1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 08:52:37.93 ID:9edv8bEd0
妹 「こんにちわー、会いに来たよ」

兄 「えーと、どちらさまで?」

妹 「お世話になります」ペコ

兄 「それはどうも・・・・・・って君誰?」

妹 「よっこいしょ、荷物はどこに置けばいいかな?」

兄 「・・・・・・?」

妹 「あれ、お父さんから聞いてないの?」

兄 「えっ、親父?」

妹 「仕方ないなあ、ゴソゴソ」 




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 08:53:34.47 ID:9edv8bEd0
妹 「はいっ、これ」

兄 「何だこのメモは」

妹 「読んでよ」

兄 「『妹をよろしく、父の連れ子として仲良くしてあげてくれ』だと?」

妹 「うん」



兄 「・・・・・・まいったな」

妹 「だめ?・・・・・・ハッハッハクチュ」

兄 「あ、お隣さんが来た。ともあれ部屋に入れよ」

妹 「はい」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 08:59:23.88 ID:9edv8bEd0
妹 「ぎれいな部屋ね」

兄 「ワンルームだけどな」

妹 「突然来てごめんね」

兄 「いや別にいいけどさ」

妹 「怒ってない?」

兄 「怒ってないよ、急な話で驚いたが」



ピロロロ ピロロロ♪

兄 「誰の電話だろ?」

妹 「・・・・・・ニヤリ」

兄 「もしもし、兄ですが」

8: ぎれい oz 2012/05/27(日) 09:04:51.74 ID:9edv8bEd0
兄 「・・・・・・親父か」

兄 「・・・・・・あーそうそう、急に女の子が来て妹とか言ってて驚いてる」

兄 「・・・・・・ええっ? 生活費送るから世話しろだって」

兄 「・・・・・・つうことは親父の隠し子かよ」

兄 「・・・・・・いや、血がつながっていないんじゃ余計まずいだろ」

兄 「ちょっとまて、電話切るな!」

9: ぎれい oz 2012/05/27(日) 09:11:49.90 ID:9edv8bEd0
妹 「誰からの電話?」ニヤニヤ

兄 「くそ親父」

妹 「なんて言ってたの」

兄 「君と暮らせといってた」

妹 「兄さんはいいの?」

兄 「・・・・・・」

妹 「一緒に暮らしちゃだめ?」

兄 「・・・・・・」

妹 「だめ?」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 09:23:08.31 ID:9edv8bEd0
兄 「まあ、父から頼まれたし」

兄 「一応兄妹だし」



兄 「とりあえずは一緒でいいよ」

妹 「ほんと、ありがとう」ダキッ

兄 「ちょ、おま、抱きつくな」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 09:30:13.31 ID:9edv8bEd0
兄 「晩飯どうする」

妹 「済ませてきた」

兄 「そうか。じゃあオレ、外で晩飯食べてくるから留守番たのむな」

妹 「アイアイサー('-')ゝ」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 09:37:46.50 ID:9edv8bEd0
兄 「ただいまー」

妹 「おかえりー」

兄 「・・・・・・ってなにやってんだ」

妹 「寝袋に入ってる」

兄 「女の子が部屋の中で寝袋はないだろ」

妹 「でも」

兄 「いいから俺のベットで寝ろ!」

妹 「兄ちゃんは?」

兄 「オレは適当に寝るから気にすんな」

妹 「でも」

兄 「いいからそこで寝ろ、おやすみっ!」



妹 「すぅすぅzzz」

兄 「(駄目だ、緊張して眠れない)」

兄 「(とりあえず明日布団買ってこよう)」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 09:47:30.39 ID:9edv8bEd0
チュンチュン

