」
ホロ「…幼くなったわっちのことも、応援してくりゃれ?」
77: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 12:17:18.07 ID:uW3C+7FDO
舞台4 現代×幼いわっち その1
ノーラ「ひ、暇です!」
78: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:01:58.08 ID:vwZh2Qomo
ガチャ
ロレンス「ただいまー」
ロレンス「ほら、ホロ。もういいだろう。自分で歩きなさい」
ポテ
ほろ「うむ。いえじゃー」ダダッ
ロレンス「あ、こら。帰ったらまず手を洗う。いつも言っているだろう?」
ほろ「…みずはつめたいからいやじゃー」
ロレンス「…わがまま言うんじゃない」ガッ
ほろ「ぬわー」
ズルズル…
ロレンス「ただいまー」
ロレンス「ほら、ホロ。もういいだろう。自分で歩きなさい」
ポテ
ほろ「うむ。いえじゃー」ダダッ
ロレンス「あ、こら。帰ったらまず手を洗う。いつも言っているだろう?」
ほろ「…みずはつめたいからいやじゃー」
ロレンス「…わがまま言うんじゃない」ガッ
ほろ「ぬわー」
ズルズル…
79: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:03:07.42 ID:vwZh2Qomo
ほろ「がらがらがらがら…」
ほろ「ぺっ」
ほろ「…うう、さ、さむい」ブルッ
ピッ
ロレンス「暖房は入れた。部屋が暖まるまで、少し我慢してくれ」
ほろ「うむ、それなら」
ギュ
ほろ「ぬしさまに、くっついておる」
ロレンス「…飯の用意ができない」
ほろ「あったまってからでよいじゃろ?」
ロレンス「…その分飯が遅くなるが、駄々をこねるんじゃないぞ」
ほろ「うむ♪」
ほろ「ぺっ」
ほろ「…うう、さ、さむい」ブルッ
ピッ
ロレンス「暖房は入れた。部屋が暖まるまで、少し我慢してくれ」
ほろ「うむ、それなら」
ギュ
ほろ「ぬしさまに、くっついておる」
ロレンス「…飯の用意ができない」
ほろ「あったまってからでよいじゃろ?」
ロレンス「…その分飯が遅くなるが、駄々をこねるんじゃないぞ」
ほろ「うむ♪」
80: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:05:46.99 ID:vwZh2Qomo
ロレンス「あ、そうだホロ」
ほろ「…」モグモグ、ゴクン
ほろ「ん。なんじゃぬしさまよ」
ロレンス「さっき、商店街の福引きで当たった景品のこと、覚えているか?」
ほろ「?」ハテ
ロレンス「…あのとき、お前はお菓子に夢中だったからな」
ほろ「そ、そうだったかのう」
ロレンス「レジを逆走して行く奴を俺は初めて見た」
ほろ「…」モグモグ、ゴクン
ほろ「ん。なんじゃぬしさまよ」
ロレンス「さっき、商店街の福引きで当たった景品のこと、覚えているか?」
ほろ「?」ハテ
ロレンス「…あのとき、お前はお菓子に夢中だったからな」
ほろ「そ、そうだったかのう」
ロレンス「レジを逆走して行く奴を俺は初めて見た」
81: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:07:20.09 ID:vwZh2Qomo
ほろ「おわったことはどうでもいいじゃろ」パクパク
ほろ「それで、なんのことかや?」
ロレンス「ああ。実は、温泉旅行のペアチケットが当たった」
ほろ「ほう!」
ほろ「…おんせん?」
ロレンス「なぜ不思議そうな顔をする」
ほろ「…ぬしさま、おんせんってなんじゃ?」
ロレンス「な、お前の故郷は温泉の名所だろうが」
ほろ「メイショ?」キョトン
ほろ「それで、なんのことかや?」
ロレンス「ああ。実は、温泉旅行のペアチケットが当たった」
ほろ「ほう!」
ほろ「…おんせん?」
ロレンス「なぜ不思議そうな顔をする」
ほろ「…ぬしさま、おんせんってなんじゃ?」
ロレンス「な、お前の故郷は温泉の名所だろうが」
ほろ「メイショ?」キョトン
82: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:09:00.19 ID:vwZh2Qomo
ロレンス「…まあ、いい。行けば分かる」
ロレンス「とにかく、あれだ。温泉に行こうと思うんだ」
ロレンス「多分、楽しいぞ。今の季節なら…何となく、お前の故郷の雰囲気も楽しめるだろう」
ほろ「うむ」
ほろ「わっちは、ぬしさまといられるなら、なんでもよいがの」ペロッ
ロレンス「そうか」ハハ
ロレンス「とにかく、あれだ。温泉に行こうと思うんだ」
ロレンス「多分、楽しいぞ。今の季節なら…何となく、お前の故郷の雰囲気も楽しめるだろう」
ほろ「うむ」
ほろ「わっちは、ぬしさまといられるなら、なんでもよいがの」ペロッ
ロレンス「そうか」ハハ
83: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:10:21.56 ID:vwZh2Qomo
ロレンス「そこで、お前に一つ提案なんだが…」
ピンポーン
ほろ「む」
ロレンス「…こんな時間に来客か」
ほろ「…ぬしさまよ、これはきっと」
ロレンス「うん、そうだな。この時間に来ると言えば」
ロレンス「お隣さんだろう…いや、ちょうどよかった」
ピンポーン
ほろ「む」
ロレンス「…こんな時間に来客か」
ほろ「…ぬしさまよ、これはきっと」
ロレンス「うん、そうだな。この時間に来ると言えば」
ロレンス「お隣さんだろう…いや、ちょうどよかった」
84: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:11:44.48 ID:vwZh2Qomo
ほろ「ぬ、ぬしさまよ! 出てはならん!」
ほろ「あ、あのひつじかいのむすめは、わっちのてきじゃ!」
ロレンス「何を言ってるんだお前は」ヒツジカイッテナンダヨ
ピンポーン
ロレンス「はーい、今行きます!」ガタッ
ほろ「ああ、ぬしさまぁ…」
ほろ「あ、あのひつじかいのむすめは、わっちのてきじゃ!」
ロレンス「何を言ってるんだお前は」ヒツジカイッテナンダヨ
ピンポーン
ロレンス「はーい、今行きます!」ガタッ
ほろ「ああ、ぬしさまぁ…」
85: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:12:45.21 ID:vwZh2Qomo
ガチャ
ノーラ「あ、ろ、ロレンスさん!」
ロレンス「ああ、やはりノーラさんでしたか」
ロレンス「どうもこんばんは」
ノーラ「こ、こんばんは…」クンクン
ノーラ「あ、も、もしかして、お食事中でしたか?」
ロレンス「ええ、まあ」
ノーラ「あ、ろ、ロレンスさん!」
ロレンス「ああ、やはりノーラさんでしたか」
ロレンス「どうもこんばんは」
ノーラ「こ、こんばんは…」クンクン
ノーラ「あ、も、もしかして、お食事中でしたか?」
ロレンス「ええ、まあ」
86: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:13:58.73 ID:vwZh2Qomo
ロレンス「おや、それは」
ノーラ「ご、ごめんなさい! …タイミングが悪かったみたいですね」
ノーラ「実は、またおすそわけにと思ったんですが…」ハハ…
ロレンス「いや、とんでもない。ちょうど食べ始めたところです」
ロレンス「なんだったら、少し上がって行って下さい」
ロレンス「ちょうど私からも、ノーラさんにお話があったところ…」
グイ
ロレンス「ん」
ノーラ「ご、ごめんなさい! …タイミングが悪かったみたいですね」
ノーラ「実は、またおすそわけにと思ったんですが…」ハハ…
ロレンス「いや、とんでもない。ちょうど食べ始めたところです」
ロレンス「なんだったら、少し上がって行って下さい」
ロレンス「ちょうど私からも、ノーラさんにお話があったところ…」
グイ
ロレンス「ん」
87: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:15:21.24 ID:vwZh2Qomo
ほろ「…」
ノーラ「あ、ホロちゃん。こ、こんばんは」
ほろ「…」ムスッ
ロレンス「ホロ?」
ほろ「ふん。ぬしさまよ、はなのしたが伸びておるぞ」
ほろ「この、たわけめがー」トテトテ
ロレンス「…なんだ、あいつ」
ノーラ「あ、あはは…わ、私は、お邪魔みたいですね」
ノーラ「本当に、これ、よかったらと思って来ただけですから」
ノーラ「あ、ホロちゃん。こ、こんばんは」
ほろ「…」ムスッ
ロレンス「ホロ?」
ほろ「ふん。ぬしさまよ、はなのしたが伸びておるぞ」
ほろ「この、たわけめがー」トテトテ
ロレンス「…なんだ、あいつ」
ノーラ「あ、あはは…わ、私は、お邪魔みたいですね」
ノーラ「本当に、これ、よかったらと思って来ただけですから」
88: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:16:33.38 ID:vwZh2Qomo
ロレンス「すいません…いつもこうして、いろいろと頂いてばかりで」
ロレンス「ノーラさんの前ではああですが、頂いた牛乳は、ホロもいつも喜んで飲んでいますよ」
ロレンス「ノーラさんのご実家の牛乳はとても甘くて、ホロの舌の好みに合うようです」
ロレンス「もちろん、私も美味しく頂いています」
ノーラ「本当ですか? よかったぁ…」
ノーラ「そ、それじゃあ、失礼しますね」ペコ
ロレンス「あ、あの」
ガシッ
ロレンス「ノーラさんの前ではああですが、頂いた牛乳は、ホロもいつも喜んで飲んでいますよ」
ロレンス「ノーラさんのご実家の牛乳はとても甘くて、ホロの舌の好みに合うようです」
ロレンス「もちろん、私も美味しく頂いています」
ノーラ「本当ですか? よかったぁ…」
ノーラ「そ、それじゃあ、失礼しますね」ペコ
ロレンス「あ、あの」
ガシッ
89: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:18:10.44 ID:vwZh2Qomo
ノーラ「ひゃ」
ロレンス「あ、す、すいません! つい」バッ
ノーラ「い、いえ…///」ドキドキ
ノーラ「あの、な、なんでしょうか」
ロレンス「…実は、こんなものがあって」
ノーラ「…温泉旅行の、ペアチケット、ですか」
ロレンス「ええ。偶然手に入ったのですが」
ロレンス「ホロは、このチケットを使わずとも、大した金額はかかりません」
ロレンス「そこで、いつものお礼も兼ねて、ノーラさんをお誘いしようと思っていたところなんです」
ロレンス「あ、す、すいません! つい」バッ
ノーラ「い、いえ…///」ドキドキ
ノーラ「あの、な、なんでしょうか」
ロレンス「…実は、こんなものがあって」
ノーラ「…温泉旅行の、ペアチケット、ですか」
ロレンス「ええ。偶然手に入ったのですが」
ロレンス「ホロは、このチケットを使わずとも、大した金額はかかりません」
ロレンス「そこで、いつものお礼も兼ねて、ノーラさんをお誘いしようと思っていたところなんです」
90: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:19:27.36 ID:vwZh2Qomo
ノーラ「わ、私を、ですか!?」
ロレンス「え、ええ。…いや、お礼といいつつ」
ロレンス「こんな甲斐性のない男との旅を提案するのも、何と言うか…おこがましい話ですが」ハハ
ロレンス「もし、ノーラさんさえよろしければ」
ノーラ「そ、それはもう」
ノーラ「は、はい。ぜひ」ドキドキ
ロレンス「それはよかった。ちなみに、都合のいい日取りは…」
ノーラ「ロ、ロレンスさんにお誘いを頂けるのなら」
ノーラ「ひ、暇です! …その、いつでも」
ロレンス「え、ええ。…いや、お礼といいつつ」
ロレンス「こんな甲斐性のない男との旅を提案するのも、何と言うか…おこがましい話ですが」ハハ
ロレンス「もし、ノーラさんさえよろしければ」
ノーラ「そ、それはもう」
ノーラ「は、はい。ぜひ」ドキドキ
ロレンス「それはよかった。ちなみに、都合のいい日取りは…」
ノーラ「ロ、ロレンスさんにお誘いを頂けるのなら」
ノーラ「ひ、暇です! …その、いつでも」
91: 今回はここまでです。 ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 13:20:43.09 ID:vwZh2Qomo
ロレンス「そうですか。いやー、よかった」
ロレンス「それでは、またこちらから日取りを連絡します」
ノーラ「は、はい。分かりました」
ノーラ「…それじゃあ、お休みなさい」
ロレンス「ええ。お休みなさい」
バタン
ノーラ「…ふわあ」
ノーラ「ロレンスさんと、温泉旅行かあ…」//
ロレンス「それでは、またこちらから日取りを連絡します」
ノーラ「は、はい。分かりました」
ノーラ「…それじゃあ、お休みなさい」
ロレンス「ええ。お休みなさい」
バタン
ノーラ「…ふわあ」
ノーラ「ロレンスさんと、温泉旅行かあ…」//
94: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 21:16:27.79 ID:uW3C+7FDO
舞台4 現代×幼いわっち その2
ザク
ほろ「おお、ゆきじゃ!」
ほろ「…何だか…なつかしいけしきでありんす」
ロレンス「大げさな。故郷を離れて、そんなに経ってもいないだろ」
ノーラ「わ」ズル
ロレンス「おっと」
パシ
ザク
ほろ「おお、ゆきじゃ!」
ほろ「…何だか…なつかしいけしきでありんす」
ロレンス「大げさな。故郷を離れて、そんなに経ってもいないだろ」
ノーラ「わ」ズル
ロレンス「おっと」
パシ
96: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 21:29:59.84 ID:uW3C+7FDO
ノーラ「あ、ご、ごめんなさい」//
ロレンス「いえ。足元には気をつけて」
ロレンス「ノーラさんは、雪にはあまり馴染みがないようですね」
ノーラ「は、はい。お恥ずかしながら…」
ノーラ「実家の方は、とても穏やかな気候で。いつも暖かいんです」
ロレンス「なるほど」
ほろ「これ」
ロレンス「いえ。足元には気をつけて」
ロレンス「ノーラさんは、雪にはあまり馴染みがないようですね」
ノーラ「は、はい。お恥ずかしながら…」
ノーラ「実家の方は、とても穏やかな気候で。いつも暖かいんです」
ロレンス「なるほど」
ほろ「これ」
100: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 22:23:33.01 ID:A4GDwv0Jo
ほろ「いつまでてをとりあっておるのじゃ、ぬしらは」
ロレンス「ん」
ノーラ「あ」
ロレンス「…し、失礼しました」
ノーラ「い、いえ、こちらこそ…//」ドキドキ
ほろ「ふん!」
97: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 21:42:06.11 ID:uW3C+7FDO
ほろ「ほれ、行くぞぬしさまよ!」
ロレンス「慌てると転ぶぞ」
ほろ「ぬわー」ドテッ
ロレンス「…お前…」
ロレンス「バカだろ」
ほろ「ぬ、な、なんじゃと! …ぺっ」
>>95 わざわざ貼ってくれまでするのか(困惑 いい人やね。
微妙にわざとってところもあるから、とりあえずはがまんしちくり~。
あと、ノーラさんに違和感を覚えたらそれも教えてくれ。
98: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 21:54:43.35 ID:A4GDwv0Jo
ほろ「この、けんろーたるわっちのことをつかまえて」
ほろ「ばかとはなんじゃ、ばかとは!」バッ
ズルッ
ほろ「おおっ」
ノーラ「あ、危ない」ガッ
ノーラ「…大丈夫? ホロちゃん」
ほろ「む」
ほろ「きやすくわっちに触れるでないわ、こむすめめ」
ノーラ「こ、小娘?」
ほろ「ばかとはなんじゃ、ばかとは!」バッ
ズルッ
ほろ「おおっ」
ノーラ「あ、危ない」ガッ
ノーラ「…大丈夫? ホロちゃん」
ほろ「む」
ほろ「きやすくわっちに触れるでないわ、こむすめめ」
ノーラ「こ、小娘?」
99: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 22:08:41.15 ID:uW3C+7FDO
ロレンス「こら、助けてもらっておいてその言い方はないだろ」ペチ
ほろ「あう」
ロレンス「ほら」
ほろ「む?」
ロレンス「転ばないようにな。それに、お前放っておくと一人でどこでも行っち
まうからな」
ほろ「…ぬぅ。ぬ、ぬしさまがそう言うなら、仕方ないの」
ギュ
ほろ「あう」
ロレンス「ほら」
ほろ「む?」
ロレンス「転ばないようにな。それに、お前放っておくと一人でどこでも行っち
まうからな」
ほろ「…ぬぅ。ぬ、ぬしさまがそう言うなら、仕方ないの」
ギュ
101: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 22:36:05.37 ID:uW3C+7FDO
ほろ「♪」
ロレンス「さて。ではノーラさん、行きましょうか」
ノーラ「…」
ロレンス「ノーラさん?」
ノーラ「あの…」
ノーラ「私だけ手を繋げないと、さみしいなー、なんて…」
ロレンス「は?」
ノーラ「あ」
ロレンス「さて。ではノーラさん、行きましょうか」
ノーラ「…」
ロレンス「ノーラさん?」
ノーラ「あの…」
ノーラ「私だけ手を繋げないと、さみしいなー、なんて…」
ロレンス「は?」
ノーラ「あ」
102: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 22:51:55.44 ID:uW3C+7FDO
ノーラ「…い、今私、何かとんでもないことを…」
ノーラ「ご、ごめんなさい! 何でもないですっ」
ほろ「ふん。ぬしさまとおぬしが手をにぎるなど、ひゃくねんはやい」
ロレンス「ノーラさんが、俺と? 何言っているんだ」
ノーラ「い、いえ…あの、その…」//
ロレンス「俺なんかと手を繋いで喜んでくれるのなんて、ホロくらいのものさ」ハハ
ノーラ「(´・ω・`)」ソンナコト…
ノーラ「ご、ごめんなさい! 何でもないですっ」
ほろ「ふん。ぬしさまとおぬしが手をにぎるなど、ひゃくねんはやい」
ロレンス「ノーラさんが、俺と? 何言っているんだ」
ノーラ「い、いえ…あの、その…」//
ロレンス「俺なんかと手を繋いで喜んでくれるのなんて、ホロくらいのものさ」ハハ
ノーラ「(´・ω・`)」ソンナコト…
103: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 23:08:07.13 ID:uW3C+7FDO
ほろ「…ぬしさまはたわけじゃな」
ロレンス「な、なに?」
ほろ「あほうじゃ。まったく、なにも分かっておらん」
ロレンス「…おいおい、何のことだ」
ほろ「むすめよ、ほれ」スッ
ほろ「ぬしさまの手はかさぬが、いたしかたない」
ほろ「わっちの手でがまんするのじゃな」
ノーラ「…ホロちゃん、いいの?」
ほろ「しかたなく、じゃ」
ロレンス「な、なに?」
ほろ「あほうじゃ。まったく、なにも分かっておらん」
ロレンス「…おいおい、何のことだ」
ほろ「むすめよ、ほれ」スッ
ほろ「ぬしさまの手はかさぬが、いたしかたない」
ほろ「わっちの手でがまんするのじゃな」
ノーラ「…ホロちゃん、いいの?」
ほろ「しかたなく、じゃ」
104: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 23:21:06.77 ID:uW3C+7FDO
ロレンス「何が仕方なくだ」
ほろ「ぬしさまには言われとうないの」
ほろ「のう?」
ノーラ「…ふふ、そうね」
ノーラ「ロレンスさんは、たわけです」
ロレンス「な、ノーラさんまで!」
ノーラ「ね、ホロちゃん」
ほろ「うむ。おぬしも、なかなか分かっておる」
ほろ「くふ」
ノーラ「ふふ」
ロレンス「(…味方がいない。誰か…)」
ほろ「ぬしさまには言われとうないの」
ほろ「のう?」
ノーラ「…ふふ、そうね」
ノーラ「ロレンスさんは、たわけです」
ロレンス「な、ノーラさんまで!」
ノーラ「ね、ホロちゃん」
ほろ「うむ。おぬしも、なかなか分かっておる」
ほろ「くふ」
ノーラ「ふふ」
ロレンス「(…味方がいない。誰か…)」
105: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 23:33:38.94 ID:uW3C+7FDO
prrrrrr
ロレンス「ん?」ピッ
ロレンス「はい、もしもし」
アマーティ『ボクのこと呼びましたか! ロレンスさ』
ロレンス「呼んでない」ピッ
ほろ「…ぬしさま、どうかしたかや?」
ロレンス「どうもしていない」ニッコリ
ロレンス「さ、行こうか」
ノーラ「(ロレンスさん、目が笑っていないわ…)」
ロレンス「ん?」ピッ
ロレンス「はい、もしもし」
アマーティ『ボクのこと呼びましたか! ロレンスさ』
ロレンス「呼んでない」ピッ
ほろ「…ぬしさま、どうかしたかや?」
ロレンス「どうもしていない」ニッコリ
ロレンス「さ、行こうか」
ノーラ「(ロレンスさん、目が笑っていないわ…)」
106: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 23:45:59.68 ID:uW3C+7FDO
カポーン
ロレンス「…ふう」
ロレンス「やはりノーラさんには来て貰ってよかった」
ロレンス「ホロの世話は彼女に任せてしまったし…」
ロレンス「ホロ抜きでのんびりできるのは、久し振りだな」ハー
ロレンス「…ふう」
ロレンス「やはりノーラさんには来て貰ってよかった」
ロレンス「ホロの世話は彼女に任せてしまったし…」
ロレンス「ホロ抜きでのんびりできるのは、久し振りだな」ハー
