2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:03:01.86 ID:JuMXyU70O
会長「男くん、資料集め終わりました?」

男(今は……5時50分か)

男「えーと、あと30分くらいで……」

会長「ちっ、遅いですね。ノロすぎです」

会長「私なら、20分ともかかりませんよ?」

会長「役立たずですね」

男「はい。すみません」

引用元: 生徒会長「はぁ、副会長なのに本当、ダメダメですね」 





3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:04:05.46 ID:0wXHPbd1O
男「会長くらい仕事が出来るように精進しますね」

会長「喋ってる暇があったら、手を動かせば良いのに」

男「すみません」

………

………………


男(終わったぁ……。急いだから疲れたな)

会長「戸締まりは私がしておきますから」

会長「もう帰って結構ですよ」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:05:10.25 ID:0wXHPbd1O
男(もう6時かぁ。真っ暗だし、会長送っていった方がよさそうだなぁ)

会長「あの、男くん、早く出て行ってください。私が帰れないんですが」

男「あっ、すみません……」

男(門の前に先に行っておこう)

男「じゃあ失礼します、お疲れ様でした」
てくてくてく

会長「…………」

会長「……早く閉めて帰りましょう」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:06:13.23 ID:0wXHPbd1O
会長「…………」
てくてくてく

男「あっ」
タッタッタッ

男「会長っ」
タッタッタッ

会長「あっ、男くん。まだ帰ってなかったんですね」

会長「何かされてたんですか?」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:07:42.90 ID:0wXHPbd1O
男「えっ……と」

男「あ、忘れ物を取りに教室に行ってました」

てくてく

会長「はぁ、本当にしっかりしてないですね、男くんは」

会長「忘れ物なんて、私はしたことないですよ?」

てくてく

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:09:31.05 ID:0wXHPbd1O
会長「まぁ、どうせだらしない男くんのことだから」

会長「いつもいつも日常的に忘れ物をしてるんでしょうけど」

てくてく

男「あはは、よくわかりましたね、はは」

会長「へらへらしないでください。気持ち悪い」

男「すみません」

てくてく

男「!」

男(確か、会長は次の角を右に曲がるんだったなぁ)

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:11:14.16 ID:0wXHPbd1O
男「あっ、そうだ……今日は牛乳買って帰らないといけなかったんだ」

てくてく

会長「なさけない。また忘れて帰るところでしたね」

男「あはは、良かったです」

男(先輩の家の先にある)
男「まるまるスーパーは牛乳がやすかったなぁ……」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:13:15.63 ID:0wXHPbd1O
てくてく

会長「コンビニで買えないんですか」

会長「貧乏人はいやですねー」

てくてく

男「ははは、激しく同意します」

てくてく

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:15:29.13 ID:0wXHPbd1O
会長「では、私の家はここですので」

会長「さようなら」

男「はい、また明日です。会長」ニコッ

会長「はい、また明日。男くん」
ガチャ

男「――ふぅ」

男(牛乳は昨日買ったし、今日はこのまま回れ右して帰るとするか)

男「会長が無事に帰れて良かった」
てくてく

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:17:33.76 ID:0wXHPbd1O
◇◆朝・教室◇◆

男「おはよう」

友「うっす」

女「おはよう、男ー!」

男「うん、おはよう。女」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:18:53.18 ID:0wXHPbd1O
友「なぁ男!!」

友「やべぇ、男、宿題がやべぇんだよぉ」
どんっ

ふらっ
女「キャッ」

男「!!」
さっ

友(すげぇ反応だなぁ)

友(倒れそうな女の後ろにまわって、支えてるぜ、男のやつ)

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:19:46.75 ID:0wXHPbd1O
女「友、おさないでよ……」

女「たまたま、男がすぐ後ろに居たからよかったけど」

男「本当だよ、友。危なかった」

男「で、それより宿題はどっち? 数学? 古典?」

友「り……りょう……ほう……」

男「はぁ……見せて。手伝うよ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:21:08.70 ID:0wXHPbd1O
友「!!」

友「ありりりりがががががっっとう!」

男「はいはい、ページ開いて――」

女「本当に甘いなぁ、男は」

友「――か?」
男「――――で」
友「――微分――」
男「――――判別式――」

会長「…………」

女(また会長、男のこと見てる……)

女(男は――…………気付いてないみたいだけど)

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:22:20.34 ID:0wXHPbd1O
◆◇昼休み◆◇

「起立」
「気をつけ」
「礼」

ガヤガヤガヤ

男(確か、図書室の整理についての要望が先生からあったなぁ)

男(今日は学園祭についての委員会議があったし、今の内に済ませるべきかな)

男「……よし」ガタッ
タッタッタッ

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:23:36.76 ID:0wXHPbd1O
女「お昼、一緒に――――……男?」

女(いない……)

女(また生徒会の仕事かな……)

会長「……」ぱくぱく

女(男がご飯も食べずに仕事してんのに)

女(この人は何もしないのっ?)

女(なんで、生徒会なんかに入ったんだろ、男は……)

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:24:50.78 ID:0wXHPbd1O
◇◆図書室◇◆

ガチャ
男「……」

男「…………」

男「この荒れ様……」

男「泥棒?」

男「まぁ、いいや。片付けないと。ふぅ――――よしっ!」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:25:32.58 ID:0wXHPbd1O
男「それにしても酷い」

男(床に散らばった本は……こないだの地震のせい?)

サラッ
男(ん?)

男(本……埃かぶってる)

男(はぁ……)

男(いつからこの状態だったんだろ……)

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:26:48.06 ID:0wXHPbd1O
男(まずは、床の本の埃を一つ一つカラ拭きして、束ねよう)

男「――――」
ふきふき

男「――――」
ふきふき

キーンコーンカーンコーン

男「…………はぁ。片付かなかった……」

男「5時間目は確か現代社会。早く教室戻ろう」

ぐー
男「お腹減ったなぁ」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:28:41.86 ID:0wXHPbd1O
◆◇教室◆◇

男(お腹減った。おなか減ったおなか減った)

女「男!」

男「んー?」

女「……」ジー

男「どうしたー?」

女「どこ行ってたの!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:31:52.59 ID:0wXHPbd1O
男「あー」チラッ

会長「?」ジッ

男「あ、うん。しょ、しょくどう」

男「食堂で食べてた」

女「…………」ジー

男「……」

女「そう。なら良いけど」

女「でも、制服の――」

ぱたぱた

女「――汚れは落としとかないといけないわね」

男「……」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:33:21.20 ID:0wXHPbd1O
先生「おーい、すわれー」

……

………

先生「――で、ネタニヤフ大統領は」

先生「――PLOはマフムード・アッバース――」

男(お腹減ったなぁ……)

女(制服汚して何の仕事してたのよっ……!)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:35:43.47 ID:0wXHPbd1O
◇◆放課後◇◆

男「……」

男(委員会の前に、食堂でパンかってこようかな……)

会長「男くん」

男「は、はい……」

会長「何してるんですか。今日は委員会です」

会長「忘れていたんですか。健忘症ですか。良い病院紹介しましょうか」

男「あはは、本当にすみません」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:37:51.41 ID:0wXHPbd1O
男「では、行きましょうか」

会長「本当、会議さぼるつもりだったなんて最低の役員ですね」

すたすた

男「すみません」

会長「本当に……やれやれ、です」

すたすた

男(あー、お腹減ったなぁ……)

男(会議終わったら、5時は過ぎるなぁ)

すたすた

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:39:38.44 ID:0wXHPbd1O
男(ふぅ……――よしっ!)

男「頑張ろ!」

会長「男くんは、『頑張ろ』って言わないと頑張れないんですか」

会長「しょうもない人なんですね」

会長「何も言わないで頑張るのが日本男児じゃないんですか」

会長「男くんは女の子ですか」

男「あはは、すみません」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:42:15.52 ID:0wXHPbd1O
◆◇委員会会議◆◇

会長「今月は行事として、学園祭があります」

会長「そのための委員会なのですが」

会長「まず、スローガンの決定します」

会長「意見を出して――」

男「はい」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:46:28.50 ID:0wXHPbd1O
男「会長からそのことについて、先日伺っていたので」

男「一応、各クラスから、案を1つずつ集めて、出して貰いました」

男「その中から委員会のメンバーから多数決をとるのは如何でしょうか」

会長「…………」

会長「そうですね。わかりました、そうしましょう」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:48:54.37 ID:0wXHPbd1O
会長「各クラス委員長18名と副会長の男くん、そして私の20人で多数決を――」

……

…………

会長「では、2ーDの『クラスの輪・地域の輪・人の輪』に決定します」


ぱちぱち
ぱちぱちぱちぱち


男(さっと決まったなぁ。早くご飯食べたい)

会長「次に、各クラス模擬店についての連絡事項をお伝えします」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:52:49.11 ID:0wXHPbd1O
会長「今年から保健所の査定が厳しくなりました」

会長「残念ながら、食中毒の危惧など衛生的な面から食品の調理が大幅に制限されます」

「えー」
「はっ、ありえねぇ……」
「なんとかしろよ、生徒会」
「……はぁ」
「あーあぁ、今年最後なのに……」

会長「…………」

会長「う…………」

男「!」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:53:42.87 ID:0wXHPbd1O
男「っ!」

男「皆さん!!」

男「確かに、今年の急な規制で皆さんには迷惑をかけてしまいましたが」

男「もし、規制がなく、食中毒の患者を出してしまったら、今後永久に学園祭が中止になってしまいます!」

男「規制はしかたありません」

男「でも、調理といっても、ナマモノ以外の解凍や食品以外のアレンジ」

男「これは一応、保健所から許可がおりました」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:55:07.08 ID:0wXHPbd1O
男「今まで、一から作っていたチャーハンは」