兄 「おはよう」

妹 「おはよー」

兄 「(結局寝不足だ)」


妹 「兄ちゃんそっちむいてて」

兄 「ん? あぁ着替えるのか」

妹 「ごそごそ」

兄 「もういいか」

妹 「うん」

兄 「あれ、昨日と同じ服じゃないか」

妹 「これしかないもん」

兄 「仕方ないな、日曜日だし後で買いに行こう」

妹 「うん・・・・・・・でもお金は?」

兄 「後で親父にもらうよ、金額2倍でな イヒヒヒヒヒ」

妹 「(あ、なんか腹黒いこと考えてる)」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 09:55:06.72 ID:9edv8bEd0
兄 「とりあえず朝ごはんにしようか」

妹 「うん、私作ってあげる」

兄 「え?」

妹 「うん、私作るよ」

兄 「あー、ありがとう」


妹 「冷蔵庫っと」ゴソゴソ

妹 「ハムに卵にレタスに・・・・・・」

妹 「♪~」トントン,ジウジウ


妹 「できたよー」

兄 「美味そうだな」

妹 「料理得意だもん」 )ノドヤッ

兄・妹「いただきます」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 10:00:54.93 ID:9edv8bEd0
兄 「ご馳走様でした、ごはんありがとな」

妹 「いえいえ、居候の身としちゃ当然でござる」

兄 「ござる?」



兄 「じゃあ服買いに行こうか」

妹 「うん」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 10:11:14.30 ID:9edv8bEd0
兄 「結構買ったな」

妹 「荷物重くない?」

兄 「コレくらい大したことないさ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 10:21:07.29 ID:9edv8bEd0
ガチャン!

兄 「ただいまー」

妹 「ただいまー・・・・・・って何このダブルベット」

兄 「知らないよ」

妹 「いつの間に置いたのかな」

兄 「そりゃ買い物に出てた間に置いたんだろ」

妹 「たしかに」


兄 「誰が置いたんだろう?」

妹 「お父さんかも」

兄 「かもな、親父に電話するか」

ピッピッピッ

27: ちょっとコンビニ・すぐもどります 2012/05/27(日) 10:27:24.86 ID:9edv8bEd0
兄 「もしもし親父」

兄 「・・・・・・・いや、寝袋じゃまずいのは分かるが」

兄 「・・・・・・・しかしダブルベットはないだろ」

兄 「・・・・・・・人の話聞けってば」

兄 「・・・・・・」


妹 「どうだった」

兄 「文句言ったら電話切られた」

妹 「どうするこのベット」

兄 「とりあえず夜になったら考えよう」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 10:40:23.14 ID:9edv8bEd0
兄 「そういえば学校はどうした?」

妹 「卒業した」

兄 「そうか、じゃあ今何してる?」

妹 「アルバイト」

兄 「ふーん」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 10:48:10.05 ID:9edv8bEd0
妹 「『ふーん』って、何のバイトか興味ない?」

兄 「それどころじゃないよ、これからどこで寝るかが問題だ」


妹 「返品するのも面倒だし、一緒に寝よ」

兄 「いいのか?」

妹 「良いも何も、ソファー捨てられちゃったしダブルベットしか寝るとこ無いじゃん」

兄 「まあそうだけど、俺も一応男だぞ」

妹 「私は兄ちゃん信じてるから キリッ」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 10:56:32.27 ID:9edv8bEd0
兄・妹 「おやすみ」


  (中略)


兄 「おはよう」

妹 「あ~お早うゴザイマス」

トリ 「チュンチュン」

妹 「うーんよく寝た」

兄 「(全然寝れなかった)」


兄 「(女の子って軟らかいんだな)」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 11:07:28.00 ID:9edv8bEd0
兄 「今日は一緒に出勤だな」

妹 「うん」


妹 「はい、コレ」

兄 「何だこれ?」

妹 「見て分からない? お弁当に決まってるでしょ」

兄 「弁当なのはわかるが・・・・・・俺にくれるの?」

妹 「当たり前でしょ」


兄 「うう、俺が手作り弁当食える日が来るなんて信じられん」ウルウル

妹 「泣かないでよ、自分の弁当の『ついで』に兄ちゃんの分作っただけだから」

兄 「有難うよ」

妹 「本当に『ついで』なんだからねっ!」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 11:16:23.59 ID:9edv8bEd0
電車 「ういーん、ゴトゴトッ」

