~ある日の夜 シェリル・ランカ家~


    ガチャッ!

ランカ「はぁ、はぁ……っ。た、ただいまぁ!!」ドタバタ

シェリル「………」ジーッ

ランカ「あっ、しぇ、シェリルさん!すみません、帰るの遅くなっちゃって……」アセアセ

シェリル「……もぉっ!本当に遅いわよ!ずっとあなたが帰ってくるのを待ってたのよ?」プンスカプンスカ

ランカ「あのっ、そのっ……!ごめんなさいっ!仕事が長引いちゃって……そ、そのぅ……」ペコリッ

シェリル「ふぅ~ん、私よりそんなに仕事が大事なんだぁ?ランカちゃんは……」ジトー

ランカ「そ、それはっ……そのぅ……」ウルウル

シェリル「……ふふっ!」クスッ

ランカ「……えっ?」

シェリル「冗談よ。怒ってなんかないわ。面白いからからかっただけ♪」ナデナデ

ランカ「も、もぉっ!本当に怒ってたら、どうしようかと思いましたよぉ……///」プクー

シェリル「ごめんなさいね。さっ、夕飯にしましょ?」

アルト「………」

引用元: シェリル「私は良い奥さんよね?」ランカ「はいっ!シェリルさん!」 




4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 13:33:55.39 ID:Ks2zqI+V0
シェリル「アルト、夕飯の用意して頂戴」

アルト「あぁ…」イソイソ

シェリル「手早くね!私、もうお腹ペコペコなんだから!」

アルト「(なんだよ……。ランカが帰ってくる前は『私、お腹減ってないの。ランカちゃんを待つわ』とか言ってたくせに…)」

アルト「……」イソイソ


~リビング~

ランカ「すみません。なんだったら先に食べていても良かったのに…」

シェリル「いいのよ。そんな気をつかわなくても」

シェリル「独りで食べるのは寂しいな、って思っただけだから」ニコッ

ランカ「そ、そうですか……///」モジモジ

シェリル「よしよし」ナデナデ

~台所~

アルト「……」イソイソ

アルト「(二年前、シェリルとランカは結婚した)」

アルト「(そしてSMSを辞めた俺は……。2人の召使い(家政婦)になった)」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 13:43:43.84 ID:Ks2zqI+V0
~リビング~

アルト「ほらっ、出来たぞ」イソイソ

  [アルトが作った夕食]キラキラ~

ランカ「うわぁっ!美味しそう!」

シェリル「いっただきま~す!」

ランカ「ぱくっ!……もぐもぐ。…うん、美味しい!」

シェリル「もぐもぐ…。まぁ、なかなかね」

アルト「フフン、そうだろう?」ドヤァ

アルト「(こういうのは昔仕込まれたからな。誰にでも自慢できるぜ!)」


シェリル「ほら、ランカちゃん。あ~ん♪」スッ

ランカ「あ~ん……ぱくっ♪おいし~♪」

ランカ「シェリルさんも、あ~ん♪」スッ

シェリル「あ~ん……ぱくっ♪ふふっ///」ニコニコ

ランカ「えへへっ///」ニコニコ

アルト「(誰にでも自慢出来るけど……なんか虚しい)」ズーン

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 13:51:32.83 ID:Ks2zqI+V0
~夕食後~

シェリル・ランカ「ごちそうさま~」

アルト「はい、お粗末様でした」スッ カチャカチャ



ランカ「ねぇ、アルトくん……。お風呂って、沸いてる?」

アルト「えっ?あぁ、いつでも入れるけど…」

ランカ「そっか。シェリルさん、私お先にお風呂入っちゃいますね?」

アルト・シェリル「!」

ランカ「ダメ……ですか?///」ドキドキ

シェリル「いや……どうぞ。先に入って」

ランカ「はっ、はぁ~い!!」ピョン

ランカ「~♪」トコトコ


シェリル「……うふふっ///」ソワソワ

アルト「……」

アルト「さ~てと、食器片付けないとなぁ~」スクッ

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 14:00:59.80 ID:Ks2zqI+V0
~台所~

アルト「……」ジャージャー キュッキュ

アルト「………」チラッ


シェリル「……」ソワソワ ソワソワ


アルト「(やっぱり……)」

アルト「(この家においては、全てシェリルが一番だ)」

アルト「(食べたい物もシェリルに合わせるし、休みの過ごし方も全部シェリルが決める)」

アルト「(当然、一番風呂もシェリルの物なわけだが……。例外がある)」

アルト「(それは『ランカが夜の合図を出す時』)」

アルト「(俺は約2年間ここで働いているうちに、2人のシークレットサインを覚えてしまった)」

アルト「(サインを見つけた時は嬉しかった。『あぁ、なるほどな!』ってな)」

アルト「(でも今じゃ……)」


ランカ「ふぅ~っ。シェリルさん、出ましたよ~」ホカホカ

アルト「(今日の夜が憂鬱だ)」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 14:08:23.43 ID:Ks2zqI+V0
シェリル「ランカちゃん」チョイチョイ

ランカ「……?」

シェリル「……待っててね♪」ヒソッ

ランカ「あっ……///は、はい……////」

シェリル「~♪」トコトコ

アルト「………」


ランカ「……///」

アルト「………」

ランカ「……よぉ~しっ! アルトくん、ジュース頂戴っ!」

アルト「……。ほらよ…」 [ジュース]

ランカ「ありがと! …んっ、んっ、んっ、ぷはーっ!!」

アルト「………」

ランカ「(頑張るぞぉっ!)」ピョン

ランカ「アルトくん、私もう寝るから!」

アルト「おぅ、おやすみ」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 14:13:33.76 ID:Ks2zqI+V0
~しばらくして~

