1
--ジャングル--
チチチッ
小鳥が囀る昼下がり。
?「あーっ! もーっ!」
木々生い茂るジャングルの中の一軒家で、長い髪の少女が暴れていた。
??「姫、暴れないでくだしあ」
?改め姫「うるしゃーいっ! これが暴れずにいられ……誰がア だーっ!!」
姫と呼ばれた少女は男に向かって枕を投げ付ける。
ぼふっ
??「むぐ……姫、理由をお聞かせください。食事なら先ほどお取りになりましたでしょ?」
姫「ご飯が問題じゃないよっ! 領土だよ、領土問題だよ参謀長っ!!」
--ジャングル--
チチチッ
小鳥が囀る昼下がり。
?「あーっ! もーっ!」
木々生い茂るジャングルの中の一軒家で、長い髪の少女が暴れていた。
??「姫、暴れないでくだしあ」
?改め姫「うるしゃーいっ! これが暴れずにいられ……誰がア だーっ!!」
姫と呼ばれた少女は男に向かって枕を投げ付ける。
ぼふっ
??「むぐ……姫、理由をお聞かせください。食事なら先ほどお取りになりましたでしょ?」
姫「ご飯が問題じゃないよっ! 領土だよ、領土問題だよ参謀長っ!!」
614: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:03:42.54 ID:ztKAXr4t0
2
--ジャングル--
??改め参謀長「……またその話ですか」
姫「当たり前だよっ! 何度だって言うよっ! なぜ我が王国、黄金王国の領土がこれほどまでに狭いのだっ!」
姫はガラスの無い窓からジャングルを指差して言った。
参謀長「我が王国は攻め滅ぼされましたからね。今はその名残です。というか王国ですらないです」
姫「むきーっ!」
姫はベッドに飛び込んで足をばたつかせる。
姫「ぐああっ! わたしにはそれが悔しくてならないんだっ! 何が悲しくてここまで落ちぶれなくてはならないのかっ!」
参謀長「姫は生まれた時からずっとここで生きてきたじゃないですか。国無くなったの何十年前の話だと思ってるんですか」
私だって見たことがないですと参謀長。
姫「あぁそうだよっ! 伝え聞くばかりで本当は知らないよっ! でもだからこそ恋い焦がれるんだよっ! 黄金に輝いたとされるかつての栄光をっ!」
参謀長「まぁ……ね」
姫「だから、領土取り返してきて」
--ジャングル--
??改め参謀長「……またその話ですか」
姫「当たり前だよっ! 何度だって言うよっ! なぜ我が王国、黄金王国の領土がこれほどまでに狭いのだっ!」
姫はガラスの無い窓からジャングルを指差して言った。
参謀長「我が王国は攻め滅ぼされましたからね。今はその名残です。というか王国ですらないです」
姫「むきーっ!」
姫はベッドに飛び込んで足をばたつかせる。
姫「ぐああっ! わたしにはそれが悔しくてならないんだっ! 何が悲しくてここまで落ちぶれなくてはならないのかっ!」
参謀長「姫は生まれた時からずっとここで生きてきたじゃないですか。国無くなったの何十年前の話だと思ってるんですか」
私だって見たことがないですと参謀長。
姫「あぁそうだよっ! 伝え聞くばかりで本当は知らないよっ! でもだからこそ恋い焦がれるんだよっ! 黄金に輝いたとされるかつての栄光をっ!」
参謀長「まぁ……ね」
姫「だから、領土取り返してきて」
615: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:04:13.63 ID:ztKAXr4t0
3
--ジャングル--
参謀長「へ?」
姫「黄金に輝く王国をわたしに返して」
参謀長「……いやいやいや」
姫「いやいやいやじゃないよっ! もうわたしやだもんこんなジャングル生活ーっ!」
参謀長ボソリ「ジャングル生活しか知らないくせに……」
姫「なんかゆったっ!?」
参謀長「いや……しかし我らでは無理ですよバカ姫」
姫「今なんてゆったっ!? すごいの聞こえたっ!! すごい前置詞ついてたっ!!」
参謀長(前置詞ェ……)
参謀長はこめかみを押さえる。
参謀長「……いいですか姫、まず我が王国には国民がいません」
姫「? いるよ? 参謀長と突撃長と潜入長。あとたんぽぽ星人」
姫は身体のついたたんぽぽのぬいぐるみを見ろとばかりにかかげる。
--ジャングル--
参謀長「へ?」
姫「黄金に輝く王国をわたしに返して」
参謀長「……いやいやいや」
姫「いやいやいやじゃないよっ! もうわたしやだもんこんなジャングル生活ーっ!」
参謀長ボソリ「ジャングル生活しか知らないくせに……」
姫「なんかゆったっ!?」
参謀長「いや……しかし我らでは無理ですよバカ姫」
姫「今なんてゆったっ!? すごいの聞こえたっ!! すごい前置詞ついてたっ!!」
参謀長(前置詞ェ……)
参謀長はこめかみを押さえる。
参謀長「……いいですか姫、まず我が王国には国民がいません」
姫「? いるよ? 参謀長と突撃長と潜入長。あとたんぽぽ星人」
姫は身体のついたたんぽぽのぬいぐるみを見ろとばかりにかかげる。
616: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:04:40.24 ID:ztKAXr4t0
4
--ジャングル--
参謀長「……」
姫「足りないか、足りないと申したいのだな参謀長」
参謀長「うん」
姫「うんてゆったっ!? くそーっ! 王族に対する礼儀がなってない奴めっ! じゃあいいよっ! 他の国民をご紹介しようっ!」
てててっ
参謀長「……」
姫「イースの大いなる種族」
参謀長「椅子じゃん」
姫「……」
姫はベッドから降りてベッドの下に手をのばす。
ごそごそ
そして何かをつかんで手を広げた。
姫「はいっ! ごき一号ちゃんでっすっ!!」
参謀長「そいつは侵略者だ!!」
--ジャングル--
参謀長「……」
姫「足りないか、足りないと申したいのだな参謀長」
参謀長「うん」
姫「うんてゆったっ!? くそーっ! 王族に対する礼儀がなってない奴めっ! じゃあいいよっ! 他の国民をご紹介しようっ!」
てててっ
参謀長「……」
姫「イースの大いなる種族」
参謀長「椅子じゃん」
姫「……」
姫はベッドから降りてベッドの下に手をのばす。
ごそごそ
そして何かをつかんで手を広げた。
姫「はいっ! ごき一号ちゃんでっすっ!!」
参謀長「そいつは侵略者だ!!」
617: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:05:35.21 ID:ztKAXr4t0
5
--ジャングル--
飛び跳ねて退く参謀長。
姫「えっ!? そうなのっ!?」
姫の手の中でわさわさしてるごき。
参謀長「まぁ窓とか開けっ放しだから入ってくるか……」
姫「こ、こいつ……王族であるわたしを騙したのかっ……!! ゆるせんっ!」
がぽ
参謀長「!?」
姫はごきをお口にお迎えした。
参謀長「」
参謀長ははいていたスリッパを掴むと力いっぱい姫の頭をたたいた。
すぱかーん!
姫「あいたっ!!」
--ジャングル--
飛び跳ねて退く参謀長。
姫「えっ!? そうなのっ!?」
姫の手の中でわさわさしてるごき。
参謀長「まぁ窓とか開けっ放しだから入ってくるか……」
姫「こ、こいつ……王族であるわたしを騙したのかっ……!! ゆるせんっ!」
がぽ
参謀長「!?」
姫はごきをお口にお迎えした。
参謀長「」
参謀長ははいていたスリッパを掴むと力いっぱい姫の頭をたたいた。
すぱかーん!
姫「あいたっ!!」
618: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:06:31.26 ID:ztKAXr4t0
6
--ジャングル--
口から脱出するごき。
参謀長「な、なんばしょっとか……」
姫「いたたた……きさまっ! 王族の頭部をなんだと心得るっ!」
参謀長「……はぁ」
姫「はぁってゆったっ!? ため息ついたっ! この無礼者っ!」
ぽかぽかと参謀長を殴る姫。
参謀長「……姫。ろくな国民がいないじゃないですか」
姫「む、無能な国民などお断わりだっ!」
参謀長(暴君甚だしい)
姫「こ、国民は後からでも作れるっ! 領土さえあればっ!」
参謀長「その領土を取るための兵力がいるでしょう?」
--ジャングル--
口から脱出するごき。
参謀長「な、なんばしょっとか……」
姫「いたたた……きさまっ! 王族の頭部をなんだと心得るっ!」
参謀長「……はぁ」
姫「はぁってゆったっ!? ため息ついたっ! この無礼者っ!」
ぽかぽかと参謀長を殴る姫。
参謀長「……姫。ろくな国民がいないじゃないですか」
姫「む、無能な国民などお断わりだっ!」
参謀長(暴君甚だしい)
姫「こ、国民は後からでも作れるっ! 領土さえあればっ!」
参謀長「その領土を取るための兵力がいるでしょう?」
619: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:07:12.50 ID:ztKAXr4t0
7
--ジャングル--
姫「参謀長と突撃長と潜入長がいる」
参謀長「……それだけじゃないですか」
姫「でもお前達は一騎当千の猛者なんだろっ? お父様がゆってたっ!」
参謀長「いや……」
姫「お前達三人が一騎当千なら、兵力に換算して三千っ!! たんぽぽ星人も合わせて四千っ!! 私も合わせれば二十五万四千もの兵力にっ!!」
参謀長「これ、ここみて」
姫「ん?」
参謀長はでこぴんのポーズ。それをなにかなー?と近づいてきて凝視する姫。
ばちん!
姫「いたいっ!」
参謀長「あなたはアホか。いや馬鹿でしたごめんなさい」
姫「また馬鹿ってゆ、謝ったっ!? 謝るとは何事だっ!!」
--ジャングル--
姫「参謀長と突撃長と潜入長がいる」
参謀長「……それだけじゃないですか」
姫「でもお前達は一騎当千の猛者なんだろっ? お父様がゆってたっ!」
参謀長「いや……」
姫「お前達三人が一騎当千なら、兵力に換算して三千っ!! たんぽぽ星人も合わせて四千っ!! 私も合わせれば二十五万四千もの兵力にっ!!」
参謀長「これ、ここみて」
姫「ん?」
参謀長はでこぴんのポーズ。それをなにかなー?と近づいてきて凝視する姫。
ばちん!
姫「いたいっ!」
参謀長「あなたはアホか。いや馬鹿でしたごめんなさい」
姫「また馬鹿ってゆ、謝ったっ!? 謝るとは何事だっ!!」
620: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:07:48.35 ID:ztKAXr4t0
8
--ジャングル--
参謀長「姫は、足し算も出来ない、馬鹿です」
姫「英訳文くせーっ!」
参謀長「……真面目な話、我々が一騎当千だと言うのは間違いです。先代、先々代の頃ならまだしも、私や潜入長に至ってはまともに実戦もしたことがない。加えて我々には資金も無い。こんな状態でどこかに攻め入るなどと」
姫「ふにゃ?」
参謀長「……だから我々には全てが足りないと言っています」
姫「あぁそゆこと? そゆことか。あはは。漢字ばっかでわかんなかったよっ」
参謀長「会話に漢字関係ねー!」
姫「むー。最初は攻め入るとかしなくてもいいよ。境界線が曖昧な所を少しずつじわりじわり取っていこう。西と南の間とか」
参謀長「国境警備隊いますけどね」
姫「いやいやあははっ! 警備隊ごときに軍隊が負けるかって!」
参謀長「負けるよ!てかいねんだっつのそもそも兵が!」
--ジャングル--
参謀長「姫は、足し算も出来ない、馬鹿です」
姫「英訳文くせーっ!」
参謀長「……真面目な話、我々が一騎当千だと言うのは間違いです。先代、先々代の頃ならまだしも、私や潜入長に至ってはまともに実戦もしたことがない。加えて我々には資金も無い。こんな状態でどこかに攻め入るなどと」
姫「ふにゃ?」
参謀長「……だから我々には全てが足りないと言っています」
姫「あぁそゆこと? そゆことか。あはは。漢字ばっかでわかんなかったよっ」
参謀長「会話に漢字関係ねー!」
姫「むー。最初は攻め入るとかしなくてもいいよ。境界線が曖昧な所を少しずつじわりじわり取っていこう。西と南の間とか」
参謀長「国境警備隊いますけどね」
姫「いやいやあははっ! 警備隊ごときに軍隊が負けるかって!」
参謀長「負けるよ!てかいねんだっつのそもそも兵が!」
621: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:08:24.01 ID:ztKAXr4t0
9
--ジャングル--
姫「……へぇ(兵)~。なんつって!くぷぷぷ!」
参謀長「……」
姫「いやぁ姫ちゃんは可愛いだけじゃなくて頭もいくて、その上ギャグセンスにも満ち溢れているなんてあれだねっ! 才能爆発だねっ! 才能ありすぎだから一個くらい誰かにわけ与えてやりたいよねぇっ!」
参謀長「これ、ここみて」
姫「ん?」
参謀長はでこぴんのポーズ。それをなにかなー?と近づいてきて凝視する姫。
ばちん!
姫「いたいっ!」
--ジャングル--
姫「……へぇ(兵)~。なんつって!くぷぷぷ!」
参謀長「……」
姫「いやぁ姫ちゃんは可愛いだけじゃなくて頭もいくて、その上ギャグセンスにも満ち溢れているなんてあれだねっ! 才能爆発だねっ! 才能ありすぎだから一個くらい誰かにわけ与えてやりたいよねぇっ!」
参謀長「これ、ここみて」
姫「ん?」
参謀長はでこぴんのポーズ。それをなにかなー?と近づいてきて凝視する姫。
ばちん!
姫「いたいっ!」
622: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:09:02.74 ID:ztKAXr4t0
10
--ジャングル--
参謀長「おい馬鹿野郎」
姫「ストレートにゆったっ!! 人に馬鹿馬鹿ゆっていいと思ってるのかっ!?」
参謀長「人?」
姫「わたし人だよっ!? いや姫だよっ!!」
参謀長「まぁなんにせよ兵力が足りません」
面倒くさくなってきちゃった参謀長。
姫「……やだー。姫ちゃん面倒くさい女じゃないよ?」
何かを察して近づいてきてくいくいと服を引っ張る姫。
--ジャングル--
参謀長「おい馬鹿野郎」
姫「ストレートにゆったっ!! 人に馬鹿馬鹿ゆっていいと思ってるのかっ!?」
参謀長「人?」
姫「わたし人だよっ!? いや姫だよっ!!」
参謀長「まぁなんにせよ兵力が足りません」
面倒くさくなってきちゃった参謀長。
姫「……やだー。姫ちゃん面倒くさい女じゃないよ?」
何かを察して近づいてきてくいくいと服を引っ張る姫。
623: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:09:39.23 ID:ztKAXr4t0
11
--ジャングル--
姫「むー……あれだよ。片っ端から動物とか人を助けていこうっ!」
参謀長「は?」
姫「姫ちゃん博識だから知ってる。昔話の本で読んだ鶴瓶の恩返し」
参謀長「多分同人誌かなんかですね」
といいつつも需要を考えて首を振る参謀長。
姫「助けた鶴瓶は恩返しに来てくれるんだおっ!あ、だおってゆっちゃったっ!」
参謀長「……」
姫「……まだわからないの?くぷぷぷ!だからー、私達が助けた奴らが恩を返すために仲間になってくれるっていう寸法よっ!」
参謀長「なる、かなぁ」
--ジャングル--
姫「むー……あれだよ。片っ端から動物とか人を助けていこうっ!」
参謀長「は?」
姫「姫ちゃん博識だから知ってる。昔話の本で読んだ鶴瓶の恩返し」
参謀長「多分同人誌かなんかですね」
といいつつも需要を考えて首を振る参謀長。
姫「助けた鶴瓶は恩返しに来てくれるんだおっ!あ、だおってゆっちゃったっ!」
参謀長「……」
姫「……まだわからないの?くぷぷぷ!だからー、私達が助けた奴らが恩を返すために仲間になってくれるっていう寸法よっ!」
参謀長「なる、かなぁ」
624: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:10:55.58 ID:ztKAXr4t0
12
--ジャングル--
姫「そんで兵にする」
参謀長「鬼畜!」
姫「いきなり最前線に配置する」
参謀長「鬼畜!!」
姫「これならばっちしっ!おっすおっす、ばっちし!」
参謀長(……一度現実を見せてやらなきゃあかんな)
姫「そういえば突撃長と潜入長はどこいったの?」
参謀長「突撃長は今日の夕飯探しに、潜入長は地元住人との親交を深めに」
姫「侵攻っ!?」
参謀長「もうそろそろ帰って来る頃ですかね」
無視する参謀長。
--ジャングル--
姫「そんで兵にする」
参謀長「鬼畜!」
姫「いきなり最前線に配置する」
参謀長「鬼畜!!」
姫「これならばっちしっ!おっすおっす、ばっちし!」
参謀長(……一度現実を見せてやらなきゃあかんな)
姫「そういえば突撃長と潜入長はどこいったの?」
参謀長「突撃長は今日の夕飯探しに、潜入長は地元住人との親交を深めに」
姫「侵攻っ!?」
参謀長「もうそろそろ帰って来る頃ですかね」
無視する参謀長。
625: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:11:48.39 ID:ztKAXr4t0
13
--ジャングル--
???「甘いです。私は既に帰宅しています」
姫「!どこからか潜入長の声がするよっ!?」
参謀長「……無駄に潜入してやがる」
姫がどこかなどこかなと捜し回るも見つからない。
???改め潜入長「私はそんなところにはいませんよ。私は」
ずぼふっ!
ぬいぐるみのたんぽぽ星人の中から出現する潜入長。
姫「ぎゃあーっ!! たんぽぽ星人が脱皮したーっ!!」
驚愕半泣きの姫。
潜入長「にやり」
--ジャングル--
???「甘いです。私は既に帰宅しています」
姫「!どこからか潜入長の声がするよっ!?」
参謀長「……無駄に潜入してやがる」
姫がどこかなどこかなと捜し回るも見つからない。
???改め潜入長「私はそんなところにはいませんよ。私は」
ずぼふっ!
