1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:22:38.93 ID:P+6XS40Q0
――終業時間

――事務所――

小鳥「ふぅ……。これで、おしまい、と」

P「お疲れ様です。音無さん」

小鳥「はい。プロデューサーさんもお疲れ様でした」

P「いやあ、これでやっと休みですね」

小鳥「ふふっ。嬉しそうですね。プロデューサーさん」

引用元: P「音無さんのことが好きなんだ」 伊織「ふーん」 



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:25:24.02 ID:P+6XS40Q0
P「ええ、まあ。仕事が嫌ってことは、全くないんですが……」

小鳥「お休みは必要ですよね」ニコッ

P「はい。でも、珍しいですよね。明日は俺たち二人が揃って休みなんですよ」

小鳥「あ、そうですね。確かに珍しいかもしれません」

P「音無さんは明日はなにか予定はあるんですか?」

小鳥「そうですねえ、久しぶりにお部屋の模様替えでもしようと思ってます。プロデューサーさんはなにかご予定、あるんですか?」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:28:12.84 ID:P+6XS40Q0
P「特にないんですが、明日は快晴みたいですし、こんな時は外でゆっくりしたいなあと思ってまして……」

小鳥「…………」

P「それで……」

小鳥「…………」

P「音無さん?」

小鳥「……え? あ! ご、ごめんなさい、私ったら少し考え事を……」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:30:24.17 ID:P+6XS40Q0
P「なにか悩み事ですか?」

小鳥「いえ、明日は私とプロデューサーさんが二人そろってお休みなんだって考えると……」

小鳥「……それも良いのか悪いのかわかりませんよね」

P「……? どうしてですか?」

小鳥「つまり、それだけ人員に余裕があるって事ですから……」

小鳥「私たちが休みが欲しいって言うくらい、事務所の皆にお仕事が来ればいいんですけど」

P「はははっ……。ま、まあ、それはこれからの努力しだいということで……」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:32:30.77 ID:P+6XS40Q0
小鳥「そう……、ですよね。うんっ! 私がこんなことじゃいけないわ!」

小鳥「これからもお仕事、頑張りましょうね! プロデューサーさん!」

P「はい! 頑張りましょう!」

小鳥「それじゃあ、戸締りを……」

P「あ、それなら、俺がやっておきます!」

小鳥「え? でも……」

P「音無さんも疲れてるでしょうし、俺に任せて先に帰っててください!」

小鳥「……」

小鳥「……それじゃあ、お言葉に甘えていいですか?」

P「はい!」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:35:05.40 ID:P+6XS40Q0
小鳥「それじゃあ、また明後日」ニコッ

P「はい! お疲れ様でした!」

ガチャ

……パタンッ

P「…………」

P「…………」ゴソゴソ

……ピ、ピ、ピ

prrr…… prrr……

P「……あ、もしもし。伊織か?」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:38:20.07 ID:P+6XS40Q0
――事務所近くのファミレス――


伊織「はいはい。伊織ちゃんよ。で、どうだったわけ?」

P『……え? ああ、それが……』

伊織「あ、あんたねえ、この私をこんだけ待たせておいて、まさか……」ヒクヒクッ

P『……申し訳ない』

伊織「……」ブチッ!

伊織「ふっざけるんじゃないわよ! こっちは昼過ぎに仕事が終わってから何時間待ってると思ってるわけ!?」

P『……いや、その、た、タイミングが、だな』

伊織「言い訳無用! いいから、いますぐ来なさい! 三分以内!!」

……ブツッ!

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:40:42.77 ID:P+6XS40Q0
春香「プロデューサーさん、何だって……?」

真「……まあ、いまの伊織の剣幕で察しはついたけどね」ガックリ

千早「……」

伊織「……ああ、もう! あのヘタレプロデューサー! どうしてくれようかしら……!」ムキーッ!

