1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:04:21.69 ID:k/x3nXZj0
杏子「アンタの恋人、アタシじゃダメなのかって聞いてるんだよ」

さやか「ばっ・・・ばっかじゃないの!?
     女同士なんて気持ち悪いだけじゃん!頭おかしいんじゃないの!?」

杏子「アタシは至って真剣だけど」

さやか「と、とにかく意味わかんないから!
     いきなり変なこと言い出さないでよもう!!」

杏子「ま、考えておいてくれよ」スタスタ

さやか「あ、ちょっと・・・」

さやか「・・・なんなのよぉ~!」




引用元: 杏子「アタシじゃダメか?」さやか「えっ・・・」 」




2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:07:54.92 ID:k/x3nXZj0
-学校
さやか(もう、どういうことなのよ一体・・・)

さやか(確かに仲は悪くなくなったけどさ、いきなりアレはどうなのよ)

さやか(ていうか、あたしをからかってるだけなのかな)

さやか「あ~もう、全然意味わかんない!!」バタバタ

まどか「さ、さやかちゃんどうしたの?」

さやか「いやぁ、まあ色々とね・・・」

ほむら「またあの上条恭介関係でしょう」

さやか「なっ!?
     ち、違うからね!?」

ほむら「そうやって焦るところがまた怪しいのよ」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:11:44.25 ID:k/x3nXZj0
さやか「まぁ今回は本当に違うんだけどさ・・・
     気にしないどいてよ、あたしの問題だしさ」

さやか(てか人に話せるような問題じゃないし・・・)

まどか「うん、何かあったらなんでも言ってね」

さやか「おお!さすが我が嫁!」ギュウッ

まどか「さ、さやかちゃん、苦しい・・・」

ほむら「・・・」イラッ

さやか「おっと、これ以上やると撃たれちゃいそうかなぁ。
     ま、どうしようもなくなったら相談させてもらうね」

まどか「うん、じゃあね」タタッ

ほむら「・・・」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:15:16.38 ID:k/x3nXZj0
さやか「ほら、ほむらもさっさと席戻らないと・・・」

ほむら「佐倉杏子のことでしょう?」

さやか「えっ!?」ビクッ

ほむら「今度は図星のようね」

さやか「・・・なんだ、知ってたの?」

ほむら「内容がどうこうとか、そういうのは知らないけれど」

さやか「そうだよ、杏子のこと」

ほむら「私も気になっていたのよ、今回の杏子は・・・」

さやか「今回の?」

ほむら「・・・気にしないで。
     美樹さやか、あの子から何を言われたの?」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:18:37.87 ID:k/x3nXZj0
さやか「・・・まぁ、その」

さやか「・・・アタシが恋人になってやるよ、的な?」

ほむら「・・・」

さやか「恭介との距離が遠くなっちゃったって言ったら、そう言われた。
     やっぱ変だよね。あっちも女なのに」

ほむら「決して変ではないわ」

さやか「えっ」

ほむら「愛は性別を超えるのよ。
     女だからといって女を好きになってはならないなんて
     そんな窮屈な考えは捨てなさい。
     海外では同性婚も認められているくらいよ」

さやか「だからって、あたしは・・・」

ほむら「まぁ、あなたが同性愛に肯定的でないことは見ればわかるけどね。
     でも佐倉杏子はそういう人。
     そして、あなたがその対象になっていることを忘れないで」ファサッ

さやか「・・・うん」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:21:51.86 ID:k/x3nXZj0



-帰り道

さやか「とは言ってもなぁ・・・」

さやか「これからどう接していいかわかんないよ・・・」

杏子「おい、さやか?」ポン

さやか「わぁっ!?」ビクッ

杏子「なんだよその反応・・・
    今帰りか?」

さやか「えっ、まぁそうだけど」

杏子「駅前のクレープ屋いこうぜ!」

さやか「あんた、お金は?」

杏子「さやかにおごってもらう」

さやか「だと思った・・・
     あんたの分のお金は自分で払いなさいよ」

杏子「え~~」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:25:07.18 ID:k/x3nXZj0
さやか「当たり前でしょ!」

