1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 01:55:35.81 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「こ、こんにちは……」
岡部「うん? ルカ子か、どうした?」
ルカ子「えっと……まゆりちゃんは、居ませんか?」
岡部「まゆりなら今日はバイトだ。おそらく、今日はラボには来ないだろう」
ルカ子「そうですか……」
岡部「まゆりに何か用があったのか?」
ルカ子「は、はい……またコスプレしないかって誘われて……」
岡部「それを断るために会いに来た、というところか」
ルカ子「……はい、明日にでも言ってみます。……あれ? 岡部さん、その机の上にある袋は……」
岡部「これか? これは……キャベツだ」
岡部「うん? ルカ子か、どうした?」
ルカ子「えっと……まゆりちゃんは、居ませんか?」
岡部「まゆりなら今日はバイトだ。おそらく、今日はラボには来ないだろう」
ルカ子「そうですか……」
岡部「まゆりに何か用があったのか?」
ルカ子「は、はい……またコスプレしないかって誘われて……」
岡部「それを断るために会いに来た、というところか」
ルカ子「……はい、明日にでも言ってみます。……あれ? 岡部さん、その机の上にある袋は……」
岡部「これか? これは……キャベツだ」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:01:41.16 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「キャベツ、ですか……」
岡部「ああ、久しぶりに家に帰ったら親が野菜を食えとうるさくてな……無理矢理持たされた」
ルカ子「そ、そうなんですか」
岡部「だが、料理をしようとも思わず、どうしようかと困っていたのだ……」
ルカ子「野菜炒めなら……すぐにできると思いますよ」
岡部「……正直に言うとだな、夏バテでやる気が全く起きなくてな」
ルカ子「な、夏バテ……岡部さん、大丈夫なんですか?」
岡部「うむ、しっかりと食べているはずなのに、どうして夏バテになるのか……」
ルカ子「えっと、ちなみに昨日は何を食べたんですか?」
岡部「昨日は……朝はまゆりが買ったバナナ、昼は牛丼、夜はカップ麺だな。最近はだいたいこんな感じだ」
ルカ子「あの……それが原因だと思います」
岡部「ああ、久しぶりに家に帰ったら親が野菜を食えとうるさくてな……無理矢理持たされた」
ルカ子「そ、そうなんですか」
岡部「だが、料理をしようとも思わず、どうしようかと困っていたのだ……」
ルカ子「野菜炒めなら……すぐにできると思いますよ」
岡部「……正直に言うとだな、夏バテでやる気が全く起きなくてな」
ルカ子「な、夏バテ……岡部さん、大丈夫なんですか?」
岡部「うむ、しっかりと食べているはずなのに、どうして夏バテになるのか……」
ルカ子「えっと、ちなみに昨日は何を食べたんですか?」
岡部「昨日は……朝はまゆりが買ったバナナ、昼は牛丼、夜はカップ麺だな。最近はだいたいこんな感じだ」
ルカ子「あの……それが原因だと思います」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:08:44.78 ID:WJrTftcQ0
岡部「むっ……言われてみれば、野菜が少ない気がするな」
ルカ子「はい……それに、カップ麺ばかりですと、栄養不足になると思います」
岡部「クッ……この狂気のマッドサイエンティストが、栄養のことを考えねばならないとはな……」
ルカ子「ボク……栄養不足で岡部さんが倒れてしまったら……ううっ」
岡部「る、ルカ子! 俺はまだ倒れてなどいない! それにこの鳳凰院凶真がそのようなことで」
ルカ子「で、でも……しっかり食べないと……」
岡部「わ、分かった! だから泣くな! しかし、キャベツだけがあってもな……」
ルカ子「キャベツ……栄養、夏バテ……あっ」
岡部「どうした、ルカ子」
ルカ子「えっと……餃子、というのはどうでしょうか?」
岡部「餃子、だと?」
ルカ子「は、はい……」
ルカ子「はい……それに、カップ麺ばかりですと、栄養不足になると思います」
岡部「クッ……この狂気のマッドサイエンティストが、栄養のことを考えねばならないとはな……」
ルカ子「ボク……栄養不足で岡部さんが倒れてしまったら……ううっ」
岡部「る、ルカ子! 俺はまだ倒れてなどいない! それにこの鳳凰院凶真がそのようなことで」
ルカ子「で、でも……しっかり食べないと……」
岡部「わ、分かった! だから泣くな! しかし、キャベツだけがあってもな……」
ルカ子「キャベツ……栄養、夏バテ……あっ」
岡部「どうした、ルカ子」
ルカ子「えっと……餃子、というのはどうでしょうか?」
岡部「餃子、だと?」
ルカ子「は、はい……」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:16:31.53 ID:WJrTftcQ0
岡部「なるほど、餃子か……悪くは無いな。ルカ子よ、その案……生かそうではないか!」
ルカ子「あ、ありがとうございます……えっと、冷蔵庫の中には」ガチャ
ルカ子「……飲み物しか、無いんですね」
岡部「常にドクペは用意してあるが……他の物は不足しているのだ、すまん」
ルカ子「い、いえ……では、ボクはお買いものに行ってきます」
岡部「待て、一人で行くつもりか?」
ルカ子「はい、岡部さんはお忙しいでしょうから……」
岡部「ルカ子よ……この鳳凰院凶真、お前を一人で行かせるような男では無い!」
ルカ子「えっ?」
岡部「安心しろ、俺も一緒に行く。……この俺が見定めた品ならば、
最高の料理が完成するのは間違いないからな! フゥーハハハ!」
ルカ子「あ、ありがとうございます……では、行きましょうか」
ルカ子「あ、ありがとうございます……えっと、冷蔵庫の中には」ガチャ
ルカ子「……飲み物しか、無いんですね」
