1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 10:10:44.32 ID:4YfJRsxV0
俺 「何これ? 地面に穴があいてる」

俺 「真っ暗だ、底も内壁も見えない」

俺 「直径1mってところかな? まん丸だ」

俺 「石を落としてみよう」

石 「ヒュウウウウウウゥゥゥゥ・・・…」

俺 「底なしだ、何なんだこの穴は?」

引用元: 俺「妹が道草?」 



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 10:11:13.20 ID:4YfJRsxV0


扉 「トントン」

兄 「お久しぶり」

俺 「あ、御兄(義兄)さん」


俺 「御兄さんが来るなんで珍しい、どうしました?」

兄 「可愛い妹が、意地悪な俺君(義弟)に苛められていないか調べに来た」

俺 「えっ?」

兄 「なんてな、冗談だよ」アッハッハ

俺 「悪い冗談はやめて下さい」

兄 「わりぃな」

俺 「・・・・・(その目付き、冗談に見えませんが)」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 10:17:19.76 ID:4YfJRsxV0
兄 「実は相談に来た」

俺 「『穴』の件ですね?」

兄 「うん、俺君の話を聞きたくてね」


俺 「街中が穴だらけですからね」

兄 「何百何千も発生報告があって対応しきれないよ」

俺 「うちの大学でも調査中だけど、まるで分かりません」

兄 「そうか」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 10:25:26.62 ID:4YfJRsxV0
俺 「穴の深さは不明。ケーブル垂らしてもレーダー使っても駄目」

俺 「いつ出来るかも不明。高速カメラで見てもコマとコマの間の一瞬で出来てしまう」

俺 「原因不明。時計を紐で下ろすと引き上げたときには時刻が狂ってる」

俺 「何もかも不明。まったくのお手上げですよ」


兄 「そうか」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 10:35:19.23 ID:4YfJRsxV0
扉 「バタン」

妹 「ただいまー」

俺 「お帰りー」

兄 「よっ!」


妹 「あれ? アニキ来てたんだ」

兄 「たまには妹のご飯食べてみたいと思ってな」

妹 「本当? じゃあ張り切ってご飯つくるね~♪」

俺 「(兄妹仲良いなあ)」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 10:45:46.90 ID:4YfJRsxV0
兄携帯 「ピロロロ」

兄 「はいもしもし・・・・・えッ!」

俺 「どうしました?」

兄 「太平洋にも穴があいたそうだ。申し訳ないが役所にもどる」

俺 「わかりました、あまり無理しないでください」

兄 「何か分かったらよろしく」バタン



妹 「あれ、アニキは?」

俺 「急用で戻った」

妹 「あれまあ」

俺 「御兄さんも忙しそうだね、大丈夫かな」

妹 「大丈夫でしょ、私のアニキだもん」

俺 「・・・・・・そうか(絶対的に信頼してるんだな)」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 10:56:28.87 ID:4YfJRsxV0
後日

妹 「また穴あいた」

俺 「あーあ、こんな所にまで穴が」

妹 「どうしよう」

俺 「誰かが落ちたらいけないから、古家具でも置いて塞いでおこう」

妹 「うん」


俺 「よいしょっと、ソファー案外重いな」

妹 「ふう」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 11:05:55.69 ID:4YfJRsxV0
俺 「しかしおかしな風景だな」

妹 「街中が古家具だらけになっちゃったね」

俺 「穴塞ぎ用の鉄板が払底したから仕方ないよ」


妹 「あっ! パトカーが来た」

パ 「ピーポーピーポー ヒュウゥゥゥ」

妹 「あ、パトカーが落ちた」

俺 「また穴が出来たか!」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 11:16:30.21 ID:4YfJRsxV0
俺 「あっ風っ!」

風 「ヒュウーゥゥ」

妹 「帽子飛んでった~っ」マテーッ! スタッタッタ

俺 「おい、そっちは穴!」

妹 「キャーッ!」

俺 「ウワァーッ」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 11:21:02.82 ID:4YfJRsxV0


ドスン

俺 「痛てて」

妹 「うーん」

俺 「穴に落ちたが・・・・元の世界かな?」


俺 「大丈夫か?」

妹 「たんこぶ出来た」

俺 「落ちたのがベットの上で助かったな」

妹 「うん」


俺 「とりあえず家に帰ろう」

妹 「うん」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 11:29:34.85 ID:4YfJRsxV0
妹 「あっ!」

