前回 母「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」

2: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 17:36:36.81 ID:U5eGx7Yw0
勇者「うーホントは俺戦いとか好きじゃないんだけどなぁ」

子「父さん、勇者に選ばれたんでしょ! すげー!!」

勇者「いやぁ勇者なんて、街で適当に選んでるだけだよ それに危ない仕事なんだよ、勇者って」

妻「そうよね、無理には言えないわよね」

勇者「でも、困ってる人を助けながら旅するっていうのもいいかもなぁ」

引用元: 妻「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」 



3: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 17:37:17.04 ID:U5eGx7Yw0
勇者「それじゃ、行ってきます」

妻「気をつけてね! いつでも帰ってきてね!」

子「父さん、行ってらっしゃい! 帰ってきたらいろんな話し聞かせてくれよ!!」

勇者「おー! じゃあな!」

5: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 17:38:18.07 ID:U5eGx7Yw0
勇者「とりあえず酒場に行って仲間を集めるか」

勇者「頼りない勇者だからなー」

勇者「仲間は優秀な人材を揃えないとなぁw」



<酒場にて>

勇者「旅立つので仲間を選びたいんですが」

マスター「おお、腕に自身のある者が集まっておりますよ」

 

10: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:00:21.07 ID:U5eGx7Yw0
戦士「うむ・・・ここの筋肉をもう少し大きくしたいなぁ」ムキッ

魔法使い「この呪文を詠唱を行わず最大の効力を発揮するためにはこの呪文を習得しさらにそれを合成させ新たな・・・」カリカリカリ

僧侶「勇者様、今日からよろしくお願いいたします この一行が、神のお導きにより健やかに旅ができますようお祈りしておきました」メガネをふきふき

勇者「・・・・うむ、優秀な仲間ダナー」

11: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:01:03.52 ID:U5eGx7Yw0
勇者「では、皆さん武器や防具を揃えましょうか」

戦士「それには及ばない、私は既に装備しているものがある」

魔法使い「とりあえず、教科書の内容は全て覚えましたので、新たな魔法が習得できる書物があればいいのですが」

僧侶「わたしは・・・皆様の足を引っ張らない程度の装備があればそれで・・・」

勇者「はい俺の装備を揃えてきます」

12: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:01:45.05 ID:U5eGx7Yw0
勇者「一応最低限の装備はしましたが、皆さんもしかして物凄く強かったりとかします?」

戦士「この街の道場の師範だが・・・」

魔法使い「学校は主席で卒業しました」

僧侶「わたしなんてそんな・・・幼少から教会でいろいろと学ばせていただいておりましたが・・・」

勇者「・・・一回俺だけ修行させてもらえませんか?」

13: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:05:05.16 ID:U5eGx7Yw0
2週間後

勇者「一度家に戻り、体を鍛え直してきました」

戦士「うむ あとはフィールドで実践を積みながら鍛えていこう」

魔法使い「勇者様が修行をしている間、2,3魔法を覚えておきました」

僧侶「それでは皆様、出発しましょう!」

14: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:12:18.25 ID:U5eGx7Yw0
<フィールドにて>

モンスターが現れた!

戦士の攻撃! モンスターに50のダメージ!

モンスターは倒れた!



戦士「ふむ、この辺りのモンスターでは話にならんな」

魔法使い「魔法を使うまでもないですね」

僧侶「無駄な殺生はせず、次の街へ向かいましょうか」

勇者「ちょ、俺を鍛えさせてくれ!!!」

15: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:14:50.31 ID:U5eGx7Yw0
<第2の街にて>

僧侶「ここは美食の街と聞きますね」

魔法使い「効率よく体力を上げる食事をいただきましょう」

戦士「良質なタンパク質を摂取したい 鶏肉料理を食べよう」

勇者「・・・オムライス」

16: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:16:43.07 ID:U5eGx7Yw0
<フィールドにて>

戦士「しばし、あの木の影で休まぬか?」

僧侶「そうですね、勇者様が大変そうです・・・」

魔法使い「わたしの計算では30分程の休憩でしたら日が沈む前に次の街へ着くでしょう」

勇者「ひぃひぃ・・・」

17: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:17:26.29 ID:U5eGx7Yw0
小高い丘の上に生えた一本の木下で

勇者「はぁ・・はぁ・・皆さんに質問です」

勇者「なんでこんな足でまといの勇者に付き合ってくれるのでしょうか」

魔法使い「それは、勇者様の手助けをするのがわたしたちの役目ですから」

戦士「うむ 我々の力が勇者殿のためになれば、これ以上の喜びはない」

僧侶「それに、勇者様ったら、なんだか守って差し上げたくなる雰囲気なんですもの」ニコッ

勇者「あはははは」

19: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:20:48.51 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「あら? その写真は・・・」

勇者「あ、妻と子ですw 街で待ってるんですよね」

戦士「ほお、私も道場に教え子達を残してきたな 皆たゆまず稽古を続けているだろうか」

魔法使い「魔法学校を卒業した同期はほとんど、各地で魔法を教えています 懐かしいですね」

僧侶「教会で一緒に育った方々も、街でわたしを待ってくださっております 無事に旅を終えて再び街に戻る日が待ち遠しいです」

勇者「・・・皆さんにも大切な方がいらっしゃるんですよね」

勇者(よし、どうしようもなくなったら里帰りの提案をしよう)

 
21: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:22:11.72 ID:U5eGx7Yw0
<第3の街にて>

戦士「さて、順調に旅は進んでいるな」

僧侶「道中で困っている方々をお助けすることもできましたね」

魔法使い「勇者様も日に日に強くなられて」

勇者「ははは・・・優秀な仲間に恵まれたカラデスヨwww」

22: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:22:45.29 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「それにしても、ここはファッションの街だそうですね」

勇者「よし! ここは僧侶さんと魔法使いさんに可愛い服を買って着ていただこう!」

魔法使い「わたしはそれほど服に興味はないのですが・・・」

戦士「いや、女性は時には綺麗に着飾る時も必要であろう 存分に選んでくるが良い」

魔法使い「そ、それなら・・・」

僧侶「では、勇者様と戦士さんは先に宿でお休みになってください」

23: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:24:09.44 ID:U5eGx7Yw0
<宿屋にて>

勇者「あの二人も、女性らしい所があったんですねw」

戦士「うむ しかし、あの二人の前で言ってやるなよ」

勇者「はーいw あれ?」

戦士「む? 花瓶・・・か 花は萎れているがな」

勇者「最後に花が咲いたのはもう随分前になりますね」

戦士「モンスターが現れてから、数年に一度、数分だけしか咲かなくなったものだ」

戦士「私の父から聞いた話だが、昔は花は季節を告げ、色とりどりに咲き乱れていたそうだ」

勇者「・・・妻や子供に見せてやりたいな」

25: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:30:00.87 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「ただいま帰りました」

戦士「うむ、それでは飯にでも・・・!!!」

勇者「!!!」

魔法使い「・・・な、なんでしょう やはりわたしには似合わなかったですよね・・・」

戦士「いや、魔法使い殿のセクシーな体型を際立たせる素晴らしいチョイスだ」

勇者「魔法使いさんの黒い髪によく映える服ですね」

魔法使い「そ、そんなに褒めないでください・・・」

僧侶「あのーわたしの服は・・・」メガネをふきふき

 

27: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:34:36.35 ID:U5eGx7Yw0
早朝<フィールドにて>

勇者「はぁ・・はぁ・・」 ビュンッ ビュンッ

戦士「ふむ 私の早朝稽古に付き合いだしてからもう一月になるか だいぶん様になってきたな」

勇者「はぁ・・はぁ・・ 勇者の俺が、みんなの足を引っ張るわけにはいかないんで」 ビュンッ ビュンッ

戦士「攻撃力、防御力、体力と旅立ちの頃と比べると見違えるようだ」

戦士「強くなったな、勇者殿」

28: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:35:34.77 ID:U5eGx7Yw0
<第4の街にて>

勇者「着きましたねぇ」

戦士「うむ ここは娯楽施設が揃った街だと聞くな」

ぴらっ

僧侶「今はミスコンが開かれていて、グランプリに輝いた方は夢のような国に移り住むことができる・・・だそうです」

魔法使い「夢のような国ですか そこに行くことを拒否したらどうなるんでしょうね」

29: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:36:31.70 ID:U5eGx7Yw0
司会者「今年のミス・グランプリは・・・A子さん!」

ワーワー パチパチ

観客「でも、毎年グランプリの子達、夢の国に行ったきり帰ってこないよな」

観客「よっぽどいい所なんだろうな」

司会者「では、A子さんはこちらの車に乗っていただき、夢の国へとお連れいたします」

30: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:37:19.89 ID:U5eGx7Yw0
勇者「なんだか有無を言わせぬ感じで連れて行かれるんだな」

戦士「たしかに、拒否権はなさそうだ その夢の国、どのような場所なのだろうか」

魔法使い「気になったものは調べましょう 色食魔法・透明!」

僧侶「体が透明に! これであの車のあとを追えますね」

31: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:38:08.54 ID:U5eGx7Yw0
<とある洞窟にて>

勇者「なんだか夢の国らしからぬ場所に着きましたね」

戦士「うむ 車から先ほどの司会者とグランプリの女性が降りてきたな」

魔法使い「洞窟の中に入っていくようですが・・・この魔法、そろそろ効き目が切れてくる頃です」

戦士「構わんだろう 姿が見えたところで、事情を話せば納得してもらえるだろう」

僧侶「そうですね それに、なんだかこの洞窟からは不吉な雰囲気が漂ってきていますし・・・」

32: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:39:55.66 ID:U5eGx7Yw0
コツ コツ

戦士「かなり深い洞窟だな ん?明かりが・・・」

勇者「しー、話し声がします」



司会者「魔物様・・・さあ、お連れしましたよ 今回の女はこちらです」

魔物A「へへへ・・・錯乱呪文!」

魔物B「これでこの女は幻覚を貪りながら我らに服従することになる」

司会者「これで・・・今年も街を襲わずにいてくださるのですね」

魔物C「ぐひひwww それはお前たちの態度しだいだなwww」

33: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:40:57.97 ID:U5eGx7Yw0
戦士「なんだあの者たちは・・・ モンスターではないな、言葉を喋っている」

魔法使い「かといって、人でもありません 魔物、と呼ばれておりましたが」

勇者「・・・あそこを!」

僧侶「!! なんて酷い・・・」

正気を失った女性が何人も、虚ろな目をしながら鍋をかき回したり、怪しげな道具を整理したり、魔物に寄りかかったりしている

戦士「ううむ・・・許せんな」

34: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:41:38.92 ID:U5eGx7Yw0
勇者「同じくです 行きましょう!」

僧侶「ええ、わたしは皆さんのサポートをいたします」

魔法使い「わたしはあの司会者を救出します 勇者様と戦士さんで魔物を撃破してください」

戦士「了解だ」

35: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:43:10.56 ID:U5eGx7Yw0
戦士「うぉおおおお!!!」

魔物「なんだ!?」

戦士の攻撃!