シェリル「ふぅ~っ」ホカホカ

アルト「……」

シェリル「あら?ランカちゃんは?」キョロキョロ

アルト「先に寝るってさ……」

シェリル「あら、そう……」


アルト「……」

シェリル「う~ん。じゃあ私も寝ようかな~?」

アルト「(しらじらしい…)」

シェリル「じゃ、アルト。おやすみ!明日は私とランカちゃん、休みだからね?」 [スケジュール]

アルト「あぁ、わかってるよ。おやすみ」


シェリル「フンフンフーン♪」トコトコ


アルト「………」

アルト「(俺も、風呂入るか……)」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 14:21:46.06 ID:Ks2zqI+V0
~風呂場~

アルト「ふぅ……」チャポン

アルト「……」ブクブク

アルト「(今頃、シェリルとランカの奴、始まってるのか……)」

アルト「(もう慣れたとは言え、ひとつ屋根の下でそういうことが行われてると思うとな……)」

アルト「……///」ムクムク

アルト「(やばっ!……気持ちを抑えないと……)」

アルト「(そうだ。俺は召使い……召使いなんだ……)」シオシオ

アルト「はぁ……」


アルト「(まったく、何処で道を間違えたんだろうか)」

アルト「(2人が俺に気があると確信して、余裕ぶってたのがいけないんだな……)」

アルト「(どっちにしよう? とか考えてさ……。バカだよな、あの時の俺……)」

アルト「………」

アルト「(はぁ……、今頃あいつら……)」ムクムク

アルト「(って、駄目だ!そういうこと考えるな!俺!!)」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 14:31:37.44 ID:Ks2zqI+V0
~しばらくして~

アルト「……」ホカホカ

アルト「(よし、もう寝よう!さっさと寝ちまえ!)」スタスタ


アルト「(と、思いたい所なんだが……)」


~シェリル・ランカの部屋の前~

アルト「(俺の部屋に行くまでに、2人の部屋の前を通るんだよな……)」

アルト「………」ジーッ [ドア]

アルト「(聞き耳立てるくらいなら……いいよな?いつもやってるし)」


アルト「……」スッ[ドア]

   「んっ……んぐっ……」

    「うぅ……はぁ……。いいわよ、ランカちゃん。その調子……」

   「ふぁい……んぐっ……んぐっ、んぐっ、んぐっ」

    「あぁっ、くぅ……。うぁっ……」

アルト「(なるほど……。今シェリルの●●●(女性用着脱式xxx)をランカが   ってる所か……)」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 14:41:28.01 ID:Ks2zqI+V0
アルト「……」ハァハァ

アルト「(!! だ、駄目だ!!)」

アルト「(こんなこと、男がやることじゃない!!)」スッ


~アルトの部屋~

アルト「ハァ…ハァ……」

アルト「ハァ、ハァ……。シェリル……ランカ……!!」

アルト「あっ……うぅ……!!イクぞ!シェリル!!ランカ!!」

アルト「あぐっ…!!うぅっ……!!」

アルト「うぁっ……はぁ…はぁ……。ふぅ……」  [シェリルとランカの写真]ベッチャリ

アルト「(……)」

アルト「(男がやることじゃない、とか言いつつ……結局部屋でこんなことしちまうんだな…)」

アルト「(意志が弱いというか、なんというか……)」

アルト「(はぁ、独身は辛いな……)」

アルト「(と言っても、相手がいないし……)」

アルト「(……寝よう)」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 14:49:58.40 ID:Ks2zqI+V0
~次の日の朝~

時計<ジリリリリリ

アルト「ん……っ。もう朝か……」カチッ

アルト「(そういや、今日はあの2人休みなんだっけ)」

アルト「(でも俺には休みはない……)」イソイソ


~台所~

アルト「……」ジュージュー

アルト「(はぁ……。俺って、いつまでこんな生活続けるんだろう……)」


シェリル「ふわーぁ」

アルト「(あっ、起きてきた…)」

ランカ「アルトくん、おはよ~」ネムネム

シェリル「おはよう、アルトぉ~」ネムネム

アルト「はいはい、おはよう」

アルト「(昨晩はお楽しみでしたね。ちくしょうが!!)」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 15:00:02.35 ID:Ks2zqI+V0
~朝ご飯タイム~

ランカ「今日は1日、何します?」パクパク

シェリル「う~ん?家でゲームでもしてましょうよ」パクパク

ランカ「えっ?せっかくの休みなのに?」

シェリル「いいじゃない。出掛けて人ゴミにまみれた1日を過ごすより」

シェリル「それとも、私と2人で過ごす時間が嫌なの?」

ランカ「そ、そういう意味じゃありませんよ…///」アセアセ

アルト「………」


シェリル・ランカ「キャッキャ ウフフ」

アルト「(こいつらが1日家にいるってことは、今日1日こいつらがイチャイチャしてるのを見なきゃいけないのか……)」

アルト「はぁ……」

シェリル「あら?どうしたの?溜息なんかついちゃって」

アルト「別に……」

ランカ「疲れてるんなら、今日1日家事は私がやってあげようか?」

アルト「…いや!元気だから気にするな!(家事を取られたら俺の居場所がなくなるから止めろ!!)」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 15:10:10.85 ID:Ks2zqI+V0
シェリル・ランカ「ごちそうさま~」

アルト「お粗末様」カチャカチャ

アルト「(そろそろ買い物にも行かないとな…)」

アルト「(その後洗濯物を干して、出来れば掃除も…)」


シェリル「なんのゲームやろうかしらねぇ?」

ランカ「積んであるゲーム、結構ありますよ」

シェリル「この前買ったマクロス無双もやりたいわね…」

アルト「……」

アルト「(今のうちに買い物行っちゃうか)」


アルト「じゃ、俺買い物行ってくるから」

シェリル「えぇ、いってらしゃ~い」

ランカ「いってらっしゃ~い……。で、私はRPGを進めた方がいいと思います!」

シェリル「RPG~?あれ途中で飽きるのよね」


アルト「(いつも思うけど、俺っていらないよな……。悲しくなってきた……)」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 15:18:39.76 ID:Ks2zqI+V0
~スーパー~