俺 「んっ、どした?」

妹 「花瓶の花が枯れてる」

俺 「枯れてる? 今朝生けたばかりじゃないか」

妹 「でも枯れてるよ。水も蒸発しきってる」



俺 「冷蔵庫はどうなってる?」

妹 「うーん、ちょっと待って」ゴソゴソ

俺 「どうだ?」

妹 「全部痛んでる、駄目みたい」

俺 「ということは、少し未来に飛んだのか」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 11:44:00.88 ID:4YfJRsxV0
妹 「冷蔵庫の中がこれじゃ、ごはん作れないよ」

俺 「外で食うしかないな。牛丼屋に行こう」

妹 「わーい」


俺 「たかが牛丼屋で何喜んでんだよ」

妹 「久しぶりだから」

俺 「珍しい店じゃないだろ」

妹 「だって女の子だけじゃ入り辛いもん」

俺 「なるほど」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 11:52:46.70 ID:4YfJRsxV0
妹 「牛皿定食ウマー」モグモグ

俺 「ここさ、玉葱が良いんだよな」ムシャムシャ

妹 「うん」

俺 「いい感じに甘みがあってさ」ムシャムシャ

妹 「うん」モグモグ


俺 「はいお茶」コンッ

妹 「ありがとー」

俺・妹 「ズズッ」


俺 「旨かったな」

妹 「久々に堪能しました♪」

俺 「じゃ、帰るか」

妹 「うん」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 12:00:45.99 ID:4YfJRsxV0
しばらく後

妹 「気分悪い」

俺 「どうした・・・・・って顔真っ青じゃないか」

妹 「うーん」グッタリ

俺 「おい、しっかりしろ」

妹 「・・・・・・」


俺 「どうしよう」

俺 「救急車に連絡しなきゃ!」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 12:09:14.73 ID:4YfJRsxV0
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俺 「お医者さん、妹は大丈夫ですか?」

医 「ええ、点滴終わる頃には元気になるわ」

俺 「何なんでしょう?」

医 「玉ねぎ病ですね。たぶん牛丼の玉ねぎにあたったんでしょう」

俺 「玉ねぎ病?」

医 「はい。玉ねぎを食べると毒にあたる病気です」

俺 「はぁ(玉ねぎが毒? よくわからん)」

医 「食事に気をつけてください。あと発作を起こしても驚かないでください」

俺 「はぁ、発作ですか」

医 「ええ。おかしな行動したら発作ですから、すぐに処置してください」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 12:17:37.23 ID:4YfJRsxV0
医 「処方箋出すので薬局で受け取ってください」

俺 「はい」

医 「一週間程度で治りますが、その間に発作が起きたら装着してください」

俺 「装着?」

医 「はい」



俺 「どう? 元気になった?」

妹 「うん」

俺 「医さんは治るまで一週間程度とか言ってたが、もうすっかり元気じゃないか」

妹 「うん、医さんも大丈夫って言ってた」

俺 「そうか」

妹 「でも一週間は玉ねぎ食べちゃ駄目だって」

俺 「良くわからない病気だな」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 12:26:08.38 ID:4YfJRsxV0
俺 「とりあえず薬局寄ってから家に帰ろう」

妹 「うん」


俺 「薬局行ったが・・・・・何だこれ?」

妹 「なんだか大きな袋を貰っちゃったね」

俺 「ほんとに大きいよな」

妹 「いま開けてみよっか」

俺 「家に着いてからで良いんじゃないか?」

妹 「そうね」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 12:38:29.74 ID:4YfJRsxV0
俺 「御飯、途中でスーパーに寄って買おうか」

妹 「うん」


俺 「何食う?」

妹 「お魚ーっ」

俺 「おやっ? お前魚嫌いじゃなかったのか?」

妹 「お魚がいいのっ!」


俺 「で、どれにする?」

妹 「サンマにマグロに、アジに・・・・・・」ジュルリッ

俺 「やっぱし変だぞ」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 12:46:23.32 ID:4YfJRsxV0


