番長「ペルソナ……?」

番長「女子会だと……?」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 18:38:44.97 ID:PMA7Flt20
12月15日 雪子の自室
陽介「なんだよー」

千枝「べつにー」

陽介「里中さー」

千枝「あによー」

陽介「ひまだなー」

千枝「勉強いいのー?」

陽介「よかねーだろうなー」

千枝「だよねー」

引用元: 千枝「ねー花村ー」 



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 18:41:19.21 ID:PMA7Flt20
番長「ペルソナ……?」
番長「女子会だと……?」
の続きみたいなもんなのでご了承を

番長と千枝が付き合ってるって設定だけ気を付けていただければと思います

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 18:41:47.49 ID:PMA7Flt20
数十分前
雪子「じゃあ私はちょっと手伝いに行ってくるから、ここでちゃんと勉強ね」

千枝「はーい」

陽介「あーい」

雪子「みかん食べていいから、ちゃんとやるんだよ?」

千枝「はーい」

陽介「あーい」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 18:44:53.54 ID:PMA7Flt20
現在
陽介「で、こたつで寝てるわけだが」

千枝「今日今年一番の寒さだってよー」

陽介「さみーわけだ」

千枝「こたつ最高ー」

陽介「あとで天城に怒られねーかな」

千枝「でも起きたくないし」

陽介「やらねーと冬休み居残りじゃね?」

千枝「あー……それはまずい」

陽介「まあまだいいか」

千枝「まだいいよ」

陽介「だなー」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 18:48:07.25 ID:PMA7Flt20
千枝「ねえ」

陽介「なんだ」

千枝「足さっきからあたるんだけど」

陽介「しゃあねーだろ、足が長いんだよ」

千枝「長いねー……」

陽介「おい、なんだその間は」

千枝「別にー……った、だからさっきからあたるっての!」

陽介「いって!お前、もうちょっとで危険なところだぞ!いてーんだぞ!?」

千枝「うっさい!変 !」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 18:52:26.81 ID:PMA7Flt20
陽介「変 ってなんだよ!何もしてねーぞ!」

千枝「さっきから足もぞもぞしすぎなの!」

陽介「誤解だ!」

千枝「変 !変 !」

陽介「やめ!いてっ!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 18:54:36.70 ID:PMA7Flt20
千枝「疲れたね」

陽介「疲れたな」

千枝「足痛い?」

陽介「痛い」

千枝「ごめん」

陽介「まあいーよ」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 18:54:57.82 ID:PMA7Flt20
千枝「ねえ」

陽介「なんだよ」

千枝「おなか減った」

陽介「太るぞ」

千枝「運動してるから太らないもん」

陽介「いやーさっき足で触ったけど、結構むっちり……」

千枝「……地獄へ落ちろ!!」ドーン

陽介「ぎゃあああああああああ!!!」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:00:34.63 ID:PMA7Flt20
数分後
雪子「あのねー……」

千枝「はい、すみませんでした」

陽介「はう……正座は今無理……」

雪子「大学行く気ある?」

千枝「あります」

陽介「あ……あります……」

雪子「なんでやってないの」

千枝「花村がー」

陽介「お、お前のせいだろ……」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:01:20.99 ID:PMA7Flt20
雪子「仲いいのはわかるけど、いちゃついてないで、いいからやる!」

千枝「だ、誰がいちゃついてんのさ!!」

陽介「いやー、バレたかー」ダキヨセ

千枝「なに調子乗ってんのよ!!!」ゲシッゲシッ

陽介「わ、悪かった!やめて!痛い!痛いから!」

雪子「勉強しろおおおおおお!!!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:04:08.56 ID:PMA7Flt20
数分後
陽介「里中ー」

千枝「あによー」

陽介「これってどこが間違ってんだ?」

千枝「どれ」

陽介「これ」

千枝「……満州事変じゃなくて、日清戦争……?」

陽介「あー……でもこの年って日清戦争終わってね?」

千枝「……しらん」

陽介「なんだよ!わかれよ!」

千枝「答えみりゃいいじゃん!」

陽介「今答え見ると次の問題の答えも見ちまうんだよ!」

千枝「じゃあ次いけばいいでしょ!私は英語やってんの!」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:07:00.46 ID:PMA7Flt20
陽介「はー…みかん食お……」

