1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:11:16.06 ID:T0VYifF60
ルル「そう……年に一度の日だ」
ルル「……それなのに、ナナリーがいない」
ルル「笑顔と共に俺にチョコをくれる天使がだ……!」
ルル「……」
ルル「――そうだ、日本の総督府へ行こう」
C.C.「お前は何を言ってるんだ」
ルル「……それなのに、ナナリーがいない」
ルル「笑顔と共に俺にチョコをくれる天使がだ……!」
ルル「……」
ルル「――そうだ、日本の総督府へ行こう」
C.C.「お前は何を言ってるんだ」
引用元: ・ルルーシュ「バレンタインデー、か」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:13:02.61 ID:T0VYifF60
ルル「何を? 愚問だな、C.C.」
C.C.「ほう」
ルル「俺はナナリーのチョコが欲しい」
ルル「しかし、ナナリーは日本の総督府に居る」
ルル「――ならば、チョコを貰いにそこまで出向くまでの事だ」
C.C.「もう一度言うぞ。お前は何を言ってるんだ?」
C.C.「ほう」
ルル「俺はナナリーのチョコが欲しい」
ルル「しかし、ナナリーは日本の総督府に居る」
ルル「――ならば、チョコを貰いにそこまで出向くまでの事だ」
C.C.「もう一度言うぞ。お前は何を言ってるんだ?」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:16:57.29 ID:T0VYifF60
ルル「……やれやれ、説明しなければいけないようだな」
C.C.「頼んではいないが、一応聞いてやろう」
ルル「俺の表向きの素性はルルーシュ・ランペルージという
ただの学生に過ぎない」
ルル「そして、裏の顔は黒の騎士団を率いる仮面の男、ゼロだ」
ルル「そんな人間が、どうやってナナリーからチョコを貰える?」
C.C.「無理だな。それに、ブリタニアの監視がある」
ルル「ああ、そうだ。だからこそ――忍び込むんだ」
C.C.「……」
C.C.「頼んではいないが、一応聞いてやろう」
ルル「俺の表向きの素性はルルーシュ・ランペルージという
ただの学生に過ぎない」
ルル「そして、裏の顔は黒の騎士団を率いる仮面の男、ゼロだ」
ルル「そんな人間が、どうやってナナリーからチョコを貰える?」
C.C.「無理だな。それに、ブリタニアの監視がある」
ルル「ああ、そうだ。だからこそ――忍び込むんだ」
C.C.「……」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:20:31.86 ID:T0VYifF60
ルル「総督府に進入し、ナナリーに会う」
ルル「そして俺はチョコを貰う」
C.C.「……お前、本当に忍び込めると思っているのか?」
ルル「当然だ」
ルル「進入経路は26パターン。その内16パターンが罠があるが、
残りの10パターンは問題なく進入出来る」
C.C.「……」
ルル「くははっ……! 待っていてくれナナリー……!」
ルル「そして俺はチョコを貰う」
C.C.「……お前、本当に忍び込めると思っているのか?」
ルル「当然だ」
ルル「進入経路は26パターン。その内16パターンが罠があるが、
残りの10パターンは問題なく進入出来る」
C.C.「……」
ルル「くははっ……! 待っていてくれナナリー……!」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:24:31.47 ID:T0VYifF60
ルル「くくくっ……! まだ口にしていないというのに、
口の中にナナリーの作ったチョコの味が広がってきたぞ……!」
ルル「――あぁ、なんて甘くて美味しいんだ!」
C.C.「……だがな、ルルーシュ」
ルル「?」
C.C.「お前が来るという事を……ナナリーは知っているのか?」
ルル「知らない、いや、知る必要は無いだろう」
ルル「――ナナリーの可愛らしく驚く顔も見られるからな!」
C.C.「……」
口の中にナナリーの作ったチョコの味が広がってきたぞ……!」
ルル「――あぁ、なんて甘くて美味しいんだ!」
C.C.「……だがな、ルルーシュ」
ルル「?」
C.C.「お前が来るという事を……ナナリーは知っているのか?」
ルル「知らない、いや、知る必要は無いだろう」
ルル「――ナナリーの可愛らしく驚く顔も見られるからな!」
C.C.「……」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:27:51.67 ID:T0VYifF60
C.C.「……なあ、ルルーシュ」
ルル「? さっきから何だ」
C.C.「お前が来る事を知らないのに、
ナナリーはチョコを用意して待っているのか?」
ルル「!?」
C.C.「おやおや、全く考えていなかったのか」
ルル「お、俺が……ナナリーのチョコを食べられない……!?」
C.C.「そうだ」
ルル「……お……おぉああぁ……!」
ルル「? さっきから何だ」
C.C.「お前が来る事を知らないのに、
ナナリーはチョコを用意して待っているのか?」
ルル「!?」
C.C.「おやおや、全く考えていなかったのか」
ルル「お、俺が……ナナリーのチョコを食べられない……!?」
C.C.「そうだ」
ルル「……お……おぉああぁ……!」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:31:38.23 ID:T0VYifF60
ルル「……――だ、だがっ! チョコを用意している可能性もある!」
C.C.「まあ、そうだな」
ルル「! そ、そうだろう! ナナリーは天使の様に優しい子だ!」
ルル「義理だろうが、他の人間にチョコを配っている可能性は高い!」
C.C.「ふむ、義理でも満足と言うわけか」
ルル「この際贅沢は言っていられないだろうが……!」
C.C.「まあ、誰かへの本命を作っていて、
義理チョコを作る余裕が無かった、という可能性もある」
ルル「!?」
C.C.「まあ、そうだな」
ルル「! そ、そうだろう! ナナリーは天使の様に優しい子だ!」
ルル「義理だろうが、他の人間にチョコを配っている可能性は高い!」
C.C.「ふむ、義理でも満足と言うわけか」
ルル「この際贅沢は言っていられないだろうが……!」
C.C.「まあ、誰かへの本命を作っていて、
