1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:44:20.45 ID:Gld+TOmO0
戦争は変わった。

ID登録された兵士は、ID登録された武器を持ち、ID登録された兵器に乗る。
体内のナノマシンが、兵士たちの能力を助長し、管理する。
遺伝子の制御、情報の制御、感情の制御――――戦場の制御。

戦争は変わった。

今やすべては監視され、統制されている。




オタコン「まあ、リキッドがその管理システムを奪って現役引退したから
     戦争はこの世からなくなっちゃったけどね」

老スネーク「おかげで凄い暇になった」

老リキッド「戦争止めたらノーベル平和賞もらったぞ」

ナオミ「スネーク、貴方フォックス・ダイはどうしたの?」

老リキッド「タミフル飲んだら治った」

引用元: スネーク「老人ホームだと!?俺はヘルパーなんかに屈さんぞ!」 




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:45:58.49 ID:Gld+TOmO0
サニー「スネークお爺ちゃん。遊んで」

老スネーク「ああ。またあとでな」

サニー「またって……いつもそう言う!」

老スネーク「すまないが任務があるんだ」

サニー「任務って近くの公園でゲートボールしてるだけでしょ! 私も連れていってよ!」

老スネーク「戦場に子供は連れていけない。いい子でお留守番してるんだサニー」

サニー「ヽ(`Д´#)ノ」

老スネーク「あの老いぼれを今日こそ沈める。これ公式戦ではない、私的な試合だ……」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:48:02.67 ID:Gld+TOmO0
サニー「お父さん」

オタコン「よぉおおし!安価ゲット!!『パン  してる御坂キボンヌ(´・ω・`)』」

サニー「ハルお父さん!」

オタコン「なんだいサニー。今、僕は忙しいんだ。
     遊び相手ならスネークに頼めって言っただろう?
     現役引退して年金暮らしなんだし」

サニー「スネークお爺ちゃんは公園に行っちゃったよ」

オタコン「またか……最近多いな」

9: 〉〉7最期の台詞ミス。できるだけネタバレは控えるつもり 2010/10/18(月) 22:50:36.46 ID:Gld+TOmO0
サニー「子供は危ないからって連れていってくれない……」

オタコン「まあ、あの歳であれだけ元気なんだから問題ない……って安価拒否ぃ!?
      御坂にパンツは認めないって……安価は絶対だろぉがぁあぁぁあああ!!」

サニー「ハルお父さん声が大きいよ」

オタコン「ちょっとまってくれサニー。今、大切なところなんだ。
      くそっ、絵師だからって上から目線でものを言いやがって!」

オタコン「チキショオオオオオ!このスーパーハカーを怒らせたらどうなるか思い知らせてやんよおおおおお!!」

サニー「…………」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:52:42.59 ID:Gld+TOmO0
ガチャ

サニー「お母さん」

ナオミ「あらサニー。どうしたの不機嫌な顔をして」

サニー「す、スネークお爺ちゃんもハルお父さんも遊んでくれない。
     せっかくの日曜日なのに……」

ナオミ「困った人達ね……そうだサニー、私と遊びましょう」

サニー「ホントに!? お仕事は大丈夫なの?」

ナオミ「さっき片付けたわ。さあ何をして遊びましょうか」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:54:36.41 ID:Gld+TOmO0
サニー「じゃあCQCごっこ!」

ナオミ「CQCって軍用格闘術の……? 
    スネークね……こんな野蛮なことを女の子に教えたのは」

サニー「ファイナルフラッシュ!!」 メコォ

ナオミ「い、痛い!! 蹴らないでサニー!」

サニー「戦士の基本は格闘術だぁ!!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:57:31.21 ID:Gld+TOmO0
~夕食~

ナオミ「スネーク」

老スネーク「なんだナオミ」

ナオミ「もうサニーにあんな暴力的な遊びを教えないで」

老スネーク「なんの話だ?」

ナオミ「とぼけないで! CQCのことよ。
     サニーはもう年頃の女の子なの。これ以上あの子におかしな知識を吹き込まないで!」

老スネーク「年頃ならば自衛の手段くらい覚えるべきだろう」

ナオミ「そういう問題じゃないわ。サニーは優秀な子よ。
     あなた達のようにろくに働きもせずに好き勝手やってる糞ニートと同調させないで、って言ってるのよ!」

オタコン「あなた達って、僕もかい?」

ナオミ「当たり前でしょ! 
    朝から晩までパソコンの前に引っ付いてニタニタしてる奴がニート以外に何だと言うの!? 
    次にまたあの時のようなことを家でしたら、そのセンスの悪い眼鏡を叩き割るわよ!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 22:59:03.03 ID:Gld+TOmO0
オタコン「あ、あれは安価だったから仕方なかったんだよ……」ブツブツ

老スネーク「おい! 俺はもう定年だぞ。ニートじゃない!」

ナオミ「戸籍上はまだ30代だろーが!
     オクトカムスーツ着てゲートボールする元気があるなら働け!
     テメーのタバコ代が月にいくらかかってると思ってんだ!!」

ガチャ

サニー「ナオミお母さん。言われたとおり手を洗ってきたよ」

ナオミ「偉いわサニー。さあ、夕飯を食べましょう。今日はサニーの好きな目玉焼きもあるわよ」

サニー「わーい!」

老スネーク・オタコン「…………」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:02:25.12 ID:Gld+TOmO0
~翌日~

サニー「朝だ……Mk.2(マーク・ツー)のお散歩に行かなきゃ」

サニー「おはようMk.2! 今日もいい天気だね」

Mk.2「・・・・・・」

サニー「電柱にオシッコしちゃだめだからね」

Mk.2「・・・・・・」

???「おやサニー。ペットのお散歩かい?」

サニー「あ、アキバおじさん。おはよう!」

アキバ「おはようサニー」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:04:51.74 ID:Gld+TOmO0
サニー「メリルおばさんは?」

アキバ「メリルはもう出社したよ。最近忙しいみたいでね。昨日も休日出勤だったし……」

サニー「アキバおじさんは会社に行かないの?」

アキバ「僕は主夫だからね。家事をして家を守るのが仕事さ」

サニー「へぇ。じゃあニートの仲間だね!」

アキバ「に゛ッ!! ににににに、ニート!?」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:08:28.84 ID:Gld+TOmO0
サニー「うん。だってスネークお爺ちゃんもハルお父さんもずっと家にいるよ。
     家のお手伝いはしないけど……そういう人はニートだってナオミお母さんが言うの」

アキバ「ち、違うんだサニー。確かに僕は家にいることが多いけど、
     ちゃんと内職もしてるし働いているんだ。スネークやオタコンとは違う」

サニー「違うの?」

アキバ「ああ、違うとも!」

サニー「でもナオミお母さんがスネークたちに怒るように、アキバおじさんも怒られてるよね」

アキバ「だ、誰に……?」ギクッ

サニー「茶色の背広を着て杖を持ったお爺さんに。
     スネークお爺ちゃんがタイサって言ってる人」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:09:49.91 ID:Gld+TOmO0
アキバ「うぅ!? その話を何処で……
     頼むから僕が大佐に小言を言われてるってこと、メリルには言わないでくれよ……!」

サニー「なんで?」

アキバ「あの二人がオレ絡みの喧嘩すると家がいくつあっても足りないんだよ。
     だからこの通り……! 今度、Mk.2の新しいパーツを買ってあげるから」

サニー「ホントに!? わかった。約束する!」

アキバ「はぁ……腹が痛い……」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:13:23.49 ID:Gld+TOmO0
一方、公園ではスネークがゲートボールに勤しんでいた


爺1「スネークさんや、茶はいるかの?」

老スネーク「いただこう」

爺2「今日のスコアも絶好調じゃったの」

老スネーク「いや……今日は奴が来ていなかった。あいつに勝たなければ意味がない」

爺1「まぁたそれか。兄弟なんだから少しは仲良くしたらどうじゃ」

老スネーク「あいつを兄だと思ったことはない(弟かもしれないけど)」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:15:36.77 ID:Gld+TOmO0
爺2「頑固じゃのう……む、あの人影は……」

爺1「お、公園の管理人じゃ。久しぶりに顔を見せよってからに……おいじーさん! こっちじゃこっち!」

老ゼロ「ぁう~」

爺1「管理人、あんた相変わらず死んだ魚のような目をしとるの」

爺2「まったくじゃ。車椅子なんざ使っておるからボケるんじゃ。
   そんなんでよくこの公園を運営できとるの」

老ゼロ「うぁあ~」

老スネーク「(相変わらず得体の知れないジジイだな……)」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:19:58.30 ID:Gld+TOmO0
ドーン!!