千枝「あ!ずるい!私も我慢してんのに!」

陽介「いいから英語訳してろよー」ムキムキ

千枝「うぅ……みかん……」

陽介「……あーん」

千枝「あ、あーん……」

陽介「なんてなー」パク

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:07:27.10 ID:PMA7Flt20
千枝「あ、あ、恥ずかしいの我慢したのに……もう私も食べる!!」ムキムキ

陽介「我慢よえーなー」

千枝「いいでしょ、これ食べたらやるから」パクパク

陽介「こんなんでうちら受かんのかなー大学……」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:10:03.71 ID:PMA7Flt20
千枝「花村さー」

陽介「あー?」

千枝「将来の夢ってあんの?」

陽介「あー……、漠然と?お前は?」

千枝「似たようなもん」

陽介「だよな」

千枝「いいのかな、私たちこれで」

陽介「夢なんてまだわかんねーだろ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:14:58.22 ID:PMA7Flt20
千枝「この前りせちゃんと、直斗くんに聞いたの」

陽介「夢について?」

千枝「うん」

陽介「なんだって?」

千枝「トップアイドルと名探偵」

陽介「はは……普通聞いたら笑われんだろうけど、あいつらの場合実現可能だからな」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:15:26.50 ID:PMA7Flt20
千枝「完二くんはなんかいってた?」

陽介「あいつは店継ぐんだとさ、親父さんが修行した場所に高校卒業したら行くらしい」

千枝「すごいなー……ちゃんと考えてるんだ……」

陽介「後輩トリオはまあ特殊だからな、俺はなんとなく経営学部だし」

千枝「私は……」

陽介「スポーツ健康うんたらじゃなかったか?」

千枝「ちょっと、迷ってる」

陽介「まあいいんじゃねーの?まだギリギリ時間あるし」

千枝「うん……」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:20:32.25 ID:PMA7Flt20
数分後
千枝「えっと……これが、こうで……」ウトウト

陽介「あー……」ガクッ

数分後
雪子「はあ……」

直斗「ちょっと様子を見に来たのですが……」

りせ「見事に」

完二「熟睡してんな」

クマ「みかんの皮がたくさんあるクマ」

雪子「食べるだけ食べて寝たわね……」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:24:08.19 ID:PMA7Flt20
完二「いいんすか?もうすぐ受験なのに」

雪子「いや、ダメだよ」

クマ「とりあえず起こすクマ」

直斗「さて、どう起こしますか……」

りせ「花村センパーイ、起きたら……りせとイイコトしよ……?」

陽介「ふぉおおおおおおおお!!」

りせ「起きた」

直斗「変 」

完二「ビクッ」

陽介「あれ、ここどこだ……?」

千枝「人がいい気持ち寝てるのにうっさいわ!!!」ドーン

雪子「いい気持ちで寝ない!」パーン

千枝「ひゃあ!」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:28:19.27 ID:PMA7Flt20
雪子「しっかりやる!」

千枝「ごめんなさい……」

陽介「すみません……」

直斗「天城先輩いつの間にハリセンを」

クマ「クマがあげたクマ」

完二「あーだから青と赤のカラーリングなのか」

雪子「いい?次寝てたらこたつ取り上げるからね」

千枝「そ、それだけはご勘弁をー」

陽介「や、やる!やるから!」

雪子「はあ…ちゃんとやってね」

千枝&陽介「はい」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:28:49.25 ID:PMA7Flt20
クマ「クマたちは卓球でもやるクマ」

りせ「お、いいねいこいこ」

雪子「それより温泉はどう?掃除手伝ってくれたら入ってもいいよ?」

クマ「ふおおおお、混浴クマ」

直斗「それは却下ですが、いいですね」

完二「んじゃ、いっちょやりますか」

りせ「じゃーねーセンパイー」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:33:44.66 ID:PMA7Flt20
陽介「いいなー温泉ー」

