1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:13:58.18 ID:vGEhyN0D0
ビシュッ

ビシュッ

あおい「…はぁはぁ……」

パワプロ「まだ228球…半分もいってないのにヘバってたら試合で勝てないよ!」

あおい(前の試合で負けてからパワプロくん厳しくなったなぁ…)

パワプロ「ここからは全部変化球の投げ込みだよ」

あおい「うん」

ビシュッ、ビシュッ


引用元: パワプロ「さっ、500球投げ込み練習だよ」あおい「う、うん…」 




10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:18:56.11 ID:vGEhyN0D0
498…499…

パワプロ「500」

ビシュッ

あおい「ハァハァ…」

500球全て投げ終えたあおいはその場で

ガックリと膝をつく

あおい「きつかったけど…これぐらいしなくちゃダメだよね…」

首にかけていたタオルで汗を拭い

転がっているボールを拾い集め練習を終えようとする

パワプロ「待って」

あおい「え?」

パワプロ「次はフィジカルトレーニングだよ」

あおい「……」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:23:13.15 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「この32kgのケトルベルを使うんだ」

ズシッ

あおい「…さ、さんじゅうにきろ?」

あおい「パワプロくん…僕じゃこれは持てないよ…」

パワプロ「補助はつくから早く言った通りのことをして」

あおい「分かったよ……」

……



その後1時間にも及ぶフィジカルトレーニングをこなした

あおい(ダメ…もう体力の限界……)

パワプロ「最後にグラウンドを30周してからサーキットトレーニングをして終わろうか」

あおい「……」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:26:55.53 ID:vGEhyN0D0
あおい「えっほ…えっほ…」


パワプロ「腕立て!」

あおい「…ふっ…ふぅ…」

パワプロ「ジャンプ!」

あおい「…」

パワプロ「背筋!」

あおい「…」


パワプロ「お疲れ様!今日は軽めにしておいたからこの辺で終わるね」

あおい(あ、あれが軽め…?)

パワプロ「あおいちゃんは投手としての能力が低すぎるからなぁ…」

パワプロ「今のままじゃチームのお荷物選手だよ!」

あおい「…お荷物選手…」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:30:48.58 ID:vGEhyN0D0
あおい「皆の足を引っ張るのだけは嫌だよ…」

パワプロ「じゃあ、俺の言う通りに練習してれば一流投手になれるさ!」

あおい「ホントに?」

パワプロ「約束するよ」

あおい「…だったら、パワプロくんの言う通りにする!」

あおい「どんな練習でも良いから僕に指示して!」

パワプロ「どんな練習でも?ふふっ、分かったよ」

こうして無事に1日目の練習を終えた

筋力ポイントが物凄く上がった


21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:35:39.96 ID:vGEhyN0D0
―2日目―

パワプロ「今日はバス停前高校との練習試合だよ」

パワプロ「先発はあおいちゃん」

パワプロ「キャッチャーは俺」

パワプロ「ベンチに矢部くん」

矢部「ガッテンでやんす!」

パワプロ「練習試合でも試合は試合だから気を抜かないでいこう!」

「オォォぉーーーッ!!」

あおい(先発…なんとか足を引っ張らないようにしないと…)

矢部「あおいちゃん!オイラはベンチから応援するでやんす!」

あおい(無視)

矢部「…」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:41:37.11 ID:vGEhyN0D0
試合はバス停前高校からの攻撃だ

今年からバス停前に入部した留学生バッターが超目玉選手として注目されている

留学生「くちゃくちゃ」

パワプロ「1番か…2m近くあるし身体は完全に高校生離れしてるね」

パワプロ「気をつけて投げないと軽く持っていかれるよ」

あおい「うん、リードはパワプロくんに任せるよ」

パワプロ「あおいちゃんの好きな所に投げていいよ!」

あおい(そっちの方が良いかな…)

あおい「じゃあ、そうさせてもらうね」

矢部「あおいちゃん!しまっていこーでやんす!!」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:46:18.15 ID:vGEhyN0D0
あおい(1球目は低めに落ちる変化球を投げてみよう…)

スッ

大きく振りかぶり下手投げから第1球が投じられる

シュッ

留学生「これがジャパニーズの球かよ…!」

カァーーーンッ

あおい「…!!」

パワプロ「…センター!!」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:47:25.42 ID:vGEhyN0D0
打球はセンター方向へ

しかし、センターは追うのを諦め見送った

ドンッ

初球を打たれてホームランとなった

矢部「じょ、場外ホームランでやんすか…」

部員「やっぱり女じゃ抑えれないよな」

矢部「失礼でやんす!!あおいちゃんは男にだって負けないぐらいの身体をしてるでやんすよ!」

留学生「くくっ、女が野球するんじゃねーよ」

あおい「……」

パワプロ「タイム」

1度、パワプロがタイムをとりマウンドに駆け寄る

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:51:36.40 ID:vGEhyN0D0
あおい「ごめん…いきなり打たれちゃって…」

パワプロ「ドンマイドンマイ!」

矢部「さすがパワプロくんでやんす!」

パワプロ「…チッ」

グリグリ

あおい「…あっ!」

スパイクであおいの足を踏みつける

パワプロ「今日のあおいちゃんのストレートはおじぎしてる」

パワプロ「つまり、ストレートの伸び自体良くない」

パワプロ「だからいきなり得意の変化球で攻めたの?」

あおい「…う、うん…パワーがありそうだったし低めにボールを集めようと思って」

パワプロ「大した変化球もないのに勝手に投げるなよ」

あおい「え…パワプロくんが好きな所に投げていいって…」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:55:11.43 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「そんなこと言ってないだろ!」

パチンッ

マウンドの上でビンタを浴びせる

あおい「…!」

パワプロ「あぁ…せっかく先発で出したのにこのザマかよ」

パワプロ「今日はこのまま1人で投げ抜けよ」

スタスタ

あおい「ぱ、パワプロくん…」

矢部「パワプロくん!」

パワプロ「なに?」

矢部「あおいちゃんにビンタをするなんてひどいでやんすよ!!」

矢部「オイラが許さないでやんす!」

パワプロ「ベンチの人間は黙ってろ」

矢部「うっ…」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 00:59:23.98 ID:vGEhyN0D0
審判「ゲームセット」

試合は18対2で大敗を喫した

まさかの弱小高校が留学生の加入により中堅高校にへと上り詰めていた

あおいちゃんは自責点18という呆れる内容だ

パワプロ「じゃ、今日の荷物持ちはあおいちゃんだね」

あおい「…うん」

パワプロ「俺達は先に専用バスに乗って学校に帰ってるから」

ぶろろろろん」

あおい「よいしょっと…今日の試合は全部僕の責任だし仕方ないよね…」

スッ

矢部「オイラも手伝うでやんす」

あおい「矢野くん…」


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:03:14.20 ID:vGEhyN0D0
矢部「お、オイラ矢部でやんす!矢野じゃないでやんすよ!」

あおい「え…そうだったっけ?ごめんね…!」

矢部(1年近く練習してきたのにまだ名前をちゃんと覚えられてないでやんすか…)

矢部のやる気が下がった

矢部「重い荷物はオイラが持つでやんすよ」

スッ

あおい「ありがとう…今日の試合は僕の所為でごめんね…」

あおい「もっと、もっと練習して上手くなるから…」

矢部「気にすることないでやんす!オイラなんて試合にすら出てないでやんすから!」


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:08:15.15 ID:vGEhyN0D0
―夜―

学校のグラウンドで2人の男女が抱き合っている

パワプロ「マウンドの上でしようか」

栗原「えっ…」

パワプロ「早く脱げよ」

舞「う、うん…パワプロにされるんなら…」

パワプロ「ほら」

ビリビリッ

かつての幼馴染を容赦なく全裸にする

舞「…パワプロも脱いで…よ…」

パワプロ「俺は脱がすのは得意だが脱ぐのは嫌いなんだよ…」

そして、再び彼女を抱きしめ長い夜を過ごした

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:13:04.70 ID:vGEhyN0D0
矢部「ふぅ、今日はこの辺にしておくでやんす!」

あおい「あと50球だけ…」

矢部「そんなに投げたら肩を壊すでやんす…」

あおい「でも…」

矢部「オイラ達のエース投手はあおいちゃんなんでやんすから」

矢部「あおいちゃんが壊れたらお終いでやんすよ!」

あおい「…そうだよね怪我したらそれこそ皆に迷惑がかかっちゃうね」

矢部「オイラがクールダウン手伝うでやんす!」

あおい「ありがとう、やじm…じゃなくて矢部くん」

矢部「…」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:17:09.66 ID:vGEhyN0D0
―3日目―

パワプロ「おはよう」

矢部「おはようでやんす」

パワプロ「あおいちゃん、これ」

スッ

あおい「なにこれ?」

パワプロ「ゴムマリだよ」

矢部「ニギニギして握力を鍛えるやつでやんすね」

あおい「へぇ~そんなのあるんだね」

パワプロ「これを24時間ずっとニギニギしておくんだ」

パワプロ「空いてる時間に握力強化をしておかないと」

あおい「うん!分かったよパワプロくん」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:21:58.66 ID:vGEhyN0D0
―昼休み―

あおい「ハァハァ…」

生徒「なんだあれー昼休みなのに校庭走ってるぜー」

矢部「あおいちゃん!?」

パワプロ「うん、サボらずやってるね」

矢部「パワプロくんどういうことでやんすか!」

パワプロ「どういうことって…昼休みに走らせてるんだよ」

矢部「いくらなんでもやりすぎでやんすよ…!」

矢部「このままじゃあおいちゃんが…」

パワプロ「勝つためにはこれぐらい当然さ」

パワプロ「それより、矢部くんは試合に出るようになってから俺に意見言ってよね」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:26:48.94 ID:vGEhyN0D0
―放課後―

パワプロ「全員集合」

ササッ

パワプロ「今日から新しく入部してくれる友沢だ」

友沢「ポジションはショートです、よろしく」

パチッパチッ

矢部「むむっ!これは凄腕のショートっぽいでやんすね!」

あおい「まさか、恋恋高校に転校してきてくれるなんて」

友沢「俺はプロを目指している、だから甲子園出場は絶対にしたい」

パワプロ「良い目標だな友沢」

友沢「フッ」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:32:02.15 ID:vGEhyN0D0
現時点での各選手能力

あおい 138km スタミナC コントロールD 変化球はその他諸々

矢部 ミC パD 走B 肩C 守C

友沢 ミA パB 走B 肩A 守C

パワプロ ミE パD 走D 肩D 守F 粘り打ち


あおい「ふんっ…」

シュッ

パワプロ「はい、あと600球」

友沢「…」

矢部「またあおいちゃんにだけ鬼練習でやんすか・・・」


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:38:39.75 ID:vGEhyN0D0
友沢「えっほえっほ…」

パワプロ「おい、友沢」

友沢「なんだ?」

パワプロ「お前の打撃を見ていたんだけどフォームを改造するべきだ」

友沢「…フォーム改造…」

パワプロ「ああ、俺の提案するフォームにすれば4割打者も夢じゃない」

友沢「俺は人の言われたフォームにするつもりはない」

パワプロ「打てないショートはいらないんだよ」

友沢「…練習の邪魔だ」

パワプロ「お前はノーステップ打法に改造するべきだ」


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:41:51.69 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「今以上に能力アップ出来る」