岡部「常にドクペは用意してあるが……他の物は不足しているのだ、すまん」
ルカ子「い、いえ……では、ボクはお買いものに行ってきます」
岡部「待て、一人で行くつもりか?」
ルカ子「はい、岡部さんはお忙しいでしょうから……」
岡部「ルカ子よ……この鳳凰院凶真、お前を一人で行かせるような男では無い!」
ルカ子「えっ?」
岡部「安心しろ、俺も一緒に行く。……この俺が見定めた品ならば、
最高の料理が完成するのは間違いないからな! フゥーハハハ!」
ルカ子「あ、ありがとうございます……では、行きましょうか」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:22:26.09 ID:WJrTftcQ0
スーパー
ルカ子(岡部さんとお買いものできるなんて……まゆりちゃんに感謝しないと)
岡部「どうした、何をボーっとしている」
ルカ子「す、すいません……えっと、豚ひき肉と、ニラと」
岡部「ニラ? 餃子にニラを入れるのか?」
ルカ子「ええ、夏バテ解消にはニラが良いと聞いたので……あっ」
岡部「今度は何だ?」
ルカ子「あの……ニラやにんにくを使うと、匂いが気になるかもしれませんが……」
岡部「構わん、最高の餃子を作るためには多少の犠牲はつきものだ。存分にやるのだ、ルカ子よ!」
ルカ子「わ、分かりました。では、ニンニクと、生姜と……」
ルカ子(岡部さんとお買いものできるなんて……まゆりちゃんに感謝しないと)
岡部「どうした、何をボーっとしている」
ルカ子「す、すいません……えっと、豚ひき肉と、ニラと」
岡部「ニラ? 餃子にニラを入れるのか?」
ルカ子「ええ、夏バテ解消にはニラが良いと聞いたので……あっ」
岡部「今度は何だ?」
ルカ子「あの……ニラやにんにくを使うと、匂いが気になるかもしれませんが……」
岡部「構わん、最高の餃子を作るためには多少の犠牲はつきものだ。存分にやるのだ、ルカ子よ!」
ルカ子「わ、分かりました。では、ニンニクと、生姜と……」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:31:02.98 ID:WJrTftcQ0
店員「ありがとうございましたー」
ルカ子「すみません……全て払っていただいてしまって……」
岡部「なに、お前に払わせる訳にはいかないからな。その代り、餃子に関しては任せるぞ」
ルカ子「は、はい……岡部さんが元気になるような餃子、頑張って作ります」
岡部(元気、か。……ダルがいたら面倒なことになっていただろうな)
ルカ子「う、うーん……ごま油も買ったので、少し重くなってしまいました」
岡部「フッ……お前がすべきことは肉体労働ではない。その荷、鳳凰院凶真が預かるとしよう」
ルカ子「あ、ありがとうございます……重くないですか?」
岡部「気にするな。ほら、行くぞ」
ルカ子「は、はい」
ルカ子「すみません……全て払っていただいてしまって……」
岡部「なに、お前に払わせる訳にはいかないからな。その代り、餃子に関しては任せるぞ」
ルカ子「は、はい……岡部さんが元気になるような餃子、頑張って作ります」
岡部(元気、か。……ダルがいたら面倒なことになっていただろうな)
ルカ子「う、うーん……ごま油も買ったので、少し重くなってしまいました」
岡部「フッ……お前がすべきことは肉体労働ではない。その荷、鳳凰院凶真が預かるとしよう」
ルカ子「あ、ありがとうございます……重くないですか?」
岡部「気にするな。ほら、行くぞ」
ルカ子「は、はい」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:40:59.15 ID:WJrTftcQ0
ビル前
天王寺「ん? 岡部、買い物なんて珍しいじゃねえか」
岡部「お、俺だって買い物くらいはします」
天王寺「そりゃそうか。まあ、どうせ暇なんだろ? ブラウン管でも買ってけ」
岡部「フッ……ミスターブラウン! 俺は無駄なものに投資する程愚かでは無い!」
天王寺「家賃、上げるからな」
岡部「なっ……じょ、ジョークですから本気にしないでください」
天王寺「ったく……可愛い子連れて買い物なんて、良いご身分だよなまったく」
ルカ子「えっ……? か、可愛いなんて……そんな……」
天王寺「ほら、さっさと行け。いつまでも見せつけてんじゃねえぞ」
岡部(……呼び止めたのはそっちではないか)
天王寺「ん? 岡部、買い物なんて珍しいじゃねえか」
岡部「お、俺だって買い物くらいはします」
天王寺「そりゃそうか。まあ、どうせ暇なんだろ? ブラウン管でも買ってけ」
岡部「フッ……ミスターブラウン! 俺は無駄なものに投資する程愚かでは無い!」
天王寺「家賃、上げるからな」
岡部「なっ……じょ、ジョークですから本気にしないでください」
天王寺「ったく……可愛い子連れて買い物なんて、良いご身分だよなまったく」
ルカ子「えっ……? か、可愛いなんて……そんな……」
天王寺「ほら、さっさと行け。いつまでも見せつけてんじゃねえぞ」
岡部(……呼び止めたのはそっちではないか)
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:50:25.72 ID:WJrTftcQ0
ラボ
岡部「さて、買い物から帰ってきたが……誰も居ないとはな」
ルカ子(ということは……お、岡部さんと二人っきり……)
岡部「まあいい……ルカ子、早速作り始めるとしよう」
ルカ子「は、はい。えっと、まずは手を洗いましょう」
岡部「食あたりになってしまっては栄養どころでは無いからな……洗うとするか」
ルカ子「あ、あの……手伝って頂けるんですか?」
岡部「当たり前だろう。弟子に全て任せるような師匠など、愚の骨頂! 共に最高の餃子を作ろうではないか!」
ルカ子「ありがとうございます……岡部さん」
ルカ子(岡部さんと一緒にお買いもの……それにお料理まで……ボク、嬉しいです)
岡部「さて、買い物から帰ってきたが……誰も居ないとはな」
ルカ子(ということは……お、岡部さんと二人っきり……)
岡部「まあいい……ルカ子、早速作り始めるとしよう」