ぬいぐるみのたんぽぽ星人の中から出現する潜入長。
姫「ぎゃあーっ!! たんぽぽ星人が脱皮したーっ!!」
驚愕半泣きの姫。
潜入長「にやり」
626: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:12:33.00 ID:ztKAXr4t0
14
--ジャングル--
潜入長「ふふ、お気付きになられなかったことでしょう」
参謀長「いや、いつからいたんだよ、って話。俺がここに来てからそのぬいぐるみの中に入った動作はみてないぞ」
潜入長「ならば簡単、貴方がこの部屋に来る前から忍び込んでいたのです」
参謀長「……いや、地元住人との親睦はどうしたのさ」
潜入長「失敗に終わりました」
参謀長「早すぎて駄目すぎる!!」
潜入長「もといやむなく断念」
参謀長「馬鹿なの!?」
潜入長「だって……私人が多い所苦手ですし」
よよよと泣き崩れる潜入長。
参謀長(最初から出来ないのになぜ立候補した……)
--ジャングル--
潜入長「ふふ、お気付きになられなかったことでしょう」
参謀長「いや、いつからいたんだよ、って話。俺がここに来てからそのぬいぐるみの中に入った動作はみてないぞ」
潜入長「ならば簡単、貴方がこの部屋に来る前から忍び込んでいたのです」
参謀長「……いや、地元住人との親睦はどうしたのさ」
潜入長「失敗に終わりました」
参謀長「早すぎて駄目すぎる!!」
潜入長「もといやむなく断念」
参謀長「馬鹿なの!?」
潜入長「だって……私人が多い所苦手ですし」
よよよと泣き崩れる潜入長。
参謀長(最初から出来ないのになぜ立候補した……)
627: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:13:26.02 ID:ztKAXr4t0
15
--ジャングル--
姫「くっそーっ! この●●●●がっ! この●●●●がたんぽぽ星人を殺したのかっ!」
も も
マシーンと化した姫。
潜入長「あっ! ……いけませんっ、姫様っ」
むにょむにょ
姫「くっくっくっ~! これがいいのかー? これがいいのかーっ!?」
すぱかーん!
姫「いたいっ!」
スリッパで頭を叩かれる姫。
参謀長「落ち着きなさい」
--ジャングル--
姫「くっそーっ! この●●●●がっ! この●●●●がたんぽぽ星人を殺したのかっ!」
も も
マシーンと化した姫。
潜入長「あっ! ……いけませんっ、姫様っ」
むにょむにょ
姫「くっくっくっ~! これがいいのかー? これがいいのかーっ!?」
すぱかーん!
姫「いたいっ!」
スリッパで頭を叩かれる姫。
参謀長「落ち着きなさい」
628: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:13:55.74 ID:ztKAXr4t0
16
--ジャングル--
姫「頭ぱかぱか叩いて馬鹿になったらどうすんだっ!!」
涙目になりながら頭をさする姫。
参謀長「どうせ大した量入ってませんよ」
姫「は、入ってるもんっ! プリッツの中に入ってるチョコばりにしっかり入ってるよ!!」
参謀長「ねぇじゃん!」
姫「え?」
潜入長「それはトッポと間違えたのでは?」
きょとん顔の姫。
姫「ふぇぇ……」
ばたん
????「今帰りましたですじゃ」
--ジャングル--
姫「頭ぱかぱか叩いて馬鹿になったらどうすんだっ!!」
涙目になりながら頭をさする姫。
参謀長「どうせ大した量入ってませんよ」
姫「は、入ってるもんっ! プリッツの中に入ってるチョコばりにしっかり入ってるよ!!」
参謀長「ねぇじゃん!」
姫「え?」
潜入長「それはトッポと間違えたのでは?」
きょとん顔の姫。
姫「ふぇぇ……」
ばたん
????「今帰りましたですじゃ」
629: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:14:21.22 ID:ztKAXr4t0
17
--ジャングル--
参謀長「あぁお帰りなさい突撃長さん。お疲れ様でした」
????改め突撃長「うぬ。今日は大きな魚が取れましたですじゃ」
姫「やたーっ! 魚魚ー!」
小さな家の中をぴょんぴょん跳ね回る姫。
突撃長「ほっほっ。姫様は魚が好きですじゃ?」
姫「好きっ!」
参謀長「いやはやご老体にこんな役目を押しつけて申し訳ない」
突撃長「ほっほっ。なんのなんの。まだまだこの老骨、黄金王国の最大戦力として活躍しますですじゃ。それに姫様のお守りのほうが大変そうですじゃ」
参謀長「はは……いや全く」
潜入長「それでは食事の準備をします。姫様も片付けお願いしますね」
姫「わかったっ!」
参謀長「やれやれ……」
--ジャングル--
参謀長「あぁお帰りなさい突撃長さん。お疲れ様でした」
????改め突撃長「うぬ。今日は大きな魚が取れましたですじゃ」
姫「やたーっ! 魚魚ー!」
小さな家の中をぴょんぴょん跳ね回る姫。
突撃長「ほっほっ。姫様は魚が好きですじゃ?」
姫「好きっ!」
参謀長「いやはやご老体にこんな役目を押しつけて申し訳ない」
突撃長「ほっほっ。なんのなんの。まだまだこの老骨、黄金王国の最大戦力として活躍しますですじゃ。それに姫様のお守りのほうが大変そうですじゃ」
参謀長「はは……いや全く」
潜入長「それでは食事の準備をします。姫様も片付けお願いしますね」
姫「わかったっ!」
参謀長「やれやれ……」
630: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:14:48.62 ID:ztKAXr4t0
18
--ジャングル--
潜入長「お待たせいたしました、ぶり大根です」
どん
潜入長はテーブルを埋めるほどの大きな皿を持ってきた。
ざわ
参謀長(あの魚ぶりだったか……?)
突撃長(ぴらるくとかそういう魚だとばっかり……ほっほっ)
姫「あれー? さっきのいるかはー?」
どんどん
フォークとナイフを握りしめて、テーブルを叩き続ける姫。
--ジャングル--
潜入長「お待たせいたしました、ぶり大根です」
どん
潜入長はテーブルを埋めるほどの大きな皿を持ってきた。
ざわ
参謀長(あの魚ぶりだったか……?)
突撃長(ぴらるくとかそういう魚だとばっかり……ほっほっ)
姫「あれー? さっきのいるかはー?」
どんどん
フォークとナイフを握りしめて、テーブルを叩き続ける姫。
631: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:15:15.13 ID:ztKAXr4t0
19
--ジャングル--
ほーほー
その夜。
みんなが寝静まった夜。
姫「むにゃむにゃもうお腹いっぱいだよぉ入らないよぉ……あっ……あったかい」
参謀長「大丈夫!? ねぇ大丈夫!? なんの夢みてんの!?」
がばっ!
寝言に起きて突っ込んでしまう参謀長。
トントン
参謀長(む)
そして戸を叩く音。
参謀長(……こんな時間に? 一体誰だ)
みんなを起こさないようにと静かに寝床を出て(大声で突っ込んだけど)、念のためにナイフを持って玄関へ。
がちゃ
そこには、
ごき「あ、どうもー、今日ー、貴方様にー、助けていただいたー、ゴキブリなんですけどもー、恩返しにー、来たんですよー」
参謀長「……」
人並み大のゴキブリがいた。
--ジャングル--
ほーほー
その夜。
みんなが寝静まった夜。
姫「むにゃむにゃもうお腹いっぱいだよぉ入らないよぉ……あっ……あったかい」
参謀長「大丈夫!? ねぇ大丈夫!? なんの夢みてんの!?」
がばっ!
寝言に起きて突っ込んでしまう参謀長。
トントン
参謀長(む)
そして戸を叩く音。
参謀長(……こんな時間に? 一体誰だ)
みんなを起こさないようにと静かに寝床を出て(大声で突っ込んだけど)、念のためにナイフを持って玄関へ。
がちゃ
そこには、
ごき「あ、どうもー、今日ー、貴方様にー、助けていただいたー、ゴキブリなんですけどもー、恩返しにー、来たんですよー」
参謀長「……」
人並み大のゴキブリがいた。
632: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/04(月) 22:15:41.81 ID:ztKAXr4t0
20
--ジャングル--
参謀長(てか最初に正体ばらしちゃってるしぃ……)
あまりの衝撃映像で逆に冷静になる参謀長。
ごき「そんでー、これからー、一族みんなでー、ご奉仕したいと思うんですよー、そう思ってー、みんなつれてきましたー」
ざわざわざわ!
真っ暗な中で見えないが、蠢く無数の何かが足元をすり抜け家に入っていった。
参謀長「」
ぞぞぞぞぞぞ!!
ごき「ふつつかー、ものですがー、よろしくお願いいたしますー」
参謀長「もう、こんな仕事、やってられるかー!!」
参謀長の嘆きがジャングルにこだまする。
黄金王国戦略侵略記
ぴろりん
≪兵力増強≫
ゴキブリ三百体が仲間に加わった。
ちゃんちゃん
--ジャングル--
参謀長(てか最初に正体ばらしちゃってるしぃ……)
あまりの衝撃映像で逆に冷静になる参謀長。
ごき「そんでー、これからー、一族みんなでー、ご奉仕したいと思うんですよー、そう思ってー、みんなつれてきましたー」
ざわざわざわ!
真っ暗な中で見えないが、蠢く無数の何かが足元をすり抜け家に入っていった。
参謀長「」
ぞぞぞぞぞぞ!!
ごき「ふつつかー、ものですがー、よろしくお願いいたしますー」
参謀長「もう、こんな仕事、やってられるかー!!」
参謀長の嘆きがジャングルにこだまする。
黄金王国戦略侵略記
ぴろりん
≪兵力増強≫
ゴキブリ三百体が仲間に加わった。
ちゃんちゃん
642: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:33:29.45 ID:2rLwucN/0
21
--ジャングル--
姫「とゆわけで侵略を開始するよっ!」
突撃長「ほっほっ。何やら話が見えませんな」
潜入長「一体どういうことなんでしょうか」
参謀長「……いや姫様がね、なんか領土を広げたいとか言ってましてね」
姫「うんっ!」
突撃長「なんと……!いやはや立派になられて……じいは感激ですじゃ」
潜入長「それでこそ我が姫様……」
参謀長「あれれ!?」
--ジャングル--
姫「とゆわけで侵略を開始するよっ!」
突撃長「ほっほっ。何やら話が見えませんな」
潜入長「一体どういうことなんでしょうか」
参謀長「……いや姫様がね、なんか領土を広げたいとか言ってましてね」
姫「うんっ!」
突撃長「なんと……!いやはや立派になられて……じいは感激ですじゃ」
潜入長「それでこそ我が姫様……」
参謀長「あれれ!?」
643: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:33:58.36 ID:2rLwucN/0
22
--ジャングル--
姫「おおっ! よくぞゆったお主達っ!じゃあさっそく侵略にかかるぞっ!」
突撃長「ほっほっ。わたくしは戦闘しか能が無いおいぼれですじゃ。まず作戦を考えねばですじゃ」
潜入長「私は偵察や諜報活動は得意ですが作戦がないと動けません」
じっ、と参謀長を見る三人。
参謀長「しょ、正気ですか!? 遊びでやっていいことじゃないんですよこれは!!」
突撃長「ほっほっ。なぁに。もしもの時は私が責任をとりますですじゃ」
参謀長(一人責任取るだけじゃおさまらないよ! 国際問題だよ! ……いや国とみなされてないから国際問題にもなりえないか)
--ジャングル--
姫「おおっ! よくぞゆったお主達っ!じゃあさっそく侵略にかかるぞっ!」
突撃長「ほっほっ。わたくしは戦闘しか能が無いおいぼれですじゃ。まず作戦を考えねばですじゃ」
潜入長「私は偵察や諜報活動は得意ですが作戦がないと動けません」
じっ、と参謀長を見る三人。
参謀長「しょ、正気ですか!? 遊びでやっていいことじゃないんですよこれは!!」
突撃長「ほっほっ。なぁに。もしもの時は私が責任をとりますですじゃ」
参謀長(一人責任取るだけじゃおさまらないよ! 国際問題だよ! ……いや国とみなされてないから国際問題にもなりえないか)
644: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:34:28.99 ID:2rLwucN/0
23
--ジャングル--
潜入長「三ヶ月前の戦争のせいで、今ゴタゴタしてますから案外いけるんじゃないでしょうか?」
参謀長(そんな時に侵略行為なんて、なおさら各国が怒りそうなもんですが……)
姫「大丈夫だよっ! 姫ちゃんがゆるすっ!」
参謀長「うぜぇ」
姫「今うざいってゆったっ!?」
姫の時だけ声に出ちゃった参謀長。
参謀長「はぁ……まぁ……言いだしたら止まらないですからね……仕方ない、少しだけ、ですよ」
参謀長は深いため息をついた。
--ジャングル--
潜入長「三ヶ月前の戦争のせいで、今ゴタゴタしてますから案外いけるんじゃないでしょうか?」
参謀長(そんな時に侵略行為なんて、なおさら各国が怒りそうなもんですが……)
姫「大丈夫だよっ! 姫ちゃんがゆるすっ!」
参謀長「うぜぇ」
姫「今うざいってゆったっ!?」
姫の時だけ声に出ちゃった参謀長。
参謀長「はぁ……まぁ……言いだしたら止まらないですからね……仕方ない、少しだけ、ですよ」
参謀長は深いため息をついた。
645: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:35:07.45 ID:2rLwucN/0
24
--ジャングル--
《作戦フェイズ》
参謀長「とりあえず国民が少なすぎます。地元住民の人達に理解を仰ぎ国民になってもらいましょうか。あと資金集め、そして何より食料」
突撃長「ほっほっ。ジャングルに住む彼らは安定した食料を欲していたように思いますですじゃ」
潜入長「ジャングルは結構食料が豊富ですが、その分リスキーですね。この間も知らない間に虫に刺されたのが原因で三日間丸々寝込むことになりましたし」
参謀長「ジャングルの中に踏みいらなくても手に入る食糧を我々で提供するのです」
姫「お、おいこらーっ! 姫ちんわからないぞっ! 姫ちんにもわかるように説明しろいっ!」
参謀長「え、今の会話の一体どこがわからないのか。あぁ言葉か」
姫「ばかにしたなっ!?」
--ジャングル--
《作戦フェイズ》
参謀長「とりあえず国民が少なすぎます。地元住民の人達に理解を仰ぎ国民になってもらいましょうか。あと資金集め、そして何より食料」
突撃長「ほっほっ。ジャングルに住む彼らは安定した食料を欲していたように思いますですじゃ」
潜入長「ジャングルは結構食料が豊富ですが、その分リスキーですね。この間も知らない間に虫に刺されたのが原因で三日間丸々寝込むことになりましたし」
参謀長「ジャングルの中に踏みいらなくても手に入る食糧を我々で提供するのです」
姫「お、おいこらーっ! 姫ちんわからないぞっ! 姫ちんにもわかるように説明しろいっ!」
参謀長「え、今の会話の一体どこがわからないのか。あぁ言葉か」
姫「ばかにしたなっ!?」
646: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:35:48.48 ID:2rLwucN/0
25
--ジャングル--
参謀長「いつも働きもせずに腹一杯飯を詰め込んでる姫にはわからないことですよねははは」
姫「ばかにしたなっ!? 姫は姫って職業なんだぞっ!? 無職じゃないぞっ!!」
参謀長(こいつめんどくせぇな。話が進まない……ん)
参謀長は立ち上がりたんぽぽ星人のぬいぐるみを持ちあげた。
参謀長「ほーらたんぽぽ星人だよー」
姫「わーいっ! たんぽぽ星人だーっ!」
参謀長は姫の頭の上で動かした後、窓の外に思いきり放り投げた。
しゅばっ!
すると姫もジャンプして窓の外へ。
参謀長「……うん。邪魔者はいなくなりました。さて……」
突撃長(姫様ェ……)
潜入長(バカワユ過ぎる!)
恍惚のヤンデレポーズ。
--ジャングル--
参謀長「いつも働きもせずに腹一杯飯を詰め込んでる姫にはわからないことですよねははは」
姫「ばかにしたなっ!? 姫は姫って職業なんだぞっ!? 無職じゃないぞっ!!」
参謀長(こいつめんどくせぇな。話が進まない……ん)
参謀長は立ち上がりたんぽぽ星人のぬいぐるみを持ちあげた。
参謀長「ほーらたんぽぽ星人だよー」
姫「わーいっ! たんぽぽ星人だーっ!」
参謀長は姫の頭の上で動かした後、窓の外に思いきり放り投げた。
しゅばっ!
すると姫もジャンプして窓の外へ。
参謀長「……うん。邪魔者はいなくなりました。さて……」
突撃長(姫様ェ……)
潜入長(バカワユ過ぎる!)
