11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 21:46:51.57 ID:k8RB0mmA0
上条「さてと、小萌センセーの補習も終わったことだし帰りますかね」

土御門「カミや~ん!一緒に帰ろうぜい!」

上条「ん?おお、そうするか。ついでに特売だから買い物付き合ってくれよ」

土御門「やれやれ、大食らいの居候がいて大変だにゃ~」

上条「お陰さまでな」

土御門「カミやん・・・正直、不幸か?やっぱ、俺たちに関わって後悔していないか?」


引用元: ギップル「学園都市?・・・やたら臭いますねぇ・・・・」 





15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 21:51:24.28 ID:k8RB0mmA0
上条「まぁ、不幸かって聞かれたら、毎度大怪我はするし食費はかさ張るしで大変だよ」

土御門「・・・・・・」

上条「でもな土御門、俺は不幸だなんて思ってないぜ」

土御門「カミやん・・・」

上条「確かに魔術とやらに関わったせいで、何度も死ぬ思いをしたさ」

上条「その代わり、死んでも守らなきゃならない人や世界にも出会えたんだ」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 21:57:22.01 ID:k8RB0mmA0
上条「今まで不幸しか呼ばなかった右手だけど、コレが無かったら救えないものも沢山あった」

上条「俺の日常はぶっ壊れたかもしれないけど、それ以上にかけがえのない日常が出来たんだよ」

土御門「・・・・・そうだな」

上条「だから何も気にすんなよ、な?」

上条「お前が俺に負い目を感じているってんなら・・・・」

土御門「まずはその幻想をぶっ殺す・・・だろ?カミやん?」

上条「分かってるじゃねーか。サンキュな、土御門」ニカッ


――クッサァァァァァァアァァァァ!!!――


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:03:23.27 ID:k8RB0mmA0
上条「・・・・・?何か今、遠くで叫び声が聞こえたような・・・」

土御門「気のせいじゃないかにゃー。それよりもうすぐタイムセールが始まるぜよ」

上条「なにぃ!?急ぐぞ土御門、ダッシュだ!!」

土御門「はいよ~っと」


――――――――

ギップル「なんだか今、とてつもなくクサい台詞をはいた方が居たような・・・。離れていてよかったですねぇ」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:08:13.80 ID:k8RB0mmA0
ギップル「それにしても何なんでしょうかここは・・・ニケさん達はどこへ・・・」

ギップル「ギリ戦の前にワープ空間に迷い込んでしまって離れ離れだなんて困りましたねぇ」


子供「わぁーなにあれー!」

ギップル「(この村の子供ですか。ちょっと道を聞いてみましょう)」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:13:06.84 ID:k8RB0mmA0
ギップル「あの、少々お尋ねしたいのですが、ここはどこの村なのでしょうか?」

子供「しゃべったー!」

ギップル「え、まあ一応精霊ですから。ところでここは・・・・」

子供「精霊ってなにー?」

ギップル(精霊を知らない・・・?)

ギップル「えー、皆さんが言うところのオバケや幽霊のようなもn」

子供「幽霊なんて居るわけないじゃーん!!」

ギップル「」イラッ

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:18:37.70 ID:k8RB0mmA0
ギップル「・・・コホン。改めましてここはどこの村なのでしょうか?」

子供「ここはねー、学園都市だよ!」

ギップル「ガクエントシ?変わった名前ですね。それに木も少ないですし・・・」

子供「せーれーさんはどこの人なの?」

ギップル「私は風の精霊の村出身で、世界を救う勇者ニケさん・魔法使いククリさんの案内役を闇魔法結社から仰せつかったギップルです!!」

子供「ハァ?」

ギップル「」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:22:41.81 ID:k8RB0mmA0
ギップル「な、なぜそのような蔑んだ目を・・・」

子供「魔法なんてあるわけないじゃん!あるのは能力だけだよ!」

ギップル「なん・・・だと・・・?」

子供「なんだよ変なテルテル坊主ー!悔しかったら魔法つかってみろー!!」

ギップル「風の精霊である私がここまでコケにされるとは・・・・!いいでしょう!風を起こしてみせますよ!!」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:27:11.10 ID:k8RB0mmA0

ギップル「スゥ~・・・・・ギップリャ!!」ブオォォォォォ!!!

   ギップルは風を起こした!

子供「ヒッ・・・・!!うわああああああああああああん!!!!!」

ギップル「子供相手にやりすぎましたかね・・・」

ギップル「それにしても魔法が信じてもらえないだなんて、一体どこの大陸なんでしょう・・・」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:35:00.64 ID:k8RB0mmA0
――とある店舗の野菜売場

上条「やー、最後の追い込みで何とかなったなぁ」

土御門「主婦恐ろしすぎぜよ・・・」

上条「おいおい土御門、そんなんじゃ将来妹が泣くぜ?」

土御門「ボク、全然平気だっちゃにゃーん!!」

上条「お前のキャラが掴めん」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:41:02.45 ID:k8RB0mmA0
上条「なぁ、良かったらウチでメシ食ってくか?」

土御門「悪いなカミやん。今夜は舞夏お手製の堕天使野菜スティックが待っているんだぜい!」

上条「・・・詳しくは聞かないがお幸せにな」

土御門「という訳だから、そのキュウリやナスやゴーヤはアイツと楽しんでくれ」

上条「そこはかとない悪意を感じるが、それに屈する上条さんじゃねぇぞ!」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:47:18.14 ID:k8RB0mmA0
上条「――じゃ、また明日な」 ガチャ

土御門「あいあ~い」


プルルルルル
土御門「――俺だ、どうした」

土御門「・・・・・・・・・・・・魔術の反応・・・・・!?」

土御門「分かった。ああ、隠密に頼む」 プッ


土御門「やれやれ、今度はどんな厄介事なのかねぇ」

 
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 22:59:17.65 ID:k8RB0mmA0
――とある公園の自動販売機

美琴「よっ、と!」 グシャァ

美琴「うっし。今日はヤシの実サイダーね」

黒子「お姉さま、いい加減そのようなことはお止しになった方が良いと思われますの」

美琴「いいじゃない、こんな故障してんのを放置している学園都市の怠慢よ、怠慢」

黒子「はぁ・・・黒子はもっと淑女として、おしとやかなお姉さまと云々・・・」

美琴「ねぇ黒子、砂場が騒がしいけどなんかあったのかな?」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 23:05:14.13 ID:k8RB0mmA0
黒子「どうせ子供たちがドロ遊びでもしているんでしょうに。ささ、門限になる前に帰りましょう」

美琴「んー・・・それもそうね。寮監に首を狩られる前にかえろっか」


      タスケテー!! ギップr・・・


美琴「・・・!!黒子!やっぱり行くわよ!」

黒子「え、ちょ、お姉さまぁ~!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 23:11:56.75 ID:k8RB0mmA0
美琴「アンタたち!寄ってたかって何やってんのよ!!」 バチッ

子供達「うわービリビリねぇちゃんだ逃げろー!!!!」

美琴「なっ、ビリビリって言うなぁーーー!!」

黒子「お姉さま・・・子供にまでそのような呼ばれ方をして・・・。黒子はっ・・・!黒子はっ・・・・!!」

美琴「全く、アイツと決着をつける理由が一つ増えたわね・・・」

美琴「――で、何なのかしらこのぬいぐるみは」

ギップル「触 は・・・触 だけは・・・・・」 ブルブル

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 23:18:12.37 ID:k8RB0mmA0
――とある公園の水道前

ギップル「――というわけで、何が何やら分からないままここに来てしまい、子供達の慰みモノになっていたのです」

美琴「へぇ~、よく出来た人工知能のぬいぐるみねぇ」

ギップル「今の話、聞いていませんでしたか?」

美琴「最近の子供はこんなの流行ってるんだ」

黒子「わたくし達の世代でいうファー○ーみたいなものですわね」

ギップル「あの・・・話を・・・・・」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 23:23:56.93 ID:k8RB0mmA0
美琴「あはは、ナデナデシテーってね!」

黒子「懐かしいですわね」

ギップル(この方達も魔法や精霊の類を一切信用していないみたいですね・・・・・・・ん?)