パワプロ「メジャーの野手の9割がノーステップ打法だ(嘘)」

友沢「メジャーの野手が…?」

パワプロ「どうだ?やってみないか?」

友沢「フンッ、自分に合わないと思ったらすぐにやめるからな」

パワプロ「もちろんさ」

……



カーンッ

カーンッ

パワプロ「動画で見たのを思い出せ!」

友沢「くっ…」

カーンッ


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:45:04.22 ID:vGEhyN0D0
そして、1時間後

友沢「…」

パワプロ「もういい、後は居残り練習してろ」

友沢「くっ…必ずモノにしてやる…!」


友沢の能力が下がった

友沢 ミD パE 走A 肩B 守C


学校のトレーニングルームでは…

矢部「シュッ…ふぅっ…!!」

ガシャンッ

矢部「ふぅ…やっぱりベンチプレス140kgはきついでやんす…」

矢部「試合に出れるように頑張って肉体改造するでやんすよ!」


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:49:07.82 ID:vGEhyN0D0
あおい「…くっ」

バタッ

あおい「ハァハァ……」

パワプロ「立つんだあおいちゃん」

あおい(身体が…動かない……)

パワプロ「5秒以内に立たないと投げ込み500球追加するよ」

あおい「ビクッ」

スクッ

パワプロ「…」

あおい「ご、ごめん」

パワプロ「すぐに立てるのになんで俺が言った時に立たないんだよ!」

パチンッ

あおい「あっ…!」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:51:44.84 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「ほら、もう一発ぶつぞ」

あおい「…ビクッ」

スッ

パワプロの背後から友沢が制止する

友沢「やりすぎだ」

パワプロ「…離せよ」

友沢「プロの選手以上に練習させてどうする」

友沢「怪我すれば元も子もないだろ?」

パワプロ「俺は監督なんだ、一々俺の指導に口を出すなよ」

友沢「お前のやってることは指導じゃなくて拷問だ」


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:55:25.53 ID:vGEhyN0D0
友沢「それ以上、手を出せば……」

パワプロ「チッ」

スタスタ

あおい「友沢くん…」

友沢「これで肩を冷やしとけ」

友沢「毎日あれだけ投げ込みをしていたらいつか壊すぞ」

あおい「…うん」

友沢「あいつのやっていることは間違ってる…」

あおい「そんなことない…!」

友沢「…」

あおい「パワプロくんの言ってることは正しい…正しいんだよ」

あおい「それなのに間違ってるとか言わないで…」


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 01:58:47.02 ID:vGEhyN0D0
友沢「…フンッ」

スタスタ

あおい「あの試合から…パワプロくんは……」

……



半年前

まだパワプロ達が1年生の頃

人数がギリギリのまま夏の地区予選に臨んだ

この時の先発はパワプロ

序盤からパワプロは相手打線に捕まり僅か1回で9失点でノックアウト


102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:02:11.25 ID:vGEhyN0D0
「なんだあの投手」

「アンパイピッチャーだな」

「ハハハハッ」

敵チームからの野次を受けパワプロの精神は限界だった

2番手のあおいが準備をする

キャッチャーの矢部がマウンドに駆け寄り

矢部「パワプロくん…ドンマイでやんす…」

パワプロ「はは…俺じゃやっぱりピッチャーは無理さ…」

パワプロ「球速は110kmにも満たない…得意な変化球も無ければコントロールが良い訳でもない…」

パワプロ「こんなクズピッチャーどこにもいないさ…」

矢部「そ、そんなことないでやんすよ!」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:05:31.13 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「入部してからまだ1度も勝ててない…」

パワプロ「勝利の瞬間ってのも久しく味わってないし…」

パワプロ「勝つために…勝つためにはなにが必要なんだろう…」

矢部「パワプロくん……」

パワプロ「タイム」

パワプロ「投手交代します」

「ハハハハ!とうとう自分から交代しやがったぜ!」

あおい「パワプロくん…後は任せて…」

パワプロ「うん…」

その試合以来、パワプロの態度は豹変

そして今に至るのであった

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:09:17.83 ID:vGEhyN0D0
……

パワプロ「夢…か……」

舞「…」

彼女の家のベッドで一緒に仮眠を取っていた

1プレー済ませ疲れ果てた様子だ

パワプロ「帰ろう…」

ユニフォームに着替え帰りの準備をする

音に気付いた舞が目を覚ました

舞「…もう帰るの…?」

パワプロ「ああ、帰って練習をしないといけないからな」

舞「帰らないでよ…練習なんてしなくていいじゃん…」

パワプロ「俺は女よりも野球が好きでね、サボる訳にはいかないのさ」

パワプロ「あばよ、舞」

スタスタ

舞「待って…待ってよぉ…!!!待ってよ…!!」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:12:58.79 ID:vGEhyN0D0
―深夜―

あおい「…」

明日から中間テストで眠気と戦いながら勉強をするあおい

あおい「…zzz」

あおい「…はっ!起きなきゃ…!」

あおい「どうしよう…まだ1問もやってない…」

あおい「はぁ…練習の所為にはしたくないけど勉強時間が深夜しかないよ…」

ぷるるるるる

あおい「あ、電話だ…」

ピッ

あおい「もしもし?」

パワプロ「あおいちゃん?急に電話してごめんね」

あおい「う、ううん!どうしたの?」(パワプロくんから電話かけてくれるなんて嬉しいな…)

パワプロ「今からカラオケでオールしない?」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:16:24.07 ID:vGEhyN0D0
あおい「え…でも僕達未成年だし…」

パワプロ「大丈夫だよ、俺達ぐらいなら大人に見られるって!」

あおい(テスト勉強できないしどうしよう…)

パワプロ「来るよね?」

あおい「ごめん…テスト勉強が…」

パワプロ「俺も全然勉強してないし、一緒に赤点取ろうよ!」

あおい「ほ、ホントに…?それなら行こうかな…」

パワプロ「じゃあ、10分後に駅前集合ね」

ピッ

あおい「…よし!今日は思いっきり遊ぶぞ!」


119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:20:28.17 ID:vGEhyN0D0
その後、朝方までカラオケを楽しみ

寝不足のまま学校にへと直行した

あおい「ふぁぁ…」

矢部「寝不足でやんすか?」

あおい「うん…ちょっとね…」

矢部「今日はテストでやんすよ!」

あおい「分かってるよ」

矢部(つ、冷たい…どうしてオイラには冷たいでやんすか…)

携帯を取り出すあおい

ふと、矢部が携帯に貼ってあったプリクラを見つける

矢部「これは…?」

あおい「あっ」

矢部「ぱ、パワプロくんと2人で撮ったでやんすか…?」

あおい「う、うん…///」


123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:23:52.61 ID:vGEhyN0D0
矢部「そ、そうでやんすか」

あおい「皆には言わないでね?」

矢部「…ガッテンでやんす」

矢部くんの評価が下がった


先生「よし、始め」

ササッ

カリカリッ

あおい(全然分からない…もう寝よう…)

机に顔を伏せテストを早々に諦める

矢部(勉強したのに範囲が全然違うでやんす…)

パワプロ「…」


129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:27:42.51 ID:vGEhyN0D0
1番後の座席のパワプロは試験監督の動きが把握し易かった

パワプロはコツンコツンと指で机を叩く

隣に座っていたガリ男子が合図のように聞き取る

ガリ「…」

コンッコンッ

そして、数秒後にガリ男子が指で机をたたき返す

パワプロ(問1は○…か)

実は隣の男子とテスト前にグルを組んでおり

モールス信号で問題の答えを教えてもらうように指示したのであった

パワプロ(試験を制してこそ、甲子園を制する…)


132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:31:27.20 ID:vGEhyN0D0
キンコンカンコーン

先生「よーし、一番後ろの席の奴は集めてきてくれー」

ガタッガタッ

あおい「スー…スー…」

矢部「…」

男子「おい、矢部早くしろ」

矢部「ちょ…ちょっと貸してくれでやんす!」

サッ

男子「あっ」

カキカキッ

矢部(何としても最初の○×問題の部分だけでも写すでやんす…!)


134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:33:38.27 ID:vGEhyN0D0
先生は他の生徒が集めてきた答案用紙を整理していて

矢部の不正行為にはまだ気付いていない

男子「矢部…お前…」

矢部「昼飯ご馳走するでやんすから…!」

カリカリッ

パワプロ「先生ー矢部くんが人の答案用紙写してまーす」

矢部「…!?」

先生「なんだと?」

先生が急いで矢部に詰め寄る

先生「おい!!!!何をしてるんだ!!!!」

矢部「ヒッィッ…!」


136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:36:53.53 ID:vGEhyN0D0
先生「こっちに来い!!」

先生に腕を引っ張られ教室から連れて行かれる

あおい「ん…」

同時にあおいの目も覚める

パワプロ「じゃあ、先生がいない間は俺が指揮を執るよ」

ガリ「…」

男子「さすがパワプロだな!」

女子「頼りがいがあってかっこいい~…」

あおい「矢部くん…?」


140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:40:33.61 ID:vGEhyN0D0
―生徒指導室―

指導部長「なんでこんなことしたんや?」

矢部「…オイラ…範囲外を勉強してて…つい……」

指導部長「やかましいわアホォッ!!!!」

ズガンッ

机を蹴り上げる部長

矢部「…ヒィッ…でやんす」

指導部長「ええか?お前と同じ条件で全員テスト受けてるんや」

指導部長「そんな中、お前だけ不正行為して許されると思ってるんか?」

指導部長「あぁ?」

矢部「…ぶるぶるっ」

指導部長「神妙な顔しとんちゃうぞ!!」

パチンッ!

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:44:09.34 ID:vGEhyN0D0
矢部くんは今回は厳重注意というだけで済んだ

しかし、莫大な量の課題を渡されしばらく練習には来れない

友沢「バカだな…勉強してればそんなことにならなくて済んだのにな」

パワプロ「ホントにバカだよな」

あおい「パワプロくんテスト出来た?」

パワプロ「ううん、多分1割ぐらいしか出来てないよ!」

あおい「良かった…僕も空白のままだったし…」

パワプロ「一緒に赤点だね~」

あおい「うん!」

友沢「…」


143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:47:01.70 ID:vGEhyN0D0
―2週間後―

テスト返しの日だ

先生「あおい、お前は全教科赤点だぞ」

あおい「えへへ…」

先生「パワプロ」

パワプロ「はい」

あおい(パワプロくんと同じ赤点だし…)

先生「お前はこのクラスで一番成績優秀のガリと同じ点数だな!よくやった!」

あおい「え…?」

パワプロ「見てよこの点数」

ピラッ

「98点」

あおい「…ど、どうして……?1割しか出来てないって…」

パワプロ「9割出来たんだ」

あおい「…!!!」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 02:51:08.54 ID:vGEhyN0D0
あおい「……」

パワプロ「オールしてても俺は頭が良いからね」

あおい「…はは…さすがパワプロくん……」

友沢「おい、パワプロ」

パワプロ「なに?友沢も祝福してくれるのか?」

ガリ「…」

友沢「ちゃんと話せ」

ガリ「…パワプロくんに…モールス信号送って答え教えろって…言われました……」

パワプロ「なっ…」

先生「!?」

友沢「不正行為してたのはお前もだろ?」

パワプロ「て、テメェ……」

205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:12:08.83 ID:vGEhyN0D0
すいません、保守ありがとう

パワプロ「…」

友沢「先生、連れて行ってください」

先生「う~む…」

あおい「パワプロくん…罪を償ってきて」

ガリ「…」

パワプロ「俺はやってません」

友沢「見苦しいぞ、パワプロ」

パワプロ「皆はそう思うよな?」

男子「優等生のパワプロがする訳ないぜ!」

女子「そうそうーパワプロくんがカンニングなんてする訳ないわ」

友沢「な、なにを言ってるんだ!本人が言ってるんだ…」

パワプロ「俺は周りから信頼されてるからね」


207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:14:13.76 ID:vGEhyN0D0
友沢「信頼…だと?」