義理チョコを作る余裕が無かった、という可能性もある」
ルル「!?」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:35:06.58 ID:T0VYifF60
ルル「そ、そんな……まさか……!?」
C.C.「ふふっ、有り得ないとは言い切れないだろう?」
ルル「だっ――駄目だ! そんな事はあってはいけない!」
C.C.「だが、その可能性はある」
ルル「ナナリーと俺は兄妹だぞ!? 希望を胸に、
俺へ贈るためのチョコを手作りしているなんて……!」
ルル「駄目だが……くうっ! 顔がゆるむのが止められんっ!」
C.C.「……」
C.C.「ふふっ、有り得ないとは言い切れないだろう?」
ルル「だっ――駄目だ! そんな事はあってはいけない!」
C.C.「だが、その可能性はある」
ルル「ナナリーと俺は兄妹だぞ!? 希望を胸に、
俺へ贈るためのチョコを手作りしているなんて……!」
ルル「駄目だが……くうっ! 顔がゆるむのが止められんっ!」
C.C.「……」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:38:30.07 ID:T0VYifF60
ルル「……なあ、C.C.」
C.C.「……なんだ」
ルル「ナナリーが本命チョコと共に告白してきたら、
俺は一体どうすれば良い……?」
C.C.「どうもこうも……」
ルル「頼む……教えてくれ、俺の共犯者……!」
C.C.「その可能性は無い。
それに、本命チョコを渡すとしたらスザクにだろう」
ルル「ぐおおおあああっ!?」
C.C.「……なんだ」
ルル「ナナリーが本命チョコと共に告白してきたら、
俺は一体どうすれば良い……?」
C.C.「どうもこうも……」
ルル「頼む……教えてくれ、俺の共犯者……!」
C.C.「その可能性は無い。
それに、本命チョコを渡すとしたらスザクにだろう」
ルル「ぐおおおあああっ!?」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:41:41.00 ID:T0VYifF60
ルル「どっ、どうしてナナリーが、
俺を売ったスザクに本命チョコを渡す!?」
C.C.「その事実をナナリーは知っているのか?」
ルル「知るはずがないだろう!」
C.C.「なら、可能性としては十分にあるな」
ルル「おぐうっ!?」
C.C.「ナナリーは今一人なんだろう?
自分を守ってくれる男に、女は弱いものだ」
ルル「ぬぐぅおおおっ!?」
俺を売ったスザクに本命チョコを渡す!?」
C.C.「その事実をナナリーは知っているのか?」
ルル「知るはずがないだろう!」
C.C.「なら、可能性としては十分にあるな」
ルル「おぐうっ!?」
C.C.「ナナリーは今一人なんだろう?
自分を守ってくれる男に、女は弱いものだ」
ルル「ぬぐぅおおおっ!?」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:45:06.42 ID:T0VYifF60
C.C.「そんなスザクに、ナナリーがチョコを渡さないと思うか?」
ルル「も、もういい……!」
C.C.「優しいナナリーの事だ。
本命とはいかないまでも、それに近いものを贈るだろうな」
ルル「もうやめろ……やめてくれ……!」
C.C.「良かったな、ルルーシュ。お前が望んだように、
ナナリーはスザクが守ってくれるかもしれないぞ」
ルル「やめろと言っているのがわからないのか、C.C.!」
C.C.「……ふん」
ルル「も、もういい……!」
C.C.「優しいナナリーの事だ。
本命とはいかないまでも、それに近いものを贈るだろうな」
ルル「もうやめろ……やめてくれ……!」
C.C.「良かったな、ルルーシュ。お前が望んだように、
ナナリーはスザクが守ってくれるかもしれないぞ」
ルル「やめろと言っているのがわからないのか、C.C.!」
C.C.「……ふん」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:48:51.76 ID:T0VYifF60
ルル「……俺も、それは危険視していた」
ルル「いや、ナナリーの事だ……感謝の気持ちを込めて、
スザクにチョコを贈る可能性は非常に高い」
C.C.「なんだ、わかっていたのか」
ルル「ナナリーの事だ、当然だろう」
ルル「それなのにC.C.……お前は意地悪おばあちゃんか……!」
C.C.「――おい、今何と言った?」
ルル「ナナリーがスザクにチョコをなど……あってはならない……!」
C.C.「おい、ルルーシュ!」
ルル「いや、ナナリーの事だ……感謝の気持ちを込めて、
スザクにチョコを贈る可能性は非常に高い」
C.C.「なんだ、わかっていたのか」
ルル「ナナリーの事だ、当然だろう」
ルル「それなのにC.C.……お前は意地悪おばあちゃんか……!」
C.C.「――おい、今何と言った?」
ルル「ナナリーがスザクにチョコをなど……あってはならない……!」
C.C.「おい、ルルーシュ!」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:55:17.31 ID:T0VYifF60
ルル「ナナリーがスザクに贈るのは特別なチョコだろう……。
それに比べて――俺は特別なチョコは貰えない」
C.C.「わたっ、私がおっ、おばあちゃ……!?」
ルル「俺が来る事を知らないナナリーに貰えたとしても、
その他大勢へ贈るためのチョコの再利用でしかないのに……」
C.C.「ルルーシュ! 今のを取り消せ!」
ルル「ええい、黙っていろC.C.! チョコは洋菓子、
お前には和菓子がお似合いだ!」
C.C.「なっ、何だと!?」
それに比べて――俺は特別なチョコは貰えない」
C.C.「わたっ、私がおっ、おばあちゃ……!?」
ルル「俺が来る事を知らないナナリーに貰えたとしても、
その他大勢へ贈るためのチョコの再利用でしかないのに……」
C.C.「ルルーシュ! 今のを取り消せ!」
ルル「ええい、黙っていろC.C.! チョコは洋菓子、
お前には和菓子がお似合いだ!」
C.C.「なっ、何だと!?」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 14:59:59.93 ID:T0VYifF60
ルル(ナナリーの手作りチョコを諦めるか?)
