英雄「とは言っても掃除するほど散らかってもいないんだよな」

英雄「私は早く仙人を探しに行きたいんだが・・・」

英雄「仙人・・・あなたが去ってから雨は一度も止みません」

英雄「私を置いてどこに行ってしまわれたのですか・・・」


引用元: 英雄「雨も止まないし掃除でもするかな」 



2: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:45:43.00 ID:XNmwduBu0
メイド「あら、英雄様 お部屋の片付けならわたし共にお任せ下さい」

執事「英雄様、翁様がお呼びです 我々が掃除を済ませる間、しばし翁様のお部屋へ」

英雄「ああ、ありがとうございます それではお任せします」

パタン

英雄「慣れないな・・・いつになっても」


3: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:46:16.21 ID:XNmwduBu0
英雄「翁さん、入りますよ」

翁「おお、英雄殿 呼び出してしまい申し訳ない」

英雄「いえ、それより、仙人の手がかりはつかめましたでしょうか?」

翁「うむ、今日呼び出したのは他でもない 確実に仙人のいる場所へとたどり着くことができる方法を見つけ出しましたぞよ」

英雄「おお!! それはいったい・・・?」

翁「わしはこれから海を渡り、ある少年を連れて参る その少年こそが、仙人へと導いてくれることじゃろう」

翁「その少年の導く先に、仙人はいるはずじゃ」


5: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:46:49.45 ID:XNmwduBu0
英雄「その少年は・・・仙人の知り合いなのですか?」

翁「いや、その少年は仙人を知らぬ 無意識のうちに、そなたを導くことになろう」

英雄「・・・どういうことですか?」

翁「英雄殿、深い事情はわしにもわからぬ だが、前にも言ったようにわしの勘はよく当たる 信じてくれい」

英雄「はあ・・・わかりました 私が英雄になったのも、そもそもはあなたのおかげですから」



翁「・・・・・・・」


6: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:47:43.72 ID:XNmwduBu0
<街にて>

街全体を大きな屋根が覆っている

「嫌だねえ、雨が屋根を打つ音で不安になっちまうよ」

「雨が止まなくなってからもう7年が経ったな」

「漁師の話では、海の向こうは晴れてたそうだ この大陸だけ雨が降りっぱなしだそうだぞ」

「おい、英雄様がいらっしゃったぞ!!」

ザワザワ

英雄「街の皆さんが不安になる気持ちはよくわかる この街だけでなく、大陸中の人々がこの雨に悩まされているだろう 早く仙人をお探ししなくては」


7: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:48:22.15 ID:XNmwduBu0
「きゃー英雄様ぁ!!」

「南北の戦争を和解させ、大陸を渡り歩き人々を勇気付け、モンスターの退治もなさってる偉大なお方だ」

「まだお若いのに、立派だなぁ 丘の上の大きな屋敷に住まれているが、最後まで遠慮なされたそうだぞ」

「この雨についても、解決のために奔走されているようだ まさに英雄にふさわしいお方だな」



英雄「私は・・・街の皆さんが思っているような大人物ではないのに・・・」

 
9: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:49:33.37 ID:XNmwduBu0
数週間後

<港にて>

英雄「翁さんからはここで待つように言われていたけど・・・」

英雄「あ、あの船だな」

英雄「ん・・・? 海面に影が・・・」



ザパァァァァァァアァァァァア

鯨モンスターが現れた!

英雄「危ない!!!」


10: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:50:04.72 ID:XNmwduBu0
英雄「船が沈められてしまう!!」

英雄「魔法剣・雷装備! おぉおおおおおお!!!」

グワァアアアアアアアアアアアアアアアア

剣から放たれた雷が海を割る!  鯨モンスターは倒れた!

英雄「よかった・・・」


11: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:50:36.08 ID:XNmwduBu0
「英雄様がお助けくださった!」

「ありがとうございます!」

翁「うむ そなたのおかげで船が沈まずにすんだわい」

英雄「いえ、間に合ってよかったです ん?この子たちが・・・」

翁「そなたに付いて旅をするよう伝えてある」

悪ガキ「よーし、冒険開始だ!!! 雨なんかへっちゃらだぜぃ!」


12: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:51:18.26 ID:XNmwduBu0
翁「英雄殿、しばしよいか」

英雄「はい、なんでしょうか・・・?」

翁「あの少年、4人の先頭にたって歩くあの少年がそなたを導いてくれるじゃろう だが・・・」

翁「そのことはあの少年に言わないでくれまいか あの少年に自覚があるわけではないからの」

英雄「はい、わかりました」

翁「それと・・・あの少年たちを追ってくるものがあろう そなたが守ってやってくれぬか」

英雄「・・・わかりました」

翁「それでは、わしはしばらく用事があるのでな 屋敷を留守にする」


13: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:52:46.49 ID:XNmwduBu0
悪ガキ「おーい兄ちゃん 早く行こうぜ!」

秀才「悪ガキくん、この方は僕たちを守ってくれるんだ 敬意を持って接しないと」

太っちょ「ねえねえ、おいら腹減っちゃったよ 御飯食べさせてくれ」

幼女「あ、あの・・よろしくお願いします・・」

英雄「よろしくね 君たちの回りには、安全のために結界を張らせてもらうよ」



翁「少年よ・・・そなたはまだ知らぬじゃろう この旅で終わりではない その小さな肩に、この世界の運命を託されているのじゃよ」


14: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:54:24.77 ID:XNmwduBu0
英雄「この国は常に雨が降っている このコートを羽織れば雨を弾くから」

秀才「防水の魔法がかけられたコートなんですね」

悪ガキ「なあなあ、兄ちゃん まずはどこに行くんだ?」

英雄「そうだな・・・君が行きたい所・・かな」

秀才「え、悪ガキくんに任せていいんですか?」

太っちょ「こいつ方向音痴だよw まずは美味しいものがある場所がいいな」

幼女「・・・くしゅんっ」

英雄「あ、とりあえず建物の中に入ろうか」


15: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:55:03.55 ID:XNmwduBu0
<港の休息所にて>

英雄「幼女ちゃん、これ羽織っておきな」

幼女「あ・・ありがとうございます」ペコリッ

太っちょ「立派なマントだなぁ」

悪ガキ「でも兄ちゃん、着てる服全部真っ白とかセンスねえなwww」

秀才「悪ガキくん! なんてこと言うんですか!」

英雄「あははw たしかにそうだよねw 英雄なんだからって言われるままに着てたんだけど、やっぱりおかしいよねw」


16: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:56:17.32 ID:XNmwduBu0
秀才「英雄さんのことは、船で翁さんに聞きました なんでも、戦争を仲裁し、近頃この大陸に現れたモンスターを退治しているとか」

英雄「うん、まあそうなんだけど・・・ 戦争は私だけの力で止めたわけではないし、モンスター討伐も、倒せる者が私しかいないからやっているだけで・・・」

太っちょ「でも、さっきのでっかいモンスター倒したとき、かっこよかったよ」

幼女「すごかったですよ・・」

英雄「そうかな・・・」

悪ガキ「兄ちゃん自信もてよw」


17: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 21:56:52.75 ID:XNmwduBu0
<英雄の街にて>

英雄「この街に私の家があるんだ」

悪ガキ「でっけー屋根!」

秀才「街全体をドーム状の屋根が覆っているんですね」

英雄「こう毎日雨が降られては、住人の生活にも支障が出てしまうからね」

太っちょ「なんでもいいから・・・腹が減った」

幼女「太っちょくん、お腹なでなで」サスサス


18: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:01:47.51 ID:XNmwduBu0
<英雄の屋敷>

英雄「みんな、くつろいでね」

悪ガキ「でけー家! 天上高けー!」

秀才「丘の上で見晴らしもいいですね」

太っちょ「くんくん・・・美味そうな匂いだ!」

幼女「あぅ。。 あったかくて眠くなってきちゃった・・」



執事「皆様、お食事の準備が整いました」

太っちょ「きたーーーー!!」

悪ガキ「高級そうな料理ばっかりだな・・・」

秀才「いや、きっと本当に高級な料理なんでしょうね」

幼女「ねぇねぇ太っちょくん、これなんていう料理?」

太っちょ「見たこともない料理だな・・・食材も見慣れないものばっかりだ」

英雄「こっちの大陸でしか取れないものばかりだよ 美味しさは私が保証する」

メイド「食後にはデザートもお持ちいたします」

太っちょ「わーい♪」


19: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:02:29.18 ID:XNmwduBu0
悪ガキ「それにしても、英雄って金持ちなんだな」

秀才「それはそうですよ、英雄さんはそれだけのことをなさったんですから」

太っちょ「もとから金持ちだったりしてw」

英雄「いや、そんなことはないよ 街の皆さんから、英雄なのに他の人間と同じような暮らしをするわけにはいかないだろうって言われて・・・」

英雄「私は、むしろこんな立派な屋敷とは無縁の環境で育ったんだ 今でもこの生活に慣れないよ」

幼女「はむはむ・・・おいちい」


20: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:03:35.15 ID:XNmwduBu0
英雄「君たちは翁さんに連れてこられたんだろう? この屋敷は翁さんが建てたものなんだ 英雄が英雄らしくあるようにって」

英雄「それが民衆の望みなんだからって だから、この屋敷は私のものというより翁さんのものなんだよね」

英雄「執事さんも、メイドさんも翁さんが連れてきてくれた 私のお世話をしてくれてるんだけど、正直、私の方が気を使ってしまってね やはりこれも慣れないんだ」

悪ガキ「贅沢な悩みだなぁw」


21: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:04:14.69 ID:XNmwduBu0
英雄「そうだ、君たちの話も聞かせてくれないか」

悪ガキ「そうだなー、年齢は7歳 魔法の勉強はさっぱりだけど、剣は得意だぜ!」

悪ガキ「ちなみに母ちゃんは俺らの大陸の大司教だぜ! 父ちゃんは・・・引きこもってゲームばっかしてるけどw」

秀才「僕は、将来は医者になりたくて回復魔法の勉強をしています よろしくお願いします」

太っちょ「美味いもん大好き! ここでしか食えないものいっぱい食べて帰りたいと思うんだ」

幼女「あの・・ ママが魔法の先生でちょっとだけ魔法使えます・・よろしくです」ペコリ


22: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:11:17.26 ID:XNmwduBu0
英雄「なるほどなるほど 君たちはみんな同級生なのかな?」

悪ガキ「そうだぜ、みんな毎日一緒にいるんだ 昨日も俺んちでみんなで遊んでたら・・・」

秀才「翁さんがいらっしゃって、僕たちに頼みごとがあると」

太っちょ「腹いっぱいになったら思い出した! あのじいさん、俺たちが英雄さんを手助けしてくれって言ってたよね」

幼女「わたし・・・足でまといですよね」しょぼん


23: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:11:50.32 ID:XNmwduBu0
英雄「そんなことないよ、君たちには本当に期待しているよ 明日から旅立つことになるけど、みんなよろしく頼むね」

悪ガキ「おう、任せとけ! 楽しみだなぁ冒険!」

秀才「僕も、旅の中で実践を積みながら回復魔法の勉強をしたいんです」

太っちょ「食べ歩き♪ 食べ歩き♪」

幼女「・・・・・・にゃむ」zzz

英雄「それじゃあ、明日に備えて今日はゆっくり休んでね」


24: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:12:44.06 ID:XNmwduBu0
<寝室にて>

英雄「あの子たちの周りには追っ手に気配を悟られない結界を貼ったけど」

英雄「いったい誰に追われているんだろう」

英雄「それに翁さんの用事・・・これまでにもお一人で出かけられたこともあるけど」

英雄「みんな私のための用事だったよな 戦争の時もそうだった 仙人の情報を集めてもくれた 今回もきっと何かお考えがあるのだろう」

英雄「仙人が私の前から去ったのにも理由があるのだろうか」

英雄「あの少年・・・仙人と何の関係があるのだろうか・・・」


30: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:27:03.91 ID:XNmwduBu0
翌朝

<フィールドにて>

英雄「まず、みんなモンスターとの戦いに慣れないといけないね 武器は屋敷からみんなに合いそうなものを持ってきたよ」

悪ガキ「おい、あそこに弱そうなモンスターがいるぞ!」

太っちょ「よぉしやっつけてやる!」

幼女「あ、あの・・」

秀才「二人とも勝手な行動はやめたまえ」


31: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:27:40.45 ID:XNmwduBu0
モンスターの攻撃!

悪ガキはひらりと身をかわした!

悪ガキの攻撃! バシュッ

モンスターを倒した!