パワプロ「優等生の俺が不正行為をする訳がないって思われてるんだよ」

パワプロ「あおいちゃんもそう思うよね?」

あおい「……」

友沢「おい…」

あおい「僕も…パワプロくんはやってないと思う…」

友沢「…!」

パワプロ「ニヤッ」

ガリ「あぅあ……あ」

先生「仕方ない、今回は友沢を生徒指導室に連れて行くか」

グイッ

先生「来い」

友沢「ど、どうして俺が!?くっ…!」

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:17:19.43 ID:vGEhyN0D0
ざわざわ

男子「まさかあの友沢がパワプロを陥れ様とするなんてな」

女子「人は見かけによらないものね~」

パワプロ「くくっ」

あおい「…パワプロくん…」

パワプロ「ありがとう、あおいちゃんのお陰で助かったよ」

あおい「ううん、僕は大したことはしてないよ…」

パワプロ「やっぱりあおいちゃんと同じクラスで良かった」

あおい「ほ、ホントに…?嬉しい…」

パワプロ(利用し易い奴だな)

パワプロのコントロールが上がった

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:20:46.61 ID:vGEhyN0D0
―グラウンド―

矢部「…えっほえっほ」

ビシュッビシュッ

矢部「ふんっ」

カァーンッ

矢部「ひゃ」

ズザァッ

授業をサボり1人練習に励む矢部

矢部の能力が上がった

矢部 ミ B パC 走B 肩C 守B

矢部「オイラは…オイラは試合に出てパワプロくんを見返したいでやんす…!」

矢部「もっと練習しないと追いつけないでやんす!」

タッタッタ


213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:24:19.14 ID:vGEhyN0D0
―放課後―

友沢「…」

友沢も厳重注意で釈放された

パワプロ「よう、遅かったな」

友沢「…お前の所為だろ…!」

グイッ

パワプロ「うわわっ」

あおい「友沢くん…!ダメだよ喧嘩は!」

友沢「いつまでそんな不正をし続ける人生を送るつもりだ!」

パワプロ「なに熱くなってんだよ…」

パワプロ「俺は皆とただ一緒に甲子園が行きたいだけなんだ」

うっすらと涙を浮かべるパワプロ

友沢「パワプロ…」

友沢「悪い…お前がそう思ってるんなら文句はない…」

パワプロ(嘘泣きです)

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:26:17.56 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「じゃあ、友沢は早速新しい練習をしてくれ」

友沢「なんだ?」

パワプロ「このバットを今日から振り続けろ」

ズシッ

友沢「な…なんだこの重さ…?」

パワプロ「総重量25kgの特製バットさ」

パワプロ「これを24時間振りまくって能力を上げていけ」

ぶんっ…

友沢「だ、ダメだ…こんなのを振り続けたらフォームもおかしくなるし怪我の可能性も…」

パワプロ「いいから振れよ」

友沢「…分かった」

ぶんっぶんっ


216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:30:12.98 ID:vGEhyN0D0
友沢「くっ…!」

びりびり

あまりのバットの重さに右肩に激痛が走る

友沢の肩力が下がった

友沢 ミE パE 走A 肩D 守C

友沢「くそっ…こんなところで止まってたまるか…」

ぶんっ、ぶんっ


パワプロ「あおいちゃんはこの重さ30kgの鉛球を投げるんだ」

あおい「…」

ビュンッビュンッ

あおいの能力が上がった

あおい 球速145km コンC スタB 変化球色々


221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:34:53.27 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「さっ、みんな集合だ」

ササッ

パワプロ「今日また俺達のチームに新たな仲間が加わるよ」

あおい「入部希望者?」

スッ

ガリ「…よ…ぉろしくぅ…」

パワプロ「クラスの優等生ガリくんだ」

パチパチッ

ガリ ミA パG 走G 肩G 守G

ガリ「少年野球を…少しだけしてました…」

友沢「ポジションは?」

ガリ「センターです…」

パワプロ「センターか!矢部くんの代わりにこれから使っていけるな」


224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:38:56.91 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「明日はいよいよ夏の地区予選が始まる」

パワプロ「もし負ければ本当に3年の地区予選がラストチャンスとなるからね」

パワプロ「春じゃない…夏の甲子園に出場するんだ!!」

一同「オォォーーーッ」

チーム全員のやる気が上がった

パワプロ「おい、ガリ」

ガリ「はい?」

パワプロ「これからは毎日5回ずつこのプロテインを摂取しろ」

ドサッ

ガリ「わ、分かりましたぁぅ」

パワプロ「それからウェイトも欠かさずにやっておけよ」


226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:43:49.34 ID:vGEhyN0D0
―次の日―

電車で球場まで向かうパワプロ達

土曜日の昼からとあって人ゴミが出来ていた

矢部「今日の対戦相手はどこでやんすか?」

パワプロ「ブロードバンドハイスクール高校さ」

友沢「データ収集の学校か…」

パワプロ「そんなに強いチームでは無いけど油断は出来ないよ」

パワプロ「先発はあおいちゃんだよ!」

あおい「うん、今度こそ必ず抑えるよ!」

パワプロ「ショートは友沢!」

友沢「フンッ」

パワプロ「センターはガリ」

ガリ「はい」

矢部「…お、オイラは……?」

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:47:49.85 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「…セカンド矢部」

矢部「せ、セカンド!?でも試合に出れるでやんす!!」

あおい「おめでとう、矢部くん」

友沢「足引っ張るなよ」

矢部「任せてくれでやんす!オイラと友沢くんの鉄壁の二遊間でやんすよ!」

パワプロ「チッ」


―地方球場―

パワプロ「着いたよ、すぐにグラウンドに挨拶してアップを始めてて」

一同「はい!!」

試合開始まであと数時間…


230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:51:51.04 ID:vGEhyN0D0
審判「礼」

全員「よろしやっあっあはお願いしますーー」

ついに決戦の火蓋が切って落とされた

ブロードバンドハイスクール高校のベンチ側では

既にデータ収集がされていた

中島「よし、全員あのアプリを使って相手投手の情報を調べろ」

ピピッピピッ

中島「ふふっ…野球はデータさ…」

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 12:57:11.52 ID:vGEhyN0D0
1回の表、ブロードバンドハイスクールからの攻撃

1番「よろしくお願いします」

相手高校の1番バッターが打席に入る

あおい「…」

パワプロ「あおいちゃん、今日も好きな所に投げるんだ」

あおい「分かったよ」

審判「プレイ!」

あおい「…それっ」

ビシュッ

1番「…ピクッ

バシンッ

あおいの投げた1球目はインコース低めに決まった

審判「ストライクッ!!」

あおい「…いける…今日のこの調子なら……!」


238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:00:20.30 ID:vGEhyN0D0
その後、1番バッターに対して強気の攻めを見せるが

カァーンッ

1番「…」

あおい「しつこいな…これでファール何球目だろ…」

カウントは2-2

しかし、既に球数は30球を超えている

矢部「1番バッターなのにどれだけ粘るつもりでやんすか…」

友沢「打たせてもいいんだぞ」

パワプロ「あおいちゃん!しっかりしろ!」

あおい「みんな…」


240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:05:04.13 ID:vGEhyN0D0
ビシュッ

審判「フォアボール」

1番「へへっ」

結局、先頭打者に43球を投げ四球を与えてしまう

あおい「…くっ」

パワプロ「しっかりしろよ」

マウンドであおいに対して罵声を浴びせる

グイッ

髪の毛を掴み更に罵声を浴びせる

あおい「いたっ…!」

パワプロ「あぁ?ちゃんと抑えろよ?」

あおい「ごめんなさい…ごめんなさい……」

友沢「おい、パワプロやめろ!」

パワプロ「うるさい!!」


246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:09:52.03 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「先頭打者に43球ってお前自滅する気かよ」

あおい「ごめん…でも、なんだか相手打者がおかしかったの…」

友沢「おかしかった?」

矢部「きっとあおいちゃんに見とれてて…」

パワプロは容赦なく矢部の顔面にグーパンチを放つ

バキィッ

矢部「ふぎゃぁぁぁ」

メガネは割れ血だらけになる

パワプロ「おかしいって、どういうことなの?」

あおい「なんだか投げる球がバレてる気が…」

友沢「データ野球だな」

パワプロ「チッ、それより今日の捕手はガリだからこまめにランナーの動きには警戒しておけよ」

ガリ「はい」

パワプロはアドバイスを告げベンチにへと戻った

248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:12:38.23 ID:vGEhyN0D0
ガリ(本当はセンターだったはずなのに…)

あおいはクイック投法で2番打者に投げ込む

ビシュッ

投げたと同時に1塁ランナーがスタートを切る

タッタッタ

パワプロ「走ったァ!!」

捕球し、2塁へ送球

ピシュッ

ポーンポーン

スリーバウンド送球で2塁へ

当然、ランナーは2塁へ楽々盗塁成功

矢部「が、ガリくん!ノーバウンドで投げれないでやんすか!?」

ガリ「ごめん…肩が弱すぎて…」

パワプロ「…」イライラッ


250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:16:03.71 ID:vGEhyN0D0
中島「よし、次はこのサインだ」

ササッ

2番打者「コクッ」

あおい(ハァハァ…何としても抑えないと…)

ビシュッ

2番打者「…」

コンッ

パワプロ「送りバント!?」

キャッチャーの前にバントした打球が転がる

ガリ「ひゃああああ」

あおい「ガリくん!3塁は間に合わないよ!」

ガリは急いで1塁へ投げようとする

ポーンポーン

またもやスリーバウンド送球で1塁はセーフ

ノーアウト1、3塁となった

252: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:20:39.83 ID:vGEhyN0D0
ここで、3番中島を迎える

中島「お膳立てご苦労」

パワプロ「…チッ!あいつ等下手くそなんだよ!」

あおい「…ゴクリ」

矢部「タイム」

あおい「矢部くん…?」

矢部「甘い球でもいいでやんす、とにかく打たせるでやんすよ」

矢部「三振は取るのに3球も投げなきゃいけないでやんすからね」

あおい「矢部くん…ありがとう…」

あおい(そうだ、僕には頼もしいバックがついてるんだ)

ビシュッ

中島「…初球直球!」

カァーーーンッ!!

あおい「……!!」


253: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:23:36.79 ID:vGEhyN0D0
打球は…

パワプロ「おい!!!!!」

センター前に抜けようとしていたが

バシッ!!

