1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 20:20:00.78 ID:4dgZv+QS0
真田「学園都市だと?」
上条「はい……」
真田「…………」
上条「(なんか面倒な予感がする)…………じゃあ、あの、俺はここで……」ソソクサ
真田「待たんかい!キェェェェェェェーーー!!」クワッ!
上条「っ!?」ビクゥッ!!
上条「はい……」
真田「…………」
上条「(なんか面倒な予感がする)…………じゃあ、あの、俺はここで……」ソソクサ
真田「待たんかい!キェェェェェェェーーー!!」クワッ!
上条「っ!?」ビクゥッ!!
引用元: ・真田弦一郎「ここはどこだ?」上条「学園都市ですけど……」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 20:27:15.61 ID:4dgZv+QS0
真田「俺はU-17の代表合宿所でテニスをしていて気付いたらここに居た」
上条「はぁ……って、え!?おじさんまだ17以下なんですか!?」
真田「…………15だ」
上条「ええええええ!?」
真田「…………」
上条「あ、すいません……」
真田「構わん、そういう反応には慣れている」
上条「はぁ……って、え!?おじさんまだ17以下なんですか!?」
真田「…………15だ」
上条「ええええええ!?」
真田「…………」
上条「あ、すいません……」
真田「構わん、そういう反応には慣れている」
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 20:33:35.92 ID:4dgZv+QS0
上条「それはそうとどうやってここに来たんですか?」
真田「……わからん」
上条「いや、わからんって……」
真田「気付いたらここにいたのだ。まるで瞬間移動のようにな」
上条(瞬間移動……?もしかして俺と同じ生まれついての能力者とか?)
上条「まぁ、とりあえずまずはウチにきません?立ち話ってのもアレですし、しかもスポーツウェアじゃあ浮きまくりですよ?」
真田「む……すまんな。ありがたく厚意に甘えさせてもらう」
真田「……わからん」
上条「いや、わからんって……」
真田「気付いたらここにいたのだ。まるで瞬間移動のようにな」
上条(瞬間移動……?もしかして俺と同じ生まれついての能力者とか?)
上条「まぁ、とりあえずまずはウチにきません?立ち話ってのもアレですし、しかもスポーツウェアじゃあ浮きまくりですよ?」
真田「む……すまんな。ありがたく厚意に甘えさせてもらう」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 20:38:10.19 ID:4dgZv+QS0
言い忘れてたけど時系列は一巻の美琴を撒いたあとで家に帰る途中です。
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 20:48:11.54 ID:4dgZv+QS0
――学生寮のエレベーター――
真田「ふむ、超能力者の街か」
上条「まぁ能力者の強さにもピンキリあるんですけどね」
真田「お前は何か能力はないのか?」
上条「あるって言ったらあるけど無いっていったら無いというか……」
真田「?どういうことだ?」
上条「いや、俺の能力『幻想殺し』は能力を打ち消す能力なんで、能力測定機器に反応しないから能力者としてのレベルは0なんですよ」
真田「それは『ある』と言っていいのではないか?」
上条「いやでも一応肩書きはLevel0なんで……」
真田「肩書きなど気にするに値せん。真の強者には自ずと肩書きの方がついてくるものだ」
上条「は、はぁ……」
真田「ふむ、超能力者の街か」
上条「まぁ能力者の強さにもピンキリあるんですけどね」
真田「お前は何か能力はないのか?」
上条「あるって言ったらあるけど無いっていったら無いというか……」
真田「?どういうことだ?」
上条「いや、俺の能力『幻想殺し』は能力を打ち消す能力なんで、能力測定機器に反応しないから能力者としてのレベルは0なんですよ」
真田「それは『ある』と言っていいのではないか?」
上条「いやでも一応肩書きはLevel0なんで……」
真田「肩書きなど気にするに値せん。真の強者には自ずと肩書きの方がついてくるものだ」
上条「は、はぁ……」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 20:57:49.13 ID:4dgZv+QS0
ポーン
上条「あ、着きました」
真田「七階か」
上条「はい」
ウィーン
上条「ん?あれは……清掃ロボット?」
ガコガコ
真田「いや、その奥に人が倒れている」
上条「人?まさか……!」タタッ
インデックス「」
上条「あ、着きました」
真田「七階か」
上条「はい」
ウィーン
上条「ん?あれは……清掃ロボット?」
ガコガコ
真田「いや、その奥に人が倒れている」
上条「人?まさか……!」タタッ
インデックス「」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 21:01:44.31 ID:4dgZv+QS0
上条「おい!こんな所でナニやってんだよ?」
インデックス「」
真田「む……この臭いは、血……?」
上条「え……?」
インデックス「」ドロリ
上条「……、あ……?」
真田「この切り口、やったのは相当な使い手のようだ」
インデックス「」
真田「む……この臭いは、血……?」
上条「え……?」
インデックス「」ドロリ
上条「……、あ……?」
真田「この切り口、やったのは相当な使い手のようだ」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 21:14:35.00 ID:4dgZv+QS0
上条「……なんだよ、一体何なんだよこれは!?一体どこのどいつにやられたんだ、おい!」
ステイル「うん?僕達『魔術師』だけど?」
上条「っ!?」バッ
真田「……」
ステイル「神裂が斬ったって話は聞いたけど……まぁいいや、ソレ、回収するからどいてくれないかい?」
上条「テメェ……!どういうつもりだ!」
ステイル「10万3000冊の魔道書(ry」
上条「 なん……だと……!?ふざけんな!そんなことで女の子よってたかって傷つけやがって!!テメェ何様だ!」
ステイル「ステイル=マグヌスと名乗りたい所だけどここはFortis931と言っておこうかな」
ステイル「うん?僕達『魔術師』だけど?」
上条「っ!?」バッ
真田「……」
ステイル「神裂が斬ったって話は聞いたけど……まぁいいや、ソレ、回収するからどいてくれないかい?」
上条「テメェ……!どういうつもりだ!」
ステイル「10万3000冊の魔道書(ry」
上条「 なん……だと……!?ふざけんな!そんなことで女の子よってたかって傷つけやがって!!テメェ何様だ!」
ステイル「ステイル=マグヌスと名乗りたい所だけどここはFortis931と言っておこうかな」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 21:23:59.65 ID:4dgZv+QS0
ステイル「炎よ―――」ブオッ!
上条「火!?」
真田「これが魔術……!?」
ステイル「――――巨人に苦痛の贈り物を」ブオッ!
ステイル=マグヌスは笑いながら、灼熱の炎剣を横殴りに上条当麻と真田弦一郎に叩きつけた。
が
真田「――――疾きこと、風の如く」
轟!!という音と風の奔流により、その炎は薙ぎ払われた。
上条「火!?」
真田「これが魔術……!?」
ステイル「――――巨人に苦痛の贈り物を」ブオッ!
ステイル=マグヌスは笑いながら、灼熱の炎剣を横殴りに上条当麻と真田弦一郎に叩きつけた。
が
真田「――――疾きこと、風の如く」
轟!!という音と風の奔流により、その炎は薙ぎ払われた。
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 21:30:37.89 ID:4dgZv+QS0
ステイル「なっ…………!?」
真田「たわけが……」
そこにはまるで剣術の居合のようにテニスラケットを構え、上条とインデックスの前に立ちはだかる黒い帽子を被った男の姿があった
上条「お、おじさん……アンタ、能力者なのか?」
真田「たわけ、これは能力などではなく俺がテニスで勝つために努力し、身につけた技だ」
上条「テニスの技……!?」
真田「あと……俺の名は真田弦一郎だ。おじさんはやめてくれ」
真田「たわけが……」
そこにはまるで剣術の居合のようにテニスラケットを構え、上条とインデックスの前に立ちはだかる黒い帽子を被った男の姿があった
上条「お、おじさん……アンタ、能力者なのか?」
真田「たわけ、これは能力などではなく俺がテニスで勝つために努力し、身につけた技だ」
上条「テニスの技……!?」
真田「あと……俺の名は真田弦一郎だ。おじさんはやめてくれ」
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 22:09:12.95 ID:4dgZv+QS0
ステイル「技……だと!?ふざけるな!そんなことで魔術が消されるわけが!」ブオッ!
真田「せぇいっ!」轟!
魔術師の炎は、まるで蝋燭に灯された火を吹き消すようにまたもや簡単に薙ぎ払われ――
ステイル「ぐおっ!?」ドサッ!
――同時に、魔術師もまた、突風により数m吹き飛ばされた
上条「すげぇ……」
真田「何を呆けてる!早くソイツを病院に連れて行かんかぁっ!」
上条「え?あ、いや……ダメなんだ……ちょっと事情があってコイツを病院に行かせるワケには……」
真田「ならここから逃げろ。ここは俺が引き受ける」
上条「え、でも……!」
真田「手頃な洞窟もないここで、お前がやられては俺も行くアテがなくなってかなわんからな」
上条(洞窟?)
真田「せぇいっ!」轟!
魔術師の炎は、まるで蝋燭に灯された火を吹き消すようにまたもや簡単に薙ぎ払われ――
ステイル「ぐおっ!?」ドサッ!
――同時に、魔術師もまた、突風により数m吹き飛ばされた
上条「すげぇ……」
真田「何を呆けてる!早くソイツを病院に連れて行かんかぁっ!」
上条「え?あ、いや……ダメなんだ……ちょっと事情があってコイツを病院に行かせるワケには……」
真田「ならここから逃げろ。ここは俺が引き受ける」
上条「え、でも……!」
真田「手頃な洞窟もないここで、お前がやられては俺も行くアテがなくなってかなわんからな」
上条(洞窟?)
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 22:15:44.02 ID:4dgZv+QS0
ステイル「くそっ……!どうなってるんだっ……!」
ステイル=マグヌスは、英国人である
英国といえばテニスの聖地ウィンブルドンもあるテニスの盛んな国である。
当然、ステイルもテニスをみたことはある。
だが、目の前の黒い帽子を被った男がやっていることは、ステイルの理解の範疇を越えていた
ステイル=マグヌスは、英国人である
英国といえばテニスの聖地ウィンブルドンもあるテニスの盛んな国である。
当然、ステイルもテニスをみたことはある。
だが、目の前の黒い帽子を被った男がやっていることは、ステイルの理解の範疇を越えていた
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 22:24:42.38 ID:4dgZv+QS0
ステイル(あれがテニスだと……!?ふざけるな!!どこの世界に炎を掻き消すテニスプレイヤーがいる!!)
至極当然の思考だが、そんな常識を簡単に打ち破る存在。
それが、U-17代表候補の一人、真田弦一郎。
今現在炎の魔術師の目の前にいる、その男だった。
至極当然の思考だが、そんな常識を簡単に打ち破る存在。
それが、U-17代表候補の一人、真田弦一郎。
今現在炎の魔術師の目の前にいる、その男だった。
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 22:39:33.17 ID:4dgZv+QS0
※スマホからなんで遅いのは許してください
上条「と、とりあえずコイツを安全な所に……」ヨイショ
インデックス「」
ステイル「くっ……待て……!」
真田「行かせると思うか?」
ステイル「どかないなら力づくでどいてもらう!――――世界を構築する五大元s」
真田「――――侵略すること、火の如く」ドドォ!
