1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:03:48.27 ID:Q/9tHdo60
 
佐天「せっかくのめでたい日に遅刻はやばいっ。メイクOK、ヘアOK、ドレスワンピに皺はない! よし、完璧」

初春『佐天さん、バックの中身も! 招待状とご祝儀忘れたらシャレになりませんよ』   

佐天「あっぶなー…、忘れるとこだった。 サンキュー初春ぅ」

初春『忘れもん坊なところ。中学時から進歩してませんよ、佐天さん』

佐天「いえいえ佐天さんは、ちゃーんと社会人やってますよー」

初春『それならいいんですけど。マンションの裏手に車止めてますから、早く来てくださいね』

佐天「了解、すぐ行く」

初春『それじゃ、待ってますね~』(ブツッ、ツーツー…)

佐天「携帯もカバンにしまって…っと。それじゃあ、行きますか」




3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:05:26.35 ID:Q/9tHdo60

ガチャ、バタン。

佐天「おっはよー、初春」

初春「おはようございます、佐天さん。シートベルトちゃんとして下さいね。少し飛ばしますから」

佐天「おぉ! 走り屋宣言?」

初春「なに言ってるんですか。こんな日に寝坊する佐天さんをわざわざ迎えに来たんですよー?」

佐天「神様仏様初春様~、本当に今日はありがとう、ナムナム……。なんて、してる間にシートベルト装着完了であります、軍曹」

初春「私まだ死んでませんから、勝手に拝まないでください。ナビ、お願いしますね」

佐天「あいあいさー」

ブロロロロロロ…。

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:07:44.16 ID:Q/9tHdo60

佐天「あー…、肩すごいこってる。首回したらボキボキなるよ、絶対なる。せーのっ!」(クルッ、ボキボキボキッ)

初春「良い音なりましたね。結局、学園都市(ココ)にはいつ戻って来たんですか?」

佐天「昨日の夜11時。なんか、急に学園都市外の企業との会議が入ってさー。北海道まで出張したんだよねー」

初春「北海道!? また遠いとこまで行ってたんですねぇ。あ、お土産は白い恋人で手をうちましょう」

佐天「学園都市行きの最終便で、ギリギリ戻ってこれて本当によかったよー。白い恋人はないからじゃがポックルでどうよ?」

初春「ん~まぁ良いでしょう、じゃがポックルで。それにしても忙しそうですね、企業の営業職って」

佐天「過密スケジュールだけどやりがいはあるかな? 初春だって大変でしょ、先生しながら警備員なんて」

初春「背負いがいのある苦労ですよ」

佐天「レベル1以上の子の割合も増えてきてるんでしょ。それなのに、学園都市の治安が昔よりいいのって凄いよね」

初春「風紀委員時代じゃ、自分に出来ることって限られてましたから。
   教師になって警備員になって。子供たちの安全を自分の手で守れるようになったからには、全力をつくすのみです」

佐天「初春せんせー、カッコイー」

初春「うわー、ついつい結構真面目に語っちゃったじゃないですかー…。佐天さんの馬鹿」

佐天「初春の中の正義は中学の時から変わらないね。尊敬するよ、本当。あ、次の交差点右に曲がって高速乗って」

初春「はいはいー右ですね。大企業相手にバリバリのキャリアウーマンやってる佐天さんも素敵ですよ、っと」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:10:08.69 ID:Q/9tHdo60

……ブロロロロロ、キキッ!

初春「無事、式場に到着です」

佐天「走り屋初春さん、お疲れさまでした」

初春「まだそのネタひっぱりますか……」

佐天「久しぶりに初春の助手席に乗ったけど、顔に似合わずのドラテク披露には目を見張るわ―」

初春「今の私なら、AT自動車から装甲車までお任せあれーって感じですよー」

佐天「さっすが警備員。数年後には戦闘期まで乗りこなす初春の姿が……っ!!」

初春「パイロットは志望してません」

佐天「えー、つまんないのー」

ガチャ、バタン。

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:10:52.39 ID:Q/9tHdo60

初春「うわぁー、綺麗な白のチャペルですねぇ」

佐天「えーっとなになに。ふむふむ、披露宴は隣のホテルでするみたい」

初春「いーなぁ、いーなぁ! 私も将来こういう所で結婚式あげたーい!!」

佐天「その前に、私たちは男を見つけないとだよ、初春」

初春「…………お互い、寂しい独り身ですからね」(ドヨーン)

佐天「ちょ、いきなりブルーにならない!」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:12:27.00 ID:Q/9tHdo60

初春「―――だってねぇ、佐天さん。忙しい日常の中で、ふとひと肌が恋しくなる時ってあるじゃないですか……」(ドヨドヨーン)

佐天(あー……。きっと、長いこと恋愛自体してないんだろうなぁ、初春)

佐天「えぇと……。あっ、そうだ! 新婦控室に遊びに行こうよ、初春ぅ~」

初春「新婦、控室……?」(ピクッ)

佐天「(おっ、反応有り)そうそう、すごい綺麗な花嫁さんになってるよ、御坂さん!」

初春「行きましょう! 佐天さん!!」

佐天「初春のミーハーも相変わらずか……っ」(ボソッ)

初春「なにぼけっとしてるんですか!? さぁさぁ行きますよ! 佐天さん早く早く!」(グイグイ)

佐天「わかったから、腕引っ張らないでー! ピンヒールだからこけるぅぅうう」(ズルズルズル…)

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:14:30.83 ID:Q/9tHdo60
―――

打ち止め「もうっ! どうしてアナタはそうだらしがないの? ってミサカはミサカは憤慨してみたりっ」

一方通行「あァ?」

打ち止め「ネクタイ曲がってる。ミサカが直してあげるからちょっと屈んで、ってミサカはミサカは催促してみる」

一方通行「ネクタイくらいどうでもいーだろォ」

打ち止め「今日はお姉様の大切な日だからよくないの!ってミサカはミサカは理由を説明してみたり」

一方通行「……チッ、めんどくせェ。ほらよ」

シュルシュル、キュッ!

打ち止め「はい完成、ってミサカはミサカは思いのほか綺麗に出来たって自画自賛!」

一方通行「どォもォ。――ったく、なーンで俺が出席しないといけねェンだよ」

打ち止め「それは主役の二人がアナタにも祝福してほしいからでしょ? ってミサカはミサカは当然のことを言ってみる」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:17:04.70 ID:Q/9tHdo60

一方通行「百歩譲って出席するにしても、だ。なンで俺が新婦親族席なンだよ。新郎友人席ならまだわかるけどよォ」

打ち止め「アナタは私の婚約者なんだから、それも当然でしょ? ってミサカはミサカは答えてみたり」

一方通行「……おい、打ち止め。俺はまだ超電磁砲(オリジナル)に頭下げに行ってねェンですけど」

打ち止め「あはははーっ。実はプロポーズされたって言ったら、お姉様が面白がって席を変更したみたいで――」

一方通行「オマエのせいかよっ!!!」

打ち止め「ごめんなさい、――って痛、痛い! 首筋チョップはやめてってミサカはミサカは涙目で懇願してみたりー!!!」

ギャーギャー、ワーワー!!