アルト「え~っと、人参と白菜と……」キョロキョロ

アルト「泥ねぎ……泥ねぎ……」キョロキョロ

ナナセ「あっ、早乙女君!」

アルト「ん…?おぉ、ナナセか」

ナナセ「あれ?早乙女君、1人?ランカさん達と一緒じゃないの?」

アルト「あの2人は家でイチャイチャしてるよ……。お前こそ1人か?」

ナナセ「いえ、私は…」


  「あぁ~~~っ!!!」

アルト「!?」

ルカ「何やってるんですか先輩!?僕のナナセさんに!!」

アルト「い、いや、たまたま会っただけで…」

ルカ「本当ですか…?」ジトー

アルト「お、おぅ……」

アルト「(ルカもナナセと結婚したんだよな…。ミシェルもクランと……)」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 15:28:34.72 ID:Ks2zqI+V0
アルト「(隊長も結婚した……)」

アルト「(元スカル小隊で取り残されてるのは俺だけ……)」

アルト「(いや、下手したら俺の知り合いの男みんな結婚してるかもな……)」

アルト「はぁ……」


ナナセ「でも、あの2人が結婚したなんて今でも信じられないよ」

アルト「ん?なんでだよ?」

ナナセ「だって、早乙女君とシェリルさんって、一時期恋人同士だったのに」

アルト「あ、あぁ…。そんなこともあったな」

ルカ「気づいたらランカさんとシェリルさんが結婚してましたよね」

アルト「………」

ナナセ「私もランカさんと結婚したかったなぁ……」

ルカ「あははっ!……って、えっ!?」


アルト「………」

アルト「(俺とシェリルが結婚、か……)」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 15:37:39.55 ID:Ks2zqI+V0
~シェリル・ランカ家~

    ガチャ

アルト「ただいま~」


    し~ん


アルト「……?結局出掛けたのか?」

アルト「ただいま~?」トコトコ


~リビングの前~

アルト「ただいま~?」[ドア]

   「しぇ、シェリルさん!アルトくんが帰ってきちゃいましたよ!」

    「うふふっ、いいじゃない。帰ってきても…」

アルト「!?」

   「だ、ダメですよぉ……///ひゃぁっ!///」

    「ねぇ、何が駄目なの?ふふっ、言ってごらんなさい。ねぇ、何が?」

アルト「(まだ午前中だっていうのに……。しかもリビングで……)」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 15:47:38.98 ID:Ks2zqI+V0
~台所~

アルト「(ったく……。あいつら、いつまで新婚気分なんだよ…)」

アルト「(とりあえず昼の準備を…)」


   「ダメぇっ!!そ、そんなぁっ……ひぃぃっ……///」

    「あら?いいのぉ?大きい声出すとアルトに聞こえるわよぉ?」

   「んんっ…!んっ……くはぁっ!んんんっ!」

    「ほらほら、我慢しないとぉ……気づかれちゃうわよ?」

   「うぅん……やだぁ……シェリルさぁん!やだぁっ!」

    「ふふふっ……」


アルト「………」

アルト「(台所にいると、リビングの声が丸聞こえなんだが…)」

アルト「(流石に細かい音までは聞こえないけど……。ランカ叫びすぎだろ)」

アルト「(つーか、気づかれてないと思ってるのか?2人は)」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 15:57:31.09 ID:Ks2zqI+V0
    「さ~て、そろそろ……」

   「あぁ……あぅぅ……」

    「んん?どうしたのぉ?」

   「や、やめましょうよ…。アルトくん台所にいるし…」

    「そうねぇ……。じゃあ、声を漏らさないように頑張らないと……ねぇっ!」

   「あぁっ!あぁ…んんっ!んんぅ……///」


アルト「……」トントン

アルト「(これ……注意した方がいいのか?)」トントン

アルト「(俺は昼作らなきゃいけないしなぁ…)」トントン

アルト「(そう……。昼飯作らなきゃいけないからなぁ……)」トントン


   「んあぁっ!!シェリルさぁん!!」


アルト「」ザクッ

アルト「痛ってぇ…。指のさきっちょ切った……」

アルト「(くっそぉ……なんだよ、もう……)」ウルウル

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 16:05:10.94 ID:Ks2zqI+V0
~しばらくして~

アルト「……」

シェリル「ふぅ……。あら、アルト。おかえり」

ランカ「お、おかえりアルトくん///」

アルト「ただいま……」

シェリル「アルト、お腹減ったわ。お昼作って!」

アルト「あぁ、出来てるよ。昼なら」

シェリル「あらぁ、手際がいいわねぇ~?」ニヤニヤ

アルト「………」イソイソ


ランカ「ね、ねぇ、アルトくん……?」ヒソヒソ

アルト「……ん?」

ランカ「き、聞こえた?私の声……///」

アルト「声?なんのことだ?」

ランカ「な、なんでもないっ!(良かったぁ、聞こえてなかったぁ…)」

アルト「………」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 16:13:56.96 ID:Ks2zqI+V0
~お昼ご飯タイム~

シェリル「う~ん、美味しい!」パクパク

ランカ「本当ですね~」パクパク

シェリル「一仕事した後だからかしら……?」チラッ

ランカ「うっ!?///……げほっ、げほっ!」

シェリル「だ、大丈夫?」

ランカ「もぉっ!!意地悪しないでください!!」プンスカ

アルト「……」


アルト「ちょっと、出掛けてくる……」スクッ

シェリル「あら?夕飯までには帰ってくる?」

アルト「あぁ……」

ランカ「行ってらっしゃ~い!」 ノシ

アルト「………」トボトボ

アルト「(俺はもう……、飯を作るだけの存在か……)」

アルト「(学生時代は良かったなぁ…。あの時の俺、なんであんなにカッコ付けてたんだろう……)」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 16:23:52.67 ID:Ks2zqI+V0
~公園~