魔物Aに190のダメージ! 魔物Aは倒れた!

勇者の攻撃!

魔物Bに100のダメージ!

魔物C「くっ 司会者、謀ったな!!」

36: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:43:46.65 ID:U5eGx7Yw0
魔法使い「司会者さん、こちらへ! 岩石魔法大!」

魔物Cに200のダメージ! 魔物Cは倒れた!

魔物Bの攻撃! 勇者に80のダメージ!

僧侶「勇者様! 中回復魔法!」

勇者「うらぁぁぁ!」

勇者の攻撃! 魔物Bに98のダメージ! 魔物Bは倒れざまに光線を放った!

司会者「ぎゃぁぁぁぁぁあぁあぁ」

魔物B「ま、魔王様がいる限り、我々は蘇る・・・」

37: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:45:06.41 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「司会者さん! 回復魔法! 回復魔法!」

戦士「・・・だめだ、即死だろう・・・」

魔法使い「計算外でした・・・申し訳ありません」

勇者「う・・・俺が確実に倒していれば・・・」

戦士「気にするな とにかく捕らわれていた女性たちを救出しよう」

僧侶「・・・はい、錯乱解除の魔法を施します」

38: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:46:06.01 ID:U5eGx7Yw0
戦士「なんだ?壁が崩れて奥にもう一つ部屋が・・・ む!これは!!」

魔法使い「広大な洞窟湖ですね 中央の陸地に向かい何方向からも橋が掛かっています」

僧侶「あれは・・・何かを祀っているような・・・」

戦士「とりあえず、魔法使い殿は僧侶殿と女性たちの回復を」

魔法使い「わかりました 勇者様は・・・」

勇者「・・・」

フラフラと橋を渡り始める勇者

戦士「勇者殿!」

39: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:47:00.80 ID:U5eGx7Yw0
(己の無力を嘆くか)

(力を欲すか)

(この刀を鞘から抜いてみせよ)

(我を屠ったその刀)

(己を変えたくば抜くがよい)

勇者「刀を・・・鞘から・・・」

シャッ

勇者「不思議な力が漲ってくる」

40: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:48:17.92 ID:U5eGx7Yw0
戦士「それは! 遥か昔伝説の魔獣を葬った刀・八岐大蛇ではないか!」

戦士「・・・そうか、抜いてしまったか」

戦士「絶大な攻撃力を誇るものの副作用で持ち主の人格を変えてしまうという」

戦士「ここに封印されていたのか・・・」

(我と対話したくばまたここに来い)

勇者「・・・」

41: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:49:23.43 ID:U5eGx7Yw0
一行は街に戻り

戦士「街の皆、彼女たちは悪党により捕らえられていた!」

戦士「錯乱状態から戻ったばかりで、まだ混乱している 安静にさせてやってくれ!」

戦士「それから、この街の責任者と話がしたい!」

ざわざわ

町長「うむ、貴方の言うとおりにいたします さっそく、明日から騎士団の募集をかけましょう」

町長「もしよろしければ、勇者様御一行にご指導いただければと思うのですが・・・」

42: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:50:18.14 ID:U5eGx7Yw0
翌日から、各地に第4の街を守る騎士団が集められた

戦士「それでは今日から訓練の指導をさせていただく!」

騎士団「おおおお!!!」

僧侶「あれ? 勇者様はどこでしょう」

魔法使い「一人で街の外へ行かれましたが・・・」

43: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:51:03.54 ID:U5eGx7Yw0
勇者「・・・」

モンスターが現れた!

勇者は刀をなぎ払った! モンスターに320のダメージ! モンスターは倒れた!

勇者「・・・魔王」

44: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:52:00.46 ID:U5eGx7Yw0
<宿屋にて>

戦士「勇者殿の件だが、あの刀を抜いてしまったことによる副作用だ」

戦士「刀を取り上げたからどうなるものでもない 精神力を高め、副作用を抑えるしか方法はない」

戦士「おそらく、それでも人格は元には戻らないであろう だが、それでも勇者殿は勇者殿だ」

僧侶「そうですね、どんな人格になろうとわたしたちの勇者様ですよね」

魔法使い「一つ気になるのは、勇者様が魔王、魔王と独り言をおっしゃるようになったことです」

戦士「うむ たしか魔物が死ぬ間際に口走ったが・・・ 魔物たちの親玉と考えてよいのだろうか」

45: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 18:52:48.16 ID:U5eGx7Yw0
魔法使い「おそらくはそうでしょう 魔王様がいる限り我々は蘇る、と言っておりましたので」

戦士「魔物や、おそらくはモンスターも魔王がいることが原因なのだろう 魔王を倒さぬ限り、平和は訪れないということか」

僧侶「魔王について、わたしたちは知らないことだらけですよね」

魔法使い「出来得る限りの情報を集めましょう」

戦士「そうだな、さっそく明日にはここを発つ 情報を集めつつ、次の街を目指そう」

勇者「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

49: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:08:24.24 ID:U5eGx7Yw0
<フィールドにて>

勇者 スタスタスタ

戦士「勇者殿、疲れはないか?」

勇者「・・・・・・ない」

モンスターが現れたがたちまち勇者に切り伏せられた!

勇者 スタスタスタ

50: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:09:12.14 ID:U5eGx7Yw0
<第5の街にて>

戦士「ふむ・・・街の者によると、ここは魔王の城に最も近い街らしい」

僧侶「なんだか病院が多い街ですね 教会もとても立派な作りですし」

魔法使い「モンスターや魔物に襲われることが多いのでしょうか」



男「おい、お前さんたち、火をだせねぇか?」

男「火の魔法、ほれ、お前さん出せるだろう タバコに火をつけてくれ」

52: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:10:05.08 ID:U5eGx7Yw0
魔法使い「・・・はい、わかりました」 ボッ

男「悪いねぇ いやしかし、お前さんたちは勇者御一行かい?」

戦士「その通りだが」

男「ここに来たってことは、旅の目的がわかってるんだろう? 最近の勇者たちは旅の目的も知らず遊び歩いているのが多いと聞いていたが、お前さんたち珍しいねぇ」

僧侶「もしかして、魔王についてなにか知ってらっしゃるのですね?」

男「あぁ、知ってるといえば知ってるねぇ」

55: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:11:15.16 ID:U5eGx7Yw0
男「まず、お前さんたちに信じてもらおうとは思わんがね、わしは魔王を倒したことがある」

魔法使い「!!なんですって!?」

戦士「では、このように魔物やモンスターが蔓延っているのはなぜなのだ?」

男「わからんねぇ 俺は確かに魔王を殺したんだ」

男「魔王を倒して、俺の仲間には空を飛べる魔法を仕えるやつがいたから、そいつの力ですぐに脱出して」

男「だけど、そいつも魔力が限界だったんだろう 途中で地上に落っこちちまった 仲間とはぐれて、俺はこの街にたどり着いた」

男「その日はこの街全体で祭りになった だがどうだ、次の日にはモンスターの襲来だ 俺は一夜で大嘘つきのバカ野郎さ」

 

57: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:12:24.79 ID:U5eGx7Yw0
男「お前さんたち、魔王を殺りにいくんなら、今度こそ完璧に殺してきてくれよ」

男「肝心の勇者が少し心配だが、戦力としては申し分ないだろう?」プハァー

勇者「・・・・・・・・」

戦士「その話、本当なのだな」

男「お前さんたちが信じるんなら本当だ 疑うんならきっと嘘だってこった」

58: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:12:54.17 ID:U5eGx7Yw0
<宿屋にて>

魔法使い「かなり有力な情報を得ることができましたね」

戦士「うむぅ・・・私にはよくわからん話だったが」

僧侶「魔王は何度も蘇っているということでしょうか」

魔法使い「そうでしょう おそらく、花の件についてもこれで納得がいきます」

戦士「花?」

魔法使い「はい わたしたちの世界で花は、よくて数年に一度ほんの一時だけ咲いています」

魔法使い「ですが何十年も前は、おそらく魔王が現れる前でしょうが花は季節の移り代わりを告げながらいつまでも咲き誇っていたものだと聞きます」

魔法使い「魔王がいるから花が咲かないのであれば、もし魔王が一時でも倒れていれば」

魔法使い「花は咲くのではないでしょうか つまり、魔王は何度となく倒されているのです」

60: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:13:34.99 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「なるほど・・・」

戦士「うむ・・・では、我々に勝機はないのではないか?」

魔法使い「実際に戦ってみないとわかりませんが、特別な倒し方があるのかもしれません」

戦士「やはり、戦いの中で勝機を見つけるしか方法はない、か」

僧侶「魔王の強さも、実際に戦ってみなければわかりませんしね」

勇者「・・・・・・・・・」

戦士「うむ・・ 明日、魔王の城へ乗り込む 今日は皆休み、疲れを取ろう」

62: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:15:58.94 ID:U5eGx7Yw0
<魔王の城門にて>

魔物「ぎひっ久しぶりに人間がきたぞ!」

魔物「やってしまえ!!!」



戦士「うおおおおお!!!!」ドゴォォッォォ

魔法使い「大火炎呪文全方位!」ゴォォォォッォ

僧侶「皆さんの全能力を増加!」パァァァァァ

勇者「・・・・・・・・・・・・・」ズシァァ ブシャァァア

63: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:16:28.13 ID:U5eGx7Yw0
戦士「勇者殿の動き、まさに疾風の如し・・・」

魔法使い「あれも、あの刀の力なのでしょうか」

戦士「おそらく、あの刀により身体能力が覚醒しているのだろう」

僧侶「勇者様の目・・・怖いです・・・」

64: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:17:20.65 ID:U5eGx7Yw0
魔物リーダー「ほう・・・なかなかのやり手が来たようで・・・グッッッ!?」

勇者「・・・・・・・・」ズシャァァアッァ

魔物リーダー「か、カハァァ・・・・」

魔物リーダー「ウ・・・グフッ しかし、魔王様は不死身なのだ・・・魔王様がおられる限り我々は・・・」

勇者「・・・・・・・・・・」

65: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:18:01.09 ID:U5eGx7Yw0
<魔王の部屋>

戦士「いよいよだな」

魔法使い「もしも、のためにわたしは魔力を温存して戦います」

僧侶「そうですね、魔王が蘇ったときに退避するための魔力が必要ですから」

勇者「・・・・・魔王」

66: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:18:32.16 ID:U5eGx7Yw0
魔王「ニンゲン・・・コロス・・・」

戦士「くっ なんて巨大なドラゴンなんだ!!」

魔法使い「わたしと僧侶さんは魔法で援護します 勇者様と戦士さんは物理攻撃をお願いします」

僧侶「ゆ、勇者様!!!」

勇者 タタタタタタタタタタッ

67: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:19:12.63 ID:U5eGx7Yw0
勇者は魔王の首を思い切り斬りつけた!