土御門「なんや面白い光景がひろがってるにゃー」

青髪ピアス「あの女の子、カミやんの嫁はんにそっくりやねー。妹さんか何かかなー?」

土御門「まぁ、そんなとこだぜい」

青髪ピアス「カミやんの嫁はんと同じくらい可愛い子やねぇ」

土御門「さきに言っとく。あの子には声かけないほうがいいにゃー。白髪男に殺されることになるぜい」

青髪ピアス「あらー、それが残念やわ。まぁええねん。今日は新婦友人という名のかわい子ちゃんが仰山おるんやからー!!」

土御門「……ここは合コンとは違うからなー。カミやんの一世一代の晴れ舞台だからにゃー」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:19:09.44 ID:Q/9tHdo60

佐天「えーっと、控室ってこっちでいいのかな?」

初春「多分こっちであってると思いますけど……。あれ? すいませーん、青髪先生じゃないですか?」

土御門「おい、なんか頭にけったいな花飾り付けてる人が青ピを呼んでるにゃー」

青髪ピアス「はいはい、なんでしょー。――って初春せんせぇ?」

初春「あーやっぱり青髪先生でしたか。先生も結婚式に出席するんですか?」

青髪ピアス「新郎が高校からの友人なんですわー」

初春「へぇー、上条さんのお友達だったんですかぁ。知りませんでした。私は御坂さんとは中学からの友達なんですよ」

青髪ピアス「せやったんですか。いや、世間って狭いもんっやねぇ」

初春「本当に、そうですね」

佐天「初春、こちらの人とお知り合いなの?」

初春「私が教員をしている学校って中高一貫教育校じゃないですか。青髪先生はその高等部で保健体育を教えている方なんですよ」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:23:03.50 ID:Q/9tHdo60
土御門「そういえば、お前、学校の先生やってたっけ……。」

青髪ピアス「せやでー、女子校の先生。ピッチピチの女子中高生に囲まれて働けるなんて、ボクにとっての天職やで、土御門くん!」

佐天「えーっと。初対面でこういうのもなんですけど、教育者としてその発言はどうなんでしょうか」

初春「今日はおめでたい日だから聞き逃してあげますけど、また学校でそんなこと言ったら今度こそ青少年育成条例でしょっぴきますよ?」

青髪ピアス「いやん! そんな怖い目ぇでボクを睨まんといて、初春せんせぇ。怒った顔も素敵ですけど」

佐天「  コンの上に、ドMと来ましたか……」

青髪ピアス「いえいえ、ボクぁは落下型ヒロインのみならず、義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩同級生(ry」

土御門「こんな変 ほっくのが一番だにゃー。初春さんは青ピの同僚さんなのか。俺は土御門って言います。そちらのロングヘアの方は?」

佐天「あ、ご丁寧にどうも。私は佐天涙子というもので、営業職をしてます――って土御門?」

初春「もしかして、土御門舞夏さんのお義兄さんですか!!?」

土御門「そうだけど、舞夏ともお知り合い?」

佐天「私たち、舞夏さんとも中学からの友達なんですよ!」

土御門「超電磁砲のお嬢さんと舞夏が友達なのは知ってけど、初春さんたちとも友達だったとはにゃー。義妹がいつもお世話になってるぜい」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:24:57.94 ID:Q/9tHdo60

初春「(この人が噂のお義兄さんみたいですよ、佐天さん)」(ボソッ)

佐天「(舞夏さんとあんなことやそんなことを繰り広げているという、噂の……)」(ゴクリ)

土御門「? なにか?」

佐天「い、いいえ、なんでもないですッ! お気になさらず!」

初春「そ、そうです。なんでもないんですよ!」

青髪ピアス「みんなして僕を無視するなんてひどいやーん……」

初春「青髪先生の包容力云々の話は耳がタコになるほど聞きましたっ!」

土御門「……職場でも青ピは青ピだったか」

佐天「わ、私たち、御坂さんの控室にお邪魔しに行く途中だったので、失礼しまーす!」(ダッ!)

初春「ちょ、佐天さん!? じゃ、じゃあまた式場で!」(マッテクダサイ、サテンサーン!!)

青髪ピアス「……なんや、お前の顔見てそっこーでお嬢さんら逃げてったなぁ。なんかセクハラでもしたんかー?」

土御門「阿保か、お前じゃあるまいし」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:27:30.06 ID:Q/9tHdo60

カツカツカツ、ピタ。

佐天「ここだ! 『新婦控室』って書かれてるし間違いない」

初春「御坂さんの花嫁姿かぁ~。なんだかこっちがドキドキしてきちゃいますね」

佐天「御坂さん程の美人でスタイルのいい人なら、どんなドレスでも着こなすでしょ」

コンコンッ。

佐天「すみません、御坂さんの友人の者なんですけど、今って入っても大丈夫でしょうか?」

??『大丈夫ですよ、とミサカは返答します』

佐天「初春、OKみたいよ」

初春「それじゃ、失礼しまーす…」

ガチャ、キー…ッ。


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:32:44.83 ID:Q/9tHdo60

御坂「初春さん、佐天さん。今日は来てくれてありがとう」

 鎖骨辺りで切り揃えられている明るい茶色の髪は結いあげられ、アクセントの小さめの銀のティアラがキラリと光る。
 大胆に胸元が開かれてた白のマーメイドドレスが、彼女の体のラインを美しく引き立たせていた。
 腰の部分から裾にかけてでゆるりと施されているフリルが、凛とした輝きを放つ花嫁のに可憐さを添える。

初春「……御坂さん、キレイです」

佐天「すっごい、キレイ……」

御坂「そう? お世辞でも嬉しいわ、ありがとう」

御坂妹「いえいえ、本当にお綺麗ですよお姉様。私たちと同じ容姿というのに輝きが違います、とミサカは追撃します」

御坂「えー、そうかな?」

御坂妹「そうですよ。お姉様の花嫁姿をみてあそこで石化する方がでるくらいには、とミサカはドアの向こうを指差します」

白井「…………」

初春「あ、白井さん!」

佐天「もー、来るのが遅いですよ、白井さん」


白井「うわぁああああああああん!! お姉ざまぁぁぁああああああ」


一同「!!?」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:47:10.83 ID:Q/9tHdo60