ルカ子「は、はい。えっと、まずは手を洗いましょう」
岡部「食あたりになってしまっては栄養どころでは無いからな……洗うとするか」
ルカ子「あ、あの……手伝って頂けるんですか?」
岡部「当たり前だろう。弟子に全て任せるような師匠など、愚の骨頂! 共に最高の餃子を作ろうではないか!」
ルカ子「ありがとうございます……岡部さん」
ルカ子(岡部さんと一緒にお買いもの……それにお料理まで……ボク、嬉しいです)
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 02:59:29.92 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「まずは……キャベツを切ります。岡部さんはボウルを用意しておいてください」
岡部「ボウルだな。確か、この辺に……あったあった」
ルカ子「ありがとうございます、そこに置いてください」ザクザク
岡部「ほう、相変わらず手際が良いな。」
ルカ子「そ、そうですか……?」
岡部「ああ、まゆりとは違って安心して見ていられる。……き、気にせず続けてくれ」
ルカ子「は、はい……」ザクザク
岡部「ボウルだな。確か、この辺に……あったあった」
ルカ子「ありがとうございます、そこに置いてください」ザクザク
岡部「ほう、相変わらず手際が良いな。」
ルカ子「そ、そうですか……?」
岡部「ああ、まゆりとは違って安心して見ていられる。……き、気にせず続けてくれ」
ルカ子「は、はい……」ザクザク
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:07:40.25 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「切ったキャベツをボウルに入れて……岡部さん、お手伝いをお願いしてもよろしいでしょうか?」
岡部「そこまで畏まらなくてもいい、何をすればいいんだ」
ルカ子「えっと、キャベツを絞ってください」
岡部「絞る? ただ絞るだけで良いのか?」
ルカ子「はい、塩を軽く振って……では、お願いします」
岡部「分かった。……ふんっ! おおっ、水分が出てきたな」
ルカ子「やり過ぎない程度にお願いします。……ボクは力が無いので、岡部さんに居て頂いて良かったです」
岡部「こっちも栄養不足が解消できるのだ、協力はする……ふんっ!」
ルカ子(岡部さんの真剣な表情……だ、ダメ、今は料理に集中しないと……)
岡部「そこまで畏まらなくてもいい、何をすればいいんだ」
ルカ子「えっと、キャベツを絞ってください」
岡部「絞る? ただ絞るだけで良いのか?」
ルカ子「はい、塩を軽く振って……では、お願いします」
岡部「分かった。……ふんっ! おおっ、水分が出てきたな」
ルカ子「やり過ぎない程度にお願いします。……ボクは力が無いので、岡部さんに居て頂いて良かったです」
岡部「こっちも栄養不足が解消できるのだ、協力はする……ふんっ!」
ルカ子(岡部さんの真剣な表情……だ、ダメ、今は料理に集中しないと……)
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:14:41.42 ID:WJrTftcQ0
岡部「ルカ子、これ位で良いか?」
ルカ子「えっと……はい、大丈夫だと思います」
岡部「ふぅ……ラボには早急にエアコンを用意すべきだな、これだけで汗だくになってしまう」
ルカ子「あっ……岡部さん、失礼します」スッ
岡部「んっ……? る、ルカ子! わざわざ俺の汗を拭わなくてもいい!」
ルカ子「す、すいません……では、このハンカチを使ってください」
岡部「あ、あぁ……」
岡部(近づいてきた瞬間、良い匂いがした。ちょっとドキッとした)
岡部(だが男だ)
岡部(ハンカチからも同じ様に良い匂いがする)
岡部(だが、男だ……男なんだよな……)
ルカ子「えっと……はい、大丈夫だと思います」
岡部「ふぅ……ラボには早急にエアコンを用意すべきだな、これだけで汗だくになってしまう」
ルカ子「あっ……岡部さん、失礼します」スッ
岡部「んっ……? る、ルカ子! わざわざ俺の汗を拭わなくてもいい!」
ルカ子「す、すいません……では、このハンカチを使ってください」
岡部「あ、あぁ……」
岡部(近づいてきた瞬間、良い匂いがした。ちょっとドキッとした)
岡部(だが男だ)
岡部(ハンカチからも同じ様に良い匂いがする)
岡部(だが、男だ……男なんだよな……)
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:21:39.59 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「次は……岡部さん、豚ひき肉を練って頂けますか?」
岡部「肉を練るのか……これも力が要りそうだな」
ルカ子「ええ、美味しい餃子を作るにはここが大事なので……お願いします」
岡部「分かった、ただ練るだけで良いのか?」
ルカ子「はい。お酒にお塩、お醤油……それにニンニクと生姜を入れて……」
岡部「これを練り合わせる、と。……よし、ふんっ!」
ルカ子「えっと……全体がピンク色になるまで頑張ってください」
岡部「任せ、ろ……ぬうっ、ふんっ」
岡部「肉を練るのか……これも力が要りそうだな」
ルカ子「ええ、美味しい餃子を作るにはここが大事なので……お願いします」
岡部「分かった、ただ練るだけで良いのか?」
ルカ子「はい。お酒にお塩、お醤油……それにニンニクと生姜を入れて……」
岡部「これを練り合わせる、と。……よし、ふんっ!」
ルカ子「えっと……全体がピンク色になるまで頑張ってください」
岡部「任せ、ろ……ぬうっ、ふんっ」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:31:35.22 ID:WJrTftcQ0
岡部「暑いな……どうだルカ子、全体がピンク色になったぞ」
ルカ子「ありがとうございます。では……先程絞っていただいたキャベツと、ニラを入れて」