ギップル「あの、お二人は魔りょk・・・ではなく、何か特別な力をお持ちですか?」

美琴「へぇ、そんなことも分かるなんて最近のおもちゃは凄いわねぇ」

ギップル「いえいえ、私の能力ですから」

黒子「能力?わたくし達の能力が分かるんですの?」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 23:30:51.23 ID:k8RB0mmA0
ギップル「ええ、この触角を利用して魔りょ・・・能力を検知できるのです」

美琴「凄いわね。ただのぬいぐるみじゃないのかしら・・・」

黒子「もしかしたら、AIM拡散力場から何かしらの情報を得ているのかもしれませんわね」

美琴「なるほど。科学の進歩も日進月歩なのね」

ギップル「そのエーアイエムなんちゃらはともかく、触角を直に使えば更に正確な検知も可能なのです」

美琴「へぇー、面白そう!やってやって!!」

黒子「お姉さまはウソ発見器とか、この手のおもちゃは目がありませんわね」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 23:39:10.04 ID:k8RB0mmA0
ギップル「分かりました。それでは少し目を瞑って頂けますか?」

美琴「おぉ~、なんだか本格的ね!・・・はい、いいわよ」

ギップル「それでは失礼します・・・」


美琴「・・・・・・・・・」 チラッ


ギップル「」 むにょおぉ~~~~~ぉん


美琴「・・・ッ!っぎゃあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!!」 ズドゴォーン!!!

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 23:42:48.81 ID:k8RB0mmA0
 
プスプス
ギップル「」

美琴「ハァ、ハァ・・・・・・ご、ごめん。ビックリしちゃって・・・」

ギップル「・・・いえ、慣れていますから」

黒子は気絶中

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 23:49:18.83 ID:k8RB0mmA0
ギップル「――さて、ミサカさんの能力ですが、電撃や磁力を操れるみたいですね。しかも特別強力に」

美琴「おおー!正解!!よく分かったわね!」

ギップル(まぁ、この身を以て体験しましたし・・・・・)

美琴「ねぇ黒子、あんたも見てもらったら?」

黒子「い、いえ、く、くく黒子は遠慮しときますの!オホホホホ!!」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 23:58:14.74 ID:k8RB0mmA0
美琴「もー、怖くないのにねぇ?えっと・・・」

ギップル「あ、ギップルと申します」

美琴「ギップル・・・変わった名前ね!」

ギップル「ええ、こちらではそのようですね」

黒子「お姉さま、そろそろ門限が・・・」

美琴「げっ!やっばー。黒子、テレポートでお願い!!」

黒子「全く、黒子はタクシーではありませんの。それではギップル、ごきげんよう」

美琴「今度は佐天さん達も連れてくるから、また遊ぼうねー!」 シュンッ

ギップル「ワープの魔法ですか・・・それにしても不思議な街ですねぇ」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 00:09:27.14 ID:AMqHGRUh0
――とある銭湯の入り口前

ギップル「はぁ・・・今夜はどこかで野宿ですかね・・・」

ギップル「ちょっと仮眠でも取って・・・グウ」


打ち止め「お風っ呂、お風っ呂♪ってミサカはミサカは年相応にはしゃいでみたり!」

一方通行「ッたく、なァンで俺様がこんなガキと・・・・」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 00:16:50.66 ID:AMqHGRUh0
ギップル「ムニャ・・・ってここはゴボガバォあ!!!」

打ち止め「あ、このテルテル坊主しゃべったよ!ってミサカはミサカは報告してみる!」

一方通行「だァッて入ッてろ!それとなァ、湯船にタオルをつけるのは他のお客様の迷惑なンだよ!!」

打ち止め「は~い、ってミサカはミサカは公序良俗に迎合してみたり」

ギップル「え~っと・・・・・?」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 00:23:38.37 ID:AMqHGRUh0
ギップル「あの・・・失礼ですがここは・・・」

一方通行「あァ?本当に喋りやがる。ファー○ーかッてンだ」

ギップル(またおもちゃ扱い・・・・)

打ち止め「アナタのお名前は?ってミサカはミサカはお人形遊びをしてみたり!」

ギップル「ええと、ギップルと申します・・・ってミサカ?ここいらはミサカさんが沢山いらっしゃるんですか?」

打ち止め「うん、この学園都市にはなんと20,000人以上のミサカ達が居たの!ってミサカはミサカは自慢してみる」

一方通行「・・・・・・・・・・・・」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 00:31:19.64 ID:AMqHGRUh0
カポーン

ギップル「ふぅ、思いがけずいいお湯でした」

打ち止め「この後にはお楽しみがあるんだよ!ってミサカはミサカはあの人に向かって目を輝かせてみたり!」

一方通行「・・・チッ、コーヒー牛乳3本でいいンだなァ!」 スタスタ

打ち止め「さすが分かってるね!ってミサカはミサカはGJしてみる!」

ギップル「いやあ、最初は怖かったですが、実は優しい方なんですね」

打ち止め「・・・うん。本当に優しい人なの、ってミサカはミサカはアノ人の背中を見つめてみる・・・・」


???「本当にガキ連れてやがった・・・。おい、行くぞ!!」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 00:38:16.44 ID:AMqHGRUh0
一方通行「ッたくよォ、コーヒー牛乳如きで列なンか作るンじゃねェよ・・・」

一方通行「おーい、ってどこ行きやがったンだあいつ」

ポンッ

一方通行「うおッと!」

ギップル「た、大変です一方通行さん!!打ち止めさんが変な男達にさらわれました!!」

一方通行「・・・・・・あンだとォ・・・!」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 00:48:28.43 ID:AMqHGRUh0
 


――とあるビルの路地裏通り

ギップル「どうやらこっちのようです!」

一方通行「へッ、ナビ機能たァ洒落たテルテル坊主じゃねェか」

ギップル(いったい私を精霊と見てくれる人は居るんでしょうか・・・・)

ギップル「この先です!!」

一方通行「あァ・・・。ちッと暴れるからよォ、しばらく消えてるのが身のためだぜ」

ギップル「言われるまでもなく!」 ポンッ

一方通行「本当に消えやがった・・・。どんな能力だッつーの」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 01:01:06.54 ID:AMqHGRUh0
チンピラA「うぼぁ」
チンピラB「おうふ」
チンピラC「そげぶ」

チンピラD「ひ、ひいぃぃぃぃ・・・・・」

一方通行「さァて、大人しく逃げたら追ったりはしねェぜ?」

一方通行(・・・・クソッ・・・。車を追うために能力使ったから、そろそろバッテリーが切れそうだ)

チンピラD「くっ・・・。こっちにはまだ人質のガキが居るんだぞ!?」

一方通行「・・・・・・・・・・クソが」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 01:06:48.66 ID:AMqHGRUh0
一方通行(俺様がこンな雑魚相手に、相打ち覚悟の攻撃しか出来ねェなンて何てェザマだ)

一方通行「・・・・だがよォ」

チンピラD「く、来るなぁ!!」

一方通行「悪くねェ気分だな三下ァ・・・・」

一方通行「誰かを守るってのはよォォォォォ!!!!」 ダッ

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 01:10:45.24 ID:AMqHGRUh0

  ――誰かを守るってのはよォォォォォ!!