恍惚のヤンデレポーズ。
647: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:37:27.91 ID:2rLwucN/0
26
--ジャングル--
参謀長「では私は黄金王国から持ってきたとされるこの作物を持って、地元住民を懐柔してきます」
突撃長「ふむふむ。果たして物で釣れますかな?」
参謀長「これを渡し作り方を教えます。最初はこれの重要性がわからないでしょうがすぐにわかるでしょう。そうすれば彼らは自分で土地を耕し始める……。何度も見に行きそのつど気に掛けてあげれば彼らは我々に行為をもつでしょう」
段々悪い顔になっていく参謀長。
潜入長「しかしこんなジャングルでも育つとはすごいですよねこれ。場所を選びませんね」
それは黄金に輝くトウモロコシ。
参謀長「えぇ、黄金王国の栄華の一端を担った究極の作物です。一粒食べればお腹がいっぱいになり、更に傷も治るという」
突撃長「それ以上いけない!」
突撃長が眼鏡をかけた。
--ジャングル--
参謀長「では私は黄金王国から持ってきたとされるこの作物を持って、地元住民を懐柔してきます」
突撃長「ふむふむ。果たして物で釣れますかな?」
参謀長「これを渡し作り方を教えます。最初はこれの重要性がわからないでしょうがすぐにわかるでしょう。そうすれば彼らは自分で土地を耕し始める……。何度も見に行きそのつど気に掛けてあげれば彼らは我々に行為をもつでしょう」
段々悪い顔になっていく参謀長。
潜入長「しかしこんなジャングルでも育つとはすごいですよねこれ。場所を選びませんね」
それは黄金に輝くトウモロコシ。
参謀長「えぇ、黄金王国の栄華の一端を担った究極の作物です。一粒食べればお腹がいっぱいになり、更に傷も治るという」
突撃長「それ以上いけない!」
突撃長が眼鏡をかけた。
648: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:38:05.12 ID:2rLwucN/0
27
--ジャングル--
突撃長「しかし、それだけでこの王国に加わるでしょうかですじゃ。あちらにも王とか族長がいたですじゃ」
参謀長「まずはコミュニティ意識を芽生えさせるだけで充分ですよ。次のステップに行けば我らと組みたいと向こう側から言ってきます」
潜入長「で、今回我々の仕事は?」
参謀長「突撃長殿は……そうですね。この草とこのカエル、それとこのモンスターを狩って来て下さい」
参謀長は図鑑を指差す。
参謀長「潜入長さんは国境付近の状況を見てきてください。後出来たらでいいので、潜入してこのメモに書いてあることをチェックしてきてください」
メモを受け取る潜入長。
潜入長「出来たら……? ふふ……私を誰だと思っているんです……? 潜入と料理しか能が無い潜入長ですよ!? やったろうじゃないですか!!」
を と揺らし立ち上がる潜入長。
参謀長「それはどうなのか……」
--ジャングル--
突撃長「しかし、それだけでこの王国に加わるでしょうかですじゃ。あちらにも王とか族長がいたですじゃ」
参謀長「まずはコミュニティ意識を芽生えさせるだけで充分ですよ。次のステップに行けば我らと組みたいと向こう側から言ってきます」
潜入長「で、今回我々の仕事は?」
参謀長「突撃長殿は……そうですね。この草とこのカエル、それとこのモンスターを狩って来て下さい」
参謀長は図鑑を指差す。
参謀長「潜入長さんは国境付近の状況を見てきてください。後出来たらでいいので、潜入してこのメモに書いてあることをチェックしてきてください」
メモを受け取る潜入長。
潜入長「出来たら……? ふふ……私を誰だと思っているんです……? 潜入と料理しか能が無い潜入長ですよ!? やったろうじゃないですか!!」
を と揺らし立ち上がる潜入長。
参謀長「それはどうなのか……」
649: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:38:34.06 ID:2rLwucN/0
28
--ジャングル--
《実行フェイズ》
参謀長が地元住民に会いに行った。
地元住民「あ、村に入らない変な奴だ」
しかも警戒されている。
参謀長「今日はお話があってきました」
・・・
・・
・
地元住民に作物を与え、話をした。
地元住民「あいつ案外いいやつ?」
好感度が上昇し、地元住民と少し打ち解けた。
--ジャングル--
《実行フェイズ》
参謀長が地元住民に会いに行った。
地元住民「あ、村に入らない変な奴だ」
しかも警戒されている。
参謀長「今日はお話があってきました」
・・・
・・
・
地元住民に作物を与え、話をした。
地元住民「あいつ案外いいやつ?」
好感度が上昇し、地元住民と少し打ち解けた。
650: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:39:05.19 ID:2rLwucN/0
29
--ジャングル--
突撃長「あそこですか」
洞穴の入り口でメモにかかれたものを発見。
モンスター「がおー」
突撃長「!」
モンスターが現れた。
ぐしゃり
奇襲されたのにもかかわらず突撃長の先生攻撃、ハンマーがうなる。
モンスター「ぷぎゃーー」
モンスターを倒した。
--ジャングル--
突撃長「あそこですか」
洞穴の入り口でメモにかかれたものを発見。
モンスター「がおー」
突撃長「!」
モンスターが現れた。
ぐしゃり
奇襲されたのにもかかわらず突撃長の先生攻撃、ハンマーがうなる。
モンスター「ぷぎゃーー」
モンスターを倒した。
651: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:39:38.15 ID:2rLwucN/0
30
--ジャングル--
姫「あれみんないなくなってるっ!」
泥だらけで姫が帰還した。
姫「むー……汚れてるからとりあえずお風呂はいる」
姫はたんぽぽ星人を引きずり風呂場へ。
たんぽぽ星人「よさないか姫。我は洗わなくていいといったら何度言えばわかる」
姫「えー? 一緒にながしっこしようよー。わたし一人だと髪の毛洗えないし」
たんぽぽ星人「怖いのか?後ろが」
こくんとうなずく姫。
たんぽぽ星人「やれやれ……その歳にもなって情けない」
--ジャングル--
姫「あれみんないなくなってるっ!」
泥だらけで姫が帰還した。
姫「むー……汚れてるからとりあえずお風呂はいる」
姫はたんぽぽ星人を引きずり風呂場へ。
たんぽぽ星人「よさないか姫。我は洗わなくていいといったら何度言えばわかる」
姫「えー? 一緒にながしっこしようよー。わたし一人だと髪の毛洗えないし」
たんぽぽ星人「怖いのか?後ろが」
こくんとうなずく姫。
たんぽぽ星人「やれやれ……その歳にもなって情けない」
652: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:40:06.77 ID:2rLwucN/0
31
--ジャングル--
姫「だってだってーっ!」
たんぽぽ星人「煩い騒ぐな。……仕方ない。今回だけだぞ」
姫「やほーいっ!」
参謀長「……………………」
その様子をじっと家の外から眺めていた参謀長。
参謀長「……今あいつ喋ってなかった? しかもめっちゃダンディーな声で……」
--ジャングル--
姫「だってだってーっ!」
たんぽぽ星人「煩い騒ぐな。……仕方ない。今回だけだぞ」
姫「やほーいっ!」
参謀長「……………………」
その様子をじっと家の外から眺めていた参謀長。
参謀長「……今あいつ喋ってなかった? しかもめっちゃダンディーな声で……」
653: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:40:34.71 ID:2rLwucN/0
32
--ジャングル--
姫「ふにゃー!さっぱりー!」
ろくに拭きもせずびしょびしょのまま出てくる姫。
ぴちゃぴちゃ
参謀長「あぁもう姫、濡れたまま出てくるのはやめなさいとあれほど」
ぼふっ
参謀長は大きめのバスタオルを取り出して姫の顔にかけた。
姫「えへへー」
たんぽぽ星人「おい姫、風呂桶にちゃんと蓋をしろと」
ばったり
--ジャングル--
姫「ふにゃー!さっぱりー!」
ろくに拭きもせずびしょびしょのまま出てくる姫。
ぴちゃぴちゃ
参謀長「あぁもう姫、濡れたまま出てくるのはやめなさいとあれほど」
ぼふっ
参謀長は大きめのバスタオルを取り出して姫の顔にかけた。
姫「えへへー」
たんぽぽ星人「おい姫、風呂桶にちゃんと蓋をしろと」
ばったり
654: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:41:03.25 ID:2rLwucN/0
33
--ジャングル--
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……」
姫「あはー、ごめんねーっ!」
ごしごし
姫は自分の髪の毛を拭いている。
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……」
ぱたり
たんぽぽ星人は床に倒れこみ動かなくなった。
--ジャングル--
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……」
姫「あはー、ごめんねーっ!」
ごしごし
姫は自分の髪の毛を拭いている。
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……」
ぱたり
たんぽぽ星人は床に倒れこみ動かなくなった。
655: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:41:40.26 ID:2rLwucN/0
34
--ジャングル--
参謀長「……姫、今こいつ喋って」
姫「? そりゃ喋るよー? たんぽぽ星人だもん」
参謀長「……今こいつ動いて」
姫「? そりゃ動くよー? たんぽぽ星人だもん」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
沈黙。
姫「♪」
姫は我関せずと、わしわし髪の毛を拭いている。
--ジャングル--
参謀長「……姫、今こいつ喋って」
姫「? そりゃ喋るよー? たんぽぽ星人だもん」
参謀長「……今こいつ動いて」
姫「? そりゃ動くよー? たんぽぽ星人だもん」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
沈黙。
姫「♪」
姫は我関せずと、わしわし髪の毛を拭いている。
656: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:42:06.15 ID:2rLwucN/0
35
--ジャングル--
参謀長(いやいや……これぬいぐるみだろ? ぬいぐるみじゃないの? だってこの前こいつの中に潜入長入ってたし。裂けた中身綿だったし……)
たんぽぽ星人「……」
ふぁさっ
参謀長は考えに考えた結果、靴下を脱ぎ、たんぽぽ星人の顔においた。
たんぽぽ星人「……ぬごっ!?」
参謀長(ぬごって言った……)
説明しよう、参謀長の足は兵器レベルで臭かったのだ。
参謀長(水虫も完備してます)
--ジャングル--
参謀長(いやいや……これぬいぐるみだろ? ぬいぐるみじゃないの? だってこの前こいつの中に潜入長入ってたし。裂けた中身綿だったし……)
たんぽぽ星人「……」
ふぁさっ
参謀長は考えに考えた結果、靴下を脱ぎ、たんぽぽ星人の顔においた。
たんぽぽ星人「……ぬごっ!?」
参謀長(ぬごって言った……)
説明しよう、参謀長の足は兵器レベルで臭かったのだ。
参謀長(水虫も完備してます)
657: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:42:35.59 ID:2rLwucN/0
36
--ジャングル--
たんぽぽ星人「……すっ」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……げへっ!……」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……た」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「耐えられるかぁ!!」
べちーん!
靴下を参謀長の顔に投げ付けるたんぽぽ星人。
--ジャングル--
たんぽぽ星人「……すっ」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……げへっ!……」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……た」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「耐えられるかぁ!!」
べちーん!
靴下を参謀長の顔に投げ付けるたんぽぽ星人。
658: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:43:02.56 ID:2rLwucN/0
37
--ジャングル--
たんぽぽ星人「きっ、貴様!! 臭いにもほどがあるぞ! なんだそれは! 足にシュールストレミングでも飼っているのか!?」
参謀長「はははおもしろい言い回しだ。やっと口をきいていただけましたね」
たんぽぽ星人「はっ!?」
姫「♪」
ベッドの上で足をぱたぱたさせながら髪の毛を拭いている姫。
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
ぱたっ
死んだふりをするたんぽぽ星人。
参謀長「焼くぞぬいぐるみ!」
--ジャングル--
たんぽぽ星人「きっ、貴様!! 臭いにもほどがあるぞ! なんだそれは! 足にシュールストレミングでも飼っているのか!?」
参謀長「はははおもしろい言い回しだ。やっと口をきいていただけましたね」
たんぽぽ星人「はっ!?」
姫「♪」
ベッドの上で足をぱたぱたさせながら髪の毛を拭いている姫。
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
ぱたっ
死んだふりをするたんぽぽ星人。
参謀長「焼くぞぬいぐるみ!」
659: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:43:28.60 ID:2rLwucN/0
38
--ジャングル--
参謀長「成る程……まさかモンスターだったとは」
たんぽぽ星人「我は代々黄金王国の王家に支えし、誉れ高き戦士だ」
参謀長(たんぽぽ顔に人っぽい体がついたぬいぐるみにしか見えない)
たんぽぽ星人「今までは特殊な立ち位置ゆえ、皆には内緒にしていたのだがな、ばれてしまってはしかたない」
参謀長(めっちゃダンディーボイス……)
たんぽぽ星人「遂に姫がかつての領土を取り戻そうと決起したのだ。我も力を貸そう」
参謀長「……失礼ですが何が出来るんで?」
たんぽぽ星人「なんだとっ!?我の伝説を知らないのか!?」
姫「黄金の王国、黄金の作物を刈り取り、黄金の兵を従え、黄金の時代を築きたり」
参謀長「……黄金の兵?」
--ジャングル--
参謀長「成る程……まさかモンスターだったとは」
たんぽぽ星人「我は代々黄金王国の王家に支えし、誉れ高き戦士だ」
参謀長(たんぽぽ顔に人っぽい体がついたぬいぐるみにしか見えない)
たんぽぽ星人「今までは特殊な立ち位置ゆえ、皆には内緒にしていたのだがな、ばれてしまってはしかたない」
参謀長(めっちゃダンディーボイス……)
たんぽぽ星人「遂に姫がかつての領土を取り戻そうと決起したのだ。我も力を貸そう」
参謀長「……失礼ですが何が出来るんで?」
たんぽぽ星人「なんだとっ!?我の伝説を知らないのか!?」
姫「黄金の王国、黄金の作物を刈り取り、黄金の兵を従え、黄金の時代を築きたり」
参謀長「……黄金の兵?」
660: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:44:06.37 ID:2rLwucN/0
39
--ジャングル--
たんぽぽ星人「いかにも。我は水と太陽光と栄養があれば無限に増える」
参謀長「!?」
たんぽぽ星人「兵力など我一人で補えるのだ。これこそ王家を護る守護獣の力よ」
参謀長(それが本当なら領土奪還もかなり現実身をおびてくるぜ……)
ばたん
突撃長「今帰りましたですじゃ。今日はでかいいのししですじゃ」
姫「ひゃっほー!」
参謀長「あ、おかえりなさい。と、今日は食事を潜入長がいなから自分が作らないと」
姫「私も手伝うーっ!」
たんぽぽ星人「待ちな」
たんぽぽ星人は声をかける。
たんぽぽ星人「我が一体どれだけ優秀なのか教えてやる。今日は我が料理しよう」
姫「たんぽぽ星人がっ!? いぇーいっ!」
参謀長(まがりなりにも守護獣が料理……)
--ジャングル--
たんぽぽ星人「いかにも。我は水と太陽光と栄養があれば無限に増える」
参謀長「!?」
たんぽぽ星人「兵力など我一人で補えるのだ。これこそ王家を護る守護獣の力よ」
参謀長(それが本当なら領土奪還もかなり現実身をおびてくるぜ……)
ばたん
突撃長「今帰りましたですじゃ。今日はでかいいのししですじゃ」
姫「ひゃっほー!」
参謀長「あ、おかえりなさい。と、今日は食事を潜入長がいなから自分が作らないと」
姫「私も手伝うーっ!」
たんぽぽ星人「待ちな」
たんぽぽ星人は声をかける。
たんぽぽ星人「我が一体どれだけ優秀なのか教えてやる。今日は我が料理しよう」
姫「たんぽぽ星人がっ!? いぇーいっ!」
参謀長(まがりなりにも守護獣が料理……)
661: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/11(月) 21:45:17.05 ID:2rLwucN/0
40
--ジャングル--
どすん
たんぽぽ星人「出来たぞ。さぁ食べてくだちい」
参謀長「ガンツ!?」
突撃長「ほっほっ。猪と言えば鍋ですじゃ」
ぐつぐつ
姫「わーい猪鍋だーっ!」
たんぽぽ星人「ふん。やたら目やにが多くて困ったぜこのイノシシ」
参謀長(この蒸し暑いジャングルで鍋……)
その夜。
参謀長(ん……なんか寝苦しいな……)
もそり
目を開ける参謀長。そこには、
もぞもぞ
月明かりを浴び、びくびくと体を痙攣させるたんぽぽ星人が。
参謀長(……一体何が?)
たんぽぽ星人「ぬぅ、にゅうぅぅ……ふぐりっ!」
にゅるん
たんぽぽ星人の背中が裂け、中からもう一人(?)のたんぽぽ星人があらわれた。
たんぽぽ星人「「ふぅ……分裂完了だぁ」」
参謀長「……」
ぴろりん
≪兵力増強≫
たんぽぽ星人二体?が仲間に加わった。
ちゃんちゃん
--ジャングル--
どすん
たんぽぽ星人「出来たぞ。さぁ食べてくだちい」
参謀長「ガンツ!?」
突撃長「ほっほっ。猪と言えば鍋ですじゃ」
ぐつぐつ
姫「わーい猪鍋だーっ!」
たんぽぽ星人「ふん。やたら目やにが多くて困ったぜこのイノシシ」
参謀長(この蒸し暑いジャングルで鍋……)
その夜。
参謀長(ん……なんか寝苦しいな……)
もそり
目を開ける参謀長。そこには、
もぞもぞ
月明かりを浴び、びくびくと体を痙攣させるたんぽぽ星人が。
参謀長(……一体何が?)
たんぽぽ星人「ぬぅ、にゅうぅぅ……ふぐりっ!」
にゅるん
たんぽぽ星人の背中が裂け、中からもう一人(?)のたんぽぽ星人があらわれた。
たんぽぽ星人「「ふぅ……分裂完了だぁ」」
参謀長「……」
ぴろりん
≪兵力増強≫
たんぽぽ星人二体?が仲間に加わった。
ちゃんちゃん
668: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:44:24.58 ID:6FeAP96A0
41
--ジャングル--
姫「むにゃむにゃ」
眼も開いてない姫はパジャマ姿でテーブルに現れた。
姫「おあよ~」
突撃長「おはようございますですじゃ姫様」
参謀長「おはようございます。早く顔を洗って席ついてください」
姫「あい」
姫はふらふらと下水場に向かった。
参謀長「……なんだって!?」
まさに地の文の反乱である。
--ジャングル--
姫「むにゃむにゃ」
眼も開いてない姫はパジャマ姿でテーブルに現れた。
姫「おあよ~」
突撃長「おはようございますですじゃ姫様」
参謀長「おはようございます。早く顔を洗って席ついてください」
姫「あい」
姫はふらふらと下水場に向かった。
参謀長「……なんだって!?」
まさに地の文の反乱である。
669: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:44:52.92 ID:6FeAP96A0
42
--ジャングル--
参謀長「そんなものに反乱起こされたらたまったもんじゃねぇ!!」
参謀長は今真っ裸である。
参謀長「うぉい!」
参謀長はおもむろに突撃長の上着に手を掛けた。
突撃長「あっ」
参謀長「のるなのるな!!」
参謀長は突撃長の勇ましい胸板にそっと指を這わせる。そして胸毛をわしゃわしゃと
参謀長「ぎゃー!!」
姫「な、何をやっているんだっ……!?」
--ジャングル--
参謀長「そんなものに反乱起こされたらたまったもんじゃねぇ!!」
参謀長は今真っ裸である。
参謀長「うぉい!」
参謀長はおもむろに突撃長の上着に手を掛けた。
突撃長「あっ」
参謀長「のるなのるな!!」
参謀長は突撃長の勇ましい胸板にそっと指を這わせる。そして胸毛をわしゃわしゃと
参謀長「ぎゃー!!」
姫「な、何をやっているんだっ……!?」
670: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:45:26.14 ID:6FeAP96A0
43
--ジャングル--
そこにカイリキーも裸足で逃げ出すほどのたくましいボディの姫が現れた。
姫「にゃっ!?」
参謀長「いかん!逃げろ姫!」
姫「な、何が起こっているのっ!? わ、わたし、まっちょ!」
顔を膨らまし胸を突き出す姫。
参謀長「やめろ実際のあんたは華奢なままだ」
姫「ぷー」
そこに颯爽とあらわれたのはクールでダンディーな一匹狼、
たんぽぽ星人「騒がしいじゃねぇか。一体どうした?」
参謀長「!……?」
--ジャングル--
そこにカイリキーも裸足で逃げ出すほどのたくましいボディの姫が現れた。
姫「にゃっ!?」
参謀長「いかん!逃げろ姫!」
姫「な、何が起こっているのっ!? わ、わたし、まっちょ!」
顔を膨らまし胸を突き出す姫。
参謀長「やめろ実際のあんたは華奢なままだ」
姫「ぷー」
そこに颯爽とあらわれたのはクールでダンディーな一匹狼、
たんぽぽ星人「騒がしいじゃねぇか。一体どうした?」
参謀長「!……?」
671: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:47:11.08 ID:6FeAP96A0
44
--ジャングル--
たんぽぽ星人が歩いた後には花が咲き、たんぽぽ星人が発する美声は、まるで天使の歌声のようだった。
突撃長「ほっほっ。カオスですじゃ」
姫「あったんぽぽ星人! 助けてっ! わたしまっちょになったのっ!」
膨れてみる姫。
たんぽぽ星人「……なんも変わらねぇじゃねぇか」
参謀長「……」
たんぽぽ星人のあまりのワイルドさに、姫はいきなりぞっこんラブ。メロメロフォーリンラブだった。
参謀長「狂い始めた!」
--ジャングル--
たんぽぽ星人が歩いた後には花が咲き、たんぽぽ星人が発する美声は、まるで天使の歌声のようだった。
突撃長「ほっほっ。カオスですじゃ」
姫「あったんぽぽ星人! 助けてっ! わたしまっちょになったのっ!」
膨れてみる姫。
たんぽぽ星人「……なんも変わらねぇじゃねぇか」
参謀長「……」
たんぽぽ星人のあまりのワイルドさに、姫はいきなりぞっこんラブ。メロメロフォーリンラブだった。
参謀長「狂い始めた!」
672: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:48:10.41 ID:6FeAP96A0
45
--ジャングル--
姫「はぅぅ! わ、わたしたんぽぽ星人のこと好きっ!」
だきっ
たんぽぽ星人「やめろこんなところで……恥ずかしいじゃねぇか」
cv松山○志。
参謀長「……」
そして突撃長は一人の男として参謀長を愛していた。
突撃長「はぅぅ! わ、わたし参謀長のこと好きっ!」
ダキっ
参謀長「ぎゃあああああ!!」
はははっ。
参謀長「!」
--ジャングル--
姫「はぅぅ! わ、わたしたんぽぽ星人のこと好きっ!」
だきっ
たんぽぽ星人「やめろこんなところで……恥ずかしいじゃねぇか」
cv松山○志。
参謀長「……」
そして突撃長は一人の男として参謀長を愛していた。
突撃長「はぅぅ! わ、わたし参謀長のこと好きっ!」
ダキっ
参謀長「ぎゃあああああ!!」
はははっ。
参謀長「!」
673: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:48:45.46 ID:6FeAP96A0
46
--ジャングル--
姫「たんぽぽたんぽぽ~っ!」
こうして四人は仲良く暮らしましたとさ。
参謀長「……」
突撃長「参謀長殿?」
参謀長「……しかしまったくもってたんぽぽ星人はバカだなぁ」
たんぽぽ星人「!?……」
たんぽぽ星人はバカではない。むしろ超がつくほどの天才だ。一説では東大を受験したこともあるとか。
参謀長「受かってはいないのかよ……色も汚れててうんこみたいだし」
たんぽぽ星人「!」
そんなことない!たんぽぽ星人はまばゆいばかりの光を放つ黄金そのものだった。その輝きは太陽すら霞むと民衆の間ではもっぱらの噂で
参謀長「不細工だし」
たんぽぽ星人「不細工じゃねぇよ!」
不細工じゃねぇよ!