中島「なにっ…?」

矢部が今日1番の横っ飛びでセンター前ヒット性の当たりをキャッチ

グラブトスでショートの友沢へ

友沢「よくやった…!」

友沢は2塁ベースを踏み1塁へ

ビュッ

中島「くっ…!!」

全速力で走るも間に合わず

審判「アウトォ!!!」


255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:28:03.97 ID:vGEhyN0D0
ゲッツーで2アウトに

しかし、3塁ランナーがその間にホームへ生還したため

ブロードバンドハイスクール高校に1点が入る

矢部「…くぅ」

友沢「ナイスだ矢部、2アウトはお前のプレーで取れた」

あおい「ありがとう矢部くん!ナイスプレー!」

矢部「えへへでやんす…!」

パワプロ「あのクソメガネ…」

立ち直ったあおいは続く4番打者を三振に抑えた

いよいよ、恋恋高校の攻撃だ


257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:37:56.76 ID:vGEhyN0D0
1番、ショート友沢

パワプロ「友沢、デットボールでも良いから出塁しろよ」

友沢「言われなくてもわかってる」

ゆっくりと打席に入る友沢

中島(ほう…能力がかなり低いな…)

友沢「打つ…!」

……



スパンッ

審判「ストライクッーー!バッターアウト!」

友沢「くっ」

矢部「1球も当たらなかったでやんす…」


258: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:40:40.95 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「2番矢部くん!絶対に出塁しろ!」

矢部「了解でやんす!」

中島「なるほど、全体的に能力が高い選手だな」

ビシュッ

矢部「…ぬやぁ」

カァーンッ

打球は上空へ上がった

パワプロ「きたか…!!」

グングン伸びセンターへ……

パシッ

入ったのはスタンドではなくセンターのグローブの中であった

矢部「あぁっ…でやんす」

僅か4球で2アウトまで追い込まれる

259: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:46:35.50 ID:vGEhyN0D0
その後、あおいちゃんと中島の投手戦が繰り広げられる

あおいちゃんはあの1点のみに失点は抑え

対する中島は0点のまま最終回まで投げ込む

9回の表、ブロードバンドハイスクールの攻撃

あおいちゃんが突然コントロールを乱す

既に球数182球を超えておりフラフラの状態である

あおい「ハァハァ…」

シュッ

ヒョロヒョロ

審判「ボール!フォアボール!」

2アウトランナー満塁

パワプロ「クッ…なにやってんだあいつは…!」

267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 13:55:51.98 ID:vGEhyN0D0
あおい「…ハァハァ…ハァ…」

矢部「あおいちゃん…」

ガリ「さ、さすがに限界です」

あおい「僕まだ投げれる……よ…」

矢部「投げれるって言ってもフラフラでやんすよ!」

あおい「うるさい…メガネ…」ギロッ

矢部「ヒッ」

ガリ「つ、次は今日4打数3安打の中島ですぅぁ…」

矢部「これ以上点差をつけられてもマズイでやんすよ…」

ビュンッ!ズバンッ!

あおい「え…」

恋恋高校のベンチ前ではパワプロが肩を作っていた

矢部「ぱ、パワプロくん…マウンドに上がる気でやんすよ…!!」

268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:00:18.91 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「ふぅ…」

パワプロ「以前に比べて能力は落ちてる…か」

パワプロ 球速109km コンE スタF 変化球フォーク4

パワプロ「だが、今の俺なら抑えれるかもしれない」


矢部「マズイでやんす!パワプロくんがリリーフに上がったら炎上間違い無しでやんすよ!」

友沢「そんなにひどい能力なのか…」

矢部「中学時代は失点マシーンの異名を持っていたぐらいでやんすからね」

あおい「僕が投げるから、安心して」

ガリ「投げるって…このままじゃ中島に打たれますよぅぁ」

269: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:04:42.00 ID:vGEhyN0D0
友沢「…俺が投げる」

矢部「と、友沢くんがでやんすか!?」

あおい「…」

友沢「一応これでも投手経験はある」

友沢「パワプロよりは抑えれる自信はあるさ」

あおい「…でも…」

友沢「お前はよく投げた、だから後は俺達に任せろ」

あおい「……」

あおいは友沢のグローブにボールを託した

あおい「任せたよ…」

友沢「ああ…!」

パワプロ「え、なに友沢マウンドに上がってんだよ…?」

272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:10:29.03 ID:vGEhyN0D0
中島「ピッチャー交代か…どのみちさっきの女と同じような能力だな…」

友沢「野球は…データでやるもんじゃないぜ…!」

ビシュッ

中島「フフッ、ただの直球か…」

ククッ

審判「ストライクーーッ!」

中島「スライダー…」

あおい「友沢くん…あんなにキレのいいスライダーを…」

友沢(手が出なかったか…これなら抑えれるかもしれないな)

中島「なるほど、良い球だ」

ピシュッ

中島「だが…我々には次に来る球が予測出来るんだよ…!」

カァーーンッ!!




273: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:14:14.90 ID:vGEhyN0D0
中島「うっ…」

ビリビリッ

打球は平凡なピッチャーフライ

落ち着いてフライを捕球し3アウト

中島「な、なぜ予測出来たのに打てなかったんだ…」

友沢「データにも限界があるんだよ」

矢部「や…やったでやんす!無失点で切り抜けたでやんすよ!」

あおい「ナイスピッチ!」

パワプロ「友沢よくやった」

友沢「さすがに疲れた」

友沢「次は1番からの好打順だ何としても諦めずに食らいついていこう」

一同「オォォぉーーーッ」


275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:18:02.40 ID:vGEhyN0D0
友沢「…フンッ」

カァーンッ

中島「チッ」

友沢の打球は綺麗にセンター前へ

ノーアウトからランナーが出塁した

矢部「次はオイラでやんす!!」

あおい「矢部くん、落ち着いてね!」

矢部「ムムッ!あおいちゃんからのアドバイスでやんす!」

中島(クソッ…思った所に投げ込めなくなっている…)

中島(データが限界?ふざけるなよ…!!)


279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:25:18.20 ID:vGEhyN0D0
矢部「…ピクッ」

審判「フォアボール!!」

中島「おいおい!審判どこに目ェつけてんだよ!」

友沢「よし…だいぶ混乱してきているな」

パワプロ「メガネナイス!」

矢部「…やったでやんす!」

パワプロ「次は3番のガリだ!頭にボールぶつけられてでも良いから出塁しろ!」

ガリ「はぁぃっ」

中島「クソックソッ…!!」

ガリ(ここは手を出さずに待球作戦でいこう)


281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:28:59.09 ID:vGEhyN0D0
中島「うおおおおおおおお!!!」

ビシュッ

パンッ

審判「ボール!フォアボール!」

あおい「連続で四球!これでノーアウト満塁!」

矢部「いける…いけるでやんすよ!!」

ガリ(あの投手はもう抑えれる程の力は無い…)

友沢「勝てる……」

チームのボルテージは最高潮に達している

次は4番の無名1塁手だ

矢部「だけど無名くんは今日ノーヒットでやんす…」

パワプロ「審判、タイム」

友沢「ん?」

パワプロ「代打…俺…!!」

287: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:35:07.94 ID:vGEhyN0D0
友沢「…なんだと?」

矢部「ぱ、パワプロくんが代打でやんすか!?」

パワプロ(皆が俺のために用意してくれたチャンスだ…)

パワプロ(絶対に無駄にはしない…!)

打席に立とうとするパワプロを止めようとするあおい

あおい「ま、待って!」

パワプロ「どいてくれ…俺はもう集中状態に入ってるんだ」

あおい「お願いだから代打は出さないで…!」

パワプロ「俺の方が打てる、ただそれだけだ」

あおい(打てない…打てないなんて言えないよ…)

289: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:39:22.93 ID:vGEhyN0D0
ゆっくりと打席に入り独特の神主打法で

投手中島を迎え撃とうとする

パワプロ「…」

中島(な、なんだこの雑魚バッター…?)

中島(ベンチの秘密兵器かと思えば素人以下の能力じゃないか…)

中島「フンッ!」

ビシュッ

矢部「棒球でやんす!」

ズバンッ!

キャッチャーのミットにボールがおさまったぐらいに

ブンッ

パワプロがバットを振り始める

審判「ストライクッーーー!!」

パワプロ「振り遅れた…」

あおい「ふ、振り遅れすぎだよ…あんなのじゃ絶対に打てる訳ない…」

290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:43:44.12 ID:vGEhyN0D0
中島「アハハハハ!!」

「なんだあのバッターww」

「アンパイバッターだな」

パワプロ「…」

矢部「パワプロくん…」

過去のトラウマがパワプロを襲う

パワプロ「…」

中島「それっ」

ビシュッ

矢部「ど真ん中でやんす!!」

友沢「打て…!」

パワプロ「俺は…俺はもう1人じゃない…!信頼されてる監督兼選手なんだ!!」

カキィーーーーンッ!!!

あおい「…!!」


296: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:49:23.75 ID:vGEhyN0D0
ピッチャーゴロ

中島は落ち着いてホームへ投げワンアウト

中島「キャッチャー!セカンドに投げろ!」

捕手「え…」

中島「いいから!」

シュッ

セカンドに送球し2アウト

中島「セカンド!最後にファーストに投げろ!」

鈍足のパワプロはまだ1塁に到達していない

シュッ

パシッ

審判「アウトーーーー!!ゲームセット!!!」

あおい「うそ……」

矢部「トリプルプレー…でやんす……」

パワプロ「…はぁ…はぁ…」

304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 14:54:03.95 ID:vGEhyN0D0
あおいはベンチで泣き崩れ

友沢は呆れた表情でパワプロを見つめている

矢部「…オイラ達の夏が終わったでやんす…」

ガリ「…」

パワプロ「はぁ…1塁まで走るのってしんどいな…」

1塁ベース上で寝転び空を見上げる

パワプロ「ははっ…空ってこんなに青かったっけ」

パワプロ「やっぱり試合って楽しいや…」


審判「礼!」

全員「ありがとうございましたぁ!」

ブロード1点VS恋恋0点

2年目の夏は初戦敗退という結果に終わった

313: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:00:31.65 ID:vGEhyN0D0
試合終了後、テレビの記者達が敗戦チームに駆け寄る

記者「こんな雑魚チームを記事にするのもいいかもしれない!」

記者「ぜひインタビューを!」

記者B「写真もお願いします!!」

パシャッパシャッ

あおい「…ひっく…ぐすっ…」

矢部「しゃ、写真はやめるでやんす!」

記者B「いいから!いいから!」

グイッ

記者B「え」

友沢「こっちは負けて忙しいんだよ…写真なんて撮るな」キッ

記者B「ヒッ…」


パワプロ「はいはい、押さないで押さないで」

記者「インタビューに!インタビューに答えてください!」

パワプロ「ここじゃあれなんで近くの居酒屋にでも行きましょうか」

318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:04:29.34 ID:vGEhyN0D0
その後、学校に戻り緊急ミーティングが開かれる

パワプロは欠席だ

友沢「…」

矢部「…」

あおい「…」

友沢「ハッキリ言ってこのチームじゃ甲子園どころか初戦突破も無理だ」

友沢「ランナーが出ても打てない」

友沢「チャンスに強い4番打者がいる訳でもない」

友沢「無失点に抑えるエース級投手もいない」

あおい「…エース投手…」

矢部「今日の試合はあおいちゃんは悪くないでやんす…」

友沢「ああ、1失点でよく抑えた」


325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:10:03.53 ID:vGEhyN0D0
矢部「パワプロくんが…」

友沢「あいつ次第でこのチームは大きく変われるかもしれない…」

あおい「まさかあの場面で代打を出すなんて思わなかったよ」

ガリ「自分で打てると思ってたんじゃないですかねぁうぁ」

友沢「これからは、俺が裏で試合中に指示を出す」

矢部「…!」

友沢「あいつに采配を任せていたら勝てる試合も勝てなくなる」

あおい「僕もそれに賛成かな…」

友沢「パワプロは余程の事がない限りベンチ選手として扱う」


330: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:18:20.67 ID:vGEhyN0D0
―居酒屋―

パワプロ「そうですよ…練習の指示なんかは全て僕がしていたんです」

記者「選手兼監督なんて大変ですね」

パワプロ「いえ、仲間と共に練習出来るだけで幸せですよ」

記者「さすがですね…!」

カリカリッ

パワプロ「練習もオーバーワーク気味になることはしませんよ」

パワプロ「怪我をしてしまっては元も子もない」

記者「チームの事を考えているんですね…」

パワプロ「ええ、チームメイトは僕の大切な仲間達ですからね」


334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:24:40.10 ID:vGEhyN0D0
―次の日―

恋恋高校の前には

猪狩進「ここがあかつき高校か…」

進「兄さん達と一緒に野球が出来るなんて嬉しいな」

スタスタ


進「あれれ?こんなに女子が多い高校だったかな?」

矢部「急いで行かないとサッカー部にグラウンドを取られるでやんすよ!」

あおい「分かってるよ…!」

進「あ、あのう」

ドスンッ

あおい「きゃっ」

進と衝突したあおい


337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:29:02.99 ID:vGEhyN0D0
進「あいたたっ…すいません!大丈夫ですか…?」

あおい「こっちこそすいません…」

矢部「これは運命の出会いでやんすね!」

あおい「うるさい!」

バキッ

矢部「ふぎゃっ」

進「あの…野球部の部室はどこにあるか知りませんか?」

矢部「野球部ならオイラ達でやんすよ!」

進(え、こんなメガネの人が?)