男「冷凍ものを鉄板で解凍するだけになったり」

男「ベビーカステラなどは市販の物を温めるだけになるかもしれません」

男「でも、何も販売出来なくなるわけではありません」

男「安心してください」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:57:46.77 ID:0wXHPbd1O
男「第三希望まで決めて、僕ら生徒会と相談しましょう」

「……!」

男「そして案を各クラスごと保健所との折り合いをつけて」

男「できるだけ、案がとおるように我々生徒会が尽力します」

男「――以上です」


「……」
「……」
「…………」

男(もうだめ、お腹減りすぎでふらふらしてきた)

男(少し声だしすぎたかも……)

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 00:59:57.79 ID:0wXHPbd1O
会長「し」

会長「質問はありますか?」

「……」

会長「……ありませんか」

男(はらへったよ)

会長「質問が無いようなので、終わります――が」

会長「あと、今週中に第三希望まで、決めて生徒会まで提出してください」

会長「宜しくお願いします」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:01:32.14 ID:0wXHPbd1O
会長「以上です。ありがとうございました」

ガヤガヤガヤガヤ

男「ふぅ……」

男(あと、会長との反省会があるから)

男(…………帰ったら8時くらいだな……。お腹へった)

男(おなかへった)

?「あっ、あの」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:11:14.46 ID:0wXHPbd1O
男「はい。えっと、1ーAの後輩さん」

後輩「なっ、名前覚えてくれてたんですねっ」

男「ああ、うん、当然だよ。仲間なんだからね」

後輩(な……なかま……)

男「で、どうした? 質問かな?」

男(一年生だし、みんなの前では言いにくかったのかな)

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:13:36.96 ID:0wXHPbd1O
後輩「いや、えと違います」

後輩「あのっ、これっ、クッキー……」

後輩「実習で、その……作ってきたので……食べて下さい!!」

男「っ!!」

2ーC委員長「もててるなぁ」
2ーA委員長「まー、副会長、かっこいーしねー」
2-B委員長「優しいもんなぁ」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:14:28.47 ID:0wXHPbd1O
男「あっ」

男「ありがとう!」

男「美味しそうだね!! すぐいただくよ!!」

後輩(ふ……副会長……)

後輩「いえ、そっ、それでは失礼しますっ」
タッタッタッ

会長「…………」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:17:47.54 ID:0wXHPbd1O
会長「男くん、花瓶の水を換えてきます」

男(花瓶の水?)

男「あっ、それは会議の前に僕がやったので大丈夫ですよ」

会長「えっと……」

会長「みっ」

会長「水の量が不適切なのは、男くんのせいだったんですね」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:19:52.32 ID:0wXHPbd1O
会長「見えますか、内側の線」

男「線……?」

会長「ここまで入れないといけないんですが」

男(線がどこかわからないけど……)

男(水が多すぎたみたいだなぁ)

男「す、すいません。僕がやり直してきます」

会長「いえ、能力値低すぎな駄目副会長は頼れません」

会長「私がやってきます」
てくてく

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:22:43.35 ID:0wXHPbd1O
男(はぁ……また怒られた。しっかりしないとなぁ……)

会長「…………」
てくてく……つるっ

会長「……あっ」

男「!」
すとん

男(なんとか、会長を支えられた!!)

ビシャッ

男「……」

男「……あっ……花瓶……」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:28:53.10 ID:0wXHPbd1O
男(あっちゃぁあ、後輩さんから貰ったクッキー……)

男(花瓶から出た水……クッキー全部が掛かっちゃったなぁ)

男(あっ、じゃなくて、それより――)

男「――大丈夫ですか、会長」

会長「あっ、はい。大丈夫です」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:30:16.91 ID:0wXHPbd1O
会長「ですが、いくら助けるからといっても、抱きつきすぎです」

男「あっ……」

男「す、すみません……」

会長「うわぁ……気持ち悪い。気持ち悪いですね」

会長「制服、クリーニングにださないといけません」

会長「男くんの臭いがついてしまいました」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:35:03.86 ID:0wXHPbd1O
男「えっと……本当にすみません」

会長「はぁ」

男「でも、会長でもこけることがあるんですね」

会長「なんですか。男くんはこけたことないんですか」

会長「人生一度もこけずに寿命で死んでいった人がいるんですか。教えてください、そんな偉人」

会長「それよりも」

会長「なんで男くんに『こけない人』と決めつけられないといけないんですか」

男(いつにもまして恐いなぁ、会長)

男(そんなに、僕に腹が立ったのかな?)

男(腹が立った? それにしても腹減った)

男「会長。本当にすみません……」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:39:30.44 ID:0wXHPbd1O
会長「男くんは低脳だから、本当にわかってるのか疑念が残りますが」

会長「まぁ見逃しましょう」

男「あっ、ありがとうございます」



男「……」チラッ

男(クッキーが……)

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:41:03.16 ID:0wXHPbd1O
男(はぁ、やっぱりクッキー全部、濡れちゃったなぁ……)



ねちょっ
男「!!」

男(泥が着いてる? 水の中に泥が混ざっていたの……か?)

男(――……はぁ、流石に食べられない)

男「……」
ばらぱらばら

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:45:06.72 ID:0wXHPbd1O
会長「最低ですねー、少し水が掛かったくらいで」

会長「可愛い後輩から貰ったクッキー全部棄てちゃうんですね」

男「かっ、会長っ?」

会長「上手にできているのに」

会長「もったいない」

会長「あなたには心が無いのでしょうか」

会長「全然食べられないわけじゃないのに」

男「……」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:45:57.82 ID:0wXHPbd1O
会長「……」

男「えっと、会長。棄てたこと、内緒にしてもらえますか?」

会長「内緒……秘密ですか?」

男「はい、2人だけの秘密でお願いします」

会長「仕方ないですね、男くんは。秘密にしておいてあげますよっ」

会長「かし1、ですかねっ」

男「あ、ありがとうございます」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 01:56:19.45 ID:0wXHPbd1O
何で俺が立てたスレのヒロインがいつも嫌われるのはなんでなんだぜ?

すみません、立てたのはよかったのですが溜めていたのが全て尽きました。


あと、会長と男、女、友はみんな同じクラスです。

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 02:04:25.16 ID:0wXHPbd1O
◇◆教室◇◆

男(『失敗から学べる人間になれないなんてクズですね』――BY会長)

男(パンはすでに買ってある)

男(今日は速弁をして、急いで図書館へ行けば十分仕事ができそう)

男(あと……マスク、雑巾、それから――)

女「おはよっ、男っ」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 02:08:23.77 ID:0wXHPbd1O
男「えっ、あぁ、うん。おはよう」

男「珍しく、今日は遅いんだなぁ」

女「えっと……あははっ、寝坊しちゃったー」

男「女がねぼ――あっ」

男(失敗から学べる人間……)

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 02:09:45.79 ID:0wXHPbd1O
男「まっ、寝坊したことが無い人なんて、そういるもんじゃないし」

男「仕方ないよね」

女「あははっ、わかってんじゃん、ふふっ」

友「うっす。男ー、女ー」

女「はよー」
男「おはよう」

友「あっ、あのさー男? 宿題を――」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 02:19:46.22 ID:0wXHPbd1O
男「はぁ……仕方ないなぁ」

男「ほら、見せてみ」

友「これです……」

男「これは――」
友「――ドデカノール」
男「いや――」
男「――メタノール」

女「友はバカだからしかたないなぁー、もう」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 02:24:52.77 ID:0wXHPbd1O
男「あははっ」

友「バカとはなんだ、ぶっ殺すぞコノヤロウ」

女「はいはい、変 なゲームばっかりやってて」

女「勉強しないからバカって呼ばれるんですけどねー、ふふっ」

男「あははっ――あっ」
ガラガラ

会長「…………」
すとん

男「今日は会長もおそいんだな……」

女「……」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 02:30:00.63 ID:0wXHPbd1O
キーンコーンカーンコーン

ガラガラ
先生「席につけよー」

女「じゃね、男っ」

友「化学、さんきうーなっ」

男「あっ、うん」


先生「出席とっぞー」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 02:34:30.18 ID:0wXHPbd1O
先生「――後席」
後席「はーい」
先生「――駅前住」
駅前住「はいっ」
先生「――男」
男「はい」

男「…………」チラッ

会長「……」

男(ん? 会長の頬、赤くなってる?)

男(気のせい……かな?)

先生「――女」
女「はい」
先生「――会長」
会長「は、い」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 02:42:13.94 ID:0wXHPbd1O
◆◇昼休み◆◇

男(さてと、いっちょ仕事しますか、っと)

女「なんかいっぱい荷物持ってるけど……」

女「……どこ行くの?」

男「ははっ、内緒」

男「でも完成したら見せるよ、楽しみにしてて。でも期待はしすぎないで、じゃっ」
タッタッタッ

女「楽しみにしてて、かぁ」

 

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 14:35:28.37 ID:0wXHPbd1O
◇◆図書館◇◆

男「よし、まずは……」

男「昨日と一緒で、本を掃除して……」

男(ひ、酷いな……本棚の本も順番がぐちゃぐちゃ)

男(しかも、埃がつもってる。ここは北国か……)

男(ていうか)

男(スチール棚のねじが外れてるし、一部へこんだりしてる……)

男(サビも酷いな)

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 14:37:13.24 ID:0wXHPbd1O
男「本を綺麗にしたら、一度ダンボールにでも区分けしながら収納」

男「その後に新しい棚に並べる――でいいかな、うん」

男(新しいの買ったら予算やばいだろうなぁ……はぁ)

男(でもこの本棚は使えないしなぁ)

男「まぁ、とりあえず、ダンボールを用意しよう」



………

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 14:39:56.91 ID:0wXHPbd1O
男「ふぅ、今日の昼休みは結構進んだなぁ」

男「とりあえず、そろそろ時間だし帰るかな……」

男(あとは放課後にやろう。委員の仕事も無いし、大丈夫だろう)

………

……………

◆◇放課後◆◇

女「かーえろ、男っ」

女「今日は仕事ないんだよね?」

男「あー……ごめん。実はあるんだ」

会長「……?」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 14:44:44.45 ID:0wXHPbd1O
女「えっ……」

女(し、しごと? 今日仕事なの……?)