--ジャングル--
姫「たんぽぽたんぽぽ~っ!」
こうして四人は仲良く暮らしましたとさ。
参謀長「……」
突撃長「参謀長殿?」
参謀長「……しかしまったくもってたんぽぽ星人はバカだなぁ」
たんぽぽ星人「!?……」
たんぽぽ星人はバカではない。むしろ超がつくほどの天才だ。一説では東大を受験したこともあるとか。
参謀長「受かってはいないのかよ……色も汚れててうんこみたいだし」
たんぽぽ星人「!」
そんなことない!たんぽぽ星人はまばゆいばかりの光を放つ黄金そのものだった。その輝きは太陽すら霞むと民衆の間ではもっぱらの噂で
参謀長「不細工だし」
たんぽぽ星人「不細工じゃねぇよ!」
不細工じゃねぇよ!
674: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:51:05.53 ID:6FeAP96A0
47
--ジャングル--
姫「! あれ?」
突撃長「今、被りましたな?」
たんぽぽ星人「!! しまっ」
参謀長「しっぽをだしやがったなくそたんぽぽ……」
目が光る参謀長。
たんぽぽ星人「……」
どごっ!
さばっ……参謀長の顔面パンチ。
ミス、たんぽぽ星人はダメージを受けなかった。
参謀長「めっちゃふるふる震えてるやん!」
--ジャングル--
姫「! あれ?」
突撃長「今、被りましたな?」
たんぽぽ星人「!! しまっ」
参謀長「しっぽをだしやがったなくそたんぽぽ……」
目が光る参謀長。
たんぽぽ星人「……」
どごっ!
さばっ……参謀長の顔面パンチ。
ミス、たんぽぽ星人はダメージを受けなかった。
参謀長「めっちゃふるふる震えてるやん!」
675: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:51:53.53 ID:6FeAP96A0
48
--ジャングル--
たんぽぽ星人「わ、我は無敵」
参謀長「……」
がすっ!
あっ!膝げり痛いっ!……ミス、たんぽぽ星人はダメージを受けなかった。
げほっ
参謀長「……」
ごしっ!
いってっ!!……た、たんぽぽ星人は歯を食い縛って耐えた……うっ。
どがっばぎっ!!
たんぽぽ星人「鬼かっ!?」
ぼこぼこになったたんぽぽ星人は号泣している。
参謀長「戻ったか……」
--ジャングル--
たんぽぽ星人「わ、我は無敵」
参謀長「……」
がすっ!
あっ!膝げり痛いっ!……ミス、たんぽぽ星人はダメージを受けなかった。
げほっ
参謀長「……」
ごしっ!
いってっ!!……た、たんぽぽ星人は歯を食い縛って耐えた……うっ。
どがっばぎっ!!
たんぽぽ星人「鬼かっ!?」
ぼこぼこになったたんぽぽ星人は号泣している。
参謀長「戻ったか……」
676: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:52:25.57 ID:6FeAP96A0
49
--ジャングル--
参謀長「地の文をある程度操作する魔法!?」
たんぽぽ星人「うむ」
突撃長「ほっほっ。それはまた……」
姫「すごいすごーいっ!!」
参謀長「つええってもんじゃないけど、実際地の文と同じように変化させられるわけじゃないからなぁ」
たんぽぽ星人「頑張れば出来る」
参謀長「やべぇ!!」
突撃長「……え?しかしこれマジ話なんですかな?」
参謀長「……ん」
突撃長「地の文をいじるって、まるで文章の世界に生きているようですじゃよ?」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
姫「……?」
突撃長「……」
--ジャングル--
参謀長「地の文をある程度操作する魔法!?」
たんぽぽ星人「うむ」
突撃長「ほっほっ。それはまた……」
姫「すごいすごーいっ!!」
参謀長「つええってもんじゃないけど、実際地の文と同じように変化させられるわけじゃないからなぁ」
たんぽぽ星人「頑張れば出来る」
参謀長「やべぇ!!」
突撃長「……え?しかしこれマジ話なんですかな?」
参謀長「……ん」
突撃長「地の文をいじるって、まるで文章の世界に生きているようですじゃよ?」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「……」
姫「……?」
突撃長「……」
677: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:53:32.10 ID:6FeAP96A0
50
--ジャングル--
がばっ!
参謀長「はっ! ……夢だったか……」
まさかの寝オチである。
たんぽぽ星人「……ニヤ」
--ジャングル--
がばっ!
参謀長「はっ! ……夢だったか……」
まさかの寝オチである。
たんぽぽ星人「……ニヤ」
678: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:54:05.77 ID:6FeAP96A0
51
--ジャングル--
《作戦フェイズ》
参謀長「飯食ってここまでくるのになんでこんなに時間かかるのか……」
姫「病気だねーっ!」
参謀長「さてもう面倒だし姫ちゃんはおうちの外で遊んでこよー……ねっ!」
参謀長は目の前で骨をくるくると回した後、窓の外に思い切り放り投げた。
しゅばっ!
姫「わんっわんっ!!」
勢いよく飛び出す姫。
参謀長「……」
突撃長「国家元首ェ……」
--ジャングル--
《作戦フェイズ》
参謀長「飯食ってここまでくるのになんでこんなに時間かかるのか……」
姫「病気だねーっ!」
参謀長「さてもう面倒だし姫ちゃんはおうちの外で遊んでこよー……ねっ!」
参謀長は目の前で骨をくるくると回した後、窓の外に思い切り放り投げた。
しゅばっ!
姫「わんっわんっ!!」
勢いよく飛び出す姫。
参謀長「……」
突撃長「国家元首ェ……」
679: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:55:24.57 ID:6FeAP96A0
52
--ジャングル--
参謀長「じゃあ、前回突撃長さんにとってきてもらったものを調合した、これを持っていってきますかね」
突撃長「? 何を作ったのですじゃ?」
参謀長「内緒です。今回は突撃長さんは姫の護衛をお願いします。家の中でゆったりしてください」
突撃長「!? 今あなた外に放牧したよね!?」
参謀長「ちゃんとうんちは回収してくださいね」
突撃長「国家元首ェ!!」
--ジャングル--
参謀長「じゃあ、前回突撃長さんにとってきてもらったものを調合した、これを持っていってきますかね」
突撃長「? 何を作ったのですじゃ?」
参謀長「内緒です。今回は突撃長さんは姫の護衛をお願いします。家の中でゆったりしてください」
突撃長「!? 今あなた外に放牧したよね!?」
参謀長「ちゃんとうんちは回収してくださいね」
突撃長「国家元首ェ!!」
680: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:55:56.87 ID:6FeAP96A0
53
--ジャングル、上流--
参謀長は川の上流に向かい、誰もいないことを見計らうと、そっとそれを川に流した。
ぱしゃしゃっ
参謀長「……」
参謀長はにやりと笑った。
--ジャングル、上流--
参謀長は川の上流に向かい、誰もいないことを見計らうと、そっとそれを川に流した。
ぱしゃしゃっ
参謀長「……」
参謀長はにやりと笑った。
681: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:56:32.68 ID:6FeAP96A0
54
--ジャングル--
姫「姫はわんわん好きだおっ! わんわんお! わんわんお! うまいっ!?」
骨をくわえてジャングルを駆け回る一国の姫。
突撃長「ほっほっ。お上手ですじゃ……! 姫様!」
突撃長はハンマーを構え、姫に駆け寄った。
姫「ほえ?」
がさがさ
狼「がるる」
狼が出現し姫に襲いかかった。
--ジャングル--
姫「姫はわんわん好きだおっ! わんわんお! わんわんお! うまいっ!?」
骨をくわえてジャングルを駆け回る一国の姫。
突撃長「ほっほっ。お上手ですじゃ……! 姫様!」
突撃長はハンマーを構え、姫に駆け寄った。
姫「ほえ?」
がさがさ
狼「がるる」
狼が出現し姫に襲いかかった。
682: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:58:05.11 ID:6FeAP96A0
55
--ジャングル--
《戦闘フェイズ》
条件・姫を無傷で助けろ
突撃長「やってやりますですじゃー!」
狼「がるる」
狼の攻撃。
がしゅ
姫に10ダメージ。
突撃長「早くもぎゃー!」
条件失敗
突撃長の攻撃。
ぐしゃ!
狼に230のダメージ。狼は生き絶えた。
--ジャングル--
《戦闘フェイズ》
条件・姫を無傷で助けろ
突撃長「やってやりますですじゃー!」
狼「がるる」
狼の攻撃。
がしゅ
姫に10ダメージ。
突撃長「早くもぎゃー!」
条件失敗
突撃長の攻撃。
ぐしゃ!
狼に230のダメージ。狼は生き絶えた。
683: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/18(月) 23:58:40.86 ID:6FeAP96A0
56
--ジャングル--
突撃長「姫様! じいがついていながら……申し訳ございませんですじゃ!」
姫「痛いんだおっ!」
姫の左腕にくっきりと歯形が。
突撃長「とりあえず応急措置を」
がさがさ
突撃長「!? またモンスターか!」
?「もきゅ~……」
??「お腹減っちゃったもきゅ~……」
???「何か食べるものないかもきゅ~」
もきゅもきゅ言ってる生物が二人の前に現れた。
姫「何これ可愛いっ!」
?「もきゅっ!? に、人間もきゅっ!」
??「に、逃げるもきゅ……」
???「もうそんなエネルギー、ないもきゅ……」
ばたり
突撃長「……」
姫「突撃長っ! これ持って帰るっ!!」
突撃長「ええっ!?」
--ジャングル--
突撃長「姫様! じいがついていながら……申し訳ございませんですじゃ!」
姫「痛いんだおっ!」
姫の左腕にくっきりと歯形が。
突撃長「とりあえず応急措置を」
がさがさ
突撃長「!? またモンスターか!」
?「もきゅ~……」
??「お腹減っちゃったもきゅ~……」
???「何か食べるものないかもきゅ~」
もきゅもきゅ言ってる生物が二人の前に現れた。
姫「何これ可愛いっ!」
?「もきゅっ!? に、人間もきゅっ!」
??「に、逃げるもきゅ……」
???「もうそんなエネルギー、ないもきゅ……」
ばたり
突撃長「……」
姫「突撃長っ! これ持って帰るっ!!」
突撃長「ええっ!?」
684: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/19(火) 00:00:38.55 ID:evs1efE70
57
--ジャングル--
参謀長(症状が出るのは二日後くらいか)
参謀長が家に帰ると、
かかかかかかっ
?「もきゅぷはっ! このご飯おいしいもきゅ!」
??「どこのもこもことも知らぬ僕たちにここまで……感謝してもしたりないもきゅ!」
???「姫ちゃん大好きもーきゅっ!」
姫「えへへへーっ!」
姫は満面の笑みでご飯をかっこむもこもこ達を撫でている。
参謀長「……」
突撃長「あ、お帰りなさいですじゃ。今夕飯の支度をしてるですじゃ。少し待っててですじゃ」
参謀長「あ、はい。それはいいんですが……これは一体」
たんぽぽ星人「……姫が連れてきちまったらしい。全くペットはダメだって言ったのによ」
--ジャングル--
参謀長(症状が出るのは二日後くらいか)
参謀長が家に帰ると、
かかかかかかっ
?「もきゅぷはっ! このご飯おいしいもきゅ!」
??「どこのもこもことも知らぬ僕たちにここまで……感謝してもしたりないもきゅ!」
???「姫ちゃん大好きもーきゅっ!」
姫「えへへへーっ!」
姫は満面の笑みでご飯をかっこむもこもこ達を撫でている。
参謀長「……」
突撃長「あ、お帰りなさいですじゃ。今夕飯の支度をしてるですじゃ。少し待っててですじゃ」
参謀長「あ、はい。それはいいんですが……これは一体」
たんぽぽ星人「……姫が連れてきちまったらしい。全くペットはダメだって言ったのによ」
685: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/19(火) 00:01:39.49 ID:evs1efE70
58
--ジャングル--
?「もこもこ達はペットじゃないもきゅ!」
??「この星の頂点に立っていた偉大なる種族、もこもこだもきゅ!」
???「家畜やペット等と一緒にしてもらっちゃこま、ふもきゅう~」
姫に抱っこされて癒され顔のもこもこ。
姫「ふあぁ、めちゃめちゃ可愛い~っ」
?、??、???「「「もっきゅきゅ~」」」
参謀長「……とりあえず人語を介しているからモンスターだな」
--ジャングル--
?「もこもこ達はペットじゃないもきゅ!」
??「この星の頂点に立っていた偉大なる種族、もこもこだもきゅ!」
???「家畜やペット等と一緒にしてもらっちゃこま、ふもきゅう~」
姫に抱っこされて癒され顔のもこもこ。
姫「ふあぁ、めちゃめちゃ可愛い~っ」
?、??、???「「「もっきゅきゅ~」」」
参謀長「……とりあえず人語を介しているからモンスターだな」
686: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/19(火) 00:02:08.33 ID:evs1efE70
59
--ジャングル--
食後。
姫「ばばばば~んっ! それでは名前を発表しますっ! 右からもこいちっ!」
?改めもこいち「もきゅ!」
姫「もこじっ!」
??改めもこじ「もきゅす!」
姫「もこぞうっ!」
???改めもこぞう「もきゅぷしっ!」
姫「そんなわけなのさっ!」
すぱかーん
スリッパで姫の頭を叩く参謀長。
姫「なんでぶったのっ!?」
参謀長「こんなペット拾ってきてどうするんですか! 何の役にも立たないどころかこの家のスペースがいっぱいになるでしょ!」
もこいち「姫ちゃんに暴力するなもきゅーっ!」
もこじ「このDV夫もきゅーっ!」
もこぞう「僕たち役立たずじゃないもきゅっ!」
参謀長「誰が夫だ誰が……そんなメリープみたいなフォルムで何か役に立てるのか?」
もこいち「ばかにすんなもきゅ! もこもこ達は有能なんだもきゅ! その力を今夜見せてやるもきゅ!」
参謀長「夜?何、 なことでもすんの?」
--ジャングル--
食後。
姫「ばばばば~んっ! それでは名前を発表しますっ! 右からもこいちっ!」
?改めもこいち「もきゅ!」
姫「もこじっ!」
??改めもこじ「もきゅす!」
姫「もこぞうっ!」
???改めもこぞう「もきゅぷしっ!」
姫「そんなわけなのさっ!」
すぱかーん
スリッパで姫の頭を叩く参謀長。
姫「なんでぶったのっ!?」
参謀長「こんなペット拾ってきてどうするんですか! 何の役にも立たないどころかこの家のスペースがいっぱいになるでしょ!」
もこいち「姫ちゃんに暴力するなもきゅーっ!」
もこじ「このDV夫もきゅーっ!」
もこぞう「僕たち役立たずじゃないもきゅっ!」
参謀長「誰が夫だ誰が……そんなメリープみたいなフォルムで何か役に立てるのか?」
もこいち「ばかにすんなもきゅ! もこもこ達は有能なんだもきゅ! その力を今夜見せてやるもきゅ!」
参謀長「夜?何、 なことでもすんの?」
687: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/19(火) 00:03:03.21 ID:evs1efE70
60
--ジャングル--
その夜。
もこいち「もこもこが一匹!」
ほわん
もこいちが姫の顔の上を飛ぶ。
もこじ「もこもこが二匹っ!」
ほわん
もこじが姫の顔の上を飛ぶ。
もこぞう「もこもこが三匹っ!」
ほわん
もこぞうが姫の顔の上を飛ぶ。
姫「くーっ、くーっ」
参謀長「……」
もこいちボソボソ「どうもきゅ? 僕たちにかかればどんな不眠症なあなたでもたちまちぐっすり」
もこじボソボソ「素敵な睡眠生活をお届けもきゅ」
もこぞうボソボソ「この役立ちレベル、半端ないもきゅ」
姫を起こさないように小声でもきゅもきゅ喋るもこもこ。
参謀長「……まぁ」
最悪非常食にすればいいか。参謀長はそう自分を納得させた。
ぴろりん
≪兵力増強≫
もこもこ三体が仲間に加わった。
ちゃんちゃん
--ジャングル--
その夜。
もこいち「もこもこが一匹!」
ほわん
もこいちが姫の顔の上を飛ぶ。
もこじ「もこもこが二匹っ!」
ほわん
もこじが姫の顔の上を飛ぶ。
もこぞう「もこもこが三匹っ!」
ほわん
もこぞうが姫の顔の上を飛ぶ。
姫「くーっ、くーっ」
参謀長「……」
もこいちボソボソ「どうもきゅ? 僕たちにかかればどんな不眠症なあなたでもたちまちぐっすり」
もこじボソボソ「素敵な睡眠生活をお届けもきゅ」
もこぞうボソボソ「この役立ちレベル、半端ないもきゅ」
姫を起こさないように小声でもきゅもきゅ喋るもこもこ。
参謀長「……まぁ」
最悪非常食にすればいいか。参謀長はそう自分を納得させた。
ぴろりん
≪兵力増強≫
もこもこ三体が仲間に加わった。
ちゃんちゃん
699: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:46:58.07 ID:hrEg79a70
61
--西の王国国境--
潜入長(それ見たことですか。国境の壁の中への潜入などお茶のこさいさいです)
数日の間内部を調べていた潜入長は最後の任務に当たろうとしていた。
潜入長(……三強クラスの実力を調べよ……か。確かにこれは難しい)
三強が戦うところを見るか、三強と戦わなくてはならないということ。
潜入長(今は西の王国ですから、三本角、ですよね。変化師、槍兵、それとろくに情報が開示されていない機械の兵隊……)
ざり
潜入長(!気配!)