107: ◆5elc53sAMI 2013/02/21(木) 23:56:11.26 ID:A4GDwv0Jo
ロレンス「さっきの様子を見れば、二人の仲も問題なさそうだしな」
ロレンス「…そう言えば」
ロレンス「ホロは温泉のことを、何だかよく分かっていないようだったが」
ロレンス「もしかして、入ったことがないのか?」
ロレンス「…湯あたりしていたりはしないだろうな」
ロレンス「…」ソワソワ
ロレンス「お、俺は少し早めに出ておくかな」ザバッ
ロレンス「…そう言えば」
ロレンス「ホロは温泉のことを、何だかよく分かっていないようだったが」
ロレンス「もしかして、入ったことがないのか?」
ロレンス「…湯あたりしていたりはしないだろうな」
ロレンス「…」ソワソワ
ロレンス「お、俺は少し早めに出ておくかな」ザバッ
108: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 00:11:23.46 ID:YlEICojDO
ノーラ「ふぅ…」
ほろ「ぬああぁ…いいきもちじゃ~」
ノーラ「そうだねー」
ノーラ「ホロちゃんは、髪がすごく綺麗だね。羨ましいな」
ほろ「きちんとていれをせんと、ぬしさまがうるさいからのー」
ほろ「ああいうときのぬしさまはちとこわいが」
ノーラ「え、そうなの? 何だか意外」
ほろ「ぬああぁ…いいきもちじゃ~」
ノーラ「そうだねー」
ノーラ「ホロちゃんは、髪がすごく綺麗だね。羨ましいな」
ほろ「きちんとていれをせんと、ぬしさまがうるさいからのー」
ほろ「ああいうときのぬしさまはちとこわいが」
ノーラ「え、そうなの? 何だか意外」
109: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 00:23:30.26 ID:YlEICojDO
ほろ「うむ。おかしはいちにちなんこまでとうるさいし」
ほろ「ひとりでであるくとあぶないからといつもわっちについておるし」
ほろ「まあ、ぬしさまはわっちにめろめろじゃからな!」
ノーラ「…あはは」
ノーラ「(ロレンスさん、私…)」
ノーラ「(ロレンスさんのこと信じてますから…)」
ほろ「ひとりでであるくとあぶないからといつもわっちについておるし」
ほろ「まあ、ぬしさまはわっちにめろめろじゃからな!」
ノーラ「…あはは」
ノーラ「(ロレンスさん、私…)」
ノーラ「(ロレンスさんのこと信じてますから…)」
110: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 00:33:53.23 ID:YlEICojDO
ほろ「じゃが、ぬしもさいきんはかみを伸ばしておるようじゃの」
ノーラ「え? ええ、まあ…」
ノーラ「実家にいたときは、お仕事の邪魔だからって、切るのが当たり前だった
から、その反動で」
ほろ「…みとめたくはないが…きっと、ぬしさまはそっちのほうが好みじゃろうな」
ノーラ「ほ、本当に?」
ほろ「ふん。わっちはぬしさまのことでうそはつかん」
ノーラ「そっかあ。よかった…」
ノーラ「え? ええ、まあ…」
ノーラ「実家にいたときは、お仕事の邪魔だからって、切るのが当たり前だった
から、その反動で」
ほろ「…みとめたくはないが…きっと、ぬしさまはそっちのほうが好みじゃろうな」
ノーラ「ほ、本当に?」
ほろ「ふん。わっちはぬしさまのことでうそはつかん」
ノーラ「そっかあ。よかった…」
111: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 00:44:16.42 ID:79ttTnZ/o
ザバッ
ほろ「よいか! ぬしさまがおぬしをむげにできんのは分かるが」
ほろ「ぬしさまはわっちのぬしさまじゃからな!」
ほろ「わっちの目のとどかぬところでいろめを使うのは、許さんからの!」
ノーラ「…ホロちゃんの目の届くところでなら、いいの?」
ほろ「む」
ほろ「…おぬしの好きにとればいいでありんす」ブクブク
ノーラ「そっか」
ほろ「よいか! ぬしさまがおぬしをむげにできんのは分かるが」
ほろ「ぬしさまはわっちのぬしさまじゃからな!」
ほろ「わっちの目のとどかぬところでいろめを使うのは、許さんからの!」
ノーラ「…ホロちゃんの目の届くところでなら、いいの?」
ほろ「む」
ほろ「…おぬしの好きにとればいいでありんす」ブクブク
ノーラ「そっか」
112: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 00:55:11.08 ID:YlEICojDO
ほろ「…」ヌウ
ノーラ「…そろそろ上がろうか」
ほろ「そ、そうじゃな…すっかり、ゆであがってしもうた…」
ほろ「ふぬぅ」フラフラ
ノーラ「(可愛いなあ)」
ノーラ「(と、言ってる場合じゃないや)」
ノーラ「ほら、ホロちゃん。こっちこっち」
ほろ「…うむ」フラフラ
ノーラ「…そろそろ上がろうか」
ほろ「そ、そうじゃな…すっかり、ゆであがってしもうた…」
ほろ「ふぬぅ」フラフラ
ノーラ「(可愛いなあ)」
ノーラ「(と、言ってる場合じゃないや)」
ノーラ「ほら、ホロちゃん。こっちこっち」
ほろ「…うむ」フラフラ
113: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 01:08:07.98 ID:YlEICojDO
ロレンス「…」ソワソワ
ノーラ「あら? ロレンスさん、もう上がってらしたんですか?」
ノーラ「すいません、お待たせしてしまったみたいで」
ロレンス「い、いえ。あの、ホロは?」
ノーラ「すぐ出て来ると思いますよ?」
パサッ
ほろ「おお、ぬしさまよー」トテトテ
ノーラ「あら? ロレンスさん、もう上がってらしたんですか?」
ノーラ「すいません、お待たせしてしまったみたいで」
ロレンス「い、いえ。あの、ホロは?」
ノーラ「すぐ出て来ると思いますよ?」
パサッ
ほろ「おお、ぬしさまよー」トテトテ
114: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 01:16:19.40 ID:79ttTnZ/o
ガバッ
ロレンス「おお、よかった。遅いから何かあったのかと思ったが」
ほろ「ふふん、ぬしさまはしんぱいしょうじゃな」
ロレンス「…まあな」ナデナデ
ロレンス「ノーラさん、ホロのこと、どうもありがとうございます」
ノーラ「い、いえ! ホロちゃんと一緒で、楽しかったです」
ノーラ「ね、ホロちゃん?」
ほろ「うむ。まあの」
ロレンス「…なんだ、すっかり仲良くなれたみたいだな」
ロレンス「(やはり、ノーラさんには一緒に来てもらってよかったな)」
ノーラ「ひ、暇です!」
完
ロレンス「おお、よかった。遅いから何かあったのかと思ったが」
ほろ「ふふん、ぬしさまはしんぱいしょうじゃな」
ロレンス「…まあな」ナデナデ
ロレンス「ノーラさん、ホロのこと、どうもありがとうございます」
ノーラ「い、いえ! ホロちゃんと一緒で、楽しかったです」
ノーラ「ね、ホロちゃん?」
ほろ「うむ。まあの」
ロレンス「…なんだ、すっかり仲良くなれたみたいだな」
ロレンス「(やはり、ノーラさんには一緒に来てもらってよかったな)」
ノーラ「ひ、暇です!」
完
119: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:10:05.58 ID:/TY+SliLo
舞台3 現代×いつものわっち
アマーティ「お暇ですか?」 その1
120: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:11:00.05 ID:/TY+SliLo
ガチャ
ロレンス「ただいまー」
ホロ「おお、ぬしよ!」
ホロ「おかえり。今日も遅くまでお疲れさまじゃ」
ロレンス「うん」クンクン
ロレンス「お、これは…はは、珍しい。今日は焼き魚か」
ホロ「珍しいとは何じゃ、珍しいとは」
ロレンス「ただいまー」
ホロ「おお、ぬしよ!」
ホロ「おかえり。今日も遅くまでお疲れさまじゃ」
ロレンス「うん」クンクン
ロレンス「お、これは…はは、珍しい。今日は焼き魚か」
ホロ「珍しいとは何じゃ、珍しいとは」
121: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:12:06.06 ID:/TY+SliLo
ロレンス「だってそうだろう、俺がとくに食べたいものがないときには」
ロレンス「ホロが作るのは肉料理かカレーと相場が決まっている」ハハ
ホロ「何だかバカにされている気分じゃの」ムゥ
ホロ「ほれ、上着を渡しんす」
ロレンス「ああ、すまない」
ロレンス「ホロが作るのは肉料理かカレーと相場が決まっている」ハハ
ホロ「何だかバカにされている気分じゃの」ムゥ
ホロ「ほれ、上着を渡しんす」
ロレンス「ああ、すまない」
122: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:13:00.90 ID:/TY+SliLo
ロレンス「だが、バカにしているなんてことないぞ?」
ロレンス「まあ、ホロが作ってくれるならどんなものでも、というありがちなことも思うし」
ロレンス「作るのはホロだからな。当人が食べたいものがあるなら、それで構わない」
ホロ「そうかや」
ホロ「(それなら、ぬしから注文がもう少しあるといいんじゃが)」
ホロ「(妙なところで気をきかせる男じゃからなの、ぬし様は…)」ハア
ロレンス「ん、どうかしたか?」
ホロ「なんでもありんせん」プイ
ロレンス「まあ、ホロが作ってくれるならどんなものでも、というありがちなことも思うし」
ロレンス「作るのはホロだからな。当人が食べたいものがあるなら、それで構わない」
ホロ「そうかや」
ホロ「(それなら、ぬしから注文がもう少しあるといいんじゃが)」
ホロ「(妙なところで気をきかせる男じゃからなの、ぬし様は…)」ハア
ロレンス「ん、どうかしたか?」
ホロ「なんでもありんせん」プイ
123: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:14:20.64 ID:/TY+SliLo
魚「…」コンガリ
ロレンス「魚に煮物にみそ汁…」
ロレンス「そう言えば、最近は和食が増えたか」イタダキマス
ホロ「うむ。疲れておるのなら、軽めのものがいいかと思っての」ドウゾジャ
ロレンス「うん、おいしい」パク
ホロ「それはよかったでありんす」
ホロ「くふ」
ロレンス「魚に煮物にみそ汁…」
ロレンス「そう言えば、最近は和食が増えたか」イタダキマス
ホロ「うむ。疲れておるのなら、軽めのものがいいかと思っての」ドウゾジャ
ロレンス「うん、おいしい」パク
ホロ「それはよかったでありんす」
ホロ「くふ」
124: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:15:05.74 ID:/TY+SliLo
魚「…」
ホロ「…実はの」
ホロ「今日魚を買って来たのには、少し理由がありんす」
ロレンス「理由?」
ホロ「うむ。こんなことがあったのじゃ」
ホロ「…実はの」
ホロ「今日魚を買って来たのには、少し理由がありんす」
ロレンス「理由?」
ホロ「うむ。こんなことがあったのじゃ」
125: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:16:19.35 ID:/TY+SliLo
~~~~~~~~~~~~~~
ラッシャーセー
ホロ「…なんじゃと?」
アマーティ「あ、いえ、ですから、その」
アマーティ「次の月曜日なんですが」
アマーティ「ホロさんは…その、お暇でしょうか」
ホロ「…はあ、まあ」
ホロ「そうじゃな。日中は、とくべつ忙しいわけではないが」
アマーティ「でしたら、あの!」コレヲ
ラッシャーセー
ホロ「…なんじゃと?」
アマーティ「あ、いえ、ですから、その」
アマーティ「次の月曜日なんですが」
アマーティ「ホロさんは…その、お暇でしょうか」
ホロ「…はあ、まあ」
ホロ「そうじゃな。日中は、とくべつ忙しいわけではないが」
アマーティ「でしたら、あの!」コレヲ
126: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:17:33.68 ID:/TY+SliLo
ホロ「…なんじゃこれは」
アマーティ「ち、知人に映画のチケットを頂きまして」
アマーティ「あの、…なので、もしホロさんが…お暇でしたら…」
ホロ「暇じゃとさっき言ったはずじゃが」
アマーティ「そ、そうでした」アセアセ
ホロ「…」イライラ
ホロ「おぬし、わっちに何か用があるならはっきり言いんす」
アマーティ「は、はい。し、失礼しました」
アマーティ「ち、知人に映画のチケットを頂きまして」
アマーティ「あの、…なので、もしホロさんが…お暇でしたら…」
ホロ「暇じゃとさっき言ったはずじゃが」
アマーティ「そ、そうでした」アセアセ
ホロ「…」イライラ
ホロ「おぬし、わっちに何か用があるならはっきり言いんす」
アマーティ「は、はい。し、失礼しました」
127: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:19:07.16 ID:/TY+SliLo
バッ
アマーティ「では、ホロさん」
ホロ「うむ」
アマーティ「ボクと、一緒に映画に行ってくれないでしょうか!?」
ホロ「…」
ホロ「…うん?」
アマーティ「では、ホロさん」
ホロ「うむ」
アマーティ「ボクと、一緒に映画に行ってくれないでしょうか!?」
ホロ「…」
ホロ「…うん?」
128: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:19:52.29 ID:/TY+SliLo
~~~~~~~~~~~~~~
ロレンス「…な、魚屋の若造に、デートに誘われただと?」
ホロ「うむ」
ホロ「あの若造、もしわっちのことを人妻だと分かっておるのなら」
ホロ「くふ。なかなか肝の据わった雄じゃぞ」
ホロ「わっちはなかなか気に入ったので、思わずそこで晩飯の材料を買って来てしまった、というわけじゃ」
ロレンス「…まあ、確かに」
ロレンス「って、別に笑いごとじゃないだろ」
ホロ「そうかや? こんなこと、笑いごとにしておけばいいとわっちは思うがの」
ロレンス「こんなことって、おいおい」
ロレンス「…な、魚屋の若造に、デートに誘われただと?」
ホロ「うむ」
ホロ「あの若造、もしわっちのことを人妻だと分かっておるのなら」
ホロ「くふ。なかなか肝の据わった雄じゃぞ」
ホロ「わっちはなかなか気に入ったので、思わずそこで晩飯の材料を買って来てしまった、というわけじゃ」
ロレンス「…まあ、確かに」
ロレンス「って、別に笑いごとじゃないだろ」
ホロ「そうかや? こんなこと、笑いごとにしておけばいいとわっちは思うがの」
ロレンス「こんなことって、おいおい」
129: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:20:48.46 ID:/TY+SliLo
ロレンス「それで」
ホロ「ん?」
ロレンス「聞くまでもないと思うが…こ、断ったんだよな?」
ホロ「いや」
ロレンス「な」
ホロ「なかなか勇敢な小童じゃ、むげにするにはわっちも忍びなくての」
ホロ「なに、一日だけ付き合ってやるだけじゃ。…じゃが」
ロレンス「ん」
ホロ「このくらいで狼狽するなど、ぬしはわっちのことを信じてくれてはいないのかや?」
ホロ「ん?」
ロレンス「聞くまでもないと思うが…こ、断ったんだよな?」
ホロ「いや」
ロレンス「な」
ホロ「なかなか勇敢な小童じゃ、むげにするにはわっちも忍びなくての」
ホロ「なに、一日だけ付き合ってやるだけじゃ。…じゃが」
ロレンス「ん」
ホロ「このくらいで狼狽するなど、ぬしはわっちのことを信じてくれてはいないのかや?」
130: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:21:48.63 ID:/TY+SliLo
ロレンス「…そう言う問題じゃないだろ」
ロレンス「ま、まあ、ホロがそう言うなら…俺は構わないが…」
ホロ「…そうかや」
ホロ「まあ、そう言うことじゃから、よろしくの」
ロレンス「よろしく?」
ホロ「うむ。その日晩ご飯は、外で食べて来てくりゃれ」
ロレンス「な! …よ、夜まで付き合うのか。さすがにそれは…」
ホロ「何か間違いでも起きたら、かや?」
ロレンス「ま、まあ、ホロがそう言うなら…俺は構わないが…」
ホロ「…そうかや」
ホロ「まあ、そう言うことじゃから、よろしくの」
ロレンス「よろしく?」
ホロ「うむ。その日晩ご飯は、外で食べて来てくりゃれ」
ロレンス「な! …よ、夜まで付き合うのか。さすがにそれは…」
ホロ「何か間違いでも起きたら、かや?」
131: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:23:11.11 ID:/TY+SliLo
ロレンス「あ、いや…」
ホロ「さっきも言ったがの」
ホロ「ぬしは、わっちのことを、信じてくれては、いないのか、や?」ジトッ
ロレンス「…信じてるよ。信じてる」
ロレンス「俺がホロのことを信じないわけがない」
ホロ「…ふぅん。そうかや」
ホロ「…」
ホロ「この、たわけめっ」ボソッ
ホロ「さっきも言ったがの」
ホロ「ぬしは、わっちのことを、信じてくれては、いないのか、や?」ジトッ
ロレンス「…信じてるよ。信じてる」
ロレンス「俺がホロのことを信じないわけがない」
ホロ「…ふぅん。そうかや」
ホロ「…」
ホロ「この、たわけめっ」ボソッ
132: ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:24:30.49 ID:/TY+SliLo
ガタッ
ホロ「まあ、そう言うわけじゃから」
ホロ「よろしくの。…ごちそうさまじゃ」
ホロ「先に寝室に行っておる。ゆっくりお風呂に浸かって疲れを癒すとよいでありんす」
ロレンス「あ、ああ」
ロレンス「…」パクパク
ロレンス「…」カチャ
ロレンス「…これは、まずいんじゃないだろうか…」ダラダラ
ホロ「まあ、そう言うわけじゃから」
ホロ「よろしくの。…ごちそうさまじゃ」
ホロ「先に寝室に行っておる。ゆっくりお風呂に浸かって疲れを癒すとよいでありんす」
ロレンス「あ、ああ」
ロレンス「…」パクパク
ロレンス「…」カチャ
ロレンス「…これは、まずいんじゃないだろうか…」ダラダラ
133: では、また時間ができましたら。 ◆5elc53sAMI 2013/02/22(金) 22:26:03.67 ID:/TY+SliLo
ロレンス「…」
ピッ
エーブ『私だ。何か用か』
ロレンス「あ、夜遅くに申し訳ないです。あの社長」
ロレンス「来週の月曜日、有給を頂きた エーブ『ダメだ』
エーブ『こんなに急に休めると思うか?』
エーブ『寝言は寝て言え、ロレンス。じゃあな』ガチャ
ツー ツー ツー …
ロレンス「なあっ」
ロレンス「…ぐ、お、俺はどうすれば…!」
アマーティ「お暇ですか?」 その2 へ続く
ピッ
エーブ『私だ。何か用か』
ロレンス「あ、夜遅くに申し訳ないです。あの社長」
ロレンス「来週の月曜日、有給を頂きた エーブ『ダメだ』
エーブ『こんなに急に休めると思うか?』
エーブ『寝言は寝て言え、ロレンス。じゃあな』ガチャ
ツー ツー ツー …
ロレンス「なあっ」
ロレンス「…ぐ、お、俺はどうすれば…!」
アマーティ「お暇ですか?」 その2 へ続く
134: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 14:46:02.62 ID:CDHNjXW7o
アマーティ「お暇ですか?」 その2
アマーティ「…」ソワソワ
ホロ「なんじゃ、もう待っておったのか」
アマーティ「あ、こんにちは!」
アマーティ「いえ、その、…何だか落ち着かなくて」
ホロ「くふ、なかなか可愛い雄じゃの、ぬしは」
アマーティ「あはは…」
アマーティ「…」ソワソワ
ホロ「なんじゃ、もう待っておったのか」
アマーティ「あ、こんにちは!」
アマーティ「いえ、その、…何だか落ち着かなくて」
ホロ「くふ、なかなか可愛い雄じゃの、ぬしは」
アマーティ「あはは…」
135: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 14:52:36.74 ID:OgRVEY6DO
アマーティ「そう言えば、ホロさんは」
ホロ「ん?」
アマーティ「…いつもと違いますね」
アマーティ「多少でも、ボクなんかのために着飾って下さったのだと…思ってい
いのでしょうか」
ホロ「…」
ホロ「当然じゃ。仮にもぬしとは、今日の日を共にする」
ホロ「そんな相手に恥をかかせるようなわっちではありんせん」
ホロ「そんな無粋な質問をしたこと、反省するのじゃな」
ホロ「ん?」
アマーティ「…いつもと違いますね」
アマーティ「多少でも、ボクなんかのために着飾って下さったのだと…思ってい
いのでしょうか」
ホロ「…」
ホロ「当然じゃ。仮にもぬしとは、今日の日を共にする」
ホロ「そんな相手に恥をかかせるようなわっちではありんせん」
ホロ「そんな無粋な質問をしたこと、反省するのじゃな」
137: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 15:00:27.47 ID:CDHNjXW7o
アマーティ「…」
ホロ「何を笑っておる」
アマーティ「いえ」
アマーティ「ただ純粋に、嬉しいだけです」
ホロ「…ふむ?」
アマーティ「ホロさんの視界にボクが入っていたこと」
アマーティ「そしてまだ少しでもチャンスはあるのかな、ということに」
ホロ「…ほう」
>>136 乙感謝です。使う方も癒されるので、これからもたまに使って行こうと思います。
それと無粋なお願いかもしれませんが、今イーモバ環境なのでPC→もしもしのくり返しで規制を避けてる感じです。