ルル(……いや、やめておいた方が良い)
ルル(毎年ナナリーの特製チョコを食べている俺が、
今年の分のチョコを食べなかったらどうなるかわからない)
ルル(……くそっ! どうすれば良い?
どうすれば、ナナリーの手作りチョコを食べられる!?)
ルル「!」
ルル「――そうだ……俺には、黒の騎士団がある――!」
C.C.「聞いているのかルルーシュ!?」
ルル(……いや、やめておいた方が良い)
ルル(毎年ナナリーの特製チョコを食べている俺が、
今年の分のチョコを食べなかったらどうなるかわからない)
ルル(……くそっ! どうすれば良い?
どうすれば、ナナリーの手作りチョコを食べられる!?)
ルル「!」
ルル「――そうだ……俺には、黒の騎士団がある――!」
C.C.「聞いているのかルルーシュ!?」
24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:06:20.73 ID:T0VYifF60
・ ・ ・
ゼロ「――扇、もうすぐ何の日か知っているか?」
扇「何の日?……さあ、わからないな」
ゼロ「ふむ。ではディートハルト、お前は?」
ディートハルト「申し訳ありません、ゼロ。
会談の予定もありますが、特にこれというものは……」
玉城「バッカだなぁ、お前ら! バレンタインデーに決まってんだろ!」
扇「……玉城、ゼロがそんな事を言うと思うk」
ゼロ「その通りだ玉城!」
扇「……何だって?」
ゼロ「――扇、もうすぐ何の日か知っているか?」
扇「何の日?……さあ、わからないな」
ゼロ「ふむ。ではディートハルト、お前は?」
ディートハルト「申し訳ありません、ゼロ。
会談の予定もありますが、特にこれというものは……」
玉城「バッカだなぁ、お前ら! バレンタインデーに決まってんだろ!」
扇「……玉城、ゼロがそんな事を言うと思うk」
ゼロ「その通りだ玉城!」
扇「……何だって?」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:10:12.83 ID:T0VYifF60
扇「ゼロ、玉城の冗談に乗る必要は無いんだぞ?」
玉城「おい扇ぃ! そりゃ一体どういう意味だよ!」
ディートハルト「彼の言うとおりです、ゼロ」
玉城「いい加減にしろっつーの! なぁ、ゼロ!」
ゼロ「玉城の言う通りだ。私が言ったことは冗談ではない」
扇「そんな、まさか……」
玉城「へへへっ、lほーらな! ゼロの考える事は、
親友の俺が一番よくわかってんだよ!」
玉城「おい扇ぃ! そりゃ一体どういう意味だよ!」
ディートハルト「彼の言うとおりです、ゼロ」
玉城「いい加減にしろっつーの! なぁ、ゼロ!」
ゼロ「玉城の言う通りだ。私が言ったことは冗談ではない」
扇「そんな、まさか……」
玉城「へへへっ、lほーらな! ゼロの考える事は、
親友の俺が一番よくわかってんだよ!」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:17:29.01 ID:T0VYifF60
ゼロ「最近、戦闘の激化と共に騎士団にも疲労が見られる」
ゼロ「どこかで一度休息と士気高揚のための機会を
設けなければならないと私は思っていた」
ゼロ「――それに丁度良いのがバレンタインデーという訳だ」
扇「なるほど……確かに、それは必要だと俺も思っていたが」
ディートハルト「ふむ……黒の騎士団が、黒いチョコレートの催しに参加するというのも
中々にウィットがきいていると思われます。私は賛成です、ゼロ」
ゼロ「ふふふ、そうだろう」
ゼロ「どこかで一度休息と士気高揚のための機会を
設けなければならないと私は思っていた」
ゼロ「――それに丁度良いのがバレンタインデーという訳だ」
扇「なるほど……確かに、それは必要だと俺も思っていたが」
ディートハルト「ふむ……黒の騎士団が、黒いチョコレートの催しに参加するというのも
中々にウィットがきいていると思われます。私は賛成です、ゼロ」