ブレラ「………」[食パン] トコトコ

鳩「ぽっぽー ぽっぽー」

ブレラ「いまやるぞ……」[食パン]ムシリムシリ

ブレラ「ほらっ!」ポイッ[食パンのかけら]

鳩「ぽっぽー ぽっぽー」パクパク

ブレラ「公園の鳩に餌をやるのは楽しいなぁ」

鳩「ぽっぽー ぽっぽー」パクパク

ブレラ「よーしよし……ん?」

アルト「……」トボトボ

ブレラ「(アルト……?何をやっているんだ?今はランカのおやつの時間のはずだが……?)」


アルト「………」トボトボ

ブレラ「……おいっ」

アルト「……? ブレラか……」

ブレラ「おやつはどうした?」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 16:34:05.64 ID:Ks2zqI+V0
アルト「あぁ、そういえばおやつの時間か……」 時計<15時

ブレラ「いつも、あの2人にはお前の手作りおやつを喰わせているんじゃないのか?」

アルト「ケッ、お前もそうかよ…」

ブレラ「……?」

アルト「俺はっ!家事をやるための道具じゃ……!!」

アルト「いや、道具なのか……。そりゃそうだよな。召使いだし……」

ブレラ「いったい何があった?」


アルト「………」

アルト「…もう、耐えられないんだよ! あいつらがイチャイチャしてるのを見るのは!」

アルト「辛いんだよ……。扱いがどんどんひどくなっていくから……」

アルト「ないがしろにされていくのが……」

ブレラ「そんなに辛いなら、もう辞めてしまえばいいんじゃないか?」

アルト「辞めて、何処に行くっていうんだよ…」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 16:43:01.81 ID:Ks2zqI+V0
アルト「俺は、あいつらの為になら『頑張ろう』って思えるんだ」

アルト「俺にはあいつらしかいないんだ……」

ブレラ「そうか。ならやり続けろ、召使いを」

アルト「簡単に言うな!独りがどれだけ辛いか…!!」

ブレラ「………」


アルト「お前だって、どうせ彼女の1人や2人いるんだろう?」

アルト「さっさと結婚しちまえ!!そうすりゃ楽しいぞ…」

ブレラ「彼女、か……」

ブレラ「悪いがそんな物はいない」

アルト「えっ?」

ブレラ「(俺はランカ一筋だからな。言うとシェリルに怒られるから言わないが)」

アルト「う、嘘付け!俺に気をつかって……!」

ブレラ「彼女なんて物がいたら、こんな所で独りで鳩に餌をやってはいない…」

アルト「それじゃあ……! な、仲間かっ!?」

ブレラ「えっ?」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 16:53:01.55 ID:Ks2zqI+V0
アルト「良かった……。まだ独り身が知り合いにいたか…」ジーン

ブレラ「(なんか嫌な言い方だな…)」

アルト「いやさ、俺の知り合いの男は皆結婚していてさ…」

アルト「俺だけ……俺だけ取り残されたのかと思って……」ウルウル

ブレラ「……なるほど」

アルト「良かった……。本当に……」ウルウル

ブレラ「………」ポン

アルト「ブレラ……?」

ブレラ「とりあえず頑張れ」

アルト「!!!」


ブレラ「お前が頑張って奉仕しているのにも関わらず、あの2人がお前を物扱いするはずがない」

ブレラ「召使いとして、とことん尽くせ」

ブレラ「あの2人がずっと幸せな毎日を送れるように、後ろから支えてやれ」

アルト「ブレラ……!!」ウルウル

アルト「(そうだ、俺は何を勘違いしていたんだ…!)」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 17:00:28.35 ID:Ks2zqI+V0
~シェリル・ランカ家~

シェリル「えいっ!えいっ!」ピコピコ

ランカ「シェリルさん!敵将がそっちにいますよ!」ピコピコ

シェリル「よぉーし!任せて!!」ピコピコ


    ガチャ

アルト「ただいまー!!」

シェリル「あら、アルトが帰ってきたわ」ピコピコ

ランカ「おかえり~」ピコピコ

アルト「(おっ、2人は仲良くゲームしてるな)」

アルト「(よし、邪魔しないように夕飯を作るか!)」イソイソ


アルト「~♪」トントン グツグツ


ランカ「くんくん……。なんか良い匂いする……」

シェリル「本当ね。アルトぉ~!今日の夕食は何なの?」

アルト「うん?今日はな~、鍋だぞ!」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 17:08:20.22 ID:Ks2zqI+V0
~夕食タイム~

  [鍋]グツグツ ホカホカ

シェリル「あら、美味しそうじゃない!」

ランカ「ねぇ、もう食べていいの?」

アルト「あぁ。いっぱい作ったからどんどん食べろ!」

ランカ「わぁい!いっただきま~す!」パクパク


シェリル「う~ん、美味しいっ!」パクパク

ランカ「シェリルさん、シェリルさん!」

シェリル「んん~?」

ランカ「ふーっ、ふーっ! はいっ、あ~ん♪」スッ

シェリル「あ~ん……ぱくっ」

ランカ「美味しいですか~?」

シェリル「ふふっ、おいしー♪ ほらっ、待ってて。お返しあげるから」

ランカ「えへへ~///」

アルト「(そうだ。俺が2人が幸せならそれでいいんだ……)」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 17:17:22.06 ID:Ks2zqI+V0
~次の日の朝~

シェリル「じゃあアルト。行ってくるわね?」

ランカ「行ってきま~す!」

アルト「おぅ。行ってらっしゃい」 ノシ




シェリル「ランカちゃんは今日はどんなお仕事なの?」

ランカ「私はTVの番組に出ます!あと歌番組にも!シェリルさんは?」

シェリル「私はね、TVCMのお仕事よ?」

ランカ「なるほど~!シェリルさんの方が先に終わる…かな?」

シェリル「そうね。今日は仕事終わったら先に帰ってるわね」

ランカ「はぁ~い!」




アルト「(さて……と。2人が仕事に行ったことだし、洗濯しないとな)」

アルト「(あと、今日の夕飯考えないと……)」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 17:25:29.14 ID:Ks2zqI+V0
~その日の夕方~