見て下さっている方でいれば、内容なしでもいいので、ID的に専ブラの書き込みのあとにレスを頂けると助かります。
ゆっくりでもよければ必要はないです。続けます。
ホロ「何を笑っておる」
アマーティ「いえ」
アマーティ「ただ純粋に、嬉しいだけです」
ホロ「…ふむ?」
アマーティ「ホロさんの視界にボクが入っていたこと」
アマーティ「そしてまだ少しでもチャンスはあるのかな、ということに」
ホロ「…ほう」
>>136 乙感謝です。使う方も癒されるので、これからもたまに使って行こうと思います。
それと無粋なお願いかもしれませんが、今イーモバ環境なのでPC→もしもしのくり返しで規制を避けてる感じです。
見て下さっている方でいれば、内容なしでもいいので、ID的に専ブラの書き込みのあとにレスを頂けると助かります。
ゆっくりでもよければ必要はないです。続けます。
138: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 15:11:27.09 ID:OgRVEY6DO
ホロ「くふ」
ホロ「本当に、ぬしはなかなかの…たわけじゃな」
アマーティ「…はい」
ホロ「名は、何と言ったかの」
アマーティ「アマーティと、言います」
ホロ「うむ。ではアマーティよ」
スッ
ホロ「行こう。のんびりするのもよいが、時間は限られておるのじゃからな」
アマーティ「はい!」
ギュ
ホロ「本当に、ぬしはなかなかの…たわけじゃな」
アマーティ「…はい」
ホロ「名は、何と言ったかの」
アマーティ「アマーティと、言います」
ホロ「うむ。ではアマーティよ」
スッ
ホロ「行こう。のんびりするのもよいが、時間は限られておるのじゃからな」
アマーティ「はい!」
ギュ
139: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 15:21:50.54 ID:CDHNjXW7o
・・・その頃。
ギリッ
ロレンス「…手、手まで繋いで…」
ロレンス「くそ、あの若造め…」
エーブ「…おいロレンス、大きな声を出すな」
エーブ「気づかれないように様子を見る。そう言う話だったろ?」
エーブ「(というか、部下に付き合って何をやっているんだ私は…)」ハア
ロレンス「し、しかし社長!」
ギリッ
ロレンス「…手、手まで繋いで…」
ロレンス「くそ、あの若造め…」
エーブ「…おいロレンス、大きな声を出すな」
エーブ「気づかれないように様子を見る。そう言う話だったろ?」
エーブ「(というか、部下に付き合って何をやっているんだ私は…)」ハア
ロレンス「し、しかし社長!」
140: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 15:33:57.14 ID:OgRVEY6DO
エーブ「仕事以外では、エーブと、呼べと言っているだろう」
ロレンス「し、失礼しました」
ロレンス「しかしエーブさん」
エーブ「いいじゃないか、別に。好きにやらせておけば」
ロレンス「そうはいきません。しがない魚屋の若造に、ホロを好きにさせるわけ
には…」
ロレンス「し、失礼しました」
ロレンス「しかしエーブさん」
エーブ「いいじゃないか、別に。好きにやらせておけば」
ロレンス「そうはいきません。しがない魚屋の若造に、ホロを好きにさせるわけ
には…」
141: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 15:43:14.16 ID:CDHNjXW7o
エーブ「…おい、ロレンス。誰がしがない魚屋の若造だって?」
ロレンス「誰って、あの、ホロと手を取り合っている小僧です」
エーブ「それは語弊だな」
エーブ「アマーティの興した魚屋は十分成功しているし、何よりあいつがそこを取り仕切っている」
エーブ「そんなものを若造呼ばわりとは、ちょっと的外れだな」
ロレンス「な…あの小僧が、経営者ということですか」
エーブ「そうだ。あいつと比べれば、むしろお前の方がしがない会社員だろう、ロレンス」
ロレンス「 」
ロレンス「誰って、あの、ホロと手を取り合っている小僧です」
エーブ「それは語弊だな」
エーブ「アマーティの興した魚屋は十分成功しているし、何よりあいつがそこを取り仕切っている」
エーブ「そんなものを若造呼ばわりとは、ちょっと的外れだな」
ロレンス「な…あの小僧が、経営者ということですか」
エーブ「そうだ。あいつと比べれば、むしろお前の方がしがない会社員だろう、ロレンス」
ロレンス「 」
142: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 15:52:27.54 ID:OgRVEY6DO
ロレンス「そ、そんな…」
エーブ「…おいおい、そんなことで気を落とすな。というかその落胆に、お前の
奥さんは関係ないからな」
エーブ「それは、ただお前が収入の面である男に負けた、というだけの話だ」
ロレンス「…そ、そうですが…」ズーン
エーブ「(…相変わらずだな、この男は)」
エーブ「(やるときはやるくせに。小さいことに気を捉われすぎだぞ、ロレンス)」
エーブ「…おいおい、そんなことで気を落とすな。というかその落胆に、お前の
奥さんは関係ないからな」
エーブ「それは、ただお前が収入の面である男に負けた、というだけの話だ」
ロレンス「…そ、そうですが…」ズーン
エーブ「(…相変わらずだな、この男は)」
エーブ「(やるときはやるくせに。小さいことに気を捉われすぎだぞ、ロレンス)」
143: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 16:02:41.36 ID:CDHNjXW7o
エーブ「全く…」
エーブ「(我々が二人でこうしてここにいることが、彼女らとやっていることがさして変わらない、ということにも)」
エーブ「(気がついていないようだしな)」
エーブ「…おいロレンス、お前いい機会だ」
ロレンス「は?」
エーブ「今日はいろいろと反省しろ。それなら、無理をして有給をくれてやったことも無駄じゃない」
ロレンス「…は、はあ。分かりました…」
ロレンス「…」ハア
エーブ「(我々が二人でこうしてここにいることが、彼女らとやっていることがさして変わらない、ということにも)」
エーブ「(気がついていないようだしな)」
エーブ「…おいロレンス、お前いい機会だ」
ロレンス「は?」
エーブ「今日はいろいろと反省しろ。それなら、無理をして有給をくれてやったことも無駄じゃない」
ロレンス「…は、はあ。分かりました…」
ロレンス「…」ハア
144: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 16:11:57.38 ID:OgRVEY6DO
・・・映画館。
ホロ「…ふむ」キョロキョロ
ホロ「映画館…初めてじゃから、少し楽しみでありんす」
アマーティ「そうなんですか?」
アマーティ「…意外です。映画はデートの定番ですから」
アマーティ「ホロさんなら、何度も別の方と―――」
ホロ「たわけ」
ホロ「こんなときに、別の男のことを口にするものではありんせん」
アマーティ「こ、これは失礼しました」
145: ◆5elc53sAMI 2013/02/23(土) 16:27:02.38 ID:CDHNjXW7o
ホロ「…まあ、わっちがなかなか迂闊に出歩けないこともあっての」ギュ
アマーティ「そうなんですか?」
アマーティ「…もしかして、療養中であるとか。だったら、その…」
ホロ「心配ありんせん」
ホロ「だったとして、わっちが今日ぬしといるのはわっち自身の意志じゃ」
ホロ「気分転換にもなるしの」
/ }ハ_,xヘ、
乂_ . . -/⌒ヽ: : : \
v…ァ―--‐… : : : : : : : ⌒ヽ. }: : : : : : : . .
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「じゃから、今はわっちと、楽しむことだけ考えてくりゃれ?」ニコッ
アマーティ「…!」ドキ
アマーティ「…それこそ心配ありません」
アマーティ「そうなんですか?」
アマーティ「…もしかして、療養中であるとか。だったら、その…」
ホロ「心配ありんせん」
ホロ「だったとして、わっちが今日ぬしといるのはわっち自身の意志じゃ」
ホロ「気分転換にもなるしの」
/ }ハ_,xヘ、
乂_ . . -/⌒ヽ: : : \
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「じゃから、今はわっちと、楽しむことだけ考えてくりゃれ?」ニコッ
アマーティ「…!」ドキ
アマーティ「…それこそ心配ありません」
146: 今回投下は以上です。のんびりで失礼しました。 2013/02/23(土) 16:29:50.81 ID:OgRVEY6DO
ホロ「ん?」
アマーティ「…私は、ホロさんといられるだけで楽しいのです」
ホロ「…何だかありふれた台詞じゃの」
アマーティ「ですが、ボクの顔を見て頂ければ」
アマーティ「この言葉に嘘偽りないことも。」
アマーティ「分かって頂けるのではないかと」
ホロ「…くふ」
ホロ「確かに。そのくらい、察せぬわっちではないがの」
アマーティ「…私は、ホロさんといられるだけで楽しいのです」
ホロ「…何だかありふれた台詞じゃの」
アマーティ「ですが、ボクの顔を見て頂ければ」
アマーティ「この言葉に嘘偽りないことも。」
アマーティ「分かって頂けるのではないかと」
ホロ「…くふ」
ホロ「確かに。そのくらい、察せぬわっちではないがの」
150: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 00:03:56.93 ID:mvcg8vlDO
パク
ホロ「おお。これは何とも」
ホロ「香ばしく、軽い口当たりがなかなか美味じゃな」パクパク
アマーティ「映画館と言えば、ポップコーンですね」
アマーティ「ホロさんは、食べるのがお好きですか?」
ホロ「む」パク
ホロ「…」
アマーティ「…」ニコ
ホロ「くふ」
151: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 00:15:12.96 ID:qfAdIfs3o
ホロ「うむ。食べることを嫌う者はおらぬ」
ホロ「そうじゃ、ぬしのところで買った魚もなかなか美味じゃった」
アマーティ「本当ですか? それはよかった」
アマーティ「…先に言ってしまうと」
アマーティ「今日のディナーは、私の仕入れた魚をもっとも美味しく料理してくれる者にお願いしています」
アマーティ「楽しみにしておいてください」
ホロ「それは確かに。楽しみじゃの」ジュル
ホロ「いかんいかん。今から夕食を楽しみにしておっては、せっかくのデートが台無しじゃ」
アマーティ「あはは」
ホロ「そうじゃ、ぬしのところで買った魚もなかなか美味じゃった」
アマーティ「本当ですか? それはよかった」
アマーティ「…先に言ってしまうと」
アマーティ「今日のディナーは、私の仕入れた魚をもっとも美味しく料理してくれる者にお願いしています」
アマーティ「楽しみにしておいてください」
ホロ「それは確かに。楽しみじゃの」ジュル
ホロ「いかんいかん。今から夕食を楽しみにしておっては、せっかくのデートが台無しじゃ」
アマーティ「あはは」
152: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 00:22:53.26 ID:mvcg8vlDO
・・・・・
エーブ「なあ、ロレンス」
ロレンス「どうしました?」
エーブ「…わざわざ同じ劇場にまで、入ることはないんじゃないか?」
エーブ「俺はこんなに胸やけのしそうな映画は見たくない」
エーブ「その辺りの喫茶店にでもいれば十分だろう」
ロレンス「いえ、二人から目を離すわけにはいきません」
ロレンス「ほら、二人が入りました。行きましょう」ガッ
ズルズル…
エーブ「…はあ」
エーブ「(やはり、こいつに今日は仕事をさせないで正解だったか)」
エーブ「(…何をやっているんだ、俺は)」
エーブ「なあ、ロレンス」
ロレンス「どうしました?」
エーブ「…わざわざ同じ劇場にまで、入ることはないんじゃないか?」
エーブ「俺はこんなに胸やけのしそうな映画は見たくない」
エーブ「その辺りの喫茶店にでもいれば十分だろう」
ロレンス「いえ、二人から目を離すわけにはいきません」
ロレンス「ほら、二人が入りました。行きましょう」ガッ
ズルズル…
エーブ「…はあ」
エーブ「(やはり、こいつに今日は仕事をさせないで正解だったか)」
エーブ「(…何をやっているんだ、俺は)」
153: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 00:30:09.09 ID:qfAdIfs3o
男『俺、あなたのことが好きなんです!』
女『でも、私は…もう長くは…』
ホロ「…うぷ」
ホロ「(何とも、甘ったるい映画じゃのう)」
ホロ「(それもベタベタな。ようこんな映画に、わっちを誘ったものじゃ)」
アマーティ「…」チラ
ホロ「…」
ホロ「(まあ、黙って見ておるかの)」
女『でも、私は…もう長くは…』
ホロ「…うぷ」
ホロ「(何とも、甘ったるい映画じゃのう)」
ホロ「(それもベタベタな。ようこんな映画に、わっちを誘ったものじゃ)」
アマーティ「…」チラ
ホロ「…」
ホロ「(まあ、黙って見ておるかの)」
154: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 00:37:29.65 ID:mvcg8vlDO
男『それでも構わない』
男『構わないんです。あなたがくれるものなら、苦労も、辛さも、全部受け止め
るから―――』
女『お、男さん…』
ブブブブブ
エーブ「おっと」
エーブ「悪いなロレンス。少し離れるぞ」
ロレンス「…」グス
エーブ「…ほどほどにな」ピッ
155: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 00:47:20.89 ID:qfAdIfs3o
・・・・・
ロレンス「…」ホッコリ
ロレンス「いやあ、思わず見入ってしまいました。いい映画でしたね、エーブさん」グス
ロレンス「…エーブさん?」ハテ
パタン
エーブ「さて、と」
ガヤガヤ
エーブ「しまった、もう終わったところか」
エーブ「…さて、ロレンスはどこにいるか…入れ違いになっていなければいいが」
ピョコ
ホロ「ん」
エーブ「ん?」
156: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 00:53:53.54 ID:mvcg8vlDO
エーブ「…」
ホロ「…」ジッ
アマーティ「…ホロさん? どうかしましたか?」
アマーティ「(今、ホロさんの帽子が…?)」
ホロ「…」ジーッ
エーブ「…俺に何か用かな、お嬢さん」
エーブ「(嫌な予感しかしないな)」
ホロ「…いや、今おぬし、ロレンスと」
157: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 01:02:57.89 ID:qfAdIfs3o
ロレンス「あ、エーブさん。探しましたよ」
ロレンス「…って、あ」
バッタリ
ホロ「…」
アマーティ「…?」
エーブ「…やっぱりか」ハア
エーブ「だが、お前らしい間の悪さだな、ロレンス」ククッ
158: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 01:11:03.44 ID:mvcg8vlDO
ホロ「…」
ロレンス「や、やあホロ」
ロレンス「…偶然、だな」
ホロ「そうじゃな。…のう、ぬしよ」
ホロ「この女は、一体、ぬしの何かの?」
ロレンス「そ、それは…」チラ
エーブ「それ以上とぼけるなよ、ロレンス。俺とお前の仲を、正直に説明すればいい」ニヤニヤ
ロレンス「(ま、また誤解を生むような言い方を!)」
159: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 01:22:53.63 ID:qfAdIfs3o
ロレンス「あ、あのなホロ」
ホロ「いや、いいんじゃぬしよ」
ホロ「ちょっとでも、浮かれたわっちがあほうじゃった」
ロレンス「…え?」
ホロ「ぬしがしておることは、わっちがしておることと変わらぬ」
ホロ「であれば、わっちがぬしに何か言えた立場ではない」
ホロ「それだけのことじゃ。のう?」
ロレンス「いや、…」
ホロ「…じゃから、もうこの場はこれで終わりにしよう」
ホロ「さあ、行こうアマーティ」クルッ
160: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 01:29:49.08 ID:mvcg8vlDO
ロレンス「…いや、待ってくれホロ。違うんだ」
ホロ「違わぬっ」
アマーティ「…」ビクッ
エーブ「…」
ザワザワ…
ホロ「…すまぬ。じゃが…お願いじゃ」
ホロ「これ以上、今は…何も言わないでくりゃれ」
161: 今回分は以上です。また次回よろしくお願いします。 ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 01:36:56.27 ID:qfAdIfs3o
ロレンス「…あ、…」
ホロ「ほれ、アマーティ」
アマーティ「あ、は、はい」
ホロ「今はまだ、ぬしとの時間じゃ」
アマーティ「…そうですね。行きましょう、ホロさん」
ホロ「うむ」
ホロ「…じゃあの、ぬし様よ」
163: 投下開始 この短編は これで完結です。 ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:40:12.98 ID:ILapPCweo
ロレンス「…」ハア
エーブ「…」ズズ
エーブ「おい。これ以上、大の男が肩を落としている姿なんて見たくはないんだが」
ロレンス「…はい、すいません…」
エーブ「…ため息をつきたいのはこっちだ」ハア
エーブ「それで、これからどうするんだ」
ロレンス「どうもなにも」
ロレンス「…ホロが帰って来るのを待つしかありません」
164: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:42:29.48 ID:mvcg8vlDO
ロレンス「すいませんでした、社長」
エーブ「ん?」
ロレンス「私は、家に帰ろうと思います」
ロレンス「…休みを頂いて、しかも連れ回して…挙句面倒に巻き込んでしまった」
エーブ「ああ、お前の奥さんを悪く思ったりはしないから安心してくれ」
エーブ「俺は、悪いのはだいたいお前だと分かっているからな」ククッ
ロレンス「…はい」
165: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:44:32.25 ID:ILapPCweo
ロレンス「…な、なんのことですか…?」
エーブ「くくっ。さあ」
エーブ「それじゃあな。明日まで休ませる気はないから、そのつもりでな」
ロレンス「…」
スタスタ
エーブ「(ふん)」
エーブ「(ロレンスの醜態を拝んでやろうと思ったが…見せつけられただけだったな)」
166: ミス >>165のまえに ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:47:23.44 ID:mvcg8vlDO
ガタッ
エーブ「だがな、ロレンス」
エーブ「見たところお前たちは似たもの夫婦だ」
ロレンス「…?」
エーブ「何も一方的にお前が悪い、ということもない。お互い様ってやつだ」
167: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:48:42.07 ID:ILapPCweo
ガチャ
ロレンス「…ただいま」
ロレンス「(まあ、誰もいないんだが)」
パタパタ
ロレンス「…?」
パチッ
ホロ「…」
ロレンス「…あ」
ロレンス「…お、お帰り、ホロ」
ロレンス「か…帰っていたんだな」
168: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:50:17.90 ID:mvcg8vlDO
ホロ「…」
ロレンス「…で、デートはどうしたんだ?」
ホロ「別に。早めのディナーを頂いて」
ホロ「お土産もたんまり頂いて、こうして帰って来たところじゃ」
ロレンス「そ、そうか」
ホロ「のう、ぬし様よ」
ロレンス「…なんだ」
パサッ
169: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:51:52.52 ID:ILapPCweo
ピョコ
ホロ「もし…あの若造が、こんなわっちを受け入れてくれると言ったとしたら」
ホロ「ぬし様は、どうするかの」
ロレンス「…気がつかれたのか」
ホロ「聞いておるのはわっちの方じゃ」
ロレンス「…そう、だな」
ロレンス「それでも俺は…俺が。ホロの傍にいたい」
ホロ「…わっちもじゃ」ニコ
パタパタ
170: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:55:29.90 ID:mvcg8vlDO
ホロ「わっちもぬし様の傍がよい」
ホロ「違う者が傍にいるなど、考えたくもない」
ホロ「…じゃがの、ぬし様よ」
ホロ「ぬし様に聞きたい。ぬし様は、どうしてわっちのことを気にかけてくれる
のじゃろうか」
ホロ「わっちが…ぬし様のことを好きなのは」
ホロ「ただ、あの若造よりも偶然先にぬし様に出会ったからなのか?」
ロレンス「…」
ホロ「…答えてくりゃれ」
171: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:56:39.66 ID:ILapPCweo
ロレンス「…」
ロレンス「俺はホロのことが好きだよ」