爺1「な、なんじゃ!?」

爺2「爆発かの!? ラーズグリーズが空襲に来たんじゃ!!」

老スネーク「(違う……これはメタルギアRAYの着地音だ。ということは……)」

爺1「!! でっかいシャチみたいなロボットから人が出てきたぞい」

老リキッド「ぬふぅ……いかん。役所に年金受け取りに行ってたら遅れてしまった」

爺2「なんじゃリキッドさんか……」

老スネーク「リキッドォォオオォオオァアアアァァアゲホッ!ゲホッ!?」

老リキッド「おいおい兄弟。いい歳をした老人が興奮するもんじゃない。
       そんなにAEDに世話になりたいか? うん?」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:22:31.70 ID:Gld+TOmO0
老スネーク「黙れ。さっさとその迷惑な車から降りてこい。今日こそ決着をつけてやる」

老リキッド「このメタルギアRAYはエコカー減税対象のハイブリッド仕様だ。
      貴様の化石のようなメタルギアREXとは違って地球に優しい」

老スネーク「その化石にシャドーモセスで海の藻屑にされたのはどいつだったかな」

老リキッド「ふん。減らず口を……何なら今ここで決着をつけてやろうか」

老スネーク「メタルギアで? それは無理な相談だ。
       次に町を壊したら夕飯を一週間抜きにするとナオミに言われたのを忘れたのか?」

老リキッド「…………」

老スネーク「二度と家にいれてもらえなくなるぞ。そうなれば収容所(老人ホーム)行きだ」

老リキッド「……ちっ」

老スネーク「降りてこいリキッド。今日こそお前を倒す」

老スネーク「この戦場(ゲートボール場)でな」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:25:29.74 ID:Gld+TOmO0
・同時刻、スネーク家唯一の稼ぎ手であるナオミは勤め先の製薬企業に出社していた。


同僚1「ナオミさん。この資料、明日までに成分分析して保証課にデータを提出しちゃって下さい」

同僚2「ナオミ博士。例の新薬ですが第一段階をパスしたという報告が入りました。
    二課が次の指示を求めています」

部下「な、ナオミ先輩! 遠心分離機のrpmが30以上だと強制終了しちゃうんですけど……」

上司「ナオミくん。お茶」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:28:06.26 ID:Gld+TOmO0
ナオミ「(はぁ……稼ぎが増えるから出世できたのはいいけど、
     中間管理職がここまで大変だとは思わなかったわ……)」

上司「ナオミくん。お茶」

ナオミ「(スネークは役立たずの老害だし、旦那のハルは腐れニートだし、
    糞グラサンのリキッドは趣味の悪い船にばっかり金を注ぎ込むし……
    唯一まともなソリダスは家に帰ってこないし……)」

上司「ミス・エメリッヒ! お茶ぁ!」

ナオミ「(こんな家庭じゃサニーの将来が心配だわ……兄さん、私はどうすれば……)」

上司「ナオミきゅん。わし、お茶が飲みたい」

ナオミ「うっせえぞハゲ。茶ぐらい自分で汲めや。
     その残り少ない希望(毛根)にまたフォックス・ダイをぶち込まれてぇか」

上司「ひぃいぃいいぃ」ガタガタガタ

ナオミ「(兄さん……)」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:34:42.25 ID:Gld+TOmO0
~夕方~・スネーク家

ナオミ「ただいま~」

サニー「お帰りなさいナオミお母さん!」

ナオミ「ただいまサニー。今からお夕飯作っちゃうからね」

サニー「もうご飯はできてるよ?」

ナオミ「えっ? ほ、本当だ……まさかハルが?」

???「ハルはオフ会でいない。作ったのは俺だ」

ナオミ「はぁ!? あの万年オタク野郎。またオフ会かよ!
    普段は家から出たがらないくせに、帰ってきたらギタギタにしてy……じゃなかった。
    あなた雷電じゃない、どうしたの? いえ、今はジャックと呼ぶべきかしら」

雷電「どちらでも構わない。サニーに招待されたので上がらせてもらった」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:38:10.69 ID:Gld+TOmO0
ナオミ「身体の調子は大丈夫なの?」

雷電「充電できるから問題ない」

ナオミ「充電? 何から?」

雷電「それは言えない」

ナオミ「なんで?」

雷電「日本で発売できるか判らないからだ……」

ナオミ「?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:40:41.83 ID:Gld+TOmO0
雷電「なんでもない。それよりナオミの帰りが遅いと聴いて、
   冷蔵庫の食材を勝手に使わせてもらったが問題ないか?」

ナオミ「ええ勿論ないわ。むしろ助かるぐらい。そういえば奥さんはどうしたの?」

雷電「ローズはパート先の女仲間と旅行中だ。今週末まで帰ってこない」

ナオミ「そう。新婚したてだから少し寂しいんじゃないかしら?」

雷電「ローズが?」

ナオミ「いいえ。あなたよ」

雷電「寂しくはない。離れていても心は一つだ」

ナオミ「……/////」

雷電「なんだ? 俺の顔に何かついてるか?」

ナオミ「い、いいえ。なんでもないわ」

ナオミ「(真顔でそんな台詞言わないでよ。思わずドキッとしたじゃない……)」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:44:38.65 ID:Gld+TOmO0
ナオミ「さ、さあジャックが作ってくれた料理が冷めないうちに食べちゃいましょう。
     サニー、スネークとリキッドを呼んできてもらえる?」

サニー「は~い」

雷電「リキッドは俺が呼んでこよう。確か三軒隣の家だったな」


※※※※※※

老スネーク「ニンジンage」

老リキッド「ピーマンage」

老スネーク「ageんなカス」

老リキッド「肉sage」

老スネーク「…………」

老リキッド「…………」

ナオミ「二人とも何ムッツリしてるの? 傷だらけだし……」

老スネーク「いや、なんでもない」

老リキッド「うむ」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:47:49.46 ID:Gld+TOmO0
サニー「いただきま~す」

雷電「お代わりはある。サニー、よく噛んで食べるんだ」

サニー「んむ」モグモグ

ナオミ「あら美味しい。ジャック、あなた料理が得意なのね」

雷電「いつも俺が作ってるからな」

ナオミ「え? でもローズって料理教室に通っているわよね」

雷電「付け焼き刃だ」

ナオミ「へ?」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:49:32.68 ID:Gld+TOmO0
老スネーク「うむ。持って生まれたものを直すことは難しい」

老リキッド「奴のアレを喰って俺は消化器官の一部を破壊された」

サニー「ローズおばさんが作る目玉焼きは99%が炭素で構成されてるよ」

雷電「まあ……世の中には誰かの手料理を毎日食べるぐらいなら、
    一生レーションだけで生活することを選びたいと考える人間もいるわけだ」

老スネーク「ナオミはまともで良かった」

老リキッド「オタコンと結婚してから安定したよな」

老ナオミ「何をぶつぶつ言ってんのよあんた達……
      ご馳走様。じゃあ私は用事があるから」

サニー「えっ。また出かけるの?」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:53:23.21 ID:Gld+TOmO0
ナオミ「ええ」

老スネーク「仕事か?」

ナオミ「……まあそんなところね」

老 リキッド「(夜に外出とは珍しいな)」

ナオミ「ジャック。今夜は泊まっていくといいわ」

雷電「そうさせてもらおう。駅まで送ろうか?」

ナオミ「ううん。大丈夫よ」

59:   2010/10/18(月) 23:56:00.63 ID:Gld+TOmO0
老スネーク「ナオミ。外に出るならタバコ買ってきてくれ」

老リキッド「俺のも頼む」

ナオミ「この前まとめ買いしたはずよ」

老スネーク「リキッドが俺の分を盗み吸いするから無くなった」

老リキッド「おい、ちょっと待て。あのカートンは二人共有だとナオミが言ったはずだ」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 23:57:06.09 ID:Gld+TOmO0
スネーク「パカパカと吸い過ぎなんだよお前は。俺の何倍吸ってると思ってるんだこのもうろくジジイ」

リキッド「なんだと!? 言わせておけば偉そうな口を。そんなに早死にしたいか?」

スネーク「ふん……やるか?」

リキッド「貴様の処刑をか?」

ナオミ「おい老害ども。これ以上続けたら老人ホームに強制収容させるからな。
     そんなにニチイの介護ヘルパーに世話になりたいのか? ああ?」

スネーク・リキッド「…………」

雷電「(こわい)」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 00:03:42.12 ID:vxvxyeCY0
ナオミ「じゃあ行ってくるわ。深夜過ぎには帰ってくるから戸締まりを頼むわよ」