千枝「顔やらしい」

陽介「ば、バカ!ちげーよ!」

千枝「どうだかー、覗きの前科あるからなー」

陽介「だから見てねーって言ってんだろ!」

千枝「ふーん……」

陽介「なんで疑うんだよ!」

千枝「まあいいけどさー……」

陽介「ほら、やるぞ、次さぼったら何されるか……」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 19:38:47.74 ID:PMA7Flt20
数十分後
陽介「推量の助動詞」

千枝「む、むず、けむ、らむ、らし、べし、まし……」

陽介「もうちょい」

千枝「めり!」

陽介「よし」

千枝「あれ?「よし」なんてあった?」

陽介「そーいう意味じゃねーよ」

千枝「あーなるほどね、いやーだいぶ覚えた覚えた」

 

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:02:43.23 ID:PMA7Flt20
陽介「んじゃ、次なー」

千枝「ちょい待ち!」

陽介「なんだよ」

千枝「花村って古文得意じゃなかった?」

陽介「あーまあ」

千枝「じゃあ無理に私に付き合わなくてもいいよ!苦手なのやりなよ」

陽介「だって、お前古文になるとフリーズすんだろ」

千枝「う……まあ」

陽介「二人でやったほうがお前も覚えるだろ、俺だって得意なのは伸ばして損はねーよ」

千枝「ありがと」

陽介「いいから次いくぞー」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:08:17.73 ID:PMA7Flt20
数十分後
陽介「さっき夢の話したけどさ」

千枝「うん?」

陽介「俺さ、まだ漠然とだけど、この町に何かできねーかなって思ってんだよ」

千枝「どういうこと?」

陽介「正直この町ってこのままだと寂れたまんまだろ?」

千枝「まーそだね、商店街もやばいし」

陽介「責任ってわけじゃねーけどさ、ジュネスが出来て加速したと思うんだよ」

千枝「別にそんなこと……まだ何か言われてんの?」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:09:33.49 ID:PMA7Flt20
陽介「まあな、商店街で買い物は覚悟が必要だわな」

千枝「そんな……花村には別にかんけーないじゃん!」

陽介「まあ、聞けって。俺さ、何言われても、この町が好きだわ」

陽介「最初はこんな田舎嫌で嫌で仕方なかったけどよ、この町にいろんなもの貰っちまった」

陽介「完二とか天城はこの町で生きてくんだろうし、俺もこの町の活性化に何かできないかなって」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:10:05.66 ID:PMA7Flt20
千枝「へー……せ、政治家とかになるの?」

陽介「いやいや、別にいろんな方法あんだろ、まだわかんねーけどさ」

千枝「そっかー……」

陽介「何もしないよりも何かしたいんだ、この町のためにさ、どんなに嫌われてもここが好きだ」

陽介「それに俺の故郷はこの先どこへ行こうときっとここだからよ」

千枝「……うん」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:14:48.99 ID:PMA7Flt20
陽介「お前は何かねーの?漠然とさ」

千枝「うーん……まだ雪子にすら言ってないんだけどさ」

陽介「お、なんだ?」

千枝「えっと……けいさつかん……」

陽介「け、けいさつかん!?」

千枝「こ、声大きい!」

陽介「また、意外な」

千枝「意外って何さー、……私もこの町守りたいし」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:19:04.65 ID:PMA7Flt20
陽介「ってかそれいつ決めた?」

千枝「結構前……」

陽介「全然そんなこと言ってなかったよな?」

千枝「だってさ!なんか親に言ったらすごい反対されてさ!」

陽介「まあ心配だろうしな」

千枝「急に過保護なんだもん!それで、なんか言いづらいし、他のことも探したりとか……」

陽介「で、どうすんの?」

千枝「もういい!警察官なる!法学部!?法学部だよね!願書願書……」

陽介「センター、無駄になっちまったな、しかし……」

千枝「う……いいもん!ほう、がくっと、法律学科?なんか難しそう……」

陽介「まあなんとかなんだろ、範囲は一緒だろうし、しかし警察ねー」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:22:01.05 ID:PMA7Flt20
千枝「なによ」

