1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:09:42.24 ID:icb7PSRm0
ミーンミーン

憂「・・・」

ミーンミーン

憂「・・・いい」

360度あらゆるアングルから四方八方に響く蝉の声
アブラゼミにミンミン蝉、種類なんかは詳しく知らないけど
何十匹、もしかしたら何百匹という数の蝉が大盛況
コーラスというにはちょっと厳しい

憂「・・・」ジリジリ

スギが生えているお陰で丁度ベンチには木陰が出来る
直射日光を浴びる心配はない
それでも暑い

首筋に汗が流れる
前髪が汗で額にくっ付くのが気持ち悪い

とっても気持ちの悪い心地よさ

私は夏が好きだった

引用元: 律「ネシヲラタシティ・・・?」 



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:10:35.04 ID:icb7PSRm0
特に気温が高くなる八月上旬
蒸し暑く寝付けない夜はもちろん不快感に襲われる
が、その状態がたまらなく楽しい

クーラーはあえて付けない、節電にもなっていい
扇風機をタイマーで何時間か設定する
首ふりは必須

身体に直接当てるよりも部屋全体に風がいきわたる様にした方が熱気が篭りにくい


と熱中症対策でテレビでは言っていたがそんな効率うんぬんではない
首ふりでゆっくりと風が額に当たり前髪がたなびく
そしてゆっくりと離れていく

暑い、涼しい、暑い、涼しい...

素晴らしい波状攻撃

時間が経ちタイマーの分だけ働いた扇風機はまるで派遣社員のようにさっさと仕事を止めてしまう
そうすると部屋は熱気で覆われる
湿気をたっぷりと含んだ生暖かい空気がのしかかる

昼間の炎天下とはまた違うへばり付くような蒸し暑さ
たまらないです

憂「ふふ・・・」

私にはこれが快感とはまた違う何かに見受けられ、浸ることが出来るのだ

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:12:03.02 ID:icb7PSRm0
隣の部屋からあーとか、うー、と呻き声が聞こえることがある
クーラーが苦手だからお姉ちゃんも扇風機
トイレか水を飲みに行くのか階段をゆっくり下りる足音

冬になると時々枕を持ってやって来る
夏は来ない
暑さに限っては妹のところへいってもどうにもならないということは分かっているのだろう

若干湿り気を帯びるシーツ
意識するほど大きくなる時計の音
お姉ちゃんの呻き声

他にも、夏の心霊特集を見た夜なんかは必死に忘れようとお姉ちゃんの可愛いところを上げていったり
ちょこっとだけ暇つぶしに携帯の占いサイトをしてみたり
ジュース飲もうかでも歯磨きしたしなあなんて考えたり

憂「・・・」ブツブツ

律「えい」ピトッ

憂「わあっ!」

頬に冷たい物が押し当てられた
どちらかというとそっちよりいきなり声をかけられたのに驚く

律「ごめんねー驚いた?」

憂「り、律さん」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:12:49.36 ID:icb7PSRm0
律「こんにちは、どうしたのボーっとして」

憂「いえ何というか・・・あはは」

律「?・・・あ、これあげる」

手に持ったガリガリ君を憂に渡す

憂「いいんですか」

律「ああ、夏はこまめに水分補給しないと」

憂「ありがとうございます、いただきますね」

律「召し上がれー、となり座ってもいい?」

憂「どうぞ」

隣に置いていたカバンを膝に乗せて一人分の空きを作る
律はズカッっと容赦なく座ったので所々ペンキの剥げた赤錆だらけのベンチはミシッと悲鳴を上げた

律「何してたの?」

憂「えーと・・・」

律「待ち合わせ?梓か佐々木さん?」

憂「もしかして純ちゃんですか?鈴木ですよ」

律「そっかー」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:14:32.48 ID:icb7PSRm0
憂「・・・」ガリガリ

律「・・・」ガリガリ

憂(あまり深く探ったりはしない人なんだ)

律「唯はどうしてるの」

憂「ゴロゴロしてます(話題、話題・・・)」



憂「前作の主人公がゲストキャラで参戦するっていうのは好きですね」

律「あー10年後の大人の姿でとかだったらたまらんな」

お互いゲーム好きだったのでそれらしい話をする二人

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:16:10.95 ID:icb7PSRm0
律「憂ちゃん」

憂「はい」

律「あれ見てみ」

律の指す方向
小学生の男の子が二人
虫取り網を持った丸坊主の子と虫かごを下げたメガネの子

公園内に所々に生える木を見上げ、転々と走り回っている

憂「セミですかね」

律「あんな短い網で捕まるのかね」

憂「・・・」

律「・・・」

律「なんかこっち向かって来てね?」

憂「来てますね」

カツオ「あのー」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:17:58.83 ID:icb7PSRm0
律「なんだ」

中島「それなんて言うんですか」

律「ガリガリ君だよ」

カツオ「へえー」

律(見て分かんねーのかよ)

中島「磯野知ってるか?」

カツオ「知らなーい」

憂「・・・」ガリガリ

律「・・・」ガリガリ

中島「おいしいんですか」

律「・・・ああ」

カツオ「なんでガリガリ君ていうんですか」

律「・・・ガリガリするからだろ」

カツオ中島「へえー」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:19:55.41 ID:icb7PSRm0
中島「そちらのお姉さんが食べてるのは違うんですか?色が違いますけど」

憂「こっちはコーラ味なんだよ、美味しいよ」

中島「磯野、コーラって知ってるか?」

カツオ「知らなーい」

律「」イラッ

律「用がないならどっか行けよ」

カツオ中島「・・・」

憂「り、律さんそんなこと言わなくても」

スッ

小学生らしき坊主とメガネは律たちが座るベンチの前でしゃがみ込んだ

カツオ「・・・」ザッザッザ

中島「・・・」ザッザッザ

律「おい」

カツオ「僕たち棒倒ししてるだけなんで気にしないで下さい」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:22:15.06 ID:icb7PSRm0
中島「磯野、ぼくチョキ出しちゃうよ」

カツオ「じゃあ僕はグーだそうっかな」

カツオ中島「じゃーんけーん」

中島「あーん磯野の嘘つき」

カツオ「勝負とはシビアな世界なのだよ中島くん」

律(なんだこいつら)

憂「あ」

律「どうした憂ちゃん」

憂「当たりました」

律「おっ良かったなー、ついてるね憂ちゃん」

憂「いえいえ律さんが買ってきたアイスじゃないですかあ」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:23:16.99 ID:icb7PSRm0
律「貰っちゃってくれ、おまけのプレゼント」ガリガリ

律「あ」

律「私も当たった」

憂「ホントですか!」

律「ほら」

憂「すごい・・・二つとも当たるなんて」

律「数年分の運使い果たしちゃったかも」

カツオ「あのー」

律「・・・」

カツオ「あのー」

律「・・・」

憂「り、律さん」

律「・・・なんだよ」

カツオ「当たりってなんですか」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:25:56.09 ID:icb7PSRm0
律「・・・」

憂「もう一本おまけで貰えるってことだよ」

カツオ中島「へえええええええ」

カツオ中島「へええええええええええええ」

律「ほら」

カツオ「さすが華の女子高生っ気前がいいや!」

中島「よっ太陽王!」

律(何でこんなにイライラするんだろうか特にメガネの方)

律「ごめんな憂ちゃん」

憂「いいんですよ、アイス美味しかったですご馳走様でした」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:26:58.80 ID:icb7PSRm0
カツオ「あそこのコンビニですよね」

律「ああ」

中島「磯野ーっ早く行こうぜー」

カツオ「そうそう」

カツオ「僕、磯野カツオっていいます」

律「は?」

憂「律さん・・・」

律「生臭い名前だな」

中島「僕の名前は中島」

中島「なかじま・・・

カツオ「どうした?」

中島「・・・なんだっけ」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:33:29.46 ID:icb7PSRm0
中島「思い出した弘だ」

中島「僕の名前は中島弘です」

律(自分の名前忘れるなよ・・・)

カツオ「さあ行こうぜ中島」

中島「アイスありがとうございます」

タッタッタ

律「なんだあいつらは」

憂「面白い子たちでしたね」

律「聡のが10倍かわいい」

憂「聡?あっ」

律「違う違う弟だよ」

中島「キョロキョロ」

カツオ「どうしたんだよ中島、はやくコンビニいこうよ」

中島「・・・あの人たちだな・・すいませーん」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:35:12.47 ID:icb7PSRm0
憂「律さんに似てるんでしょうね聡くん」

律「平沢姉妹ほどではないよ」

中島「やっちまったよオイ」ガッサガッサ

カツオ「ただいま帰りました」ガッサガッサ

律「なんだそのでかい袋」

中島「全部ガリガリ君ですよ」

律「は?」

中島「カチューシャのお姉さんのは6.000円ポニテのお姉さんのは8.000円でした」

憂「?」

カツオ「中島はやっぱりすごいや」

中島「ふふん」

カツオ「中島はとても頭のキレるやつで
かもめ小のムクホークと呼ばれてるんです」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:37:14.92 ID:icb7PSRm0
中島「少ないですけど貰って下さい」