サニー「はーい」

<イッテラッシャーイ

<タバコ…

老スネーク「今何時だ?」

老リキッド「7時過ぎだ」

老スネーク「打てそうだな」

老リキッド「ああ、ナオミがいないからいつもよりできそうだ」

老スネーク「前回の借りはキッチリ返させてもらう」

老リキッド「ぬかせ。お前に俺は倒せん。今日は頼みのエメリッヒもいないぞ」

雷電「何の話だ?」

老スネーク「決まっているだろう」

老リキッド「麻雀だ」

―――――――――
――――――――
―――――――

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 00:11:39.74 ID:vxvxyeCY0
パチン

パチン

半荘 東四局 ドラ:5m

西家・リキッド「5m切り。ついでにリーチだ」

北家・雷電「(む……!)」

南家・スネーク「(リーチにドラ切りだと……しかも赤牌!)」

雷電「(馬鹿な。手が固まっているにしてもまだ5順目だぞ。
    スネーク(暫定首位)との点差は3千足らず……早期決着を決めて南場で巻き返すつもりか?)」

スネーク「(いや、奴は東場では滅法強いが、南場では何故か手が弱くなる。
      本来ならばここで何がなんでもデカイ手でトップに立ちたいはずだ)」

雷電「(捨て牌は……ダメだ、わけがわからん。染めてる気配はないようだが)」

スネーク「(くそっ。俺の現在の全財産は25円。
       ナオミからの小遣いは既に三ヶ月分前借りしていてこれ以上の無心は不可能。
      賭け金は首位の総取りだから負けられん!!)」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 00:16:43.08 ID:vxvxyeCY0
雷電「(もはやレート云々の話じゃないな。
    スネーク、お前にハコられたら俺が貸した金(約10万)の返済が遠退く!
    あれはローズのへそくりなんだぞ!!!)」

老スネーク「(リキッドは白を既にポンしている。
       しかも雷電(暫定3位)が2順目でカンしてリキッドの客風牌もドラ牌になった。
       客風加えのトイトイ・ドラ3以上……いや、ホンイツか!?)」

雷電「(前半でカンしたのは流石に焦りすぎたか・・・くそっ)」

老リキッド「何をしている。早くツモれ」

雷電「くっ……!!(俺だってあと少しでテンパイなんだ。頼むっ!。危険牌だけは来ないでくれ!)」

雷電―ツモ:西

雷電「」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 00:20:00.12 ID:vxvxyeCY0
スネーク「(おい! なんだその顔は!? 忍者がヤク漬けになったような顔になってるぞ!!)
       まさか風牌を引いたんじゃないだろうな!?」

雷電「…………」

雷電「フッ」

雷電「スネーク……今度は俺が守る……」

スネーク「やめろぉおおおおぉおおおおぉぉお!!」

雷電「ロォオオオォォオオズ!!(俺だってアガリたいんだよぉおおぉお!!)」

リキッド「……!!」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 00:23:10.43 ID:vxvxyeCY0
雷電「(と、通った!?)」

スネーク「(よくやった雷電! あとは俺の純正一連で奴を殺s サニー「あ、ツモ」

雷電・スネーク「」

東家・サニー(暫定2位)「わ~い。ツモだよ!」

雷電「……ただのツモ?」

サニー「うん。1000点だよ~」

スネーク「…………」

リキッド「…………」←三色同順・ドラ3


その後、サニーの怒涛の鬼ヅモによる場荒らしと南3局にて
彼女の跳満に直撃したスネークがハコワレ。

リキッドは東欧に高跳び。スネークはナオミに殺され。
ローズのヘソクリを借用していた雷電は行方不明となる。

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 22:57:01.46 ID:FaZqc7z1O
オタコン「VIPで尖閣諸島デモか……参加しようかな……」

老スネーク「オタコン」

オタコン「わぁ! す、スネーク。いきなり背後から声をかけないでくれよ」

老スネーク「すまん」

オタコン「そういえば君、ナオミに殺されたはずだろ? どうやって生き延びたんだい?」

老スネーク「仮死薬を使った。昔、ある男に貰った奴があってな。
      よほど専門的な検査でもしない限りは死者と区別はつかない。ただ……」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 22:59:23.14 ID:FaZqc7z1O
オタコン「ただ?」

老スネーク「変な夢を見た」

オタコン「君が夢を見るなんて珍しいね」

老スネーク「ああ。夢の中で俺は上半身裸のまま燃えるマングローブの林の中を歩いていたんだ」

オタコン「マングローブは確か川に生える樹木のことだね」

老スネーク「暫く進むと中年の男が俺の目の前に現れた」

オタコン「幼女じゃなくてかい?」

老スネーク「幼女ではない。男は空中に浮いていて透けていた。眼鏡は割れていて血の涙を流していた」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 23:01:08.35 ID:FaZqc7z1O
オタコン「ふーん。で、その男は実はオッサンの皮被った幼女じゃなかったのかい?」

老スネーク「幼女ではない。男はひたすら『悲しい』という言葉を発してときどき俺にかめはめ波を撃ってきたな」

オタコン「男は幼女を撃ってきたんだね?」

老スネーク「いや、幼女は出てこなかった。まあそんな意味のわらかない夢だった。ところでナオミは帰ってきているのか?」

オタコン「いや、帰ってきてない。最近ナオミもよく家を開けるから、普通にいても大丈夫だと思うよ」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 23:04:04.12 ID:FaZqc7z1O
老スネーク「ナオミが家を開ける? そんなに仕事が忙しいのか」

オタコン「みたいだね。最近は夕方に一度帰ってきて夕食を作ってまた出ていってるよ」

老スネーク「そうか……まあ仕事が増えて家に金が入るのはいいことだ」

オタコン「ははは、人間として最低な発言だよね」

老スネーク「お前も言えた義理じゃないけどな」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 23:06:25.70 ID:FaZqc7z1O
ピコーン

オタコン「あ、スカイプにメッセージが……誰だろ」

老スネーク「リキッドだな。あいつも行方をくらましていたのか」

オタコン「そうだよ。君達、あの麻雀のあと1ヶ月も消息を絶っていたから心配したんだよ。主にサニーが」

老スネーク「お前も多少は心配しろ」

オタコン「僕、君とリキッドに生命保険賭けてるからなあ……」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 23:11:46.36 ID:FaZqc7z1O
老リキッド:ナオミは?

オタコン:いないよ。もう帰ってきていいよ

老リキッド:スネークは?

オタコン:さっき戻ってきた

老リキッド:……そろそろ帰る

老スネーク「リキッドの奴、どうやってナオミの手から逃れたんだ?」

オタコン「スネークは空港で捕まったんだっけ」

老スネーク「ああ。セキュリティ・チェックさえ抜ければ機内だったが……」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 23:16:11.35 ID:FaZqc7z1O
オタコン「リキッドはたぶん船を使って国外に出たんだと思うよ。
     ほら、彼の会社にでっかい潜水艦があったよね?」

老スネーク「アウター・ヘイブンか。確かにあの擬態戦艦があればナオミの追跡から逃れられるだろうな」

オタコン「今やリキッドはこの世界の情報管理を一括支配するガンズ・オブ・パトリオットを手中に入れたからね」

老スネーク「情報操作をしてナオミの鬼のような追跡をまくのはお手の物、ということか」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 23:21:09.91 ID:FaZqc7z1O
ピコーン

オタコン「あ、今度は雷電からだ」

老スネーク「俺は途中まで雷電と一緒に逃げていた。だが空港に向かう途中でローズに見つかって、仕方なく囮に……」

オタコン「……最低だね」

老スネーク「使えるものは何でも使う。スニーキングミッションの基本だ」

雷電:

オタコン:雷電? 今どこに?

雷電:

オタコン:ジャック?

雷電:たすけt

オタコン「ん?」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 23:28:23.77 ID:FaZqc7z1O
オタコン:雷電?

雷電:

オタコン:?