ゼロ「ふふふ、そうだろう」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:22:45.12 ID:T0VYifF60
ディートハルト「ゼロ。この催しの指揮、私にお任せください」
ゼロ「いいや、駄目だ」
ディートハルト「なっ、何故ですかゼロ?」
ゼロ「悪いが、お前のアゴはバレンタインデーに向いているとは思えん。
だが、お前の情報戦の強さを活かしサポートに回って貰いたい」
ディートハルト「……了解しました」
扇「……な、なら俺g」
ゼロ「扇、お前はモジャモジャが向いていないだろう。
扇と玉城は、今回は参加する側に回ってくれ」
玉城「ゼロ、俺はまだ何も言ってねーぞ!?」
ゼロ「いいや、駄目だ」
ディートハルト「なっ、何故ですかゼロ?」
ゼロ「悪いが、お前のアゴはバレンタインデーに向いているとは思えん。
だが、お前の情報戦の強さを活かしサポートに回って貰いたい」
ディートハルト「……了解しました」
扇「……な、なら俺g」
ゼロ「扇、お前はモジャモジャが向いていないだろう。
扇と玉城は、今回は参加する側に回ってくれ」
玉城「ゼロ、俺はまだ何も言ってねーぞ!?」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:28:41.41 ID:T0VYifF60
ゼロ「それで、総指揮を執るのは――」
「ゼロ様~!」
ゼロ(やはり――)
ゼロ「――神楽耶様、貴方しかいないだろう」
神楽耶「!? きゅっ、急に私しかいないだなんて……
それも、こんな場所でなんて流石に照れますわ///」
ゼロ「?……とにかく、貴方に作戦の指揮をお願いしたい」
神楽耶「はい?」
ゼロ「お任せしたいのは――」
「ゼロ様~!」
ゼロ(やはり――)
ゼロ「――神楽耶様、貴方しかいないだろう」
神楽耶「!? きゅっ、急に私しかいないだなんて……
それも、こんな場所でなんて流石に照れますわ///」
ゼロ「?……とにかく、貴方に作戦の指揮をお願いしたい」
神楽耶「はい?」
ゼロ「お任せしたいのは――」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:32:21.39 ID:T0VYifF60
・ ・ ・
ゼロ『――名づけて、バレンタイン平和協定!』
ミレイ「……バレンタイン平和協定、ねぇ」
リヴァル「バレンタインの日だけ戦闘停止~、だなんて、
一体何を考えてるんだろうなぁ」
シャーリー「うぅ……なんだか、バレンタインが大事になってるし……」
ルル「ん? 何か言ったか、シャーリー」
シャーリー「ううん!? 何でもないのよ、何でも! あ、あはははは……!」
ルル(――よし、予定通り始まったな)
ゼロ『――名づけて、バレンタイン平和協定!』
ミレイ「……バレンタイン平和協定、ねぇ」
リヴァル「バレンタインの日だけ戦闘停止~、だなんて、
一体何を考えてるんだろうなぁ」
シャーリー「うぅ……なんだか、バレンタインが大事になってるし……」
ルル「ん? 何か言ったか、シャーリー」
シャーリー「ううん!? 何でもないのよ、何でも! あ、あはははは……!」
ルル(――よし、予定通り始まったな)
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:38:17.44 ID:T0VYifF60
ゼロ『我々黒の騎士団は、先ほども言ったように
バレンタインデーでは一切の戦闘行為を行わない』
ゼロ『だが、こう思っている人々の方が多いだろう』
ゼロ『――これはゼロの作戦ではないのか?
戦闘行為を行わないと言いつつ、攻撃を仕掛けるのではないか?』
リヴァル「うんうん、ありえるありえる」
ミレイ「ゼロが言っても、な~んか説得力ないわよねぇ」
ゼロ『……故に、ここからは彼女に説明をお願いする』
神楽耶『――ゼロ様に代わりまして、ここからは私、
皇家当主、皇神楽耶が説明させていただきます』
バレンタインデーでは一切の戦闘行為を行わない』
ゼロ『だが、こう思っている人々の方が多いだろう』
ゼロ『――これはゼロの作戦ではないのか?