ステイル「ぐぼっ……!?」
先手必勝。炎の魔術師が長い詠唱を終えるより先に、真田の放ったテニスボールが魔術師を直撃した。
上条「と、とりあえずコイツを安全な所に……」ヨイショ
インデックス「」
ステイル「くっ……待て……!」
真田「行かせると思うか?」
ステイル「どかないなら力づくでどいてもらう!――――世界を構築する五大元s」
真田「――――侵略すること、火の如く」ドドォ!
ステイル「ぐぼっ……!?」
先手必勝。炎の魔術師が長い詠唱を終えるより先に、真田の放ったテニスボールが魔術師を直撃した。
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 22:55:38.24 ID:4dgZv+QS0
――その後――
上条「真田さん!大丈夫ですか!?」
真田「無傷だ。問題ない。だが援軍が来ないとも限らん、ひとまず別の落ち着ける場所に移動するぞ」
上条「は、はい!」
真田「ひとまずソイツは俺が背負う」ヨイショ
インデックスを背負った真田と上条は、いそいで寮を離れた。
上条「おい!聞こえるか?しっかりしろ!」ペチペチ
インデックス「あ……う……」
上条「お前の10万3000冊の中に傷を治すような魔術はないのか!?」
インデックス「ある……けど……君には……ううん、この……街の……人達にはみんな……魔術をつかうことは……できない」
上条「真田さん!大丈夫ですか!?」
真田「無傷だ。問題ない。だが援軍が来ないとも限らん、ひとまず別の落ち着ける場所に移動するぞ」
上条「は、はい!」
真田「ひとまずソイツは俺が背負う」ヨイショ
インデックスを背負った真田と上条は、いそいで寮を離れた。
上条「おい!聞こえるか?しっかりしろ!」ペチペチ
インデックス「あ……う……」
上条「お前の10万3000冊の中に傷を治すような魔術はないのか!?」
インデックス「ある……けど……君には……ううん、この……街の……人達にはみんな……魔術をつかうことは……できない」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 23:08:30.14 ID:4dgZv+QS0
上条「なんだって!?」
インデックス「魔術は『才能がない人間』の所業……でもこの街の人達はみんな……超能力っていう『才能がある』……だから……」
上条「……ちょっと待て、魔術ってのは『才能ない』一般人には誰でも使えるんだったな?」
インデックス「……え?うん。方法と準備さえできれば……あの程度中学生にだってできると思う」
真田「なら俺がやろう」
インデックス「ふわ?……ってあなた誰……?」
真田「真田弦一郎だ」
上条「魔術師から俺たちを助けてくれたんだ。信用していい」
インデックス「そう……よろしくなんだよ……」
真田「治癒が可能なら早く安全場所へ移動しよう。どこか心当たりはないか?」
上条「んーっと……あ、もしかしたらあそこなら……」
インデックス「魔術は『才能がない人間』の所業……でもこの街の人達はみんな……超能力っていう『才能がある』……だから……」
上条「……ちょっと待て、魔術ってのは『才能ない』一般人には誰でも使えるんだったな?」
インデックス「……え?うん。方法と準備さえできれば……あの程度中学生にだってできると思う」
真田「なら俺がやろう」
インデックス「ふわ?……ってあなた誰……?」
真田「真田弦一郎だ」
上条「魔術師から俺たちを助けてくれたんだ。信用していい」
インデックス「そう……よろしくなんだよ……」
真田「治癒が可能なら早く安全場所へ移動しよう。どこか心当たりはないか?」
上条「んーっと……あ、もしかしたらあそこなら……」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 23:22:09.82 ID:4dgZv+QS0
ピンポーン、ピンポーン、ドン!イッテー!
小萌(ん?この声は上条ちゃんですかねー?)
小萌「はいはーい!新聞屋さん対策にドアだけ頑じょ……」
ドガシャァーン!
小萌「」ビックゥゥッ!?
月詠小萌は戦慄した。
新聞屋対策に特別頑丈に作られたドアが蹴破られたからだ。
だがそれ以上に
真田「邪魔するぞ」
最初に入って来たのが教え子の上条当麻ではなく、身長180センチほどの男性だったからだ。
小萌(ん?この声は上条ちゃんですかねー?)
小萌「はいはーい!新聞屋さん対策にドアだけ頑じょ……」
ドガシャァーン!
小萌「」ビックゥゥッ!?
月詠小萌は戦慄した。
新聞屋対策に特別頑丈に作られたドアが蹴破られたからだ。
だがそれ以上に
真田「邪魔するぞ」
最初に入って来たのが教え子の上条当麻ではなく、身長180センチほどの男性だったからだ。
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 23:40:26.87 ID:4dgZv+QS0
――――
小萌「うっ……えぐっ……ひっく……怖かったのですよぉ……」ヒシッ
上条「すみません……急いでたんで……」ナデナデ
現在上条当麻は、助けを求めた家の主であり、自分の担任である少女と共に、ドアの修理依頼を名目に、家の外に出ていた。
理由は三つある。
一つはこの出来事に彼女を巻き込まないため。
二つ目は上条当麻の能力『幻想殺し』を、これから行われる魔術から遠ざけるため。
そして三つ目は――
小萌「う……ぐす……」
――彼女が真田弦一郎に対して深い恐怖を覚えたためである。
小萌「うっ……えぐっ……ひっく……怖かったのですよぉ……」ヒシッ
上条「すみません……急いでたんで……」ナデナデ
現在上条当麻は、助けを求めた家の主であり、自分の担任である少女と共に、ドアの修理依頼を名目に、家の外に出ていた。
理由は三つある。
一つはこの出来事に彼女を巻き込まないため。
二つ目は上条当麻の能力『幻想殺し』を、これから行われる魔術から遠ざけるため。
そして三つ目は――
小萌「う……ぐす……」
――彼女が真田弦一郎に対して深い恐怖を覚えたためである。
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/12(金) 23:53:21.09 ID:4dgZv+QS0
――同時刻――
インデックス「……」スッスッスッスッ
真田「…………」
真田弦一郎は目の前の様子にのまれていた。
インデックスと呼ばれた少女がちゃぶ台に血で文字を書いていることにではない、血を見るのなら試合で十分慣れている。
問題は、その少女の様子だった。
よくわからない言葉をブツブツと呟きながら文字や記号を書き続ける彼女には、先程までの弱々しい様子が一切見られない。
真田(痛覚を遮断しているのか……?一見すると『無我の境地』に見えなくもないが……無我のオーラは見られない……)
インデックス「……」スッスッスッスッ
真田「…………」
真田弦一郎は目の前の様子にのまれていた。
インデックスと呼ばれた少女がちゃぶ台に血で文字を書いていることにではない、血を見るのなら試合で十分慣れている。
問題は、その少女の様子だった。
よくわからない言葉をブツブツと呟きながら文字や記号を書き続ける彼女には、先程までの弱々しい様子が一切見られない。
真田(痛覚を遮断しているのか……?一見すると『無我の境地』に見えなくもないが……無我のオーラは見られない……)
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 00:03:09.61 ID:HP/m2c900
インデックス「ここから先はあなたの手を借りて、あなたの体を借ります。構いませんか?」
真田「構わん」
インデックス「ではまずその――――黒いのをテーブルの中央に置いてください」
真田「テーブルではなくちゃぶ台だ」
インデックス「?いいから早真田「ちゃぶ台だ」
インデックス「……チャブダイの中央に置いてください」
真田「うむ」スッ
真田は言われた通りにちゃぶ台の中央にゲームのメモリーカードを寝かせる。続いてシャーペンの芯のケースを、チョコの空き箱を、文庫本を二冊置いていき、食玩の小さなフィギュアを二つ並べて立たせた。
真田(一体コレはなんなのだ……?)
指示の意図がわからず困惑する真田であったが、もう一つ気になっていることがあった。
真田(それにしてもこの部屋の散らかりよう……たるんどる!!)
真田「構わん」
インデックス「ではまずその――――黒いのをテーブルの中央に置いてください」
真田「テーブルではなくちゃぶ台だ」
インデックス「?いいから早真田「ちゃぶ台だ」
インデックス「……チャブダイの中央に置いてください」
真田「うむ」スッ
真田は言われた通りにちゃぶ台の中央にゲームのメモリーカードを寝かせる。続いてシャーペンの芯のケースを、チョコの空き箱を、文庫本を二冊置いていき、食玩の小さなフィギュアを二つ並べて立たせた。
真田(一体コレはなんなのだ……?)
指示の意図がわからず困惑する真田であったが、もう一つ気になっていることがあった。
真田(それにしてもこの部屋の散らかりよう……たるんどる!!)
