1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 00:43:27.25 ID:PKTYKiEwO
199X年、地球は核の炎に包まれた!

海は枯れ、地は裂け、あらゆる生命体が絶滅したかに見えた!

だが…!



ケンシロウ「いや、意外となんとかなるもんだね」

トキ「なんだかんだで海枯れなかったし」
ケンシロウ「人間って案外丈夫だよね」

トキ「私は被曝したけどね」

引用元: ケンシロウ「世紀末からもう11年か」 




4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 00:51:55.70 ID:PKTYKiEwO
ラオウ「ジョイヤーッ」バゴンッ

トキ「兄さん、お帰り」

ケンシロウ「襖を壊すあたり、また面接落ちたんだな」

ラオウ「この拳王の良さが分からぬとは…」

ケンシロウ「前歴に世紀末覇者なんて書くから落ちるんだよ」プフッ

ラオウ「兄を笑うとは無礼なッ 北斗剛掌波!!」ゴォッ

ケンシロウ「天破活殺!」ズヒビッ



トキ「ケンシロウも救世主とか書いてるけどね」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 00:54:40.80 ID:PKTYKiEwO
テンショウホンレツッ

ホォォォアタァァァァッ



リン「あのお家いつも賑やかだねー」

バット「ニートが二人もいるからな」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 01:03:03.05 ID:PKTYKiEwO
シン「よう無職共、働く気にはなかったか?」

ケンシロウ「シンッ!」←無職

ラオウ「何をしに来おった!」←無職

シン「KINGの俺様がお前ら愚民に仕事をくれてやろう」

ラオウ「このラオウ、傘下に下るぐらいならば死を選ぶわッ」

ケンシロウ「ラオウ! 口は悪いが、シンはウチの家計を気遣ってくれているんだぞ!」

トキ「そうだぞ! いつまでも詰まらぬ意地を張るんじゃない!」

ラオウ「黙れ病弱万年大学生! うぬが卒業しないのがいかんのだ!」

トキ「」←今年6年目

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 01:06:19.02 ID:PKTYKiEwO
ガラガラ オレノナヲイッテミロー

ジャギ「ただいま、また面接駄目だったのか」

ラオウ「」

トキ「」

ケンシロウ「」

ジャギ「ありゃ、みんなどうした? 残悔拳決められたような顔して」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 01:14:05.18 ID:PKTYKiEwO
ジャギ「まあ元気出せよ、今夕飯作るからさ」

トキ「ジャギ…すまないな」

ラオウ「うぬには苦労をかける…」

ジャギ「なに言ってんだ、水臭いぞ兄者達」←正社員

ジャギ「さあ今日は鍋だ、仕込みを手伝ってくれ」

ケンシロウ「ああ、任せてくれ!」





ラオウ「お前ごとき春菊だけで十分だろう」ファァッ

ケンシロウ「お前の箸が掴むのは牛肉ではなく春菊だ」ファァッ

ジャギ「無想転生で卓袱台の周りを回るのは止めてくれ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 01:20:34.41 ID:PKTYKiEwO
ラオウ「満腹だ」

トキ「ごちそうさま」

ジャギ「じゃあ洗い物しちまうから黒王号の餌は頼むわ」

ラオウ「うむ」


ジャギ「ジョイを一滴垂らせば…」ピチョン

ジャギ「ひィィィヒャアハハハハァ! 油汚れ共、どうだ悔しいか!」


ラオウ・トキ・ケンシロウ(あれさえなければなぁ…)

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 01:32:02.11 ID:PKTYKiEwO
スーパーサザンクロス


サンジカラショクリョウヒンコーナーデブタニクツメホウダイデス

ハート「超狭ぇよぉぉぉぉっ」ギュウギュウ

フドウ「うっ動けっっ」ギュウギュウ

トキ「激流には勝てぬ…っ」ズイズイ



ヒューイ「買えなかった…」

シン「執念が足りん」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 01:34:48.38 ID:PKTYKiEwO
ウワァマタイルヨ

ナニアレ? ホームレス?

ウワッ コッチミタ!


アッ ヒミツキチダ!

シッ ミチャイケマセン!



ジュウザ「…俺は雲のように自由に生きる」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 01:41:21.92 ID:PKTYKiEwO
ユリア「ごめんくださーい」



ユリア「返事がない、もしかして…」



カチカチッ カチカチッ

ケンシロウ「お前らなんかショットガンで蜂の巣にしてやんy」

バウンッ ヘーッドショーット

ケンシロウ「スナイパーライフルうぜぇぇぇぇぇぇ!!」

ユリア「ケン! 何遊んでんの!」

ケンシロウ「うわぁ!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 01:45:33.35 ID:PKTYKiEwO
ユリア「働く気あるの?」

ケンシロウ「あります…」

ユリア「履歴書は?ちょっと見せて」

ケンシロウ「はい…」



ユリア「ケン、いろいろ言いたい事あるけど」

ケンシロウ「はい」

ユリア「証明写真で皮ジャンは止めなさい。スーツを着なさいスーツを」

ケンシロウ「はあ」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 02:01:32.26 ID:PKTYKiEwO
ユリア「資格、北斗神拳一級…普通免許とか英検は?」

ケンシロウ「無いです」

ユリア「マズいよー、ほぼ無資格じゃない」

ユリア「高卒なんだから何かインパクトのある物がないと」

ケンシロウ「あ、自己アピールには自信がある」


体力に自信有り! 必ずや期待に応えます!(拳で)



ケンシロウ「インパクトあるだろ?」

ユリア「拳では余計よ」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 02:24:23.77 ID:PKTYKiEwO
ガラガラ

トキ「ただいま…」

ユリア「あ、トキさん…どうしたんですか? 随分くたびれてますけど」

ケンシロウ「ユリア、トキがくたびれてるのは昔かr」ボカッ

ユリア「失礼な事言わないの」

トキ「はは…ちょっと買い物にね」

ユリア「買い物!? 駄目ですよ!死んじゃいます!」

ケンシロウ「ユリアも大概だと思うな」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 02:28:42.50 ID:PKTYKiEwO
トキ「すまない、特売品は買えなかった…」

ユリア「奥様方の群が相手じゃ流石のトキさんも無理ですよ」

ケンシロウ「随分揉まれたみたいだな」

トキ「本当に面目ない…」

ケンシロウ「まあ気にするなよ、ジャギ兄さんには連絡しとく」

トキ「すまないな…。では私は部屋に戻るよ。ユリアさん、ごゆっくり」

ユリア「はーい」



その後、トキは3日寝込んだ

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 02:33:57.21 ID:PKTYKiEwO


シュウ「あはは、ほら、こうするとよく飛ぶぞ」クルクルッ

ワー! センセイスゴーイ!

タケトンボメイジンダネ!

シュウ「ほら、やってごらん?」

ソレー! ソレソレー!

シュウ「子供はかわいいなぁ」



クルクルクル… ピシッ

サウザー「つっ」

ア…

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 02:38:46.72 ID:PKTYKiEwO
サウザー「この竹蜻蛉を飛ばしたのは誰だ」

ア… ゴメンナサイ…

サウザー「この俺に楯突くとはいい度胸だ」キッ

ヒッ ビクビクッ


サウザー「飛べぃッッ!!」シュピッ

シュパァァァァァァ


…スゴイ! アンナニタカクマデトンデル!


シュウ「流石は園長先生」

サウザー「園長に逃走はないのだ」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 03:00:07.31 ID:PKTYKiEwO
ケンシロウ「ホォアタァッ!」バキッ

ラオウ「塵と砕けよッ!」ドガァッ


ジャギ「またやってるのか…」スパンッ

トキ「お帰り、私がいながら止められなんだ」

ジャギ「兄者が気に病むことはない。俺が止めようものなら、一瞬で殺されるとこだ」

トキ「ジャギこそそこまで卑下しなくてもいいのだぞ」

ジャギ「事実だ。さて、今の時間のテレビは…」

トキ「あ! いかん!」

ケンシロウ「ホォワチャァッ!」ラオウ「天に召ッせ!」ボグシャッ

ジャギ「わばっ」ブシャッ

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 03:07:23.50 ID:PKTYKiEwO
カーンッ

サァフライガセカンドコウホウニアガッテイル!

センターオイツケナイ! ランナーサンルイヲケッタ!


プシュッ

ジャギ「ゴクッゴクッ …ぷぁーっ 沁みるな」

ジャギ「…ムシャムシャ ん、今日の豚キムチはちょっとしょっぱいぜ…」グシッ




トキ「二人とも、謝ってきなさい。あんな寂しそうな姿見てられないぞ」

ラオウ「う、うむ」

ケンシロウ「TVぐらいで熱くなりすぎた…」


ジャギ「よっしゃ、追加点だー」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 03:16:42.49 ID:PKTYKiEwO
スーパーサザンクロス

シン「あっ」

ユリア「あら、シンじゃない」

シン「やあ、偶然だな」

ユリア「偶然って、あなた店長じゃない」クスッ

シン「ああ、そうだった」ハハッ

シン「夕飯の買い物?」

ユリア「ええ、たまにはジャギさんに楽してもらわないと」

シン「…」

シン「全く、ケンシロウは仕方ないな」

ユリア「本当にだらしないのよねー」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 03:20:25.90 ID:PKTYKiEwO
シン「そうだ、ちょっと待ってろ」

ユリア「え?」



シン「これ、今日の特売品」

ユリア「え、駄目よ貰えないわ」

シン「いいって。その代わり他のスーパーで買い物したら地獄へ突き落としてやる」

ユリア「ふふ、怖い怖い」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 03:25:09.41 ID:PKTYKiEwO
マタネー

シン「…」フリフリ




シン「クソぉぉぉぉぉおおッ! ケンシロウめぇぇぇッッ」グヌヌ

シン「ユリアの手料理ィ…羨まし過ぎるぞォォオッ!!」ギリッ

マッド「店長、さっきの商品代は給料から天引きしておきます」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 03:33:00.08 ID:PKTYKiEwO
ケンシロウ「納得がいかない」

ラオウ「どうせ下らないことだろうが一応聞こう。何がだ」

ケンシロウ「俺の扱いだよ」

トキ(また分けの分からないことを…)パクッ

ケンシロウ「トキは学費で家計を圧迫、ラオウは黒王号で家計を圧迫」

ケンシロウ「その点、俺は特に金のかかることは何もしt」バキッ

黒王号「ヒヒーンッ」バキッ

ケンシロウ「迷惑じゃないっス! 全然平気…痛い痛い」ボコッ

トキ「天誅だな」

ジャギ「言うねぇ」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 03:46:00.38 ID:PKTYKiEwO