339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:33:27.44 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「うぃーす」

友沢「パワプロか…」

進「…」ペコッ

パワプロ「おっ、入部希望者かい?」

矢部「そうみたいでやんすよ」

進「はい…ぜひ入部させてください!」

パワプロ「じゃあ、入部テストだ」

あおい「入部テストって…」

パワプロ「俺の100球ノックを1球もミスせずに捕球出来たら入部を認めるぞ」

進「分かりました」

スッ

友沢(キャッチャーミット…か)


340: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:36:18.96 ID:vGEhyN0D0
カァーンッ

パワプロ「ハァハァ…」

矢部「いっ…一球もミスしなかったでやんす…」

進「これでいいですか?」

友沢(キャッチャーとしては申し分ないな)

パワプロ「よし、認めてやろう」

進「ありがとうございます!」

進くんが入部した

スタスタ

猪狩「ちょっと待ってほしい」

パワプロ「猪狩…?」

進「兄さん!」

343: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:41:23.04 ID:vGEhyN0D0
猪狩「進、ここは恋恋高校だぞ」

進「えっ…あかつき高校じゃないの?」

矢部「ま…間違えてたでやんすか!?」

あおい「うーん…」

友沢「なるほど、どうりで上手いと思った訳だ」

パワプロ「猪狩…残念だが進くんはこのチームに入るんだよ」

猪狩「ふざけるなパワプロ!僕の弟だぞ!」

進「兄さん、でも僕はもうこのチームを気に入ったから…」

猪狩「進…」

猪狩「分かった…お前が決めたんなら文句はない」

猪狩「今度は俺達はグラウンドの上で再会しよう…」

スタスタ


345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:44:20.67 ID:vGEhyN0D0
ギチッギチッ

友沢「猪狩ってやつ…右手にゴムマリを握ってるのか…」

猪狩「…」

ギチッギチッ

猪狩はそのままゴムマリを握りつぶした

パァーーン

あおい「すごい…ゴムマリが握力で粉々に…?」

矢部「とんでもない投手でやんすよ猪狩くんは」

進「兄さん…ごめん…」

パワプロ「さっ、邪魔者は消えたし練習だ練習!」


350: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:51:37.73 ID:vGEhyN0D0
影山「ここが恋恋高校か…」

……



進「ノーアウトランナー1、2塁!」

進「矢部さんはもう少し前進で!」

矢部「さすが名捕手…先輩のオイラ達にも指示が出せてるでやんす」

友沢「少なくともパワプロよりは3枚も上だ」

進「しまっていきましょー!」

影山「ふむ、彼はまだ1年生か…」

パワプロ「影山さん」

影山「む…君は?」

パワプロ「このチームの選手兼監督のパワプロです」

名刺を取り出し差し出す

353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:55:31.76 ID:vGEhyN0D0
影山「パワプロ…か」

パワプロ「ポジションはキャッチャー又は投手です」

パワプロ「希望球団はジャイアンツです」

影山「そ、そうか…」

パワプロ「良ければ僕のプレーご覧になられます?」

影山「ふむ…そうだな」

……



パワプロ「おい、ガリ」

ガリ「はぁい」

パワプロ「ミットの綿を全部抜いておけ」

ガリ「ミットの綿を…?」

パワプロ「それで捕球した際に良い音が出るようになるからな」


356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 15:58:32.19 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「えいっ」

パァンッ!パァンッ!!

銃声のような音がグラウンドに響き渡る

パワプロ「よし…いい音出た…」

影山(球速は110キロ台、どこも欲しがる球団はないな)

スカウトの評価が下がった

パワプロ「次、変化球いきま~す」

ピシュッ

ククッ

パァーーンッ!!!!

影山「ほう…フォークボールか」

パワプロ「フォークは僕のウィニングショットですよ」


363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:02:27.61 ID:vGEhyN0D0
影山(キレも無ければ、コントロールが良い訳でもない)

影山(少年野球のエース投手の方がまだ使えるな)

スカウトの評価がものすごく下がった

パワプロ「よし、アピール成功!」

影山「それでは私は失礼するよ」

スタスタ

パワプロ「ははっ、なんだあのジジイ!評価ぐらい言っていけよ!」

……



影山「む?」

矢部「えっほえっほ…」

影山「確かあの時グラウンドにいた部員か…」

影山(どうやら練習後も河川敷で練習をしているようだな)

矢部に対するスカウトの評価が上がった

367: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:07:31.68 ID:vGEhyN0D0
あおい「…えいっ」

ビシュッ、ビシュッ

ビリビリッ

あおい「いたっ…!」

突如、あおいの右肩に電流のような痺れが走った

あおい「投げ込みしすぎたかな…気をつけないと…」

あおいの右肩に爆弾が出来た

あおい「うぅっ…」

パワプロ「あおいちゃん!」

あおい「ぱ、パワプロくん…」

パワプロ「どうしたの?」

あおい「ちょっと右肩が痺れて……」

パワプロ「大丈夫?あおいちゃんはこのチームのエースなんだから!」


370: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:12:38.31 ID:vGEhyN0D0
いよいよ、夏も終わりを告げようとしていた

甲子園では帝王高校が甲子園優勝を果たす

パワプロは静かにテレビの電源を切る

パワプロ「…もっと強化する必要があるな」

夏の終わりにパワプロはある提案を出すことに

それは「究極の強化合宿」

このままでは勝てないということを悟ったパワプロは

追い込みをかけるために夏終盤に合宿をすることに

パワプロ「ククッ…覚悟しておけよ……地獄の合宿の始まりだぜ」

373: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:16:55.89 ID:vGEhyN0D0
―1週間後―

矢部「ヒャァ~暑くて溶けそうでやんす!」

友沢「いきなり合宿か…」

あおい「勝つためには当然のことだよね」

進「暑い…」

ガリは夏期講習のため欠席

集合時間から1時間経ってからパワプロが現地に到着する

黒いサングラスをかけ全員の前に登場

パワプロ「よう、お前達」

友沢「1時間も待たせてその言葉かよ」

パワプロ「用意するのに手間取ってな…許せよ」

375: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:20:49.07 ID:vGEhyN0D0
そして、地獄の強化合宿が幕を開けた

ご飯の時以外は練習という鬼のようなメニュー

朝は30kmランニング

その後、ノックやら投げ込み等で時間を潰す

パワプロ「走れェ!声出せ!!!」

矢部「やんす~…」

友沢「えっほえっほ」

あおい「はぁはぁ」

進「…うおおおおおおお!!!」

パワプロ「おらおら、まだまだ練習は終わらないぞ!!」


377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:24:33.91 ID:vGEhyN0D0
友沢「くっ…足が…」

左足に爆弾が出来た

矢部「友沢くん、大丈夫でやんすか…?」

パワプロ「矢部!1人で立たせろ!」

べシッ

矢部「ふぎゃっ」

友沢「1人で…立てる…」

パワプロ「それでいい」

パワプロ「お前はプレーで周りを引っ張れ」

友沢「…!」


378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:30:22.53 ID:vGEhyN0D0
……



3週間後

夏合宿も終わりを迎え

チーム全員の能力が大きく上がっていた


あおい 球速149km コンB スタB 変化球 シンカー6、カーブ5、シュート2、スライダー6

友沢  ミB パA 走E 肩D 守C

矢部  ミB パB 走A 肩B 守B

進   ミB パD 走B 肩B 守A

ガリ  ミA パD 走D 肩C 守E

パワプロ ミE パF 走F 肩D 守D

パワプロ「ご苦労だった、1日だけオフをやるからゆっくりと休め!」

一同「オォォッーーー!!!!」

391: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:36:09.60 ID:vGEhyN0D0
―帰りのバス―

パワプロ「いいか?来年の夏が最後のチャンスだ」

パワプロ「足を引っ張るような選手はすぐにベンチに引き下げる」

友沢「なに言ってんだこいつ…」

矢部「…」

あおい「さ、さすがパワプロくん!」

進(パワプロさんはこの中で一番下手だなぁ)

パワプロ「それと、あおいちゃんはこれからリリーフに回ってもらう」

あおい「え」

友沢「な、なにを言ってるんだ!」

矢部「先発は他にいないでやんすよ!」

パワプロ「俺だよ」


400: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:43:54.27 ID:vGEhyN0D0
進「110km台の投手を使う高校なんてうちぐらいですよ~」

パワプロ「俺が試合を作りあおいちゃんに繋げる」

矢部「…そ、それは」

あおい「パワプロくんも投手としての能力は高いんだから任せるよ!」

矢部「あおいちゃん…」

友沢「バカが」

パワプロ「分かってるねあおいちゃん」

パワプロ「俺だってこの合宿で能力が上がったんだ」

パワプロ「中学時代みたいに打たれることはないさ!!」

友沢(ダメだ…こいつが試合を作れるはずがない…)


406: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:48:56.42 ID:vGEhyN0D0
―秋―

秋大会はチームの情報を与えないというパワプロの作戦で

わざと初戦敗退を喫した

コンコン

校長「どうぞ」

ガチャッ

パワプロ「野球部のエース兼選手兼監督のパワプロです」

校長「なにか用ね?」

パワプロ「来月の日曜日に練習試合を組んでもらいたいのですが」

校長「近場の高校ですかね」

パワプロ「いいえ、海外の強豪メジャー球団と練習試合を組んでもらいたい」

校長「は…?」

415: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:53:21.24 ID:vGEhyN0D0
校長「それは無理ですぞ」

パワプロ「学費とかかき集めてんだろ?ん?」

パワプロ「レンジャース辺り引き連れてこいよ」

校長「そ、それは無理じゃ!資金のこともあるが相手チームの予定も合わん!」

パワプロ「何としてでも予定は空けてもらいます」

パワプロ「ですからぜひ、強豪メジャー球団との練習試合を…」

校長「くぅぅっ…」

パワプロ「早く決断をしてくれ」

スッ

校長の喉下にバットを突きつける


422: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 16:56:57.49 ID:vGEhyN0D0
―放課後―

パワプロ「みんな、集合してくれ」

ササッ

あおい「どうしたの?」

パワプロ「来月の日曜日に海外のメジャー球団と練習試合をすることになった」

矢部「!?」

友沢「メジャー…球団…?」

進「どこのチームなんですか」

パワプロ「テクニックス・レンジャースだよ」

あおい「レンジャース!?」

矢部「超強豪チームでやんすね…」

友沢「蟻と像の戦いだぞそれは」

パワプロ「メジャー相手に俺のピッチングがどこまで通用するか試したいんだ…」


432: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:03:39.62 ID:vGEhyN0D0
―次の月―

レンジャースナインが恋恋高校のグラウンドに集まる

ダベルビッシ「日本で野球するのは久し振りだな」

あおい「…!ダベル選手だ!」

パワプロ「誰あいつ」

友沢「メジャーに挑戦した日本人投手…まさか今日の先発か」

バトルミント「…」

矢部「よ、四番のバトルミント選手もいるでやんす!」

パワプロ「ヒェ~強豪チームだねこりゃ」

進「パワプロ先輩、今の内にウォームアップ済ませておきましょ」

パワプロ「ああ…!」

パワプロ対レンジャース打線…!!