アルト「~♪」トントン


   ガチャ


アルト「(おっ?シェリルが帰ってきたか?)」

アルト「よぅ、お帰りシェリル……って!?」

シェリル「………」ズーン

アルト「ど、どうしたんだよ!?そんな暗い顔して……」

シェリル「……うるさいわね!放っておいてよ!」ズカズカ

アルト「お、おいっ……。シェリル……?」

シェリル「………」タッタッタ バタン!![シェリルの部屋のドア]

アルト「シェリル……?」


アルト「(いったい何があったんだ……?)」

アルト「(仕事で失敗したとか……?)」

アルト「(う~ん、だったら慰めてやった方がいいよな……)」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 17:35:29.96 ID:Ks2zqI+V0
アルト「(いや、待てよ……?)」

アルト「(今の俺なんかが慰めちまっていいのか?)」

アルト「(………)」


~その日の夜~

    ガチャ

ランカ「ふぅ~っ!やっと我が家だよぅ……」クタクタ

アルト「おかえり……」

ランカ「アルトくん、ただいま!……シェリルさんは?」

アルト「それが……。帰ってきたきり部屋に引きこもってるんだ」

ランカ「えぇっ!?どうして…?」

アルト「元気なかったみたいだし、仕事で何かあったのかも…」

ランカ「あっ!もしかして……。あの話が本当だったのかも……?」

アルト「あの話って?」

ランカ「一緒に仕事した人に聞いたんだけど、シェリルさんの仕事が減ってるって……」

アルト「えっ?そんな素振り、シェリルは見せなかったのに…」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 17:44:21.23 ID:Ks2zqI+V0
ランカ「私は嘘だと思ってたんだけど……」

アルト「そうか。そんなことが……」

ランカ「ど、どうしよう……?アルトくん……」

アルト「えっ?」

ランカ「私、いつもシェリルさんを頼りにする側だから、どうしたらいいのかわからないよ……」オロオロ

アルト「う~ん……」

ランカ「………」オロオロ

アルト「(ランカがこんなんじゃ、シェリルを慰められるかどうかわからないし……)」

アルト「(俺がここでシェリルを慰めてやれば……)」

ランカ「シェリルさん……大丈夫かなぁ……?」

アルト「………」

アルト「なぁ、ランカ……」

ランカ「……?アルトくん……?」

アルト「(そうだ、俺がここでやるべきことは……ひとつしかない!!)」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 17:53:57.83 ID:Ks2zqI+V0
シェリル「………」ズーン

ランカ「シェリルさん……」

シェリル「あっ……。おかえり、ランカちゃん……」

ランカ「あの、聞きました。シェリルさんの仕事の話……」

シェリル「……そう。聞いちゃったの…」シュン

ランカ「あのっ、そのぅ……」

シェリル「幻滅した?私のこと」

ランカ「えっ?」

シェリル「あれだけ『私はシェリルよ!』とか偉そうなこと言っておきながら、こんな結果になるんだから……」

ランカ「そ、そのぅ……」

シェリル「今日のCMの話もね、キャンセルされちゃった。バックでかける私の歌が古臭いって…」

シェリル「しかも、何処の会社かも知らない社長に『シェリル・ノームは時代遅れ』って……」ウルウル

シェリル「そう言われたのよ!この私がぁ!!」バン!

ランカ「シェリルさん……」

シェリル「笑いたきゃ笑ってよ……。その方が楽だわ……」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 18:05:24.86 ID:Ks2zqI+V0
シェリル「ランカちゃんは心配ないわよね。今日もお仕事大変だったみたいだし……」

ランカ「うぅ……」

シェリル「ごめんね、無様で……」

ランカ「そ、そのっ…!」

シェリル「何よっ!言いたいことがあるなら言いなさいよ!!」

ランカ「そのっ……。私、頼りにならなくてごめんなさいっ!」ペコリ

シェリル「……えっ?」

ランカ「こういう時、支え合わなきゃいけないのが夫婦なのに…。私ばっかり甘えちゃって……」

ランカ「もし私が頼りになれば、こんなにシェリルさんが落ち込まなくて済んだかも…」

シェリル「ランカちゃん……」

ランカ「本当にごめんなさい…!でもひとつだけ……。私でもひとつだけ言えることがあります…」

ランカ「シェリルさんは時代遅れなんかじゃありません!!」

シェリル「!!」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 18:12:57.92 ID:Ks2zqI+V0
シェリル「お、お世辞なら結構よ…。そんなの……」

ランカ「お世辞なんかじゃないっ!」 ヒシッ

シェリル「あっ……///」

ランカ「お世辞なんかじゃ……ないよ……!」ぎゅっ

シェリル「ランカ……ちゃん……」

ランカ「私が……私が一番シェリルさんの傍にいるんだから…」

ランカ「わかりますよぉ……」ぎゅっ

シェリル「ランカちゃん……!!」ギュッ

ランカ「こんなことで、挫けたりしないで?シェリルさん……」ジッ

シェリル「ランカちゃん……////」ポロポロ



~2人の寝室~

アルト「よっと…!」[布団]ポンポン

アルト「シーツも新しいのに変えて……っと。よしっ!」

アルト「(布団使うだろうからな!用意しておかなきゃ!)」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 18:23:44.09 ID:Ks2zqI+V0
アルト「 壁∥ω・)ジーッ  」