ケンシロウ「いてて…」

ラオウ「しかしトキ、うぬの学費もなかなか馬鹿にならぬ。ケンシロウの言うことも一理あるだろう」

トキ「ぬ…、ならば二人ともシンのスーパーのバイトを断らなければ良かったのでは?」

ケンシロウ「この前履歴書持って行ったら気が変わったと言って断られた」

ラオウ「何かしでかしたのではないか?」

ケンシロウ「いや、あれ以来会っていないしな…」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 03:55:57.59 ID:PKTYKiEwO
我は黒王

この北斗家の馬である

ラオウ「黒王号、サザンクロスに行くぞ」

この男、ラオウは我に食料を提供し、適度に運動をさせる

言わば世話係だ

我の世話をして何のメリットがあるのかは知らない

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 04:02:55.07 ID:PKTYKiEwO
北斗家にはあと3人住人がいる

まず白髪の病人、トキ

めったに表に姿を見せず、我との関わりも一番少ない男だ

家中で争いが起こっても割って入る元気もない、何とも頼りない男である


先日はスーパーに乗せて行った帰り、ボロボロのフラフラの手ぶらで出てき時

トキ「すまない…」

と、馬の我にガチ謝りしていた

しっかりしろ

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 04:08:32.90 ID:PKTYKiEwO
次にジャギ

センスの無いヘルメットを被ってはいるものの、北斗家の家計を一人で支えている、言わば大黒柱だ

笑い声は気色悪いが、ラオウ達のように暴れたりしないなかなかの人格者だ

たまに争いに巻き込まれボコボコにされ、醜い顔を晒しながら我の小屋で一夜を明かす事がある

残念な彼に幸あれ

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 04:14:12.82 ID:PKTYKiEwO
ラオウ「買い忘れはないな」

ケンシロウ「ラオウ…」ザッ

ラオウ「何だケンシロウ」

ケンシロウ「俺のシャンプーは買ってきたか?」

ラオウ「オクトか? 買っておらんな」

ケンシロウ「アタァッ」

ビシッ

ラオウ「…メモには載ってなかったぞ」

ケンシロウ「お前が出た後に気付いた…出掛ける時は携帯を持ち歩けとあれ程」

バキッ

ラオウ「…」

ケンシロウ「…」ビリッ

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 04:17:38.74 ID:PKTYKiEwO
こいつはケンシロウ

北斗家で一番しょうもない奴だ

いつも下らない事でラオウと小競り合いをしている

いつも家にいる

いつも暇している

働かない

ケンシロウ「ラオウ…貴様が掴むのはマシェリではなく死兆s」ボカッ

ユリア「また道端で暴れてる!」

そしていつもこの女に怒られている

情けない

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 04:26:20.74 ID:PKTYKiEwO
トキが引き籠もり、ジャギが報われず、ラオウとケンシロウが馬鹿をする

それがここ北斗の家

騒がしいがなかなか退屈しないので、今暫く見守ることにする

黒王号(ほれ、きびきび動け)カポンッ

ケンシロウ「いてっ 何だよ!」

黒王号(そんなんじゃいつまで経っても草むしり終わらんぞ)カポンッ

ケンシロウ「痛いって! なんなんだよお前…食わせてもらってる身で」

黒王号(それはお前にも言える)

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 04:49:18.73 ID:PKTYKiEwO
モシ ソコノウツクシキヒト

アナタデス ソコノアナタ

ユリア「…え?」

ダガール「そうですあなたです」

ユリア「私に何か用ですか?」

コマク「あなたのような美しい方を探してました」

ユリア「…」ジッ

コマク「あ、申し遅れました。私達、こういう者です」スッ

ユリア「UDプロ…まさか!?」

ユダ「そのまさかですよ!」カツッ

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 04:55:51.17 ID:PKTYKiEwO
ユリア「UDプロって、あの最大手芸能プロダクションの?」

ダガール「いかにも、そしてこちらが」

ユダ「UDプロダクション代表取締役、妖星のユダです」ピッ

ユリア(うわぁ…名刺までピカピカ…)

ユダ「どうです、我が社から芸能界デビューしてみませんか?」

コマク「あなた様程の美貌の持ち主なら、世の男を虜にするなど朝飯前」

ユダ「日本はもちろん、演技も磨けばハリウッドスターも夢ではない!」

ユリア「ハリウッドかあ…」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 05:00:30.29 ID:PKTYKiEwO
ユダ「さあ、共に栄光への道を駆け上がろう!」スッ

ユリア「…」



ユリア「ごめんなさい」

コマク「そんな!?」

ダガール「何故です!?」

ユダ「止めよ」

コマク「ユダ様…」

ユダ「分かっておったわ。君は、もう誰かの星なのだろう?」

ユリア「…」コクン

ユダ「フッ…それ故に眩く輝き美しいのか」スッ

コマク「ああっ」

ダガール「失礼します」



ユリア「…さて、ケンはまだかしら」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 05:07:03.87 ID:PKTYKiEwO
レイ「…ん、もう朝か」

レイ「ここのところ忙しくて、朝起きるのがつらいな…」

レイ「でも、ここを踏ん張れば昇進も見えてくるし、結婚資金も…」

レイ「よし! 今日も頑張るか、待ってろよ!マミヤ!」ピッ

ツギノニュースデス

ミスUDコンテストガキノウカイサレマシタ


グランプリに選ばれたマミヤさん

マミヤ「レイー、見てるー?」


レイ「」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 05:14:08.30 ID:PKTYKiEwO
ジャギ「ケンシロウ、買い物行ってきてくれ」

ケンシロウ「えっ」

ジャギ「今手が離せないんだ」

ケンシロウ「どこへ? 西友?」

ジャギ「なんでわざわざ遠出しようとする。サザンクロスでいいから」

ケンシロウ「…ラオウに頼めよ」

トキ「行ってこいケン。たまにはジャギ孝行しなさい」

ケンシロウ「トキもな」

トキ「」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 09:48:39.17 ID:PKTYKiEwO
ユリア「トキさん、その体で授業を受けるのは無理よ!」

トキ「止めないでくれ。今行かないと単位が…」



ユリア「行っちゃった…」

ケンシロウ「トキ…病んでさえいなければ…」

ユリア「トキさんって死の灰を浴びてあんな状態になったんでしょ?」

ケンシロウ「いや、チョークの粉を浴びて心を病んだらしい」

ユリア「いじめられてるの!?」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 09:56:09.04 ID:PKTYKiEwO
ラオウ「ここにも聖☆お兄さん5巻がない…」

ラオウ「少し遠いが隣町まで行ってみるか」

ラオウ「待たせたな黒王号」

黒王号「ヒヒンッ」ペラッ

ラオウ「ぬうっ!?」



ラオウ「駐禁を切られた…だとッ」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 11:03:58.06 ID:PKTYKiEwO
トキ「お前にも見える筈だ、あの死兆星が…!」

ジャギ「殺してやる…!!」

ケンシロウ「俺が悪かった!謝るから許してくれ!」



ラオウ「何を怒っておる。お前達らしくない」

トキ「ラオウ、止めないでくれ」

ジャギ「話を聞けば兄者もきっと怒りに震える筈だ」

ラオウ「穏やかではないな、一体何があった」

トキ「ケンシロウが千原兄弟のお兄ちゃんは存在が無いと言うんだ」

ラオウ「いや、あながち間違いないではないだろう」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 11:16:01.97 ID:PKTYKiEwO
ジャギ「何故だ!何故だ兄者!お兄ちゃんの良さが分からない!」

トキ「100歩譲って良いところがないとしよう。だが、ジュニアなぞ他人を笑い物にして飯を食う小賢しい男だぞ」

ジャギ「言うねぇ」

ケンシロウ「トキ…! 天に還る時が来たようだ!!」

ラオウ「落ち着けケンシロウ。トキ、お前は滑らない話の影響を受けすぎだ」

ラオウ「ケンシロウも、フットボールアワーといい、ザブングルといい、不細工芸人と見れば貶すのは止めよ」

ケンシロウ「別に顔で判断している訳では…」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 11:20:47.89 ID:PKTYKiEwO
ラオウ「…分かった、ひとっ走りTSUTAYAに行ってDVDを借りてくる」

トキ「徹底検証という訳だな」

ケンシロウ「面白い、受けて立とう」

ジャギ「ヒヒヒ、お前に笑いという生き地獄を味わわせてやる!」

ラオウ「走れ黒王号!」




……

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 11:30:36.33 ID:PKTYKiEwO
ガラガラ

ラオウ「今戻った」スパンッ

ケンシロウ「待ちくたびれたぞ」

ラオウ「すまぬ、4号が混んでいてな」

ジャギ「さあさっさと始めよう、ピザが冷める」

ラオウ「ああ」

ラオウ(フッ 3人共なんだかんだ言って千原兄弟のコントが好きなのだな…かわいいやつらよ)ウィーン


ラーメンズ第9回公演 鯨


ラオウ「ぬ、始まりおったわ」

ケンシロウ(やっぱりラーメンズ借りてきたよ…)

トキ(これだからラーメンズ信者は…)

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 11:37:11.39 ID:PKTYKiEwO
スーパーサザンクロス

シン「…」

ケンシロウ「…」

シン「では適性検査を始める。俺が客をやるから店員として対応してみせろ」

ケンシロウ「お願いします」



シン「ウィン」

ケンシロウ「えっ」

シン「いや、先ずはいらっしゃいませだろ」

ケンシロウ「何?ウィンって外国語でこんにちは?」

シン「自動ドアだよ、察しろよ」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 11:44:35.38 ID:PKTYKiEwO
シン「テイク2」

ケンシロウ「えっ、カメラあるの?」

シン「ねぇよ、いいからもう一回やるぞ」

シン「ウィン」

ケンシロウ「いらっしゃいませ」

シン「はい、お客さんが商品を置いた」

ケンシロウ「えっ、今入ってきたばっかりじゃん」

シン「細けぇよ! 適性検査なんだから要所要所だけでいいんだよ!」

ケンシロウ「はあ」

シン「お前全っ然関係ないとこばかり神経質なッ…ゲホッゲホッ」

ケンシロウ「大丈夫か」

シン「喉痛めたかも…」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 11:56:52.66 ID:PKTYKiEwO
シン「お前不合格、働くの無理」

ケンシロウ「そ、そんな…」ガーン

シン「まさかここまで使えないとは…」

ケンシロウ「なぁ頼むよ、俺とお前の仲だろ?」

シン「気安く触るな! 暑苦しい!」

ケンシロウ「またバイト落ちたなんて言ったらユリアに怒られる…」

シン「ご褒美じゃないか幸せ者」

ケンシロウ「えっ」

シン「何でもない」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 12:03:46.54 ID:PKTYKiEwO
ケンシロウ「はぁ…」ショボーン

シン「俺とお前には致命的な差がある」

ケンシロウ「何だよ」

シン「お前には社会経験が足りん」

ケンシロウ「ぐうの音も出ない」

シン「さて、俺は仕事に戻る」

ケンシロウ「シン」

シン「なんだ」

ケンシロウ「今日皆で晩飯を食うんだが、是非来てくれないか?ユリアも喜ぶ」

シン「…」

シン「断る。お前といると疲れるからな」

ケンシロウ「そうか…」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 12:08:42.05 ID:PKTYKiEwO
ケンシロウ「世話になったな」ガチャッ



シン「待て」

ケンシロウ「ん?」

シン「差し入れだ。楽しんでこい」

ケンシロウ「シン…」

シン「…さあ行け! 俺は無職と違って忙しいんだ!」

ケンシロウ「ありがとう、次は絶対来てくれよ!」

バタン


シン「ユリア…」

大佐「差し入れ代、天引きしておきます」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 12:19:49.25 ID:PKTYKiEwO
サウザー「退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」

ヒカヌ コビヌ カエリミヌ!