女「……」チラッ

会長「……」

女「あははっ、ごめん、そうだったんだ、あははは」

女「じ、じゃあね、男っ」
タッタッタッ

男「あぁ、うん」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 14:48:25.57 ID:0wXHPbd1O
男(そういえば最近、断ってばかりになっちゃってたなぁ……)

男(次はちゃんと約束できるようにしないと)

男「お、女っ」

女「なにっ?」

男「また、誘って! ばいばい」

女「あっ、うんバイバイ」
タッタッタッ

会長「…………」

男(はぁ……)

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 14:54:21.56 ID:0wXHPbd1O
会長「あの、男くん」

男「はっ、はい会長っ」

会長「今日は仕事なんかないんですが……」

会長「なんで女さんと帰らないんですか」

会長「そうですか、男くんは女性じゃ無理なんですね」

会長「気持ち悪いです。お相撲さんと園児の綱引きくらい酷く、どん退きします」

男「えっ……?」

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 14:58:21.99 ID:0wXHPbd1O
男(うわぁ……)

男(拙いこと聞かれてたなぁ)

男(仕事をしているのは伝えてないから、本当のこと言ったら怒られる)

男(あの会長のことだから、間違いないだろう)

会長「どうしたんですか、何も言わないんですか」

会長「まさか隠れて――」

男(っ……!! ばれてしまう!?)

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 15:03:17.73 ID:0wXHPbd1O
男「いや、今日は!!」

男「か、か会長と一緒に帰りたいなー、と思っていましたので……」

会長「えっ……私、ですか」

男「は、はい」チラッ

男(まぁ、どうせ断られるから、大丈夫だろうなぁ。うん)

会長「わかりました。構いません」

男「えっ!?」

男「い、いいんですか……?」

会長「に二言はありません」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 15:06:19.41 ID:0wXHPbd1O
会長「でも、一つ言っておきます」

男「え、あ、はい」

会長「ストーカー気のありそうな男くんのことだから」

会長「そういうのは、黙ってつけてくるかと思いましたが……」

会長「ただし、いくら私が帰るのに同意したからって、襲ったら犯罪になりますよ」

男「あはは、会長は魅力的ですが……襲いませんよ」

会長「そ、そうですかっ」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 15:08:41.39 ID:0wXHPbd1O
男(はぁ……面倒なことになった)

男(そう返してくるなんて、予測できなかったなぁ……)

男(でも、会長と僕の家はかなり離れてて、分かれ道が大分学校近くにある)

男(そこで先輩とすぐ別れて)

男(こそっと引き返して学校に戻ったら――)

男(うん、十分仕事ができるな)

男「さっ、会長。行きますか」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 15:11:49.98 ID:0wXHPbd1O
会長「はぁ、一緒とか気持ち悪い」

会長「でも、帰らないでストーカーされたらたまりませんから」

会長「仕方ないですね。不本意ですが帰ってあげましょう」

男(なるほど、そういう理由で一緒に帰っても良いなんて言ってきたのか……)

男「あはは……ありがとうございます」

男「さっ、早く行きましょうか」

男(あの量は、早く仕事しないと今月中に間に合わない!)

男(先輩も不本意みたいだし、早歩きでかえろうかな)

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 15:16:07.88 ID:0wXHPbd1O
◇◆帰り道・岐路◇◆

男(すぐ着いたな、よしっ)

男「あっ、会長はこっちですよね」

会長「……」

男「会長?」

会長「今日は、スーパーに用事はないんですか」

男「え、えと一応。はい」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 15:24:14.27 ID:0wXHPbd1O
会長「どうせ男くんのことですから、忘れてるのを忘れてるんだと思いますが……」

会長「本当の本当にスーパーに行かなくて良いんですね?」

男(早く学校に戻りたいなぁ)

男「はい、大丈夫ですよ」

会長「……そうですか、じゃあ。さっさと帰ってください」

会長「長い間こんな場所に男くんなんかと一緒にいて」

会長「他の生徒に噂なんかされたら、嫌すぎて死ねます。ぞっとします」

男「あはは、すみません。では、さようなら」

会長「あっ…………はい、また」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 15:33:55.01 ID:0wXHPbd1O
◆◇図書館◆◇

……
…………

男「……ふぅ」

男(だいたい本は綺麗になったなぁ)

男(大きなシミやページの破れで内容が見えない本は、主観で廃棄しちゃったけど……)

男(大丈夫かなぁ。まぁ先生に整理を一任されてるから問題ないか)

男「あとは……棚と……机かな。うん」

男「あっ、もうこんな時間かぁ。帰るかな」

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 20:29:58.50 ID:0wXHPbd1O
◇◆教室◇◆

男「おはよう、友」

友「はよっす」

男「あれー……」キョロキョロ

男「なぁ、女はいないのか?」

友「女? あー……カバンあるから、どっか行ってるんじゃないか?」

男「そうか」

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 20:34:36.50 ID:0wXHPbd1O
ガラガラ
女「……」

男「あっ、おはよう」

女「あっ、男、おはよっ」

男「あのさ、昨日はごめん……」

男「でさ、教室一緒に帰――」

「男くん、お客さんだよー」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 20:37:33.82 ID:0wXHPbd1O
「もてるな、あいつ。うらまやしい」
「うらまやしい? うらやましい? あれ?」

男「え……っと、女。後で話すよ」

女「えっ、えええ~?」

友「みんなに優しいのも考え物だな、女」

女「えっ、何のことか分からないんだけど」

友(いや、本当に優しいやつだよな。あいつ)

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 20:40:59.91 ID:0wXHPbd1O
◆◇廊下◆◇

男「あっ、後輩さん。おはよう」ニコッ

後輩「おっ、おはようござま、ございますっ」

男「うん、えっとー」

男「あっ、希望とってくれたのかな?」

186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 20:44:52.38 ID:0wXHPbd1O
男(こういうのはどのクラスも期限ギリギリに出すから)

男(すぐ出してくれるクラスがあるのは本当に嬉しいなぁ)


後輩「はっ、はい! どうぞ」
さっ

後輩「三つの希望、どれもだいたい同じくらいの数だったので」

後輩「どれでになっても構いませんから」

後輩「被っても気兼ねなく三年生の模擬店に廻してください」

男(後輩さんはよく気がまわるなぁ。来年の生徒会役員に推薦しておこ)

188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 20:47:47.30 ID:0wXHPbd1O
男「はい、わかりました。じゃあ、三つ目を通しておくよ」

後輩「はい。――あと私事なんですが……くっき」

後輩「クッキーど、どうでしたかっ?」

男「くっ……クッキー……?」

男(やばい……っ)

191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:25:11.68 ID:0FnQprUBO
後輩「……?」

男「す、凄く美味しかったよ」

男「もし後輩さんが良いなら、また作ってきてほしいなっ」

後輩「あはっ」

後輩「嬉しいっ!」

後輩「は、はい! また作りますねっ、ではっ」
タッタッタッ

192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:26:04.88 ID:0FnQprUBO
男(はぁ……凄い罪悪感……)


てくてく
会長「……男くんはどうしようもなく最低ですね」
てくてく

男「えっ」

男「かっ、会長っ!?」

男「き、聞いてたんですかっ」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:32:11.01 ID:0FnQprUBO
会長「私は」

会長「今さっき学校に着たところです」

会長「でも廊下でやられたら聞こえてくるのは当然です」

会長「私が盗み聞きしたわけではありません」

会長「それより、本当に男くんは最低ですね」

男「あはは、情けないです……」

196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:34:28.22 ID:0FnQprUBO
男「って、あれ?」


男「会長、髪……」

会長「あ、朝来るときにシャワーを浴びてきただけですが」

会長「何か男くんにとって問題になるんですかっ」

スンスン
男「……」

198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:35:42.35 ID:0FnQprUBO
会長「なに鼻をスンスンしてるんですか、気持ち悪いです」

会長「まるで盛りのついた雄犬です」

男「すいません」

男(でも、やっぱり凄くいい匂いがしま――……じゃなくてっ)

男「少し濡れてます。もう風邪とか危ない季節なので、気をつけてくださいね」

会長「……っ!」

200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:37:58.97 ID:0FnQprUBO
会長「きっ、気持ち悪い」

会長「人のこと心配するのも、そこまで過ぎてたらストーカーに近くなります」

会長「男くんはもうちょっと他人についての関心を小さくするべきです」

男「あはは、すみません。でしゃばり過ぎでしたね」

204:   2009/11/29(日) 21:44:50.17 ID:0FnQprUBO
ガラガラ
女「男ー、終わったー?」

会長「…………」
すたすた

男(黙って教室に入っちゃったなぁ、会長)

男(やっぱり……やっぱり)

男(今日……機嫌芳しくない?)

