1: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:44:15.20 ID:7YXY5YDO
この学園都市に……
天使のように純朴で澄みきった心をもつ少年がやってきた
少年の名は北野誠一郎


北野「ここが学園都市かあ…なんて素敵な街なんだろう」

北野「新しい学校でも友達がたくさんできるといいなあ」

佐天「キャッ!?」ズテン

北野(あ!大変だ!女の子が転んじゃった!手を貸してあげなきゃ!)タタッ

北野「君、大丈夫かい?」スッ

佐天「あはは、いやーすいません。私ってホントおっちょこちょいで―――ッッ!!!!??」

北野「?」

佐天「キャーーー!!?わ、私大丈夫なんで失礼しまーーす!!!!」ダダダダダダダッッ!!

北野「…………」

……だが、彼の顔は怖かった

北野君

no title

引用元: 上条「北野誠一郎?」 




2: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:45:20.84 ID:7YXY5YDO

―とある高校―

上条「はよーす」

青髪「おっすカミやん。今日は早いんね」

上条「出席日数キツいからな…」

青髪「カミやんは留年予備軍やからねぇ」

上条「…留年だけは絶対嫌だ」

ガラッ

月詠「みなさーんホームルームを始めますよー…そ、それと突然ですが皆さんに転校生を紹介します」

青髪「ホンマ!そんで小萌センセー転校生は女子でっか!?」

月詠「え、えっと~…自分達の目で確認しちゃってくださーい」

月詠「それでは…き、北野ちゃん!教室に入ってきてください」

ガラッスタスタ

クラス一同「……………」シーン

3: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:46:04.79 ID:7YXY5YDO

月詠「じ、自己紹介をお願いしますね(ふえーん、怖いよー)」

北野(よし…とにかく皆には僕が怖くないって事を分かってもらわなきゃ)グッ

北野「北野誠一郎です。こんな顔してますが、内気な小心者です…どうか皆さん仲良くしてください」

ザワッ!?

上条(怖ッ!?なんですかあの顔面凶器な御方は!)

青髪(どうみてもヤク中やんかっ!?)

土御門(仲良くってことは逆らうやつは容赦せんってことだな…こんな奴送り込むとは…何考えてるアレイスター?)

姫神(……怖い。)

北野(授業前のくだけた雰囲気の中でたくさんおしゃべりして早く皆と仲良くなろう)



シーン…

北野「……」

彼のひっしな思いも空しく時は過ぎていった…

4: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:46:52.38 ID:7YXY5YDO

―キーンコーンカーンコーン―

ガラッ

先生「皆おはよー!今日も楽しくがんばろーっ」

シーン


先生「あれ?(おかしいな?自分は陽気で楽しい人気者の先生のハズなんだけど…まあいいや、いつも通り楽しい話術で盛り上げよう)」

先生「そうそう、確か今日からこのクラスに転校生がいたはずだよねーどこかなー?」キョロキョロ

クラス一同「!!!!」

先生「えーと一番奥の窓際の席か――」

北野「…」

先生「っ!?」ビクッ!

先生(こ、怖い!…だ、だが僕は怯まないぞ。楽しいトークでどんな不良とも仲良くなれるのが僕の特技さ)フッ

先生「北野誠一郎っていうのか…立派な名前だね」

先生「北野君はどこからきたのかい…なーんちゃってわははは!」

シーン

上条(せ、先生!)

姫神(無謀。)

青髪(先生!あんたの勇気に感服やー!?)

5: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:47:31.82 ID:7YXY5YDO
先生「ははは…いきなりでちょっと失敗しちゃったかな」

ぐほっ

先生「?」

北野「ぐほっぐほっぐほほほほほ」

先生「………」

北野「今のシャレおもしろいや…先生って楽しい方ですね…」ニタリ

先生「―――」

先生「わ、わあああ!す……すまなかった!!」

北野「?」

先生「許してくれー!悪気があったわけじゃないんだ!ただ、場を和ませたかっただけなんだよ!」

先生「たのむーっ!殺さないでくれーー!!」ガクガクブルブル

北野(…ただ笑っただけなのに…)

6: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:48:15.08 ID:7YXY5YDO

―下校中―

青髪「しかし、あの転校生どうにかならへんかなー」テクテク

上条「確かに。流石の上条さんもあまり関わり合いたくないですハイ」テクテク

土御門「それはわからんぜよ~、カミやんの不幸体質ならあの転校生とはこれから縁があるかもにゃーww」テクテク

上条「それだけは全力でお断りする…ってバーゲンセールあるから俺こっちから帰るわ」

青髪「カミやんも大変やねー」

土御門「わかったぜよー」

上条「んじゃなー」タッタッタ

7: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:48:51.76 ID:7YXY5YDO

北野(あんなに念を押して自己紹介したのに…悲しいなあ…今日は友達が一人もできなかったのは残念だけど…うん、いつかきっと皆には分かってもらえる日がくるハズさ)

んじゃなー

北野(ん?あの人は確か上条さんだったかな?)

ポロッ

北野(あ!あの人財布落としたのに気付かず走ってる!届けてあげなきゃ!)ダダッ



上条「特売セール特売セール♪っと、貧乏学生の上条さんには有り難い話しですねー♪」

――――!!

上条「ん?何の音だ?……奇声?」クルリ

ズダダダダダダッッ!!!

北野「かみじょきえええ!まっきええええっ!(訳:上条君!待ってえ!)」

上条「!!!?」

ダダダダダダダッッ!!ダンッ

北野「はあ…はあ…(なんとか間に合った)」

上条「な……なんでせう…」

北野「はあ…はあ…」スッ

上条「…あれ!それは上条さんの財布!?」

北野「はあ…はあ…お、落とし…たよ」

上条「え?あ…どうも」

8: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:49:24.63 ID:7YXY5YDO


上条「いやーなんか悪いな、買い物に付き合ってもらっちゃって、おかげでお一人様一パックの卵が2つも買えて上条さんはホクホクです」

北野「気にしなくても良いよ。これも何かの縁かも知れないしね」

上条「…話してみてわかったけど…ごめんな…勝手に北野の事勘違いしてた…」

北野「いや、いいんだ…慣れてるから……僕は皆と仲良くしたいのに皆は逃げてって……うっ」キラッ

上条「北野…(この怖い顔のせいで苦労したんだな…これからは上条さんが北野の理解者にならなきなゃな)」

上条「北野――」ビクッ

北野「う…うう…」

上条(泣いてる顔も怖い…)

9: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:50:54.46 ID:7YXY5YDO
―公園のベンチ―

北野「……ごめんね、気を使わせちゃって」グビグビ

上条「なんのなんの、そのジュースは買い物に付き合ってくれた上条さんの感謝の気持ちですよーっと」グビグビ

北野「上条君は優しいんだね」

上条「そうか?普通だと思うが…所で北野のレベルっていくつなんだ?」

北野「そういう上条君は?」

上条「俺は0の無能力者だよ」

北野「僕もだよ………」

上条「そっか……」

北野「うん、僕は――」ギュルギュル!

北野「ぐ…!お、お腹が…」

上条「お、おい大丈夫か?」

北野「ちょ、ちょっとトイレに行ってくるね」ヨロヨロ

上条「本当に大丈夫か?あいつ」

御坂「あっーーーー!見つけた!」

10: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:51:22.26 ID:7YXY5YDO

上条「げ…ビリビリまたお前か…」

御坂「だから……ビリビリって、言うなっつってんだろうがゴルアアァ!!!」バリバリ!

上条「おわっ!?」バキュゥン!

上条「いきなり電撃翌浴びせてくるなお前!ころす気か!?」

御坂「どうせ効かないんだから関係ないわよ!……今日こそ決着つけてやるんだから!」

上条「だから、勝負はお前の勝ちで良いって言ってんだろーが!」

御坂「問答無用!!」ビリビリ

上条「不幸だー!」

11: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:51:58.88 ID:7YXY5YDO
ジャーゴボゴボ

北野「ふぅ…スッキリした、上条君には迷惑かけてばかりで申し訳ないなぁ」

北野「早く戻らなきゃ…ん?」

コレデモクラエ!ギャーヤメロマジデシンデシマウ!ウッサイ!バリバリ

北野「!!た、大変だ!上条君が女の子に襲われてる!と、止めなきゃ!」ダッ!




上条「いい加減しつこいぞお前!」

御坂「だったら、素直に電撃を食らいなさいよ!」

上条「馬鹿かお前!はいそうですかって言うわけねーだろうが!」

御坂「ふん、じゃあ電撃じゃなく、こっちでやらせてもらうわ」バチバチ

上条「ちょ、お前!この前みたいに砂鉄で剣とか危ないだろうが!」

御坂「だったら、大人しく負けなさいよ!」

上条「だあああ!不幸過ぎるーーー!」

きえええええ

上御(?)

12: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:53:12.44 ID:7YXY5YDO
北野「きえええええ!!」ズダダダダダダッ!

御坂(な、何こいつ!?)

上条(北野!)

北野「きえええええ!!」

御坂「くっ!」バッ

北野「きええ…?」ピタッ

御坂「どこの誰だか知らないけど、こいつとの勝負邪魔しないでくれる?…じゃないと…この砂鉄の剣で…いくわよ」

上条「おい、ビリビリこいつは――」

北野「……」ポロポロ

上御(何故泣く!!?)

北野(何てことだ…僕が彼女の行動を止めようとしたばかりに……彼女をこんなにも傷つけてたなんて…)

北野(あの剣で自分の手首を切ろうとするなんて…)

北野「きえええええ!!」ダダダダダダダ!

御坂「なっ!」ザッ!

北野(なんとしても、彼女の自傷行為を止めなきゃ!)

北野「キヘーーっ!(訳:君ー!)しじゃちゃらきえ~~っ!(訳:しんじゃだめだーっ」

御坂「こ、この!」ブン

ズバッ…ぴゅ~

上条「お、おい!ビリビリ何やってんだよお前!」

御坂「わ、私だって本当に切るつもりなんてなかったわよ!」

13: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:53:51.81 ID:7YXY5YDO

北野(剣が手首から離れた!)

 
御坂「ひっ」

上条(怖っ!!?)

ズザザザザ!

ダンッ!

御坂「あ…あ…」

北野(…良かった…抑えつけたら剣消えた…)ホッ

北野「そんなにしに急ぐもんじゃないよ…命は一つしかないんだから…」

御坂「…はぅ」パタ

上条「お、おいビリビリ!?」

14: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:54:33.63 ID:7YXY5YDO

ダダダダダダダ!

上条(アンチスキル?誰か通報したのか!?)

アンチスキル1「公園で能力者が暴れてると通報あった!!貴様だな!観念しろ!」ガシッ

北野「え?」

アンチスキル2「見るからに凶暴そうな奴だな!貴様を連行する!」

北野「あの…」

アンチスキル1「つべこべ言わずとっとと乗れ!」ドン

アンチスキル3「こいつ…超電磁砲を倒したのか…かなりの危険人物だな…」

上条「あのう、その人は何も…」

アンチスキル2「何があったかは分かりませんが大丈夫です!我らに任せて下さい!」

上条「いや、だから――」

アンチスキル1「では、失礼します!」

ブロロロッ

上条「北野…アンチスキルに連れてかれちゃった…」

15: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 01:55:13.50 ID:7YXY5YDO

後に、上条の説明により誤解は解けたが、三人はこっぴどくしぼられたのは言うまでもない

…そして、学園都市にある噂が流れてた

LV5の御坂美琴が無能力者の人間――いや、悪魔―北野誠一郎に敗れた…と


その後、北野の数少ない理解者である上条の行動も空しく、北野君は誤解されたままクラスから、ますます怖れられてしまった

ACT.1終

18: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 11:06:09.06 ID:vLdM.wAO
こええwwwwww
これって何のキャラ?ww

21: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/09(水) 12:37:09.92 ID:8UGfgkDO
今は雑誌自体がない月刊ジャンプに載ってたエンジェル伝説
スクウェアのクレイモアの作者の前の連載作品。

27: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 11:13:12.70 ID:RX6lXEDO
広大なる大宇宙
またたく無数の星々…
その下に天使のように純朴で澄みきった心をもつ少年がいた


北野「綺麗な星空だなあ…ずっと見続けても全然飽きないや」

☆〃〃キラン

北野「あ、流れ星!何かお願い事しなきゃ!えーと、えーと」アセアセ

北野「…世界が平和でありますように」ギュッ

……だが、彼の顔は怖かった

28: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 11:14:12.17 ID:RX6lXEDO

北野「お願い事…友達ができますようにと願えば良かったかな~…ううん、僕一人の願いよりやっぱり世界の平和の方が大事だよね、うん」

北野「よし、個人的な願い事はあの小さなお星様にお願いしよう…お星様、お願いします、僕に友達ができますように…」ギュッ

☆キランッ

北野「あ、僕が願い事したお星様がまるで返事をしてくれたみたいに光ってくれた」

北野「なんだか明日は良いいことが有る気がするな」

29: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 11:15:16.53 ID:RX6lXEDO

―翌朝、教室前―

わいわいがやがや

北野(ふう、憂鬱だなぁ…また僕が入った途端静かになるんだろうなあ)スッ

上条「そろそろ北野が来る時間だな」

土御門「ああ…」

北野(…)ピタッ

青髪「あいつ、悪人の割には遅刻とかさぼりとかしない変わった奴やねえ」

上条「いやだから、北野悪人じゃないし」

土御門「カミやんは騙されてるにゃー、人は見かけによらんとか言うが…あれは見かけ通りの悪人に決まってるにゃー」

女子A「…でも本当に北野君て悪人なのかな?」

クラス一同「は?」

女子A「皆、顔で悪人とか悪魔とか言うけど…北野君って実は真面目な人なんじゃないかな」

上条「そうだよ、この間の事にしたって、誤解だって皆に伝えたじゃねーか(ナイス女子A!)」

青髪「珍しい…女子Aもギャグ言うんやね」

土御門「何を馬鹿な事言ってるにゃー」

男子A「そんなわけないだろ」

女子A「でも、怒ったりとかしないし…」

30: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 11:16:11.57 ID:RX6lXEDO

女子A「私、やっぱり北野君が悪い人に見えないのよね…本当は真面目で優しい人じゃないかって」

上条(女子A…お前良い奴だな…)ジーン

ソーカー?ソンナコトネーヨwアリエネー
わいわいがやがや

北野(…ああ、お星様が僕の願いを聞いて下さったんだ)

青髪「女子A…あいつは間違いなく悪人や」

土御門「青ピの言う通りにゃー、奴は純度百%の大悪党に決まってるにゃー」

女子A「…」ムッ

女子A「皆酷いじゃない!それじゃ今日私から北野君におはようって声かけてみるからね!」ガシ!

ガラッ!

北野「…あ、おは――」

女子A「きゃあああああ!!」

北野「……」

女子A「…う…うう…」

女子B「…大丈夫?」

上条(北野…タイミング悪過ぎるぞ…)


……お星様の願いも空しかった

31: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 11:16:49.12 ID:RX6lXEDO

―下校中―

北野「はあ~…また今日も皆の誤解…解けなかったな~」テクテク

上条「元気出せって、その内、皆北野の事分かってくれるさ」テクテク

北野「うん…そうだね…いつかきっと皆、分かってくれるよね」

上条「そうそう――てやば!特売の時間もう少しじゃねーか!北野また明日なー!」タッタタッタ!

北野「うん、また明日……上条君は上条君で大変なんだな」

北野「でも…上条君の言う通りだよね…うん、元気出さなきゃ」

33: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 11:35:48.10 ID:RX6lXEDO



北野(困ったな…迷っちゃった…よし、あの女の子に道を聞いてみよう)

北野「すいません、道を教えていただきたいのですが」

佐天「私?ええ、いいです――きゃあああああ!!」ダダダダダダダ

北野「……やっぱり駄目か…あ!大変だあの女の子財布落として行っちゃった!追いかけて渡さなきゃ!」 タッタッタッ


―とある路地裏―

佐天「はあはあ…ここまでくれば大丈夫かな…」

佐天「しかし、またあの怖い人と遭遇するなんて私、ついてないなー」ハハハ

スキルアウト「いやいや君ついてるよー」

34: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 11:46:06.15 ID:RX6lXEDO
佐天「え…あの…どちら様ですか?」

スキルアウト「ん~~、定番だけど怪しいモンじゃないよ、君可愛いねー、ちょっと俺と付き合わない?」

佐天「いや、あの」オロオロ

スキルアウト「ハイ、決まりー、一緒に行こうか」ガシッ

佐天「い、いや」

きえええええ

佐スキ「?」

北野「きえええええ!!」ダダダダダダダ!!!

佐天(あの悪人さん、追いかけてきた!)

スキルアウト(な、なんだあいつ!あぶねー面しやがって!シャブ中か!?)

北野「きへえええっ!(訳:君ーっ!)財け落ちちゃちゃたーーっ!(訳:財布落としたー!)」

36: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 12:01:20.06 ID:RX6lXEDO
スキルアウト「くっ!て、テメー!一体何のようだコラッ!」

北野「はあはあ…追いついた…これ…財布」スッ

スキルアウト(な、ナイフだと!こいついきなり俺をナイフで刺そうってのか!?)

スキルアウト「て、テメーいきなり俺をナイフで刺そうってか!だ、だが俺はナイフの一つや2つで脅したとこで怯まねーぞコラッ!」

佐天(いきなりナイフだなんて…やっぱり怖い人だったんだ)ブルブル

北野「…?(いきなり何言ってるんだろうこの人?僕は後ろにいる女の子に財布を届けたいだけなのに…何か勘違いしてるみたいだけど…あの女の子の友達かな?)」ジー

スキルアウト(こ、こいつ…次はガンつけてきやがった!)

北野(うーん…彼女の友達なら財布を出せば、なーんだって皆笑って一件落着だよね…うん、早いとこ財布を渡そう)ニタリ

スキルアウト(!!…な、なめられてる!こいつ俺がガンつけられてびびったと思ってやがる!)

37: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 12:03:40.42 ID:RX6lXEDO
北野「財布を……」スタスタ

スキルアウト「くっ!おわっ!」ズダン

北野「(あ、転んだ)君…大丈夫かい?」スッ

スキルアウト(…こ…こいつ!目を抉りにきてる…!!)

北野「安心して…僕は何もしないから」ニタリ

スキルアウト(ひぃっ!)

スキルアウト「たっ――」

北野「?」

スキルアウト「助けてくれー!ころされるー!!」ダダダダダダダ

北野「……」

ヒュウウウ…

佐天(ど、どうしよう…一人になっちゃった)

北野(あの人行っちゃった……それより彼女に財布渡さなきゃ)

北野「君…」

佐天(ひっ)ビクッ

シュン!――タッ

黒子「ジャッジメントですの!大人しくお縄につきなさいですの!」

北野「?」

佐天「し、白井さん!」

ただ財布を渡す為に、行った親切だったが、そんな北野君の考えとは無関係に事態は最悪の展開へと向かっていた…

ACT.2前編終

45: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:23:53.34 ID:RX6lXEDO

黒子「そこのあなた、大人しくお縄につきなさいですの」

北野(ん?この娘突然現れたけど……今の僕に言ってるのかな?)クルリ

黒子(!!な、何なんですの!この悪魔のような男は!?)タジッ

佐天(あの白井さんがたじろいでる…)

黒子(しかし、女の子が絡まれてると、通報があったから駆けつけてきましたが…女の子が、佐天さんとは…)

北野(うーん…確かジャッジメントって、この学園都市の警察みたいな人達だっけ?…)

北野「…あのう、何か勘違いなさってるみた――」

黒子「とりあえず…あなたを拘束させていただきます!」ダッ

46: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:25:16.68 ID:RX6lXEDO

北野「えっ、ちょっ―」

黒子「ハッ!」ブン!

北野「わ!」サッ

黒子「!?」

黒子(かわされた!?なら、この状態からの上段回し蹴りはどうですのっ!!)ヒュオッ!

佐天(凄い白井さん!あれは絶対かわせない)

北野「ッッ!?きひゃえい!」ペタン

黒子(そんな馬鹿な!…あの態勢から無理矢理上体をそらしてかわすなんて…くっ)ズザッ

北野(な、なんとか下がってくれたけど…何で僕に攻撃してくるんだろ…?)

47: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:26:31.57 ID:RX6lXEDO

黒子「あなた…ただのスキルアウトじゃありませんわね……一体何者ですの?」ジリッ

北野「(スキルアウトって何だろう?)僕ですか?僕の名前は北野誠一郎と言います」

黒子(北野?…まさか!お姉様を倒したという噂の張本人!?…なる程…手強いわけですわ)

佐天(北野誠一郎って…噂では御坂さんを倒したっていう悪魔じゃない!……あの噂…本当だったんだ…!)

49: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:28:01.61 ID:RX6lXEDO

黒子(LV5のあのお姉様を倒したのですから…油断できませんわ…)

黒子「…あなたがあの北野誠一郎なのでしたら…こちらも本気でやらせていただきますわ――」シュンッ!

北野(えっ!消えた!?)

黒子「どこを見てらっしゃいますの?」ドコンッ!

北野「がっ!?(後ろ??!)」

黒子「私の能力はLV4のテレポート…全力であなたを叩きのめさせてもらいますわ」

50: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:29:06.93 ID:RX6lXEDO


白井がテレポートを使った攻撃を始めてから、北野君はかわすこともままならず、ひたすら攻撃を受けていた……だが…

佐天(…白井さんの攻撃をまともに受け続けてるのに…何で倒れないの……まさか…本当に悪魔!)