魔王「ギャァァァァァアアア」

魔王は尻尾を振り回した! ドゴォォォォォォオオオオオオ

戦士「ぐわぁぁぁ」

僧侶「戦士さん! 大回復魔法!」

戦士「かたじけない! 後ろからで悪いが許せ!」

戦士は魔王の翼に斬りつけた!

68: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:19:44.97 ID:U5eGx7Yw0
魔法使い「聖五芒星魔法展開準備! これを放ったあと、わたしは魔力を温存します!」

僧侶「魔法使いさんの魔力を最大増加!」

魔王は勇者の肩を爪で切り裂いた!

勇者「・・・・・・・・・・」ぽたぽたぽた

戦士「僧侶殿! 勇者殿の回復を!」

勇者 スタタタタタタタタタッ

勇者は再び魔王の首を思い切り斬りつけた! 魔王の首は切り裂かれた!

魔法使い「いきます! 聖五芒星魔法発射!!」

眩い光線が魔王に降り注ぐ!

魔王「グワァァァァアアアアアアア」

魔王はどぉっと倒れ込んだ

69: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:20:38.23 ID:U5eGx7Yw0
僧侶「はぁはぁ・・・皆さんを回復いたします!」

戦士「・・・うむ、魔王が蘇るのなら早めのほうがよいだろう」

魔法使い「はぁ・・・はぁ・・・」

勇者「・・・・・・・・・」

僧侶「うっ・・魔力が・・もたない・・」





戦士「全員、全回復はできなかったか」

70: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:21:21.26 ID:U5eGx7Yw0
魔法使い「このまま、もう一度魔王と戦うのは難しいですね・・・」

僧侶「申し訳ありません・・・」

戦士「いや、いいのだ おそらく過去に魔王を倒したものも同じだったのであろう」

戦士「魔王が蘇ると知らなければ、怪我を負ったまましばらくここで休んだかもしれない」

戦士「命を落とすことになるとはしらずにな」

戦士の足元には無数の人骨が散らばっていた

戦士「しかし・・・首を切り落とされてもなお蘇るのだろうか」

僧侶「特別な倒し方が、もし首を切り落とすことなのでしたら・・・」

勇者「・・・・・・・・もういっかい」ニヤッ

魔王の首が動き、みるみる動体と繋がっていく

戦士「くっ 駄目であったか!!」

魔法使い「皆さん、ここに集まってください!」

戦士「勇者殿! 一度退却だ! 勇者殿!」

71: 名も無き被検体774号+ 2013/03/13(水) 19:22:00.80 ID:U5eGx7Yw0
魔法使い「勇者様をこの光の中に!」

魔法使い「瞬間移動魔法!!」

4人を藍色の光が包み込む

魔王「ニンゲン・・・」

4人はその場から跡形もなく消え去った

72: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:22:30.91 ID:U5eGx7Yw0
魔法使い「勇者様をこの光の中に!」

魔法使い「瞬間移動魔法!!」

4人を藍色の光が包み込む

魔王「ニンゲン・・・」

4人はその場から跡形もなく消え去った

73: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:26:56.99 ID:U5eGx7Yw0
戦士「・・・っ ここは」

魔法使い「魔王の城の外です 今の魔力ではここまでが限界でした」

僧侶「すぐにここも離れたほうがいいでしょう、魔王が蘇ったなら、魔物やモンスターも・・・」

戦士「そうだな・・・」

勇者「・・・・・・・・・・・」

74: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:27:43.67 ID:U5eGx7Yw0
戦士「今の強さでは、我々では完全な意味で魔王に勝つことができない」

戦士「特別な倒し方、というものが存在するのかもしれない」

戦士「それを探しつつ、各々力を付けぬか」

戦士「何年かかるか分からぬが、答えを見つけ出そう」

魔法使い「そうですね ありとあらゆる書物から新たな魔法を学び取り、精進します」

僧侶「わたしも、これから各地をめぐり修行に励みたいと思います」

75: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:28:24.78 ID:U5eGx7Yw0
(我と対話したくば)

勇者「・・・・・・・」フラッ フラッ

戦士「勇者殿にはわたしが付いていく 各自機が熟したら再び集まろう!」

魔法使い「はい」

僧侶「わかりました!」

4人は方々に散った

一輪の花が、名残惜しそうに萎れていった

76: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:32:55.63 ID:U5eGx7Yw0
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77: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:33:29.45 ID:U5eGx7Yw0
5年後

(精神が安定してきたようだな)

(刀の力に呑まれるかと思ったのだが)

(案外芯の通った人間であったか)

勇者「まず聞きたい この刀の主はどうなった」

(魔王に敗れた)

(魔王との戦いの前にその刀をここに封印し、そして去った)

(その後何人もの人間がその刀の封印を解いたのだが、すべからず廃人となった)

78: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:34:12.35 ID:U5eGx7Yw0
勇者「何故、刀を置いて戦いを挑んだ?」

(その者は気づいたのであろう 魔王を葬るのは力ではないと)

勇者「どういうことだ?」

(知りたくば白龍のもとへ 真実は白龍のもとに)

(刀が封印されていた台座を見るがいい 白色の石があるはずだ)

(その石が白龍のもとへ導くであろう 刀の主が共に封印していったものだ)

勇者「・・・なぜお前がそこまで知っている」

(ここは我の墓なり それに)

(彼の者とはすでに友人となっておる)

79: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:34:54.23 ID:U5eGx7Yw0
<宿屋にて>

バトルマスター「ぬ? 戻られたか勇者殿 今日も魔獣の霊と対話してこられたのか?」

勇者「ああ 今日は収穫があった」

バトルマスター「その石は・・・」

勇者「真実に辿りつく石、だそうだ」



ブワッッッッ

バトルマスター「魔法使い殿! 僧侶殿!」

魔道士「いいえ、今は魔道士ですよ 職業を極め昇華させました」

賢者「はい、わたしも賢者になりました! そういう戦士さんも、バトルマスターになっているではありませんか」メガネをふきふき

バトルマスター「この5年間、皆無駄にしていなかったようだな」

80: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:36:02.92 ID:U5eGx7Yw0
勇者「二人共、久しぶりだな」

勇者「魔王との戦いの際は身勝手な真似をしたようですまない」

賢者「あ・・・勇者様少しクールになられました?」



バトルマスター「やはり人格は元に戻りはしなかったようだ それより」

バトルマスター「この石のことなのだが」

賢者「導く・・・とは具体的にどのようにでしょうか」

魔道士「それに白龍・・・魔王と同じドラゴンでしょう その情報源の魔獣も本来は悪の象徴です 信じていいものでしょうか」

勇者は石を握りしめた 眩く石が輝き始めた

81: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:36:46.97 ID:U5eGx7Yw0
勇者「とりあえず、石を握るとどちらに進めばよいか手に取るようにわかるんだ」

バトルマスター「この5年間、花が咲くことはなかった つまり誰も魔王に挑んでいないということだろう」

賢者「進まなくてはなりませんね」

魔道士「おそらくは、真実に一番近い勇者一行がわたしたちでしょうしね」

82: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:37:21.22 ID:U5eGx7Yw0
騎士団A「勇者様御一行が出発なさるぞ!」

騎士団一同「お気を付けて!!!」

バトルマスター「うむ! 皆稽古を怠ることのないようにな!」

魔道士「すっかり慕われてしまったのですね」

賢者「バトルマスターさん、熱心に稽古をつけてらっしゃいましたから」

83: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:38:16.39 ID:U5eGx7Yw0
<第2の街近辺の山にて>

バトルマスター「この山を越えると、さらに標高の高い山々が見えてくるはずだ」

魔道士「ゴケシム・・・この世で最も高い山ですね」

賢者「別名、天国への入口・・・頂上にたどり着いたものはひと握りの人間だけと聞きます」

勇者「・・・!」 スタタタタタタタタタッ

バトルマスター「勇者殿?」

84: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:38:49.26 ID:U5eGx7Yw0
巨大イノシシモンスター 「ブォォォォオ」

4人の男女が襲われている

勇者の一閃! 巨大イノシシモンスターは倒れた!

スタタタタタッ

勇者「・・・大きくなったな」

85: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:41:35.61 ID:U5eGx7Yw0
<ゴケシム山の麓 小さな村にて>

勇者「やはり、山の頂上に導かれている」

バトルマスター「用意を周到にしていかねば、この山を登りきることはできんな」

賢者「魔力や体力もしっかりと回復しておきましょう」

魔道士「おや、あの方は・・・」



巨大な大剣を背負った老人が、子供たちに囲まれ遊びの相手をしていた

老人「おぉ・・・そなたたちは勇者の一行かね?」

86: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:42:21.88 ID:U5eGx7Yw0
バトルマスター「はい、その通りです」

老人「ほぉほぉ、良い一行じゃ わしも昔は旅したもんじゃ 一度は魔王を倒したり・・・ほほ、こりゃいけない、またじじいの戯言が出てしもうた」

魔道士「いえ、わたしたちも一度魔王を倒したので、お気持ちはよくわかります」

老人「なんと、そなたたちもか! ふむふむ そして再び挑もうというのかな?」

賢者「はい 平和を取り戻すためには、挑み続けるしかありませんから」

老人「あっぱれじゃのう その勇姿、しかとこのじじいの目に焼き付けたぞ」

87: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:42:58.74 ID:U5eGx7Yw0
「おい、聞いたか!」 「ついさっき念話魔法で届いた情報だ・・・」 「ああ、第1の街が・・・」 「ここから離れてるけど、心配だよな・・・」

勇者「第1の街が、どうした?」

村人「襲われたんだってよ、魔物の軍団に!」

バトルマスター「!!なんと!?」

賢者「すぐに駆けつけなくては!」

魔道士「皆さん集まってください! いきますよ! 瞬間移動魔法!」

90: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:47:59.45 ID:U5eGx7Yw0
<第1の街にて>

魔物「勇者の家は潰したが、女しかいやしねえ」

魔物「魔物リーダー様が、一番マークしていた勇者だ、襲撃に失敗したとなりゃあ」

魔物「とにかく、街をぶっ壊して燻りだせ!」

ドゴォォォ バァァァァン

魔道士「この街の人間全員を対象に、瞬間移動魔法!」パァァァァ

91: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:48:40.05 ID:U5eGx7Yw0
町外れの丘

賢者「皆さん、無事ですか!?」

魔道士「はぁ、はぁ、なんとか全員助け出せた・・・」

バトルマスター「けが人はいないか!?」

勇者「!!!」

92: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:49:20.68 ID:U5eGx7Yw0
勇者「妻・・・」

妻「・・・あなた 生きてた・・・のね・・・」

勇者「ああ 今すぐ手当をする、そこにいろ」

妻「ふふ・・・なんだか頼もしく・・・なって・・・」

勇者「賢者、賢者!」

妻「もぉ・・・いいの・・・ダメなのは、自分が一番・・わかってるから・・」

勇者「妻・・・」

妻「あの・・ね あの子に会ったら・・・ね・・・」

勇者「・・・」

妻「あ・・・ごめ・・」

94: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:50:18.74 ID:U5eGx7Yw0
賢者「申し訳ございません・・・わたしの回復魔法では手遅れで・・・」