兄 「妹はどこで降りるんだ?」

妹 「三つ向こうの駅」

兄 「なんだ、俺の働いてるところに近いじゃないか」

妹 「うん」

兄 「じゃあ俺先に電車降りるから、バイトがんばれよ」

妹 「うん」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 11:25:42.10 ID:9edv8bEd0
兄 「ふう、今日も仕事きつかったな」


兄 「ただいまー」

妹 「おかえりー」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 11:33:27.97 ID:9edv8bEd0
兄 「なあ妹」

妹 「ん、なあに?」トントントン

兄 「仕事先でこんなのもらった」

妹 「何もらったの」ジゥジゥ

兄 「猫根山の温泉チケット」

妹 「え、猫根山!」ジゥジゥジゥ

兄 「うん、コレ見てみ」

妹 「わー、高級ホテルじゃん」ジウジウジゥジゥ

兄 「うん・・・・・・・って晩飯焦げてるぞ」

妹 「ひゃっ!」ガタッ

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 11:40:07.62 ID:9edv8bEd0
妹 「ごめん、焦がしちゃった」

兄 「ちょっと香ばしいけど美味いよ」モグモグ

妹 「ショボーン」

兄 「チケットあるし、こんど猫根山にいこう」

妹 「キラーン」

兄 「今度の連休に予約してさ」

妹 「うん、足ノ湖いってもいい?」

兄 「いいよ、そうしよう」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 11:47:55.41 ID:9edv8bEd0
休日


妹 「猫根湯元まで来たね」

兄 「うーん空気が美味しい」

妹 「良い季節ね」

兄 「あれが猫根登山鉄道か?」

妹 「そうみたいね」

兄 「乗ってみるか」

妹 「うん」



妹 「なにこれ、アジサイ?」

兄 「みたいだな」

妹 「あっ、電車が逆に走り出した。なにこれ」

兄 「アプト式って奴じゃないか?」

妹 「ふーん」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 11:57:28.79 ID:9edv8bEd0
妹 「足ノ湖とーちゃーく」

兄 「乗り換え多くて疲れた」

妹 「でも景色いいからいいじゃん」

兄 「それはいえる」



兄 「なんか腹減った、昼飯にしよう」

妹 「うん」

兄 「何食おう」

妹 「これなんかどう?」

兄 「なんかの名物らしいな」

妹 「すいませーん、足ノ湖丼ください」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 12:04:54.63 ID:9edv8bEd0
妹 「どう、美味しい」

兄 「うん、うまいな」

妹 「それね、実は・・・」ニヤリ

兄 「ん?」モグモグ

妹 「それね、実は『ブラックバス』」イヒヒヒ

兄 「え、まじ?」

妹 「うん」



兄 「ブラックバスか、案外美味いな」

妹 「あれ、驚かないの? ブラックバスだよ」


兄 「食えりゃ魚の種類なんか気にしない」モグモグ

妹 「もぉ、反応冷静ぎてつまんないなぁ」モグモグ

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 12:09:17.81 ID:9edv8bEd0
兄 「昼飯たべたし、遊覧船のるか」

妹 「うんっ」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 12:12:40.04 ID:9edv8bEd0
兄 「ここの遊覧船見るたびに思うが」

妹 「なにを?」

兄 「こんな山奥にどうやって船を運ぶんだろうな」

妹 「兄ちゃん、いつもそんなこと考えてるの?」

兄 「船底にタイヤでもあるのかな」

妹 「・・・・・・人の話聞いてよ」

兄 「エヴァが担いで来るのかな」

妹 「(人の話聞けアホ)」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 12:16:34.70 ID:9edv8bEd0
妹 「お兄ちゃん♪」

兄 「ん?」

妹 「うふふ、船酔いしちゃった♪」クテッ

兄 「酔ったのは、その手に持ってるビールのせいだと思うが」

妹 「・・・・・・空気読めアホ兄」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 12:24:47.43 ID:9edv8bEd0
兄 「向こう岸についたね」