悪ガキ「へっどんなもんだい!w」

英雄「すごいな、君本当に戦うのは初めてかい?」

太っちょ「学校では戦いの練習もしてたしね 幼女のお父さんが教えてくれるんだ」

英雄「そうなんだ、頼りになるなぁ」


34: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:30:26.50 ID:XNmwduBu0
幼女「パパ・・会いそびれちゃった」しょぼん

秀才「幼女さんのお父さんは、1週間山の麓の村に用事で出かけていたんです」

悪ガキ「そういや、俺の父ちゃんと飲みに行ってたんだよな」

英雄「そ、それじゃあお父さん方に何も言わずここに来てしまったのかい?」

悪ガキ「一応父ちゃんにメモは残しておいたぜ!」

太っちょ「俺と秀才の親は別の街にいるしね」

秀才「僕たちは悪ガキくんの家に居候しているんです」


35: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:30:57.69 ID:XNmwduBu0
英雄「そうなんだ・・・ご両親と離れて暮らして、寂しくないかい?」

秀才「いえ、僕たちの街には魔法や剣の先生がいなくて 勉強がしたかったら隣街に住むしかないんですよ」

太っちょ「俺の家は料理屋なんだけどね 親が今は勉強しないと料理屋も出来ないって俺のこと学校に放り込んだんだ」

悪ガキ「幼女もよく俺んちに来るし、俺んちはたまり場になってるんだw 父ちゃんも一緒にゲームしたりしてw」

幼女「ママが言ってた・・悪ガキくんのお父さんにちゃんと外出るように言ってって

・・」


36: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:31:28.57 ID:XNmwduBu0
英雄「そうなんだ・・・私も幼い時に・・おっと、モンスターが現れたよ!」

悪ガキ「よぉしやってやるー!」

太っちょ「今度は俺にやらせてよー」

英雄「・・・・・・・・」


37: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:32:54.94 ID:XNmwduBu0
<森の中の村にて>

英雄「君たちがあまりにも優秀だったから、予定より早く着いたよ」

悪ガキ「本当に俺が行きたい方角で進んできたけど・・・これでよかったのか?w」

英雄「うん、君が進む道が、私たちの進むべき道なんだ」

秀才「確かに、方向音痴の悪ガキくんが先頭で、村に辿り着いたなんて奇跡としか言い様がありません」

太っちょ「たまたまだったりしてw」

幼女「あ、あの・・・村から誰かでてきましたよ」


38: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:33:33.41 ID:XNmwduBu0
村人「英雄様がこのような場所にいらしてくれるなど感激です 前もって言って頂ければ、もてなしの準備をいたしましたのに」

英雄「いや、いいんです 気の向くままに旅をしておりますので 村の皆さんはいつも通りにされてください」

太っちょ「くんくん・・・肉が焼ける匂いだ!!」

秀才「太っちょくんは本当に鼻がききますね・・・」

悪ガキ「俺も腹減ったぞ! 早く村に入ろうぜ!」


39: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:34:07.60 ID:XNmwduBu0
太っちょ「くんくん・・・この辺から匂いが・・あ!」

悪ガキ「おお! バーベキューだ!」

村人「この村は週末になると村人どうしで集まってバーベキューをするんですよ 雨が降りだしてからも変わらず、このように屋根を設けて行っています」

秀才「この肉は・・・シマシマ牛でしょうか」

英雄「いや、ハンテン牛だよ そうか、君たちの大陸とは牛の種類も違うんだよね」

太っちょ「なんでもいいや、いっただきまーす! 肉! 魚! 芋!」

幼女「おいも・・・」はむっ


40: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:34:56.90 ID:XNmwduBu0
村人「英雄様、村のはずれにある川のことなのですが・・・」

英雄「はい、各地の川や湖で氾濫防止のダムを建設しているようですね」

村人「そのダムのことで・・・この村の住民は開発に伴って移転することが決まっております」

英雄「そんな・・・なんとかならないのでしょうか」

村人「いえいえ、もう我々も納得して決めたことですので 我々の決断が多くの命を救うことになると思えば、気分も楽になります」

英雄「・・・そうですか・・・」

英雄(仙人・・・私は無力です・・あなたが・・あなたの力が必要なのです・・・)


41: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:37:18.46 ID:XNmwduBu0
<フィールドにて>

英雄「この森を抜けると山道になる みんな大丈夫かな?」

太っちょ「えぇぇ・・・山道か・・・」

悪ガキ「そ、そんなのへっちゃらだよ・・・!」

秀才「そうです、僕たちが足でまといになってはいけませんから・・・はぁはぁ」

幼女「足痛いぃ。。。」

英雄「うん、少し休憩しよう」


42: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:37:50.65 ID:XNmwduBu0
悪ガキ「たしかに俺はこっちに行きたいって思ったんだけどな・・・」

太っちょ「なんで山なんて登りたいんだよ」

悪ガキ「そんなの知るかよ、なんとなくこっちに行きたいなって感じたんだ」

秀才「そのなんとなくに、僕たちだけじゃなく英雄さんまで付き合ってくださっているんですよ」

英雄「まあまあ、でも私もこの山の上に行きたい所があるんだ 悪ガキくんの選んだ道は正しいんだよ」

秀才「そうだ、幼女さん 足を見せてください」

幼女「ふぇ?」

秀才「小回復魔法!」

幼女「・・・わぁぁ治った」にっこり

英雄「凄いなぁ たいしたものだ」


43: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:40:38.22 ID:XNmwduBu0
英雄「君たちの大陸では、小さいうちから魔法や剣を習いたいと思えば習えるんだね」

悪ガキ「まあ、先生がいる街では当たり前だよ 先生がいなくても、近くの街に習いに来ればいいんだ 秀才や太っちょみたいに」

秀才「こちらの大陸ではそうではないのですか?」

英雄「うん、まず魔法なんてものが一般に浸透していない 特別な人にしか使えないものだって認識があるんだ」

英雄「戦闘技術も、戦争がおこる前までは、長いあいだ平和だった国だからね 今ではモンスターに対して武装する街もでてきたけれど」

太っちょ「俺たちの国では、戦争もモンスターもないけど戦いの練習はしてるよ?」

秀才「それは、僕たちの国の歴史を考えればわかるでしょう 花無き時代と呼ばれる十数年間は、モンスターや魔物に支配されていたんですから」

幼女「パパ言ってた・・またそういうことが起きたら、ちゃんと自分を守れるようにしないとって」


44: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:41:18.94 ID:XNmwduBu0
悪ガキ「よーし、登るぞぉぉ!!」

英雄「もう大丈夫なのかい?」

太っちょ「もうちょっと休もうよ・・・」

秀才「太っちょくん、山に登りきらないと晩御飯がないとしたらどうします?」

太っちょ「よし登ろう」

幼女「えへへ」クスクス


45: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:41:49.45 ID:XNmwduBu0
<山頂にて>

英雄「みんな大丈夫かい?

悪ガキ「はぁ・・はぁ・・・大丈夫だぜ・・」

秀才「頂上・・・ですか?」

幼女「あぅ。。 コートが破れちゃった。。。」

英雄「さあ、みんなこの小屋に入って 中に替えの雨よけコートもあるから あれ?太っちょくんは?」



太っちょ「・・・・・・・・ひぃひぃ」


46: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:42:19.94 ID:XNmwduBu0
英雄「みんなお疲れ! この山は大人でも登るのが大変なんだけど、みんなよく頑張ったね」

英雄「ここは私が幼い頃を過ごした小屋なんだ」

英雄「少し休んでいてくれ、今からごはんを作るから」

英雄「・・・・みんな一度眠ったほうがいい 回復睡眠魔法」

英雄「本当にお疲れ様」


47: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:42:49.74 ID:XNmwduBu0
英雄「さて、随分長いことここにはきてなかったからな 掃除でもしようかな」

英雄「掃除・・・久しぶりだな なんだか懐かしい」

英雄「仙人に怒られながら雑巾がけしたなぁ・・・」

英雄「掃除が終わったら、私も一度眠っておこう」


48: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:43:37.38 ID:XNmwduBu0


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50: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:44:16.31 ID:XNmwduBu0
よく晴れた朝

「小僧、早く起きんか 寝ぼすけが」

「だって・・・仙人 昨日はよく眠れなかったんだもん・・・」

「ふむ ようし、今日は魔法を教えてやろう さ、早く起きるんじゃ」

「魔法!? やった、ついに教えてくれるんだね!」



「仙人みたいに天気変えられる?」

「馬鹿もん そうやすやすと天気を変えられてたまるものか それに天気はよほどのことがない限り、人の手で変えてはならん」

「でも、仙人、この前雨を降らせたじゃないか」

「日照りが続いておったからの」

「いいじゃん、晴れてる方が僕は好きだよ!」

「ああ、小僧は雨が嫌いじゃったな じゃが、雨が降らねば消える命だってあるのじゃよ」

「ふーん・・・」



あれ?

「小僧、大変じゃ、早く起きんか!」

「どうしたんですか・・・仙人?」

「小僧、何があってもこの小屋から出るんじゃないぞ」

「え? いったい何があったのですか?」

ドゴォォォォォォッォオオオン

目の前が真っ赤な光に覆われて・・・・・


51: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:45:27.22 ID:XNmwduBu0
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53: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:46:30.27 ID:XNmwduBu0
英雄「はっ・・・・」ハァハァ

英雄「夢か・・・」

英雄「雨・・・嫌だな」

英雄「雨は大切な人を奪っていく・・・」


54: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:47:01.67 ID:XNmwduBu0
悪ガキ「おーい兄ちゃん、太っちょが腹減ったって」

英雄「よし、できたよ 保存食で作った料理だけど、意外と美味しいんだこれが」

太っちょ「なんでもいい・・・何か食いたい・・・」

幼女「お腹なでなで」

秀才「今日は僕も腹ペコです 英雄さん、いただきます」


55: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:47:32.92 ID:XNmwduBu0
英雄「そういえば、君たちの大陸にはこの世で一番大きな山があるんでしょ?」

悪ガキ「ああ、あのでっかい山に比べたら、この山は子供みたいなもんさw」

幼女「パパはその山の麓にいってたんです・・荷物を運ぶ用事で・・」

秀才「僕たちがいた街から見ても、その大きさがとてつもないことがわかるんです」

太っちょ「俺は一生登ることはないだろうね」

悪ガキ「そういえば、俺の父ちゃん、あの山に登ったことがあるらしいぜ 嘘くさいけどw」


56: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:48:08.25 ID:XNmwduBu0
英雄「ほら、ここがバルコニーになってるんだ 晴れてたときはここから星を見たりしてたんだけどね」

秀才「一体・・・この雨が止まない原因は何なのでしょう」

英雄「さっぱりわからないんだ もう7年間も降りっぱなしなんだよ」

太っちょ「7年も!?」

悪ガキ「別に強い雨ってわけじゃないけど、そんなにずっと降ってたら大変だよな」



英雄「仙人・・・私のお師匠様は仙人だったんだけど、その人は天候を変えることができたんだ だから・・・」

悪ガキ「じゃあその人に頼めばいいじゃん」

英雄「それが・・・いなくなってしまったんだ ある日突然」

秀才「そんな・・・」

太っちょ「仙人の話、聞きたいな」

悪ガキ「ついでに兄ちゃんの話ももっと聞かせてくれよ」

英雄「・・・いいとも」


57: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:48:50.61 ID:XNmwduBu0
英雄「私は、幼い頃に両親を亡くしたんだ 父は漁師で、毎朝海に繰り出していた」

英雄「その日は朝は晴れていたんだけど、昼頃から急に大雨になった 嵐が来たんだ」

英雄「父は翌朝になっても帰ってこなかった まもなく、父の乗っていた船が見つかったけど、乗組員は全員死んでいたそうだ」

英雄「母はそれからまもなく亡くなった もともと病気がちで体が弱い人だったんだ それに加えて、父と一緒に船に乗っていた人たちが悲しみを母にぶつけたんだ」

英雄「父はその船の船長だったからね 父の判断がもっと早ければ、嵐が来る前に港に戻って来れただろうって」

英雄「もうその街には居られなくなった 母は病態に鞭打って、私を連れて街を出た」

英雄「広い草原を歩いていたときだった 母は倒れ、物も言わずに息を引き取った」

英雄「私は、まだ幼かったけど母がもう動かないことはわかったんだ 大声で泣いていた」

英雄「そうしたら、後ろから抱きしめられたんだ 一緒に来い、小僧は一人じゃないぞって」


58: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:49:27.76 ID:XNmwduBu0
英雄「それが仙人だったんだ 仙人は旅をしていたようだけど、この山の頂上に私を連れてきて一緒にこの山小屋を建てた それからは常に私のそばにいてくれた」

英雄「仙人は、今から思うと本当に凄い人だった 天候を変えるなんて、今の私でも到底無理なことだしね そんな人が、私に一から魔法を教えてくれたんだ」

英雄「この剣も、仙人がくれたものなんだ 私は剣に魔力を込めて戦うのが得意だったからね」

英雄「それから、仙人は友達が多かった 翁さんもその一人さ 他にネズミに鳥に牛に、でも人間の友達は翁さんしか見たことがないなぁ」

英雄「そうそう、一度は大きな白いドラゴンが訪ねて来たこともあった」


59: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:50:04.69 ID:XNmwduBu0
悪ガキ「ド、ドラゴン!?」

秀才「しーっ 悪ガキくん、お話の途中ですよ!」

英雄「ふふ、ドラゴンさ 私もとても驚いたよ 丁度、君たちと同じくらいの歳の頃だったかな ある日、仙人と私が稽古をしていると、あたりが白い霧で覆われたんだ」

英雄「そしたら、ほら、あそこに崖があるだろう あの辺にドラゴンが現れたんだ」

英雄「ドラゴンは仙人と何事か話していた 内容はよくわからなかったが、仙人は難しい顔をしていたなぁ」

英雄「でも確か仙人が、そちらは無事に平穏が戻ったようでよかったって言ってたのは覚えてるよ」


60: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:50:42.79 ID:XNmwduBu0
英雄「それから何年か経って、私も一通りのことを仙人から学び取った そんな時、仙人は突然姿を消した」

太っちょ「え・・・」

英雄「その日は朝から雨が降っていて、仙人も私も早めに寝ることにしたんだ そして次の日の朝、目が覚めたら仙人は消えていた」

英雄「代わりに翁さんがやってきた 仙人に私のことを頼まれたと言っていた 翁さんは仙人の友達だということで、これからの暮らしは自分を頼れと言ってくれた」


61: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:51:27.03 ID:XNmwduBu0
英雄「思えばその日から、雨は止まなくなった そしてその頃からモンスターが現れだした この大陸の人々は、突然訪れたモンスター達に恐怖した」

英雄「私は、仙人に教わった魔法を駆使してモンスターを退治して歩いた」

英雄「それから、人間同士の戦いも勃発してしまった」

英雄「ある日、もともと雨に対する対策が万全だった南の地域と、そうでなかった北の地域が戦争を起こしたと聞いた」

英雄「もともと北の地域は雨が少なく、いきなり降り続けだした雨に困ってしまったんだ 逆に南の国は普段から雨が多く、迅速な対応が出来たんだ」

英雄「翁さんのアドバイスもあって、私は南の地域から雨に対する対策を教わり、北の地域に広めた」

英雄「それぞれの地域の指導者同士で、何やら対立もあったようだが、お互いの地域の兵が衝突する前になんとかなだめることができた」

英雄「それがきっかけで、私は英雄と呼ばれるようになってしまった」


62: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:52:02.63 ID:XNmwduBu0
英雄「長くなってしまったね 退屈だったろう」

