1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 20:14:03.80 ID:UeafywKm0
橘「なのに……っ!なのにっ!」

橘「こうして僕のお宝本が燃やされているのは、おかしいと思わないか!?」

田中「えっ?何が?」

橘「『えっ?何が?』じゃないよ!?」

橘「こ、この中には歴史的価値のある……っ!そう!戦前の日本の風俗を現代に伝える貴重なお宝本もあるのに!」

絢辻「あら、そうなの?でもね、あたしは特に興味ないから」

棚町「同じく。……しっかし、よくこんなに学校に溜め込んでたこと」

田中「あはははっ、運ぶの大変だったよね」

田中・絢辻・棚町「うぇーい!お疲れ様でしたーっ!」

橘「うぅ……こんなのあんまりだよ……」

引用元: 橘純一「秋といえば、読書!読書の秋だよね」 




4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 20:23:54.91 ID:UeafywKm0
絢辻「あんまりってさ、まるであたし達が悪いことしてるみたいな言い草ね?」

棚町「そうそう、あんたが言い出したんでしょ?」

棚町「『そろそろ学校に保管してあるお宝本処分しなきゃ』ってさ」

絢辻「……それで処分方法を話し合った結果、焼くことに決まってたじゃない?」

橘「だ、だけど!せめて一声かけてくれてもいいじゃないか!?」

田中「な、何回も声をかけたよ!?」

田中「でも『ごめん。後にしてもらえるかな?今はそれどころじゃなくて……』って取り合ってくれなかったよね!?」

橘「あっ……」

橘(そういえば、校庭で縄跳びしてる女の子を観察していたとき……田中さん達に何度か話しかけられたっけな……)

橘(だって仕方ないじゃないか!あんな揺れ、滅多に見れるもんじゃないよ!)

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 20:33:26.73 ID:UeafywKm0
絢辻「……仕方ないよね、男の子だもの」

棚町「あたし達のは、あんなに揺れないし?」

田中「うん……ごめんね?橘君?」

橘(し、しっかりバレてる!?)

絢辻「……それでさ、あたし達に何かいうことはないの?」

橘「……わざわざ重い物を運んでいただき、さらに焼却炉の使用申請までしていただいたようで」

橘「ほんっとうに!すみませんでした!」

絢辻「うん、わかればよろしい」

棚町「で?どうあたし達の苦労を労ってくれるの?」

田中「あ~、一仕事した後はな~」

橘「わかったよ!食欲の秋だからね!」

橘「お兄さんがキミ達にご飯をご馳走してあげよう!」

田中・絢辻・棚町「うぇーい!」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 20:45:47.47 ID:UeafywKm0



絢辻「……ねぇ?何であたし達は橘君の家にお邪魔してるの?」

棚町「おっかしいわよね?ご飯をご馳走になる予定だったはずなんだけど」

田中「うんうん。いつものファミレスじゃないんだね?」

橘「……ファミレスでキミ達の胃袋を満足させられるほど、僕のお財布事情に余裕はないんだ」

橘「……だから!今日は橘家の食卓で我慢していただきたい!!」

絢辻「なるほど。手料理を振舞ってくれるのね?」

棚町「でも、あんたチャーハンくらいしかまともに作れないじゃない?」

田中「あはははっ、橘君のチャーハン美味しいけどね」

橘「ふっ……くくくっ……フゥー、ハハハハハッ!」

橘「いつまでも僕がチャーハンだけの男だと思うなよ!?」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 21:01:01.70 ID:UeafywKm0
棚町「……と、いいますと?」

橘「いやさ、ここ一ヶ月くらい注文の多いお客様こと、森島・ラブリー・はるか氏が晩ご飯を食べに来るんだよ、うちに」

絢辻「ほんっとうに暇なのね、あの人」

田中「……続けて?」

橘「『シェフ!私はお腹が空いたわ!早くして頂戴っ!』ってうるさいから、初めは適当にチャーハン出してたんだけど」

橘「『チャーハン飽きた~!他の物が食べたい~!』って駄々をこね始めてね」

絢辻「ご馳走になってるのに贅沢な人ね。気持ちはわからないこともないけど」

橘「さすがの僕も困ってしまったんだけど、そしたら……」

田中「……そしたら?」

橘「『わかったわ!私は食べたい料理の材料とレシピを準備すればいいのね!?』……と、ラブリーに解決してくれまして」

棚町「……何その正しいようで間違ってる解答」

橘「……まぁ、それで毎日毎日いろんな物を作ってた結果!」

絢辻「『僕、料理に目覚めちゃったよ!僕のことは鉄人と呼んでくれ!』って?」

橘「うん……そこは言わせて欲しかったな……」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 21:13:13.36 ID:UeafywKm0
田中「うん?……ってことは、毎日毎日森島先輩にご飯をご馳走してたんだ?」