御坂「黒子!? ど、どうしたの突然泣き出したりなんかして…っ!」

白井「うぇええ、だって、だって!…お姉ざまが、あまりにもお綺麗いでぇええええ」

御坂「馬鹿、そんな理由で泣きだすやつがあるか」



御坂妹「ものスゴイ泣き方ですね。年頃の娘がこれはねーよ、とミサカは驚愕します」

初春「そんなズバッと言わないであげてください、妹さん」

佐天「白井さん、御坂さんが遠くにいっちゃう気がして寂しいんですよ」

初春「この間は遅くまで『黒子を一人置いて、いってしまわれるのですね……』って愚痴る白井さんの酒盛りにつきあってましたねー」

佐天「その日は夜が明けるまで泣いて、『もう大丈夫!』とか言ってたけど、やっぱり本人を目の前にすると駄目だったかぁ」

御坂妹「……おつかれさまです、とミサカはお二人にねぎらいの言葉をかけます」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:49:59.11 ID:Q/9tHdo60

白井「いやです、やっぱり黒子は、ぃ嫌ですのぉお…ひっく、およ、お嫁に行かな、いで下さいませ、おねえさまぁああ……っ!」

御坂「……」

御坂「黒子、こっちにおいで」(ヒョイヒョイ)

白井「……? なんでしょうか、っく、お姉さま」(…テクテク)

ギュウッ。

白井「っ!? お姉さ――、」

御坂「ごめんね、黒子。今日、私はアイツと結婚する。やっとアイツのお嫁さんになるの。
   14の時からずーっとこの日を待ってたから、可愛い黒子の頼みでも、それだけは聞いてあげられない」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:51:52.82 ID:Q/9tHdo60

白井「……黒子は、存じておりますの…、ひぅ、…ぉ、お姉さまがどれだけあの類人猿を、御思いなのか。でも、でもぉおおっ……!」

御坂「私、絶対幸せになるから。絶対に後悔しない人生をアイツと一緒に歩くから。だから黒子――、アンタにも見守っててほしい」

白井「…おね、おねえさ、まぁあっ! 黒子はぁ、……さみし、ぃですのぉ!」

御坂「別にアンタと置いてどこかに行くわけじゃないから、大丈夫よ」

白井「…………」

御坂「黒子にも、おめでとうって言ってほしい――っていうのは私のわがままかな?」

白井「……お姉さま」

御坂「うん?」

白井「……絶対に、絶対に絶対に絶対に! 幸せになってくださいませね……っ!」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:54:18.01 ID:Q/9tHdo60

御坂「……うん、絶対に幸せになる。ありがとう、黒子」

白井「ぅうぇええええ、おねえさまぁあああ」(ギュウウウウ……)

御坂「よしよし」(ナデナデ)







御坂妹「イイハナシダナー、とミサカは感動のシーンを目撃した感想を述べます」

佐天「はーい、良い場面をちゃかさない」

初春「白井さんが泣き終わるまで、静かに待ってあげましょう、ね?」

御坂妹「すみません。ドラマのようなワンシーンについ鳥肌がたって大人げないことをしました、とミサカは一応謝罪しときます」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/04(金) 23:57:24.63 ID:Q/9tHdo60
―――

ステイル「英国からわざわざ来てやったよ、上条」

神裂「久しぶりですね、上条当麻。この度はご結婚おめでとうございます」(ペコリ)

上条「これはご丁寧どうも。神裂もステイルも、遠路はるばるありがとうな」

神裂「本来ならば必要悪の教会(ネセサリウス)の皆で祝いに駆けつけたかったのですが……」

ステイル「さすがに人数が人数だからね。必要悪の教会はじめ、英国の代表として僭越ながら僕と神裂が君に祝福を送ろう」

上条「はは、サンキュー」

ステイル「彼女も、結婚式席には出席するのか?」

上条「ああ、両親と一緒に新郎側の家族席に座ってもらう予定だよ」

神裂「そうですか、我々は新郎友人席ですから、インデックスとは席が違うのですね。少し残念です」

上条「本当ならお前らと一緒の席のほうがインデックスも退屈しなくていいとは思ったんだけど、やっぱアイツは俺の妹みたいなもんだからさ」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:01:33.38 ID:Q/9tHdo60

ステイル「……妹だから、家族として祝ってほしいってことかい?」

上条「俺のワガママだけどさ、インデックスもいいって言ってくれたしな」

神裂「貴方とあの子はずっと一緒にいましたから。家族みたいな絆が出来たんですね」

上条「そう、改めて言われるとなんだか照れくさいな」

ステイル(……最後の最後まで。残酷な男だな、コイツは)

ガチャ。

インデックス「とうまー。披露宴会場においしそうな大きいケーキが準備されてるのを見たよ! 早く食べたいな!」

上条「インデックス。開始まで、まだ1時間はあるぞ……」

神裂「噂をすれば、ですね」

ステイル「やぁ、インデックス、久しぶりだね。また君に会えて嬉しいよ」

インデックス「かおり! すている! 久しぶり、だね」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:03:00.63 ID:Q/9tHdo60

神裂「今日は、歩く教会ではないんですね」

インデックス「うん、そうだよ! 歩く教会は白いでしょ? ……白は、花嫁だけの色だから。今日は、短髪以外の女の子が白い服なんて着ちゃいけないんだよ」

ステイル「その桃色の半そでワンピースも可憐な君によく似合っている」

インデックス「本当!? この服はね、とうまがこの日のためにわざわざ買ってくれた服なんだよ!」

神裂「ポニーテール姿も新鮮ですよ」

インデックス「かおりも、その服はえっとキモノかな? よく似合ってるだよ!!」

神裂「ふふ。ありがとうインデックス。これは振り袖というでものです」

インデックス「振袖だね! 覚えたよ!」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:04:59.27 ID:AzzMdKY/0

ステイル「――インデックス、ホテルの庭園の花が見事に咲いていたんだ。披露宴まで時間があるし、一緒に見に行こう」

インデックス「? すている?」

ステイル「良いだろう? 上条」

上条「あーそうだな、微妙な待ち時間を潰すにはいいかもしんねえな。俺はこれから美琴のとこ顔出しに行くし」

インデックス「…………そう、だね」

インデックス「――ねぇ、かおりも一緒にいこーよ!」

神裂「それもいいですね。それでは失礼しますね、上条当麻」

ステイル「失敬するよ」

上条「ああ」

ガチャ、……パタン。


ステイル(―――これ以上、君の近くで悲しそうな笑顔ではしゃぐ彼女を見てはいられないからね)