陽介「犯人蹴んなよ?さすがに」

千枝「蹴るか!」

陽介「ほら!すぐ蹴ろうとする!」

千枝「花村限定よ!それは!」

陽介「なんでだよ!」

千枝「あーもう!花村なんかに言うんじゃなかった!」

陽介「なんかとはなんだ!なんかとは!」

千枝「ふん!」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:44:13.39 ID:PMA7Flt20
陽介「ったく、黙ってりゃ可愛いのにな、なんでこう……」

千枝「は、はあ!?な、なに言ってんの!」

陽介「え?おい、待て立ち上がるな!足をあげるな!」

千枝「この、バカ!」

陽介「くそっ!」ガシッ

千枝「へ?」

陽介「ふははは、足はとったぜ!」

千枝「は、離せー!!この!この!」

陽介「うわ、バカ暴れんなって!!」

千枝「はーなーせー!あれ?きゃあああ!」バタバタッ

陽介「どわあああああ」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:49:05.84 ID:PMA7Flt20
クマ「二人ともー温泉でも入ってリフレッシュクマー!」

直斗「今空いているらしいのでどうです、か……?」

千枝「え」

陽介「え」

クマ「ち、チエちゃんがヨースケを押し倒してるクマ!!」

直斗「み、見ちゃダメです!あの、その……鳴上先輩には黙っておきますから!!」バタバタ

陽介「おい」

千枝「なに」

陽介「すごいベタな勘違いされたぞ……」

千枝「ど、どうしよ」

陽介「まあ大丈夫だろうけどさ」

千枝「かな」

陽介「とりあえずいろいろ当たってるからどいてくんね?」

千枝「へ?……いやああああああ!」パチーン

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:51:56.64 ID:PMA7Flt20
数分後
千枝「ごめんってー」

陽介「……」

千枝「花村さーん?」

陽介「何もはたくことないだろうが……」

千枝「ごめんってーヨシヨシ」

陽介(まあ1分ほど天国だったからいいか)

陽介「よし、気を取り直して勉強するか」

千枝「うん、ごめんね」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:53:51.67 ID:PMA7Flt20
数分後 女湯
雪子「まあなにかの事故だと思うよ」

りせ「直斗ったら顔真っ赤にしてるから何かと思ったよー」

直斗「ほ、ホントにびっくりしたんです……」

りせ「かわいいなーもう」

直斗「か、からかわないでください」

りせ「お、また赤くなったー」

直斗「もう……だからどこ触ってるんですか!やめてくださいっ!やっ!」

雪子(私も参加しようかな、でもツッコミがいないからなー……)

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:56:51.96 ID:PMA7Flt20
男湯
完二「で?」

クマ「だから!チエちゃんがヨースケをドバーンと!」

完二「いや、全然わかんねーって」

クマ「なんでクマ!」

完二「日本語しゃべれよ!」

クマ「完二じゃ相手にならんクマ!みんなに聞いてくる!」

完二「ば、バカやめろ!また桶の地獄を味わうぞ!!」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 20:58:59.43 ID:PMA7Flt20
雪子の自室
千枝「んにゃあああああ」

陽介「な、なんだよ!」

千枝「もう疲れた!私もお風呂入りに行く!」

陽介「いいけど、今行ったら問い詰められるぞ」

千枝「う……」

陽介「大人しく勉強しようぜ」

千枝「もう終わったー」バタン

陽介「じゃあ、俺も終わったー」バタン

千枝「いいのー?」

陽介「ホントにだいたい終わったんだって」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:01:01.67 ID:PMA7Flt20
千枝「なんかさー」