橘「あ、うん。それなんだけど……」

田中「わ、私にはご馳走しないのに、森島先輩にはご馳走してたんだ!?しかも内緒で!?」

橘「た、田中さん!?」

絢辻「あー、これは……」

棚町「……恵子、やっておしまい」

田中「このっ!浮気者っ!信じてたのにっ!」

橘「ち、違うんだよ!内緒にしてたのは悪かったけど、これにはワケがあるんだ!!」

田中「う、浮気にワケもなにもないでしょ!?」

橘「お願いだ!ここは冷静に僕の話を聞いてくれ!」

絢辻「あたしも橘君の釈明聞きたーい」

棚町「……納得いく理由があるんでしょうね?」

田中「うぅ……話してよ?」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 21:32:07.69 ID:UeafywKm0
森島「好きな子に料理もご馳走できないようじゃ、男の子失格よ!」

森島「……と、私が焚きつけたからね!」

田中「も、森島先輩!?」

美也「たっだいまー!あ、今日はみんないるんだ?」

森島「あのね?田中さん?」

森島「私は橘君の料理を食べられて満足だし!橘君は田中さんの為に料理の腕を磨けるし!」

森島「……誰も損しないじゃない?」

森島「だからこうして毎晩ご馳走になってたんだけど……橘君!?ちゃんと説明しとかなきゃダメじゃないの!?」

橘「……というわけなんだよ、田中さん。」

橘「内緒にしてたのは本当にごめん。田中さんを驚かせたくて……」

田中「……なんだ、そうだったんだ!」

橘「わ、わかってくれたかな?」

田中「……わからないよ!このラブリー脳ッ!」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 21:45:03.87 ID:UeafywKm0
橘「ら、ラブリー脳!?」

棚町「け、恵子!?落ち着いて!?意味がわからないことを口走ってるわよ!?」

田中「だ、だって!だったら初めから私を実験台にしてくれてもいいよね!?」

絢辻「……橘君?橘君は橘君なりに格好つけたかったのよね?」

橘「う、うん。田中さんには、ちゃんとしたものを食べて貰いたかったんだ」

田中「……だったら!今すぐ料理持ってきて!怒ったらお腹が空いたよ!」

橘「えっ?」

田中「は、早くして!私、空腹で怒りが収まらないよ!?」

橘「わ、わかった!少しだけ待ってて!」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 21:57:01.15 ID:UeafywKm0



橘「……田中さん?」

田中「……なに?」

橘「さっき『す、少しだけ待ってて!』とはいったんだけど……」

田中「……うん。料理はまだ?」

森島「あはははっ……ごめんね、田中さんん?こんなことになるとは思ってなかったから……」

森島「今日は秋野菜のカレーライスにしようと思ってね?」

田中「……そういえば、カレーの美味しいそうな匂いがするね。で、まだかな?」

橘「そ、それが!パパッと材料を切って鍋に放り込んできたけど、あと30分は煮込みたいところなんだ……」

橘・森島「お客様!お待たせしてしまい!本当に申し訳ありません!」

田中「も、もう!ご飯に生野菜載っけたのでもいいから食べさせてよ!?」

棚町「け、恵子!?」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 22:07:07.87 ID:UeafywKm0
絢辻「……ねぇ?橘君?本音をいうと、あたしもお腹が空いたの」