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:06:36.21 ID:AzzMdKY/0

神裂「歩いたら喉が渇きましたね、自販機で飲み物を買ってきます。インデックスとステイルの分も買ってきましょうか?」

ステイル「いや、僕は遠慮しておくよ」

インデックス「じゃあ、私はおでんサイダーがほしいかも!」

神裂「おでんサイダー…ですか? わかりました。ちょっと席を外しますね」

スタスタスタ……。

インデックス「庭園のお花きれいだったね」

ステイル「そうだね」

インデックス「天気もいいし、空気もきれいかも」

すいてる「………少しは、気分転換になったかい?」

インデックス「っ!?」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:07:45.69 ID:AzzMdKY/0

ステイル「インデックス。君が無理して笑う必要はないんだよ。辛いのなら辛いと言えばいいし、結婚式に参加したくないのなら参加しなくてもいいんだ」

インデックス「……いつも通りにしてたつもりなんだけどなぁ」

ステイル「心配することはない。上条の目にも神裂の目にも、君はいつも通りの君に映っているさ」

インデックス「そ、っか。……それならいいんだよ」

ステイル「……煙草、吸っても大丈夫かな? こっちに来てから一本を吸っていなくてね」

インデックス「どうぞ」

ステイル「ありがとう。ニコチンという誘惑にはどうにも勝てなくてまいるよ」

カチッ、シュ、ボッ……。

インデックス「神父さまが簡単に欲に負けしゃいけないんだよ、すている」

ステイル「食欲という名の悪魔に魅了されている君に言えたことかい? シスター・インデックス」

インデックス「それはそーかも」(クスクス)

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:10:06.54 ID:AzzMdKY/0

インデックス「――――十年」

ステイル「?」

インデックス「とうまと出会って、とうまが助けてくれて、とうまと一緒にいるようになって――もう、十年になるんだよ」

ステイル「君が学園都市で……、いや、上条のそばにいるようになってからそんなに月日がたったか」

インデックス「時間がたつのは本当に早いね。いい思い出も、悪い思い出もたくさんあるんだよ。その全部の思い出にね、とうまが居るの」

ステイル「それだけアイツとともに日々を積み重ねたということだね。君と時間を共にできた上条が僕は羨ましいよ、本当に」

インデックス「……その長い時間の中で、とうまが選んだ相手が短髪だった。――それだけの話かも」

ステイル「インデックス、君は――っ!」

インデックス「過去は変わらないんだよ、すている」

ステイル「…………」

インデックス「とうまが出した答えも、変わらないんだよ」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:11:54.00 ID:AzzMdKY/0

インデックス「私もね、いい加減『上条当麻』から卒業しなきゃなんだよ」

ステイル「それが、今日という日、なのかな?」

インデックス「辛くない、っていうのは嘘になるかも。でも、とうまと短髪に『おめでとう』って言いたい気持ちも嘘じゃない」

ステイル「……君は強いな。もし僕が君の立場なら発狂するだろうね、確実に」

インデックス「とうまにはたくさんのありがとうを貰ったから。それに、こうやって私のことを心配してくれる人もいるしね」

ステイル「僕は、少しでも君の力になれたのかな?」

インデックス「うん、本音を言うことが出来て大分楽になったんだよ。気を使ってくれて、心配してくれて、ありがとう、すている」

スタスタスタ。

神裂「おでんサイダーありましたよー。って二人して何を楽しそう話しこんでいるんですか?」

インデックス「ん~? 聖職者が欲に溺れやすくなる日本という国は不思議だねって話しかも!」

ステイル「そう、僕はニコチンという天使に、インデックスは食べ物という妖精にね」

神裂「言っていることがまったくわかりませんよ、二人とも……」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:12:38.57 ID:AzzMdKY/0
―――

白井「グズッ…ズズズズッ」

初春「白井さん、はいティッシュ」

白井「どうもでずのー…」(チーッン!!)

御坂妹「どうやら20代女の壮絶なボロ泣きシーンは終ったようですね、とミサカは胸を撫で下ろします」

佐天「いやぁ、傍からみるとスゴイ光景でしたよ、白井さん」

白井「……見苦しい姿をさらして申し訳ありませんわ」

御坂「いーのよ、黒子。アンタがそれだけ私のこと想ってくれてるって事でしょう? 気持ちだけ有難くもらっておくわ」

白井「お、お姉さまっ!」(ウルウル)

佐天「御坂さーん、白井さんまた泣いちゃいますよ?」

初春「いえいえ佐天さん。どうせ白井さんは式本番でも滝のように泣くんですから、とめても無駄ですよ」

佐天「……初春といい、さっきの  コン教師と言い、泣き崩れそうな白井さんといい。学園都市の教育者は一癖も二癖もありすぎでは…?」

御坂妹「それくらい根性曲がってないと全うできない職なのでは? とミサカは自身の推測を伝えてみます」

御坂「いやいやいや、さすがにそれは他の人に失礼でしょ」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:14:14.71 ID:AzzMdKY/0

??『――待って! ってミサカはミサカは貴方を止めてみたりーっ!』

??『――るせェ。一言文句いってやンねェと気がすまねンだよ』


御坂妹「なんだが外がうるさいですね、少し注意してきますとミサ――ッ」


ドガッ!


一方通行「オィ、超電磁砲。オマエ随分舐めた真似してくれやがったなァああ!!」

打ち止め「お願いだから騒ぎの原因を作らないでー! ってミサカはミサカは貴方の腕を掴んで止めようと試みてみるー!」


御坂妹「――って、一方通行と上位個体!?」

白井「あら、小さいお姉さま」

佐天「打ち止めちゃんと――、男の人は誰だろ。初春、知ってる?」

初春「いえ、お会いしたことはありませんね……」

御坂「ちょっと、何よ突然。ノックくらいするマナーも持ち合わせてない訳? 一方通行」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:15:26.76 ID:AzzMdKY/0

一方通行「どォして温厚なこの俺が文句言いにわざわざここまで来たのか、超電磁砲、オマエはちゃァァンと分かってンだろうなァ!」

一同(嘘だ! 温厚な人はドアを蹴飛ばしたりしない!)