岡部「これをまた混ぜれば良いのだな。どれ、この鳳凰院凶真が渾身の力を込めて――」
ルカ子「す、すいません……これは強く混ぜてはいけないんです……」
岡部「何……? そうなのか……」
ルカ子「はい……うまみが水分と一緒に出てしまうので、優しく混ぜ合わせるんです」
岡部「時には力強く、時には繊細に……ルカ子、料理とは奥深いな」
ルカ子「そ、そうでしょうか……?」
岡部「うむ、清心斬魔流の修行のため、これからも精進するように」
ルカ子「わ、分かりました、岡部さん……」
岡部「だから岡部さん、ではなく俺は鳳凰院凶真であって……いや、今日は暑いから後にしよう」
ルカ子「……本当に夏バテみたいですね」
岡部「あぁ……いつもの調子が出ないのだ……」
ルカ子「ありがとうございます。では……先程絞っていただいたキャベツと、ニラを入れて」
岡部「これをまた混ぜれば良いのだな。どれ、この鳳凰院凶真が渾身の力を込めて――」
ルカ子「す、すいません……これは強く混ぜてはいけないんです……」
岡部「何……? そうなのか……」
ルカ子「はい……うまみが水分と一緒に出てしまうので、優しく混ぜ合わせるんです」
岡部「時には力強く、時には繊細に……ルカ子、料理とは奥深いな」
ルカ子「そ、そうでしょうか……?」
岡部「うむ、清心斬魔流の修行のため、これからも精進するように」
ルカ子「わ、分かりました、岡部さん……」
岡部「だから岡部さん、ではなく俺は鳳凰院凶真であって……いや、今日は暑いから後にしよう」
ルカ子「……本当に夏バテみたいですね」
岡部「あぁ……いつもの調子が出ないのだ……」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:39:15.74 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「具はこれで出来上がりました。次は……」
岡部「皮に包むのだな、これは二人でやるべきだろう」
ルカ子「あの、ボク一人でもできるので……岡部さんは休んでいただいても」
岡部「……ここまで手伝ったのだ、共に最後まで戦い抜こうではないか!」
ルカ子「は、はい。……では、よろしくお願いします」
岡部「よし……オペレーション、炎に包まれた国(ムスペルヘイム)……行くぞ、ルカ子!」
ルカ子「お、おー!」
岡部「皮に包むのだな、これは二人でやるべきだろう」
ルカ子「あの、ボク一人でもできるので……岡部さんは休んでいただいても」
岡部「……ここまで手伝ったのだ、共に最後まで戦い抜こうではないか!」
ルカ子「は、はい。……では、よろしくお願いします」
岡部「よし……オペレーション、炎に包まれた国(ムスペルヘイム)……行くぞ、ルカ子!」
ルカ子「お、おー!」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:47:36.29 ID:WJrTftcQ0
岡部「…………」
ルカ子「…………」
岡部「……あれだけ盛り上げたところで、やることは地味だったな」
ルカ子「そ、そうですね……」
岡部「……まあ、こうして……よっと。ただ包むだけの作業に盛り上がりも何も無いか」
ルカ子「でも、ボクは……岡部さんと一緒にこうして料理ができて嬉しいです」
岡部「そ、そうか……大したことはしていないが」
ルカ子「いえ……あの、橋田さんや牧瀬さんは頭が良いので、
岡部さんと一緒に発明品を作ることができます。……でも、ボクは」
岡部「……ルカ子?」
ルカ子「…………」
岡部「……あれだけ盛り上げたところで、やることは地味だったな」
ルカ子「そ、そうですね……」
岡部「……まあ、こうして……よっと。ただ包むだけの作業に盛り上がりも何も無いか」
ルカ子「でも、ボクは……岡部さんと一緒にこうして料理ができて嬉しいです」
岡部「そ、そうか……大したことはしていないが」
ルカ子「いえ……あの、橋田さんや牧瀬さんは頭が良いので、
岡部さんと一緒に発明品を作ることができます。……でも、ボクは」
岡部「……ルカ子?」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:52:55.00 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「ボクは、岡部さんのためには何もできないから……少し羨ましくて」
岡部「フッ……そんなことを気にしなくてもいい、お前は立派なラボメンだ」
ルカ子「……でも」
岡部「今もこうして、俺のために料理を作っている。貢献していることに間違いは無い」
ルカ子「岡部さん……」
岡部「全員、それぞれの役割があるのだ。……何も気にせずただ在るがままでいろ、ルカ子よ」
ルカ子「……分かりました。ボク、岡部さんのためにこれからもお料理を頑張ります!」
岡部「い、いや、そこまでは言っていないのだが……」
ルカ子「えっ……? だ、ダメでしょうか……」
岡部「ええい、泣くな! わ、分かった……また何か作ってくれ、その時は頼む」
ルカ子「は、はい……」
ルカ子(また、岡部さんのためにお料理ができるなんて……今日は来てよかった)
岡部「フッ……そんなことを気にしなくてもいい、お前は立派なラボメンだ」
ルカ子「……でも」
岡部「今もこうして、俺のために料理を作っている。貢献していることに間違いは無い」
ルカ子「岡部さん……」
岡部「全員、それぞれの役割があるのだ。……何も気にせずただ在るがままでいろ、ルカ子よ」
ルカ子「……分かりました。ボク、岡部さんのためにこれからもお料理を頑張ります!」
岡部「い、いや、そこまでは言っていないのだが……」
ルカ子「えっ……? だ、ダメでしょうか……」
岡部「ええい、泣くな! わ、分かった……また何か作ってくれ、その時は頼む」
ルカ子「は、はい……」
ルカ子(また、岡部さんのためにお料理ができるなんて……今日は来てよかった)
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 03:56:58.23 ID:WJrTftcQ0