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 00:31:29.61 ID:HP/m2c900
インデックス「今から私の指示を正確にこなしてください。手順を踏み間違えた場合、あなたの神経回線と脳内回路を焼き切る恐れがありますので」
真田「問題ない。その程度の危険、試合では十分にありうる状況だ」
インデックス「?よくわかりませんが、今から天使を降臨ろして神殿を作ります。私の後に続き、唱えてください」
インデックス「~♪~♪」
インデックスが呟いたのは、もはや言葉ではなく音だった。
真田は練習中にたるんだ部員をしかりつけるような感じで、意味を考えずに『音色』だけとりあえず真似してみる。
真田「~♪~♪」
と、突然、ちゃぶ台の上のフィギュアが同じように歌った。
真田「!?」
インデックス「リンクしました」
真田「問題ない。その程度の危険、試合では十分にありうる状況だ」
インデックス「?よくわかりませんが、今から天使を降臨ろして神殿を作ります。私の後に続き、唱えてください」
インデックス「~♪~♪」
インデックスが呟いたのは、もはや言葉ではなく音だった。
真田は練習中にたるんだ部員をしかりつけるような感じで、意味を考えずに『音色』だけとりあえず真似してみる。
真田「~♪~♪」
と、突然、ちゃぶ台の上のフィギュアが同じように歌った。
真田「!?」
インデックス「リンクしました」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 00:32:00.22 ID:HP/m2c900
インデックスの声がちゃぶ台の上から二重に聞こえる。
インデックス「テーブr」
真田「……」ジロッ
インデックス「……チャブダイの上に作った『神殿』は、この部屋とリンクしています」
真田「なんと……」
真田は驚いていた。これが自分のテニスに活かせればもっと強くなれるんじゃないのか?そう思った矢先、インデックスがいきなり叫んだ
インデックス「思い浮かべなさい!金色の天使!二枚の羽根を持つ天使の姿!」
真田「て、天使だと!?」
インデックス「とにかく思い浮かべなさい!これは本当に天使を呼んでるワケではありません、ただの見えない力の集まりです。術者のあなたの意思によってカタチを作り込んでいくのです!」
真田「う、うむ」
急に切羽詰まった様子のインデックスを見て真田は一瞬気圧されてしまったが、すぐに目を閉じ、瞑想をするように集中した。
真田(天使……天使……天使……)
部屋の中に見えない泥のようなモノが、人のカタチをした風船の中にでも押し込まれていくようにカタチを作り上げていく………
インデックス「」
インデックス「テーブr」
真田「……」ジロッ
インデックス「……チャブダイの上に作った『神殿』は、この部屋とリンクしています」
真田「なんと……」
真田は驚いていた。これが自分のテニスに活かせればもっと強くなれるんじゃないのか?そう思った矢先、インデックスがいきなり叫んだ
インデックス「思い浮かべなさい!金色の天使!二枚の羽根を持つ天使の姿!」
真田「て、天使だと!?」
インデックス「とにかく思い浮かべなさい!これは本当に天使を呼んでるワケではありません、ただの見えない力の集まりです。術者のあなたの意思によってカタチを作り込んでいくのです!」
真田「う、うむ」
急に切羽詰まった様子のインデックスを見て真田は一瞬気圧されてしまったが、すぐに目を閉じ、瞑想をするように集中した。
真田(天使……天使……天使……)
部屋の中に見えない泥のようなモノが、人のカタチをした風船の中にでも押し込まれていくようにカタチを作り上げていく………
インデックス「」
127: 保守ありがとうございます 2013/04/13(土) 01:29:02.00 ID:HP/m2c900
その天使はおもむろに手にしたラケットを振り始めた。
その表情は、心の底から楽しんでいるようである。
殺意に血塗られた愉悦などではない、純粋に、楽しんでいる表情。
そして――
インデックス「これ……は……?」
――天使の全身が、輝いた。
その表情は、心の底から楽しんでいるようである。
殺意に血塗られた愉悦などではない、純粋に、楽しんでいる表情。
そして――
インデックス「これ……は……?」
――天使の全身が、輝いた。
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 01:51:48.47 ID:HP/m2c900
真田「…………」
真田は集中していた。
元々集中には慣れている方だ。
剣道による精神集中の修行もあるが、なによりテニスの試合では一瞬の集中の乱れが命取りになることもある。
そんな集中の真っ只中、声がした。
「――――生命力の補充に伴い、生命の危機の回避を確認。『自動書記』を休眠します」
真田「む?」
真田がおもむろに目を開けると、少女の『無我の境地』にも似た状態は解けていた。
インデックス「あとは……降臨ろした守護者を帰して、神殿を崩せばおしまい」
インデックスは辛そうな顔で笑いかけ――
インデックス「あれ?おかしいんだよ!?完全に治すには風邪といっしょで自分の体力がいるはずなのに!今わたしは元気いっぱいなんだよ!」
――たと思ったらすっごく元気になってた。
真田「…………」
上条達が早く帰ってくることを願う真田であった。
真田は集中していた。
元々集中には慣れている方だ。
剣道による精神集中の修行もあるが、なによりテニスの試合では一瞬の集中の乱れが命取りになることもある。
そんな集中の真っ只中、声がした。
「――――生命力の補充に伴い、生命の危機の回避を確認。『自動書記』を休眠します」
真田「む?」
真田がおもむろに目を開けると、少女の『無我の境地』にも似た状態は解けていた。
インデックス「あとは……降臨ろした守護者を帰して、神殿を崩せばおしまい」
インデックスは辛そうな顔で笑いかけ――
インデックス「あれ?おかしいんだよ!?完全に治すには風邪といっしょで自分の体力がいるはずなのに!今わたしは元気いっぱいなんだよ!」
――たと思ったらすっごく元気になってた。
真田「…………」
上条達が早く帰ってくることを願う真田であった。
132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 02:07:26.20 ID:HP/m2c900
――翌日――
小萌「真田ちゃん、あの高いところにある小麦粉を取って欲しいのですよー」
真田「うむ」
真田は買い物に来ていた。
最悪のファーストコンタクトを交わしたこの小さな先生も、昨日帰ってきたときに真田が部屋をきれいに片付けていたのを見て、彼への警戒心を解いたようだ。
では何故真田が買い物に来ていたかと言えば、下着等買いたいものがあったのと、自分がこの学園都市に飛ばされた原因を探るためである。
小萌「へぇー、U-17の合宿ですかー、真田ちゃん見かけより随分若いんですねー」
真田「…………」
小萌「でもすごいですねー、日本代表だなんて。どのぐらい強いのですかー?」
真田「……全国大会二位の中学校のレギュラーでした」
小萌「ほえー、かっこいいのですー」
真田「…………」
小萌「真田ちゃん、あの高いところにある小麦粉を取って欲しいのですよー」
真田「うむ」
真田は買い物に来ていた。
最悪のファーストコンタクトを交わしたこの小さな先生も、昨日帰ってきたときに真田が部屋をきれいに片付けていたのを見て、彼への警戒心を解いたようだ。
では何故真田が買い物に来ていたかと言えば、下着等買いたいものがあったのと、自分がこの学園都市に飛ばされた原因を探るためである。
小萌「へぇー、U-17の合宿ですかー、真田ちゃん見かけより随分若いんですねー」
真田「…………」
小萌「でもすごいですねー、日本代表だなんて。どのぐらい強いのですかー?」
真田「……全国大会二位の中学校のレギュラーでした」
小萌「ほえー、かっこいいのですー」
真田「…………」
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 02:27:56.16 ID:HP/m2c900
――同時刻――
ステイル「……神裂、アレは一体なんなんだ?」
神裂「あの高校生に関しての情報は特に集まってません。『ただのケンカっ早いダメ学生』というところでしょうか。ただそれより問題は……ステイル、あなたが成す術もなく敗北したという男……彼に関しての情報は一切ありませんでした」
ステイル「なんだと?」
ステイル=マグヌスは戦慄した。
あれだけの戦闘能力を持つ男だ。テニスというのは恐らくただの趣味。本当の能力は『肉体強化』ないし『風力操作』だと踏んでいた。
あの男自信は『技』だと言っていたが、わざわざ自身の能力説明を敵の前でする馬鹿はいるまい。そしてラケットにも本人にも魔術的な何かを感じなかった。
故にステイルは、あの黒い帽子を被った男をこの学園都市に住む能力者だと考えていたのだが……
ステイル「まさか……本当に純粋な『技』だっていうのか?だとしたら……」
神裂「ええ、非常に低いですが可能性はあります彼が――――
――――『聖人』という可能性が」
ステイル「……神裂、アレは一体なんなんだ?」
神裂「あの高校生に関しての情報は特に集まってません。『ただのケンカっ早いダメ学生』というところでしょうか。ただそれより問題は……ステイル、あなたが成す術もなく敗北したという男……彼に関しての情報は一切ありませんでした」
ステイル「なんだと?」
ステイル=マグヌスは戦慄した。
あれだけの戦闘能力を持つ男だ。テニスというのは恐らくただの趣味。本当の能力は『肉体強化』ないし『風力操作』だと踏んでいた。
あの男自信は『技』だと言っていたが、わざわざ自身の能力説明を敵の前でする馬鹿はいるまい。そしてラケットにも本人にも魔術的な何かを感じなかった。
故にステイルは、あの黒い帽子を被った男をこの学園都市に住む能力者だと考えていたのだが……
ステイル「まさか……本当に純粋な『技』だっていうのか?だとしたら……」
神裂「ええ、非常に低いですが可能性はあります彼が――――
――――『聖人』という可能性が」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 02:42:14.45 ID:6DNPfDIY0
――そしてしばらくして――
インデックス「おっふろ♪おっふろ♪」
上条「昨日死にかけてたのがホントにウソみてーだな……」
真田「…………」
三人は銭湯へ向かっていた。
昨日はドタバタがあったため、風呂に入れなかったから当然とも言える。
だが――
真田「…………」
上条「?真田さん?どうかしたんでせうか?」
真田「いや、なんでもない」
――真田は焦っていた。
自分がこうしている間にもライバルたちは合宿所でメキメキと実力をつけているのかと思うと、いてもたってもいられない。
しかし今自分はワケもわからないままこの学園都市に飛ばされ、彼らに頼るしかない状況である。
世話になっている以上彼らに付き合うのは仕方のないことではあったが、真田としては練習がしたくてたまらなかった。
誤解しないで欲しいが、別に真田は彼らが嫌いなわけではない。テニスが好きなのだ。
インデックス「おっふろ♪おっふろ♪」
上条「昨日死にかけてたのがホントにウソみてーだな……」
真田「…………」
三人は銭湯へ向かっていた。
昨日はドタバタがあったため、風呂に入れなかったから当然とも言える。
だが――
真田「…………」
上条「?真田さん?どうかしたんでせうか?」
真田「いや、なんでもない」
――真田は焦っていた。
自分がこうしている間にもライバルたちは合宿所でメキメキと実力をつけているのかと思うと、いてもたってもいられない。
しかし今自分はワケもわからないままこの学園都市に飛ばされ、彼らに頼るしかない状況である。
世話になっている以上彼らに付き合うのは仕方のないことではあったが、真田としては練習がしたくてたまらなかった。
誤解しないで欲しいが、別に真田は彼らが嫌いなわけではない。テニスが好きなのだ。
136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 02:58:04.76 ID:6DNPfDIY0
インデックス「でもげんいちろう、ソレお風呂には持っていく必要がないと思うんだよ」
真田「?コレか?」
真田は自分のラケット『BabolaT vsドライブ』を軽く持ち上げた。
インデックス「そうそれ!お風呂にラケットを持っていく人なんて初めて聞いたんだよ!」
真田「イヤ、練習ができないから落ち着かなくてな。少しでも感覚を鈍らせんようにこうして持ち歩いているのだ」
上条「ホントにテニスが好きなんですね」
真田「うむ。心身ともに鍛えれるいいスポーツだ。上条、お前もやってみたらどうだ?」
上条「はは……上条さんは遠慮しときます」ブルッ
真田「?そうか」
体育の時間のテニスで不幸にも急所にボールが当たった記憶が蘇ったのはここだけの話である。
真田「?コレか?」
真田は自分のラケット『BabolaT vsドライブ』を軽く持ち上げた。
インデックス「そうそれ!お風呂にラケットを持っていく人なんて初めて聞いたんだよ!」
真田「イヤ、練習ができないから落ち着かなくてな。少しでも感覚を鈍らせんようにこうして持ち歩いているのだ」
上条「ホントにテニスが好きなんですね」
真田「うむ。心身ともに鍛えれるいいスポーツだ。上条、お前もやってみたらどうだ?」
上条「はは……上条さんは遠慮しときます」ブルッ
真田「?そうか」
体育の時間のテニスで不幸にも急所にボールが当たった記憶が蘇ったのはここだけの話である。
141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 03:23:17.97 ID:6DNPfDIY0
――そしてインデックスの記憶が一年前からないとか云々聞かされたあと上条さんが鈍感発動して――
インデックス「とうま、だいっきらい」ガブッ!
上条「ウギャー!」
真田「…………」
そんな三人の様子を少し離れたところから見つめる姿があった。
2mほどの長さの日本刀『七天七刀』を持った、変わったファッションの長身の女――――神裂火織。
彼女はインデックスが上条当麻と真田弦一郎から離れたのを見計らって、ステイルに人払いの合図を送った。
上条「いてて……インデックス先に行っちゃいましたね」
真田「うむ。だが上条、一つ気になることがある 」
上条「はい?」
神裂(!!ステイルが人払いのルーンを刻んだ瞬間に……!?やはりあの男できr……)
真田「何故お前は俺より年上なのに俺に敬語を遣うのだ?」
神裂「」ガクッ
インデックス「とうま、だいっきらい」ガブッ!