律「いらねえよ」

カツオ「じゃあガリガリ君は」

律「いらない」

律「お前らそういうことあんまりするなよ」

中島「僕に言ってるんですか?」

律「もういいからどっか行け」

タッタッタ

カツオ「いやあ親切な人たちでよかったね」

中島「お小遣いも稼げたしね」

カツオ「さっそくガリガリ君食べようか」ガサガサ

中島「あっ!ちょっと待てよ磯野!アレ見ろよ」

せみ「ミーンミーン」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:39:20.44 ID:icb7PSRm0
律「なにをやってるんだあいつらは」

憂「セミを見つけたみたいですね」

律「おーい!あまり危ないことすんなよー」

中島「お構いなくー!」

律「だから網が短すぎるんだって
金魚移すときのやつじゃねーか」

カツオ「中島、やっぱり危ないって無理するなよ」

中島「深夜三時起きで頑張ってたのに一匹も捕まらなかったんだぞ!
せっかくのチャンスを無駄にしてたまるか」ヨジヨジ

カツオ「七時集合だったはずだけど」

中島「僕、ヘアスタイル決めるのに時間かかっちゃって毎日四時間セットなんだ」

カツオ「やばいね」

中島「あともうすこし・・・」グググ

ツルッ

律憂「あっ!!」

中島「ほあああああああああああああああああああああああああああ!!!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:42:14.12 ID:icb7PSRm0
中島「おぅふw」グギッ

カツオ「だから言ったじゃないか!」

中島「あーん痛いよお」

憂「大丈夫!?」タッタッタ

律「怪我してないか!?」

中島「グネっちゃいました」

律「青くなってる・・・内出血してるな」

カツオ「ええとこういうときは」

中島「痛いんだから早くしろよ!!」

憂「まずは水で冷やした方が」

カツオ「よしそれじゃあ水飲み場に行こう」肩貸しっ

中島「恩に着るよ磯野」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:44:41.90 ID:icb7PSRm0
中島「ふう」ジャアアア

カツオ「どうだい中島」

中島「川作って遊んでたガキ共から横取りした水道水は最高だよ」

憂「ごめんねすぐ終わるから」

律「お姉ちゃんが綺麗な泥団子の作り方教えてやるからな」

中島「そんなことしてあげなくてもいいですよ
どうせその中のうちの半分は夜に生きる汚い人間になるんですから」

律「中に石ころ入れると威力が増すよ、なるべく尖ってるやつ」

中島「ポォウ!!」

カツオ「見ず知らずの小学生に何から何まで、ご親切にありがとうございます」

憂「ううん、これも何かの縁だよ」ニコッ

律(あっちの丸坊主は割りと常識人なのかな)

カツオ「よかったら名前を伺ってもいいですか?」

律「あー・・・(なんかあんまり教えたくないな)」

憂「憂っていうんだよ」

中島「DQNネー

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:47:59.13 ID:icb7PSRm0


中島「痛たたたもう少しゆっくり歩いてくれよ」

カツオ「もうすぐ僕んちだからな」

中島「律さんに憂さんも早く来て下さいよ!!」

カツオ「麦茶くらいは冷えてますよ」

律「私らついて行く必要なくね」

カツオ「そう言わずに」

中島「磯野のお姉さんのヘアスタイル凄いんですって」

カツオ「おいおいそういうこと絶対姉さんのいるところで言うなよ」

律「お姉さん怖いのか?」

カツオ「よく言えば世話焼き、悪く言えばおせっかいとでも言いますか」

中島「怒るととんでもねーんです」

カツオ「髪型というより顔そのものを三つ葉みたいにされますよ」

律「やばいな」

憂「私のお姉ちゃんは優しいよ!!」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:51:28.93 ID:icb7PSRm0
ガチャ

カツオ「ただいまー」

律憂「お、お邪魔します」

中島「どうぞどうぞ臭いところですが」

カツオ「スリッパをどうぞ」サッサ

律「あ、ああ」

憂「ありがとー」

中島「僕は怪我してて履けないからいらないや」

カツオ「そう」

律「自分用のスリッパあるのか?」

カツオ「はい、よく泊まりに来るので」

中島「家族ぐるみの付き合いなんです」

タマ「なぁーお」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:53:54.18 ID:icb7PSRm0
憂「わあっ可愛い」

律「名前なんていうんだ」

カツオ「タマです、可愛いでしょう」

中島「・・・」

律「よしよし」

憂「ごろごろ」

カツオ「あ、洗ってないんで多分蚤とかいっぱいくっ付いてます」

律憂「うああああ」

タマ「みぇーお」

カツオ「しっし!あっちいってろ」

タマ「みぇーお」

中島「あっち行ってろって言ってるだろ!!」ゴッ

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:56:49.24 ID:icb7PSRm0
タマ「みぇお」サッ

カツオ「中島!」

中島「小指イッた」ガクガクガク 

律「人んちの猫蹴ろうとするなよ・・・」

中島「だって・・・磯野が糞猫に可愛いって・・・」

カツオ「・・・猫に嫉妬したのか」

中島「///」

カツオ「馬鹿だなあ中島は」ナデナデ

中島「ああん」

サザエ「あら帰ってたの」

律憂「こ、こんにちは」

サザエ「まあ可愛いお客さんね、珍しい」

カツオ「律さんに憂さんっていうんだ」

中島「僕もいます」

カツオ「中島が公園で怪我をしたんだ、あとついさっきそこで
小指も折った」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 22:58:27.05 ID:icb7PSRm0
中島「痛かったですけど我慢しました、怪我は子供の勲章ともいいますでしょう」

サザエ「居間で待ってて、麦茶と何か軽いお菓子でも持っていくから」

憂「ありがとうございます」

中島「磯野のお姉さん僕のこと意図的に無視してるね」

カツオ「してるね」

サザエ「はいどうぞ」ゴトッ

律「どうも」

憂「いただきます」

中島「僕のこと嫌いなんですか?」

サザエ「高校生なの、いーわねー若いって」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:00:37.57 ID:icb7PSRm0
律「あと一年もしない内に卒業なんですけどね」

サザエ「二十歳すぎたら時間なんてあっという間に過ぎていくわよ」

律「失礼ですがいくつかお聞きしても」

サザエ「やーねえ今年で24よ」

律「へえ・・・(妥当だな)」

カツオ「おかきおいしいですね」

憂「おいしいね」

「ママー」

律「ん?」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:02:52.83 ID:icb7PSRm0
「どこですかー」

サザエ「居間よいらっしゃーい」

律「弟いるのか?」

カツオ「甥です」

サザエ「ほらお姉さんたちにあいさつして」

「こんにちはですぅ」

憂「お名前なんていうの?」

「僕ですか?」











タラヲ「フグ田タラヲですぅ^^」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:05:13.37 ID:icb7PSRm0
波平船マスオワカメ「へえー高校生」

カツオ「一気に出てきた」

律「すいませんこんな時間まで居るつもりじゃなかったんですけど」

船「いいんですよ、ご飯は大勢で食べた方がおいしいんですし」

波平「左様、遠慮せずともドンドン食べなさい」

中島「僕お腹空いちゃいました」

ワカメ「私こんなお姉ちゃんが欲しかったのー」

マスオ「よかったねーワカメちゃん」

律「あははは」

サザエ「できたわ」

サザエ「憂ちゃんとってもお料理上手なのよびっくりしちゃったわ」

憂「そんなことないですよ」

中島「それは期待しちゃいますね」

タラヲ「憂お姉ちゃーん」スリスリ

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:06:57.15 ID:icb7PSRm0
憂「おっととと、駄目だよタラちゃんお料理こぼしちゃうからあとで」

タラヲ「^^」スーリスリ

憂「もう」

律「・・・」

律「ほらタラちゃんこっち来て遊んでようねー」グイ

律「中島君と」

中島「嫌ですよ僕ガキは嫌いなんです」

タラヲ「・・・律お姉ちゃん僕と一緒に遊ぶでーす^^」

律(うっ・・・わ)

タラヲ「^^」スリスリ

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:08:56.88 ID:icb7PSRm0
律(我慢がまん・・・)

カツオ「タラちゃんいいなー」

中島「磯野には僕がいるだろ」ゴロゴロ

カツオ「ハイハイ」

サザエ「それじゃ、出来たからみんな座って」

船「中島くんそろそろ帰らなくて大丈夫かい?」

中島「はい、食べ終わるまでここは動きません」

タラヲ「ぼくは憂お姉ちゃんのお膝に座るですぅ」

サザエ「あらあらタラちゃんたらすっかり憂ちゃんに懐いちゃって」

律「・・・」

グイッ

マスオ「たまにはパパにも甘えていいんだぞお^^」

波平「左様、たまたま今日は早く帰ってこれたからな」

タラヲ「・・・うわーいパパですぅ」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:11:08.94 ID:icb7PSRm0
カツオ「あれ?なんで僕らはアジの開きなのに姉さんたちはブリ大根なの?」