勇者「賢者の魔法で手遅れだったら、どちらにせよ見込みはなかったんだ」

賢者「勇者様・・・」

勇者「街にまだ魔物がいるはずだ バトルマスターと片付けてくる」

スクッ

魔道士「やはり、勇者様の人格・・・感情は・・」

バトルマスター「変わってなどいなかったのかもしれんな」

勇者の瞳からは大粒の涙が溢れていた

96: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:51:37.91 ID:U5eGx7Yw0
勇者「おそらく、これで魔物は全て片付けたはずだ」

バトルマスター「うむ 何人かは既に引き上げていたのかもしれんが・・・」

勇者「少し、先に戻っていてくれないか?」

バトルマスター「うむ では我々は先に丘の向こうで待っていよう」

98: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:52:14.62 ID:U5eGx7Yw0
勇者「・・・」

勇者「この公園・・・息子が小さい時によく来ていたな」

勇者「このラーメン屋、好物だったな もう一度食べてみたい」

勇者「なにもかも、奪っていってくれたな」

?「母さん! 母さん!」

ガラッ ガラッ

一心に瓦礫をかき分ける息子の背中

(・・・・・・・・・・・・・)

勇者「母さんは、もうそこにはいない」

100: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 19:53:38.28 ID:U5eGx7Yw0
バトルマスター「勇者殿、もうよいのか?」

勇者「ああ、大丈夫だ」

魔道士「申し訳ないのですが、先ほどの魔力消費で瞬間移動魔法はしばらく使えず・・・」

勇者「ああ、歩いて向かおう」

賢者「先ほど、若い僧侶さんにお会いして、街の方々のことをお願いしてきました」

バトルマスター「うむ、では行くか」

101: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:00:10.39 ID:U5eGx7Yw0
数ヵ月後

<ゴケシム山山頂付近>

バトルマスター「ふぅ・・・まもなく山頂か」

魔道士「ここまでくると、モンスターさえ現れないのですね」

賢者「おかげで、ダンジョンに専念することができました」

勇者「・・・ついた」

102: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:00:42.39 ID:U5eGx7Yw0
石が眩く輝きだした

大気が震え、回りに霧がたちこめた

?「ワガナは・・ハクリュウ・・ニンゲン・・・ヨウはナンダ・・・?」

巨大な純白のドラゴンが現れた

103: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:01:28.86 ID:U5eGx7Yw0
勇者「この石に導かれてやってきた 真実をここで知ることができると聞いてきた」

白龍「シンジツ・・・マオウのシンジツ・・・」

バトルマスター「うむ、聞かせてくれ!」

白龍「ナンジュウネンモムカシ・・・ワタシとマオウ・・キョウダイダッタ」

白龍「マオウは・・コクリュウ・・ワタシとマオウ・・ナカヨシ・・ダッタ」

104: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:01:58.60 ID:U5eGx7Yw0
白龍「ヒトリノニンゲン・・・ ワカイ・・アカイカミのオナゴダッタ」

白龍「オナゴは・・コドモウンデスグニ・・オトコニステラレタ」

白龍「ワタシとコクリュウ・・オナゴをタスケタ・・オナゴ、ワタシタチにコトバオシエタ」

白龍「コクリュウ、オナゴのコト・・スキニナッタ・・コイシタ・・」

白龍「アルヒ、オナゴステタオトコ、キタ オナゴに・・ワレワレのチ・・トルヨウニタノンダ」

105: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:02:38.67 ID:U5eGx7Yw0
白龍「リュウのチ、ノムトフジミにナレル オトコ・・チ、ホシガッタ・・デモ、オナゴはコトワッタ」

白龍「オトコ、オナゴコロシタ コクリュウ・・オコッタ、モノスゴク・・コクリュウ、オトココロシタ」

白龍「コクリュウのイカリ、オサマラナカッタ・・コクリュウのイカリ、ジャアクなモノウミダシタ」

白龍「ジャアクなモノカラ、アタマイイモノ、アラワレタ・・アタマイイモノ、コクリュウダマシテ、シロにトジコメタ」

106: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:03:18.47 ID:U5eGx7Yw0
白龍「ワタシ、ニンゲンにケイコクシタ・・ニンゲン、ユウシャエランダ・・ユウシャ、コクリュウをタオシタ」

白龍「デモ、コクリュウはタオレナカッタ・・コクリュウ、シンデル・・コクリュウ、レイタイにナッテウゴイテル」

白龍「コクリュウ、シンデルノニイキテル・・シニキレナイ・・コクリュウ」

賢者「なんてこと・・・」

107: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:03:55.13 ID:U5eGx7Yw0
白龍「コクリュウ・・タオセルノ、タブン・・オナゴのマツエイダケ・・」

白龍「ハナシ、オシマイ・・コノハナシシタノ、ニカイメ・・ワタシ、コレカラもキカレタラコタエル・・」

白龍「ソノイシ・・ワタシがニンゲンにアタエタ・・ワタシとアイタケレバ・・ツカエ」

白龍「ワタシ・・カエル・・マオウ・・タスケテ・・・」

霧が晴れた時には、白龍はもうそこにいなかった

バトルマスター「悲しい話だ・・・」

賢者「魔王も・・・救われるべき存在だったなんて」

魔道士「白龍と魔王・・黒龍に言葉を教えた女性には子供がいたとか」

勇者「だが、何十年も前の話だ 今は生きているかもわからない」

108: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:05:04.03 ID:U5eGx7Yw0
賢者「とにかく、その子孫を探すことが重要ですね」

バトルマスター「次の勇者一行が魔王に挑む前に、な」

魔道士「もう、犠牲者は出したくありませんからね」

勇者「・・・・・・あいつは・・・」

109: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:05:46.93 ID:U5eGx7Yw0
<第5の街にて>

勇者「以前ここに来たときの記憶は定かでないのだが」

バトルマスター「魔王の城から最も近い街だ なにか手がかりがあるかもしれない」

魔道士「せめて、名前がわかればよかったのですが・・・」

賢者「髪の色・・・たしか赤い髪のおなごっておっしゃっておられましたよね」

バトルマスター「それだ! 赤い髪など珍しい、探せばもしかしたら」



男「うわぁぁぁぁ俺は魔王を倒したんだぁぁぁ!!!」

110: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:06:37.16 ID:U5eGx7Yw0
看護士「男さん、また!」

バトルマスター「む?あの男性は・・・」

男「ひゅーー、ひゅーー、おまえ、どっかで見た顔だな、ひゅーひゅーー」

魔道士「覚えていらっしゃいませんか? 以前タバコの火をつけさせていただいたのですが」

男「ひゅー、ひゅー、覚えてるぞぉ、勇者一行、ばんざーーーーい」

看護士「ごめんなさいね、この方、少し精神の病気で・・・」

男「ばんざーーーい、今日もまた魔王の城へ、ひゅーひゅー、勇者の一行が向かったぞぉぉぉ」

112: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:07:22.37 ID:U5eGx7Yw0
バトルマスター「なに!? それは本当か?」

看護士「あ、それは本当ですよ 今朝旅立っていかれました 朝から教会ではお祈りがあってましたよ」

賢者「そ、そんな・・・」

看護士「個性的な御一行でしたね これから魔王の城に乗り込むというのに、なんだか観光にでも行くような」

勇者「・・・行こう」

114: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:08:23.63 ID:U5eGx7Yw0
勇者「すまない・・・俺のわがままで」

バトルマスター「気にするな 我々は勇者殿にどこまでもついて行く」

魔道士「それがわたしたちの役目ですから」

賢者「たとえそれが命を落とすことであっても、です」メガネふきふき

115: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:08:59.68 ID:U5eGx7Yw0
<魔王の城門にて>

勇者「やはりすでに魔物が倒されている」

バトルマスター「息子殿・・・なのだろうか」

勇者「たとえ違ったとしても、その一行を救うことはできる」

魔道士「死にに行くようなもの・・・ですが、わたしたちが永久に勝ち続ければ、永久に平和は続くのです 確率は限りなく0ですが」

賢者「あら・・・こんなところに」

116: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:09:33.70 ID:U5eGx7Yw0
賢者の指が示す、一輪の花

萎れてなお、美しい

勇者一行の歩いたあとで、ふわりと風に揺れる

咲き誇る機会を今か今かと待ちわびて

117: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 20:10:07.54 ID:U5eGx7Yw0
この冒険の勇者一行

・お父さん勇者

・筋肉バトルマスター

・黒髪ロング魔道士

・メガネっ娘賢者



第二章 <完>

128: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:06:51.35 ID:U5eGx7Yw0
第一章 母「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」

第二章 妻「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」



第三章

ママ「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」

129: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:07:24.95 ID:U5eGx7Yw0
ママ「なぁんて、冗談でも言えないわよね」

ママ「うちの娘が勇者だなんて・・・」

ママ「あんなにおっとりした子なのに、戦いなんて・・・」

女勇者「・・・ママ」

131: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:08:13.40 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「ママ、あたし旅に出るよ」

女勇者「この街だって、魔物に支配されてるんだよ? あたしが勇者に選ばれたこともすぐにバレちゃうよ」

女勇者「だったら、思い切って旅立った方がいいと思うの」

ママ「女勇者ちゃん・・・」

133: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:09:37.71 ID:U5eGx7Yw0
数ヶ月前

<ゴケシム山の麓 小さな村にて>

戦士「ヌホォォォwww 勇者殿、登頂は成功したでござるか?wwwww」

勇者「なんとかなぁ・・・ それに、親父が何を知って欲しかったのかがわかったし」

老人「ほほぉ・・・ 一人でこの山を登りきるとは お父上も誇りに思うことじゃろう」

勇者「今日も、戦士は稽古つけてもらってたのか?」



大剣を背負った老人と大きな斧を持った屈強な戦士が汗だくになっている

134: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:10:44.47 ID:U5eGx7Yw0
戦士「その通りでござるwww ヌホホwww」

勇者「その体でその口調・・・似合わないなw」

老人「戦士くんはこの数ヶ月で随分と腕をあげたのう 体つきも逞しくなってきた」

勇者「頑張ったんだなぁ そういえば、魔法使いはどうした?」

戦士「コポォwww あそこでござるwwwあそこで子供たちとwwww」

135: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:11:28.14 ID:U5eGx7Yw0
魔法使い「みんなぁ、明日も一緒に遊びましょうねぇ」ブリブリ

子供たち「はぁーい、魔法使い先生!」

魔法使い「気をつけてかえりましょぉねー♪」

勇者「懐かれてるなぁ」

魔法使い「あぁ、勇者様ぁ♪ おひさしぶりです☆」ブリブリ

136: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:12:23.18 ID:U5eGx7Yw0
戦士「では、その女性の末裔を探すのですなwww ヌホホwww」