老スネーク「おい、どうした!」

オタコン「わからない。あ、ログアウトしちゃった……」

老スネーク「何か事件に巻き込まれているんじゃないか」

オタコン「Toラブル体質だからね、彼って」

老スネーク「発信源をトレースできないのか?」

オタコン「できるけど嫌だよ」

老スネーク「なぜ!?」

オタコン「めんどい」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/19(火) 23:34:16.81 ID:FaZqc7z1O
老スネーク「めんどいって……薄情過ぎるだろう。シャドーモセスでの命の恩人だぞ」

オタコン「そうだけど、僕イケメン嫌いなんだよね」

老スネーク「バカ言え。4ではお前だってリア充扱いになってネラーを敵に回したろう」

オタコン「……わかったよ。ちょっと調べてみる」カタカタ

老スネーク「どうだ?」

オタコン「わかったよ」

老スネーク「あいつは今どこに? 国内か!?」

オタコン「んっと……あ、コンゴ共和国だね」

老スネーク「どこだそこは……」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/20(水) 23:13:29.47 ID:lcwCL1H4O
オタコン「遠いね。それにコンゴ共和国っていっても小さい国じゃないから捜すのは一苦労だよ」

老スネーク「じゃあやめるか」

オタコン「そうだね」

バタンッ

サニー「スネーク!」

老スネーク「サニー……どうした急に抱き着いてきて」

サニー「今まで何処に行ってたの?」

老スネーク「マングローブの林で割れた眼鏡と話してた」

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/20(水) 23:19:57.21 ID:lcwCL1H4O
サニー「し、心配したんだから!
    市役所に頼んで、な、何度も行方不明者の呼び掛けをしてもらったのに……」

オタコン「(あと1ヶ月行方不明だったら死亡届け出せたんだけどなあ)」

老スネーク「すまなかった。心配をかけたな」

サニー「あ、今メリルおばさんとジョニーおじさんが来てるの。二人も心配してた」

老スネーク「ジョニー夫妻か。久しぶりだし顔を合わせておくか」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/20(水) 23:23:10.01 ID:lcwCL1H4O
~リビングルーム~

メリル「スネーク!」

老スネーク「久しぶりだなメリル。相変わらずそうで安心した」

メリル「あなたこそ相変わらずのようね。いつまでもナオミに寄生していないで働いたらどう?」

アキバ「スネーク。俺と一緒にガシャポンのカプセルを詰める内職をしないか?」

老スネーク「断る」

アキバ「何でだよ! 余った景品は全部貰えるんだぜ!」

スネーク「断る」

152: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/20(水) 23:26:15.70 ID:lcwCL1H4O
メリル「何だかリキッドとの因縁が無くなった途端に急に活力が衰えたわよね」

オタコン「その前に人間としての性質が劣化し始めてるよ」

老スネーク「余計なお世話だ」

リキッド「今帰った」

サニー「リキッドおじいちゃん!」

リキッド「…………」

153: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/20(水) 23:31:16.09 ID:lcwCL1H4O
サニー「リキッドおじいちゃん心配したんだよ!?
    スネークもリキッドも何で一言も連絡してくれないの!? わ、私心配してたんだよ!!」

老リキッド「……すまん」ボソッ

メリル「社長」

老リキッド「なんだ」

メリル「例の新CMですが、やはり社長にも出て頂くことになりました」

老リキッド「なぜ俺が出る必要があるんだ。例ね4姉妹アイドルを使えばいいだろう」

メリル「もちろん使います。ただやはりノーベル平和賞受賞者が出た方がインパクトがあると……」

154: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/20(水) 23:42:23.87 ID:lcwCL1H4O
老リキッド「またあのプロデューサが言っているのか」

メリル「はい」

老リキッド「プロデューサを変えろ。もともと俺はあいつは気に食わん」

メリル「しかし彼が担当してから我が社のCM好感度は2年続けてトップです。
    彼と占有契約するのかかった経費を考えると得策ではありません」

老リキッド「ふん。好きにしろ……」

老スネーク「リキッド」

老リキッド「なんだ」

老スネーク「お土産はないのか?」

156: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/20(水) 23:50:43.87 ID:lcwCL1H4O
老リキッド「俺がお前にそんな洒落た物を用意すると思っているのか?」

老スネーク「じゃあその手に持っているリボン付きの箱はなんだ」

老リキッド「これは……」

アキバ「可愛いらしいパッケージだなあ。ひょっとしてサニーに?」

サニー「!」

老リキッド「違う。これはたまたま拾っただけだ。こいつのためではない」

サニー「…………」シュン

160: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/20(水) 23:56:04.80 ID:lcwCL1H4O
オタコン「じゃあ僕にくれよ」

老リキッド「ダメだ」

老スネーク「姑息な奴め。少しは会社の儲けを家庭に還元する気はないのか!」

老リキッド「お前にだけは言われたくない。お前のメタルギアREXの保険金を出しているのは誰だと思っている」

メリル「その箱の中身は?」

老リキッド「知らん。拾ったものだからな」

メリル「開けてみたらどう?」

161: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 00:00:51.89 ID:VAJaIbVrO
<ガサガサ
<オ、ニンギョウ ミタイダナ

  -=≡ /ヽ
 =≡  / | /|
    / ノ / ノ
 -=≡ / | / |
-=  / / / /
 ≡ / / / /
=≡ / | /゛|
 =/~ // /
- /~ // /
=|  |/ |
-|  ヽ ヽ
 >  ) )
=/    /
/    (
|   ∧_∧
ヽ  (;´Д`)
=/  ,_ _ 、ヽ
/ /´/ |ヽ、) )
ヽ ヽ/  | /ii/
 \ ヽ\|/ |i 
()二し二 )―||=)
=≡ | /|\|!
≡ !/ | !!
 ≡ ヽ_ |_ノノ


老スネーク「なんだこれは」

163: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 00:04:28.92 ID:lcwCL1H4O
オタコン「なんていうか……独特な雰囲気を持つフィギュアだね」

アキバ「オタコン。これはフィギュアじゃなくて人形だよ」

メリル「キモい……」

老リキッド「……ッ!!」

老スネーク「なんだハズレか。こんなガラクタじゃ質屋に入れられん」

オタコン「あははは、とんだ物を拾ってきちゃったねリキッド」

老リキッド「…………」

165: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 00:09:22.88 ID:VAJaIbVrO
オタコン「いい感じにお尻が卑 だね」

アキバ「でも箱はプレゼント用にラッピングされてたから誰かへの贈り物だったんじゃないかな」

メリル「こんなの貰ってもドン引きよ。正直に言って買った人間は酷いセンスの持ち主ね」

オタコン「いや、きっとウケ狙いだったんだと思うよ。センスは悪いけどねww」

老リキッド「…………」

老スネーク「リキッド、捨てるぞ」

老リキッド「あ、ああ」

サニー「かわいい」

オタコン「ん?」

167: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 00:15:14.94 ID:VAJaIbVrO
サニー「このお人形は捨てちゃうの?」

老スネーク「ああ。役に立たないものを置いておいても邪魔なだけだからな」

アキバ・メリル・オタコン「…………」

老スネーク「おい、なんだその目は」

サニー「捨てちゃうなら私にちょうだい」

メリル「サニー。こんなお人形でいいの? もっと可愛いやつを今度買いましょうよ」

サニー「ううん。この子がいい」

オタコン「いいじゃなうかメリル。サニーが気に入っているなら彼女に任せよう。リキッドもいいよね?」

老リキッド「好きにしろ」

サニー「わぁ! ありがとうリキッドおじいちゃん。大好き!!」

老リキッド「…………」

168: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 00:20:36.82 ID:VAJaIbVrO
老リキッド「俺は家に戻る」

オタコン「ここが家でしょ?」

老リキッド「違う。離れの家にだ」

サニー「え、行っちゃうの?」

老スネーク「夕食には遅れるなよ」

老リキッド「わかっている……それとメリル」

メリル「はい?」

老リキッド「(CM出演の件。考えてやってもいい)」ボソッ

メリル「!! ありがとうございます!」

170: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 00:28:34.90 ID:VAJaIbVrO
サニー「リキッドおじいちゃん」

老リキッド「……なんだ」

サニー「お人形をありがとう。大切にするね!」

老リキッド「ふん」

ガチャ バタン

サニー「……怒ってるのかな」

メリル「まさか。機嫌は良かったわよ」

アキバ「メリル、あの人のポーカーフェイスがわかるの?」

メリル「3年も秘書やってれば多少はわかるわよ」

老スネーク「なあ。晩飯はまだか?」

オタコン「あ、忘れてた。今日はナオミは帰ってこないよ」

老スネーク・サニー「えっ!?」

173: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 00:33:31.96 ID:VAJaIbVrO
オタコン「また仕事が長引いているみたいだね」