サザエ「大人は働いてるからあなた達子供より疲れてるのよ、その分しっかり栄養補給しないと駄目でしょう」

波平「左様、当たり前のことだ」

マスオ「僕らは稼ぎに出てる身ですからねえ」

カツオ「そんなのズルイや!」

中島「磯野のお姉さんとおばさんは仕事してないじゃないですか」

船「中島君そろそろ帰らなくて大丈夫?」

中島「まだ食べてませんて」

ワカメ「私まだ一言しか喋ってなーい!!!」ワーン

波平「ばかもーん!!!!!!!」ドムッ

ワカメ「うっ」

居間に叫び声が響き渡る
波平はワカメの鳩尾に膝をめり込ませた

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:13:19.39 ID:icb7PSRm0
律「ちょ、ちょっと!」

波平「めし時に喚くな!まったく血圧が上がってしまった」ドキドキ

船「大丈夫ですかお父さん!」

サザエ「私お水持ってきます!」タタタッ

マスオ「今のはワカメちゃんが10割悪いね」

ワカメ「ハッ申し訳ありません・・・」ゴホッ

憂「だ、大丈夫!?」

カツオ「いいんですよ、主因はワカメ本人ですから」

憂「でも・・・」

パシッ

ワカメ「やめて、いい加減な同情はいらないわ」ゴホッ

波平「早く席に着け、飯が冷める」

船「あまり大人を舐めるんじゃないよ」

ワカメ「ハッ」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:15:53.07 ID:icb7PSRm0
カツオ「ブリがよかったなあ」モグモグ

律憂「・・・」モグモグ

サザエ「まだそんなこと言ってる、タラちゃんを見てみなさい」

タラヲ「アジの開きおいしいですぅ」モグモグ

マスオ「偉いなータラちゃんは、お利口なタラちゃんにはうまーい大根をあげよう」

タラオ「ありがとうですぅパパ!」

船「中島君そろそろ帰らなくて大丈夫かい?」

中島「なんでそんなに帰そうとするんですか?」

律「そういえば憂ちゃん」

憂「はい?」

律「流され気味にとはいえ呑気にご馳走になってたけど自分家の飯は大丈夫なの?
唯とか一人なんじゃないか?」

憂「今週はお父さんとお母さんが帰ってきてるので・・・丁度よかったです」

憂「ご飯は外で食べてくるってさっきメールしときました」

律「そうか」

中島「しっかしこのアジ不味いっすね」モグモグ

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:17:55.40 ID:icb7PSRm0
ご馳走様でしたー

憂「サザエさん、お片づけ手伝います」

サザエ「あらありがとう、でもいいのよお客さまなんだから」

サザエ「仕込みも手伝って貰っちゃったし」

律「それなら私に手伝わせて下さい、皿洗いくらいやります」

サザエ「んー・・・それじゃあ・・頼んじゃってもいい?」

律「任せてください!」

憂「律さんすいません」

律「いいって、憂ちゃんはゆっくり休んでて」

律「って私の家じゃないけど」

船「中島君そろそろ帰らなくて大丈夫かい?」

中島「こうなったら今日は意地でも帰りませんよ」

カツオ「中島泊まってくの?」

中島「うん」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:19:58.49 ID:icb7PSRm0
カツオ「そうだっ!よかったら律さんと憂さんも泊まっていきませんか」

律憂「えっ!」

カツオ「もう夜も遅いことですし」

律憂「い、いえそこまでお世話になるわけには

波平船サザマスワカタラ中島「いいねええええーーーーーー^^」



憂「うん・・・ごめんね、今日は友達の家に泊まってくから」

律「悪いけど母さんにも言っててくれ」

pi

律「・・・」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:22:39.77 ID:icb7PSRm0
憂「・・・あの」

律「うん・・・

ガチャ

中島「ふぅ」

マスオ「^^」

カツオ「な、中島///」

憂「//」

中島「ん?なんだい」

サザエ「風呂場で着替えてよ」

ワカメ「ちゃっかり一番風呂取ったね」

いつの間に入ったのか
タオルを腰に巻いただけの中島からは湯気が上がっている
腹筋は綺麗に6つに割れ、筋肉の凹凸具合から生える陰影は
筋骨隆々なその肉体を誇張しているのが分かった

憂は顔を背けたが弟のいる律はそんなに気にしなん

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:24:58.21 ID:icb7PSRm0
カツオ「律さんたちも早いうちに入っちゃって下さい」

律「いや私は最後でいいよ」

サザエ「遠慮しないで」

波平「左様(JKの残り湯)」

船「中島君そろそろ帰らなくても大丈夫かい?」

中島「やりますか?僕ホーリーランド読んでるから強いですよ?」

カツオ「中島お風呂に入ったばかりだろ、汗かいちゃうぞ」

中島「それもそうか、命拾いしたなババア」

船「ふゅっ」コッ

中島「」ガクン

膝から崩れ落ちる
額には指先ほどの大きさの痣がくっきりと残っていた

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:27:24.82 ID:icb7PSRm0
タラヲ「憂お姉ちゃん一緒に入るですぅ」

律「!」

憂「わたし?」

タラヲ「はいですぅ!^^」

カツオ「いいなー」

律「・・・風呂くらいママと入ればいいだろ」

タラオ「憂お姉ちゃんはお客様だからお背中流してあげまーすぅ」

律「・・・」

憂「じゃあ行こうか」

タラヲ「^^」

律「ちょ、ちょっと待て!」

憂「?」

律「私も入る」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:30:33.44 ID:icb7PSRm0


憂「はい、ばんざいして?」

タラヲ「ばんざーい^^」

律「着替えくらい自分でしろ」ヌギヌギ

憂「まあまあ律さん、まだ子供なんですから」

タラヲ「下も脱がせて下さいですぅ」

憂「いいよ~はい足上げて」

律「・・・私、先に入ってるから」

憂「はーい」

バタンッ

憂(律さん・・・ちょっと機嫌悪そう)

憂(もしかして怒ってる?で、でも私何か悪いことしちゃったかな)

タラヲ「憂お姉ちゃんの服も脱がせてあげるですぅ」

憂「い、いいよ自分で出来るから」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:33:56.92 ID:icb7PSRm0
ジャアアアアアアアアア

律「・・・」ジャポン

一体私は何にイラついているのだろうか
夕食をご馳走になって泊めてもらう立場なのに
こんなこというのはとても失礼だけど何だアイツは

本当に三歳児か?
聡の方が曇りなく見える
憂ちゃんも鬱陶しいならそう言えばいいのに
あんなのにベタベタされて嬉しいのかよ

律「くそっ」

憂「律さん入りますよ」

律「おう」

ていうか勢いで一緒に入るなんて言ってしまったけどやばいな
なんで他人の家で友達の妹と風呂に入ろうとしてるんだ
いや仲良くないって訳じゃないけど

聡と入ってたのだって小学生までだし、憂ちゃんとなんて1つしか違わないし
大体憂ちゃんは恥ずかしくないのか
いや唯と時々一緒に入ってるからそんなに思わないのかな

律「・・・」ブツブツ

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:35:27.48 ID:icb7PSRm0
憂「お、おじゃまします」オズオズ

律(あっやっぱりちょっと恥ずかしそう)

タラヲ「^^」

憂「タラちゃん走ったら危ないよ」

タラヲ「はいですぅ」

憂「えーとどうしよう」

律「コイツ浴槽に入れててやるから憂ちゃんは身体洗ってていいよ」

タラヲ「僕が憂お姉ちゃんの身体洗ってあげるでs

律「風邪引いちゃうから早く入ってようね」ザバーン

憂「すぐおわしますね」ジャアアア

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:37:06.24 ID:icb7PSRm0
憂「♪~」

タラヲ「あったかいですぅ」

律「膝に乗ろうとするな」

タラヲ「律お姉ちゃんすべすべですぅ」

律「ヒッ」ゾワワ

●REC

波平「タラちゃんナイス!」

マスオ「やあお父さん」

波平「マ、マスオくん!」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:38:55.73 ID:icb7PSRm0
マスオ「キャノン砲みたいなカメラですねえ」

波平「ど、どうかこのことは皆には」

マスオ「告げ口なんてセコイことしませんよ」

波平「そ、そうかい助かるよ!」

マスオ「お父さん握手しましょう」

波平「・・・」

マスオ「^^」

波平「・・・」ギュ

二人が握手した時、クシャッと手の中で音がした

憂「三人入れるかな・・・」

律「詰めろ詰めろ」

タラヲ「律お姉ちゃんか憂お姉ちゃんが抱っこしてくれたら

律「やだ」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:41:34.07 ID:icb7PSRm0
憂「じゃあ私が

律「だ、駄目だ」

憂「律さん?」

律「お前はそろそろ上がったほうがいいんじゃないか?
子供が長時間風呂に入るのは危険なんだぞ」

タラヲ「理屈がおかしいですぅ」

律「ほらっ中島くんがガリガリ君お土産に持ってきてたぞ」

タラヲ「わーいですぅ」トテピチャプトトテン

律「ふう(やっぱりただの子供・・・なのかな)」

アレーオジイチャンナニヤッテルデスカァ

律「・・・」

憂「律さんは印象変わりますね」

律「えっ?」

憂「髪下ろしますと」

律「あー、可笑しいだろ」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:44:09.45 ID:icb7PSRm0
憂「そんなことないです、可愛いですよ」

律「うー・・・憂ちゃんだって」

憂「普段見慣れてますよね」クスッ

律「本当に唯にそっくりだな」

憂「へへへ」

律「似てるって言われると嬉しい?」

憂「はい、お姉ちゃんはry

律「・・・」

憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん...