上条「ウギャー!」
真田「…………」
そんな三人の様子を少し離れたところから見つめる姿があった。
2mほどの長さの日本刀『七天七刀』を持った、変わったファッションの長身の女――――神裂火織。
彼女はインデックスが上条当麻と真田弦一郎から離れたのを見計らって、ステイルに人払いの合図を送った。
上条「いてて……インデックス先に行っちゃいましたね」
真田「うむ。だが上条、一つ気になることがある 」
上条「はい?」
神裂(!!ステイルが人払いのルーンを刻んだ瞬間に……!?やはりあの男できr……)
真田「何故お前は俺より年上なのに俺に敬語を遣うのだ?」
神裂「」ガクッ
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 03:23:52.52 ID:6DNPfDIY0
上条「え?いや、なんとなく……」
神裂(しかしあの男あれで高1より下ということは中学生!?なんでしょう……これから戦わないといけないのに妙に親近感が湧いてきました……)
真田「もうやめてくれ、これでも多少老け顔は気にしている」
神裂(ホント気になるんですよね!わかりますその気持ち!!20歳ぐらいサバ読んでるとか言われるともう泣きたくて……!)ウンウン
妙なところで勝手に共感する魔術師であった。
神裂(しかしあの男あれで高1より下ということは中学生!?なんでしょう……これから戦わないといけないのに妙に親近感が湧いてきました……)
真田「もうやめてくれ、これでも多少老け顔は気にしている」
神裂(ホント気になるんですよね!わかりますその気持ち!!20歳ぐらいサバ読んでるとか言われるともう泣きたくて……!)ウンウン
妙なところで勝手に共感する魔術師であった。
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 03:48:36.82 ID:6DNPfDIY0
上条「えっと……じゃあ、真田?これでいいか?」
真田「ああ、それでいい」
上条「なんか違和感すげえな……」
真田「そのうち慣れる。ところでだ……上条、何か気付かないか?」
上条「え?別に何もっ……!?」
人が、いない。
上条当麻はやっとそのことに気づいた。
真田「…………」スッ
真田はおもむろにポケットからボールを取りだし――
真田「そこに隠れている貴様、出てこい!」パコン!
――10時の方向に向け、打った。
神裂「やはり気付かれましたか……」バシッ!
姿を現した長身の女は、真田の打った打球を片手で掴み、二人の前まで歩を進めた。
上条「テメェは……」
神裂「神裂火織、と申します。……できれば、もう一つの名は語りたくないのですが」
真田「ああ、それでいい」
上条「なんか違和感すげえな……」
真田「そのうち慣れる。ところでだ……上条、何か気付かないか?」
上条「え?別に何もっ……!?」
人が、いない。
上条当麻はやっとそのことに気づいた。
真田「…………」スッ
真田はおもむろにポケットからボールを取りだし――
真田「そこに隠れている貴様、出てこい!」パコン!
――10時の方向に向け、打った。
神裂「やはり気付かれましたか……」バシッ!
姿を現した長身の女は、真田の打った打球を片手で掴み、二人の前まで歩を進めた。
上条「テメェは……」
神裂「神裂火織、と申します。……できれば、もう一つの名は語りたくないのですが」
178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 10:39:34.13 ID:6DNPfDIY0
上条「もう一つ?」
神裂「魔法名、ですよ」
上条「う……」タジ…
魔法名を名乗るとき、それは『殺し名』を意味するものだということは上条も聞いていた。
真田「貴様もあの神父と同じ、禁書目録を狙う輩か」
神裂「……?」
真田「む……?」
一瞬、不審そうに眉をひそめる女に、真田は違和感を覚えた。
神裂「魔法名、ですよ」
上条「う……」タジ…
魔法名を名乗るとき、それは『殺し名』を意味するものだということは上条も聞いていた。
真田「貴様もあの神父と同じ、禁書目録を狙う輩か」
神裂「……?」
真田「む……?」
一瞬、不審そうに眉をひそめる女に、真田は違和感を覚えた。
179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 10:42:10.78 ID:6DNPfDIY0
神裂「あぁ、禁書目録にそう聞いたのですね」
真田(何だ?今の一瞬の間は……)
神裂「率直に言って」
神裂は片目を閉じて
神裂「魔法名を名乗る前に、彼女を保護したいのですが」
上条「!」ゾクッ
真田「断った場合は?」
神裂「仕方がありません――――名乗ってから、彼女を保護するまで」
真田(何だ?今の一瞬の間は……)
神裂「率直に言って」
神裂は片目を閉じて
神裂「魔法名を名乗る前に、彼女を保護したいのですが」
上条「!」ゾクッ
真田「断った場合は?」
神裂「仕方がありません――――名乗ってから、彼女を保護するまで」
182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 11:04:01.30 ID:6DNPfDIY0
直後、ドン!!という衝撃が地震のように足元を震わせた。
上条「!?」
上条の視界の隅で、闇に覆われたハズの夜空の向こうが夕焼けのようなオレンジ色に焼けている。
どこか遠く――――何百メートルも先で、巨大な炎が燃え広がっているのだ。
上条「インデックス……!」
上条がほとんど反射的に炎の塊に目を向けた瞬間――――神裂火織の斬撃が襲いかかってきた。
が
ガキィィィン!
上条「…………っ!?」
神裂「……今の一瞬で二人とも気絶させるつもりでしたが、やはりあなたはできるようですね」
真田「…………」
神裂の持つ2mほどの長刀、『七天七刀』の一撃を、真田は愛用のラケット、『BabolaT vsドライブ』で受け止めていた。
上条「!?」
上条の視界の隅で、闇に覆われたハズの夜空の向こうが夕焼けのようなオレンジ色に焼けている。
どこか遠く――――何百メートルも先で、巨大な炎が燃え広がっているのだ。
上条「インデックス……!」
上条がほとんど反射的に炎の塊に目を向けた瞬間――――神裂火織の斬撃が襲いかかってきた。
が
ガキィィィン!
上条「…………っ!?」
神裂「……今の一瞬で二人とも気絶させるつもりでしたが、やはりあなたはできるようですね」
真田「…………」
神裂の持つ2mほどの長刀、『七天七刀』の一撃を、真田は愛用のラケット、『BabolaT vsドライブ』で受け止めていた。
186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 11:10:37.49 ID:6DNPfDIY0
真田「ふん!」キィン!
鍔ぜり合いの状態から真田がラケットを振るう。神裂はその勢いを使い、後ろに跳んだ。
上条「さ、真田……!」
真田「たわけがぁ!」
バシッ!
真田の容赦ない裏拳が、上条の頬に叩き込まれた。
上条「……っ!?」
神裂「!?」
真田「敵を目の前にして気を逸らすなど、たるんどるっ!!」
鍔ぜり合いの状態から真田がラケットを振るう。神裂はその勢いを使い、後ろに跳んだ。
上条「さ、真田……!」
真田「たわけがぁ!」
バシッ!
真田の容赦ない裏拳が、上条の頬に叩き込まれた。
上条「……っ!?」
神裂「!?」
真田「敵を目の前にして気を逸らすなど、たるんどるっ!!」
261: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 16:50:05.99 ID:6DNPfDIY0
上条「す、すみません……」
真田「お前はそこに隠れていろ。間違っても助けに行こうなどと思うな」
上条「え?で、でもあの爆発……!きっと昨日の奴にインデックスが……!」
真田「たわけ、誰が敵はアイツだけだと言った?お前が今できる最善の行動は、敵に捕まらないことで俺の足を引っ張らないことだ」
上条「~~~~!!」
何も言い返せなかった。
真田「お前はそこに隠れていろ。間違っても助けに行こうなどと思うな」
上条「え?で、でもあの爆発……!きっと昨日の奴にインデックスが……!」
真田「たわけ、誰が敵はアイツだけだと言った?お前が今できる最善の行動は、敵に捕まらないことで俺の足を引っ張らないことだ」
上条「~~~~!!」
何も言い返せなかった。
263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 16:50:51.42 ID:6DNPfDIY0
神裂「相談は終わりましたか?」
神裂は静かな声で尋ねる。
神裂「できればあなた……真田といいましたか?」
真田「真田弦一郎だ」
神裂「真田、弦一郎……。力強さを感じさせるいい名前ですね」
真田「うむ、俺も気に入っている」
神裂「真田弦一郎。同じような悩みを共感できる者として、私はあなたとあまり戦いたくありません……どうか彼女を私達に渡してくれませんか?」
真田「?共感だのはよくわからんが……禁書目録を渡せというのなら断る」
神裂「そうですか、残念です」
神裂は静かな声で尋ねる。
神裂「できればあなた……真田といいましたか?」
真田「真田弦一郎だ」
神裂「真田、弦一郎……。力強さを感じさせるいい名前ですね」
真田「うむ、俺も気に入っている」
神裂「真田弦一郎。同じような悩みを共感できる者として、私はあなたとあまり戦いたくありません……どうか彼女を私達に渡してくれませんか?」
真田「?共感だのはよくわからんが……禁書目録を渡せというのなら断る」
神裂「そうですか、残念です」
265: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 16:56:04.59 ID:6DNPfDIY0
上条当麻は目の前で起こっている出来事が信じられなかった。
ぶつかっては離れてを繰り返す、長身の女と老けた中学生の得物。
街のチンピラのケンカなんかとは、まるで次元が違う。
ギィィィン!
またもや鍔せり合う二人。
真田「……これほどの腕、禁書目録を斬ったのはお前か」
神裂「えぇそうです……ところでウォーミングアップは済みましたか?」
真田「あぁ、充分だ」
上条(!?ウォーミングアップぅ!?)
神裂「そうですか。ではお互いそろそろ本気といきましょう」
真田「のぞむところだ」
ぶつかっては離れてを繰り返す、長身の女と老けた中学生の得物。
街のチンピラのケンカなんかとは、まるで次元が違う。
ギィィィン!
またもや鍔せり合う二人。
真田「……これほどの腕、禁書目録を斬ったのはお前か」
神裂「えぇそうです……ところでウォーミングアップは済みましたか?」
真田「あぁ、充分だ」
上条(!?ウォーミングアップぅ!?)
神裂「そうですか。ではお互いそろそろ本気といきましょう」
真田「のぞむところだ」
266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 16:57:14.12 ID:6DNPfDIY0
ギィィィン!という音が鳴り二人が距離をとると同時に、真田はタオルや着替えを入れていた袋からテニスボールを3球取り出した。
真田「―――侵略すること、火の如く」ドドドォ!
三球同時に放たれたボールは上からドライブ、左右からスピンがかかり神裂めがけて襲いかかる。だが彼女に焦る様子は一切ない。
神裂「七閃」
そう言葉を発した瞬間、真田の撃った三球のボールがバラバラに切り裂かれ、彼女の周囲には七つの斬撃の跡とテニスボールの残骸が残った。
上条「ウソだろ……!?全然斬った瞬間が見えなかった……!!」
真田「―――侵略すること、火の如く」ドドドォ!