勇者「ああ、戦士、お前もついてきてくれないか?」

戦士「ドゥフwww 拙者では足でまといにならないかwww」

勇者「いや、今のお前なら十分だよ」

魔法使い「いってらっしゃませぇ♪ あ・な・た☆」

勇者「・・・あなた?」

137: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:13:01.65 ID:U5eGx7Yw0
勇者「まさかとは思うがお前たち結婚したのか?」

魔法使い「はぃ♪ 勇者様が山に登られているあいだに☆」

戦士「ヌホホホホホホォォォwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

勇者「まじか・・・でも・・・案外お似合いのような」

魔法使い「勇者さまぁ 夫をよろしくお願いしますね♪」ブリブリ

138: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:15:47.82 ID:U5eGx7Yw0
勇者「さてと そうだ、この剣は置いていく ボロボロになっちまったしな」

戦士「なんとwww それでは新しい武器を揃えなければなりませんなwww」

戦士「最近発売された新型の剣はどうでしょうかwww マグノヒス製の切れ味抜群で・・・ドゥヒヒwww」

勇者「いや、俺は素手で行くよ」

戦士「!?」

勇者「いや・・・魔王を倒せるのがその女性の末裔だけなら、俺がいくら強い武器持ってても関係ないのかなって」

139: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:16:42.96 ID:U5eGx7Yw0
勇者「親父たちもそのことはわかってたんだろうな・・・ なのに俺たちのために・・・」

戦士「でも、末裔を探す間は武器を持たれた方が・・・ヌホ」

勇者「お前がいるから大丈夫だろw」

勇者「それに、大抵の敵なら素手でいけるはずだよ この数ヶ月、白龍とみっちり稽古してたんだからな、素手で」

戦士「!? なんとwwwwwwwww」

140: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:17:12.78 ID:U5eGx7Yw0
<フィールドにて>

戦士「しかし・・・先ほどからモンスターに出会いませぬなぁwww 勇者殿の気が張り詰めておられるからですなぁwww」

勇者「バレたwwww」

戦士「この調子で行きますと、まったく戦闘をせずに次の街に行ってしまうでござるwww ヌホォwww」

勇者「いいじゃないか、無駄な戦いはしなくても 俺たちは強くなったんだから」

141: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:17:49.38 ID:U5eGx7Yw0
数ヵ月後

<第1の街にて>

女勇者「じゃあ、ママ 行ってきます」

ママ「女勇者、気をつけてね 危なくなったらすぐに帰っておいで」

女勇者「危ないのはこの街にいても同じだよw じゃあ、ね」

パタン

女勇者「魔物に見つからないように、そおっとそおっと」

目立つ赤髪をフードで隠し、こそこそと歩く女勇者

142: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:18:39.46 ID:U5eGx7Yw0
魔物「おい! 今月の上納金はどうした!」

道具屋「申し訳ございません、今月は売上が悪くて・・・」

魔物「うるせえ!」 ドゴッ

道具屋「きゃぁ」

143: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:19:13.33 ID:U5eGx7Yw0
魔物「この街で生きていたかったらなぁ」

魔物「俺たちに上納金を収めること、勇者に選ばれたものを密告すること 覚えておけ」

?「待て」

魔物「ん? なんだぁ小娘」



女戦士「お前が蹴り上げた台を直していけ」

魔物「あぁ? 生意気なぁ」

女戦士 バシュッ

魔物「ぐわぁぁぁぁ」

144: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:20:03.66 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「わぁぁ・・・あの子強いなぁ」

女勇者「あ、あたしも勇者らしく・・・」

魔物「おい、小娘! この女がどうなってもいいのか?」

女勇者「!? いつのまに!!」

145: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:20:37.03 ID:U5eGx7Yw0
女戦士「おい、その子を話せ!」

魔物「いいや、まずはお前が剣を下ろせ そして魔物に怪我をさせたことを土下座して謝るんだ」

女戦士「くっ・・・」

女勇者「あ、あたしのことはいいから・・・」

魔物「ほぉら、俺たちの仲間も集まってきた」

街の中に蔓延っていた魔物たちがわらわらと寄ってくる

魔物「女が二人か・・・楽しませてもらうぞwww」

ドゴォォォォォォォォオオオオ

魔物「!! なに!?」

146: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:21:47.49 ID:U5eGx7Yw0
男「ヌホォォォォオwwwwww コポォォォォオオオwwwww」

男は巨大な斧を振り回した!

魔物「うわぁぁぁ」 「ぐわぁぁぁぁ」

魔物「なんだこいつ! 強い!」

?「二人共、こっちへ!」

147: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:22:33.49 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「はぁ・・はぁ・・ありがとうございます、助かりました」

女戦士「はぁ・・はぁ・・」

勇者「間に合ってよかった・・・ そして」

戦士「ヌフフフゥwww この可愛らしい娘殿はwwww」

勇者「ああ、この髪の色・・・ほとんど間違いないだろう」

148: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:23:11.68 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「あ、あの・・・わたし、実は勇者に選ばれたものなんですけど・・・」

女勇者「もしよろしければ、一緒に旅をしていただけませんか?」

女勇者「昔は酒場で仲間を募っていたそうですが、今はこうして魔物に支配され」

女勇者「勇者に選ばれても旅に出ることが難しくなっているのです」



女戦士「それくらい、この街で暮らしていれば知っている」

女戦士「それに、わたしの道場も潰された・・・仇を打ちたい」

女戦士「是非同行させてくれ!」

勇者(しっかりした子だなぁ)

戦士「もちろん、拙者たちもついて行くでござるよwwwwwwwウヒョッwww」

149: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:24:02.26 ID:U5eGx7Yw0
女戦士「この街は魔物に支配されてから武器屋と防具屋は潰されてしまった」

女勇者「装備はこの街では整えられませんよね・・・」

女戦士「いや、特殊なルートがある」

女戦士「こっちだ みんなついてきてくれ」

150: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:24:41.86 ID:U5eGx7Yw0
<酒場にて>

女戦士「4人だ」

マスター「かしこまりました おやおや、懐かしいお顔ですな ご立派になられて・・・」

女戦士「?」

女勇者「あれ? お知り合いですか?」

勇者「ああ、俺もこの街出身の勇者だよ」

戦士「ヌホッ 拙者もでござるwwwww」

152: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:25:16.69 ID:U5eGx7Yw0
マスター「こちらのお席にどうぞ」

女戦士「さあ、この机の下に潜って 床に仕掛け扉がある」

女勇者「わぁほんと! すごいですね!」

勇者「隠し扉の下は階段になってるわけか」

戦士「ヌホォwww 隠し階段ktkrwwww」

155: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:26:19.49 ID:U5eGx7Yw0
武器屋「おお、女戦士ちゃん 何を買っていくかね」

女戦士「この子が使えそうな武器を」

武器屋「ふむ・・・ 重いものは難しそうだね これなんかどうだろうか」

女勇者「えっと・・・これですか?」

女勇者は鞭を装備した!

戦士「ウヒョウヒョォwwww  これはwwww」

 

157: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:27:31.58 ID:U5eGx7Yw0
<街の通りにて>

勇者「あれから、復興したんだな 」

戦士「ヌホw 皆さん頑張られたのでござるなぁwww」

勇者「魔物も全滅させたし、しばらくは安泰だろう」



勇者「お! あのラーメン屋復活してる! あの子たちが防具選んでるあいだ寄って行かないか?」

戦士「いいでござるなぁwwww ジュルカポォwww」

158: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:28:10.20 ID:U5eGx7Yw0
街外れの丘

勇者「母さん、ただいま」

勇者「今は父さんと一緒かな? 仲良くやってるかな?」

勇者「父さん、嫌な性格になってるだろ?w ほんとにムカつくよなw」

勇者「でも、最後に俺を助けてくれたんだ、父さん」

勇者「じゃあ、そろそろ行くよ またな、母さん」



戦士「もういいでござるか? ヌホゥ」

勇者「ああ、大丈夫だ」

159: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:28:54.85 ID:U5eGx7Yw0
<フィールドにて>

勇者「女戦士ちゃんは戦いには慣れてると思うけど、女勇者ちゃんは初めてかな?」

女勇者「はい、そうなんです」

勇者「じゃあ、まずは女戦士ちゃんと戦士にフォローしてもらいながら戦ってみよう」

女勇者「はい!」

モンスターが現れた!

女勇者の攻撃! ぺしっ モンスターに1のダメージ!

160: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:29:56.90 ID:U5eGx7Yw0
モンスターの攻撃! 戦士は女勇者をかばった! ダメージを受けない!

女戦士の攻撃! モンスターに10のダメージ!

モンスターは倒れた!

勇者「うん、いい感じだな」

女勇者「ありがとうございます!」



女戦士「勇者殿は戦わないのか?」

勇者「んー、ちょっと調子がワルイノデ・・・」

戦士「ドュフwwwww」

女勇者「あたしも早く強くなって、魔王を倒さなきゃ」

161: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:30:29.54 ID:U5eGx7Yw0
<第2の街>

女戦士「着いたな」

戦士「フノォォwww ここはかつては美食の街として栄えていたのだが・・・ヌフゥ」

勇者「今では魔物たちの腹を満たすためだけに料亭は扱われているそうだ」

女勇者「そんな・・・」



魔物「おらぁ、早く飯もってこい!」

162: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:31:07.57 ID:U5eGx7Yw0
魔物A「おいおい店長さんよぉ、飯が来るのが遅くねぇか?」

魔物B「誰のおかげでこの街が残ってると思ってるんだ、あ?」

店長「も、申し訳ございません!」

女戦士「あの者共!!」

戦士「ヌホォォwwww 叩き潰してしまおうかwww」

163: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:31:52.78 ID:U5eGx7Yw0
勇者「まぁまぁ、落ち着きなって 飯は落ち着いて食おうぜ」

魔物A「なんだこらぁ」

魔物B「引っ込んでろ!!」 ヒュッ

魔物Bの攻撃! 勇者は魔物Bの目を見つめた!

魔物B「ひっ!!」

164: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:32:23.99 ID:U5eGx7Yw0
魔物A「くっ・・・こいつらをやっちまえ!」

魔物Aの攻撃! 戦士は女勇者と女戦士をかばった!

戦士「ヌホォォォwwwwww 痛いでござるなぁwww」

勇者「あんまり騒がないでくれよ」ボコッ

勇者は魔物Bを殴り飛ばした! 魔物Bは倒れた!

魔物A「素手で!! 化物だ・・・」

戦士「よそ見はダメでござるなぁwww」

戦士は斧を振り下ろした! 魔物Aは倒れた!