441: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:10:21.74 ID:vGEhyN0D0
1回の表、恋恋高校からの攻撃

ダベルビッシ 球速158km コンA スタS 変 カーブ7、Hスラ6、チェンジアップ4、ツーシーム、シュート5、シンカー4、ナックル5

ダベル「…ふんっ!」

ズバンッ

ナットウ「ナイスピッチ」

レンジャースをまとめる捕手、ナットウ

ナットウ ミB パA 走B 肩S 守A キャッチャー○、PH、流し打ち、広角打法

ダベル「サインは任せる」

ナットウ「オーケー」

審判「プレイボール!!」

いよいよ、試合が始まった

1番バッターの友沢が打席に入る


446: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:13:55.98 ID:vGEhyN0D0
友沢「…」

ダベル「ふんっ!」

ズバンッ!

審判「ストライクーーーッ!」

矢部「い、いきなり155kmでやんすか!?」

あおい「すごすぎる…」

パワプロ「ヘイヘイピッチャーびびってるー!」

友沢(コントロールも良すぎる…しかもあの球のノビはなんだ!?)

2球目は大きく曲がるカーブを投げる

ビュルルル

スパンッ!

審判「ストライクッ!」

あまりの曲がりの大きさに空振りをする

矢部「掠りもしないでやんす…ダベル投手のカーブはお化けカーブでやんすよ…」


450: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:16:45.88 ID:vGEhyN0D0
ナットウ(遊び球はいらん、ど真ん中で良い)

ダベル「コクッ」

ザッ

友沢(150km台のストレートか…!)

ビュッ

フワッ

友沢「な…!」

ダベルが投げたのは80km台のチェンジアップ

スパンッ

思わず空振りをしその場で尻餅をつく友沢

審判「ストライクーーー!!バッターアウト!!」

友沢「クソッ…!なにも出来なかったか…!」


455: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:19:58.20 ID:vGEhyN0D0
ガックリ肩を落としベンチに引き上げる

友沢「悪い…」

パワプロ「バットに当てるぐらいなら少年野球の補欠でも出来るぞ」

友沢「…」

矢部「い、言い過ぎでやんすよ!」

パワプロ「三振したバッターにかける言葉はこれで十分だ」

進「パワプロさんは黙っててくださいよ」

パワプロ「なんだと?」

ガリ「次は…僕なんでぇいってきまぁす」

2番のガリが打席に入る

しかし、ガリも一球もバットに当てることが出来ず三振

ナットウ「おい、ダベル」

ダベル「…」

ナットウ「あのチーム相手ならもっと力を抑えて投げてもいい」

456: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:22:59.16 ID:vGEhyN0D0
ダベル「ナットウ、俺は全力で投げる」

ナットウ「おいおい…無駄な体力は使う必要はないんだぞ」

ダベル「俺は誰が相手だろうと全力で狩る」

ダベル「決して手を緩めることはしたくない」

ナットウ「…やれやれ、やっぱりそういうと思ったさ」

ダベル「すまないな」

ナットウ「いいや、構わん」


あおい「3番は…」

矢部「パワプロくんでやんすね…」

進「このチーム唯一のアンパイバッターですね」

パワプロ「行くぜ…」


461: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:26:38.44 ID:vGEhyN0D0
洋楽の入場曲と共に打席に入る

パワプロ「ふぅ…!!」

ダベル「…」

ナットウ「よろしくな、ジャパニーズボーイ」

パワプロ「Do you from?」

ナットウ(は?)

審判「こらこら、試合中に話しちゃダメだよ」

パワプロ「すいません」

ダベル「ふんっ!」

ズバンッ!

審判「ストライクーーーー!!」

全く手が出せないパワプロ

ベンチからはため息すら出ない


464: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:30:34.64 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「ヒュー…やるねぇダベルってやつ」

ダベル(このバッターがなぜ試合に出てるのかが理解できない)

ナットウ(ひどいバッターだぜ)

パワプロ「狙い~打ち~」

ズバンッ!

審判「ストライク!」

あっという間にツーストライクまで追い込まれる

パワプロ「おいおい…自分のタイミングで投げすぎだろ…」

当然のことながら3球目も見逃し

パワプロの第1打席は見逃し三振で終わった

470: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:34:20.84 ID:vGEhyN0D0
―1回の裏―

強力打線のレンジャースの攻撃からだ

1番 セカンド ボブ

パワプロ「へへっ、英語の教科書かよボブって」

進「パワプロさん」

パワプロ「なんだ」

進「サインは僕の言う通りに投げてください」

パワプロ「俺がサインは全て出す」

進「ヘボピッチャーなんだから言うこと聞いてくださいよ」

パワプロ「…」

ボブ ミS パA 走S 肩A 守A AH


480: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:37:43.25 ID:vGEhyN0D0
カァーンッ

パワプロ「くっ…!!」

1球でセンター前ヒット

進「ダメだ…あんな球で抑えるなんて無理だ」

友沢「パワプロ!しっかり抑えろ!」

パワプロ「分かってる」

その後、進のリード通りに投げるが

あまりの投手能力の低さにリード通りに投げても簡単に打たれる

僅か4球でノーアウト満塁となった

パワプロ「…さすがメジャー…わくわくしてきたぜ」

バトルミント「…」

バトルミント ミS パS 走B 肩A 守B 特殊能力25個以上

あおい「相手チームの4番バッター…」

パワプロ「…」ゾクゾクッ

490: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:43:23.04 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「…さぁ、俺のフォークで抑えてやる」

ビシュッ

進「…失投!?」

バトルミント「…グッバイジャパン」

バトルミントは片腕1本でボールを打つ

打球は遥か場外にへと消えて行った

レンジャースに4点が先制される

パワプロ「…そ、そんな……俺のウィニングショットが…」

進「たった5球で4失点ってホントにやばいですよ」

パワプロ「うるさい、俺は俺のピッチングを貫き通す」


494: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:47:20.49 ID:vGEhyN0D0
パワプロは1回にレンジャース打線に捕まり

自責点24という最悪の結果だった

パワプロ「ハァハァ…」

マウンドには誰も駆け寄らないままだ

あおいですら、今のパワプロを庇うことは出来なかった

進(早く帰りたいな)

友沢「…」

パワプロ「なんだこれ…俺って……メジャーに通用しないのか…?」

パワプロ「…嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!!!!」

試合開始から既に3時間が経過している


499: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:51:19.78 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「もういいわ」

パワプロ「投手交代、あおいちゃん」

あおい「え、僕?」

ダベル「…」

ナットウ「やっと交代か」

パワプロ「んじゃ、俺帰るし」

あおい「え?」

パワプロ「もうこの試合は負けだろ…24点も取られやがってよ」

あおい(自分が潰した試合なのに…)

あおい「パワプロくん…この試合は最後まで見届けて欲しいな…」

パワプロ「負け試合見たって仕方ないだろ、バカ女」

スタスタ

あおい「…」


506: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 17:54:16.28 ID:vGEhyN0D0
パワプロはユニフォームを脱ぎ捨て

グローブを叩き付ける

パワプロ「ハァハァ…!なんで俺が24失点も…!」

パワプロ「あれだけ、あれだけ投げ込みをしたのに…!!」

パワプロ「野球なんてもういい…!」

……



レンジャースが67点を取り勝利

恋恋高校は1点も取ることはできなかった

あおい「…」

矢部「た、大変でやんす!部室に…部室に…!!!」

友沢「なんだ?」

515: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 18:00:25.33 ID:vGEhyN0D0
「退部届」と書かれた紙が部室の机に置かれていた

文字の汚さからすぐにパワプロのだと分かる

あおい「そんな…」

矢部「パワプロくんが…退部……」

友沢「これで良かっただろ」

進「お荷物選手がいなくなった訳ですからね」

ガリ「…」

あおい「ひどいよみんな!パワプロくんはチームにとって必要な選手だよ…!」

友沢「お前もいい加減パワプロの肩を持つのはやめろ」

あおい「…!」

進「これもチームが勝つために必要な事なんですよ」

進「パワプロさんが退部しても事実、僕らのチームに支障はありませんから」


525: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 18:04:16.44 ID:vGEhyN0D0
……



パワプロくんが退部してから1週間が経った

チームは以前より活気づいている気がする

パワプロくんは学校にも姿を見せなくなった

あおい「…」

ビシュッ

スパン

矢部「ナイスボールでやんす!」

あおい「ありがとう…」

矢部「あおいちゃん、元気出すでやんす!」

パワプロくんが退部してからどこかあおいちゃんは元気の無い様子であった

あおい(パワプロくん…パワプロくんに会いたい…)


532: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 18:06:37.59 ID:vGEhyN0D0
一方…退部をしたパワプロは

パワプロ「…」

ゲームセンターに出入りする毎日が続いていた

DQN「おい、テメェなに俺等の優先座席に座ってんだよ」

グイッ

パワプロ「…」

DQN「けっ、野球帽被ってやがるぜ」

パワプロ「離せよ」

DQN「あん?」

パワプロ「離せっつってんだろ!!!!」

ドスッ!!


541: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 18:12:50.88 ID:vGEhyN0D0
ドスッボコッ

DQN「がはぁっ…!!」

ビ  「タッちゃん!」

パワプロ「俺は野球も好きだけど喧嘩も大好きでね」

パワプロ「そこら辺のチンピラなら粉に出来るんだよ」

スッ

DQN「ヒッ…ヒィァァァァ…!!!」

パワプロ「今日からこのゲーセン周辺地域をシメるパワプロだ…よろしくな」

彼の純粋の心はいつの間にか闇に閉ざされた

パワプロ パンチA キックS 投げ技B 寝技A レスリングB

パワプロ「…俺は…もう野球と向き合う事が出来ない……」

降りしきる雨の中、パワプロはフラりと外にへと姿を消した

第1部 完

596: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 19:39:19.76 ID:vGEhyN0D0
……



冬到来

寒さに負けず今日も恋恋高校メンバーは練習を続ける

進「声出していきましょー」

矢部「おぉーー!でやんす!」

友沢「えっほえっほ…」

矢部「あおいちゃん、また休みでやんすか…」

友沢「学校にもあんまり来ていないみたいだしな」

進「パワプロさんが辞めてからおかしくなりましたよね」

矢部「あおいちゃんは目を覚まして欲しいでやんすよ…」

609: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 19:44:42.70 ID:vGEhyN0D0
あおい「…」

あおい「パワプロくん…」

あおい「戻ってきてよ…パワプロくんがいないと…」

あおい「パワプロくんがいたからあんなに練習も頑張れたのに…」

あおいは学校の屋上でそう呟く

もう数ヶ月程あおい達の前に姿を見せないパワプロ

彼がどこで何をしているかは誰にも分からない


―繁華街―

はるか「…は、離してくださいっ!」

平山「うるせぇー!黙ってこっちこい!」

はるか「誰か…誰か助けてください…!」


615: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 19:50:34.45 ID:vGEhyN0D0
平山「俺はコンビニの店員平山だ!」

はるか「…くっ」

スッ

パワプロ「その辺にしておけよ」

平山「な、なんだテメェ!?」

はるか「どなた…?」

パワプロ「この繁華街じゃ名が通ってるパワプロってもんだ」

平山「へっ、俺は蛇殺しの平山だぜ!」

平山 パンチC キックC 立ち技C ムエタイB

パワプロ「ここは俺のシマだ、一般人に手を出すのは許さねーぜ」

平山「ヒャッ!死ねやぁっ!!」

平山、渾身のハイキックを浴びせようとする

617: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 19:53:26.86 ID:vGEhyN0D0
ヒョイッ

平山「なっ…」

パワプロ「あんたの蹴りあおいちゃんの球より遅いぜ」

ドスッゥ!!