西の見回り「ん? そこに誰かいるのか?」
西の見回りは蝋燭をこちらに向ける。潜入長は物陰に身を隠した。
--西の王国国境--
潜入長(それ見たことですか。国境の壁の中への潜入などお茶のこさいさいです)
数日の間内部を調べていた潜入長は最後の任務に当たろうとしていた。
潜入長(……三強クラスの実力を調べよ……か。確かにこれは難しい)
三強が戦うところを見るか、三強と戦わなくてはならないということ。
潜入長(今は西の王国ですから、三本角、ですよね。変化師、槍兵、それとろくに情報が開示されていない機械の兵隊……)
ざり
潜入長(!気配!)
西の見回り「ん? そこに誰かいるのか?」
西の見回りは蝋燭をこちらに向ける。潜入長は物陰に身を隠した。
700: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:47:45.42 ID:hrEg79a70
62
--西の王国国境--
西の見回り「……」
かつんかつん
潜入長(……さてどうしましょうか。騒ぎを起こして三強を呼び寄せるというのもありなんですが、問題なのは私一人では三強を相手取れない……)
かつんかつん
潜入長(……暗殺しますか)
潜入長はポケットから鼠を一匹放つ。
鼠「ちゅーちゅー」
西の見回り「なんだ、鼠か」
--西の王国国境--
西の見回り「……」
かつんかつん
潜入長(……さてどうしましょうか。騒ぎを起こして三強を呼び寄せるというのもありなんですが、問題なのは私一人では三強を相手取れない……)
かつんかつん
潜入長(……暗殺しますか)
潜入長はポケットから鼠を一匹放つ。
鼠「ちゅーちゅー」
西の見回り「なんだ、鼠か」
701: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:48:20.32 ID:hrEg79a70
63
--西の王国国境--
潜入長「……」
西の見回り「……一応確認しておくか」
潜入長(!)
西の見回りは足を止めなかった。
潜入長(仕方ない……スキル、インビジボォ)
ジジ
西の見回り「……やっぱり誰もいないか」
潜入長の姿は完全に消えていて見回りの目には映らない。
潜入長「……」
--西の王国国境--
潜入長「……」
西の見回り「……一応確認しておくか」
潜入長(!)
西の見回りは足を止めなかった。
潜入長(仕方ない……スキル、インビジボォ)
ジジ
西の見回り「……やっぱり誰もいないか」
潜入長の姿は完全に消えていて見回りの目には映らない。
潜入長「……」
702: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:48:51.97 ID:hrEg79a70
64
--西の王国国境--
くる
西の見回りが後ろを向いた瞬間、
がぎっ
西の見回り「!?」
潜入長は見回りの両腕を捻あげ、首に腕を回し、絞める。
ぎぎぎ
西の見回り「が、ががっ」
ぎりぎりぎり
西の見回り「ぎひゅ……」
がくん
--西の王国国境--
くる
西の見回りが後ろを向いた瞬間、
がぎっ
西の見回り「!?」
潜入長は見回りの両腕を捻あげ、首に腕を回し、絞める。
ぎぎぎ
西の見回り「が、ががっ」
ぎりぎりぎり
西の見回り「ぎひゅ……」
がくん
703: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:49:29.08 ID:hrEg79a70
65
--西の王国国境--
潜入長「……ふぅ」
潜入長は見回りを床に下ろし衣服を奪った。
潜入長(もう少し、接近してみますか)
潜入長は見回りの服を着る。
潜入長「とっ」
潜入長はのびた見回りに手をやる。
潜入長(このままではすぐに気づかれますね。スキル、インビジボォ)
ジジ
スキルを見回りにかけると、すぐさま姿が見えなくなる。
潜入長(よし)
立ち上がった潜入長。
潜入長(あ……精神に潜入すればよかった……)
--西の王国国境--
潜入長「……ふぅ」
潜入長は見回りを床に下ろし衣服を奪った。
潜入長(もう少し、接近してみますか)
潜入長は見回りの服を着る。
潜入長「とっ」
潜入長はのびた見回りに手をやる。
潜入長(このままではすぐに気づかれますね。スキル、インビジボォ)
ジジ
スキルを見回りにかけると、すぐさま姿が見えなくなる。
潜入長(よし)
立ち上がった潜入長。
潜入長(あ……精神に潜入すればよかった……)
704: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:49:55.63 ID:hrEg79a70
66
--西の王国国境--
かつんかつん
すれ違う兵と潜入長。
潜入長(制服のデザインに違いはない……見回りなんかじゃなくて三強の部隊に潜りこむことはできるかしら)
かつんかつん
潜入長(いや……戦闘部隊が互いに互いを知らないわけがない)
かつんかつん
潜入長(まて……鎧をつけていればわからないか……?そんな実習があればいいが)
その時、
かつんかつん
潜入長(ん、また兵か……!)
--西の王国国境--
かつんかつん
すれ違う兵と潜入長。
潜入長(制服のデザインに違いはない……見回りなんかじゃなくて三強の部隊に潜りこむことはできるかしら)
かつんかつん
潜入長(いや……戦闘部隊が互いに互いを知らないわけがない)
かつんかつん
潜入長(まて……鎧をつけていればわからないか……?そんな実習があればいいが)
その時、
かつんかつん
潜入長(ん、また兵か……!)
705: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:50:26.97 ID:hrEg79a70
67
--西の王国国境--
槍兵「ふぁぁあ」
あくびをしながら角を曲がってきたのは、
潜入長(西の三本角、槍兵!!)
目標とする三強だった。
どっどっどっどっ
潜入長(あ、慌てちゃいけない、殺気も抱いちゃだめだ、すぐに感付かれる……自然に)
槍兵「ん?」
潜入長「お勤めご苦労様であります!」
道を開け、直立不動で敬礼をする。
--西の王国国境--
槍兵「ふぁぁあ」
あくびをしながら角を曲がってきたのは、
潜入長(西の三本角、槍兵!!)
目標とする三強だった。
どっどっどっどっ
潜入長(あ、慌てちゃいけない、殺気も抱いちゃだめだ、すぐに感付かれる……自然に)
槍兵「ん?」
潜入長「お勤めご苦労様であります!」
道を開け、直立不動で敬礼をする。
706: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:51:06.80 ID:hrEg79a70
68
--西の王国国境--
槍兵「おぉ」
かつんかつん
槍兵が潜入長の前を過ぎていく。
潜入長(!! 槍を、持っていない)
それは当然のことと言えた。この狭い城内で槍は邪魔なだけ。普段から持ち歩いているはずがないのだ。
どっどっどっどっ
潜入長(槍がない、のならいくら三強でも倒せるのではないでしょうか……)
どっどっどっどっ
心臓の鼓動が高まる。
--西の王国国境--
槍兵「おぉ」
かつんかつん
槍兵が潜入長の前を過ぎていく。
潜入長(!! 槍を、持っていない)
それは当然のことと言えた。この狭い城内で槍は邪魔なだけ。普段から持ち歩いているはずがないのだ。
どっどっどっどっ
潜入長(槍がない、のならいくら三強でも倒せるのではないでしょうか……)
どっどっどっどっ
心臓の鼓動が高まる。
707: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:51:49.80 ID:hrEg79a70
69
--西の王国国境--
潜入長(はっ、駄目、今倒しても意味がない。心を沈めないと)
槍兵「……」
潜入長「ッ!?」
歩き去ったと思われた槍兵は、振り返ってじっと潜入長を見ていた。
槍兵(今……微弱だが殺気を感じたぞ?心拍数も上がった)
槍兵の感知能力。
潜入長(まずいっ)
槍兵「……なぁお前、どこの部隊のもんだ?」
槍兵は踵を返した。
--西の王国国境--
潜入長(はっ、駄目、今倒しても意味がない。心を沈めないと)
槍兵「……」
潜入長「ッ!?」
歩き去ったと思われた槍兵は、振り返ってじっと潜入長を見ていた。
槍兵(今……微弱だが殺気を感じたぞ?心拍数も上がった)
槍兵の感知能力。
潜入長(まずいっ)
槍兵「……なぁお前、どこの部隊のもんだ?」
槍兵は踵を返した。
708: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:52:19.07 ID:hrEg79a70
70
--西の王国国境--
かつん、かつん
潜入長(まずい! 気付かれましたか!?)
槍兵「……」
潜入長(獲物を持っていないんですからいざとなれば実力行使も……)
潜入長ははやる心を沈める。
潜入長「私は国境警備隊城壁内部所属、見回り兵であります!」
槍兵「っと」
潜入長があまりにはっきりと言い切ったため、槍兵は鳩が豆でっぽうをくらったような顔になる。
槍兵(ん……)
槍兵は顎に手をあて、
槍兵「そっか。だがお前、なんで今俺に殺気を向けた?」
--西の王国国境--
かつん、かつん
潜入長(まずい! 気付かれましたか!?)
槍兵「……」
潜入長(獲物を持っていないんですからいざとなれば実力行使も……)
潜入長ははやる心を沈める。
潜入長「私は国境警備隊城壁内部所属、見回り兵であります!」
槍兵「っと」
潜入長があまりにはっきりと言い切ったため、槍兵は鳩が豆でっぽうをくらったような顔になる。
槍兵(ん……)
槍兵は顎に手をあて、
槍兵「そっか。だがお前、なんで今俺に殺気を向けた?」
709: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:52:59.66 ID:hrEg79a70
71
--西の王国国境--
潜入長(やはりばれているか……!)
槍兵の質問という槍が潜入長の喉元に。
潜入長(……どうすれば切り抜けられる? ……この人はジョークが通じるのか……?)「それは……私が……私が狙っているのは……槍兵様だからです」
槍兵「! ……俺を狙う……だと?」
槍兵はまたも予想にしない返答で困惑している。
潜入長「お、恐れ多いことですが、わ、私の狙いは……この国の三強になることです!」
槍兵「! ……ほぉ……あぁそういうことか」
槍兵はなるほどなんて言いながらうれしそうな口角をあげ、獣のような目付きにかわる。
槍兵「お前、俺の場所を狙ってるのか。たかが見回りの分際で」
潜入長「は、はい!」
--西の王国国境--
潜入長(やはりばれているか……!)
槍兵の質問という槍が潜入長の喉元に。
潜入長(……どうすれば切り抜けられる? ……この人はジョークが通じるのか……?)「それは……私が……私が狙っているのは……槍兵様だからです」
槍兵「! ……俺を狙う……だと?」
槍兵はまたも予想にしない返答で困惑している。
潜入長「お、恐れ多いことですが、わ、私の狙いは……この国の三強になることです!」
槍兵「! ……ほぉ……あぁそういうことか」
槍兵はなるほどなんて言いながらうれしそうな口角をあげ、獣のような目付きにかわる。
槍兵「お前、俺の場所を狙ってるのか。たかが見回りの分際で」
潜入長「は、はい!」
710: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:53:27.51 ID:hrEg79a70
72
--西の王国国境--
槍兵「それで殺気を……? ふん、おもしれぇ」
槍兵はクックッと笑う。
槍兵「殺したいほど俺が邪魔で、殺してでもこの座を奪い取ろう、ってか」
ず
潜入長「!!」
滲み出る槍兵の魔力。
量そのものは大したことは無い、だが修練の厚みを感じる。
潜入長(ぐ!! ……ば、馬鹿だった、勝てない……槍が無くとも……勝てない)
槍兵「どうだ、手合わせでもしてみるか?」
--西の王国国境--
槍兵「それで殺気を……? ふん、おもしれぇ」
槍兵はクックッと笑う。
槍兵「殺したいほど俺が邪魔で、殺してでもこの座を奪い取ろう、ってか」
ず
潜入長「!!」
滲み出る槍兵の魔力。
量そのものは大したことは無い、だが修練の厚みを感じる。
潜入長(ぐ!! ……ば、馬鹿だった、勝てない……槍が無くとも……勝てない)
槍兵「どうだ、手合わせでもしてみるか?」
711: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:53:55.59 ID:hrEg79a70
73
--西の王国国境--
潜入長(とんでもない……! 私は考えが甘かった……! 仮にもこの人はこの歳で国の三強なんだ……!)
潜入長は目を合わすことすら出来ない。
潜入長「……い、いえ、やめておきます」
槍兵「ふぅん、実力の程はわかるみたいだな。まぁいいや気に入った。いいぜ、いつでも殺しにこいよ」
槍兵は上機嫌になり、潜入長の背中を叩く。
ばんっ!
潜入長(いたっ)
槍兵「ん? なんだ男のわりに線が細いと思ったら女か?」
潜入長「は、はい」
槍兵「ふーん……まぁいいや、飯でも食いにいこうぜ」
--西の王国国境--
潜入長(とんでもない……! 私は考えが甘かった……! 仮にもこの人はこの歳で国の三強なんだ……!)
潜入長は目を合わすことすら出来ない。
潜入長「……い、いえ、やめておきます」
槍兵「ふぅん、実力の程はわかるみたいだな。まぁいいや気に入った。いいぜ、いつでも殺しにこいよ」
槍兵は上機嫌になり、潜入長の背中を叩く。
ばんっ!
潜入長(いたっ)
槍兵「ん? なんだ男のわりに線が細いと思ったら女か?」
潜入長「は、はい」
槍兵「ふーん……まぁいいや、飯でも食いにいこうぜ」
712: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:54:42.70 ID:hrEg79a70
74
--西の王国国境--
潜入長「は、はい……はい?」
槍兵「あ? 飯だよ飯」
予想外の言葉に今度は潜入長が困惑する。
潜入長「え、え? い、いやでも私は仕事もありますし」
槍兵「だーいじょぶだって、俺がなんとかすっから。つれがいないと飯も美味くないし」
がしっ
潜入長「……え、ええぇえぇぇー!?」
ずるずるずる
連れていかれる潜入長。
--西の王国国境--
潜入長「は、はい……はい?」
槍兵「あ? 飯だよ飯」
予想外の言葉に今度は潜入長が困惑する。
潜入長「え、え? い、いやでも私は仕事もありますし」
槍兵「だーいじょぶだって、俺がなんとかすっから。つれがいないと飯も美味くないし」
がしっ
潜入長「……え、ええぇえぇぇー!?」
ずるずるずる
連れていかれる潜入長。
713: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:55:21.23 ID:hrEg79a70
75
--ジャングル--
姫「きゃっきゃっ!」
もこいち「もっきゅもっきゅ!」
姫ともこもこ達はくんずほぐれつ遊んでいる。
突撃長「ほっほっ。賑やかになってきましたな」
たんぽぽ星人「あぁ……うるさいペット共だ、犬小屋が欲しいぜ……」
お茶してる二人(?)。
参謀長(お前もその小屋入れよ)
--ジャングル--
姫「きゃっきゃっ!」
もこいち「もっきゅもっきゅ!」
姫ともこもこ達はくんずほぐれつ遊んでいる。
突撃長「ほっほっ。賑やかになってきましたな」
たんぽぽ星人「あぁ……うるさいペット共だ、犬小屋が欲しいぜ……」
お茶してる二人(?)。
参謀長(お前もその小屋入れよ)
714: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:55:47.92 ID:hrEg79a70
76
--ジャングル--
だんだんっ!
その時家のドアが叩かれる。
突撃長「はいはいどちらさまですじゃ?」
ぎぃ
参謀長(きたか)
黒肌の青年「サンボウはいるか!」
息を荒くして青年は参謀長を呼んだ。
参謀長「……ん? どうしたんだ青年」
黒肌の青年「む、村のみんなの調子がおかしいんだ! たくさんのみんなが、苦しみ始めた!」
--ジャングル--
だんだんっ!
その時家のドアが叩かれる。
突撃長「はいはいどちらさまですじゃ?」
ぎぃ
参謀長(きたか)
黒肌の青年「サンボウはいるか!」
息を荒くして青年は参謀長を呼んだ。
参謀長「……ん? どうしたんだ青年」
黒肌の青年「む、村のみんなの調子がおかしいんだ! たくさんのみんなが、苦しみ始めた!」
715: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:56:14.02 ID:hrEg79a70
77
--ジャングル--
参謀長「なんだって」
参謀長は立ち上がる。
黒肌の青年「たのむ、お前知識ある。力を貸してくれ……」
ばっ!
青年は腰を低くして頭を下げた。
参謀長「……わかった、すぐにいく」
参謀長は道具をカバンに次々と放り込む。
参謀長「突撃長さん、あとお願いします」
突撃長「あ、あぁ了解しましたですじゃ」
バタン
たんぽぽ星人「ひどい慌てようだったな……」
突撃長(……ろくに症状も聞かずに……?)
姫「きゃっきゃっ」
もこじ「もきゅう!」
--ジャングル--
参謀長「なんだって」
参謀長は立ち上がる。
黒肌の青年「たのむ、お前知識ある。力を貸してくれ……」
ばっ!
青年は腰を低くして頭を下げた。
参謀長「……わかった、すぐにいく」
参謀長は道具をカバンに次々と放り込む。
参謀長「突撃長さん、あとお願いします」
突撃長「あ、あぁ了解しましたですじゃ」
バタン
たんぽぽ星人「ひどい慌てようだったな……」
突撃長(……ろくに症状も聞かずに……?)