女戦士「強い!!」

女勇者「わぁ・・・」

勇者「さて、この街の魔物も全滅させようか」

戦士「フヌゥゥゥゥwwww コポォォォォォwwwww」

165: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:32:58.93 ID:U5eGx7Yw0
<フィールドにて>

戦士「しかし、どこの街も魔物が牛耳っているのでござるなぁ・・・ヌフゥ」

勇者「各街から選ばれる勇者を魔物たちが未然に始末しているとなると、退治できるものがいなくなるのだろう」

女戦士「・・・卑怯な」

女勇者「ほんとですよね・・・」

勇者「少し、あの木のしたで休憩しよう」

166: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:34:10.94 ID:U5eGx7Yw0
小高い丘の上に生えた一本の木下で

勇者「女戦士ちゃんはタフだなぁ」

女戦士「当たり前だ、幼少から鍛えているからな」

女勇者「はぁ・・・それに比べてあたしは・・・」

戦士「大丈夫でござるよ、拙者たちのgdgdっぷりに比べたらwwww」

167: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:34:50.30 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「はぁ・・・あたしのような頼りない勇者でよいのでしょうか」

勇者「そんなこと言ったら、俺は旅立つまで引きこもりだったんだぜw」

戦士「拙者もひ弱なヲタであったしな、女戦士タソはその点立派でござるwwwwwコポォwww」

女戦士「わたしは、実家が道場で父上が師範であったからな、環境が整っていたのだ」

女戦士「しかし、父も勇者の一行に選ばれ旅立ち・・・それから帰ってこない」

168: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:35:33.49 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「あたしは、小さい頃からママと小さな集落にいたんです」

女勇者「その前はどこか遠い所にいたんですけど、この髪のせいであたしがいじめられちゃって・・・」

女勇者「この髪、ひいおばあちゃんからの遺伝みたいなんですけど、こんな色の髪、珍しいですよね」

女勇者「でも、その集落に移ってからはいじめられることもなくて平和にくらしてたんですよ」

169: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:36:04.68 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「でも、その集落も魔物に襲われて・・・」

女勇者「逃げに逃げて、たどり着いたのが第1の街だったんです」

女勇者「でもママとあたしが引っ越してきてすぐ、あたしが勇者に選ばれて・・・」

女戦士「魔物にバレたら必ず殺される その時に、よそ者だったのだからと気を紛らわすために違いない・・・」

女戦士「街の偉い人間も、魔物に媚を売っていたからな とことん卑劣なやつらだ」

170: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:38:14.69 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「それにしても、勇者さんはなぜ引きこもってらしたんですか?」

勇者「ははは・・・ ストレートに聞いてくるなぁw」

勇者「いろいろだよ 親父も帰ってこないし、勉強もうまくいかないし、そんな時にいきなり勇者に任命されるし」

勇者「今思うと、本当に甘えた人間だったよ でもその当時の俺は、世界で一番運のないやつだと思ってた」

勇者「心配してくれる母親にも当たってなぁ 最低だったんだ」

171: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:38:51.45 ID:U5eGx7Yw0
勇者「あ、ごめん、暗くしちゃったなw さて、次の街はファッションの街だ 魔物を倒したら、可愛い洋服でも買うといい」

女勇者「わぁお洋服ですか」

女戦士「服など・・・興味はない」

戦士「女戦士タソ、意外とスカートなどお似合いかと思うでござるwww ニュホwwww」

女戦士「そ、そんなこと・・・///」

172: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:39:23.29 ID:U5eGx7Yw0
<第3の街にて>

勇者「・・・なんじゃこりゃ」

戦士「住民は皆同じ服を着てるでござるなぁ・・・ヒョホ」

女勇者「えぇっと、魔王様万歳! って書いてありますね」

女戦士「これが・・・かつてはファッションで名の知れた街だというのか・・・」

173: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:39:56.14 ID:U5eGx7Yw0
魔物「ぐひひ、魔王様への忠誠の印に作られたTシャツ、しっかりと着ておるなwww」

魔物「ん? あいつら、着ていない!」

魔物「お前たち、ちょっと待て 魔王様Tシャツを着ていないものを見つけたら街を破壊すると教えておいたはずだが」

魔物「こいつらを取り囲め!!」

戦士「ウヒョッwwwwwwwwww」

戦士は斧を振り回した!

174: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:40:32.07 ID:U5eGx7Yw0
魔物「うわぁぁぁぁあぁぁ」 「ぎゃぁぁああああ」

勇者は大きく息を吸い込み、吐くと同時に正拳突きを放った!

ドゴォォォォッォォォッォォオオオ

魔物「ぐはぁぁぁぁあああ」「ぎょえぇぇええええ」

女勇者「街の皆さん! こちらへ避難してください!」

女戦士「魔物ども、どけどけぇ」 ザシュッ バシュッ

175: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:41:11.16 ID:U5eGx7Yw0
勇者「街の人々は解放された これからはまた流行の最先端を行くファッションの街になるだろう」

戦士「お二人は残念でござったなぁwww お二人の可愛い格好を見たかったのでござるがヌホホwwwww」

女勇者「また次の機会・・・世界が平和になったら、女戦士さん、一緒に来ませんか?」

女戦士「!! ま、まぁ・・・女勇者殿がそう言うのなら・・・」

176: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:41:47.01 ID:U5eGx7Yw0
<フィールドにて>

女勇者「あ! あそこはお花畑なんですねぇ」

女戦士「花が咲いたら、綺麗なのだろうな」

勇者「そうか、二人共もう魔王と花の関係は知っているのか」

女勇者「はい、学校で習いました!」

戦士「勇者殿、実はうちの魔法使いタソが広めたのですよヌホォwwww」

177: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:42:22.24 ID:U5eGx7Yw0
<第4の街にて>

勇者「ものすごいバリケードだな」

戦士「セキュリティーがしっかりしてござるなぁwwww この街はまだ魔物たちに抵抗しているようでござるフモゥ」

女戦士「門の上に見張りがいるな」

女勇者「わたしたち、入れてもらえるでしょうか」

門番「何者だ! 用件を聞こう!」

女勇者「あのぉ勇者の一行なんですけど・・・」

門番「!! そこの二人はもしかして・・・」

勇者「お久しぶりです」

戦士「ヌホホォwww」

178: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:43:11.18 ID:U5eGx7Yw0
女戦士「流石に一度旅をした勇者殿や戦士殿は顔が広いな」

勇者「まあねw」

戦士「この街は以前から騎士団も配備されていたので魔物に抵抗できたのでござるなwwww」

女勇者「わあ、騎士団の方々が稽古をされてる!」



騎士団「やぁぁぁっ!!」 「とりゃぁぁぁ!!」

女戦士「!! これはうちの道場の型ではないか!」

騎士団A「勇者殿、戦士殿、ご無沙汰しておるな」

女戦士「失礼ですが、この型はだれが指導されているのでしょうか」

騎士団「ああ、これはここの騎士団をお作りになった、バトルマスター殿が・・・

女戦士「ち、父上が・・・!?」

179: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:44:01.47 ID:U5eGx7Yw0
騎士団「なんと!? バトルマスター殿のお嬢様がおいでになった!!」

騎士団「なんだと!!」 騎士団「それは本当か!!」

年配の騎士団がわらわらと集まってくる

騎士団「本当だ、お父上の名残がある!」

女戦士「父上・・・」

180: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:44:34.22 ID:U5eGx7Yw0
<宿屋にて>

女勇者「女戦士さんのお父さん、やっぱり凄い方だったんですね」

女戦士「父上がここにいた証・・・是非これからも残って欲しいものだ」

戦士「バトルマスターってもしかして・・・」ヒソヒソ

勇者「ああ・・・ これは言わないでおこう」ヒソヒソ

181: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:45:19.18 ID:U5eGx7Yw0
<フィールドにて>

女勇者「わたし、少しは強くなれたでしょうか・・・」

勇者「うん、旅を始めた頃とは見違えるようだよ」

戦士「女戦士殿も強さに磨きがかかり、拙者を追い抜きそうでござるwwwww」

女戦士「戦士殿に毎日稽古をつけて頂いているからです」

182: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:45:50.71 ID:U5eGx7Yw0
<第5の街>

勇者「おお、ひさしぶり!」

戦士「そ、僧侶さん!! おひさしぶりでござるwwwwwwヌホォォォwww」

僧侶「戦士、まだその気持ち悪い喋り方してるのー?w せっかく強そうになったのにーw」

戦士「コポォwww 勇者殿は僧侶さんともう会っていたでござるか?www」

勇者「ああ、飛ばされてすぐにこの街に来たんだ そしたら僧侶がここにいた」

僧侶「ウチ、今ここの教会仕切ってるんだよーすげーべwww」

185: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:46:43.21 ID:U5eGx7Yw0
勇者「そういえば、あの男の人・・・魔王を倒したんだぁぁの人は?」

僧侶「んー先月亡くなったぁー 最後は静かだったよー」

勇者「・・・そうか・・・」

戦士「無念であったろうな・・・フヌォ・・・」

187: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:47:54.27 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「な、なんだか凄い方ですね、僧侶さん」

女戦士「あ、ああ・・・」

僧侶「んー? きゃわたんな子二人も連れてwww 楽しそうな旅だなまったくwww」

勇者「きゃわたん・・・って」

戦士「フヌカポォwwwww」

188: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:48:27.09 ID:U5eGx7Yw0
<宿屋にて>

勇者「さて、ここで女勇者ちゃんに言っておかなきゃならないことがある」

勇者「率直に言うが、魔王を倒せるのは、おそらくこの世で女勇者ちゃんだけだ」

女勇者「!? えっ」

勇者「昔、二頭のドラゴンがいた 名前は白龍と黒龍 二頭は兄弟のように仲が良かったらしい」

勇者「そしてあるとき、二頭は人間の女性を助ける」





勇者「女性は、結婚を考えていた男性に裏切られたショックで彷徨っていたらしい」

勇者「二頭のドラゴンはそれを見かねて助け、そのお返しにと女性はドラゴンに言葉を教えた 幸せな一時だった」

勇者「しかし、その幸せは長く続かなかった 女性がドラゴンと仲良くしていると聞きつけた男は、女性をたきつけ、ドラゴンの血を奪おうとした」

勇者「男はドラゴンの血の効力、不死の力を手に入れたかったんだろう 当然、女性はそれを拒否した」

勇者「逆上した男は女性を殺した それに怒ったのは、女性に恋心を抱いていた黒龍・後の魔王だった」

189: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:49:38.78 ID:U5eGx7Yw0
勇者「黒龍の怒りは男を殺しても収まらず、全身から悪を生み出すようになった それが、モンスターや魔物の正体だ」

勇者「黒龍は何度も倒されたが霊体となって蘇った 黒龍を本当に倒せるのは女性の末裔だけらしい」

勇者「もうわかるかな その女性は君のひいおばあさんだ 君はその女性の末裔なんだよ」

女勇者「・・・・えっ えっ」





勇者「明日、魔王の城へ乗り込む 俺たちは全力で君を死守する 最期の止めを、女勇者ちゃんがさしてほしい」

女勇者「あ・・・あの・・・わかりました、やってみます!」

勇者「それから、みんなにこれを渡しておく」

勇者「白龍のウロコだ 血じゃないから不死身にはならないが、一度だけ死んでも蘇ることができる」

勇者「明日でこの時代を終わらせよう 新しい、平和な時代を作るんだ!」

戦士「コポコポォォォxwwww」

女戦士「・・・やってやる!」

190: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:50:28.35 ID:U5eGx7Yw0
翌日

僧侶「じゃーみんな気をつけてね 神様、この人たちしっかり見守っててねー」

勇者「相変わらず適当なお祈りだなw じゃ、行ってくる」

戦士「フヌフヌゥwwwwww 拙者が女勇者タソと女戦士タソをお守りいたすぅwwwwww」

女戦士「結構です 守られなくとも戦えます」

女勇者「き、緊張しますね・・・

191: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:51:01.56 ID:U5eGx7Yw0
<魔王の城門にて>

勇者「まず、俺と戦士で道を作る」

戦士「拙者のあとに続くでござるwwwwwwwwwwwwwwウヒョッwwww」

魔物「人間どもが、わざわざ死にに・・・・ぐほっ」

ドゴォオオオオオオオオオオオオオオオオオン

勇者「走るぞ!」

女勇者「はい!」

女戦士「女勇者殿! こっちへ!!」





魔物リーダー「ふふふ、またお会いしましたね」

魔物リーダー「しかし・・・どうです? 宣言通り魔物の数も増え、人間世界を支配し始めたでしょう」

魔物リーダー「もうまもなく、世界は我々のものとなるのです」

魔物リーダー「ふふ、戦いではもうあなたがたに敵うことはないでしょう」

魔物リーダー「しかし、魔王様がおられる限り我々は・・・・ぐふっ」

勇者は魔物リーダーの腹に正拳を叩き込んだ!