パワプロのボディブローが直撃

平山「おぎゃあああああああ!」

胃液を吐き出しその場でうずくまる

パワプロ「ふぅ…」

はるか「あ、ありがとうございます…」

パワプロ「ここの繁華街は1人で歩くのは危険だ」

パワプロ「何かあればすぐに俺に連絡してくれ」

パワプロ「あばよ」タッタッタ

そう言うとアドレスと電話番号の書いた紙をはるかに手渡す

はるか「あのユニフォームは…恋恋高校…の……」

625: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 19:58:00.40 ID:vGEhyN0D0
―公園―

パワプロ「…」

子供A「今から野球しようよ!」

子供B「お兄ちゃんキャッチャーね!」

パワプロ「うるせーぞ…クソ餓鬼共が」

子供A「いいからやろうよ~!」

パワプロ「イラッ」

イライラが限界に達したパワプロは

1人の子供の胸倉を掴み持ち上げた

子供A「ヒッ…」

パワプロ「俺は野球が一番嫌いなスポーツなんだよ…分かったか!!?あぁん!!!?」


632: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:02:26.78 ID:vGEhyN0D0
外藤「…おい、兄ちゃん」

パワプロ「あん?」

外藤「とりあえずユニフォーム脱いだらどうや?」

パワプロ「…」

外藤「そのままやと迷惑かかるで」

パワプロ(そうか…ユニフォームだと高校までバレてしまう)

ぬぎぬぎ

パワプロはその場でユニフォームを脱ぎ捨てた

外藤「素直な男はモテるんやで」

パワプロ「礼を言うぜ…危うく迷惑がかかるところだった」


638: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:06:39.44 ID:vGEhyN0D0
外藤「とりあえずこれに着替え」

スッ

パワプロは赤黒のチェック柄パーカに身を包む

パワプロ「助かったよ、名前は?」

外藤「外藤や…ここの近くでたこ焼き屋を経営しとる」

パワプロ「へぇ」

外藤「それより、兄ちゃんええ身体しとんな」

パワプロ「どうも…」

外藤「こう見えても俺はボクシングやっとるんや」

パワプロ「ボクシング……?」

外藤 パンチS キックC スピードS ブロッキングA スウェーS 


640: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:09:40.33 ID:vGEhyN0D0
外藤「昔は野球やってたんやけど…今はボクシングに夢中や」

パワプロ「そうですか、俺は別に格闘技に興味はありませんよ」

外藤「勿体無いのう…」

パワプロ「それじゃこれで失礼します」

外藤「1回だけ見学にこうへんか?俺のジムに」

パワプロ「ジム…?」

外藤「外藤極悪ジムや」

月謝は4万、設備は最悪の極悪ジムで有名な所だ

未だにプロ選手を輩出をしたことのない悪徳ジムでも有名

会長は外藤がしている

645: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:12:43.46 ID:vGEhyN0D0
外藤「この公園の地下に設置してあるんや」

パワプロ「地下ボクシングジムですか…」

スタスタ

外藤「ボクシングやない…なんでもありのジムや」

パワプロ「総合格闘技ですか?」

外藤「まあそんな感じや」

外藤「世界最強は男なら1度は目指すもんやで」

外藤「それを目指してるゴロツキの集団がこのジムに集まっとる」

パワプロ「…なるほど」


646: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:16:24.76 ID:vGEhyN0D0
ギィィィィッ

ジムのドアが開かれる

ネロ「ウー…ウー…」

リングの上には色白の巨漢と

平山「ハァハァ…」

パワプロ「!?」

パワプロがボコボコにした男が立っている

外藤「今、スパーリング中や」

平山「ふぇ…フェザー級の俺がヘビー級のネロとガチガチのスパーリングなんて…!」

ネロ「ウー…!!」

ドスッ

平山「がはぁっ!」

パワプロ「外藤さん…これじゃ平山ってやつが死んじゃうよ!」

外藤「けっ、死人ぐらい出るに決まってるやろ」

649: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:20:22.99 ID:vGEhyN0D0
あおい「…」

矢部「あおいちゃん」

あおい「や、矢部くん!?」

矢部「そろそろ部活に来て欲しいでやんす…」

あおい「…ごめん……明日から行けるようにするね…」

矢部「行けるようにじゃなくて絶対に来て欲しいでやんす!」

矢部「このチームのピッチャーはあおいちゃんなんでやんすから!」

あおい「……パワプロくん…」

矢部「いつまでもいなくなったパワプロくんのことを引きずっても仕方ないでやんす!!」

あおい「パワプロくんがいなきゃ!!」

矢部「目を覚ますでやんす…!もうオイラ達は変わるしかないでやんす!!」

652: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:24:11.31 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「お、俺が代わりに!!」

リングの上に颯爽と登場する

平山「お…お前は……」

パワプロ「この巨漢デブは俺が倒す」

ネロ「デブじゃない」

ドスッ!!

ネロのパンチ力はおよそ2t

そのパンチをモロに受けたパワプロは吹き飛ぶ

グシャァッ

外藤「あ、アホか!死んでまうやろ!!」

ネロ「うー…ごめんなさい……」

血だらけになったパワプロに駆け寄る

外藤「あかん…出血が止まらん……このままやと死んでまうで…」

654: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:28:44.70 ID:vGEhyN0D0
平山「あの人に治してもらうしか…」

外藤「チッ…そうするしかないな」

担架に乗せられ更に地下にへと連れて行かれるパワプロ

……



パワプロ「はっ」

パワプロ「ここは…?」

ダイジョーブ「目ガ覚メマシタカ?ダイジョーブ博士デース」

パワプロ「な、なんだこの人?」

ダイジョーブ「出血ハ止メマシタ、他二頼ミ事ハアリマセンカ?」

パワプロ(頼み事…?なんだ手術でもしてくれるのか…?)


657: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:31:42.95 ID:vGEhyN0D0
ダイジョーブ「コノ中カラ選ンデクダサーイ」

・野球が上手くなりたい
・ボクシングが強くなりたい
・レスリングが強くなりたい
・柔術が強くなりたい
・ムエタイが強くなりたい
・柔道が強くなりたい

パワプロ「うーん……」

ダイジョーブ「ソノ代ワリ手術ニハ危険ガ伴イマス」

パワプロ「…野球……」

パワプロ「いや…俺はもう野球を捨てた男だ…今更野球を選ぶ資格なんてない…」


660: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:36:26.96 ID:vGEhyN0D0
「アンパイピッチャー」「アンパイバッター」

「110km台の投手を使うなんてうちの高校ぐらいですよ」

「バカが」

「失点マシーンの異名を持つ…」

「パワプロくん!」

パワプロ「うっ…う…あああああああああ……!!!」

パワプロ「なんで野球のことが忘れられないんだ…!!」

パワプロ「俺は…役に立たない選手なのに…!」

パワプロ「へへっ…この際、手術しても悪くねぇな」

パワプロ「博士俺の身体を…野球が上手いように手術してくれ」

ダイジョーブ「分カリマシタ…」

ビビビビッッ!!

パワプロ「うぎゃうぎゃぎゃああああああああああ」

667: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:39:34.74 ID:vGEhyN0D0
矢部「オイラ…オイラあおいちゃんのことが好きでやんす!!」

あおい「……え」

矢部「あおいちゃんには野球に復帰してほしいでやんす!!」

あおいを壁に押し付け迫る矢部

他人から見ればまるで襲っているかのようであった

矢部「あおいちゃんはチームの太陽でやんすよ!!」

あおい「…矢部…くん……」

矢部「答えを聞かせて欲しいでやんす」

矢部「あおいちゃんの口から…」

あおい「……」


672: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:43:03.71 ID:vGEhyN0D0
ダイジョーブ「…」

パワプロ「はっ!」

ダイジョーブ「成功シマシタ…」

パワプロの投手能力が大幅に上がった

パワプロ 球速151km コンA スタB 変 フォーク7 トルネード投法が身についた

パワプロ「す…すごい!!力が漲ってきた!!」

ダイジョーブ「成功ハシマシタケド…怪我ニハ十分気ヲツケテクダサーイ」

パワプロ「ははっ!怪我なんてする訳ないさ!」

手術の成功と同時に

パワプロの右肩と肘には爆弾が取り付いた

パワプロ「…ユニフォームに着替えるか…久し振りだな」

ザッ

パワプロ「待ってろよ…みんな…!!」


681: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:47:14.77 ID:vGEhyN0D0
あおい「……」

矢部「あおいちゃん…」

タッタッタ

パワプロ「おっす!!!!!」

あおい「……パワプロくん!?」

パワプロ「俺、やっぱり野球復帰するよ!」

矢部「…チッ」

パワプロ「このチームには俺の力が必要ってことが分かったからね!」

あおい「パワプロくん…パワプロくん!」

思わずパワプロに抱きつくあおいちゃん

パワプロは「やれやれ」と言った表情で腰に手を回す

矢部「……」

パワプロ「全く、あおいちゃんは甘えん坊だな…」

691: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:51:23.35 ID:vGEhyN0D0
……



友沢「パワプロ…!?」

進「あれ、アンパイピッチャーさん…」

パワプロ「お待たせしたな」

パワプロ「今日から復活したパワプロだ」

友沢「今更、よく戻ってこれたな」

パワプロ「ヘボ沢とりあえず打席に立てよ」

友沢「ヘボ沢だと…?」

パワプロ「生まれ変わった俺のピッチングを見せてやる…」


697: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:54:18.50 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「行くぞ…」

ザッ

友沢「ふん…なにも変わってなさそうに思えるが…」

ググッ

あおい「あ、あの投法は!?」

進「トルネード投法…!」

パワプロ「それっ!!」

ビシュッ

友沢「それでもただのストレートなら…!」

ククッ

スパンッ

友沢「なっ……」

パワプロ「へっ、空振りだな」

ガリ「すごい落差のフォークですね…」


701: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 20:57:56.51 ID:vGEhyN0D0
パワプロはその後剛速球を2球投げ込み

友沢を空振り三振に奪った

友沢「クッ…」

進「明らかに球の質が変わってますね」

パワプロ「そうだろ…じゃ、じゃあ俺は今日は帰るわ」

スタスタ

あおい「ま、待ってよパワプロくん!」

パワプロ「頼む…今はゆっくりさせてくれ……」

ズキンッズキンッ

パワプロ(やばい、3球投げただけで肩に激痛が…)

パワプロ(クソッ…腕が上がらない……)

ズキンッ


713: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:01:25.91 ID:vGEhyN0D0
―部室―

パワプロ「畜生…次投げたら肩が壊れそうだ…」

ズキズキッ

パワプロ「うああああああああ!!」

ドスッ

自らの手で右肩を痛みつける

パワプロ「なんでだ…!なんで3球で限界なんだよ…!!」

ガチャッ

パワプロ「だ、誰?」

突然、金属バットを持った矢部が部室に入ってきた

鬼のような形相でパワプロを睨みつけている

パワプロ「や…矢部くん……?」

724: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:05:17.89 ID:vGEhyN0D0
ドスッ、ボコッ

パワプロ「ぐはぁっ……!」

矢部「フー…フー…」

矢部 剣術SS 見極めS

パワプロ(や…矢部くんってこんなに強かったのか…)

矢部「オイラは…オイラはパワプロくんのことが憎くて憎くて…!」

パワプロ「ま、待ってくれ!なにをそんなに怒ってるんだい!?」

矢部「とぼけるなでやんす!」

ブンッ

パワプロ「うわっ…!!」

矢部「ずっと…ずっとオイラ達の事を痛めつけてたでやんす!!!」

734: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:09:38.51 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「痛めつけてた…?」

矢部「あおいちゃんに無理な練習を押し付けていたでやんす…!」

パワプロ「待ってくれ、俺は無理な練習なんて一切押し付けたことはない」

矢部「黙れッ!」

ブンッ

パワプロ「うひゃっ」

矢部「あおいちゃんは誰にも言ってないでやんすけど…」

矢部「ホントは無理な投げ込みで…右肩に爆弾を抱えてるんでやんすよ…!!」

パワプロ「なっ……」


743: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:15:00.98 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「爆弾ぐらい…誰だって抱えてるもんだろ」

矢部「…ブチッ」

ブンッ!!