俺 「おやすみー」

妹 「おやすみなさーい」



妹 「俺君・・・・・」

俺 「どうした?」

妹 「寒いよ」

俺 「今日は確かに冷えるな」

妹 「そっちの部屋行くね」

俺 「えっ?」

妹 「ゴソゴソッ」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 12:54:17.10 ID:4YfJRsxV0
俺 「俺の布団に入るのかよ」

妹 「だって寒いんだもん」ゴソゴソ

俺 「あのなあ、俺も一応男なんだぞ(汗;)」

妹 「うふふふ、あったかーい」ヌクヌク

俺 「あ、あのなあ」ドキドキ

妹 「おやすみー」

俺 「おい、人の話を聞け・・・・・って寝ちまったか」

妹 「スゥスゥ zzz」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 13:01:10.50 ID:4YfJRsxV0
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妹 「朝だよ、起きろーっ!」

俺 「まだ眠いよ、休日だし寝坊しても良いじゃん」

妹 「起きろー」バリバリ

俺 「イテテ 引っ掻かないで」



俺 「おまえそんなに乱暴だったか? ・・・・って何だそれは?」

妹 「なぁに?」

俺 「尻尾生えてるぞ」

妹 「あ、ほんとだ」

俺 「本物かな」ポフッ

妹 「いやん、くすぐったい」

俺 「本物の尻尾かな?」

妹 「本物みたい、自分で動かせるし」パタパタ

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 13:11:01.68 ID:4YfJRsxV0
妹 「バリバリ」

俺 「おい、壁引っ掻くな」

妹 「はっ! 無意識についつい・・・・」

俺 「何やってんだ」

妹 「いや、なんと言うか、その、いい壁だなーって思って・・・・気がついたら引っ掻いてた」

俺 「壁ぼろぼろじゃないか」

妹 「ごめんなさい」

俺 「おまえおかしいぞ」



妹 「ごめんなさい。なんでやったか自分でも分からないの・・・」

俺 「これが発作かな?」

妹 「かなぁ?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 13:18:33.59 ID:4YfJRsxV0
俺 「とりあえず薬局でもらった袋をあけよう」

妹 「何これ?」

俺 「んっ、猫耳カチューシャと肉球手袋??」

妹 「薬じゃないのね」

俺 「試してみるか」

妹 「うん」

俺 「装着するから、じっとしててな」

妹 「うん」

 ゴソゴソ カチッ

妹 「どうかな?」

俺 「似合うよ」

妹 「えへっ♪」

俺 「・・・・・・(しかしこんなので効くのだろうか)」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 13:25:40.78 ID:4YfJRsxV0

俺 「朝ごはんにするか」

妹 「うん、これ食べよ」

俺 「シリアルなんて久しぶりだな」パクッ

妹 「うん」カリカリ


俺 「オエーッ なんだこりゃ」ペッペッ

妹 「おいしいよ」カリカリ

俺 「ちょっと箱見せて」

妹 「はい」

俺 「これ、キャットフードじゃないか」

妹 「あっ! ほんとだ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 13:31:34.36 ID:4YfJRsxV0
妹 「ご飯食べたら眠くなった」ゴロン


俺 「おーいっ」

妹 「なーに?」

俺 「なぜ俺の膝を枕にする?」

妹 「あったかいから」

俺 「あのねぇ」


妹 「俺君の膝、ちょっとごつごつしてるね」

俺 「そうかい」

妹 「でも気持ちいい ニコッ♪」

俺 「ドキッ」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 13:39:51.34 ID:4YfJRsxV0
俺 「(あれっ、なんか可愛い)」

俺 「(なんかこう、頭ナデナデしたくなってきた)」

俺 「(俺も頭おかしくなったか?)」

俺 「(どうしよう)」



俺 「あ・・・あの、妹さ」

妹 「なあに?」

俺 「頭なでていい?」

妹 「撫でてくれるのっ!」パァーッ

俺 「ああ」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 13:47:44.41 ID:4YfJRsxV0
俺 「ナデナデ」

妹 「・・・ひゃっ」

俺 「ごめん、痛かった?」

妹 「フミャーン」

俺 「止めようか」

妹 「止めないで」

俺 「気持ち良いのか」

妹 「うん」ゴロゴロ


妹 「もっと撫でて」

俺 「うん」ナデナデ

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 13:55:37.73 ID:4YfJRsxV0
俺 「(実は甘えんぼだったとは)」モフッ