橘「うん……ごめんね?」

絢辻「だからさ……こう……」

絢辻「『はい!30分煮込んだ品がこれです!』的なことはできないの?」

森島「わおっ!あなたもラブリー脳だったのね!?」

橘「そ、そんなこと出来るわけないだろ!?絢辻さんと違って、僕に七不思議はないんだッ!」

絢辻「はぁ……仕方ないわね。ちょっと台所借りるわよ?」

橘「な、何を!?まさか……煮込んだ物があるとか!?」

絢辻「そんなわけないでしょ!?すぐに摘めるものでも、と思ったのよ」

棚町「さすが絢辻さん、気が利くわ!」

橘「ま、待って!僕も行く!絢辻さんの不思議をこれ以上看過できない!」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 22:15:52.87 ID:UeafywKm0



絢辻「はい、お待たせ」

田中「……これは?」

絢辻「カレーの材料の余りと冷蔵庫の中にあったもので、サラダを作ってみたの」

棚町「へぇ!余り物でこんな綺麗なサラダを作れるものなのね!」

橘「……」

棚町「ん?あんた、どうしたの?」

橘「うちの冷蔵庫にあんなものが入ってたなんて、僕も知らなかったよ……」

橘「また不思議を一つ知ってしまった!僕の命は風前の灯火なのか!?」

美也「バカなことをいってるにぃには放っておいて、早速このサラダを食べようよ!」

田中・絢辻・棚町・森島・美也「うぇーい!」

橘「なんだか酷い疎外感だよ……うぅっ……」


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 22:29:06.99 ID:UeafywKm0
~30分後くらい~

橘「大変お待たせしましたっ!」

橘「これが輝日東の鉄人・橘の秋野菜カレーです!」

棚町「へぇ、見た目は美味しそうね?」

森島「彼の料理の腕前は私のお墨付きよ!もし不味かったら、橘君を好きにしちゃって構わないわっ!」

橘「も、森島先輩!?」

絢辻「何を急に不安になってるのよ?カレーなんて不味く作る方が難しいじゃない」

美也「えぇ!?そうなんですか!?」

田中「あはははっ、もし不味かったらお口直しに東寿司の特上の出前とっちゃうよ?」

橘「……無理無理無理。それは無理だよ、田中さん」

橘「と、とにかく!冷めないうちに!」

一同「いただきます!」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 22:41:58.83 ID:UeafywKm0
絢辻「あら?さすが鉄人を自称するだけあるわね。文句の一つでもつけてやろうと思ったけど、隙がまったくないわ」

棚町「純一のことだから『辛すぎる!』とかあると思ったのに、絶妙な辛さよね」

森島「……ふっ、また腕を上げたわね?」

美也「さすがにぃにだね!」

橘(ふぅ……どうやら好評みたいだぞ!)

橘「あ、田中さんの感想も聞かせてもらえるかな?」

田中「……まずいよ、これ」

橘「えっ……」

田中「橘君!?信じられないよ!?こんなカレーを作って!!」

橘「そ、その……ごめ」

田中「こんなカレー作られたら、私食べ過ぎて太っちゃうよ!?信じられない!?」

橘「えぇ!?じゃ、じゃあ?」

田中「ハフハフッ……というわけで、おかわり!うぇーい!」

橘「は、はい!今すぐ!」


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 22:52:33.76 ID:UeafywKm0
田中「ハムッ、ハフハフハフッ!」

絢辻「……田中さん?カレーは逃げないから落ち着いて食べたら?」

田中「だっ、だって!橘君のカレー美味しくて!……ゴフッ」

絢辻「ほ、ほら!お水、お水!」

橘「いやー、よかったよ。『このカレーは出来損ないだ、食べられないよ』も覚悟していたし」

森島「わおっ!『明日またここへ来てください、本当のカレーをお見せしますよ』なのね!?」

棚町「ならさならさ!怒った恵子のアームロックで『がああああ お…折れるぅ~』もあったかもよ?」

美也「……よかったね、にぃに。障害沙汰にならなくて」

橘「うん……本当によかったよ……」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 23:07:08.11 ID:UeafywKm0



一同「ご馳走さまでしたー!」

田中「うぅ……苦しい、もう食べられないよぉ……」

棚町「あ、あんた食べすぎなのよ!」

絢辻「さてと、洗い物は……」

橘「あ、いいよ?僕がやっておくから」

絢辻「あら?そう?悪いわね」

森島「あぁ!?」

橘「ど、どうしたんですか!?」

森島「いっけない!明日提出期限のレポートあるのすっかり忘れてたわ!」

森島「ごめん!橘君?私、帰るね!?」ドタドタッ

棚町「あらら、大学生も大変ね」

絢辻「……何を他人事みたいなことをいってるの?あたし達も明日までの数学の課題あるわよ?」

棚町「えぇ!?そうだっけ!?あははっ……」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 23:12:44.54 ID:UeafywKm0
絢辻「というわけで、あたし達も失礼するわね?」