矢部の振り回したバットがパワプロの右肩に直撃

ビリビリッ

パワプロ「ギィヤァァァァ~~~~!!!!」

矢部「…オイラがお前の右肩をぶっ壊してやるでやんす…!」

パワプロ「や、やめてくれ…!!」

矢部「死ねでやんす~~~~~!!!!!」

タッタッタ

ガチャッ


749: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:19:06.18 ID:vGEhyN0D0
あおい「…!!!矢部くん!!止めて!!」

ドスッ

背後からあおいちゃんが矢部にタックルをかます

矢部「げふっ…」

バランスを崩した矢部にパワプロは右アッパーを食らわす

バキィッ

矢部「ふぎゃぁ!!」

カランコロン

手から金属バットが離れる

あおい「パワプロくん…!大丈夫!?」

パワプロ「やばい…くっ……助けてくれてありがとな…」

あおい「うわああああああん…!!」


763: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:23:02.63 ID:vGEhyN0D0
矢部「あ、あおいちゃん…」

あおい「ひどいよ矢部くん…どうしてパワプロくんをこんな目に遭わせるの…?」

矢部「…くっ…!」

パワプロ「あおいちゃん…保健室に…」

あおい「う、うん!」

スタスタ

バタンッ

1人部室に取り残された矢部

矢部「あおいちゃん葵ちゃん葵ちゃん葵ちゃんあおいちゃんあおいちゃんあおいちゃん」

狂ったようにあおいの名を呟く


771: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:27:11.42 ID:vGEhyN0D0
ガチャッ

友沢「矢部…」

矢部「あおいちゃんあおいちゃんあおいちゃん」

友沢「矢部!!」

パシッ

矢部「っ…」

進「…」

友沢「お前はあいつ(パワプロ)と同じようになるな」

友沢「このチームに欠かせない存在のお前が壊れてどうする…!」

進「矢部さんまで壊れたら甲子園なんて行けませんよ」

矢部「オイラ…オイラ……悔しいでやんす…!!」

友沢「その悔しさを練習と試合に生かせ」

780: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:31:29.54 ID:vGEhyN0D0
―塾―

塾長「模試テスト…はじめッッ!!」

カリカリッ

ガリ(矢部くん…諦めるな……)


矢部「オイラ、もう迷わないでやんす」

友沢「フッ、心配かけさせるなよ」

進「矢部さんは矢部さんの道を進めばいいんですから」

矢部の能力が上がった

矢部 ミB パB 走A 肩B 守B

矢部「そうと決まれば練習でやんす!」

友沢「行くか…」

進「はい!」

ギュィィィンッ…!!ピピピンッ!!

3人の友情タック練習で大幅に経験地を得た

786: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:34:10.98 ID:vGEhyN0D0
―保健室―

パワプロ「あおいちゃん」

ぎゅっ

あおい「…///」

パワプロ「君の右肩…俺に預けてくれないか?」

あおい「パワプロくんのためなら…喜んで……」

パワプロ「素直だね、好きだよあおいちゃん」

あおい「す…すき………」

あおいの顔は真っ赤に染まる

完全にあおいの心と右肩を支配したパワプロ


792: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:38:27.26 ID:vGEhyN0D0
パワプロ「おら、自分からも腰動かせよ」

パンパンッ

あおい「あああ…んんっ…!!」

パワプロ「へっ、マウンドでは見せない表情してんじゃねーか」

グイッ

あおい「きゃっ!!」

パンパンッ

パワプロ「炎上させてやるよ…!」

あおい「き…きもちいっ…んっ…!!!」

パワプロ(全くこんなに簡単にクズの俺に●●を開くなんてな…)

パワプロにチャンス○が身についた

799: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:43:27.65 ID:vGEhyN0D0
それから月日が経ち…

球春到来

パワプロ「…春か」

パンパンッ

はるか「はぁんっっ」

パワプロ「春の高校野球も見ないと」

パンパンッ

はるか「イグッ…!!」

パワプロ「おら、もっと俺を楽しませてから行けよ」

パンパンッ

パワプロは今日も練習をサボっている


805: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:48:21.67 ID:vGEhyN0D0
あおい「…今日も遊べない…か」

矢部「あおいちゃん、おはようでやんす!」

あおい「お、おはよう」

友沢「今日は練習に来るんだろ?」

あおい「うん…」

ヴヴヴヴヴッ

あおい「あっ、メールだ」

ピッ

「放課後体育館にきてほしい」

あおい(パワプロくんからだ…なにかあるのかな…?)

矢部「オイラ達グラウンドで待ってるでやんすよ!」

あおい(急いで体育館に行かないと…)

809: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:52:09.47 ID:vGEhyN0D0
―体育館―

パワプロ「急に呼び出してごめん」

あおい「話って…なに?」

パワプロ「悪いんだけど、別れてくれない?」

あおい「……え」

パリンッ

あおいの中でなにかが壊れた

パワプロ「これからは真面目に野球に打ち込みたいから」

パワプロ「今年はガチで甲子園目指さないとね」

パワプロ「じゃ、さようなら」

スタスタ

あおい「…え……え………」


820: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 21:55:57.20 ID:vGEhyN0D0
あおい「…ま…待って!」

パワプロの後を追いかけようとする

タッタッタ

パワプロ「ははっ」

食堂の近くで楽しそうに2人の女子と話すパワプロが視界に入った

パワプロ「はるかの は気持ちいな」

も も 

はるか「///」

パワプロ「舞の唇も柔らかいなぁ」

舞「んっ」

あおい「……なにこれ……パワプロ…くん……?」


831: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 22:00:06.11 ID:vGEhyN0D0
スッ

泣き崩れているあおいに部員たちが寄り添う

友沢「これで、目が覚めただろ」

進「あの人にとって貴女は遊び相手程度にしか思われてなかったんです」

矢部「目を…覚ますでやんす…」

ガリ「…」

あおい「……僕…それなのに……皆の意見を聞かなくて…」

矢部「もういいでやんすよ」

進「自分の間違いに気付いたんなら、みんな許してくれます」

あおい「…ぐすっ…ひくっ……うぅっ…」

友沢「これで材料は揃った、後はアイツの目を覚ますだけだな」


838: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 22:04:33.78 ID:vGEhyN0D0
―屋上―

パワプロ「オッケ、じゃあまた夜に」

はるか「バイバイ~」舞「じゃあね~」

スタスタ

パワプロ「ふぅ…今日も思いっきり腰を使うぞォ」

ガチャッ

屋上のドアが開く

パワプロ「ん?」

友沢「パワプロ…ちょっと俺達と話しようぜ」

パワプロ「なんだよ…俺は今から寝るんだけど」

あおい「…」

パワプロ「あ、あおいちゃん…どうして君まで…」


843: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 22:07:57.22 ID:vGEhyN0D0
進「起きろよクズプロ」

矢部「…大事な話でやんすよ」

ガリ「……」

パワプロ「な、なんだよお前等!俺を囲みやがって!」

友沢「全員目が覚めた…後はお前が改心するだけなんだよ」

パワプロ「俺が改心…?バカ言っちゃいけねぇぜ」

あおい「昔のパワプロくんに戻ってよ…!」

矢部「純粋に白球を追いかけてた頃のパワプロくんにでやんす!」

パワプロ「俺は純粋だっつってんだろ」

パワプロ「それより、早く練習に行けよ…夏の地区予選はもう少しなんだぞ」

851: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 22:12:49.59 ID:vGEhyN0D0
グッ

パワプロの胸倉を掴む友沢

友沢「お前みたいにどうしようもないクズでもな…大切なチームの一員なんだ…」

友沢「ホントは捨てやりたい…でも、1人も欠ける訳にはいかないんだよ…!」

パワプロ「友沢…」

あおい「…パワプロくんが入部してくれなきゃこのチームは今頃廃部だった」

矢部「だけど、パワプロくんが諦めずにいてくれたから」

進「今このチームが存在するんですよ」

ガリ「…」

パワプロ「……俺…が……」

スタスタ

影山「ようやく全員が気付いたみたいだな」

パワプロ「ジジイ…」

影山「勝つために練習をすることより、君達はもっと大切な事を忘れていた」


855: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 22:16:58.52 ID:vGEhyN0D0
友沢「あとはお前が改心するだけで…このチームは変われるんだよ…!」

パワプロ「……」

パリンッ!

パワプロの中にあった邪悪な心が割れる

野球を心から愛していた頃の自分を思い出す

パワプロ「……」

パワプロ「ごめん…」

皆の前で土下座をする

パワプロ「…俺……変わるよ……!!」

パワプロ「これから、皆に信頼してもらえるように…!!」

パワプロの能力が上がった

パワプロ ミB パS 走B 肩B 守A


875: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 22:22:28.23 ID:vGEhyN0D0
影山「うむ、まさかここで改心するとは」

スカウトの評価が大幅に上がった

友沢「待たせやがって」

進「やっと使える選手になりましたね」

あおい「パワプロくん…お帰り!」

矢部「このままノンストップで甲子園まで行くでやんすよ!!」

ガリ「よっしゃああああああーーーー!!!!!」

パワプロ「ニヤッ」

パワプロ「みんな、甲子園出場目指して頑張ろう」

俺達の戦いはまだ始まったばかりだ…!

888: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 22:27:43.93 ID:vGEhyN0D0
―恋恋高校部室前―

男子「ん…」

女子「なんか煙臭くない?」

男子「部室から臭ってんな…見てみるか」

ガチャッ

ボォォォォォッ!!

男子「なっ…!?」

女子「か、火事よ!!!」

部室の中は炎に包まれている

恋恋高校野球部の部室は真っ黒焦げとなった


901: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/09(土) 22:31:44.82 ID:vGEhyN0D0
校長「はい、それでは正式に廃部という形で」

あおい「……」

恋恋高校野球部は炎上し廃部という形になろうとしていた

友沢「…一体誰が……」

パワプロ「…」

矢部「オイラ達の甲子園の夢が……」

ガリ「…ひどい」

校長「皆さん今までお疲れ様でした」

校長「これからはサッカー部強化のために我が校も力を注ぎたいと……」

お し ま い