俺 「(でもこんなに可愛かったっけ)」モフモフ

俺 「(なんだろう、俺まで癒される)」モフモフモフ

俺 「(ずっとこうしていたい)」


妹 「スゥスゥ zzz」

俺 「寝てしまったか」


俺 「俺も眠くなってきた」

俺 「zzz」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 14:01:08.36 ID:4YfJRsxV0
俺 「うーん、よく寝た」

妹 「おはよー。お昼だけど(笑)」

俺 「こんなに快眠したのは久々だ」

妹 「わたしもーっ」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 14:07:58.70 ID:4YfJRsxV0
妹 「お外で遊んでくる」

俺 「『お外』って子供みたいだなぁ(笑)」

妹 「行ってきまーす」バタン

俺 「・・・・・・」



俺 「(発作中に出て行ってしまった)」

俺 「(穴に落ちたりしないかな)」

俺 「(心配になってきた、妹を探しに行こう)」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 14:14:43.51 ID:4YfJRsxV0
俺 「あれ? 何うずくまってんだ」

俺 「なんだ、地面で寝てるだけか」ホッ

俺 「なんだろう、風が優しい」

俺 「まるで風が撫でているようだ」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 14:22:31.28 ID:4YfJRsxV0
俺 「おーい」

妹 「ふみゃ~ん」

俺 「夕方だし、家に戻ろう」

妹 「うん」ニャ~ッ

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 14:28:27.84 ID:4YfJRsxV0
俺 「テレビつけよう」

テ 『厚生○働省によると玉ねぎ病患者は10万人になりました』

俺 「大変なことになったな」

テ 『一週間程度で治るので、決して慌てずに医療機関に~』

妹 「うん」

テ 『副次的な現象として、玉ねぎ病患者による癒し効果が~』

俺 「えっ、癒し?」


妹 「どうしたの?」

俺 「いや、何でもない(確かに癒し効果あるよなぁ、こんなに可愛い妹見たのは初めてだ)」

妹 「変なのっ」クスッ


テ 『世界的なストレス軽減が認められており、関係各省では~』

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 14:36:38.56 ID:4YfJRsxV0
一週間後


俺 「おはよー」

妹 「お早う・・・・・・って、なんであんたと一緒に寝てるのよ!」

俺 「妹のほうから来たんだろ」

妹 「確かにそうだけど、そうだけど・・・・・・」

俺 「だろ」

妹 「でもあれは、玉ねぎ病のせいだからね」

俺 「うん」

妹 「病気のせいだからね、本心じゃないからねっ!」

俺 「うん(何故怒ってるんだろう?)」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 14:45:23.55 ID:4YfJRsxV0
俺 「その様子じゃ治ったみたいだね」

妹 「うん」

俺 「猫耳カチューシャと手袋を返しに病院へ行こう」

妹 「うん」



俺 「大丈夫か?」

妹 「ちょっとふらつく」

俺 「病み上がりだからな、仕方ない」

妹 「うん」

俺 「病院には俺一人で行くから、お前は休んでろよ」

妹 「いや、私も行く」

俺 「そうか、じゃあ一緒に行こう」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 14:51:55.02 ID:4YfJRsxV0
俺 「本当に大丈夫か? ふらついてるぞ」

妹 「うーん」フラフラ

俺 「おい、そっち穴!」

妹 「えっ、どこ? あっ」ストン

俺 「あっ、妹が落ちた!」



俺 「どうしよう」

俺 「前回落ちたときも無事だったし」

俺 「えーいままよ、俺もいくぞ」ストン ヒュゥゥゥーーー

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 14:57:32.12 ID:4YfJRsxV0


ドスン

俺 「痛てて」

妹 「うーん」

俺 「穴に落ちたら・・・・やっぱり元の世界か」

妹 「みたいね」


妹 「どうする?」

俺 「病院は後回しにして、家に帰ろう」

妹 「うん」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 15:05:15.89 ID:4YfJRsxV0
妹 「テレビつけて」