   ――守るってのはよォォォ――

    ――ってのはよォォ――

       ―てのはよォ――
  
 


ギップル「ク・・・ク・・・・・・」


ギップル「クッサアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 01:18:14.67 ID:AMqHGRUh0
ポンッ

ギップル「クッサアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」


チンピラD「えっ!?ちょ、なん」

一方通行(隙が出来たァ!)

一方通行(拳を固めろ!足を踏ん張れ!!この一発で――)

一方通行「ううおおおあああああああああァァァァァァァァァ!!!!!」

チンピラD「ぶべらぁ!!」 ズシャァー

一方通行「ハァ、ハァ・・・ッ!やったぞこンちくしょうがァ・・・・」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 01:28:12.22 ID:AMqHGRUh0
――とある銭湯の入り口前

一方通行「ほらよ」

ギップル「えっ、これは・・・・」

一方通行「ヤクルトだ。どっかのバカのせいで、コーヒー牛乳が温くなっちまったからなァ」

打ち止め「捕らわれだったお姫様に対してバカとはひどい!ってミサカはミサカは異議を唱えてみたり!」

一方通行「だァれがお姫様だァ?急いで行ってみりゃあニコニコ待ってやがって」

打ち止め「うん、だってアナタが絶対助けてくれると信じていたから、ってミサカはミサカは真っ直ぐ微笑んでみる」

一方通行「・・・チッ。ってなァに白目剥いてンだおめェは」

ギップル「・・・・・・・・・・・・クサ・・・・・」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 01:41:41.73 ID:AMqHGRUh0
ギップル「それじゃあ私はここで」

打ち止め「うん、今度こそ一緒にコーヒー牛乳飲もうね!ってミサカはミサカはフラグを立ててみたり!」

ギップル「フラグ・・・?」

打ち止め「きっとあの人もそう思ってるんだよ、ってミサカはミサカはセル編ラストの木に寄りかかりながら未来トランクスに無言で別れを告げるべジータみたいになっているあの人を見てみたり」

一方通行「長げェよ。・・・・・・ま、来たきゃ勝手にしろってンだ」

ギップル「はい、機会がありましたらぜひ。それではお2人とも、お元気で」

一方通行「あばよ」 スタスタ

打ち止め「もー、そのツンデレなところはもう少し直した方が、ってミサカはミサカは・・・・」 テクテク


ギップル「お幸せに」


というわけでお風呂なんだよ!

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 02:14:54.70 ID:AMqHGRUh0
――とある街中の交差点

ギップル「はぁ、行けども行けどもニケさん達の情報は得られない・・・・おや?」

???「・・・・・・・・・・・・・・・」

ギップル「あの、もしもし」

???「・・・・・・・・・・・・・・・」

ギップル「あの、もしもーし」 トントン

???「・・・・・・・・・えっ?」

ギップル「ああ、やっと気付いてくれた。お嬢さん、街中といってももう暗いですし、魔物には十分気をつけて下さいね」

???「・・・・・・わ、私が・・・見えるんですか・・・?」

ギップル「は?」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 02:24:40.56 ID:AMqHGRUh0
ギップル「見えるも何も、こんな場所に堂々と居ますし」

???「・・・・・・・・」 ウルウル

ギップル「むしろ「見つけて欲しい」と訴えているようにも見えましたが・・・・ってええ!?」

風斬氷華「ふえぇぇぇぇぇ~~~ん」

ギップル「え、あの、な、何か気に障るようなこと・・・」

風斬「ふえぇぇぇぇぇ~~~ん」

ギップル「えーと、その、他の方も見ている天下の往来ですしこんな精霊にも世間の目というものが・・・・ん?」

ギップル「・・・・・・・・・・・見えて・・・ない」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 02:32:06.53 ID:AMqHGRUh0
――とあるバスの待合室

ギップル「――なるほど、それでは風斬さんはこの世界の人間ではない、と」

風斬「はい・・・。信じてもらえないかもしれませんが・・・」

ギップル「いえいえ、この世界には魔界を始め、多くの世界が存在するものです。ですから風斬さんの言うことは理解できますよ」

風斬「ギップルさん・・・・」

ギップル「かく言う私も、もしかしたらこことは異なる世界からやってきたのかもしれません」

風斬「だから私が見えた・・・?」

ギップル「ええ、そう考えると筋が通ります」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 02:44:02.90 ID:AMqHGRUh0
ギップル「ですが困りましたねぇ。元の世界に戻る方法が全く思い浮かびません・・・」

風斬「ギップルさんの居た世界って、どんなところだったんですか・・・?」

ギップル「ええ、それはもう美しい世界でしたよ。変なオヤジは居ましたが」

風斬「オヤジ・・・ですか」

ギップル「はい、他にも喋るプードルやカサカサ踊る村長に、フランスパンをお尻に挟んで云々・・・・・」

風斬「あはは、まるでお伽話の世界ですね」

ギップル「そうですね。他にもグルグルという伝説の魔方陣や召還獣なども・・・・」

風斬(――魔方陣・・・・召還・・・・・あれ・・・?)

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 02:49:02.66 ID:AMqHGRUh0
ギップル「本当、この世界から見ればお伽話や幻想の世界なんですが・・・確かに私はそこに居ました」

風斬「幻想・・・・・」

ギップル「・・風斬さん・・・?」

風斬「・・・ギップルさん。もしかしたら、元の世界に帰れるかもしれません」

ギップル「なんですと!?」

風斬「・・・私に、心当たりがあります」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 02:56:46.85 ID:AMqHGRUh0
風斬「先ほどお話した、ギップルさん以外に私を見つけられた人なんですけど・・・」

ギップル「ええと・・・インなんとかさんと下条さんでしたっけ?」

風斬「インデックスちゃんと上条さんです!」

ギップル「すみません。何かお約束のような気がして」

風斬「それはともかく、彼女たちなら・・・きっと力になってくれるはずです」

ギップル「とても信頼なさっているんですね」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 03:11:59.75 ID:AMqHGRUh0
風斬「ええ。じつは私、ある事件があって自暴自棄になったことがあったんです」