ホロ「…」
ロレンス「誤解しないでくれ。お前が言いたいのは、こうして」
ロレンス「…言葉で簡単に示しても、あの小僧と表面的には変わらないではないか」
ロレンス「きっと、そう言うことだろう?」
172: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:58:11.92 ID:mvcg8vlDO
ホロ「…」
ロレンス「だが、考えてみればおかしな話だ」
ホロ「…何がかや」
ロレンス「いつもの些細な機微でも、ホロは俺のことを何でも分かってくれる」
ロレンス「まして今回は、いつも以上に…その、格好悪い姿を見せてしまったか
らな」ハハ…
ホロ「くふ。そうじゃな」
ロレンス「だから、ホロ」
ロレンス「聡明なお前なら、きっと俺がどうしてあそこにいたのかも、分かって
くれるはずなんだ」
173: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 15:59:45.44 ID:ILapPCweo
ホロ「過信じゃな」
ホロ「…まるで浮気男の台詞そのままではないか」ハア
ロレンス「…まあ、な。でも俺は、ホロのことなら過信していたいよ」
ホロ「…ふむ」
ホロ「それで?」
ロレンス「ああ。…ホロとばったり出くわしたあのとき、俺はホロに怒鳴られた」
ロレンス「あれも、ホロのことを過信すれば…意味が分かる」
ロレンス「あれは、エーブさんと俺がいるのを見て」
ホロ「くふ。もうよい」
174: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 16:01:31.07 ID:mvcg8vlDO
パタパタ
ホロ「…」
ロレンス「…はは」
ホロ「そこまで分かっておるのなら、“初めから”、やり直してくりゃれ?」
ロレンス「う、うむ」
ホロ「…」ドキドキ
ロレンス「なあ、ホロ」
ホロ「うむ」
ロレンス「…行かないでくれ。他の男と、遊びになんて」
ホロ「! ぬし様よー!」ガバッ
ロレンス「!? ぬわっ」
バタンッ
175: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 16:03:14.27 ID:ILapPCweo
ホロ「全く、ぬし様は本当にたわけじゃ!」
ホロ「いつもいつも抜けておる。代わりに変なところで気を利かせる」
ホロ「そして気を利かせたわりにぐちぐち気にする!」
ホロ「…言っていて、どうしてこんな男に惚れたのかと疑問になるの」
ロレンス「お、おいおい。そんな言い方はないじゃないか…」
ナデナデ
ホロ「くふふ。まあよい」スリスリ
ホロ「…そうじゃな、そう言うところに、惚れてしまったんじゃろうな、わっちは」ギュ
176: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 16:04:45.39 ID:mvcg8vlDO
ホロ「それに、はっきりと言わなかったわっちも悪い」
ロレンス「…それこそお互い様だ」
ロレンス「こっちに来てから、お互いに気を利かせすぎていたのかもな」
ホロ「うむ」
ロレンス「これからは、もう少し」
ロレンス「…互いに、素直にならなくちゃいけない」
ホロ「…全く、我ながら情けない話じゃ」
ホロ「のう、ぬし様よ」パタパタ
ロレンス「全くだ」ハハ
177: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 16:06:38.87 ID:mvcg8vlDO
ロレンス「…さっきの話だけどな、ホロ」
ホロ「んむ?」
ロレンス「そんなもんなんじゃないかと、俺は思うよ」
ロレンス「運命なんて信じたって仕方ない」
ロレンス「…それなら俺は、ホロと出会ってから重ねて来た思い出の方を信じたい」
ホロ「…臭い台詞じゃな、いつにもまして」
ロレンス「こんな男に惚れたお前が悪い。諦めるんだな」
ホロ「…ふん」
178: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 16:10:25.06 ID:ILapPCweo
ホロ「まあ、そうじゃな。そう言うことにしておくかの」
ホロ「しかしそれじゃと、もうわっちはぬし様から離れられそうもない」
ギューッ
ロレンス「うぐ」
ホロ「これからもよろしくの? ぬし様よ♪」
_,
ト \
丿,,',: :\
ー─ ─,-‐≠'´ ゝ-ヘ : : ``ヽ 、
\: : /: : : : : : : : : :i: : : : : : : : :\
y': : : : : : : : : : : : :l: : : : : : : : : : :ヾ、
イ: : : : ,: : : : : : : : : : l: : : : : :i: : : : : :ヘ\
/ l: : : : : i: : : : : 、: : : l: : : : : :l: : : : : : :', ヽ
j l: ;ヘ: : :ト、::_込ハ : : /: : : : : :l: : : : : : : :} ',
i レ|T``ン、レ´V \l: : : : : : :l: : : : : : : i ',
i i::仁ォ ィぅ斧辷|: : : : : : l: : : : : : :i! ',
j::圦ソ 弋汐ノ: : : : : /: : : : : : i! i
i::l ' ム : : : :/: : : : : : / !
l: :! /: : : : : /|: : : : : : i ノ
/: : \ ー ‐´ / : : : : /::l: : : : : : :l /
,イ: : : j 丶 _ ,, ェ ' _: : : :,イ: :l: : : : : : :l /
/ j: : : / γ´ `ヾ=|: :l: : : : : : :ト ‐ ´
/ i!: : / { , ;: :l: : : : : : :i!
/ /: :/ i :.: :l: : : : : : : :',- 、
/ /: :/ ./:ト .i!: :l: : : : : : : :ヘ ヽ
,' .i: :/. ,/: :l ', i!: :!: : : : : : : : :\ ',
i .l::i. ,ク: :/ i! i! : : : : : : : : : : : \,
! .l::l ≠刋: :i! ' i!、: : : : : : : : : : : : \
', ',i┌´-/ ,|: :l ’ l ヘ : : : : : : : : : : : : : `ヽ
丶 , '孑ミッ゙ソl: :l ′∨: : : : : : : : : : : : : : : `ヽ
ロレンス「…ああ、こちらこそ」
アマーティ「お暇ですか?」 完
179: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 16:13:35.98 ID:mvcg8vlDO
↓おまけ
180: ◆5elc53sAMI 2013/02/24(日) 16:14:08.38 ID:ILapPCweo
☆おまけ
ホロ「ところでぬしよ。結局、あの女は何者だったのじゃ?」
ロレンス「ああ。以前から話してはいたが、会ったことはなかったか」
ロレンス「俺のことを雇ってくれた社長だよ」
ロレンス「…こっちに来てから一番お世話になっている人だな」
ホロ「…は?」
イ`ヘ
/: :| ヽ
/ : :/ ヽ ___ _,,,:. .-: :´彡フ
_ノ\_∠: : : : : : : : :`: :-: :,:_:/彡 /
( : : : : : : : : : : : : : : `ゝ /
マ r::/: /: : | : : : : : : : : ::\ /
//: /: : : |: : | |: : |: _: : : :ヽ
ジ {/ 7|`\/i: /|:|/|´: : : : :|ヽ
〉 ,‐-‐、`|7 || |_::|,_|: : :|:::|: |
で / r:oヽ` /.:oヽヽ: :|: | :|
{ {o:::::::} {:::::0 }/: :|N
っ | ヾ:::ソ ヾ:::ソ /|: : |
!? ヽ::::ー-.. /ヽ ..ー-::: ヽ::| r--ッ
-tヽ/´|`::::::::::;/ `、 ::::::::::: /: i } >
::∧: : :|: |J \ / /::i: | /_ゝ
. \ヾ: |::|` - ,, ___`-´_ ,, - ´|: : :|:::|
ヽ: |::|\  ̄/ /| |: : :|: |
ホロ「わっちゃあ、とんでもないことをしてしまったのではないかや…?」
ロレンス「まあ、大丈夫だろ。…多分」
終わり
187: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 12:17:41.10 ID:pIOI7nV0o
舞台4 現代×ちいさなわっち
「狼と酒場の娘」 その1
188: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 12:19:29.23 ID:x0uD9DHDO
ほろ「むぅ…」
ヘレーナ「あれ? どうしたの、ホロちゃん」
ほろ「む」
ほろ「おお、ヘレーナかや! こんにちはじゃ」
ヘレーナ「はいはい。こんにちはー」
ヘレーナ「今日は一人? ひょっとして、おつかい?」
ほろ「いや?」フリフリ
ほろ「ぬしさまといっしょじゃ」
ヘレーナ「…ロレンスさん、いないみたいだけれど」
ほろ「なにっ」バッ
189: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 12:20:53.11 ID:pIOI7nV0o
ほろ「…む」
ほろ「どうやら、ぬしさまはまいごみたいじゃな」
ほろ「まったく、こまったお人でありんす」
ヘレーナ「あはは、ホントにね」
ほろ「まあよい。のう、ヘレーナよ」
ヘレーナ「なに、ホロちゃん」
ほろ「ヘレーナは、どっちがいいと思うかの」パッ
190: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 12:22:48.13 ID:x0uD9DHDO
ヘレーナ「…キャベツ太郎と、…まけんグミ」
ほろ「うむ。ぬしさまは、一つしか買ってくれないからの」
ほろ「なやましいところじゃ、どっちにするか…」ウーン
ヘレーナ「それで悩んでいたのかー」
ヘレーナ「(可愛いわ)」
ヘレーナ「(…下手に男の人をからかうよりも、この子と遊んでいたいわねぇ)」クスクス
ほろ「…?」ゾク
ほろ「な、なんだかさむけがするの…」
191: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 12:23:54.49 ID:pIOI7nV0o
ヘレーナ「よかったら、私が一つ買ってあげましょう」
ほろ「!? ほんとうかやっ」
ヘレーナ「ええ」
ヘレーナ「(癒してもらった分、お菓子くらい安いわ)」
\ ホロー! /
ほろ「んむ?」
ロレンス「…はぁ、はぁ」
ほろ「おお、ぬしさまじゃ」
ヘレーナ「あら、ロレンスさん。ダメじゃないですか、ホロちゃんを一人にしちゃ」
ロレンス「…ヘレーナさん、これは格好悪いところを」ハハ
192: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 12:26:12.92 ID:x0uD9DHDO
ロレンス「…ホロ、頼むから勝手に走って行くのはやめてくれ」
ほろ「しかたなかろう! おみせを出るまぎわに、ぬしさまがおかしを買っても
よいと言うのじゃから」
ほろ「まったく、いつも初めからみとめておけばよいものを…」
ロレンス「…お前が、いつもそこでぐずるからだろうが…」
ヘレーナ「(ロレンスさん、相変わらずホロちゃんに甘いわね…)」
193: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 12:27:24.50 ID:pIOI7nV0o
ヘレーナ「それじゃあ、行きましょうか」
ロレンス「ん? それは」
ヘレーナ「ええ。一つだけ、私がホロちゃんに買ってあげます。いいでしょう?」
ロレンス「それは、…ヘレーナさん、ありがたいですが」
ロレンス「あまりホロを甘やかさないで下さい」ハア
ヘレーナ「あら、あなたには言われたくないわね」
ロレンス「…ぐ。からかわないで下さい」
ヘレーナ「ふふ。だったら、たまにはうちにも来て下さいね?」
ヘレーナ「ホロちゃんとなら追い返したりしないし。ね?」
ロレンス「…分かりました。まったく、ヘレーナさんには上手くあしらわれてばかりだ」
ヘレーナ「あら」
194: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 12:28:41.68 ID:x0uD9DHDO
ヘレーナ「私、まだロレンスさんのこと」
ヘレーナ「あしらおうなんて思ったこと、ありませんけど」
スッ
ヘレーナ「酷い言い方じゃないですかぁ?」
ロレンス「…顔が近いです」
ほろ「ぬしさまの言うとおりじゃ!」
ギュ
ほろ「これ、ヘレーナ! ぬしさまはわっちのものじゃからな!」
ほろ「かってに手を出すと、わっち、おこるからの!」
ヘレーナ「あらあら。ごめんなさい」
195: 短いですが、今回はここまで。 ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 12:29:53.26 ID:pIOI7nV0o
グイッ
ほど「おぅ」
ロレンス「俺はお前のものでもないっての」
ロレンス「先に行ってるぞ。ヘレーナさん、ありがとうございます」
ヘレーナ「いえいえ」
ほろ「ああっ、ぬ、ぬしさま、待ってくりゃれー」トテトテ
197: >>196 乙ありー ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 23:56:41.52 ID:x0uD9DHDO
その2
*獣と魚の尻尾亭
ガラッ
ヘレーナ「いらっしゃいませー」
ヘレーナ「あ、ロレンスさんじゃないですかー」
ロレンス「どうも」
ほろ「わっちもおるぞー」
ヘレーナ「はいはい。こんばんはー、ホロちゃん」
ほろ「うむ」
198: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 23:57:35.88 ID:adHJe9tqo
ロレンス「えっと、座敷でも大丈夫ですかね」
ヘレーナ「ええ、いいですよ」
ヘレーナ「ちゃんと平日の夜を狙って来る辺り、相変わらず気を利かせるお人ですね」
ロレンス「…からかわないで下さい」
ヘレーナ「ですから、そんなつもりじゃないですってばー」
199: ◆5elc53sAMI 2013/02/25(月) 23:58:59.23 ID:x0uD9DHDO
ポイポイッ
ほろ「ほっ。おお、なにやら穴があるの」
ロレンス「こら、きちんと靴を揃えなさい」
ほろ「…」
ロレンス「…何で掘り炬燵に潜って行くんだ」
ほろ「穴があったら」
ロレンス「今は多分そのときではないな」
200: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:02:58.11 ID:PxE+YDG+o
ヘレーナ「何にします?」
ロレンス「とりあえず、ビールと」
ロレンス「ホロはオレンジジュースでいいか?」
ほろ「かまわぬー」
ロレンス「いつも思うんだが、お前のその尊大な口調はどこで覚えたものなんだろうな?」
ほろ「…ぬ? そんだい?」
ロレンス「いや、ひとり言だがな」
ロレンス「とりあえずそれで。料理は飲み物を頂いたときにお願いすることにします」
ヘレーナ「はーい。では少しお待ち下さいね」
201: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:08:31.14 ID:ZJODi/UDO
ヘレーナ「お待たせしましたー」
ヘレーナ「ロレンスさんには、一緒に、お通し」
ロレンス「どうも」
ほろ「わっちにはないのかや?」
ヘレーナ「あら、出した方がよかったかしら」
ロレンス「ああ、ホロ。俺の分食べていいぞ」
ほろ「おお、すまんなぬしさまよ」パクーオレンジジュースグビー
ほろ「ぷは、いきかえるのー」
ロレンス「それは一日働いた奴にしか許されないフレーズだ」
202: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:12:03.88 ID:PxE+YDG+o
ロレンス「お前、遊んでしかいないだろ」
ほろ「そんなことないわい!」
ほろ「わっちには、わっちにしかできぬだいじなやくめがありそれをなしておる!」
ロレンス「ほう? 何だそれ」グビ
ほろ「ぬしさまをいやすというたいやくじゃな!」ドヤァッ
ロレンス「…」
,,,ヽ...____,,_,, ____ _,,,._.,,,
l≡::\_:_::: /: : : : : : : : : : :`: -: :,_ _:_:^'''≡フ
 ̄ ̄ \: : : : : : : : : : : : : : : :`ゞ ≡ /
ふ |:/: /: : | : : : : : : : : : :\_/''
ぁ |:/: /: : : |: : | |: : |: _: : : :ヽ
ぇ |/ 7|`//i: /|:|\|´: : : : :|ヽ
. え | ,.‐-‐、`|7 || |_::|,_|: : :|:::|: | ,
. ・ | '' r:oヽ` /.:oヽヽ: :|: | :| ./
. ・ | {o:::::::} {:::::0 }/: :|N ヽ. プルプル
. ・ | ヾ:::ソ ヾ:::ソ /|: : | /
_,,/ ::::TT... へ ...TT:::::ヽ::| '
ーーヽ___::::| |:: / \ ::| |:::::: __ノ´ ̄`¨ヽ
____,イ | |/ _____ \.| | 弋_,.,ィ__--
ノ ゝ二フ_,, ̄______,, ̄__,,__/( ー<\__
>-イ \ / /| |: : :|t二ンー
204: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:15:10.61 ID:ZJODi/UDO
ヘレーナ「ロレンスさん、あんまりいじめちゃダメですよ」ヨシヨシ
ほろ「うぬぅ、ヘレーナー」
ロレンス「はいはい」
ロレンス「ほら、早く注文してしまうぞ」
ロレンス「食べたいもの決まったか?」
ほろ「てんぷらが食べたい!」
ロレンス「じゃあ、盛り合わせで」
ロレンス「あと、魚の尻尾料理もお願いします」
ヘレーナ「はーい」
205: >>203 すまん… ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:16:08.91 ID:PxE+YDG+o
ほろ「おいしいの」
ロレンス「そいつはよかった」
ロレンス「…ヘレーナさんも食べます?」
ヘレーナ「まあ、いいんですか?」
ロレンス「…いいんですかもなにも」
ロレンス「そんなとこで一緒に飲まれたら、誘えと言っているようなものじゃないですか」
ヘレーナ「だって、まだ暇な時間なんですもの。それに今日は平日だし」グビ
ヘレーナ「じゃあお言葉に甘えて♪」パク
ロレンス「まったく」パク
206: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:18:22.86 ID:ZJODi/UDO
ほろ「さかなのしっぽもおいしいの!」パクパク
ロレンス「…まさか本当にあいつの尻尾ではありませんよね?」
ヘレーナ「いやだな、そんなものここじゃ出せませんよー」
ロレンス「…意味深な言い方だなー」
ヘレーナ「うふふ」
ほろ「?」パクパク
207: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:19:12.72 ID:PxE+YDG+o
グシグシ
ほろ「…むぅ」
ロレンス「何だ、お前眠いのか」
ほろ「…しょんなこと、ありんせん…」ムニャ
ロレンス「まあ、たくさん食べたしな」
ヘレーナ「ええ。こんな小さな子でも、こんなに食べられるんですね。びっくりしちゃった」
ほろ「…くふふ、そんなにほめるでない」
ロレンス「褒めてない」
208: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:21:27.52 ID:ZJODi/UDO
ロレンス「よっと」
ロレンス「では、ごちそうさまでした。というか何だか、いろいろとご迷惑をか
けまして」
ヘレーナ「あら、そんなことないですよ」
ヘレーナ「またきっと来てください。というか」
ヘレーナ「誘わないと来て下さらないなんて、私いやですから」
ロレンス「…はい。次は必ずこちらから」
ヘレーナ「うふ。待ってます」
ロレンス「では、また」ペコ
209: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:22:21.79 ID:PxE+YDG+o
ガラガラ
ピシャ
ヘレーナ「ありがとうございましたー」
ヘレーナ「…うーん、やっぱりいい人なんだけどなー」
ヘレーナ「ホロちゃんがいるうちは、手を出すのは申し訳ないわね。残念だけど」
ヘレーナ「…さ、お片付けしなきゃー♪」
パタパタパタ…
210: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:24:52.91 ID:ZJODi/UDO
ほろ「むぅ…」
ロレンス「ほら、ちゃんと掴まってないと危ないぞ」
ほろ「くふ、ぬしさまのせなかじゃ…」スリスリ
ほろ「あたたかいの…」ムニャ
ロレンス「…もしかして、こいつが偉そうな態度なのは俺が甘やかすからか?」
