559: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 16:58:43.86 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「さて、どうしたものだろうな」

ジェレミア「以前にも増して、人との係わり合いが減った気がする」

ジェレミア「……」

ジェレミア「なんとかせねばならんだろう!」

ジェレミア「全力で!」


引用元: C.C.「いい天気…」 



560: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:00:08.69 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「さて、咲世子に茶を煎れてもらうとするかな」

ジェレミア「彼女に煎れる茶は美味い」

ジェレミア「……あ」

ジェレミア「……」

ジェレミア「今日は彼女はいないのであったな」

ジェレミア「……」

561: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:01:49.70 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「仕方が無い」

ジェレミア「談話室に行くとするか」

ジェレミア「あそこなら人も多い」

ジェレミア「さぞかし会話も楽しめるだろう!」

ジェレミア「……」

ジェレミア「……まあ、ワタシが行くと自然と一人になるのだが」

564: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:04:06.31 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「……」

ジェレミア「うむ」

ジェレミア「ワタシも紅茶を煎れるのが上手くなってきたな」

ジェレミア「……」

ジェレミア「……この紅茶、銘柄は何だ?」

ジェレミア「……」

ジェレミア「……オレンジペコ、か」

565: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:06:53.38 ID:kp+FI5Fy0
……カタッ

ジェレミア「む? 誰だそこにいるのは」

「ひっ!」

ジェレミア「怖がらないでください、お願いですから!」

「あ、あの……」

ジェレミア「ここで逃げられてはワタシの心は破壊、破損、破滅!」

「……」

ジェレミア「この通り!」

568: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:10:38.54 ID:kp+FI5Fy0
双葉「……」

ジェレミア「こんにちは。はじめましてですかな?」

双葉「……いえ、艦橋で一度だけ」

ジェレミア「なんと! これは失礼した」

双葉「あっ、そんなに気にしないでください!」

ジェレミア「そこまで言うのなら、気にしないでおこう」

双葉「……」

ジェレミア「そして、誰かなキミは?」

571: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:13:28.96 ID:kp+FI5Fy0
双葉「私は……」

ジェレミア「ストップ!」

双葉「えっ?」

ジェレミア「このジェレミア・ゴットバルト、見事当ててご覧に入れよう」

双葉「そ、そうですか」

ジェレミア「むぅ……」

双葉「……」

ジ…ジジジジジ!

双葉「あ、頭から煙が出てますよ!?」

ジェレミア「ぬううううっ……?」

577: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:16:50.49 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「むぬうううっ!?」

ジジジジジジ!

双葉「ストップ! スト~ップ!」

ジェレミア「……はて? どうかしたのかね?」

双葉「頭から煙が出てましたよ!?」

ジェレミア「ははは、そんな馬鹿なことが」

双葉「あったんです!」

ジェレミア「キミは面白い女性だな」

双葉「信じてください、お願いですから!」

580: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:19:34.02 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「なるほど、それが日本の冗談、WABI・SABIか」

双葉「か、髪の毛は燃えてないかしら……」

ジェレミア「おっと、自己紹介が遅れたな。
    ワタシはジェレミア・ゴットバルト」

双葉「それは……知ってますけど」

ジェレミア「なんと!? き、キミは一体……!?」

587: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:24:15.95 ID:kp+FI5Fy0
双葉「……私は艦橋で働かせていただいている、双葉綾芽と申します」

ジェレミア「はじめまして。丁寧な自己紹介、痛み入る」

双葉「あの、はじめてじゃないんですけど……」

ジェレミア「しかし、それにしても関心だ」

双葉「えっ、な、何がですか?」

ジェレミア「“かんきょう”というと……いきものががりなのだろう?」

双葉「は、はいっ?」

ジェレミア「ワタシも子供の頃は屋敷で馬を飼っていてな」

双葉「は、はぁ……そうなんですか」

589: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:29:17.35 ID:kp+FI5Fy0
双葉「あの、私そろそろ……」

ジェレミア「何か用事があるのかな?」

双葉「いえ、ありませんけ……ど」

ジェレミア「なんと!」

双葉「っ!?」ビクッ!