陽介「あん?」

千枝「二人だけでこんな話すのって珍しいよね」

陽介「あーそうだな、いつも天城とか完二とか誰かしらいるしな」

千枝「鳴上くんいるときはだいたい鳴上くんも一緒だしね」

陽介「そうだなー、にしてもお前とあいつが付き合うとはなー、最初は驚いたぜ」

千枝「うっさいなー、私だって驚いてんだから」

陽介「お前もかよ」

千枝「だってさー、なんだかんだ彼モテるし」

陽介「認めたかねーけどな……」

千枝「いろいろ噂もあったからさー、ホントダメ元で告白したんだよ?」

陽介「まあ結果オッケーだったからいいじゃねーか」

千枝「うん、まあねー、でも未だに信じられないや」

陽介「自信持てよ、ダメ元だろうが勇気出したのが実ったんだからよ」

千枝「……そだね」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:03:26.21 ID:PMA7Flt20
陽介「でもまあ、あいつが里中と付き合うことにしたって言ったときは驚いたけどなー」

千枝「わざわざ伝えられたんだ?」

陽介「多分、付き合いだした翌日だぜ?昨日からっつったから」

千枝「はは、早いなー」

陽介「裏切り者ー、つってそのまま走り去ったっけなー」

千枝「なにそれー」

陽介「だってよー」

千枝「あー、変なこと聞いていい?」

陽介「なんだ?」

千枝「花村って誰かと付き合わないの?というか、好きな人とかいないの?」

陽介「ホントに変なことだな」

千枝「い、いや、答えたくないならいいんだけどさ!」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:07:17.49 ID:PMA7Flt20
陽介「そうだなー、好きな人とかは今はいねーな」

千枝「ゆ、雪子とかは?」

陽介「そんなビビりながら天城の名前言うなよなー、これで、ああいいな、つったらどうすんだよ?」

千枝「いや、それは応援するよ!うん」

陽介「まあ、好きではないな、綺麗だとは思うけどさ、好きとはちげーな」

千枝「そっか」

陽介「まあこのまま誰とも付き合わず俺の高校生活は幕を閉じるんだろうなー」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:07:39.28 ID:PMA7Flt20
千枝「好きじゃないけど、付き合うとかはしないの?」

陽介「なんだそれ?」

千枝「い、いや、なんかクラスの子たちとかは告白されたから試しに付き合ってみようかなって言ってたりしたからさ」

陽介「なるほど、なんかお前聞いたろ?」

千枝「あー、ごめん」

陽介「まあいいけどよ」

千枝「……じゃあホントなんだ、告白した子振ったって」

陽介「あんま知らない子だったしなー」

千枝「そっか、まあそうだよね」

陽介「好きでもないやつと付き合うとかはなんか違う気がすっからよ」

千枝「ふーん……、もう一つ怒るかもしれないけど聞いていい?」

陽介「ん?」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:08:52.63 ID:PMA7Flt20
同時刻 天城屋旅館
クマ「コーヒー牛乳まいうー」

完二「変な言葉を覚えんな」

りせ「それにしてもさー、花村先輩って意外とモテるのに付き合ったりしないよね」

直斗「意外にって……」

雪子「多分花村君は誰とも付き合うとかそういうのしないんじゃないかな、私もだし」

完二「……」

クマ「カンジ、どうしたクマ?難しい顔してるクマ」

直斗「巽くん?」

完二「…いや、尚紀から聞いたんだけどよ」

雪子「あ、小西先輩の……」

完二「はい、あんまりこういうの話すことじゃないんですけどね」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:12:22.24 ID:PMA7Flt20
1か月前 愛屋
完二「花村先輩が?」

尚紀「ああ、前から誰なのか気にはなってたんだけどさ」

完二「姉ちゃんの命日にいつも花があったんだっけか」

尚紀「この前いつもより早めに行ったら偶然会ってさ」

完二「で、花村先輩だったと」

尚紀「俺言ったんだよ、もう姉ちゃんのこと気にしないでくれって」

尚紀「姉ちゃんも十分喜んでると思うし、縛られないで欲しいって」

完二「そしたら?」

尚紀「引きずられてるわけじゃねーさ、ただケジメみたいなもんだってさ」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:12:39.86 ID:PMA7Flt20
完二「……」