三球同時に放たれたボールは上からドライブ、左右からスピンがかかり神裂めがけて襲いかかる。だが彼女に焦る様子は一切ない。
神裂「七閃」
そう言葉を発した瞬間、真田の撃った三球のボールがバラバラに切り裂かれ、彼女の周囲には七つの斬撃の跡とテニスボールの残骸が残った。
上条「ウソだろ……!?全然斬った瞬間が見えなかった……!!」
271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 17:20:58.18 ID:6DNPfDIY0
真田「ふん、小賢しいわっ!」
真田はさらにボールを取り出し、消えた。
神裂「!?」
「――――動くこと、雷霆の如し」
突如、神裂の後方から声がした。
神裂「っ!?」
彼女が振り返ったときには既にボールが放たれた後だった。数は一球。
神裂(いつの間に私の後ろに!?イヤ、それよりこの打球――――さっきより速い!)
神裂に打球が迫る。
が
神裂(しかし――――間に合わないわけではありません)
神裂「七閃」
七本のワイヤーによる斬撃が、ボールに斬りかかる。
が、ボールは七本のワイヤーを容易く焼き切り、神裂の腹に直撃した。
真田はさらにボールを取り出し、消えた。
神裂「!?」
「――――動くこと、雷霆の如し」
突如、神裂の後方から声がした。
神裂「っ!?」
彼女が振り返ったときには既にボールが放たれた後だった。数は一球。
神裂(いつの間に私の後ろに!?イヤ、それよりこの打球――――さっきより速い!)
神裂に打球が迫る。
が
神裂(しかし――――間に合わないわけではありません)
神裂「七閃」
七本のワイヤーによる斬撃が、ボールに斬りかかる。
が、ボールは七本のワイヤーを容易く焼き切り、神裂の腹に直撃した。
278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 17:34:54.02 ID:6DNPfDIY0
神裂「ぐはっ!?」ゲブゥ
腹に雷の打球の直撃を受けた神裂は、血を吐いてその場にうずくまった。
神裂(『聖痕』の開放をしていないとはいえ……『聖人』である私に一撃でこれほどのダメージを……ぐっ!)
真田「どうした?ワイヤーが焼き切れているぞ」スッ
真田はラケットを突き付け、警戒を緩めない。
神裂「……ひとつ聞かせてください」
真田「?何だ」
神裂「あなたは……『聖人』ですか?」
真田「『聖人』?違うな、俺は――――『皇帝』だ」
腹に雷の打球の直撃を受けた神裂は、血を吐いてその場にうずくまった。
神裂(『聖痕』の開放をしていないとはいえ……『聖人』である私に一撃でこれほどのダメージを……ぐっ!)
真田「どうした?ワイヤーが焼き切れているぞ」スッ
真田はラケットを突き付け、警戒を緩めない。
神裂「……ひとつ聞かせてください」
真田「?何だ」
神裂「あなたは……『聖人』ですか?」
真田「『聖人』?違うな、俺は――――『皇帝』だ」
282: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 17:56:50.15 ID:6DNPfDIY0
神裂「『皇帝』……?」
真田の口から出たよくわからない用語に神裂は困惑した。
が、そんな神裂の様子など気にもとめず、真田はボールを地面につきはじめた。
真田「言い残すことはあるか」ポーンポーン
神裂「くっ……あの子のためにも……こんなところでやられるわけには……っ!」
神裂の脳内に今までの思い出が蘇る。
父親、母親、天草式の面々、そして――――
神裂「すみません、インデックス……私はあなたを……」
真田「さらばだ――」
真田の手からトスが上がり、右腕が降りおろさ―――
上条「って、ちょっとストーーーーーーーーーップ!!!!」
真田の口から出たよくわからない用語に神裂は困惑した。
が、そんな神裂の様子など気にもとめず、真田はボールを地面につきはじめた。
真田「言い残すことはあるか」ポーンポーン
神裂「くっ……あの子のためにも……こんなところでやられるわけには……っ!」
神裂の脳内に今までの思い出が蘇る。
父親、母親、天草式の面々、そして――――
神裂「すみません、インデックス……私はあなたを……」
真田「さらばだ――」
真田の手からトスが上がり、右腕が降りおろさ―――
上条「って、ちょっとストーーーーーーーーーップ!!!!」
285: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 18:05:53.21 ID:6DNPfDIY0
真田「む?どうした上条」
上条「いやあの真田さん!?今なんかワケありな感じのセリフ出ましたよね!?」
真田「そうなのか?」
上条「そうなんですよ!今この人敵のハズなのにインデックスに謝罪してましたからね!?普通ここは事情を聞くところですよ!?なのになんで思いっきりトドメ刺そうとしてるんですか!!!」
真田「む……むう、わかった。わかったから敬語はやめろ」
上条「いやあの真田さん!?今なんかワケありな感じのセリフ出ましたよね!?」
真田「そうなのか?」
上条「そうなんですよ!今この人敵のハズなのにインデックスに謝罪してましたからね!?普通ここは事情を聞くところですよ!?なのになんで思いっきりトドメ刺そうとしてるんですか!!!」
真田「む……むう、わかった。わかったから敬語はやめろ」
302: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 18:33:41.60 ID:6DNPfDIY0
上条「で、神裂……だったか?アンタどうして今インデックスに謝罪を……」
神裂「実は……」カクカクホロビヨアトベキングダム
上条「ウソ……だろ……?」
真田「にわかには信じがたい話だな」
神裂「ですが、そうしないと彼女が死んでしまPrrrrr!
上条「ん?俺の携帯?」
神裂(音うるっせぇんだよド素人が)
上条(知らない番号……とりあえず出てみるか……)pi
神裂「実は……」カクカクホロビヨアトベキングダム
上条「ウソ……だろ……?」
真田「にわかには信じがたい話だな」
神裂「ですが、そうしないと彼女が死んでしまPrrrrr!
上条「ん?俺の携帯?」
神裂(音うるっせぇんだよド素人が)
上条(知らない番号……とりあえず出てみるか……)pi
304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 18:38:09.93 ID:6DNPfDIY0
上条「はい、もしもし?」
?『君は上条当麻君か?』
聞き覚えのない声だったが、向こうは上条のことを知っているようだった。
上条「あ、はい。そうですけど……」
?『フム、どうやらビンゴのようだ。協力感謝するよ。博士』
上条(ビンゴ?博士?)
?『今君の近くに、真田という男はいるか?』
上条「え?あ、はい。いますけど……」チラッ
真田「む?」
?『そうか、済まないが彼と代わってくれないか?』
上条「?構いませんけど……どちら様ですか?」
?『おっと失礼。名乗るのを忘れていた。俺は――』
柳『――柳蓮二という』
?『君は上条当麻君か?』
聞き覚えのない声だったが、向こうは上条のことを知っているようだった。
上条「あ、はい。そうですけど……」
?『フム、どうやらビンゴのようだ。協力感謝するよ。博士』
上条(ビンゴ?博士?)
?『今君の近くに、真田という男はいるか?』
上条「え?あ、はい。いますけど……」チラッ
真田「む?」
?『そうか、済まないが彼と代わってくれないか?』
上条「?構いませんけど……どちら様ですか?」
?『おっと失礼。名乗るのを忘れていた。俺は――』
柳『――柳蓮二という』
311: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 18:50:12.86 ID:6DNPfDIY0
上条「真田さん、あなたに電話ですよ」
真田「だから敬語はやめろ」
上条「えっと……ヤナギレンジ?って人からみたいですけど……」
真田「何!?よこせ!」パシッ
真田「『柳、聞こえているか!』」
柳『……とおまえは言う』
真田「やかましい!今何処にいる!」
柳『何処も何もU-17の合宿所だ。だが学園都市とはおまえも面白いところに飛ばされたものだな』
真田「だから敬語はやめろ」
上条「えっと……ヤナギレンジ?って人からみたいですけど……」
真田「何!?よこせ!」パシッ
真田「『柳、聞こえているか!』」
柳『……とおまえは言う』
真田「やかましい!今何処にいる!」
柳『何処も何もU-17の合宿所だ。だが学園都市とはおまえも面白いところに飛ばされたものだな』
315: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 19:01:57.22 ID:6DNPfDIY0
真田「!?柳、貴様どうして俺が学園都市にいるのか知っているのか?」
柳『何だと?逆におまえは覚えていないのか?』
真田「うむ、気が付いたらここにいた」
柳『…………』
柳(もしかしてあのとき……、だがそんなこと……イヤ、でも真田ならば充分に――――)
柳『…………まぁいい。そのことについてはおまえがこっちに戻ってきてから話す。今は話さない方がおまえにとってはいい結果が生まれるかもしれん』
真田「…………そうか、わかった」
柳『何だと?逆におまえは覚えていないのか?』
真田「うむ、気が付いたらここにいた」
柳『…………』
柳(もしかしてあのとき……、だがそんなこと……イヤ、でも真田ならば充分に――――)
柳『…………まぁいい。そのことについてはおまえがこっちに戻ってきてから話す。今は話さない方がおまえにとってはいい結果が生まれるかもしれん』
真田「…………そうか、わかった」
320: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 19:15:54.80 ID:6DNPfDIY0
柳『それでだ、どうやって帰ってくるかについてだが、学園都市にパイプを持つ跡部財閥のヘリが明日の12時にこの携帯電話の持ち主、上条当麻が所属するとある高校のグラウンドに迎えに行くそうだ』
真田「そうか、了解した」
柳『では切るぞ』
真田「いや、ちょっと待て柳」
柳『?どうした?』
真田「完全記憶能力というものを聞いたことがあるか?」
真田「そうか、了解した」
柳『では切るぞ』
真田「いや、ちょっと待て柳」
柳『?どうした?』
真田「完全記憶能力というものを聞いたことがあるか?」
325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 19:37:31.93 ID:6DNPfDIY0
柳『無論だ。その能力が発見されたのは1887年、イギリスの医師J・ランドン・ダウンが膨大な量の書籍を一回読んだだけですべて記憶し、さらにそれをすべて逆から読み上げるという、常軌を逸した記憶力を持った男性を報告したことが初だと言われている』
真田「オレの方で少し問題があってな……」カクカクスカスカジュウジラケット
柳『フッ、聞くに堪えないふざけた話だな』
真田「なんだと?」
柳『確かに完全記憶能力はどんな些細なことでも忘れない能力だが――――』カクカクスケスケデュークホームラン
柳『――――よって、一年ごとに記憶を消さなければいけないなどというのは、真っ赤なウソだ』
真田「そうか。わかった。礼を言う」
柳『気にするな。切るぞ』pi
真田「オレの方で少し問題があってな……」カクカクスカスカジュウジラケット
柳『フッ、聞くに堪えないふざけた話だな』
真田「なんだと?」
柳『確かに完全記憶能力はどんな些細なことでも忘れない能力だが――――』カクカクスケスケデュークホームラン
柳『――――よって、一年ごとに記憶を消さなければいけないなどというのは、真っ赤なウソだ』
真田「そうか。わかった。礼を言う」
柳『気にするな。切るぞ』pi
326: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 19:38:02.51 ID:6DNPfDIY0
飯食ってきます
330: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 20:01:21.28 ID:6DNPfDIY0
――――
――
真田「……というワケだ」
神裂「そんな……まさか……」
上条「なんてやつらだ……!」
真田「おそらく禁書目録自身のどこかにヤツを苦しめる『何か』があるハズだ」