会長「…………」

206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:48:51.62 ID:0FnQprUBO
女「あっ、男っ、さっき言い掛けてたことさー」

男(後輩さんからプリント貰ったし、今日は仕事ができちゃったな)

男(昼にこの模擬店の仕事で放課後は……図書館の仕事)

男(今日も女と一緒には帰れなくなったなぁ)

男「ごめん、何を言い掛けてたか忘れちゃったよ、あはは」

207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:51:37.91 ID:0FnQprUBO
女「あー、うーっ、うんっ」

女「もうっ」
ベシッ

会長「……っ?」

男「!!」

男(うわぁ……振り回した手が、会長にあたっちゃったぁ……)

男(ていうか結構痛そうだなぁ)

女「やっ、きゃっ、ごめん! ごめんなさいっ、会長さん」

女「大丈夫? でも、わっ、一番悪いのは男だから、ねっ?」

211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 21:58:25.14 ID:0FnQprUBO
男「す、すみません、会長……」

会長「っ…………」
すたすた

男「はぁ」

男(会長、絶対零度に到達した)

女「会長ってさ、結構怖い人だよねぇ」

213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:05:47.95 ID:0FnQprUBO
男「そうかな、結構ふつうだよ」

男(僕以外の人間には)

女「男のふつうは普通とほど遠い」

先生「おい、男ー、女ー、教室はいれよー」

先生「チャイムなるぞー」

男「あっ、はい、すみませんっ」

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:09:01.63 ID:0FnQprUBO
◇◆昼休み◇◆

男(朝のあれからずっと気まずくてはなしかけられなかったな)

会長「……」

男(よし、頑張ろう)

男「あの、ちょっといいですか。会長」

会長「どうしたんですか、男くん」

会長「でもですね」

会長「お昼前に話しかけられたら困ります」

217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:13:33.12 ID:0FnQprUBO
会長「男くんのせいでご飯が不味くなってしまいますから」

男「あはは……すみません」

「会長ってきついなぁ」
「男くんがかわいそー」
「ははっ、男、どんまーい、ははっ」

女「…………」


男「じゃあ、食べ終わってからにしますね」

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:17:58.74 ID:0FnQprUBO
会長「もう話し掛けられてますので、今更お弁当の味が変わることなんてありません」

会長「どうぞ、話して下さい」

男「えっ、あっ、すみません」


男「1ーAのクラスの希望用紙がでました」

会長「それで、検討しようと?」

男「はい」

220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:19:54.40 ID:0FnQprUBO
男「いやでしたよね、お昼に仕事の話なんかして」

男「でも、放課後、私用がありまして……」

会長「本当に自分勝手なんですね、男くん」

男「すみません……」

会長「まぁ、良いです。希望、見せてください」

………
…………

221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:23:10.36 ID:0FnQprUBO
◆◇放課後◆◇

男「さてと」
ガタッ

女(帰りのお誘いがこなかった)

女(私からまた誘っていいかな?)

男「ふぅ……」
てくてく

女「……?」

223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:24:35.26 ID:0FnQprUBO
女(会長さんはもう帰るみたいだし……)

女(男はどこ行くんだろ? つけてみよ)


………
……


男「…………」
てくてく

男「…………」
ガチャ

女(図書……館?)

224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:25:56.34 ID:0FnQprUBO
◇◆図書館◇◆

男「さて、始めるか」

女「男っ」

男「!!」

男「……って、ああ、女か。どうしたの?」

女「そっちこそ、どうしたのよ――」

女「――って汚っ、ここ!」

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:29:19.57 ID:0FnQprUBO
男「はぁ、だよねー?」

男「まぁ最初に比べたら大分ましにはなったんだけど……」

女「あのさ、男……これ――」

女「――これって生徒会の仕事なの……?」
ぐっ

男(あれ……女? うん?)

男「いや、違うよ」

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 22:31:40.63 ID:0FnQprUBO
女「えっ、違うのっ!?」

男(本当は生徒会にきた要望だったんだけど……)

男(でも、仕事だって言ったらなんだか怒りそうな雰囲気だし)

女「じゃあ、何?」

男「えっと、自主的に……あー、うん」

男「本好きだから、さ」

235: ようやく書き込めた! 2009/11/29(日) 23:02:10.78 ID:0FnQprUBO
男「んで、ここをきれいにしたら、自由に使って良いって言われたんだ」

女「あー、そうだったんだぁ」

男「お願いなんだけど……会長には黙っていてくれる?」

男「『図書館の私有化です』って怒られるだろうから」

女「うん、わ、わかった」

男(会長にバレたら、仕事を勝手にひとりでしてるってブチギレられるからなぁ)

男(うん、まあこれで大丈夫だろうけど)

236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:04:05.30 ID:0FnQprUBO
女「あっ、あのさ、手伝おーか?」

男「ありがとう。でも……本当にいいの?」

女「だ大丈夫、任せてっ」

男「じゃあ、重ねてあるその本を種類分けしてくれる?」

女「ジャンル分けね、わかった! よしっ」

男「ふふっ」

………

……………

240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:22:49.99 ID:0FnQprUBO
◆◇帰り道◆◇

タッタッタッ
男「はい、クレープ」

女「ありがとう。でもいーのかなー? ふふふっ」

女「生徒会の人が寄り道なんかしちゃって」

男「なー、何のことかわからないなあ」

女「ふふふっ」

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:24:57.79 ID:0FnQprUBO
男「…………」ぱくぱく

女「……」ぱくぱく

女「そのクレープ、バナナ?」

女「美味しそうだね、ちょっと、ち、ちちょうだい?」

男「ほい」

ぱくぱく
女「ふふっ、美味しい」

244: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:33:02.84 ID:0FnQprUBO
男「イチゴも美味しそうだね」

女「ん」

ぱくぱく
男「イチゴもいいもんだなぁ」


女「あー、美味しかったぁ」

男「ゴミ預かるよ」

女「ん」

女「でも久しぶりだね、ふたり一緒に帰るのは」

245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:34:47.92 ID:0FnQprUBO
男「あー、うん、生徒会に入って仕事が忙しかったからね」

男「すみません」

女「はい、でましたー。くちぐせー」

男「ま、まじですか……」

………
……

男「おっと、家に着いたね」

女「ん、じゃあね。バイバイ」

男「今日は手伝いありがとう。バイバイ」

246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:36:39.50 ID:0FnQprUBO
◇◆教室◇◆

ガラガラ
男「おはよう」

女「はよっ」
友「ちょりーっす」

会長「…………」

男(今日は会長早いんだなぁ)

男「おはようございます」

会長「…………」

249: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:39:27.23 ID:0FnQprUBO
会長「…………」

男「……う」

友「どんまい。無視されてるみたいだ」

友「どうせ、お前がなんかしたんじゃあ――」

友「――……ってそれはないか」

友「まぁ、姫様の気まぐれってところなんだろなー」

友「気にすんなよ」

男「あ、し、してないよ」

250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/29(日) 23:41:10.90 ID:0FnQprUBO
男「さっ、席にすわろう」

女「……ふ」

女「ふふっ、傷ついてるのバレバレだよっ」
バシッ

男「うっ」

女「元気だせー」

男「あははっ、ありがとう。でも傷ついては、いない」

260: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:00:07.07 ID:JHCmIA4/O
◆◇ロングホームルーム◆◇

……
………

男(席替えして、少し後ろめの席になれたのはいいものの……)

男「……」チラッ

会長「……」

男「……はぁ」

会長「…………っ」

男(隣になってしまった)

262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:01:49.27 ID:JHCmIA4/O
男(今朝から話してくれないのは、きっと、僕が何かしたから――)

男「――……っ!」

男(ま、まさか……図書館の改装がバレた?)

男(た、確かにそれなら……全て説明がつく……)

会長「…………」

男(あー、くそ……謝らないとなぁ)

264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:06:00.27 ID:JHCmIA4/O
男「あのー、会長ー?」

ヴーヴー
会長「……」カチッ

男(会長……携帯開いて見てる)

男「あっ……あの……あやまりたくて……」

会長「…………」カチッ

男(完璧に僕のこと無視してるなぁ)

266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:08:51.75 ID:JHCmIA4/O
男「かっ、会長! 本当にすみませ――」

会長「先生、席が後ろすぎて黒板が見えません」

会長「前の方と席を替えさせていただけませんか?」

先生「あー、しゃーねーな、いいぞー」

先生(あっれ? でも、席替え前の席は今よりもっと後ろじゃなかったか?)

先生(って、まー、どうでもいいや)

269:   2009/11/30(月) 00:11:08.57 ID:JHCmIA4/O
先生「んじゃあ、前の席……女ー」

先生「わるいんだが、会長と替わってやってくれー?」

女「えっ、あっ、はい」

会長「…………っ」

先生「どした、早く替われー」

会長「はい……」

275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:19:31.77 ID:JHCmIA4/O
男「か、かいちょ……」

会長「…………ふんっ」

ガタガタ
会長「…………っん」

ガタガタ

男「……はぁ」

男(大々激怒ですか……。さっきより酷くなったような……)

276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:21:38.15 ID:JHCmIA4/O
女「えっと」
ちょんちょん

男「はい」

女「引っ越ししてきました、女です宜しくお願いします、あはは」

男「お隣ですかー。宜しくお願いします」

男「まぁこの辺は穏やかなんで安心して暮らせますよ」

先生「おい、うるさいぞー」

男「ここは、意外に治安も良いですしね」

女「ふふっ」

279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:26:25.04 ID:JHCmIA4/O
男(しかし、本当にショックだなぁ……)

男(しかも、放課後は定期生徒会会議だし)

男(気まずい――)

男(――……って、そうか、そこなら二人だけになるから)

男(ちゃんと謝れる! よしっ)

287: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 00:41:34.10 ID:JHCmIA4/O
◇◆生徒会室◇◆

男「まさかの会長、いない」

男「…………」

男「はぁ、図書館の仕事いこ……」

男(なんか、浮気がバレて嫁が実家に帰ったのに)

男(どうすれば良いかわからず、とりあえず浮気相手を訪ねにいく駄目夫みたいだな)

354: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 17:54:54.62 ID:JHCmIA4/O
 

――――が、俺は女性ではないので、サーセンwwww
なんでそう思われるのか謎

あと、俺つばの人、
口を開けば俺つば、俺つば、と、
俺つばのことしか頭にないんですか、俺つばならそのへんでしてきなさいっ!
あと、玄関のゴミ、出してきて下さい

355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 17:56:08.56 ID:JHCmIA4/O
◇◆図書館◇◆

男「…………はぁ」
とぼとぼ

男「ん?」

男(あれ、図書館の電気点いてる?)