黒子(くっ!なんなんですのこの男!私の蹴りや打撃は全てヒットしてるというのに…どうして立っていられますの!?)

北野(うぅ…痛い…しかし、女の子なのに強いなあ…けど、僕は落とした財布を渡したいだけなのに…この娘…あの娘と知り合いみたいだけど……ひょっとして!…でも、それならなんとかして落ち着いてもらわなきゃ…よし!)

51: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:31:24.26 ID:RX6lXEDO

北野「きえええええっ!」

黒子「なっ」シュン

シュン 黒子「くっ!(まずい!いきなりの奇声で演算が狂いましたわ!)」

北野(今だ!)ガシッ

黒子(っっ!?テレポートが間に合わない!)

スッ……

黒子(え?……財布?)

佐天(あれ?……あの財布は……)

北野「ごめんね…君はあの娘の財布を僕が取ると思ったんだね…それで僕から取り返そうとしてたんだね…」

黒子「は?…何を言ってますの?あなた…」

北野「本当にごめんね」

52: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:32:06.86 ID:RX6lXEDO

黒子「くっ」バッ

黒子「…あなた…何を言ってますの!そんな下手な駆け引きで私は誤魔化されませんわよ!」

北野「人を信じられず全てを力で解決しようなんて…それじゃ人間としてあまりに悲しすぎるじゃないか」

佐天「……」

黒子「まだそんな事を!」

北野「……」ポロポロ

黒佐(!?)

53: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:32:53.30 ID:RX6lXEDO

北野「あ…あれ、ごめん…こんなとこで涙を流すなんてみっともないよね」

黒子・佐天(……)

北野「信じてもらえないのは慣れてるハズなんだけど……そんな自分が急に情けなくなってきて…」グスッ

佐天(じゃあこの人は…私が落とした財布を…わざわざ届けに来てくれたの?……)

黒子「あなた………」

55: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:34:39.85 ID:RX6lXEDO




佐天「本っ当にすみませんでした!」

黒子「私も申し訳ありませんでしたわ」

北野「ううん、誤解が解けたんだから気にしないで」

黒子「知らずとはいえ…あなたが佐天さんの財布を届けようとしてくれたのに…それを……本当にごめんなさいですわ」

佐天「いえ!白井さんは悪くないですよ!私が先に北野さんを怖がらずに聞けば良かっただけなんですから!」

北野「二人とも仲が良いんだね…大丈夫、僕はこういうの慣れてるから」

佐天(しかし…北野さんって話してみたら噂と違うな~、全然普通の人と変わらないじゃん)

黒子(あの噂もどうやら尾ひれがついたものだったみたいですわね)

56: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:36:43.08 ID:RX6lXEDO

黒子(しかし…この殿方の動き…ただ者じゃないと思いますわ……)

黒子「…いきなり失礼ですが…北野さんは何か武道を嗜んでいらっしゃいますか?」

北野「と、とんでもない!僕は殴ったりするのは嫌いだし、いやあの」オタオタ

佐天・黒子「…ぷっ」

北野「?」

佐天「ご、ごめんなさい、なんかおかしくて」ククッ

黒子「…ギャップが有りすぎですわ」ププッ

北野「…そうかな?」

57: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:37:30.65 ID:RX6lXEDO

黒子「さてと…誤解も晴れて一件落着ですし、私行きますわ…佐天さんも暗くなってきましたので、真っ直ぐ帰りますように」

佐天「はーい」

黒子「北野さんもですわよ」

北野「うん」

黒子(さて…跳んで帰りますか…)

キィィィィィィィンンン!

58: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:38:24.71 ID:RX6lXEDO

黒子「うっ!!?(何なんですの!このノイズ音は!?)」

佐天「し、白井さん!」

北野「ど、どうしたの黒子ちゃん!」

スキルアウト「聞いてたぜ~、まさかテメーがあの超電磁砲を倒したっていう噂の奴なんだってな~」スッ

佐天(あの時逃げたスキルアウトの人!しかも仲間連れてきてる!)

スキルアウト「へっしかも…そこにいる奴は俺のダチを可愛がってくれたジャッチメントの糞ガキ…都合が良いぜ…テメェラまとめていたぶってやるよ」

黒子「あなた達…一体私に何を…したですの」

スキルアウト1「へ、そこにある車よ」

黒子「?」

スキルアウト2「あそこから超能力者の演算を狂わせる特殊な音を出させてるんだよ…まあ、無能力者には無害だがな」

59: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:39:19.16 ID:RX6lXEDO

黒子「くっ…」シュン

シュン 黒子(っ!…演算が…うまくいきませんわ!)

スキルアウト「お~っと、どこにテレポートしてるんです―かあっ!!」ドカッ!

黒子「ぐふっ!」

佐天「し、白井さん!?」

北野「!」

スキルアウト「たくよぉ…今まで俺達をよくもコケにしてくれたなぁオイッ!」ゲシッ!

黒子「うぐっ!」

北野「だ、駄目だよケンカは!!女の子にそんなことしちゃいけないよ!」ダダッ

スキルアウト「うっせぇよ、ハッタリ野郎がっ!!」ドカッ!

北野「あぐ…」ズザー

佐天「北野さん!大丈夫ですか!北野さん!?」

60: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:40:41.77 ID:RX6lXEDO

スキルアウト「テメー等の話しは全部聞いたって言ってんだろーが…オメーは後でゆっくり相手してやるからよ、しばらくそこで寝てろや」

黒子「き…北野さん」

スキルアウト「オラァッ!」ゲシッ!

黒子「ぐ…」

スキルアウト「俺達はなあ、テメーみてえな超能力でいい気になってる奴が一番むかつんだよ!調子にのりやがってくそガキがっ!」ドカッ!ドカッ!

黒子「ぐ…く…」

スキルアウト1「にやにや」

スキルアウト2「ニタニタ」

佐天「やめて!お願いします、やめて下さい!」

北野「うう…はっ!だ、駄目だよ、そんな事しちゃ!相手は女の子じゃないか!女の子にそんなことしちゃいけないよ!」

スキルアウト(…チッ、うぜぇ)ドゴン!

ゴロンっどさ

佐天「き、北野さん…」

北野「うぐ…ぐ、だ、駄目だよ…ケンカなんてやめようよ…」ググ・・

スキルアウト「ち……邪魔くせえ野郎だな…せっかくこっちで楽しんでるってのによ」

スキルアウト「おい、お前ら二人であいつ潰してこいよ…超電磁砲を倒した男だ…名を上げるチャンスだぞ」

スキルアウト1「へへっそいつはいいな」

スキルアウト2「ハッタリ野郎でも名前だけで有名だからな…こりゃあめっけもんだぜ」

北野「う…うう…」

61: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:42:04.43 ID:RX6lXEDO

スキルアウト1「オラッ!」ガッ!

北野「ぐ…」

スキルアウト2「このハッタリ野郎が!」ゴッ!

北野「あ…ぐ…」

佐天「お願いします…やめて…やめて…下さい…」グスッグスッ

スキルアウト「へへへ、今日は良い日だな…楽しくて仕方ないぜ」

黒子「~~…はっ!」ブン!

スキルアウト「おととっ」スカッ


スキルアウト「残念でした~超能力封じられてよく頑張るねぇ」ガシッ

黒子「く……!」ギリッ

スキルアウト「さっさとオネンネしちまいな!」ドボッ!

黒子「ごふっ!」

スキルアウト「っらぁ!」ゴッ!

北野「!!」

黒子「……」ドサッ・・

スキルアウト「へへ…気ぃ失ったか…よし、もういいだろ。能力封じの音消しておけ」

北野「…」

スキルアウト「しかし…ガキにしちゃあ可愛い顔してるじゃん…別な意味でも可愛がってやるぜ」

北野「―――」

63: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:43:02.74 ID:RX6lXEDO

スキルアウト1「てめぇ、何ぼーっとしてんだ!頭でもいかれたかぁ!」シュッ

北野「――」ズシャッ!!

スキルアウト、2「!!」

スキルアウト「が……」ガクッ

北野「――」ズザザッ!

スキルアウト2「な、何だてめ―」ドッ!!

スキルアウト2「か……」ドサッ

スキルアウト「な、なんだぁ!?」

佐天(え?…北野さん?)

北野「どうして……どうしてそんなひどいことするんだよ…」ザッザッ

北野「女の子なんだよ…女の子にはもっと優しくしなきゃいけないのに……」ポロポロ

スキルアウト「てめぇ…」ギリッ

64: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:44:40.98 ID:RX6lXEDO

スキルアウト「んっの野郎!」ダッ

黒子「う…」

佐天「!―白井さん大丈夫ですか!?」タタッ

黒子「え、ええなんとかですわ…」

佐天「よ、よかっ――」

スキルアウト「おらぁ!どうしたぁ!さっきの奴らと俺を一緒だと思うなよコラァ!」ガッ!バキッ!

黒子「き…北野さん…」

佐天「あ…ああ…ど…どうしよう」

スキルアウト「おらぁっ!!」ガコ!

ドシャッ……

スキルアウト「へ…へへ、どうだこれで……なっ」

北野「う…」ぐっ

北野「痛いよ…こんなに痛いのに…どうしてケンカなんてするんだよ…」ぐぐっ

スキルアウト「て…てめぇ…」

スキルアウト「寝てろよてめぇは!!しつけーんだよ!」ゲシッ!

北野「が…お…お…女の子は…女の子はね…」

スキルアウト「」

スキルアウト「う、うわあああ!?」ガッ!

スキルアウト「ぐあ!があ!」ドカッドカッ

スキルアウト「はぁ!はぁ!」ドカッドカッ

佐天「白井さん、このままだと北野さん殺されちゃいます!」

黒子「…天性ですわ…」

佐天「へ?」

65: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:45:48.65 ID:RX6lXEDO

黒子「あの殿方…無意識のうちに…殴られてる方向にかわしてますわ…」

佐天「え?…ということは…」

スキルアウト「があっ!」ガキッ!

北野「――」ズダン!

スキルアウト「はあ…はあ…(どうだ!もう立てねーだろ…)」

黒子「ええ…おそらくどんなに殴っても手応えはないでしょうね…見た目は一方的ですが、あれじゃ全く効いてませんわ」

佐天「北野さんって…凄い人ですね…」


北野「――」スクッ

スキルアウト「!!(嘘だろ……!?)」

北野「女の子はね…男が守ってやるものなんだよ」

66: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:46:37.33 ID:RX6lXEDO

スキルアウト「う…うわあああ!?」ブン!

北野「――」サッ

北野「――」ズザザッ!

ドォッッ!!

スキルアウト「あ………」ドサッ





北野「黒子ちゃん大丈夫?」

黒子「ええ、平気ですわ。伊達に鍛えていませんことよ」

佐天「しかし…北野さんって本当は強いんですね!格好良かったです!」

北野「え?…僕って興奮すると自分でも何やってるか分からなくなるんだ…強いとかそんなんじゃないよ」

黒子「いいえ、あなたは強いですわ…力も心も」

67: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 22:48:44.94 ID:RX6lXEDO

北野「僕…人にはケンカはいけないとか言っておいてこうだもん…自分で情けなくなるよ…本当、情けなくて涙が出ちゃうね…」ポロポロ

佐天「ぷっ」

黒子「ふふっ」

北野「?」ポロポロ

佐天「北野さんって悪魔というより…」

黒子「天使みたいな殿方ですわね」

北野「え!?とんでもないよ…僕なんか…」



ACT.2後編 終

71: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 23:38:24.91 ID:RX6lXEDO
―おまけ―

北野「ふう…皆は休みなのに僕だけ補習か…」

北野「でもしょうがないよね…うん…よし!気を取り直して、補習に行く前に布団でも干そう……よいしょっと」ムンズ

ガラッ

北野「うーん…良い天気だなぁ…お日様、今日も素晴らしい天気をありがとう…ん?なんだろうあれ?」

北野「え…」ズルッドサッ

北野「お…女の子?」

北野「どうしてベランダに…」

72: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/10(木) 23:39:32.07 ID:RX6lXEDO

禁書「お…お腹減った」

北野「…えっ?」

禁書「お腹空いた…」

北野「えっと~…」

禁書「ご飯を一杯食べさせてくれると嬉し――」チラッ

北野「……」

禁書(な、何この人…と、とっても怖いんだよ!?)ビクッビクッ!

北野「!!き、君!危ない!?」

ツルッ

禁書「あ」

ひゅ~~~……ぐしゃ!

北野「きええええっ!!?」

おしまい

91: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 09:18:48.75 ID:NamCSkDO
―常盤台―

美琴「…う…う~ん…」

ここは白井と御坂の部屋……その夜、美琴は悪夢にうなされていた…

~~~~~~~~

北野「―」にたり

美琴「ひっ」

北野「きええええええ!!」ザザザッ!

美琴(く…来るな…!……お、お願い…来ないで!?)

北野「きええええ!!」

~~~~~~~~

美琴「う…あ…アアッ!?」ガバッ!

美琴「はぁはぁ……またこの夢……」

…あの件以来、美琴は北野君の悪夢に悩まされる毎日を送っていた…
悪夢を見たせいか汗をかき、心も体も不快で気分は最低である

美琴「……なんなんだってんのよ…一体」ギリッ

そして…
美琴はある決心をした

美琴(…考えてみればあの悪魔と勝負したのはたった一回じゃない…情けない!…一回勝負して負けただけでトラウマ気味になるなんて……この悪夢を終わらせるには……元凶を絶たなきゃ!)

92: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 09:19:22.14 ID:NamCSkDO
次の日

―とある高校―

わいわいがやがや

青髪「――ってな事があったらしいんや」

男A「…まじ?」

土御門「北野…やっぱり大悪党だったんだにゃー」

女子C「やっぱり怖い人なんだ…」

青髪「しかし、そんな極悪人がなんでウチの高校に来たのかホンマわけわからへんわ」

上条「うぃーす」ガラッ

青髪「あ、カミやん」

土御門「おはようだにゃー。――しかし、それは言えてるだにゃー」

上条「ん?朝から皆さん何を話してんでせうか?」

青髪「カミやんは昨日の事件の噂知ってるん?」

上条「事件?」

土御門「…昨日、北野がたった一人でスキルアウト数十人をシメたらしいにゃー」

上条「…はい?」

土御門「しかも、シメた理由が相手の目つきが気に食わないとか、どうでもいい理由で潰したらしいんだにゃー」

上条「…それはないだろ」

青髪「話しの続きはまだあるで!…その潰されたスキルアウトの数人は行方不明とか……ワイの予想ではもうこの世におらんと思うんよ」

93: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 09:19:59.99 ID:NamCSkDO
上条「いやいやいや!いくらなんでもそれは絶対ないだろ!」

青・土「はぁっ~」


上条「何故そこで溜め息!」

土御門「…カミやんは北野の狡猾な手で騙されてるのが、まだわからないのかにゃー?」

上条「この前も言ったが…北野は噂されてるような奴じゃないぞ」

青髪「可哀想なカミやん…北野の術中にハマってしまったんやね」

上条「…おい、人の話を聞けよ…第一その噂が仮に本当だとしても、そんな事したらすぐ捕まるだろ」

土御門「奴の狡猾さだ…痕跡を一つも残さず消したに違いないにゃー」

クラス一同「うんうん」

青髪「己に刃向かう者には容赦せず、そして何も痕跡を残さず相手を消す……恐るべし!北野誠一郎!?」

上条(…ダメだこいつら)

94: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 09:20:28.63 ID:NamCSkDO

上条「…だけど、所詮は噂だろ…北野がそんな事するわけ――」

ガラッ

北野「……」コツコツ…ガタッ…スッ

静かになった教室に入り自分の席につく北野君…ここまではいつもと同じ風景だ…だが…

上条「き、北野…」

北野「おはよう上条君」

上条「お前…顔に殴られた痣みたいのあるけど…どうしたんだそれ?」

北野「ああ…これね…(心配させないようにしなきゃ)…ゴミ掃除してる時、つい転んじゃったんだ。僕っておっちょこちょいだよね」

…彼の言葉と顔の傷を見てクラス一同は、確信してこう思った…

クラス一同(スキルアウトを潰すのがゴミ掃除って事か……あの噂…本当だったんだ…)

95: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 09:20:55.81 ID:NamCSkDO
昼休み

―屋上―

上条「まったく…心配かけたくないってのは分かるけど…クラスの奴ら北野の事をまた誤解してるぞ多分」モグモグ

北野「えっ、そうなの?…はあ~憂鬱だなぁ…」モグモグ

上条「北野は気を使い過ぎなんだよ。もっとこう、肩の力を抜いたほうが良いと上条さんは思いますよーっと」ヒョイッパク

北野「う~~ん…僕は普通にしてるつもりなんだけどなぁ…」

上条「…ま、あーだこーだ言った所ですぐ変わるもんじゃないし、気楽にやっていこうぜ。時間をかけて頑張っていけばきっと、皆分かってくれるハズさ」

北野「うん、そうだね」

96: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 09:21:36.52 ID:NamCSkDO

北野「所で上条君…ふと思い出したんだけど、この前の女の子とは、ケンカでもしてるの?」

上条「女の子とケンカ?」

北野「ほら、電気を君に放ってた娘の事だよ」


上条「あ~~、ビリビリの事か」

北野「ビリビリ?」

上条「あ、ビリビリってのは俺が勝手に言ってるだけ。あいつの名前は御坂美琴、常盤台のお嬢様でLV5の電撃使い」

北野「‥凄い女の子なんだね」

上条「まあそうなんだが…だが、そのお嬢様が何故か俺に絡んでくるんだよな~~…本当に何ででせう?」

北野「心当たりがないの?」

上条「ない。神に誓って上条さん嘘をつきません」

北野「その女の子、上条君に何をしたかったんだろうね」

上条「‥さあ?」

97: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 09:22:46.14 ID:NamCSkDO
下校中

―とある公園―

上条「そういえば北野は、自炊してるのか?」テクテク

北野「うん、料理するのは好きだし結構するよ」テクテク

上条「(…意外だ)じゃあ、得意な料理とかあるのか?」

北野「そうだなあ…お菓子とか作るの得意かな」

上条「あ、ああ、そうなんだ(北野には悪いが全然イメージが浮かばない)」

美琴「…見つけたわよ」

上条「うわ……その声は」クルッ

上条「ビリビリ…またお前か……何度言おうが上条さんは―――」

美琴「今日用があるのはあんたじゃないわよ……そこのあんた…ちょっと私に付き合いなさい」

北野「?(付き合いなさいって、何に付き合うんだろ?)」

上条(なんでせう…この展開…上条さんの不幸センサーがものすご~く警報を鳴らしてるような…)


後半へ続け
AcT3.前編終

99: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 09:49:13.52 ID:NamCSkDO
布団に沈む前に…悪ふざけネタを…

―NG―

―常盤台―

美琴「…う…う~ん…」

ここは白井と御坂の部屋……その夜、美琴はある夢にうなされていた…

~~~~~~~~

北野「―」にたり

美琴「!」ドキ!

北野「きええええええ!!」ザザザッ!

美琴(や…やだ!…私なんでドキドキしてるの)

北野「きええええ!!」

~~~~~~~~

美琴「う…あ…アアッ!?」ガバッ!

美琴「はぁはぁ……またこの夢……」

…あの件以来、美琴は北野君の夢に悩まされる毎日を送っていた…
北野君の夢を見たせいか汗をかき、心臓のドキドキが止まらない


美琴「……なんなんだってんのよ…一体」ギュッ

美琴(…考えてみればあの悪魔と出会ったのってたった一回だけじゃない…なんでなのよ!…一回会っただけなのにあの悪魔の顔が鮮明に頭に浮かんじゃう……)

そこで美琴はハッと気付く

美琴(もしかして…)

美琴(これが…)

美琴(……恋?)

101: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:45:45.31 ID:NamCSkDO
―とある河原―

美琴「…よし、ここなら人もいないしどんなに騒いでも問題ないわね」

北野(言われた通り付いてきたけど…人気のない河原で何するんだろ…ひょっとして人にはあまり知られたくない相談とかなのかな?この女の子傷つきやすい娘のようだから、喋る時は言葉を気をつけなきゃね)

上条(うわ~…河原とか…もうここまでくると、ビリビリの次の行動が簡単に予想できるな)

美琴「さて、と…あんたにここまで付き合ってもらったのは、他でもないわ…ここでケリをつけさせてもらうわよ!」

上条(やっぱりか…)

北野「(相談じゃない?ケリ?…ケリって何んだろ?)あのう…話しが見えないんだけど」

102: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:46:15.20 ID:NamCSkDO
美琴「……LV5であるこの私が無能力に敗れた…そんな事あってはいけないのよ…そんな事は…そんな事は……私のプライドが絶対許さないのよ!…だから……私の誇りを取り戻す為に…あんたとはケリをつけないといけないのよ!!」ギリッ

北野「……」

上条「ビリビリ…お前まだそんなLVがどうこう言ってるのか…」

美琴「あんたは黙ってなさいよ!これは私とこいつの問題なんだから!」

上条「はいそーですか…と、言ってノコノコ引き下がる上条さんじゃありませんよ、お前分かってるのか?北野は俺みたいにお前の電撃を

103: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:46:15.59 ID:NamCSkDO
美琴「……LV5であるこの私が無能力に敗れた…そんな事あってはいけないのよ…そんな事は…そんな事は……私のプライドが絶対許さないのよ!…だから……私の誇りを取り戻す為に…あんたとはケリをつけないといけないのよ!!」ギリッ

北野「……」

上条「ビリビリ…お前まだそんなLVがどうこう言ってるのか…」

美琴「あんたは黙ってなさいよ!これは私とこいつの問題なんだから!」

上条「はいそーですか…と、言ってノコノコ引き下がる上条さんじゃありませんよ、お前分かってるのか?北野は俺みたいにお前の電撃を打ち消す事ができない…お前の電撃を北野が浴びたら入院だけじゃ済まないかもしれねーんだぞ」

美琴「フン、どうだか…あんたもLV0のくせに変な能力持ってる例もあるしね…」

104: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:46:41.77 ID:NamCSkDO

北野(話しの内容がよくわからないけど…この間の事で僕は彼女を怒らせちゃったみたいだな……怒らせた理由がよく分からないけど…うん、よし)

北野「…分かった」

美琴「?」

北野「君の言うケリを…つけよう」

上条「お、おい!北野」

美琴「へ、へえ~…ようやくやる気になったわね」

上条「何言ってんだよ北野!結果は目に見えてるだろうが!無謀だぞお前!?」

北野「(上条君は何で止めるんだろ?とりあえず落ち着かせなきゃ)大丈夫だよ…すぐ終わるから」

上・美「!?」

上条(すぐ終わるから…って北野、何か策でもあるのか?それともまさか!…俺みたいに異能の力でもあるのか!?)