風斬「そんな時に、上条さん達が命がけで伝えてくれた言葉があるんです」

ギップル「それは一体・・・」

風斬「彼はこう言いました――涙を拭って前を見ろ。胸を張って誇りに思え。ここにいる全員が、お前に死なれちゃ困ると思ってんだ」

   「今からお前に見せてやる。お前の住んでるこの世界には、まだまだ救いがあるって事を」

   「そして教えてやる。お前の居場所(げんそう)は、これくらいじゃ簡単に壊れはしないってことを――って」

風斬「えへへ・・・今でも一字一句覚えているんです・・・」 グスッ


ギップル「クッサアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!!!!!」


風斬「」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 03:31:08.81 ID:AMqHGRUh0
ちょいと休憩

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 03:46:34.69 ID:AMqHGRUh0
ギップル「・・・あ、お気になさらず。しゃっくりのようなものなので」

風斬「そ、そうですか・・・。とにかく私が言いたかったのは、彼らはとても頼りになるということなんです」

ギップル「ありがとうございます風斬さん。そしてコレで涙を拭いてください」 スッ

風斬「あ、どうも。・・・このハンカチはどこから出したんですか?」 フキフキ

ギップル「はは、キニシナイキニシナイ」


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 03:50:48.23 ID:AMqHGRUh0
ギップル「では今夜はここで眠って、明日の朝にでも上条さんのお宅に行ってみます」

風斬「そうですね。帰るべき世界が、待っている人が居るなら・・・ギップルさんは行かなくてはいけません」

ギップル「・・・・・・・・・・」

風斬「・・・・・・・・・・」

ギップル「実は私、テントにもなるんです」 ミューン

風斬「わぁ・・・マントが伸びて・・・・」

ギップル「良かったら、今夜はこの中で眠ってください」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 03:55:12.90 ID:AMqHGRUh0
風斬「えっ、でも私は別に眠らなくても・・・」

ギップル「何を言いますか!年頃の女の子に寝不足は大敵ですよ?それにいつ魔物が攻めてくるか・・・」

風斬「・・・・ふふっ、それじゃあ今夜はお邪魔しますね」

ギップル「はい。私達はもう仲間ですから、気兼ねなく使ってください!」

風斬「ギップルさん・・・・ありがとう。おやすみなさい」

ギップル「ええ、良い夢を」


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 04:04:08.94 ID:AMqHGRUh0
風斬(・・・テントの中は暗くて何も見えないや)

風斬(でも今は、この暗さが心地良い)

風斬(明日になればまた1人ぼっちだけど、それは上辺だけ)

風斬「――だってこんなにも、胸が一杯なんだもの」

風斬(私には沢山の仲間が居る。だからもう、1人じゃない)

風斬「おやすみ、みんな」


――翌朝、風斬氷華は天井にあるものを見て絶叫するのであるが、
それもまた彼女の大事な思い出となった。トラウマ的な意味で。

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 04:06:36.30 ID:AMqHGRUh0
というわけで寝ます。
ひっそりと支援してくださった方々、ありがとうございました。
起きて残ってたらもう一踏ん張りしてインデックスに出番を与えたいと思います。では

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 07:49:28.71 ID:AMqHGRUh0
ねっむうううううううううううい!!
けど頑張るんだよ!
/l
    ___       〉 〉           /l
    ヽ ゙i_       〉 __ヽ,_    r‐'" ノ
     l、__ `l_,.-'く く_コ `'l ,ヘ、,ヘノ  l~
       l  /ー-、ヽ─‐'"/.__\ /
       `/l ̄V''ーv l_ し'"V   / ヽ
         | l、__/   ゙、__/   l
          |       rニヽ,       |
        |     lニニニl      /
         \           /
            `ーァ---──'''"ヽ,
           / / l,  i ヽ ` \
           /            ,.-、
         lニ‐-- .,,__,. -‐‐-、_ノ /
          `ー- .,,_,,. -‐‐--‐'"

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 08:01:06.34 ID:AMqHGRUh0
――翌朝

ギップル「それでは風斬さん、お元気で」

風斬「はい、2人によろしくお伝えください」

ギップル「・・・・・ギップリャ!!」

風斬「・・・ぎ、ぎっぷりゃ!」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 08:13:47.36 ID:AMqHGRUh0
 
――とある公園の噴水広場

ギップル「さて、上条さん宅の場所を探しますか。とりあえず聞き込みですね」

ギップル「あの~、すみませんが上条トマさんという方のお宅はご存知でしょうか?」

木山「・・・ああ、私に聞いていたのか?すまないね、心当たりはないな」

ギップル「そうですか・・・。ありがとうございます」

木山「それにしても今日は暑いな・・・」 ヌギッ

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 08:18:32.94 ID:AMqHGRUh0
ギップル「えっ、あの~・・・」

木山「ああ、気にしないでくれたまえ。気化熱を利用して一時の涼を得るだけだ」

木山「・・・そうだ、この噴水に入って熱交換をすればより効率的に」

美琴「だぁー!朝から何やってんだー!!」

ギップル「み、ミコトさん!?」

木山「おや、キミはいつぞやの」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 08:25:52.83 ID:AMqHGRUh0
美琴「も~、いい大人なんですから、生徒にも示しがつきませんよ?」

御坂妹「そうだそうだー、とミサカはこの場の空気に溶け込んでみます」

美琴「あんたもいきなり出てくんじゃないわよ!」

木山「ほう、瓜二つじゃないか」

ギップル「この街にはミサカさんの親族が多いんですよ」

木山「そうなのか、得心したよ」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 08:33:02.88 ID:AMqHGRUh0
美琴「あら、ギップルじゃない。今日も商品の宣伝活動?」

ギップル「あ、いえ。今日は人探しをしていまして」

美琴「そうなんだ。良かったら私も手伝ってあげようか」

ギップル「助かります。その方の名前なんですが、上じょ」

佐天「ああぁーーーーーーーーーー!!」

ギップル「・・・はい?」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 08:44:34.52 ID:AMqHGRUh0
佐天「みみみみ御坂さん・・・これはまさか見たら死ぬって噂のドッペルゲンガーというあばばばば」

美琴「お、落ち着いて佐天さん?これには深いわけが」

御坂妹「お前も蝋人形にしてやろうかー、とミサカは今置かれている状況をエンジョイします」

佐天「うあああ喋ったあああーーーーーー!!」

木山「やっぱ暑い」 ヌギヌギ

美琴「だーもうこれ以上ややこしくすんなぁー!」

ギップル「み、皆さんとりあえず落ち着いて・・・・・・」

  ひゅう~ ハラリ

美琴「」 御坂妹「」 木山「」
佐天「ふ・・・フンd」

美琴「キャーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」 ドグシャアー

ギップル「おぶしゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 キラーン

御坂妹「さすがお姉さま。威力を弱めたとはいえレールガンをブッ放すとはそこにシビレる憧れるゥ、とミサカは感嘆の念を禁じえません」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 08:55:42.52 ID:AMqHGRUh0
――風紀委員第177支部

佐天「だーかーらー!本っ当に居たんだよ!?」

初春「はいはい」

固法「どうしたの?そんなに興奮して」

初春「いえ、佐天さんが噴水公園で都市伝説の脱ぎ女とドッペルゲンガーを一度に見たんですって」

佐天「それに怪奇フンドシ魔人も居たんだってばー!!」

固法「あらあら、それは大変ね。フフ」

佐天「固法センパイまでぇ~!・・・ちくしょー初春ー!   見せろぉー!!」

初春「ちょ、何でそうなるんですかぁー!!ぎゃー!!」

固法「今日も平和ね」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 09:12:00.68 ID:AMqHGRUh0
――とあるアパートのベランダ