御坂「ちょろーといいかしら? 私は打ち止めの姉なの。イコール、アンタの将来の義姉。お義姉さんと呼びなさい、お義姉さんと」



白井「義姉……?」

佐天「打ち止めちゃん、どゆこと?」

打ち止め「えへへ~。実はあの人、私の婚約者なのってミサカはミサカは顔を赤く染めながら暴露してみたりーっ! きゃー!」

初春「婚・約・者!? 打ち止めちゃんにまで先を越されるとは……」(ドヨーン)

佐天「せっかく立ち直ったのに初春がまたブルーになって黄昏れてるぅぅうう」

御坂妹「なんだかまた一気にややこしい空気になりましたね、とミサカはため息をつきます。誰かなんとかしろや」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:16:27.66 ID:AzzMdKY/0

打ち止め「お姉さまが面白がってあの人の席を新婦親族席にしたのがばれちゃって、ってミサカはミサカはお姉さまに伝えてみる」

御坂「あーそんなこともあったわねぇ。なに、アンタそんなことで怒ってるの?」

一方通行「そンな事じゃねェ! オマエな、物事には順序ってモンがあンだよっ!!」

御坂「もしかしてうちの両親にも私にも頭下げてないから、まだ婚約したっていえないとか考えてるの?」

一方通行「…………」

打ち止め「えっ? そういう理由で怒ってたの? ってミサカはミサカはおずおずと貴方の尋ねてみたり……」

一方通行「……悪ィかよ」

御坂「アンタって変なとこ真面目よねー。打ち止めが大学入った途端、ちゃっかり同棲はじめた癖に」

一方通行「っるせェ。それとこれとは話が別なンだよ」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:17:39.76 ID:AzzMdKY/0

御坂妹「あーもう、一方通行が今ここでお姉さまに頭下げて結婚の許可もらえばいんじゃね? とミサカは投げやりに提案してみます」

御坂「あ、それいいかも」



一方通行・打ち止め「「――えっ?」」



白井「いやああああ、小さいお姉さままでも、男の毒牙にぃいい!!」

佐天「『お嬢さんを僕に下さい』っていうの生で見れるの!?」

初春「きゃー! 私、そういうのドラマでしか見たことないです!」

佐天「って、初春立ち直り早っ!」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:32:04.73 ID:AzzMdKY/0

一方通行「オイオイオイ!なンでそォいう話になるンですかァ!!?」

御坂妹「だって、もう少ししたらお姉さまの披露宴はじめるんですよ? 時間が無いんです。貴女がここで頭下げたらお姉様は100パー許可しますから、多分。
    お姉さまのお墨付きもらったからには、一方通行も文句なしで上位個体とミサカと一緒に親族席にゴーで良いじゃないですか、とミサカはしゃくりたてます」

御坂「そうそう、アンタも私も納得で丸く収まっていいじゃない」

一方通行「いや、けど」

打ち止め「ちょっと急すぎるけど、いつかはこうなることだし。
     ミサカは今でも大丈夫よってミサカはミサカは恥じらいつつ貴女を見つめてみたり……」

一方通行「……うっ」

御坂「さあ、どうするの?」

御坂妹「さっさとして下さい。こんな変な空気はさっきのイイハナシダナ―だけでいいんですよ! 
    とミサカは切れぎみに一方通行を追い詰めます!」

一方通行「~~~~~っ」


白井「くぅ! お姉さまズに囲まれるなんて、なんて羨まし……もとい恨めしいぃ!」

佐天「妹さん、イライラをここぞと白い人にぶつけてるねぇ」

初春「ああ、あの人が土下座するのが楽しみでしかたないです……!」(キラキラ)

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 00:46:46.53 ID:AzzMdKY/0

一方通行「だああああああああッ!!わーったよ、やりァいいンだろ、やりァよォ!!」

御坂「よーし決まりね! 打ち止め、コイツの隣においで」(ヒョイヒョイ)

打ち止め「っは、はい! ってミサカはミサカは急いであの人の隣に移動開始!」(タタタッ…)


初春「白い人、ナイス決心です!」

佐天「白髪のお兄さんがんばってー! ココで私たちも応援してるからー!」

白井「ああぁああ邪魔してやりたい、邪魔してやりたいですけど! これも小さいお姉さまの幸せのため、我慢ですのよ黒子…っ!」

御坂妹「さっさと終わらせて下さいねー、とミサカは一方通行にエールを送ります」


一方通行「……超電磁砲」

御坂「お義姉さん」

一方通行「…………お義姉ェさン」

御坂「はい、なんでしょう義弟くん」

一方通行「あの外野連中はなンとかなンねェのかよ」

御坂「うーん、なんか盛り上がってるし、今更無理じゃない?」

打ち止め「私は気にしないよ? というより応援してくれる人がいるほうがいいかな、ってミサカはミサカは本心をさらけ出してみる」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 01:12:52.78 ID:AzzMdKY/0

一方通行「……チッ、そォかよ。――打ち止め、靴は一応脱いで、その服汚さないように気をつけて床に正座しろ」

打ち止め「わ、わかったよってミサカはミサカは急いで準備をしてみたりっ!」(クツイデ、セイザカンショウ!)

御坂「いや、そこまでしなくても……」

一方通行「さっき言っただろ。こういうのはちゃんとしとかねェと駄目なンだよ。最低限、これくらいやらせろ」

打ち止め「お姉さま、これはミサカ達の真剣な気持ちの現れなの、ってミサカはミサカは溜まらうことなく真摯に言ってみる」

御坂「(私もアイツも、けじめとして両家の親に頭下げたしな)……そう。わかったわよ」

一方通行「ンじゃァ、改めて」

御坂「はいはい、どーぞ」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 01:15:34.28 ID:AzzMdKY/0

一方通行「……俺ァ、人様に言えるような人生は送ってねェ。手は血で汚れてるし、償っても償いきれない罪が山ほどある」

打ち止め「……」

一方通行「そンでも、コイツだけは――打ち止めだけは何が何でも、この手で守ってみせ…、ます。幸せにします。
     打ち止めを、妹達を、そンで超電磁砲をめちゃくちゃに傷つけた俺が頼むなンて、虫がいい話だってのも重々承知の上で、お願いがあります……っ!」

御坂「……」

御坂妹「……」


……サッ。


一方通行「どうか、打ち止めとの、アンタの大切な妹ととの結婚を、許して下さい―――義姉ェさン」

打ち止め「ぅうえ、み、ミサカからもお願いします、お姉さまぁあ」(ササッ)

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 01:35:37.00 ID:AzzMdKY/0

御坂「二人とも顔、あげてちょうだい」

一方通行「――――いいや、無理だ」

打ち止め「お許しが貰えるまであげられません、ってミサカはミサカはお姉様に告げてみたり」

御坂「……一方通行、アンタは一生重いものを背負い込んでくことになると思う。
   打ち止め、コイツ一緒に歩くってことは凄く大変なことだと思うけど―――、それでも一緒になりたいのよね?」

打ち止め「はい、ってミサカはミサカは即答してみる」

御坂「一〇〇三二号、妹達を代表して、アンタから何か言いたいことはある?」

御坂妹「絶対お姉様に話ふられるのわかってたから、ミサカは外野にナチュラルに混じっていたのですが……」

御坂「一方通行に言いたいこと言える機会なんて、そうそうないわよ?」

御坂妹「あーじゃあ、お姉さんの顔を立てて一言だけ。
    ミサカ達の可愛い上位個体を泣かせやがったら、妹達全員で即効オマエへの演算補助ぶっちするから覚えとけ」

一方通行「……肝に銘じておく」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 01:36:54.34 ID:AzzMdKY/0