秀才「とんでもないです 貴重なお話を聞くことができて嬉しいです」

悪ガキ「とりあえず、その仙人を探したらこの雨のことも解決するんだろ?」

英雄「そうだね それには君たちの・・・特に悪ガキくんの協力が必要なんだ」

悪ガキ「お、俺?」

英雄「翁さんは、君が仙人を探し出す鍵だと言っていた だから、君の進みたい道を行くんだ」

悪ガキ「えぇぇ・・・ 俺、仙人と会ったこともなんだぜ?」

英雄「とにかく、信じてみたいんだ」

太っちょ「」zzz

幼女「ねーねーてるてる坊主作ったぁ」


63: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:52:38.60 ID:XNmwduBu0
翌朝

<フィールドにて>

悪ガキ「うーん、なんとなくこっちに進みたい気がするぜ」

英雄「では、そうしよう」

秀才「悪ガキくんの選んだ道を進むなんて不安でしかたないですけど・・・仕方ありませんね」

太っちょ「なあ悪ガキ、美味いもんがある所に連れてってくれよw」

幼女「悪ガキくん・・がんばれー」



?「おい、あいつだ」

?「周りにガキがいるな 一緒に処分してしまおう」


64: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:53:13.41 ID:XNmwduBu0
<湿地にて>

悪ガキ「なんか、でっかい水たまりがいっぱいだな」

英雄「この湿地帯を抜けたら、岩場に出るんだ 岩場には洞窟もいくつかあるから、今日はそこで休もう」

太っちょ「うへぇ・・・まだ歩くのかよぉ・・・」

秀才「さあ、文句言わずに・・・うわぁぁ!!!」

バシュゥゥゥゥゥゥ 秀才の体を逸れて光が飛んでいく

英雄「魔法弾!?」

幼女「ふぇ・・!? なになに・・?」


65: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:53:46.83 ID:XNmwduBu0
英雄「みんな、走って!」

悪ガキ「俺も戦うぞ!」

英雄「だめだ! 悪ガキくん、みんなを連れて逃げてくれ!」

秀才「さあ、行きますよ!悪ガキくん!」

悪ガキ「くそぉ 絶対やられるんじゃないぞ!」



英雄「あの子達の結界を保ったまま戦えるだろうか・・・」


66: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:54:18.72 ID:XNmwduBu0
武装団A「英雄・・・だな」

武装団B「お前の抹殺を言い渡されている」

英雄「南の地域の人間だね 誰の命令だ?」

武装団A「今から死ぬ人間が知ってどうする?」

バシュゥゥゥゥッゥ

英雄「くっ 魔法剣・炎装備! なるべくなら傷つけたくないのだが」

ゴォォォォォォォオッ

武装団B「へっ 結界盾だ」

武装団A「魔法が使えない者も、戦闘の心得がない者も、我が国は戦うことができるのさ」

武装団B「戦争をきっかけに武器が作られた 戦争がきっかけであらゆる発明が生まれた 科学力の乏しい北の人間が、俺たちに逆らおうってのがおかしい話なのさw」

英雄「っく・・・一度結界を解くか やむを得ない」


67: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:54:50.68 ID:XNmwduBu0
英雄「結界解除 魔法剣・豪炎装備!」

グワァァァァァァァァァアァアァアァァアア

武装団B「くそっ盾が!!!」

武装団A「なんだこの威力は!!」



突如上空に黒い球体が浮かび上がる

武装団A「な・・なに!? うわぁぁっぁああぁぁ」

武装団B「ぎゃぁぁっぁぁぁぁぁ」

武装団は球体に吸い込まれ・・・消えた

翁「英雄殿、少年たちの結界を張り直しなされ」

英雄「・・・翁さん」


68: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:55:23.74 ID:XNmwduBu0
悪ガキ「おーい、兄ちゃん!」

秀才「いったい、さっきの奴らは・・・?」

太っちょ「ひぃひぃひぃ・・・走って息が・・・」

幼女「あぅ。。。 怖かった・・」

英雄「大丈夫かい、君たち?」

翁「南の地域の武装グループでしょうな 彼らは、英雄殿が戦争を止めたことを心良く思わなかった者の命令で動いておる」


69: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:55:57.24 ID:XNmwduBu0
翁「そもそも南の地域の権力者は、この雨に乗じて、雨に対する対策を北に教える代わりに大量の見返りを求めておったのじゃ」

翁「北はそんな見返りは用意することができないと突っぱねた 互いにどうにも引けなくなり、とうとう戦争に発展しようというところであったのじゃ」

秀才「それを仲裁されたのが英雄さんなのですね?」

翁「その通りじゃ じゃが・・南の国の権力者の一部は、それを良く思わなかったようじゃの」

英雄「翁さん、本当に助かりました この子たちの結界も張り直しました」

翁「うむうむ 先ほどのような者は実際に肉眼で捉えた者しか追えぬが、遠くから気配を感じて追う者に対して、その結界は非常に有効じゃ」



翁「しかし・・・相変わらず人間どもは吾輩の計画を邪魔しますねぇ おっと、いけないいけない わしは翁、仙人の友人 ふふふ」


70: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:57:57.65 ID:XNmwduBu0
<岩場にて>

英雄「みんな、岩が濡れて滑りやすいから気をつけてね」

翁「もう間もなく夜になろう 洞穴を見つけて休まぬか」

英雄「ええ、そうしましょう」

太っちょ「腹減ったぁ・・・・」

秀才「悪ガキくん、なんの根拠があってこんな所にきたんですか」

悪ガキ「なんかよくわかんないけど・・・この岩場に来てから誰かに呼ばれてるみたいな感じなんだよな」

幼女「・・誰に?」

悪ガキ「それがわかんないんだよなー」


71: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 22:58:37.16 ID:XNmwduBu0
英雄「よし、今日はこの洞穴で寝よう」

太っちょ「ちょっと待ってよ 飯は? 腹が減って眠れないよ」

翁「ここにたんまりと・・・ほれ、干し肉にパンにソーセージじゃよ」

悪ガキ「じいさん気が利くなぁw」

秀才「では火をおこしましょう」

幼女「あ・・わたしできます 炎魔法小!」ボッ





悪ガキ「ふー食ったら眠くなってきたぜ」

英雄「うん、ゆっくりおやすみ」

太っちょ「」zzz

秀才「はい、おやすみなさい」


72: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:00:10.90 ID:XNmwduBu0


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73: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:00:43.69 ID:XNmwduBu0
あれ?

「どうしたんですか・・・仙人?」

「小僧、何があってもこの小屋から出るんじゃないぞ」

「え? いったい何があったのですか?」

ドゴォォォォォォッォオオオン

「う・・・・仙人? 仙人!?」

「小僧・・・見るな・・・わしは・・」


74: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:01:40.20 ID:XNmwduBu0
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75: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:02:11.69 ID:XNmwduBu0
英雄「はっ・・・またあの夢・・・ ん? 悪ガキくんは・・」

英雄「洞穴の外に出たのかな?」

英雄「おーい、悪ガキくん どこだい?」

英雄「ん? あ、あれは!?」


76: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:02:43.37 ID:XNmwduBu0
その場所だけは、雨が降っていなかった

その場所だけは、月の雫が溢れていた

ぽっかりと空いたその穴は

月の雫を 呑み込んでいた


77: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:03:14.84 ID:XNmwduBu0
英雄「悪ガキくん・・・?」

悪ガキ「なんか、この中に入れって・・誰かに言われてる気がするんだ」

英雄「ここ、何度も通ったことがあるのに、こんな穴を見つけたのは初めてだ・・・」

秀才「悪ガキくーん どこですかー? っこれは!?」

太っちょ「すげー・・・」

幼女「きれい・・」

翁「ほう・・・中に、入るかの?」



穴は短く、すぐに最深部へと辿りついた。

秀才「石の・・・台座ですかね」

太っちょ「台座の上には・・・」

悪ガキ「宝石・・・か?」

蒼く輝く石が台座に埋め込まれていた

ふと、石が輝きだし、あたりを蒼く包み込んだ


78: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:05:29.12 ID:XNmwduBu0
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79: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:06:00.42 ID:XNmwduBu0
雨の草原

少年が倒れた母親にすがって泣いている

「ふむ・・・」

少年「うわぁぁぁぁぁぁぁ」

「小僧・・・一緒に来い お前は一人じゃない」

少年「・・・うぅぅ・・・」コクッ

「さあ、お母さんを運ぼう もっと安らかに眠れるところにな」



ここは・・・仙人の記憶のなか・・・?


80: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:06:31.97 ID:XNmwduBu0
「ほれ、小僧 もっと集中をせねばならん そんなものでは魔法は身に付かんぞ」

少年「だって、毎日座禅ばっかりじゃないか・・・いつになったら魔法を教えてくれるんだよ」

「ふむ・・・ほれ」ゴォォォォッォォォ

少年「す、すげえ・・・仙人の周りから火が出てきた!」

「集中力を高めることが、すなわち魔力を高めることじゃ 小僧も精進すればこれくらいできるようになる」

少年「わかったよ、仙人!」


81: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:07:05.96 ID:XNmwduBu0
純白のドラゴンが霧の中から仙人に語りかけている

白龍「センニン・・・ワタシのクニ・・ヘイワモドッタ・・・ コクリュウ・・・スクワレタ・・・」

「そうか、よかったのう じゃが・・・どうやらこれで終わりではないようじゃの」

白龍「ゲンキョウ・・・タタナイト・・・シンのヘイワ・・コナイ ゲンキョウ・・ハジマリのシマ・・・」

「うむ エイゴーラルからよからぬ風を感じる じゃがとりあえず、お主の島は平穏が戻りよかったの」

白龍「コノシマ・・・ジキにマノテにソマル・・・アイスルモノ・・コロサレタトキのニクシミ・・・アクのミナモト・・」

白龍「ダレデモ・・アイスルモノをコロサレタトキ・・ニクシミ・・ウマレル・・」

白龍「ツヨキモノのニクシミ・・・グゲンカスル・・センニン・・キヲツケロ・・・」

白いドラゴンが飛び立つと、霧はすっと晴れていった


82: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:07:41.19 ID:XNmwduBu0
「小僧、大変じゃ、早く起きんか!」

青年「どうしたんですか・・・仙人?」

「小僧、何があってもこの小屋から出るんじゃないぞ」

青年「え? いったい何があったのですか?」

?「探しましたよ、仙人 あなたの愛する者はこの青年ですね」

黒いマントに身を包んだ男が迫る

「ならぬ 小僧を殺させはせんぞ!」

?「でも・・・もう間に合わない」

ドゴォォォォォォッォオオオン

真っ赤な光が青年に迫る

「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

青年「仙人! 仙人! しっかり!」

?「あなたに死んでもらうわけにはいかないのですよ 魔王になるのはあなたなのですから」

青年「くっ 下がれ、私が相手だ!」

?「ふふふ、仙人の愛する者よ 死ぬがよい・・・ぐはぁぁっ」グワァァァァァァx

「はぁ・・・はぁ・・」

青年「う・・・・仙人? 仙人!?」

「小僧・・・見るな・・・わしは・・」

青年「仙人!!!!!!!」

青年「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおお!!!」

青年のから邪悪なものが吹き出した

?「・・・・ほう、嬉しい誤算ですね お前のような若造が魔王となりえるなんて」

青年「ぐわぁぁぁっぁぁっぁぁぁ」



「よかった・・・死を受け入れる準備をしていて・・・本当によかった・・・姿は残さぬぞ・・小僧、お主の記憶、わしが持っていく」

糸が切れたように青年が倒れこむ

と同時に、仙人の体が蒼く光り、一筋の光となって空に舞い上がった

「全ての元凶を断つものよ 光と闇を分けることのできるそなたに、この記憶を残す」


83: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:08:31.87 ID:XNmwduBu0
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84: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:09:09.73 ID:XNmwduBu0
ふっと蒼い光は消える

翁「そう、魔王となった自覚がなければ使い物にならないのじゃよ」

翁「英雄殿、そなたが魔王となってくれたことは誠に嬉しい誤算ではあったが、記憶を持っていかれるとはこれまた誤算じゃった」

悪ガキ「お、お前が・・・」

秀才「そんな、だって、あの男と姿が全く違う!」

翁「そうじゃのう・・・この姿も気に入っておったのじゃが・・・やはり吾輩は元の姿にもどるべきですかね?」

太っちょ「あ、あのマントの男だ!!」

幼女「あぅ・・・」ぶるぶる


85: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:09:39.61 ID:XNmwduBu0
マントの男「吾輩は全ての始まりの地、エイゴーラルより参じた者 コクゴドル、そしてこのスウガ・クーナを魔の力で支配するために」

マントの男「コクゴドルでは欲深い男をそそのかし、黒きドラゴンの愛する女を殺させました」

マントの男「だが、かの地は失敗に終わってしまいました もう少しのところであったのですが しかし、この地を支配した後、またやり直せばいいだけのことです」

マントの男「この地では、この男は英雄です それもそのはず、この地始まって以来の戦争を止めたのですから」

マントの男「戦争は武器を始め科学の力を育ててしまう 魔王に対抗する力は早いうちに摘んでおかねばなりませんからね この男に知恵を貸して止めましたよ」

マントの男「おかげで、この地で英雄に敵う者はいなくなりました 魔王の力を身につければ、もう誰にも止めることができないでしょう」


86: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:10:12.25 ID:XNmwduBu0
マントの男「さて、英雄殿 そろそろお時間ですよ」

英雄「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゴォォォォッォオォォオオ

悪ガキ「てめぇぇ!! 英雄を元に戻せ!!」がしっ

マントの男「う・・・・・・ くっ そうか、お前は危険だな」

マントの男「少年よ、お前はまだ知らない お前はこの世界の運命を握っている 危険な芽は早く摘んでおかねばな ここで殺させてもらう」

秀才「そうはさせませんよ!」

太っちょ「悪ガキがなにを握ってるか知らないけど、お前なんかに殺させるもんか!」

幼女「あ・・うぅ・・」ぶるぶる


87: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:10:46.15 ID:XNmwduBu0
英雄「グアァッァアアァァァッァァァ」

ドゴォォッォオォッォォォオォォォォォォォォx

マントの男「なかなか派手に暴れてくれますね こうなれば、吾輩が直接手を下すまでもなく、魔王が片付けてくれることでしょう」

グワァァァァァアァアァァアッ

悪ガキ「うわぁぁぁっ!!!!!」



物凄い勢いで弾き飛ばされる悪ガキたち

悪ガキ「・・・みんな、大丈夫か・・・?」

秀才「なんとか・・・」

太っちょ「・・おい! 幼女が!!!」


88: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:11:23.32 ID:XNmwduBu0
英雄は剣を振り上げ、幼女に向かって振り下ろした!