美琴(この男…やっぱりただのLV0じゃないみたいね…それだけ自信があると言うことは…あの馬鹿みたいに変な力を持ってるみたいね)

北野(所でケリをつけるってどういう意味なんだろ?)

105: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:47:01.71 ID:NamCSkDO

ヒュウウウッ…

上条(…)

美琴(こいつがどんな力を持ってるか分からないし、迂闊に攻撃できないわね…)ジリッ

北野(?二人共どうしたんだろう?無言になっちゃったけど…?)

美琴(かといって…このままじゃらちがあかないわね…様子見ついでに…先手必勝よ!)バチバチッ!――ビュン!!

北野「!?」


上条(速ッ!石を電撃で飛ばしただと!?)

北野「きひゃいっ!」ザザッ!――スカッ

上条(え、かわした!?)

美琴「化け物じみた身体能力ね…一個はかわせても大量の石は……どう!」バチバチッ!――ビュンビュンビュンビュン!!!

上条(うわっ!あれじゃいくらなんでも――)

北野「きえええええええええっっ!!!」ババババババッ!

上条(――かわせるんですね…)

106: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:47:30.62 ID:NamCSkDO
美琴(こいつ…やっぱりただものじゃないわね…)

北野「はあはあ…(物凄い速さで石が飛んできて驚いたけど…彼女…何で僕に攻撃してくるんだろ?)」

上条(北野…お前本当に何者なんだよ…)

北野(う~~ん…ケリをつけるとは言ったけど何をすれば彼女の気がすむんだろう……あ!大変だ!彼女の近くに蜂が飛んできてる!離れさせなきゃ!)

北野「きえええええっ!!!」ズザザザザッ!

107: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:47:59.17 ID:NamCSkDO

美琴(早い!一気に間合いを詰めてきた……だけど…甘いわねっ!)バリバリバリ!

バチバチバチッ!

北野「が…!あ……あ…」ドサッ…

上条「き、北野ーー!?」

美琴「ふん…いくら人並み外れた身体能力を持ってたとしても、LV0の無能力者がLV5に真っ向からむかってくるなんて……馬鹿にも程があるわ」

108: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:48:26.96 ID:NamCSkDO

北野(これがLV5の電撃か~…効いたなあ…意識が………あっ…いけない!さっきの蜂!彼女を刺そうとしてる!)

美琴「ま、手加減したから死んでないでしょうけど、しばらく夢の中――」

北野「き・きえええええっ!!?」ガバッ

上・美「嘘っ!?」

北野「きえええええええっ!」ズザザザッ!――ババッ!

美琴(ゆ、夢と同じ…こ、こわい!)

上条(あいつ…本当に人間なのかな…自信無くなってきた)

美琴「ひっ(こ、こいつ人間じゃないっ!)い、いやぁぁっ!」ブアッ!スパンッ!

北野「ぶっ!」ヨロヨロッ

上条「電撃じゃなく…常盤台のお嬢様が顔面にハイキック…だと?」

109: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:49:03.73 ID:NamCSkDO
美琴(迷ってたらダメだ!やられる前にやらなきゃ!?)ゴソゴソ…ピーン…

上条「!(レールガン!?――あいつ!恐怖で追いつめられて見境つかなくなってやがる!)」

上条「北野ーーー!!避けろーーーー!!!!」

北野「え?」フラフラ

美琴「くらえーーーーっ!!!!」

110: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 14:49:47.25 ID:NamCSkDO




美琴が放ったレールガンによって地面は一直線に抉られ、周りは土煙に覆われてしまい北野君の姿は見当たらない………この最悪の状況に上条は後悔していた……

上条(俺はなんて馬鹿なんだっ!俺が間に入って止めればこんな結末にならなかったのに……!)ギリッ

美琴「…はあ…はあ…」ガクリッ

美琴(私……人を…こ、ころしちゃった……ど、どうしよう…)ジワッ

辺りは重い空気に包まれていく………


ACT3.中編終

116: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 22:54:05.29 ID:NamCSkDO
……上条は後悔し、美琴は瞳に涙を浮かべる……だが…その時だった!


「きえええええええええええええええっ!!!」

もうもうとたちこむ煙から人のシルエットが浮かび、その人外ならぬ者の奇声がこの静寂を打ち破る

上美「「えっ?」」

二人は何が起きたのか理解できず、視線を奇声が起きた場所に目を向け呆然としてしまう
そんな二人にお構い無しに、シルエットの人物……北野君は土煙から飛び出し凄まじい勢いで駆け抜け……美琴に迫る!

北野「きえええええっ!!!」

上条(北野!生きてたか…)ホッ

美琴(生きて…る…?よ、よかっ――)

117: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 22:54:32.02 ID:NamCSkDO
…しかし、二人の安堵など関係なく北野君は美琴に肉薄する!
美琴は我にかえり、演算を行おうとするが…時すでに遅し……

美琴(間に合わ――!?)

そして北野君は――




美琴を再び刺そうとした蜂を両手で捕まえ、美琴から距離を急いでとると捕まえた蜂を手を開き素早く逃がす……
そして…再び場に静寂が戻った

118: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 22:55:47.38 ID:NamCSkDO
北野「…ふう……間に合った…本当に良かった」

美琴「……良かったって……何がよ?…」

北野「さっきの蜂、君を何度も刺そうとしてたから、僕危ないと思って君から蜂を何度も離そうとしてたんだ」

上条に美琴‥両者共北野君の言葉に唖然としてしまう

上条(あんな状況で人の心配をしてたのか北野……たくっ……お前ってやつは…)ポリポリ

美琴(私はこいつに攻撃する事しか考えてなかったっていうのに、こいつは……はぁ…この勝負…私の完敗ね……でも)

美琴「…ねえ、一つ教えて欲しいんだけど」

北野「?」

美琴「どうやって…私のレールガンを凌いだの?」

上条「あ、それは上条さんも知りたい」

119: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 22:56:21.33 ID:NamCSkDO
北野「それが……僕にも良く分からないんだ…レールガンが向かってきた時、気付いたら射程位置から離れたとこにいて…」

上条「お前…どんだけ人間離れした体してるんだよ…」

美琴「無意識に動いてかわすなんて…顔もそうだけどホント非常識な奴ね」

北野「???」

美琴「まあいいわ……この勝負私の負けよ……あんた、強いわね」

北野「(負け?なんの事?)…僕は全然強くないよ…」

美琴「何言ってんのよ、この私が強いって言ってんだから間違い無いわよ、もっと自信を持ちなさい」

上条「ビリビリの言う通り、北野…お前は強い奴だよ…他人の為に体張ったお前…すっげー格好良かったよ」

北野「そ、そんな事――」
美琴「だから…ビリビリ言うなゴルァァァっ!!!」バリバリ!

上条「どぅわっ!?」パキーン!

120: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 22:57:04.67 ID:NamCSkDO
美琴「…そういえば…あんたとの決着はまだだったわね…」

上条(げ……この嫌な展開は…)

美琴「…覚悟しなさい!」バチバチ

上条(とほほ…やっぱり上条さんの不幸センサーは今日も絶好調で狂いなく正確ですねーコンチクショーー!?とりあえず…)ダダッ

美琴「あ!コラ逃げんな!ちゃんと勝負しなさいよ!」バチバチ!

上条「不幸だーーー!!」ダダッ

北野「だ、ダメだよ二人共!ケンカなんてしちゃ!」ダダッ

121: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 22:57:47.13 ID:NamCSkDO



??「行きましたか……まったく…世話のやける方達ですわね…」

北野君達から少し離れたとこの草陰から出てきた少女――白井黒子はヤレヤレといった感じで愚痴を1人こぼす

黒子「街でお姉さま方をみかけた時、おかしい雰囲気だったので、隠れて尾行してみましたが…どうやら私の判断は正解だったみたいですわね」

そういい白井は溜め息を吐く……あの時、北野君がレールガンを避けられたのは白井黒子…彼女のおかげなのである…これは彼女以外全く気付かないであろう…

ギャーヤメロシヌー!ダッタラチャントショウブシナサイヨアンタ!スルワケナイダローガ!?キエエカダメキエエェ(訳:ケンカハダメダヨー!)

遠くから騒いでる声が聞こえるが…精神的に疲れた白井はあえて無視する

黒子「しかし…北野誠一郎…あなた、中々のトラブルメーカーみたいですわね…ふう」


ACT3.後半終

 
123: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/13(日) 22:59:20.38 ID:NamCSkDO
―おまけ―

美琴「…ねえ、一つ教えて欲しいんだけど」

北野「?」

美琴「どうやって…私のレールガンを凌いだの?」

上条「あ、それは上条さんも知りたい」

北野「それが……僕に向かってきたレールガン……僕の顔に近づいた途端勝手にそれていっちゃったんだ…」

上条(意志のないエネルギーすら恐れられるとは……)

美琴(恐るべし…北野誠一郎!?)

おしまい

132: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:27:58.25 ID:F7ZigsDO
―とある教室―

上条「何で第10学区に清掃ロボがいないかって?」

北野「うん、皆がそこのゴミの事で噂をしてるの聞いて気になったんだけど…何でかな?」

北野(でも、スキルアウトのゴミって言ってたけど、どういうゴミなんだろ?)

上条(第10学区って確か…スキルアウトの溜まり場になっちゃったとこだよな)

上条「…あんな汚いとこに普通行く奴いないから、学園都市のお偉いさん方は必要ないと思って配備してないんだろきっと」

北野「そうなんだ…あ、僕授業始まる前にトイレ行ってくるね」

上条「あいよ」


ガラッ ピシャッ スタスタ

北野(しかし、勿体ないなあ…この学園都市は素敵な所なんだから全部綺麗にすればもっと素晴らしくなるのに……)トコトコ

北野(…よし、今日学校終わったら、第10学区を綺麗に掃除しよう…時間をかけてやれば大丈夫だよね」テクテク

133: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:28:21.11 ID:F7ZigsDO
上条「しかし、北野は相変わらず真面目な奴だなー…」

土御門「…これは事件の匂いがするぜよ」

青髪「ああ、しかもそんじょそこらのショボイ事件やない……大事件の匂いがするで」

上条「出たな…馬鹿コンビ」

青髪「カミやん!」ガシッ!

上条「き、急に何だよ青髪」

青髪「いい加減目を覚ますんや!君はあの悪魔に騙されてるんや!」

上条「…はぁ?」

土御門「カミやん…青ピの言う通りだにゃー、カミやんはあの悪魔に洗脳されてる…だから、早く目を覚まして俺達デルタフォースの輝かしい明日を再び取り戻そうだにゃー!」ググッ

上条「…あのなー、北野との会話後、何んでそんな大袈裟な話しになるんだよ」

134: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:28:49.15 ID:F7ZigsDO

青髪「…カミやんはさっきの北野の話しに何も気付かへんの?」

上条「?……第10学区のゴミの話しをしただけだろ」

土御門「そこだぜよ!」

上条「?」

青髪「北野が言ってたゴミっちゅうのは…あそこにおるスキルアウトの事だとボクは睨むんよ!」

土御門「第10学区は通称『ストレンジ』と呼ばれて、そこには『ビックスパイダー』っていうスキルアウトの溜まり場になってるんだぜぃ……それを知った後の北野の行動は…誰でも予想がつくぜよ」

上条「…だから、何が言いたいんだよ?」

青髪「ゴミ=スキルアウト…つまり北野によるゴミ掃除開始っちゅうことや!」

土御門「今日もまた、北野恐怖伝説の1ページが新たに記される日だにゃー!おお、恐ろしいにゃー…」

上条(…馬鹿ばっかりだな)

135: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:29:43.48 ID:F7ZigsDO
上条「はあ…あのなー北野はあそこに何で清掃ロ――」

ガラッ…トコトコ…ガタッ

上条「お、北野トイレ早かったな」

北野「うん」

上条(馬鹿二人のおかげでクラスの奴ら北野をまた誤解しちゃうから、早めに解かなきゃな)

上条「北野さっきの話しなんだけどさ」

北野「第10学区のゴミの事でしょ?うん、僕学校終わったらそこに行こうと思ってるんだ」

ザワっ!

クラス一同(まさか!?)

上条「え、何でだよ?」

北野「綺麗にする人がいないなら、僕がゴミ掃除してくるよ…例え時間がかかったとしてもね」

クラス一同(!?)

上条(ちょっ!何皆さんに誤解されるような事を自分から言っちゃってるんですか!あんた!)

青髪(やはり…)

土御門(俺達の予想は的中だったぜよ…)

青髪(恐るべし…)

土御門(北野誠一郎…!)

上条(はぁ…上条さんの努力も空しく結局こうなるのか……)

北野「?」

136: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:30:29.90 ID:F7ZigsDO

放課後

―とある路地裏―

北野「よーし、少しでも綺麗にしてこの街をもっと美しくしよう」テクテク

???(ん?あいつは…)

???「よう」

北野「?僕ですか?」

???「ああ、お前さんホウキなんて持ってどこに行くんだ?この先は第10学区……ストレンジだと知って向かってるのか?」

北野「(この人誰だろう?確かに第10学区には向かってるけど…それと……ストレンジって何かな?)

北野「はい、ゴミが溜まってると聞いたので、少しでも掃除して綺麗にしようと思いまして」

???「…ふっ、お前さん変わった奴だな」スッ…ゴクゴク

北野「あ、ムサシノ牛乳…それ美味しいですよね」

???「ああ、やっぱ牛乳はムサシノ牛乳が一番だ」

北野「ですね。僕も毎朝欠かさずムサシノ牛乳飲んでます」

???「へえ~、お前さん中々分かってるじゃないか」

137: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:31:00.71 ID:F7ZigsDO
???「ま、掃除するのは構わないが…あまり無茶はするなよ。じゃあな」スタスタ

北野「あ、はい…」

北野(無茶?……ハリキリ過ぎて体を痛めないようにって事?)

北野(…なんて親切な人だろう…)

???(あれが悪魔と噂されてる危険人物、北野誠一郎か……悪い奴じゃないみたいだな…まあ、奴の事はどうでもいい…問題はあいつだな)

黒妻「…蛇谷…」

138: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:32:19.25 ID:F7ZigsDO

―第10学区通称ストレンジ―

北野(う~ん、着いたそうそうこれはちょっと予想以上だなー。凄いゴミが散らかってる…)

北野(でも…誰かがやらなきゃもっとひどくなる……よし、頑張るぞ!)



男1「でよー、その能力者ボコボコにされた後、俺達に何て言ったと思う?『すいません、許してくださ~い』って泣きながら謝ってやがんのよww」テクテク

男2「ダッセェwwww所詮能力者なんて能力使えなかったらただの雑魚だからなwwwwww」テクテク

男3「それは言えてるぜwwww」テクテク

男1「ん?」ピタッ

男3「…あそこにいる奴…何してるんだ?」

男2「…何かを…やってるみたいだな」

139: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:33:49.82 ID:F7ZigsDO

男2「てめぇこんなとけで何やってんだよ」

男1「ここが俺達のシマだって分かっててやってんのかコラ」

北野「……」←掃除中

男3「おい、何無視してんだてめぇ!」

北野「えっ?」クルリ

男1、2、3「!!?――う、ぅわあああぁぁ!?」

北野「あ、僕に言ってたのか」

男3(な、なんだこの化け物は!)

男1(あぶねー面しやがって!?)

男2「くっ、て、てめぇ!ここに何しに来やがった!」

北野「何しに?…」スクッ

北野「…僕はただ、ゴミ掃除に来ただけですよ」

男2(お、俺達を)

男1(ゴミ…だと…!)

140: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:34:55.45 ID:F7ZigsDO
男3「てめぇ…どこのモン(スキルアウト)だ」ギリッ

北野「(…学校の事を言ってるのかな?)僕は○○高校の北野誠一郎といいます」

男123(!!)

男1「おい、北野って言ったら超電磁砲を負かした奴じゃねーか!」ヒソヒソ

男2「それだけじゃねー、薬もやってるっつー噂もあるぜ」ヒソヒソ

男「後、この前のスキルアウトとのケンカで消された奴が何人かいるらしいぞ」ヒソヒソ

男1「…まじかよ」ヒソヒソ

北野(この人達、何でかたまってヒソヒソ話しをしてるんだろ?)

141: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:35:55.86 ID:F7ZigsDO

北野(あ――後ろの方のゴミの中に刃物が埋もれてる…危ないなぁ誰が捨てたんだろ……誰か怪我しちゃ大変だからとりあえず拾っておかなきゃ)スタスタ

男1「お、おい!こいつやる気だぞ!」

男3「く、俺達だけじゃ無理だ!この事を黒妻さんに知らせよう!」

男2「おいてめぇ、○○○に来い!そこで黒妻さんと俺達がお前を歓迎してやるからよ!」

タッタッタッタッ……

北野(僕を歓迎する……?)ヒョイ

北野(ああ、あの人達も第10学区を掃除にきた人達なんだな、じゃあそこで一緒に掃除をしようと僕を誘ってくれたのか…なんて優しい人達なんだ)

142: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/15(火) 16:40:04.44 ID:F7ZigsDO

北野(それに大勢でここを掃除すれば、すぐに綺麗になるなぁ、うんうん)

北野(よし、せっかくの親切だから、待たせちゃ申し訳ないよね…すぐ行かなきゃ……でも)チラリ




北野「これ…どうしようかな?」キラン

ACT4前編終

150: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:14:25.52 ID:yYpoi2DO

蛇谷「何ぃ?あの北野がカチコミに来ただぁ?」

男1「は、はい…しかもたった一人で」

蛇谷「…なめやがって…上等じゃねーか…だが…これは都合がいいぜ」

男2「黒妻さん?」

蛇谷「能力者の連中と北野誠一郎……この2つを潰せばビックスパイダーの名が更に広まるってもんだ」クックック

アア、ナンダテメェラ?ガキノクルトコジャネーゾ。トットトカエリナ

蛇谷「あぁん?外が騒がしいな…」スタスタ

蛇谷(ん?…常盤台のガキが二人?…なんだこいつら…)

蛇谷「何の用だ」

151: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:14:59.35 ID:yYpoi2DO


黒子「ジャッチメントですの」

蛇谷「あぁ?ジャッチメントだぁ?ここに何しにきた」

黒子「黒妻綿流‥ですわね」

蛇谷「ああ」

黒子「能力者を対象とした暴行事件の首謀者として、あなたを拘束しますわ」

蛇谷「…ほう」

黒子(ん?)

蛇谷「拘束…ねぇ、悪いがオママゴトに付き合ってる暇はねーんだ――帰りな」

美琴「‥言ってくれるわね」

152: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:15:32.55 ID:yYpoi2DO

蛇谷「こっちは、親切で言ってやってんだぜ?…たが、それでも分からねーつんなら――」

蛇谷「体で分からせてやるよ」

美琴「……」スッ

黒子「お姉様、手出し無用ですわ」ピタッ

美琴「黒子」

黒子「この程度の連中‥私一人で十分ですわ」

蛇谷「十分かどうかは俺等の実力をみてからにしてもらおうか――よし、起動させろ!」

男3「はい!」カチッ

キイイイイィィィィィィンンンン!

美・黒「「ぐっ!?」」

美琴「な、何この音…頭に直接響く…」

黒子(こ‥これは…あの時と同じ音‥)

黒子「ぐ‥お、お姉様これは…能力者の演算を‥狂わせる音…ですわ」

美琴「そ、そんな事―」ビリ…ビリ

美琴(電撃が…!?)

153: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:16:08.34 ID:yYpoi2DO

蛇谷「ほう、お前キャパシティダウンを知ってるのか?」

黒子「キャパシティ――」

美琴「ダウン?」

蛇谷「ああ、俺も詳しくは知らねーがそこのお嬢ちゃんの言う通り能力者の演算を狂わせる特殊な音波を発してるんだとよ――つまりだ…」ジャリッ

蛇谷「能力が使えねーてめぇ達はそこいらにいるガキと同じってことよ!」ドカッ!