岡部「――と、話しているうちに全て包み終わってしまったな」
ルカ子「ええ。岡部さん、包むのが上手くてびっくりしました」
岡部「マッドサイエンティストたるもの、手先が器用でなくてはならないからな」
ルカ子「な、なるほど……では、早速焼きましょうか」
岡部「よし、ここは任せる。……正直なところ、さっきから腹が減ってしょうがなくてな」
ルカ子「もう少しだけ我慢してください……今、美味しい餃子をご用意しますから」
岡部「ああ、期待しているぞ」
ルカ子「ええ。岡部さん、包むのが上手くてびっくりしました」
岡部「マッドサイエンティストたるもの、手先が器用でなくてはならないからな」
ルカ子「な、なるほど……では、早速焼きましょうか」
岡部「よし、ここは任せる。……正直なところ、さっきから腹が減ってしょうがなくてな」
ルカ子「もう少しだけ我慢してください……今、美味しい餃子をご用意しますから」
岡部「ああ、期待しているぞ」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:06:23.47 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「まずは、熱したフライパンにごま油を引きます」
岡部(ごま油のいい香りが食欲をそそるな……)
ルカ子「次に、餃子を並べて……」
岡部(……この、ジュージュー、という音。これもまた食欲を……が、我慢だ)
ルカ子「少ししたら、お水を……少しだけ入れて蓋をします」
岡部「水を入れるのか、ふやけてしまわないのか?」
ルカ子「ええ……こうすると、皮がパリパリして美味しくなるので」
岡部「皮はパリパリで中はジューシーということか……い、いかん! 俺の腹に悪霊が……!」
ルカ子「あ、悪霊!? だ、大丈夫ですか!?」
岡部「た、頼む……一刻も早く清心斬魔流の餃子を用意してくれ」
ルカ子「わ、分かりました……もう少しだけ我慢してくださいね」
岡部(ごま油のいい香りが食欲をそそるな……)
ルカ子「次に、餃子を並べて……」
岡部(……この、ジュージュー、という音。これもまた食欲を……が、我慢だ)
ルカ子「少ししたら、お水を……少しだけ入れて蓋をします」
岡部「水を入れるのか、ふやけてしまわないのか?」
ルカ子「ええ……こうすると、皮がパリパリして美味しくなるので」
岡部「皮はパリパリで中はジューシーということか……い、いかん! 俺の腹に悪霊が……!」
ルカ子「あ、悪霊!? だ、大丈夫ですか!?」
岡部「た、頼む……一刻も早く清心斬魔流の餃子を用意してくれ」
ルカ子「わ、分かりました……もう少しだけ我慢してくださいね」
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:14:36.43 ID:WJrTftcQ0
しばらくして
ルカ子「……そろそろ、かな。……えいっ」
岡部「ど、どうだルカ子、コゲてはいないか?」
ルカ子「えっと……はい、大丈夫です。ちゃんときつね色になっています」
岡部「そうか……やっと食べられるのだな」
ルカ子「ええ、今お醤油とお酢とラー油を用意しますね」
岡部(目の前に美味そうな餃子が……)
岡部「……俺だ。機関の精神攻撃を受けている」
岡部「ああ、大丈夫だ。もちろん失敗はしていない……見た目はこんがりきつね色、問題は無い」
岡部「胃袋は満足するはずだ、後で報告はする。エル・プサイ・コングルゥ」
ルカ子「……そろそろ、かな。……えいっ」
岡部「ど、どうだルカ子、コゲてはいないか?」
ルカ子「えっと……はい、大丈夫です。ちゃんときつね色になっています」
岡部「そうか……やっと食べられるのだな」
ルカ子「ええ、今お醤油とお酢とラー油を用意しますね」
岡部(目の前に美味そうな餃子が……)
岡部「……俺だ。機関の精神攻撃を受けている」
岡部「ああ、大丈夫だ。もちろん失敗はしていない……見た目はこんがりきつね色、問題は無い」
岡部「胃袋は満足するはずだ、後で報告はする。エル・プサイ・コングルゥ」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:19:46.15 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「岡部さん、お醤油等はお好みでどうぞ」
岡部「ああ、……醤油に、ラー油と酢を少しずつ……よし」
ルカ子「では、食べましょうか」
岡部「ああ、……では!」
岡部・ルカ子「いただきます」
岡部「……あむ、――んっ!?」
ルカ子「ど、どうですか……?」
岡部「う、う……」
ルカ子(どうしよう……もしかして、失敗して……)
岡部「ああ、……醤油に、ラー油と酢を少しずつ……よし」
ルカ子「では、食べましょうか」
岡部「ああ、……では!」
岡部・ルカ子「いただきます」
岡部「……あむ、――んっ!?」
ルカ子「ど、どうですか……?」
岡部「う、う……」
ルカ子(どうしよう……もしかして、失敗して……)
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:25:01.53 ID:WJrTftcQ0
口に入れた瞬間、よく焼けた皮の感触が心地よい。
そのまま餃子を噛むとパリッと音がするとともに、ジューシーな肉汁、
そしてニラの香ばしい香りが口いっぱいに広がった。
噛むごとにニラやニンニクの香りが広がり、食欲を増進する。
味を楽しんだ後、岡部はルカ子の方をまっすぐ向いた。
ルカ子「あ、あの……岡部さん?」
岡部「……ルカ子、この餃子」
ルカ子「は、はい……」
岡部「――美味い! 美味すぎるぞぉ!」
ルカ子「ほっ……良かった」
そのまま餃子を噛むとパリッと音がするとともに、ジューシーな肉汁、
そしてニラの香ばしい香りが口いっぱいに広がった。
噛むごとにニラやニンニクの香りが広がり、食欲を増進する。
味を楽しんだ後、岡部はルカ子の方をまっすぐ向いた。