尚紀「で、何も言えなくなってさ」

完二「まあ大丈夫だろう、あの人はああ見えて色々考えてるしよ、それに」

尚紀「それに?」

完二「そんな弱い人じゃねー、俺よりもずっと強い人だ」

尚紀「そっか、完二が人を褒めるなんてな、しかもまた男の先輩か」

完二「ぶっ!てめ!人が真面目に話してる時に!」

尚紀「ほら、肉丼冷めるぞ」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:16:14.73 ID:PMA7Flt20
現在 天城屋旅館
りせ「花村センパイ……」

雪子「そんなことが、私も知らなかったな」

直斗「やはり引きずって、いや、それはないですね」

クマ「ヨースケは強いクマ」

完二「ああ、だから心配はしてねーんですけどね」

雪子「花村君は鳴上君と同じくらい一番事件に関わってたから、ケジメ、か」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:20:04.18 ID:PMA7Flt20
雪子の自室
千枝「小西先輩のお墓参りってまだ行ってるの?」

陽介「……なんだよ、知ってたのかよ」

千枝「んー、たまたま」

陽介「まあな、こっちにいるうちは、って思ってるよ」

千枝「その、あのね、小西先輩のこと、えっと、その……」

陽介「安心しろよ、引きずってるとかそういうことじゃねーから」

千枝「あ、うん、そっか……」

陽介「ただケジメつーか、なんつーか」

千枝「ケジメ?」

陽介「もしかしたら助けられたかもしれねーんだよ、小西先輩はさ

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:20:45.12 ID:PMA7Flt20
陽介「小西先輩が殺される前に俺たちはテレビの中に入れたんだ、あと一歩早かったらさ、俺がビビってすぐ帰ろうとか言わなかったらさ」

千枝「は、花村のせいじゃないよ!それは絶対違う!」

陽介「わかってるよ、でもさ、事件解決して犯人捕まえて、はい終わりってはさ」

陽介「別にな、いい人ぶりたいわけじゃーねんだ、山野アナに対しては特に何もしてるわけじゃねーし」

陽介「たださ、好きだった人に対してはこれくらいしても、……いいだろ?」

千枝「……バカ!バカ!」ポカポカ

陽介「な、なんだよ、叩くなって」

千枝「何格好つけてんのよ!バカ!」

陽介「バカバカ言うなって一応受験生なんだから」

千枝「そんなの抱え込まなくたっていいじゃん!」

陽介「抱え込んでねーっての、俺がやりたいことしてるだけ」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:25:34.31 ID:PMA7Flt20
千枝「でも、だからまだ告白されても断ってるんでしょ……?」

陽介「あー、それだけが理由じゃねーけどな、小西先輩より好きだって思える人がたまたまいなかっただけだよ」

千枝「そっか……」

陽介「いや、まあ俺が積極的に作る気がないのはもちろんあるけどよ」

千枝「んー、作ればいいのに」

陽介「いや、だから好きなやついねーんだって」

千枝「どんな子好きなのさ」

陽介「え、んー……、好きになった人?」

千枝「……なにそれ」

陽介「引くなよ!」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:25:58.71 ID:PMA7Flt20
千枝「だってさー、タイプとかあるでしょ」

陽介「や、ホント一定してないんだわ、これが」

千枝「小西先輩みたいな人じゃないの?」

陽介「いや、全然違うタイプ好きになったりすんだよ」

千枝「そういうもん?」

陽介「ってか、お前だって好きなタイプ聞かれたらわかんねーだろ」

千枝「んー……強い人、ってわけでもないし……」

陽介「『鳴上くん!』なんて言うなよ、寒いから」

千枝「な、なによ!それ!しかも変な声出すな!」

陽介「モノマネだよ、モノマネ」

千枝「わ、私そんな声じゃない!!」

陽介「いいんだよ、なんとなく似てれば」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:26:45.28 ID:PMA7Flt20
千枝「あー真面目に聞いてたのに」

陽介「ってか好きなタイプなんて聞いてどうすんだよ」

千枝「いや、いたら応援してあげようかと」

陽介「天城って言ってもか?」

千枝「んー……まあ、雪子がどう思ってるか知らないけど、一応」

陽介「一応かよ!ったく、じゃあよ」

千枝「ん?」

陽介「里中、って言ったらどうすんだよ」

千枝「私がどうかしたの?」

陽介「だから好きな人だよ、好きな人!」

千枝「へ?また何を……え?」
・・・
・・・・・
・・・・・・・

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:31:20.75 ID:PMA7Flt20
同時刻 天城屋旅館
りせ「ここだけの話さー、私絶対千枝センパイと花村センパイ付き合うと思ってた」