ジェレミア「実は、ワタシも用事がないのだよ!」

双葉「そ、そうなんですか」

ジェレミア「そうなんですよ」

ジェレミア(本当は、体の調整があるのだがな)

592: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:32:48.53 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「なら、暇を持て余した者同士、何か話さないかね?」

双葉「ええっ!?」

ジェレミア「はて? 今のは驚くところがあったかな?」

双葉「い、いえ、でも、あの……」

ジェレミア「……」

双葉「わ、私、そ、そのですね……」

ジェレミア「はて? 何か問題があr」

双葉「ご、ごめんなさいっ!」

ダッ!

ジェレミア「ま、待ってくれ! 待っ……」

594: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:36:57.77 ID:kp+FI5Fy0
双葉「はぁ……はぁ……」

双葉(こ、ここまで離れれば……)

双葉「もう、安心よn」

ジェレミア「何故逃げるのかね?」

双葉「ひいっ!?」

ジェレミア「悲鳴!? わ、ワタシの心もガタピシと悲鳴をあげています!」

双葉「よ、寄らないでくださいっ!」

ジェレミア「だ、大丈夫だ!」

双葉「イヤーッ!」

597: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:39:38.14 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア(な、なんとかこの女性を落ち着かせねば!)

ジェレミア(このままでは、ワタシの騎士団での信用が……)

双葉「こ、来ないで……!」

ジェレミア(ど、どうすれば……)

ジェレミア「……」

ジェレミア「!」

ジェレミア(今こそ、ワタシのブリタニアンジョークの腕の見せ所ではないか!?)

598: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:43:21.09 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「日本がどうしてエリア11と呼ばれているか知ってるかい?」

双葉「……ック……グスッ!」

ジェレミア「む、これはいかん!」

双葉「っ!?」

ジェレミア「さあ、このハンカチーフで涙を拭いて」

そっ…

双葉「えっ……?」

ジェレミア「さあ、遠慮せずに使うと良い」

601: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:46:27.05 ID:kp+FI5Fy0
双葉「あ、あの……」

ジェレミア「遠慮することはない。泣いている女性を放っておくことは、
    このジェレミア・ゴットバルトには出来んのだから」

双葉「……あ、ありがとうございます」

ジェレミア「鼻をかんでも構わないぞ」

双葉「か、かみません!」

ジェレミア「……さて」

双葉「……」

ジェレミア「日本がどうしてエリア11と呼ばれてるか知ってるかい?」

604: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:50:09.52 ID:kp+FI5Fy0
双葉「あ、あのっ」

ジェレミア「それは……む? なにかな?」

双葉「……」

ジェレミア「……」

ジェレミア「まあいい。それは……」

双葉「……あ、ありがとうございました」

ジェレミア「はい、どういたしました」

ジェレミア「……む」

ジェレミア「どこまで話したかな?」

605: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:54:03.12 ID:kp+FI5Fy0
双葉「……それは、の所ですよ」

ジェレミア「おお、かたじけない!」

双葉「あ、いえ」

ジェレミア「……ゴホン」

ジェレミア「それは驚きだ! はっはっは!」

双葉「……え?」

ジェレミア「どうだったかな!? 今のは貴族の間ではドッカンドッカンくるのだが!」

双葉「え、え~……っと」

ジェレミア「……」

ジェレミア「し、しまった! 肝心な部分を抜かしていた!」

608: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 17:58:17.98 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「待機、期待、行かないで!」

双葉「……」

ジェレミア「お、おおっ……! に、日本がどうしてエリア11とは驚きだ!」

双葉「……」

ジェレミア「む、むううっ!」

ジジジジジジジ!