211: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 00:26:22.10 ID:PxE+YDG+o
ロレンス「…」
ほろ「…くふふ…♪」
ロレンス「まあ、いいか」
ロレンス「(こいつは、俺が目一杯甘やかしてやらないとな)」
ほろ「くふ、ぬしさまー…だいすきじゃー…♪」ムニャ
ロレンス「はいはい」
_,,,..-‐''""´⌒```''¬―-...,,,__
,,.-‐'"´ `ヽ
/ ヽ
./ ー‐¬ ヽ
.ノ ./ 、 ヽ
.ノ ./_,,...-‐¬''""´ ̄ ̄ ̄```'''¬‐-..,_ .\ ヽ
ヽ< /.''´ _,,,...---‐‐‐‐---...,,,,_ `'‐ヽ ヽ
ヽ .ノ _,..-‐'''´ ヽ``'ー-..,,_ ヽ 、
ヽ / /´ / | `、ヽ、 ヽ
ヽ/ | ./ | 、 .| 、`ヽ ヽ
/{ .i | .| i .i | | .| .| |ヽヽ、_ ヽ
./.{ .i | .| | .| .i .| .|ヽ | .| .| |.i .| \ ヽ
| ヽヽ.| λ.| .i i | |.λ i | | |.i | |.| | \ /
{ ヽヽ.{.|.|.| .| | | | ハ | ハ | |.|.|:| .| |: | .ノ
.{ ヽヽ{.|.| .ハ L、 | | | i .λ .i H .} A| |:| | .|: | _.-'´
ヽ .ヽヽ{|l H | .ハ,、.i、ヽヽ、.ハ.i ハ| .|!i!iノ.|| |:|: .λ.|:. |_,-''´
ヽ ヽ ヽ {、Wヽヽ!ヽ! .w' |ハノ>!-____'^.|:|: ハ |::. |
ヽ/ .}.}、ヽ、_,.-==ミ ´'´ ̄ ̄´"|:|:: Aヽ.{ヽ.{
:. 〉 ヽ|ヽヽ /// /// |:|:: |::ヽ: ヽ、ヽ
..:: ::| .i! ヽヽ .j : ||::: |::::::ヽ、ヽー‐=.、
.::: ::| _j .ヽヽ、 ` ||::: .|::::::::::::::ー-‐¬'ヽ
:::: ::ヽ-‐'´ ヽ ヽ. 、―¬ワ ./|:::: |:::::::::: ::::::::::::ヽ
:::: :::::::::: .`..、 `ー_''´ ,.-''´ .||::: |::: :::::::ヽ
::::: ``-.,_,..-'´ノ /||::: | :::::::}
::::::: >,-、/ / ||:::: | ::::::::|
::::::: .:: ...:,.-‐''.ノ.'´ /`〉ー--..,||:::: | ::::::::λ
::::::: ..::: .::/ / ./ 〉``¬ー.||:::: .| ::::::::::ハ
-、::::::: ..::::: .::,'´ _,,ノ / 〉 \ ||:::: | :::::::::{ ヽ
.}:::::::.. ..::::: ..:::::/ .´ ./ ` ||::: | :::::::::::| .ヽヽ
ヽ::::::::.. :::::::::::::::/ .ノ .||::: | :::::::::::::{ 、ヽヽ
「狼と酒場の娘」 完
217: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 18:53:17.23 ID:s/jmLnbMo
舞台1 いつものわっち
ホロ「忙しいの」(>>1->>24) の続き
218: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 18:56:35.48 ID:s/jmLnbMo
キィ
ロレンス「そうだ。ホロは先に上がっていてくれ」
ホロ「ん、まだ何か用があるのかや?」
ロレンス「いや、そこの酒場に…」
ロレンス「冷めてもいいからと料理をお願いしてある。それを取りに行こうと思ってな」
ホロ「…気が利くの」
ホロ「…まあ、食べられるかどうかは定かでないが」
ロレンス「ああ。何なら朝食代わりにしてもいい」
ロレンス「…俺も、まさかこんなに遅くなるとは思わなかったからへとへとだよ」
219: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 18:57:29.46 ID:s/jmLnbMo
ホロ「そのわりにぬしの頬は緩んでおるがの」
ロレンス「…そうかな」
ホロ「まったく、商人という生き物は…何がへとへとじゃ」ハア
ホロ「わっちこそ、もうくたくたでありんす。ひとまず身を投げ出したい気分じゃ」
ロレンス「悪かったな、遅くまで付き合わせて」
ホロ「いや? ぬしについて行くことができて、わっちは楽しかった」
ロレンス「…いやに素直だな」
220: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 18:59:29.32 ID:s/jmLnbMo
ホロ「くふ。ぬしの機嫌がよいなら、わっちが嫌な気分になるはずありんせん」
ホロ「…まあ、それ以上に疲れておるだけかもしれんがの」
ロレンス「…ああ。思う存分、休んでくれ」
ホロ「うむ。そうしよう」
ホロ「じゃが腹も空いておる。早く戻って来てくりゃれ?」
ロレンス「分かったよ」
221: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:00:30.92 ID:s/jmLnbMo
バフッ
ホロ「ふぬぅ…疲れたのー…」
ホロ「…服を脱がんと、ぬしがまた怒るか。…しかし面倒じゃ…そんな気力もない…」
ホロ「まあ、よい。どうせぬしが脱がせてくれるじゃろ」
ホロ「…一眠りしたいところじゃが…それでは、ぬしと食事ができなくなってしまうの…」
ホロ「ふむぅ。悩ましい、…」ムニャムニャ
222: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:01:23.05 ID:s/jmLnbMo
トントントン
ホロ「…もう戻って来たかや。ぬしにしては、早い」クンクン
ホロ「何やら良い香りもして来た…くふ」
ホロ「…?」
ホロ「…ふむ。何やら話しておるようじゃな…」
223: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:04:10.67 ID:s/jmLnbMo
・・・・・
ガヤガヤ
ロレンス「さて、と」
エルサ「おや」
ロレンス「…え?」
エルサ「奇遇ですね。本当に」
エルサ「つい先日、同じ台詞を交わした気がします」
ロレンス「…ええ。お久しぶりです、…と言うにはあまりにも早い再会だ」ハハ
ロレンス「どうもこんばんは、エルサさん」
224: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:05:00.54 ID:s/jmLnbMo
エルサ「…では、単なる偶然ということですね」
ロレンス「そのようです。コルの様子は?」
エルサ「…彼は本当に優秀で真摯な者です。私が彼に学ぶことも少なくありません」
エルサ「じきに立派な聖職者になるでしょう。心配いりません」
ロレンス「それは何より」
225: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:06:22.91 ID:s/jmLnbMo
トントントン
ロレンス「エルサさんたちは、まだしばらくここに?」
エルサ「ええ。そうですが」
ロレンス「では、また明日にでも挨拶に行かせて下さい」
エルサ「…今もきっと、彼は起きて勉学に精を出しているところだと思いますよ」
エルサ「もうお一方は、すでにいびきをかいているころでしょうが」
ロレンス「いえ。残念ですが今日はもうホロが休んでいます」
ロレンス「…彼女を置いて私だけ、というわけには」
エルサ「…そうですか」
226: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:07:14.32 ID:s/jmLnbMo
エルサ「どうやらまだ、私から改めてロレンスさんに」
エルサ「神の教えを説く必要はなさそうですね。安心しました」
ロレンス「残念ですが」
エルサ「…」ニコ
ロレンス「…はは」
ロレンス「では、また」
エルサ「ええ。お休みなさい」
227: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:09:00.74 ID:s/jmLnbMo
・・・・・・
ホロ「…」
ホロ「くふ」
ホロ「…まったく、ぬしさまは…」ムニャ
ホロ「…たわけじゃ。しかしそんなたわけじゃから」
ホロ「わっちは安心して眠ることができそうじゃな…くふふ」
ホロ「…すー…」
228: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:10:12.48 ID:s/jmLnbMo
キィ
ロレンス「…ただいま」
ホロ「…」スヤスヤ
ロレンス「…もう眠っているのか」パタン
ロレンス「本当に疲れていたんだな…旅の疲れも癒えていなかったろうに、悪いことをしてしまった」
ロレンス「…ん?」
229: ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:11:01.25 ID:s/jmLnbMo
パタパタ
ホロ「…♪」
ロレンス「…寝ながら尻尾を振るとは、器用な奴だ」ハハ
ロレンス「よほどいい夢でも見ているのか」
ポスッ
ロレンス「…」
ホロ「…くふふー…」ムニャ
ロレンス「…はは。いい顔をしている」
230: 今回の投下分は以上です。 ◆5elc53sAMI 2013/02/26(火) 19:14:37.94 ID:s/jmLnbMo
ナデナデ
ホロ「…♪」
ロレンス「お休み、ホロ」
233: 続き。 ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:12:05.68 ID:n1O0ui1DO
ホロ「…んむ」パチ
ロレンス「…くー…」
ホロ「…」チカイノ
ホロ「…くふ」
ギュ
ホロ「(もう少し、こうしておるかの)」
234: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:13:16.54 ID:YFNWbLxLo
コンコン
ロレンス「…ん…」
ロレンス「…はい」
キィ
コル「失礼します。ロレンスさん、ホロさん、お久し振りで…す」
ロレンス「…ああ、コルか」ウーン
ロレンス「やあ、久し振りだな。元気にしていたか?」
コル「は、はい」
コル「あの、お邪魔でしたでしょうか…」
ロレンス「え?」
235: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:14:43.43 ID:n1O0ui1DO
ギュ
ホロ「…」
ロレンス「…」
ロレンス「…いや。そんなことはない」
ロレンス「おい、ホロ。朝だぞ。それにコルが来てくれた」
ホロ「…んむ?」
ホロ「おお、ぬし様じゃ。おはよう」ムクッ
236: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:16:40.68 ID:YFNWbLxLo
コル「あの、ホロさん。お久し振りです」
ホロ「…?」
ホロ「おお、コル坊かや! 久し振りじゃなっ」バッ
タタッ
ワシワシ
コル「わ…」
ホロ「元気にしていたかや?」
コル「は、はい。おかげさまで…」
ロレンス「(…久し振りの光景だな)」
______
ト---‐‐=ァ: : ´: : : : : : : : ` : 、__
マ≧x/: : : : : : : : : : : : : : : : \ ` 、
_ >: : __ : : : : : : : : : : : : : : : : : : . \ ´ ̄ミ: 、
`7 : : : : : : :ミ、: : : : : : : : : : : : : : : . ヽ ): }
__//: : :\: : : : : : \: : : : : : : : : : : : : :\ } //
^'ミ≧: : :\: `≠x≧ミ、: : : : : : \ : : : : : : : \ .ノ //
;i: : : ヽ〔 ̄爪:.rヘ }}\: : \: : \ : : : : : : : `≧=‐―=彡 . -‐=ミ
八: :i、ト「 ヽン′ ヽ : : \: : \: : : : : : : : : : : : …‐―‐‐‐‐< \
ヽ|、 __ '""´ }i: : : : `: : : `≧=‐―‐‐―: ―: : ‐‐―: ミ: `: : .、
i| バヘ,} 八: \: : : : : : : : : : : : : : : : : ___: : : : : : : \: : : \
小: : . 〈  ̄} 〉、: ミ=―: ‐‐: : : : <:マ´ `ヽ:、: : : : : : : : :ヽ
/ |:i:{: 八 〈{ ノ、_,x爻 ‐‐―ァ≦ニ、: : : ヽ:\ ハ\ : : : : : : : : .
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八! riヘ\\〕´ __彡' / ヽ: : : \ : . |: | i: : : : : : : |;
〕j 、 \ヽ ,, x爻´{{. / i: : : : . ヽ: . |:! !: : : : : : : !:!
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| '. {爻乂 }} 、 . |: : : : :| }| .ノ' /: : : : : : / }
v '. ∨ }} ,从, i } | |: : : : 八 .ノ′ / : : : : /
ロレンス「(それに、コルに再会できて、ホロが嬉しそうで何よりだ)」
237: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:18:04.98 ID:n1O0ui1DO
コル「それで、その」//
コル「お二人を昼食にお誘いしたらどうかと、エルサさんが」
ロレンス「そうだったか」
ロレンス「しかしすまないんだが、昨日手をつけなかった食事が残っていてな」
コル「あ、そ、そうでしたか」ショボン…
コル「でしたら、また別の機会に…」
ロレンス「いや。なので」ゴソ
238: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:18:41.38 ID:YFNWbLxLo
ロレンス「これで三人分の食事を買って来てくれないか」
ロレンス「お二人がよければ、ここで食事にしよう」
コル「え!」
ホロ「おお。気前がいいの」ラシクナイ
ロレンス「らしくないとは何だ。…ほら、コル」
コル「い、いえ申し訳ないです。僕、そんなつもりで来たのでは…」
239: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:20:19.98 ID:n1O0ui1DO
ロレンス「はは、気にするな。俺も元気そうなお前を見れて嬉しいんだ」
ロレンス「それに、もし申し訳ないと言うならその分別れてからの話をしてくれればいい」
ロレンス「俺もホロも、お前があれからどれだけ成長したのか楽しみにしていたところだ」チラ
ホロ「…くふ、そうじゃな」
ホロ「酒場じゃと周りが騒がしい。わっちも、コル坊の話は部屋でゆっくりと聞きたいでありんす」
240: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:20:53.46 ID:YFNWbLxLo
コル「で、では」
コル「ありがとうございます。お言葉に甘えまして」
ロレンス「ああ」
コル「すぐに戻って来ますので、待っていて下さい」バタン
ロレンス「…」
ロレンス「ついて行かなくてよかったのか?」
ホロ「ん?」
241: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:22:19.94 ID:n1O0ui1DO
ロレンス「いずれにしても、今回コルといる時間はそれほど長くないと思うが」
ホロ「…そうじゃな」
パッ
…ハグハグ
ホロ「どうせ長くいられぬのなら、あまり深く思い入れぬ方がよい」
ロレンス「…」
ホロ「とか。そんなたわけたことを考えておるわけではありんせん」
242: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:27:34.44 ID:n1O0ui1DO
ホロ「ただ」
ロレンス「…ただ?」
ホロ「…今こうして再会できた」
ホロ「そう思うと、いずれまたすぐ別れるとしても、その次の再会もそれほど先ではなさそうじゃ」
ホロ「…じゃから、…気負うこともないかと思っての」ハグハグ
ロレンス「…そうだな」
ホロ「…」ハグハグ
ロレンス「…」
ナデナデ
ホロ「む」
243: 次回へ続く。 ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 00:29:37.21 ID:YFNWbLxLo
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. ,' i l l l /l| lハ、」ヽ
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l l lヽ、._ ヌ」 丶、_
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ホロ「ぬしよ、今わっちのことをひどく子ども扱いしてはいないかや」
ロレンス「いや? そんなことはないさ」ナデナデ
ホロ「…まあよい」
ホロ「よいから、…撫でる手はとめるでない」
ロレンス「はいはい」
ナデナデ
ホロ「…」ハグハグ
247: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 13:33:15.24 ID:BaMCe4Kfo
☆とくに意味のない単発ネタ
* 舞台3(現代×いつものわっち)
248: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 13:33:52.09 ID:BaMCe4Kfo
トントン
ホロ「…♪」
ロレンス「…」
ホロ「…」
ホロ「ぬしよ、わっちのことをじーっと見ていても」
ホロ「料理が出来る速さは変わらないでありんす。大人しく待っていてくりゃれ?」
ロレンス「ああ、そう言うつもりではないんだが…」
ロレンス「髪が長いと、料理、し辛そうだなーなんて」
ホロ「…んむ?」
249: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 13:34:57.47 ID:BaMCe4Kfo
ホロ「それは暗に、髪を切ってしまえと言っているのかや?」
ロレンス「ああ、いや。違う違う」
ロレンス「…束ねてみたらいいんじゃないか、と」
ホロ「…」
ロレンス「…」ハハ…
ホロ「ふむ。まあ、ぬしが見たいというのなら、そうしようかの」
シュル
250: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 13:36:31.88 ID:BaMCe4Kfo
ト-、,
l、: : :``ヽ、, __
. l! `、: : : : : `'''ー‐-、, ,、ィ'"´:.:`ヽ
,、ィ'´:.``'ー: : : : : : : : : : :``ヽi!、: : : : : :: :`、
______,、ィ": : : : :: : : :ヽ: : : : : :\: : : : :ヾj、: : : : : ヽ:.'、
ヽト、:.: : .:./: : : : : : : : : :.|: : `、: : : : : : '、: : : : :.ヾj: : : : : ヽ:.'j,
. \`'、:/: : : : : : :: : 、|:.|: : 、:`i: : : : : : :.i!:. :/:.:.l!: : : : :l: :ヽ:.',
\/: : :.:|: : :.l:i!: :.:ト:|: :、ヽ:.l: : : :: : :.:|/: :/: :|: : :. :.:|: :: ト、:l!
l:..|: l: :|!: : :|:.l: : :l:l、:i.、:`、:|: : : : : :.|: ://!:.|: : : : :.|: : :| |:.|
. |:.|:.|: :|.、: : :ト、l|:::| `、!`ー'_|: : : : : :|: : ://: |: : : : :.|: : :| |:.|
. |:.|:.:|: |. ヽ: :'、`ー'' r'cテモ!リ!: : : : :|: : : :/:/:.|: : : :.|: : :| |:.|
|||:.:ト、! ``'´ イヽひリノ|: : : : :|: : : :./: :|: : : :|!: : :|/:/
. | ト、:|r'cョェ、 `''''´ .|: : :.|: |: : :./|: : |: : :: |: : :.|:./
. |:.ト,弋ひ! |: : :.|:.|!: :/ |: :.|: : : :|: : :.|/!
|!: `、. ̄ i |: : :.|/'、/ 7: :.|: : ::.|: : :.| |!
|!|: :.'., _,ィ |: :: / `、_//|: : : : .|: : : | .|!
|! |: .:.:.'、 ー''´ イ: : :| _、ィ'´:::::∧ : : : |: :|: :l |!