ガキィィィイイイイイイイン

?「コポォォォォォwwwwww 幼女タソはパパがお守りいたすぅwwwwwwww」

幼女「・・・パパ・・・?」

突如空を何かが遮った

純白のドラゴンが上空を旋回している

そのドラゴンの背から、一人の男が舞い降りてきた


89: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:11:56.26 ID:XNmwduBu0
マントの男「くっ 少年たちの周りに張っていた結界が消えてしまったか」

マントの男「あとは頼みますよ、“英雄殿”」

マントの男を黒い影が包み込み・・・跡形もなく消し去った



?「まったく、メモ書きしか残さないで、よくこんな所まで来たもんだな」

悪ガキ「・・・・・・・父ちゃん・・・?」

ぽんっ

?「心配したぞ・・・」


90: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/30(土) 23:12:30.58 ID:XNmwduBu0
その日、7年ぶりに雨が止んだ

民衆は歓喜した

太陽は地上を優しく照らし、その光はまるで地上を労わるかのようだった

やがて太陽は空を焼き、沈んだ

真紅に 橙に紫に

まるで、明日もきっと地上を照らすからと、約束するかのようだった


105: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:05:51.84 ID:Jq00wFuC0
第一章 英雄「雨も止まないし掃除でもするかな」



第二章 悪ガキ「雨も止まないし俺んちでゲームしようぜ」


106: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:06:25.57 ID:Jq00wFuC0
太っちょ「賛成! でもそれいつものことじゃんw」

秀才「僕たちは悪ガキくんの家に居候させてもらっている身ですからわがままは言えませんが、僕が勉強をしている間は静かにしてもらいたいですね」

幼女「ねーねーわたしも行っていい?」

悪ガキ「おう、もちろんだぜ!」

太っちょ「あ、先生が来たぞ!」


107: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:06:59.40 ID:Jq00wFuC0
先生「はぁい皆さん♪ 帰りの会をはじめますよぉ」ブリブリ

悪ガキ「せんせーい なんか●●●してるみたいな音がするんですけどーw」

秀才「悪ガキくん! なんてこと言うんですか!!」

先生「もぉ悪ガキくんったらぁ そんなこと言うとお仕置きしちゃうぞっ☆」ゴォォォォ

悪ガキ「本当にごめんなさい」


108: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:07:31.02 ID:Jq00wFuC0
先生「みんな気をつけて帰るんですよぉ♪」ブリブリ

一同「はーい」

太っちょ「先生、今日は幼女のお父さんが帰ってくるんでしょ?」

先生「そうよぉ♪ だから今日は幼女ちゃんを早く家に帰してね♪」

悪ガキ「いやぁ戦いの授業がないと退屈だもんな 一週間ずっと魔法の勉強ばっかりだったし」

秀才「悪ガキくんは授業中もふざけてばかりでしょう!」

幼女「ママ、今日はパパとお風呂入るね」にっこり

先生「パパも喜ぶわぁ♪ でも、悪ガキくんのお父さんと飲みに行くって約束もしてたしぃ 悪ガキくんの家から帰るときにパパも一緒に連れてきてね♪」

幼女「はぁーい」


109: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:11:20.16 ID:Jq00wFuC0
<悪ガキ家にて>

悪ガキ「父ちゃん、ただいまー って珍しく外に出てるのかな」

秀才「もう幼女さんのお父さんと酒場に行ってしまったのかもしれませんね」

太っちょ「ポテチ! ポテチ! さぁゲームしようよ」

幼女「わたしこれやりたーい」



悪ガキ「しっかし今日は朝からずっと雨だな」

秀才「僕たちは憂鬱ですけど、草花にとっては嬉しい雨なんですよ」

太っちょ「野菜もしっかり育つしな!」

幼女「あめあめふれふれもっとふれー♪」


110: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:12:10.08 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「ふー楽しかったぜ」

太っちょ「チョコうまー」

秀才「そろそろ幼女さんは家に帰った方がいいでしょう」

幼女「えーもうちょっと遊ぶ」

コンコン

悪ガキ「あれ?父ちゃんか? はーい」

?「ごめんくだされ おやおや、君たちだけですかの? わしは翁と申す者、しばしお話を聞いてはくれぬか」


111: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:21:12.11 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「どうしたんだじいさん?」

翁「率直に申すがの、お主たち、世界を救ってみんかね?」

秀才「・・・どういうことですか?」

翁「うむ ここから海を渡った所にあるスウガ・クーナという大陸が、今や滅亡の危機に瀕しておる いや、徐々に世界を滅亡させるであろう」

翁「お主たちは選ばれたのじゃ お主たちでないと、スウガ・クーナを救うことはできぬのじゃ」

太っちょ「す、すげー・・・ほんとかよ・・・」

翁「性格に言うとじゃな、かの地を守る英雄の手助けをして欲しいのじゃよ」

悪ガキ「なーんだ、俺らが救うわけじゃないのかよ それで、その英雄を助けたら世界を救えるのか?」

翁「うむ スウガ・クーナを救うことができれば世界も救われる」

悪ガキ「よーし、じゃあ行こうぜ、みんな!」


112: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:23:49.06 ID:Jq00wFuC0
秀才「ちょっと待ってください悪ガキくん そんな簡単に・・・」

翁「ふむ・・・時には怪我人も出るであろう 回復のできる者がいればよいのじゃが」

秀才「・・・」

翁「そうじゃ、かの地でしか食べることのできないものもある お主たちにはたんとそれも食べてもらいたい」

太っちょ「・・・・!!!!!」

翁「そなたも・・・来てくれるかの?」

幼女「あ・・悪ガキくんたちが行くのなら・・・」

翁「うむ、ありがたや さっそく出発しようかの」


113: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:24:23.31 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「父ちゃんにメモを残しとこう」

秀才「事情が事情ですから、詳しくお願いしますよ」

太っちょ「悪ガキのお父さん、俺らがいなくなって寂しくないかなw」

悪ガキ「うるさい俺らがいなくなって、安心してゲームするんじゃね?w」

幼女「パパ・・」

悪ガキ「ああ、幼女のことも書いておくから、幼女の父ちゃんにも伝えてもらおう」



翁「それでは、準備はよいかな」

翁「港まではこれで行く」

ゴロゴロゴロ

翁「さあ、乗るがよい」

悪ガキ「すっげー高級車!」



翁「本来ならばあの少年一人でよいのじゃが・・・話が漏れるのは遅ければ遅いほうがよいからの・・・」


116: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:31:05.33 ID:Jq00wFuC0
その頃

<酒場にて>

幼女パパ「妻からたまには外に連れ出すようにと頼まれたでござるwwwwww ヌホホwwww」

悪ガキ父「ああ、すまんな 子供たちも大きくなったし、妻は大聖堂の方に行ってるし、完全に引きこもりを謳歌してた」

幼女パパ「悪ガキ母タソが大司教様とはwwwwwww すごい出世でござるなぁwwwwww」

悪ガキ父「ああ、あいつは人に好かれるからなぁ あいつの人徳だよ それと、あの魔王の城を大聖堂にすることは、あいつが言い出したことだしな」

幼女パパ「マスター、もう一杯頼むでござるwwwwww コポォwww」

店員「幼女パパ殿、少し飲みすぎではありませんか?」

幼女パパ「フノォwwww 店員タソ、ここでバイトしていたのでござったなwwwwww」

店員「もちろん稽古も続けています また手合わせをお願いいたします」


117: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:38:36.20 ID:Jq00wFuC0
<港にて>

翁「船は用意してあるからの さあ、これに乗るがよい」

悪ガキ「なんだかワクワクしてきたな!」

秀才「悪ガキくん、僕たちは英雄さんの邪魔をしないようにですね・・・」

太っちょ「聞いてない聞いてないw」

幼女「・・・くしゅん」


118: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:39:08.37 ID:Jq00wFuC0
<船上にて>

翁「さて、少し説明をしておこうかの」

翁「お主らが住む大陸、コクゴドルはその昔、モンスターの恐怖に襲われたという」

秀才「本で読んだことがあります」

翁「うむ そのモンスターが、今や我が大陸に現れたのじゃ」

翁「英雄のおかげで、今はなんとか平穏が保たれているがの じゃが、このままでは・・・」

悪ガキ「それで、俺らが英雄を助けることで何が変わるんだよ」

翁「うむ お主らは選ばれたものだと言ったの お主らが英雄を導く先に、全ての元凶へと辿り着くしるべがあるのじゃよ」

太っちょ「なんかよくわかんないけど・・・」

幼女「あ・・陸が見えてきた!」


119: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:39:41.36 ID:Jq00wFuC0
翁「ふむ・・・先程からこの船を狙っているのはわかっておったぞ」

海面に大きな影が浮かび上がる

ザパァァァァァァアァァァァア

鯨モンスターが現れた!

悪ガキ「うわぁぁあぁぁ!!」

太っちょ「で、でかい!!」

秀才「た、た、食べられちゃいますよ!!!」

幼女「あぅぅ・・・・・」ぶるぶる

不意に辺りが眩しく光り、稲妻が陸から放たれた!

グワァアアアアアアアアアアアアアアアア

鯨モンスターは倒れた!



悪ガキ「助かったぁ・・・・」

翁「あの者が、この地を守る英雄じゃよ」

秀才「凄い・・・あんな巨大なモンスターを一撃で・・・」

太っちょ「かっこいい!」

幼女「怖かったぁ・・・」ぶるぶる


120: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:42:20.63 ID:Jq00wFuC0
<港にて>

「英雄様がお助けくださった!」

「ありがとうございます!」

秀才「さすが、英雄ともなれば人気も抜群ですね」



翁「うむ そなたのおかげで船が沈まずにすんだわい」

英雄「いえ、間に合ってよかったです ん?この子たちが・・・」

翁「そなたに付いて旅をするよう伝えてある」

悪ガキ「よーし、冒険開始だ!!! 雨なんかへっちゃらだぜぃ!」


121: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:43:26.29 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「なんか変なコート着せられたなぁ」

秀才「雨が常に降っているなんて、考えられませんね」

太っちょ「腹減ったぁ・・・」

幼女「寒いぃぃ」ぶるぶる

英雄「さあ、ここが休憩所だよ ここでしばらく休んでから、私の屋敷へ向かおう」







英雄「みんな、準備はいいかい?」

悪ガキ「おー!」

太っちょ「腹が・・・腹が・・・」

幼女「太っちょくんお腹なでなで」

秀才「さあ、行きますよ! 英雄さんを困らせないでください!」

英雄「屋敷に着いたらたらふくご馳走を用意するよ」

太っちょ「さあ行こう今すぐに!」


122: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:53:35.22 ID:Jq00wFuC0
<英雄の屋敷・寝室にて>

悪ガキ「ふー食った食った」

秀才「悪ガキくんのお父さん、メモ読んでくれたでしょうか」

太っちょ「勢いで出てきちゃったけど、今思うと大人に相談するべきだったよね」

幼女「パパ・・ママ・・」



その頃

悪ガキ父「隣の大陸を救いに行ってきます! 秀才、太っちょ、幼女も一緒だ とだけ書かれたメモが一枚」

幼女パパ「フヌカポォwwwwww 幼女タソも一緒でござるかwwwwww コポォwwwww」

悪ガキ父「ったく、すぐにあとを追おう」

幼女パパ「おや、あの白い石が光っているでござるよ」

悪ガキ父「これは白龍の・・・」

ドンドンドン

悪ガキ父「こんな時にお客さんか・・・どうぞ」

赤髪の女「あの、街の外に! お二人を迎えに来たみたいです!」


123: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 18:54:15.86 ID:Jq00wFuC0
翌朝

悪ガキ「くはぁーよく寝た! みんな起きろ! 冒険に出発だぞ!」

秀才「・・・悪ガキくんはこんな時ばっかり早起きなんですから 普段は遅刻ばっかりなのに」

太っちょ「ぐがぁぁ ごぉぉぉ」zzzzz

幼女「にゃむ。。 おはよー」

コンコン

メイド「朝ごはんの用意が整いましたよ」

太っちょ「はっ」がばっ



メイド「翁様、英雄様御一行が旅立たれました」

執事「子供たちの武器はこちらでご用意させていただきました」

翁「うむ、ご苦労じゃった さあ、お主らは先にエイゴーラルへ」

メイドと執事の体がみるみる変化していく

魔物A「お先に失礼いたします、大臣閣下」

魔物B「それでは」

翁「少年よ、魔王を導き給え」


124: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:00:31.21 ID:Jq00wFuC0
<フィールドにて>