ガラガラ
男「あっ」

女「おそいよー、男ー?」

356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 17:57:22.89 ID:JHCmIA4/O
男「ど、どうして女がここに?」

女「昨日来たときさー」

女「これ男が一人でやるのはキツいと思ったから」

女「これから手伝うことにしました!」

男「ほっ、」

男「本当にっ? ……ありがとう」

359: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 17:59:24.84 ID:JHCmIA4/O
男「あ、鍵はどうしたの?」

女「事務の人にあけてもらっちゃった、あはは」

男「そうなんだ」

男「あっ、でも、しんどかったら辞めていいからね?」

女(けっして辞めませんよ、ふふっ)

362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:03:00.91 ID:JHCmIA4/O
男「――」

女「――――」

女「男さー、今日、元気ないね?」

女「なんかあったの?」

男「……っえっ!?」

女「いや、なんか元気ないじゃん?」

男「んー、会長に嫌われちゃったみたいなんだ」

363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:08:20.62 ID:JHCmIA4/O
男「それで少し凹んでいて……」

女「あー……、会長さんねー」

女「無視されたり、席を移られたり、委員会に来なかったりしたもんねー」

男「はい、全て当たってます」

女「あははっ、どんまい!」

366: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:11:30.63 ID:JHCmIA4/O
女「女の子は星の数だけいるから大丈夫だよ」

女「例えば、すぐ隣にいたりするんだけど……」ボソッ

男(聞こえてたけど、ふれない方がよさそうだな)

男「――」

女「――――」

男「――――」

女「――ふぅ」

368: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:16:14.79 ID:JHCmIA4/O
男「今日で大分進んだよ、本当にありがとう」

男「後は……棚を搬入してそこに収入するだけだな」

女「じゃあ、明日からは――」

男「うん、いきなりだけど、仕事は無し」

女「そなんだ」

男(なんか……落ち込んでる……?)


…………

………

369: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:20:51.82 ID:JHCmIA4/O
男「今日はありがとう」

男「また、何か奢らせて――」

「いしやぁきぃもぉー」

女「!」

男「……?」

女(た、たべたい……。おいしそうだなぁ……)

女(でも、焼き芋たべる女の子って……)

371: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:22:11.30 ID:JHCmIA4/O
男「…………」チラッ

男「あっ、焼き芋かぁ美味しそうだねっ」

男「僕、食べたくなったから買ってきていいかな?」

女「あっ、う、うん」


男「すみません、ちいさいもの2つ下さい」

373: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:25:33.35 ID:JHCmIA4/O
「はいよー」

「600円なー」

男「はい、ありがとうございます」

「また頼むなー」


男「おまたせ」

女「あ、う、うん」

374: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:28:28.76 ID:JHCmIA4/O
男「さっきのオジサンさ、カップルって思ったのか」

男「焼き芋を2ついれてくれたんだよね」

男「一つさ、食べてくれない?」

女「えっ、い、いいのっ?」

女「あっありがとうっ」

女「――」ぱくぱく
男「――――」ぱくぱく
女「――」ぱくぱく

375: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:30:09.24 ID:JHCmIA4/O
男「今日はありがとう」

女「う、ううん」

男「これからまた委員会で一緒に帰れないけど」

男「学園祭が終わったら、また声掛けるね」

女「えっ、あ、うん」

女「ば、バイバイ」

男「うん、バイバイ」

385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:51:57.45 ID:JHCmIA4/O
◆◇廊下◆◇

男(案の定、最終日の今日にみんな希望用紙出してきたなぁ)

男(初日に3クラスも出してくれたから)

男(全部ってわけじゃないからいいけど……)

男(とりあえず)

男(会長とお話をせねば!)

387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:54:31.55 ID:JHCmIA4/O
男(か、会長だ、よし)

男「おはようございます」

会長「はい、男くん。おはようございます」

男「っ!?」

会長「なんですか」

会長「まるで人語を話した犬を見るような目で見つめてこないで下さい」

男「は、はな、はなしてる!」

388: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:56:07.31 ID:JHCmIA4/O
会長「私が話をしているところを男くんは見たことがありましたよね」

会長「なんだか」

会長「朝から本当に気分が悪いですね」

男「す、すみません」

389: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:57:41.11 ID:JHCmIA4/O
会長「……ふんっ」
すたすたすた

ドンッ
会長「……ャっ」

「急いでて……すみません!」

バサバサ

「失礼しましたっ」
タッタッタッタッ

男(一年生が会長にぶつかって、会長のカバンが落ちたけど……)

男(僕があれをしてたら、やばかっただろうな。うん)

390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 18:59:25.51 ID:JHCmIA4/O
男「先輩、落ちた教科書、拾いますよ――」
さっ

会長「やめて下さい!!」

男「!!」

会長「あなたに触られたら、私の教科書が腐ります」

会長「全て棄てないといけなくなってしまいます」

会長「私が拾いますので」
さっさっ
さっ

394: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:04:28.56 ID:JHCmIA4/O
男「……すみません」

会長「…………」

男「あっ、あの……図書館のこと……」

男「謝りたくて……」

会長「…………図書館?」

会長「なんのことですか?」

会長「もしかして、まっ、また男くんは……っ」

男「いや、何もないです何もないですっ!」

男(会長知らなかった……?)

395: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:06:41.15 ID:JHCmIA4/O
 
男(じゃあ……なんで怒って……)

男(それ以外の他のことに対して怒ってたのかなぁ……)

会長「で、男くん」

男「は、はいっ」

会長「希望用紙は全て集められましたか?」

396: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:09:38.92 ID:JHCmIA4/O
男「は、はい。こちらです……」

会長「えっと……うん」

会長「じゃあ、量も多いみたいなので放課後に相談しましょう」

男「……わかりました」

男「では、失礼します……」
とぼとぼとぼとぼ

会長「…………………………っ」

398: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:12:38.99 ID:JHCmIA4/O
◇◆昼休み◇◆

男「友ー、ご飯一緒いいかー?」

友「えっ、あっ、うん、えと」

友「あー……じゃあ、まぁ、座れば……そのへん……」

男「悪いね」
ガタ

399: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 19:15:22.04 ID:JHCmIA4/O
友「久しぶりだな、驚いたわ」

男「久しぶり――……だな、最近忙しかったし」
ぱくぱく

女「私も一緒いいかな?」

友「おー」
男「いいよ」

402: ご飯あんど風呂いくね 2009/11/30(月) 19:20:07.21 ID:JHCmIA4/O

ぱくぱく

男「――」
女「――――」
友「――――」


会長「……………………」
ぱくぱくぱくぱく


…………

……

432: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:10:40.26 ID:JHCmIA4/O
◆◇体育◆◇

「やべ、食い過ぎでむりっぽい」
「バレーボールむずいわー」
「腕いてーし」

男「あはは」

男(みんなやる気ないみたいだなぁ)

友「まぁ、俺らで相手チームやるか」

435: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:12:22.84 ID:JHCmIA4/O
……
…………

友「がっはっはっ」
キラキラ

「何もしとらんのに勝った」
「俺、サーブしかしとらん」
「友のスパイクぱねぇな!」

男「バックアタックであの角度は本当に凄いと思う」
キラキラ

436: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:16:01.03 ID:JHCmIA4/O
「あいつら輝いてるなぁ」
「あぁ……俺、漢だけど惚れた」

友「いや、お前のトスがかなりキてたからだぜ」
キラキラ

友「どんな悪球も上手くあげてたじゃねぇか」
キラキラ

「ヤベェ、なんかカッケェ」
「つか、かなり輝いてやがる」

438: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:18:25.99 ID:JHCmIA4/O
……
………

「男子のバレーすごかったねー」
「うん、うん、かなり格好良かった」
「うちらの卓球はだべってただけだしね、あはは」
「私、友くん良いかも……」
「あっ、私は男く――」
「バカっ、あんた黙っとけ!」

女(やっぱり男……格好いい……っ!)

会長「…………」

439: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:24:04.97 ID:JHCmIA4/O
……
…………

男「まっ、次も勝とう!」
キラキラ

友「おう!」
キラキラ

男(この後会議なのに……汗がやばいな……)

男(シャワー浴びたいなぁ)

441: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:28:17.89 ID:JHCmIA4/O
◇◆放課後、会議室◇◆

ガラガラ
男「会長……申し訳ないんですが、会議の前に……」


男「――……って」
キョロキョロ

男「まだ来てないみたいだなぁ」

男(今日は会議に参加してくれるみたいだから)

男(ただ遅れてるだけかな?)