勇者「先に進もう」

192: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:51:59.27 ID:U5eGx7Yw0
<魔王の部屋>

女勇者「!!!!! おっきい・・・」

女戦士「そして禍々しい殺気・・・」

勇者「魔王・・黒龍 楽にしてやるからな」

戦士「行きましょうwwwwww ヌホォオオオオオオオオオwwwwwwwwww」



勇者は飛び上がり、魔王の額に拳を叩きつけた!

魔王「ギャァァァッァァァアアア」

戦士「ふんぬぅwwwwwwwwwwwwwwwコポォwwww」

戦士は斧を振り回し攻撃!

女戦士「後ろがお留守だぞ!」

女戦士は尻尾に斬りつけた!

193: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:52:40.96 ID:U5eGx7Yw0
魔王「グギャァァァァァ」

勇者「攻撃を一度でもくらうと大ダメージだ、気をつけるんだぞ!」

戦士「さぁて、拙者の奥義を見せる時がきたようだ・・・ヌホォォwwwww」

戦士は斧を地面に叩きつけた!

魔王の足元が大爆発した!

勇者「女勇者ちゃん、もうすぐだ、最期の一撃を頼む!」

女勇者「はい!」



勇者「うりゃぁぁぁぁ」グオォオッォォオオオ

勇者は思い切り息を吸い込み、吐くと同時に正拳突きを放った!

魔王「ギョェェエエエエエエエエエエエ」

戦士「いまでござる!!!!!! フヌカポォ!!」

女勇者「はいっ  えーーーーいっ」 パシーーーン

195: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:53:18.23 ID:U5eGx7Yw0
勇者「はぁ、はぁ、やった・・のか?」

戦士「確かに最期の一撃は女勇者タソがしたでござる・・・ヌゥゥ」

女戦士「・・・・!? 女勇者殿!」

女勇者「!!!」

魔王が起き上がり、女勇者に腕を振り下ろした!

201: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:55:29.88 ID:U5eGx7Yw0
白い・・・真っ白な世界・・・

女勇者「うぅ・・・ここは?」

そばに勇者が倒れている

女勇者「勇者さん!」

勇者「あ・・・ ここは・・・女勇者ちゃんをかばったつもりだったんだが、二人共押しつぶされてしまったかな」

女勇者「でも、白龍さんのウロコで」

勇者「甦れるはずだ」

?「勇者・・・」





勇者「お、親父! それに・・・」

勇者母「勇者くん」

勇者「母さん・・・」

勇者父「お前たち、蘇る前に見ておかなければならないものがある」

勇者父「特に、そこのお嬢さんにはね」

勇者父「このまま真っ直ぐ進むがいい 健闘を祈る」

203: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:56:51.44 ID:U5eGx7Yw0
勇者「・・・と、父さん ありがとう」

勇者「それと母さん・・・弁当、ごめんなさい」

ゆっくりと姿が薄れていく両親に、勇者は頭を下げた

女勇者「まっすぐ、ですよね」

勇者「ああ」ゴシゴシ

女勇者「あ、あそこに人が・・・」

勇者「・・・あの人は」

赤髪の女性が微笑みながら二人を待っていた

女性は光となり、二人を包み込んだ

204: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:57:26.82 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「これは・・・」

花が一面に咲き乱れる大草原だった

赤髪の女性が、二頭のドラゴンと戯れている

「あなたは白龍、あなたは黒龍」

白龍「ハク・・・リュウ?」

黒龍「コク・・・リュウ?」





不意に場面が切り替わる

女性と黒龍が、小高い丘の一本の木のしたで寄り添っている

「これはね、花っていうの 綺麗でしょ?」

黒龍「ハナ・・・はオマエ・・・」

「そう、わたしの名前もハナ これも花 ここから見える、美しいものみんな花」

黒龍「ハナ・・・キレイ・・オレ、ハナ・・スキ」

黒龍「オマエのハナもスキ・・オレ、オマエ・・スキ」

「えへへ・・・ありがとう」





再び場面が切り替わる

暗闇の中で突如火柱が上がる

黒龍「オォオオオオオオオ!!!  ニンゲン・・・ユルサナイ・・・ニンゲン・・コロス!!!」

白龍「ニンゲン・・ワルイモノダケデナイ・・ハナも・・ニンゲン」

黒龍「コロス・・・コロス・・コロス」

黒龍の体から邪悪な物が吹き出している

あたりの花は一瞬にして萎れていった

白龍はそれを見つめ、悲しそうに天へと帰っていった

207: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:58:39.06 ID:U5eGx7Yw0
女性「あなたがたにお願いがあります」

女性「わたしはここにいると、黒龍にお伝えください」

女性「あなたはわたしとよく似ている」

女性「黒龍もあなたの言葉に耳を傾けるかもしれない」

女勇者「ひいおばあちゃん・・・」







ぐいっと体全体を引かれるような感覚が二人を襲った

戦士「勇者殿!! 女勇者タソ!! 気がつかれたでござるか・・・・・・ヒョホォ!!」

女戦士「はぁ・・・はぁ・・・わたしたちだけではもう・・抑えられません・・」

魔王は狂ったように暴れている

勇者「女勇者ちゃん・・・」

女勇者 ふらっ ふらっ

209: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 21:59:45.63 ID:U5eGx7Yw0
女勇者は魔王の足に抱きついた

女勇者「黒龍・・さん ハナさんはあなたを待っていますよ」

女勇者「もうハナさんのそばに、行ってあげてください・・・

魔王は女勇者を引き剥がした

女勇者「あうっっっ・・・」 バタッ

女勇者の赤髪が揺れる

魔王「ギャァァァァアァァア」

魔王は腕を振り上げた!

女戦士「女勇者殿!!!!!!!!!」

210: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 22:00:20.09 ID:U5eGx7Yw0
魔王「・・・・・・ハナ・・キレイ」

女勇者「・・えっ」

魔王「オレ・・ハナ・・スキ・・」

魔王の目から涙が溢れる

魔王「ハナのトコロ・・イク」

流れた涙は金色に光り、魔王の体を包んでいく



魔物リーダー「それは・・断じてならぬのですよ・・はぁはぁ・・・」

211: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 22:00:51.91 ID:U5eGx7Yw0
魔物リーダー「まだ間に合う・・お前たちをここで葬れば、まだ魔王様をお引き止めすることができる」

魔物リーダーは両手を掲げた!

邪悪な波動が勇者たちに襲いかかる!

戦士「フヌカポォォォォ!!!!  女勇者タソと女戦士タソは拙者がお守りいたすぅ!!!! あ、勇者殿も!!!!!!」

勇者「!! 戦士!!!!」





戦士は3人をかばった!

戦士は一言も発せずバタリと倒れ込んだ

勇者「戦士!!!!!!!!!!!」

女戦士「外道な!!」 バシュッザシュッガシュッ

魔物リーダー「くそぅ・・・我らの支配が・・我らの時代が・・・ぐふっ」

212: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 22:01:40.39 ID:U5eGx7Yw0
魔王は静かに翼をたたみ、天を見つめた

「ハクリュウ・・スマナイ・・サキにハナのトコロ・・イク・・」

金色の光りが魔王の全身を満たし、魔王の体は薄れていった

光りは上へ上へと、遥か天上へ昇っていった

勇者「外に・・・出よう」

214: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 22:02:11.85 ID:U5eGx7Yw0
女勇者「あっ 花が!!」

城門の下に一輪の花が咲いていた

女戦士「綺麗・・・だな」

勇者「こっちはもっと綺麗だぞ」

女勇者「!!! すごい・・・」

一面の花畑であった 色とりどりの花が咲き乱れていた

勇者「おい、そろそろ起きろ!」バシッ

戦士「コポォォォwwww  綺麗でござるなぁwwwwwwwww」

215: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 22:02:45.72 ID:U5eGx7Yw0
花は一心に咲き誇った

永遠に咲き続けることができる喜びを噛み締めて

暖かな日差しもそれを歓迎し

そよ風が優しく花を揺らした

216: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/13(水) 22:03:15.11 ID:U5eGx7Yw0
この冒険の勇者一行

・おっとり女勇者

・しっかり女戦士

・元引きこもり勇者

・ヲタク戦士



第三章 <完>

三部作 <完結>

 

269: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:02:41.68 ID:iVhThbsF0
第一章 母「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」

第二章 妻「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」

第三章 ママ「あんた勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」



番外編

彼女「あんた元勇者なんだしそろそろ旅立ちなさいよ」

270: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:03:25.86 ID:iVhThbsF0
彼女「てかー、最近盗賊団?とか出てるって噂じゃん?」

彼女「あんた最近また引きこもり気味だしー」

彼女「せっかく強いんだから退治してきなよー」

元勇者「いや俺はお前がやらない家事をしっかりとこなしているんだが・・・」

272: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:06:06.71 ID:iVhThbsF0
彼女「いいじゃーん じゃあさ、ウチもついていくからー」

元勇者「お前はこの街の教会任されてるだろ、そう簡単に・・・」

彼女「いーのいーの、うちの教会の子達みんな優秀だし そろそろウチも出歩きたいし」

元勇者「お前・・・第5の街から異動した理由、実家から通えてのんびりできるからじゃなかったか?」

彼女「んー あきた」

273: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:08:36.22 ID:iVhThbsF0
彼女「神様ぁー 今から出発するんで見ててくださーい」

元勇者「あいも変わらず適当なお祈りだな・・・」

彼女「でもー このお祈りで今まで無事にこれたしー」

元勇者「・・・・・」

彼女「ほら、いくよー」

275: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:10:01.56 ID:iVhThbsF0
<第2の街にて>

彼女「うわーひさびさに来たー あんたなんかうまいもん奢れよー」

元勇者「はぁ? お前の方が断然稼ぎいいんだからお前が奢れよ」

彼女「あ、あのパスタの店うまそー」

元勇者「聞いてないし」





彼女「うまー」

元勇者「この街の料理は相変わらずうまいよな」

「おい、この街に今夜現れるらしいぞ・・・」「予告上が・・・」ザワザワ

元勇者「なんだなんだ?」

彼女「なんかー、今夜盗賊団が現れるんだってーこの街に」

元勇者「なんで聞こえる」

彼女「んー? 雑音除去魔法つかったー」

276: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:12:21.43 ID:iVhThbsF0


<宿屋にて>

元勇者「街中警察だらけだなー」

彼女「警察ってー、魔王が倒れてからできた組織なんだよねー せっかく平和になったのに人間の犯罪が多いなんてやだよねー」

元勇者「!!! あれは・・・」



ドゴォォォォォォォン

街の中央で大きな火柱が上がる

盗賊A「この街に伝わる伝統のパイ生地は全て頂いた 次は第3の街へ向かう!」

盗賊B「わたしたちのことぉ 恨まないでねぇ」うふんあはん

盗賊C「ずらかっちゃうぞー それー」

盗賊Cは呪文を唱えた! 盗賊団たちは姿をくらませた!