棚町「純一、ご馳走!また明日ね!」

田中「ま、待ってよ!薫~」

棚町「あんたはもう少し食休みしてから帰りなさいよ?」

絢辻「その方が賢明よ?」

田中「う、うん……」

絢辻・棚町「お邪魔しました~」

橘「何だよ、みんな急に……」

美也「はーっ!?」

橘「ど、どうした!?美也!?」

美也「みゃーもよくわからないけど用事があった気がする!さ、紗江ちゃんあたりと!」

美也「と、というわけで、みゃーはこれから出掛けるから!」

橘「お、おい!何だよ、それ!」

橘「……何なんだよ、まったく」

田中「あはははっ、二人っきりにされちゃったね」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 23:19:29.43 ID:UeafywKm0
橘「……田中さん?苦しいんだったら、横になったらいいんじゃないかな?」

田中「う、うん……そうしようかな」

田中「あ、横になるんだったら橘く……純一に膝枕してほしいかも」

橘「えっ?膝枕?」

田中「……ダメ?」

橘「か、構わないさ!僕の膝でよかったら、いくらでも使ってよ!」

橘「よいしょっと……どうぞ?」

田中「じゃ、じゃあ。失礼しま~す……」

橘(た、田中さんの頭が、僕の膝の上に……っ!)

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 23:23:49.73 ID:UeafywKm0
田中「えへへっ、男の子だから硬いね。純一の膝枕」

橘「……柔らかくするつもりはないよ?」

田中「わかってるよ~」

橘「……」

田中「……」

橘「……苦しいならさ、ブラウスの襟元とスカートのウェストを緩めたらいいんじゃないかな?」

田中「……●●●」

橘「ち、違うよ!?下心でいってるんじゃなくて」

田中「……え?下心ないの?」

橘「……ごめん、下心あったかも」

田中「ふふっ、正直だね」

橘「……悪かったよ」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 23:29:26.12 ID:UeafywKm0
田中「まったく、仕方ないなぁ。純一は」

田中「……緩めてくれるかな?」

橘「えっ?」

田中「今、動くの億劫だから……純一が緩めてくれると助かっちゃうな」

橘「いいの!?」

田中「あはははっ、お願いしてるのに『いいの!?』はないよ」

橘「じゃ、じゃあ!緩めるよ?」

田中「うん……お願い」

橘(お、女の子の服を脱がせる……いや!脱がせるんじゃないぞ!)

橘(そう!胸元とウェストを緩めてあげる日がくるなんて……っ!)

橘(こんなことになるんだったら、もっと練習しておけば……っ!)

橘(れ、練習ってなんだよ!?動揺しすぎだろ、僕っ!!)

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 23:36:55.44 ID:UeafywKm0
橘(え、え~と、まずブラウスは……)

橘(ネクタイ!ネクタイをまず緩めよう!)

橘(……よっと)シュルシュル

橘(そ、それで!次は!ぼ、ボタンを……一つずつ!一つずつ丁寧に!)ゴソゴソッ

田中「んっ……」

橘(丁寧に!一つずつ!)ゴソゴソ

田中「……純一?」

橘「う、うん?」

田中「どこまでボタンを外してくれるの?その……私の  が丸見えになってるよ?」

橘「あ、あぁぁ!ごめん!悪気はなかったんだ!」

田中「もう……別にいいけど」

橘「い、今戻すよ!」ゴソゴソ

橘(はわわわわっ!僕としたことが!緊張してついつい!)


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 23:42:19.19 ID:UeafywKm0
橘(つ、次はスカートだ!)

橘(スカートのウェストを緩めてあげよう!)

橘(……ん?)

橘(は、はぁぁぁぁぁ!?)

橘(な、なんてことだ……僕、僕!)

橘(制服は大好きだけど、スカートの脱がせ方なんて知らない!)

橘(いつも偉そうに制服の魅力を語っていたけど、こんなんじゃみんなに顔向けできないよ……)

橘(うぅ、恵子?……ごめんね?)