サウザー「帝王に逃走は無いのだ!!」

テイオウニトウソウハナイノダ!

サウザー「うむ、では今日も皆で楽しく遊ぼうか」

ワー エンチョウセンセー

サウザー「フハハハハハ!」



シュウ(朝の発声練習さえ普通なら良い方なんだがなぁ…)

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 12:26:46.63 ID:PKTYKiEwO
レイ「……という事があったんですよ」

トキ「なるほど、芸能界デビューしたマミヤさんとのすれ違いが」

レイ「メールも返ってこないしっ ングッングッ」

トキ「もうその辺にしなさい。明日も仕事だろ?」

レイ「ぐぅ…俺は…俺はぁ……」

トキ「レイ…」



トキ「そうだ!」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 12:30:13.46 ID:PKTYKiEwO


アミバ「ほう、それでこの天才科学者アミバ様を?」

レイ「はい…」

レイ(胡散臭い)

アミバ「なるほど、だが俺には芸能界のコネは無い」

レイ「ではどうすれば…」

アミバ「…」



アミバ「…俺に不可能はない!」

レイ「何か妙案が?」

アミバ「ああ、まぁ詳しい話は珈琲でも飲みながら話そう」コポポ

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 12:35:14.23 ID:PKTYKiEwO
……

レイ「うん……」

アミバ「気分はどうだね」

レイ「俺…何時の間に」

アミバ「疲れてたんだろう。それとも、この超天才科学者アミバ様の話は凡人にはちと難しかったかな?」

レイ「すみません、真面目な話の最中に」

アミバ「構わんよ。お前が寝ている間に段取りは完璧に終わった」

レイ「本当ですか!!」

アミバ「あーあもちろん」ニヤッ

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 12:37:57.30 ID:PKTYKiEwO
アミバ「さぁ、客人がお待ちかねだ」

レイ「客人?」

アミバ「マミヤクンに非常に近しい人物だ」

レイ「マミヤ…!」


ガチャッ


ユダ「おお!これはまた美しい!」

ダガール「彼女がアイドル候補のレイちゃんですかな?」



レイ「えっ」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 12:44:23.34 ID:PKTYKiEwO
ユダ「いや、彼女程の美貌ならアイドルよりモデルだな」

美しい長髪!

きめ細やかな張りのある肌!

スラッと伸びた引き締まった足!

見る者を魅力する神秘的な瞳!

ボンッキュッボンッ!

アミバ「俺は天才だ!!」

レイ「ええええ!?」


レイ、芸能界デビュー

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 13:29:11.98 ID:PKTYKiEwO
ちょっと私用で席外します

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 15:24:14.39 ID:PKTYKiEwO
ジャギ「皆、食いながらでいいから聞いてくれ」

ケンシロウ「なんぶぁぉお」モグモグ

トキ「ケン、汚い」

ラオウ「食事中に無粋な奴、一体何だ」

ジャギ「実は今月の生活費が早くもなくなった」

ケンシロウ「へー」

ラオウ「何かと思えば…」

トキ「ジャギ、醤油取ってくれ」

ジャギ「ほら」

トキ「ありがとう…」



ラオウ・ケンシロウ・トキ「えっ」コトッ

ジャギ「ああっ醤油がっ」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 15:29:46.46 ID:PKTYKiEwO
ケンシロウ「ちゃんとしろ、兄さんがそんなではオチオチ飯も食えないじゃないか」

トキ「まーた新しいバイクを買ったのか?」

ラオウ「事と次第によってはうぬを天に還えす事になる」


ジャギ(何で俺責められてんだ…?)

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 15:33:51.25 ID:PKTYKiEwO
ジャギ「浪費じゃない! 昨日未払い金を整理していたらこんな物が出てきたんだ」ペラ

ラオウ「なんだこれは?」

ケンシロウ「150万!? 何かの間違いだろ」

トキ「ジャギよ、そんな請求書を相手にする必要はn」


振り込み先宛名 アミバ天才整形外科クリニック


トキ「」

ラオウ「どうしたトキ」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 15:39:05.17 ID:PKTYKiEwO
ジャギ「請求先がトキ兄者なんだが」

トキ「」☆

ラオウ「心当たりがあるみたいだな」

トキ「ウウン、ゼンゼンナイヨ」☆

ケンシロウ「あ、嘘ついてる」

トキ「ウソチガウウソチガウ」☆

ケンシロウ「プチ整形するぐらいなら(心の)病治せよ」

ジャギ「あと整形するなら普通俺が先だよな」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 15:45:29.67 ID:PKTYKiEwO


ラオウ「さて、愚弟の●●を治したおかげで何としてでも働かなければいけなくなった訳だが」

トキ「●●治療などしていない!」

ケンシロウ「あと最低20万は稼がないと借金は返せないな」

ラオウ「せめて25は欲しい。やるぞケンシロウ」

ケンシロウ「ああ、兄さん」

トキ「あれ、最初から戦力外?」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 15:55:19.16 ID:PKTYKiEwO


ケンシロウ「なんとかバイトが見つかったな」

ラオウ「リサイクルに出す冷蔵庫の積み卸しか、なんとも重労働だ」

ケンシロウ「しかし一人日当1万!残業代もまるまる出る」

ラオウ「久しぶりに腕が鳴るわっ」

ケンシロウ「あ、トキはこっちな」


トキ「流れてくる瓶に傷が無いか監視するバイト…」

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 16:08:31.50 ID:PKTYKiEwO
バイト当日

ラオウ「これしきの労働で…拳王の腰は砕けぬ…!」ズシィッ

ケンシロウ「こういう仕事は…シュウが似合うと思うなっ」ズシッ

ラオウ「無駄口を叩くなッ ジャギが大切なバイクを質に入れて凌いでくれたのだぞッ」ズシッ

ケンシロウ「わかっているっ 何としてでも今週中に20万稼がねば…バイクが捌かれるッ」ズシッ

ラオウ「それだけは漢のメンツに賭けて阻止せねば…ッ」ズシッ

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 16:13:06.84 ID:PKTYKiEwO
ラオウ「ようやっと小休止か…」ズシィンッ

ケンシロウ「北斗の長兄たる兄さんが膝をつくとはらしくない」

ラオウ「地面に突っ伏してるうぬに言われたくないわ」




ケンシロウ「フフ…」

ラオウ「ハハ…」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 16:17:20.76 ID:PKTYKiEwO
ラオウ「グビグビ」

ケンシロウ「しかしトキはずるいな、座って瓶を眺めるだけなんて」

ラオウ「北斗剛掌波!」

ケンシロウ「へぶしっ」

ラオウ「このうつけ…何の考えも無しにトキを送り込んだと思ったか」

ケンシロウ「い、一体どんな秘密が?」

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 16:23:44.24 ID:PKTYKiEwO
流れてくる瓶に傷がないか監視するバイトとは!

古くは漢の時代、罪を犯した者に課す拷問が元であると言い伝えられている!

一定の速度で途切れなく流れてくる瓶は受刑者の精神を蝕み!

傷つき瓶一本見逃す度に鞭を一回打ちつけられる!

流動音により脳の波長は徐々に狂い!

最後には廃人にされてしまうのだ!



ラオウ「…トキ程の精神力がなければ送り込まん」

ケンシロウ「流石ラオウ、拳王を名乗るだけはある!」

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 16:33:03.73 ID:PKTYKiEwO
そして一週間が過ぎた!

ケンシロウ・ラオウ組の日当は一万円!

更に17時から19時までの残業、時給1200円を計算すると14万プラス16800円!

計15万6800円となる!

これにトキのアルバイト、時給1200円(定額)が加わるが…

ラオウ「最低でも5万…!」

ケンシロウ「生活費も考えると9万は欲しい…!」

ラオウ「だがあの(心の)病を背負ったトキが1日11時間も耐えれるとは…」

ポン

ラオウ「ケンシロウ…」

ケンシロウ「トキを信じよう…」

173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 16:39:16.85 ID:PKTYKiEwO
モヒカン「お前らのおかげで目標よりかなり進んだぜ!」

ケンシロウ「ありがとうございます」

モヒカン「バイト代も少しイロをつけてっから、またよろしくな!」

ラオウ「うむ、…して茶封筒は」

モヒカン「ああ、あと一人いっからちょっと待てって」

ガチャ オツカレサマデース

ラオウ・ケンシロウ「あっ」

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 16:46:41.83 ID:PKTYKiEwO
ラオウ・ケンシロウ「トキ!?」

トキ「二人とも、お疲れ」


実はこの一週間、トキも同じバイトをしていたのだ!

(心の)病を押し込め、自身の体を刹活孔で無理やり強化していたのだ!

その働き振りを見た周りの社員は鬼気迫る者を感じ、休むようすすめたがトキは働き続けたという!

ケンシロウ「そんな…毎日刹活孔を打ち込んでいたら…トキの命は…」

トキ「いいのだ…今こそ命燃やし尽くす時、そう感じたのだ」☆

ラオウ「トキ…見事な漢よ」

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 16:55:45.20 ID:PKTYKiEwO
三人のバイト代は実に30万の大台乗っていた!

借りた20万を返しても10万のお釣りが来る!

社会経験0の三人にしては上出来な結果!