277: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:17:09.92 ID:iVhThbsF0
元勇者「盗賊団、魔法を使うのか・・・ 一般人の警察じゃ敵わないよな」

彼女「それにー、肉弾戦も強いらしいよーあいつら」

元勇者「やっかいだなぁ」

彼女「とりあえずー、第3の街にいってみよー?」

元勇者「そうだな、そうしよう」

278: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:21:19.42 ID:iVhThbsF0
少し呼ばれたので用事を済ませてきます!

279: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:43:10.51 ID:iVhThbsF0
<第3の街にて>

彼女「わぁーやっぱ服とかカバンはここだよねー あんたも服買いなよー」

元勇者「いや、俺は間に合ってるから・・・」

彼女「勇者やってるときはそれでよかったかもだけどー 今は引退して一般人なんだからさー」

元勇者「いいんだよ・・・ってあれ?」

280: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:43:47.53 ID:iVhThbsF0
女勇者「女戦士ちゃん可愛いです♪」

女戦士「そ、そうか・・・女勇者殿がそう言ってくれるのなら嬉しいが・・・」

女勇者「女戦士ちゃんスタイルいいからなんでも似合っちゃうね♪」

女戦士「そんなことは・・・///」



彼女「おーきゃわたん二人組じゃーん おひさー」

女勇者「そ、僧侶さん!!」

女戦士「ご、ご無沙汰しております!」

彼女「そうかしこまらないでーwww」

281: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:46:29.67 ID:iVhThbsF0
<宿屋にて>

元勇者「俺は結局荷物持ちかよ・・・」

彼女「いーじゃん、力持ちなんだからー」

元勇者「荷物を運ぶために鍛えたのではないんだが・・・」

彼女「どー? これ似合う?」

元勇者「似合う やっぱり意外と胸が・・・」

ドシュッ





彼女「しっかしこないねー盗賊団」

彼女「ほんとに来るんかなー」

彼女「ほらーあんたも寝てないで見張れよー」

元勇者「・・・・・・」

282: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:52:10.29 ID:iVhThbsF0
ドゴォォォォォォォオ

元勇者「来たか!!」

彼女「よーしいこっかー」

タタタタタタタタタッツ

盗賊A「この街伝統の刺繍糸、頂いた 次は第4の街へ向かう!」

盗賊B「ここのお洋服ぅ わたし好きよぉ」うふんあはん

盗賊C「さ、ささっとずらかるぞー それー」

元勇者「まてぃ!」

元勇者の拳は空を切った



彼女「なんであいつらー、これから行くとこ言うんだろー」

283: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 18:58:05.99 ID:iVhThbsF0
<第4の街にて>

元勇者「さすがにここはセキュリティーが頑丈だな」

彼女「ねー」

元勇者「飛行魔法で空から監視してるし」

彼女「今度はなに狙ってるんだろーねー ここの有名なものってー」

彼女「形になるものじゃないよねー、娯楽って」

元勇者「だよなぁ」

284: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:00:49.46 ID:iVhThbsF0


「出たぞ!!!」 「盗賊団だ!!」バタバタバタ

元勇者「俺たちも行くぞ!」

彼女「はー? 今メイク落としたとこだったのにーさいあくー」

元勇者「はいはいスッピンでも可愛いからダイジョウブダヨー」

285: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:01:49.47 ID:iVhThbsF0
盗賊A「我々はここ最近巷を賑わしている盗賊団である」

盗賊B「皆さぁん わたしの体よく見てぇ」うふんあはん

盗賊C「ずらかりたいけど ずらかりたいけど ずらかりたいけど注目嬉しい!」:

「今度は何を盗むんだ・・・」「金か・・・ここは金が集まるからな・・・」

盗賊A「今回はお前たちの視線を頂いた 次は第5の街へ向かう!」

元勇者「・・・・・・」

彼女「・・・・・・・」

 

288: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:07:53.56 ID:iVhThbsF0
<第5の街にて>

元勇者「そろそろ捕まえなくては」

彼女「だねー あ、みんなおつー」

僧侶見習い「僧侶様がいらっしゃったわ!」 「きゃー僧侶様よー!」キャピキャピ

元勇者「なんでお前こんな人気あるんだ?

僧侶「さー?」

289: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:08:30.84 ID:iVhThbsF0
彼女「ってかー、こんなとこ来て盗むものなんてないよねー」

元勇者「ああ、病院と教会、孤児院くらいしかないからな」

彼女「なんの用があるんだろうねー」

元勇者「だなぁ」

彼女「しっかし、寒いねー」

290: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:09:02.14 ID:iVhThbsF0


盗賊A「さて、そろそろ行くぞ」

盗賊B「待ってぇ 登場のポーズまだ決まってないのぉ」うふんあはん

盗賊C「すでにずらかりたーい ずらかりたーい」

元勇者「おい」

盗賊団「!!!」

291: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:09:33.17 ID:iVhThbsF0
元勇者「こんなところでなにを盗もうとしてるのか知らんが、捕まえさせてもらうぞ」

盗賊A「ここでは何も盗む気はない だが、今お前に捕まる訳にはいかないのだ」

盗賊B「あぁん。。。 体が熱いわぁ。。。 誘惑魔法。。。」うふんあはん

元勇者「おぉ・・・いい胸だ・・・ぐふっ」

僧侶「まんまとかかりやがって」

盗賊C「さーてずらかりタイムー」

292: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:10:31.92 ID:iVhThbsF0
僧侶「周囲に結界展開」パシュシュシュシュシュシュ

元勇者「さぁて、ここからは逃げられないぞ」

盗賊A「仕方がない 手荒なことはしたくないのだが」

盗賊Aは懐から短刀を取り出した

シュッ シュッ

元勇者「危ない危ないっ うわっ」

盗賊B「あらぁ あなたいい    してるわねぇ」うふんあはん

僧侶「うぜー」

293: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:11:05.86 ID:iVhThbsF0
元勇者は大きく息を吸い込み、吐くと同時に正拳突きを放った!

盗賊A「ごほぉぉぉぉぉぉぉおお」

僧侶「捕縛魔法大! これで逃げられねーよ」

盗賊B「あぁん。。。 縛られちゃったぁ。。。」うふんあはん



元勇者「そこで空気になってるつもりだろうが」

盗賊C「見つかったー見つかったー」

元勇者「うるさい」ゴン

盗賊C「げふっ」

294: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:13:16.71 ID:iVhThbsF0
元勇者「で、なにが目的だったんだ?」

盗賊A「・・・我々はもともと勇者の一行だったんだ」

盗賊A「ただ、我々の勇者様は旅の途中で酒と女に溺れ 我々を解雇した」

盗賊A「我々は一夜で職を失った」

盗賊A「まだ、モンスターがうろついていた時代ならまだよかったが」

盗賊A「平和な世の中で我々に職はなかった 簡単に言えば金に困ったからだ」

295: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:14:26.58 ID:iVhThbsF0
盗賊A「だが、次第に我々にも罪悪感が芽生えてきた」

盗賊A「そして、最後は派手に目立って捕まってしまおうと考えた」

盗賊A「そして、自己満足ではあるが最期の悪巧みを考えた」

盗賊A「ここは病院と教会と孤児院の街 平和になった世の中で唯一恵まれない街」

盗賊A「俺たちの最後の悪事は・・・これだ!」

ドゴォォォォォォオォオォォオオ

296: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:14:56.77 ID:iVhThbsF0
盗賊Cは火柱の呪文を唱えた!

火柱が結界に穴を開けた!

盗賊B「あはん。。 いい縄だったわよぉあなた」うふんあはん

盗賊Aは盗賊B・Cを連れ大空に舞い上がった

盗賊A「街の皆!!! 盗賊たちからのプレゼントだ!!!!」

297: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:16:24.95 ID:iVhThbsF0
ふわふわとゆるやかに落ちるプレゼントには、ほかほかのパイとあたたかいセーターが包まれていた

包みに混じり、空からは雪が降ってきた

プレゼントに気づいた子供たちは

大喜びで外に飛び出し

塞ぎ込んでいた病人は手を叩いて笑顔になった

298: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:16:55.53 ID:iVhThbsF0
盗賊A「我々は今から自主する」

盗賊B「いつかちゃんと、盗んだもののお金払うためにもぉ」うふんあはん

盗賊C「ずらからずにーずらからずにー働く!働く!」

元勇者「なんか・・・俺たち別にいらなかったような・・・」

彼女「だねー」

299: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:17:40.43 ID:iVhThbsF0
翌朝には雪は積もり

一面の銀世界であった

彼女「うわーきれいだねー」

元勇者「花とはまた違った綺麗さだよな」

彼女「昔は季節もなにもなかったからねー」

300: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:18:11.47 ID:iVhThbsF0
彼女「ねーあんたさー」

元勇者「ん?」

彼女「なんていうかー ありがと」

元勇者「なんだよいきなり」

彼女「あんたといるとやっぱし楽しいやーw」

元勇者「ははは」

彼女「これからもよろー」

元勇者「はいよー」

301: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:18:43.88 ID:iVhThbsF0
二人は手を繋いで歩き始めた

楽しげに話していたかと思えば突然喧嘩をしたり

それが二人の寄り添い方のようだった

降り積もった雪の上には

ふたつの足跡がどこまでも続いていた

302: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/14(木) 19:19:14.40 ID:iVhThbsF0
この冒険の勇者一行

・引きこもり元勇者

・ギャル僧侶



番外編 <完>