妹 「うん」


妹 「あっ、ホテル」

兄 「案外目の前だな」

妹 「おんせーん♪」

兄 「混浴かな」

妹 「うふふふ、一緒に入ります?」

兄 「しかし遊覧船はどうやって運んだんだろう?」ウーム

妹 「・・・・・・わざととぼけてる?」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 12:36:17.59 ID:9edv8bEd0
(夜略)


翌朝

兄 「ん~久々によく寝た、なんかすっきり」

妹 「おはよー」

兄 「ツインの部屋でよかったな、ベット別々で」

妹 「えぇっ?」


兄 「いつも家ではダブルベットに二人で寝てたから、窮屈だったろ」

妹 「う・・・・・・うん、そうだね(チッ!)」

兄 「そろそろ帰ろうか」


妹 「う~ん」

兄 「どうした? 旅行つまらない?」

妹 「・・・・・・(兄ちゃん鈍感すぎる)」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 12:44:45.62 ID:9edv8bEd0
後日

妹 (鈍感にも程があるわよ)

兄 (温泉旅行から帰って以来、しばらく妹が不機嫌だったがなぜだろう?)

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 12:50:40.09 ID:9edv8bEd0
トリ 「チュンチュン」

妹 「いってきまーす」

兄 「行ってらっしゃい」


兄 (今日は俺だけ休みだが)

兄 (妹の出勤を見送るなんてはじめてかもな)

兄 「あれ? あいつ弁当置き忘れてる」

兄 「しょうがないなあ、妹の仕事先まで持って行ってやるか」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 12:58:14.46 ID:9edv8bEd0
兄 「えーと、妹の仕事先はここだよな」

兄 「○○大学××研究所?」

兄 「あいつアルバイトとか言ってたけど大学じゃないか。大学生なのかな?」


兄 「あ、丁度いいところに学生さんが来た」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:03:18.87 ID:9edv8bEd0
兄 「えーと学生さん、うちの妹しりませんか?」

学生 「!!」

兄 「あのー、学生さん。どうしました?」

学生 「・・・・・・なぜあなたがここに?」

兄 「は? いや、妹に弁当を届けようかと思って来ただけですけど」

学生 『妹』ですか? 私は知りません」

兄 「え?」


学生 「あなたは『兄』さんですよね」

兄 「はい、妹の兄ですが」

学生 「お願いだから僕に会ったことは忘れてください」

兄 「???」

学生 「お願いしますっ」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:11:45.58 ID:9edv8bEd0
兄 「なんだかおかしな学生さんだったなあ」

兄 「この調子じゃ、他の学生さん達に聞いても妹がどこに居るのか知るのは無理そうだ」

兄 「仕方が無い、自分で探そう」




兄 「この扉かな?」

バタム

兄 「あっ!」

兄 「何だこりャ」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:15:57.86 ID:9edv8bEd0
兄 「何だこの薬品は! こんなとこに危ないなぁ」

兄 「おや? 奥に何かあるぞ」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:26:43.60 ID:9edv8bEd0
兄 「大きなカプセルが沢山ならんでる」

兄 「ん、カプセル内に妹が・・・・・・」

兄 「幾人もの妹が眠ってる、なんなんだこれは!」

兄 「う、見ていて気分が悪くなってきた」

兄 「とりあえずここを出ようっ」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:29:19.84 ID:9edv8bEd0
夕方


妹 「ただいまー」

兄 「おかえり」


兄 「おまえ、お弁当わすれただろ」

妹 「うん、昼に気づいてあせった」

兄 「それで昼飯どうしたんだ?」

妹 「仕事場のおばちゃんたちに分けてもらった」

兄 「そうか」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:34:50.04 ID:9edv8bEd0
兄 「そういえば、何のアルバイトしてるんだ」