戦闘行為を行わないと言いつつ、攻撃を仕掛けるのではないか?』
リヴァル「うんうん、ありえるありえる」
ミレイ「ゼロが言っても、な~んか説得力ないわよねぇ」
ゼロ『……故に、ここからは彼女に説明をお願いする』
神楽耶『――ゼロ様に代わりまして、ここからは私、
皇家当主、皇神楽耶が説明させていただきます』
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:43:51.39 ID:T0VYifF60
神楽耶『皆さん……特に、この放送をお聞きの女性の皆さん』
リヴァル「なんだよ、俺達はどうでも良いのかよ。なぁ、ルルーs」
シャーリー「リヴァル、ちょっと黙って」
リヴァル「……おお、こわっ」
神楽耶『今、日本は我々黒の騎士団とブリタニアとの戦闘により、
傷つき、疲れきっています』
神楽耶『そして、戦火が降りかかるのを恐れ、
己の内に秘めた切なる想いを打ち明ける機会を失ってはいませんか?』
シャーリー「うん、うん……!」
リヴァル「なんだよ、俺達はどうでも良いのかよ。なぁ、ルルーs」
シャーリー「リヴァル、ちょっと黙って」
リヴァル「……おお、こわっ」
神楽耶『今、日本は我々黒の騎士団とブリタニアとの戦闘により、
傷つき、疲れきっています』
神楽耶『そして、戦火が降りかかるのを恐れ、
己の内に秘めた切なる想いを打ち明ける機会を失ってはいませんか?』
シャーリー「うん、うん……!」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:50:09.56 ID:T0VYifF60
神楽耶『――せめてその想いを打ち明ける日だけは守りたい』
神楽耶『そんな思いから、我々黒の騎士団は今回の協定を
ブリタニアに対してもちかけたのです』
神楽耶『本来ならば、争いを無くしたいのですが、
それは難しい……』
神楽耶『けれど!――バレンタインデーの日だけは、
平和に過ごしたいと思うのは、罪では無いでしょう』
ルル「やれやれ、黒の騎士団も随分とロマンチストが多いんだな」
シャーリー「ルルは黙ってて!」
ルル「はいはい」
神楽耶『そんな思いから、我々黒の騎士団は今回の協定を
ブリタニアに対してもちかけたのです』
神楽耶『本来ならば、争いを無くしたいのですが、
それは難しい……』
神楽耶『けれど!――バレンタインデーの日だけは、
平和に過ごしたいと思うのは、罪では無いでしょう』
ルル「やれやれ、黒の騎士団も随分とロマンチストが多いんだな」
シャーリー「ルルは黙ってて!」
ルル「はいはい」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 15:57:15.91 ID:T0VYifF60
神楽耶『歴史には、クリスマスに停戦をしたという事実もあります』
神楽耶『それが、今を生きる我々に出来ないはずはないのです』
ゼロ『……――という訳だ』
ゼロ『信じるも信じないも、全てブリタニアの次第』
ゼロ『だが、我々はブリタニアが手を出してこない限り、
バレンタインデーに一切の戦闘行為を行わない事を約束する』
ゼロ『――ナナリー総督、良い返事を期待していますよ』
ルル「……」
ルル(賽は投げられた……あとは、相手の反応を待つだけ!)
神楽耶『それが、今を生きる我々に出来ないはずはないのです』
ゼロ『……――という訳だ』
ゼロ『信じるも信じないも、全てブリタニアの次第』
ゼロ『だが、我々はブリタニアが手を出してこない限り、
バレンタインデーに一切の戦闘行為を行わない事を約束する』
ゼロ『――ナナリー総督、良い返事を期待していますよ』
ルル「……」
ルル(賽は投げられた……あとは、相手の反応を待つだけ!)
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 16:03:01.55 ID:T0VYifF60
・ ・ ・
神楽耶「……ふぅ。あとは、ブリタニアの反応待ちですわね」
ゼロ「――そうですね」
カポッ!
カレン「……今の、ゼロみたいな動き出来てました?」
神楽耶「勿論です! ちょっと動きにキレがありませんでしたけど、
所作の方は完璧でしたわ!」
カレン「全く、こういうのC.C.の役目じゃなかったの?
どこで油を売ってるんだか……」
神楽耶「……ふぅ。あとは、ブリタニアの反応待ちですわね」
ゼロ「――そうですね」
カポッ!
カレン「……今の、ゼロみたいな動き出来てました?」
神楽耶「勿論です! ちょっと動きにキレがありませんでしたけど、
所作の方は完璧でしたわ!」
カレン「全く、こういうのC.C.の役目じゃなかったの?
どこで油を売ってるんだか……」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 16:10:22.52 ID:T0VYifF60
・ ・ ・
スザク「――くそっ! ゼロは一体何を考えてるんだ!?」
ローマイヤ「罠に決まっているでしょう。
全く、バレンタインデーなどと浮ついt」
スザク「バレンタインデーは、相手が居ない人にとって苦痛だ!
それは男でも女でも変わらない! そんな事もわからないのか!?」
ローマイヤ「……」
スザク「それなのに女性に向けるなんて……!
いきおくれ所か、いけない可能性もある女性はどうなる!」
ローマイヤ「……」
スザク「――くそっ! ゼロは一体何を考えてるんだ!?」
ローマイヤ「罠に決まっているでしょう。
全く、バレンタインデーなどと浮ついt」
スザク「バレンタインデーは、相手が居ない人にとって苦痛だ!
それは男でも女でも変わらない! そんな事もわからないのか!?」
ローマイヤ「……」
スザク「それなのに女性に向けるなんて……!