~2人の寝室~

シェリル「……////」ギュッ

ランカ「……////」ぎゅっ


アルト「 壁∥ω・)上手くいったみたいだな!」


シェリル「ランカちゃん……///」ギュッ

ランカ「も、もぅ……///」

ランカ「(シェリルさんって……、こんなに甘えてくる人だったんだぁ……///)」

ランカ「(頑張らなくちゃ、私!シェリルさんのために!)」

シェリル「(結構、頼りになるのね。この子……)」

シェリル「(そうよ!こんな所で挫けていられないわ!)」


アルト「(さてと、聞き耳立てるなんて男らしくないし、自分の部屋に戻るか!)」

アルト「(そうだ、俺は寂しくない……。淋しくなんか……)」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 18:32:11.81 ID:Ks2zqI+V0
~次の日の朝 台所~

アルト「(今日も俺は~召使い~♪)」フンフーン (朝ご飯作り中)

シェリル「アルトぉ~?」

アルト「うん?どうかしたのか?」

シェリル「……」ジーッ

アルト「……?」

シェリル「………」ジーッ

アルト「(な、なんだよ……///そんな上目使いで見るなよ……///)」

ランカ「シェリルさぁ~ん」

シェリル「うん?どうかしたの?」プイッ スタスタ

アルト「………?」

アルト「な、なんだったんだ…?」


アルト「(なんで急に俺の眼をジーッと見てきたんだ?)」

アルト「(まさか、誘ってるとか?いや、それはないか……)」

アルト「(う~ん、わからん!)」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 18:40:47.88 ID:Ks2zqI+V0
~朝ご飯タイム~

ランカ「いっただきまーす!」パクパク

シェリル「いただきまーす」パクパク

アルト「(………)」

アルト「(さっきシェリルに見つめられたせいで、シェリルを意識しちまうな……///)」

アルト「(って、●●か!俺は!)」

ランカ「ねぇ、アルトくん!」

アルト「えっ!?な、なんだ?」ドキッ

ランカ「うん?どうしたの?」

アルト「い、いや……(シェリルを意識してることがバレたのかと思った……)」

ランカ「変なアルトくん…。それより、今日私も仕事に行くから!」

アルト「えっ?今日はお前は休みなんじゃ…」

ランカ「えへへ~///急な仕事がね!」

アルト「ふぅ~ん」

シェリル「………」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 18:46:14.77 ID:Ks2zqI+V0
~お仕事タイム~

シェリル「じゃあ、行ってくるわね」

アルト「おぅ、頑張ってな」

ランカ「私も臨時のお仕事行ってきまーす!」ピョン

アルト「お前も頑張れよ」

ランカ「うんっ!ありがとう!」ピョコピョコ

アルト「(なんだか知らないけど、ランカやけに嬉しそうだな……)」

シェリル「………」




アルト「(さてと……)」

アルト「2人とも仕事に行ったことだし、俺も召使いの仕事するか」

アルト「まず洗濯して……それから買い物だな!」

アルト「今日は夕飯何にするかな~?」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 18:52:59.49 ID:Ks2zqI+V0
~お昼前 街~

アルト「え~っと、大根は買ったし、椎茸も買ったし……」

アルト「あとは……ん?」

アルト「んんんん!?」

アルト「(あ、あれは…!?)」ササッ コソーリ


ランカ「キャッキャ」

ブレラ「………」


アルト「(ランカとブレラ……だと?)」

アルト「(ランカの奴、今日は仕事だって言ってたのに……)」

アルト「(まさか……浮気?)」

アルト「(…んなわけないよな~!昨日あんなにシェリルと仲良くしてたし、第一兄妹だしな)」


ランカ「キャッキャ」  ブレラ「……////」



アルト「(……。もうちょっと近づいてみるか……。ここからじゃ会話も聞こえないし)」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 18:59:50.08 ID:Ks2zqI+V0
アルト「……」ササッ コソーリ


ランカ「あっ、ほら見て!宝石屋さん!」ピョン

     [宝石屋]

ブレラ「見ていくか?」

ランカ「うん!」


アルト「(あの2人……。何やってんだ?しかも…)」


ランカ「ほらっ、こっちこっち!」グイッ

ブレラ「おいっ、手を引っ張るな」


アルト「(手、繋いでるし……)」

アルト「(普通兄妹で手繋ぐか?兄妹で手繋いで買い物とか都市伝説だろ…?)」

アルト「(つまり………)」ドクンドクン

アルト「(『浮気』だ!!!)」


ランカ「わぁ~っ、このネックレス綺麗……」  ブレラ「………」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 19:09:06.03 ID:Ks2zqI+V0
アルト「(そんな……。ランカの奴、シェリルという物がありながら……)」

アルト「ハッ!!」ピキーン

アルト「(そうか!今日の朝、シェリルが眼で訴えてきたことはこれだったのか!)」

アルト「(おそらく昨日の夜、シェリルは女の勘でランカの浮気を感じたんだろう)」

アルト「(それで俺にあんな風に……)」


店員「ありがとうございました~!」

ランカ「えへへ~///高かったけど、買っちゃった!」

ブレラ「………」

ランカ「ねぇ、お兄ちゃん!どう思う?このネックレス?」

ブレラ「あぁ、良いと思う……」

ランカ「良かったぁ!」


アルト「(ち、ちくしょう!あんなに仲良くしやがって…!)」

アルト「(しかもブレラの奴、仲間だと思ってたのに!しかも、その相手がランカだなんて!!)」

アルト「(俺に言ったことは全部嘘だったんだな!クソッ!!)」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 19:18:49.15 ID:Ks2zqI+V0
~服屋~

ランカ「あっ、見て見て!お兄ちゃん!」

ブレラ「ん……?」

ランカ「ほらぁっ!この服可愛い~♪」 [可愛い服]

ブレラ「………」


アルト「 壁∥A・)ジーッ」

アルト「(2人で楽しくショッピングかよ……!)」

アルト「(誰も見てないと思ったら大間違いだ!)」


ブレラ「よし、じゃあその服。買おう」

店員「ありがとうございます」


アルト「(しかも、服をランカにプレゼント!?)」

アルト「(ク、クソッ!俺は絶対に不倫は許さないからな!!)」

アルト「(ましてや、シェリルを泣かすことになるわけだから……)」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 19:25:09.86 ID:Ks2zqI+V0
~喫茶店~