上条「~♪こんな天気の良い日は洗濯物がよく乾くねぇ」

インデックス「ねぇとうま、今日のお昼はオムライスがいいんだよ!」 ゴロゴロ

上条「働かざるもの食うべからず!ほら、お前も洗濯物干すの手伝いなさい」

インデックス「えぇー、乙女の柔肌にこの紫外線は厳しいかも」 ゴロゴロ

上条「どの口が言ってやがりますか全く・・・」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 09:22:26.62 ID:AMqHGRUh0
上条「・・・ん?何だこの汚れた布切れ」

ギップル「」プラーン

上条「やれやれ、俺ん家のベランダはドラ○もんの引き出しじゃないっつーの。とりあえず洗濯物干しちまうか」

ギップル「うう・・・不幸です・・・・・」

上条(・・・・なんか今、声が聞こえたような)

上条(いや、深く考えるな!何かまた事件の予感がするけど考えちゃだめだ上条さん!!)

上条「お、お~いインデックス」

インデックス「わぁー!スフィンクス、このぬいぐるみはどうしたの!?」

ギップル「ぬ、ぬいぐるみではなくギップルです」

上条「・・・・不幸だ」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 09:34:37.70 ID:AMqHGRUh0
ギップル「いやぁ、助けていただいてありがとうございました。私、風の精霊ギップルと申します」

ギップル「・・・と言っても信じてもらえませんよね。今までぬいぐるみだのテルテル坊主だのファー○ーだの言われt」

禁書「精霊!?」

ギップル「え、あ、はい。一応」

禁書「すごい!こんなところで精霊と出会えるなんて!」

上条(いや、どう見てもぬいぐるみかテルテル坊主かファー○ーだろ・・・)

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 09:45:00.89 ID:AMqHGRUh0
 

ギップル「わ、私を信じてくれるんですか・・・?」

禁書「もちろんなんだよ!」 ニコッ

ギップル「何とお優しい・・・・」 ブワッ

上条「なぁ、ところで精霊って何なんだ?」

禁書「精霊っていうのは、一般的に世界を構成する4大元素――火・水・地・風を司るものの総称なんだよ」

禁書「ほら、サラマンダーとかウンディーネ、ノームって名前聞いたことないかな?」

上条「ああ、それなら聖○伝説で知ってるぞ。風は確か・・・そう、風の精霊ガルーダ!」

禁書「それは遊○王の話なんだよ!正解はシルフ、またはシルフィードっていうの」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 09:56:06.15 ID:AMqHGRUh0
上条「へぇ、じゃあステイルの奴は火の魔術を使っていたから、サラマンダーと関係があるんだな」

禁書「うん、術式によって呼称は色々あるけど、火の精霊との関わりはあるんだよ」

ギップル(あの炎の料理人から力を・・・・って魔術?)

ギップル「あの、失礼ですがお2人は魔術や魔法を信じますか・・・?」

禁書「信じるも何も、実際に使えるんだよ!」

上条「俺は使えないけど、まぁこれまでの経験から信じざるを得ないわな」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 10:03:53.40 ID:AMqHGRUh0
ギップル「これは驚きました・・・今まで散々否定されていたのに」

上条「まぁ場所が悪かったな。何たってここは、天下の学園都市だ」

禁書「そうそう、お陰で私も肩身が狭いんだよ」

上条「お前ほど伸び伸びと生きている奴も珍しいと、上条さんは思うぞ」

ギップル「えっ、上条さん・・・?」

上条「ああ、紹介が遅れたな。俺は上条当麻。当麻でいいぜ」

禁書「私はインデックスっていうんだよ!よろしくね、ギップル!」

ギップル「な、なんだってーーーーー!!」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 10:14:25.83 ID:AMqHGRUh0
上条「えらい驚いているけど、一体どうしたんだ?」

ギップル「ええ、実はかくかくしかじかで」

上条「ふむふむ、元の世界に帰りたいと。で、何だって俺達に行き着いたんだ?この街で魔術に関わっている人なんて数えるくらいしか・・・」

ギップル「ええ、それが実は――」

姫神「」

ギップル(何かの気配が――ッ!!)

姫神「・・・・・・・・出番・・・」 スゥッ

上条「ん?どうした青い顔して」

ギップル「い、いえ!何でもありませんよトマさん!!」
ギップル(何だったんでしょうか今のは・・・・)

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 10:22:00.73 ID:AMqHGRUh0
ギップル「実は、お2人のお友達という風斬氷華さんという方n」

禁書「ひょうか!?ギップルはひょうかに会ったの!?ねぇギップル!ひょうかは元気だった!?ねぇってば!!」 グワングワン

上条「ちょ、落ち着けインデックス!ギップル泡吹いてるから!!ライフ0だから!!」


――――――――

上条「そっか・・・あいつも元気でやってるんだな。良かったな、インデックス」

禁書「うん・・・。うんっ・・・・・・・」 グスッ

ギップル(この怪力・・・一瞬ククリさんを思い出しましたよ・・・・)

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 10:34:09.03 ID:AMqHGRUh0
ギップル「というわけで、何か手掛かりがあれば教えて頂きたいのですが・・・」

上条「俺は知識的には役に立てそうにもないな。インデックスはどうだ?」

禁書「う~ん。ギップルにグルグルにキラキラ・・・やっぱり、どの魔道書の中にも無さそうかも」

上条「となると、この世界の住人ではないってことは確定みたいだな」

ギップル「どうやらそのようで・・・」

禁書「迷える子羊を救えないなんて、シスター失格なんだよ。がっくり」

ギップル「インデックスさんは修道女でしたか。確かに服装もジュジュさんに似ていますね」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 10:41:59.52 ID:AMqHGRUh0
 
禁書「そっちの世界にも宗教的なものはあるの?」

ギップル「ええ。プラトー教というのがありまして、その巫女であるジュジュさんは11歳にして様々な予言や魔法アイテムを使えるんですよ!」

上条「予言に魔術に霊装か。あっちでも上条さんは大活躍だな」

禁書「私だって負けないんだよ!」

ギップル(ああ、話が脱線していく・・・・)

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 10:53:33.90 ID:AMqHGRUh0
上条「何はともあれ、いい世界だな」

ギップル「悪くはありませんが、魔王ギリを倒さない限りは平和は訪れません」

上条「でも、そいつを倒せば万事解決ごくろーさん、なんだろ?」

ギップル「ええ、おそらくはそうなりますね」

上条「ならいい世界だ。
    戦争も無ければ悪い人間も居ない。誰かが悲しみを背負う必要の無い世界。
    そのニケって勇者様も、たった1人の女の子を守るために頑張るたぁ凄えやつだぜ」

ギップル(何ででしょう、ニケさんが美化されている気がする)

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 11:02:05.05 ID:AMqHGRUh0
禁書「ねぇとうま、とうまだって負けてないんだよ?」

禁書「私が何度も挫けそうな時、あの地獄から手を差し伸べてくれたのはとうまなんだもん」

上条「インデックス・・・」

禁書「とうまが居たから、今の私が居るの」

禁書「だからね、とうまは私にとっての勇者様なんだよ?」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 11:12:05.44 ID:AMqHGRUh0
禁書「ねぇとうま、一つお願いがあるの」

上条「・・・ん、なんだ?」

禁書「私ね、やっぱりお姫様じゃイヤなんだよ」

上条「・・・・・・・・・」

禁書「ククリみたいに、勇者様の隣で色々なことをしたいの。勇者様と離れたくないんだよ・・・」

禁書「お城で待っているだけじゃなくて、とうまの力になりたいの・・・」 グスッ

上条「・・・全く、お姫様にしちゃあ食いしん坊だもんな。ありがとう、インデックス」 ギュッ

禁書「えへへ、今日からインデックスは魔法使いなんだよ」


ギップル「」

     ギップルは あまりのクサさに 気絶している!