御坂「アンタ達はなんつー脅しを……。じゃあ、私も改めて」(イソイソ……)


……サッ。


御坂「不束な妹ですが、末永く大切にしてあげてください」

一方通行「―――言われなくても、そのつもりだ」

打ち止め「お姉さま、妹達(みんな)、ありがとう……っ!」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 01:47:58.46 ID:AzzMdKY/0

初春「生『お嬢さんを僕にください』宣言がきましたーーーー!!」(ガタッ)

佐天「ちょ、初春! いま言いところだから! 外野がまだ出て行っていい場面じゃないからーっ!」

白井「そこの白い類人猿! 小さいお姉さまを不幸せにしてごらんなさい、その脳髄にわたくしも鉄矢をお見舞いして差し上げますのおおお!」

佐天「白井さんまで暴走しないでくーだーさーいー!!」

御坂妹「よし、ここで変な空気は終了ですね、とミサカまた一安心します」


御坂「あはははー! なんだか閉まらない挨拶になったわねー」

スクッ。

一方通行「おら、これでいいンだろォがよォォおおおお!! 俺はもう行く!!!」(ズンズン!)

打ち止め「ちょっと待って、ってミサカはミサカは急に我に返って恥ずかしがってるあの人を追いかける! お姉さま、式場でね!」


バタン。スタスタ……。


御坂妹「ようやく嵐が治まりました、とミサカは一気に疲れたと肩をおとします」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 02:11:28.04 ID:AzzMdKY/0
―――

上条「……と、美琴の控室ってこっちでいいんだよな。なんでこのホテルは異様に広いんですかね」


佐天「それじゃ、御坂さん。私たち一足先に式場のほうにいってますね」

初春「長い時間お邪魔しちゃってすみませんでした。おかげでいいものが見れましたよー」

白井「式場でお姉さまをお待ちしておりますの。今日の友人代表のスピーチはお任せ下さいませ」

御坂妹「それじゃあ、ミサカもそろそろお父様やお母様達のところに合流します、とお姉さまに告げて部屋を後にします」


キャーキャー、スタスタ…、パタン。


上条「なんか、美琴の所には友達がたくさん遊びに来てるんだな。……今、行って大丈夫なのか?」


コンコンッ。


上条「おーい、美琴。俺だけど、準備ってもう終ってるのか?」

御坂『当麻!? だ、だいじょぶよ!』(アタフタ)

上条「? そんじゃ、失礼しまーす」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 02:33:44.79 ID:AzzMdKY/0

キー…ッ、パタン。

上条「よっ! ちゃんと準備おわったか美琴―――ッ」

御坂「あ、あの。チャペルでの挙式の時とは違うドレスなんだけど、どぅかな?」

上条「…………」

御坂「ほら、胸元とか結構あいててセクシー系なだけど、ちょっと大人っぽ過ぎたかなぁ…?」

上条「美琴、その」

御坂「なぁに?」

上条「月並みな言葉かもしんねえけど、……キレイだよ、美琴」

御坂「……うん。当麻にそう言ってもらえるのが、一番嬉しい」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 02:34:30.21 ID:AzzMdKY/0

上条「オマエを見た奴は皆キレイだって言うに決まってるだろ」

御坂「そりゃ、両親も友達も『キレイだ』って褒めてくれるけど、アンタに言われると断然喜びが違うのよ!」

上条「そうか?」

御坂「そーよぉ。……だって、今日は私。当麻のためにって思って頑張ってキレイになったんだよ?」

上条「俺のために?」

御坂「当麻のためだけに」

上条「そっか……。サンキュー、な。いつもの何十倍何百倍可愛いよ、美琴」

御坂「……当麻も。いつもの何十倍も何百倍もかっこいいよ」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 14:12:50.43 ID:AzzMdKY/0

御坂「それにしても。披露宴まで一〇〇三二号と『ゆっくりお話でもしようか』なんて言ってたのに、そんな暇もなかったわ」

上条「白井達が遊びに来てたんだろ? さっきここから出てくとこ見た」

御坂「あら、入れ違いだったのね。もー、本当に大変だったんだからね?」

上条「あー…、やっぱ、白井は泣いたのか?」

御坂「うん。あの子、すごい号泣しちゃってねぇ……。私もちょっとだけ、胸がぎゅぅってなっちゃった」

上条「白井の世界の中心は間違いなく美琴だもんなー」

御坂「例えにしてもそれは拡大解釈のし過ぎじゃない?」

上条「いや、そうでもないさ。……白井から見れば、心底慕ってる美琴を横から掻っ攫う上条さんは悪役なのかもしれないな」

御坂「当麻、そんなの言いだしたらきりがないでしょ」

上条「たしかにそうだけど」

御坂「私だって、結果的にはアンタに惚れてた人たちを蹴落として、アンタの隣を手に入れたのよ?」

上条「……いえいえいえ、美琴さん。駄フラグボーイこと上条当麻さんに惚れる奇特な方なんて貴女くらいのものでせうよ?」

御坂「…………、私の気苦労って一生終りが見えない気がして来た……」(ガクリ)

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 14:46:19.29 ID:AzzMdKY/0

御坂「絶対幸せにならなきゃなーって改めて思った」

上条「白井とそういう約束をしたんだな」

御坂「もちろん、それもあるんだけどね。なんていうか、誰かの結婚を許すってのも凄い勇気がいることなんだなーって分かったというか」

上条「結婚を認めるとかって何なんだ? さっそく話題についていけなくなってるから、俺」

御坂「ははっ、ごめんごめん。肝心な所を触れないで話をふっちゃったわね。さっきね一方通行と打ち止めが控室に来た時なんだけど」

上条「あー…、確か美琴が面白がってアイツの席を直前で変更した件がバレたのか」

御坂「ぴーんぽーん♪」

上条「『ぴーんぽーん♪』じゃありません! やっぱアイツ拗ねたんじゃねぇか。だからやめときなさいとあれほど……」

御坂「まぁ、そこはいいのよ。それで話の流れで一方通行に『打ち止めとの結婚を許して下さい』って頭下げられてねー」

上条「はぁああ!? 何故!?」

御坂「そこはあえてスルーしといて。」

上条「……えぇー」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 14:54:27.27 ID:AzzMdKY/0