悪ガキ「なあなあ、俺の剣かっこいいだろw」

太っちょ「いいなぁ 俺が渡されたのこん棒だよ・・・」

秀才「僕は魔力の上がるメガネです」

幼女「わたしは・・魔法のステッキ」ふりふり

悪ガキ「お、モンスターがいたぜ! うおぉぉぉ!」

秀才「悪ガキくん! 英雄さんの指示を受けてからにしてください!」

英雄「いや、いいんだよ ただ危なくなったら、私が間に入るからね」


125: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:01:04.59 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「なあ兄ちゃん、さっきの村の人、みんな引っ越しちまうんだろ?」

英雄「うん ダムの建設のために協力してくれるんだ」

秀才「でも・・・住み慣れた場所から移動するのは辛いでしょうね」

太っちょ「この雨が止めば、そんなことしなくていいんでしょ?」

英雄「その通り 雨が止まない原因をつきとめなくてはね」

幼女「あ、山だぁ おっきいなぁ」


126: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:01:38.41 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「へっ ゴケシム山に比べたら小さい小さいw」

秀才「悪ガキくん、ゴケシム山に登ったことありましたっけ?」

悪ガキ「な、ないけどさw」

太っちょ「どっちにしろ、登るのかぁ・・・がっくし・・・」

幼女「太っちょくんがんばー」

英雄「よし、行こう!」


127: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:02:10.03 ID:Jq00wFuC0
<山頂の山小屋にて>

悪ガキ「・・・・・・・うぅ・・・よく寝たぁ・・・」

秀才「ぐっすり寝てしまいましたね 英雄さんが運んでくださったのでしょうか」

幼女「いつの間にかベッドの上だねー」

太っちょ「」zzzzzzzz



悪ガキ「それにしても、俺たちが英雄と一緒にいて何が変わるんだろうな」

秀才「確かに、モンスターを倒して回るだけなら僕たちはむしろ足でまといですよね」

幼女「でも、翁さん・・わたしたちが世界を救うって言ってた・・」

太っちょ「がはっ 飯!!!!!」


128: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:02:40.87 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「ふー食ったなぁ」

秀才「それにしても、すごいお話を聞くことができましたね」

幼女「悪ガキくん・・すごい・・」

秀才「たしかに、英雄さんが必要としていたのは悪ガキくんの力だったんですね それにしても、この悪ガキくんにどんな特別な力があるのやら・・・」

悪ガキ「なにぃwww」

太っちょ「」zzzzz


129: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:03:14.23 ID:Jq00wFuC0
<フィールドにて>

悪ガキ「んーこっちに進みたい気がするんだけど・・・ってなんか見えてきたぞ」

秀才「湿地・・・でしょうか」

太っちょ「うへぇ・・・あそこ渡るのかよぉ」

幼女「水たまりちゃぷちゃぷ」

英雄「なんだか・・・後を付けられているような気がするな」


130: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:03:48.14 ID:Jq00wFuC0
<湿地にて>

悪ガキ「なんか、でっかい水たまりがいっぱいだな」

英雄「この湿地帯を抜けたら、岩場に出るんだ 岩場には洞窟もいくつかあるから、今日はそこで休もう」

太っちょ「うへぇ・・・まだ歩くのかよぉ・・・」

秀才「さあ、文句言わずに・・・うわぁぁ!!!」

バシュゥゥゥゥゥゥ 秀才の体を逸れて光が飛んでいく

英雄「魔法弾!?」

幼女「ふぇ・・!? なになに・・?」


131: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:04:24.27 ID:Jq00wFuC0
英雄「みんな、走って!」

悪ガキ「俺も戦うぞ!」

英雄「だめだ! 悪ガキくん、みんなを連れて逃げてくれ!」

秀才「さあ、行きますよ!悪ガキくん!」

悪ガキ「くそぉ 絶対やられるんじゃないぞ!」


132: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:04:56.38 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「はぁはぁ・・・みんなついて来てるか!?」

秀才「太っちょくんと幼女さんが遅れています!」

太っちょ「ぜぇぜぇ・・・待ってくれぇ・・・」

幼女「はぁ・・はぁ・・きゃっ」

バシュゥゥゥゥゥゥゥゥ

悪ガキ「なんだ!?」

武装団「おうおう、こっちはガキだけか お前らも英雄の仲間だろう 死んでもらう!」



悪ガキ「ちぃ うりゃあぁあ」ガシュッ

武装団「へっ 一丁前に武器なんか持ってよぉ でもまともに戦うこともできないだろうがw」

バシュウゥゥゥゥウ

悪ガキ「ぐあぁぁぁぁぁっ」

秀才「悪ガキくん! 小回復魔法!」

武装団「ん? お前たち魔法が使えるのか? 気に入らねえなぁ 蜂の巣にしてやるぜw」

太っちょ「うわぁぁぁぁぁ」ボゴッ

武装団「!?」ドサッ


133: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:05:27.29 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「痛ってぇ・・・」

秀才「動かないでください! 小回復魔法!」

太っちょ「だんだん傷が小さくなってきたな」

幼女「ごめんなさい・・わたしがもたもたしてたから・・見つかっちゃった・・」

悪ガキ「お前のせいじゃねーよ・・・ って!?」

武装団「動くなよ・・・ガキのくせに・・」

秀才「幼女さん!!」

幼女「あぅ。。。。」ぶるぶる


134: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:05:59.07 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「てめぇ・・・幼女を離せ!」

武装団「そうイキがるなよ・・・全員蜂の巣にしてやるんだからよ とりあえず、この女がどうなるか見てろや・・・うっ」

上空に黒い球体が現れた

武装団「ぎゃぁぁぁあぁ」

武装団は球体に吸い込まれ・・・消えた

秀才「な・・・今のは・・・」



?「まったく・・・計画を邪魔する人間どもめ・・・ あの少年が消えてしまっては、仙人の記憶へ辿り着くことができませんからね・・・」

?「英雄の中の魔王を覚醒させるためにも・・・仙人の記憶へと導いてもらわねばなりません・・・」


135: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:06:30.35 ID:Jq00wFuC0
英雄「おーい、君たち、無事かい? 一瞬だが、結界を解いてしまった・・・」

悪ガキ「おーい兄ちゃん!」

翁「うむ まずは一刻も早く今夜の寝床を探さねばの」



その頃

幼女パパ「この大陸にいるのは確実なはずwwwwwwww ウヌゥwwwww」

悪ガキ父「子供達の気配が全く感じられない・・・

幼女パパ「白龍殿、疲れてはござらんか? ヌホォ」

白龍「シンパイ・・イラナイ・・・」

悪ガキ父「!!! きたぞ! 白龍、右に進路を変えてくれ!」

幼女パパ「フヌカポォwww 幼女タソはパパがお守りいたすぅ」


136: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:07:03.93 ID:Jq00wFuC0
<岩場の洞窟にて>

(小僧・・・)

(起きんか!)

(洞窟を出るんじゃ そこから思うままに歩いてみい)

悪ガキ「うるせーな・・・俺は小僧じゃないぞ!」

悪ガキ「あれ・・・夢?」

悪ガキ「・・・・・ちょっとションベン・・・」



悪ガキ「ふう・・・間に合った・・・」

悪ガキ「あれ? なんだろうあの光・・・」

悪ガキ「綺麗だな・・・」



英雄「おーい、悪ガキくん どこだい?」


137: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:14:16.38 ID:Jq00wFuC0
<上空にて>

悪ガキ父「一瞬だが、子供達の気配を感じた」

幼女パパ「でも、また消えてしまったでござるか・・・・・ノフォオォ・・・」

白龍「ケハイ・・・ワザトケサレテル・・・ダレカがケシテイル・・・」

悪ガキ父「そうとしか思えないな」

白龍「タブン・・・マオウ・・コノタイリクのマオウ・・」

幼女パパ「なんですとぉ!!!!!フヌゥ」


138: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:14:50.88 ID:Jq00wFuC0
白龍「コノアメ・・マオウがイルカラ・・・ ワタシタチのタイリク・・ハナがカレタ・・コノタイリク・・アメがヤマナイ・・」

悪ガキ父「魔王がその大陸を脅かすとき、副作用のような現象が起きるのか?」

白龍「マオウにナッタモノがスキなモノ・・・キエテシマウ・・・マオウにナッタモノがキライなモノ・・・アフレル・・」

幼女パパ「今回の魔王もなりたくてなった訳ではないのでござるな・・・・フヌゥ・・・」

白龍「マズは・・・マオウ・・タオス・・ホントウのイミで・・・ソレカラ・・シンジツ・・・ハナス・・・」

幼女パパ「真実・・・でござるか・・ヌホォ」

悪ガキ父「!!!きた!  白龍、あの岩場だ!」


139: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:15:36.97 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ父「・・・・! あれだ!!」

幼女パパ「どうなっているでござるかwwwwwwwwwクホォォォ」

白龍「ジャアクなチカラ・・・カンジル・・・マオウ・・」

悪ガキ父「魔王は・・人間なのか?」

幼女パパ「クホォwwwwwww 幼女タソwwwwwwww」 ぴょん ピュゥゥゥゥゥゥゥッゥゥゥゥゥゥ

悪ガキ父「飛び降りよった 無理しやがって・・・」



悪ガキ父「俺も行く!」スッ ピュゥゥゥゥゥッゥウゥゥゥゥゥ

ダッ

悪ガキ父「悪ガキ・・・ 心配かけやがって」


140: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:20:39.78 ID:Jq00wFuC0
魔王「・・・・・・・・・・・・・・・・・・魔法剣・暴風 装備」

凄まじい風が巻き起こる!

グオォォォオオオオオオォォオオォォォォォォォォ

幼女パパ「くっ みんな拙者の後ろに隠れるでござるwwwwww ヌホォォwwww」

悪ガキ父は大きく息を吸い込み、吐くと同時に正拳突きを放った!

ゴォォォッォォォッォォオォォォォォォォォォォォ

風は凪ぎ、静寂が訪れた


141: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:21:11.70 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ父「魔王の倒し方はわかっている だが今回はその方法を実行できないな 俺はお前の過去を知らない 鍵となる人物も知らない」

魔王「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

悪ガキ父「なんだか親父を思い出す・・・親父もこんな心境だったのか」

悪ガキ父「頼む! 俺がこいつを食い止める! 白龍に乗ってこいつを倒す鍵を見つけてきてくれ!」

幼女パパ「しかしぃ・・・・フヌゥ・・・」

悪ガキ父「とにかく、子供たちだけでも避難させるんだ!」

幼女パパ「・・・・・わかったでござる!!!! コポォォォォ」

幼女パパは子供たちを抱えて駆け出した





悪ガキ父「さぁて 少し付き合ってもらうぞ」

魔王「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ


142: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:21:58.52 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「父ちゃん! 父ちゃん!」

幼女パパ「悪ガキくん、お父さんは負けないでござるよwwwwwww」

悪ガキ「だって・・・いっつもゲームばっかりしてて・・引きこもってて・・・」

幼女パパ「それでも、拙者たちの勇者殿でござるwwwwwwwwwwwwwwwコポォwwwww」

悪ガキ「勇者・・・・」

秀才「そ、それじゃあもしかして・・・僕たちの国の魔王を倒したっていう勇者様は・・・」

太っちょ「悪ガキのお父さんってこと!?」

幼女「ほぇー」


143: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:22:32.44 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ父は大地に拳を叩きつけた

魔王の足元が大爆発を起こす

魔王はすかさず飛び上がり、氷をまとった剣で切りつける

悪ガキ父はひらりと身をかわし、魔王に蹴りを叩き込む

魔王は片手でそれを受け止め、今度は炎をまとった剣をなぎ払う

悪ガキ父は飛び下がり、手刀で空を切る

衝撃波が巻き起こり魔王を襲う

魔王は剣を一閃し、衝撃波を消し飛ばす





秀才「凄い・・・もの凄い戦いです!!」

太っちょ「悪ガキのお父さん・・・すげぇ・・・」

悪ガキ「・・・・・父ちゃん」

幼女パパ「さあ、わかったら逃げるでござるよwww 拙者は悪ガキ父殿を信じているでござるwwwwww そして拙者は君たちをお守りいたすでござるwwww ヌホホォwwww」

幼女「・・・・・・パパ」


144: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:30:30.06 ID:Jq00wFuC0
幼女パパ「白龍殿! この子達を!」

白龍「ソノショウネン・・・ヒカリとヤミをワケルモノ・・・」

白龍「ショウネン・・・マオウ・・・タオス・・」

悪ガキ「俺・・・?」

秀才「ど、どういうことですか?」

白龍「ショウネン・・・マオウ・・・タオセル・・」

太っちょ「だから・・・どういうことなの?」

悪ガキ「俺は魔王を倒せるんだな・・・?」

悪ガキ「じゃあ・・・行ってくるぜ!!!!」

幼女「悪ガキくんっ!!」


145: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:31:11.79 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ「うぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉ!!」

悪ガキ父「な、なんで戻ってきた!!」

悪ガキ「なんかよくわかんないけど、俺は魔王を倒せるらしいぜ!!」

悪ガキ父「!!!」

魔王「・・・・・・・・・・・・・・・・・魔法剣・雷轟 装備」

グワァアァァアァアッァアアァァアッァピシャァァァァァァアァァアア

巨大な稲妻が二人を襲う!

悪ガキ父「・・・・わかった、信じよう・・」

悪ガキ父は悪ガキを放り投げた

悪ガキ「ふわぁぁぁぁぁっ 英雄の兄ちゃん!!! 目を覚ませぇぇぇぇぇぇええ!!!」

悪ガキ父は稲妻の直撃を受けた ガクッ

悪ガキ「と、父ちゃん!!」

魔王「・・・・・・・・・・・・・・」

魔王は剣を振り上げた!