老スネーク「最悪だ。今日は雷電はいないんだぞ。誰が夕食を作るんだ」

メリル「私がやるわよ」

オタコン「君、ガンパウダー以外の調味料って扱えたっけ?」

メリル「失礼ね。私だって目玉焼きぐらいは……」

サニー「目玉焼きは私の担当!」

アキバ「ははは、俺が作るよ。冷蔵庫の中のもの使っていいかい?」

オタコン「もちろん。ご自由にどうぞ」

175: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 00:39:34.92 ID:VAJaIbVrO
~夕食~

老スネーク「ニンジンage」

老リキッド「ニンジンsage」

老スネーク「!?」

老リキッド「ニンジンウマー(゚Д゚)ー」

老スネーク「!!??」

オタコン「流石は主夫。美味しいね」

アキバ「お代わりあるよ!!」

メリル「(何よ。私だってその気になれば……でも美味しい……)」

老スネーク「ピーマンage」

老リキッド「ピーマンsage」

老スネーク「!?」

176: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 00:50:33.28 ID:VAJaIbVrO
アキバ「ああ、そういえば」

オタコン「なんだい」

アキバ「一昨日のことなんだけどナオミと知らない男の人が二人でご飯食べてたよ」

老スネーク「知らない男と?」

アキバ「ああ。髪を小さく束ねた背の高いやつだったな。楽しそうにランチを一緒にしてた」

メリル「やだそれ。浮気?」

オタコン「まさか……」

老スネーク「会社の付き合いか何かじゃないのか」

アキバ「そんな感じには見えなかったけどなあ。あんなに楽しそうに笑っているナオミ初めて見たよ」

オタコン「…………」

179: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 01:01:00.88 ID:VAJaIbVrO
サニー「ナオミお母さんがどうかしたの?」

メリル「なんでもないわサニー。さあ、食べ終わったのなら片付けましょう」

サニー「うん」

オタコン「…………」

老スネーク「気にするなオタコン。あいつは基本的にブラコンだ。
      その兄も今やシャドーモセスのアスファルトにこびりついた存在。
      ただ単に仕事の付き合いだろう」

オタコン「あ、ああ」

181: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 01:07:53.87 ID:VAJaIbVrO
老リキッド「ふん。女の心は風見鶏よりよく回る。
      秋風に吹かれて何処ぞのカラスに悪戯されているんじゃないのか?」

オタコン「そんな!?」

老スネーク「空気読めよ糞グラサン!!」

老リキッド「ナオミがこの家庭に心血を注いでいるのは、ひとえにあの小娘がいるからこそだ。
      もしその変な虫がナオミに何か吹聴したらナオミはもうこの家には帰ってこないかもしれん」

老スネーク「そんな! では俺のタバコ代は? 車のローンは? お小遣は?」

オタコン「か、考え過ぎだよリキッド」

老リキッド「こういうのは現実逃避すると益々タチが悪くなるぞ。疑わしきは調査せよ、だ」

老リキッド「やるぞスネーク。株式会社アウターヘイブンの総力を上げてナオミの素行調査を行う。久々のスニーキングミッションだ」


つづく

216: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 21:45:24.75 ID:VAJaIbVrO
気配は殺すのではなく同化するものである。
そんな言葉を体言するかのように生みだされた技術のひとつがオクトパス・カモフラージュ・スーツ。通称オクトカムだった。

蛸という生物はその時々において色素を含んだ筋肉を収縮させて周囲の色を真似ることがある。
色だけではない。彼等は骨格のない軟体動物特有の強みを活かして岩や海藻、
果ては海底に漂う椰子の実など実に様々な物を真似るのだ。


木を森に隠すことが隠密の玉条ならば、自分自身が木になってしまえばよい。
気殺(ステルス)ではなく擬態(シミュレート)。

蛇は、隠れることをやめた。

217: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 21:49:02.98 ID:VAJaIbVrO
オクトカムスーツ表面に埋め込まれた無数のカメラが周囲の環境を測定することで、
三原色色素細胞が複雑な色彩(パターン)を生み出し、人工筋肉が精巧な質感を造り出す。

肉体から放出される赤外線すら封殺し、名画の油絵の凹凸すら美しく再現するこの環境同調迷彩は
使用者を周囲の眼から欺いて孤独な世界を与えてくれる。

これこそ、数多の単独潜入任務を熟してきた一匹の老蛇がたどり着いた匠たる戦術である。

蛇は、隠れることをやめた。
蛇は、擬態することにしたのである。

218: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 21:51:49.65 ID:VAJaIbVrO
今、老いた蛇―――オールドスネークがアスファルトの上で寝そべっている。

街中の歩道の上にいるようだ。
時刻は昼時。
ビル群から吐き出されたスーツ姿の人々が思い思いの食事処を探して忙しなく動き回っている。

スネークはその空腹の雑踏のど真ん中にいるが、誰ひとりとして彼の存在に気付くことがなかった。
オクトカムがアスファルトの色・質感ともに完全再現しているためだ。

俯せになったスネークの身体の上を人々は何の疑問も持たずに踏み付けて通過していく。

219: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 21:57:27.95 ID:VAJaIbVrO
ショートスカートの女性がスネークの真上を通った。

オクトカムスーツは周囲の景色をリアルタイムで測定し続けている。
当然、露になった彼女の 着を検知したオクトカムはその質感と色彩を再現すべく、しましま模様の水色   をスネークの背中に表出しt 老スネーク「おい」

老リキッド<<―――て、猥褻物を……なんだ>>

老スネーク「五月蝿いんだよさっきから」

老リキッド<<無線でバックアップをして何が悪い>>

老スネーク「黙っていてくれ。任務に集中できない」

220: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 22:04:59.98 ID:VAJaIbVrO
オタコン<<スネーク。状況はどうだい>>

老スネーク「最悪だ。通行人に踏まれまくって腰が痛い。
      無視されながら踏まれることがここまで心に堪えるとは思わなかった」

老リキッド<<今の貴様は人間としての尊厳が限りなく低下しているな>>

オタコン<<もともと、あって無かったようなものだけどね>>

老スネーク「…………」

オタコン<<スネーク。ナオミはどうだい?>>

老スネーク「まだビルから出てこない」

老リキッド「張り込みを始めてから5時間が経過している。そろそろ動きが欲しいな」

221: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 22:08:11.81 ID:VAJaIbVrO
老スネーク「む、ナオミが出てきたぞ!」

老リキッド<<追え! NEATs!!>>

老スネーク「黙れ!」

オタコン<<今は一人のようだね……ご飯を食べにいくのかな>>

老スネーク「頼むから遠出はしないでくれよ……」

223: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 22:16:39.84 ID:VAJaIbVrO
ナオミ「―――――」

老スネーク「歩きながら電話している」

オタコン<<スネーク。独身術は使えるかい?>>

老スネーク「おい、その文字は誤字なんだろうな」

老リキッド<<早くしろ>>

老スネーク「……イ、マ、ド、コ」

オタコン<<今、どこ? ということかな>>

老スネーク「コ、レ、カ、ラ、ア、エ、ル」

老リキッド<<む、待ち合わせか?>>

老スネーク「ハ、ル、エ、ロ、リ、ッ、ヒ」

オタコン<<やめろよ! 昔それでイジメられたんだぞ!!>>

225: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 22:21:50.99 ID:VAJaIbVrO
老スネーク「どうやら近くのレストランで誰かと食事をするつもりのようだな」

オタコン<<食事……>>

老リキッド<<決め付けるにはまだ早いぞエメリッヒ>>

オタコン<<そ、そうだね>>

老スネーク「着いた。随分と小洒落た店だな」

オタコン<<隠れ名店って感じのお店だね>>

老リキッド<<どうする。垣根が高くて外からじゃ見れんぞ>>

老スネーク「中庭があるようだな。そこへ先回りする」

227: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 22:29:32.08 ID:VAJaIbVrO
老スネーク「中庭に潜入した」

オタコン<<先客はまだいない。ナオミひとりのようだね。もう少し近寄れるかいスネーク>>

老スネーク「むぅ……ナオミはカンがいいからな。近付き過ぎて見つかったら一巻の終わりだぞ」

老リキッド<<1ヶ月前に半殺しにされたばかりだ。次に逆鱗に触れたら今度こそ殺されるな>>

オタコン<<頼むよスネーク>>

老スネーク「しかし……む、待てよ。いいものがあった。あれに擬態すれば……!」

228: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 22:34:17.32 ID:VAJaIbVrO
ナオミ「ん?」