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. |! |: : :.ト、 / _,、ィ'´ |:::::::::::::::::| : : : : |: : : : ト、:`、
ホロ「…ん」
ホロ「これでどうかや?」
ロレンス「…」
ホロ「…なんじゃ、黙ってしまったらどうか分からんじゃろ」
ロレンス「…」
ホロ「こ、これぬしよ! 黙って見るでない! 何か言いんす!」//
ロレンス「(言うまでもないです!)」
* 単に ポニテなホロさんが 見たかっただけ END
257: ☆とくに意味のない単発ネタ。 ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 18:33:01.17 ID:BaMCe4Kfo
☆キャベツ太郎って量多いよね
* 舞台4(現代×幼いわっち)
258: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 18:33:40.77 ID:BaMCe4Kfo
ボスッ
ロレンス「ぐえっ」
ほろ「ぬ、ぬしさまよ…」ブルブル
ロレンス「ホ、ホロ…どうかしたのか…てて」
ロレンス「怖い夢でも見たのか?」
ほろ「…」コクン
ロレンス「はは。そうか」
ロレンス「じゃあ同じ布団で寝るか」ヨシヨシ
ほろ「んむ…」
259: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 18:34:27.99 ID:BaMCe4Kfo
モゾモゾ
ほろ「くふふ」
ロレンス「…」ナデナデ
ロレンス「ちなみに、どんな夢だったんだ?」
ほろ「う、うむ」
ほろ「おもいだすのもおそろしいがの…」ブルブル
ロレンス「あ、ああ。無理はするな」
ほろ「きゃべつたろうのゆめじゃ」
ロレンス「…ん?」
260: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 18:35:42.42 ID:BaMCe4Kfo
ほろ「た、たべてもたべてもへらんのじゃ」
ロレンス「…ほお」
ほろ「どうしてもへらんからの」
ほろ「こう、ぜんぶ口にかき込もうとするとの」
ロレンス「…すると?」
ほろ「あふれ出てきたきゃべつたろうに、わっちが飲み込まれてしまいんす!」
ロレンス「だからどうした」ポイッ
ほろ「ぬわー」ゴロン
ほろ「ぬ、ぬしさまよ! わっちをひとりにしないでくりゃれ!」ワタワタ
ロレンス「…だから小さいのにしとけって言ったのに」ハア
* キャベツ太郎は 小さいので 十分だね! END
266: >>243 からの続き。 ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:19:19.22 ID:BaMCe4Kfo
ペロ
ホロ「さて、昼食も済んだ」
ホロ「ぬしよ。今日わっちはコル坊に、ついて行こうと思うんじゃが」
ロレンス「ああ、いいんじゃないか。俺も今日は宿でのんびりするつもりだったからな」
ル・ロワ「昨日の続きはよろしいのですかな」
ロレンス「ええ。何かあれば宿に小僧を走らせると商会には言われています」
ロレンス「幸い、今回に関しては…あとは鷹揚に構えていればいいようです」
ル・ロワ「それは重畳なことだ!」
ル・ロワ「とはいえそれも、ロレンスさんの手腕があってこそでしょうな」ウンウン
ロレンス「…あまり、買い被らないで下さい」ハハ…
267: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:20:32.36 ID:BaMCe4Kfo
ホロ「そうじゃな。安易におだてておると、ぬしはすぐに足元を見失ってしまいんす」
ホロ「わっちの手が必要になればすぐにでも呼び戻すとよい」
ロレンス「ああ。分かったよ」
ホロ「んむ。よい返事じゃ」
ホロ「ではコル坊、行こう」パッ
コル「は、はい」
コル「…あの、エルサさんは」
エルサ「私も、今日は宿にいようと思います」
ホロ「…」
268: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:21:40.72 ID:BaMCe4Kfo
エルサ「気を使っているわけではないので、ご心配なく」
ホロ「…いや、まあ。そう言うわけではないがの」
エルサ「?」
ロレンス「…はは」
ホロ「まあよい。では行って来るでありんす」
コル「い、行って来ます」
ロレンス「ああ、気をつけて」
バタン
269: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:24:10.22 ID:BaMCe4Kfo
・ ・ ・ ・ ・
コク
エルサ「それは?」
ロレンス「昨日頂いた葡萄酒です。人に渡すものだけあって、上等なものですよ」
ロレンス「エルサさんもよかったら」
エルサ「…いえ、私は…」
270: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:25:47.59 ID:BaMCe4Kfo
ル・ロワ「おっと、よいではないですか」
ル・ロワ「たまにはこうした安らぎの時間も必要です」ゴソ
ル・ロワ「…こうして、酒にはお誂え向きなつまみもあることですし」
ロレンス「いいんですか?」
ル・ロワ「もちろん。私は、ロレンスさんには到底お返しできないほどの借りがあります」
ル・ロワ「今回はごく些細な善行ですが」
ル・ロワ「それを少しでもお返しする機会が、こうしてすぐにでも巡って来たこと、神に感謝しているところです」ハハ
271: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:27:26.50 ID:BaMCe4Kfo
ロレンス「つまみの提供が善行とは驚いた」
ロレンス「神に仕える方がいるこの場で、そんなことを口にして大丈夫なのか心配ですが」チラ
エルサ「…もうこの方の軽口には慣れました」ハア
エルサ「でなければ、とてもこれまで旅を続けることなんてできません」
ロレンス「はは、その通りかもしれない」
ル・ロワ「私ほど神に素直な者もいないと自負しているのですがなぁ。ああ残念だ」
エルサ「…」クス
272: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:28:04.90 ID:BaMCe4Kfo
コク
エルサ「…ん」
エルサ「確かに。とても美味しいです」
ロレンス「それはよかった」ニコ
ル・ロワ「…よい時間ですな」
ロレンス「ええ」
ロレンス「旅する身としては、やはりこうした時間に焦がれてしまう」
273: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:29:17.49 ID:BaMCe4Kfo
エルサ「…それでもロレンスさんは、旅を続けるんですね」
ロレンス「え?」
エルサ「私がこうして旅に出ているのは、当然そのように望んだから」
エルサ「そしてそれは、目的と、意思があってのことです」
ル・ロワ「でなければ、これほど敬虔な私と旅を続けることはできない。ですな?」
エルサ「…ふふ、そうですね」
ル・ロワ「おっと! そこで頷かれてしまうと痛い」
ロレンス「はは…」グビ
274: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:31:34.34 ID:BaMCe4Kfo
エルサ「ん…」コク
エルサ「…しかしロレンスさんは、私とは違います」
ロレンス「行商人ですからね。旅をしないわけにはいかない」
エルサ「ええ。ですが今のあなたには、もうお店を構えるくらいの余裕はあるのではないですか」
ロレンス「…どうでしょうね。…はは、参ったな」
ロレンス「今回まだ私は、何か教えを乞わねばならないようなことはなにもしていないつもりですが」
275: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:32:09.27 ID:BaMCe4Kfo
エルサ「いえ。ただ、私が気になっただけで…」フラ
エルサ「…そんなつもりでは」
ル・ロワ「おっと」
ガシッ
エルサ「…」スー…
ル・ロワ「おやおや。彼女らしくもない」ニコニコ
ロレンス「…そうですね」
276: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:34:04.74 ID:BaMCe4Kfo
エルサ「…」スー
ロレンス「きっと疲れていたんでしょう」
ロレンス「いや…それ以上に、不安だったのかもしれない」
ル・ロワ「不安、ですか」
ロレンス「旅に心の病はつきものです」
ロレンス「それこそ、敬虔なル・ロワさんには縁遠いことかもしれませんが」
ル・ロワ「ふふ。褒め言葉として受け取っておきます」
277: ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:34:55.12 ID:BaMCe4Kfo
トントントン
ロレンス「…まあ、今は」
ル・ロワ「ええ。こうして静かに休ませてあげることですな」
バンッ
ホロ「ぬしよー、戻った」
ロレンス「…」シーッ
ホロ「で、ありんす…」
ホロ「…ふむ」
エルサ「…」スー
278: 続く。 ◆5elc53sAMI 2013/02/27(水) 20:37:15.17 ID:BaMCe4Kfo
ホロ「なんじゃ、らしくなく可愛らしい寝顔じゃな」
ホロ「この娘も、難しい顔をせずいつもこうしておればいいのにの」
ロレンス「…まあ、確かに」
ホロ「む。そんなに簡単に同意するものではありんせん、このたわけ」
ロレンス「…おいおい、理不尽だな」
ル・ロワ「ははは! 今のはホロさんが正しいと私は思いますが」
ロレンス「なっ」
コル「み、みなさん。もう少し静かに…エルサさんが起きてしまいますよ」
ワイワイ
エルサ「…」ムニャ
エルサ「…ふふ」
282: 舞台4 現代×幼いわっち ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:44:47.74 ID:lA57G81Qo
*ある日のこと。
ロレンス「ごほっ」
ピピッ
ほろ「…む」
ほろ「よくわからんがこうねつのようじゃな」
ロレンス「よく分からないなら貸せ」ヒョイ
ロレンス「(38.2℃か…確かに高熱だ。妙にしんどいと思ったら)」
ロレンス「けほっ」
ほろ「…ぬしさまよ、だいじょうぶかや…?」
283: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:45:23.58 ID:lA57G81Qo
ロレンス「心配するな。すぐに治すさ」
ロレンス「だからそう不安そうな顔をしないでくれ」ナデナデ
ほろ「…うむ」コク
ほろ「ゆっくりと休むとよい。きょうはわっちがかんびょうをするからの」
ロレンス「はは、それはありがたいな」ケホッ
ロレンス「…そうだ、水を取って来てくれないか」
ほろ「お安いごようじゃ」タタッ
284: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:46:04.35 ID:lA57G81Qo
ほろ「ほれ、ぬしさまよ! 水をもってきたぞ」
ほろ「…ぬしさま?」
ロレンス「…」ウーン
ほろ「…くるしそうじゃな」
ほろ「ぬしさまよ、しぬでないぞ」
ロレンス「…」
ほろ「…ぬしさまのために、なにかわっちにできることはないかの…」
285: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:46:53.08 ID:lA57G81Qo
・ ・ ・ ・ ・
ロレンス「…ん…」パチ
ほろ「…」ペラ
ほろ「む」
ほろ「おお、ぬしさまよ! 目がさめたかや。ちょうしはどうじゃ?」
ロレンス「…ああ。まだ少しぼーっとするが…さっきよりはずいぶん楽になった」
ほろ「それはよかったでありんす」
ロレンス「ホロは、…ずっとそこにいたのか?」
286: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:47:39.80 ID:lA57G81Qo
ほろ「ずっとというわけではないが」
ほろ「わっちがそばにおらんと、ぬしさまがさみしがってしまうからの」
ロレンス「…この」
ロレンス「いや、そうだな…ありがとな、ホロ」
ほろ「くふ。よいのじゃ!」
ほろ「わっちはぬしさまのことが、じぶんと同じほどにたいせつでありんす」
287: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:49:06.39 ID:lA57G81Qo
ほろ「そうじゃ。おなかは空いておらんか?」
ほろ「かゆが作ってある」
ロレンス「え、まさかホロが作ったのか」
ほろ「…いやノーラじゃ」
ほろ「なんじゃぬしさまよ。わっちがつくったかゆではふまんかや?」
ロレンス「ち、違う違う」
ほろ「ふん。わっちもてつだったんじゃからな!」
ロレンス「…どんな風に手伝ったんだ?」
ほろ「しおをふった」
ロレンス「どうコメントすればいいんだそれは」
288: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:49:48.76 ID:lA57G81Qo
ロレンス「(というか、またノーラさんに借りができてしまった…)」
ほろ「ふー、ふー」
ほろ「ほれ、ぬしさまよ。口をあけてくりゃれ」
ロレンス「…自分で食べられるって」
ほろ「なにを言っておる! ぬしさまはびょうにんじゃ」
ほろ「ゆびいっぽん動かしてはならんのじゃ!」
ロレンス「どんな病気だ」
ほろ「あーん」
ロレンス「…あーん」
289: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:50:44.69 ID:lA57G81Qo
モグモグ
ロレンス「…おいしい」
ほろ「それはよかった」ニコ
ほろ「ほれ、もうひとくちじゃ」
ロレンス「あーん」
ロレンス「(くそ、ホロ相手なのに思ったより恥ずかしいぞ、これ)」
ほろ「なんだか、いつもとぎゃくのようで楽しいの♪」
290: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:51:18.19 ID:lA57G81Qo
ロレンス「ごちそうさまでした」
ほろ「うむ。ごはんが食べられたならひとあんしんじゃな」
ほろ「そうするとくすりのじかんじゃ」
ロレンス「薬は自分で飲めるからな」
ほろ「そうかや? では、ほれ」
291: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:53:10.71 ID:lA57G81Qo
ロレンス「…あれ、こんな薬うちにあったか?」
ロレンス「ずいぶん毒々しい色をした粉薬だが…」
ほろ「かぜに効くくすりをディアナにおねがいしたのじゃ!」
ロレンス「(それはアカン)」
ロレンス「よりにもよってディアナさんか…」
ロレンス「飲んだら爆発したり、しないよな?」
ほろ「なにをたわけたこと言っておるんじゃ」
292: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:54:03.89 ID:lA57G81Qo
ほろ「ほれ、ぐいっと行きんす」
ロレンス「お、おう」
ロレンス「…」グイッ
ロレンス「! ぐふっ」バタッ
ほろ「…なんじゃ、また寝てしまいんす」
ほろ「まあ、かぜは寝るのがいちばんとディアナも言っておったしの」
ロレンス「…」チーン
ほろ「くふ、先ほどのようにくるしんではいないようじゃし」
ほろ「ゆっくり休んでくりゃれ、ぬしさまよ」ナデナデ
293: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:54:58.06 ID:lA57G81Qo
―――後日
ピンポーン
ノーラ「はーい」ガチャ
ロレンス「どうも、こんばんは」
ノーラ「あ、あら。ロレンスさん」パタパタ
ノーラ「もうお身体はよろしいのですか?」
ロレンス「ええ、おかげさまで」
ロレンス「その、先日はホロが押しかけるようなことをしてしまって…ご迷惑をおかけしました」
ノーラ「とんでもないです。困ったときは、お互い様ですから」ニコ
294: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:56:00.51 ID:lA57G81Qo
ロレンス「そう言って頂けると幸いです」
ロレンス「しかし、ノーラさんには助けられてばかりだ。また何かお返しをしないといけませんね」
ノーラ「お、お気になさらず。好きでやっていることですから」
ロレンス「いやいや、まあ私の気が済まないと言うだけのことですが」
ノーラ「…」
ノーラ「…お返しなんて、…こうしてたびたび会えるだけで…」ボソ
ロレンス「…ノーラさん?」
/ \
〈 ヽ
ノヘ |
', } | |
|' ハN l| | |
|∧|ミ} l | | ;
} }刈ノ ' イ
ノ / 厶 /}ノ
ヽ/' /fう} /
/ / / 人 \ i イ
/ .イ /|/ `ー-ミ _j_j_;∠ノ_
{/ |/丁≧x ∨/ノ ー-ミ
//:::::::::∧ \ ) )
_ {'::::::::::/ j ∧ 〃/
/ V´{/ /:::::V/
/ \_〉 {\ -‐:::::::::::::/\
l \ } ノ\_>:::::::::::::::::::::::/ ヽ
| ヽソィ-‐::::::::::::::::::::::::::/ }
「い、いえ。何でもないです」
295: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 13:57:48.33 ID:lA57G81Qo
ノーラ「…」
ロレンス「…」
ロレンス「…」ゴホン
ロレンス「あ、あのですね。ノーラさん」
ノーラ「はい?」
ロレンス「…その、…今回は少し別ですが」
ロレンス「ノーラさんのお料理は、いつもおいしく頂いています。なので」
ロレンス「…また作って頂けると、とても嬉しいなと」
ノーラ「…!」
, '" 丶
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. / ′ / /i \ ヽ
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7' / / / / \ i i
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「は、はい! 喜んで」
*終わり
305: >>304 同人ならけっこう絵うまいやつあるよね。 ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:14:25.44 ID:LzStUc1DO
ロレンス「ホロー、そろそろ買い物に行くか」
ほろ「んむ。りょうかいじゃ!」
ロレンス「…お、何を描いていたんだ?」
ほろ「ひつじじゃ」ジュル
ロレンス「…動物の絵を描いてよだれを垂らすなよ」
ロレンス「あと、ノーラさんの前でお前は羊の絵を描かないように」
ほろ「なんでじゃ?」
ロレンス「何でも」
306: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:16:45.79 ID:VoQ6qwHno
ロレンス「なにか食べたいものはあるか?」
ほろ「ひつじ!」ハイッ
ロレンス「条件反射かよ」
ロレンス「…羊の肉って、スーパーに売っているのか…?」
ロレンス「…羊は保留。それ以外で希望を聞こう」
ほろ「ぶーっ」
307: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:18:44.64 ID:LzStUc1DO
ほろ「ではカレーがよいの」
ロレンス「カレーか」
ロレンス「…別にいいけど…お前、飽きないのか?」
ほろ「む?」
ロレンス「週に一度は食ってるよな、カレー」
ほろ「おいしいからの。おいしいものはあきぬ」
ロレンス「お前のそのなぞの説得力はなんだろうなぁ」
308: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:19:41.76 ID:VoQ6qwHno
ロレンス「ほら」
ほろ「んむ。むむ、…」ググ
ほろ「ほっ」ガチャ
ロレンス「うん、戸締りよしっと。じゃあ行くか」
ほろ「うむ!」
309: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:21:49.00 ID:LzStUc1DO
タタッ
ロレンス「もう五時過ぎだけど、すっかり日が長くなっちまったな」
ほろ「あそべるじかんが伸びるのー」
ロレンス「ポジティブだなぁ」
ロレンス「季節が変わる感じがして、俺はちょっとさみしいなぁ」
ほろ「くふ、ぬしさまはなき虫じゃの」
ロレンス「泣いてないです」
310: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:22:39.38 ID:VoQ6qwHno
ウィーン
ガラガラ
ほろ「ほれ、カートじゃ」
ロレンス「…おう」
ほろ「のせてくりゃれー」
ロレンス「はいはい」
ほろ「んむ! しゅっぱつじゃー」
ロレンス「何だお前」
311: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:25:09.41 ID:LzStUc1DO
ペイッ
ほろ「あうっ」
ロレンス「自分で歩きなさい」
ほろ「むぅ、ぬしさまはいじわるじゃ」
ロレンス「いじわるでけっこう」
ロレンス「ほら」つ
ほろ「…む」
ほろ「し、しかたないの。ぬしさまがそうしたいと言うなら」
ほろ「わっちも、手をつなぐことはやぶさかではありんせん!」
ロレンス「早く行くぞー」
ほろ「ああ、待ってくりゃれー!」トテトテ
312: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:27:14.32 ID:VoQ6qwHno
ギュ
ほろ「♪」
ロレンス「ルーはうちにあるからな。野菜と肉か」
ほろ「あとはおかしじゃな!」
ロレンス「…キャベツ太郎?」
ほろ「き、きょうはグミにするでありんす」
ロレンス「はは」
313: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:29:48.98 ID:LzStUc1DO
ほろ「ひつじのにくはないかやー」
ロレンス「ジンギスカンかぁ」
ロレンス「臭いけどおいしいんだよな。ホロが言ってるうちに俺も食いたくなって来た」
ほろ「おお。さすがぬしさま、くうきのよめる男じゃ」
ロレンス「…喜んでいいのかそれ」
ロレンス「まあ、また今度な」
ロレンス「…そう言えばジンギスカンって、あの鍋は不可欠なんだろうか…」
ガシャン
ロレンス「ん?」
314: ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:31:25.11 ID:VoQ6qwHno
ノーラ「…あの」
ロレンス「あ…ノ、ノーラさん」
-━─ ,
ト.__ ., ' ´ ' : , ´ ' ,
乂,:' \_
-=二 ,:' / =-
/,:'/ / ,:' ノ 人 ':,
i!/ / ,:' /ノ ハ :i:::... ':,
,:':. {: 斗==≠- ´ :i /,:'::::... i!
/ ,:' | /_. ,',:' :' /ミ\:::.. i ',
/ ,: 'i :| ,:'''テミ,ヽ / ー,: 丶|:::.. | i!
/ // /.:::::i/γ;;;ハ冫゙ ,:''''''テミ,|,:'/:: ,' ,'
/イ // 人弋:::ツ , γ;;:::::ハ 冫/:: / !