三人は足取り軽く家路につくのだった




ラオウ「あの愚弟、遅いのう」ソワソワ

ケンシロウ「ああ、いっそメールしてしまおうかと一瞬考えてしまった」ソワソワ

トキ「ふふ…ジャギの喜ぶ顔が目にうガハァッ」☆

ガラガラ オレノナヲイッテミロー

ラオウ「むっ」

ケンシロウ「あの独特な帰宅の挨拶、間違いなくジャギ!」

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 17:00:02.22 ID:PKTYKiEwO


ジャギ「あァ? バイトで30万稼いだ?」
ラオウ「うむ、たまには長兄らしさを見せつけたくてな」

ケンシロウ「ラオウは素直じゃないな。この間の借金の返済に当ててくれ」

ジャギ「借金の事は心配いらんと言っただろ」

ラオウ「この拳王の全身全霊を込めたバイト代を受け取れ!」バァンッ

ジャギ「いや、だから」

ケンシロウ「ジャギ、遠慮も過ぎると無礼に当たるぞ」

ジャギ「ちょっと俺の話を聞いてくれ!」

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 17:04:38.98 ID:PKTYKiEwO


ケンシロウ・ラオウ「夏のボーナス!?」

ジャギ「そう、最初からボーナス一括返済のつもりだったんだよ」

ケンシロウ「なんだ…」

ラオウ「一足も二足も遅かったのか…」

ジャギ「…でも、みんなの気持ち嬉しかったぜ」クシクシ



ケンシロウ「へへ…」

ジャギ「ヒャハッ」

ラオウ「…ぬふふ」

ラオウ「ではこのバイト代で寿司でも食いに出掛けるか」

ジャギ「いいねぇ」

ドタドタ



トキ「」☆

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 17:08:12.03 ID:PKTYKiEwO
かくして、ジャギのバイクは無事戻った!

借金も全額返済し、北斗家に平和が戻ったのだ!





もっとも、ラオウとケンシロウは一週間でバイトをすっぱり辞め、再びエリートニートに戻った

そしてトキは2ヶ月寝込み、前期の単位を全て落とした

223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 22:40:03.69 ID:PKTYKiEwO
ネェエンチョウセンセー

サウザー「何だ?」

イイモノアルヨー

サウザー「いいもの?」



サウザー「これは…聖帝十字陵!?」

スナデツクッタノー

サウザー「ハッ」バッ

ズシャッ

サウザー「南斗鳳凰拳奥義ィ!?」ズボッ

アッ!? スナヤマガッ!?

サウザー「あっ足がぁ!?」ジタバタ

ウワーン エンチョウセンセイガコワシター

シュウ「…何をなさってるんです?」

サウザー「…つい」

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 22:56:32.82 ID:PKTYKiEwO
レイ「ついにnon・noの表紙を飾ってしまった…」

レイ「マミヤが表紙のTiaragirlが隣に並んでいるととても複雑な気分だ…」

レイ「…」



レイ「これ、俺なんだよな…」ゴクリ


レイ「ゴクリって何だ!? ここの効果音はズーンとかだろ!」

レイ「あああああ! 男に戻りたーい!」

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 23:15:53.66 ID:PKTYKiEwO
ケンシロウ「さて、寝る前にミクシィ(笑)でも見るかな」

ケンシロウ「日記の更新履歴…あ、トキのが一番新しいな」

8月30日 今日のフリーゲーム紹介133本目8月30日 昼飯が何もなかった
8月30日 大正野球娘レビュー
8月30日 アークザラッド3攻略5日目
8月30日 また兄者が面接落ちたらしい(笑)
8月30日 晩飯に大嫌いななめこが入ってた
8月30日 眠くならない



ケンシロウ「…トキ」

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 23:39:01.82 ID:PKTYKiEwO
ラオウ「黒王号、朝飯だ」

黒王号「ブルルッ」

ラオウ「さて、新聞は…」ガサッ

ラオウ「む! これは…」



ジャギ「あ、トキ兄者の健康運今日も最下位だな」

トキ「同じ星座の人達に申し訳ないな」

ラオウ「貴様ら!これを見よ!」スパンッ

ケンシロウ「なんだ朝から騒々しい」ピラッ

ケンシロウ「差出人は………リュウケン!?」

236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 23:43:22.48 ID:PKTYKiEwO
ジャギ「あの不良親父、今どこにいるんだ」

トキ「エアメールということは海外か…」

ケンシロウ「全く、自分の金とはいえ世界中遊び回ってないで少しは家計に入れて欲しいよな」

ジャギ(ニート二人に浪人生いたら逃げたくなる気持ちもわかるわ)

238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/30(月) 23:53:39.47 ID:PKTYKiEwO
トキ「どれどれ」

4人とも元気か

俺はバリバリ絶好調だ

俺は今イタリアに来ている

イタリアはなかなかいいところだぞ、パン硬いけど

変わっていることに、こっちの人間は日本人ほどカツカツに働いたりしない

1日のスケジュールに昼寝があるぐらいだからな、根っからの怠け者だ

あ、ラオウとケンシロウもイタリア人かもな(笑)


ケンシロウ「相変わらず腹立つ物言いだな」

トキ「しかも結局どこの国の話してるかわからないし」

241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 00:10:45.25 ID:6s0rzbqhO
ラオウ「エッフェル塔、これはスペインの闘牛場か?それにビッグベンにエーゲ海。イタリアの写真が一つもないな」

トキ「ケルン大聖堂、なんで通天閣まであるんだ…ひょっとしてからかわれてるのか?」

ケンシロウ「…まぁ元気そうだし、細かい事もそうでない事もいいとしようじゃないか」

ジャギ「ん? もう一枚紙があるぞ」


追伸
金なくなった。仕送りヨロ


ジャギ「」

トキ「ん? どうした?」

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 00:15:12.64 ID:6s0rzbqhO


ユリア「へー、リュウケンさんから」ペラ

ケンシロウ「ああ、年甲斐もなく世界中遊び回ってるよ」

ユリア「あ、これパリコレの写真だ」

ケンシロウ「そうなのか? よく分かるな」

ユリア「女の子ですからー」



ユリア「あれ」

ケンシロウ「ん?」



ユリア(これ…レイさん……??)

303: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 22:50:06.17 ID:6s0rzbqhO
ユリア「ほら! キリキリ歩く!」

ケンシロウ「ちょっと待て…紙袋の紐が食い込んで痛いんだが」

ユリア「我慢しなさーい」

ケンシロウ「なあ、買い物はこれぐらいにしないか? 袋がかさばって扇みたいになってるし」

ユリア「ダメ! やっとケンを連れ出したんだから、この幸せを満喫しないと!」

ケンシロウ「やれやれ…」



ユリア「あぁ!?」

ケンシロウ「ん? どうしたユリア!」

304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 22:52:35.30 ID:6s0rzbqhO
ユリア「…」

ケンシロウ「…」




ジュウザ「……」

【あの雲のように自由に生きよう 10―3】1000円


ケンシロウ(うわぁ…)

ユリア(結構高いし…)

ジュウザ「…」

307: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 22:55:01.21 ID:6s0rzbqhO
ユリア「…そろそろ帰ろうか」

ケンシロウ「ああ、そうだな…」


ジュウザ「…」


ユリア「あ、少し持つよ…」

ケンシロウ「いいって、これでも結構鍛えてるし…」


ジュウザ「…」

310: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 23:02:24.55 ID:6s0rzbqhO
北斗家 インターホン前

バット「やるぞ」

リン「うん…せーのっ」


バット・リン「ケーンッッ!」





ケンシロウ「アタァッ」バンッ


ケンシロウ「またケーンダッシュか!」

314: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 23:14:20.59 ID:6s0rzbqhO
ラオウ「何も言わず首を縦に振れ」

トキ「唐突だな」

ラオウ「もう一度言う、何も言わず首を縦に振れ」

トキ「何故隠す? 早とちりからリュウケンを天に還した時も取り繕わなかった貴方が」

ラオウ「是非も無し」

トキ「…かかってくるがいい」スッ

ラオウ「…」スッ


ラオウ「ぬううううんッッ」バッ

トキ「こ、これは…ぁ!?」

316: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 23:22:55.97 ID:6s0rzbqhO
ラオウ「ケンシロウ、俺に服従しろ」

ケンシロウ「黙れ、今…とことんぷよぷよで忙しい」ダイヤキュート

ラオウ「天 将 奔 烈」


ドガァッ


ケンシロウ「何のつもりだ」

ラオウ「俺は今、虫の居所が悪い。大人しく従えばそれでよし」

ケンシロウ「断る。セガサターンの受けた痛み、お前の体に刻んでやる」

ラオウ「その気になったか。だが、これを見てもそのような口が聞けるかな?」バッ

ケンシロウ「何!? これは…!?」

317: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 23:25:55.28 ID:6s0rzbqhO
ケンシロウ「不覚…」ガクッ

トキ「ケンシロウ…」

ケンシロウ「トキ!? お前まで?」

トキ「すまない…」


ラオウ「ぬふふ…残すはジャギ一人だ」


ケンシロウ「このままでは…」

トキ「ジャギを信じよう、私達には信じる事しかできない」

ケンシロウ「頼む…ジャギ兄さん!」

318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 23:30:37.37 ID:6s0rzbqhO
ラオウ「ジャギ」ザッ

ジャギ「兄者、どうした」

ラオウ「何も言わずうんと言え」

ジャギ「…」



ジャギ「捨ててこい」

ラオウ「ぬ!?」

ジャギ「また動物を拾ってきたのか」

ラオウ「北斗剛掌波!」

スァァァ


ラオウ「消えた!?」

320: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 23:33:55.68 ID:6s0rzbqhO
ジャギ「暴力で解決とはますます感心せんなァ」

ラオウ「今のは無想転生!?」

ラオウ「くっ! 食らえい!!」バッ


ニャーン


ジャギ「…」


ラオウ「…」チラッ

ジャギ「何だその目は」

323: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 23:42:55.34 ID:6s0rzbqhO


ジャギ「黒王号かその猫か、どちらか選べ」

トキ「ジャギ! その選択肢はあんまりだぞ!」

ケンシロウ「この悪魔め…!」

ジャギ「今は悪魔が微笑む時代なんだ」

ラオウ「ジャギ…、……ジャギ様、どうかこれ一匹だけ猶予をくれぬか」

ジャギ「…」

ラオウ「このラオウ、猫を飼うのに人の手は借りぬ…ッ!」

327: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 23:47:09.95 ID:6s0rzbqhO
ジャギ「…負けたよ」

ラオウ「ジャギ!」

ケンシロウ「兄さん…!」

トキ「キミ、良かったな」

ニャー


ジャギ「俺は一切面倒見んからな! お前ら三人でなんとかしろよ!」

トキ「わかってるさ」


ラオウ「我が生涯に一片の悔い無しッ!!」ドゴーン

330: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/31(火) 23:57:31.05 ID:6s0rzbqhO
数日後

トキ「病院行ってくる…」

ジャギ「後期の授業までには戻れよ」ジャバジャバ

ケンシロウ「ラオウ、今こそLOVで決着をつけよう…!」

ラオウ「面白い! 我が全霊を込めた天草四郎をとくと味わうがいい」

ジャギ「連コインはするなよ」バシャバシャ


ニャー

ジャギ「待ってな、今朝飯やるから」

ニャーン

ジャギ「ほれ」

ニャン

ジャギ「はは…俺もまだまだヒヨッコだ」

333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 00:21:01.09 ID:ayxXb97PO
シュウ「はい信号が赤だから止まろうねー」

トマラナイトドウナルノ?