442: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:31:17.19 ID:JHCmIA4/O
男(会長には申し訳ないけど)

男(シャワーあびちゃっていいかな……)


男「あっ、メモ……」

男「『職員室、用事、半までには戻る』……か」

男「よしっ」

男「十分時間あるし、シャワー入っておこ」

445: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 22:38:56.53 ID:JHCmIA4/O
◇◆生徒会室内、シャワー室◇◆

シャー
男(旧事務員室だから、何でもあって)

シャー
男(生徒会室は本当に便利だよなぁ……)

男(さて…………)

男「ん?」

男「先週利用したときには見なかったシャンプーが置いてある……」

男(まぁ、会長のだろうから、使わないでおこ)

450:   2009/11/30(月) 23:00:14.18 ID:JHCmIA4/O
キュッ
男「はぁー、すっきりしたぁ……」

男「体育は楽しいけど、あせがすごく出るからなぁ」

ふきふき

男「よっと」

ふきふき

455: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:07:34.11 ID:JHCmIA4/O
◆◇洗面所◆◇

ガラガラ
男「……」

「――」

男「?」

男(誰かいるみたいだな)チラッ

会長「――――」

456: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:09:31.51 ID:JHCmIA4/O
男(なんだ、会長か……――)

男(――って、早く服着ないと!)

男(待たせたら怒られてしまう!)

男「……よし」

……
…………

460: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:12:44.41 ID:JHCmIA4/O
男(髪は……大丈夫だな)

男(他変なところはない……な、うん)

男「……」

会長「――――」

男「……?」

会長「――――ぃ」

男(会長、何か喋ってる……?)

461: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:15:26.64 ID:JHCmIA4/O
男(ん?)

会長「――きぃ。だい……です――きなの……」

男(よく聞こえない)

男「!?」

男(先輩何か抱きしめてる?)

会長「スンスン、はぁはぁ……お――くぅん……はぁ」

468: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:19:15.28 ID:JHCmIA4/O
会長「くん、――好きなん――……なのにぃ……」ポロポロ

男(よく聞こえない……けど)

男(会長……泣いて……る?)

男(かかか会長が、あの会長が泣いてる……泣いてる!!)

会長「すーはーすーはー、お――くぅん……ふえぇ……」ポロポロ

471: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:22:46.27 ID:JHCmIA4/O
男(何をだいてるかわからない)

男(んん。よ、よくわからないけど、多分……白い何か、だな)

男(あああ、なんだか、どきどきしてる)

男(あんな会長は、はは初めて見たからなななっ)

男「と、とととりあえず、落ち着け、ぼぼぼ僕」

475: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:26:57.89 ID:JHCmIA4/O
男「深呼吸……ふぅーはぁー」

男「よしっ」

ストン

男(会長が泣き止んで落ち着くまで待っておこう)

会長「うわぁ……ふぇ……男くん……」ポロポロ

会長「クンクン……ふぁあ……ふぇ」ポロポロ

男「はぁ……」

477: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:28:03.83 ID:JHCmIA4/O
男(ここから出て行ったら会長は驚くだろうから)

男(この窓から外にでて)

男(何事もなかったように、生徒会室の入り口から入ろう)

会長「あぁあっ……ふぇっ……んんっ」ポロポロポロポロ

男「…………」

男(人がないている泣く声は嫌いだ……)

480: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:30:23.16 ID:JHCmIA4/O
◆◇生徒会室◆◇

ガラガラ
男「すみません、会長!」

男「遅れてしまいました」

会長「あっ」

会長「…………男くん」

男(目はやっぱり、泣いたせいで少し腫れてるなぁ)

483:   2009/11/30(月) 23:32:17.23 ID:JHCmIA4/O
会長「本当に遅いです」

会長「なんで人をそこまで待たせられるのか、わかりません」

会長「男くんは本当に人間失格ですね。太宰も哀れみます」

会長「ちゃんともう一度誤ってください」

男「か、会長……」

男「本当にすみませんでした!」

486: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:34:57.94 ID:JHCmIA4/O
会長「まぁいいです。早く始めましょう」

男「あの……その前に会長、これ――」

男「――ミルクセーキです」

男「お詫びなんで、飲んでくれたらうれしいです」

会長「……」

男「か、会長?」

493: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/11/30(月) 23:45:30.85 ID:JHCmIA4/O
会長「…………はぁ」

男「?」

会長「ミルクセーキはあまり好きではないのに」

会長「気が回りませんでしたか。私の好みを把握してから」

会長「飲み物などを用意して下さい」

男「す、すみません、会長」

499: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:00:30.31 ID:Jhni1xMtO
男「じゃあ、好きな飲み物は――」

会長「――ミルクセーキ以外のなにかです」

男「あはは、すみません」

会長「ゴク……」ポロポロッ

会長「あっ……」

男「!!」

501: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:01:47.77 ID:Jhni1xMtO
男「すっ、すみません。涙が出るくらい苦手だったんですね!」

男(ティッシュは確かカバンの中に!)

ゴソゴソ

男「ん?」

男(体操服、すごく濡れてる……――)

男(――って、体育であんなに動いたんだし、汗だろうな)

男(って、あ、ティッシュあった、あった)

502: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:08:35.69 ID:Jhni1xMtO
男「先輩、こ、これっ」

男「ティッシュです、どうぞっ」

会長「あ、ありがとうございます」

会長「まぁ、泣いてる姿を見せて、印象づけてあげましたので」

会長「いくら鶏頭の男くんでも、私がこれが嫌いだということを忘れて」

会長「またミルクセーキを買ってくるなんて、もう二度とおこりませんよね」

男「あ、は、はい」

505: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 00:16:03.27 ID:Jhni1xMtO
コンッ
会長「ん、あとは男くんが飲んで下さい」

男「はい、申し訳ないです。会長……」

男(会長……本当にどうしたんだろ……)

会長「…………」

615: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 20:49:48.84 ID:Jhni1xMtO
男「じゃあ、えっと、早速なんで……」

男「模擬店仕分けしましょうか」

会長「わかりました」

会長「えっと、じゃあまず、三年生から――」

男(もう普通みたいだな)

男(良かった……)

616: すみません、お待たせしました 2009/12/01(火) 20:50:30.09 ID:Jhni1xMtO
男「…………ゴクゴク」

男(ミルクセーキ美味しいなぁ)

会長「っ……っっ!!」

男「?」

男(やっぱり会長……心配だな)

618: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 20:51:14.19 ID:Jhni1xMtO
会長「失礼しました、始めましょう」

男「は、はい」

会長「では――」

男「――――」

会長「――――」

621: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 20:52:14.94 ID:Jhni1xMtO
◇◆教室◇◆

男「おはよう」

女「おあよー」

友「ちょりちょりーっす」

男「ちょ、ちょりっす」

「男、はよー」

男「あ、うん。おはよう」

622: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 20:56:18.39 ID:Jhni1xMtO
男「あ……」

会長「…………」

男(いつも一人だな、会長)

男(すごいなぁ。寂しがり屋な僕とは大違いだ……)

会長「…………あ」

会長「男くん」

623: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 20:58:21.15 ID:Jhni1xMtO
会長「なんですか? 人のことをジロジロみるなんて」

会長「視 するつもりなんですか、変 野郎ですか」

男「あはは、そう思われたならすいません。挨拶したくて……」

625: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 20:59:42.79 ID:Jhni1xMtO
男「えっと……改めて――」

男「おはようございます、会長」

会長「は、はい、おはようございます、男くん」

女「………………」

女「…………うー」


「あわあわあわあわ」
「あははー、えっ…………あ」
「あーあ……」

627: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 21:08:24.93 ID:Jhni1xMtO
◆◇昼休み◆◇

男(図書館の仕事も当分休みになったし……)

男(どうしようか)

男(ずっと忙しい日が続いて疲れて困ったけど……

男(いきなり解放されても)

男(逆に何したら良いかわからなくなって困ってしまうなぁ……)

628: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 21:16:04.27 ID:Jhni1xMtO
「男君、後輩さんが男君に用事だってー」

男「えっ、あっ、うん、ありがとう」

男(後輩ってどの後輩だろ……)

男(また新しい仕事かな!)

「あー、男君は本当にもてるよね」
「うん、まぁ理由はわかるんだけどね」

630: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 21:20:13.91 ID:Jhni1xMtO
「うぅ……私、狙ってたのに男く――」
「だから、あんた危ないって! 黙っといたほうがいいよ!」

男「……よし」

女(あっ、男どっかに行くみたいだなぁ……)

女「あのさ……――」
「――――」

631: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 21:23:57.04 ID:Jhni1xMtO
◇◆廊下◇◆

ガラガラ
男「ごめん、お待たせしました」

男「何かな――……って、後輩さんっ」

後輩「あっ、はいっ、後輩です」

男「うん、でどうしたのかな?」

633: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 21:29:53.72 ID:Jhni1xMtO
男「どこかで、トラブルが発生したのかな?」
キラキラ

後輩「あはは……」

後輩「目を輝かせているところすみませんが、お仕事のことじゃないです」

男「あ、そなんだ」

後輩(しゅ、しゅんとしてる副会長、可愛い……っ!)

635: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 21:32:52.12 ID:Jhni1xMtO
男「え、えとそれで、どうしたの?」

後輩「あ、あのこれ……」

後輩「けっ、ケーキっ、ケーキです!」

後輩「もしよかったら……食べて貰えません……か?」

男「あっ、ありがとう!!」

男「(今度こそちゃんと)美味しくいただきます!!」

638: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 21:40:28.77 ID:Jhni1xMtO
後輩「えへへっ、喜んでもらえて、こっちも嬉しいですっ」

後輩「じ、じゃあ副会長っ、また、ですっ!」
タッタッタッ

男「後輩さん…………美味しそうなケーキ」

男(チョコレートかな)

666: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 23:20:41.80 ID:Jhni1xMtO
◆◇教室◆◇

ガラガラ
男「…………ん?」

「――――」
「――」
「――――っと」
「もっと書いてやれよ、あははっ」
「うわっ、やばい、かなり上手いじゃん、あばばばば」
「わっはっはっ」

669: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 23:23:49.67 ID:Jhni1xMtO
男(女子たち盛り上がってるなぁ)

男(席は……――)

男(まさかの会長のまわりっ!?)


