雪枝「お２人とも、この学園の七不思議はご存知ですか？」


小春「あ、もう始めるんですね」


小春「うーん…七不思議ですか…私は知らないですね」


椿芽「ええっと…もう１人の自分…開かずの扉…生徒会長の秘密…誓いの女神像…あとは地下からのうめき声と…巨大生物の亡骸に…鳴らずの鐘…だったかな」


小春「怖いの苦手なわりに詳しいですね」


椿芽「だっ、だって対処法を知らないと何かあった時に危ないし…」


小春「あー、何か手順を守らないと死ぬとかそういうの多いですよねぇ」


雪枝「夢の中でどこを曲がるとか、何を選ばないとダメとか覚えきれないですよね」

雪枝「まぁその都市伝説は結局全部ステラプリズム絡みのものだったわけですが」


小春「確かに言われてみるとそれっぽい感じのものばかりですね」


椿芽「幽霊とかじゃなくてホッとしたよね」


雪枝「…しかし最近…ストライカーの間で新たな七不思議の噂が出てきてるんですよ」


雪枝「その名も五次元七不思議…！」


椿芽「五次元七不思議…！？」


小春「五なんだか七なんだかややこしくないですか！？」


小春「…で、どんな話があるんですか？」


雪枝「これは友達の友達から聞いた話なんですが…」


小春「いや、ストライカーの人は全員友達ですって」

雪枝「ある夜の事でした、その人は中々寝付けなかったので外を散歩していたんですが…」


雪枝「チームハウスの近くに人影が立っていたのを見つけたんです」


雪枝「他にも眠れない人が？と声をかけようとするとその人影はスーッとチームハウスの壁に向かって消えてしまったそうです…」


雪枝「これが五次元七不思議の１つ目、人が消える壁です」


椿芽「ひぃぃ！幽霊！それ幽霊ですよ！」ｶﾞｸﾌﾞﾙ


小春「そ、そうですね…」


小春(それ翠じゃない？)


小春(ドア開けるのが面倒くさかっただけの翠じゃない？)

雪枝「次はリョウコさんが見た話なんですが…」


小春「あ、もう実名出しちゃうんですね」


雪枝「ある日、五次元湖で釣りをしていると、遠くの方で湖の上をフワフワと浮かぶ人の様な物が見えたそうです」


雪枝「最初はもるがなさんかな？と思ったそうなんですが、明らかにシルエットが違う」


雪枝「もしかしたら敵かも！？と思ったリョウコさんが武器を構えると背後からもるがなさんが現れ、こう言ったそうです」


雪枝「おや、敵など居ないのにどうされましたか？…と」


雪枝「そして改めてその人影を見るとそれは勢いよく湖の中へと消えていったそうです…」


雪枝「これが五次元七不思議の２つ目、湖上の浮遊霊です」


椿芽「水場！もう幽霊で決まりです！」ｶﾞｸﾌﾞﾙ


小春「こ、怖ーい…」


小春(それ翠じゃない？)


小春(いつもと違う所なら新種が釣れそうな気がするって五次元湖の上空から釣りしてたら逆にぬしオブリに湖に引きずりこまれた翠じゃない？)


小春(泣きながら全身びしょ濡れでドブみたいな臭いして帰ってきた翠じゃない？)

雪枝「次は栞さんの見た話なんですが…」


小春「友達の友達は！？というか射撃組のエンカウント率高くないですか！？」


雪枝「ある時、すぐ近くの山の岩壁を昇る人影が見えたそうです」


雪枝「クライミングでもしてるのかしら？とそれを眺めているとその人影は崖から落ちてしまいました」


雪枝「栞さんは救助の為に急いで崖の麓へと向かったのですが、10分後にゼェゼェと息を切らしながら麓にたどり着いた時には何も無かったそうです」


雪枝「そう、何かが落ちた痕跡も…」


雪枝「栞さん曰く、これは志半ばで転落死してしまったロッククライマーの無念が見せた†追憶の幻想†だそうです」


雪枝「これが五次元七不思議の３つ目、夢幻落下†フォーリング・ミラージュ†です」


小春「ネーミングセンス」


椿芽「怖い…ですが少し可哀想ですね…」


小春「…はい」


小春(それ翠じゃない？)