杏子「さやかぁ~」グイグイ

さやか(・・・心配して損した。普通に話せてるじゃん)

杏子「じゃあさ」

さやか「なに?」

杏子「クレープ我慢するから、アタシと付き合ってくれ」

さやか「・・・はぁ?」

杏子「それで差し引きゼロだろ」

さやか「いやいやいや、全然ゼロじゃないから!
     やっぱあんたどっかズレてるってば!」

杏子「ダメか?」シュン

さやか「え、あの・・・」

さやか(何よ、いきなり縮こまっちゃって・・・)

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:28:39.80 ID:k/x3nXZj0
杏子「・・・ま、いいや。
    家までついてってやるよ」

さやか「それくらいならいいけど・・・」

さやか「・・・ん?」

不良グループ「「ガヤガヤ」」

さやか(うっ・・・ああいうのにからまれたくはないなぁ・・・
     視線下げとこ・・・)

杏子「あーっ!!」

さやか「!?」ビクッ

杏子「お前ら、この前のナンパ集団!」

不良1「あっ!コイツ、この前のクソガキ!」

不良2「この前はよくもやってくれたよなぁ・・・」

杏子「なんだよ、またやんのかよ」

さやか「ちょちょちょおおおぉぉ!!」グイッ

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:31:44.90 ID:k/x3nXZj0
杏子「いででで!なにすんだよさやか!」

さやか「何やってんのよ!
     見るからにヤバそうな集団じゃない!」

杏子「大丈夫だよ、こいつら弱っちいから」

さやか「てか、この前ってなに!?何があったの!?」

杏子「この前こいつら、アタシを連れ去ろうとしたんだよ。
    無理矢理手ぇ引かれてムカついたから全員ぶっ倒して金せしめた」

さやか「何やってんのよもぉ~~~~~」

不良3「コラ、無視すんな!」

さやか「ひぃぃ!ごめんなさいっ!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:35:34.73 ID:k/x3nXZj0
不良2「ん、よく見ればそっちのお嬢ちゃんもカワイイじゃん。
     一緒にお茶しようよ」グイッ

さやか「ひっ、やめてぇ!」

不良2「いいじゃん、来なyごふっ!?」ゴスッ

杏子「おい」

杏子「汚い手でさやかに触るんじゃねえよ・・・」ギロッ

不良1「たかしィ!
     くそっ、お前らやるぞ!!」

不良グループ「「おう!!」」バッ

杏子「やんのかてめぇらああ!!」

さやか「もうイヤあああぁぁぁぁ!!!」




21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:39:15.00 ID:k/x3nXZj0

杏子「チッ、もう終わりかよ」

不良1「す、すみませんでした、これで許してください・・・」スッ

杏子「おう。さっさと消えな」パシッ

不良グループ「「ひぃぃ~!!」」スタコラ

杏子「ひぃ、ふぅ、みぃ・・・5万か。しけてんなぁ」

さやか「・・・」ガクガク

杏子「さやか、大丈夫か?」

さやか「ひっ!?」ビクッ

杏子「・・・悪かったよ、怯えさせちまって」

さやか「ねぇ、もう怖い人とケンカするのはやめてよ・・・
     あたし、あんなの嫌だよ・・・」

杏子「・・・さやかがそう言うならやめるよ」

さやか「本当に?」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:42:42.28 ID:k/x3nXZj0
杏子「アタシ、さやかの為ならなんでもするよ」

さやか「どうして?」

杏子「さやかを幸せにしたいからかなぁ、アタシ自身の手で」

さやか「・・・はぁ」

杏子「落ち着いたか?」

さやか「・・・一応ね。
     まぁ、あっちにも非があるわけだし
     その5万円はあんたのお金ってことでいいのかな。
     クレープ食べにいく?」

杏子「行く行く!」パァァ




25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:46:06.83 ID:k/x3nXZj0
翌日
-学校