俺 「うん」

テ 『○月×日 お昼のニュースです』

俺 「また少し未来に飛んだみたいだな」

妹 「そうね」

テ 『厚生労○省によると玉ねぎ病の流行は収まりつつあり、患者の数は~』

俺 「収まったみたいだな」

妹 「でも患者数のグラフは減ってないね」

俺 「ほんとだ」


テ 『今後は道草病への注意を呼びかけるなど、関係省庁の~』

妹・俺 「道草病?」


俺 「やはり病院にいってみるか、道草病だったらいけないから」

妹 「ウン、そうね」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 15:15:57.43 ID:4YfJRsxV0
病院

俺 「どうだった? お医者さん何か言ってたか?」

妹 「初期の道草病だって」

俺 「道草?」
 
妹 「お医者さんが、家族にも説明するから来てくださいだって」

俺 「分かった」



俺 「道草病って何なんですか?」

医 「文字通り、行き返りに道草してしまう病気です」

俺 「それで、妹は大丈夫でしょうか」

医 「命にかかわる病気ではないし、妹さんなら一月ほどで治るので心配は要りません」

俺 「ほっ、良かった」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 15:22:00.30 ID:4YfJRsxV0
俺 「(あいつは真面目だから大丈夫だろう)」

俺 「(寄り道しないでいつもまっすぐ帰ってくるし)」



医 「ただし、その間に誤って毒草を食べないように気をつけてください」

俺 「えっ? 寄り道する病気じゃないんですか?」

医 「今回も処方箋出しときますね」

俺 「はぁ(何のこっちゃ?)」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 15:29:33.54 ID:4YfJRsxV0
妹 「説明どうだった?」

俺 「訳分からん。とりあえず道草しなきゃ良いんだろ」

妹 「うん」

俺 「ところで薬局で何貰ったんだ」

妹 「カチューシャとね、後は・・・」

俺 「後は?」

妹 「なんでもない」

俺 「隠す必要ないだろ」

妹 「うーん」

俺 「まあいいや、とにかくお医者さんの言うとおりちゃんと薬飲むんだぞ」

妹 「うーん (薬貰ったんじゃないんだけどなぁ)」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 15:35:21.67 ID:4YfJRsxV0
俺 「しかし何のカチューシャだろ」

妹 「牛耳カチューシャだって」

俺 「ふーん」

妹 「・・・・・・」

俺 「まあいいや、帰ろっか」

妹 「うん」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 15:42:22.27 ID:4YfJRsxV0
俺 「帰りは近道しよう」

妹 「そうね」

俺 「トコトコ」

妹 「トコトコ」

俺 「しかし田舎道だな、畑ばかりだ」

妹 「うん」



妹 「あっ、これっ!」

俺 「どうした?」

妹 「ヒョイ パクッ」モグモグ

俺 「おいっ、雑草食うな!」

妹 「うーんっ、ジューシー♪」

俺 「腹壊すぞ」

妹 「おいしいよ」パクッ パクッ

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 15:49:23.19 ID:4YfJRsxV0
俺 「とりあえず家に帰ろう」

妹 「うーん、もうちょっと食べてちゃだめ?」

俺 「だーめ、引っ張ってくぞ」ズルズル

妹 「いやーん、意地悪ぅ」ズルズル

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 15:59:01.18 ID:4YfJRsxV0
後日

俺 「妹の奴、来るの遅いな」


妹 「だだいまー」

俺 「コンビニ行くのに何時間掛けてんだよ、なんかあったか?」

妹 「何も無していよ」

俺 「そうか?」

妹 「気のせいに違いないよ、きっとそうだよっ」

俺 「じゃあ何をモグモグ噛んでるんだ」

妹 「えーと、これは(汗;)」


トントン

俺 「おや、誰だろう」

妹 「あら、農家のおばちゃん」

農 「ありがとうね、これお礼」

妹 「あらどうも。お礼なんて要らないのに」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 16:05:49.95 ID:4YfJRsxV0
俺 「えーと、どういうことです」