春香「ま、まあまあ。伊織も落ち着いて、他のお客さんもいるし……」スッ

伊織「……わ、わかってるわよ」ゴクゴク

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:43:06.93 ID:P+6XS40Q0
――十分後

P「……す、すまん。みんな。遅れた」

伊織「……」

P「あの、伊織?」

伊織「……」

春香「ま、まあまあ! プロデューサーさんもとりあえず座ってください!」

P「あ、ああ」ストッ

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:45:16.40 ID:P+6XS40Q0
伊織「……で?」

P「……?」

伊織「どういうことなのかさっさと説明しなさいよ」

P「そ、そうだな。ええとだな……」


――――――
――――

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:47:05.99 ID:P+6XS40Q0
――――
――――――


P「とまあ、こういった具合で……」

P「なかなか言い出すチャンスが……」

伊織「あ、あんたねえ……」ガックリ

P「……?」

春香「プロデューサーさんは気を遣って戸締りをかってでたみたいですけど……」

真「それよりも、戸締りしてから、駅まで一緒に帰ればよかったと思います」

P「……え!?」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:48:43.68 ID:P+6XS40Q0
P「いや、でもみんなを待たせていたわけだしだな……」

伊織「あー! もう!」

伊織「いまさら10分や20分遅れたぐらいで何も言わないわよ!」

真「それよりも……」

春香「なにも収穫はなしってことのほうが問題なんじゃあ……」

千早「……」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:51:02.01 ID:P+6XS40Q0
伊織「ちょっと千早!」

千早「……?」

伊織「あんたもこいつに文句のひとつでもあるでしょ!? なにか言ってやんなさいよ!」

千早「……ええと、そうね」

千早「プロデューサー」

P「……?」

千早「これはなんの集まりなんですか?」

春香「え!?」

真「そこから!?」

伊織「いい加減、頭痛くなってきたわ……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:53:29.78 ID:P+6XS40Q0
――――
――――――

千早「そうだったんですか。プロデューサーは音無さんのことを……」

P「……ああ。そうなんだ」////

春香「私は千早ちゃんがそのことを知らずにこの場にいたことに驚いてるよ……」

千早「私は春香にとにかく一緒に来て、と言われてここに連れて来られたから……」

春香「そ、そうだったっけ?」アハハ…

千早「私はてっきり皆で遊びに行く計画を立てているものとばっかり……」

真「あー、なるほど……。レジャーの雑誌たくさん見てたしね」パラパラ

春香「プロデューサーさんの為にデートプランを練ってたんだよね」

千早「水瀬さんはプロデューサーをずいぶん待ってたみたいだから」

千早「プロデューサーと遊びに行くのがすごく楽しみなんだと思ってたわ」

伊織「そ、そんなわけないでしょ!」////

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:56:09.04 ID:P+6XS40Q0
P「すまん、みんな。俺のために……」

P「こ、ここは俺が奢るからさ……」

伊織「あったり前でしょう! ここにきて支払いまでしてられないわ!」

伊織「みんな、じゃんじゃん頼んじゃいなさい! この私が許可するわ!」

P「……うう」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 02:58:34.69 ID:P+6XS40Q0
――そして

春香「このケーキおいしいね」パクパク

真「こっちのパフェもなかなか……」モグモグ

千早「……おいしい」コクコク

伊織「あのね……」

伊織「なにも街中でナンパしろって言ってるわけじゃないのよ?」

伊織「毎日、顔を合わせてる同僚一人を食事に誘うことも出来ないわけ!?」

P「ああ、いや……、面目ない」

真「プロデューサーがうちの事務所に入って半年近く経ってるのになんの進展もないんですよね……」モグモグ

春香「これじゃあ、先に音無さんに恋人が出来ちゃうんじゃあ……」

P「え!?」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:01:15.86 ID:P+6XS40Q0
P「お、音無さんに恋人……?」

伊織「あんたねえ……、なに驚いてるわけ?」

P「……?」

伊織「小鳥は世間一般的には断然美人の部類よ」

伊織「いまは女所帯のアイドル事務所の事務員なんてやってるからフリーでいるけど」

伊織「その辺の一般企業に勤めてたら、今頃とっくに相手なんて出来てるわよ」

P「う……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:03:19.27 ID:P+6XS40Q0
伊織「あんた、今の状況わかってる?」

伊織「ライバルもなしに好きになった相手がフリーでいるなんてこんな幸運ないのよ?」

春香「確かに、食事に誘うくらいは……」

真「プロデューサーも男なんですから!」

真「ガツーン! と誘っちゃえばいいんですよ! 俺について来い! って感じで!」

千早(このフルーツジュース美味しいわ……)

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:05:25.24 ID:P+6XS40Q0
伊織「なんて、話してみても時間の無駄なのよね」

P「……」

伊織「あんたが小鳥をデートに誘うって言うからこっちもプランを練ってたのに……」

真「無駄になっちゃったんだよね……」

春香「だ、大丈夫ですよ! プロデューサーさん! 次がありますよ次が!」

春香「ね? 千早ちゃん」

千早「……? ええ、そうね?」

P「……ああ、みんな、ありがとう」

30: 支援ありがとう 2013/04/21(日) 03:07:11.34 ID:P+6XS40Q0
伊織「じゃあ、今日はこれで解散ね。あ、プロデューサー、支払いお願いね」