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 11:24:37.61 ID:AMqHGRUh0
―――ップル、おい、ギップル!

ギップル「・・・ハッ、ここは」

上条「良かった、目ェ覚ましたか。鬼の形相で気を失っていたからビックリしたぜ」

ギップル「ご迷惑をおかけしました。記憶があやふやなんですが、何かもの凄くクサくありませんでしたか?」

上条「ガスか何か・・・か?お前は大丈夫か、インデックス」

禁書「うん、全然平気なんだよ!」

ギップル「はて、何だったんでしょう・・・?」

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 11:35:06.74 ID:AMqHGRUh0
上条「――なぁ、インデックス」

禁書「どうしたの?」

上条「俺の幻想殺しで消した異能の力っていうのは本当に「消える」のか?」

禁書「んー・・・質問の意味がちょっとわからないかも」

上条「つまりだ、例えば魔法の力を打ち消した場合、その力はこの世からキレイさっぱり無くなっちまうのかな」

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 11:47:04.53 ID:AMqHGRUh0
禁書「そう考えるのは難しいかも。ほら、思い出してみて。ステイルの魔術」

上条「ステイルの・・・?――そうか!」

禁書「うん、魔女狩りの王(イノケンティウス)。これも一種の精霊の力なんだけど、」

上条「幻想殺しで消しても復活しやがる、厄介な術・・・ってアレ?こんな記憶・・・?」

禁書「あれはルーン文字の力を借りて顕現、言い換えれば召喚していたんだよ」

上条「あ、ああ・・・」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 11:54:28.57 ID:AMqHGRUh0
禁書「結論から言えば、幻想殺しで魔法の力は無効化するけど、
    力の源は「元の世界」に還されるんじゃないかな」

上条「だからあの時、右手で消してもルーン文字の力で帰ってきた、と」

禁書「こう考えると、ある程度の筋は通るんだよ。
    きっと例外もあるはずだけど、自然界の精霊に対しては妥当なはず」

上条「ああ、そうだな。だとしたら――ギップル!」

ギップル「はい?」

上条「帰れる糸口が見つかったかもしれないぞ!」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/13(金) 12:07:39.14 ID:AMqHGRUh0
―――居間

ギップル「――ええとつまり、トマさんのミギー・・・じゃなくて幻想殺しで私に触れれば」

禁書「自然エネルギーの塊、精霊であるギップルはパッと見では消え去るけど」

上条「その実、元の世界に還されるだけでノーダメージ、万事解決って寸法だ」

ギップル「こんなアッサリ解決するとは・・・こっちの世界のトマさんも地味ながら便利な能力をお持ちですね!!」

上条「地味って言うな!」
 

159: 2010/08/13(金) 17:40:47.27 ID:AMqHGRUh0
上条「それじゃあギップル、準備はいいか」

ギップル「ええ、大丈夫です」

上条「自分で提案していてなんだが、俺の右手はまだまだ不可解な部分が多いんだ。
    もしかしたら本当にキレイさっぱり無くなっちまうかもしれない」

ギップル「大丈夫です。その時には、きっとソレ専門の妖精が現れますから」

禁書「そんなおかしな妖精が居るなんて、ギップルの世界はカオスなのかも」

164: 2010/08/13(金) 18:16:10.49 ID:AMqHGRUh0
上条「本当に、いいんだな・・・?」

ギップル「トマさんも優しい方ですねぇ。実は私、ある特殊能力があるんですよ」

上条「特殊能力?」

ギップル「ええ!どんなケガでも1コマあれば全快する・・・・
      その名も『ギャグ漫画補正(オートリバース)!!』」

上条「オートリバースって土御門じゃねーか!そうか、あいつも異世界の・・・」


土御門「な~に勝手に人をそげぶしてるんだにゃ~」

167: 2010/08/13(金) 19:03:44.32 ID:AMqHGRUh0
上条「なっ・・・土御門!?お前いつの間に・・・」

土御門「ギャグ漫画補正ってやつだにゃ~」

上条「そうか。って鍵かけてたろうが!」

土御門「そんなことよりも、そのギップルってぬいぐるみなんだが」

禁書「ギップルはぬいぐるみじゃなくて精霊なんだよ!」

土御門「ああ、そうだな。風斬氷華と――虚数学区と繋がりのある精霊だ」

上条「――気をつけろ、インデックス」

169: 2010/08/13(金) 19:26:41.58 ID:AMqHGRUh0
土御門「なぁに、手荒な真似はしないから安心するぜよ。少し借りるだけだ」

上条「それはこっちの事情だろうが!こいつは今すぐにでも元の世界に帰らなきゃいけないんだ!」

ギップル「トマさん・・・・」

上条「インデックス!俺がこいつを引き止めているからギップルを連れて逃げろ!!」

禁書「う、うん・・・!行こうギップル!」

170: 2010/08/13(金) 19:31:20.50 ID:AMqHGRUh0
上条「期待しているぜ、魔法使いさん」

禁書「えへへ・・・とうまもケガしちゃだめなんだよ!」 ダッ


――――――


上条「――土御門相手に難しい注文しやがって・・・とんだ相棒だぜ!」

土御門「ああ。呆れるくらいにな」 ドゴォ!

上条「がっ・・・!」

171: 2010/08/13(金) 20:01:05.12 ID:AMqHGRUh0
禁書「ハァ、ハァ、ハァ」

ギップル「インデックスさん・・・少し休まれた方が・・・」

禁書「も、もうすぐ、こもえの家だから、頑張るんだよ」

ギップル「私なんかのために・・・ありがとうございます」

禁書「気にしないでギップル。友達を助けるのに理由なんか要らないって、とうまが言っていたの」

ギップル「インデックスさん・・・少し耳をふさいでいてもらえますか?」

禁書「・・・・・・?はい」

ギップル「クッサアアアアアアアアア!!!!!」 ゴォォォォォォ

172: 2010/08/13(金) 20:10:09.56 ID:AMqHGRUh0
――上条宅

上条「クソッ・・・!手も足も出ないたぁこの事だな」

土御門「そうやって地面に這いつくばっていると、あの日を思い出すぜい」

土御門「・・・カミやん、立て」

上条「へっ、自分で立てなくしておいてよく言うぜ・・・」 ググッ

土御門「ああ、こうでもしないと上を欺けないからな」

上条「土御門・・・・?お前、何を言って・・・」

173: 2010/08/13(金) 20:18:54.65 ID:AMqHGRUh0
土御門「詳しいことは今は話せない。だが、今ギップルを上の奴らに渡したら、
     とんでもないことになるかもしれないんだ」