/ /イ / i ´¨  ̄ , 弋::ツ ノ,:': /':, (
リ| /':, ', ′  ̄¨` / ,' :l )
i | /. 八 ` /イ: 八乂 /
ト.,__从|ー┬ \ ‐ 、 // (-┐\i
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ノーラ「…ロレンスさん、今羊を食べる話を…?」
ロレンス「い、いやその」
ノーラ「…私」ウルウル
パッ
ノーラ「ご、ごめんなさい。私ちょっと…」
ノーラ「き、今日はこれで失礼しますね」タッ
ロレンス「ノ、ノーラさーん!」
ほろ「おお、なんだかひるどらみたいじゃの!」ワクワク
315: 続く。 ◆5elc53sAMI 2013/02/28(木) 20:34:43.27 ID:LzStUc1DO
カラカラ…
ロレンス「…やってしまった」ガク
ほろ「まーあまり気にするでないぞ。ぬしさまよ」ポン
ロレンス「くっ、お前に慰められるのか…」
ロレンス「ま、まあ確かにそうだ。済んだことは気にしても仕方ない」
ほろ「うむ! その通りじゃ、それでこそぬしさまじゃ!」
ロレンス「羊はもう当分なしな…」
ほろ「!?」
319: >>318 乙あり。 ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:28:40.60 ID:9Vl44liho
ほろ「そうじゃ」ピーン
ほろ「ぬしさまよ、かぎをかしてくりゃれ」パッ
ロレンス「ん? そりゃいいが」ハイ
ほろ「うむ。さきに行ってるでありんすー」
タタッ
ロレンス「…何だ、一体」
ロレンス「…トイレか?」
320: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:30:35.19 ID:9Vl44liho
prrrrrr
ロレンス「おっと」ピッ
ロレンス「はい、もしもし」
??『デリカシーがないですね!』
??『やはりホロちゃんのことはボクが一番』
ロレンス「黙れ変 」ピッ
ロレンス「くそ、 コンの声を聞いたら気分が悪くなってしまった…まったく」
321: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:36:03.52 ID:9Vl44liho
キィ
ロレンス「ただいまっと」
ほろ「おかえりじゃ!」パッ
ロレンス「…おう」
ロレンス「お前もしかしてそれを言うために?」
ほろ「…」エヘヘ
ロレンス「…この」
ナデナデ
ロレンス「うん、ただいま」
ほろ「んむ!」
322: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:36:41.40 ID:9Vl44liho
ガサッ
ロレンス「よし。じゃあさくっと作ってしまおう」
ほろ「おー、じゃ」
ほろ「…わっちは待っておればよいかの?」
ロレンス「…それでもいいけど、そこは手伝おうかくらい聞くところだろう」
ほろ「買いものでつかれてしまったのじゃ!」
ロレンス「元気だな」
ほろ「うむ!」
ロレンス「…何だか、お前の将来が心配になって来たよ」
ほろ「む?」
323: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:37:13.46 ID:9Vl44liho
ほろ「…」グシグシ
ロレンス「本当に眠たいなら待っててくれてもいいぞ」ガサ
ロレンス「まだお前に包丁を持たせるのは怖いしな」
ほろ「…んむ」
ほろ「くふ。あいかわらずぬしさまはかほごじゃ」
ロレンス「まあな」
ロレンス「だが、今の内に睡眠を取ると夜眠れなくなる。昼寝はほどほどにな」
ほろ「…はあくしたでありんす」
ロレンス「武士みたいな口調だな」ハハ
ほろ「ではお休み」パタ
ロレンス「…何を把握したんだ、おい」
324: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:38:04.07 ID:9Vl44liho
・ ・ ・ ・ ・ ・
コトコト
ほろ「…ん」
ロレンス「お、目が覚めたか?」
ほろ「…うむ、…いいにおいじゃ」ボー
ロレンス「寝起きでも食べられそうか?」
ほろ「もんだいありんせん」
ほろ「わっちはけんろーじゃからなー」ムク、ドタッ
ロレンス「ソファから転げ落ちる奴には賢さのかけらもないな」
325: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:39:13.30 ID:9Vl44liho
ほろ「ルーは多めでの!」
ロレンス「はいはい」トプトプ
ロレンス「どうぞ。気をつけて持って行くんだぞ」
ほろ「はあくしたでありんすー」パタパタ
ロレンス「…今度は洒落にならないからな」
326: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:39:39.71 ID:9Vl44liho
ロレンス「では」
ほろ「いただきます!」
ロレンス「おあがり」
パク
ほろ「うむ! やはりカレーはバーモントじゃな!」
ロレンス「お前、パッケージだけで言っているだろ」パク
327: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:43:04.87 ID:9Vl44liho
カチャ
ほろ「もぐ」
,ィ、 ,ィ、 __, --、__
/:ヘ:l //i:l rー'´ ̄ `ー'⌒`ヘ
丶 ,.厶-'┴―'く,_}:{ ) みゅししゃみゃ、 }
_` /: :/: : i :ハ: : :i: `:ヽ 〈 わっちにみょ! }
{__ムレ:ハ{、}i_,:.{、:.:.:| } ノ
|:ノ○ ○┬:ト{:| _ノ‐´⌒ー'´`ヽ./⌒`ー'´ ̄
(`ヽ{''' 。ー'ーr' '' }.:.{:.: !
`くl`┬`竺r‐j-イ:..|:.:.{
|..:.トィ{ー'__}く.} :j:.:.:ヽ ト、
ヽl{/バ:..廴_,||:ハ:.:.:.|_ノz,|
|/ 辷::ノ|::.....:\j:.:.: ノ モグモグ
|!======'ヘ::..........}:/
ロレンス「こら。口に物を入れたまま喋らない、いつも言っているだろう」
ほろ「もぐもぐ」ゴクン
ほろ「わっちにもとってくりゃれ」
ロレンス「ああ、福神漬けが欲しかったのか」
ロレンス「はい」
ほろ「ありがとじゃ」カリカリ
ほろ「甘くておいしいの♪」
328: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:44:08.58 ID:9Vl44liho
ほろ「ごちそうさまでありんす」
ロレンス「お粗末さまです」
ロレンス「ほら、口の周りが汚れているぞ」フキフキ
ほろ「むむぐ」
ほろ「ぐふ。おなかいっぱいでありんすー、もう動けぬー」バタッ
ロレンス「お皿は自分で下げるんだぞ」
ほろ「…しかたないのう」ムク
ロレンス「何様だおい」
329: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:44:44.19 ID:9Vl44liho
・ ・ ・ ・ ・ ・
ほろ「さっぱりしたのー」
ロレンス「飯は食った、風呂にも入った」
ほろ「ぬしさまよ」
ロレンス「うん」
ほろ「ねむれそうな気がしないでありんす」
ロレンス「言うと思った」
ロレンス「…まあ仕方ないな」ハア
330: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:45:48.47 ID:9Vl44liho
ロレンス「そのうち眠たくなるだろう」
ほろ「のう、ぬしさまよ」
ロレンス「何だい」
ほろ「そっちに行ってもよいかの?」
ロレンス「…構わないが」
ゴソ
ポスッ
ほろ「くふふ」
ほろ「あたたかいのー」
ロレンス「…俺を椅子代わりにするのか」
331: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:46:34.35 ID:9Vl44liho
ロレンス「なあ、こたつに重なって入っていたら暑くないか?」
ほろ「そんなことはありんせん」
ほろ「こたつがあたたかいのと、ぬしさまがあたたかいのは別じゃからの」
ロレンス「…そうかい」
ナデナデ
ロレンス「さすが、賢狼は言うことが違うな」
ほろ「くふふふー。まあの♪」
332: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:47:44.94 ID:9Vl44liho
ムキ
ほろ「ほれ。ぬしさま」
ロレンス「俺の分も剥いてくれたのか。ありがとう」
ほろ「うむ」
ロレンス「…」モグモグ
ほろ「…」モグモグ
ほろ「こたつのみかんは、りんごのつぎにびみでありんす!」
ロレンス「突然叫ぶな」ペシ
ほろ「あう」
333: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:49:45.27 ID:9Vl44liho
ほろ「…」モゾ
ロレンス「どうかしたか?」
ほろ「…な、なんだかへんな感じじゃな」
ロレンス「?」
/ ∧_r‐\
′ /ノハ⌒^ \
{ ___// . : : : : :\
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__ 斗 ‐-= ニ二 : : { . :.| {
____...二ニ =‐- : : : 八__,ノ: :| { /
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ほろ「わらうでないぞ」
ロレンス「…何が?」
ほろ「こう、いつもねむっておるじかんにこうして起きておるというのは」
ほろ「なんだかみょうに…もぞもぞするの」
ロレンス「…怖いのか、お前」
334: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:51:24.32 ID:9Vl44liho
ほろ「な、なんとなくじゃぞ!」
ほろ「…むう。ぬしさまー」ギュ
ロレンス「よしよし」ナデナデ
ロレンス「(可愛い)」
ロレンス「(っと、そんなこと言っている場合じゃないな)」
ロレンス「ホットミルクでも淹れてやろう」
ロレンス「温かい飲み物を飲むと、よく眠れると言うしな」
335: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:52:13.18 ID:9Vl44liho
チーン
ロレンス「ほら。気をつけて飲むんだぞ」
ほろ「うむ」コクコク
ほろ「…甘くておいしい」
ロレンス「あとでもう一度歯を磨かなきゃな」
ロレンス「…あ、そうだ」
ロレンス「ホロ、眠れないときには羊を数えるのがいいと言うぞ」
ほろ「?」コクコク
336: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:53:13.41 ID:9Vl44liho
ロレンス「羊が一匹」
ほろ「…ひつじがいっぴき」
ロレンス「羊が二匹」
ほろ「…ひつじがにひき」ジュル
ロレンス「…羊が三匹」
ほろ「ひつじがさんびき!」ダラダラー
ロレンス「お前はきっと何か間違っている」
337: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:54:00.63 ID:9Vl44liho
ほろ「む。何だかおなかいっぱいになってねむたくなって来たでありんす」
ロレンス「ミルクのせいだよな?」
ロレンス「まあ、どっちでもいいか。そのすきに寝てしまおう」
ほろ「うむ! ふとんにれっつごーじゃ」タッ
ロレンス「歯を磨きなさい」ガシッ
338: 今回投下は以上です。 ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 14:54:33.50 ID:9Vl44liho
ロレンス「電気消すぞ」
ほろ「うむ」
カチッ
ロレンス「お休みなさい」
ほろ「んむ」
ほろ「お休み、ぬしさま」
343: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:40:16.77 ID:2IDMyKHDO
舞台2 いつもの世界の、幼いわっち
ほろ「ひまじゃな」(>>43->>73) の続き
344: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:41:12.07 ID:WB7vOW2Oo
*二人は街を発ち、今は旅の道中…
ガラガラ
ロレンス「…」
ほろ「…」ゴロ
ロレンス「…」
ほろ「…」
ほろ「…ぬしさまよ」
ロレンス「どうした、ホロ」
ほろ「ひまじゃ」
ほろ「ひまで、わっちは死んでしまいそうでありんすー」
345: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:43:21.70 ID:2IDMyKHDO
ロレンス「…そうは言っても」
ロレンス「尻尾の手入れでもしていたらどうだ?」
ほろ「やりすぎもよくないんじゃ」
ほろ「むー、たいくつじゃー」ゴロゴロ
ロレンス「…いい子だから、大人しくしていてくれよ」
ゴロッ
ほろ「ぬわー!」
ロレンス「ホロー!」
346: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:45:03.47 ID:WB7vOW2Oo
ほろ「うう、ぬしさまぁ…」プルプル
ロレンス「荷台で転がっていて馬車から落ちる奴なんて初めて見たぞ…」
ロレンス「バカだろ、お前」
ほろ「バカなんてことはありんせん!」ガバッ
ほろ「このけんろうに向かってなんという言いぐさじゃ!」
ロレンス「さっさと戻らないと置いて行くぞ」パシッ
ヒヒーン
ほろ「なー! ま、待ってくりゃれ、ぬしさまー!」パタパタ
347: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:47:56.98 ID:2IDMyKHDO
ほろ「し、しぬかと思ったでありんす…」ゼェゼェ
ロレンス「はは、退屈は紛れただろう。よかったじゃないか」
ほろ「む。ひとごとのような言いかたをしおって」
ロレンス「他人事だからな」
ほろ「むー! ぬしさまのたわけー!」
ほろ「わっちはもうぬしさまのことなんて知らないでありんす!」
ロレンス「そうかい」
348: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:49:43.72 ID:WB7vOW2Oo
ガラガラ…
ロレンス「…」
ほろ「…」
ほろ「…ぬしさま」
ロレンス「何だ?」
ほろ「おなかが空いた」
ロレンス「パンが袋に入っているから、食べてもいいぞ」
ほろ「…あのかたいパンかや」
349: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:51:35.46 ID:2IDMyKHDO
ロレンス「何か文句でも?」
ほろ「きくまでもないじゃろ!」バッ
ほろ「…ふん」モグモグ
ロレンス「と、言いつつ口にするんだな」
ほろ「…うるひゃい」モグモグ
ほろ「…」カタイノ
350: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:53:27.11 ID:WB7vOW2Oo
ロレンス「ほら」つ水
ほろ「…む」
ほろ「…ありがと」
ほろ「…」コクコク
ほろ「ふぅ」
ロレンス「まあ、食事は我慢してくれ」
ロレンス「次の街に着いたら、何か美味いものを食わせてやる」
ほろ「…やくそくじゃからな」
ロレンス「ああ」
351: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:55:05.03 ID:2IDMyKHDO
ロレンス「だが退屈はどうにもならない」
ロレンス「ホロは旅は好きか?」
ほろ「…ぬしさまとたびをするのは好きじゃ」
ほろ「それに、いろいろなものを見ることができてたのしい」
ロレンス「そうだな」
ロレンス「だが、どんなことだって楽しいだけじゃない」
ロレンス「退屈だったり、思いがけない災難だったり」
ロレンス「旅の道中の苦労があるからこそ旅には報われるときが来るんだ」
352: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:56:57.68 ID:WB7vOW2Oo
ロレンス「だから、な」
ほろ「ふん」
ほろ「そんなこと、わっちにだって分かっておる」
ロレンス「…そうか」
\
i ,,,_ _,...,_ `〈⌒`ヽ、 「それでこそ、賢狼ホロだ」
| , r'~',', ;; ;;ヽ、;;!\\`、
|! /i! ,;; 、_,. - 、ィ'゙゙゙''、. `、 ! 'i_,.、- ‐''' ー - 、., 「…まあの」
{ ∧ r‐ '", |i. i i, 'i, _,. `ヽ、.,_
\..,,_ 〈 ',/i.. , ,,::. i'::' λ i 'i ,} _,. -. ' ´ `'`丶、
`\ヘ ', i!i.. |!: '|;.:' ' |:: i:::ヽ,ヽ !ヽァ'_,.:'´ 、 `ヽ、
ヘムi,.' `';i!: 、i::' |!: !ーイ } } 〉 _,.. ''" ャ- ,.、.,ヽ、
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`ーヽ. ',、 リi、_,|! //./ ,. ',. ' ´ __ 'i゙゙`
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/. /'´ ,.' ,. '" iァ'ii!|リ |!'´イ´' ト、
/ / ,.' ,. '' ゙ニ孑ノi!y'´ リ '、_
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ほろ「ぬしさまの言うとおり、わっちはけんろうじゃ。がまんくらい、できる」
ロレンス「そうだな」
353: ◆5elc53sAMI 2013/03/01(金) 23:59:27.44 ID:2IDMyKHDO
・ ・ ・ ・ ・
ほろ「…」ピク
ロレンス「…?」
ロレンス「ホロ、どうかしたのか?」
ほろ「うむ。ぬしさまよ、なにか」ニコ
ほろ「…いやな。においがするの」ハア
ロレンス「な、なんだなんだ。笑ったりため息をついたり、忙しい奴だな」
ほろ「ふん」プイ
354: ◆5elc53sAMI 2013/03/02(土) 00:01:45.88 ID:iYSEN2wAo
カラン…
ロレンス「…ああ。そう言うことか」
ロレンス「まあ、すれ違えばいいだけの話だ。そこで大人しくしていればいい」
ほろ「うむ…そうさせてもらう」ギュ
カラン…
355: ◆5elc53sAMI 2013/03/02(土) 00:04:23.46 ID:tM29Z+2DO
ザッ
??「…」
ロレンス「行商人の、クラフト・ロレンスと言います」
ロレンス「連れのホロがいますが、今は体調が優れないので、荷台で横になっています」
??「…」
ロレンス「…」ゴホン
ロレンス「あなたがもし正しく羊飼いであるなら、―――その正しい振る舞いを見せて頂きたいと思うのですが」
??「…」コク
??「…天の神の祝福により―――」
ロレンス「…?」
ロレンス「(この声、は…)」
356: ◆5elc53sAMI 2013/03/02(土) 00:06:02.59 ID:iYSEN2wAo
・ ・ ・ ・ ・ ・
ノーラ「ノーラ・アレントと言います」
ロレンス「改めまして。ロレンスと呼んで下さい」
ロレンス「(驚いたな…幼い少女の羊飼いとは)」
ロレンス「護衛の件ですが、少し連れと相談をさせて下さい」
ノーラ「は、はい。よろしくお願いします」ペコ
357: ◆5elc53sAMI 2013/03/02(土) 00:07:53.42 ID:tM29Z+2DO
ほろ「いやじゃ」ムス
ロレンス「…きっぱりだな」
ほろ「このけんろうがおっておおかみがおそって来るしんぱいをするほどよけいなことはありんせん!」
ほろ「それに…」
ロレンス「それに?」
ほろ「…たびのたいくつに加え、しょくよくまでがまんしろと」
ほろ「ぬしさまはわっちにそう言うのかや?」ジュル
ひつじ「「「め、めぇー」」」アカン
ノーラ「?」
358: ◆5elc53sAMI 2013/03/02(土) 00:08:58.84 ID:iYSEN2wAo
ロレンス「だからと言って、無下にするのも悪いじゃないか」
ほろ「ふん。ぬしさまはたわけじゃ!」
ほろ「そこまで言うなら好きにしてもよい、じゃがひつじの安全はほしょうせんからの!」
バウッ
ほろ「ひうっ」
ロレンス「…お?」
エネク「…」グルルル
ノーラ「こ、こら、エネク!」
359: ◆5elc53sAMI 2013/03/02(土) 00:11:38.79 ID:tM29Z+2DO
エネク「…」オジョウチャン
エネク「…」アンマリナメタコトイッタラアカンデ
ほろ「な、なんじゃおぬしは」
ほろ「わっちはけんろうじゃぞ。犬いっぴきにおびえるような…」
エネク「バウッ」
ほろ「…うぅ」
エネク「…」グルルル
ロレンス「はは、どうやら心配せずとも我慢しなくちゃいけないようだな」
360: ◆5elc53sAMI 2013/03/02(土) 00:14:28.26 ID:iYSEN2wAo
ほろ「…こ、こわいでありんす」ガクガク
ロレンス「よしよし」
ノーラ「ごめんなさい! お連れの方は、体調が優れないと仰っていたのに…」
ロレンス「お気になさらず、自業自得です」
ロレンス「ノーラさん。護衛のお話、お願いしたいと思うのですが」
ロレンス「(ホロは狼払いに自信あり気だったが)」
ほろ「…」ガクガク
ロレンス「(犬相手にこの様子じゃあ、それも疑わしいしな)」ハア
ノーラ「ほ、本当ですか!?」
ロレンス「ええ。ですが、見ての通り…」
361: ◆5elc53sAMI 2013/03/02(土) 00:17:56.35 ID:tM29Z+2DO
ほろ「…」ブルブル
ロレンス「連れはそちらの騎士を苦手とするようでして」
エネク「…」ナンヤオラ
ロレンス「彼には馬車から離れていてもらえるとありがたいのですが」
ほろ「! ぬ、ぬしさまよ…」
ロレンス「残りの道中、お前がこうしているのを見続けるのは、俺もいい気はしないからな」
ほろ「…くふふ。さすがぬしさまでありんす」ギュ
ロレンス「それで、どうでしょうか」
362: ◆5elc53sAMI 2013/03/02(土) 00:19:17.69 ID:iYSEN2wAo
ノーラ「わ、分かりました。できるだけ馬車には近づかないように」
ノーラ「寄らせるときには、私が間に入ります、…ということで、大丈夫、でしょうか…」
ロレンス「ええ。申し訳ない、余計なお願いをつけてしまって」
エネク「…」マアシャアナイ
ノーラ「い、いえ。元々、お願いをしたのはこちらです」
ロレンス「では。短い間でしょうが、よろしくお願いします」
ノーラ「は、はい! どうかよろしくお願いします」
/ i、 ヘ ヽ
./ i | \ ヘ ‘.