さやか「・・・ってなことがあってさ」

まどか「杏子ちゃん、かっこいいねぇ」

ほむら「どれだけ愛されてるのよ」

さやか「やっぱそうなのかな~、さやかちゃんモテモテですな!
     って、冗談きついわ!」

まどか「ウェヒヒ」

ほむら「それで、その事で杏子に対する気持ちは変わったの?」

さやか「まぁ、ちょっとはね・・・
     あいつが真っ当な生き方してないのはわかってたけどさ。
     まさか不良とケンカまでするなんて・・・」

ほむら「そこじゃないわよ」

さやか「え?」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:49:21.88 ID:k/x3nXZj0
ほむら「『汚い手でさやかに触るんじゃねえ』
     って言ってくれたことに対して、どう思ったの?」

ほむら「それに、『さやかの為なら何でもする』とか
     『さやかを幸せにしたい』とか、何とも思わないの?」

さやか「うーん・・・言われた時は、大事にされてるのかなぁって思ったけど?」

ほむら「・・・まだまだ先は長いみたいね」

まどか「どういうこと?」

ほむら「・・・こっちも、ぜんぜん先が見えないわ・・・」




30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:52:53.38 ID:k/x3nXZj0
-結界内
さやか「おりゃあああ!!」ズバッ

マミ「美樹さん、だいぶ動きがよくなってきたわね」

さやか「っと・・・マミさんのご指導のおかげですよ」

マミ「ふふっ、ありがとう。
   さて、ラストスパートといきましょう!」ダッ

さやか「はいっ!」ダッ

さやか「よし、こいつをやっつければあとは魔女だけ・・・」

マミ「っ!
   美樹さん、後ろ!!」

さやか「えっ・・・」

ザシュッ

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:56:04.87 ID:k/x3nXZj0
杏子「っく・・・!」ブシュッ

さやか「杏子!?どうしてここに・・・」

杏子「よそ見すんな!アンタの後ろはアタシが守る!」

さやか「傷は!?」

杏子「このくらい大丈夫だ。ラストくらいちゃんと決めやがれ」

さやか「・・・ありがとう」

杏子「・・・あぁ」


________

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 00:59:17.73 ID:k/x3nXZj0
マミ「ふぅ、危機一髪だったわね」

さやか「すみません、まだ注意が足りてなくて・・・」

杏子「全くだ。まだまだ甘ちゃんだな」

さやか「何よ!
     ・・・まぁ、今日は助けてくれてありがとね。
     でもどうして突然現れたの?」

マミ「あら、美樹さん知らなかったの?
   佐倉さんはいつも、あなたが闘ってる時は遠くで見守っててくれてるのよ」

さやか「そうなんですか?」

杏子「なんだマミ、知ってたのか」

マミ「その割に私がピンチの時は助けてくれないけどね」

杏子「マミは自分でなんとかできるだろ」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:02:47.86 ID:k/x3nXZj0
マミ「遠くで見守ってるの、美樹さんが心配だから。
   あと、好きだから。でしょ?」

杏子「あぁ」

さやか「うっ・・・こいつ、恥ずかしげもなく・・・
     ていうかマミさん、どうしてそんなこと知って・・・」

マミ「佐倉さん、私の家に来るといつも美樹さんの話ばっかりだもの」

マミ「美樹さんと仲が悪かった頃から、ずっとよ。
   もう聞き飽きるくらいにね」

さやか「うぅぅ・・・」カァァ

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:06:04.13 ID:k/x3nXZj0
さやか「・・・でも、本当にどうして自分が怪我してまで・・・」

杏子「さやかを失いたくないんだ。
    そうなるくらいなら、アタシが身代わりになる」

さやか「そんな、ダメだよ」

杏子「アタシにはその覚悟があるってだけさ。
    さやかは何も心配すんな、絶対に守ってやるから」

さやか「・・・うん」

杏子「マミもさぁ、さやかの訓練はいいけど
    危ないときとか、ちゃんと守ってやれよな」

マミ「えぇ、わかったわ」

マミ(ていうかこの二人、なんだかいい空気ね・・・
   もしかして恋人同士なのかしら?)