直斗「なんかこの前も言ってたような……」

クマ「喧嘩ばっかりしてるクマよ?」

完二「喧嘩するほど仲がいいっていうんだよ」

クマ「じゃあクマと完二も仲良しクマー」

完二「バカヤロウ!抱き着くな!」

雪子「んー、あの二人かー、確かに仲はいいけどね」

りせ「けど?」

雪子「付き合うって姿が想像できなくて」

りせ「うーん……」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:36:21.87 ID:PMA7Flt20
・・・・・・・
・・・・・
・・・
千枝「えと、あ、私、付き合ってる、鳴上くん」

陽介「日本語下手になってるぞ」

千枝「あー、えーっと?」

陽介「だから、里中が好きって言ったらどうすんだよって」

千枝「え、え、いや、だから……」

陽介「な?困るだろ?だからあんまり聞くなって」

千枝「あー…あははは、なんだー冗談かー、もうー」

陽介「……完全に冗談ではねーよ」

千枝「……え?」

 
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:49:05.93 ID:PMA7Flt20
陽介「好きだったよ、多分」

千枝「あー、えと、その、ごめん」

陽介「多分だってのに、いきなり振るなよなー、あー恋終わったー」

千枝「だ、だって……」

陽介「悪かったよ、変なこと言って」

千枝「いや、別に、そんなことは……ってかマジ?」

陽介「マジ」

千枝「な、なんで?」

陽介「そりゃ、あんだけ一緒にいりゃ、好きにもなるだろ、まあ好きだって気付いた時にはお前は悠と付き合ってたけどなー」

千枝「結構遅かったんだ……」

陽介「そりゃなあ、小西先輩のことまだ吹っ切ってなかったし」

千枝「あー、うん」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:50:34.99 ID:PMA7Flt20
陽介「それに仲間だって思ってからよ、そういう対象で見るってのがなかった」

千枝「う、うん」

陽介「でもな、事件終わって、それでも一緒にいて、あー好きだったんだなーって気付いちまった」

千枝「あ、う……」

陽介「一緒にバカやって、笑って、怒って、泣いて」

陽介「好きなるだろ、そりゃ」

千枝「そ、そういうもん?」

陽介「まあ、俺の場合な」

千枝「そ、そっか」

陽介「大丈夫だよ、別にどうこうするわけじゃない、二人のことを喜んでないわけでもない」

陽介「ただちょっと、なんだろうなー100m走タイムが思ったより伸びなかった気分かな」

千枝「う、うん?」

陽介「よーするにだ、お前が気にすることじゃない、忘れろ、いいな」

千枝「え、うん……」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:53:11.35 ID:PMA7Flt20
陽介「よし、勉強再開すっか、それとも旅館のほうにどうせいるんだろうから様子でも……」

千枝「……ごめんね」

陽介「……だからー謝んなっての!」

千枝「だって、そんな知らなかったし、それに何度も花村にいろいろ相談しちゃったし……」

陽介「だから、いいって言ってんだろ!あいつの誕生日何送るとか、相談受けてて悪い気は別にしなかったし」

千枝「でも、でも……」

陽介「それに悪いって言うなら、今更こんな隠してたこと言い出す俺のほうだ、悪かったよ」

千枝「そ、そんな悪いなんて……」

陽介「俺は卑怯もんだよ、まったく嫌になるよ、ホント」

千枝「そんなことない!そんなこと……」

陽介「気にするな、な?」

千枝「う、うん……」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:55:36.13 ID:PMA7Flt20
陽介「ったく……じゃあ、こうしよう、今からちゃんと告白する」

千枝「え、え?」

陽介「ほら、立てよ」

千枝「え、あ、うん」

陽介「ちゃんと言うから、あとは任せるぞ」

千枝「……うん」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 21:59:01.70 ID:PMA7Flt20