ルカ子「あ、あの……岡部さん?」
岡部「……ルカ子、この餃子」
ルカ子「は、はい……」
岡部「――美味い! 美味すぎるぞぉ!」
ルカ子「ほっ……良かった」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:31:54.50 ID:WJrTftcQ0
岡部「やるではないかルカ子! これならばいくらでも食べられる!」
ルカ子「喜んでいただけて良かったです……まだたくさんありますから、どうぞ召し上がってください」
岡部「感謝する、……あむ、もぐ。……っ! あ、あっつい……」
ルカ子「そ、そんなに慌てて食べると火傷してしまいますよ……」
岡部「そ、そうだな……しかし美味い。あむ……んっ……」
ルカ子「岡部さん、お飲物はいりますか?」
岡部「ああ、冷蔵庫のドクペを一本取ってくれ」
ルカ子「えっ? お食事中に、甘い炭酸ですか……?」
岡部「うん? 何かおかしいか?」
ルカ子「い、いえ、……はい、どうぞ」
岡部「すまないな。……んぐ、んぐ……やはり、餃子にはドクペだな!」
ルカ子「そ、そうですか……」
ルカ子「喜んでいただけて良かったです……まだたくさんありますから、どうぞ召し上がってください」
岡部「感謝する、……あむ、もぐ。……っ! あ、あっつい……」
ルカ子「そ、そんなに慌てて食べると火傷してしまいますよ……」
岡部「そ、そうだな……しかし美味い。あむ……んっ……」
ルカ子「岡部さん、お飲物はいりますか?」
岡部「ああ、冷蔵庫のドクペを一本取ってくれ」
ルカ子「えっ? お食事中に、甘い炭酸ですか……?」
岡部「うん? 何かおかしいか?」
ルカ子「い、いえ、……はい、どうぞ」
岡部「すまないな。……んぐ、んぐ……やはり、餃子にはドクペだな!」
ルカ子「そ、そうですか……」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:36:49.59 ID:WJrTftcQ0
岡部「……はぁ、満足だ。ずいぶん食べた気がするな……」
ルカ子「これで、少しは元気が出ましたか……?」
岡部「あぁ、お前のおかげだ。ルカ子、感謝するぞ」
ルカ子「いえ……ボクも岡部さんに喜んでいただけて何よりです」
岡部「しかし、この腕前ならばいい嫁になるだろうな……」
ルカ子「えっ……?」
岡部「……あっ」
岡部(し、しまった……つい、嫁などと言ってしまった……)
ルカ子「…………」
岡部(ルカ子も黙ってしまった……俺としたことが、完全に失念していた)
ルカ子「これで、少しは元気が出ましたか……?」
岡部「あぁ、お前のおかげだ。ルカ子、感謝するぞ」
ルカ子「いえ……ボクも岡部さんに喜んでいただけて何よりです」
岡部「しかし、この腕前ならばいい嫁になるだろうな……」
ルカ子「えっ……?」
岡部「……あっ」
岡部(し、しまった……つい、嫁などと言ってしまった……)
ルカ子「…………」
岡部(ルカ子も黙ってしまった……俺としたことが、完全に失念していた)
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:46:20.07 ID:WJrTftcQ0
岡部「……すまない、変なことを言ってしまったな……気にしないでくれ」
ルカ子「……岡部さん、さっきのは……本当ですか?」
岡部「さ、さっきのとは……」
ルカ子「その……ボクが、お嫁さんだったら、良いのに……って」
岡部「そ、それは……本心だったが、言うべきでは無かった。……悪かった、謝る」
ルカ子「あ、謝らないでください……ボク、嬉しかったんです」
岡部「嬉しかった……?」
ルカ子「はい……今日は、岡部さんと一緒にお買い物ができて、一緒にお料理ができて」
ルカ子「ボクの作った料理を美味しいって褒めてくれて……一日中、一緒にいることができて」
岡部「ルカ子……」
ルカ子「……岡部さん、さっきのは……本当ですか?」
岡部「さ、さっきのとは……」
ルカ子「その……ボクが、お嫁さんだったら、良いのに……って」
岡部「そ、それは……本心だったが、言うべきでは無かった。……悪かった、謝る」
ルカ子「あ、謝らないでください……ボク、嬉しかったんです」
岡部「嬉しかった……?」
ルカ子「はい……今日は、岡部さんと一緒にお買い物ができて、一緒にお料理ができて」
ルカ子「ボクの作った料理を美味しいって褒めてくれて……一日中、一緒にいることができて」
岡部「ルカ子……」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 04:56:04.09 ID:WJrTftcQ0
ルカ子「こんな風な時間をまた過ごせたら……きっと、幸せだろうって……っ……思って」
岡部「……そうか」
ルカ子「ボク、もし……岡部さんが許してくれたら……側に居ていい、って……っ、言ってくれたら……」
岡部(これ以上は……いや、聞くべきだ。今は黙って、ルカ子の言葉を待つだけだ……)
ルカ子「……岡部さんの……っ……お嫁さんに……なりたいです」
岡部「……っ」
ルカ子「でも……岡部さんの周りには……まゆりちゃんや、牧瀬さんがいるから」
ルカ子「……ボクなんかより、ずっと素敵な人がいるから……それに、ボクは……こんなだから」
岡部「……ルカ子」
ルカ子「ご、ごめんなさい……急に変なこと言ってしまって。……ボク、帰ります。今日は、ありがとうございました……」
岡部「……待て、ルカ子。お前は、前に言ったことを覚えているか?」
ルカ子「えっ……?」
岡部「……そうか」
ルカ子「ボク、もし……岡部さんが許してくれたら……側に居ていい、って……っ、言ってくれたら……」
岡部(これ以上は……いや、聞くべきだ。今は黙って、ルカ子の言葉を待つだけだ……)
ルカ子「……岡部さんの……っ……お嫁さんに……なりたいです」
岡部「……っ」
ルカ子「でも……岡部さんの周りには……まゆりちゃんや、牧瀬さんがいるから」
ルカ子「……ボクなんかより、ずっと素敵な人がいるから……それに、ボクは……こんなだから」
岡部「……ルカ子」