いきおくれ所か、いけない可能性もある女性はどうなる!」
ローマイヤ「……」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 16:15:29.64 ID:T0VYifF60
ローマイヤ「……枢木卿」
スザク「自分に言い訳をしている人も居る、
友チョコと称して、渡した気になっている人も居る……!」
ローマイヤ「枢木卿」
スザク「それに、いい年をして相手も居ない、友達も居ない、
休日前にはビールを飲んで一人で騒いでいる女性だって居るのに!」
ローマイヤ「枢木卿っ!」
スザク「す、すみません……つい大声を」
ローマイヤ「……」
スザク「自分に言い訳をしている人も居る、
友チョコと称して、渡した気になっている人も居る……!」
ローマイヤ「枢木卿」
スザク「それに、いい年をして相手も居ない、友達も居ない、
休日前にはビールを飲んで一人で騒いでいる女性だって居るのに!」
ローマイヤ「枢木卿っ!」
スザク「す、すみません……つい大声を」
ローマイヤ「……」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 16:19:35.05 ID:T0VYifF60
スザク「けれど……自分はゼロが許せない」
スザク「ミス・ローマイヤのような素敵な女性なら、
バレンタインデーは素晴らしい日だ」
ローマイヤ「いや、あの……」
スザク「けれど、バレンタインデーにもチョコにも縁が無い、
恋人や友人、休日を共に過ごす友人さえいない女性はどうなります」
ローマイヤ「だから……」
スザク「自分で買って自分にプレゼントするチョコに、価値は無いのに……」
ローマイヤ「……」
スザク「ミス・ローマイヤのような素敵な女性なら、
バレンタインデーは素晴らしい日だ」
ローマイヤ「いや、あの……」
スザク「けれど、バレンタインデーにもチョコにも縁が無い、
恋人や友人、休日を共に過ごす友人さえいない女性はどうなります」
ローマイヤ「だから……」
スザク「自分で買って自分にプレゼントするチョコに、価値は無いのに……」
ローマイヤ「……」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 16:25:00.82 ID:T0VYifF60
スザク「……すみません、ミス・ローマイヤ。
貴方には縁の無い話とわかっておきながら、怒りを抑えることが出来なかった」
ローマイヤ「枢木スザク、貴方の気持ちはわかりました」
スザク「あれ? どうして急にフルネームで呼び捨てに?」
ローマイヤ「失礼いたしました」
スザク「出来れば、理由を教えて貰いたい。
自分は何か、失礼な事を言いましたか?」
ローマイヤ「……いいえ、特に何も……」
ナナリー「――でも……ゼロの提案は悪い事だとは思いません」
貴方には縁の無い話とわかっておきながら、怒りを抑えることが出来なかった」
ローマイヤ「枢木スザク、貴方の気持ちはわかりました」
スザク「あれ? どうして急にフルネームで呼び捨てに?」
ローマイヤ「失礼いたしました」
スザク「出来れば、理由を教えて貰いたい。
自分は何か、失礼な事を言いましたか?」
ローマイヤ「……いいえ、特に何も……」
ナナリー「――でも……ゼロの提案は悪い事だとは思いません」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 16:30:16.88 ID:T0VYifF60
スザク「ナナリー……?」
ナナリー「一日だけとはいえ、完全な停戦。
それは、とても素晴らしいことだと思うんです」
スザク「だけど……」
ローマイヤ「甘すぎます。むしろ、バレンタインデーなど滅びれば良い。
……そう思う人間も少なからず居るのですから」
スザク「そうなんですか?」
ローマイヤ「……今のは一般論を申したまでです」
ナナリー「そうかもしれません。けれど、一日だけでも平和になるのなら――」
ナナリー「一日だけとはいえ、完全な停戦。
それは、とても素晴らしいことだと思うんです」
スザク「だけど……」
ローマイヤ「甘すぎます。むしろ、バレンタインデーなど滅びれば良い。
……そう思う人間も少なからず居るのですから」
スザク「そうなんですか?」
ローマイヤ「……今のは一般論を申したまでです」
ナナリー「そうかもしれません。けれど、一日だけでも平和になるのなら――」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 16:39:32.09 ID:T0VYifF60
・ ・ ・
扇『ゼロ、通信が入った!』
ゼロ「扇か。どこからだ?」
扇『日本の……ナナリー総督からだ』
ゼロ(ぃよしっ!)
ゼロ「わかった。こちらへ回してくれ」
扇『ああ』
ピッ!
ナナリー『――エリア11提督、ナナリー・ヴィ・ブリタニアです』
扇『ゼロ、通信が入った!』
ゼロ「扇か。どこからだ?」
扇『日本の……ナナリー総督からだ』
ゼロ(ぃよしっ!)
ゼロ「わかった。こちらへ回してくれ」
扇『ああ』
ピッ!
ナナリー『――エリア11提督、ナナリー・ヴィ・ブリタニアです』
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 16:43:42.07 ID:T0VYifF60
ゼロ「これはこれはナナリー総督」
ゼロ(これがナナリーの余所行きの顔か……録画をして正解だったな)
ナナリー『ゼロ、単刀直入に伺います』
ゼロ(凛とした表情も素晴らしいな)
ナナリー『バレンタイン平和協定、企みや偽りは一切無いのですね?』
ゼロ「ええ、誓って」
ナナリー『……わかりました』
ゼロ(これがナナリーの余所行きの顔か……録画をして正解だったな)
ナナリー『ゼロ、単刀直入に伺います』
ゼロ(凛とした表情も素晴らしいな)
ナナリー『バレンタイン平和協定、企みや偽りは一切無いのですね?』
ゼロ「ええ、誓って」
ナナリー『……わかりました』
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 16:47:54.20 ID:T0VYifF60
ナナリー『今回のバレンタイン平和協定……受けることにします』
ゼロ「それは嬉しい限りです。
――ですが、一つだけ条件を飲んでもらいたい」
ナナリー『条件、ですか……?』
ゼロ「その通り。この、バレンタイン平和協定が真実だと、
全ての民衆に伝えるために――」
ゼロ「――ナナリー総督、貴方からチョコを頂きたい」
ナナリー『……えっ?』
ゼロ「それは嬉しい限りです。
――ですが、一つだけ条件を飲んでもらいたい」
ナナリー『条件、ですか……?』
ゼロ「その通り。この、バレンタイン平和協定が真実だと、
全ての民衆に伝えるために――」
ゼロ「――ナナリー総督、貴方からチョコを頂きたい」
ナナリー『……えっ?』
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 17:25:15.84 ID:T0VYifF60
ゼロ「いくら書面の上では協定が結ばれたとはいえ、
組織のトップがそれを実行しなければ民衆はついてこない」
ゼロ「この意味――おわかりになるでしょう?」
ナナリー『私と、そして貴方が身をもって示す……という事ですね』
ゼロ「その通り」
ナナリー『……わかりました。その条件、飲ませていただきます』
ゼロ「ありがとうございます、ナナリー提督」
ゼロ(い……いぃ、いやったあああああああああああっ!!)