黒子「ぁぐっ!」ズザー

美琴「黒子!」

154: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:17:21.87 ID:yYpoi2DO

北野「ふう、急いであの辺り一帯を掃除したら、けっこう汗かいちゃったなあ…しかし、さっき拾ったこの鎌…どう処分しよう…」トコトコ

北野「あ~あ、頭に固めてたポマードが汗で落ちて、髪がボサボサだ……ちょっと恥ずかしいな」トコトコ


北野「…髪をセットし直したいけど…あの人達を待たせるわけにはいかないよね…うん」トコトコ

北野 ピタッ(ん?…さっきの人達だ…あそこにいるのは黒子ちゃんと美琴ちゃん…何してるんだろ…?険悪な雰囲気そうだけど…まさか…?)

155: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:17:50.57 ID:yYpoi2DO

蛇谷「―――ガキと同じってことよ!」ドカッ!

黒子「ぁぐっ!」ズザー

美琴「黒子!」




北野「!!」

北野「た、大変だ、ケンカしてる!それに女の子のお腹を蹴るなんて――急いで止めさせなきゃ!」

北野「きえええええええええっ!!」ダダダダダダダダっ!

156: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:18:30.72 ID:yYpoi2DO

黒子「……くっ…」ヨロヨロ スクッ

美琴「黒子!大丈夫!?――あんた…これ以上私の後輩に手を出したら…許さないわよ!」バリッ!……バリ…

美琴(チッ!やっぱダメか!)

蛇谷「何を許さないってぇ?クックック」

蛇谷「キャパシティダウンで能力が封じられたお前等なん――――」

「きええええええええっ!!」

蛇谷「なんだぁ?この奇声は?」

美琴(え…この奇声って)

黒子(もしや……?)


北野「きええええええっ!!」ダダダダダダダダっ!

美・黒(北野誠一郎!?)

157: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:19:06.85 ID:yYpoi2DO
北野「きええええええっ!!」ダダダダダダダダッ!

蛇谷「な、なんだあの悪魔!?鎌持ってこっちに向かって来やがる!」

男1「黒妻さん!あいつです!あいつが北野誠一郎です!」

蛇谷「(!!)あ、あいつが…北野だと…」

蛇谷(くそっ!なんてこった…鎌振り回して走ってくるなんて…噂以上にヤバい奴じゃねーか!)

北野「きええええええっ!!(訳:ケンカしちゃ駄目だよー!!)」

158: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:19:46.66 ID:yYpoi2DO
オイ、アイツコノニンズウニビビリモシネーゾ!
ナンテギョウソウナンダ・・・
ニンゲンジャネー
アクマダ!

ざわざわ!

蛇谷(!…チッ)

蛇谷「てめぇらぁ!何ビビってんだ!早くあいつをやりに行けよ!」

男3「で、でも黒妻さん―(カチャッ)―ひっ」

蛇谷「でもじゃねーんだよ……やらねーんなら俺がてめぇらをやるぞ!…こっちは武器(エモノ)だって持ってるんだ!‥‥ぶちのめせや!!」

ビックスパイダー一同『(!)…お‥おうーーー!?』

どどどどどどどどっ!!

159: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:20:14.99 ID:yYpoi2DO

黒子(ま…まずいですわ…!)

美琴(いくらあいつが強いといっても…あの人数じゃあ…)

蛇谷(へっ…いくら奴が強かろうがこの人数じゃあ無理だろ)




北野「きえええ…?」ピタッ

ビックスパイダー一同『うおおぉぉぉぉっ!?』ドドドドドッ!

北野(ん?あれ?さっきのケンカじゃなかったのかな?…皆必死な顔でこちらに走って来てるけど…何だろう?)ジー

160: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:20:52.00 ID:yYpoi2DO

男4「おらぁっ!」ブン!

北野「(えっ!?何で、攻撃してくるの!)き…きひゃい!」サッ

男6「があっ!」ブオン!

北野(鉄パイプ!?)

北野「あ、危な――!」クルッ スカッ ドコッ!

男6「ぐ、あ…」ドサッ

北野「(あ!肘を頭にぶつけちゃった!)だ、大丈――」

男3「野郎っ!」ビュン!

北野「きえええいっ!」スカッ バキッ!

男3「ぐふ…うぅ」ドサッ

北野(しまった!またやっちゃった!)

161: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:21:17.52 ID:yYpoi2DO

男1「動くなてめぇ!撃つぞコラァッ!」カチッ

北野(よくできたオモチャの拳銃だなぁ ―コケッ― う! ヨロッ いけない!石で足躓いちゃった!くうぅぅ、転ぶもんか!)ズザザッ!

男1(こ、こいつ銃が怖くねえのかよ!)

北野(ぶ、ぶつかっちゃう!)ザザザザッ!

北野「きえええいっ!(危ない!)どいきえええっ!(どいてーっ!)」ズザザッ!

男1「くっ!」カチャッ

162: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:21:43.94 ID:yYpoi2DO

北野(ああ!駄目だ転んじゃう!)ガクン!ブンッ!

男1「あ――」

ガキンッ!…カタン…ゴロン

シーン……

北野「いたたた…転んだ拍子に膝擦りむいちゃった………ん?」キョロキョロ

北野(ケンカが止まって良かったけど…何で皆さんは静かになってるんだろ?)

男1「…あ…あぁ」ガタガタブルブル

163: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:22:12.56 ID:yYpoi2DO

(あ、あの野郎…迷う事なく男1の頭に持ってた鎌を振り下ろしやがった…)

(たまたま男1が咄嗟に拳銃を上げたから防げたものを……)

(じゃなかったら男1は…)

(あいつ…やべーよ!マジで俺達を[ピーーー]気だ!!)

(この前の噂は本当だったんだ!)

ざわざわ!

164: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:22:33.69 ID:yYpoi2DO

蛇谷(くっ…)

蛇谷「な、何ビビってんだよお前等ぁ!早くいけよ!」

蛇谷「おいっ! ガシッ 男7「ひっ」 お前は何でいかねえんだよ!?」

男7「く、黒妻さん勘弁して下さい…あいつやべーっすよ…」

蛇谷「なんだとぉ…この腰抜けど―」

黒妻「おいおい、人に無理強いは良くないぜ?ま、とりあえずだ…」ブチン

キィィィン………

黒子「あ、音が」

美琴「消えた」

黒妻「大丈夫か?」

黒子「え、ええ…」

美琴「なんとか…ね」

165: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:22:56.60 ID:yYpoi2DO

男10「なんだてめ――」

男10「――あっ!てめぇはこの前の!」

男9「黒妻さん!この前コウジ達をやった奴ってこいつです!」

男8「…黒妻さん?」

蛇谷「あ…あ…そんな…生きてたなんて…」

黒妻「久しぶりだな…お前、随分とつまらない奴になっちまったなぁ……蛇谷」

蛇谷「く…黒妻さ…ん」

166: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/16(水) 12:23:24.30 ID:yYpoi2DO

美琴(えっ?)

黒子(どういう事ですの?黒妻綿流が…あの長髪の男?)

北野(ん?なんだなんだ?話しが全くみえないぞ?)

北野(それにこの人…あの時の)

北野「ムサシノ牛乳の人だ…」

ACT4中編終

176: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:48:36.08 ID:ydgQuQDO

黒妻「今は黒妻っていうのか…蛇谷」

蛇谷「う、うるせぇ!今頃アンタの居場所なんざここにはねぇんだよ!」

蛇谷「て、てめぇらぼっーとつっ立ってないであいつをやっちまえ!じゃねーと俺がてめぇらをやっちまうぞ!!」

蛇谷の怒号にビックスパイダーの一味は、はじかれるように黒妻に襲いかかろうとする

美琴「この――」バリバリッ!

黒妻「待った」

美琴「?」

黒妻「あんたらは手を出さないでくれ…」

黒子「……」

美琴「な、何いってん――」

黒妻「これは俺が残した……問題だからな」

177: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:49:04.98 ID:ydgQuQDO

北野(何かまた険悪な雰囲気になってるな…どうしよう…)

黒妻「北野…だったな」

北野「(あれ、なんで僕の名前知ってるのかな?)はい」

黒妻「俺達は今からお遊びをするが…お前も手を出さないで見ててくれよ」

北野(お遊び?……あ!そうか。あの人達僕を歓迎するって言ってたから、これは僕を驚かせるサプライズとして芝居で迎えてくれてるんだな……なんて心優しい人達なんだろう…でも、さっき僕に向かってきたときは凄い迫真の演技だったな……まあいいや、とりあえずこれからするお芝居の邪魔しちゃいけないよね)

北野「はい、わかりました」

178: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:49:39.65 ID:ydgQuQDO

蛇谷「おらぁ!てめぇらいけやー!?」

ビックスパイダー一同「うおぉぉっ!」ダダッ!

黒妻「……」グッ




蛇谷「あ……あぁ…」

黒妻「……」ズガッ!

男11「ごぅっ…」ドサッ

美琴「へえ~、一人で全部やっちゃうなんてね…」

黒子「…あの殿方、強いですわね」

北野(わあ~~、凄いなあ…まるで本当にケンカしてるみたいだ)

179: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:50:11.51 ID:ydgQuQDO

黒妻「…蛇谷…昔は良かったよな~」ザッザッザッ

蛇谷「!?」

蛇谷「く、来るな!近付くと撃つぞ!」カチャ

黒妻「…皆で馬鹿やって、騒いで…楽しかったよな…なのに…どうしてこうなった…」ザッザッザッ

蛇谷「~~っ!?あ、あんたが今頃ノコノコ来てもここの居場所は俺のもんなんだ!俺にはもうここしかないんだよ!」

黒妻「蛇谷…それは違うぞ…」ザッザッザッ

蛇谷「う、うるせぇぇぇぇっ!」バッ!

黒子(なっ)

美琴(ダイナマイト!?)

黒妻「……」

北野(う~ん皆、迫真の演技だなあ…)

180: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:50:40.53 ID:ydgQuQDO

蛇谷「それ以上近付いてみろ!火をつければこの辺り一帯木っ端微塵だぞ!――お前らもだ!下手に能力使う素振りでもしたら、火をつけるぞ!!」シュボッ

黒子(くっ!)

美琴(…不味いわね)

北野(あれ?……まさか…本物!)

黒妻「……」ザッザッザッ

蛇谷「(!)き、聞こえなかったのかよ!い、いいのか!全員吹き飛ぶんだぞ!?」

黒妻「…やるなら早くやれよ」ザッザッザッ

蛇谷「!」

黒妻「どうした…早くやれよ…」ザッザッザッ

181: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:51:16.20 ID:ydgQuQDO

蛇谷「~~~っ」ジリジリ


黒妻「蛇谷…もう無理をするのはやめろ…」ザッザッザッ

蛇谷「~~~っ、う、うるせぇぇぇぇっ!」ブン!

黒妻「…この――馬鹿野郎がっ!!」ドゴン!

蛇谷「ぐはぁっ!」ドサッ・・・

黒妻「……馬鹿野郎…」


美琴「ようやく――」

黒子「終わったみたいですわね」

北野(???お芝居じゃないの?ケンカだったの?さっきの爆弾は本物だったの?さっぱりわからないや)

182: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:51:48.50 ID:ydgQuQDO

黒妻「…すまなかったな、俺達のいざこざに巻き込んじまって……それと…美偉…そこにいるんだろ?」

固法「…」スッ

美琴「えっ?」

黒子「固法先輩…」

北野(?)

黒妻「ジャッジメントか…格好良いじゃねーか美偉……俺は逃げも隠れもしない…お前には後で詳しく話す…だから…今は何も言わずに手錠をかけろ」スッ

固法「…自分一人で背負うつもりなんですか?」

黒妻「ビックスパイダーは元々俺がつくったグループだ…頭が責任をとるのは当然だろ」

183: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:52:48.08 ID:ydgQuQDO
黒妻「…すまなかったな、俺達のいざこざに巻き込んじまって……それと…美偉…そこにいるんだろ?」

固法「…」スッ

美琴「えっ?」

黒子「固法先輩…」

北野(?)

黒妻「ジャッジメントか…格好良いじゃねーか美偉……俺は逃げも隠れもしない…お前には後で詳しく話す…だから…今は何も言わずに手錠をかけろ」スッ

固法「…自分一人で背負うつもりなんですか?」

黒妻「ビックスパイダーは元々俺がつくったグループだ…頭が責任をとるのは当然だろ」

184: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:53:35.03 ID:ydgQuQDO

固法「先輩…ズルいですよ」

黒妻「そうだな…」

固法「さっきの言葉…約束ですからね…先輩」

黒妻「ああ…」

固法「……黒妻綿流、能力者を対象とした暴行事件の首謀者としてあなたを拘束します」カチャ

美琴(あの二人…)

黒子(過去に何があったのでしょうか…)

北野(?今まで一体何だったんだろう…ん?―――あ!)

北野「危ない!」ダダッ!ドンッ

黒妻「うぉっ」ヨロ

185: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:54:11.88 ID:ydgQuQDO

ドガアアァァァン!

北野「ぎっ!」ドサッ!

北野「う……うぅ…」

美琴「北野さん!」

蛇谷「へ…へへへ ヨロ …全員まとめて…地獄に送ってやるよぉ!!!」


黒妻「あいつ!」

固法「もうやめなさい!蛇谷く――」

シュン 黒子「よくもやってくれましたわね」ブォッ バグン!

蛇谷「ぐふっ!」

黒子「ハアアアアアッ!」ヒュオッ ドゴン!

蛇谷「げ…ふぅぅ…」ドシャ

固法「あの娘…いつの間に」

黒妻「ヒュウ♪見事な回し蹴りだな」

186: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:54:43.49 ID:ydgQuQDO

黒子「はぁはぁ…そうだ北野さんは!」

美琴「北野さん大丈夫ですか!?北野さん!」

黒子「!」シュン

北野「うぅ……だ…大丈夫だよ……」

シュン 黒子「何仰ってるんですか!ダイナマイトの爆発を近くでくらったんですのよ!なんであんな危険なことを!」

北野「…気付いたら…つい…ね…」ガクッ

黒子「北野さん!――固法先輩!私北野さんを病院に連れて行きますので後はお願いしますわ!」シュン

美琴「あ、ちょっ!黒子!病院の行き先くらい言いなさ――ああ、もう!」タッタッタッ

187: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:55:37.53 ID:ydgQuQDO

黒妻「…助けられちまったな……北野誠一郎……死ぬなよ」

固法(あの娘が御坂さん以外に…しかも男性に対してあんなに必死になるなんて…白井さん変わったわね)



―数日後―

能力者狩事件は解決し、学園都市は再び平穏になり学生達は自分達の青春を再び謳歌し始めた……しかし、学生達は北野君がビックスパイダーと死闘を繰り広げ、彼等を潰したから事件は解決されたと噂されてまたしても北野君は一部を除き、全学生達に怖がられるようになってしまう
…そして…当の本人は……

188: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:56:28.61 ID:ydgQuQDO

―とある病室―

冥土返し「ふむ、このぐらいならもうすぐ退院できるよ」

北野「本当ですか先生!」

冥土返し「ああ……しかし…君は凄い幸運だね…話しを聞いたら爆弾を近くでくらったというのに、あの程度の怪我で済むなんて…まるで奇跡だよ」

北野「昔から怪我にはなれてますから」

冥土返し「まったく…最近の高校生はどうなってるんだ…ある高校生は記憶を失う大怪我をして運ばれてくるし…ブツブツ…」

189: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/17(木) 22:57:05.83 ID:ydgQuQDO

北野「そうなんですか?」

冥土返し「ん?ああ、すまないつい愚痴を言ってしまった…とりあえず…もうすぐ退院だから安静にするようにね」

北野「はい」



北野「もうすぐ退院できるんだ…」

北野「早く学校に行きたいなあ」


ACT4終わり

200: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/21(月) 16:10:43.28 ID:rZz/8YDO

―とある病院・廊下―

北野(いよいよ退院か~、あ~…早く明日にならないかなぁ…)トコトコ

『とうまの馬鹿っ!』

北野「!?」ビクッ

ガラッ!

ピシャッ!

禁書「フンっ!」スタスタ

北野「……」

北野(病院にシスターさんが……何故?しかもかなり怒ってたみたいだけど…)

北野(…一体なんだったんだろ?)チラッ

204号室【上条当麻】

北野「えっ…?」

北野(上条君……入院してたのか…でも、元気そうだったのに…)

冥土返し「‥北野君…だったかな?そこをちょっとどけてもらっていいかい…204号室の患者に用があるんでね」

北野「あ、すいません」サッ

201: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/21(月) 16:12:06.58 ID:rZz/8YDO

ガラッ――ピシャッ

北野(……)

北野(一体何の話ししてるのかな……)ソォッ~




―数分前―

禁書「とうまの馬鹿っ!」

ガラッ―ピシャッ!

上条「ははっ…死ぬ……死んでしまう…」ピクピク

ガラッ

冥土返し「おやまあ…随分とキツいお見舞いを受けたみたいだね」


上条「ははっ…まあ…」

冥土返し「ふう……で、結局言わなかったのかい?記憶がなくなった事を…」

北野(!?)

上条「ええ……」

202: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/21(月) 16:12:49.42 ID:rZz/8YDO

冥土返し「…あの事件の事は二人が聞いたままに伝えたけど…」

北野(事件?…記憶がなくなった…どういう事…)

上条「俺…何だかあの娘にだけは泣いてほしくないな‥って思ったんです‥‥そう思えたんですよ、これがどういう感情か分からないし‥きっと思い出す事もできないだろうけど…」

冥土返し「……」

北野(……)

203: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/21(月) 16:13:28.30 ID:rZz/8YDO

上条「けど、確かに…そう思う事ができたんです‥案外覚えているのかも知れないですね、俺‥」

冥土返し「…君の思い出は脳細胞ごと死んでる……脳には情報が残ってないハズなんだけど…」

冥土返し「……一体どこに思い出が残ってると言うんだい?」

北野(………)

上条「そりゃ…決まってますよ」

冥土返し「?」

上条「心に……じゃないですか」

204: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/21(月) 16:14:29.32 ID:rZz/8YDO

冥土返し「ふう…そんな爽やかに断言されると何も言えなくなるね」


上条「ははっ…例え記憶がなくても‥これからまた作っていけばいいだけです」

冥土返し「‥強いね‥君は」

上条「そんなんじゃないですよ、俺はただ楽天的に考え―――」

ガラッ!


北野「うっ…うっうぅ…」ポロポロ

冥土返し「…北野君…」

上条(な、なんだこいつは!?怖い顔の上に何故か泣いてて不気味過ぎなんですがっ!!)

北野「う…うっ‥上条君‥話しは全部聞いたよ…」ポロポロ

205: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/21(月) 16:15:03.73 ID:rZz/8YDO

上条「えっ?(ひょっとして知り合い…なのか?)」

冥土返し「…北野君‥君と彼は知り合いなのかい?」

北野「はい…グスッ…僕がこの街に来て、学校で初めて友達になってくれたのが…上条君です…うぅ」

上条(あれ?見た目と中身が違いすぎる…)

北野「上条君は…上条君は…僕の親友なんです…」ポロポロ

冥土返し「北野君…」

上条「……」

北野「うっ…うぅ…う」グスッ

206: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/21(月) 16:15:44.13 ID:rZz/8YDO




上条「……そっかあ、そんな事があったんだ」

北野「うん、それの続きなんだけど―――」

楽しそうに談笑してる二人の声を部屋の外で、冥土返しは聞いていた

冥土返し(上条君…確かに君の記憶は二度とは戻らないだろう…)

冥土返し(…だが…)

冥土返し(君の周りには、君を心の底から心配してくれる者や親身になってくれる人がいる)

冥土返し(…君は案外…)




冥土返し「幸せ者かも…ね」

一人呟いた後、冥土返しは長い廊下を歩き出した

ACT4.5終わり

222: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:04:47.66 ID:0ODYn6DO

―とある寮―

北野君の部屋

北野「うーん‥ようやく自分の家に戻れたぁ~」ググッ

北野「でも‥入院する前から全然家に帰ってきてないような‥‥まっいいや」

北野「上条君はもうすぐ退院みたいだけど…今度ちゃんと見舞いしなきゃね」

北野「あっ…冷蔵庫の中身の事…忘れてた…」

北野「……」ガチャッ

北野「あ~あ…やっぱり全部駄目になってる…しょうがないよね、入院して結構家空けてたし」

北野「…買い物にいかなきゃ」バタン

223: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:05:20.48 ID:0ODYn6DO

―とある街通り―

初春「じゃあ、その北野さんって人は噂されてるような人じゃないという事なんですか?」

佐天「うん、そうだよ」

初春「でも…正直いって信じられないです」

佐天「だから本当なんだってば、白井さんも北野さんに助けてもらったし――ね、白井さん?」

黒子「初春、佐天さんの仰る事はまぎれもない事実ですわよ。私、実際能力を封じられてピンチのとこをあの殿方に助けてもらったのですから」

初春「う~ん…お二人が嘘をついてないのは信じますが…」

224: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:05:48.94 ID:0ODYn6DO

佐天「もうっ!本当だってば――あ、噂をすれば」

黒子「あら、北野さんですわね」

初春「えっ?…」

佐天「北野さーーん」ノシ

北野「ん? クルッ あ、涙子ちゃんに黒子ちゃん、こんにちは」

佐天「こんにちはー」

黒子「北野さん、もう退院できたんですわね」

北野「うん、心配かけちゃってごめんね」

佐天「え!北野さん入院してたんですか!?」

北野「まあ…色々あってね」

初春(あれ?顔は噂通り怖いけど……二人の言ってた通りだ…)

初春(…本当に悪い人じゃないんだ)

225: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:06:15.48 ID:0ODYn6DO

黒子「所で北野さんはどちらへ向かわれますの?」

北野「入院してる間に冷蔵庫の中身が駄目になっちゃったから、買い出しに向かってる最中なんだ」

佐天「えっ……失礼ですけど…北野さんって自炊してるんですか?」

北野「うん、料理するの結構好きだからね」

佐天(…北野さんには悪いけど――)

黒子(――全く――)

初春(――似合わない)

226: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:06:42.06 ID:0ODYn6DO



青髪「はぁ~~…どこかにボクに一目惚れしてくれる娘はいないんかな~…そしたら、ボクの人生を使ってでもその娘を幸せにしてあげるのに~」

土御門「青ピ…学園都市の女の子は男を見る目があるから、それはないと思うにゃー」

青髪「そんなことあらへん!必ず一人くらいおるはずや!」

土御門(…俺は舞夏がいれば何もいらないにゃー)

土御門「ん…あれは北野に…女の子…?」

青髪「な、なんやてー!?」

227: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:07:14.65 ID:0ODYn6DO

土御門「遠くから見る限りは…親しそうに楽しくしてるにゃー」

青髪「……」

土御門「あ、別れた…うーん…あの北野と喋るなんて…あの娘達は何者なのかにゃー」

青髪「た、大変や…」プルプルプル

土御門「へっ?」

青髪「あの娘達…北野に騙されてるんや…北野の巧みな話術に…乗せられ…そして……ブツブツ…」

土御門「お、おーい‥青ピ?」

青髪「うおおぉ!」ダダダッ!