橘(ここからは紳士・橘ではなく、開拓者・橘だよ……)

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 23:50:36.79 ID:UeafywKm0
橘(も、燃え上がれ!僕の『フロンティアマインドッ(開拓者精神ッ)』!)

橘(僕は西部の男だ!抜きなよ?どっちが速いか……勝負しようぜ?)

橘(……よし!バカなことを考えてたら少し落ち着いてきちゃったぞ!)

橘(え、え~っと……なんだ、ホックがあるじゃないか)

橘(これを外して……)プチッ

田中「……んんっ」

橘(あ、あとはこのアジャスターを緩めればいいのかな?)ジャリジャリ

田中「……んっ……ふぅ……」

田中「……ありがとう、純一。楽になったよ」

橘「ぼ、僕こそありがとうだよ!」

田中「へっ?」

橘「い、いや!何でもないよ!はははっ……」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/28(月) 00:01:27.04 ID:OT6idIcz0
田中「ねぇ……純一?」

橘「う、うん?」

田中「頭を……ナデナデしてほしいな?」

橘「頭を?」

田中「えへへっ、ダメ?」

橘「……」ナデナデ

田中「はぁ~、落ち着くなぁ……」

橘(け、恵子の髪の毛ってサラサラモフモフしてるなぁ!)

橘(このキューティクル!どこぞのワカメも、恵子を見習え!)

田中「純一の手……大きいね」

橘「そ、そうかな?」ナデナデ

田中「うん……」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/28(月) 00:11:09.29 ID:OT6idIcz0
橘「……さて、と」

橘「ごめん、少し大きな声を出してもいいかな?」

田中「う、うん?どうしたの?」

橘「いや、ちょっとね……」

田中「えっ?……ま、まさか!?」

橘「いい画はたくさん撮れたろ!?なぁ!?」

橘「今の橘君は不完全燃焼なんだろ?そうなんだろ?そうなんだろって?……じゃないよ!早く出て来い!!」

森島「わおっ……気付かれてたのね?」

絢辻「毎度毎度ご馳走様です」

棚町「もちろんバッチリ撮れてるわよ?」

美也「にししっ!にぃにの●●●!」

田中「……うわぁ、やっぱり」

橘「……もうね?白々しいにも程があるよ!?」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/28(月) 00:23:03.94 ID:OT6idIcz0
田中「……あはははっ、もういい加減にして欲しいな」

橘「……何か僕らにいうことはないの?」

絢辻「いうこと?……あ、今日はね?写真じゃなくて動画にしてみたのよ!」

橘「あ、それ!最新のハンディカムじゃないか!何で持ってるん……うん、そりゃお持ちですよね」

棚町「お、おお!純一の慣れない手つきが!恵子の制服を脱がせる慣れない手つきが堪らないわね!」

美也「みゃーももう一回見る!棚町先輩!巻き戻し!巻き戻し!」

橘「ぬ、脱がせたわけじゃないよ!?」

森島「もう……お姉さんの知らないところで、橘君は大人になっていくのね……寂しいなぁ」

絢辻・棚町・森島・美也「うぇーい!」

橘「……」

田中「……あはははっ」

橘・田中「うぇーい……」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/28(月) 00:44:07.10 ID:OT6idIcz0
~後日~

橘「森島先輩がさ、『私からはもう何もいうことはないわ!』ってことで、晩御飯食べにくるのやめるって」

橘「一人前と認められたってことなんだけど……要は森島先輩が飽きただけだと思うんだよね」

田中「あはははっ、間違いないね」

橘「あ、それでね?田中さん?今晩もうちにご飯食べにこない?」

田中「え?いいの!?」

橘「うん、一人前になった僕の料理を是非振る舞いたいんだ」

橘「……あ、何か期待した顔をしてるそこの二人は呼ばないからな?」

絢辻「そ、そんな!?ひどい!?」

棚町「あたし達が飢え死にしてもいいってのね!?この人非人!!」

田中「……橘君?私も許せないところはあるけど、ご飯はみんなで食べた方が美味しいよ?」

橘「……だってさ。田中さんが優しくてよかったな」

橘・田中・絢辻・棚町「ご飯はみんなで美味しくね!うぇーい!」