ルカ子「ご、ごめんなさい……急に変なこと言ってしまって。……ボク、帰ります。今日は、ありがとうございました……」
岡部「……待て、ルカ子。お前は、前に言ったことを覚えているか?」
ルカ子「えっ……?」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 05:04:59.48 ID:WJrTftcQ0
岡部「男か女か、そんなことはどうでもいいと言ったな?」
ルカ子「は、はい……」
岡部「……この鳳凰院凶真、弟子に伝えた言葉を簡単に変えるような男ではない!」
ルカ子「岡部さん……」
岡部「ルカ子よ、俺の側に居たいか? ならばいつまでも居るが良い、そして俺を支えるのだ!」
ルカ子「そ、それは……あ、あの……」
岡部「ああ、お前は俺の嫁になれ。鳳凰院るかとして、この世を共に混沌へと導こうではないか!」
ルカ子「お、岡部さん……岡部さぁん!」
岡部「お、おっと……。フッ……いきなり飛び込んでくるな、受け止める方のことも考えろ」
ルカ子「ぼ、ボク……嬉しくて……だから、っ……だから……」
岡部「……泣くのは今だけだ。ちゃんと後で笑顔を見せろ、良いな?」
ルカ子「……ぐすっ……は、はい……」
ルカ子「は、はい……」
岡部「……この鳳凰院凶真、弟子に伝えた言葉を簡単に変えるような男ではない!」
ルカ子「岡部さん……」
岡部「ルカ子よ、俺の側に居たいか? ならばいつまでも居るが良い、そして俺を支えるのだ!」
ルカ子「そ、それは……あ、あの……」
岡部「ああ、お前は俺の嫁になれ。鳳凰院るかとして、この世を共に混沌へと導こうではないか!」
ルカ子「お、岡部さん……岡部さぁん!」
岡部「お、おっと……。フッ……いきなり飛び込んでくるな、受け止める方のことも考えろ」
ルカ子「ぼ、ボク……嬉しくて……だから、っ……だから……」
岡部「……泣くのは今だけだ。ちゃんと後で笑顔を見せろ、良いな?」
ルカ子「……ぐすっ……は、はい……」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 05:12:21.71 ID:WJrTftcQ0
岡部(漆原るか、見た目はどうみても可憐な女の子)
岡部(だが男だ)
岡部(……おそらく、 的な興奮を得た時は、俺と同じ様に一部が するであろう)
岡部(男だからな)
岡部(周りからは白い目で見られ、祝福もされないだろう……)
岡部(だが、俺は選んだ)
岡部「ルカ子……落ち着いたか?」
ルカ子「は、はい……ありがとうございます、岡部さん」
岡部(潤んだ瞳、男であったとしてもそれは魅力的に感じる……)
岡部(……一度も女性を知ること無く、その道を進む、か)
岡部(……フッ、常識に囚われない、それが狂気のマッドサイエンティストとしてあるべき姿だろう)
岡部(でも、一度くらいは……いや、いかん、ルカ子を俺は選んだのだ!)
岡部(だが男だ)
岡部(……おそらく、 的な興奮を得た時は、俺と同じ様に一部が するであろう)
岡部(男だからな)
岡部(周りからは白い目で見られ、祝福もされないだろう……)
岡部(だが、俺は選んだ)
岡部「ルカ子……落ち着いたか?」
ルカ子「は、はい……ありがとうございます、岡部さん」
岡部(潤んだ瞳、男であったとしてもそれは魅力的に感じる……)
岡部(……一度も女性を知ること無く、その道を進む、か)
岡部(……フッ、常識に囚われない、それが狂気のマッドサイエンティストとしてあるべき姿だろう)
岡部(でも、一度くらいは……いや、いかん、ルカ子を俺は選んだのだ!)
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 05:18:50.34 ID:WJrTftcQ0
岡部「……なぁ、ルカ子」
ルカ子「はい……何でしょうか?」
岡部「今、俺はお前を抱きしめている訳だが……興奮したりするのか?」
ルカ子「えっ……? あ、あの……ドキドキは、しています……」
岡部「そ、そうか……で、今は……そこはどうなっている?」
ルカ子「そ、そこ……?」
岡部「あぁ……ここの、ことだ」
岡部の視線の先、それはルカ子の下腹部より少し下のところであった。
ルカ子「えっ!? そ、それは……ボク、そんなこと……言えません……」
岡部「恥ずかしがるのも当然だろう。……だが、俺はこれで覚悟を決めたいと思う」
ルカ子「か、覚悟……ですか?」
岡部「現実を確認し、その上でお前を愛していく……そのために、我慢してくれ!」
ルカ子「お、岡部さん! あ、ああっ……」
ルカ子「はい……何でしょうか?」
岡部「今、俺はお前を抱きしめている訳だが……興奮したりするのか?」
ルカ子「えっ……? あ、あの……ドキドキは、しています……」
岡部「そ、そうか……で、今は……そこはどうなっている?」
ルカ子「そ、そこ……?」
岡部「あぁ……ここの、ことだ」
岡部の視線の先、それはルカ子の下腹部より少し下のところであった。
ルカ子「えっ!? そ、それは……ボク、そんなこと……言えません……」
岡部「恥ずかしがるのも当然だろう。……だが、俺はこれで覚悟を決めたいと思う」
ルカ子「か、覚悟……ですか?」
岡部「現実を確認し、その上でお前を愛していく……そのために、我慢してくれ!」
ルカ子「お、岡部さん! あ、ああっ……」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 05:26:04.17 ID:WJrTftcQ0
岡部は自らの右手をルカ子の●●へと伸ばした。
そして、そこにあるべきものを確認しようと手を動かす。
(…… は、していないか。だが、この辺に……)
「お、岡部さ、んんっ……そんな、そんなところ……」
(小さい、のか……? いや、必ずあるはず……刺激を与えれば)
岡部はさらに右手の動きを激しくする。ルカ子の一部を握ろうと試みたり、
強くまさぐってみるのだが何も感触が無い。――そこで岡部は思い出す。
(……あれ? もしかして……いや、そんなことがある訳)