双葉「……ふふっ!」

ジェレミア「笑いが起こった!? しかし、ドッカンではないですね!?」

611: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 18:02:56.37 ID:kp+FI5Fy0
双葉「頭、煙が出てますよ」

ジェレミア「はは、またワタシを笑わせようというのかね?」

双葉「少し屈んでもらえますか?」

ジェレミア「この艦には、とんだゲイシャ・ガールが紛れ込んでいたようだ」

双葉「屈んでください」

ジェレミア「イエス、ユアゲイシャガール」

双葉「……髪の毛はこげてませんね」

ジェレミア「おや? ハンカチーフは持っていたのか」

双葉「ええ」

双葉「……でも、さっきはありがとうございました」

614: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 18:07:21.12 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「はて? ワタシは何かしたかな?」

双葉「さっき、泣いてる私にハンカチを貸してくれたじゃないですか」

ジェレミア「すまないが、言っている意味がわからん」

双葉「えっ?」

ジェレミア「それは当たり前のことではないのかね?」

双葉「えっ……」

ジェレミア「意味がわからないのは、何かワタシに問題が……」

ジジジジジジジ!

双葉「す、ストップ! 考えるのストップ!」

618: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 18:13:33.34 ID:kp+FI5Fy0
双葉「はぁ……」

ジェレミア「ため息!? 理解をしていないのに幸せが逃げて!?」

双葉「……うふふ、ジェレミアさんって、面白い方だったんですね」

ジェレミア「なんと、ワタシのどこが面白いのですかな?」

双葉「あはっ、そういう所がですよ!」

ジェレミア「……おお」

双葉「? どうしました?」

ジェレミア「笑っている方が似合っているぞ」

双葉「……ジェレミアさんって恥ずかしい方だったんですね///」

620: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 18:17:01.03 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「ワタシがが恥ずKASI……」

双葉「な、何か様子がおかしくないですか!?」

ジェレミア「烏賊ん。調整をしなケれば……」

双葉「用事、あったんじゃないですか!」

ジェレミア「……」

双葉「だ、大丈夫なんですか!?」

ジェレミア「……オレッ」

…バターン!

双葉「きゃあっ!?」

双葉「じぇ、ジェレミアさん!? ジェレミアさん!」

623: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 18:20:28.47 ID:kp+FI5Fy0
双葉(大丈夫なのかしら……)

双葉「……」

玉城「よ~う、綾芽ちゃんじゃないの!」

双葉「あ、玉城さん」

玉城「なんか大変だったみたいだな、オレンジの奴が!」

双葉「……」

玉城「あ~んなオレンジ野郎のために頑張っちゃった綾芽ちゃん、偉い!」

双葉「……」

玉城「ところで、今晩一緒に夕飯でもどう?」

625: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 18:23:15.86 ID:kp+FI5Fy0
双葉「玉城さん」

玉城「はいはいはいはい! 何かな?」

双葉「玉城さんは、もし私が泣いてたらどうしますか?」

玉城「そ、それは……」

双葉「……」

玉城「……もちろん、優しく抱きしめるに決まってるじゃあないか!」

双葉「……」

双葉「……はぁ」

玉城「そして、その後は勿論……ヌフフ!」

627: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 18:27:35.13 ID:kp+FI5Fy0
双葉(どうしてこの艦に乗ってる男の人ってこうなのかしら?)

玉城「そこで、そっと優しく……あっ、駄目ぇん!」

双葉「……」

玉城「……さあ、遠慮せずに俺の胸に飛び込んでおいで!」

双葉「結構です」

玉城「あらら!」

双葉「それに、玉城さんよりジェレミアさんの方が魅力的ですから」

玉城「は、はああっ!?」

双葉「失礼します」

玉城「おい、ちょっと、えっ!」

玉城「お、俺よりオレンジ野郎の方がいいだってぇ!?」

630: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/07/24(木) 18:31:51.05 ID:kp+FI5Fy0
ジェレミア「何故なのだろうか」

ジェレミア「……」

ジェレミア「調整が終わってみたら、
    何故か男からは攻撃的な目が向けられるようになっていた」

ジェレミア「……」

ジェレミア「女性陣は言葉をかけてくれるようになったのだが……」

ジェレミア「……ワタシが欲しいのは、男の! 夢や、信念を語り合う友なのだ!」

ジェレミア「……」

ジェレミア「明日こそ、男の友人を作ってみせる!」

ジェレミア「全力で!」


おわり