上条「風斬と、関係があるのか・・・?」

土御門「まだ話せない。ただカミやん、いや上条当麻。お前はまだ力も仲間も足りない。
     だからもっと強くなれ。大切な人を守るためにな」

上条「・・・へっ、何だかよくわからねぇけど、お前が敵じゃないってことは分かったぜ」

土御門「ああ、それで十分だぜい」

上条「俺はこれからギップルを探し出す。どこに居るのかさっぱりだが、学園都市中走り回ってやるぜ」

土御門「その必要はない」

175: 2010/08/13(金) 20:27:11.02 ID:AMqHGRUh0
――とある公園前の通り

上条「ハァ、ハァッ!」


――カミやん。ギップルは召喚可能だ。


上条「ハァ、ハァッ!」


――レベル4以上の人間を3人集めろ。そして――


上条「ハァ、ハァ・・・い、居た・・・・・!」

美琴「?何よそんなに息切らしちゃって気持ち悪い」

176: 2010/08/13(金) 20:37:29.53 ID:AMqHGRUh0
――小萌宅前

禁書「こもえー!こもえ開けてー!!」 ドンドン

ギップル「あの、インデックスさん・・・これ」

禁書「何?この紙切れ」

『黄泉川先生達と温泉に行ってくるです☆
 お土産は地酒だから期待してて下さい♪
                  小萌(はぁと)』

禁書「・・・・・・・・・・」 プルプル

禁書「なぁーんで肝心な時に居ないのかなこもえはー!!!」

追手「居たぞあっちだ!!」

禁書「うぅ~小萌のばかばか~!!」 ダッ

177: 2010/08/13(金) 20:48:16.98 ID:AMqHGRUh0
――とある公園の噴水前

美琴「なっ、なんで私がそんなことやらなきゃなんないのよー!」

上条「すまねぇ、でもお前にしか頼めないんだ」

美琴「う、そんな目されたら手伝うしかないじゃない・・・」 ブツブツ

上条「ああ、サンキューな。御坂」

美琴「学園都市の超電磁砲をナメんじゃないわよ。あと黒子にも連絡したからもうじき来るはずよ」

上条「助かった。それで最後の頼みなんだが――」

179: 2010/08/13(金) 21:10:45.54 ID:AMqHGRUh0
――とあるレストランのテーブル席

打ち止め「今日こそはハンバーグを完食してみせる!ってミサカはミサカは意気込んでみたり!!」

一方通行「ケッ、こンなン冷凍の中国産ばっかじゃねェか」

打ち止め「こういうのは雰囲気が大事なんだよ、ってミサカはミサカは通ぶってみる♪」

一方通行「そォですかそォですか、早くお召し上がりになってくださいっつー・・の・・・?」

打ち止め「――――呼んでる?」

一方通行「あァ?」

打ち止め「早く行かなきゃ!ってミサカはミサカは電光石火のスピードで走り出したり!!」 ダダダッ

一方通行「ンなっ!?おいてめェまた残してお百姓さn・・・・だァー!クッソがァーーー!!」 ダッ

180: 2010/08/13(金) 21:24:20.50 ID:AMqHGRUh0
 

――とある公園の噴水前

黒子「お、お姉さま!なぜにあの殿方とご一緒なさっていますの!?まさか黒子はお2人のダシに・・・」

美琴「あぁー勝手に妄想するなぁ!ちょっと話を聞いて。って私も詳しくは分からないんだけど」

上条「悪りいな、白井。でもお前だけにしか頼めないんだ」

黒子「全く・・・アナタと関わるとロクなことになりませんが、今回はお姉さまに免じて協力しますわ。で?お話というのは」

上条「ああ、それなんだが――」

――――

一方通行「――ッチ。悪ィ予感だけはよく当たりやがるぜ」

181: 2010/08/13(金) 21:31:18.40 ID:AMqHGRUh0
――とある路地裏の行き止まり

禁書「うぅーギップルを離せぇー!噛むぞ!!噛んじゃうんだからね!!」 ジタバタ

追手「くっ・・・こいつには手を出すなって命令だから仕方ないが・・・おい、暴れるな!!」

禁書「は~な~せ~!!」

ギップル「インデックスさん、私なら大丈夫です!だから抵抗しないで!」

禁書「でも、でも・・・!!」

ギップル「きっと私達が逃げている間に、トマさんが解決法を探してくれたはずです。信じて待ちましょう」

182: 2010/08/13(金) 21:42:31.68 ID:AMqHGRUh0
――とある公園の噴水前

上条「・・・以上が作戦だ。作戦って程のもんじゃないけどな」

美琴「分かったわ。肝心のギップルの正体は教えてくれなかったけど、どうせ言えない理由でもあるんでしょ?」

上条「ああ、お前達のためにも話すわけにはいかないんだ。許してくれ」

黒子「ハァ・・・。この年にもなってこんなこと・・・。ま、いいですわ。とっておきを用意しますの」

上条「お前のとっておきなら心強いぜ。・・・そして・・・」

一方通行「・・・なァに見てンだよ。ブッ殺すぞ三下ァ」

上条「・・・へっ。その口の悪さが、今は頼もしいぜ」

一方通行「俺様はあのテルテル坊主に借りがあンだよ。てめェは関係ねェ」

上条「そうだな。何はともあれ全員揃った。――行くぞ!!」

183: 2010/08/13(金) 21:48:43.88 ID:AMqHGRUh0
――カミやん。ギップルは召喚可能だ。


――レベル4以上の人間を3人集めろ。そして――



追手「っく!このガキもう許せねぇ!ブン殴ってやる!!」 ゴォ!

禁書「――ッ!!」

ギップル「インデックスさぁーん!!!!」 バッ

禁書「!!ギップルだめぇーーーーー!!!」



  ――そして――

184: 2010/08/13(金) 22:03:10.95 ID:AMqHGRUh0
  ――全員が最高にクッサい台詞を叫ぶんだにゃ~――


美琴「頑張りたかったんだよね…。ごめんね、気付いてあげられなくて。でもさ、だったらもう一度頑張ってみよ。
   こんなところで、くよくよしてないで、自分で自分にウソつかないで・・・もう一度おおおおおおおお!!!!!」

黒子「過去を振り返るよりも、未来を夢みるよりも・・・今、今この瞬間を見つめていたいいいい!!!!!!!!!」

上条「ああ、俺は確かに不幸だった。この夏休みだけで何度も死にかけたよ、
一度なんか右腕を丸ごと切断された事もあった。 そりゃクラスメイトを一列に並べて比べりゃ、
こんな不幸な夏休みを送ってんのは俺一人だろうさ。けどな、俺はたった一度でも、後悔してるなんて言ったか?
こんなに『不幸』な夏休みは送りたくなかったなんて言ったかよ! 冗談じゃねえ、確かに俺の夏休みは『不幸』だった。
だけど、それが何だ?そんな程度で、この俺が後悔するとでも思ってんのか?
確かに俺が『不幸』じゃなければ、もっと平穏な世界に生きていられたと思う。 この夏休みだって、何度も何度も死にかけるようなものにはならなかったはずだ。
けど、そんなもんが『幸運』なのか? 自分がのうのうと暮らしている影で別の誰かが苦しんで、血まみれになって、
助けを求めて、そんなことにも気づかずに! ただふらふらと生きていることのふどこが『幸運』だっていうんだ!?
惨めったらしい『幸運』なんざ押し付けんな! こんなにも素晴らしい『不幸』を俺から奪うな!
この道は、俺が歩く。 これまでも、これからも、決して後悔しないために!
『不幸』だなんて見下してんじゃねえ! 俺は今、世界で一番『幸せ』なんだああああああああ!!!!!」

一方通行「君の瞳にラストオーダァァァァァァァーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!11111」

187: 一通さんは某SSのタイトルから借用 2010/08/13(金) 22:09:40.72 ID:AMqHGRUh0

  ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ 

追手「な、なんだこの揺れは!」

禁書「ギップルの体が・・・光ってる?それにこの魔力・・・・」

ギップル「ク・・・ク・・・・・・・・」 カァーーーーーッ!!