神裂「早く……破壊しなければ……!」ググッ
急いで動こうとする神裂だったが、やはり雷のダメージは大きく、苦しそうであった。
上条「ちょ、……大丈夫か?」
神裂「へ、平気です……」ヨロヨロ
真田「…………」ヒョイ
上条「へっ?」
神裂「んなっ!?///」
負い目を感じたのだろうか、なんと真田は神裂をおぶって歩き出した。
――
真田「……というワケだ」
神裂「そんな……まさか……」
上条「なんてやつらだ……!」
真田「おそらく禁書目録自身のどこかにヤツを苦しめる『何か』があるハズだ」
神裂「早く……破壊しなければ……!」ググッ
急いで動こうとする神裂だったが、やはり雷のダメージは大きく、苦しそうであった。
上条「ちょ、……大丈夫か?」
神裂「へ、平気です……」ヨロヨロ
真田「…………」ヒョイ
上条「へっ?」
神裂「んなっ!?///」
負い目を感じたのだろうか、なんと真田は神裂をおぶって歩き出した。
332: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 20:14:41.95 ID:6DNPfDIY0
神裂「お、降ろしてください!!一人で歩けます!!///」ジタバタ
真田「女が無茶をするな。雷を受けて立てるだけでも奇跡的だぞ」
上条「イヤ真田さん本当に無能力者なんですか!?」
真田「最初からそう言っとるだろうがたわけ。あと敬語はやめんか」
神裂「早く降ろしてくださ――ぐぅっ……!?」ズキンズキン
真田「だから無茶をするなと言っとろうが。おとなしくせんか!」
神裂「ううぅ……///」
上条「…………」
いい歳して大胆なことをしている30代のカップルに見えたのはここだけの話である
真田「女が無茶をするな。雷を受けて立てるだけでも奇跡的だぞ」
上条「イヤ真田さん本当に無能力者なんですか!?」
真田「最初からそう言っとるだろうがたわけ。あと敬語はやめんか」
神裂「早く降ろしてくださ――ぐぅっ……!?」ズキンズキン
真田「だから無茶をするなと言っとろうが。おとなしくせんか!」
神裂「ううぅ……///」
上条「…………」
いい歳して大胆なことをしている30代のカップルに見えたのはここだけの話である
335: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 20:35:08.51 ID:6DNPfDIY0
――そして数時間後、小萌先生の家――
インデックス「事情はわかったんだよ」
ステイル神裂「…………」
インデックス「許してあげなくもないかも」
ステイル神裂「」ホッ
真田「よいのか?そんなにあっさり許してしまって……」
インデックス「確かに昨日の傷は痛かったんだよ……」
神裂「」ビクッ
インデックス「でもげんいちろうの魔術で全快したから問題ないんだよ!」
ステイル「なぁ、アンタ。それだけのことができるならいっそのことイギリス清教に入らないか?」
真田「断る」
インデックス「事情はわかったんだよ」
ステイル神裂「…………」
インデックス「許してあげなくもないかも」
ステイル神裂「」ホッ
真田「よいのか?そんなにあっさり許してしまって……」
インデックス「確かに昨日の傷は痛かったんだよ……」
神裂「」ビクッ
インデックス「でもげんいちろうの魔術で全快したから問題ないんだよ!」
ステイル「なぁ、アンタ。それだけのことができるならいっそのことイギリス清教に入らないか?」
真田「断る」
338: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 20:47:11.15 ID:6DNPfDIY0
――――
――
神裂「彼女の全身を調べたら、喉の奥に魔術的紋様がありました」
ステイル「喉の奥だと!?あの女狐め……また厄介なところに……!!」
上条「よし、なら俺の『幻想殺し』でそれを破壊すれば……!」
インデックス「たしかにそれなら可能かもしれないけど……」
神裂「けど?」
インデックス「とうまの手を喉の奥に突っ込まれるのには抵抗があるんだよ」
上条「いやンなこと言ってる場あ真田「たわけがぁ!」
バシィッ!
上条神裂ステイル「「「!?」」」
真田の容赦ない裏拳が、インデックスの頬に叩き込まれた。
――
神裂「彼女の全身を調べたら、喉の奥に魔術的紋様がありました」
ステイル「喉の奥だと!?あの女狐め……また厄介なところに……!!」
上条「よし、なら俺の『幻想殺し』でそれを破壊すれば……!」
インデックス「たしかにそれなら可能かもしれないけど……」
神裂「けど?」
インデックス「とうまの手を喉の奥に突っ込まれるのには抵抗があるんだよ」
上条「いやンなこと言ってる場あ真田「たわけがぁ!」
バシィッ!
上条神裂ステイル「「「!?」」」
真田の容赦ない裏拳が、インデックスの頬に叩き込まれた。
344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 20:59:02.42 ID:6DNPfDIY0
上条「ちょ、真田さん!?これまた何やっちゃってくれてるんですか!?」
ステイル「あの子をよくも殺してやる殺してやる殺してy……」
真田「……」ギロッ
ステイル「いえ何でもないです」
神裂「だ、大丈夫ですか?インデックス?」
インデックス「……」
真田の裏拳により、ぐったりと倒れていたインデックスは静かに両目を開き――――
「――――警告」
――――その眼の中には血のように真っ赤な魔法陣の輝きがあった。
ステイル「あの子をよくも殺してやる殺してやる殺してy……」
真田「……」ギロッ
ステイル「いえ何でもないです」
神裂「だ、大丈夫ですか?インデックス?」
インデックス「……」
真田の裏拳により、ぐったりと倒れていたインデックスは静かに両目を開き――――
「――――警告」
――――その眼の中には血のように真っ赤な魔法陣の輝きがあった。
349: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 21:13:34.40 ID:6DNPfDIY0
ステイル「なっ………!」
神裂「これは……マズイ……!」
インデックスの両目が恐ろしいぐらいに輝き、そして何かが爆発した。
ゴッ!という凄まじい衝撃と共に上条達どころか真田の体までもがそのまま向かいの本棚へ激突する。
インデックス「――――警告、第三章第二節。Inedx-Librorum-Prohibitorum―――禁書目録の『首輪』、聖属性の攻撃による第一から第三まで全結界の貫通を確認。
再生準備……失敗。『首輪』の自己再生は不可能、現状、10万3000冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」
真田「これは……一体……!?」
のろのろと。インデックスはまるで骨も関節もない、袋の中にゼリーが詰まっているかのような不気味な動きでゆっくりと立ち上がる。
その両目に宿る真紅の魔法陣が、真田を射抜く。
神裂「これは……マズイ……!」
インデックスの両目が恐ろしいぐらいに輝き、そして何かが爆発した。
ゴッ!という凄まじい衝撃と共に上条達どころか真田の体までもがそのまま向かいの本棚へ激突する。
インデックス「――――警告、第三章第二節。Inedx-Librorum-Prohibitorum―――禁書目録の『首輪』、聖属性の攻撃による第一から第三まで全結界の貫通を確認。
再生準備……失敗。『首輪』の自己再生は不可能、現状、10万3000冊の『書庫』の保護のため、侵入者の迎撃を優先します」
真田「これは……一体……!?」
のろのろと。インデックスはまるで骨も関節もない、袋の中にゼリーが詰まっているかのような不気味な動きでゆっくりと立ち上がる。
その両目に宿る真紅の魔法陣が、真田を射抜く。
353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 21:26:15.04 ID:6DNPfDIY0
インデックス「――――侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功しました。これより特定魔術『聖ジョージの聖域』発動、侵入者を破壊します」
バキン!という音と共に、インデックスの周りの空間に亀裂が入っていく。まるで彼女を護るかのように
真田「…………!」
真田は驚いていた。
だが、彼の驚きは豹変したインデックスの様子に対してでもなければ、空間に亀裂が入っていくという魔術に対してでもなかった。
彼が驚いていたのは――
真田「この力――――俺はどこかで見たことがあるのか……!?」
彼の中に生まれた、奇妙な既視感に対してだった。
バキン!という音と共に、インデックスの周りの空間に亀裂が入っていく。まるで彼女を護るかのように
真田「…………!」
真田は驚いていた。
だが、彼の驚きは豹変したインデックスの様子に対してでもなければ、空間に亀裂が入っていくという魔術に対してでもなかった。
彼が驚いていたのは――
真田「この力――――俺はどこかで見たことがあるのか……!?」
彼の中に生まれた、奇妙な既視感に対してだった。
358: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 21:46:56.06 ID:6DNPfDIY0
だが、今はそんなことを気にしている場合ではなかった。
インデックスの周りの空間の亀裂はどんどん広がっていく
一刻も早く亀裂の現況であると思われる魔法陣を破壊しなければ――
真田(――ここにいる全員が――――死ぬ!)
真田は部屋の隅からラケットと今日買い溜めたテニスボールを取り出した。
真田「――――動くこと、雷霆の如しぃーーー!!」ドドドドドドドドドド!!
同時に放たれた十球のボールは、直角に曲がり、亀裂の一ヶ所に様々な角度からの衝撃を与えた。
が
ゴッ!!っと。亀裂の奥から光の柱が襲いかかってきた。
真田(いかん――)
真田は戦慄した。
真田(――避けられん――――!)
インデックスの周りの空間の亀裂はどんどん広がっていく
一刻も早く亀裂の現況であると思われる魔法陣を破壊しなければ――
真田(――ここにいる全員が――――死ぬ!)
真田は部屋の隅からラケットと今日買い溜めたテニスボールを取り出した。
真田「――――動くこと、雷霆の如しぃーーー!!」ドドドドドドドドドド!!
同時に放たれた十球のボールは、直角に曲がり、亀裂の一ヶ所に様々な角度からの衝撃を与えた。
が
ゴッ!!っと。亀裂の奥から光の柱が襲いかかってきた。
真田(いかん――)
真田は戦慄した。
真田(――避けられん――――!)
389: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 22:34:58.72 ID:6DNPfDIY0
『竜王の吐息』に直面した瞬間、真田の脳に様々な記憶が蘇った。
関東大会での敗北
全国大会での個人の勝利と全体での敗北
ペアマッチでの敗北
崖の上での地獄の特訓
そして――――学園都市に飛ばされる直前にしていた、あの試合。
――――もうやめろ!真田!無茶だ!
――――駄目だ!ヤツには聴こえてねぇ!
――――真田さん!
――――真田ぁーーーーー!
真田(そうだ――――俺は――――あのとき、あの試合で――――)
「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」
バキャァ!!
突如、真田を飲み込もうとしていた光が、何者かにより遮られた。
関東大会での敗北
全国大会での個人の勝利と全体での敗北
ペアマッチでの敗北
崖の上での地獄の特訓
そして――――学園都市に飛ばされる直前にしていた、あの試合。
――――もうやめろ!真田!無茶だ!
――――駄目だ!ヤツには聴こえてねぇ!
――――真田さん!
――――真田ぁーーーーー!
真田(そうだ――――俺は――――あのとき、あの試合で――――)
「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」
バキャァ!!
突如、真田を飲み込もうとしていた光が、何者かにより遮られた。
394: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 22:54:46.55 ID:6DNPfDIY0
真田「…………っ!?」
真田を救ったモノの正体は
上条「ぐっ…………!!!」ガガガガ!