悪ガキ「くっ このやろぉぉぉぉぉぉぉおお!!!」

悪ガキは魔王の腕を掴んだ

ふっと、魔王の体から邪気が消えていく・・・

英雄「・・・・・・・・・・仙・・人・・・」バタッ

悪ガキ「父ちゃん!!!!」


146: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:31:54.30 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ父「くそぉ・・・効いたなぁ でも、父ちゃんはこんな戦いをずっとしてきたんだ」

大の字で寝転ぶ悪ガキ父

悪ガキ「すげぇよ父ちゃん! 俺、見直しちゃったよ・・・」

悪ガキ父「そりゃどうも それより、お前、なんで魔王を・・・?」

悪ガキ「なんかあの白いドラゴンが・・・」


147: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:32:32.24 ID:Jq00wFuC0
白龍「ワタシもクワシイコト・・ワカラナイ・・タダ・・ショウネン・・スベテのハジマリにフカクカカワッテイル・・・」

白龍「センニンのキオク・・ミツケタ・・・センニン・・・ヒカリとヤミをワケルモノダケガ・・ソノキオク・・ミツケラレルヨウにシテイタ・・」

秀才「光と闇を分けるもの・・・確かに仙人さんの記憶の中で聞いた言葉ですね」

太っちょ「そういえば・・・あのマントの男も悪ガキに触られた時、一瞬ひるんだよね」

白龍「ヤミをヒカリにカエルモノ・・セカイをスクウ・・・」

白龍「スベテのハジマリはエイゴーラル・・・シンジツはエイゴーラルにあり・・」

悪ガキ「じゃあ・・・そのエイゴーラルに行って確かめてくりゃいいんだな?」

悪ガキ父「駄目だ」

悪ガキ「なんでだよ! 俺がその光と闇がなんちゃらの力があるんだろ? だったら・・」

悪ガキ父「お前がなんでその能力を持っているのかもわからない まだ色々と調べなければならないことが山ほどあるんだ」

秀才「そうです、お父さんの言うとおりですよ悪ガキくん」


148: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:33:12.92 ID:Jq00wFuC0
悪ガキ父「よっこらせっと・・・白龍、帰りも頼んでいいか?」

白龍「モチロン・・・」

幼女パパ「とりあえず、みんな家に帰るでござるよwwwwwwwwコポォwwww」

幼女「パパ・・・かっこよかった・・」

幼女パパ「フォォォォォッォwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

太っちょ「あれ、英雄さんが!!!」


149: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:33:44.86 ID:Jq00wFuC0
英雄「う・・・・、皆さんすみません・・・突然自分の意思で動けなくなってしまって・・・」

悪ガキ父「ああ、仕方ないよ」

英雄「感情が憎しみだけになってしまったような・・・自分が怖くなってしまいました・・」

悪ガキ父「・・・あんたも一緒に来るか?」

英雄「・・・・・そうですね 先ほどのお話、聞かせていただきました 私も、あなたがたのお力になれたらと思います」

幼女「あれー? 雨があがったぁ」

英雄「・・・・・・・ほ、本当だ・・・」


150: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:34:19.68 ID:Jq00wFuC0
雲の切れ間から、あまりにも懐かしい光が差していた

大地を濡らす雫もそれに応えるように光輝いた

長く大地を叩いた雨音は止み

飛び立つ白龍の羽音だけが響き渡った


151: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/03/31(日) 19:36:14.37 ID:Jq00wFuC0
第二章、修了です

次の第三章で、あんた勇者なんだしシリーズから続くこの冒険も一応の区切りがつくことになります



今日もここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました

 

165: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:07:56.00 ID:uK40qZmL0
では行きます



第一章 英雄「雨も止まないし掃除でもするかな」

第二章 悪ガキ「雨も止まないし俺んちでゲームしようぜ」





第三章 僧侶「雨も止んだし息子に会ってくる」


166: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:08:31.29 ID:uK40qZmL0
僧侶「晴れてよかったー」

僧侶「じゃあみんな、大聖堂のこと頼んだよー」

「はい! わたしたちがしっかり大司教様のお留守をお守りいたします!」

僧侶「さんきゅー じゃーねー」

バタン

僧侶「ここも変わったなー でもせっかくこんな城あるんだし、みんなのために使わないとねー」

僧侶「さーて、早く第1の街に戻ろー」


167: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:09:04.70 ID:uK40qZmL0
<第1の街にて>

魔法使い「はぁい皆さぁん 卒業証書を持って並んでくださぁい」ブリブリ

悪ガキ「先生、また●●●みたいな・・・」

魔法使い「悪ガキくん、それ以上いったら怒っちゃうぞ☆」ゴォォォォッォォ

悪ガキ「本当にすみませんでした」

秀才「先生、ありがとうございました 先生からはたくさんのことを教えていただきました」

太っちょ「戦いの先生も、ありがとね 俺、料理もできる戦士になりたいよ」

戦士「ヌホォwwwwww うれしいでござるなぁwwwww」

少女「パパ・・ママ・・ありがとうございました」

戦士「コポォwwwww 少女タソも大きくなったでござるなぁwwwww」

魔法使い「それじゃぁいきますぉ~ はい、チーズ☆」

パシャリ


168: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:09:40.47 ID:uK40qZmL0
勇者「いい卒業式だったな」

僧侶「だねー 子供にも久しぶりに会えたし嬉しいな あ、あとあんたにもー」

勇者「なんだよ、取ってつけたように」

僧侶「いーじゃんw」

勇者「それより、大司教ともあろうお方が職務を放ったらかしていいんでしょうかね」

僧侶「いーのいーの うちの子みんな優秀だしー」

勇者「ははは・・・そりゃよかったな」



悪ガキ「母ちゃん! ひさしぶり!」

僧侶「おー悪ガキ 元気してたー?」

悪ガキ「あったりまえだ! 俺、スウガ・クーナ行った後も修行したんだぜ! 今の俺、強いぞー!」

秀才「頭の修行はさっぱりですけどね、悪ガキくん」

太っちょ「それは言えてるw」

悪ガキ「うるせーぞ!」


169: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:10:18.15 ID:uK40qZmL0
太っちょ「なーなー、このあと第2の街に行って、俺の料理食べてみない?」

悪ガキ「それいーなw みんなで行こうぜ!」

少女「うん! 太っちょくんのごはん食べてみたい!」

秀才「全く・・・さっそく新しい勉強を始めようかと思っていたのに、仕方ありませんね」

悪ガキ「・・・ちょっと、少女 いいかな」

少女「なぁに?」





悪ガキ「なあ少女・・・お前、太っちょのこと好きだろ?」

少女「えっ/// なんでいきなり・・・」ぽっ

悪ガキ「な、そうだろ?w」

少女「う・・うん・・・優しいし・・お腹ぷにぷにだし・・・」

悪ガキ「だ、だよなw 頑張れよ、少女w」

少女「ありがと・・」



悪ガキ「・・・・・そっかぁ・・・あーあwwww」


170: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:17:56.96 ID:uK40qZmL0
<勇者宅にて>

勇者「子供たちは第2の街に行くみたいだな」

戦士「フヌゥwwwww 太っちょくんのご実家で料理を食べるそうですwwwwww」

魔法使い「暗くならないうちに帰るように言っておきましたぁ」

僧侶「ってかみんなひさしぶりー 懐かしいねーこの四人」



コンコン

英雄「お邪魔します」

勇者「ああ、英雄くん 僧侶、手紙で説明したけど、彼がスウガ・クーナの英雄だよ」

僧侶「どーも うちの子たちがお世話になったみたいで、ありがとね」

英雄「いえいえ・・・むしろ私が魔王になってしまって、彼らを危険な目に合わせてしまって・・・」

僧侶「そんなの気にしないのー ってか、エイゴーラルのこと、あんたら調べてるんでしょー?」

勇者「ああ、白龍と英雄くんの協力もあってな」

戦士「子供たちがいないうちに話してしまうでござるwwwwwwwヌホォwww」


171: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:18:35.26 ID:uK40qZmL0
勇者「悪ガキが、なぜ光と闇を分ける力を持っているのかはわからなかったが・・・どうやら、エイゴーラルの国王がその力を持っているらしい」

勇者「そして、どうやらその国王がなにかしらの禁忌を犯した それが原因で、闇の力が強くなった というより、闇を持つ感情から魔が生まれるようになった」

勇者「その感情を抱いた者の力が大きいと、その者は魔王となってしまうようだ そして、その感情とは、愛する者を失ったことにより生まれる」

勇者「白龍が言うには、エイゴーラルから計り知れない闇の力を感じるそうだ」

勇者「スウガ・クーナの事件からもう5年が経った あれからコクゴドルにもスウガ・クーナにも異変はないが、エイゴーラルを覆う闇はどんどんと大きくなっているそうだ」

勇者「そこでなんだが、一度現地に行ってみようかと思う どうだろう」

戦士「コポォwwww お供いたすでござるよwwwwwww」

英雄「はい、私もぜひ、お供させてください」


172: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:19:10.72 ID:uK40qZmL0
魔法使い「あたしは残らないとぉ 子供たちのこともあるしぃ 僧侶さんはどうしますぅ?」

僧侶「んーどうしよっかなー ウチも行こっかなー」

勇者「そういうわけにもいかないだろう 大聖堂のこともあるし」

僧侶「だってー 大司教ってかなりつまんないんだよー 息抜きしたいー」

勇者「そうは言ってもなぁ・・・」

僧侶「なにがあるかわかんないでしょー ウチ連れてくと便利だよー」ニヤニヤ

勇者「うーん」

僧侶「どーすんのー?」ニヤニヤ


173: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:20:38.64 ID:uK40qZmL0
その夜

<酒場にて>

戦士「勇者殿・・・・僧侶タソに言わないでよかったのでござるか・・・? ヌホォ」

勇者「まあ・・・まだ確信が持てる話ではないしな」

戦士「白龍殿の話では・・・僧侶タソは・・・」

勇者「エイゴーラルの国王が犯した禁忌の証・・・」

戦士「信じたくはないでござるな・・・・ウヌゥ・・・」

勇者「なあ戦士 あいつが両親について語ったときのこと、覚えてるか?」

戦士「大草原に生えた一本の木の下で、でござったなぁwww」

勇者「ああ  あいつはこう言ったんだ 『ウチが生まれてすぐ両方死んだってさー』つまり、あいつは自分の出生について何も知らないんだ」

戦士「うむぅ・・・・ホヌゥ・・・」

勇者「まあとりあえず、明日からエイゴーラルに乗り込んで、全てを探ろう あいつに伝えるのはそれからでも・・・」

戦士「悪ガキくんは置いていくでござるか・・・?」

勇者「もし俺たちが調べたことが本当なら、あいつにとって残酷な旅になるからな・・・」


174: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:36:44.04 ID:uK40qZmL0
翌朝

<港にて>

勇者「それじゃあ、行ってきます」

戦士「少女タソ、パパがいない間も元気にしてるでござるよぉwwwww」

英雄「皆さんのお役に立てるよう、頑張って参ります」

僧侶「じゃーね悪ガキ、いたずらばっかりするんじゃないよー」



悪ガキ「なーなー父ちゃん、母ちゃん、俺も連れてってくれよ!」

秀才「今回の旅は皆さんが悪ガキくんの力の秘密を探ってくださるためのものなんですよ! おとなしく待っていましょう」

悪ガキ「でもよぉ・・・」

勇者「悪ガキ、これを持っていろ」

勇者は白く輝く石を差し出した

勇者「お前の力が必要になったらちゃんと呼ぶからな」

悪ガキ「・・・・わかった 待ってるぜ!」

魔法使い「みなさぁん、船に風の魔法をかけましたぁ スピードが速くなったと思いますぉ~」

戦士「さすが魔法使いタソwwwwwwwwwwwヌホォwwww」


175: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:37:15.79 ID:uK40qZmL0
<船上にて>

僧侶「それにしてもさー なんでウチらの子供がそんな力持ってるわけー?」

勇者「そ、それはだな・・・」

僧侶「まーあんたの子供だしねーw 勇者の子は勇者って感じかなーw」

勇者「ははは・・・」

戦士「ヌホォwwwwww 釣り上げたでござるよwww 今日の食料でござるwww」

英雄「戦士さん、さすがです、こんな大きな魚をお一人で釣り上げるなんて」



勇者「魔法使いのおかげでもう少しでエイゴーラルに着きそうだ」

戦士「魔法使いタソォwwwwwww最高でござるwwwww」

英雄「皆さん! 海面に無数の影が!!」


176: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:37:55.59 ID:uK40qZmL0
ザパァァアァッァァァアアッァァァ

鮫モンスターが現れた!

鮫モンスターは船に襲いかかった!

勇者「邪魔を、するな!」ドゴォォォォォォォォォォオオ

勇者は鮫モンスターに拳を叩き込んだ1

戦士「フヌカポォwwwwwwwwww」グワァァアァァッァッァァ

戦士は巨大な斧を振り回した!

英雄「魔法剣・雷 装備!」ピシャァァッァァァァァアア

英雄「そ、僧侶さん!! 危ない!!」

僧侶「鏡面結界 展開」

鮫モンスターの攻撃は跳ね返された!





勇者「さて、見えてきた エイゴーラルだ」

戦士「上陸したら魚を焼くでござるwwwww 英雄殿、火を出していただくでござるよwww」

僧侶「なんかー マジ久しぶりに戦ったんだけどー なつかしー」

英雄「凄い人たちだなぁ・・・ 私も足でまといにならないようにしなければ」


177: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:38:50.21 ID:uK40qZmL0
<エイゴーラル・港街にて>

勇者「誰もいないな 市場も閑散としている」

戦士「家の明かりは付いているでござるなぁ・・・・フヌゥ・・・」

僧侶「ってかー、なんかこの島暗くない?」

英雄「闇に覆われているとは・・・まさに文字通りですね」



勇者「とりあえず、今日泊まる宿屋を探そう」


178: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:39:21.63 ID:uK40qZmL0
<宿屋にて>

勇者「しかし・・・客は俺たちだけか」

戦士「宿の主人も、拙者たちが入って来るのをみて酷く怯えていたでござるな・・・・ウヌゥ」

英雄「なにかを恐れているのでしょうか 街の中にモンスターなどはいなかったようですが・・・」

僧侶「んー、なんか雰囲気? そういうのにビクビクしてんじゃないのー?」

英雄「なるほど・・・」



戦士「勇者殿、悪ガキくんの力が必要になったらお呼びするでござるか? ヌホォ」ヒソヒソ

勇者「いや、俺は呼べない・・・ 白龍の判断で連れてきてもらうことになってる」ヒソヒソ


179: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:39:56.62 ID:uK40qZmL0
翌朝

<フィールドにて>

勇者「モンスターがうじゃうじゃいるな・・・」

英雄「さすがに、全ての元凶の地だけありますね」

戦士「むむ!! あそこで人が襲われているでござる!!!! フヌゥ!!」

僧侶「やばくなーい? しかもあれ魔物じゃねー?」



魔物「貴様! 海外に逃げようとしているだろう」

女性「離してください! お願いします!」

魔物「そうはいかないなぁ 海外逃亡は死刑と決まっている」

戦士「コポォwwwwwwwww」 戦士は斧を振り回した!