サウザー「退かぬ」

サウザー「媚びぬ!」

サウザー「省みn ッうァ!?」ドカァッッ


シュウ「園長先生みたいになっちゃうからねー」

ワー! コワーイ!







サウザー「お師さん…」

334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 00:22:33.10 ID:ayxXb97PO
ヒューイ「やべぇ…轢き逃げしちゃった……」

405: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 22:17:11.13 ID:ayxXb97PO
ラオウ「…」

ケンシロウ「…」

トキ「…なんだこれは」

ラオウ「見て判らぬか」

トキ「わからないから聞いているのだが…」

ケンシロウ「どう見てもジャギのバイクだろ」

トキ「それは分かる。何故ジャギのバイクにピンポン玉が刺さっているんだ」

ラオウ「卓球をしていたからに決まっているだろう」

412: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 22:24:58.61 ID:ayxXb97PO
トキ「よし、全くわからん」

ラオウ「どうした? 半年も大学に行っていないから頭も病んだか?」

ケンシロウ「トキ…卒業さえしていれば…」

トキ「もしもし、ジャギか?」

ラオウ「…!」ググッ

トキ「じょ、冗談だ…繋がってない」ググッ

ラオウ「全く、無駄な体力を使わせるな」

413: カーチャンもしもしでごめんね 2010/09/01(水) 22:30:51.17 ID:ayxXb97PO
トキ「しかし見事に一体化しているな」ググッ

ケンシロウ「引っ張ってみたものの、全く動かないんだ」

トキ「無理に取ろうとせず、逆に一体化させたらどうだ?」

ケンシロウ「え、本気で言ってる?」

ラオウ「それは無い」

トキ「冗談だ! 真に受けるな!」

416: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 22:40:28.02 ID:ayxXb97PO
トキ「ここは下手に触らず修理に出すのがいいだろう」

ケンシロウ「修理っていくらぐらいだ?」
トキ「擦ったならまだしもめり込んでるからな…とりあえず2万ぐらいか?」

ラオウ「三人の手持ちを出し合えば足りるな」

トキ(さりげなく頭数に入れられた)




ラオウ「1022円」

ケンシロウ「85円」

トキ「10264円」

トキ「やる気あるのか!」

417: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 22:49:54.18 ID:ayxXb97PO
ラオウ「そもそも修理に出したらバイクが無いことに気付くだろう」

トキ「…あ」

ケンシロウ「確かに。危うくトキに金を騙し取られるところだった」

ラオウ「見損なったぞトキ」

トキ「ジャギか? 私だが」

ケンシロウ「ホァタァッ!」

携帯「あべしっ」


トキ「…!」ググッ

ケンシロウ「…!」グググッ

419: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 22:54:03.10 ID:ayxXb97PO


ケンシロウ「冗談はこれぐらいにしておこう。本当にジャギに怒られる」

トキ「私に怒られるのはいいのか」

ラオウ「一つ気掛かりなことがある」

ケンシロウ「何だ?」

ラオウ「ケンシロウ、うぬはさっき携帯の秘孔を突かなかったか?」





ケンシロウ「…なるほど!」

トキ「同じ要領でピンポン玉を破壊するのだな!」

420: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 22:56:31.58 ID:ayxXb97PO
ラオウ「…」

ケンシロウ「…」

トキ「…」



ケンシロウ「どこだよ…」

トキ「さぁ…」

ラオウ「皆目見当もつかん…」

ケンシロウ「本当に秘孔あんのかよ…」

トキ「さぁ…」

ラオウ「誰だ秘孔突くとか言い出した奴は…」

ケンシロウ・トキ「…」

424: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 23:07:07.95 ID:ayxXb97PO
× キュッキュッ

ラオウ「ここを突けばピンポン玉は崩壊する筈だ」

ケンシロウ「さあ、遠慮なく突いてくれ」



トキ「待て、いろいろおかしい」

ラオウ「何だ、この期に及んで怖じ気づいたか」

トキ「何故私が突く流れなんだ」

ケンシロウ「北斗神拳の極意は、身体を外部からではなく、むしろ内部から破壊することにある」

トキ「知ってるよ! 北斗神拳の極意知ってるよ!」

ラオウ「トキ、御乱心」

トキ「ゲホッゲホォッ」

ケンシロウ「カリカリすると寿命縮むぞ」

トキ「もうやだこの兄弟」

427: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 23:13:12.22 ID:ayxXb97PO


トキ「わかった、私が突くのはいい。だが何を根拠にここを突くんだ?」

ケンシロウ「天の声が聞こえたんだ」



ケンシロウ「右よ…と」

トキ「それは押すけども…」

428: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 23:18:04.65 ID:ayxXb97PO
トキ「…では突くぞ」

ケンシロウ「ドキドキ」

ラオウ「ワクワク」

トキ「…」


トキ「もし上手くいったとして、その後はどうするんだ?」

ラオウ「そんなもの、上手くいってから考えよたわけ」

ケンシロウ「パテでも詰めれば気付かないだろ」

トキ(本当は私をおちょくってるんじゃないか…?)

429: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 23:20:23.29 ID:ayxXb97PO
トキ「ハァッ」ズビッ

ピキーンッ



バイク「ひでぶっ」


ラオウ「」

ケンシロウ「」

トキ「」



ラオウ・ケンシロウ「バイクが喋った…」

トキ「そこ!?」

431: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 23:23:31.41 ID:ayxXb97PO
トキ「バ、バイクがバラバラに…」

ケンシロウ「ああもしもし、兄さん?」

ラオウ「早う帰ってこい。ちょっとしたスペクタクルだぞ」

トキ「これ見よがしに電話するな!」

435: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 23:29:54.17 ID:ayxXb97PO


ジャギ「」☆

ラオウ「すまぬ」

ジャギ「」☆

ケンシロウ「悪気はなかったんだ」

ジャギ「」☆

トキ「また三人でバイトして修理に出すから…許してくれないか」





ジャギ「ふざけるな!」

437: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 23:36:22.34 ID:ayxXb97PO
ジャギ「北斗千手殺!」ババッ

ケンシロウ「ふっ」ヒラッ

ジャギ「北斗羅漢撃!」ダダッ

トキ「はっ」シュパッ

ジャギ「南斗邪狼撃!」

ラオウ「むんっ」ガシッ

ジャギ「くそっ! くそっ! くそぉおおおお!」ボロボロ



ケンシロウ・トキ・ラオウ「…」

445: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 23:47:01.87 ID:ayxXb97PO
兄弟の中でも一番拳術で劣っているジャギ!

ジャギは北斗神拳伝承者が決まると同時に拳の道を諦め、家計を助ける為社会に出る事を選んだ!

意外な事に営業力はずば抜けて優れていたジャギは、北斗家を一人で養う程の成功を収める!

拳の才能はなかったが、こういう人生も悪くない…

そう自分に言い聞かせ、自分を押し込める毎日!

いつしかジャギの心には深い悲しみが宿っていくのだった!

448: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/01(水) 23:50:00.39 ID:ayxXb97PO
翌朝

ラオウ「ジャギ! 朝食はまだか!」



ラオウ「…おかしい、早出だとしても作り置きがある筈」

ニャーン

ラオウ「ぬ? うぬも食いっぱぐれたのか」

ニャォー



ラオウ「…そうだ、俺達はジャギに…」

449: 無想転生だけはとうの昔に習得済です 2010/09/01(水) 23:53:27.62 ID:ayxXb97PO
トキ「…ん、点滴がもう無い」

ビーッ

トキ「…」



トキ「おかしい…ナースコールを押してもジャギが来ない」



トキ「…そうだ、ジャギはもう…」

450: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 00:01:10.48 ID:qLjiJ8rvO
ケンシロウ「あ、もしもし」

ユリア「あら、どうしたの?」

ケンシロウ「ユリア、何か料理を作ってくれ」

ユリア「あら、ジャギさんは?」

ケンシロウ「家出した」

ユリア「家出ぇ!?」

ケンシロウ「トキがジャギのバイクをひでぶしたら泣きながら出てった」

ユリア「今からそっち行くわ」

ブヅッ

ケンシロウ「持つべきものはやっぱり彼女だなぁ」

452: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 00:08:06.01 ID:qLjiJ8rvO
ユリア「三人共何考えてんの!」

ケンシロウ・ラオウ・トキ「!」ビクッ

ユリア「ジャギさんが怒らないから不問にしてたけど、今日こそははっきり言うわ」
ユリア「この…駄目人間共!!」

駄目人間共「ガーン!」

ユリア「あなた達ね、いい歳して他人に養われるなんて恥ずかしいと思わないの!?」

ラオウ「しかし、ジャギが兄弟なんだから気にするなと…」

ユリア「気にしなさ過ぎだバカチンッ」バチーンッ

ラオウ「わばっ」

454: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 00:12:52.44 ID:qLjiJ8rvO
ユリア「そんな体力みなぎる程持て余して自宅警備員なんて…このムダ筋!」

ラオウ「む、ムダ筋!?」ガビーン

ユリア「長兄とか偉そうな事言って、未だにジャギさんにおんぶだっこの子供じゃない」

ラオウ「ぐ、ぬぅ」ズゥゥン

トキ「ラオウが! 言葉だけで膝を!?」

465: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 00:20:47.39 ID:qLjiJ8rvO
ユリア「次、病人」

トキ「病人!?」ズキッ

ユリア「心の病(笑)? 鬱病(笑)? 笑わせんじゃないわよ!」

ユリア「赤の他人から受けた屈辱と、家族から受けた屈辱、どっちが悲しいと思う?」

トキ「…」



トキ「あれ、私もケンシロウ達にだいぶ」

ユリア「しゃらくせぇぇえ!!」バチコーンッ

トキ「たわば!!」

468: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 00:27:44.25 ID:qLjiJ8rvO
ユリア「最後は…」

ケンシロウ「…ユリア」

ユリア「ふんっ」ゴッ

ケンシロウ「あろっ!」


ケンシロウ「い、いきなりグーで…?」ボタボタ

ユリア「…」

ケンシロウ「…ユリア?」



ユリア「大っ嫌い」

バタンッ


ケンシロウ「」☆

469: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 00:28:16.09 ID:qLjiJ8rvO
ちょっと風呂入ったり休憩

530: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 22:18:25.77 ID:qLjiJ8rvO
シン「アタックよりもボールドの方が売れ行き好調…」カキカキ