土御門「あ、おい!……行っちゃったにゃー」

228: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:07:44.51 ID:0ODYn6DO

佐天「ね、私達が言った通り普通の人だったでしょ」

初春「疑ってすいませんでした…でも、本当に噂と全然違いますね」

佐天「でしょ?」

黒子「初春もこれを機に噂や見た目で判断するのは、気をつけるのですのよ」

初春「ですね」

青髪「うおおぉっ!き、君達―――っ!」ダダダッ!

229: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:08:22.04 ID:0ODYn6DO

佐天「なっ」

初春「なんでしょうか…」

黒子(何ですの?この男…)

青髪「き、君達は北野に騙されてるんやーー!早く目を覚ますんや!」

佐黒初「は?」

青髪「あいつは‥君達を騙してるんや!」

佐天「はい?」

青髪「奴の見た目や噂で、分かるやろが!」

初春「えっと~…」

230: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:08:54.51 ID:0ODYn6DO

青髪「北野は大悪党やー!しかも今世紀最大の悪党なんや!それでも君達は気付かへんのか!」

佐黒初「……」

青髪「あいつはな、心をもってない悪魔のような男で、この前のスキルアウトとの喧嘩で――うんたらかんたら」

黒初「初春、これが噂や見た目で判断する人ですわ…愚かでしょう?」

初春「ですね…さっきまで自分も同じだったと思うと凄く恥ずかしいです」

231: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:09:24.89 ID:0ODYn6DO

青髪「そうや!ボクと付き合えば君達も北野に騙されてるのに気付いてくれるハズや!」ガシッ

黒子「……」ムカッ

初春(あ~あ…白井さんの肩を遠慮なしに触っちゃって…)

佐天(わたし…し~~らないっと)

青髪「さあ!ボクと甘い一時を過ごそうやないか!」グイッ

232: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:10:20.86 ID:0ODYn6DO

黒子「…初春に佐天さん…ちょっと待ってて下さる?」

佐初「「は~い」」

パシッ

青髪「へっ?」

黒子「さてと…」バキボキ‥バキボキ‥


黒子「……」スッ


ドカドカッ!バキッ!ドカッ!


土御門「…うわぁ‥…怖い娘だにゃー」

233: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:11:01.96 ID:0ODYn6DO

―とある病室―

上条「ああ…暇だぁ」

上条「今日は誰もこないし、やることもない…」

上条「はぁ…ふこ――」

『不幸やーーーーっ!』

上条「!」ビクッ

上条「な、何だ今のは!?」

ACT5終わり

234: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:11:34.33 ID:0ODYn6DO

青髪…ごめん
どうしても君以外にお馬鹿役が、浮かばなかったんだ

だが…




後悔はしてない

235: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/24(木) 21:12:14.49 ID:0ODYn6DO

―おまけ―

上条「あ~あ…彼女欲しい…上条さんは女の子に縁がないしなぁ…不幸だ」

青髪「カミやん…」

土御門「言ってはいけないことを…」

偽海原「言いましたね…」

上条「な、何だお前ら――つーか、アンタは誰だよ!」

三人「問答無用!――トライアングルフォーメーションα!」

バキバキドカドカッ!

三人「離脱っ!」バッ

上条「ふ…不幸だ……ぐふっ」ガクッ

239: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:16:04.62 ID:W..mWUDO

―とある男子寮―

北野「えーと…あった、ここが上条君の部屋か」

北野「…結局なんだかんだでお見舞いに行く前に退院しちゃったし…なんだか上条君には悪いことしちゃったなあ…」

北野「…でも、大丈夫だよね。そのお詫びとしてちょっと奮発して買った豪華絢爛お見舞い果物セットを持ってきたし…」スッ

ピンポーン

『はーい、どちら様なんだよ?』

北野(あれ?…女の子の声?……部屋は…間違えてない……それにここ…男子寮なハズ…だよね?)

240: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:17:43.51 ID:W..mWUDO

北野「…あのう…こちらは上条当麻さんのお宅ですよね?」

『そうだよー、今とうまは――』

『ばっ――馬鹿っ!禁書勝手に応対するな!』

『ぶ~~!とうま!何もいきなり怒鳴ることないじゃない!』

『お前が居ることは秘密なんだから、こんなことしちゃ駄目だろうがっ!』

『私は悪くないもん!さっさと応対しないとうまがいけないんだよ!』

『なんで上条さんが悪いんだよ!』

『ワーワーギャーギャー!』

北野「……」

241: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:19:12.72 ID:W..mWUDO

『……結局…とうまは私のことなんかどうでもいいんだね…』

『(!?)――ちょっ!待て禁書!話せば分かる!落ち着け、いや落ち着いて下さい!』

『とうまの…』

『馬鹿!やめれ禁書!』

『とうまのばかーーーっ!!ガブッ!』

『ウギャアアァ!不幸だーーーー!?』

北野「…あのぅ…」

242: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:20:31.89 ID:W..mWUDO




上条「う~~…頭が…頭が…痛い…」シクシク

北野「その…大丈夫…上条君?」

上条「北野ありがとう~…そうやって上条さんに優しい言葉をかけてくれるのはお前だけだよ~」

禁書「ふんっ!自業自得なんだよ……所で悪魔さん、あなたが持ってる美味しそうな物…私はさっきから気になるんだよ」チラチラ

上条「こら、禁書!」

北野「まあまあ上条君、これは上条君のお見舞いに持ってきた物だから、後で二人で食べてよ」

上条「なんか気を使わせて悪いな…ごめん北野」

北野「ううん、こっちこそ入院してる時にお見舞いに行けなくてごめんね」

243: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:21:26.44 ID:W..mWUDO

禁書「わ~い!悪魔さんは顔に似合わず良い人なんだね♪」

上条「こら禁書!北野に失礼だぞ!」

禁書「も~、とうまはいちいち細かすぎなんだよ」

上条「お前が大雑把過ぎるんだよ!」

ワーワーギャーギャー!

北野(良かった…上条君元気そうで)

244: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:23:30.46 ID:W..mWUDO

北野「所で上条君、この娘は?」

上条「ああ、この前話した奴、禁書だよ」

北野「(変わった名前だなぁ)よろしくね、禁書ちゃん」

禁書「よろしくなんだよ悪魔さん」

上条「だからお前――」

北野「いいよ上条君、僕気にしてないから」

上条「……北野がそういうなら――でも禁書、北野に迷惑かけるような事はしちゃ駄目だぞ」

禁書「分かってるんだよ、それに美味しいものを持ってきてくれる人に悪い人はいないんだよ」

245: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:25:19.00 ID:W..mWUDO

北野「…上条君ちょっと耳貸して」

上条「ん?どうした」

北野(…記憶がないことは…この娘にも教えてないの?)ヒソヒソ

上条(…北野以外には誰にも言ってないし、言うつもりもない……もし知れば…きっと禁書は悲しむから…だから何も言わない…)ヒソヒソ


北野(……分かった)ヒソヒソ

北野(上条君がそう決めたのなら、僕も誰にも言わない)ヒソヒソ

上条(ありがとう……北野)ヒソヒソ

禁書「……」ジー

上条「ん、どうした禁書?」

禁書「…男だけでヒソヒソ話はとっても気持ち悪いんだよ…」

246: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:29:29.91 ID:W..mWUDO



北野君、上条、禁書…彼等は他愛もない話しやくだらない話しを楽しむ…そして、時は過ぎ…

北野「…そろそろ僕帰るね。なんか今日は、長居しちゃってごめんね」

上条「いや、こっちこそ大したおもてなしできなくてスマン」

禁書「悪魔さん、また美味しいものを持ってきてくれると嬉しいんだよ」

上条「…お前はそれしか頭にないのかよ」ハァ

北野「あはは…じゃあお邪魔しました」

上条「ああ、気をつけて帰れよー」

禁書「またなんだよ」

248: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:33:17.69 ID:W..mWUDO

北野「…」

北野君は歩きながら考えてた…上条の…彼の周りに対する優しさを…

北野「誰も傷つけたくない…」

北野「…悲しむから何も言わない…かぁ」トコトコ

北野「…上条君は強いなぁ」トコトコ

北野「……」トコトコ

北野「友達として僕に出来ることって何だろ…」

ドン

スティル「おっと」

北野「あ、すいません考え事してて」

スティル「(悪魔…?)いや、こちらも前をちゃんと見てなかった‥気にしなくていいよ」スタスタ

北野「‥‥‥」

北野「…あの人……あんな格好で暑くないのかな?」

249: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/27(日) 05:34:40.04 ID:W..mWUDO




スティル「……さて…」

スティル「これから…どうしたものかな……」

スティルは上条の寮の近くまで歩むと、足を止めて寮を見上げる

スティル「……」

煙草に火をつけ、一息つけた後、彼は一人呟く



スティル「吸血鬼…ね」


ACT6終わり

255: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/06/29(火) 22:09:20.68 ID:w5k4K6DO

―おまけ―

北野「初めまして…北野誠一郎と言います」ペコリ

禁書「……」

上条「おい、禁書…お前もあいさつしなさい。北野に失礼だろうが」

禁書「…無理なんだよ…」
北・上「へ?」

禁書「…私はシスターなんだよ、悪魔と話す事は決してしちゃいけないんだよ!!」

北野「……」ズーン

上条「変わりに謝っとく…ごめん北野」

264: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 22:57:55.80 ID:gO/jEEDO

―とある街通り―

上条「まさか参考書如きが三千六百円するとは…」

北野「良い参考書は大体その位の値段だよ」

上条「はあ…不幸だ」

禁書「とうまはそんな本がないと勉強が全然ダメなんて…正に猫にドッグフードなんだよ」

北野(それを言うなら猫に小判……まあ…使い方は間違ってないとは思うけど…)

上条「なんだそりゃ?…上条さんは誰かさんと違って真面目な学生なんです」

禁書「あ~あ…三千六百円もあればこの暑いなか、アイスとかアイスとかアイスとか…いっ~~ぱい食べれるのに」

上条「仮に参考書を買わなかったとしても、それはないな」

禁書「ぶ~~!とうまのケチ」

上条「はいはい、上条さんはケチで結構ですよ」

265: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 22:58:21.62 ID:gO/jEEDO

北野「でも、確かにこう暑いとアイスも食べたくなるね」

禁書「ほら!とうま、悪魔さんもこう言ってるしアイス食べようよ~とうま~」

上条「いけません、我慢しなさい」

禁書「やだやだやだや~だ~~!アイスアイス!食べたーい!!」ジタバタ

上条「まったく…ダメなものはダメです!ワガママを言うんじゃありません!」

北野(…なんかスーパーで見かけるお母さんと子供のやりとりみたい……)

266: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 22:58:46.02 ID:gO/jEEDO

北野「…上条君、僕がお金出すからアイス食べに行こうよ」

上条「えっ?いやいや悪い――」

禁書「ホント!!ありがとうなんだよ!悪魔さんが天使に見えるんだよ♪」

上条「こら禁書!お前って奴は!」

北野「まあまあ、僕もアイスが食べたかったし、それに付き合ってもらうお礼という事で僕に支払わせてよ…それなら構わないでしょ?」

上条「う~ん……悪いな北野」

北野「気にしないで、じゃあアイス食べに行こう」

禁書「アイス♪アイス♪」

267: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 22:59:15.14 ID:gO/jEEDO

―マクロナルロ―

北野「アイス屋は休みばっかりで、結局ここになっちゃったね…」

上条「ん?別にここでもいいだろ、シェーキもアイスも似たようなもんだし」

北野「ごめんね」ショボン

上条「なんで北野が謝るんだよ、しょうがないだろ。それに禁書は禁書でシェーキで満足してるみたいだしな」チラッ

禁書「むむむ……イチゴとバニラ…どちらから手をつけるか悩むとこなんだよ」

北野「……」

上条「なっ?」

268: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 22:59:45.54 ID:gO/jEEDO

上条「まあ、とりあえず空いてる席に座ろうぜ」

北野「うん、どこかないかな」キョロキョロ

上条「う~~ん…混んでるな…あれ、禁書は?」

禁書「とうまー、悪魔さーん、ここの人が席一緒でもいいって」

上条「でかした禁書、北野もそっちに行こうぜ」スタスタ

スタスタ 北野「あのう、どうもすいませ……ってあれ?美琴ちゃん」

美琴「あ、やっぱり。この子が悪魔さんとか呼ぶから、もしやと思ったら…」

269: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:00:17.31 ID:gO/jEEDO

美琴「…って、何でアンタまでいんのよ!」ガタッ

上条「えっ?…えっと~~…」

上条(なぁ、北野…この娘は俺の知り合いなのか?つーかどういう関係なんだ?)ヒソヒソ

北野(まず、学園都市第三位の電撃使いでlv5の能力者…超電磁砲とも言われてる娘だよ)ヒソヒソ

上条(ふんふん、それで)ヒソヒソ

北野(そして常盤台に通う中学生で名前は御坂美琴ちゃん…君とは何故か会うたびに勝負をしたがる変わった娘…)ヒソヒソ

上条(……ちょっと待った?……何で無能力者の上条さんに勝負をけしかけてくるんだ?)ヒソヒソ

北野(…それは、僕にも良くわからない)ヒソヒソ

禁書(二人共、何でヒソヒソ話ししてるのかな?)

美琴「………」プルプルッ

270: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:00:43.23 ID:gO/jEEDO

美琴「ちょっとアンタ…無視すんなやゴルアアアッ!」バリバリ!

上条「おい、ちょっ!」バキーン

美琴「…相変わらず私の電撃を打ち消すなんて…ふざけた能力ね」

上条「…あのなあ…場所を考えろよ!もし、他の人に当たったらどうすんだよ!」

美琴「うっ……む、無視するあんたが悪いのよ!」

上条「何でそうなるんだよ!?」

美琴「ふん!うっさい!」

北野「ふ、二人共ケンカはやめようよ」オロオロ

禁書(…イチゴよりバニラの方が美味しいんだよ)ズズッー

271: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:01:10.84 ID:gO/jEEDO




美琴「それで、三人でここに来たわけなんですね」

北野「うん、美琴ちゃんは?」

美琴「私?私は漫画読み終わって暇だから街をぶらぶらした後に、ここで休憩してたとこです」

上条「…常盤台って…お嬢様学校なのに…なんだかなぁ」ハァ

美琴「どういう意味よ…?」ギロッ

北野「け、ケンカはダメだよ」

禁書(いやしかし……イチゴのほのかに残る爽やかな味も捨てがたいんだよ)

272: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:01:44.80 ID:gO/jEEDO

上条「…所でさっきから気になるんだが…」

美琴「何よ?」

上条「…北野と上条さんは同い年なのに、何でお前俺には敬語使わないんだ?」

美琴「……さあ?何でだろ?」

上条「…何でわからないんだよ」

美琴「細かい事をいちいちうるさいわねー」

北野(言われてるみれば確かに)

禁書(ダメ…どちらかを選ぶなんて私にはできないんだよ…イチゴにバニラ…どっちもナンバーワンなんだよ)

273: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:02:12.99 ID:gO/jEEDO

美琴「……ねえ、あんたはこの馬鹿とはどういう関係なの?まさか外国の従兄弟とかではないだろうし」

禁書「ん?私ととうま?それはね私が魔術師に追われ―――フゴッ!」

上条「いや~!俺の親父にちょっと知り合いの人がいて、その家のご両親がちょくちょく日本から出るもんで、それで良く家で結構な頻度で預かってんだよ!でも今回は俺の実家にいる両親も家を空けてるからやむえず、俺が今こっちで預かってるのさ!はははは!」

禁書「もが~~!」ジタバタ

美琴(…怪しい)

北野(…上条君…今の嘘はちょっと厳しいものがあると思う…)

275: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:02:51.05 ID:gO/jEEDO

美琴「…はあ…まあいいや…あんたの事だからどうせ自分から厄介事に首でも突っ込んだとかなんかなんでしょ…」

上条「はは…まあ、な」

―ガブッ!―

上条「いってぇっ!何しやがる禁書!」

禁書「フンだ!いつまでも私の口を抑えてるとうまがいけないんだよ!」

上条「だからって噛むことないだろうが!」

―ワーワーギャーギャー!―

北野「また始まっちゃった…」

美琴(なんか……仲良いわね…)

276: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:03:17.70 ID:gO/jEEDO

姫神(………)ガタッ

トコトコ……

上条「そんなんだからお前は――チョンチョン――ん?」

姫神「……百円。」

上条「……はい?」

姫神「電車賃、後百円足りない。だから、頂戴。」

上条(……巫女さんがよりにもよって…何故俺に百円をたかるんだ?……つーか誰だよ!なんか上条さんの不幸センサーがビンビンきてますよ~!)

北美禁(…誰?)

277: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:03:46.16 ID:gO/jEEDO

姫神「百円。」

上条「……無理、こちとら参考書の購入という予定外の出費で財政的に厳しいんだからな」

姫神「…ちっ…ケチ。」

上条「ケチって…何で知らない奴にそんな事言われなきゃならないんだよ!」

美琴(…まあ正論ね…しかし…この人綺麗ね…)

北野(上条君って…本当に懐がきついんだな)

禁書(…なんだか面白くないんだよ)

278: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:04:18.33 ID:gO/jEEDO

姫神「こんな美人に頼まれてるのに…百円も出せないなんて……。」ジ~

上条「あ~~もう!だから無理だっつってんだろ!」

姫神「…じゃあ。」クルッ

北野「えっ?」

姫神「そこの顔面凶器の君、百円頂戴。」

北野(顔面凶器?…う~ん、服装はともかくなんだかこの人本当に困ってるみたいだな……よし)

北野「うん、いいよ…はい」つ百円

279: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:04:52.72 ID:gO/jEEDO

姫神「おお……ありがとう。」

上条「北野…お前人が良過ぎるぞ」

美琴「あんたね~心が狭いわよ…百円くらいいいじゃない。言い方はともかくこの人本当に困ってるみたいなんだから…小さいわねー」

禁書「…確かに…とうまはケチ過ぎるんだよ」

上条(えっ?…何この流れ)

美琴「はあ……でも、北野さんはこいつに比べて優しいですね」

北野「そうかな?」

禁書「悪魔さんはやっぱり良い人なんだよ」

上条(…………)

280: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:05:20.77 ID:gO/jEEDO

ゾロゾロゾロ

上条「…ん?何だ…」

北野「あれ?この人達いつの間に集まってたんだろ…」

美琴(何この人達…)

姫神「……。」スタスタ

上条「あ、この人達お前の知り合いなのか?」

姫神「うん。塾の先生。」

上条「塾の…先生?」

姫神「……。」スタスタ…

281: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:06:13.10 ID:gO/jEEDO

北野「学園都市の塾の先生達は、生徒の面倒もみてるの?」

美琴「さあ?…私は通った事ないからわからないです」

上条「……」

美琴「…なんだかな~…」

北野「…あ、そろそろ帰らなきゃ…皆悪いんだけど僕先に帰るね、それじゃあ」スタスタ

上条「おうまたな北野」

禁書「またなんだよ悪魔さん」

美琴「北野さんさようなら~……私も帰るかな…ってその前に――ちょっとあんた」キッ

上条「ん?なんだよ」

美琴「今日は北野さんに免じて勘弁してあげるけど…次会ったらはちゃんと勝負して今度こそ白黒つけるからね…覚えてなさいよ」スタスタ

上条「白黒って…はぁ……不幸だ」

282: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/01(木) 23:07:18.99 ID:gO/jEEDO

北野「…しかし、あの巫女さんの格好した女の子は変わってたな~」トコトコ

北野「ん……?何か落ちてる」ヒョイ

北野「封筒…?届け先は…」

北野「……三沢塾の○○○さん…宛てか」

北野「…よくわからないけど、大事な書類とか入ってたら多分困るよね」

北野「…よし、届けに行こう」


ACT7前編終わり

302: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:38:55.63 ID:1n/6NUDO



北野と別れ、先に禁書を家に帰した俺はスティルという魔術師と合流し……ディープブラットの姫神秋沙…彼女を助けるべく、わたくし上条当麻はロン毛と共に三沢塾に殴り込みにかけたわけである

…だが…そこで俺達を待っていたのは、錬金術師…アウレオルス・イザードの想像を絶する返り討ち……

…そして、更なる事態が起きてしまう……禁書が…三沢塾に来てるかも知れない……急がなきゃ…三沢塾へ!