組織のトップがそれを実行しなければ民衆はついてこない」
ゼロ「この意味――おわかりになるでしょう?」
ナナリー『私と、そして貴方が身をもって示す……という事ですね』
ゼロ「その通り」
ナナリー『……わかりました。その条件、飲ませていただきます』
ゼロ「ありがとうございます、ナナリー提督」
ゼロ(い……いぃ、いやったあああああああああああっ!!)
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 17:32:44.19 ID:T0VYifF60
・ ・ ・
バレンタインデー当日
ルル「……くくくっ、とうとうこの日がやってきた!」
カレン「ねぇ、本当に行くの?」
ルル「当然だ」
カレン「相手が出した条件は、ナイトメアで来るのならば一機だけ、
それも、武装を解除した場合だけのみなんて……」
ルル「だからこそ、お前に俺の護衛を頼んだんだ。
可翔式ならば、万一の事態にも備えられるからな」
カレン「……」
バレンタインデー当日
ルル「……くくくっ、とうとうこの日がやってきた!」
カレン「ねぇ、本当に行くの?」
ルル「当然だ」
カレン「相手が出した条件は、ナイトメアで来るのならば一機だけ、
それも、武装を解除した場合だけのみなんて……」
ルル「だからこそ、お前に俺の護衛を頼んだんだ。
可翔式ならば、万一の事態にも備えられるからな」
カレン「……」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 17:35:11.69 ID:T0VYifF60
カレン「……ねぇ、そんなにチョコが欲しいわけ?」
ルル「当たり前だ」
カレン「……じゃっ、じゃあ私g」
ルル「そろそろ時間だな。カレン、出してくれ」
カレン「……」
ルル「? どうした、早くしないと間に合わn」
カレン「紅月カレン、紅蓮可翔式、出ます!」
ルル「当たり前だ」
カレン「……じゃっ、じゃあ私g」
ルル「そろそろ時間だな。カレン、出してくれ」
カレン「……」
ルル「? どうした、早くしないと間に合わn」
カレン「紅月カレン、紅蓮可翔式、出ます!」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 17:39:04.28 ID:T0VYifF60
・ ・ ・
カレン「……やっぱりアイツが出てきたわね」
ゼロ「ああ、それも予測済みだ」
ランスロット『……』
カレン「どうする? なんなら、ここでやっても――」
ゼロ「いや、その選択肢は無い。
ここで手を出せば、バレンタイン平和協定が水泡に帰すからな」
カレン「……わかったわ、大人しくしてる」
カレン「……やっぱりアイツが出てきたわね」
ゼロ「ああ、それも予測済みだ」
ランスロット『……』
カレン「どうする? なんなら、ここでやっても――」
ゼロ「いや、その選択肢は無い。
ここで手を出せば、バレンタイン平和協定が水泡に帰すからな」
カレン「……わかったわ、大人しくしてる」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 17:44:50.72 ID:T0VYifF60
ゼロ『――このゼロ、協定の証を受け取るために参りました』
ゼロ『平和協定のためのチョコレート、さぞかし美味なことでしょう』
ランスロット『……』
ゼロ『そして、それを受け取るというのに、
こうしてKMFに乗ったままというのはあまりに無粋』
ゼロ「カレン、ハッチを開けてくれ」
カレン「わかったわ。……気をつけてね」
ゼロ「ああ。何かあったら、手はず通りに頼む」
ゼロ『平和協定のためのチョコレート、さぞかし美味なことでしょう』
ランスロット『……』
ゼロ『そして、それを受け取るというのに、
こうしてKMFに乗ったままというのはあまりに無粋』
ゼロ「カレン、ハッチを開けてくれ」
カレン「わかったわ。……気をつけてね」
ゼロ「ああ。何かあったら、手はず通りに頼む」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 17:48:28.59 ID:T0VYifF60
ガコンッ! ウイ~ン…
ゼロ「――さあ、平和の証を……!」
ゼロ(ナナリーのチョコを!)
ランスロット『……』
ガコンッ! ウイ~ン……
スザク「――ああ、わかった」
ゼロ「……」
ゼロ「えっ?」
ゼロ「――さあ、平和の証を……!」
ゼロ(ナナリーのチョコを!)