会長「……って――さい……」

670: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 23:26:29.28 ID:Jhni1xMtO
会長「ふぅ……おとこく……ん……ふぇ……」

「ばーか、あっはっはっ」
「誰呼んでんだよ」

「男くんは後輩と一緒に昼飯行ったしな、きゃはははっ」

(まぁ、後輩もやべぇだろうな)

「つか、お前があんなに冷たくしたんだから、来るはずねーよ、あははっ」

672: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 23:29:25.80 ID:Jhni1xMtO
会長「そ……れは……あ……ちがっ」

会長「……しろって……たか……ら」

「だから、なんだって?」
「あぁ? 何文句あんの?」

会長「ひっ……い……いえ……」

678: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 23:34:01.45 ID:Jhni1xMtO
「あっはっはっ、マジでビビってんじゃん」
「ぶふっ、だっせぇ」
「それでも生徒会長なのかよ、あはははは」

会長「………………」

「あははははっ」
「あははははっあはっ」


男「……っ」

687: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 23:45:38.86 ID:Jhni1xMtO
男(会長……イジメ?)

男(いや……まさか……でも……)

男(会長……みんなに囲まれて……)

男(会長は……イジメられていた……?)

男(何で……何で、僕は……)

男(ずっと近くにいたのに……気付いてあげられなかったんだ……?)

690: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/01(火) 23:47:31.28 ID:Jhni1xMtO
男(っく、くそっ)

男「…………」

「あははははっ――って、ぅあっ!?」
「男くん……」
「あ、あははー」
「じ、じゃあねー」
「失礼します、あはっ」
スタスタスタスタ

703: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:04:22.87 ID:XeJS0UsKO
男「…………」

会長「…………」

男「…………」

会長「…………ふぇ……」ポロ

707: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:07:07.55 ID:XeJS0UsKO
会長「うぇ……みぃ……みないでぇ……」ポロポロ

会長「うぐっ……見ないでくださっ」ポロポロ

会長「しっかりしていない『生徒会長』は……ひぐっ……」

会長「お……男くんにも……男くんにも嫌われてしまい……ます……」ポロポロポロポロ

会長「……ひぐっ……グスッ」ポロポロ

男「会長……」

709: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:09:35.59 ID:XeJS0UsKO
男(教科書に落書きされてる……)

男(『陰気』『性悪女』『精神障害者』『学校くんな、カス』……)

男「僕は、会長が……会長がイジメられてるからって嫌いになりません!」

会長「…………っ!」

男「それに、会長は決して弱い人じゃない……っ」

会長「…………」

712: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:11:51.09 ID:XeJS0UsKO
男「本当に……」

男「本当にすみませんでしたっ!!」

男「僕が気付いて……気付いてあげられなくて……っ」
ぐっ

男「あんなに……一緒にいたのに……くそっ……っ!!」

会長「ふぇ……ぐすっ……はぁ」ポロポロポロポロ

714: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:13:31.02 ID:XeJS0UsKO
会長「おと、おとこくん……うっ」ポロポロ

ぐしゃっ
男(あっ……)

男(……また後輩さんの作ったお菓子、食べられなくなったなぁ)

男(僕は最低野郎だな)

720: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:20:02.97 ID:XeJS0UsKO
男「会長……」

会長「…………はい」

男「教科書の落書き、消すの手伝いますね」
きゅきゅ

会長「…………」
きゅきゅ

722: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:20:51.21 ID:XeJS0UsKO
◇◆放課後◇◆

男「女……ごめん、話があるんだ」

女「えっ、なになにー? 新しい仕事見つかったのっ?」

女「私も、手伝わせて、手伝わせてーっ? ふふっ」

男「――……いや、真剣な話なんだ」

女「……うん、わかった」

724: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:22:16.01 ID:XeJS0UsKO
◆◇廊下◆◇

男「…………」

女「で、話って……?」

男「ああ、うん」

男「なぁ、女……このクラスにさ……イジメがあること、知ってた……か?」

女「い、イジメ……っ!?」

726: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:25:59.10 ID:XeJS0UsKO
女「……いや、ないない。ありえないよ」

女「だって、うちのクラスでしょ」

女「何かの間違いなんじゃ……――」

男「み、見たんだ! イジメられてるところを……っ!!」

女「……っ、えっ、じゃあさっ」

女「だっ、誰? そ、それが……本当なんだったら……」

728: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:29:21.23 ID:XeJS0UsKO
男「――会長……だ」

女「っ!!」

女「えっ、でっ、でも、あの会長なんだから、簡単にはねのけたり――」

男「いや、会長にはできなかったみたいなんだ」

男(僕もそんな事が会長にあるなんて信じられなかった。女も当然か)

730: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:32:50.69 ID:XeJS0UsKO
男(会長がそれに対して泣いてるのも……っ)

女「……で……誰……だったの?」
ぐっ

男「○○、××、△△……それに◇◇」

女「ひ、ひどい……っ」

女「男、私に任せて!」

731: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 00:33:35.64 ID:XeJS0UsKO
男「お女……」

女「わ、私、協力するから……っ!」

男「あっ、ありがとう!」

女「今言った人たちもそこまで悪い人じゃあないし」

女「きっと……きっと、わかってくれるから……っ!」

男「……うん!」

794: お昼休憩・投下 2009/12/02(水) 14:01:43.91 ID:XeJS0UsKO
◆◇生徒会室◆◇

男「会長……」

会長「…………」

男「お節介かもしれないし、俺のこと嫌いだろうけど……」

会長「!!」

会長「……ますっ、違いますっ!!」

795: お昼休憩投下します 2009/12/02(水) 14:02:37.54 ID:XeJS0UsKO
会長「わた、私は、男くん……好き……です……っ」

男「か、会長……」

男(良かった……。嫌われてる訳じゃなかったんだ)

男「良かったです、会長が僕のこと好きで……――」

ぽいっ

男「――って、イタッ!?」

797: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 14:04:36.37 ID:XeJS0UsKO
会長「は、は、はっきりと言わないでくだ、くださいぃっ!!」

男「あはは、すみません」

会長「……ふふっ」

男「……あはは……」

会長「男くん……」

会長「助けてあげるって言ってくれてありがとうございました」

798: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 14:05:42.71 ID:XeJS0UsKO
会長「私……私も、頑張ってみようと思います!」

男「か、会長っ」

会長「だって……だって、男くんは……」

会長「私の……見方で、いてくれるんですよねっ?」チラッ

男「っ!!」

男「も、もちろんですっ」

802:   2009/12/02(水) 14:10:29.96 ID:XeJS0UsKO
◆◇教室◆◇

会長「男くん、おはようございます」

男「あ、はい、会長!」

男(やっぱり、会長……かわい……げふんげふん)

会長「?」

男「おはよう、友」

友「うぃすー」

803: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 14:15:48.63 ID:XeJS0UsKO
男「あー……、あのさ。朝一番で変な質問なんだけど」

友「もぅ、仕方ないなぁ、男はー」

男「ん?」

友「こほん、いや、すまん」

男「このクラスにさ……イジメあると思うか?」

804: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 14:17:58.57 ID:XeJS0UsKO
友「はっ、このクラス? ねーよ、ねーよ、ありえねーよ」

男(友も知らなかったか……。イジメ知ってるのは一部だけなのか)

男「……だ」

男「だよねっ、あはは」

男「忘れて、さっきの話は、あははっ」

友「ん? あぁ……おー……」

805: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 14:21:37.62 ID:XeJS0UsKO
女「おはよう。男」

男「ああ、うん。おはよう」

女「あっ、あのねっ」

女「ちょっといいかな?」

男「ん? ……うん」
てくてく


会長「……あ、男くん………………」

会長「……お女さんと……どこ……行くんだろ……?」

806: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 14:23:13.17 ID:XeJS0UsKO
◇◆廊下◇◆

男「なにかな」

女「あのね、えと……」

男「っ、イジメの件だね? どうかしたの?」

女「停学……停学になったのっ」

男「停学になった……? 誰が?」

840: おまたせしました 2009/12/02(水) 20:45:21.56 ID:XeJS0UsKO
女「い……イジメしてた子たちが停学になったの」

男「えっ……?」

女「私がイジメのことを先生に話したら」

女「そのあと彼女たちもしてたって認めて」

男「っ!!」

男(認めた……? 本当に彼女たちは認めたのか?)

842: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 20:50:08.81 ID:XeJS0UsKO
女「十分に反省してるみたいでさ」

女「彼女たち、数日間の謹慎処分をうけるらしいの」

男「…………」

女「あっ、あのさっ、男」

女「……よかったねっ」

男「えっ……?」

844: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 20:52:15.04 ID:XeJS0UsKO
女「これでさ」

女「会長さんに対するイジメ、なくなるよっ!!」

男「…………えっ」

男「あ、ああ。うん……」

男(おかしい……。何か、凄くヘンだ)

男(女の早い行動、イジメをすんなり認めた女子…………どうして?)

女「うふふっ」

女「男が喜んでくれて嬉しいなぁ」

男「…………あ、うん」

男「ありがとう……」

846: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 20:58:56.86 ID:XeJS0UsKO
◆◇教室◆◇

男「じ、じゃあ、伝えてくるね、会長に」

男「女ありがとう」

女「どういたしまして」ニコッ

会長「…………う」ジー

てくてく
男「会長、あのですね……耳、すみません」

こそっ
会長「はっ……はぅ……」

男「○○、××、△△、◇◇が……――」ゴニョ

849: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 21:09:50.80 ID:XeJS0UsKO
男「――……停学になったそうです」ゴニョ

男「実は女が協力してくれて、」

会長「え……お、女……さんが……?」ぐっ

男(ん?)