妹 「えっ?」

兄 「何のバイトしてんの?」

妹 「・・・・・・えーと、コンビニ」

兄 「コンビニかあ」



兄 「コンビニっておばちゃんたち大勢いるの?」

妹 「え?」

兄 「今おばちゃん『達」にお弁当分けてもらった言っただろ。だったらおばちゃんは何人もいるんだろ?」

妹 「えーっと、コンビニというかスーパーみたいな店なのよ」アセッ

兄 「ふーん」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:39:15.68 ID:9edv8bEd0
兄 (怪しい、何か隠しているな)

妹 (どうしよう、疑い始めてる)

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:44:26.31 ID:9edv8bEd0
妹 「あ! 忘れ物しちゃった」

兄 「忘れ物?」

妹 「ちょっと買い物に出かけてくる」

兄 「買い物? 今から?」

妹 「うん、でかけるね」バタン

兄 「急だな・・・・・・」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:50:02.23 ID:9edv8bEd0
妹 「家の外に出たわ」

妹 「ここなら兄ちゃんに聞かれないよね」


妹 「お父さんに相談しよう」

ピッピッピッ

妹 「もしもしお父さん、実はかくかくしかじかで・・・・・・」

妹 「・・・・・・えっ?」

妹 「・・・・・・それだけは止めて!」

妹 「・・・・・・ねえ、お願いだから」

妹 「・・・・・・あ、電話切られちゃった」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:55:31.38 ID:9edv8bEd0
妹 「どうしよう、お父さんに電話なんかしなければ良かった」

妹 「どうしよう」

妹 「とにかく、急いで帰ろう」






妹 「あなた達はだれ?」

黒服 「『お父さん』からのお迎えです」

妹 「えっ?」

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 13:59:01.06 ID:9edv8bEd0
いもうと 「お兄ちゃん、ただいまー」

兄 「おかえり」

いもうと 「お兄さん、お昼はお弁当持ってきてくれて有難うね」

兄 「お弁当? 何の話?」

いもうと「もう少しでお昼ごはん食べ損なうところだったわ」

兄 「俺、お前に弁当なんて渡したっけ?」

いもうと 「えっ? ううん、なんでもない・・・・・・」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:02:20.46 ID:9edv8bEd0
兄 「晩御飯くったし、もう寝るか」

いもうと 「寝るってどこに? ベットは一つしか無いじゃない」

兄 「え? いつも一緒に寝てるじゃないか」

いもうと 「お兄さんおかしいわよ、大人の兄妹が一緒に寝るわけないじゃない」

兄 「そうか、そうだよな」

兄 「俺は寝袋に入るから、お前はベットで寝るといい」

いもうと 「そうさせてもらうわ」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:06:14.07 ID:9edv8bEd0
兄 (いったい妹どうしたんだ? まるで別人のようだ)

兄 (うーん眠れない)

兄 (ごそごそ、がちゃがちゃ)

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:11:02.09 ID:9edv8bEd0
チュンチュン

兄 「おはよう」

兄 「妹の返事無いな、トイレかな?」

兄 「とりあえず準備しよう」







バタンッ!

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:15:26.62 ID:9edv8bEd0
バタンッ!

兄 「いきなり玄関開けて失礼じゃないか! 誰だ君達は」

黒服 「知りたいですか?」

兄 「当然だ!」

黒服 「我々はあなたの『お父さん』の部下です」

兄 「なんだと!」

黒服 「我々は『お兄さん』とお話しに来たのですが、お話する気は無さそうですね」

兄 「あたりまえだ」

黒服 「そうですか、どうやら処分が必要ですね」ガシッ

兄 「離せ、こん畜生!」

黒服 「ちょっと痛いが、注射我慢してくださいね」

兄 「・・・・・・ガクッ」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:20:52.47 ID:9edv8bEd0
兄 「・・・・・・ん、ここは大学か?」

妹 「お兄ちゃん!」

兄 「妹か!」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:27:12.99 ID:9edv8bEd0
父 「兄君、久しぶりだな」

兄 「俺の縄を解きやがれ、くそ親父が!」

妹 「お父さん!」

父 「黙りなさい」

兄 「なんだと」

父 「実験体は黙ってなさい」

兄 「実験体?」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:32:15.71 ID:9edv8bEd0
父 「『妹』くん、君は人間的な感情を持ちすぎたようだね」

妹 「お父さん、お父さん、何を言ってるかわからないよ」



父 「私は『妹』くんを愛してるよ、安心しなさい」ニヤリ

妹 「うそつき、じゃあ何で私の両腕を縛ってるのよ」ペッ!