律「へーーーー」

憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん...

律「・・・」

憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ty
律「でも」

律「憂ちゃんの方が可愛いよ」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:47:55.19 ID:icb7PSRm0
憂「えっ?」

律「あっいや、その」

律「う、憂ちゃんは髪結ってる方が可愛いってこと、うん」

憂「そう・・・ですか?」

律「うん」

憂「あ、ありがとうございます」

律「・・・」

憂「・・・」

律「・・・やっぱり身長も同じだったりするの?」

憂「いえ、私のほうが少しだけ小さいですね」

律「梓よりは大きいよな」

憂「はい、今は分かりませんが春の身体測定では154cmでした」

律「ホント?私と同じじゃん」

憂「何かいいですね」ニコッ

律「ニコッ」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:50:25.59 ID:icb7PSRm0
律(そっかー憂ちゃんと同じだったかー)

律(しかし)

律(胸にこんな差が・・・)

憂(律さんて思ったより小さいんだ・・・なんか可愛いかも)

憂(しかし)

憂(同じ背丈でこの肉付きは・・・)グニッ

律憂「はあ」

律憂「ん?」



律「風呂ありがとうな」

カツオ「湯加減はどうでしたか」

律「丁度良かったよ、中島はもう寝たのか?」

カツオ「湯豆腐が食べたいって言い出しましてコンビニまで走りにいってます」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:53:25.66 ID:icb7PSRm0
中島「ただいま」

カツオ「早いね」

中島「本当にいきなり湯豆腐が食べたくなっちゃって我慢できないんだよ」

サザエ「やーねえ湯豆腐なんてジジ臭い」

マスオ「夜食は身体に悪いよぅ」

中島「僕に構わないで下さい、一口もあげませんからね」

中島「律さんと憂さんも食べませんか?豆腐いっぱい買ってきたんで」

律「私らはいいよ、それよりガリガリ君くれない?」

中島「冷凍庫入ってるんでお好きなだけ取ってください」

中島「それとついでに歯ブラシも買ってきましたよ」ガサガサ

律「お、おう気が利くな」

憂「ありがとう中島くん」

中島弘は意外と気が利いた

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:55:08.66 ID:icb7PSRm0
豆腐「グツグツぐつぐつ」

磯野一家「そろそろ火止めたら?
固くなっちゃうよ
味の素を入れて味を引き締めないと
ぼかぁ昆布で出汁をとりながら
崩れないようにそーっと持ち上げて
やっぱりポン酢?」ゾロゾロゾロゾロ

中島「ええいっ僕の豆腐に近づくな」シッシッ

憂「作ったら作ったで皆さん食べたくなるんですよね」ガリガリ

律「聡が夜食にラーメン作ってたりすると少し食べさせてもらうな」ガリガリ

波平「あーあーそんなに乱暴に掬ったら」

船「出汁は捨てずにポン酢と混ぜて」

マスオ「早くしないと冷めちゃう」

サザエ「お玉を使って」

一家「あーあーあーあー」

中島「うるせええええええええええ!!!!!」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/16(土) 23:57:37.46 ID:icb7PSRm0
中島「絶対食わせん」

マスオ「ちょっと待ってくれよ中島君」

マスオ「ポン酢は誰の家のを使うつもりだい?^^」

中島「・・・」

サザエ「昆布は誰の家のを使ったの?^^」

中島「ぐっ」ギリッ

船「鍋は?^^」

波平「味の素は?^^」

ワカメ「七味唐辛子は?^^」

波平「ばかもーん!!!!」ドムッ

ワカメ「うっ」

波平の拳がワカメの鳩尾に深くめり込む

波平「七味くらいケチケチするな!!」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:00:21.50 ID:417I4jLS0
マスオ「僕らがセコイみたいじゃないか」

サザエ「磯野家の恥さらしね」

船「あまり大人を舐めるんじゃないよ」

ワカメ「ハッ申し訳ありません・・・!」

湯豆腐は皆で美味しく食べた
時計の針が11時を回ったところで私と憂ちゃんは洗面所を借り、中島に買ってきてもらった
歯ブラシで歯を磨く

マスオ「あまり美味しくなかったですね」

カツオ「そろそろ寝ます?」

律「出来ればそうしたいな」

カツオ「僕の部屋来ますか?中島も入りますけど
広いから多分大丈夫だと」

律「お前らと一緒かよ・・・」

ワカメ「こんな獣たちと一緒に寝たら●●●ビリーバンバンよ、私の部屋に行きましょ」

カツオ「それじゃあワカメ、律さんたちのこと案内してあげな」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:02:06.35 ID:417I4jLS0
カツオ「お休みなさい律さん憂さん」

中島「また明日」

律「ああ」

憂「お休みなさい」ニコッ

バタンッ

「さっ磯野、僕らの夜はこれからだ」

「あーん」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:02:48.60 ID:417I4jLS0
-ワカメ部屋-

時計「カッチカッチ」

ワカメ「スヤー」

今日は暇だから本屋に行こうとしたら、その途中で憂ちゃん見つけて
一緒にアイス食ってカツオと中島が虫取りしてて

変なガキだなーと思って、当たり棒をあげて中島が怪我してこの家に来て

律「・・・」

楽しかったからいいか

憂「スースー」

律「おやすみ・・・」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:05:33.04 ID:417I4jLS0


鳥「ちゅんちゅん」

律「・・・」

律「ふぁ」

憂ちゃんはまだ隣で寝息を立てている
携帯の待ちうけを見る
AM5:02と表記されていた
初めて見る天井

そうか
私公園であったばかりの小学生の家に泊めてもらったんだ
よく考えるとすごいことだ
自分でもなぜだか分からない

アレコレ考えていると尿意が迫ってきた
いや朝なんだし生理現象であって

・・・トイレに行こう

私は部屋を出て昨日、2回使わせてもらったトイレへ向かう

居間を通り抜けようとした

律「・・・」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:08:13.15 ID:417I4jLS0
・・・トイレに行こう

私は部屋を出て昨日、2回使わせてもらったトイレへ向かう

居間を通り抜けようとした

律「・・・」

早くトイレ行かないと

律「・・・」

高校生にもなって漏らしたら大変だ

律「・・・」

さあ早く

律「・・・」

なんで?

なんでだよ
昨日言ったじゃないか
また明日って




中島が首を吊っていた

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:11:36.86 ID:417I4jLS0
-午前八時-
磯野一家と田井中律、平沢憂は居間に集合した
昨夜、美味しい夕食を並べたちゃぶ台には
かつてかもめ小のムクホークと呼ばれた鬼才、中島弘が
乗せられている

昨日の和気藹々としたなごやかな雰囲気とは一変し、
居間には張り詰めた冷たい空気が漂っていた


波平「・・・で、中島君が首を吊っていた」

波平「そういうことかね律さん」

律「はい・・・」

憂「・・・皆さんお茶が入りました」

コトッコトッコトッ

サザエ「ありがとう憂ちゃん」

憂「・・・」ニコッ

憂は黙って微笑んだ
間近で起こった予期せぬ出来事に余程衝撃を受けたのだろう

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:13:41.31 ID:417I4jLS0
波平「ふむ・・」

マスオ「律ちゃんの話だと五時頃には既に中島君は首を吊っていた」

ワカメ「お兄ちゃん一緒に寝たんじゃなかったの」

カツオ「うん・・・確か2時くらいまでハッスルしてそろそろ寝ようかって言ったんだけど」

カツオ「あいつ髪は毎日四時間セットなんだ」

カツオ「だから洗面所に行くって言ったから僕は寝ちゃったんだけど」

カツオ「そのまま・・・うっ」

波平「つまり」

船「夜中の二時から五時までの3時間で」

サザエ「中島くんは自殺した」

船「・・・」

タラヲ「・・・」

マスオ「本当に自殺なんでしょうか」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:16:10.55 ID:417I4jLS0
律「えっ」