御坂「アイツに『許してほしい』って言われた時ね。一瞬ね。ほんの一瞬だけど、……言葉がつまったのよ、私」

上条「……一方通行のこと、許すつもりはねぇって言ってたもんな、お前」

御坂「アイツが犯した罪は、ね。それとこれとは話がまた別なの」

上条「?」

御坂「……自分が大切に思って守ってた存在をさ、誰かに委ねる時って死にたくなるくらい、不安になるのよ。
   大丈夫かな、大丈夫かな? って私もちょっとだけ疑心暗鬼になっちゃった。
   一方通行にに任せて、ちゃんと打ち止めは笑えるだろうか、傷つかないだろうか、ちゃんと幸せになれるだろうか――ってね」
   
上条「打ち止めを任せられるのは、一方通行だけだろ」

御坂「わかってるわよ。悲しいかな、見送る側の小さい最後の抵抗みたいなものかしら」

上条「そんなもんか」

御坂「――――そんなもんよ」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 14:56:09.35 ID:AzzMdKY/0

上条「俺も、美琴のご両親や白井に、そんな風に美琴を託されたのかな」

御坂「私も。当麻を大切に想ってる人たちから、そんな風に当麻を託されたんだろうなって身を持って感じた」






上条「美琴」

御坂「なに、当麻」

上条「俺達、幸せになろうな」

御坂「……うん!」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 15:28:09.88 ID:AzzMdKY/0
―――

吹寄「無駄に広いホテルだな……。やっとたどり着いた」

姫神「えっと。受付はここで良かった?」

舞夏「上条家と御坂家の披露宴の受付はここで間違いんだなー」

吹寄「このたびはおめでとう御座います」

姫神「おめでとう御座います。これ。ご祝儀です」

舞夏「こちらにお願いします。今日の式場の案内図になりますので、どうぞー」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 15:30:28.15 ID:AzzMdKY/0

姫神「どうも。あれ? そういえば。土御門くんも受付担当じゃなかった?」

吹寄「たしか受付を土御門に頼んだ、と上条から聞いたけど」

舞夏「馬鹿兄貴なら『ちょろっと便所にいってくるにゃー』と行って一時間ほど前に席をたってから姿が見えないぞー」

姫神「……兄貴? アナタ。例の妹さん?」

舞夏「私は土御門舞夏だ。例の、というのが何を指すのか気になるがあえてつっこまないからなー」

吹寄「あんの阿保は高校時代から何も変わってないじゃないか……!!」


青髪ピアス「あっれー? 委員長に姫神さんやーん!!」

土御門「二人とも久しぶりだにゃー」


吹寄「よくものうのうと顔を出せたものね三馬鹿!! さっさとそこになおりなさい!!」


青髪・土御門「「ひぃいッ!!」」


116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 15:47:02.85 ID:AzzMdKY/0

青髪ピアス「委員長に説教されるのもごっつ久しぶりやけど、やっぱ堪えるな~」

土御門「俺ら、昔はよく吹寄に叱られてたなー。なかなか懐かしかったぜよ」

姫神「それも見てた私も。高校の頃に戻ったみたいだった」

吹寄「いい大人が叱られるようなことをするな。土御門、さっさと受付の仕事に戻りなさい!」

土御門「へーい」

青髪「がんばってなー土御門くん。僕は委員長と姫神さんと一緒に席についてるわ」

土御門「うるさいにゃー、青ピ。お前こそ友人代表スピーチの練習でもしてろ」


スタスタ…、ストン。


舞夏「随分、長い便所だったなー」

土御門「いやー、最近どうも膀胱の調子がよくなくてにゃー」

舞夏「見た目、味、栄養バランス全てが完璧な私の手料理を食べておいてよく言う。明日の朝ごはんはカップめんでも食べてろー」

土御門「舞夏ー! お義兄ちゃんにそんな冷たい事言わないでー!」

舞夏「だったら、上条と御坂のためにしっかり働くだなー」

土御門「はいはい、受付はこちらですぜい!」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 16:21:22.03 ID:AzzMdKY/0

青髪ピアス「しっかし、お二人ともえらい別嬪さんになりはったなー」

姫神「そう? 自分だとあんまりそんなこと思わないけど」

吹寄「褒められて悪い気はしないが、お前は、そういう軽い所直した方がいいんじゃないか?」

姫神「制理のいうことも一理あるかも。いつか『生徒に手を出した教師』として三面記事にのるか心配で仕方ない」

青髪ピアス「委員長も、姫神さんも手厳しーねえ。こう見えたもちゃんと教師やってるから心配せんといて」

吹寄「それならいいんだ」

姫神「制理は旅行代理店に勤務してるし、青髪ピアスくん高校の先生だし。二人とも立派な社会人になったんだね」

青髪ピアス「姫神さんはまだ学生さんやったけ?」

姫神「今丁度。博士課程」

吹寄「将来は研究員か?」

姫神「助手として大学に残るつもり。『原石』分野についてまだまだ勉強したいから」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 16:39:31.35 ID:AzzMdKY/0

青髪ピアス「自分の能力を自分の手で明らかにするってことやろ? 姫神さんもカッコいい女性になったやん」

姫神「守ってもらうだけの弱い自分は。もう嫌だから」

青髪ピアス「カミやんが守るお姫さんは、もう御坂さんだけやもんねー」

吹寄「――青髪ッ!!」


ガタッ! ……ヒソヒソ、ヒソヒソ。


姫神「制理。落ち着いて。他の人がビックリしてる」

吹寄「だが……っ!」

姫神「青髪ピアスくんは普通のことを言っただけ。怒る必要なんてない」

吹寄「チッ」(……ストン)

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 16:41:39.83 ID:AzzMdKY/0

姫神「上条くんや。……皆のおかげが自分に出来ることをがんばろうって思えるようになったの。だから感謝しているし。後悔もしてないよ。」

青髪ピアス「軽い冗談のつもりやったんやけど、僕の発言で傷つけたんなら――ほんまにゴメンな」

姫神「謝ることないよ」

青髪ピアス「姫神さん、ええ女になったね」

吹寄「秋沙に免じて今は黙っておくけど、こんどマジで秋沙になんか奢れよ青髪」

姫神「奢ってくれるなら。高級焼き肉店がいい。制理も一緒に行こう」

青髪ピアス「喜んで奢らさせてもらうわ、お嬢さん方?」

吹寄「しっかり聞いたからな、じゃんじゃんおごらせてやる」

姫神「久しぶり。肉食べ放題の予感」

青髪ピアス「僕の給料そんな多くないからね!? その辺も考慮しといてなーー!?」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 17:08:20.46 ID:AzzMdKY/0

―――受付


土御門「……よしっ! 招待客全員来たな」

舞夏「なんとがギリギリセーフだったなー」

土御門「そろそろ披露宴開始の時間だにゃー。あとは式場の人に任せて俺らもそろそろ行かないとだぜい!」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 17:09:10.48 ID:AzzMdKY/0