ギップル「クッッッッッサアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!」


追手「ぐあああああああああああ!!!!!」 ボシュウゥゥゥ

188: 2010/08/13(金) 22:15:46.95 ID:AMqHGRUh0
ギップル「ん、ここは・・・。そうだ!インデックスさん!」

禁書「とうま、とうまぁー!」 ダッ

上条「インデックス・・・よく頑張ったな」 ガシッ

美琴「んなっ!?」

黒子「お姉さまぁ~ん?どうしてお顔が赤いんですのぉ~?」

美琴「うううううるさいわね!アンタ達もこんなとこで何やってんのよ!!」

一方通行「・・・・ケッ」

190: 2010/08/13(金) 22:22:58.18 ID:AMqHGRUh0
――とある公園の噴水前

上条「それじゃあ、本当にお別れだな」

ギップル「はい。皆さん本当にお世話になりました。・・・あ、そうだトマさん」

上条「ん、どうした?」

ギップル「ちょっと私のマントの下に左手の掌を置いていただけますか?」

上条「・・・?ああ、ほれ」

ギップル「ふっ」 スポンッ

上条「うおぉ!?おいこれウンk・・・いや、花飾り?」

ギップル「はい、リコの花の髪飾りです」

192: 2010/08/13(金) 22:30:57.93 ID:AMqHGRUh0
ギップル「私はもうすぐ消えてしまいますが、私が居た事の証としましてこれを・・・」

禁書「ギップル・・・」 グスッ

美琴「・・・・・もうっ、なぁ~に辛気臭いこと言ってんのよ」

黒子「そうですわね。例えこのようなものが無くても」

上条「お前は、俺達の心(ここ)で生き続けるんだ」

ギップル「クサ」

193: 2010/08/13(金) 22:35:34.77 ID:AMqHGRUh0
 
一方通行「・・・おい、テルテル坊主」

ギップル「なんでしょうか?」

一方通行「おらよ」 ポイッ

ギップル「これは・・・あの時のコーヒー牛乳?」

一方通行「言っとくけど俺様じゃねェからな。あのガキからだ」

ギップル「・・・はい、ありがとうございました。大切にします」

194: 2010/08/13(金) 22:41:08.75 ID:AMqHGRUh0
上条「それじゃあ、準備はいいか」

ギップル「はい、私は私の世界で平和を取り戻してみせます。トマさん達も、どうかお元気で」

ギップル「皆さんとのことは、決して忘れません。それではまたいつか・・・・・」 シュウゥゥゥゥ・・・・



禁書「――ギップル、行っちゃったね」

上条「ああ、変なやつだったな」

禁書「――ちゃんと、元の世界に還れたよね?」

上条「ああ、絶対に大丈夫だ」

195: 2010/08/13(金) 22:47:54.90 ID:AMqHGRUh0
―――ップル、おい、ギップル!

ギップル「・・・ハッ、ここは」

ニケ「心配させんなよな~。ほらククリ、ギップルが目ぇ覚ましたぞ」

ククリ「ギップルちゃん・・・・?」

ギップル「勇者さん、ククリs」

ククリ「うあああああぁぁぁぁんギップルちゃああぁぁぁぁん!!!!」 ズドォーン! ギュゥゥゥゥ

ギップル「ぐぇ」

ギップル(これは・・・元の世界に帰ってきたんですね)

ニケ「ギップルくん、羨ましいからさっさと離れなさい」

196: 2010/08/13(金) 22:57:20.35 ID:AMqHGRUh0
ニケ「いやぁ~、何だかワープゾーンに入ってから記憶があやふやなんだよなぁ」

ククリ「勇者様っ。わたしね、夢を見たの」

ニケ「夢・・・?どんな夢だった?」

ククリ「ううんと・・・ケンシロウさんっていう強い人と悪者をやっつける愛と感動のおはなし!」

ニケ「なっ!他の男と冒険していたのか!?」 アセアセ

ククリ「うん、でもすごく濃い顔だったから最後まで慣れなかったなぁ・・・。勇者様は?」

ニケ「俺か?何か夢見たっけなぁ・・・・。――はうあ!!」

197: 2010/08/13(金) 23:03:08.51 ID:AMqHGRUh0
ククリ「勇者様・・・?えっ、勇者様の顔が・・・・」


 ざわ・・・
          ざわ・・・


ニケ「カカカ・・・キキキ・・・ククク・・・」

ククリ「ゆ、勇者様・・・?」

ニケ「ここでまさかの裸単騎・・・っ!!クク・・・狂気の沙汰ほど面しr」

ククリ「わぁーん!勇者様はこんな三角定規じゃな~い!!!」 バチコーン バチコーン

ニケ「ぶぇ」

198: 2010/08/13(金) 23:13:26.74 ID:AMqHGRUh0
ニケ「はっ・・・!?俺は一体・・・」

ククリ「もうっ!思い出さなくていいのっ!!」

ニケ「は、はいっ!ギップル、お前は何か夢見たのか?」

ギップル「私ですか?私は――」


キタキタ「勇者殿ぉー!!ワシは『キタキタの実』なるものを食べて世界の海を回りに回りぃ!
      クマだのゴムだのイヌキジサルを、ちぎっては投げちぎっては投げぇ!!
      ひとつなぎの秘宝を手にし後は世界中にキタキタ踊りを広めて参りましたぞぉーーー!!!!」 ゴォォォォォ

ニケ「オ、オヤジ・・・どうしてここに・・・」

199: 2010/08/13(金) 23:23:17.77 ID:AMqHGRUh0
キタキタ「このワシ、魔界にもキタキタ踊りを広めようと思いましてな!ワッハッハッハ」

ニケ(いっそのこと、ギリと一緒に封印してしまおうか・・・)

ククリ「ねえねえ、ギップルちゃんの夢は?」

ギップル「私は――私は、夢は見ませんでした」

ニケ「ちぇー、つまんねーのー」


――そう、あれは夢なんかではないのです。


ニケ「よーし、じゃあ気ぃ取り直してラスボス倒すか!行くぞ、みんな!!」

ククリ「はいっ、勇者様!!」


――私の心に生きる、大切な思い出――。


ニケ「おっ、こんなところにコーヒー牛乳が。回復回復っと♪」

ギップル「勇者さんそれはぁーーーーーーーー!!!」



                            Fin