姫「きゃっきゃっ」
もこじ「もきゅう!」
716: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:57:00.60 ID:hrEg79a70
78
--ジャングル--
参謀長「……」
黒肌の青年「ど、どうだ?」
参謀長はうなされている十二人の子供と六人の大人を順に見て回った。
参謀長「嘔吐、発熱、痙攣……それと肌が若干赤く変色している……」
黒肌の青年「サンボウ! なんとかなりそうか?」
参謀長「際どいところだな……これはあるモンスターの毒だな」
黒肌の青年「モンスターの……!? 嘘だ、こんな症状みたことがないぞ!! 俺達このジャングルの全部知ってる!!」
参謀長「それはおごりだ青年。こいつは普段地中にいるんだ。それが数百年に一度だけ地表に姿を表す奇妙なモンスター、見たことがなくても当たり前だ」
黒肌の青年「! ……サンボウは見たことあるのか?」
参謀長「あぁ。違う土地に行った時に見た。そして俺も毒にあてられた」
--ジャングル--
参謀長「……」
黒肌の青年「ど、どうだ?」
参謀長はうなされている十二人の子供と六人の大人を順に見て回った。
参謀長「嘔吐、発熱、痙攣……それと肌が若干赤く変色している……」
黒肌の青年「サンボウ! なんとかなりそうか?」
参謀長「際どいところだな……これはあるモンスターの毒だな」
黒肌の青年「モンスターの……!? 嘘だ、こんな症状みたことがないぞ!! 俺達このジャングルの全部知ってる!!」
参謀長「それはおごりだ青年。こいつは普段地中にいるんだ。それが数百年に一度だけ地表に姿を表す奇妙なモンスター、見たことがなくても当たり前だ」
黒肌の青年「! ……サンボウは見たことあるのか?」
参謀長「あぁ。違う土地に行った時に見た。そして俺も毒にあてられた」
717: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:57:54.49 ID:hrEg79a70
79
--ジャングル--
黒肌の青年「さ、サンボウは今生きてる! ならみんなも治るのか!?」
黒肌の青年は額に汗をにじませ、必死の表情で参謀長を見ている。
参謀長「あぁ毒さえなんとかすればな。青年、この間与えた作物はどうしている?」
黒肌の青年「さ、作物は、育てている! 土に入れたらあっという間に増えた!」
参謀長「よし、五本ばかり抜いてこい。そっちのあんたは川の水をくんできてくれ」
黒肌のおばさん「わ、わかったわ」
参謀長は手際よく指示を出していく。
参謀長「--! --!」
スッ
黒肌の刺青「……」
全身に刺青を彫った男が、ただじっと参謀長を見ていた。
--ジャングル--
黒肌の青年「さ、サンボウは今生きてる! ならみんなも治るのか!?」
黒肌の青年は額に汗をにじませ、必死の表情で参謀長を見ている。
参謀長「あぁ毒さえなんとかすればな。青年、この間与えた作物はどうしている?」
黒肌の青年「さ、作物は、育てている! 土に入れたらあっという間に増えた!」
参謀長「よし、五本ばかり抜いてこい。そっちのあんたは川の水をくんできてくれ」
黒肌のおばさん「わ、わかったわ」
参謀長は手際よく指示を出していく。
参謀長「--! --!」
スッ
黒肌の刺青「……」
全身に刺青を彫った男が、ただじっと参謀長を見ていた。
718: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/06/26(火) 00:59:03.05 ID:hrEg79a70
80
--ジャングル--
ぐつぐつ
参謀長は黄金もろこしを材料にコーンスープを作っている。
黒肌の青年「しっかり! しっかりするんだみんなっ! サンボウ! まだなのか!?」
参謀長「ん……よし、みんなにこれを少しずつ飲ませてやってくれ」
黒肌の青年「あちっ!? ……熱い水……?」
参謀長「火傷しないようにゆっくりとな」
黒肌のおばさん「? わ、わかった!」
参謀長は病人達がコーンスープを飲むところを見ている。
参謀長(やれやれ……これで一段落か)
--ジャングル--
ぐつぐつ
参謀長は黄金もろこしを材料にコーンスープを作っている。
黒肌の青年「しっかり! しっかりするんだみんなっ! サンボウ! まだなのか!?」
参謀長「ん……よし、みんなにこれを少しずつ飲ませてやってくれ」
黒肌の青年「あちっ!? ……熱い水……?」
参謀長「火傷しないようにゆっくりとな」
黒肌のおばさん「? わ、わかった!」
参謀長は病人達がコーンスープを飲むところを見ている。
参謀長(やれやれ……これで一段落か)
724: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:13:57.80 ID:Wl36NQv60
81
--ジャングル--
次の日。
黒肌の青年「やった! やったよサンボウ! みんな元気になった!」
参謀長「よかった……俺も嬉しいよ青年」
黒肌のおばさん「ありがとう、ありがとうサンボウ!」
おばさんは泣きながら参謀長の手を握る。
参謀長「出来ることをしたまでだ。あとみんなもあれを飲んでくれ。お前達も知らないうちに毒を吸っているかもしれないだろ?それに栄養だっていい」
黒肌の青年「わかった!みんな飲もう! 作り方を教えてくれサンボウ!」
わいわいきゃっきゃっ
黒肌の刺青「……」
刺青の男が参謀長を遠くから睨み付けている。
黒肌の刺青(おかしい……なにかおかしい。あの男、なにかあやしい)
--ジャングル--
次の日。
黒肌の青年「やった! やったよサンボウ! みんな元気になった!」
参謀長「よかった……俺も嬉しいよ青年」
黒肌のおばさん「ありがとう、ありがとうサンボウ!」
おばさんは泣きながら参謀長の手を握る。
参謀長「出来ることをしたまでだ。あとみんなもあれを飲んでくれ。お前達も知らないうちに毒を吸っているかもしれないだろ?それに栄養だっていい」
黒肌の青年「わかった!みんな飲もう! 作り方を教えてくれサンボウ!」
わいわいきゃっきゃっ
黒肌の刺青「……」
刺青の男が参謀長を遠くから睨み付けている。
黒肌の刺青(おかしい……なにかおかしい。あの男、なにかあやしい)
725: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:14:32.71 ID:Wl36NQv60
82
--ジャングル--
参謀長「ただいま戻りました」
突撃長「あ、お帰りなさいですじゃ。もうすぐご飯できますですじゃ」
参謀長「なぜに●エプロンなんですか……」
老いてなお逞しいけつっぷりである。
突撃長「いや、姫さまが●エプロンをご所望されましてな」
参謀長(どんな需要があるんだどんな)
そういいつつ、そのゴツゴツした傷だらけの背中から目を話せない。
たんぽぽ星人「おい……」
--ジャングル--
参謀長「ただいま戻りました」
突撃長「あ、お帰りなさいですじゃ。もうすぐご飯できますですじゃ」
参謀長「なぜに●エプロンなんですか……」
老いてなお逞しいけつっぷりである。
突撃長「いや、姫さまが●エプロンをご所望されましてな」
参謀長(どんな需要があるんだどんな)
そういいつつ、そのゴツゴツした傷だらけの背中から目を話せない。
たんぽぽ星人「おい……」
726: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:15:02.35 ID:Wl36NQv60
83
--ジャングル--
姫「わーいっ! キラーキャット鍋だーっ!」
参謀長「! このジャングルの中でもかなり強いモンスターじゃないですか。たしか立って近づくものを全て切り裂くという……一体誰が」
もこいち「僕達もきゅ」
もこもこ達はとことこと歩いて姫の足元に。
参謀長「……は?」
あからさまに、ねぇよ、って表情を作る。
もこじ「本当もきゅ。この程度なんらわけないもきゅ」
もこぞう「所詮僕らの劣化コピーもきゅ」
参謀長(何言ってんだこいつら)
--ジャングル--
姫「わーいっ! キラーキャット鍋だーっ!」
参謀長「! このジャングルの中でもかなり強いモンスターじゃないですか。たしか立って近づくものを全て切り裂くという……一体誰が」
もこいち「僕達もきゅ」
もこもこ達はとことこと歩いて姫の足元に。
参謀長「……は?」
あからさまに、ねぇよ、って表情を作る。
もこじ「本当もきゅ。この程度なんらわけないもきゅ」
もこぞう「所詮僕らの劣化コピーもきゅ」
参謀長(何言ってんだこいつら)
727: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:15:46.61 ID:Wl36NQv60
84
--ジャングル--
ごきぶり長「参謀長様参謀長様」
かさかさかさ
参謀長「ひぃっ!? びっくりした! なんだ黒き長」
ごきぶり長「驚かしてすまないごき。ただ例の練習の成果を見てもらいたいごき」
参謀長「あぁ、なるほど。わかった」
ごきぶり長「それから、うちの若いのが言うにはこのジャングルに余所者が10くらい入ってきたらしいごき」
参謀長「……それは気になるな。そいつらをちゃんとマークさせておいてくれ」
ごきぶり長「了解ごき。大恩ある参謀長様の望みとあらば。では我らの特訓の成果を見て頂きたいごき」
参謀長「あぁ」
家の外に向かう参謀長。
参謀長(潜入長はしっかりやっているんでしょうか。無事に帰ってきて下さいよ)
--ジャングル--
ごきぶり長「参謀長様参謀長様」
かさかさかさ
参謀長「ひぃっ!? びっくりした! なんだ黒き長」
ごきぶり長「驚かしてすまないごき。ただ例の練習の成果を見てもらいたいごき」
参謀長「あぁ、なるほど。わかった」
ごきぶり長「それから、うちの若いのが言うにはこのジャングルに余所者が10くらい入ってきたらしいごき」
参謀長「……それは気になるな。そいつらをちゃんとマークさせておいてくれ」
ごきぶり長「了解ごき。大恩ある参謀長様の望みとあらば。では我らの特訓の成果を見て頂きたいごき」
参謀長「あぁ」
家の外に向かう参謀長。
参謀長(潜入長はしっかりやっているんでしょうか。無事に帰ってきて下さいよ)
728: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:16:15.89 ID:Wl36NQv60
85
--西の王国国境--
槍兵「おらーもっと飲めやー!」
潜入長「うぶ、私あまりお酒強くないんで……」
--西の王国国境--
槍兵「おらーもっと飲めやー!」
潜入長「うぶ、私あまりお酒強くないんで……」
729: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:16:44.67 ID:Wl36NQv60
86
--ジャングル--
がさがさ
?「うーん……これめっちゃ道間違えてるよなぁ……」
??「多分……バジリスクを使えれば空から場所を確認できるのですが、今魔力が……」
小さな子供達を真ん中に集め、挟むようにして会話する二人。
緑毛の子供「ここ……怖いよぉ」
犬耳の子供「きゃうぅ……」
--ジャングル--
がさがさ
?「うーん……これめっちゃ道間違えてるよなぁ……」
??「多分……バジリスクを使えれば空から場所を確認できるのですが、今魔力が……」
小さな子供達を真ん中に集め、挟むようにして会話する二人。
緑毛の子供「ここ……怖いよぉ」
犬耳の子供「きゃうぅ……」
730: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:17:24.06 ID:Wl36NQv60
87
--ジャングル--
??「ごめんね。もう少しだけ我慢してね。もうすぐなんとかなるからね」
?「ち……ジャングルに入れば追っ手をまけると思ったが……ちと軽はずみだったなぁ」
ボリボリと頭をかく男。
がさがさ
きーきー
?「!……」
きょきょきょきょきょ
??「……何が潜んでいるかわからない……ジャングルは……怖いですね」
--ジャングル--
??「ごめんね。もう少しだけ我慢してね。もうすぐなんとかなるからね」
?「ち……ジャングルに入れば追っ手をまけると思ったが……ちと軽はずみだったなぁ」
ボリボリと頭をかく男。
がさがさ
きーきー
?「!……」
きょきょきょきょきょ
??「……何が潜んでいるかわからない……ジャングルは……怖いですね」
731: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:17:55.65 ID:Wl36NQv60
88
--ジャングル--
朝。
姫「姫ちゃんなう!」
参謀長「うるせえとってこい!」
ブン!
参謀長は骨を窓の外に放り投げる。
姫「わんわん!」
姫は窓から骨を追って飛び出していった。
たんぽぽ星人「ふぅ……姫の扱われ方が不憫でならないぜ」
参謀長「それでは作戦フェイズに移行する」
--ジャングル--
朝。
姫「姫ちゃんなう!」
参謀長「うるせえとってこい!」
ブン!
参謀長は骨を窓の外に放り投げる。
姫「わんわん!」
姫は窓から骨を追って飛び出していった。
たんぽぽ星人「ふぅ……姫の扱われ方が不憫でならないぜ」
参謀長「それでは作戦フェイズに移行する」
732: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:18:26.45 ID:Wl36NQv60
89
--ジャングル--
参謀長「まず今回の目的はずばり、原住民を我が王国に加入させることです」
突撃長「ふむ……しかしそう簡単にいきますかな」
参謀長「四日前に私達が力を貸して以来、彼らは友好的です。少なくとも悪く思ってはいない。後は理由さえ作ればいい」
突撃長「理由……?」
参謀長「私達が必要不可欠な存在なんだと思わせるような」
たんぽぽ星人(こいつ……)
参謀長「既に手は打ってあります。後は」
だんだん!
その時、ドアが強く叩かれた。
--ジャングル--
参謀長「まず今回の目的はずばり、原住民を我が王国に加入させることです」
突撃長「ふむ……しかしそう簡単にいきますかな」
参謀長「四日前に私達が力を貸して以来、彼らは友好的です。少なくとも悪く思ってはいない。後は理由さえ作ればいい」
突撃長「理由……?」
参謀長「私達が必要不可欠な存在なんだと思わせるような」
たんぽぽ星人(こいつ……)
参謀長「既に手は打ってあります。後は」
だんだん!
その時、ドアが強く叩かれた。
733: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:18:58.39 ID:Wl36NQv60
90
--ジャングル--
黒肌の青年「サンボウ! サンボウ!」
がちゃり
参謀長「どうした青年、そんなに慌てて」
ドアの向こうには息を切らした青年がいた。
黒肌の青年「はっ、はっ……! あ、悪魔が!悪魔があらわれたんだ! 俺達に力を貸してほしいサンボウ!」
突撃長「悪魔……?」
たんぽぽ星人「モンスターでも現れやがったか?」
参謀長「……」
--ジャングル--
黒肌の青年「サンボウ! サンボウ!」
がちゃり
参謀長「どうした青年、そんなに慌てて」
ドアの向こうには息を切らした青年がいた。
黒肌の青年「はっ、はっ……! あ、悪魔が!悪魔があらわれたんだ! 俺達に力を貸してほしいサンボウ!」
突撃長「悪魔……?」
たんぽぽ星人「モンスターでも現れやがったか?」
参謀長「……」
734: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:19:31.27 ID:Wl36NQv60
91
--ジャングル--
《実行フェイズ》
黒肌の老夫人「う、うぅ……爺さま……」
参謀長「これはひどい……」
そこには全身を中から食い破られたような、無残な死体があった。
黒肌の青年「目撃した子供らが言うには真っ黒の毛皮の大きなモンスターだったらしい。あと鳴き声はバチバチだったそうだ」
突撃長「バチバチ……ふむ」
たんぽぽ星人「むごい殺しをしやがるぜ……」
突撃長「……どんな手段を使って殺したのかわからんですじゃ」
突撃長はそっと目を閉じてやる。
--ジャングル--
《実行フェイズ》
黒肌の老夫人「う、うぅ……爺さま……」
参謀長「これはひどい……」
そこには全身を中から食い破られたような、無残な死体があった。
黒肌の青年「目撃した子供らが言うには真っ黒の毛皮の大きなモンスターだったらしい。あと鳴き声はバチバチだったそうだ」
突撃長「バチバチ……ふむ」
たんぽぽ星人「むごい殺しをしやがるぜ……」
突撃長「……どんな手段を使って殺したのかわからんですじゃ」
突撃長はそっと目を閉じてやる。
735: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:19:58.63 ID:Wl36NQv60
92
--ジャングル--
参謀長「突撃長さんとたんぽぽ星人はさっき言った通り、あの槍を持ってジャングルに」
突撃長「わかりましたですじゃ」
たんぽぽ星人「了解した」
黄金もろこしの葉で装飾された槍を二人は持っていた。
黒肌の青年「だ、大丈夫なのかサンボウ!」
参謀長「わからない。だが心配するな、この黄金もろこしにはモンスターが嫌がる力が備わっている……らしい」
黒肌の青年「ほ、本当なのか?」
参謀長「それをこれから試すんだ」
ざっ
黒肌の刺青「おい薄肌」
--ジャングル--
参謀長「突撃長さんとたんぽぽ星人はさっき言った通り、あの槍を持ってジャングルに」
突撃長「わかりましたですじゃ」
たんぽぽ星人「了解した」
黄金もろこしの葉で装飾された槍を二人は持っていた。
黒肌の青年「だ、大丈夫なのかサンボウ!」
参謀長「わからない。だが心配するな、この黄金もろこしにはモンスターが嫌がる力が備わっている……らしい」
黒肌の青年「ほ、本当なのか?」
参謀長「それをこれから試すんだ」
ざっ
黒肌の刺青「おい薄肌」
736: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:20:27.06 ID:Wl36NQv60
93
--ジャングル--
参謀長「!」
黒肌の青年「! 長の子!」
黒肌の人々が道をあける。
参謀長「……俺のことか? なんだ?」
黒肌の刺青「……」
刺青男は参謀長を品定めでもするかのように、周りをぐるりと回った。
黒肌の刺青「俺は、お前達を信じない」
ざわ
参謀長「……」
黒肌の青年「お、長の子!」
--ジャングル--
参謀長「!」
黒肌の青年「! 長の子!」
黒肌の人々が道をあける。
参謀長「……俺のことか? なんだ?」
黒肌の刺青「……」
刺青男は参謀長を品定めでもするかのように、周りをぐるりと回った。
黒肌の刺青「俺は、お前達を信じない」
ざわ
参謀長「……」
黒肌の青年「お、長の子!」
737: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:21:31.03 ID:Wl36NQv60
94
--ジャングル--
黒肌の刺青「お前達、何か嫌な臭いがする。何かがおかしい」
参謀長「……そう言われてもな」
黒肌の刺青「」
ひゅっ!
突撃長「!!」
ざわざわ
黒肌の刺青は参謀長の喉元に槍を近付ける。
じり
黒肌の刺青「……」
参謀長「……」
--ジャングル--
黒肌の刺青「お前達、何か嫌な臭いがする。何かがおかしい」
参謀長「……そう言われてもな」
黒肌の刺青「」
ひゅっ!