ウェイター「お客様。どうかなさいましたか?」

ナオミ「いえ……。あの中庭にある銅像……」

ウェイター「しょ☆んべん小僧ですね。あれがどうかされましたか」

ナオミ「前に来たときはあんなに大きくなかったような気がするんだけど」

ウェイター「気のせいでしょう……私にはいつも通りの大きさに見えますが」

ナオミ「そう……?」

スネーク「(ふははは。我ながらグッドアイディアだ)」

229: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 22:41:34.12 ID:VAJaIbVrO
老リキッド<<銅像に化けるとは随分と大胆なことをするな>>

オタコン<<東欧でも実績があるカモフラージュだよ。効果は保障済みさ>>

老スネーク「む、待ち人が来たようだぞ」

オタコン<<あれは……!!>>

ナオミ「あら、やっときたわね。遅いから先にオーダーしちゃったわよ」

???「シャー」

老リキッド<<ん? あいつは確か……>>

ナオミ「今日も素敵な胸毛ね」

ヴァンプ「シャー」

オタコン<<うそだぁぁあああぁぁああああぁあ゙あぁ゙ぁあ゙あ゙あ゙ぁ゙あ゙!!!!>>

230: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 22:51:37.94 ID:VAJaIbVrO
老スネーク「ヴァンプ!」

老リキッド<<あれ、うちの社員だぞ>>

オタコン<<あのビチクソ野郎ォオオ!!
      俺の妹だけでは飽き足らず嫁にまで手ぇ出すつもりかよぉ゙お゙お゙お゙!!
      ブチ殺してやんよぉおおおおおお!!>>

老スネーク「落ち着けオタコン。お前の妹は今はマンハッタンの藻屑だ」

ナオミ「いつも通りの奴を頼んじゃったけど良かったわよね?」

ヴァンプ「シャー」

オタコン<<うがぁあああああああ! 何故だナオミィイイイ!! 
      僕にはこのお店のことすら教えてくれなかったじゃないかああああああ!!>>

老スネーク「それはお前が引きこもりだからだろう」

231: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 22:58:26.99 ID:VAJaIbVrO
老スネーク「(いかん。尿意をもよおしてきた)」

ナオミ<<なぜなんだぁああああああ!!>>

老リキッド<<落ち着けエメリッヒ! 暴れるな!!>>

老スネーク「(よし、排尿しよう)」

ナオミ「あら、銅像から……」

ヴァンプ「シャー」

ナオミ「ちゃんと水が出るのね。やっぱり私の勘違いだったみたい」

ウェイター「(しょんべん小僧から茶色い水が……中の水道が錆びてるのかな……また掃除しないと)」

234: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 23:03:43.96 ID:VAJaIbVrO
オタコン<<スネーク! あいつを殺してくれ! 今すぐに!>>

老スネーク「馬鹿を言うな。俺が今どんな状態だと思っている」

老リキッド<<スネーク。ことが納まったら一度追跡を止めるぞ。このままじゃエメリッヒが壊れる>>

老スネーク「わかった」

ナオミ「あら、口にソースが付いてるわよ」

ヴァンプ「シャー」

――――――――
―――――
―――

237: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 23:11:32.05 ID:VAJaIbVrO
メリル「――――確定ね」

老スネーク「おいおい。たかが昼飯を一緒に食っただけだろう」

メリル「同僚ならともかく、別の会社の人間とよ?
    しかもカップルとしか行かないようなお店で二人きりで食事なんて」

老リキッド「ナオミは今夜の帰りも遅いようだな」

アキバ「みんな、チャーハンできたよ!」

メリル「オタコンは?」

老スネーク「御坂ミコトの抱き枕を与えた。暫くの間は部屋で大人しくしているだろう」

238: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 23:18:01.29 ID:VAJaIbVrO
メリル「じゃあ逆に尋ねるけど。浮気の境界線ってどこから?」

老リキッド「ベットイン」

老スネーク「xxx」

アキバ「愛の炎が揺れたら……かな」キリッ

メリル「  関係を持つまでならセーフってわけ?
    何にもわかってないわね。男はみーんな自分勝手。エゴイストよ!!」

アキバ「メリル。僕は君に永遠の愛を誓っているよ!!」

老リキッド「俺達の判断というより、肝心のナオミの伴侶が既に自己完結してしまっているからな」

老スネーク「オタコンは思い込みが激しい。一度方向を決めると転ぶまで止まらないぞ」

240: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 23:25:02.19 ID:VAJaIbVrO
メリル「こういうのはコソコソと嗅ぎ回らずに堂々と腹を割った話し合いをすべきよ」

老スネーク「おいおい。お前の言えた台詞かそれは」

メリル「どういう意味よ」

老スネーク「大佐との因縁があったろう。いつまでも遠回りをしていた人間が、腹を割って―――などと言えた義理か?」

メリル「五月蝿いわね。過去から得た教訓っていうのも世の中にはあるのよ」

アキバ「結婚の挨拶をしに行ったらキャンベルお父様に殴られたよ……痛かったなあ……ははは」

老リキッド「だがナオミも華奢な身体に似合わず江戸前な気質がある。案外、その考えはうまくいくかもしれんな」

241: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 23:34:34.00 ID:VAJaIbVrO
老スネーク「じゃあ直談判するか?」

メリル「オタコンが拒否するでしょうね」

老リキッド「ラチがあかん。メリル、ヴァンプは既婚者か?」

メリル「過去に彼氏と彼女が1人ずついたようですが、どちらもマンハッタンの海に沈んでいます」

老スネーク「いっそのこと一騎打ちでもさせるか」

アキバ「勝ったほうがナオミをものにできるって? オタコンが戦えるわけないよ」

オタコン「いや、闘ろう」

一同「!!」

オタコン「僕は闘う。勝ってナオミの心を取り戻す」

メリル「オタコン、無理よ。腐れ引きこもり貧弱ニートである貴方が、あの胸毛わっさーに勝てるわけがない」

老スネーク「また泣かされるだけだぞ」

オタコン「男には退けないときもある。僕はあいつと闘う。
     もう泣くこともない……涙は既に―――」


オタコン「―――枯れている」

243: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 23:43:09.04 ID:VAJaIbVrO
・数日後
~休日の公園~

ナオミ「どうしたのスネーク。こんなところに呼び出して」

老スネーク「お前に見せたいものがある」

アキバ「ナオミに今からここで起こることを見届けて欲しいんだ」

ナオミ「ジョニー……それにメリルやリキッドも。みんなしてどうしたの?」

オタコン「僕が頼んだんだ」

ナオミ「ハル……?」

オタコン「ナオミ……君が僕から離れていく理由はよくわかる。
     僕は見ての通りオタクだし口下手だし社交的じゃない」

ナオミ「ハル。何を言ってr オタコン「黙って聴いていてくれ!!」

245: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 23:50:04.30 ID:VAJaIbVrO
ナオミ「…………」

オタコン「感情の表現が下手な僕だけど、これだけは言える! 君を愛していると!」

ナオミ「……!!」

オタコン「君はかつての白血病の後遺症でで子供が産めない身体だ。
     僕は自分の子供をこの手に抱くことができず、
     君は自分の子供のためにお腹を痛めることが許されない」

ナオミ「…………」

オタコン「でも僕たちにはサニーがいる! サニーは僕たちの太陽。
     例え血が繋がっていなくても自慢の娘だ!」

ナオミ「ハル……」

246: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/21(木) 23:56:46.03 ID:VAJaIbVrO
オタコン「僕はうまくサニーと接することができないけど、彼女の側にいることはできる」

オタコン「ナオミ。サニーは僕たちの愛の結晶だ。この結晶はまだとても小さくて脆い……いつ壊れてもおかしくない」

老スネーク「(!! 来たな……)」

オタコン「この結晶がいつか大きな宝石になるまで、
     僕たちは互いにあの子を支えなきゃいけないんだ。
     だから―――――」

ナオミ「……えっ?」


オタコン「―――――三人の道を邪魔する奴は許さない」


オタコン「そうだろう? 吸血鬼」


ヴァンプ「…………」

247: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 00:02:42.41 ID:xtQlFGHSO
ナオミ「ハル、どういうこと!? なんであの人がここに……スネーク!?」

老スネーク「ナオミ。手出しは無用だ。この闘いをしっかり見届けてくれ」

ナオミ「闘いって……何を言っているの!? 何をするつもりなのよ!!」

オタコン「ヴァンプ! 決着のときだ! 今日、ここで、お前を倒す!!」

ヴァンプ「シャー……」ニヤリ

アキバ「うわっ。あの胸毛すごい筋肉だ……」

メリル「向こうは殺る気満々ね。でもオタコンの秘策って何かしら?」

老リキッド「さあな。この数日間、どこかに出かけていたようだが……どちらにせよ勝算なしで勝負を仕掛ける男ではない」

249: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 00:13:13.96 ID:xtQlFGHSO
オタコン「(そうさ! 僕は銃も握れなければナイフだって扱えない。
     僕はスネークにはなれないし、リキッドにもなれない。
     だけど僕には皆が真似できないスキルを1つだけ持っている!)」