小春(ロッククライミングしてて落ちた時、ヤバいと思って地面をすり抜けたら地中の岩盤とぶつかって全身の骨をアレした翠じゃない？)


小春(その後で５リットルぐらい牛乳飲んだら治った翠じゃない？)

雪枝「次は私が雪山の境界でディアトロフ峠の真相を追ってた頃の話なんですが…」


小春「何やってるんですか！？」


雪枝「１人で吹雪の中を歩いていると何処からか呻き声が聞こえてきたんです」


雪枝「ぐおぉぉぉ…ぐおぉぉぉ…、と」


雪枝「しかし吹雪で何も見つける事は出来ず、私は泣く泣く下山しました」


雪枝「あれは何だったのでしょうか…」


雪枝「これが五次元七不思議の４つ目、吹雪のデスボイスです」


椿芽「恐ろしい…」


小春「私は吹雪の雪山を１人で登山してる蒼井さんの方が恐ろしいですよ」


小春(というか翠じゃない？)


小春(クレパスに落ちた時に顔から氷に激突した翠じゃない？)


小春(ヒロインの全裸を見たラブコメ主人公かってぐらい鼻血ダラダラ流して帰ってきた翠じゃない？)

雪枝「５つ目の協力戦モルガナ亜種の正体、６つ目の楓さん実は10歳サバ読んでる、は置いておいて７つ目なんですが」


小春「置いておかないでくださいよ！何ですかその気になるけど触れちゃいけない感じのやつ！」


雪枝「じゃあ詳しく話します？」


雪枝「識ったらモルガナ化するかもしれませんが」


小春「置いておいてください」


椿芽「実は協力戦のモルガナ亜種って○○○○○・○○○とか○○○○○○の成れの果てらしいですよ」


小春「何で言っちゃうんですか！？あー！嫌な事聞いちゃった！次からの協力戦やりづらい！」

雪枝「で、７つ目なんですがこれは五次元七不思議を６つ知ると発動するというもので…」


椿芽「逃げ場ないやつじゃないですかぁ！」ｶﾞｸﾌﾞﾙ


小春「七不思議のテンプレですよね」


小春「それで何が起こるんですか？」


雪枝「さぁ…」


小春「さぁ！？この期に及んで、さぁ！？」


雪枝「噂によると五次元七不思議を６つ知ると何かが起こるらしいんですが…」


小春「フワッとしてますねぇ…」


雪枝「逆に何が起こると嬉しいですか？」


椿芽「何も起こって欲しくないですよ！」

雪枝「まぁそこは秘すれば花という事で」


雪枝「これから何か起こると思うとワクワクしますよね！」


椿芽「私はゾクゾクしてますけどねっ！」ｶﾞｸﾌﾞﾙ


小春「美山さん怖がりすぎて今回ツッコミしてないですもんね」


雪枝「いやぁ、しかしどんな恐ろしい事が起きるのか」


小春「恐ろしい事が起こるのは確定なんですね」


雪枝「それはもう恐ろしい事ですよ！」


楓「へぇ、そうなのね」


小春「…」


椿芽「…」


雪枝「…」


楓「それで…誰が10歳サバ読んでるですって？」


雪枝「」ｶﾞｸﾌﾞﾙ

～


小春「…ええ、五次元七不思議を全て知ると恐ろしい事が起きるというのは本当ですよ」


小春「私と美山さんは無事でしたが残念ながら蒼井さんはとても恐ろしい目に遭われたようです」


小春「しばらくの間、山吹さんの事を楓ちゃんって呼んでましたからね」


小春「そうですね、今回の件を一言で表すとしたら月並みですが…」


小春「生きている人間が一番怖い、ですかね」


END