突撃長「!!」
ざわざわ
黒肌の刺青は参謀長の喉元に槍を近付ける。
じり
黒肌の刺青「……」
参謀長「……」
738: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:22:22.84 ID:Wl36NQv60
95
--ジャングル--
参謀長「……理由がよくわからないが、俺達のことが嫌いだというのなら、俺達はどうしたらいい? 素直に何もしないで帰ればいいのか?」
ざわ
黒肌のおばちゃん「それは困るよ」
黒肌の少年「サンボウは僕達を助けてくれたよ!」
ざわざわ
黒肌の刺青「黙れっ!!」
刺青の一喝で、村人達は静かになる。
黒肌の刺青「……俺も行く。それでお前達を見定める」
参謀長「危険かもしれないぞ?」
黒肌の刺青「はっ」
刺青は笑う。
黒肌の刺青「はははははっ! 俺達戦士は死を恐れない! 我らに宿る偉大なる先祖の血は、戦い、そして死ぬことこそ誇りを持つのだ!」
参謀長「……わかった、身の安全は保証出来ないが、同行してくれ」
--ジャングル--
参謀長「……理由がよくわからないが、俺達のことが嫌いだというのなら、俺達はどうしたらいい? 素直に何もしないで帰ればいいのか?」
ざわ
黒肌のおばちゃん「それは困るよ」
黒肌の少年「サンボウは僕達を助けてくれたよ!」
ざわざわ
黒肌の刺青「黙れっ!!」
刺青の一喝で、村人達は静かになる。
黒肌の刺青「……俺も行く。それでお前達を見定める」
参謀長「危険かもしれないぞ?」
黒肌の刺青「はっ」
刺青は笑う。
黒肌の刺青「はははははっ! 俺達戦士は死を恐れない! 我らに宿る偉大なる先祖の血は、戦い、そして死ぬことこそ誇りを持つのだ!」
参謀長「……わかった、身の安全は保証出来ないが、同行してくれ」
739: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:23:05.04 ID:Wl36NQv60
96
--西の王国国境--
潜入長(ある程度戦闘力はわかりました。槍兵の部隊演習にも参加出来ましたし……長いは無用ですね。そろそろスキル効果も危うい)
潜入長は誰に気付かれることなく砦を移動し見張りのいる位置まで来る。
潜入長(ん、どうしましょうか。入ってきた時のように馬車が偶然通りかかるのを待つわけにはいかないですし)
潜入長は姿を透明にし、馬車の主に気付かれることなく潜りこんだのだった。
潜入長(さすがに……透明になったぐらいじゃ見張りの目は誤魔化せないですよね)
潜入長は物陰から見張りをじっと見ている。
潜入長(騒ぎを起こして注意をそちらに向けるのもありでしょうが、そんなことをしたら槍兵がくる可能性もありますし、得策じゃあないですね)
若い見張り「……」
--西の王国国境--
潜入長(ある程度戦闘力はわかりました。槍兵の部隊演習にも参加出来ましたし……長いは無用ですね。そろそろスキル効果も危うい)
潜入長は誰に気付かれることなく砦を移動し見張りのいる位置まで来る。
潜入長(ん、どうしましょうか。入ってきた時のように馬車が偶然通りかかるのを待つわけにはいかないですし)
潜入長は姿を透明にし、馬車の主に気付かれることなく潜りこんだのだった。
潜入長(さすがに……透明になったぐらいじゃ見張りの目は誤魔化せないですよね)
潜入長は物陰から見張りをじっと見ている。
潜入長(騒ぎを起こして注意をそちらに向けるのもありでしょうが、そんなことをしたら槍兵がくる可能性もありますし、得策じゃあないですね)
若い見張り「……」
740: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:23:40.25 ID:Wl36NQv60
97
--西の王国国境--
潜入長(あれくらいなら奇襲で二人やれますが……後々面倒になりそうですね。潜入していたことがばれてしまえば、兵の配置や砦の見取り図が役にたたないほど変更してくるでしょうし)
老見張り「……」
潜入長(はぁ……私は参謀長と違って考えるのは得意じゃないです……)
潜入長は立ち上がりナイフに手を伸ばす。
潜入長(あれこれ考えず、もういっちゃいます)
潜入長は姿を消した。
しゅ
若見張り「……」
老見張り「……」
二人の見張りの集中力は外に向けられているため、後ろから近づく潜入長には気付かなかった。
--西の王国国境--
潜入長(あれくらいなら奇襲で二人やれますが……後々面倒になりそうですね。潜入していたことがばれてしまえば、兵の配置や砦の見取り図が役にたたないほど変更してくるでしょうし)
老見張り「……」
潜入長(はぁ……私は参謀長と違って考えるのは得意じゃないです……)
潜入長は立ち上がりナイフに手を伸ばす。
潜入長(あれこれ考えず、もういっちゃいます)
潜入長は姿を消した。
しゅ
若見張り「……」
老見張り「……」
二人の見張りの集中力は外に向けられているため、後ろから近づく潜入長には気付かなかった。
741: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:24:12.29 ID:Wl36NQv60
98
--西の王国国境--
ドプ
若見張り「!」
若い見張りの口を塞ぎ心臓を一突き。隣にいる老いた見張りがそれに気付いた時には
ズッ
同じく心臓を貫かれた後だった。
さっ
潜入長は素早く二人を座らせると城壁の外へ降りる。
潜入長(よし……あれなら……あ。そういえば最初に始末した兵が……あーあ。結局ばれてしまいますね……)
まぁ仕方ないと割り切り、潜入長は
槍兵「よっ、いいナイフだな」
--西の王国国境--
ドプ
若見張り「!」
若い見張りの口を塞ぎ心臓を一突き。隣にいる老いた見張りがそれに気付いた時には
ズッ
同じく心臓を貫かれた後だった。
さっ
潜入長は素早く二人を座らせると城壁の外へ降りる。
潜入長(よし……あれなら……あ。そういえば最初に始末した兵が……あーあ。結局ばれてしまいますね……)
まぁ仕方ないと割り切り、潜入長は
槍兵「よっ、いいナイフだな」
742: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:25:00.87 ID:Wl36NQv60
99
--西の王国国境--
潜入長「」
森への入り口の前に、槍兵が立っていた。
槍兵「どこ行くんだ?」
潜入長「あ」
じり
槍兵は前とは違い、
槍兵「出かけるのなら、俺もついて行くぜ?」
今度は愛槍を右手に携えている。
潜入長(どこで……どこで、気付かれた……?)
槍兵「ははっ。気になっちまうたちなのさ。……気配がしないやつのことはな」
--西の王国国境--
潜入長「」
森への入り口の前に、槍兵が立っていた。
槍兵「どこ行くんだ?」
潜入長「あ」
じり
槍兵は前とは違い、
槍兵「出かけるのなら、俺もついて行くぜ?」
今度は愛槍を右手に携えている。
潜入長(どこで……どこで、気付かれた……?)
槍兵「ははっ。気になっちまうたちなのさ。……気配がしないやつのことはな」
743: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/02(月) 23:25:46.96 ID:Wl36NQv60
100
--西の王国国境--
《戦闘フェイズ》
槍兵「一つ手合わせを願うぜ」
潜入長「潜入します」
槍兵が
現れた。
--西の王国国境--
《戦闘フェイズ》
槍兵「一つ手合わせを願うぜ」
潜入長「潜入します」
槍兵が
現れた。
748: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:19:47.74 ID:1cXkFCCI0
101
--ジャングル--
がさがさ、がさがさ
たんぽぽ星人「しかし……こんな武器でどうにかなるのか?」
突撃長「さぁ、私にはわかりませんですじゃ」
二人は槍を持ってジャングルを歩いている。
たんぽぽ星人「というか参謀長をあいつと組ませて良かったのか? あいつ……殺意を抱いていたぞ」
突撃長「えぇ、我らと違って参謀長は戦えませんですじゃ。人目がつかない場所ならあっさり殺されてしまうはずですじゃ」
たんぽぽ星人「……なんだってあいつは自分からこの組み合わせに」
突撃長「わかりません……わかりませんですじゃ」
--ジャングル--
がさがさ、がさがさ
たんぽぽ星人「しかし……こんな武器でどうにかなるのか?」
突撃長「さぁ、私にはわかりませんですじゃ」
二人は槍を持ってジャングルを歩いている。
たんぽぽ星人「というか参謀長をあいつと組ませて良かったのか? あいつ……殺意を抱いていたぞ」
突撃長「えぇ、我らと違って参謀長は戦えませんですじゃ。人目がつかない場所ならあっさり殺されてしまうはずですじゃ」
たんぽぽ星人「……なんだってあいつは自分からこの組み合わせに」
突撃長「わかりません……わかりませんですじゃ」
749: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:20:32.01 ID:1cXkFCCI0
102
--ジャングル--
黒肌の刺青「……」
がさがさ
参謀長(……統治者にとって、村人の意識が他に向けられているなど、看過出来る問題じゃないよな)
刺青の槍を握る手に力が入る。
参謀長(槍の黒虎部族のその腕前、見ておきたかったしな)
黒肌の刺青「……おい、本当にこっちにいるのか? 例のモンスターは」
参謀長「さぁ……」
黒肌の刺青「……」
--ジャングル--
黒肌の刺青「……」
がさがさ
参謀長(……統治者にとって、村人の意識が他に向けられているなど、看過出来る問題じゃないよな)
刺青の槍を握る手に力が入る。
参謀長(槍の黒虎部族のその腕前、見ておきたかったしな)
黒肌の刺青「……おい、本当にこっちにいるのか? 例のモンスターは」
参謀長「さぁ……」
黒肌の刺青「……」
750: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:21:13.39 ID:1cXkFCCI0
103
--ジャングル--
ジリ
参謀長(村人を襲ったモンスターより、俺を殺るほうを優先するのか?)
がさがさ
黒肌の刺青「……お前が川で何かをしていたことは見ている」
参謀長「!!」
黒肌の刺青「それからすぐに村人は苦しみだした。全て川遊びをした者や、川の水を飲んだものだ……」
参謀長(……へぇ)
黒肌の刺青「そして今度は得体の知れないモンスターだ。お前達と接触する前は一切そんなことはなかったのにだ、お前達が来てから不運が続く」
参謀長(裏打ちあってのものだったか。やるじゃないか……というよりやっぱり自分が行動すべきじゃなかったな……)
黒肌の刺青「だから俺はこう考える。全ての原因はお前達で、お前達は村を狙っている」
参謀長「……」
--ジャングル--
ジリ
参謀長(村人を襲ったモンスターより、俺を殺るほうを優先するのか?)
がさがさ
黒肌の刺青「……お前が川で何かをしていたことは見ている」
参謀長「!!」
黒肌の刺青「それからすぐに村人は苦しみだした。全て川遊びをした者や、川の水を飲んだものだ……」
参謀長(……へぇ)
黒肌の刺青「そして今度は得体の知れないモンスターだ。お前達と接触する前は一切そんなことはなかったのにだ、お前達が来てから不運が続く」
参謀長(裏打ちあってのものだったか。やるじゃないか……というよりやっぱり自分が行動すべきじゃなかったな……)
黒肌の刺青「だから俺はこう考える。全ての原因はお前達で、お前達は村を狙っている」
参謀長「……」
751: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:21:42.05 ID:1cXkFCCI0
104
--ジャングル--
黒肌の刺青「お前の吐く言葉は黒い。裏で何を考えいるのか」
ぐっ
刺青の槍が動く。
参謀長「平穏さ」
黒肌の刺青「? 何?」
参謀長「俺は君らに平穏を与えたいだけだ」
黒肌の刺青「……平穏など望んじゃいない」
参謀長「なんだと?」
黒肌の刺青「我らは先祖に顔向け出来るよう、胸をはった生き方さえ出来ればいい。部外者が与えてくる平穏なんぞに、飼い馴らされてたまるものか」
参謀長「……誇りじゃ腹は膨れない」
黒肌の刺青「誇りが無くば、自分の人生が閉じる時に後悔することになる」
--ジャングル--
黒肌の刺青「お前の吐く言葉は黒い。裏で何を考えいるのか」
ぐっ
刺青の槍が動く。
参謀長「平穏さ」
黒肌の刺青「? 何?」
参謀長「俺は君らに平穏を与えたいだけだ」
黒肌の刺青「……平穏など望んじゃいない」
参謀長「なんだと?」
黒肌の刺青「我らは先祖に顔向け出来るよう、胸をはった生き方さえ出来ればいい。部外者が与えてくる平穏なんぞに、飼い馴らされてたまるものか」
参謀長「……誇りじゃ腹は膨れない」
黒肌の刺青「誇りが無くば、自分の人生が閉じる時に後悔することになる」
752: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:22:16.93 ID:1cXkFCCI0
105
--ジャングル--
参謀長「」
魂の籠もった眼差し。参謀長は少しだけ呆然とする。それは参謀長には全く理解出来ないものだった。
参謀長「……誇り高き部族……か」
黒肌の刺青「お前達からは誇りを感じない。いつも1日を大事に、一生懸命生きているように思えない。だから我ら黒虎の一族はお前を認めない」
がさ
二人は話しているうちにジャングルの奥深くまで来ていた。
黒肌の刺青(ここなら誰も阻むものはいないッ)
参謀長「二つ、君に教えよう黒の一族の次期長」
黒肌の刺青「お前から教わることなど何もない!」
刺青は槍を構える。
--ジャングル--
参謀長「」
魂の籠もった眼差し。参謀長は少しだけ呆然とする。それは参謀長には全く理解出来ないものだった。
参謀長「……誇り高き部族……か」
黒肌の刺青「お前達からは誇りを感じない。いつも1日を大事に、一生懸命生きているように思えない。だから我ら黒虎の一族はお前を認めない」
がさ
二人は話しているうちにジャングルの奥深くまで来ていた。
黒肌の刺青(ここなら誰も阻むものはいないッ)
参謀長「二つ、君に教えよう黒の一族の次期長」
黒肌の刺青「お前から教わることなど何もない!」
刺青は槍を構える。
753: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:22:52.26 ID:1cXkFCCI0
106
--ジャングル--
ザッ
黒肌の刺青「!?」
するとなぜか参謀長は座ってしまった。
黒肌の刺青(なぜこいつは……後ろの俺の動きがわかるのか?)
刺青は突き出そうとした槍を止めた。
参謀長「まぁそういうなよ。俺からの忠告はな……この世界で誇りなんてものは足を引っ張ることしかしないんだってこと。誇りを持ってる奴から死んでいく世界だ。いつまでも勇者を輩出した部族だからと、調子に乗ってちゃあいけない」
黒肌の刺青「!!!! きさまぁぁ!!」
シャッ!!
刺青は黒豹のように襲い掛かった。
キラーキャット「ギャシャアアアア!!」
黒肌の刺青「!?」
ガブシュッ!!
参謀長「……もう一つは、姿勢を低くしたほうがいい」
--ジャングル--
ザッ
黒肌の刺青「!?」
するとなぜか参謀長は座ってしまった。
黒肌の刺青(なぜこいつは……後ろの俺の動きがわかるのか?)
刺青は突き出そうとした槍を止めた。
参謀長「まぁそういうなよ。俺からの忠告はな……この世界で誇りなんてものは足を引っ張ることしかしないんだってこと。誇りを持ってる奴から死んでいく世界だ。いつまでも勇者を輩出した部族だからと、調子に乗ってちゃあいけない」
黒肌の刺青「!!!! きさまぁぁ!!」
シャッ!!
刺青は黒豹のように襲い掛かった。
キラーキャット「ギャシャアアアア!!」
黒肌の刺青「!?」
ガブシュッ!!
参謀長「……もう一つは、姿勢を低くしたほうがいい」
754: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:24:26.20 ID:1cXkFCCI0
107
--ジャングル--
ぽたっぽたたっ
キラーキャット「きしゃあきしゃあ!!」
がりごりっ
黒肌の刺青「ッッ!! ……っ!」
ぼたっぼたたっ
参謀長「ジャングルの奥はキラーキャットの縄張りだからな。下らぬ誇りとやらに心を動かされてなければ気付けたのにな」
ごきっごりり
黒肌の刺青「……」
だらん
参謀長「ふ」
参謀長は口角をゆがませて、はいはいでその場を後にした。
--ジャングル--
ぽたっぽたたっ
キラーキャット「きしゃあきしゃあ!!」
がりごりっ
黒肌の刺青「ッッ!! ……っ!」
ぼたっぼたたっ
参謀長「ジャングルの奥はキラーキャットの縄張りだからな。下らぬ誇りとやらに心を動かされてなければ気付けたのにな」
ごきっごりり
黒肌の刺青「……」
だらん
参謀長「ふ」
参謀長は口角をゆがませて、はいはいでその場を後にした。
755: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:25:06.11 ID:1cXkFCCI0
108
--ジャングル--
がささ!!
謎のモンスターが現れた!!
突撃長「うわぁ! 本当にでたですじゃ!」
たんぽぽ星人「不定形なのかこいつ! ありえない動きしやがって!」
?「バチバチ!」
突撃長「やるしかないですじゃ! おりゃーですじゃ!」
ドス
突撃長の槍がモンスターの胸を貫いた。
?「バチバチ!」
すると溶けるように体が小さくなっていった。
--ジャングル--
がささ!!
謎のモンスターが現れた!!
突撃長「うわぁ! 本当にでたですじゃ!」
たんぽぽ星人「不定形なのかこいつ! ありえない動きしやがって!」
?「バチバチ!」
突撃長「やるしかないですじゃ! おりゃーですじゃ!」
ドス
突撃長の槍がモンスターの胸を貫いた。
?「バチバチ!」
すると溶けるように体が小さくなっていった。
756: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:25:32.06 ID:1cXkFCCI0
109
--ジャングル--
たんぽぽ星人「た、倒した……のか?」
ふしゅるるる、ぽふ
そこには黒い毛皮だけが残った。
突撃長(こ、これは前に私が狩ったモンスター?)
突撃長はモンスターの毛皮に心当たりがあった。
さわさわ
突撃長(……間違いない……私が前に刺した傷口もある……一体どういうことですじゃ?)
たんぽぽ星人「ん? なんだこりゃ、ゴキブリの死骸がくっついてやがる」
たんぽぽ星人は毛皮を持ちあげる。
--ジャングル--
たんぽぽ星人「た、倒した……のか?」
ふしゅるるる、ぽふ
そこには黒い毛皮だけが残った。
突撃長(こ、これは前に私が狩ったモンスター?)
突撃長はモンスターの毛皮に心当たりがあった。
さわさわ
突撃長(……間違いない……私が前に刺した傷口もある……一体どういうことですじゃ?)
たんぽぽ星人「ん? なんだこりゃ、ゴキブリの死骸がくっついてやがる」
たんぽぽ星人は毛皮を持ちあげる。
757: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:26:19.50 ID:1cXkFCCI0
110
--西の王国国境--
ゴゴゴゴゴゴゴ
潜入長(まずい……まずい! とてもじゃないが真正面から戦える相手じゃない!)
槍兵「おらおらぁ、先に攻撃させてやるよ」
槍兵が先手を譲る。
潜入長のターン。
潜入長(攻撃なんて……取り敢えず森の中に入らねば!)
潜入長の敵前逃亡。
槍兵「……おいおい、俺を殺すとか言ってたくせに逃げようとしやがるのかぁ!?」
槍兵のターン。
槍兵「しっ!」
槍兵の通常攻撃。
それに対応し潜入長は防御した。
ヒュン、ギシャ!
潜入長(づっ!? 全力でガードしたのに弾きかえせなかった!!)
槍は潜入長の脇腹を抉る。180ダメージ。
--西の王国国境--
ゴゴゴゴゴゴゴ
潜入長(まずい……まずい! とてもじゃないが真正面から戦える相手じゃない!)
槍兵「おらおらぁ、先に攻撃させてやるよ」
槍兵が先手を譲る。
潜入長のターン。
潜入長(攻撃なんて……取り敢えず森の中に入らねば!)
潜入長の敵前逃亡。
槍兵「……おいおい、俺を殺すとか言ってたくせに逃げようとしやがるのかぁ!?」
槍兵のターン。
槍兵「しっ!」
槍兵の通常攻撃。
それに対応し潜入長は防御した。
ヒュン、ギシャ!
潜入長(づっ!? 全力でガードしたのに弾きかえせなかった!!)
槍は潜入長の脇腹を抉る。180ダメージ。
758: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:27:06.38 ID:1cXkFCCI0
111
--西の王国国境--
ぽたっ
潜入長(ぐっ! ……だがこれで森の中に)
槍兵の通常攻撃。
潜入長(!? に、二回攻撃ッ!?)
潜入長は防御体勢を取れなかった。
ヒュン、ズブシャッ!!
潜入長「がっ!!」
槍兵の槍は潜入長の腹部を貫いた。650ダメージ。
潜入長「がはっ!!!!」
ドサリ
--西の王国国境--
ぽたっ
潜入長(ぐっ! ……だがこれで森の中に)
槍兵の通常攻撃。
潜入長(!? に、二回攻撃ッ!?)
潜入長は防御体勢を取れなかった。
ヒュン、ズブシャッ!!