P「あ、ああ……」

真「それじゃあ、プロデューサー、ごちそうさまでした!」

春香「ごちそうさまでした!」

千早「ごちそうさまでした」

P「ああ。みんな今日はすまなかったな。また明後日」

一同「はい!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:10:26.51 ID:P+6XS40Q0
――休み明け

――事務所――

P「おはようございます!」


ザワザワ…


P(なんだ? 事務所が騒がしいな……)

春香「プ、プロデューサーさん!」バタバタッ!

P「ど、どうしたんだ春香? そんなに慌てて」

伊織「それが慌てる事態になってるのよ」

P「……?」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:12:47.73 ID:P+6XS40Q0
――応接室――

あずさ「そ、それでどうなったんですか?」キラキラ

小鳥「え、ええ。それから食事の約束をして……」

あずさ「まあ、それって……」////

小鳥「いえ、そんな、まだ気が早いですよ」////

あずさ「でもロマンチックですねえ……」ウットリ

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:15:15.93 ID:P+6XS40Q0
P「お、音無さんに彼氏……!?」

伊織「……そこまで進んだ話ではないみたいだけど」

真「あずささんと話してるのをこっそり聞いてる限りでは楽観できないですね……」

春香「ど、どうしましょう……、プロデューサーさん」

P「どうしましょうと言われても……」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:17:28.31 ID:P+6XS40Q0
真「聞いた話を整理するとですね……」

真「小鳥さんは一昨日の帰り道に偶然、学生時代の知り合いと再会して」

真「その時は立ち話をしただけみたいなんですけど」

真「次の休みの日に一緒に食事をする約束をして別れたみたいなんです」

P「な、なるほど……」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:19:41.15 ID:P+6XS40Q0
伊織「まずいわね……」

P「そ、そんな、深く考えすぎじゃないか?」

P「昔の知り合いと食事に行くくらいで……」

伊織「あんたねえ……」ハア…

伊織「この前、言ったこともう忘れたわけ?」

伊織「小鳥は相手がいないのが不思議なぐらいだって言ったでしょう?」

伊織「話を聞く限りでは、小鳥も満更でもないみたいだし……」

伊織「このまま、一気にってことも十分にありえるのよ」

P「……」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:21:39.22 ID:P+6XS40Q0
P「……じゃ、じゃあ、俺はどうすれば――」

伊織「いまさら、どうしようもないわよ」

P「……」

伊織「半年の間、まごまごしてるだけだったあんたには、もはや後悔する権利すらないわ」

伊織「今のあんたに出来るのは」

伊織「失敗することを祈るくらいじゃない?」

P「……」

春香「ちょ、ちょっと伊織……」

真「言いすぎだよ……」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:23:57.14 ID:P+6XS40Q0
伊織「言いすぎ? ……違うわね」

伊織「もっと早く言っておくべきだったわ」

伊織「こうなることは予測できてたのに……」

真「伊織……」

伊織「とにかく今は情報を聞き出して、状況を確認することね」

伊織「諦めたら、それまでよ」

伊織「それと、あんた」

P「……?」

伊織「次、尻込みするようだったら、本当に見捨てるわよ」

P「わ、わかった……」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:26:06.57 ID:P+6XS40Q0
――そして


P「……今度の木曜日の夜に食事に行くって?」

真「はい! しっかりと立ち聞きしてきましたよ!」

P「ふ、普通に聞きに行くんじゃ駄目だったのか?」

真「それが……」

春香「聞こうとしたら、子供には早いって……」

真「あずささんとはそんなに年変わらないのになあ……」

P「そうなのか……。とにかく、皆ありがとう。俺のために……」

真「へへっ! 応援してますよ! プロデューサー!」

春香「頑張ってください!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:28:14.35 ID:P+6XS40Q0
P「と言っても……」

P(今の俺に出来ることって……、何だ?)