オタコン「僕はオタクだ! オタクは科学の申し子。
     電子の力で岩を砕く! 十日十晩、寝ずに完成した僕の力を見るがいい!!」

老スネーク「そうか! オタコンは腐っても科学者。かつてはあのメタルギアREXを開発した大天才だ!」

アキバ「なるほど、単純な力だけでなく科学の力を使えばあのヴァンプにも勝てるかもしれない!
    文字通り頭脳を武器にしたんだな!」

メリル「オタコンの眼が強い確信に満ち満ちている……いったいどんな手を用意したというの!?」

ヴァンプ「し、シャー……」


オタコン「覚悟しろ吸血鬼! これが僕の勝利の切り札。目覚めよっっ――――」


オタコン「人型汎用決戦兵器―――――ライ=DEN!!!」





雷電「ウィーン ガシャン」

254: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 00:25:38.05 ID:xtQlFGHSO
ナオミ「ジャック!?」

老スネーク「ら、雷電!? どうしたんだ! コンゴ共和国にいたんじゃ……」

オタコン「彼は雷電じゃない。雷電はコンゴ共和国のジャングルで数多の危機を全裸で乗り越え、
     最終的に人食い族に捕まってバラバラにされた。
     今の彼はかつてのジャックのパーツを拾い集めて完成された全天候対応スーパー人型戦闘兵器ライ=DENだ!」


雷電「ウィ ウィーン」


メリル「口から煙が出てる……」

アキバ「両腕にドリルが付いてる! か、カッコイイ!!」

リキッド「(腹についてるあのマークは……まさか原子力で動いているのか?)」

オタコン「さあ、行け! ライ=DEN! お前の力を僕に見せてくれ!」


雷電「ウィ ウィ ウィーン」

ヴァンプ「ッ……シャー!!」


果たしてライ=DENはヴァンプに勝てるのか!?
次号につづく!!

300: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 19:09:57.91 ID:xtQlFGHSO
アキバ「行け! 雷電! マイクロミサイルだ!」

雷電「ボシュシュシュシュ」

ドゴゴゴ!!

ヴァンプ「シャー!!」

キーン! ガキーン!

オタコン「火炎放射だライ=DEN!」

雷電「アババババハバ」

ボォオオオオオ

301: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 19:12:50.21 ID:xtQlFGHSO
メリル「お願い! もうやめて!!」」

メリル「流石に不死身なだけあるわね。手強いわ……」

ヴァンプ「シャーォ!!」

雷電「ハカイシマス ハカイシマス」

老スネーク「そういえばオタコン

オタコン「なんだい? 今PS3のコントローラの調子が……」

老スネーク「今の雷電に自我はあるのか?」

オタコン「ないよ。兵器に心は不要だろ?」

老リキッド「身も蓋もないな……」

304: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 19:14:46.65 ID:xtQlFGHSO
雷電「ターゲット ホソク シマシタ」

アキバ「なんだ!? ら、雷電の両目が光始めてる……」

ヴァンプ「シャー!?」

雷電「ハッシャ シマス」

キュイイイイイイイイン!!

老スネーク「自由電子レーザーか!!」

老リキッド「酷い絵づらだな」

メリル「カッコイイ……」

アキバ「!?」

305: >301ミス。冒頭ナオミの台詞です ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 19:19:04.07 ID:xtQlFGHSO
バキーン!!

ヴァンプ「シャー!?」

アキバ「ヴァンプの●●ナイフが折れたぞ!」

オタコン「よし。行け、ライ=DEN!! 接近するんだ!」

メリル「接近してどうするの? ヴァンプは不死身なのよ。あいつの能力を何とかしないと……」

オタコン「その辺りの対策に抜かりはないよ。ライ=DEN、例のものを奴に撃て!」

雷電「ウィーン」

老リキッド「(●●からMk.2ピストルが……)」

バン! グサッ!

307: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 19:22:24.16 ID:xtQlFGHSO
ヴァンプ「シャ!?」

メリル「あれは注射器……ヴァンプに何を打ち込んだの?」

ナオミ「注射……まさか……!」

オタコン「ふふふ。不死身と言ってもヴァンプだって神じゃあない。
     銀の弾丸を喰らえば吸血鬼が死ぬように、
     ヴァンプの体の傷を修復するシステムを破壊してしまえばいい……内側からね」

ヴァンプ「し……シャー……」

老スネーク「おお。効いてるみたいだぞ。動きが鈍くなっている」

老リキッド「何の薬品を注入したんだ?」

オタコン「えっと……何だっけ……確か、何とか還元水とかそんな奴だった気がする」

309: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 19:28:23.95 ID:xtQlFGHSO
ナオミ「ヴァンプ!」

オタコン「ナオミ。手出しは無用だ。あいつを倒して君を再び僕の手に取り戻す!」

ナオミ「ハル……あなた何を言っ オタコン「ライ=DEN。とどめを刺すんだ!!」

雷電「ウィーン」

ヴァンプ「し……しゃー」

アキバ「ついに決着だ!!ヒャホォオオ!!」

メリル「アキバ。興奮して抱き着かないで……」

310: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 19:33:07.09 ID:xtQlFGHSO
オタコン「ハッハッハッ! 勝った! 科学の勝利だ! やはり雷電の身体をベースにしたのは間違いなかったんだ!
    ちょっと抵抗されて意識を支配するのに苦労したけど、やはり三代目サイボーグ忍者の能力はダテじゃない!」

ナオミ「ジャック。お願い。もう止めて!」

雷電「」ピタッ

老スネーク「ん?」

老リキッド「雷電の動きが止まったぞ」

ヴァンプ「…………」

雷電「…………」

オタコン「あれ? コントローラの電源が切れたかな……?」

311: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 19:45:30.99 ID:xtQlFGHSO
雷電「…………」

アキバ「あれ、なんか雷電の様子が……」

老スネーク「ロードローラを構えたまま震えているぞ」

雷電「」プルプル

メリル「なんか泣いてるように見えるけど」

オタコン「まさか。気のせいだよ」

ナオミ「ジャックの意識はあるのよ! お願いハル。あなた誤解している! すぐにこの闘いを止めて!」

オタコン「馬鹿な!? マインドコントロールは完璧なはずだ。
     ちゃんとガスマスクのキモ面に高い金を積んでサイコセラピーを……」

雷電「タ タスケテ タスケテ」

老リキッド「おい、なんか助けてとか言いながら胸の赤いスイッチ押そうとしてるぞ」

オタコン「やばっ。それ自爆ボタン……」

一同「!!??」

315: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 19:55:55.48 ID:xtQlFGHSO
老スネーク「おいいいいいいいい! お約束過ぎるだろおおおお! ふざけんなこの糞メガネ!」

オタコン「い、いや……万一あいつに負けたことを想定して、せめて自爆して刺し違えようと……」

メリル「ギャラリーのことを考えなさいよ! ギャラリーを!!」

アキバ「メリル! 俺のギアスで雷電を……!!」

老リキッド「ロボットに催眠術が効くとは思えんが」

雷電「ラクニ ナリタイ オレヲ カイホウ シテクレ」

老スネーク「ヤバイヤバイヤバイ。おかしな発言をし始めてる」

ナオミ「ハル! ジャックを止めて!」

オタコン「嫌だよ! 爆発に巻き込まれたらどうするんだよ!!」

318: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 20:04:52.29 ID:xtQlFGHSO
雷電「ヒカリ ガ ミエル…」

老スネーク「見えてない! 見えてない!」

アキバ「ライデェェェン!! カムバァアアアアック!!」

ヴァンプ「シャー!」

メリル「嫌ぁああ! まだ死ぬのは御免よ!!」

老リキッド「チッ。こうなったら……喰らえ、ガンズ・オブ・ザ・パトリオットッ!!!」ズキュウウウウン

雷電「オレ ハ カミナリ オレ ハ カミナリ」

老リキッド「ん!?」

オタコン「リキッド。ライ=DENはナノマシンを使ってないんだ! 感情攻撃は効かない!」

老スネーク・メリル「うブっ。気持ち悪っ……お゙ぇ゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!」

ナオミ「みんな! 落ち着いて!」

320: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 20:16:25.67 ID:xtQlFGHSO
雷電「マモナク ジバク シマス マモナク ジバク シマス」ミーン ミーン

老スネーク「うっ!? このアナウンスは自爆月光の!?」

オタコン「懐かしいだろ?」

カウントダウン スタート

老リキッド「終わった……」

ゴー

老スネーク「アッキーナのxxxを見たかった……」

ヨン


321: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 20:19:34.14 ID:xtQlFGHSO
アキバ「メリルッ。愛している!」

サン

メリル「ごめんアキバ! あんたが大切にしていた限定フィギュアを壊したの実は私なの!!」

ニー

アキバ「え゙っ!! マジッ!?」

イチ

ナオミ「サニー……」

ゼロ

雷電「キュイイイイイイイイン」


スパンッ!!