英雄「魔法剣・氷牙 装備!」ピキピキピキピキィィィ

魔物は倒れた!


180: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:40:31.16 ID:uK40qZmL0
女性「はぁはぁ・・・ありがとうございます・・・」

英雄「この大陸から抜け出そうとされているんですね?」

女性「はい・・・ 港街に知り合いがいます・・その知り合いに船を出してもらうので・・」

勇者「・・・もしよかったら、この国に何が起きているのか教えてもらえないか?」

女性「申し訳ございません・・・先を急いでおりますので ですが、ここからしばらく行った街で、色々と知ることができると思います」

戦士「しかしぃ・・・また魔物やモンスターに襲われるかもしれないでござるよ・・・ヌフゥ」

僧侶「あーウチが港まで送ってくるよ あんたら先に行ってて」

勇者「そうか・・・頼んだぞ」


181: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:41:05.77 ID:uK40qZmL0
英雄「さっきの女性・・・なんだか変な感じがしました 翁・・・あのマントの男によくにた気配でした」

勇者「ああ 僧侶も何か感じたんだろう」

英雄「僧侶さん一人で・・・大丈夫でしょうか?」

勇者「あいつはああ見えて意外とやるやつだ 大丈夫だよ」

戦士「フヌォwwwwww 信頼関係でござるなぁwwwwww」


182: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:59:15.02 ID:uK40qZmL0
<港街にて>

僧侶「ねーあんた、一体何者なのー?」

女性「・・・気づいておられましたか」

僧侶「んーなんか邪悪な気配? って感じ」

女性「そうでしたか・・・・では」

女性はその場でくるりと回転し、一瞬でマントの男となった

大臣「吾輩はエイゴーラル国の大臣でございます」

僧侶「ウチらの大陸と英雄くんの大陸で悪さしてたんでしょー?」

大臣「これはこれは、やはりご存知でしたか 二つの大陸での計画は失敗に終わりました ですが、本来はこの国さえあればよかったのですよ 時間はかかりましたがね」

僧侶「あんた、何しようとしてるの?」

大臣「なぁに、あなたには関係のないことですよ  それより・・・」

大臣「ご立派になられましたなぁ 王妃様」


183: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 18:59:47.15 ID:uK40qZmL0
僧侶「・・・は? なにそれー?」

大臣「正確には王妃様ではないのでしたね 別の命ということですから ただ、王妃様の生き写しだ」

僧侶「・・・どういうこと?」

大臣「そうですねぇ あなたの出生の秘密、教えて差し上げましょう」


184: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:07:32.02 ID:uK40qZmL0
大臣「その昔、 世界はこの国の王がお守りになられていました」

大臣「この国の王家には代々、光と闇を分けることのできる能力が備わっておりました」

大臣「どんな悪人の心の闇でも光へと変えることができたのです 世界は平和でした あの日までは」

大臣「ある日、国王の愛する王妃がお隠れになりました もともと病気がちな方で、最後も激しく咳き込まれながら国王の名前をお呼びになられていました」

大臣「国王は絶望に陥りました 七日七晩泣き明かし、八日目の朝、ついに禁忌を犯してしまわれました」

大臣「国王は光を一箇所にお集めになったのです 命は光より生まれるもの ですが、それは光がゆっくりと時間をかけながら命となるのであって、故意に光を集めるわけではありません」

大臣「国王はそれをおやりになったのです 辺りから故意に光を集め、そして王妃様を復活させようとなさいました」

大臣「もちろん、王妃様とは違う命ですので、全くの別人が生まれるわけですが、その当時の国王はそんなことなどどうでもよかったのかもしれません」


185: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:08:05.09 ID:uK40qZmL0
大臣「国王が一箇所に光を集めたと同時に、闇も生まれました 光の周りには闇があるものです 闇は国王を包み、やがて飲み込んでしまいました」

大臣「国王は光を集めて生み出した子を、まだご自分の意思があるうちに封印し、船に乗せてこの大陸から逃がしました」

大臣「封印は、誰かがその子を育てる時まで成長を止める作用がありました すやすやと、その子は何十年も眠り続けました」

大臣「もうお気づきですね それがあなたです あなたは幼い頃から親戚だという人間たちに育てられたのでは?」

僧侶「・・・そーだけど・・・」

大臣「あれはまだ人間としての感情があった吾輩が、最後に行った仕事です あの人間たちの記憶を書き換えました おかげで人間として使える魔法は、それが最後となりましたが」

僧侶「・・・あんた、今は人間じゃないの?」

大臣「そうですねぇ 吾輩は国王の間近にいた人間の一人です 吾輩も闇に飲まれてしまったのですよ」


186: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:08:39.88 ID:uK40qZmL0
大臣「闇に飲まれてからは、この世界を闇の力が支配することを夢見るようになりました」

大臣「色々と試しましたねぇ 魔王の体から賢いモンスターが生まれたのを見つけては、より賢い魔物へと進化させました」

大臣「大陸ごとに魔王を作り、闇の力で支配する これが吾輩の当初の計画でした ですが、その結果はご存知のとおり」

大臣「ですが、吾輩と国王の力があれば、この大陸さえ闇で支配できていればいずれ世界を支配することになる そう気がついたのですよ」

大臣「時間はかかりましたが、もう準備は整いました それに伴って・・・」

大臣「勘のいいあなたはもう気がついているかもしれませんね そうです あなたが存在していることが、この闇の支配に不可欠なのですよ」

大臣「あなたという光が生まれたおかげで、こうして闇も栄えることができている となると、あなたには滅多なことはしていただきたくないわけですよ・・・」プスッ

僧侶「うっ・・・・・」

僧侶の意識が遠のいていく・・・・・・・・・・・


187: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:16:30.56 ID:uK40qZmL0
<コクゴドルにて>

白龍「・・・・・トキがキタ・・・・ショウネン・・・」



<第1の街にて>

悪ガキ「熱ちち!! なんだ? 尻が熱い!」

秀才「悪ガキくん! ポケットの中が!」

太っちょ「光ってる・・・」

少女「悪ガキくん・・呼ばれてるんじゃ・・」



悪ガキ「あ! あの白いドラゴンだ!」

秀才「まっすぐこの街に向かっています 街の外に出ましょう!」

太っちょ「よし!」

少女「うん!」


188: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:17:14.79 ID:uK40qZmL0
白龍「ショウネン・・・ワタシのセ・・ノレ・・」

悪ガキ「ああ! 父ちゃんたち、大丈夫なのか?」

白龍「・・・オマエのチカラ・・・セカイをスクウ・・セカイのニンゲン・・ミンナスクウ」

悪ガキ「・・わかった!」

秀才「悪ガキくん!!」





悪ガキ「秀才・・・」

秀才「僕は・・・いつも悪ガキくんに嫌味ばかり言って・・・」

悪ガキ「気にすんなよ お互い様だろw」

太っちょ「絶対・・・帰ってきてよ・・・」

悪ガキ「あったりまえだ! 帰ってきたら美味い飯食わせろよw」

少女「悪ガキくん・・・」

悪ガキ「また遊ぼうぜ!   太っちょのこと、頑張れよ」ヒソヒソ



悪ガキ「じゃ、行ってくる!!」


189: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:17:49.84 ID:uK40qZmL0
<城下町にて>

勇者「ここに来れば、色々とわかると言っていたが」

英雄「あの女性の言葉を信じれば、ですけどね」

戦士「ヌヌwwww なんだか人が大勢あつまってござるぞwww」



「闇の力を支持する国王は追放せよ!!!」

「魔物をぶっ倒すぞ!!!」

「城に乗り込むぞ!!」



勇者「これはいったい・・・?」

「デモ隊だ 長年の不満がついに爆発したんだ」

「俺たちは魔物と戦う 玉砕覚悟だ!」

魔物「これはなんの騒ぎだ?」

魔物「我々に歯向かうとは、愚かな人間どもめ 全員まとめて始末してやろう」


190: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:18:24.76 ID:uK40qZmL0
戦士「コポォwwwwwwwwwwwwwwww」グワァァァァァァァァァァア

戦士は斧をなぎ払った!

英雄「魔法剣・疾風 装備!」ブワッッツッツッツッツ

一陣の風が吹き荒れる!

勇者「はぁあぁぁぁぁぁぁあ!!」ゴォォォッォォォォォォォッォォオオ

勇者は大きく息を吸い込み、吐くと同時に正拳突きを放った!





「な、なんだあの人たちは・・・!?」

「強い・・・・あの方々がいればもしかして!!」

勇者「さて、城に乗り込むかい?」

群衆「うぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉおお!!!!!!」


191: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:23:34.35 ID:uK40qZmL0
<エイゴーラル城にて>

勇者「魔物が来たら俺たちで片付けよう 街の人々を犠牲にしたくない」

戦士「了解でござるwwwwwww コポォwwwww」

英雄「わかりました!」

魔物リーダーA「皆さん、よくいらっしゃいました」

魔物リーダーB「おかえりなさいませ、英雄様」

英雄「その声は、執事さんにメイドさん!」


192: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:24:04.60 ID:uK40qZmL0
戦士「ここは拙者と英雄殿が食い止めるでござるwwww 勇者殿は先へwwwフヌゥ」

勇者「ああ、わかった 頼んだぞ!」

英雄「はい!」



魔物リーダーA「英雄様 精悍なお顔つきになられて」

英雄「君たちと戦うのは心苦しいが、仕方がない」

魔物リーダーB「逞しいお方ですね」

戦士「ヌホォwwwwwww メイドタソwwwwハァハァwwww」


193: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:24:35.97 ID:uK40qZmL0
魔物リーダーAは群衆に向けて光線を放った!

英雄「なっ! 卑怯な!! 結界展開!!」

「俺たちがいてはこの方々の邪魔になる!」

「退散だ、引け引けぇ!!!」

英雄「ありがとうございます皆さん 私たちにお任せ下さい」



魔物リーダーBは戦士を誘惑した!

戦士「ヌホホォwwwwww かわゆすでござるなぁwwwwwww」



英雄「魔法剣・豪炎 装備!」ゴォォォォォッォオッォォオ

魔物リーダーA「くっ・・・さすがにお強い はぁっ!!」

魔物リーダーはAは光線を放った!

英雄はひらりと身をかわした!

英雄「お世話に・・・なりました 執事さん・・・」

バシュッツッツッツッツ

魔物リーダーAは倒れた!



魔物リーダーBの攻撃!

戦士「クホォwwwww 痛いでござるぅwwwwwww カパァwwww」

魔物リーダーBの攻撃!

魔物リーダーBの攻撃!

魔物リーダーBの攻撃!

戦士「コポォwwwwwwww だから痛いでござるぅwwww メイドタソwwwww」

魔物リーダーB「効いて・・・ない?」

魔物リーダーBの攻撃!

戦士はがっちりと受け止めた!

戦士「すまぬでござるぅwwwwwww えいっwwwww」ボコッ

魔物リーダーBは倒れた!


194: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:32:12.96 ID:uK40qZmL0
勇者「長い廊下だな・・・ん? ここが王の間か!」

バタン

勇者「エイゴーラル国王に話がある!」

大臣「おやおや・・・・やはりあなたが来ましたか」

勇者「お前は・・・」

大臣「申し遅れました 吾輩はエイゴーラルの大臣 国王に最も近い者でございます」

勇者「なら話は早い 国王に会わせてくれないか」

大臣「あなたはもう国王の足元にいらっしゃる ご覧なさい」

勇者「!!!」

頭上には漆黒の空間が広がっている

勇者「これは・・・」

大臣「国王は闇そのものになられたのでございます この強大な闇 闇を生み出す闇に」

勇者「やはり、俺たちが調べたことは間違っていなかったか」

大臣「その通り しかるに、あなたの愛する妻は吾輩がしっかりと保護させていただきましたよ あのお方が消えてしまわれては、闇も同時に消えてしまうのでね」

勇者「僧侶は・・・僧侶には・・・」

大臣「あなたがたの最終的な手段はわかっております あのお方を光へと還されるおつもりでしょう」

勇者「・・・・・」

大臣「これであなたのご子息を消せば闇が消えることはない もう止めることはできないのですよ」

勇者「そうは・・・・・させん!!」


195: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:32:46.29 ID:uK40qZmL0
勇者大きく息を吸い込み、吐くと同時に正拳突きを放った!

大臣は手を突き出すと、腰を落とし発勁を放った!

ドゴォォォォォォォォッォオォォォォォォォオオ

勇者は飛び上がると上空から蹴りを放った!

大臣は身をかわし、勇者へと蹴りを返す

ガシッ

勇者「捕まえた」

グワァァァアッァァアァァドゴオォォォォオォッォォ

大臣は地面へと叩きつけられた!


196: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:33:56.68 ID:uK40qZmL0
悪ガキ「父ちゃん!!!」

勇者「悪ガキ! そうか、白龍が連れてきたんだな」

悪ガキ「こいつ、あの時のマントの男! 父ちゃんがやっつけたんだな!」

大臣「・・・・・・・はぁはぁ・・・少年よ・・・お前を始末してからの予定だったのだが・・・仕方がない・・・」

大臣「国王様・・・お時間です・・・今こそ・・・・世界を闇で支配する時!!!」





大気が震えた

これ以上深くなるはずのない闇が、より一層深さを増した

ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ

グワァァァァァァァァァァッァァァッァァァァアァァァァァァァァァアッァ

闇の中から無数のモンスターが飛び出した!!