父 「ムカッ! 『父』に向かって唾吐く子は許せんな。『兄』と一緒に処分してしまいなさい」

黒服 「先生、了解しました」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:39:33.28 ID:9edv8bEd0
父 「貴重なオリジナル実験体を失うのは忍びないが、やむをえん」

兄・妹 「実験体?」

父 「『兄』の家で妹に社会訓練させようと思ったが失敗したようだ」

兄 「実験体ってなんだよ、こん畜生!」

妹 「私たちはにんげんです!」

父 「だまれモルモット共め」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:44:07.13 ID:9edv8bEd0
------

妹 「うぅっ」

兄 「気を落としちゃ駄目だよ」

妹 「お兄ちゃん・・・・・・でも」

兄 「父さん、お前には優しかったんだろ。かつては」

妹 「・・・・・・うん」

兄 「だったら信じろ」

妹 「でもお兄ちゃん」

兄 「大丈夫、いざとなったら俺が守ってやるから」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:49:39.92 ID:9edv8bEd0
黒服 「先生、なぜ監視カメラみてるのですか ?」

父 「実験体を見てるのだが・・・・・・」

父 「これを処分するのはまだ早いな、とりあえず倉庫に放り込んでおきなさい」

黒服 「了解しました」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:53:34.25 ID:9edv8bEd0
兄 「ここは倉庫か?」

妹 「真っ暗だね」


兄 「お願いがある」

妹 「いいよ」

兄 「俺の縄ほどいてくれ、背中合わせになれば手が届く筈だから」

妹 「うん」


兄 「どうだい」

妹 「もうちょっと待って、解けかけてるから」

兄 「・・・・・・」

妹 「ゴソゴソ」

兄 「・・・・・・おう、解けた。ありがとう」



兄 「おまえの縄も解いてやる」ゴソゴソ

妹 「ふう、解けたね」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:58:11.75 ID:9edv8bEd0
兄 「よし、じゃあ逃げるぞ」

妹 「うん」


黒服 「おい、実験体が逃げたぞ!」

黒服 「探せ!」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 14:59:08.86 ID:9edv8bEd0
妹 「あ、見つかった!」

兄 「こっちにも黒服がいる」

妹 「どうしよう」


兄 「妹! 建物の横を突っ切って外に出るぞ」

妹 「うん」

兄 「走れっ!」ダダッ


黒服たち 「見つけたぞ、あそこだ」

兄 「まずい見つかった」

妹 「うわーん」

黒服たち 「追い詰めたぞ、手間掛けさせやがって」


兄 「妹! 耳をふさぐんだ」

妹 「え?」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 15:02:35.83 ID:9edv8bEd0
兄 「畜生め! コレ(>>61)を食らえ!」

ドカンッ!


黒服達 「うわっ、貴様!」

ゴゴーッ!!


妹 「すごい火炎!!」

兄 「今のうちに逃げよう」

妹 「うん!」

兄 「絶対に生き残ろうな」

妹 「うん」

タッタッタッ

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/27(日) 15:04:14.37 ID:9edv8bEd0
後日


兄 「逃げ切れたのはいいけど・・・・・・」

妹 「うん」


兄 「なあ、お前何者なんだ」

妹 「ロボットなんかじゃないわよ」

兄 「本当の名前は何なんだ?」

妹 「あ~る・デコ」

兄 「?」

妹 「どうしたの? 首かしげて」


兄 「俺たち、古本屋行きかなあ」



おしまい

引用元: 兄「えーとどちらさまで?」