ランカ「う~ん!美味しい!このパフェ!」 [パフェ]

ブレラ「良かったな」

ランカ「ねぇ、この後どうする?」

ブレラ「そうだな……」


アルト「………」コソーリ

アルト「(くっ、大根が邪魔で上手く隠れられない……!)」


携帯<シェリルからのメール


アルト「(!? こんな時に……)」

アルト「(なになに……。『仕事が切り上げられそうだから、そろそろ帰る』!?)」

アルト「(むむむ、仕方がない……。シェリルが家に帰るとあらば、俺も帰るしかない……)」


ランカ「キャッキャ」 ブレラ「……」


アルト「(無念!!)」バッ

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 19:31:16.67 ID:Ks2zqI+V0
~シェリル・ランカ家~

   ガチャ

アルト「ただいま……」

シェリル「あら、お帰り。買い物行ってたの?」

アルト「まぁな……」

アルト「(言うべきなのだろうか……?仕事と偽って、ランカがブレラと会っていたことを……)」

アルト「(畜生!!本当に、ブレラは仲間だと思っていたのに……!)」


シェリル「ねぇ、アルト……?」

アルト「んん……?」

シェリル「………」ジーッ

アルト「(うっ!!///)」ドキッ

シェリル「ねぇ、私に何か言う事ないの?」

アルト「えっ!?」

アルト「(まさか、ランカとブレラの不倫のこと……?)」

アルト「えっと……それは………」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 19:38:44.27 ID:Ks2zqI+V0
シェリル「ん~?」ジーッ

アルト「(うぅっ!///)」

アルト「(言うしかないか…。シェリルが傷つく結果になろうとも……)」

シェリル「なぁに?」

アルト「あ、あのさ、シェリル…。じ、実は……」

シェリル「えっ?…実は?」

アルト「シェリル、落ち着いて聞けよ?」

シェリル「え、えぇ……」

アルト「ランカとブレ……」


     ガチャ

ランカ「ただいま~♪」ピョン

アルト「あっ!ランカ!?」

ブレラ「………」

アルト「って、ブレラも!?」

シェリル「あら、いらっしゃ~い」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 19:46:51.03 ID:Ks2zqI+V0
アルト「えっ?ちょっ……、えっ!?」

シェリル「……?何驚いてるのよ?」

アルト「だだだ、だって……。えっ!?」


ランカ「えへへ~////」

シェリル「んん?その顔は私に何か言いたい顔ね?」

ランカ「ちょっと早いかなぁ~?///」モジモジ

シェリル「なぁ~に?ランカちゃん」ニコッ

ランカ「はいっ!これっ!シェリルさんにプレゼント!!」 [プレゼント]

アルト「(プレゼント!?)」

シェリル「あらぁ……。ありがとう、ランカちゃん!開けていい?」

ランカ「は、はいっ///」

シェリル「まぁ、綺麗なネックレス……。いいの?貰っても」 [ネックレス]

ランカ「はいっ!お誕生日おめでとうございます!シェリルさん!!」

シェリル「ふふっ、ありがと!///」チュッ♪

アルト「(た、誕生日!?!?!?!?!?!?!?)」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 19:55:02.78 ID:Ks2zqI+V0
アルト「(ま、まさか……!あの見つめる視線は……!!)」

アルト「(『今日、私の誕生日だけど、何か言う事ないの?』ってことかぁ!?)」

アルト「(し、しまったぁ……!すっかり忘れてた……)」


シェリル「ふふっ、どぉ?似合う?」キラッ  装備:ランカから貰ったネックレス 

ランカ「はいっ!とっても綺麗です!」

シェリル「うふふ……、本当に嬉しいわ///」

アルト「(や、やばい……)」ドクンドクン

シェリル「……」チラッ

アルト「(ひぃっ!!目があった!!)」

シェリル「………」ジーッ

アルト「しぇ、シェリル……。俺からの誕生日プレゼントはな……」

シェリル「………?」ドキドキ

アルト「俺からの誕生日プレゼントは……『俺』だぁ!!」

ランカ・ブレラ「………え?」

シェリル「……は?」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 20:01:06.93 ID:Ks2zqI+V0
アルト「は、はははっ!どうだ!俺のプレゼントは?」

ランカ「ど、どういうこと?」

ブレラ「………」

シェリル「………」

シェリル「えっと……」

アルト「(う、うわぁ……。ありえない程スベってる……)」

ブレラ「………」


ブレラ「シェリル、今のはアルトの冗談だ」

シェリル「えっ?そうなの?」

ブレラ「お前を笑わせようとしてスベってしまったんだ」

シェリル「あっ、なぁんだ!笑うところだったの!あははっ」

アルト「いや、あの……」

ブレラ「アルト、ちょっと来い!」グイッ

アルト「えっ?ちょっ…」

ランカ「お兄ちゃん…?」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 20:09:48.83 ID:Ks2zqI+V0
~裏方~

ブレラ「アルト、お前どういうつもりだ?」

アルト「すまない……。実は、シェリルの誕生日のこと忘れていて……」

ブレラ「………」

アルト「気を使わせて悪かったな。シェリルに謝ってくるよ…」

ブレラ「待てっ!そんなことをしたら、お前はシェリルの信頼を失うぞ?」

アルト「んなこと言ったって……」

ブレラ「……ほらっ、これを持って行け」 [紙袋]モッテケー

アルト「これは……?」

ブレラ「今日、ランカと街で買った服だ。シェリルには似合うだろう」

アルト「そ、そんな……!これはお前がシェリルへのプレゼントとして買ったんじゃ……!!」

ブレラ「これ以上世話を焼かせるな。お前はあの2人を幸せにするんだろう?」

ブレラ「来年からは……誕生日くらい忘れないようにしろ」

アルト「ブ、ブレラ……」ウルウル

ブレラ「さっさと行け!」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 20:18:00.18 ID:Ks2zqI+V0
シェリル「あの2人、急にどうしたのかしらね……?」