303: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:39:26.10 ID:1n/6NUDO

一方北野君は……

―三沢塾―

北野「困ったな…迷っちゃった…」トコトコ

北野「塾に来たのはいいけど…誰もいないから封筒渡せれないなあ…ひょっとしたら今日はお休みなのかな…?」トコトコ

北野「う~~ん……ん?」ビタッ

北野(少しドアが開いてる…誰かいるのかな…?)

コンコン

北野「すいませ~ん、失礼します」

ガチャッ

北野「…誰もいないや……えっ?禁書ちゃん?」

禁書「すぅ…すぅ…」

北野「…何で塾に禁書ちゃんが?」

コツコツ

北野「あ、誰か来た!」

304: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:40:00.61 ID:1n/6NUDO

北野(ど、どどどうしよう!封筒を渡す為とはいえ勝手に部屋に入っちゃったし、塾の先生だったら怒られちゃう!)アセアセ

コツコツ

北野(え、えーと…)アセアセ

コツコツ

北野(とりあえず、机の下に隠れなきゃ!)ササッ

ガチャ…コツコツ

北野(………)ドキドキ

コツコツ…ビタッ

アウ「ふっ、必然…」

北野(バレた!?)

アウ「あらゆる信仰、技術をもってしても足らせん事があるのなら、人の理を外れる事に何の躊躇いがあろう…」

北野(バレてない…みたい)ホッ

305: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:40:43.34 ID:1n/6NUDO

禁書「すぅ…すぅ…」

アウ「…ふっ」

姫神「このひと…。」

北野(ん?この声は…あの時の変な女の子?)

アウ「自然、やがてお前のその悲しみから解き放たれる…もう間もなくだ…粛然、かかる漆黒の彼方から呼び寄せるがいい、その甘美なる血の匂いによって吸血鬼たちを…」

姫神(…誰も傷つけずにすむ……もう…誰も……。)

北野(???)

306: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:41:41.98 ID:1n/6NUDO

―三沢塾廊下―

上条「本当だな?本当に野郎の居所を掴んだんだな」スタスタ

ステ「この僕が無駄にビルの中を散策していたと思っているのかい?」スタスタ

上条「それにしても言葉一つで何でも思い通りにできちまうなんて…くそ…あんな野郎からどうやって姫神を…しかも禁書の奴までいるみたいだし…」

ステ「仮にあの娘が迷いこんでいたとしても、いきなり危害を加えられる事はまずない何故なら…」スタスタ

ステ「…待てよ」ピタッ

ドンッ 上条「おっわあ、って急に止まるなよ」

307: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:42:14.19 ID:1n/6NUDO

ステ「……」

上条「急に考え込んでどうしたんだよ」

ステ「…チッ、なるほどそういう事か」

上条「は?」

ステ「三年も潜伏していれば、世情にも疎くなるわけだ」

上条「?」

ステ「何でもない…奴のとこまですぐそこだ…足を引っ張らないでくれよ」スタスタ

上条「へ、ぬかせよ」スタスタ

308: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:43:10.58 ID:1n/6NUDO

北野(どうしよう…なんか出るに出られなくなっちゃった…)

北野(考えてみれば、隠れる必要なんてないよね…)

北野(…よし、机の下から出てちゃんと謝ろう)

北野(そして、この封筒を渡そう…1、2、3で出よう)

北野(1…)

北野(2の…さ―――)

タッタッタ…バンッ!

上条「姫神!」

姫神「あ。」

北野(あれこの声は?…上条君?)

上条「!……禁書!くそ――」

バッ

ステ「……」

309: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:43:47.39 ID:1n/6NUDO

北野(あの人…この前の怪しい人だ…何で上条君と一緒なのかな?)

ステ「…残念だが、君に目的を成し遂げる事はできないよ」

アウ「ふっ、今更ながら我が真意に気付いたか。ならばその大成を前に己が無力を嘆き、嫉妬に身を焦がす良い」

ステ「うまくいくなら焦がし甲斐もあるんだがねぇ…繰り返すが、君に彼女…禁書は救えない」

上条「え?…禁書を?」

アウ「貴様はしくじったというだけの事だ。だが、私は…私はこの子を…」チラッ

禁書「すぅ…すぅ…」

310: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:44:51.36 ID:1n/6NUDO

アウ「十万三千冊もの魔導書を一身に背負い、決してその呪縛から逃れぬことのできない少女…にもかかわらず、その運命を受け入れてなお己が不幸より、他人の幸福のために……」

上条(こいつ、禁書を知っていた?)

ステ「…彼も禁書のパートナーだったのさ…」

上条「なっ……」

ステ「今年は君、去年は僕、そして…三年前のパートナーがこのアウレオルス・イザード…というわけだ」

アウ「これまで禁書目録は一年ごとに――――」

311: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:45:22.94 ID:1n/6NUDO

北野(???)

北野(話しが全く見えないなあ…十万三千冊?魔導書?)

北野(…とりあえずこの塾の先生が禁書ちゃんの知り合いなのは分かったけど……)

北野(…何で上条君達と険悪な雰囲気になってるんだろ?)

北野(……あ…そういえば今日の晩御飯何にしようかな…)

北野(確か豆腐の賞味期限が今日までだったな…時間も時間だし帰ったらお味噌汁にしようかな)

312: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:46:36.73 ID:1n/6NUDO

北野(おかずは魚でも焼いて―――)

アウ「倒れ伏せ!侵入者共!」

上条・ステ「ぐっ!」ズンッ!

北野(えっ?……)ヒョコッ

北野(な、何が起きてるの?何で上条君達は倒れているの!?)

アウ「我が思いを踏みにじり!我が願いを嘲笑い!…よかろうこの屈辱…」スッ

北野(!?)

北野(た、大変だ!あの塾の先生!針を自分の首に刺そうとしてる!なんとしても自殺を止めなきゃ!!)バッ!

313: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:47:57.75 ID:1n/6NUDO

アウ「貴様等の死をもってあがらってもら――――」


北野「きえええええっ!」ズダダダダダッ!

アウ「な、誰だ!!」クルッ

ステ「う…あいつは…?」

上条「ぐ…き、北野…何でここに…?」ググッ

姫神(あの時の…顔面凶器。……何故ここに?)

北野「せえきえー!(訳:先生ー!)しじゃちゃきえー!(訳:死んじゃだめー!)」

アウ(な、なんだこの化け物は!?)

314: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:48:51.36 ID:1n/6NUDO

北野「きえええええっ!」シュバッ!

アウ「なっ」

ガシッ!

北野「はぁ…はぁ…」

アウ「き、貴様もこいつらの仲間か!は、離せ!」ググッ

北野「はぁはぁ…この腕は…離しませんよ」

アウ「な、何!?」

北野「だって…先生、命は一つしかないんですよ…そんな悲しい行為はやめてください…」ググッ

アウ「き、貴様!何を訳の分からぬ事を!」

上条「ぐっ…がぶっ」バキーン

315: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:50:02.01 ID:1n/6NUDO

アウ「!」

アウ「ば…馬鹿な…貴様…我がアルスマグナムを打ち消し――」

北野「先生!もうやめてください!命は大事にしてください!」ポロポロ

アウ「くっ…貴様、離せ!」ジタバタ

上条「うおおぉっ!」ダダダッ!

上条「そげぶっ!」ドゴンッ!

アウ「ぶべらっ!」ゴロゴロ…ドサッ…死ーん…

北野「えっ?えっ?…………何で?」

上条「はぁはぁ……勝った」

禁書「すぅ…すぅ…」

姫神(……よわっ。)

ステ(床冷てぇ……)

316: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:50:47.85 ID:1n/6NUDO

数日後

―とある公園―

上条「…んじゃ、アウレオルスは野に放ったのか?」

ステ「ああ、記憶を消し、顔も変えたから問題はないと思ったからね」

上条「そっか」

ステ「…しかし…君の友人…北野誠一郎…だったかな?…何者なんだい彼は?」

上条「ん~~…そうだかあ…純朴で心が澄み切った優しい高校生…かな?」

ステ「あの顔で…か…?」

上条「顔は関係ないだろ…実際あいつは…良い奴だよ…」

ステ「……信用してるんだね君」

上条「ああ、あいつはとびっきりの親友さ」

317: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:51:08.87 ID:1n/6NUDO

北野「上条く~ん」タタッ

上条「お、北野……ってあれ?スティルの奴どこ行ったんだ?」

北野「どうしたの?」

上条(…ま、いいか……)

上条「何でもねーよ…所で北野…前にも言ったが…」

北野「魔術のことだね、大丈夫だよ。約束通り誰にも言わないよ」

上条「…なんかお前を巻き込んじまって…本当にすまん」

北野「ううん、気にしないで。それに友達が困ってたのを助けれたんだから、僕は後悔してないよ」

上条「ありがとう…北野…」

318: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:51:40.31 ID:1n/6NUDO

北野「そういえばさ、あの娘…え~と…」

上条「姫神秋沙のことか?」

北野「そうそう、秋沙ちゃんはあれからどうしたのかな…って思ってさ」

上条「とりあえず、今は小萌先生のとこで居候してるよ…小萌先生面倒見良いからな」

北野「良かった」ホッ

上条「ははっ、相変わらず人の心配ばっかりだな北野は」

北野「そうかな?」

上条「しかし、三沢塾もこれから―――」

319: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 17:52:33.90 ID:1n/6NUDO

北野(あれ?……何か忘れてるような?)

北野「……ハッ!」

北野「きええええっ!」

ビクッ 上条「い、いきなりどうした北野?」

北野「わ、忘れてた…」

上条「………何を?」

北野「封筒……」

北野「届けてない……」


上条「…………はっ?」


ACT7後編終わり

320: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/05(月) 18:30:25.10 ID:1n/6NUDO
―おまけ―

アウ「貴様等の死をもってあがらってもらう!」ブスッ


北野「きえええええっ!」ズダダダダダッ!

アウ「な、誰だ!!」クルッ

北野「せえきえー!(訳:先生ー!)しじゃちゃきえー!(訳:死んじゃだめー!)」

アウ「ひっ!な、なんだあの悪魔は!く、食われてしまう―――ハッ!」

アウ「し、しまっ」

北野「せえきえー!!(訳:先生ー!)ガパッ!

アウ「ギャーーーー!」

バクンッ!…バキ…ゴキ…ボリッ

上条「北野の奴…」

ステ「アウレオルスを…」
姫神「捕食した…。」

禁書「すぅ…すぅ…」

328: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:15:48.37 ID:p4hzE.DO

その日 北野君の朝は早かった

北野「う~~ん…朝の空気はおいしいなー、正にジョギング日和だね」ググッ

北野「よーし、今日からがんばるぞ」

タッタッタ

北野「あっ…」タッタッタ

吹寄「はっ…はっ…はっ」タッタッタ

北野(ジョギング仲間だ…こういう時は見知らぬ人でも挨拶するもんだよね)タッタッタ

北野「おはようございます、いい朝ですね」タッタッタ

吹寄「ん?ええ、ジョギング日和―クルッ――!!?」

北野「?」

329: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:16:15.61 ID:p4hzE.DO

ドヒュン!

北野「あの女の子…凄い早い…毎日走ってるんだろうなあ…よし、僕も負けてられないぞ」

ダダダダダダダダダッ!

吹寄(何で何でどうしてよーーー!)ダダダダッ

吹寄(よりにもよって、何であの北野誠一郎がジョギングしてるのよ!)ダダダダッ

吹寄「はあ、はあ…ちょっとハイペースだったけど…これで大丈―――」

ダダダダダダッ!


吹寄(!、ひっ…付いてきてる!?)

北野「はあ、はあ!(よし、追いついた!これで僕も立派なジョガーだな!)

吹寄「き、きゃーーーっ!」ダダダダッ!

吹寄(ま、負けないわ!貴様みたいな大悪党に、私がジョギングで負けてたまるもんですか!)ダダダダッ!

330: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:16:47.45 ID:p4hzE.DO

北野「わー速いなあ…でも僕だって負けないぞ」ダダダダッ

ダダダダダダダダダッ!

吹寄「はあっはあっはあっ!」ダダダダッ!

北野「はあっはあっはあっ!」ダダダダッ!

吹寄(い、いやーー!)ダダダダッ!

北野(これだけのスピードで走りつづけるなんて…ジョギングってなんて過酷なスポーツなんだろ!…あっ)コケッ


北野「うわっ!」

ズザーー!ゴンッ!

北野(あ……転んだ拍子に頭を…打っちゃった…意識…が…)

吹寄「いやぁーーーっ!」ドヒュンッ!

……シーン……

331: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:17:30.17 ID:p4hzE.DO

木原「あーあ…だりっ」テクテク

木原「たく、上の奴らも人使いが荒いぜ」テクテク

木原「あ?」ピタッ

北野「……」

木原「なんだこいつ?何で朝っぱらから、こんなとこで寝てんだ?」

木原「ケッ……おい、こんなとこで寝てたら邪魔だ」グイッ

北野「う…う~~ん……あ…あの」

木原「オラァッ!」

ドカッ!

北野「ぶぼっ!……な…なん…で…」ドサッ…

木原「ヤバかったな…もう少しで刺されるとこだったぜ…」スタスタ……

332: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:18:00.33 ID:p4hzE.DO

小萌「うぃ~~……ヒックッ」フラフラ

小萌「黄泉川先生達と遅くまで呑んでたらすっかり朝てすね~~…ヒックッ」フラフラ

小萌「ふんふんふ~~ん♪……んっ?」ピタッ

北野「……」

小萌「た…大変なのです!こんな所で人が倒れてる!」タタッ

小萌「だ、大丈夫ですか!」ユサユサ

北野(う…ん…?…あ…あれ……この声は……?)

北野「せ…先せ――」ポタポタ

小萌「――――」

小萌「キャーーーーーッ!!」

北野「えっ?」ポタポタ

333: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:18:42.01 ID:p4hzE.DO

小萌「きききききき、北野ちゃん!!なんで血だらけなんですかアナタは!?大丈夫ですか!」

北野「?」ヌルッ

北野(あ…殴られた後大量に鼻血が出たんだな…あ~あ…服にも血がこんなに…)

小萌「ど、どうしよう!」オロオロ

北野(…確かに、こんな格好じゃ誤解されるよね…)

小萌「と、とりあえず救急車を呼ばなきゃ!」スッ

北野(え、救急車!大変大騒ぎになっちゃう!)

334: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:19:16.74 ID:p4hzE.DO

北野「せ、先生!」ガバッ!

小萌「ふえっ?」

北野「救急車は…いりません…」

小萌「な、何言ってるんですか!そんなに血がいっぱい出てるのに!とにかく電話しなきゃ」ピポパポッ

北野(まずい!止めなきゃ!)バッ

北野「きえええええっ!」ガシッ

小萌「ひっ」

北野「先生…これ鼻血の後なんです…だから大丈夫ですよ」

小萌「え?…そうなんですか……はぁ、良か―――」

「そこまでや!!」

335: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:20:03.69 ID:p4hzE.DO

―数分前―

青髪「ふ~~…終わった…なんだかんだ言ってもパン屋で住み込みのバイトも楽やないな~」テクテク

――!―――!

青髪「ん?朝から誰か騒いでるみたいやね…っておおっ!小萌先生やないか!これは朝からついとるな~~♪」

青髪「…って、何で北野までおるんや!」


北野「きえええっ!」ガシッ

小萌「ひっ」

青髪「あっ!大変や!小萌先生が北野に襲われとる!こら、助けないと!」

青髪「うおおおっ!」ダダダダッ!

336: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:21:22.17 ID:p4hzE.DO

青髪「そこまでや!!」ザッ!

北野「え?」

小萌「へっ?…青髪ちゃん…何でここに?」

青髪「小萌先生!ボクが来たからにはもう安心や!」

小萌「はい?」

青髪「…おのれ…北野誠一郎っ…」ギリッ

北野「あの~……青髪…くん?」

青髪「お前…ついに本性を現しおったな!」

337: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:21:43.57 ID:p4hzE.DO

北野「な、何を…」

青髪「しらばっくれても無駄や!その大量の鼻血、血走った目、そして…小萌先生を捕まえようとしてたその悪魔の手……小萌先生に手を出す奴は……許さへんっ!!」ダッ

小萌「ちょっ、ちょっと!青髪ちゃん!」

青髪「くらえっ!」バッ!

北野「待っ――!」

青髪「破邪伐折羅正拳突きーー!」ブォッ!

338: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:22:08.42 ID:p4hzE.DO

北野「わっ!」ササッ

青髪「くっ!」

青髪「九字護身呪法ラリアートォッ!」ババッ!

北野「わわっ!」スカッ

青髪「~~~っ!かわすなや!北野誠一郎!」ザザッ

北野「そ、そんな無茶な…」

小萌「コラー!止めなさい青髪ちゃん!」プンプン

青髪「これならどうやっ!」

青髪「ハーレールーヤースマッシュ!」ズバッ!

339: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:22:34.32 ID:p4hzE.DO

北野「青髪君、やめ――」ズルッ

北野(あ、やばっ手が――)

ゴン!

北野「あっ」

青髪「………」つ~

小萌「青髪ちゃん…鼻血…出てますよ」

青髪「ふっ……ふふふっ」

北野「ご、ごめ―――」

青髪「北野誠一郎…」

青髪「殴血kill!!!」

340: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:22:57.63 ID:p4hzE.DO

青髪「うおおっ!」ダダッ

小萌「止めて!青髪ちゃん!」

北野「青髪君!本当にやめ――」

青髪「問答無用やーー!くらー――」

美琴「はい、そこまでー」バリバリ

バチバチバチバチッ!

青髪「あんぎゃーー!…が…か…」ドサッ…プスプス

美琴「まったく…日曜の朝から人を襲うなんてとんでもない奴ね…」

北野「み、美琴ちゃん」

美琴「大丈夫でしたか?北野さん」

小萌(この子は…確か常盤台の超電磁砲…)

341: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:23:20.04 ID:p4hzE.DO

北野「美琴ちゃん…どうしてここに?」

美琴「今日私が毎週読んでる雑誌の発売日なんですよ、それで朝一番に立ち読みをしようかな~っと思い、コンビニへ向かってると…北野さんがこの男に襲われてたので…つい――」

小萌「助けた…と?」

美琴「はい……しかし何なのこの男?…スキルアウトかしら?」

北野「いや、彼はね僕の――」

青髪「ぬがぁーーっ!」ガバッ!

342: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:23:43.87 ID:p4hzE.DO

小・北・美(!?)

青髪「はあはあ…な、なんでや!?」

美琴「はっ?」

青髪「何で皆、この悪魔と親しくしてるんや!こいつはさっきだって小萌先生に襲いかかろうとしてたのにっ!」

小萌「…何を言ってるんですか?青髪ちゃん?」

青髪「…へっ?」

美琴「北野さんがそんな事するわけないじゃない…もっとマシな嘘をつきなさいよアンタ」

北野「?」

343: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:24:08.84 ID:p4hzE.DO

青髪(…え…?…ど、どういう事や…ボクが正義なのは間違いないハズなのに……どうしてこの二人はボクのことを変なものを見るような目で見るんや?……)

青髪(ボクは間違ってないハズや……そうか!…北野が悪魔の力を使ってこの二人を洗脳したんやな!そうに違いないっ!)

青髪「おのれ……北野誠一郎ーーー!!ボクの目の前で可愛い娘ちゃんに手は出させへんでー!」ダダッ

北野「えっ…えっ?」

美琴「だから…」

美琴「やめいっ!」バリバリ!

バチバチバチバチッ!

青髪「ギィヤァァァァッ!」

344: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:24:31.47 ID:p4hzE.DO




―とある公園―

北野「青髪君…放っておいていいのかな…」

美琴「あの小さい先生がなんとかするって言ってたし、多分大丈夫ですよ」

北野「う~ん…」

美琴「それより…北野さん!鼻血まだ止まってないんですからで休んでないとだめですよ」

北野「う、うん……迷惑かけてごめんね美琴ちゃん…」

美琴「気にしないで下さい」

上条「あ、北野…とビリビリ…?」

345: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:24:55.77 ID:p4hzE.DO

北野「あ、上条君」

美琴「な、なんであんたがここにいるのよ!」

上条「上条さんだって暇を持て余したら、外を目的もなくブラブラ歩いたりもしますよーっと……しかし…わりぃな」

美琴「は?何がよ」

上条「二人の間にいるお邪魔虫な上条さんは颯爽と去るのでした~~じゃな」

北野「?」

美琴「あ…あんたって奴は…私の……も知らないくせに…」プルプル

上条「へっ?」

346: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:25:27.31 ID:p4hzE.DO

美琴「死にさらせー!」バリバリ!

バチバチバチバチッ!

上条「なっ、何しやがる!」バキーン

美琴「うるさいっ!これでもくらえっ!」バリバリ!