ギョウムレンラク キング ジムショマデキテクダサイ

シン「この忙しいのになんだ?」



シン「このキングの城で万引きとはいい度胸だ」

シン「そんなに死にたいか? ん?」




ケンシロウ「ぁぅぁぅぁー…」

シン「良かろう、殺してやる」

537: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 22:36:16.68 ID:qLjiJ8rvO
ケンシロウ「すまん、あまりの空腹に自我が崩壊してしまった」

シン「ああ、そうか」

ケンシロウ「礼といってはなんだが…」

シン「いらん」

ケンシロウ「なに、大したものじゃない。遠慮なく受け取ってくれ」

シン「いや、本当に大した物じゃないだろうからいらんと…」

ケンシロウ「ほら、心ばかりのお礼だ」



⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩⑩
①①①①①     チャリーン


シン「うわっ、いらねぇ」

541: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 22:50:34.91 ID:qLjiJ8rvO


シン「同情の余地がないな、助けるんじゃなかった」

ケンシロウ「…っ」

シン「ケンシロウ、俺はお前がどんな地獄に落ちようと構わん」

ガシッ

ケンシロウ「ぐっ!?」

シン「だがユリアを道連れにしてみろ、死ぬ事も叶わぬ生き地獄を永遠に味わわせてやる…!」

ブンッ

ケンシロウ「がはぁッ!?」ドカァッ

シン「失せろ、業務の邪魔だ」

ケンシロウ「…シン」

シン「…」

ケンシロウ「ありがとう、強敵よ」

バタン

シン「…さらばだ」

545: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 23:04:19.61 ID:qLjiJ8rvO
ケンシロウ「ジャギ…ごめん、ジャギ!」タタタッ

ケンシロウ「俺、自分の才能に溺れてた」タタタッ

ケンシロウ「心のどこかでジャギの事見下して、自分は特別だと思ってた」タタッ


タッタッタ…


ケンシロウ「家族…なのに」トボトボ

ケンシロウ「俺、…なんて言ったら…」



「やるべき事は一つだろうッ!」


ケンシロウ「その声は!?」

547: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 23:09:31.67 ID:qLjiJ8rvO
ラオウ「人は過ちを犯す。覇者でも救世主でも…な」

ケンシロウ「ラオウ!」

ケンシロウ「…その傷は」

ラオウ「縁側で考え事をしていたら黒王号に蹴り飛ばされたわ!」

ケンシロウ「はは、よく無事だったな」

ラオウ「伊達に長兄をしておらぬわ」

ケンシロウ「馬にまで心配されるとは、最低だな俺達」

ラオウ「最低なら最強まで上り詰めるまでよッ!」



ラオウ「行くか」

ケンシロウ「ああ」

550: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 23:17:58.72 ID:qLjiJ8rvO
ジャギ「…」


「ジャングルジムの頂点は、天を掴むこのラオウの玉座の筈だが?」

ジャギ「!」

ラオウ「まぁ、たまには下から見上げるのも悪くないか」

ジャギ「兄者…」

ケンシロウ「ラオウが代わってくれないから、とうとうこの歳まで登れなかったじゃないか」

ラオウ「ケンシロウには一世紀早いわ」

ケンシロウ「やれやれ…」

ケンシロウ「座り心地はどうだい、兄さん」

ジャギ「ケンシロウ…」

557: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 23:30:12.84 ID:qLjiJ8rvO
ジャギ「何しに来たんだ。また俺を馬鹿にしに来たのか」

ラオウ「ジャギよ、覚えているか」

ジャギ「何をだよ」

ラオウ「俺が野犬の群に襲われて瀕死の重傷を負った時の事だ…」

ラオウ「お前は石油ををそこら中に撒いて野犬を焼き払い、助けてくれたな」

ジャギ「兄者はあの後、漢なら拳のみで戦わぬかって俺をボコボコに…」

ラオウ「本当はな、ありがとうと、お前みたいな弟を持てて幸せだと、言いたかったんだ」

ラオウ「子供心に照れくさくて、つい殴ってしまったが」

ジャギ「兄者…」

560: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 23:36:33.51 ID:qLjiJ8rvO
ケンシロウ「兄さん、俺の高校受験の事、覚えているか?」

ジャギ「確かお前が高熱を出して……思い出せん」

ケンシロウ「兄さんは俺の代わりに試験を受けてくれたんだ」

ジャギ「嘘言え、俺にはそんな記憶…」

ケンシロウ「無理もないよ…自ら秘孔を突いて頭を吹き飛ばしてたんだから」

ジャギ「!」

ケンシロウ「次の日俺が元気になった時、兄さんは命の境をさまよっていた…」

ケンシロウ「俺、生まれて初めて号泣したよ」

ラオウ「兄さんを助けて、兄さんを救ってと、くたびれ眠るまで喚いてたな」

ジャギ「…」

ケンシロウ「迷惑な弟で…ごめん。そして、ありがとう兄さん」

563: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 23:41:34.30 ID:qLjiJ8rvO
ジャギ「…言いたい事はそれだけか」

ケンシロウ「兄さん!」

ラオウ「ジャギ!」

ジャギ「俺はな、お前らの存在がずっと煩わしかった!」

ジャギ「兄者にボコボコにされる度、兄に弟は適わないと言い聞かせてた」

ジャギ「しかし次第にケンシロウにまでボコボコにされる始末!」

ジャギ「拳の道を断念すれば、今度は家事も生活費も、終いにはお小遣いも俺任せ!」

ジャギ「俺は…俺はァ……!」

565: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 23:45:33.41 ID:qLjiJ8rvO
「ジャギ、お前は誰にも負けぬ根性がある。だから立ち上がれッ!」


「兄さん、もう一本稽古つけて下さい!」




ジャギ「俺はな……お前らを憎んでも憎んでも…憎みきれないんだよォ」ポロポロ

ラオウ「ジャギ…」

ケンシロウ「兄さん…!」

568: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 23:50:59.07 ID:qLjiJ8rvO
……

ラオウ「ジャギ、今回は本当にすまぬ事をした」

ケンシロウ「あのバイク、俺達に直させてくれないか?」

ジャギ「いいって、ありゃ完全に廃車だ。直らねーよ」

ラオウ「ならば一生かけて直すというのも、また一興じゃないか?」

ケンシロウ「お、流石兄さん。いい事言うね」

ラオウ「ぬふふふ」

ケンシロウ「はははは」

ジャギ「ヒャァハハハ!」

571: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/02(木) 23:55:57.34 ID:qLjiJ8rvO


トキ「レイ、いるのはわかっている」

「…」

トキ「整形手術代150万、今すぐ返してくれ」

「…」

トキ「私達兄弟の危機なんだ! 頼む!」
「…」

トキ「…でないと妹さんにお前がオニャノコになった事、言っちゃうぞ」

「! 卑怯な!」

トキ「勝てばいい、それが全てだ!」

575: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/03(金) 00:07:01.19 ID:5uIn1cm7O
「この外道…!」

バンッ

レイ「南斗水鳥拳の伝承者の名に掛けて、貴様を処刑するッ」キリッ




トキ「キュン」



処刑されたくなっちゃいました

590: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/03(金) 00:59:03.12 ID:5uIn1cm7O
トキ「美しい…ハッ」

トキ「失礼した!」ササッ


レイ「……何だったんだ」




トキ「うう…気分が優れない」

トキ「熱がある気がするし、動悸も収まらない…」

トキ「早く帰ってジャギに診てもら…あ」

591: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/03(金) 01:07:55.77 ID:5uIn1cm7O


ユリア「仲直り、できたみたいね」

ケンシロウ「ユリア…」

ラオウ「お見通しという訳か」

ユリア「当たり前よ、何年の付き合いだと思ってんの」

ジャギ「でも心配はかけちまっただろ、すまねぇな」

ユリア「いいの、ケンもちょっとは懲りたろうし」

ラオウ「グーパン食らった時のケンシロウの顔ときたら」

ケンシロウ「お前も言葉責めで泣きそうになってただろ!」

ユリア「二人ともっ」

ラオウ・ケンシロウ「…ごめんなさい」

ジャギ「ヒャハハッ」

593: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/03(金) 01:13:05.02 ID:5uIn1cm7O
こうして、北斗家に再び平和が戻った!

今回の兄弟喧嘩でケンシロウとラオウは少しだけ大人になった!

ジャギに甘えず独り立ちできるようになるため、まず第一歩として家のお手伝いを始めたのだ!

ラオウは風呂掃除と洗濯!

ケンシロウは食器洗い!

を、毎週月水金にすることとなったのだ!

597: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/03(金) 01:17:34.67 ID:5uIn1cm7O
ジャギの手料理の並んだ食卓を囲む!

それは北斗な人々の心安らぐ時間!

ケンシロウとラオウは、実に1日振りの食事にありついたのだ!


ラオウ「うまい!美味すぎるぞ!」

ケンシロウ「許されて良かったー!」


ジャギの海より広い心に二人は許された!



そう、トキを除いて!


トキ「たのむッ 玄関を開けてくれッ!」ドムドムッ

602: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/03(金) 01:42:58.05 ID:5uIn1cm7O
サウザー「お師さん…」スッ

シュウ「…」


シュウ(オウガイ先生、サウザー園長は立派に貴方の意志を継いでいます)

シュウ(貴方が先立たれた時、園長は深い悲しみを背負いました)

シュウ(ですが、悲しみに暮れる事なく、再び指導者として立ち上がったのです!)

シュウ(…サウザー園長の心には、まだオウガイ先生が生きています)

603: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/03(金) 01:47:14.94 ID:5uIn1cm7O
エンチョーセンセー ハヤクアソボー

サウザー「今行く」

サウザー「お師、また来ます」ペコ

シュウ(最近は子供達も墓参りについてきます)

シュウ(遠足か何かと勘違いしてるのかもしれません)

シュウ(まぁそれも仕方のない事でしょうか)



シュウ「だって、オウガイ先生の墓は聖帝十字陵(ちょっとしたテーマパーク)ですから…」

684: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 09:42:04.55 ID:Q4qHDkKCO
ヒューイ「五車星で集まるの何年ぶりだろうな」

シュレン「フドウんところは子供が多いからな、なかなか都合がねぇ」

フドウ「いや、すまんすまん」

ヒューイ「どうする?とりあえず一杯いくか?」

リハク「それならとっておきの店があるぞ」

シュレン「酒好きのリハクが言うなら間違いないな」

フドウ「旧友と久々の酒か、楽しみだな」

リハク「とりあえず駅に向かって、三駅ほど…」




ジュウザ「…」


リハク「ジ、ジュウザ…」

ヒューイ「げ、元気してたか…?」

686: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 09:48:54.38 ID:Q4qHDkKCO
フドウ「こ、これから皆で飲みに行くんだ。ジュウザも来ないか…?」

シュレン(おい!)

リハク(止めとけフドウ!)