陽介「里中、今頃言うなんて反則だろうけど、俺はお前が好きだ、付き合ってくれ」

千枝「……わたしは……」

ガタッ

千枝「!?」

陽介「な、なんだ?」

雪子「あ、えっと……ご、ごめんなさい!」ダッ

千枝「ゆ、雪子、待って!もういない……」

陽介「おいおい、すごい場面で登場するな、ったく…」

千枝「まあ、あとで説明すれば大丈夫でしょ」

陽介「だな」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 22:02:55.80 ID:PMA7Flt20
千枝「じゃあ、仕切り直し……ね」

陽介「おう」

千枝「私は花村のこと嫌いじゃない、でもそれ以上に好きな人がいる、だから、ごめんなさい」

陽介「ああ、お幸せにな……くく……」

千枝「……ふふ、あはははは!ダメだよ最後まで我慢しようよ、あははは」

陽介「はははは、だってよ、仕切り直しで振られるって!くく……」

千枝「それならお幸せに何よ、あははは、昭和!昭和だよ、あははは!」

陽介「うっせーな、ったく、はは……ありがとな」

千枝「どういたしまして、こちらこそありがとう、私なんかのこと好きになってくれて」

陽介「なんかなんて言うなよ、十分いい女だよ」

千枝「ば、バカ///」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 22:03:19.04 ID:PMA7Flt20
陽介「よし!俺を振ったこと後悔するような美人と大学で出会ってやる!」

千枝「出会うだけかー」

陽介「付き合うんだよ!当たり前だろ!」

千枝「頑張れー」

陽介「お、お前もな、悠と別れて、やっぱあの時俺を選んどくだったって言っても遅いからな!」

千枝「ならんならん、別れる気なしー」

陽介「この、バカップルが……」

千枝「……ねー、花村」

陽介「ん?」

千枝「私たちいつまでも友達、仲間でいようね」

陽介「あったりまえだろ」

千枝「ふふ、さんきゅ」

陽介「お、おう」(くそー、ホントたまに可愛いんだよ!ったく……)

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 22:07:59.52 ID:PMA7Flt20
数分後 天城屋旅館
雪子(ど、どうしよ、も、戻れない)

りせ「雪子センパイ?部屋に戻らないの?」

直斗「先ほど様子を見に行って戻ってから変ですよ?」

クマ「顔赤いクマ」

完二「もしかしてのぼせましたか?でも結構時間経ってるか」

直斗「とりあえず部屋に戻りましょう」

雪子「だ、ダメ!今はまだ!」

りせ「なんで?」

雪子「その、今は……」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 22:08:31.91 ID:PMA7Flt20
千枝「どしたの雪子?」

雪子「ち、千枝!?」

陽介「お前らだけうまいもん飲んでんなよなー」

雪子「は、花村君!?」

クマ「勉強終わったクマか?」

陽介「ああ、まあな」

雪子「は、花村君、そのちょっと……」

陽介「な、なんだよ」

雪子「その、私誰にも言わないから、その……」

陽介「いや、大丈夫だって」

雪子「まさか、振られなかったの!?え!?ちょっと!千枝!!」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 22:09:35.47 ID:PMA7Flt20
千枝「ん?なーに?」

雪子「鳴上君はどうするの!?」

千枝「え?付き合ってるけど?」

雪子「ふ、二股!?」

千枝「いや、いや、違うって」

陽介「あー説明っすっから」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 22:09:51.38 ID:PMA7Flt20
完二「なんかいろいろ聞こえてるけど大丈夫か?」

直斗「まあいつものことでしょう」

りせ「そだねー」

クマ「楽しそうクマ」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 22:10:10.35 ID:PMA7Flt20
雪子「え?好きだったけど、振られてよかった?どういうこと?」

千枝「ちょっと、花村説明下手だって!」

陽介「よーするにだ、俺たちは仲間だってことだよ」

雪子「わかんないよー!!」



悠「で、出番がないだと……or2」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/12(土) 22:10:27.92 ID:PMA7Flt20
よし!終わり!