ランスロット『……』
ガコンッ! ウイ~ン……
スザク「――ああ、わかった」
ゼロ「……」
ゼロ「えっ?」
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 17:51:25.04 ID:T0VYifF60
ゼロ「くっ、枢木スザク……?」
スザク「ああ、そうだゼロ」
ゼロ「なっ、ナナリー提督はどうした……!?」
スザク「ナナリー提督はここには居ない」
ゼロ「!?」
スザク「このチョコレートは、平和条約締結の証。
その証を渡すのに、ラウンズである自分では不足があるか?」
ゼロ「……」
スザク「ああ、そうだゼロ」
ゼロ「なっ、ナナリー提督はどうした……!?」
スザク「ナナリー提督はここには居ない」
ゼロ「!?」
スザク「このチョコレートは、平和条約締結の証。
その証を渡すのに、ラウンズである自分では不足があるか?」
ゼロ「……」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 17:56:13.85 ID:T0VYifF60
スザク「それに、もしもの事があった時、
ナナリー提督よりも自分の方が対処が出来る」
スザク「――そう、自分が判断した」
ゼロ「それなら、ナナリー提督は……」
スザク「ここには居ない。最後まで自分が来ると言っていたけれど、
彼女を危険な目に遭わせるわけにはいかない」
ゼロ「あ、おぉ……」
スザク「さあ、ゼロ。チョコレートの受け渡しだ」
ゼロ「……」
ナナリー提督よりも自分の方が対処が出来る」
スザク「――そう、自分が判断した」
ゼロ「それなら、ナナリー提督は……」
スザク「ここには居ない。最後まで自分が来ると言っていたけれど、
彼女を危険な目に遭わせるわけにはいかない」
ゼロ「あ、おぉ……」
スザク「さあ、ゼロ。チョコレートの受け渡しだ」
ゼロ「……」
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 18:00:39.22 ID:T0VYifF60
ゼロ「……」
スザク「さあ、受け取れゼロ」
ゼロ「……」
スザク「? どうした、早くしてくれ」
ゼロ「……枢木スザク、一つ聞かせて欲しい」
スザク「何だ」
ゼロ「ナナリー提督がこれを作る時、火傷等をしなかったか……?」
スザク「いいや、大丈夫だ」
ゼロ「そうか。それが聞けたらじゅうb」
スザク「このチョコは自分が作ったからな」
スザク「さあ、受け取れゼロ」
ゼロ「……」
スザク「? どうした、早くしてくれ」
ゼロ「……枢木スザク、一つ聞かせて欲しい」
スザク「何だ」
ゼロ「ナナリー提督がこれを作る時、火傷等をしなかったか……?」
スザク「いいや、大丈夫だ」
ゼロ「そうか。それが聞けたらじゅうb」
スザク「このチョコは自分が作ったからな」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 18:04:41.52 ID:T0VYifF60
スザク「目の見えないナナリー提督にチョコを手作りさせるのは酷だ。
本人は大丈夫だと言っていたが、万一ということもある」
スザク「かといって、市販のものでは“証”足りえない」
スザク「――そう判断した自分が作った」
ゼロ「……」
スザク「さあ、受け取れゼロ」
ぽふっ
ゼロ「……」
スザク「――ここに、バレンタイン平和条約が締結された!」
本人は大丈夫だと言っていたが、万一ということもある」
スザク「かといって、市販のものでは“証”足りえない」
スザク「――そう判断した自分が作った」
ゼロ「……」
スザク「さあ、受け取れゼロ」
ぽふっ
ゼロ「……」
スザク「――ここに、バレンタイン平和条約が締結された!」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 18:11:52.69 ID:T0VYifF60
・ ・ ・
ルル「……」
C.C.「ふふっ! 笑顔と共にチョコをくれる天使がいたじゃあないか」
ルル「……」
C.C.「それも、小さい頃からの友達だ。良かったな、ルルーシュ」
ルル「……」
C.C.「チョコの味はどうだった?」
ルル「……帰りの道中、カレンに輻射波動で焼き払って貰った」
C.C.「ふふっ、そうか」
ルル「……」
C.C.「ふふっ! 笑顔と共にチョコをくれる天使がいたじゃあないか」
ルル「……」
C.C.「それも、小さい頃からの友達だ。良かったな、ルルーシュ」
ルル「……」
C.C.「チョコの味はどうだった?」
ルル「……帰りの道中、カレンに輻射波動で焼き払って貰った」
C.C.「ふふっ、そうか」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 18:16:56.53 ID:T0VYifF60
C.C.「しかし、条約締結で一日余裕が出来たな」
ルル「……」
C.C.「――と言っても、実質半日程しか残ってないが」
ルル「……ああ、そうだな」
C.C.「……やれやれ、そんな情けない顔をするな」
ルル「……」
C.C.「ゴホン! 仕方が無い、そんなお前に少しだけ恵んでやろう」
ルル「……」
C.C.「――と言っても、実質半日程しか残ってないが」
ルル「……ああ、そうだな」
C.C.「……やれやれ、そんな情けない顔をするな」
ルル「……」
C.C.「ゴホン! 仕方が無い、そんなお前に少しだけ恵んでやろう」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/02/15(月) 18:23:54.65 ID:T0VYifF60
ルル「お前が、俺に……?」
C.C.「ふふっ、そうだ。感謝しろ?」
C.C.「私が――この、特製チョコレートピザをやるんだからな!」
ルル「……」パクッ
C.C.「ルルーシュ、私にも洋菓子の美味さはわかる」
ルル「……」モグモグ
C.C.「美味いチョコに、美味いピザの組み合わせ――最高だろう?」
ルル「……C.C.、俺は決めた。俺は――」
ルル「――バレンタインデーをぶっ潰す」
おわり
C.C.「ふふっ、そうだ。感謝しろ?」
C.C.「私が――この、特製チョコレートピザをやるんだからな!」
ルル「……」パクッ
C.C.「ルルーシュ、私にも洋菓子の美味さはわかる」
ルル「……」モグモグ
C.C.「美味いチョコに、美味いピザの組み合わせ――最高だろう?」
ルル「……C.C.、俺は決めた。俺は――」
ルル「――バレンタインデーをぶっ潰す」
おわり
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