ジュウザ「いや…いい」

ジュウザ「金、無いし…」フラフラ



ヒューイ「行っちまった」

シュレン「マジ焦ったわ」

688: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 09:53:00.46 ID:Q4qHDkKCO
ジャギ「ケンシロウ」

ケンシロウ「何だ」ピコピコ

ジャギ「洗ってない食器が溜まってるんだが」

ケンシロウ「ふーん」



ケンシロウ「で?」

ジャギ「…」

690: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 09:59:14.94 ID:Q4qHDkKCO
マミヤ「最近REIって娘が話題になってるわね」

マミヤ「ファッション誌の表示を飾るのも私より多いし…悔しいわ」

マミヤ「…そういえば、私REIについて何も知らないわね」

マミヤ「よし! 敵情視察よ!」





マミヤ「じー」

レイ(マミヤから熱い視線が…こんな格好なのに)ビクビク

694: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 10:05:56.75 ID:Q4qHDkKCO
コマク「REI様、お茶が入りました」

レイ「あら、ありがとう」

スッ

マミヤ(音をたてずに飲んだ!)

レイ「あら、茶葉を変えたの?」

コマク「ええ、いいものが手に入ったので」

レイ「通りで、とても美味しいわ」ニコ

コマク「お口に合ったようで何よりです」


マミヤ(一つ一つの動作から漂う気品、そしてあのエンジェルスマイル!)

マミヤ(REI…恐ろしい娘!)

695: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 10:15:17.28 ID:Q4qHDkKCO
アイリ「最近お兄ちゃんと会ってないんですよー」

アイリ「なんかー、仕事が忙しいとかでー」

ユリア(レイがモデルになった事、アイリちゃんは知らないみたいね…)

ユリア(それにしても女装してモデルの仕事するなんて、一体どんな事情が…)

アイリ「あ! ユリアさん知ってます?」
ユリア「何を?」

アイリ「これこれ! マミヤさんに強力なライバル出現ですよー」

アイリ「はぁーREIちゃん綺麗だなぁー」

ユリア(それ…貴方のお兄さんよ)

697: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 10:26:40.79 ID:Q4qHDkKCO
アイリ「…!」

アイリ「ユリアさん…」

ユリア「ん? 何?」

アイリ「REIちゃんって…」

ユリア(気付いた!?)



アイリ「睫毛長いですね」ゴクリ

ユリア「え、ええ…そうね」ズルッ

701: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 10:33:43.26 ID:Q4qHDkKCO
ケンシロウ「最近毎日大学行ってるな」

トキ「ああ、体の調子がすこぶる良くてな」

ケンシロウ「珍しいな、(心の病が)治ったんじゃないか?」

トキ「そうかも知れないな」



トキ(今は恋の病にかかってるけど)フフ

ケンシロウ(どうしよう、トキが気持ち悪い)

702: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 10:40:04.67 ID:Q4qHDkKCO
アイリ「あー! メットのお兄さん!」

ジャギ「おお、アイリちゃんか」

アイリ「最近よく会うね!」

ジャギ「本当だな」

アイリ「この間、厳つい方のお兄さん見たよ」

ジャギ「ラオウ兄者か?」

アイリ「多分。コロコロ買ってたー」

ジャギ「デカい図体してカーペットの汚れが許せない性分なんだよなぁ」

アイリ「ふふ、なんだかかわいい」

ジャギ「いや、かわいくはないぞ」

709: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 10:46:16.74 ID:Q4qHDkKCO
アイリ「今日も夕飯の買い物ですかー」

ジャギ「ああ、ウチは大飯食らいが二人いるからな。タイムセールは有り難い」

アイリ「でも土日しかこの時間で会わないですよねー」

ジャギ「働いてるからな、平日間に合わないのは仕方ない」

アイリ「あーあ、メットのお兄さん面白いから平日も会えたらなー」ショボン

ジャギ「まあ無理だな」

710: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 10:49:07.50 ID:Q4qHDkKCO
アイリ「そうだ!」

アイリ「この後、時間あります?」

ジャギ「まぁ夕飯までは」

アイリ「良かったら一緒にお茶しませんか?」

ジャギ「俺と?」

アイリ「はい!」

ジャギ「ああ、いいよ」

アイリ「やった! じゃあ張り切って買い物しましょー」

ジャギ「今晩は何にしようかな」

アイリ「あ、またレシピ教えて下さいよー」

712: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 10:55:35.60 ID:Q4qHDkKCO
ラオウ「ぬうんっ」コロコロ

ラオウ「ジョイヤッ」コロコロ

ラオウ「塵と砕けよっ」コロコロ


ガチャッ


ケンシロウ「うるさいぞラオウ」

ラオウ「我がカーペットに上がるなッ!」ゴォッ

ケンシロウ「うわっ 危なっ」

ラオウ「お前の足に付いていた埃が…」コロコロ

ケンシロウ(こればかりは余所の人に見せられないな)

713: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:12:58.55 ID:Q4qHDkKCO
ユリア「…という訳なのよ」

ケンシロウ「これがレイ!? 信じられん…」

ユリア「本人に直接聞くのが一番だと思うんだけど…貴方レイの家知ってるでしょ」

ケンシロウ「そりゃあまぁ」

ユリア「もし女装が癖になっちゃったのなら貴方の拳で目を覚まさせて」

ケンシロウ「ああ、それが友としてできるたった一つの事だな」

ユリア「じゃあ頼んだわよケン」


バタン


ケンシロウ「うわっ やべーよ! みんなにメールしなきゃ!」

716: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:22:25.29 ID:Q4qHDkKCO
クウガッ アツクヨーミガエレッ

レイ「メールだ」


差出人:ケンシロウ

件名:モデルのREIって南斗のレイらしいぞ!

本文:どうしようwww俺親友なんだけど^^;



レイ「」



ケンシロウ「あ、全送信しちゃった」

723: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:28:22.72 ID:Q4qHDkKCO
マミヤ「」


差出人:ケンシロウ

件名:モデルのREIって南斗のレイらしいぞ!

本文:どうしようwww俺親友なんだけど^^;


マミヤ「」

727: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:34:08.80 ID:Q4qHDkKCO
アイリ「それでね、それでね!」

ビーックビックビックビックカッメラッ

ジャギ「すまん、メールだ」

ジャギ「…」

パタン

アイリ「どうかしたの?」

ジャギ「何でもない! 弟がまた世迷い言を言ってるだけだ!」

アイリ「ふーん?」

ジャギ(仮に本当だとしたら尚更言えねー!!)

729: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:37:42.79 ID:Q4qHDkKCO
マミヤ「REIに直接問いたださないと!」カツカツ

マミヤ「REぃ…」



トキ「…」

レイ「…」



マミヤ(何なのよこの状況…)



トキ「レイ…好きだ」


マミヤ「!?」

732: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:43:57.68 ID:Q4qHDkKCO
マミヤ(いやいやいや、REIは女なんだから告白されてもおかしくは…)


レイ「トキ…お前とは付き合えない」

レイ「俺には愛した女がいる。それは例え女の体になった今も変わらない」

トキ「…そうか、元はといえばその女体化もマミヤを愛するが故の所業だったな…」
レイ「いや、お前らが勝手にやったんだけどな」


マミヤ(あの声…レイ!)

マミヤ(レイ…ずっと私の事を…)



マミヤ(あれ、今女の体とか言った…?)

733: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:48:20.21 ID:Q4qHDkKCO


マミヤ「レイ!」

レイ「マミヤ…ちゃん」

マミヤ「女のフリしなくていいわよ、レイ」

レイ「! そうか…マミヤにもメールが…」

マミヤ「ずっと近くにいてくれたんだ」

レイ「…マミヤが芸能界デビューしてから、置いて行かれた気がして…」

マミヤ「…もう、そんな訳ないじゃない」

734: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:52:35.16 ID:Q4qHDkKCO


レイ「これでようやく男に戻れる…」

マミヤ「レイの●●●がない…」

レイ「しげしげと見るな…」

マミヤ「いいじゃない、女同士なんだから」

レイ「俺は男だ!」

マミヤ「この際女でもいいんじゃない?」

レイ「…マミヤさん、それはどういう」

マミヤ「さあ、久しぶりに恋人同士で愛し合いましょ」

レイ「やめ! お助けっ! アッー」

736: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:56:19.42 ID:Q4qHDkKCO
レイ「」

マミヤ「レイ、可愛かったわよ」

レイ「もうお婿に行けない…」

マミヤ「じゃあ私のとこにお嫁に来なさい」

レイ「えっ」ドキッ

レイ「いや!ドキじゃないし!」

マミヤ「レイの肌すべすべー気持ちいいー」

レイ「こらっ 舐めるなっ」



マミヤ-レイ GOODEND

741: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 11:58:51.78 ID:Q4qHDkKCO
アイリ「」


レイ「…」ポリポリ

マミヤ「お兄ちゃんはお姉ちゃんになっちゃいました☆」


アイリ「」

742: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 12:02:46.42 ID:Q4qHDkKCO
ラオウ「ケンシロウ、お前に客だ」

ケンシロウ「誰だ?」

ラオウ「知らん、偉いべっぴんだったぞ」

ケンシロウ「ほ、本当に?」ドキドキ





レイ「…」

ケンシロウ「…」

レイ「ふんっ」ボゴォ

ケンシロウ「あべしっ」

796: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/04(土) 23:55:23.41 ID:Q4qHDkKCO
アミバ「男に戻してほしいだァ~?」

レイ「お願いします!」

アミバ「うーむ」

レイ「…無理、ですか?」

アミバ「俺に不可能はない」

レイ「じゃあ!」

アミバ「だが断る」

レイ「なっ!? 何故ですか!?」

アミバ「マミヤクンに断るよう根回しされていてな」

レイ「えっ」

799: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:00:39.50 ID:gZQ1o44KO
アミバ「なんでも新しい世界に目覚めたとか言ってたぞ。羨ましいねェ~」

レイ「そ、そこを何とか!」

アミバ「1000万」

レイ「…!?」

アミバ「1000万だ。びた一文負けん」

レイ「…わかりました!」

アミバ「最後に、余計なお世話かもしれんが…マミヤクンに嫌われるかも知れんぞ」

レイ「大丈夫です! 俺達ならどんな姿になっても上手くいきます!」

アミバ(だったら女のままでいいだろ……待てよ)

レイ「さらば!女体!」☆

804: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:06:45.86 ID:gZQ1o44KO
レイ「……ん」

アミバ「目が覚めたか」

レイ「ここは………あっ!」

レイ「胸がなくなって! …ない?」

レイ「しかし●●に感じる●●ちの煩わしさ…まさか!?」モコ



レイ「生えてるし…ある」ズーン

アミバ「ん~? 間違ったかな~?」ニヤニヤ

レイ、新しい世界へ

808: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:12:13.52 ID:gZQ1o44KO
レイ「嫌だ! しかも悔しい事に元のより大きい!!」ビクッ