農 「あら、妹さんから聞いてませんか?」

俺 「はい」

農 「妹さんが畑の雑草食べてくれたから、そのお礼に来ました」

俺 「はぁ」

農 「おかげてこの季節、除草剤要らずで助かりました」

妹 「えっへん」

俺 「・・・・そういうことか」



俺 「そういえば近所の畑、今年は散布して無いな」

妹 「うん、美味しかった」

俺 「いやそうじゃなくてさ」

妹 「はいっ?」

俺 「俺の話聞いてる?」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 16:14:47.33 ID:4YfJRsxV0
俺 「なあ妹」

妹 「何?」

俺 「最近さ、ちょっと丸くなったような・・・・・・(胸とか)」

妹 「えっ? わかる」

俺 「うん、こことか」プニ

妹 「ヒャッ!」イヤン

俺 「そうじゃなくても見た目でわかるよ」

妹 「そうかぁ」 orz



妹 「なんで太っちゃったんだろ」

俺 「そりゃ普通に三食たべて、更に近所の雑草を始末してたら食べすぎだろう」

妹 「うぅ、でも美味しいんだもん」

俺 「・・・・・・」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 16:19:31.33 ID:4YfJRsxV0
妹 「丸くなったら駄目?」

俺 「別に良いんじゃない、可愛いよ」

妹 「よかった」ニコッ

俺 「( も大きくなったし)」ニタッ

妹 「(あ、視線がやらしい)」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 16:25:56.08 ID:4YfJRsxV0
俺 「そういえば、街中の雑草が消えたな」

妹 「そうね」

俺 「全部お前が食ったのか」

妹 「そこまで食いしん坊じゃないわよう」

俺 「そうか、他の道草病患者が食べたのかもな」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 16:31:55.26 ID:4YfJRsxV0
妹 「テレビつけるよ」

俺 「うん」

テ 『ニュースです』

俺 「ニュースか、道草病の話無いかな?」

テ 『世界的に除草剤の使用量が激減したため、農薬メーカーの株価が~』

俺 「・・・・・・」

テ 『激減した原因について○×大学の△教授は道草病が~』

俺 「道草病のせいか?」

妹 「かしらねえ?」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 16:37:44.40 ID:4YfJRsxV0
俺 「おはよー」

俺 「あれ、妹が居ない」

俺 「まだ寝てるのかな?」

俺 「部屋に行ってみよう」

コンコン

俺 「もうこんな時間だそ、そろそろ起きようよ」

妹 「うーん、もうちょっと待って」ハァハァ

俺 「わかった」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 16:43:03.85 ID:4YfJRsxV0
バタン

妹 「おはよー」

俺 「やっと自室から出てきたか。寝坊なんて珍しいな」

妹 「寝坊じゃないよ、とっくに起きてた」

俺 「え? じゃあ何してたんだ」

妹 「えーと、こんなに出た」コトンッ

俺 「何この液体は」


妹 「・・・・・・(赤面)」

俺 「どうした、熱でもある?」

妹 「これ、私の●」

俺 「えっ、●?」

妹 「うん、私の●」


俺 「で、この液体をどうしろと?」

妹 「どうしよう・・・・・・><;」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 16:54:53.94 ID:4YfJRsxV0
俺 「俺が飲むわけにもいかないしなあ」

妹 「でも捨てるのはもったいないよ・・・・・・」

妹・俺 「うーん、どうしよう」


俺 「とりあえず、河にでも流してこようか」

妹 「そうね」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:00:51.55 ID:4YfJRsxV0
サラサラ

俺 「河に来た」

妹 「じゃ、液体を流すね」

俺 「うん」

妹 「パチャッ」


俺 「あれ? 向こう岸でも液体流してる人がいる」

妹 「本当だ」

俺 「よく見ると結構な人達が流してるなぁ」

妹 「うん」


俺 「おかげで河がうっすら乳色してる」

妹 「・・・・・・うん」

俺 「じゃ、家に戻るか」

妹 「うん」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:08:04.71 ID:4YfJRsxV0


俺 「(ここのところ異常現象ばかりで疲れた)」

俺 「(穴の件、玉ねぎ病の件、道草病の件)」

俺 「(どれも謎ばかりだ)」

俺 「(疲れた、眠い)」

俺 「寝よう」カチカチ

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:12:59.45 ID:4YfJRsxV0
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俺 『あなたは誰ですか』