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:09:16.15 ID:k/x3nXZj0




マミ「・・・本人達に直接聞くのも野暮なので
   あなたたちに聞いてみるんだけど、佐倉さんと美樹さんは付き合ってるの?」

まどか「えぇぇ!?お、女の子同士ですよ!?」

ほむら「結論から言うと付き合っていないわ。
     美樹さやかはまだ女性同士という域には達していないもの。
     それに、美樹さやかには好きな異性がいるのよ」

マミ「『まだ』ってことは、そうなる途中だってこと?」

ほむら「多分、時間の問題だと思うけど・・・
     最近になって、佐倉杏子のアタックが勢いを増したのよ」

マミ「なるほど・・・」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:11:54.37 ID:k/x3nXZj0
ほむら(でも・・・
     多分、美樹さやかはあと数日で魔女化する。
     今日あたりに志筑仁美が話を進めるはずだから・・・)

マミ「まぁ、長い目で見ていようかしらね」

まどか「そうですね!」ティヒッ

ほむら「・・・そうね」




47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:15:09.43 ID:k/x3nXZj0


-
仁美「・・・上条恭介君のこと、お慕いしてましたの」

さやか「えっ・・・そ、そうなんだ。
     あはは、恭介も隅におけないなぁ」

仁美「さやかさんと上条君は幼馴染でしたわね」

さやか「まぁ、腐れ縁っていうか・・・」

仁美「本当にそれだけ?
    私、決めたんですの。自分に嘘はつかないって」

さやか「え、それってどういう・・・」

仁美「私は抜け駆けも横取りもしません。
    さやかさんには、私の先を越す権利があります」

仁美「明日の放課後に、上条君に告白します。
    さやかさんは後悔なさらないよう、決めてください。
    上条君に気持ちを伝えるべきかどうか」ガタン

さやか「・・・」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:18:24.92 ID:k/x3nXZj0
さやか「・・・」トボトボ

杏子「よぉさやか。どうしたんだよ、しょぼくれて」

さやか「・・・ごめん、今は話しかけないで」

杏子「なんだよ、どうしちまったんだよ」

さやか「・・・」

杏子「お~い、さやか~~」

さやか「うるさい!!」

杏子「っ!?」ビクッ

さやか「もうどうしていいかわかんないのよ!!
     頭の中めちゃくちゃなの!!もうほっといてよ!!!」

杏子「・・・」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:21:44.08 ID:k/x3nXZj0
杏子「さやか」

さやか「何よ!」

杏子「・・・全部、話してくれ」

さやか「っ・・・」

杏子「アタシにイライラをぶつけてもいい、ぶん殴ってもいい。
    さやかが問題を一人で抱え込むのは、アタシも辛いから」

さやか「・・・」

杏子「・・・公園、行くぞ」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:24:53.81 ID:k/x3nXZj0
-公園

さやか「・・・恭介、知ってるでしょ?」

杏子「あの坊やのことだろ?」

さやか「そう。それでね、今日あたしの親友が
     恭介のこと好きだって、明日の放課後に告白するって
     いきなり言ってきたんだ」

さやか「あたしが恭介のこと好きだって知ってたんだろうね。
     今日一日猶予をくれたんだ。あたしが告白する猶予を・・・」

さやか「でも、そんないきなり言われても困るよ・・・
     決心だってそんなにすぐつくわけじゃないし、
     それにあたしもう死んでるんだよ?ゾンビなんだよ・・・?」グスッ

杏子「さやかが好きなら、告白してくればいいじゃないか」

さやか「え?」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:28:06.40 ID:k/x3nXZj0
杏子「アタシは人間としてのさやかを好きになった。
    ゾンビを好きになったわけじゃねえし
    死んでるなんて一度も思ったことはねえ」

杏子「こんな体だからなんだってんだよ。
    その程度で気持ちが抑えられるほど坊やに対する愛は小せえのか?」

さやか「いや、あんたがそんなにあっさり引き下がるなんて・・・」

杏子「さやかが幸せなら、アタシも嬉しい。
    だから、さやかが坊やと付き合って幸せなら、アタシはそれでいいさ」

さやか「・・・」

さやか「でも、振られたらどうすればいいの・・・?」

杏子「いつも通りに接すればいいじゃないか。
    振られたから話しかけちゃダメ、なんてことないだろ?
    そいつといるのが幸せなら、なおさらさ」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:31:23.62 ID:k/x3nXZj0
さやか「・・・うん」