ワカメ「どういうことマスオ兄さん」

マスオ「中島君が自ら命を絶つほどの悩みがあったのかということだよ」

カツオ「うーん、寧ろ最近は狂ったかのごとくご機嫌だったと思うけど」

波平「となると薬か?」

憂「や、薬!?」

船「言われてみれば目が逝ってたかもしれないね」

波平「ワカメ」

ワカメ「ハッ」

中島の身体を診断する

ワカメ「注射痕なし、異常な掻き毟り痕もなし、痩せこけてはいないし至って健康型」

マスオ「薬ではなさそうですね」

サザエ「じゃあなんなのかしら」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:18:19.21 ID:417I4jLS0
律(中島・・・)

律は中島を見つめる
昨日までは元気に動き回っていたのに
人とはなんと儚い生き物なのだろうか

律「ん?」

憂ちゃんの煎れてくれたお茶を冷めないうちにと手に取ろうとした、
ただの落書きか?中島の乗せられたちゃぶ台に文字のようなものが刻まれているのが目に入った


-Durbar Square-


律「あの、これは」

サザエ「何か・・・文字みたいね」

マスオ「直接刻み込まれてますね、爪で削ったような」

波平「このちゃぶ台は新しく買ったばかりのはず」

船「買い換えたばかりだというのに無礼な子だね」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:20:04.98 ID:417I4jLS0
マスオ「中島くんのダイイングメッセージ・・・」

カツオ「なんて読むんだろう」

船「お父さん分かりますか?」

波平「分からん」

マスオ「そうだっ現役女子高生の憂ちゃんたちがいるじゃないですか」

カツオ「憂さん何て読むんです?」

憂「ええとこれは---

ワカメ「Durbar Square」

腕を組み、壁に寄りかかっていたワカメが口を開いた

ワカメ「ダルバールスクエア、カトマンズにある王宮広場のことよ」

サザエ「ワカメッ何か知ってるの!?」

ワカメ「ううん、読んでみただけ」

波平「一体中島君は我々に何を伝えたかったと言うのだ」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:23:01.74 ID:417I4jLS0
マスオ「カトマンズ・・・ネパールの首都でもある最大都市ですね」

波平「誰かネパールについて詳しく知ってはおらんのか」

サザエ「外国のことはちょっと」

船「あまり知名度の高い国とも言えませんしねえ」

マスオ「スガオ君が住んでたところとしか」

頭を悩ますばかりで時間だけが過ぎていく

波平「なにも思いつかん」

律「もう12時ですね・・」

マスオ「一体どうすれば」

リモコン「p」

サザエ「カツオ、こんなときにテレビなんて」

カツオ「い、いやちょっとでも気が紛れたらなあという僕なりの気遣いで・・・」

テレビ『ドゥンドゥンディディィレドゥンドゥンテレーレー』

テレビ『のっりっもっのっあつまれーいーろーんーなーくるーまー
どんどんでてこいはたらくくるーまー!』ズッキャwwズッキャwww

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:24:09.36 ID:417I4jLS0
憂「・・・」ズズッ

テレビ『ハガキやお手紙あつめる郵便車っ』

ズンズンズン

「「「ゆーびんしゃ!!!!!!!」」」

糸口の掴めない謎を推測している内にも時間は堅調に過ぎてゆく
中島弘を除く居間にいる者たちには身体的、精神面共に着々と疲れが見え始めていた

マスオ「そろそろお昼ですねえ」

ワカメ「お腹空いちゃったー」

マスオ「サザエーぼく焼きそばがいいなあ」

波平「わしも焼きそば食いたい」

サザエ「えー作るの面倒くさいー」

船「出前でいいんじゃないでしょうか」

憂「あの、味は保障できませんが材料さえ揃ってれば私作りますよ」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:26:28.35 ID:417I4jLS0
サザエ「じゃあおねがーい冷蔵庫に入ってる物適当に使っていいからー」セノビー

律「(だんだん砕けてきたな・・)憂ちゃん私も手伝うよ」

憂「ありがとうございます」

マスオ「いやあ女子高生の焼きそば楽しみですねえ」

波平「左様」

「とはいってもそんな難しい料理でもないしなあ」

「でも人数が多いからちょっと大変かも・・」

「私野菜切るよ」

ジュージュー

サザエ「いい香り」スゥーーーーー

船「ソースの焦げるこの香りはたまんないねえ」

憂「はい出来ましたよー」

ワカメ「わあおいしそう!」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:28:10.47 ID:417I4jLS0
律「皿と箸な」

マスオ「とりあえず中島君は一旦中断ですね」

波平「左様」

船「邪魔だからどかしましょう」

マスオ「よいしょ」

ヌルッ

マスオ「!?」

波平「!」

マスオ「な、なんだろうこれは!」

カツオ「よく見ると中島の  が濡れてるよ!」

ワカメ「短パンがグショグショだわ!」

波平「・・もしや!」ズルッ

律「ちょっと!・・・//」

憂「///」

波平「ペロッ・・・やはり●●だ」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:30:21.48 ID:417I4jLS0
カツオ「何だって!」ペロッ

マスオ「お義父さん僕にもッ」ペロッ

ワカメ「なんで●●が付いてたのかしら」

波平「ふむ・・」

マスオ「首を絞められることにxxxxxxを感じるとか」

波平「なるほど・・快楽を求め過ぎた結果、歯止めが利かなってしまったと」

サザエ「それなら納得できるわね」

カツオ「・・・違う」

マスオ「えっ」

カツオ「・・・違うよお父さん」

波平「何?」

サザエ「カツオ、お友達が亡くなってショックなのはわかるけどそう悲観することはないわよ」

船「また新しい フレでも探せばいいじゃありませんか」

カツオ「この●●は中島のじゃない」

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:32:05.30 ID:417I4jLS0
!!ざわっ・・・

マスオ「どういうことだいカツオ君」

カツオ「こってりし過ぎる、中島のはもっとサラッと喉越しがいいんだ」

船「  禁してたんじゃないのかい?」

カツオ「いや、中島は忍耐力が極限に無いんだ、半日も我慢できないよ」

カツオ「それに首を吊る前には僕と何発か出してた」

カツオ「なのにこの量と濃さはありえない」

し・・・ん

カツオ「もう一度言う」

カツオ「この●●は中島のじゃない」

カツオ「これは自殺に見せかけた殺人」

カツオ「つまり


中島「誰かがぼくを殺そうとした」

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:34:03.47 ID:417I4jLS0
カツオ「中島!!生きてたのかい!?」

中島「憂さんぼくにも箸ください」

律「大丈夫か!?」

中島「いたた・・・吊られてたんですから大丈夫じゃないですよ」

サザエ「中島くん・・・!」

ワカメ「おかしいわ!さっきまで確実に脈が止まってたのに」

マスオ「生き返ったとでもいうのかい」

中島「いいでしょう、ぼくに何が起こったのか」

中島「順を追って説明します、憂さん箸ください」


---昨夜、ぼくは磯野と抱き合った後ふと時計を見ると二時を回っていることに気づきました
髪をセットしなければと思い、眠い目を擦りながら洗面所に向かったのです

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:34:58.13 ID:417I4jLS0
中島『ふああ・・・あっ整髪料持ってくるの忘れた』

中島『磯野の家のポマードって安物だから質も良くないしあんまり使いたくないんだよなあ』

中島『臭いし』

居間を通っている最中、窓から伸びる月明かりに気づいた

中島『きれいな月だなあ』

ぼくは満月の妖しくも艶めいた灯りに心を奪われました

中島『ろくでもない世の中なんていうけど』

中島『月は昔から綺麗だったんだろうなあ』ズンッ!!

感慨深く物思いにふける僕のケツは何者かによって掘られたのです

中島『(磯野より大きい///)』パンパン

恐怖感より今まさに身体に刻みこまれる快感と
磯野に申し訳ないという背徳感にぼくは負けてしまいました

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:37:52.21 ID:417I4jLS0
中島『もっと!もっと激しく!!』パンパン

中島『うわあああああああああああ』パンパン

ガコンッ

中島『きゅ』メリッ

快楽に溺れたぼくは周りの状況を認識できず、
いつの間にか首を吊られる形にされていました

誰なのかもわからない相手はまるで任務完了といわんばかりに
さっさと暗闇へ消えてしまいました

中島『(こっこの僕が背後を取られるなんて)』ギギギ

中島『(中島弘、一生の不覚!)』

悔しい気持ちを抑え、とりあえず今は
首に掛かった縄をどうにかすることが優先だと自分に言い聞かせます

5分ほど頭を悩ませましたが一向に策は出てきません

暇になった僕は何気なく足をブラブラしていたところ

中島『ハッ』

この縄は直接天井に打ち付けられていることに気づいた
そう、身体を振り子のように揺らして繋ぎ目に衝撃を与え続ければ千切れるのではないかと
ぼくは考え付きました

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:38:53.47 ID:417I4jLS0
中島『そーれっそーーれっ』ヴゥンヴゥン

思い立ったが吉日
ぼくは早速試みます

中島『もっと!もっと景気よく!!』ブウゥンブウゥン

予想的中、繋ぎ目の軋む音がします
こうなれば解決するもの時間の問題です

中島『そぉーれ!二回転半ひねり上げ!!』

ギュンギュンギュン!!