「お、おかべさん……ボク……まだ、こんなことは……」
「……ルカ子よ、一つ確認してもいいか」
「えっ……? は、はい……」
「お前は、お――」
そして、そこにあるべきものを確認しようと手を動かす。
(…… は、していないか。だが、この辺に……)
「お、岡部さ、んんっ……そんな、そんなところ……」
(小さい、のか……? いや、必ずあるはず……刺激を与えれば)
岡部はさらに右手の動きを激しくする。ルカ子の一部を握ろうと試みたり、
強くまさぐってみるのだが何も感触が無い。――そこで岡部は思い出す。
(……あれ? もしかして……いや、そんなことがある訳)
「お、おかべさん……ボク……まだ、こんなことは……」
「……ルカ子よ、一つ確認してもいいか」
「えっ……? は、はい……」
「お前は、お――」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 05:34:46.20 ID:WJrTftcQ0
一時間後
ダル「あれ、今日はオカリンとるか氏だけ?」
岡部「あ、ああ、お前で三人目だ。三人揃ってくるとは珍しいな」
まゆり「ちょうどそこで会ったんだよ。まゆしぃは、忘れ物を取りにきたのです」
紅莉栖「ハロー、……って、何だか良い匂いが」
まゆり「本当だ~。これは……餃子かな?」
紅莉栖「へぇ、二人で食べてたの?」
ルカ子「え、ええ。良かったら、皆さんも召し上がりますか?」
ダル「えっ? いいの? うっひょー! 盛り上がってきますた!」
岡部「ダル、期待してもいいぞ。なにせ俺の嫁が作った最高の餃子なのだからな! フゥーハハハ!」
紅莉栖「はいはい、分かったからいちいち大声をださ……ん?」
まゆり「……あれ? オカリン、今……」
ダル「俺の、嫁、って言った?」
ダル「あれ、今日はオカリンとるか氏だけ?」
岡部「あ、ああ、お前で三人目だ。三人揃ってくるとは珍しいな」
まゆり「ちょうどそこで会ったんだよ。まゆしぃは、忘れ物を取りにきたのです」
紅莉栖「ハロー、……って、何だか良い匂いが」
まゆり「本当だ~。これは……餃子かな?」
紅莉栖「へぇ、二人で食べてたの?」
ルカ子「え、ええ。良かったら、皆さんも召し上がりますか?」
ダル「えっ? いいの? うっひょー! 盛り上がってきますた!」
岡部「ダル、期待してもいいぞ。なにせ俺の嫁が作った最高の餃子なのだからな! フゥーハハハ!」
紅莉栖「はいはい、分かったからいちいち大声をださ……ん?」
まゆり「……あれ? オカリン、今……」
ダル「俺の、嫁、って言った?」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 05:42:58.95 ID:WJrTftcQ0
岡部「ああ、確かにそう言った。何か問題でもあったか?」
紅莉栖「ちょ、ちょっと! いくら漆原さんが可愛いからってそんな発言するな!」
まゆり「そうだよー。オカリン、言っていいことと悪いことだあるんだよ」
ダル「まぁ、ルカ氏程の可愛さなら、オカリンが嫁宣言するのも仕方ないと思われ」
岡部「そうではない、ルカ子は俺の嫁だ。まあ、今は年齢的にも結婚は不可能だが」
紅莉栖「へっ? そ、それって……もしかして……」
岡部「ルカ子は俺と一生を共にすると誓ったのだ。なあ、ルカ子?」
ルカ子「は、はい……ボクは、岡部さんと……一緒に、生きていきます」
紅莉栖「なっ、なななななななな、何いっ!?」
まゆり「お、オカリン……」
ダル「その歳で結婚宣言とか、オカリンぱねえっす」
紅莉栖「ちょ、ちょっと! いくら漆原さんが可愛いからってそんな発言するな!」
まゆり「そうだよー。オカリン、言っていいことと悪いことだあるんだよ」
ダル「まぁ、ルカ氏程の可愛さなら、オカリンが嫁宣言するのも仕方ないと思われ」
岡部「そうではない、ルカ子は俺の嫁だ。まあ、今は年齢的にも結婚は不可能だが」
紅莉栖「へっ? そ、それって……もしかして……」
岡部「ルカ子は俺と一生を共にすると誓ったのだ。なあ、ルカ子?」
ルカ子「は、はい……ボクは、岡部さんと……一緒に、生きていきます」
紅莉栖「なっ、なななななななな、何いっ!?」
まゆり「お、オカリン……」
ダル「その歳で結婚宣言とか、オカリンぱねえっす」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/21(月) 05:54:38.72 ID:WJrTftcQ0
岡部「さて、お前達も鳳凰院るかの餃子を味わうがよい。ルカ子、準備を頼む」
ルカ子「は、はい……倫太、じゃなくて凶真さん」
紅莉栖「……ううー」
まゆり「……ううー」
ダル「……オカリン、僕は餃子をテイクアウトしたいんだけど」
岡部「うん? 何故だ、出来立てを食べた方が良いだろう?」
ダル「いや、この後の展開の中で味覚を保つことは不可能だと思います」
岡部「何を言っているのだ? まあいい……ルカ子、手伝うことは無いか?」
ルカ子「大丈夫です。あっ……後で食器を一緒に洗って頂けますか?」
岡部「ああ、お前のためなら何でもする。いつでも俺を頼るのだぞ」
ルカ子「はい……凶真さん」
(男であろうと女であろうとどうでもいい。この世界線で俺は――ルカ子を選んだのだ)
オワリン
ルカ子「は、はい……倫太、じゃなくて凶真さん」
紅莉栖「……ううー」
まゆり「……ううー」
ダル「……オカリン、僕は餃子をテイクアウトしたいんだけど」
岡部「うん? 何故だ、出来立てを食べた方が良いだろう?」
ダル「いや、この後の展開の中で味覚を保つことは不可能だと思います」
岡部「何を言っているのだ? まあいい……ルカ子、手伝うことは無いか?」
ルカ子「大丈夫です。あっ……後で食器を一緒に洗って頂けますか?」
岡部「ああ、お前のためなら何でもする。いつでも俺を頼るのだぞ」
ルカ子「はい……凶真さん」
(男であろうと女であろうとどうでもいい。この世界線で俺は――ルカ子を選んだのだ)
オワリン
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