―――新郎親族席


ステイル「それじゃ、また後でねインデックス」

神裂「私たちはあちらのテーブルに座りますので」

インデックス「あとで遊びにいくかもなんだよっ」

上条父「あぁ、ようやく来たね」

上条母「今日は美味しい料理がたくさん並ぶそうよ、楽しみねインデックスちゃん」

インデックス「とうや! しいな! ただいまなんだよ」

上条父「ああ、おかえりなさい」

上条母「さっきのは英国のお友達かしら? やっぱり、私や刀夜さんと居るより、お友達と一緒のほうが楽しいんじゃない?」

インデックス「そんなことないんだよ。それに私も当麻の『家族』……だから。ここで神の祝福を祈りたいかも」

上条母「そう言ってもらえると私たちも嬉しいわ」

上条父「そうだね。インデックスちゃんは、僕たちの娘同然なんだから」

インデックス「えへへ、私もだよ」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 17:27:27.70 ID:AzzMdKY/0

―――新婦親族席


御坂父「ほぅ、オマエが打ち止めの婚約者、ねぇ?」(……ギロリ)

一方通行「…………どォも」

御坂母「へえ~、まさかあの時の白いのが打ち止めちゃんの彼氏になってたなんて知らなかったわ。
    今日は美琴ちゃんの結婚式だし打ち止めちゃんの婚約も決まったし、めでたい事が重なっていいわー!」(バシバシッ!)

一方通行「ちょ、背中、痛ェ…です、お義母さン」

御坂父「『お義母さん』? おいおい気が早えだろ兄ちゃん。同棲に関しても婚約に関しても、パパはなぁあああにも聞いてないからね?」

一方通行「……いえ、本当に。お話すンのが遅くなりまして……」

打ち止め「お父様! そんなにこの人を責めるような目で見ないでってミサカはミサカは抗議してみたりっ!」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 17:28:21.94 ID:AzzMdKY/0

御坂妹(お母様の陽気な雰囲気と、お父様の物凄い迫力の板挟みで一方通行がものすごく委縮しています、
    とミサカは目の前の現状を説明します。……仕方ない、助けてやりますか)

御坂妹「一方通行はちゃんとお姉様とミサカ(達)の前で頭下げましたよ。
    お姉さまもミサカも、一方通行と上位個体の結婚には大賛成しています、とミサカは懇切丁寧に説明します」

御坂母「ほら、この子らの「親」って私達より、美琴ちゃんじゃん? 親(美琴ちゃん)がOKだしたんら問題なし!」

御坂父「……へいへい、分かりましたよ」

打ち止め「一応平和になって良かったのかな……? ってミサカはミサカは首を傾げてみたり…」

一方通行(……胃がきりきりして痛ェ。やっぱ後で覚えてろよ超電磁砲……!!)

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 17:42:40.81 ID:AzzMdKY/0

―――新郎友人席


土御門「たっだいまー」

姫神「おかえりなさい。土御門くん」

吹寄「招待客は全員揃ったのか?」

土御門「大丈夫、なんとか時間ぎりぎりセーフで遅刻者ゼロだにゃー」

ステイル「えーっと、新郎友人席はココでいいのかな?」

青髪ピアス「なんや赤髪のでかい外人さんに話しかけられた!? えぇぇえっと、アイキャントイングリーッシュ!!」

吹寄「いや、相手普通に日本語で喋ってるだろ」

姫神「ここが新郎友人席で間違いない」

神裂「私達もこのテーブルなんです。失礼してもよろしいですか?」

吹寄「あ、どうぞどうぞ」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 17:54:44.24 ID:AzzMdKY/0

―――新婦友人席


初春「いや~さっきは本当に凄いものを見てしまいましたね」

佐天「さっきの白髪のお兄さん、御坂さんの家族に囲まれて石のように固まってるよ」(チラチラ)

白井「……ぁぁぁああ、もう少しで披露宴がはじまってしまいますの。
   お姉様の溢れんばかりの笑顔が見れてると思うと幸せですけど、あの類人猿にお姉さまを奪われると思うと心が抉られる様な痛みますの……!」

舞夏「おー、相変わらず白井は絶好調だなー」

佐天「あ、舞夏さん受付お疲れ様でしたー」

初春「私と佐天さん、さっき例の舞夏さんのお義兄さんと少しお話したんですよー」

舞夏「話した通り、チャラチャラした馬鹿兄貴だったろー?」

佐天「いやー…、この間の飲み会で舞夏さんか色々と暴露してくれたもんだから、あんまり直視できませんでしたー…ははっ」

初春「話だけだったらそうでもなかったんですけど、本人を目の当たりにすると、そんなことやあんなことがリアルに想像できてしまって……」

舞夏「―――その件は、酔った私の妄言として処理してくれると有難いんだなー」

初春「こっちの精神安定のためにも、そうさせてもらいますね」

白井「うぉおおおお、お姉さまぁああああ」(ヒックヒック)

佐天「白井さん、白井さん。スイッチ入るにはまだ早いですよー」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 18:10:40.44 ID:AzzMdKY/0

―――入場前


御坂「うぁああ、なんか今になって緊張してきた」(ドキドキ)

上条「ほんとだ、口元が引きつってるぞ美琴。リラックス、リラックス」

御坂「ねえ、髪の毛おかしくない?」

上条「大丈夫」

御坂「ドレスは? 皺になってたりしない?」

上条「おかしくない、似合ってるよ」

御坂「やだ、変な汗かいてきた。化粧は崩れてない?」

上条「大丈夫だって」


132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 18:16:27.54 ID:AzzMdKY/0

御坂「だって心配に―――」


……チュ。


上条「大丈夫、ちゃんと可愛い美琴のままだよ」

御坂「よく平気な顔して、そんなクサいこと言えるわね」

上条「本当のことしか言ってないからな」

御坂「……うぅ、当麻のばかぁ」

上条「なんだよ、これでもまだ緊張とけないのお姫様?」

御坂「結婚式よ? 一生に一度の晴れ舞台なんだから、仕方ないじゃない……」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/06/05(土) 18:21:06.84 ID:AzzMdKY/0

上条「おいおい、元学園都市第三位がなに言ってんだよ、ビリビリ」


御坂「ビリビリって言うなって昔から言ってんでしょ! 私には御坂美琴って――!」


上条「ほう、御坂美琴?」


御坂「―――――上条美琴って名前があるのよ! わかった!?」


上条「よし、その元気があれば大丈夫だな、美琴」


御坂「あーもう! ちゃんとエスコートしてよね、当麻!」


上条「了解ですよ、お姫さま」


―――『ただいまより、新郎新婦の入場です』―――



【終】

引用元: 佐天「うわっ! もうこんな時間!?」