雷電「!!」


雷∥電「」


雷  シュパァ  電

323: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 20:26:54.51 ID:xtQlFGHSO
メリル「えっ……?」

老スネーク「ら、雷電が……」

老リキッド「真っ二つだと……」

雷   電 プシュー

アキバ「凄い。見事に両断されてる。オタコン、君が?」

オタコン「まさか。刃物を趣味にした覚えはないよ」

???「まったく。久しぶりに家に帰れば直ぐにこれだ。
    どうやら我が家の人間は生れつき全員トラブル体質らしい」

老スネーク「お前は……!!」

ナオミ「ソリダス!! 帰ってきていたの!?」

ソリダス「うむ。国会の予算編成も一段落したからな……たまには家庭の空気も恋しくなる」

324: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 20:32:52.09 ID:xtQlFGHSO
老リキッド「ソリダス。一国の首相が何しに戻ってきた」

ソリダス「兄さん。私は政治家である前に貴方の弟だ。帰省することに理由がいりますか?」

老スネーク「ソリダス! 金を寄越せ!」

ソリダス「久しぶりに再開した兄にいきなり無心をするものじゃないスネーク。見ないうちにまた老けたな」

アキバ「ソリダス……あんたが雷電を?」

ソリダス「そうだ。暫く様子を見ていたがそろそろ怪我人が出そうだったからな」

325: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 20:35:58.64 ID:xtQlFGHSO
老スネーク「そうか、ソリダスが自爆装置をピンポイントで破壊してくれたということか」

ナオミ「そうだわ。雷電は大丈夫なの!?」

メリル「見事に半分にわかれてるわね」

オタコン「心配ないよ。後でアロンアルファかボンドでくっつけておくから。それより……」

ヴァンプ「シャー」

オタコン「ヴァンプ!!」

329: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 20:45:38.25 ID:xtQlFGHSO
ナオミ「待ってハル! 貴方は誤解しているの!」

オタコン「何が誤解だって言うんだい!? 君があの胸毛に熱を上げているのは知っているんだ!」

ナオミ「違うわ! ヴァンプは……彼はそういうのじゃないの! 私が貴方を裏切るわけないじゃない!」

オタコン「そういうのじゃないなら、何で二人きりで……おい、ヴァンプ動くな!」

ナオミ「落ち着いてハル。説明をさせて。彼はサニーの――――――」

サニー「あー! 先生だあ。それに皆もいる……こんなところで何してるの?」

オタコン「サニー!? どうしてここに……いや、それより今なんて……?」

ナオミ「あのねハル。ヴァンプはサニーの学校の担任の先生なのよ」

オタコン「へ?」

サニー「ヴァンプ先生。なんで裸なの? 風邪ひくよ?」

ヴァンプ「シャー」

332: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 20:53:09.07 ID:xtQlFGHSO
老スネーク「ヴァンプが小学校の教師?」

メリル「校舎に入った瞬間に通報されそうな顔してるのに……」

リキッド「ああ。そういえば小娘はうちで経営している学校に通っていたな」

アキバ「そういうことはもっと早くに言ってくれよ!」

オタコン「で、でも何でサニーの担任がナオミと……」

ナオミ「ヴァンプはサニーの進学相談に乗ってくれていたの。大学への飛び級の件でいろいろと教えてくれたのよ」

ヴァンプ「シャー」

335: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 20:57:50.12 ID:xtQlFGHSO
オタコン「だ、だからっていくらなんでも僕に秘密で二人でそんなことを……」

ナオミ「いつも話そうとしたわよ。でもあなたいつも私が出社したあとに起きるし、
    私が帰ってくるころには部屋に引き込もって二人だけの時間を作ろうとしてくれなかった!」

オタコン「…………」

老リキッド「完全に自業自得だな」

老スネーク「流石ネオニート。トラブルの種を自分でまいて自分で育てたか」

337: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 21:04:41.07 ID:xtQlFGHSO
ソリダス「そういうことだ。オタコン、気はすんだか?」

オタコン「ナオミ……すまなかった……」

ナオミ「いいのよハル。正直に言うと私も少しだけ浮かれていた部分もあった。これからはちゃんと相談する」

オタコン「……うん。僕も少し自分の趣味を自重するよ」

ナオミ「ハル……ありがとう。でもヴァンプに闘いを挑む時の貴方、少しかっこ良かったわ」

オタコン「ナオミ……」

ナオミ「ハル……」

ギュッ

メリル「(いいなあ)」

アキバ「(ホントだよ。飛び級なんてサニーは凄いなあ)」

メリル「…………」ボカッ

アキバ「痛ッ!?」

338: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 21:12:37.51 ID:xtQlFGHSO
老スネーク「しかし、ヴァンプは事情を知る側だ。なぜ勝負を引き受けたんだ?」

ヴァンプ「シャー」

老リキッド「単純に男の決闘だと思って受けたらしい」

アキバ「なーんだ。じゃあ完全にオタコンの空回りか!」

メリル「もう、人騒がせね」

オタコン「みんな。すまなかった」

ナオミ「私からも謝るわ」

サニー「……めでたしめでたし?」

ソリダス「うむ」

343: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 21:30:33.07 ID:xtQlFGHSO
三ヶ月後……


ナオミ「サニー! そこのお皿を取ってくれる?」

サニー「はーい」

ジョニー「チャーハンできたよ!」

メリル「言われた食材買ってきたわよ」

ナオミ「ありがとうメリル」

雷電「チーン」

ナオミ「あ、メリル。電子レンジから鍋を出してくれるかしら?」

メリル「OK」

雷電「アツク ナッテイマス キオツケテ クダサイ」

メリル「新しい電子レンジ買ったんだ」

ナオミ「ええ。ハルが仲直りの印にって」

345: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 21:36:04.99 ID:xtQlFGHSO
メリル「あの公園での一件以来、随分とこの家も落ち着いたわね」

ナオミ「ええ。スネークもリキッドも相変わらずだけど」

メリル「でもオタコンは変わった?」

ナオミ「少しだけ、ね。ふふふ」

ピンポーン

雷電「オキャクサマ ガ イラッシャイマシタ」

ナオミ「あら宅急便みたいね」

配達員「ちわっす。ハル・エメリッヒ様宛てにお届けものっす」

ナオミ「ありがとう。パソコン部品……?」

349: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 21:43:14.05 ID:xtQlFGHSO
アキバ「メリル、誰だったんだい?」

ナオミ「宅急便よ。ハル宛てにパソコン部品だって」

メリル「怪しい」

ナオミ「え?」

メリル「怪しいわ。中身を見ましょう」

ナオミ「そんな、いくら家族でもそれはダメよ」

メリル「いーえ絶対に見るべき。この届け表をよく見て。
    オタコンがパソコンのパーツを買った会社の名前の部分」

ナオミ「株式会社……二次元こんにゃく……?」

アキバ「あ、xxxxxの会社じゃんそれ。俺もよくお世話になってるよ」

354: ◆YBHc2TZhTg 2010/10/22(金) 21:52:36.34 ID:xtQlFGHSO
アケテミロヨ
ガサガサ

アキバ「おお……これはなかなか立派な」

メリル「アキバ。家に帰ったらわかってんでしょうね」

アキバ「ヒィッ」

ナオミ「xxxxx………」

アキバ「せ、説明書に何か書いてあるよ」

~妻との夜の営みに飽きたら青春   !
 10代女子の蜜壷を再現したこのナイスアイテムで持て余した 欲を吐きだそう!~

メリル「これは酷い」

ナオミ「」

アキバ「め、メリル?」

ナオミ「……あんの腐れニート! 私に浮気だ何だとか言っておきながら
    自分はゴムの塊で 欲解消かよおおお!!」

オタコン「ただいま~。僕宛てにパソコン部品届いてない?」