上条「な、なんでさー!!せっかく人が気を使ってやったのに……不幸だーーーっ!」

北野「ふ、二人ともケンカはダメだよ!」オロオロ

347: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:25:52.72 ID:p4hzE.DO




青髪「……」

青髪(なんでや…何で誰も分かってくれへんのやろ…)

姫神(……)トコトコ

青髪「な、なあ…君…」

姫神「わたし?。」

青髪「ぼ、ボクは…正義やろ…?」

姫神「………………。」

姫神「……………はぁっ。」

姫神「………馬鹿。」

青髪「そ…そんな…」パタリ

ACT8終わり

348: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/06(火) 14:26:35.94 ID:p4hzE.DO
―おまけ―

北野「あっ…」タッタッタ

一方「はっ…はっ…はっ」タッタッタ

北野(ジョギング仲間だ…こういう時は見知らぬ人でも挨拶するもんだよね)タッタッタ

北野「おはようございます、いい朝ですね」タッタッタ

一方「ああ、おはよう!確かにアナタの言うとおり今日は爽やかなジョギング日和ですね」タッタッタ

北野「もしよろしかったら、一緒に走りませんか?」タッタッタ

一方「ええ、喜んで」タッタッタ

タッタッタッタッ


…オチもなくギャグもなく二人の若者は爽やかな汗を一緒に流してた…

359: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:13:38.84 ID:SLy9wEDO

―とあるビルの屋上―


ビュウウウウッ……

???「…横風が強い…」

???「照準を3クラップから左へ修正…」カチャカチャ…カチャン…

ヒュウウウッ…

???「…ビル風の影響により照準を右に1クラップ修正…」カチャカチャ…

???「…セット完了」

???「目標コード…一方通―――」

???「………」

???「一方通行に一般市民が接触したため、一時実験を中止します…」

360: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:14:07.26 ID:SLy9wEDO

―とある路地裏―

一方「……」スタスタ

一方(…チッ…今日は始まるのが遅ェなァ…)スタスタ

一方(…まだかよ…)イライラ


北野「はあっはあっ!…すいませーん!」タッタッタ

一方「……あァ?」クルッ

一方(…なんだァコイツ?危ねェ面しやがってェ…)

一方(フン…まあいい…どうせ俺を倒して名を上げようとしてるクズ共の一人だろ…)

一方(面からして…ろくでもねー奴には違いねェだろうしなァ…)

361: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:14:39.63 ID:SLy9wEDO

一方「悪りィがなァ…今俺はちっとばかしイラついててよォ…だからいつもみてェに…―――軽い怪我で済まさねェぞオィッ!」グオッ!

北野(えっえっ!何っ!?)

一方「クカカカカカカッ!」バォッ!

北野(!?)

北野「キ、キヒャイッ!」ババッ!

スカッ…

一方(――あァッ?…あの至近距離からのスピードで俺の攻撃を…かわしただと?)

北野(な、何だったの今のは!?…人間とは思えない速さで僕に飛びかかってきたけど……ビックリしたな~)ドキドキ

362: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:15:37.54 ID:SLy9wEDO

一方「…どうやらそこら辺のクズよりはマシみてェだなァ」ザッ

北野「あの~…」

一方「少しは楽しめそうだ」

北野「あ、あの!」

一方「あン?まさか今更怖じ気づいて命乞いとかじゃねェだろうなァ?」

北野「こ、これ」スッ

一方「……俺の携帯?」

北野「さっき、そっちの方で落としてたよ…」

一方「………」

363: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:16:04.67 ID:SLy9wEDO




一方「…一応礼は言っておく」

北野「ううん、気にしないで。僕は当然の事をしただけだから」

一方「フン…」

一方「お前ェ……俺が怖くないのか?」

北野「?」

一方「いや、何でもねェ…じゃあな」スタスタスタ…

北野「……」

北野「変わった人だったなあ…」

北野「あ、早く帰って晩御飯作らなきゃ」タッタッタ

364: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:16:34.00 ID:SLy9wEDO

一方「……」スタスタ

一方(…考えてみれば…)スタスタ

一方(俺を怖がらずに接してきた奴なんてのはァ…久しぶりだなァ…)スタスタ

バババババンッ!
キュンキュンキュン!

一方(――)パキーン!

ドカーン!

一方(…ようやく実験が始まったかァ…)

一方(…フン……)

365: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:17:14.38 ID:SLy9wEDO

次の日

―とある公園―

北野「う~~ん…」テクテク

北野「今日も良い天気だね」テクテク

北野「ん?あそこにいるのは…上条君」

上条「んが~~!」ガチャガチャガチャ!

北野(上条君…自販機に何してるんだろ?)タタッ

北野「こんにちは、上条君何してるの?」

上条「あ…北野か……ハア…不幸だ…」

北野「?」

366: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:17:48.83 ID:SLy9wEDO

ぷくくくっ…

北野「ん?」

上条「誰だ?」

美琴「見い~ちゃった、見い~ちゃった♪」ヒョコッ

上条「あっ」

北野「美琴ちゃん」

美琴「あんた(ププッ)この自販機に(ククッ)お金のまれたでしょ…」プルプル

北野(え?…そうか…それで上条君あんな必死に返却レバーを…)

美琴「も、もうだめ…耐えられない…あははははっ!」

上条「う、う、うるせー!笑んじゃねーよ!」

367: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:18:18.44 ID:SLy9wEDO

美琴「あはははっ…ふ~~…久しぶりにお腹痛くなるくらい笑っちゃった…んで、アンタなんぼのまれたの?」

上条「千円」

美琴「じゃあ、取り返してあげるわ」

北野「え?」

上条「…どうやってだよ?」

美琴「こうやって」バリバリバリバリ!

上・北(なっ!?)

368: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:18:50.20 ID:SLy9wEDO

自販機「ガコンッ、ガコンッ、ガコンッ、ガコンッ、―――」

美琴「ありゃりゃ…予想以上に出てきたわね」

美琴「でも、こんだけあれば千円ぶ――」クルッ

ダダダダダダダッ!

美琴「っておい!何逃げてんのよ!…北野さんまで!」

北野「ちょ、ちょっと上条くん引っ張らな――」

上条「いいから!一緒に逃げるんだ北野!」グイッ!

ダダダダダダダッ!

美琴「おいコラー!」

369: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:19:17.68 ID:SLy9wEDO




上条「はぁはぁ…」

北野「上条君…逃げちゃだめだよ…」

上条「んな事言ったって…あのままだと俺らは、傍観者から共犯者になってたのは、間違いないぞ」


北野「でも………美琴ちゃん…怒ってないかな…」

美琴「怒ってます」ヌッ

北野「わっ!」

上条「お前いつの間に…」

美琴「ホラッ」ヒュッ

上条「おっと」パシッ

上条(…黒豆サイダー…?)

370: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:19:59.94 ID:SLy9wEDO

美琴「早く私が持ってきたジュース持ちなさいってば、元々あんたの取り分なんだから」ズィッ

上条「…わかったよ…よっと………重いな」ズシッ

上条「…ジュース多すぎるぞ…絶対千円分以上あるだろう…これ」

美琴「たかが数百円くらいで気にするんじゃないわよ」

上条「はぁ…」

美琴「ああ、ヤシの実サイダー飲まないんだったらもらうわよ、北野さんも折角だからジュースもらっちゃえばどうですか?」プシュッ

北野「う~~ん…じゃあ、折角だから僕はイチゴおでん貰おうかな」ヒョイッ

371: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:20:38.77 ID:SLy9wEDO

上条「しかし、常盤台のお嬢様が自販機荒らしとか……なんだかなぁ…」

美琴「うっさいわね、アンタのそげぶするわよ」

上条「美琴センセーだけは、上条さんの中でもうそげぶられてますよ~~っと」

美琴「…どういう意味よ」ギロッ

北野(あ、意外とイチゴおでん美味しいかも)ゴクゴクッ

372: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:21:01.27 ID:SLy9wEDO

黒子(ん、あれは…?お姉さまに北野さん…と、もう一人の殿方は?)トコトコ

黒子「北野さん…こんな所で何なさってるんですの?」

美琴「あ、黒子…(やばっ)」

上条「お姉さま?姉妹なのか?」

北野「上条君、彼女は美琴ちゃんの後輩で姉妹じゃないよ。こんにちは黒子ちゃん」

黒子「はい、北野さんこんにちは……時にお姉さま…補習はどうされましたの?」

美琴「え、えっ~~と」

黒子「…まさか……そこの殿方と会う為の口実だったんじゃないですわよね?」

373: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:21:29.79 ID:SLy9wEDO

美琴「ち、違うわよ!だ、誰がこんな馬鹿と!」

上条「馬鹿ってお前なぁ…」

黒子「…まあいいですわ」クルッ

上条「ん?」

黒子「…こんにちは、わたくし白井黒子と申します…先に言っておきますが…お姉さまにちょっかいをかけると、どこからか謎の針が貴方の体の内部にいきなり突き刺さってるかもしれないので…気をつけて下さいね」ニコッ

上条「はっ?」

美琴「ちょっと黒子!アンタ何物騒な事言ってんのよ!」

北野(…でもこのイチゴおでん、後味がイマイチかな…)ゴクッ

374: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:21:56.18 ID:SLy9wEDO

黒子「ジャッジメントの仕事があるのでわたくしは先に帰りますね。まあ、北野さんがいるから心配ないと思いますが…お姉さま?」

美琴「何よ」

黒子「くれぐれも過ちは起こさぬようにお願い致しますね」


上条(この白井ってやつ…もしかしてレ○?)

北野(過ち?)

美琴「黒子ーー!」バリバリ!

375: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:22:35.14 ID:SLy9wEDO

黒子「おほほほ♪では、ごきげんよう」シュンッ!

上条(消えた!…テレポートか?)

北野(黒子ちゃん、ジャッジメントの仕事大変なんだな~)

美琴「もう全く、あの子ったら!」

上条「…初めて見た…」

???「お姉さま」

上条「はあ、またお前の知り合――――」

北野「? どうしたの上条く―――」

376: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:23:11.92 ID:SLy9wEDO

上条「御坂が増えてる…」

北野「えっ?えっ?(あっちにもこっちにも美琴ちゃんが!?)」キョロキョロ

上条「――って!、御坂二号!?」

御坂妹「妹です‥と、ミサカは間髪入れずに答えました」

美琴「……」

北野(…そっくりだな~~)

上条「妹?けど御坂なんとかで一人称は御坂なの?そこは普通名前の方を使うもんなんじゃねーのか?家の中で混乱するだろ」

377: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:23:59.77 ID:SLy9wEDO

御坂妹「ミサカの名前はミサカですがと、ミサカは即答します」

美琴「…アンタ!一体どうしてこんな所でブラブラしてんのよ!」

御坂妹「どうしてかと問われれば、研修中です‥と、ミサカは簡潔に答えます」

北野「美琴ちゃん、妹さんがいたんだ凄い似てるね」

美琴「……ちょっとごめんなさい北野さん…アンタ…こっち来なさい…話しがあるから」

御坂妹「すいませんミサカにも都合がありますので‥と、ミサ――」

美琴「いいから!」ガシッ

美琴「来なさい」ボソッ

378: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:24:28.50 ID:SLy9wEDO

美琴「じゃあ、私達こっちだから…じゃあね」スタスタ…

北野「……」

上条「…なんか…複雑な家庭みたいだな…」

北野「うん…でも、仲は悪そうには見えないな……」




上条「いやー助かったよ北野、お前のおかげでこの大量のジュース結構楽に持ち帰れるよ」テクテク

北野「買い物に行く道が同じなんだから気にしないで」テクテク

上条「でも……いいのか?手伝ってもらっておいてなんだが、その買い物って特売品とかなんだろ?早くいかないと間に合わなくなるぞ?」

379: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:24:54.43 ID:SLy9wEDO

北野「上条君が困ってるのに自分の事だけの為に行けないよ、それに例え特売品がなくなっても次があるからね…」

上条「……」ジーン

上条「北野…お前って本当に良い奴だ――ズルッ―――なああっ!」ズデンッ!

北野「か、上条君大丈夫!」

上条「いててっ…ん、あれお前…」

御坂妹「…大丈夫ですか?‥と、ミサカは溜め息混じりに言います」

北野「…えーと…その独特の言葉使いは…妹さんの方で良いのかな?」

御坂妹「はい、その通りです‥と、ミサカは人外フェイスの貴方に答えます」

380: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:25:22.79 ID:SLy9wEDO

北野「………」

上条「…んで?さっき美琴と一緒に帰ったと思ったんだが…どうしたんだ?」

御坂妹「…貴方達の先程の会話から人外さんは急ぎの買い物がありますが、貴方の為にそれを諦めたわけですね‥と、ミサカは確認をとります」

上条「ん、まあな」

御坂妹「そこでミサカが出した結論は、人外さんの代わりにミサカが貴方のジュースを持てば、人外さんは買い物に行けて、貴方は荷物の負担を少なくしたまま家に帰れます…どうでしょうか?‥と、ミサカは提案してみます」

北野「いや、気持ちは嬉しいけど女の子に荷物を押し付けるなんて…」

381: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:25:56.31 ID:SLy9wEDO

上条「……」

上条「…んじゃ、頼むかな」

北野「え?だ、ダメだよ上条君。僕の事はいいからさ」

上条「…北野にはいつも助けてもらってるからな…それに御坂妹もこう言ってるし、素直に甘えようぜ」

北野「で、でも…」

御坂妹「…話しは決まったみたいですね、では、人外さんそのジュースを…と、ミサカは人外さんの返事を聞かずにジュースを奪い取ります」ササッ

北野「あっちょっと!」

382: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:26:25.48 ID:SLy9wEDO

上条「そういうわけだから北野、ここまで手伝ってくれてありがとな……んじゃ御坂妹、俺ん家こっちだから付いて来てくれ」テクテク

御坂妹「はい、分かりました‥と、ミサカは簡潔に返事をします」テクテク

北野「……」

北野「…うん、そうだね…たまには人の好意に甘えても良いよね…今何時かな?」チラッ

北野「!」

北野「も、もうこんな時間なの!大変だ!」

北野「急がなきゃ!」

ダダダダダダダッ

383: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:26:54.36 ID:SLy9wEDO




北野「………」テクテク

北野(良かったあ~…なんとか間に合って…卵Lサイズ五十円はお買い得だね♪)テクテク

北野(今月は結構食費浮くからたまには外食でもしようかな~♪)テクテク

北野「…あっ」ピタッ

一方「……」

北野(昨日、携帯落とした人だ……何してるのかな?)

北野「こんにちは」

一方「…あァ?…なんだお前かァ…」

北野「何してるの?」

一方「…お前に関係ねェよ」

384: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:27:28.30 ID:SLy9wEDO

北野「……」

北野(この人…昨日も一人だったけど……たまたまかも知れないけどひょっとして……親しい人とかいないのかな?)

北野(…しかし、今日も会うなんて…これも何かの縁かも知れないよね……よし)

北野「あの~…」

一方「…まだなンかあンのかァ?とっとと失せ――」

北野「良かったら一緒にご飯食べませんか?僕奢りますから」

一方「………」

一方「………」

一方「……はァ?」

385: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:27:57.94 ID:SLy9wEDO

―とあるファミレス―

北野「自己紹介させてもらうね、僕は北野誠一郎と言います…えーと~…」

一方「…一方通行だ」

北野(アクセラレータ?外人さんなのかな?確かに目は赤いし髪も白いからなぁ…それにしても日本語上手いなぁ)

北野 ハッ(あっ!そうか!)

北野(彼は遠い国からこの学園都市に来たけど、まだこっちにあまり馴染めないからいつも一人だったんだ!)

北野(…よし、僕が彼の友達にならなきゃ!)

一方「…一つ聞きてェンだがよォ…」

386: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:28:37.34 ID:SLy9wEDO

北野「ん、何?」

一方「お前ェ…俺が学園都市第一位のLV5一方通行だと知っててメシ誘ってンのかァ?」

北野「えっ?…そうだったの?」

一方「…本当に何も知らねェのかァ?」

北野「うん、僕こっちに来て日が浅いから」

一方「ケッ……」

一方「変わった奴だなァ…」

387: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:29:17.32 ID:SLy9wEDO

北野「所で一方君、いきなりなんだけど…」

一方「(一方君?)……なンだよ?」

北野「何か困った事があったら、僕に何でも言ってね…友達としていつでも駆け付けるから」

一方「……はァ?友達だァ?いつ、てめェとそンな関係になったンだよ!」

北野「友情が芽生えるのに時間は関係ないと思うよ、遠慮せずちゃんと言ってね」

一方「だから、テメ――」ピリリリッ

北野「携帯鳴ってるよ」

388: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:29:44.45 ID:SLy9wEDO

一方「…チッ」ピッ

一方「あァ…あァ…分かってるつってンだろゥがァ…――」

北野「………」

北野(一方君…精神的に不安なんだろうな…無理もないよね…)

北野(遠い国から一人でここに来たんだ…)

北野(…僕が彼の理解者にならなきゃ)

389: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:30:11.19 ID:SLy9wEDO

一方「じゃあ、切るぞ」ピッ

一方「……」スタスタ

北野「えっ、一方君どこ行くの」

一方「テメェには関係ねェよ」スタスタ

北野「あ……」

一方「………」スタスタ…ピタッ

一方「…飯の礼だけは言っておくぜェ…」スタスタ…

北野「…一方君」

一方「ケッ」

390: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:30:43.37 ID:SLy9wEDO

―とある路地裏通り―

一方(なンなンだよォ!あの危ねェ面したあの野郎はよォッ!)スタスタ

一方(勝手に好き放題言いやがりやがってよォ!)ムカムカ

一方(何が友達だァ……)

~~~~~~~~
北野「何か困った事があったら、僕に何でも言ってね…友達としていつでも駆け付けるから」
~~~~~~~~

一方(……)

一方(……俺は一方通行だぞ…)

一方(……クソがァ…)

391: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/08(木) 21:31:18.28 ID:SLy9wEDO

スタスタスタ…

???「…実験を始めます…用意はよろしいですか?」

一方「……」

一方「……クカカカッ」

???「?」

一方(何センチになってやがる一方通行よォ)

一方(今更俺が陽のあたる場所に戻れるわけがねェだろうがよォ!)

一方「あァ……今日も愉快に痛快に楽しませてもらうぜェッ!」

ACT9前編終わり

402: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:18:49.72 ID:xxTlQgDO

次の日

―とある街通り―

北野「……」トコトコ

北野(一方君…今頃一人で何してるのかな…)トコトコ

北野(携帯の番号聞いておけば良かったなあ……ん?)

北野(あれは…)

美琴「……」

北野(美琴ちゃん…)

北野「こんにちは美琴ちゃん」

美琴「‥あ…北野さん」

403: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:19:09.46 ID:xxTlQgDO

北野「今日も良い天気だね」

美琴「そう…ですね」

北野(…なんか美琴ちゃん元気ないなぁ…)

北野(何か悩み事でもあるのかな…?)

北野「…美琴ちゃん」

美琴「何ですか?」

北野「…もし何か悩み事があるなら遠慮なく僕に相談してね…僕なんかじゃ頼りないかもしれないけど、悩み事は一人で抱え込むより誰かにちょっとでも吐き出しちゃえば、少しだけ気持ちが楽になるからさ」

美琴「北野さん…」

404: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:19:30.27 ID:xxTlQgDO

美琴「…ふふっ」

北野「?」

美琴「北野さんは…相変わらず優しい人ですね」

北野「そうかな?僕は普通だと思うけど」

美琴「ふふっ……でも大丈夫ですよ、そんな大した事じゃないですから」

北野「そうなの?」

美琴「はい、だから心配はいりませんよ…それに…私個人の悩みですから…一人で解決してみせますよ」

405: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:19:48.61 ID:xxTlQgDO

北野「…そっかぁ…」

美琴「そうですよ……私これから用事があるので…北野さんさようなら」トコトコ

北野「あ、うんさようなら」

美琴「……」トコトコ

北野「……」

北野「美琴ちゃーん」

美琴「ん?」クルッ

北野「一人で頑張っても辛くなったら、いつでも相談してねー」ノシ

美琴「……」クスッ

美琴「はい」

406: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:20:10.79 ID:xxTlQgDO

美琴(北野さん…顔はああだけど本当に優しい人だなぁ)トコトコ

美琴(あ、顔は余計か…)クスッ

美琴(でも…だからこそ……言えない)

美琴(……)

美琴(…馬鹿げた計画の実験…今日で終わらせてやる……この私の手で!」

美琴「…一方通行」ギリッ

407: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:20:30.73 ID:xxTlQgDO

北野「……」

北野「やっぱり大小関わらず、皆悩みをもってるんだなぁ」

北野「美琴ちゃん…大丈夫かなぁ…」





アリガトウゴザイマシター

ウィーン

北野「前から欲しかった参考書があって良かった~」テクテク

北野「さて、と…そろそろ暗くなりかけてきたし帰ろうか―――」

???「はぁはぁっ!」タタタッ

北野「…あれ?今路地裏を走ってたのは……」

北野「美琴ちゃん…?」

408: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:20:51.32 ID:xxTlQgDO

御坂妹「はぁっはあっはぁっはあっ!」タタタッ!

一方「ンだァ、その逃げ腰はァ?」スタスタ

御坂妹「ッ!」

一方「愉快にケッ振りやがって、誘ってンのかァ?」

御坂妹「くっ」ジャキッ

バンバンバンバンッ!

一方「―――」パキーン

御坂妹「!?」

キュンキュンキュンッ!――ビッ!