男「で、○○たちも、もうイジメなんてしないと……」

男「ただ……」

男「また、イジメとかあったら……すぐに僕に伝えてくださいね」

男「協力しますから!」

男(多分だけど、イジメは無くなっていない)

男(…………僕の経験上……)

852: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 21:21:09.50 ID:XeJS0UsKO
男「いつも僕は会長の味方になりますよ」

会長「…………男くん……」

会長「…………うん」

会長「あのですね、信じてくれないかもしれませんが」

男「だ、大丈夫です! 僕は信じますからっ!」

男「会長を信じます!」

会長「…………男くん」

会長「信じてほしいですけど、男くんには難しいと思います」

会長「……でも、聞いてください」

会長「あのですね……――」

856: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 21:33:38.73 ID:XeJS0UsKO
 

会長「私をイジメてたのは、女さん」

会長「あの女さんなんです」

男「う、嘘だっ!!」

会長「あはは、ねっ、やっぱりですよね、あははははっ」

会長「私のことを信じてくれない」

男「だって、そんなっ……女が……女がっ?」

男「あ……ありえない……」

会長「私よりも女さんが信用に足る人物なんですね」

会長「あはは、男くん? 言ったとおりだったでしょ?」

会長「 男 く ん は 私 を 信 じ な い 」

861: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 21:42:23.41 ID:XeJS0UsKO
男「……会長……」

会長「行って下さい……ぐすっ」ポロポロ

会長「私には、味方なんていない……」ポロポロ

会長「いないん……ぐすっ……ふぇ……」ポロポロ

会長「わかってたことだけど……やっぱり悲しいですね……」ポロポロ

「ちょ、え、泣いてる?」
「男泣かした?」
「そんなバカな――……ってマジかよっ!?」

男「…………」

男「か……会長……っ!」

863: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 21:50:45.39 ID:XeJS0UsKO
男「会長……っ!」
ぎゅっ

女「!!」

会長「ふっ……ふぇっ……!?」

男「僕はっ、僕はっ!!」

会長「おと、おと、男くんっ!?」

会長「急にっ、だだき、抱きつかないでくださっ、くださいぃっ!!」

男「信じます。信じますよ!」

男「僕は会長が黒くても気にしないし――」

会長「私は黒くありません」

男「――何があっても会長を信じると誓います!!」

866: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 22:00:54.57 ID:XeJS0UsKO
「ちょ、やべぇっ」
「男、今日おかしくね? ってうぉい、ハグぅぅううう!?」
「あははー、吊ってこよう」
「は、はやまんなって」
「まぁ、なんつーか……お似合い?」
「ああ、悔しいけどな……」
「……え、まさかお前……」

女「…………」ブチッ

女(久しぶりにキレちまったぜ……)

女「男ーっ!!  乱ぷしゃいくクソ会長ぅうううっ!!」

男「えっ、女っ!?」

会長「お、男くぅん……ひぅ……」
ぎゅっ

女「牛ちちぷしゃいくが、私の男といつまで抱き合ってんのっ!?」

男「ちょっ、えっ、マジで女……?」

女「はー、なー、れー、ろー、ぷしゃいくっ!!」

会長「イヤですっ、男くんは私が良いって言ってましたっ!」

885: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 22:46:24.00 ID:XeJS0UsKO
女「うー、どいてよーっ、男の腕を抱くなよー!!」
ぐいっぐいっ

会長「やめてください、男くんは私の! 男くんは私の!」

男「あはは……」

男(なんか、めんどくなってきたなぁ)

「うわぁ……」
「両手にハナ……」
「まぁ似合ってるんですけどね」
「ただ……うらやましい……っ!」
「くそ、会長と女のやろう……っぐ」
「えっ……おま……」


女「私決めたっ!!」
ぱっ

会長「きゃああっ」

男「うわっ、……おっと」

889: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 22:55:26.72 ID:XeJS0UsKO
「さすが男だ……」
「女性をまもる反射神経……半端ねぇ」
「くっ……これがモテモテたる所以っ」

会長「ありがとうございます、好きです、男くん」

男「えっ、あっ、うん」

会長「女さんっ、急に放さないでくださいっ」

会長「まぁ、そのおかげで……男くんにまたギュッしてもらえたんですけど……」ボソッ

女「……っぷしゃいくのクセになにどさくさに紛れて告白してるのっ!?」

女「あー、もうっ」

女「わたし、男、正攻法でせめる!!」

会長「!!」

892: 投げ出したな、とか言うなよぅ!! 2009/12/02(水) 22:58:01.02 ID:XeJS0UsKO
女「よく考えたら、こんな牛ちちぷしゃいくなんか、男が相手するわけないもん」

女「そうそう、そうに決まってるわ」

会長「…………ふんっ」

女「もとから、そうしとけば良かった」

会長「で、でも」

会長「もう遅いですよっ!!」

会長「男くん……いえ、副会長っ!」

男「は、はい」

会長「会長命令です。今から言う言葉を復唱しなさい」

女「あっ、まさかっ!」

899: ごめんね。ごめんね。本当にごめんね 2009/12/02(水) 23:06:25.11 ID:XeJS0UsKO
会長「好きです、大好きです。会長のことしか頭にありません」

男「『好きです、大好きです。会長のことしか頭にありません』」

女「うーっ、うぅーっ!!」

女「うぎゃあああぁぁぁあああっ!!」

女「どぅぇぶぇぼぼぼざじぶぶぅぉおおおおぃぅぅううぉぼ!!」

会長「あはっ」

男「お……女……」

会長「さっ、行きますよ、男くんっ」
ギュッ

900: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 23:08:06.01 ID:XeJS0UsKO
女「まてやぁああぁあぁぁっ、クソぷしゃいくがぁあぁああぁぁ!!」

男「……あははっ」
タッタッタッ

会長「ありがとうございました」
タッタッタッ

会長「本当に……――」

会長「本当に嬉しかったです」
タッタッタッ

会長「他でもない」
タッタッタッ

会長「男くんが」
タッタッタッ

会長「私のこと信じてくれて」

男「……うん」

902: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 23:11:05.72 ID:XeJS0UsKO
会長「でも、ふふっ、ダメダメですねっ、男くんは」

会長「みんなの生徒会の副会長なのに、ひとりの――」

会長「個人の私にあまあま、なんですもん」

会長「ふふっ」

男「あははっ」

会長「はぁ、副会長なのに本当、ダメダメですね」

男「あははっ、すみませんっ」

会長「でも、大好きですっ、男くんっ」
ちゅっ

907: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 23:15:29.09 ID:XeJS0UsKO
あー、えと……
まずは謝罪から

すみませんでした。


会長と男をくっつかせるってのは最初から決めてましたが、
このようなラストになったのは全て僕の力不足が原因です。


皆さん、文句をどうぞ……

956: 文化祭っ! 2009/12/02(水) 23:50:31.10 ID:XeJS0UsKO
男「会長っ」

会長「あっ、はい。男くん」

男「露店AからFの確認終わりました」

会長「了解です、ふふっ」

男(笑うようになって、ますます可愛くなったなぁ)

会長「じっと見ないでくださいっ、照れますよぉ」

男「じゃあ、次はGからLまで様子見てきますねっ」

960: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 23:54:16.35 ID:XeJS0UsKO
男「えっと……Gはー」

会長(わ、私に気付くでしょうか)

男「こっちか」

後輩「いらっしゃいま……――」

後輩「って、副会長じゃないですかーっ」

後輩「今は……えと仕事中……みたいですね、ふふっ」

男「ふふっ、そうだよ」

会長「…………」いらっ

963: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/02(水) 23:59:32.29 ID:XeJS0UsKO
……
…………

男「よし、G店の前半売り上げ数の確認終わりました」

男「引き続き、頑張ってくださいね」ニコッ

「はいっ」
「先輩も頑張ってくださいねっ」

後輩「やっぱり……副会長かっこいいなぁ」

男「あははっ」
キラーン

会長「……うーっ」いらいらいら

会長(デレデレしちゃって……)

会長(どこがかっこいいんですかっ、どこがっ)

会長「むかつきますむかつきますむかつきますむかつきますむかつきます」

964: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/03(木) 00:03:06.95 ID:zl1ifBIvO
男「よし、Lまで終わったー……」

男(会長は終わったかなぁ)
てくてく

「あっ、副会長さん、こんにちはっ」
「こんにちはっ」


会長(なんなんですかっ、うーっ!)

会長(何かってに人気者になんかなっちゃってるんですかっ)

男「……あっ、会長っ」

965: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/03(木) 00:07:06.13 ID:zl1ifBIvO
男「会長、GからLも確認おわりましたよ」

会長「……ふんっ」

男「……か、会長?」

会長「なんですか、男くん」

会長「気持ち悪いから、消えて下さい」

男「!?」

男「ど、どうしたんですか?」

会長「っ」

会長「どうしたも、こうしたも、ありませんっ!!」

会長「まわるとこ、まわるとこ全てのお店でデレデレなんかしちゃってっ!!」

966: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/03(木) 00:09:48.07 ID:zl1ifBIvO
男「……ふぅ」

男「すみません、会長。不安にさせてしまいましたよね」

男「申し訳ないです……」

会長「……ふんっ」

会長「まぁ、わかれば消えなくてもいいかもしれません」

男「ところで……会長は仕事、どこまでいけました?」

会長「えっ?」

男「えっ?」

967: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/12/03(木) 00:12:01.76 ID:zl1ifBIvO
男「あはは、忘れてたんですね」

会長「すみません」

会長「ですが……わっ悪いのは全て男くんなんですよっ」

男「…………」

男「一緒に残りのお店の確認、しましょうか」

会長「は、はい」

会長「お願いします」