ランカ「さぁ……?」


アルト「よ、よぉっ!」

シェリル「あら?何処行ってたのよ?」

アルト「ちょ、ちょっと、ネタの反省会を……」

シェリル「あっ!その後ろに隠してる紙袋……」

アルト「あっ!こ、これは……」 [紙袋]

ランカ「(……あれ?あれって……?)」

シェリル「なぁんだ、あるんじゃない。そうでしょ?」

アルト「あ、あぁ!これ……、誕生日おめでとう……」スッ[紙袋]

シェリル「ふふっ、ありがとう。アルト。開けていい?」

アルト「あ、あぁ……」

シェリル「……わぁっ!可愛いじゃないこの服!私服は可愛い方が好みって知ってたのね!」 [服]

アルト「………」

シェリル「ありがとう、アルト。大事にするわ♪」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 20:25:38.74 ID:Ks2zqI+V0
~試着!~

シェリル「ふふっ、どう?可愛い?」jクルクル 装備:アルトに貰った服

アルト「あぁ……。良く似合ってるよ」

ランカ「わぁっ!シェリルさん可愛い~♪」

ランカ「(でもあの服……。お兄ちゃんが買ったのと同じ……?)」

アルト「………」


ブレラ「………」スッ

シェリル「あら?何処行ってたの?」

ブレラ「……反省会」

シェリル「ふぅ~ん…」

アルト「………」

ブレラ「そんなことより、俺からのプレゼントだ……」

シェリル「あらっ♪何かしら……?」ワクワク

ブレラ「これ……」スッ [ランカのマスコット]

ランカ「(あっ!あれって、ガチャポンで当てた私のマスコット!?)」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 20:33:53.62 ID:Ks2zqI+V0
シェリル「あら、可愛いランカちゃん!」 [ランカのマスコット]キラッ

ブレラ「駅前のガチャポンに入ってた最後のランカだ……」

シェリル「いいの?そんなもの?」

ブレラ「……あぁ」

シェリル「ありがとう。早速カバンに付けるわね♪」

ランカ「(間違いない。あれって今日私と買い物した時に当てた奴だ……)」

アルト「(ブレラが……ランカのマスコットを……)」


シェリル「かーわい~♪」 [ランカのマスコット]キラッ

ブレラ「……」フルフル

アルト「(ブレラ……?震えてる!?)」

ブレラ「………」フルフル

アルト「(そうか……。せっかく当てたランカのマスコットだもんな……)」

アルト「(ブレラ……。俺のためにそこまでして……)」


シェリル「ふふっ。みんな、ありがとう!とっても嬉しいわ!」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 20:43:00.95 ID:Ks2zqI+V0
~誕生日会終了~

シェリル「ふぅ~。ちょっと酔っ払っちゃったわ…」フラフラ

ランカ「だ、大丈夫ですか……?」

シェリル「ランカちゃ~ん、支えてぇ~♪」ひしっ

ランカ「も、もぉ……///」


ブレラ「フッ。あの2人、あの調子ならいつまでも幸せそうだな」

アルト「あ、あのさ。ブレラ……」

ブレラ「……ん?」

アルト「ありがとな……。さっきは……」

ブレラ「気にするな。お前に礼など言われたくない」

アルト「そ、それでさ……////」

ブレラ「………?」

アルト「良かったら………俺と結婚してくれ!!」

ランカ「………ええええええぇぇっっっ!!!???」カミノケブワッッ

シェリル「うぅ~ん、どうかしたの?ランカちゃん……」

161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 20:49:17.94 ID:Ks2zqI+V0
ブレラ「……は?」

アルト「こんなに優しくされたの……初めてだから……///」

ブレラ「……は?」


ランカ「う、うわぁ……。ど、どうしよう……」

シェリル「どうしたのってばぁ……?」

ランカ「た、大変です!アルトくんがお兄ちゃんに嫁入りするって!!」

シェリル「あら、いいじゃない」

ランカ「えぇっ!?」

シェリル「ブレラも年頃なんだから、嫁の1人や2人いても……」

ランカ「えっ?いや……、シェリルさん、酔っ払ってません?」

シェリル「それにぃ、アルトが嫁入りしたら……これからランカちゃんと2人っきり……///」

ランカ「お、おぉっ……////」


アルト「ど、どうだ……?女が出来ることなら何だって出来るぞ!」

ブレラ「(誰か止めに入らないのか)」

165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 20:54:17.27 ID:Ks2zqI+V0
アルト「ブレラ……///」キュン…

ブレラ「いやいやいやいやいやいや」

ブレラ「ラ、ランカぁ!?」


ランカ「シェリルさん……///」ぎゅっ

シェリル「ランカちゃん……///」ぎゅっ


ブレラ「(駄目だ……)」

アルト「ブレラ……///」

ブレラ「いや、その……」

アルト「お前が俺の翼だ!!」ひしっ

ブレラ「うわああぁぁぁっぁxtぅtぅ!!」








173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/23(水) 21:00:48.37 ID:Ks2zqI+V0
~数か月後 アルト・ブレラ家~


ブレラ「ただいま……」ガチャ

アルト「おかえりなさい、あなた。今日もお疲れでしょう?」

ブレラ「……そこそこ」

アルト「ご飯にします?お風呂にします?」

ブレラ「……ご飯」

アルト「ふふっ、わかりました。今用意しますね…」イソイソ

ブレラ「………」


ブレラ「(結局あのままアルトと結婚してしまった)」

ブレラ「(いったい何故こうなったのか……)」

ブレラ「(まぁ、いっか……)」


こうして、4人とも幸せになりましたとさ


~終わり~