さやか「ちょっと、恭介のところ行ってくるね」

杏子「・・・あぁ、頑張れよ」

さやか「ありがとう、杏子」タタッ


杏子「・・・」



杏子「・・・それでいいなんて、ウソっぱちだ」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:35:06.66 ID:k/x3nXZj0

杏子「さやかが幸せなら、なんていったけど」


杏子「アタシから遠ざかっていくなんて」


杏子「嫌に、きまってる、じゃんか」ポロポロ


杏子「アタシの、言ったこと、アタシ自身が、全然、出来て、ないのにっ」ポロポロ


杏子「・・・」グスッ



杏子「・・・うまくいくかな、さやか」





-
「・・・」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:38:33.81 ID:k/x3nXZj0

「・・・」

「・・・あの、――くんいらっしゃいますか?」

「あら―――ちゃん、今――呼んでくるから待っててね」

「・・・」

「やあ、―――。どうしたんだい?」

「あ、あのね。――、2人だけで話したいことが・・・」

「うん、じゃあ散歩でもしながら・・・」

「いいよいいよ!すぐ済むから・・・」

「そうかい。で、どうしたんだい?―――」

「あのさ、あたし・・・」

「・・・」

「――のこと・・・」

「・・・」

「・・・」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:41:48.93 ID:k/x3nXZj0
_______________________________

-

ほむら「本当によかったの?」

杏子「・・・」

ほむら「あなたが身を引くとは思わなかったわ」

ほむら(特に今回はね・・・
     これだけ一直線に美樹さやかを好きなこの子を見るのは初めてだったもの。
     結局、最後は弱さが出てしまったみたいだけど)

杏子「・・・」

ほむら「美樹さやかに遠慮しているのでしょう?」

ほむら「あの子には好きな人がいるから。
     自分は、本当は好きになってはいけないから」

ほむら「そう考えて、あの子の背中を押したんでしょう?」

杏子「・・・」

ほむら「だったら、とんだ大バカね」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:45:12.80 ID:k/x3nXZj0
ほむら「あなたみたいな超利己主義の一直線人間が
     どうして遠慮なんてする必要があるの?」

ほむら「もちろん、美樹さやかに薄められてしまった部分はあると思うけど」

ほむら「美樹さやかが、たとえあなたに背中を押されたとしても
     あの子のやりたいことをしたように」

ほむら「あなたも、やりたいことをしなさい」

杏子「・・・」

ほむら「・・・」

ほむら「美樹さやかは今、一人で公園にいるわ」

杏子「・・・」スクッ

ほむら「いつも通りに振る舞うのよ。
     あの子が見ていたあなたは、そんなジメジメしたものではないはずだから」

杏子「・・・ありがとな」スタスタ

ほむら「・・・ええ」


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:48:30.98 ID:k/x3nXZj0



-公園

さやか「・・・」

杏子「さやか」

さやか「わわわ、きょっ杏子!?」

杏子「なんだよ、そんなに驚いて」

さやか「いや、なんでもないけど・・・どうしてここに?」

杏子「さやかが居るって聞いたから」

さやか「そ、そっか。用事はなに?」

杏子「結果。どうだったのさ」

さやか「うん・・・」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:51:47.45 ID:k/x3nXZj0
さやか「あたし、恭介の家に行ってさ」

杏子「・・・」

さやか「結局、告白できなかった」

杏子「・・・」

さやか「ただ、恭介のこと応援してるって、
     バイオリン頑張ってねって。それだけ」

杏子「そっか」

さやか「あれ、反応うすい?」

杏子「アンタ、それでいいのかい?」

さやか「うん。あたしにはあれが精一杯」

杏子「親友に取られるの、悔しくないのか?」

さやか「まぁ・・・ショックだけどね。あんたのおかげかも」

杏子「なにが?」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:55:03.05 ID:k/x3nXZj0
さやか「心が清々しいの。やりきったって感じ」