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:30:03.84 ID:P+6XS40Q0
――数日後


P(音無さん、休憩のたびに携帯を見てるな……)

小鳥「……」カチカチ

P(昨日は木曜日だったから、例の相手と食事に行ってたんだよな……)

P(メールしてるのか……)

小鳥「……ふふっ」クスッ

P「……!」

P(やばい、なんか泣きそうだ……)

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:32:46.96 ID:P+6XS40Q0
春香「……良い雰囲気だったみたいだね」

真「うん。律子も加わって話に花が咲いてたよ……」

伊織「……」

P「……」

春香「で、でもこれっきりってこともあるし……」

真「……それがもう次の約束もしてるみたいなんだよね」

春香「そ、そうなの……?」

真「うん……」

伊織「……」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:34:24.36 ID:P+6XS40Q0
――さらに数日後


伊織「……順調みたいね」

真「……そうみたい」

春香「どうしよう……」

伊織「最近は携帯弄ってばっかりだし……」

真「食事もあれから何回か行ってるみたいだしね」

春香「もしかして、もう……」

P「……!?」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:36:22.45 ID:P+6XS40Q0
伊織「それはないわね」

伊織「そうなったなら、私たちの耳にも入ってるはずよ」

春香「そ、そうだよね……」

真「今日も食事に行くみたい……」

伊織「いよいよ後がなくなってきたわね……」

P「……」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:38:07.21 ID:P+6XS40Q0
伊織「……仕方ないわね」

P「……?」

伊織「後をつけるわよ」

P「え!?」

真「そ、そんな、すぐにバレちゃうよ!」

伊織「……うちの車を出すわ」ピッ…ピッ…

春香「流石にまずいんじゃあ……」

伊織「もう四の五の言ってられないでしょ!」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:40:48.08 ID:P+6XS40Q0
ブロロロ…

伊織「来たわ」

春香(……早ッ!)

運転手「……」サササッ

運転手「……」ガチャ

伊織「さ、行くわよ」

春香「ちょ、ちょっと待って!」

伊織「……?」

春香「千早ちゃん呼んでくる!」

伊織「……さっさとしなさいよ」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:42:51.39 ID:P+6XS40Q0
――レストラン前――


真「ここが約束の場所ですね……」

春香「……あ、あそこにいますよ! 窓際の席です!」

伊織「……まだ相手は来てないみたいね」

P「……うう」ドキドキ

千早(今度はなんなのかしら……)

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:45:43.17 ID:P+6XS40Q0
――数分後


春香「あ! 相手が来たみたいですよ! ほら! 千早ちゃんも見て!」

千早「え、ええ……」

真「……普通の人ですね。私服ってことは普通のサラリーマンではないのかな?」

P(……胃が痛くなってきた)

春香「なんだか、笑顔が素敵な人だね」

真「……うん。そうだね」

真(これは少しまずいかな……)

伊織「……そうかしら?」

伊織「軽薄そうな男ね。好みじゃないわ」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:48:19.85 ID:P+6XS40Q0
――さらに数十分後


小鳥『――――』

男『――――』


春香「……音無さん、楽しそう」

千早「……ええ。そうね」

P「…………」

P(俺は今までなにをしてたんだ……)

P(いくらでもチャンスはあったのに)

P(みんなにこんなに気にかけてもらって、迷惑かけて……)

P(それなのに俺は……)ジワ…

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:51:05.88 ID:P+6XS40Q0
真「……!」

春香「プ、プロデューサーさん……」

千早「……」オロオロ

P「…………ううっ」グス…ッヒグ…ッ

伊織「…………」

伊織「……車、出して」

運転手「はい」カチッ

ブロロロ……

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:54:08.33 ID:P+6XS40Q0
――しばらくして

――車内――



P「……みんな、すまん」

春香「……え?」

P「……みんなに迷惑かけてる」

真「そんな、迷惑だなんて!」

P「いや、いいんだ。わかってる」

P「俺が……」

伊織「……」

真「……」

春香「……」

千早「……」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:56:33.78 ID:P+6XS40Q0
――P宅前――


伊織「……ほら、着いたわよ」

P「……ああ」

伊織「後はあんただけなんだから、さっさとしなさいよね」チラッ

P「すまん。なにからなにまで……」

伊織「それは……、別にかまわないけど」

P「伊織……」

伊織「……何よ?」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 03:58:23.75 ID:P+6XS40Q0
P「こういうことになってようやくわかったよ」

P「俺、やっぱり音無さんのことが好きだ」

伊織「……うん」

P「でも……、それも今となってはどうしようもない」

伊織「うん」

P「こんなこと言ってもどうしようもないってことはわかってるんだけど……」

P「もし、もう一度、音無さんに告白できるチャンスがあったら……」

P「今度こそ、俺の気持ちを伝えるよ」

伊織「……そう、頑張んなさい。その時はまた応援してあげるわ」

P「……ありがとう」

伊織「今日はゆっくり休みなさい」

P「ああ、おやすみ、また事務所で」

伊織「……ええ」



ブロロロ…

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 04:00:43.71 ID:P+6XS40Q0
――翌日

――事務所――


律子「ほらほら、あんた達は向こうに行ってなさい」

亜美「え→!? なんでさ!」

真美「真美たちも聞きたいよ→!」

律子「大人の話に首を突っ込まない!」クワッ

亜美「……けちー」

真美「律ちゃんのけちんぼー!」

律子「なんですってええええ!?」

亜美・真美「うわああ! 逃げろ→!!」

ドタドタッ!