一様に翼を羽ばたかせ、四方八方へと散っていく

勇者「しまった!!!」

悪ガキ「くっそぉぉぉ 止めろ、おい、止めろよ!!!」がしっ


197: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:34:29.52 ID:uK40qZmL0
大臣「うっ・・・・・・・」

大臣「はっ 吾輩は・・・取り返しのつかないことを・・・」

勇者「悪ガキ、そいつからこれを止める方法を聞き出してくれ!」ドゴォォォッォォッォ

大臣「・・・・・光と闇を分ける力を持つあなたなら・・・もしかしたら・・・」

大臣「しかし・・・国王を覆う闇は深すぎる・・・やはり・・・」

悪ガキ「俺、やってみる! 父ちゃん、俺をあの闇の中に放り込んでくれ!」

勇者「・・・・・・・っ!!」

一斉にモンスターが勇者めがけて襲いかかる!

勇者「うわぁぁぁぁああぁぁあぁあぁあぁぁぁああぁぁぁぁぁあ!!!!!!」

勇者は渾身の力で気を爆発させた  モンスターの群れは砕け散った

勇者「はぁ・・・・はぁ・・・・際限なく出てきやがるな・・・」

悪ガキ「父ちゃん、早く!!」

勇者「ああ・・・・行ってこい・・・帰って・・・こいよ・・ふんっっっ」

勇者は悪ガキを掴むと、頭上に広がる闇へ放り込んだ

勇者「俺は・・・・・ここでモンスターを抑える・・・」



大臣「いかん・・・やはりあのお方を・・・・」ズル・・・ズル・・・


198: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:35:02.64 ID:uK40qZmL0
英雄「どうやら間に合わなかったようですね・・・」

戦士「フヌゥ・・・・・・拙者たちで一体でも多く倒さねばならぬでござる!!!」

群衆「うおぉぉぉぉぉ今度こそ、あなた方を助太刀するぞ!!」


199: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:35:34.80 ID:uK40qZmL0
コクゴドル

<第1の街にて>

酒場にて

バタンッ

赤髪の女「大変! 海の向こうから大量のモンスターが!!」

店員「!!! 赤髪殿、また一緒に戦う時がきたようだな」

マスター「店員ちゃん、頼んだよ」

店員「稽古は怠っていない 父上、見ていてください」



学校にて

「せんせーい、もんすたーがきたぁ」

「うぇーん・・・こわいよぉ・・・」

魔法使い「大丈夫♪ 先生がしっかり守るからねっ☆」

魔法使い「隕石魔法魔法陣展開っ  星の力でお仕置きよっ☆彡」





<ゴケシム山の麓の村にて>

「老剣士殿に授かった力を発揮するときがきた!」

「行くぞ!」

「僕たちも戦うぞ!!」

子供たちが5人がかりで巨大な大剣を抱えている



<上空にて>

白龍「ドラゴンのホコリ・・・・モッテ・・・ワタシ・・タタカウ・・・」

白龍の咆哮が響き渡る





<第4の街にて>

騎士団「我々が民間人をお守りする!」

騎士団「各地の騎士団は戦闘準備!!」







スウガ・クーナ

<北の地域にて>

「モンスターだ!!!」

「大群で押し寄せてきたぞ!!!」

「十分な武器もない・・・大変だ・・・」

ドゴォォッォォォォォオオオォォォォォオォォォン

何百もの魔法戦車がズラリと並ぶ

「南の大陸の軍の者だ」

「北の方々、共にスウガ・クーナを守りぬきましょう」


200: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:39:54.21 ID:uK40qZmL0
エイゴーラル

<国王の城にて>

牢屋

僧侶「結界 解除っと」

僧侶「あーあ、油断したなー でもあんなぶっとんだ話されたらびっくりするでしょフツー」

僧侶「よしっ 早く勇者たちと合流しよう ってかーあいつらこのこと知ってるのかなー 知ってて隠してたんならチョーむかつくー」



大臣「僧侶様・・・・・」ズル・・・ズル・・・

僧侶「あんた・・・」

大臣「僧侶様に・・・お話が・・・・」


201: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:40:39.51 ID:uK40qZmL0
<闇の中にて>

悪ガキ「・・・・・・あれ? あ、そうだ、ここは闇の中・・・」

悪ガキ「で? どうすりゃいいんだ?」

悪ガキ「あれ? あんな所にじいさんが座り込んでる」

悪ガキ「おい、どうしたんだ、じいさん」

国王「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



悪ガキ「とりあえず、じいさん、この闇を消す方法、知ってるか?」がしっ

国王「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・王妃・・・・・・・・・・・・」

悪ガキ「おうひ?」

国王「朕は・・・・・・・なんということを・・・・・」

悪ガキ「ちん・・・?」


202: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:41:16.38 ID:uK40qZmL0
勇者「はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・・・きついな・・・」

僧侶「なーんだ、結構手こずってるじゃん」

勇者「はぁ・・・・はぁ・・・・僧侶か・・・・」

僧侶「うん あ、あのマントの人、亡くなったよ」

勇者「そうか・・・・・あいつから・・・色々・・・聞いたみたいだな・・・」

僧侶「まーね ってかさー、あんた知ってたんでしょー?w」

勇者「確信は持てなかったんだよ」

僧侶「そっかー  じゃあ、ウチが今からしようとしてることもわかるー?」

勇者「なんとなくは・・・な」

僧侶「そっかー」



僧侶は勇者の頬に口付けをした

僧侶「あんたといるとさー いっつも楽しかったよ」

僧侶「ありがとー」

勇者「・・・・・・・・・・・・・」

僧侶「じゃー行くねー」

勇者は僧侶の手を握り引き止める

僧侶「なーに? 寂しいのー? あーあ、こんなに泣いちゃって・・・」

勇者「・・・・・・・・・・・・・・・」

僧侶「ウチまで・・・・・泣いちゃうじゃん・・・」

勇者は僧侶を抱きしめた

時が、ゆっくりと流れた


203: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:41:47.84 ID:uK40qZmL0
悪ガキ「なーじいさん、教えてくれよ」

国王「王妃を・・・・・・取り戻す代償に世界を闇へと染めてしまった・・・・朕の責任じゃ・・・・」

悪ガキ「んーわかんねーな とりあえず闇をなんとかしないと」

国王「・・・・・!!!!  王妃よ・・・!!!」

僧侶「よー悪ガキー 頑張ってるねー」

悪ガキ「母ちゃん!」


204: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:42:28.73 ID:uK40qZmL0
僧侶「あのさー、この闇消せるの、母ちゃんだけみたいだわー」

悪ガキ「そんなことねーよ、俺が世界を救うんだって」

僧侶「多分、あんたがこの闇消しても、母ちゃんがいる限りまた闇は生まれるんだってー ね、国王様?」

国王「王妃・・・・違う・・・・朕が生み出した命か・・・・?」

悪ガキ「は・・・? どういうことだよ?」

僧侶「時間がないから、詳しいことは父ちゃんに聞いてー」

僧侶「ねー悪ガキ 命ってね、光から生まれるんだって」

僧侶「でもね、無理やり集めた光で命を作ると、こんなことになっちゃうんだってさー」

僧侶「命はね 喜びとか、楽しさとか、愛とか希望とか そういう光が合わさって自然と生まれるものなんだって それが巡っていくものなんだってさー」

僧侶「だからね、悪ガキ 母ちゃんがいなくなっても、消えて無くなったわけじゃないんだよ」

僧侶「あんたたちが喜んだり、笑ったり、そうしたら、また光が集まって、新しい命になるんだよ」

悪ガキ「・・・・・・母ちゃん・・・・」


205: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:43:01.00 ID:uK40qZmL0
僧侶「じゃ、そろそろ行こっか、国王様」

国王「うむ・・・・・朕の責任を・・・果たすときじゃの・・・・」

悪ガキ「母ちゃん!!! 待ってよ、母ちゃん!!!」

僧侶「あ、そうだー 父ちゃんに、ちゃんと新しい奥さん見つけるように言っといてねーw」

悪ガキ「母ちゃん!」ドサッ

悪ガキは闇の外へと放り出された



僧侶は国王の手を取り、歩き出した

二人の足元からは、光がそして闇が溢れ、渦を巻いた

光と闇は一つになっていく

僧侶は光へ国王は闇へ

そしてそれらもまた一つになっていく

「ねー神様、お願いです もし、ウチがまた新しい命に生まれ変わったら・・・・・・・」


206: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:43:55.71 ID:uK40qZmL0


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207: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:44:32.41 ID:uK40qZmL0
世界を光が包んだ

闇は消え去った

人々は笑い、喜び、涙した

その度に光は溢れる

また新しい命が生まれる

巡り、巡り・・・・



三部作 <完結>


212: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 19:59:48.43 ID:uK40qZmL0
第一章 英雄「雨も止まないし掃除でもするかな」

第二章 悪ガキ「雨も止まないし俺んちでゲームしようぜ」

第三章 僧侶「雨も止んだし息子に会ってくる」





番外編  女勇者「け、け、け、結婚!?」


213: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:00:19.06 ID:uK40qZmL0
女勇者「女戦士ちゃんが!?」

女戦士「こ、声が大きい・・・ まずは女勇者殿にお伝えしようと思ってな」

女勇者「お相手は?」

女戦士「酒場で働いている同僚なんだが・・・これがひ弱な男でな」

女戦士「酔っ払いの客に絡まれているのを助けたのがきっかけなんだ」

女勇者「なんか・・・普通は逆な気がするけど・・・」


214: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:00:51.39 ID:uK40qZmL0
女勇者「そっかー、あたしも恋愛したいなぁ 好きな人なら・・・いるんだけどな」ぽっ

勇者「お、女勇者ちゃん」

女勇者「ゆ、勇者さん///  あ、あの、ど、どちらに行かれるんですか?」

勇者「あー、ちょっとお墓参りに」

女勇者「あ・・・ご一緒してもいいですか?」

勇者「もちろん」


215: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:01:21.99 ID:uK40qZmL0
勇者「よし、こんなもんだろう」

女勇者「お父様とお母様と・・・僧侶さんがお眠りになられているんですね」

勇者「まあ、僧侶は死んだわけじゃないんだけどねw」

女勇者「そ、そうですよね! うんうん!」

勇者「でもなぁ 新しい奥さん見つけろって言われたみたいなんだよなぁ」

女勇者「えっ///」

勇者「子供も街を出たし、そろそろあいつの言うとおりにしといた方がいいかなってねw」

女勇者「あ、あ、あ」ぽっ


216: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:01:57.20 ID:uK40qZmL0
料理人「はい! 冷やし豚一丁!」

料理人「はい! 大キノコ丼!」

恋人「料理人くん・・頑張ってるね」にっこり

料理人「お、恋人ちゃん 何か食べてくかい?」

恋人「お腹ぷにぷに・・・・じゃあ冷たいもの一つ♪」

料理人「今日は暑いもんなぁ」


217: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:02:30.57 ID:uK40qZmL0
医者「はい、今日はどうされました?」

戦士「娘タソが・・・最近帰りが遅いでござるぅwwwwwwwwヌホォwww」

医者「はいはい、それは大変ですね」

戦士「妻タソも・・・・・なんだか最近冷たいでござるぅwwwww 生徒にばっかり優しいのでござるぅwwwwwwwコポォwww」

医者「ああ、そういえば先生も娘さんもお元気なんですね」

戦士「妻タソも娘タソもお元気なのでござるがぁwwwwww 拙者は落ち込んでいるでござるぅwwww」

医者「じゃあこんど娘さんに会った時に言っておきますね パパさんにもかまってあげてくれって」

戦士「それは助かるでござるぅwwww  医者くんは相変わらず頼りになるでござるなぁwww フヌカポォwwwwww」


218: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:03:17.47 ID:uK40qZmL0
プルルルル プルルルル

青年「はい ああ、父ちゃんか・・・は!?結婚?  ・・・ああ、女戦士さんがね・・・あの怖い姉ちゃんもお嫁さんかぁw」

青年「うん、今日の仕事終わったらそっちに帰るよ みんなに会うのが楽しみだぜ!」

青年「じゃ、今日の夜なー」

プッツ

青年「よしっと、今日も仕事頑張りますか」


219: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:03:53.49 ID:uK40qZmL0
トテテテテテ バタンッ

ギャル少女「痛ったぁー」泣

青年「おいおい・・・大丈夫か?」

ギャル少女「んーへいきー ありがとおじさん」

青年「お、おじさんじゃねーし お兄さんだし」

ギャル少女「はいはい おにーさんw」





青年「なんだよ、なんで付いてくるんだ?」

ギャル少女「だってー ウチの学校こっちだもん」

青年「ああ、そうか お前、見た目によらず、意外と真面目に学校行ってるんだなw」


220: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:06:02.61 ID:uK40qZmL0
ギャル少女「なにそれーひどくなーい?w」

青年「俺も小さい頃は悪ガキだったからなぁ よし、学校まで送ってやるよ」

ギャル少女「おにーさん優しいねー ありがとー」

 


221: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:06:34.42 ID:uK40qZmL0
ギャル少女「ねー知ってる? 命ってね、光から生まれるんだってー」

青年「・・・・・・・お前その話どこで・・・?」

ギャル少女「えー、忘れちゃったーw」

青年「・・・・・・・・・そうか  俺もその話、知ってるぜ」

青年「命っていうのはな・・・」


222: 1 ◆8VS2bI7FBY 2013/04/01(月) 20:07:10.53 ID:uK40qZmL0
命は巡る

光ある限り

人々が光を忘れない限り

光が、この世を満たしている限り



<完>