i i | | ヽ 、 ‘. i {ヾ
l l | i .ハ | _}_./\_ i .| 〔
l. ‘ .| |ΛL}'、{ }/_ ̄\` .| .i 厂iヾ
.ノイ‘ ',.ィT _ ィ竓竿芸 |/ /i .l }
. .} ‘. .斗云オ 辷:::リ ./ .l /
ム ノ癶 . “ └‐''´ ,, ,,/ / /イ
/ム }‘. ‘、,, l /イ ' .ノ
、/ム .}. ‘.}^、 ___ , .| {イ
.マ/ム .}Λ .> ., `ー ´ .ィi .| .ハ{ツ、
マ/ム Ⅵ/)' }/≧ - ´ |_.!/―、 ヽ
マ/ム __/ ̄ ̄::::} {::::::::/::::::>、}_
マ/ム ‐/:〈::::::::Y「´ `7ア::::::/::::::::
/::マ/ム:{:::::::::::::::Ⅵー- -―//:::::::/::::::::::
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イ::::::::::/ ̄ ̄`ヽ:::::::::マ廴 / ./::::::::::/::::::::::
368: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 13:42:28.62 ID:GyfNQ+hAo
ほろ「…」ジッ
エネク「…」
ほろ「ほっ」タタッ
エネク「…」バッ
ひつじ「メェー」バタバタ
ロレンス「…追いかけっこでもしているのか?」
ロレンス「まあ、いい。なんだ怖がるどころか仲良くやっているじゃないか」
ノーラ「そうですね」ニコ
369: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 13:48:54.10 ID:GyfNQ+hAo
カラン
ノーラ「…実は、何と言っても一人旅は退屈ですので」
ノーラ「その…こうしてお話の相手になっていただければとも…思っていまして」
ロレンス「そのお気持ちはよく分かります」
ロレンス「私も、一人旅が長かったですからね」
ノーラ「そうなんですか? ホロちゃんは…」
ロレンス「成り行きで拾うことになりまして。故郷まで送り届けてやろうと思うのですが」
ロレンス「何分、本人が故郷の場所を知らないと来てる」
ロレンス「まだ先の長い道中ですから、しばらくは退屈せずに済みそうです」ハハ
370: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 13:52:24.64 ID:GyfNQ+hAo
ノーラ「お優しいんですね」ニコ
ノーラ「行商人の方に限らず、商人の方は…その」ゴニョゴニョ
ロレンス「…ええ、その感じは決して間違ってはいないと思います。ただ」
ロレンス「商人という生き物は、普通の方よりも少しばかり正直すぎるのだろうというのが私の印象です」
ノーラ「?」
ロレンス「稼ぐことにおいて、ね。その点、純粋な善意を謳う人よりも」
ロレンス「よほど神に真っ直ぐだと私は思いますが。…っと、これは失言でしたか」
ノーラ「…」クス
371: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 13:58:19.90 ID:GyfNQ+hAo
ロレンス「だからノーラさんも気をつけて、決して油断してはいけません」
ノーラ「…?」
ロレンス「私も商人ですから」
ロレンス「今あなたがそうだと見る優しげな男の面は、狼が羊の皮を被った姿かもしれません」ニコ
ノーラ「お、覚えておきます」ギュ
ノーラ「狼はとても賢く、恐ろしいですから」
ロレンス「仰る通りです」チラ
372: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 14:00:22.39 ID:GyfNQ+hAo
ほろ「ははは!」
エネク「…」ダダッ
ひつじ「「「めぇー」」」バタバタ
ロレンス「(まあ少なくとも)」
ロレンス「(狼の子は、人間の子と変わらないようだが)」
ノーラ「?」
373: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 14:04:23.79 ID:GyfNQ+hAo
・ ・ ・ ・ ・
ほろ「元気での、エネクよ!」
エネク「バウッ」
ロレンス「すっかり仲良くなってしまったな」
ロレンス「(狼でも、羊飼いの飼い犬と友だちになれるものなんだな)」
ロレンス「(いや、あれは…)」
ほろ「くふふ、くすぐったいでありんす♪」
エネク「…」 ペロ
ロレンス「(ホロだからかもな)」
374: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 14:14:44.66 ID:GyfNQ+hAo
ロレンス「ノーラさんのおかげで、何事もなく街に着くことができました」
ロレンス「短い間でしたがありがとうございました」
ノーラ「い、いえ。こちらこそ」
ノーラ「ご一緒させて頂いただけでも、その…すごく楽しかったので」
ロレンス「こちらこそ」
ロレンス「いっそ、旅がいつもこうであればと思うような時間でした」ハハ
ノーラ「…そ、そんな…」//
375: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 14:17:06.02 ID:GyfNQ+hAo
ロレンス「それではまた」
ロレンス「いつかお会いできることを、楽しみにしています」
, '" 丶
ー=彡 / / 丶 \
. / ′ / /i \ ヽ
. / / ′ / 丶 \ 丶
7' / / / / \ i i
/ / ′/ /{/ ヾ. \ l |
. / イ/ ′ i//≠=‐ ‐==ミx,,丶 l |
}|/{/ //{//_ ̄  ̄_ \ |` / リ
. |八′/ィ{/,ィ示ミヾ ィ示云ミュ、ヘ| イ/ i
l f〉//圦f r匀::i} :. 'r匀_)i} ヾ.j /、 / ′
{ j / ヽ乂::ツ i 乂:::ツ, / / / //
V//, i l /, / } ′
}// N """ """ /イ i イ /
. }/i/i圦 、 ノ |l. r´ノ(
..:::::}Λ 冫::..、 ィ八. !:::...、)
,。イ.::::::/:::::V.::: / >。 __ 。。≦ {//:)ノ.:::::::\
..:::i::::l::::::::::::::::::::::〈////i l/.:::::::::::::::::::: \
::::::マ ::::::::::::::::::::::::.マ// l /.::::::::/.:::::::::::::: 丶
:::::::::マ/:::::::::::::::::::::::.マ/ /.:::::/.::::::::::::::::::::::::: \
「はい!」
ほろ「またのー」フリフリ
エネク「バウッ」
カラン…
376: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:26:31.14 ID:GyfNQ+hAo
ガラガラ…
ロレンス「楽しそうだったな」
ほろ「んむ。少なくとも、にだいにおるよりはたいくつせんかった」
ロレンス「それはよかった」
ほろ「…」プラプラ
ロレンス「おい、足を外に投げ出していると危ないぞ」
ほろ「わかった」スッ
377: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:28:18.24 ID:GyfNQ+hAo
ギュ
ロレンス「…どうかしたか」
ほろ「…いや」
ほろ「また会えるといいなと、思っての」
ロレンス「…そうだな」
ロレンス「この街にいる間はまた会う機会もあるだろう」
ロレンス「だから、そう気を落とすな」ポン
ほろ「…うん」
378: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:29:27.75 ID:GyfNQ+hAo
ロレンス「それに、俺に問わず」
ロレンス「商人は交わした約束を安易に反故にしたりはしない」
ほろ「…?」
ロレンス「何か美味いもの、食うんだろ?」
ほろ「…くふ」
ほろ「そうじゃな。たびの道中ではたべられぬようなものがたべたいでありんす」
ロレンス「好きな物を頼むといい」
ほろ「うむ」
379: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:30:44.81 ID:GyfNQ+hAo
ハグ
ほろ「うまい!」
ほろ「やはりどうちゅう口にするひもじいしょくじとは違うの、ぬしさまよ!」モグモグ
ロレンス「…すっかり上機嫌だな」
ロレンス「食べ物でこうも変わるとは、まったくいい性格をしている」
ほろ「そうじゃろそうじゃろ♪」パクパク
ロレンス「(からかったつもりなんだが…)」ハハ…
380: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:31:42.41 ID:GyfNQ+hAo
ペロ
ほろ「んむ、まんぞくじゃー」
ロレンス「そいつは何より」
ロレンス「さて。じゃあ今度は俺の用につき合ってもらうぞ」ホラ
ほろ「ようかや?」ウム
ギュ
ロレンス「商会には顔を出しておかないとな」
381: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:32:38.24 ID:GyfNQ+hAo
コンコン
キィ…
ロレンス「どうも、お久し振りです」
ヤコブ「ん? …おお、誰かと思えば」
ヤコブ「まだ日の高いうちに商館に顔を出すとは、行商はついに廃業したか。なあクラフトよ」ガハハ
ロレンス「…相変わらずですね、ヤコブ館長」スッ
ヤコブ「よくぞ帰った我が息子よ! 元気そうでなによりだ」ガシッ
ロレンス「おかげさまで」イテテ
382: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:34:20.33 ID:GyfNQ+hAo
ヤコブ「だが先の問いかけはあながち冗談でもない」チラ
ヤコブ「てっきり俺は、ついにどこぞの街に店を構えたのかと勘繰ったが」
ほろ「?」
ロレンス「残念ながら。彼女は拾いものです」
ほろ「む。ひろいものとはなんじゃ」
ロレンス「間違ってはいないだろう?」
ヤコブ「…まあ何でもいいが」
ヤコブ「訳ありなら詮索はよそう」
ロレンス「そうして頂けると嬉しいです」
383: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:35:17.78 ID:GyfNQ+hAo
ヤコブ「それで? 何か用があるんだろう」
ロレンス「ええ。証書をお願いしたいと思いまして」
ヤコブ「なるほど分かった、用意しよう」
ヤコブ「ほら、嬢ちゃんにはミルクを淹れてやるぞ」
ほろ「わあ、ありがとうでありんすー」
ロレンス「すいません」
ヤコブ「いやいや、気にするな」
384: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:37:33.24 ID:GyfNQ+hAo
ポタ…
ギュウ
ヤコブ「武具の信用買い…か」
ヤコブ「その内容だと、ずいぶん上手く取引を運んだようじゃないか」
ロレンス「おかげさまで。まあ、運が味方してくれただけです」
ヤコブ「ふふ。あのしょんべん垂れがこんな取引をするまでになるとはなぁ」
ロレンス「か、館長。そんな昔の話を掘り返すことはないでしょう」
ほろ「ぬしさま、しょんべんたれたのか?」
ロレンス「たれてない」
ヤコブ「たれてたけどな。昔は」
ほろ「ぬしさまもわっちといっしょじゃな!」
ロレンス「(わざわざ商館に出向いてする会話じゃないだろ…)」ハア
385: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:38:49.83 ID:GyfNQ+hAo
ヤコブ「ほれ。取引の成功を、聖ランバルドスとともに祈ろう」
ヤコブ「上手く行った暁にはまた顔を出せよ」
ロレンス「もちろん。ありがとうございます」
ロレンス「ではまた」
ほろ「ミルク、ごちそうさまじゃ!」
ヤコブ「おう。どういたしましてだ」ガハハ
386: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:39:51.56 ID:GyfNQ+hAo
・ ・ ・ ・ ・
ノーラ「…ふぅ」
エネク「…」スリスリ
ノーラ「よしよし…」
ロレンス「おや」
ノーラ「…へ?」
ロレンス「こうも早く、そしてこうして教会の前で再会できるとは」
ロレンス「神のお導きだと。確信して間違いないでしょうね」ニコ
ノーラ「…」ポカン
ノーラ「あはは、いやだロレンスさんったら」クス
387: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:40:21.07 ID:GyfNQ+hAo
ほろ「エネクー、元気じゃったかー」
エネク「ワンッ」ペロ
ほろ「くふふ、くすぐったいでありんす」
ノーラ「…もしかして、何か私にご用ですか?」
ロレンス「ええ。と言っても、大した用ではないのですが…」ポリポリ
ノーラ「?」
ロレンス「実は、仕事が一段落しました。懐も少しですが暖かいところです」
ロレンス「ホロもエネクに会いたがっていましたし、その…」
ロレンス「もしノーラさんさえよければ、ご一緒にお食事でもどうかな、と」
ノーラ「あ…」
388: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:41:50.27 ID:GyfNQ+hAo
ノーラ「う、嬉しいです」//
ノーラ「そんな風に誘って頂ける方は、私にはいませんから…」
ノーラ「ぜひ、ご一緒させて下さい」
ロレンス「よかった」
ほろ「くふふ♪」ナデナデ
エネク「…」パタパタ
389: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:43:41.09 ID:GyfNQ+hAo
ロレンス「では、まずは再会と」
ノーラ「ロレンスさんの、成功を祝って」
ほろ「かんぱいじゃ!」
ガコッ
エネク「ワンッ」
ゴクッ
ロレンス「っぷはぁ、やはり上手く行ったあとの酒は格別だ!」
ヤコブ「…ほお」
ロレンス「ん?」
390: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:45:30.44 ID:GyfNQ+hAo
ヤコブ「何だクラフト、水臭いじゃないか」
ヤコブ「俺への報告もせず…」
ノーラ「?」
ほろ「さっきのおっちゃんじゃ」
ヤコブ「両手に花で祝杯とは、いい身分だなぁおい?」
ロレンス「…」ダラダラ
ロレンス「いえ館長、これはその」
ヤコブ「ふはは」ガシッ
ヤコブ「そうだな。言って聞かせるより、商会の連中からの手荒い祝福をくれてやった方が、お前には効きそうだ」
ロレンス「そ、それは勘弁して下さい!」
391: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:46:55.16 ID:GyfNQ+hAo
ズルズル
ヤコブ「お嬢さん方も、商館の方に来るといい」
ヤコブ「今日はクラフトの奢りで、商会を上げて飲み明かそう」
ロレンス「なっ」
ほろ「わっちはなにかおいしいものが食べたい!」
ヤコブ「うむ。ウナギなんかどうだ。あいつを揚げたものは身が軽く浮くような心地がするぞ」
ほろ「! それは、ぜひ食べてみないといかんの」
ヤコブ「おう、好きなだけ食え!」
ロレンス「ああ、せっかくの儲けが…」ガクッ、ズルズル…
ノーラ「…」クスクス
392: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:49:45.81 ID:GyfNQ+hAo
ワイワイ
ノメノメ、ゼンブロレンスノオゴリダ!
ロレンス「…」グビッ
ロレンス「…くそ、人の金だと分かっているから好き放題飲みやがる…」
ロレンス「あんまりですよ、館長」
ヤコブ「まあそう言うな」ガハハ
ヤコブ「…お詫びと言ってはなんだが、お前に儲け話を一つくれてやる」
ロレンス「…?」グビ
393: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:50:23.56 ID:GyfNQ+hAo
ヤコブ「詳しいことは言えんが」
ヤコブ「ラムトラへ、ある荷物を取りに行ってもらいたいんだ」
ロレンス「…ラムトラですか。館長からの依頼を、断る理由などありません」
ロレンス「しかし、なぜわざわざ私に?」
ヤコブ「実はわりに急ぎの依頼でな」
ロレンス「…ああ」チラ
394: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:52:35.19 ID:GyfNQ+hAo
ノーラ「…」クピクピ
ノーラ「?」
{
. | `ー<  ̄ミー
\ / ─ 、 ミト、
. _ 〃 丶
/′ ./Ⅳ :i ハ
. j| /}/ ! | ハ
. _彡}: 7ト |: / |:il|: i:
个 i芹ミ、 7/‐ |从: il| :|
人 |' Vツ 豺ミト、Ⅳ 从 ;
. 〃 il| } ヒtツ /.: /l 」
. { 从 〃/_,ノ:/
レヘ, 、 _ {{ __,;人{
\ _ .. イ_彡′
_____ 爪 .:::::| \ー-、
. / } : : : : √ノ :ト-r、 ミ、
/ ./.: : : : :∧、 /: : ト ,{
/ ./.: : : : : : :∧´ ̄/.: .: : : : : : ト、
〃.: .: .: .: : : :∧イ.: .: .: : : : : : :/ i
{{.: : : : : : : : : : :〉.: .: .: .: .: : : :/.′|
ノーラ「…」ニコ、フリフリ
ロレンス「…」ハハ…
ロレンス「つまりノーラさんの力を借りろと。そう言うことですね?」
ヤコブ「そうしてもらえるとありがたい」
ヤコブ「例の森を突っ切るのとそうでないのとでは、ずいぶんかかる時間に差があるからなぁ」ボリボリ
ノーラ「?」
{
. | `ー<  ̄ミー
\ / ─ 、 ミト、
. _ 〃 丶
/′ ./Ⅳ :i ハ
. j| /}/ ! | ハ
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ノーラ「…」ニコ、フリフリ
ロレンス「…」ハハ…
ロレンス「つまりノーラさんの力を借りろと。そう言うことですね?」
ヤコブ「そうしてもらえるとありがたい」
ヤコブ「例の森を突っ切るのとそうでないのとでは、ずいぶんかかる時間に差があるからなぁ」ボリボリ
395: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:54:20.80 ID:GyfNQ+hAo
ヤコブ「教会の持ち物を、商会が表立って商売に利用することはできん」
ヤコブ「そこに来てお前の帰郷は、我々にとって実に恵まれた巡り合わせだったというわけだ」ニッ
ロレンス「…はあ」
ロレンス「私は同じ台詞をくり返すしかありません」
ロレンス「館長からの依頼を、断る理由はない。それだけです」
ヤコブ「すまないな」ガハハ
396: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:55:29.82 ID:GyfNQ+hAo
ヤコブ「だが報酬は弾むぞ。当然、彼女にも」
ロレンス「あとで聞いてみますよ。言っておきますが、無理強いはできませんからね」
ヤコブ「おうよ」
ヤコブ「悪かったな、酒の席でこんな話をしちまって」
ヤコブ「さあ、飲み直そうじゃないか!」グイッ
ロレンス「…最初からその話をするのが目的だったんでしょうが」グビ
397: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:56:57.73 ID:GyfNQ+hAo
・ ・ ・ ・ ・
ほろ「…」スー
ノーラ「ホロちゃん、よく眠っていますね」
ロレンス「ええ。まったくいい身分です」
ロレンス「好きなだけ食べ散らかして、あとは寝るだけですから」ハハ
ほろ「…むぅ」
ロレンス「おっと」ヨッ
ノーラ「…でも、幸せそうで…」
ノーラ「きっとロレンスさんの背中だから、安心して眠っているのだと思います」ニコ
398: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 15:59:12.11 ID:GyfNQ+hAo
ノーラ「誘って頂いて、本当にありがとうございました」ペコ
ノーラ「こうして、たくさんの方とお酒を飲むのは初めてで…とても楽しかったです」
ロレンス「…いえ、こちらこそ」
ロレンス「あの、ノーラさん」
ノーラ「はい?」
ロレンス「…その、一つお願いが」
ノーラ「…? なんでしょう」
399: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 16:01:17.26 ID:GyfNQ+hAo
ロレンス「また私と一緒に、旅をしてもらえませんか?」
ノーラ「…」
ノーラ「へ…」//
ノーラ「あ、あの、それはどういう」//
ロレンス「商会からラムトラに行く内容の依頼を受けました」
ロレンス「急ぎと言うことなので、ノーラさんのお力をお借りできたらと思いまして」
ノーラ「…」
ノーラ「あ、そ、そう言う意味でしたか」ドキドキ
ロレンス「?」
ノーラ「何でもありません」//
400: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 16:03:17.47 ID:GyfNQ+hAo
ロレンス「…もちろん、それが目的ではありますが」
ノーラ「はい?」
ロレンス「個人的には、ノーラさんとまた旅をする口実にもなるなと、思っていたり…」ハハ
ノーラ「…」
ロレンス「…ごめんなさい、こんな臭い台詞」
ロレンス「どうやら酒が回っているようで。その何と言うか」
ノーラ「いえ」フリフリ
401: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 16:05:45.71 ID:GyfNQ+hAo
ノーラ「私も嬉しいです。ロレンスさんと」
ノーラ「…誰かと共に街を発つことができるなんて、何だか夢のようです」
__ _
. :<  ̄ミト .,
. / ,/ ,、 ヽ,
. 〃 /′ ./ ヽ, ハ,
〃 ,i|/ ハ, ハ、
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「また、よろしくお願いします」ペコ
ロレンス「…いえ、その」ハハ
ロレンス「こちらこそ。よろしくお願いします」
402: ◆5elc53sAMI 2013/03/03(日) 16:09:35.97 ID:GyfNQ+hAo
・ ・ ・ ・ ・
ほろ「ではぬしさまよ、出発じゃ!」
ロレンス「うん」
ロレンス「ノーラさん、よろしくお願いします」
ノーラ「は、はい」
カラン
エネク「バウッ」
ノーラ「…ふふ」
_,. -―===―- 、_ \ \
/ / , / `ヽ, \ \
/ / .::// _〉、_\ | r’
/_ _-_‐/_‐_‐:y'´-_-/‐/ \__ハ |⌒|
Y /:::l / ̄.:/l≠‐-、 ヽ ヽ | |
ノ ,ノ _:l i _;ッrr=tぅ、 ,.-、| 、| |⌒|
/ ,イ::::/r'| 〈 ヽ!.ゞ゚ノ` ,/=v'´ .,ハ | |
! l |::〈 く(: : , l  ̄ (゚ソy` ( ,ノ |⌒|
| | l:::::\_|: : | .:ゝ 冫|、、} ) | |
ヾ \_:::ノ人l .:、) ー_- ノ )ノ' |⌒|
〉く:ノ::ト、.:{ .イ | '´ r‐y'⌒ヽ
v'(____,ノ\):/ ヾゝ ,ゝ、_/ ヽ!( 人_j/⌒'、)
, '´: :/: : ノノ. / 、 `ヽ l ,そ⌒ヽ.)
( _,. -‐'´ ̄ ̄`ー-、(_ \ { ノ⌒ヽノ
厂 ...::::::::::::::..... \)ヽ \ 〉 `l⌒lノ
-‐=ニニ二ニニ=‐-、 \_) /へ / ,|⌒|
((_)
こうして―――
いつだって、誰かと旅立つことができたら―――
*終わり
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