律子「まったくもう……」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 04:02:26.84 ID:P+6XS40Q0
律子「小鳥さんもそんなに落ち込まないでください……」

あずさ「そうですよ、音無さん。運命の人は他にいたってことなんですから」

小鳥「ありがとうございます……。律子さん、あずささん」

小鳥「でも、まさか、ねずみ講に誘われるなんて……」ピヨヨ…

律子「……」

あずさ「え、えーと……」

律子「大丈夫です!」

小鳥「……?」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 04:05:02.33 ID:P+6XS40Q0
律子「小鳥さんにはもっと素敵な男性が現れますよ!」

律子「……そうですよね、あずささん!?」チラッ

あずさ「……! え、ええ! もちろんです!」

小鳥「でも……」

律子「小鳥さんは仕事もできます!」

あずさ「それにとってもお綺麗です」

律子「善く気がつく大人な女性です!」

あずさ「事務所のみんな、音無さんのことが大好きなんですよ?」 

小鳥「律子さん、あずささん……」ジーンッ

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 04:07:44.04 ID:P+6XS40Q0
律子「いつまでもしんみりしててもいけません」

律子「なにか飲み物でも買ってきます!」タタタッ

???「……」

律子「……きゃっ!」

律子「……? ってプロデューサー!?」

律子「い、いつからいたんですか?」

P「ははっ……。はははっ……」クルッ

律子「……?」

P「はははははっ……」スタスタ

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 04:10:06.79 ID:P+6XS40Q0
――数十分後

――屋上――

春香「そ、そんなことがあったんですか」

真「事務所に行く前に屋上に来てくれって言われて来てみれば……」

伊織「……」

春香「でも、唐突だね……」

真「うん。気を揉んでたのはなんだったんだろうって思っちゃうよね……」

春香「でも、これでチャンスですよ! チャンス!」

真「小鳥さんには申し訳ないけど……、一発大逆転がありますよ!」

P「ああ、これでまた一からスタートだな!」

春香「……へ?」

P「……ん? どうした?」

真「……いや、えっと」

P「……?」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 04:12:30.41 ID:P+6XS40Q0
春香「ま、まあ、プロデューサーさんにはプロデューサーさんのペースがありますよね?」

真「そ、そうだね」

P「……? よくわからんが、またみんなには迷惑をかけると思うが、よろしく頼むよ!」

春香「は、はい……」

真(これでいいのかな……)

春香「それじゃあ、事務所に戻りましょうか?」

真「そうだね。じゃあ、プロデューサー、先に戻ってます!」

真「みんなで一緒に行ったら怪しまれるかもしれないですから」

P「ああ、わざわざありがとう」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 04:14:25.61 ID:P+6XS40Q0
――数分後

P「……さて」

P「そろそろ行くか」スタスタ

伊織「……」

P「……伊織?」

P「どうした? 先に行くぞ?」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 04:16:32.73 ID:P+6XS40Q0
伊織「……待ちなさい」

P「……?」

伊織「あんた言ってたわよね?」

伊織「もし、小鳥がフリーになるんだったら」

伊織「『今度こそ俺の気持ちを伝える』って」

P「……!」

伊織「言ったわよね?」

P「い、いや、それはだな。ほ、ほら! そもそも勘違いだったみたいだし……」

伊織「……あんた、今回のことでまだ懲りてないわけ?」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/21(日) 04:19:00.92 ID:P+6XS40Q0
P「……いや、その」

P「今はちょっとバタバタしてるし、また今度ということで……」チラッ

伊織「……なるほど、人間なんてそうそう変われるものじゃないわよね」プルプル

P「い、伊織?」

伊織「いい加減にしなさーい! このバカプロデューサー!」ダダダッ

P「か、勘弁してくれー!」ダダダッ


…マチナサーイ!

…タスケテクレ-!


                         おわり