御坂妹「あぐっ!」ドサッ

409: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:21:10.22 ID:xxTlQgDO

一方「おィおィ、もっと俺を楽しませろよォ」スタスタ

御坂妹「う…うぅ…」ヨロヨロ

一方「ククカカカッ」スタスタ

御坂妹「うぅ……あぁぁっ!」バリバリ!

一方「―――」パキーン

バチバチバチ!

御坂妹「うぁっ!」ドサッ!

御坂妹「う……ぐっ…」

一方「…つまんねェなァおィ」

410: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:21:31.55 ID:xxTlQgDO

一方「…さっさと終わらせるか」スッ

一方「……」ズグッ

御坂妹「うぐっ!」

一方「俺は今血液の流れに触れている」

御坂妹「!」

一方「これを逆流すると…人間の体はどうなっちまうンでしょうかァ?」ニタリ

一方「…じゃあな」

きええええええっ!

一方「あァ?」

411: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:21:51.45 ID:xxTlQgDO





北野「美琴ちゃん確かこっちの方を走ってったはず…」トコトコ

北野「…ん?」ヌル

北野「……血!?」ギョッ

北野「な、何これ―――」

バンバンバンバンッ!

北野「!」

北野(銃声!?一体何が起きてるの!)

北野「は、はやく美琴ちゃんを探さなきゃ!」タタタッ

北野「はあっはあっはあっ!」

タッタッタッタッタ!

北野「はあっはあっ!―――見つけた!!」

412: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:22:12.16 ID:xxTlQgDO

北野「!!!」

一方「…じゃあな」

北野(な、何で一方君が美琴ちゃんを襲ってるの!?)

北野(美琴ちゃんあんなに血だらけになってる!た、大変だっ!)

北野(なんとしても一方君を止めなくちゃ!)

北野「きええええええっ!(一方くーーん!)」ダダダダダッ

一方「あァ?」クルッ

一方「(!)……またあいつか」

413: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:22:31.16 ID:xxTlQgDO

ダダダダダダダッ――ピタッ

北野「はあっはあっはあっ……!」

一方「……」

北野「一、一方君…そんな事…しちゃいけないよ」ハァハァ

一方「…クハッww」グンッ

ドクンッ!

御坂妹「が…あ…!……」ブシュゥ!

北野「えっ?」キョトン

北野「美琴…ちゃん?」

御坂妹「………………」

一方「話しかけても無駄だァ…今俺が血液を逆流させて―――』

一方「殺しちまったからなァww」

414: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:22:52.50 ID:xxTlQgDO

北野「……」

一方「しっかし、愉快で傑作な死に様だなァ、ギャハハハハッ!」

北野「一方君…君は――」

『お~~い、御坂妹~?』

一方「!」

一方(誰か来やがったか……さっさとズラかるか…)スッ

北野「」

一方(……)

一方(………チッ)

415: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:23:45.06 ID:xxTlQgDO

一方「おィ」ツカツカ

北野「えっ?」

一方「ワケは後で話すからとりあえず…跳ぶぞ」ガシッ

北野「…跳ぶ?」

一方「―――」ボォンッ!

北野「え、え、え?な、何で僕達空を飛んでるの!?」

一方「だから言ってンだろゥがァ、飛ぶじゃなく跳ぶだ!ベクトルを操る俺にはこんなの簡単なンだよ!」

北野「た、高過ぎるよ!」

一方「オラッ!黙ってねェと舌噛むぞっ!」

ダンッ!――ボォンッ!

416: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:24:18.02 ID:xxTlQgDO




―とある河原―

北野「………」

一方「………」

一方「さて…何から話す?」

北野「……どうして…美琴ちゃんを…」

一方「美琴ォ?…あァ超電磁砲のことかァ…ちげェよ、アレは『妹達』だ」

北野「『妹達』?」

一方「あァ…話せば長くなるぜ?――と、言っても聞いてくるンだろテメェは?」

北野「うん…教えて一方君…」

一方「…………」

一方「………あァ、分かったよ…その変わりもう俺に付きまとうなよ」

417: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:24:45.11 ID:xxTlQgDO




北野「…そんな事が……」

一方「…約束通り…理由は全部話したぜェ…」

一方「…じゃあなァ」スタスタ

北野「!」

北野「ま、待って一方君!」

一方「……」ピタッ

北野「一方君…君は本当にそれで良いの?…LV6になるためにクローンとはいえ女の子を殺め続け……誰からも恐れられ…本当に……それでいいの?」

418: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:25:26.42 ID:xxTlQgDO

一方「……お前には関係ねェだろうがァ」

北野「関係あるよ!…だって僕達……」

北野「僕達……友達…でしょ…」ポロポロ

一方「……」

北野「友達が…グスッ…間違った道を…グスッ…歩もうとしてるのに僕…グスッ…黙ってられないよ…」ポロポロ

一方「お前ェ……」

北野「一方君…友達として一生のお願いだよ…もうやめようよ…」グスッグスッ

一方「………」

419: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:25:47.96 ID:xxTlQgDO

一方「俺には…友達なンてのはァいねェ…」

一方「…俺みたいな裏の人間がお前のような表の人間とは…決して道が一緒になることは…ねェンだよ…」スタスタ

北野「ど、どこに行くの!一方君!」

一方「実験だよ実験ww今日は西のはずれの工業地帯とか言ってたしそろそろいかねェとなァ……それにまだ遊びたりねェww」

北野「ま、待って!」

一方「……」

一方「お前といた時間…悪くなかったぜェ…」ボォンッ!

北野「一、一方君ーー!」

420: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:26:10.72 ID:xxTlQgDO

一方「………」

ダンッ!――ボォンッ!

一方(これであいつももう俺に関わってくることは、二度とねェだろォ…)

~~~~~~~~
北野「……さっきそこで携帯落としましたよ」
~~~~~~~~

一方「………」

~~~~~~~~
北野「良かったらご飯食べませんか?僕奢るから」
~~~~~~~~

一方「……」

~~~~~~~~
北野「何か困った事があったら、僕に何でも言ってね…友達としていつでも駆け付けるから」
~~~~~~~~

421: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:26:37.00 ID:xxTlQgDO

一方「………」

~~~~~~~~
北野「友達が…グスッ…間違った道を…グスッ…歩もうとしてるのに僕…グスッ…黙ってられないよ…」ポロポロ
~~~~~~~~

一方「………」

一方「……馬鹿やろゥがァ」ギリッ

一方「俺には……お前ェみたいな馬鹿がつく程のお人好しとは……」

一方「友達には……」

一方「………なれねェンだよ……」

422: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/09(金) 15:27:52.05 ID:xxTlQgDO
北野「……」

北野(僕なんかじゃ…一方君の実験を止めさせる事は出来ないのかな……?)

北野(一方君…本当にLV6になるのが楽しみでこんな酷い実験をやってるのかな……?)

北野「………違う…絶対違う!」

北野(…一方君…まるで実験を楽しんでるみたいな言い方で笑って話してたけど…目は悲しそうだった…)

北野「………止めなきゃ」

北野「絶対に……一方君を止めなくちゃ!」ダダダダダッ!

ACT9後編終わり

439: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:44:10.67 ID:5BFN4IDO

―西のはずれの工業地帯―

御坂妹「……」スタスタ

一方「時刻は8時25分ってトコかァ?」

御坂妹「……」ピタッ

一方「じゃ、お前が次の実験のターゲットって事で構わねェンだな?」

御坂妹「はい、ミサカのシリアルナンバーは10032号です‥と、ミサカは返答します…その前に実験関係者かどうかパスを確かめるのが妥当では?‥と、ミサカはアナタに助言します」

一方「ンなもンしなくても分かるだろゥが」

御坂妹「ちゃんと確認を行う事に意味があります‥と、ミサカはアナタに再度助言します」

440: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:44:36.48 ID:5BFN4IDO

一方「…チッ」

一方「…余計なお世話なンだよ…しつけェくらい馬鹿なお人好しはあの悪魔だけ十分だ」

御坂妹「悪魔……ですか?」

御坂妹「………」

御坂妹「…もしやその悪魔とは北野誠一郎という人外な顔をした人物の事でしょうか?‥と、ミサカは予想してみます」

一方「…あァ?」

一方「お前ェ…あの馬鹿を知ってるのか?」

441: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:44:58.89 ID:5BFN4IDO

御坂妹「はい一度だけ会いましたが…彼の顔はかなりインパクトがありましたので鮮明に覚えています‥と、ミサカは正直に答えます」

一方「……」

御坂妹「…少ししか会話してませんが…どうやら彼の成す行動はあの顔とは全く異なり、人の為…つまり善行ばかりのようです‥と、ミサカは答えます」

一方「……やめろ」ボソッ

御坂妹「そして、彼はどんな人でも、困っていると放っておけない人物―――」

一方「うるせェッ!喋るのやめろっつってンだろうがァッ!」

御坂妹「…………」

442: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:45:24.75 ID:5BFN4IDO

一方「……」

一方(…たくっ……あの馬鹿…本当にどうしようもねェ程のお人好しなンだなァ…)

一方(…あいつに関わると…調子狂うぜェ…)

~~~~~~~~~
北野「一方君」
~~~~~~~~~

一方「……くそが」

御坂妹「…実験開始まで一分を切りました、準備はよろしいですか?と、ミサカは確認をとります」

一方「……あァ」

御坂妹「では、一方通行は所定の位置について下さい、時間になりましたら実験を開始しますので‥と、ミサカは言います」

一方「……あァ」スタスタ

443: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:46:55.50 ID:5BFN4IDO

スタスタスタ…

一方(…俺には友達なンざいらねェ…)

一方(ましてや人との関わりなンかも必要ねェ…)

一方(…俺は一方通行だ…)

一方(………)

一方(……あいつ…本当に変わった奴だったなァ…)

一方(…俺を恐れず…いつも真っ直ぐ…普通に接してきてたなァ………)

一方「…北野誠一郎……か」

445: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:47:17.91 ID:5BFN4IDO

―とある街通り―

タッタッタッタッタ!

北野「はあっはあっはあっ!」

~~~~~~~~~
一方「実験だよ実験wwww今日は西のはずれの工業地帯とか言ってたしそろそろいかねェとなァ……それにまだ遊びたりねェwwww」
~~~~~~~~

北野(とりあえず早く工業地帯に向かわなきゃ!)タッタッタッ

北野(………)タッタッタッ

北野「……急がなきゃ」タッタッタッ

北野「…一方君」タッタッタッ

北野「君にそんな酷い実験はもう…絶対に―――」

北野「させない!」

タッタッタッタッタ!

446: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:47:42.39 ID:5BFN4IDO




ダダダッ――バッ!

御坂妹「―――ッ!」バリバリ!

一方「――」パキーン

一方「…はァッ?なンですかァ?それェ?」

一方「何十回何百回と同じ攻撃ばっか―――するンじゃねェよ!」ダダダッ!

御坂妹「くっ…」ザザザッ

御坂妹「フっ!」バリバリ!

一方「―――」パキーン

一方「だ・か・らァ」

一方「ンな電撃何度やっても無意味なンですけどォッ!」

447: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:48:45.83 ID:5BFN4IDO

御坂妹「……っ!」バリバリ!

ボンッ!――ドジャーーーッ!

一方(あン?工業水の詮を破壊して辺り一面を水浸しに…ひょっとして…)

御坂妹「―――っ」

バリバリバリバリッ!

一方(へェ…やっぱそういう事か)

一方「あァ、中々悪くねェ作戦だったが…俺の足元よく見てみろよ」

御坂妹「?………くっ!?」

448: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:49:09.44 ID:5BFN4IDO

一方「直接電撃や物理攻撃が駄目なら、水を使って足が水に浸かってる俺を感電させる…いいねいいね、悪くねェ発想だわ…だが…俺濡れるの嫌いなンだよね、だから、俺の足元の地面だけは…残念ながら乾いたままです…カカッ!」

御坂妹「っ!………」クルッ

タッタッタッタッタ!

一方「おィおィ…また追いかけっこかよ…」

一方「まっ……」

一方「じわじわとやるのも――」

一方「悪かねェかァww」

449: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:49:32.66 ID:5BFN4IDO

タッタッタッタッタ!

北野「はあっ、はあっ、はあっ!」

タッタッタッタッタ!

北野(……見えた!)

北野(!)ピタッ

バチバチッ!――バババッ……

北野(……所々電撃の光が……もう始まってるの!)

北野(……)

北野(早く止めさせなきゃ!)ダッ!

450: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:50:11.31 ID:5BFN4IDO




御坂妹「はあっはあっ!」 ダダダッ

一方「くくくっ……頑張るねェ」スタスタ

一方「まぁ、いくら頑張ろうが決して俺に勝とうなンざ…無理だがなァww」

御坂妹「はあっはあっ!」ダダダッ

一方「ククカカww」スッ…ダン!―ビュンッ!

ゴオッ!

御坂妹(鉄筋を!)

御坂妹(かわせな―――)

きええええッ!

一・御((はァ?)え?)

北野「きえええええええッ!」ザザザザザザッ!――バッ!

ドオォォォンッ!……モクモク……

一方「……さっきの…まさか…」

451: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:50:44.68 ID:5BFN4IDO

北野「はあっはあっ…ふぅ…良かったあ…間に合って…大丈夫、妹さん?」

御坂妹「……何しに来たのですか?…ここはアナタが来る場所では有りません、速やかに帰って下さい‥と、ミサカは警告します」

北野「ごめんね、僕にはどうしてもしないといけない事があるから…それは聞けないんだ…」スッ

一方「………」

北野「……一方君」スタスタ…ピタッ

一方「…てめェ…何しに来たァ……!」ギロッ

452: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:51:04.17 ID:5BFN4IDO

北野「…決まってるじゃないか……一方君…本当はこんな実験したくないんでしょ?…だから…止めに来た…」

一方「…あァ?何言っちゃってンですかァ?これは俺が望ンだ事なンですけ―――」

北野「嘘だ」

一方「…おい……何を根拠に言ってンだよオイッ!!」

北野「…根拠ならあるよ…僕に実験の事を話してくれた一方君の目…悲しい目をしてた…」

453: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:51:32.10 ID:5BFN4IDO

一方「……」

北野「それに…一方君がこんな酷い事を楽しんでやる人なんて……僕は絶対思えない」

北野「…そして…一方君が僕の事を友達じゃないと思ってても僕は一方君を……友達だと…思ってる…」

北野「…だから…誤った道を進もうとしてる友達を……止めにきたよ…」

一方「………だけか?」ボソッ

北野「?」

454: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/11(日) 18:52:53.54 ID:5BFN4IDO

一方「……言いたい事はそれだけかァ?」

北野「一方…君?」

一方「数日喋ってただけでお友達ってかァ?……めでてェ頭してンなァてめェww」

一方「誰が何と言おうが俺は実験をぜってぇやめねぇし、必ずLV6になってみせる」

一方「…それをてめェが邪魔するってンなら―――」ザッ

北野「!――一方君!」

一方「ぶちのめしてやるよォッ!!」

ゴォーーーッ!!

ACT10前編終わり

470: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:28:09.91 ID:e/YL6.DO

一方「ぶちのめしてやるよォッ!!」

ゴォーーーッ!!

北野「!(速い!!)」

一方「おォらァッ!」ブンッ!

北野「き、きひゃいっ!」ササッ

スカッ…

一方「らァッ!」ブオンッ!

北野「きえええっ!」ザザザッ!

スカッ

一方「~~~っ、このやろゥ!」ズザッ!

一方(チッ!…最初の時もそうだったが…こいつかわすのがうめェな……なら)

一方「…相変わらず避けることだけは大したもだなァ……じゃあ――」ググッ

メキメキ…バコン!――ふわふわ…

北野(!!!)

北野(コンテナが!)

一方「コンテナとかは…うまくかわせますかァ?ww」クィッ

ゴオオオオォッ!!

471: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:28:36.53 ID:e/YL6.DO

北野「!」

北野「きえええっ――」ザザッ――ダン!

一方(…あァ?)

北野「――えええっ!」バッ!

ドカァァァンッ!……

北野「はぁはぁっ!」

一方(…なンだこいつ…正気かァ…)

一方(迫ってくるコンテナの下の隙間を潜ってきやがった……一歩間違えれば即死だっつうのによ…)

一方「…チッ」

北野「はあっはあっ……一方君……お願いだから…実験は…止めようよ」

472: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:29:03.02 ID:e/YL6.DO

一方「……まだンな事言ってやがンのか…しつけェなァ…俺はぜってェやめねェよww」

北野「…じゃあ……どうすれば……実験は中止になるの……?」

一方「……」

一方「…そうだなァww例えばLV0のてめェにもし俺が敗れたりしたら…実験が中止になる可能性は高いだろうなァww」

北野「……」

一方「だが…奇跡が起きてもてめェが俺に勝つなンざ、ぜってぇ無理な話しだがなァwwwwww」

北野「………」

一方「分かったか?だから怪我しねェうちにとっと帰ン―――」

北野「……ごめんね…一方君…」

一方「…あァ?」

473: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:29:29.62 ID:e/YL6.DO

北野「…友達に…これからする事は…僕…間違ってると思うけど…実験を止める方法がそれしかないなら……一方君…僕は戦って……君を倒すよ……勝ち目がないとかそんなの関係ない……大切な友達を止める為に僕は―――」


北野「戦うよ」

一方「――――」

一方「くくくっ……クカカカカッ!」

一方「いいねいいねェww勝ち目がねェのに戦う?…笑わせてもらったわwwてめェは自殺志願者かなンかなンですかァ?」

北野「一方君…」

一方「…気安く呼ぶンじゃねェよクズがァ…いいぜェ…遊んでやるよォッ!」グォッ!

北野(一方君…)

ズオォォォォォッ!

一方「クカカカカッ!」ブンッ!

474: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:29:57.38 ID:e/YL6.DO

北野「―――」ババッ!

スカッ…

北野(ごめんね…一方君)スッ

北野「きえええっ!」ヒュッ

一方「―――」

パキーン!

北野「なっ――」

ドンッ!

北野「――がっっ!!!」ゴロゴロ…ドサッ…

北野「う…うぅ…今のは…一体…?」ヨロヨロ

一方「そういやァてめェに言ってなかったなァww‥俺はベクトルを変えてあらゆるモンを反射できるようにしてンだよww――つまりだ」スタスタ…ピタッ

北野「う…くっ…」フラフラ

475: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:30:35.02 ID:e/YL6.DO

一方「俺に触れる事は――不可能って事なンだよっ!」ドコッ!

北野「あぐっ!」

一方「カカカッ!」ドコッ!

北野「ぐふっ…」

北野「うぅっ―――きえええっ!」バッ!

一方「…だからよォ――」

パキーン!

ドンッ!

北野「がはっ!」ズザー…

一方「ンな事しても意味ねェンだよww」

北野「うぅ…く…」ググッ

一方「勝ち目はねェってンのにまだやるのかよww」

北野「くっ‥」フラフラ

一方(………チッ‥‥馬鹿が)

476: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:30:59.38 ID:e/YL6.DO

北野「はあっ…はあっ…」ヨロヨロ…

一方「……」

北野「止める…絶対に…一方君を止める…」ザッ…ザッ…ザッ

一方「……」

北野「僕の…大切な…友達を…絶対…止める…」ザッ…ザッ…

一方「……」

北野「だから…僕は…絶対に――」

北野「諦めないっ!」バッ!

ズザザザザッ!

北野「きえええっ!」ズォッ!

一方「……無駄だって言ってンだ――」

北野「―――」クンッ!

ズアァッ!

一方「!?」

ドオォッ!

一方「―――がっ!」ヨロヨロ

一方(こいつ…!反射の時に腕を引きやがった!!)ズキズキ

477: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:31:27.56 ID:e/YL6.DO

北野「はあっはあっ!」

北野(やっぱりだ…!上手くいくかどうか分からなかったけど…成功した…!)

一方「――ンの野郎っ!」ダン!

ボボボボボボッ!

北野「!」

北野(鉄パイプが…あんなに!かわさな――――)

ドコドコドコドコドコドコッ!

北野「ぎっ――あっ――がっ……!!」

478: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:31:52.64 ID:e/YL6.DO

北野「…うっ……」ドサッ…

一方(…ようやく倒れやがったかァ…)

一方(しぶてェ野郎だったぜェ…)

一方(……)ズキズキ

一方(…チッ…なンだこのモヤモヤはよォ!)

一方(なンでこンな胸くそわりィ気分になるンだよ!)

一方「……糞がァ」

479: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:32:20.88 ID:e/YL6.DO

スタスタスタスタ…

御坂妹「…実験を再開したいのですが…よろしいですか?と、ミサカは尋ねます」

一方「……」

御坂妹「正直驚きました…まさかLV5のアナタが無能力者に攻撃をもらうとは…と、ミサカは自分の心中を素直に語ります」

一方「…うるせぇよ、乱造品」

御坂妹「……あちらの方で実験を三分後に開始します‥と、ミサカはあなたに告げて先に向かいます」スタスタ

一方「‥‥あァ」

480: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/07/12(月) 21:32:49.28 ID:e/YL6.DO

一方「………」クルッ‥スタスタ

北野「一‥‥方…君…」

一方「……」ピタッ

北野「…………」

一方「……………」

一方「…………………ケッ」

スタスタスタスタ…

一方通行は眉をしかめ、気絶した北野君を一瞥し、実験場所に戻って行く…

そして…彼は内に起こってるモヤモヤを理解できぬまま再び実験を始めた……