‐ 『私は自然』

俺 『自然?』

自 『はい、自然です』

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:16:19.72 ID:4YfJRsxV0
自 『地球は弱ってるの』

自 『ストレスまみれなの,傷ついてるの』

自 『河を汚され、土を汚され、農薬を沢山撒かれて傷ついてるの』


俺 『異変とそれは関係あるのですか?』

自 『私ね、地球のストレスをなくすために猫ちゃんで癒してあげたの』

俺 『するとあの風 >>32 は、猫をモフモフしていたのか』

自 『はい』


自 『私ね、地球に栄養をつけるため、滋養たっぷりの●を飲ませてあげたの』

俺 『つまり道草病は●のために・・・・・』

自 『そう』

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:20:12.81 ID:4YfJRsxV0
俺 『質問して良いですか』

自 『はい』

俺 『穴とは何なのでしょう?』

自 『あれは地球の傷口です』

俺 『傷口?』

自 『そう、時空を超えた傷口』


俺 『俺たちは、どうしたら良いのでしょうか?』

自 『人の体に傷口ができたら、あなたはどうしますか?』

俺 『えっ?』

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目覚し時計 「ジリリリリリリ‐‐!」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:26:33.76 ID:4YfJRsxV0
俺 「ちくしょう、肝心なところで目覚まし時計が鳴ってしまった」

俺 「リアルな夢だったな」

俺 「自然『傷口があったらどうするか』か・・・・」

俺 「なるほど」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:32:34.74 ID:4YfJRsxV0


俺 「もしもし、御兄さんですか」

兄 「俺君か、穴の件かい?」

俺 「はい、解決策が分かりました」

兄 「本当か! すぐに行くから詳細聞かせてくれ」

俺 「はい」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:39:29.29 ID:4YfJRsxV0


ゴゴゴゴッ

兄 「ここが穴を治してる現場だ」

妹 「ねぇアニキ、白衣の人達は何やってんの?」

兄 「まあ見てろ」


妹 「何あれ」

兄 「消毒薬」

妹 「あ、穴に何か塗ってる」

兄 「傷薬だよ」

妹 「うわっ! 大きなガーゼ」

兄 「うん、大きいだろ」

妹 「包帯巻いてるよ」

兄 「ああ、地球に包帯巻いてるんだ」

妹 「地球が包帯だらけだね」

兄 「この穴は地球の傷口。だからこうやって治療してやるんだ」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:44:17.32 ID:4YfJRsxV0
俺 「こんにちは、御兄さん」

兄 「おっ! 救世主のお出ましか」

俺 「この穴は一週間もすれば治ります」

兄 「そうか」



兄 「ありがとうな、俺君おかげで穴の問題は解決しそうだ」

俺 「いいえ、私の考えではありません」

兄 「えっ?」

俺 「穴が地球の傷口だと言う事は『自然』が教えてくれたんです。私は傷口を治療しているに過ぎません」

兄 「あっはっは、何を言うかと思えば『自然』か。いかにも俺君らしい謙虚な発想だな」

俺 「あはは・・・・・・」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:45:33.59 ID:4YfJRsxV0
俺 「ところで御兄さん(義兄さん)」

兄 「何?」

俺 「妹さんとの仲、認めてくれませんか?」

兄 「何を言うかと思えばそんなことか(苦笑)」

俺 「御兄さん・・・・・」

兄 「世界を救った男を断る兄なんて居ないさ」

俺 「えっ?」

兄 「昔、妹の家出先が俺君の家だと知ったときは君を恨んだがね」



妹 「アニキ~!」

兄 「妹~」

俺 「・・・・・・」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 17:46:05.12 ID:4YfJRsxV0
妹 「あれぇ、俺君もここに来てたんだ」

俺 「・・・・・・うん」

妹 「俺君!」ダキッ

俺 「あっ! (御兄さんの前でそれはやらないでくれ>_<; )」


兄 「あのなあ、俺君とべたべたするのは・・・・・」

妹 「だめなの?」

兄 「・・・・・・」

妹 「アニキは・・・・俺君との仲まだ許してくれないの?」ウルウル

兄 「構わんよ、俺君と一緒になっても」

妹 「ほんとっ!」

兄 「ああ、勿論だ」

妹 「ありがとう、アニキっ!」



おしまい