中島『きょ』

一瞬の緩和が死を招く
首を軸として回転したが故、二回転半ひねり上げによってよじれた縄は
ダイレクトに中島の首へ伝わり景気よく締め上げた

中島『かはっ・・・!』ギギギ

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 00:41:01.45 ID:417I4jLS0
愚かでした
所詮は猿真似、素人ができる芸当ではなかったのです
僕は死を覚悟しました

中島『ハッ』

しかし人間、死に際には一層しぶとく成ります
薄れゆく意識の中で右ポケットにバタフライナイフを入れていたことを思い出しました

中島『くっ・・・』サッ

首の方向転換ができないので手探りで縄を手繰り刃を当てます
こうなれば先ほど言ったのとは別の意味で時間の問題です

中島『(早く早く早く早く早く早く早く!!!)』シュシュシュシュ

中島『み』


中島『』ブラーン

ぼくは力尽きました

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:04:05.28 ID:417I4jLS0
動かそうにも腕に力が入らないのです
もう諦めていました、頭に走馬灯が見えたのですから

中島『(いい人生だった)』

中島『(父上に母上、先立つ不幸をお許しください)』

中島『(おばあちゃん、僕ももうすぐそちらへ逝きます)』

どちらかというと僕は往生際の良い方なのです
未練はないと言えば嘘になりますが覚悟を決め目を瞑りました

中島(そういえばイタコだったおばあちゃんには昔色々教わったなあ)

中島(降霊術なんかも一時期かじってたっけ)

中島(・・・)

ぼくは天才だった
降霊術、呼んで字のごとく魂を引き寄せる口寄せの類
ならば逆に自分の魂を外へ吐き出すことはできないか
ぼくはそう考えました



中島「要するに霊魂になって、一時的に身体を仮死状態にしたのです」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:07:23.57 ID:417I4jLS0
カツオ「死んだんじゃなかったのか」

律「さっきまでのは抜け殻だったってこと?」

中島「そうなりますね、それまで居間をフヨフヨ浮いてました」

サザエ「なんかキモいわね」

中島「持ち家で死人が出なくて良かったじゃないですか」

中島「まあ」

中島「その犯人がこの中にいる可能性もある訳ですけどね」

マスオ「・・・」

波平「・・・」

律憂「・・・」

ワカメ「中島くん、悪いけどケツについた●●を少しでいいから分けてくれないかしら」

マスオ「そうかっ!  毛一本からでも特定するワカメちゃんのサーチ力があればすぐに解決だ!」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:09:41.85 ID:417I4jLS0
中島「ほうっそれは中々期待できそうですね」

ワカメ「今夜は徹夜ね、お母さん晩御飯はいらないから」

サザエ「そういえばちゃぶ台の文字は何だったの?」

中島「あれは夕食前に何となくやりました特に意味はありません」

中島「ほらっ僕ってお腹が減るとキレるタイプでしょう?」

~夜

律「流れるように今日も泊まってしまった」

律「何か居心地いいんだよねー」ゴロン

憂「・・・」チキチキ

律「なにやってるの?」

憂「あっ今日も泊まるって電話しようとしたんですけど何故だか通じなくて・・・」

憂「メール打ってるんです」

律「律儀だね、私の家はそういうの緩いからなあ」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:13:45.39 ID:417I4jLS0
律「一応連絡しておくか」ppp

『ッ------------』

律「あれー?私のも通じないや」

憂「なんででしょうね」

律「うーん・・・てか充電切れそう」

律たちは磯野家に借りたダサい芋ジャーを着ている
磯野家には客人用として24色それぞれSMLサイズ合計72セットのジャージが常備されていた
律は黄色、憂はオレンジ色


-深夜二時、地下3階<ワカメ・ラボ>

ウイイイイイイン

ワカメ「ふむふむ成るほど、つまりここをピンポイントに攻めれば」

カタカタッッッターーーーーーーン

ワカメ「ビンゴ!」

ワカメ「あとは中島くんの●●を遠心分離機にかけてと」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:18:40.94 ID:417I4jLS0
コンコン

ワカメ「はーい」ガチャ

「ーーーーー。」

ワカメ「あらコーヒー?わざわざ煎れてくれたの?」

「ーーーー!ーーーーーーー。」

ワカメ「ふふっありがとう、もうすぐ結果が出るわ」

「ーーーーーー。」

ワカメ「うん分かったわ、それじゃあお休みなさい」ガチャ

ピーーーー

ワカメ「んぐんぐ・・・終わったわね」

ワカメ「さてさて」

ワカメ「・・・・・!!?」

ワカメ「そんな!!ありえないわ!!!」

ワカメ「まさか・・・うっ!!!」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:19:31.67 ID:417I4jLS0
マグカップ「パリーン」

ワカメ「盛られた・・・」

ワカメ「早く皆に・・真実を伝えなきゃ・・・」

ワカメ「み」


ワカメ「」しーん

-次の日

中島「クソう!!!」ドガンッ

憂「律さん・・・」ギュ

律「大丈夫・・・大丈夫だ」

マスオ「死因は超強い毒、コーヒーに含まれていたようです」

船「自殺かい?」

カツオ「いや、きっとワカメは事件の真相を知ってしまった」

カツオ「だから殺されたんだ」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:22:00.05 ID:417I4jLS0
中島「盛られたか・・・」

サザエ「まあ正直ワカメは捨て駒だったしね」

船「徹夜するって言った時点でなんとなく予想はしてたよ」

憂「そんな・・・何でそんなこと言うんですか!」

律「娘でしょう!妹でしょう!?悲しくないんですか!!?」

サザエ「悲しいに決まってるでしょ!!!」壁ガンッ

サザエ「痛ってwwww」

律(狂ってる・・・!)

ダッダッダ

カツオ「父上ッ!ワカメが何者かによって殺されました」

ショリショリ

カツオ「お父さん」

波平「・・・うむ、事は承知の上」

カツオ「そ、それは」

波兵は一人和室に篭り刀を研いでいた

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:25:30.85 ID:417I4jLS0
波平「代々受け継がれてきた磯野家の宝刀【海鮮八つ裂き丸】だ」

カツオ「やばいね」

もうワシは刀は握らん。
その誓いから何十年が経っただろうか
守り通してきた信義を今まさに目の前で破り捨てた

それほどまでの異常事態なのだ
事は既に動き出している

フィーン・・・ハラッ

一匹のハエが刃先に止まった瞬間、真っ二つになった

カツオ(お父さんは本気だ・・・!)

波平「精神一到何事か成らざらん」

カツオ「すごいやお父さん!」

シュッ

カツオ「わあ!!」

刃先をカツオの眉間へ向ける

波平「安易に近づくでない、犯人はこの家にいる可能性もあると言ったであろう」

波平「お前も含めて、だ」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:27:21.55 ID:417I4jLS0
シャキン

カツオ「お父さん・・」

波平「飯はいらん、徹夜で勘を取り戻す」

バタンッ

波平(・・・我が息子に刃を向けるとは何を焦っているのだ波平)

波平(子を信用しないなど父親失格)

波平(許せカツオ)


カツオ「お父さんご飯いらないって」

サザエ「せっかく焼肉なのに」

船「一人当たりの肉が増えるね」

ジュージュー

中島「はふはふっ」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 01:28:26.05 ID:417I4jLS0
カツオ「焼肉はおいしいなあ」

タラヲ「おいしいですぅ」

サザエ「律ちゃんたちも遠慮しないでドンドン食べてね」

律「はい」

憂「野菜切ってきましたー」

船「中島くんこのしめじ食べごろだよ」

中島「ぼくしめじ嫌いなんです」

モクモクもくもく

わいわいワイワイ

波平「セイッ!セイッ!!」

波平「まだまだ!わしの剣は死んではおらん!!」

波平「セイヤッ!セイヤッ!!」

焼肉の香ばしい煙に包まれる屋根の下
外では一人の老兵が砂埃に塗れていた

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:01:24.17 ID:417I4jLS0
ごめんね
あともう少しで終わるから

~深夜

草木も眠る丑三つ時、空には月だけがポカンと浮いている

波平「・・・ハァ!!!」ドォン

静寂を切り裂く波平の雄叫びで全ての万物が呼吸を止めた

波平「完成した・・・・決め手の必死剣<波平スラッシュ>」

波平「ん?」

誰かが置いたのか縁側に一杯のコーヒーがあった

波平「フンッ粋なことしおって」ゴクゴク

波平「うっ」



マスオ「死因は超強い毒です」

船「死んだのかい?」

マスオ「そりゃあもう景気よく」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:04:16.22 ID:417I4jLS0
カツオ「お父さん・・・」