杏子「ふーん・・・」

さやか「杏子が近くにいて、気持ちをわかってくれたり
     相談役になってくれたりしたから
     決心がついて恭介のところにも行けたし、あたしの弱さも知れたんだ。
     ありがとうね、本当に」

杏子「アタシはさ」

杏子「さやかの隣にいたいから。
    いっぱいさやかと一緒に過ごしたいから、それだけ」


さやか「・・・」

さやか「あたしも、あんたくらいバカだったらなぁ」

杏子「どういう意味だよ」

さやか「もっと真っすぐ、気持ちをぶつけてたら・・・」

さやか「恭介にも振り向いてもらえたのかな・・・」

杏子「・・・」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 01:58:20.93 ID:k/x3nXZj0
さやか「後悔しても、もう遅いけどさ・・・」


さやか「今すっごく泣きそうかも。
     でもこれ、幸せだからだと思う」

さやか「あたしをこんなにも好きになってくれた人がいる。
     こんなにもまっすぐあたしを見つめてくれる人がいる。
     好きだって、一緒に居たいって、そう言われるたびに」

さやか「心が、きゅんってして、
     女同士とかまだよくわかんないけど・・・嬉しくて・・・さ」ポロポロ

杏子「さやか・・・」


さやか「あのね・・・今はまだ、色々するには早いけど・・・」グスッ

杏子「え、さやか、何・・・」


   「     」

・・・

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 02:01:32.88 ID:k/x3nXZj0
-物陰

マミ「あらあら」

まどか「わわわ、二人とも大胆!」カァッ

ほむら「まぁ、アレは関係の始まりにすぎないけれど」

マミ「鹿目さん、私たちもああいう関係に・・・」

ほむら「何を言っているのかしら。あなたみたいな乳牛は引っ込んでいなさい」イラッ

マミ「・・・聞き捨てならないわね。どの口がそんなことが言えるのかしら?」チャキッ

ほむら「そうやって手が早いところとかもマイナスポイントね」ガチャッ

マミ「あら、暁美さんも同じみたいだけど?」

ほむら「あなたが構えたからよ。残念だけどここで死んでもらうわ、巴マミ」

まどか「ちょ、ちょっと二人ともやめようよ・・・ほら、みんな友達だよ!」ギュッ

ほむら「・・・まぁ、ここはまどかのかわいさと鈍感さに免じて許してあげるわ」

マミ「不服だけど、仕方ないわね・・・」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 02:03:48.69 ID:k/x3nXZj0
ほむら「それにしても、いつまで続けてるのかしら、あの二人」

まどか「二人とも、さっきからずっとあのままだね」

マミ「特に佐倉さん、ガチガチに固まっちゃって全く動かないわね」

ほむら「一直線バカだと思ってたのに、変なところでピュアなのね」

マミ「そうねえ、これからまたすごく時間がかかりそうだわ。あの二人」







78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 02:06:02.80 ID:k/x3nXZj0



-

さやか「どりゃああああっ!!」ズバッ

マミ「美樹さん、強くなったわねぇ・・・」

さやか「ありがとうございます、マミさんのおかげですよ」

マミ「そう言ってくれると嬉しいわ」

杏子「さやかぁ、マミの家にケーキ食いにいこうぜ」

マミ「まず私に許可取ってもらえると嬉しいんだけど・・・」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/20(日) 02:08:42.42 ID:k/x3nXZj0
さやか「すみません、マミさん・・・」

マミ「ま、いいわ。またあなたたちのギクシャク話を聞かせてちょうだい」

さやか「ぎ、ギクシャクって・・・」

マミ「まだキスも済ませてないんでしょう?」

杏子「いや、しようとは思ってるけどさ・・・アタシからってのは・・・
    さやかもまだ付き合うって明言したわけじゃないし・・・
    こういうのはゆっくり進めていくもんだからさ・・・」モジモジ

さやか「あたし、女同士ってのにちょっとまだ抵抗が・・・
     まぁ、杏子のこと嫌いってわけではないんですけど・・・
     それに一応、新しい恋を始めるためにモラトリアムが・・・」モジモジ

マミ「・・・はぁ、いつになったら恋人らしくなるのかしらね」


おわり