上条当麻だった。
真田「な、何をしとるか上条!下がれ!死ぬぞ!」
上条「うるせぇ!!一コ年下のヤツが頑張ってんのにいつまでも傍観者でいられるかってんだ!!!」
真田「なっ……!?」
上条「……確かに俺は、お前にとって足手まといかもしれねぇけど……でも!俺だってインデックスを助けたいし!真田!お前の力になりたいんだよ!!」
真田「…………!!」
それは、真田が学園都市に来てから今までずっと守りつづけてきた少年の、心の叫びだった。
神裂「それは私たちも同じ気持ちですよ、真田弦一郎」
ステイル「あの子と全くの他人である君に頼りきりなんてのは、僕のプライドが許さないからね」
真田「上条……神裂……ステイル……」
真田を救ったモノの正体は
上条「ぐっ…………!!!」ガガガガ!
上条当麻だった。
真田「な、何をしとるか上条!下がれ!死ぬぞ!」
上条「うるせぇ!!一コ年下のヤツが頑張ってんのにいつまでも傍観者でいられるかってんだ!!!」
真田「なっ……!?」
上条「……確かに俺は、お前にとって足手まといかもしれねぇけど……でも!俺だってインデックスを助けたいし!真田!お前の力になりたいんだよ!!」
真田「…………!!」
それは、真田が学園都市に来てから今までずっと守りつづけてきた少年の、心の叫びだった。
神裂「それは私たちも同じ気持ちですよ、真田弦一郎」
ステイル「あの子と全くの他人である君に頼りきりなんてのは、僕のプライドが許さないからね」
真田「上条……神裂……ステイル……」
403: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 23:14:52.98 ID:6DNPfDIY0
インデックス「――――警告、第百八章第百八節。新たな敵兵を確認。出力を最大まで上げるため、本体を空間に固定します」
インデックスの身体が、ワイヤーに引っ張られるように浮き、50センチ程浮いたところで固定された。
同時に、光の柱の勢いも増す。
上条「ぐうぅうぅううぅぅぅ………っ!?」
ミシミシと上条の腕から音がする。破られるのは時間の問題だった。
上条「くそっ!全然近付けねぇ!何か方法はないのか!?」
上条は自分を後ろから支える二人の魔術師に問いかけた。
ステイル「無理だ!地形を崩して『竜王の吐息』逸らす方法もあったが、浮遊した今じゃそんな方法は通じない!」
神裂「かといって『竜王の吐息』は私たち程度の魔術師でどうにかなる代物じゃありません!真田弦一郎の攻撃も通じなかった今!こうやってあなたを支えるしか打つ手は……!」
真田「打つ手は…………ある」
インデックスの身体が、ワイヤーに引っ張られるように浮き、50センチ程浮いたところで固定された。
同時に、光の柱の勢いも増す。
上条「ぐうぅうぅううぅぅぅ………っ!?」
ミシミシと上条の腕から音がする。破られるのは時間の問題だった。
上条「くそっ!全然近付けねぇ!何か方法はないのか!?」
上条は自分を後ろから支える二人の魔術師に問いかけた。
ステイル「無理だ!地形を崩して『竜王の吐息』逸らす方法もあったが、浮遊した今じゃそんな方法は通じない!」
神裂「かといって『竜王の吐息』は私たち程度の魔術師でどうにかなる代物じゃありません!真田弦一郎の攻撃も通じなかった今!こうやってあなたを支えるしか打つ手は……!」
真田「打つ手は…………ある」
406: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 23:31:02.90 ID:6DNPfDIY0
ステイル「何だと!?」
上条「本当か!?」
神裂「どうすればいいのですか!?教えてください!!」
真田「…………」
真田は、恐れていた。
『アレ』をもう一度やったとき、自分はどうなるかわからない。
彼が学園都市に現れたのは、ただの偶然であると同時に、幸運であった。
もしまた制御できなければ、最悪、死ぬ。
上条「本当か!?」
神裂「どうすればいいのですか!?教えてください!!」
真田「…………」
真田は、恐れていた。
『アレ』をもう一度やったとき、自分はどうなるかわからない。
彼が学園都市に現れたのは、ただの偶然であると同時に、幸運であった。
もしまた制御できなければ、最悪、死ぬ。
407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 23:31:43.65 ID:6DNPfDIY0
だが――
上条「真田!」
ステイル「真田!」
神裂「真田弦一郎!」
真田「……九十秒だ」
上条「え……?」
真田「九十秒そのまま耐えてくれ。そしたら、俺が終わらせる」
――『皇帝』は、立ち上がった――
上条「わかった!」
ステイル「なんとしても持たせる!」
神裂「だから最後は頼みますよ!」
真田「ふん……まかせろ!!」
――彼を信頼してくれる、臣下達のために。
上条「真田!」
ステイル「真田!」
神裂「真田弦一郎!」
真田「……九十秒だ」
上条「え……?」
真田「九十秒そのまま耐えてくれ。そしたら、俺が終わらせる」
――『皇帝』は、立ち上がった――
上条「わかった!」
ステイル「なんとしても持たせる!」
神裂「だから最後は頼みますよ!」
真田「ふん……まかせろ!!」
――彼を信頼してくれる、臣下達のために。
411: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 23:40:13.56 ID:6DNPfDIY0
真田(まず、厄介なのはヤツの適応力)
真田(敵の数や攻撃に反応して、ベストな対応をしてくる……ならば……)
真田「――――知り難きこと、陰の如く
」
インデックス「――――警告、敵兵『真田弦一郎』の攻撃が変化、解析――――失敗。継続して解析――――失敗」
真田(敵の数や攻撃に反応して、ベストな対応をしてくる……ならば……)
真田「――――知り難きこと、陰の如く
」
インデックス「――――警告、敵兵『真田弦一郎』の攻撃が変化、解析――――失敗。継続して解析――――失敗」
412: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/13(土) 23:45:08.63 ID:6DNPfDIY0
真田(よし、ここからが本番だ)
スッ、と真田は攻撃体勢をとる。その構えは、火。
だが――
真田「――――動かざること、山の如し」
――真田は、あえて山を発動した。
スッ、と真田は攻撃体勢をとる。その構えは、火。
だが――
真田「――――動かざること、山の如し」
――真田は、あえて山を発動した。
419: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 00:00:31.04 ID:ygrDEVxX0
真田「ぬんっ!」
ブォォッ!と、真田の身体から黒いオーラが噴き出した。
真田「はぁぁぁぁああっ……!!」ズゾゾゾゾゾゾゾ!
真田の呼吸に合わせ、オーラがどんどん膨らんでゆく。
真田(準備は整った)
ブォォッ!と、真田の身体から黒いオーラが噴き出した。
真田「はぁぁぁぁああっ……!!」ズゾゾゾゾゾゾゾ!
真田の呼吸に合わせ、オーラがどんどん膨らんでゆく。
真田(準備は整った)
425: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 00:08:26.93 ID:ygrDEVxX0
上条「ぐっ……!?まだか!?」
ステイル「泣き言を言うな!集中しろ!」
神裂「あと少しです!なんとか耐えてください!」
だが上条の右手はもうズタズタだった。
恐らく、小指の骨は折れている。
上条(ぐっ……!もう、ダメだっ……!)
上条が限界を迎えたとき――
真田「………よく耐えた。後はまかせて伏せていろ」
――全てを預かった、皇帝の声が響いた。
ステイル「泣き言を言うな!集中しろ!」
神裂「あと少しです!なんとか耐えてください!」
だが上条の右手はもうズタズタだった。
恐らく、小指の骨は折れている。
上条(ぐっ……!もう、ダメだっ……!)
上条が限界を迎えたとき――
真田「………よく耐えた。後はまかせて伏せていろ」
――全てを預かった、皇帝の声が響いた。
431: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 00:22:02.39 ID:ygrDEVxX0
上条たちが伏せると、『竜王の吐息』が容赦なく真田に襲いかかった。
が
真田「ぬおおおおおおおおおお!!!」
山と黒いオーラの防御力で、火の構えのまま、真田はその光線を受け止めた。
そして――
真田(――――っ!見切った!)
――あえて攻撃を受けることで、『竜王の吐息』の弱所を見切った。
真田「――――侵略すること、火の如く!」
真田「――――加えて、静かなること、林の如く!」
真田「――――加えて、動くこと、雷霆の如し!」
が
真田「ぬおおおおおおおおおお!!!」
山と黒いオーラの防御力で、火の構えのまま、真田はその光線を受け止めた。
そして――
真田(――――っ!見切った!)