中島「夜中にうるさいと思ってたらおじさんが素振りしてたんですね」

タラヲ「近所迷惑ですぅ」

中島「これで二人目か」

憂「律さん・・・」ギュ

律「大丈夫・・・大丈夫だ」

全員、居間に集合する

憂「・・・お茶です」

手馴れた動作でお茶を置く
すっかり給湯係になってしまった憂だが、強制しているわけではなく
こうして動いていた方が気が休まるからという憂の意思であった

マスオ「一人目の犠牲者、中島弘」

中島「・・・」ペコッ

マスオ「自殺に仕立て上げようとした完全な殺人だったが間一髪で危機を逃れる」

中島「首を吊られました」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:06:20.72 ID:417I4jLS0
マスオ「そして二人目の犠牲者、磯野ワカメ、
続けざまに三人目の犠牲者、磯野波平」

マスオ「どちらも毒により死亡」

カツオ「技工士のワカメが亡くなるのは惜しいね」

中島「僕がいるじゃないか」

マスオ「そして切り込み隊長であり一家の主でもあるお義父さんがいなくなった今」

マスオ「臨時として指揮をとらせてもらうフグ田マスオだ」

パチパチパチ・・・

サザエ「しかしこれがお父さんの愛刀ねー」

サザエ「結構重いわ」ズシッ

カツオ「危ないよ姉さん」

サザエ「アアアアアアアアア!!」ブゥン

律「うわあ!」

壁「キンッ」ヒュンヒュンサクッ

サザエ「うっ」

姉さんは死んだ

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:10:37.81 ID:417I4jLS0
sageるの忘れてたん

マスオ「サザエ・・・」

中島「自爆でしょう」

憂「ひっぐ・・」

律「あ、あの!!」ガタッ

泣きじゃくる憂のとなりに座っていた律が声を張り上げる

律「よく考えたら警察呼んだ方がいいんじゃないでしょうか!三人も殺されたんですよ!?」

律「それに」

律「なんで平気な顔してられるんですか・・・?」

カツオ「・・・」

船「・・・」

タラヲ「・・・」

マスオ「警察ねえ」

中島「それは無理ですよ」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:12:01.64 ID:417I4jLS0
律「えっ」

船「もう隠し通すのは難しいねえ」

マスオ「ですね」

船「カツオ、律さんと憂さんを案内してあげなさい」

中島「僕も行きます」

カツオ「律さん憂さん着いて来てください」

船「レモン・キャンデー」

ゴゴゴゴゴゴゴゴgg

船の合図とともに砂壁がグラグラと音を立て崩れ始めた

-磯野家隠し通路-

カツッカツッカツッ

律「なんだここは・・・」

憂「・・・」キョロキョロ

床板も壁も天井も全てがコンクリートで出来た表情のない冷たい渡り廊下
本当は気が進まないのであろう憂は不安からか、頻りに周囲を警戒する

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:14:30.34 ID:417I4jLS0
中島「こちらです」ガチャ

中島「あとは僕が説明しとくよ」

カツオ「頼むね」

律「あっお前来ないのかよ」

カツオ「●●●してきます」ガチャン

カツオはドアを閉めた

律「?」

中島「コーシーでいいですか、インスタントですけど」

憂「あっ

律「憂ちゃん」

反射的に手伝おうとしてしまうのか律は憂を止めた

中島「お気遣いありがとうございます、このくらい出来ますよ」

憂「そう・・」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:18:23.67 ID:417I4jLS0
簡易コンロに火を付ける
残り少ないガスでとろとろとした火が点った

中島「うわっ」

ヤカンに水を入れようと蛇口を捻ると赤茶色の錆び水が出る

中島「随分使ってないんだろうなあ」

どれくらい使ってないのか私には分からないけど、
ソファに腰掛けたとき埃が舞った
あくまで隠し部屋なのだろう

律「そもそもここは何なんだよ」

中島「今にわかります」

先ほどの通路と同じようなコンクリで囲まれた部屋
異様な広さがあるため少し不気味に感じる

中島「これだけ言っておきますけど」

中島「ここはあなた達の知るような世界ではないと思います」


p-----------------


律「は?」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:18:52.10 ID:417I4jLS0
中島「お湯が沸いたみたいですね」

律「なんて言った?」

中島「はい、どうぞ」コトッ

憂「あ、ありがとう」

律「おいっ」

中島「テンパってやがるぜプププ」

律「な、なんやて!」

中島「ズズズッwww」

律の言葉に耳を向けず、受け流す中島
一体彼の言った言葉の意味とは


中島「とりあえずコーシーでも飲んで落ち着いてください
結構おいしいですよ」

律「・・・」

煎れたての中島特製コーヒーに手を伸ばす
沸騰した熱々のお湯を入れたばかりでまだ湯気が立っている

ん?コーヒー?

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:23:47.81 ID:417I4jLS0
コーヒー・・・


律「あ」

ワカメ『』

波平『』

そう、盛られたことによりワカメと波平は堕ちたのだ
毒入りのコーヒーによって

律「・・・」

いやまさか
こんな子供に何が出来るっていうんだ
大体こいつは殺されかけた被害者じゃないか
毒薬はどこで手に入れた?
私達を殺してなんになる?

律「・・・」

憂「おいしーい」

律「あっ

中島「でしょう、いいとこドリップですよ」

憂「中島くんはブラック平気なの?」

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:27:04.27 ID:417I4jLS0
中島「メガネはブラック飲まないと死刑なんです」

憂「あははなにそれー」

律「・・・訳分かんないぞーそれ」ハハッ

考えすぎたか
変なやつだけど悪いやつではないもんな
うん、私の思い違いだ

律「うむ、うまい」ズズッ

中島「ありがとうございます」

憂「でも言われてみれば和ちゃんもブラックだったなあ」

律「イメージ通りだな」

中島「和ちゃん?」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 02:42:39.97 ID:atf6NwMHO

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:01:34.70 ID:e+Adg9QUO
さるさん厳しい

律「友達だよ、生徒会長で固い奴だけどちょっと天然入ってるんだよな、唯とは違う感じの」


憂「唯っていうのは私のお姉ちゃんで」

中島「へえ」

憂「それでね

中島「へえええ」

憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん

中島「へええええええ」

憂「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん

中島「死んでください」カチャ

握られたグロック17が私達を睨み付けた


114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:04:18.04 ID:5lpJyDmd0
ガチャーン

もったいない
まだ一口しか飲んでいなかったのに

憂ちゃんはしっかりとテーブルにカップを置いてから私にしがみ付いた
余裕があるな
それじゃあ私だけビビッたみたいだ

中島「・・・」

憂「あわわわ・・・」

いや真面目に驚いている
やっぱり怖かったのか

律「なんだよそれ、子供の持つ物じゃないぞ!」

バァン

律憂「!!」

中島「ひゅー」

早すぎて分からなかったが確かに何かが私と憂ちゃんの間をすり抜ける
微かな火薬の匂いが鼻につく

律「ヒー」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:05:27.91 ID:417I4jLS0
パチパチパチパチ

船「下らない茶番劇をありがとう中島君」

マスオ「いやあ中々の芝居だったじゃないですか」

律「おばさん、マスオさん!」

口ぶりに変化はなかったが二人の様子がおかしいことくらいすぐに分かる
子供が拳銃を握っているという非日常的な状況に驚く素振りを微塵も見せない
むしろ待ち望んでいたかのような言葉を放つ

マスオ「カツオくんはどこだい」

中島「●●●です」

船「まったく緊張感のない子だね」

マスオ「とにかく中島くん」

船「初仕事にしては中々の出来だったよ」

中島「ありがとうございます」

憂「初、仕事・・?」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:05:53.82 ID:417I4jLS0
マスオ「まだ何も話してないみたいですね」

船「教えておやり中島」

中島「ハッ」

カチャ

律「!」

中島「何か質問はありますか」

再度律たちに、若干律寄りに銃口を向ける
完全に萎縮してしまった憂では何も出来ないだろうと見たのか

律「ななな何なんだよお前らは!」

船「ふん」

中島「僕らはただ新世界を創ろうとしているだけですよ」

憂「新・・・世界?」

中島「元はおばさんとマスオお兄さんと磯野、そしてワカメちゃんの四人で形成されていたようですが」

中島「ワカメちゃんは死んだ、だから僕が超新星として入ったんです」

中島「穴埋めで入った感じが気に掛かりますけどね」

マスオ「そんなことないよ、中島くんは充分すぎる人材さ」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:06:09.66 ID:417I4jLS0
マスオ「首吊りにも耐えたんだからねえ」

憂「!」

律「マ、マスオさんがやったのか!」

船「ええ」

マスオ「ごめんよ中島君痛かったかい?」

中島「いえいえ気にしないで下さい」

律「何でそんな奴らと仲良しごっこしてるんだ!」

中島「そこですよ」

中島「まだ加入してから一日も経っていないので詳しいことは分かりませんが」

中島「僕の力を必要としてくれたんです」

律「いいのか!そんな奴らにいい様に使われて!!」

中島「目的が何であろうと僕には関係ありません」

憂「それじゃあ何で・・・」

中島「釣られただけですよ」

中島「このゲームに参加すれば磯野との結婚を認めてくれるという特典にね」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:06:33.25 ID:417I4jLS0
憂「結婚!?」