アミバ「黒人のを移植した。これで夜の 活はバッチリだな」プークスクス

レイ「アミバぁぁぁ貴様ぁぁぁぁぁ!!」バッ

アミバ「あ、金はいらんぞ」ブフッ

レイ「払うかっ! 笑いながらいうな!」

アミバ「だって…ブフッ……ふたなりて…フフッ」ワナワナ


レイ「うううーっ」ジワッ

アミバ「おーよしよし」

レイ「さわるなよっ」バッ

811: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:16:42.24 ID:gZQ1o44KO
ジャギ「風がー呼んでるぜー俺にーついてこいー」ブロロロ

獄長「そこのノーヘルバイク、止まりなさい」ウウウウン

ジャギ「走れぇ!走れぇ!どこまでーも」ブロロロ

獄長「止まりなさい違反車!」ウウウウン





獄長「すまんすまん、てっきりそういう顔だと」

ジャギ「頭湧いてんじゃないか?」

812: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:18:18.72 ID:gZQ1o44KO
獄長「念の為、メット外してくれるか?」

ジャギ「えっ」

獄長「ん?外せないのか?」

ジャギ「…」

カポッ

獄長「あの…なんだ、……すまん」

ジャギ「…」カポッ

815: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:22:42.16 ID:gZQ1o44KO
ケンシロウ「明後日ユリアの誕生日なんだ」

ラオウ「ふむ」モグモグ

ジャギ「そういやそうだな」パクパク

トキ「プレゼントは買ったのか?」

ケンシロウ「…!」スタッ

スタスタスタ

ケンシロウ「ジャギ兄さん」スタッ

ジャギ「…どうした」

ケンシロウ「…お金貸して下さいっ」土下座

ラオウ・トキ(去年も見たコレー!)

818: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:27:25.25 ID:gZQ1o44KO
ジャギ「それはできない」

ケンシロウ「ケチ! グズッ! ●●!!」

ジャギ「どどどどど●●ちゃうわっ」

ラオウ「何!? ジャギに女が!?」ピシャーン

トキ「隊長! ジャギの携帯に女の名前が!?」

ジャギ「かっ返せ!」バッ

ラオウ「天将奔烈!」

ジャギ「わばっ」

ケンシロウ「ふむ…どれどれ」

820: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:35:22.87 ID:gZQ1o44KO
差出人:アイリ
件名:今日はありがとう!
本文:そろそろ家についたころかな?
アド交換したの嬉しくてついメールしちゃった♪
またお茶しましょうね!


差出人:アイリ
件名:相談なんですが…
本文:家族の気持ちが分からなくなった時、どうすればいいんでしょう。
行き違いとか、理解できない事があるのは分かります。。。
でも、そうなる前に話し合いとかできる筈ですよね?



ラオウ「随分信頼されてるな」

ジャギ「返せっ 返せよぉっ」ポロポロ

トキ「あーあ、泣かせた」

822: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:39:04.77 ID:gZQ1o44KO


ジャギ「ユリアに止められてんだよ」

ケンシロウ「ユリアに?」

ジャギ「誰かから借りた金でプレゼントもらって嬉しいか?」

ケンシロウ「嬉しい!!」



ジャギ(うわぁ…)

トキ(なんていい目なんだ…)

ラオウ(普通嬉しいだろ)

825: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:43:16.25 ID:gZQ1o44KO
ケンシロウ「嬉しくないプレゼントなんてある筈ないだろ」キリッ

ジャギ「お前進歩しないなぁ」

トキ「そのうち本当にユリアに愛想尽かされるぞ」

ケンシロウ「あれ!? 俺今いい事言ったつもりなのに」

ジャギ「ないわー」

トキ「空気嫁」

ラオウ(俺も嬉しい派だが黙っとこう)

829: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:50:09.71 ID:gZQ1o44KO
ジャギ「今いくらあるんだ?」

ケンシロウ「えーと」パラパラ

⑩⑩
①①①①①①①①

ケンシロウ「28えん」ニッ

ジャギ「なんだその笑みはぁ!?」

トキ「ケンシロウ…働いてさえいれば…」

ケンシロウ「…」ムッ

ケンシロウ「トキ…卒業さえしていれば…」

トキ「…!」グググッ

ケンシロウ「…!」ググッ

ジャギ「止めろ止めろ」

832: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 00:57:27.72 ID:gZQ1o44KO
ユリアの誕生日2日前であるにもかかわらず、28円しか持っていないケンシロウ!

ジャギから借りる事も出来ず、指をくわえて誕生日を待つしかないのか!

はたまた、逆転の一手はあるのか!

物語は北斗家以外でも進んでいた!



スーパーサザンクロス

シン「そろそろユリアの誕生日だったな」

シン「ユリアには、ケンシロウが金を貸してくれと言ってくるかも知れないが断れ、と言われている」

シン「全く、本当に度し難い馬鹿だな」


シン「まぁ、ユリアを悲しませる訳にもいかんし、簡単なバイトぐらいは用意しておくか」

835: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:01:02.30 ID:gZQ1o44KO
ハローワーク


ケンシロウ「…ここに来るのもトキが馬鹿した時以来だな」

ケンシロウ「全てはユリアの為…」

ケンシロウ「よし! いざ行かん!」



ケンシロウ「スーハー、よし、開けるぞぉ」

ケンシロウ「怖くない怖くない」

836: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:08:19.27 ID:gZQ1o44KO
ハート「何ですか?この空白の期間は?」

ケンシロウ「そ、それは…」

ハート「前歴…世紀末救世主(笑)」

ケンシロウ「くっ」ブルブル

ハート「全く…高卒で資格もろくに無いとは」

ケンシロウ「…」ワナワナ

ハート「世の中そう簡単に職に就けると思わないでもらいたいですねェ」ブヒッ




シン(そろそろケンシロウがベソかきながら入ってくる筈…)ソワソワ

838: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:12:57.77 ID:gZQ1o44KO
ハート「全くカス共がァ~」

ケンシロウ(我慢だ…ユリアの為…ユリアの為…)


ハート「と、私の個人的感想はこの辺にして、職業案内ですが」

ケンシロウ「…え!?」

ハート「聞こえませんでしたか? 貴方の仕事ですよ」

ケンシロウ「仕事…あるんですか?」

ハート「当然です」

ケンシロウ「はは…あはははははは」

ハート「ぶひゃひゃひゃひゃ」

ケンシロウ「初めから紹介しろ」アタァッ

ハート「ひでぶっ!」

840: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:18:45.97 ID:gZQ1o44KO


ケンシロウ「…」

ゴウンゴウン カラカラカラカラ

ケンシロウ「刺身の上にタンポポを乗せる簡単な仕事と聞いてたが…」

カラカラカラカラカラカラ

ケンシロウ「こんな猛スピードで流れてくる刺身に乗せれるのか!?」

牙大王「新入り! サボってんじゃねぇ!」

ザッ


バラバラバラッ

ケンシロウ「!?」

842: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:22:32.13 ID:gZQ1o44KO
ケンシロウ「あ、あの…そんな雑でいいんですか?」

牙大王「仕方ねぇだろ! こんなん乗せるの無理だ!」

ガシッ

牙大王「あ!? 何だよ? 休憩か?」ズルズル


ケンシロウ「…真面目にやろう」

844: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:25:59.56 ID:gZQ1o44KO


ケンシロウ「段々コツが掴めてきたぞ!」

ケンシロウ「ホォアタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ! ホァタァ!」

ケンシロウ「北斗! 百裂拳!」ビシッ


刺身「あべしっ」ボシュッ


ケンシロウ「」

848: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:32:06.17 ID:gZQ1o44KO
こうして!ケンシロウのアルバイトは終わった!

時給1200円、勤務時間8時間、通常なら9600円となる!

しかし、刺身をあべしした事とその片付けをしていた時間を差し引き、本日のアガり3000円となった!



ケンシロウ「3000円じゃオシャレな物何も買えないぞ…」

ケンシロウ「…ユリア」

850: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:40:02.61 ID:gZQ1o44KO
北斗家

一同「カンパーイ!」

トキ「誕生日おめでとう」

ラオウ「我ら兄弟からの贈り物だ、受け取れ」

ジャギ(俺が全額だしたんだけどな)

ユリア「ありがとう!」

ユリア「あ! ペアティーカップ! ありがとう!」

ジャギ「気に入ってもらえて何よりだ」

ユリア「そういえば、ケンシロウは?」

852: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:43:16.01 ID:gZQ1o44KO
ガラガラ タダイマ…

ケンシロウ「あ、もう始まってたのか」

ジャギ「悪ぃ、先やってた」

トキ「して、プレゼントは上手く買えたのか?」

ユリア「あっ」

ラオウ(この愚弟…上手く行ってなかったらどうするつもりだ)

ジャギ(トキ兄者はたまにラオウ兄者より空気が読めないな)

853: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:45:39.35 ID:gZQ1o44KO
ケンシロウ「それが…」

ユリア「…そっか」

ジャギ(この阿呆ー!)

ラオウ(そこは意地でも買ってくるところであろう!)

トキ(あーあ、ユリア泣いちゃうぞ)









ケンシロウ「こんなのしか買えなかった」

ユリア「えっ」

855: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:51:18.14 ID:gZQ1o44KO
ジャギ「鞠ぃ~?」

トキ「ケンシロウ、お前という奴h」

ユリア「ケン!!」バッ

ケンシロウ「おわっ!?」

ユリア「ケン…最高のプレゼントだよ…!」ギュッ

ケンシロウ「ははは…」


ラオウ「どういう事だ?」

トキ「わからん」

ジャギ「二人にとって思い入れのある物なのか?」

857: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:54:45.02 ID:gZQ1o44KO
ユリアへのプレゼント!

それは色鮮やかな鞠だった!


幼少期、心を閉ざしていたユリアの心を開いたケンシロウ!

その出会いのきっかけは鞠だったのだ!




ケンシロウ「なんだかガイアが鞠を買えと俺に囁いて」

ラオウ(偶然だ)

トキ(偶然だ、絶対)

ジャギ(ユリアには黙っておこ)

859: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/05(日) 01:59:22.32 ID:gZQ1o44KO
ユリア「ケンが鞠をくれたから、私の誕生日は鞠記念日だね!!」

ジャギ(それは言い過ぎ)

トキ(ユリアテンション上がりすぎ)

ラオウ(語呂が悪い)



こうして! ユリアとケンシロウの破局は免れた!

誕生日は奇跡的に大成功に終わり、再び北斗家に平穏が戻った!



ケンシロウ(来年も鞠買ってこよう)


終わり