――あえて攻撃を受けることで、『竜王の吐息』の弱所を見切った。
真田「――――侵略すること、火の如く!」
真田「――――加えて、静かなること、林の如く!」
真田「――――加えて、動くこと、雷霆の如し!」
437: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 00:37:21.49 ID:ygrDEVxX0
真田は火と雷の攻撃力に加えて林で光線を受け流しながら、テニスボールで『竜王の吐息』の弱所を撃ち抜いた。
放たれたボールは十球に分裂し、光線の中に空間を作る。
上条「すげえ……」
神裂「これなら……」
ステイル「勝てる!」
風林火陰山雷の併せ技に、黒いオーラ。
三人は真田の勝利を確信した。
が――
インデックス「――対象の消滅を確認」
――無情に響く声が三人の希望を絶った。
しかし――
真田「おおおおおおおおおお!!!」
――直後、真田自身が、火と林と雷を纏い『竜王の吐息』を貫いて現れた。
放たれたボールは十球に分裂し、光線の中に空間を作る。
上条「すげえ……」
神裂「これなら……」
ステイル「勝てる!」
風林火陰山雷の併せ技に、黒いオーラ。
三人は真田の勝利を確信した。
が――
インデックス「――対象の消滅を確認」
――無情に響く声が三人の希望を絶った。
しかし――
真田「おおおおおおおおおお!!!」
――直後、真田自身が、火と林と雷を纏い『竜王の吐息』を貫いて現れた。
441: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 00:50:22.68 ID:ygrDEVxX0
そう、先に打ったボールは、あくまでも真田が進む道を確保するためにすぎなかったのだ。
本当の目的は、真田自身がインデックスに近づくことだった。
インデックス「――――警告、敵兵『真田弦一郎』が零距離の位置に出現、空間固定」
真田「がっ……!?」
しかし、自動書記は冷静に対処し、空間を固定した。
だが、その程度で止まるほど、真田弦一郎はヤワではない。
そもそも、『この程度で止まったら学園都市には現れなかったのだから』
真田「向こうに入らんかーーーーっ!!!」
バキィィィン!という音と共に、固定された空間が破壊された。
ステイル「真田!」
神裂「真田弦一郎!」
上条「いけぇーーーーーっ!」
真田「禁書目録……目を覚まさんかーーーーっ!!!」
容赦ない裏拳が、インデックスの顔面に叩き込まれた。
本当の目的は、真田自身がインデックスに近づくことだった。
インデックス「――――警告、敵兵『真田弦一郎』が零距離の位置に出現、空間固定」
真田「がっ……!?」
しかし、自動書記は冷静に対処し、空間を固定した。
だが、その程度で止まるほど、真田弦一郎はヤワではない。
そもそも、『この程度で止まったら学園都市には現れなかったのだから』
真田「向こうに入らんかーーーーっ!!!」
バキィィィン!という音と共に、固定された空間が破壊された。
ステイル「真田!」
神裂「真田弦一郎!」
上条「いけぇーーーーーっ!」
真田「禁書目録……目を覚まさんかーーーーっ!!!」
容赦ない裏拳が、インデックスの顔面に叩き込まれた。
451: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 01:09:43.32 ID:ygrDEVxX0
――翌日――
カエル医者「全治一週間だね」
上条当麻は病院のベッドでそう告げられた。
カエル医者「にしてもすごい怪我の仕方だね?骨が折れてるだけならまだしも筋繊維が無事な所が一切ないほどズタズタだ。まぁ治るけどね?」
上条「そうですか……」
上条は心ここにあらずといった感じで答えた。
カエル医者「全治一週間だね」
上条当麻は病院のベッドでそう告げられた。
カエル医者「にしてもすごい怪我の仕方だね?骨が折れてるだけならまだしも筋繊維が無事な所が一切ないほどズタズタだ。まぁ治るけどね?」
上条「そうですか……」
上条は心ここにあらずといった感じで答えた。
454: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 01:20:13.22 ID:ygrDEVxX0
目が覚めたら小萌先生の家ではなく病院のベッドの上にいた。
それが目を覚ました上条が最初に思ったことだった。
真田がインデックスの顔面に裏拳を叩き込んで、インデックスの暴走が止まったことまでは覚えている。
だが、それより後の記憶がない。
上条「……インデックスや、真田は、どうなったんだ……?」
それが目を覚ました上条が最初に思ったことだった。
真田がインデックスの顔面に裏拳を叩き込んで、インデックスの暴走が止まったことまでは覚えている。
だが、それより後の記憶がない。
上条「……インデックスや、真田は、どうなったんだ……?」
457: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 01:30:02.40 ID:ygrDEVxX0
ガラッ
真田「邪魔するぞ」
インデックス「お邪魔しますなんだよ」
上条「は?」
気にした矢先、その二人が現れた。
噂をすれば、だろうか。
真田「目が覚めたか」
信じられないことに、あれだけの戦いを披露しておきながら、真田は無傷だった。
インデックス「これ、お見舞いなんだよ!……ジュルリ」
一方インデックスは身体こそ無傷だったが、右のほっぺたに湿布をしていた。
真田「邪魔するぞ」
インデックス「お邪魔しますなんだよ」
上条「は?」
気にした矢先、その二人が現れた。
噂をすれば、だろうか。
真田「目が覚めたか」
信じられないことに、あれだけの戦いを披露しておきながら、真田は無傷だった。
インデックス「これ、お見舞いなんだよ!……ジュルリ」
一方インデックスは身体こそ無傷だったが、右のほっぺたに湿布をしていた。
469: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 01:48:33.02 ID:ygrDEVxX0
上条「……つまりあのあと気絶した俺を病院まで運んでそのまま病院に泊まったと」
真田「うむ、あそこに長居するワケにもいかんからな」スパッスパッ
インデックス「げんいちろうが切ったリンゴおいしいんだよ!」モグモグ
上条「……そういえば、あのあと小萌先生の家はどうなったんでせうか?でっかいビームとかぶっぱなしてましたけど……」
真田「問題ない。光線の先はたまたま一昨日俺が蹴破った玄関のドアだったからな。開けっ放しにしておいたから綺麗にそこからすり抜けて行ったらしい」スパッスパッ
上条「ちょ、マジですか!?」
真田「うむ、本当だ。あと敬語はやめんか」スパッスパッ
インデックス「オレンジもおいしいんだよ!」モグモグ
真田「うむ、あそこに長居するワケにもいかんからな」スパッスパッ
インデックス「げんいちろうが切ったリンゴおいしいんだよ!」モグモグ
上条「……そういえば、あのあと小萌先生の家はどうなったんでせうか?でっかいビームとかぶっぱなしてましたけど……」
真田「問題ない。光線の先はたまたま一昨日俺が蹴破った玄関のドアだったからな。開けっ放しにしておいたから綺麗にそこからすり抜けて行ったらしい」スパッスパッ
上条「ちょ、マジですか!?」
真田「うむ、本当だ。あと敬語はやめんか」スパッスパッ
インデックス「オレンジもおいしいんだよ!」モグモグ
472: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 01:55:42.22 ID:ygrDEVxX0
上条「それにしても……ずっと気になってたんだが……」
真田「?なんだ?」 スパッスパッ
上条「真田さんはどうやって学園都市に来たんでせうか?」
真田「うむ、実は……俺も昨日思い出したのだが――」スパッスパッ
上条「」ゴクリ…
真田「――俺は空間を超えてやってきたのだ」スパッスパッ
上条「は?」
インデックス「メロンも美味しいんだよ!」モグモグ
真田「?なんだ?」 スパッスパッ
上条「真田さんはどうやって学園都市に来たんでせうか?」
真田「うむ、実は……俺も昨日思い出したのだが――」スパッスパッ
上条「」ゴクリ…
真田「――俺は空間を超えてやってきたのだ」スパッスパッ
上条「は?」
インデックス「メロンも美味しいんだよ!」モグモグ
473: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 02:05:01.46 ID:ygrDEVxX0
真田「俺はU-17の合宿中、高校生最強と言われる平等院鳳凰に野試合を挑んだ」スパッスパッ
上条「平等院鳳凰って……すっげぇ名前だな……」
インデックス「ベリーメロンなんだよ!」モグモグ
真田「だが俺は奴の打球を喰らい、気を失った」
上条「なんだろう……おかしなことのハズなのに普通に感じている自分がいる……」
インデックス「もっと切って欲しいんだよ!」グイグイ
真田「だが俺は意識が朦朧としたまま試合を続けた。そして、ヤツに勝つために俺の全ての技を複合した結果、空間を超え、学園都市に現れたのだ」スパッスパッ
上条「すみません意味がわかりません」
インデックス「梨も美味しいんだよ!」
上条「平等院鳳凰って……すっげぇ名前だな……」
インデックス「ベリーメロンなんだよ!」モグモグ
真田「だが俺は奴の打球を喰らい、気を失った」
上条「なんだろう……おかしなことのハズなのに普通に感じている自分がいる……」
インデックス「もっと切って欲しいんだよ!」グイグイ
真田「だが俺は意識が朦朧としたまま試合を続けた。そして、ヤツに勝つために俺の全ての技を複合した結果、空間を超え、学園都市に現れたのだ」スパッスパッ
上条「すみません意味がわかりません」
インデックス「梨も美味しいんだよ!」
480: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 02:16:08.87 ID:ygrDEVxX0
真田「つまりだ、禁書目録を止めるときに最後に見せたあの突撃技。あれを平等院に叩き込むことで一発逆転を狙ったら空間を超え、学園都市にいたのだ」
上条「……真田さんちょっとお尋ねしていいですか?テニスってポイント制ですよね?一発逆転なんてあるんですか!?ねぇ!?」
インデックス「……zzZ」
真田「空間を超え、学園都市に現れた俺はそのまま気絶した……。そして目が覚めたら上条、お前が俺の近くを通りかかったのだ」
上条「……だからスポーツウェアのままだしラケットとボールも持っていた、と……」←諦めて何が起ころうとも受け入れることにした
真田「うむ」
上条「……真田さんちょっとお尋ねしていいですか?テニスってポイント制ですよね?一発逆転なんてあるんですか!?ねぇ!?」
インデックス「……zzZ」
真田「空間を超え、学園都市に現れた俺はそのまま気絶した……。そして目が覚めたら上条、お前が俺の近くを通りかかったのだ」
上条「……だからスポーツウェアのままだしラケットとボールも持っていた、と……」←諦めて何が起ころうとも受け入れることにした
真田「うむ」
484: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 02:31:23.10 ID:ygrDEVxX0
上条「あれ?でもそしたらどうして真田さんは昨日空間を超えなかったんでせうか?」
真田「皮肉にも俺が倒した暴走禁書目録の空間固定のおかげでな。まぁ結局完全に固定はしきれなかったみたいだが」
上条「ははぁ、なるほど」
インデックス「……zzZ」
真田「皮肉にも俺が倒した暴走禁書目録の空間固定のおかげでな。まぁ結局完全に固定はしきれなかったみたいだが」
上条「ははぁ、なるほど」
インデックス「……zzZ」
486: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 02:36:31.79 ID:ygrDEVxX0
真田「ではそろそろ俺は帰るとする」
上条「え、もうちょっと話しましょうよ」
真田「悪いがいい加減に練習がしたくてな。昨日の戦いを経てあの技に関して何か掴めた気がするのだ」
上条「……本当に、テニスが好きなんですね」
真田「無論だ。あと敬語はやめんか」
上条「え、もうちょっと話しましょうよ」
真田「悪いがいい加減に練習がしたくてな。昨日の戦いを経てあの技に関して何か掴めた気がするのだ」
上条「……本当に、テニスが好きなんですね」
真田「無論だ。あと敬語はやめんか」
492: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 02:53:37.17 ID:ygrDEVxX0
真田「ではさらばだ」
真田は椅子から立ち上がり、ドアに手をかけた。
上条「真田さん!」
真田「む?」
上条「……また、会えますよね?」
真田「…………」
五秒ぐらい沈黙が続いた後、真田が口を開いた。
真田「わからん」
上条「」ガクッ
真田は椅子から立ち上がり、ドアに手をかけた。
上条「真田さん!」
真田「む?」
上条「……また、会えますよね?」
真田「…………」
五秒ぐらい沈黙が続いた後、真田が口を開いた。
真田「わからん」
上条「」ガクッ
493: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 02:57:28.20 ID:ygrDEVxX0
真田「俺は空間は超えられても、時間は超えられんからな」
上条「いや、空間超えるだけでも充分すごいというかおかしいんですけどね……」
真田「だが……上条、お前がテニス始めるというならば、いずれ大会で会うことになるかもしれんな」
上条「…………」
真田「さらばだ。あぁ、最後に一ついい忘れていた――」
上条「?」
真田「――敬語はやめんか。さらばだ」ガラッ、バタン
最後の『敬語はやめんか』のとき上条は、心なしか真田が少し笑っていたように見えた。
――病院の外――
真田「……空間移動を完全に使いこなすトレーニングとして走って帰るか」シュン
こうして、真田弦一郎は光速で学園都市から姿を消した。
上条「いや、空間超えるだけでも充分すごいというかおかしいんですけどね……」
真田「だが……上条、お前がテニス始めるというならば、いずれ大会で会うことになるかもしれんな」
上条「…………」
真田「さらばだ。あぁ、最後に一ついい忘れていた――」
上条「?」
真田「――敬語はやめんか。さらばだ」ガラッ、バタン
最後の『敬語はやめんか』のとき上条は、心なしか真田が少し笑っていたように見えた。
――病院の外――
真田「……空間移動を完全に使いこなすトレーニングとして走って帰るか」シュン
こうして、真田弦一郎は光速で学園都市から姿を消した。
494: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/14(日) 02:59:22.80 ID:ygrDEVxX0
――とある高校――
バラバラバラバラバラバラ
跡部「いねーじゃねーの」
おわり
バラバラバラバラバラバラ
跡部「いねーじゃねーの」
おわり
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。