マスオ「しかし良かったよ中島君が来てくれて」

マスオ「技術も知識もワカメちゃんより上だし」

律「・・・ワカメちゃんも」

マスオ「僕だよ」

律「おじさんも!!」

マスオ「僕だよ」

律「サザエさんも!!!」

マスオ「アイツは知らない」

船「ちなみにサザエと波平は私達に関しては何も知らなかったみたいだよ」

律「殺す必要なかったんじゃ

船「邪魔だったから」

憂「ひどい・・・」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:06:53.68 ID:417I4jLS0
船「家族だろうと我々のゲームにおいてバグとなろうものなら塵も残さずデリートしますよ」

律「なんてヤローだ・・・」

マスオ「僕らは新世界を築き上げる四天王」

マスオ「海鮮フォーだ」

中島「お好み焼きみたいですね」

憂「ピザとか」

律「・・・中島!」

中島「はい?」

律「結婚って言ってたけどお前まだ小学生だろ」

律「それに・・・

中島「同姓」

律「!」

中島「駄目なんですか?」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:07:13.29 ID:417I4jLS0
律「だ、駄目というかその」

中島「可能ですよ」

中島「ここは同姓結婚から殺人まで」

中島「規制なんてものはありません」

中島「モラルも常識も砕かれた無法地帯

中島「ネシヲラタシティです」

憂「ネシオラタシティ・・・?」

カツカツカツ

中島「そしてこのタイラント地区を締め上げる、
我々海鮮フォーのボスでもあるカリスマ

カツカツカツ





タラヲ「^^」

中島「タラさんだ」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:07:48.94 ID:417I4jLS0
律「・・・」ギリッ

憂「タラ・・・ちゃん?」

タラヲ「カツオお兄ちゃんはどこですか?」

中島「●●●です」

タラヲ「そうですかぁ、呑気ですねぇ」

律「(くそっ、やっぱりコイツただのガキじゃ)」

タラヲ「中島お兄ちゃん中々やりますねぇ」

中島「ハッありがたきお言葉」

タラヲ「ママが死ぬのは想定外でしたが、近くにこんな優秀な方がいてくれた助かりましたよ」

律「・・・なんで」

タラヲ「?」

律「ここが私達の住む世界じゃないなら、
お前らがどんな企みをしようが勝手だ」

憂「うう・・・」ギュ

律「なんで私達がこの世界にいるんだ」

タラヲ「うふふ^^」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:08:20.92 ID:417I4jLS0
タラヲ「呼んだんですよ」

タラヲ「ぼくが」

律憂「!?」

タラヲ「三歳になって会得することが出来ました」

タラヲ「時限転送の力ですぅ」

律「な、何てヤローだ!」

タラヲ「神様がくれたこの力を使って

タラヲ「女の子でいっぱい遊ぶですぅ」

憂「ガタガタガタ」

律「だから私達を連れ込んだのか!」

タラヲ「初めて使ったからどうなるか予測できませんでしたけど」

タラヲ「ちゃんと働くみたいですね、律お姉ちゃん達はただの試し撃ちですよ」

律「じゃあもういいだろ!!早く元の世界に戻せよ!」

タラヲ「それは無理です」

律憂「ハア!!?」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:08:42.06 ID:417I4jLS0
タラヲ「別次元で死んだ人間はどうなると思いますか?」

タラヲ「存在しない人となるのです」

タラヲ「そしてたった二人が消えるだけで元の世界はそれに沿った新しい世界に塗り替えられるのですよ」

律「そんな訳・・・」

タラヲ「それって凄くないですか?」

律「!み、澪はどうなるんだよ!あいつ私が居なかったらただの恥ずかしがり屋だぞ」

タラヲ「さあ?引きこもりにでもなってるんじゃないですか」

律「!」

憂「やだよ!お姉ちゃんと離れたくない!!」

マスオ「居ないならいないで世の中どうにでもなるものだよ」

タラヲ「うふふですぅ^^」

タラヲ「ちょっと話が長引いてしまいましたね

タラヲ「中島お兄ちゃんもういいですよやってください」

中島「ハッ」ガショ

グロック17のセーフティをおろす

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:09:06.62 ID:417I4jLS0
憂「ひっ」

律「・・・なんだよお」ガタガタ

中島「はい?」

律「お前、なんで・・・」

タラヲ「^^;」

中島「・・・」

中島「律さんは」

律「!」

中島「あまり驚きませんでしたね」

律「・・・」

中島「キモくないですか?男同士とか」

律「じ、自分で言うのかよ」

中島「普通の人はそう思いますよ」

律「別に・・・キモくはないだろ」

憂「う、うん本人同士が本気で好きなら・・・」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:12:58.75 ID:zvtRkYSf0
中島「本当に?」

中島「僕は平気でしたよ、周りから臭いだの言われても」

中島「ただ磯野が不憫で仕方なかったんです、僕と居ることで距離を置かれたりして」

マスオ「^^」

中島「普通じゃなきゃ駄目なんです」

中島「当たり前のことが出来なくちゃゴミ屑同然の仕打ちを受ける」

中島「怖いんです」

マスオ「大丈夫だよ中島君、これからはイラつく奴がいればぶっ殺せばいいのさ」

船「あたしのパルスライフル貸してあげるよ」

中島「・・・」

憂「で、でも」

中島「・・・」

憂「普通って何なんだろうね」

中島「なんなんでしょうね」カチャ

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:14:49.18 ID:/z+ZSdxj0
憂「・・・」ギュ

律「っ」ギュ

澪、お前は美人だし頭もいい
お前に話しかけられて迷惑だなんて思う奴絶対居ないから

唯ごめん!憂ちゃんのこと、

律「スマン」

タラヲ「僕が言うのもなんですけど」

タラヲ「どうしようもない事ってあるんですね」

中島「そうですね」

中島「残念です」

バァン









タラヲ「?・・・^^」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:17:48.96 ID:QpiR4wH+0
ドスッ

船「タラさん!」

下腹部に真っ黒なしみが浮き出る
ひざまづいた衝撃で滲んだ血がボタボタ落ちた

律憂「・・・え?」

NAKAJIMA「・・・」カチッシュボ

NAKAJIMA「フーーー」

船「タラさん大丈夫!」

タラヲ「^^」ビクンビクン

NAKAJIMA「こんな銃一発で終わるわけねーだろハゲ」

マスオ「^^」カチャ

律「あっ!」

NAKAJMA「・・・」バァン

背広の内ポケットから取り出されたマスオのワルサーP38は瞬時に弾き落とされる

マスオ「・・・^^」ビリビリ

NAKAJIMA「お前には練り海苔がお似合いだぜ桃屋のおっさん」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:19:57.70 ID:e+Adg9QUO
デコトラ「ドカァァァン!!!!」

カツオ「早く乗ってください!」

律「カツオ!」

私達に銃を突きつけた中島がタラヲを撃った
デコトラに乗ったカツオが突っ込んできた
何が何だか分からない

船「どういうつもりだい中島」

マスオ「自分が何をしているかわかっているのかい」

NAKAJIMA「うるせーゴミ共殺すぞ」クイクイ

律「!」

カツオ(早く乗れって言ってるんですよ)ヒソヒソ

律「で、でも」

カツオ「早く!」

律憂「はい!!!!」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:21:55.85 ID:e+Adg9QUO
船「バッ」

NAKAJIMA「!」バァン

船が接近しようとしたが中島は銃で威嚇し距離をとる

憂「うんせうんせ」ヨジヨジ

律(憂ちゃんの尻  いな・・・)ゴクリ

憂「ふう」

カツオ「中島!!!」ヒュッ

律「うわあっ」

カツオ「律さん憂さん目を閉じて耳を塞いで!」

NAKAJIMA「土産にとっときな」スチャ

飛んできた弾にとっさのモーションで標準を合わせるズドンと砲音が聞こえた

フィィィィィィン------

マスオ船「!!!」

銃弾の衝撃により強制解除させられたそれは突き刺さるような光を爆発させ、部屋を呑み込む
同時に耳をつんざく凄まじい音が鳴り響いた
爆音と閃光により一時的なショックを与える非致死性手榴弾スタングレネード

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/06/17(日) 03:24:58.11 ID:e+Adg9QUO
---

タラヲ「ふう」

マスオ「タラちゃんもう傷は塞がったかい」

タラヲ「はい、でもちょっと痕が残ったですぅ」

船「やってくれたね」

タラヲ「初めてですよこの僕をここまでコケにしたお馬鹿さん達は」

マスオ「^^」

タラヲ「女の子で遊ぶのは後にします」

船「・・・」バキバキ

マスオ「・・・^^」コキコキ





タラヲ「中島のお兄ちゃんたちを皆殺しにするですぅ」

第一部:完