潜入長「がっ!!」
槍兵の槍は潜入長の腹部を貫いた。650ダメージ。
潜入長「がはっ!!!!」
ドサリ
759: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:27:50.27 ID:1cXkFCCI0
112
--西の王国国境--
血を散らしながら潜入長は倒れこむ。
どくっどくっ
潜入長(ま、まずい……これは、まずい)
潜入長は足に力を入れてなんとか立ち上がる。
潜入長(ダメージが、でかい……このままでは……)
ぶしっ
潜入長の傷口から血が噴き出す。
槍兵「かー……だらしねぇスパイだぜ。もうちっとはやれるもんだと思ったのによ」
潜入長「……」
槍兵「……しまいだ」
チャキ
潜入長「奥義」
--西の王国国境--
血を散らしながら潜入長は倒れこむ。
どくっどくっ
潜入長(ま、まずい……これは、まずい)
潜入長は足に力を入れてなんとか立ち上がる。
潜入長(ダメージが、でかい……このままでは……)
ぶしっ
潜入長の傷口から血が噴き出す。
槍兵「かー……だらしねぇスパイだぜ。もうちっとはやれるもんだと思ったのによ」
潜入長「……」
槍兵「……しまいだ」
チャキ
潜入長「奥義」
760: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:28:24.37 ID:1cXkFCCI0
113
--西の王国国境--
槍兵「!」
ぼしゅー
槍兵の槍の切っ先が潜入長に向いた瞬間、潜入長の体から霧が噴出する。
槍兵(霧? 水属性か……くそなんも見えねぇ!)
ヒュン、ヒュン
槍兵は闇雲に槍を振るうも空を裂くばかり。
潜入長(奥義、霧霧巣……)
ずり
潜入長は槍兵を無視し、足を引きずりながら森の中へと向かう。
潜入長(……この霧の中では全ての五感が封じられたも同然。視覚は意味をなさず、音は乱反射し、匂い、気配、方向感覚すらまともに機能しない……霧の中のことを把握出来るのは唯一私だけ……)
槍兵「うらー! 卑怯だぞー! でてきやがれー!」
潜入長(……奥義を使っても……逃げることしか出来ないなんて……)
潜入長は森の中へ隠れた。
--西の王国国境--
槍兵「!」
ぼしゅー
槍兵の槍の切っ先が潜入長に向いた瞬間、潜入長の体から霧が噴出する。
槍兵(霧? 水属性か……くそなんも見えねぇ!)
ヒュン、ヒュン
槍兵は闇雲に槍を振るうも空を裂くばかり。
潜入長(奥義、霧霧巣……)
ずり
潜入長は槍兵を無視し、足を引きずりながら森の中へと向かう。
潜入長(……この霧の中では全ての五感が封じられたも同然。視覚は意味をなさず、音は乱反射し、匂い、気配、方向感覚すらまともに機能しない……霧の中のことを把握出来るのは唯一私だけ……)
槍兵「うらー! 卑怯だぞー! でてきやがれー!」
潜入長(……奥義を使っても……逃げることしか出来ないなんて……)
潜入長は森の中へ隠れた。
761: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:29:00.44 ID:1cXkFCCI0
114
--西の王国国境--
槍兵「なんてな」
槍兵の通常攻撃。
ドズッ
潜入長「ッッ!?」
潜入長の胸から槍が突き出る。
ブシャッ!
潜入長「がっ!! な、なんで……」
槍兵「……」
ドサッ
槍兵(奥義乗り換えて正解だったぜ)
槍兵は潜入長の足を掴むと、ズルズルと引きずりながら砦へ向かった。
--西の王国国境--
槍兵「なんてな」
槍兵の通常攻撃。
ドズッ
潜入長「ッッ!?」
潜入長の胸から槍が突き出る。
ブシャッ!
潜入長「がっ!! な、なんで……」
槍兵「……」
ドサッ
槍兵(奥義乗り換えて正解だったぜ)
槍兵は潜入長の足を掴むと、ズルズルと引きずりながら砦へ向かった。
762: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:29:51.80 ID:1cXkFCCI0
115
--ジャングル--
黒肌の青年「次期長ぁぁ! なんでこんなことにぃ!!」
参謀長「……すまない」
参謀長は傷だらけの体とボロボロになった衣服のまま謝罪の言葉を口にした。
黒肌の老人「うっ、うっ……」
参謀長「それしか持ちかえることが出来なかった」
刺青が彫ってある右腕の肘から先、それが刺青の一部であることを部族のみんなは理解していた。
黒肌の青年「うぅ……! サンボウ、次期長は……勇敢に戦ったのか?」
ざわざわ
全員の視線が参謀長に集まる。
参謀長「あぁ、勇敢だった。例のモンスターを相手に最後まで立派に戦いぬいた……」
黒肌の青年「う、うあぁあぁああ次期長ぁぁ!!」
村のみんなは次期長の死を嘆いた。
--ジャングル--
黒肌の青年「次期長ぁぁ! なんでこんなことにぃ!!」
参謀長「……すまない」
参謀長は傷だらけの体とボロボロになった衣服のまま謝罪の言葉を口にした。
黒肌の老人「うっ、うっ……」
参謀長「それしか持ちかえることが出来なかった」
刺青が彫ってある右腕の肘から先、それが刺青の一部であることを部族のみんなは理解していた。
黒肌の青年「うぅ……! サンボウ、次期長は……勇敢に戦ったのか?」
ざわざわ
全員の視線が参謀長に集まる。
参謀長「あぁ、勇敢だった。例のモンスターを相手に最後まで立派に戦いぬいた……」
黒肌の青年「う、うあぁあぁああ次期長ぁぁ!!」
村のみんなは次期長の死を嘆いた。
763: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:30:32.16 ID:1cXkFCCI0
116
--ジャングル--
黒肌の青年「うっ、うう……次期長……戦いの中で高潔に死んでいったのか」
青年は悲しみながらも、嬉しそうだった。
黒肌の青年「勇敢な戦士である次期長を、コンボイ(彼らの部族の魂が行く場所)へ送り出そう!」
黒肌の青年は槍を持ち、皆へ叫ぶ。
参謀長「それより例のモンスターを片付けなければまた死人が出るぞ?」
黒肌の青年「!! ……そうか……」
がさがさがさ
突撃長「おやおや皆様おそろいで」
黒肌の青年「!!」
そこに突撃長達が毛皮を持って帰還する。
--ジャングル--
黒肌の青年「うっ、うう……次期長……戦いの中で高潔に死んでいったのか」
青年は悲しみながらも、嬉しそうだった。
黒肌の青年「勇敢な戦士である次期長を、コンボイ(彼らの部族の魂が行く場所)へ送り出そう!」
黒肌の青年は槍を持ち、皆へ叫ぶ。
参謀長「それより例のモンスターを片付けなければまた死人が出るぞ?」
黒肌の青年「!! ……そうか……」
がさがさがさ
突撃長「おやおや皆様おそろいで」
黒肌の青年「!!」
そこに突撃長達が毛皮を持って帰還する。
764: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:31:24.16 ID:1cXkFCCI0
117
--ジャングル--
黒肌の幼女「うわぁ!」
黒肌の熟女「これが……例のモンスター?」
黒肌の淑女「私が見たのと一緒!」
ざわざわ
黒肌の青年「我が部族最強の次期長でもかなわなかった相手を……?」
参謀長「……」
参謀長は青年の肩に手をのせる。
参謀長「腕っぷしの力だけが強さじゃない。それを俺達は使ったんだ」
黒肌の青年「! ……そんなものがあるのかサンボウ!?」
--ジャングル--
黒肌の幼女「うわぁ!」
黒肌の熟女「これが……例のモンスター?」
黒肌の淑女「私が見たのと一緒!」
ざわざわ
黒肌の青年「我が部族最強の次期長でもかなわなかった相手を……?」
参謀長「……」
参謀長は青年の肩に手をのせる。
参謀長「腕っぷしの力だけが強さじゃない。それを俺達は使ったんだ」
黒肌の青年「! ……そんなものがあるのかサンボウ!?」
765: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:32:20.71 ID:1cXkFCCI0
118
--ジャングル--
どんどこどんどこ
黒肌の筋肉だるま「イボンコペッタンコ」
黒肌のショタ「イェーイ!」
黒肌のおばさん「イボンコペッタンコ」
黒肌のお兄さん「イェーイ!」
どんどこどんどこ
参謀長「……」
村で葬送の儀式が行われている。
ざり
黒肌の長「……薄肌」
参謀長(! 部族長か)
そこにひときわ目立つ装飾を身にまとった老人が参謀長の前に現れた。
--ジャングル--
どんどこどんどこ
黒肌の筋肉だるま「イボンコペッタンコ」
黒肌のショタ「イェーイ!」
黒肌のおばさん「イボンコペッタンコ」
黒肌のお兄さん「イェーイ!」
どんどこどんどこ
参謀長「……」
村で葬送の儀式が行われている。
ざり
黒肌の長「……薄肌」
参謀長(! 部族長か)
そこにひときわ目立つ装飾を身にまとった老人が参謀長の前に現れた。
766: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:32:48.61 ID:1cXkFCCI0
119
--ジャングル--
参謀長は立ち上がって長と向き直る。
黒肌の長「モンスター退治の件、礼を言おう」
参謀長「……いえ。次期長を助けられず申し訳ない」
参謀長は頭を下げる。
黒肌の長「それはお前のせいではない。ただ次期長のイボンコがペッタンコだったのだ」
参謀長(……何言ってっかわからん)
黒肌の長「……薄肌よ。お前達は我が村になんのため来たのだ」
参謀長(きた)
黒肌の長は参謀長の目を逃さぬように見つめている。
黒肌の長「何の目的もなく、我らに食料を恵んだり、我らの村を襲うモンスターを退治したのではあるまい」
参謀長「……理由は簡単だ、俺達はあなた方と仲間になりたいんだ」
--ジャングル--
参謀長は立ち上がって長と向き直る。
黒肌の長「モンスター退治の件、礼を言おう」
参謀長「……いえ。次期長を助けられず申し訳ない」
参謀長は頭を下げる。
黒肌の長「それはお前のせいではない。ただ次期長のイボンコがペッタンコだったのだ」
参謀長(……何言ってっかわからん)
黒肌の長「……薄肌よ。お前達は我が村になんのため来たのだ」
参謀長(きた)
黒肌の長は参謀長の目を逃さぬように見つめている。
黒肌の長「何の目的もなく、我らに食料を恵んだり、我らの村を襲うモンスターを退治したのではあるまい」
参謀長「……理由は簡単だ、俺達はあなた方と仲間になりたいんだ」
767: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/09(月) 22:33:20.80 ID:1cXkFCCI0
120
--ジャングル--
黒肌の青年「! サンボウ」
黒肌の長「……我が部族に入りたいと言うのか?」
参謀長「いや、違う」
黒肌の長「ならば……我らにお前達の下につけと、言うのか?」
ざわ
村人達は一斉に儀式をやめて参謀長達を見た。
たんぽぽ星人「……おいおい参謀長」
突撃長「いやな雰囲気に持ってかないで欲しいですじゃよ?」
ざわ
参謀長「……違う、俺達はあなた達と同等の立場で手を結びたいんだ」
ざわざわ
黒肌の長「……それをしてなんになる」
参謀長「今より、より強い集団になれる」
ざわざわ
村人達がざわめく。
--ジャングル--
黒肌の青年「! サンボウ」
黒肌の長「……我が部族に入りたいと言うのか?」
参謀長「いや、違う」
黒肌の長「ならば……我らにお前達の下につけと、言うのか?」
ざわ
村人達は一斉に儀式をやめて参謀長達を見た。
たんぽぽ星人「……おいおい参謀長」
突撃長「いやな雰囲気に持ってかないで欲しいですじゃよ?」
ざわ
参謀長「……違う、俺達はあなた達と同等の立場で手を結びたいんだ」
ざわざわ
黒肌の長「……それをしてなんになる」
参謀長「今より、より強い集団になれる」
ざわざわ
村人達がざわめく。
778: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:12:36.18 ID:CmKX94I40
121
--ジャングル--
黒肌の長「……」
黒肌の青年「……長、サンボウ達はいい人です。何度も我らに力を貸してくれました」
黒肌の長「……」
長はただじっと参謀長を見ている。
参謀長「……」
黒肌の長「何を目的に……大きなものになるのか」
参謀長「広大な世界を手に入れるために」
黒肌の青年「!?」
--ジャングル--
黒肌の長「……」
黒肌の青年「……長、サンボウ達はいい人です。何度も我らに力を貸してくれました」
黒肌の長「……」
長はただじっと参謀長を見ている。
参謀長「……」
黒肌の長「何を目的に……大きなものになるのか」
参謀長「広大な世界を手に入れるために」
黒肌の青年「!?」
779: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:13:03.73 ID:CmKX94I40
122
--ジャングル--
ざわざわ
参謀長「このジャングルだけではなく、その先に続く世界を手に入れるためにはあなた方の力が必要なんだ」
黒肌の長「なんだと……お前は我らに何を期待している?」
参謀長「あなた方の勇敢さと武力が欲しい」
ざわざわ!
黒肌の長「誇り高き我らに、侵略を侵せと言うのか?」
参謀長「しなければ逆にされるだけだ。諸外国はこのジャングルを狙っている」
黒肌の長「なん……だと?」
--ジャングル--
ざわざわ
参謀長「このジャングルだけではなく、その先に続く世界を手に入れるためにはあなた方の力が必要なんだ」
黒肌の長「なんだと……お前は我らに何を期待している?」
参謀長「あなた方の勇敢さと武力が欲しい」
ざわざわ!
黒肌の長「誇り高き我らに、侵略を侵せと言うのか?」
参謀長「しなければ逆にされるだけだ。諸外国はこのジャングルを狙っている」
黒肌の長「なん……だと?」
780: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:13:43.72 ID:CmKX94I40
123
--ジャングル--
ざわざわ!
参謀長「そうだな。もうネタを明かしてもいいだろう。……あのモンスターはとある国家の侵略兵器なんだ」
ラノベくさいざわわ!!
黒肌の長「……本当なのか?」
参謀長「あぁ。俺達がかつて住んでいた場所もあれに滅ぼされた……」
黒肌の長「! ……ふむ」
参謀長「最後の最後で倒す手段を手に入れたが、もはや後の祭りだった」
黒肌の長「……どこが送り込んできたのだ?」
参謀長「わからない。それを調べるには国家レベルの力がいる」
--ジャングル--
ざわざわ!
参謀長「そうだな。もうネタを明かしてもいいだろう。……あのモンスターはとある国家の侵略兵器なんだ」
ラノベくさいざわわ!!
黒肌の長「……本当なのか?」
参謀長「あぁ。俺達がかつて住んでいた場所もあれに滅ぼされた……」
黒肌の長「! ……ふむ」
参謀長「最後の最後で倒す手段を手に入れたが、もはや後の祭りだった」
黒肌の長「……どこが送り込んできたのだ?」
参謀長「わからない。それを調べるには国家レベルの力がいる」
781: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:15:07.26 ID:CmKX94I40
124
--ジャングル--
黒肌の長「……」
参謀長「このままいけば、ここも同じ末路を辿る。もう既に目を付けられているんだからな」
黒肌の青年「お、長!」
ざわざわ
長い沈黙の後、
黒肌の長「……それが自然の摂理ならば仕方のないことだ」
ざわざわ!!
参謀長「……」
長はみじんも揺らがぬ意思を示した。
--ジャングル--
黒肌の長「……」
参謀長「このままいけば、ここも同じ末路を辿る。もう既に目を付けられているんだからな」
黒肌の青年「お、長!」
ざわざわ
長い沈黙の後、
黒肌の長「……それが自然の摂理ならば仕方のないことだ」
ざわざわ!!
参謀長「……」
長はみじんも揺らがぬ意思を示した。
782: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:15:41.75 ID:CmKX94I40
125
--ジャングル--
黒肌の長「攻めてくるのなら迎えうつ。たとえそれで滅びたとしても……流れなのじゃ」
ざり
長は参謀長に背を向けた。
黒肌の長「話はこれで終わりだ。忠告には礼を言おう」
ざっざっ
参謀長「……」
そして家に向かって歩いていってしまう。
ざっざっ
参謀長「……っ」
黒肌の青年「お、長」
参謀長「あなたの意志に、幼い子供らも巻き込むつもりか!!」
--ジャングル--
黒肌の長「攻めてくるのなら迎えうつ。たとえそれで滅びたとしても……流れなのじゃ」
ざり
長は参謀長に背を向けた。
黒肌の長「話はこれで終わりだ。忠告には礼を言おう」
ざっざっ
参謀長「……」
そして家に向かって歩いていってしまう。
ざっざっ
参謀長「……っ」
黒肌の青年「お、長」
参謀長「あなたの意志に、幼い子供らも巻き込むつもりか!!」
783: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:16:36.29 ID:CmKX94I40
126
--ジャングル--
ざわざわ!!
参謀長が叫んだ。
黒肌の青年「さ、サンボウ」
黒肌のおばちゃん「サンボウ……」
黒肌の長「ぬ?」
長はその言葉で振り返る。
参謀長「掟や誇りより、大切なものがあるのではないか!?」
ざわわ!!
たんぽぽ星人(おいおい……ちとやりすぎじゃねぇか?)
突撃長(この感覚……参謀長殿、スキルを……)
--ジャングル--
ざわざわ!!
参謀長が叫んだ。
黒肌の青年「さ、サンボウ」
黒肌のおばちゃん「サンボウ……」
黒肌の長「ぬ?」
長はその言葉で振り返る。
参謀長「掟や誇りより、大切なものがあるのではないか!?」
ざわわ!!
たんぽぽ星人(おいおい……ちとやりすぎじゃねぇか?)
突撃長(この感覚……参謀長殿、スキルを……)
784: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:17:12.32 ID:CmKX94I40
127
--ジャングル--
参謀長「全て奪われるぞ! 人や物、文化に土地!! そしてその誇りでさえも!」
黒肌の長「……」
ざわざわ!!
参謀長は普段とは違う様子で熱く語っている。
参謀長「なぁ。あんたと俺、本当にこの村のことを考えているのはどっちだ? 子供達の未来を思っているのはどっちだ!?」
ざわざわわ!!
黒肌の青年「サンボウ……!」
黒肌の長「……」
ざわわざわわざわわ!!
黒肌の長(……完全に村の者達は揺さ振られてしまったか……)
村人達は各自相談していた。
黒肌の長「だか断る」
参謀長「ナニッ!!」
黒肌の青年「……」
--ジャングル--
参謀長「全て奪われるぞ! 人や物、文化に土地!! そしてその誇りでさえも!」
黒肌の長「……」
ざわざわ!!
参謀長は普段とは違う様子で熱く語っている。
参謀長「なぁ。あんたと俺、本当にこの村のことを考えているのはどっちだ? 子供達の未来を思っているのはどっちだ!?」
ざわざわわ!!
黒肌の青年「サンボウ……!」
黒肌の長「……」
ざわわざわわざわわ!!
黒肌の長(……完全に村の者達は揺さ振られてしまったか……)
村人達は各自相談していた。
黒肌の長「だか断る」
参謀長「ナニッ!!」
黒肌の青年「……」
785: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:17:39.02 ID:CmKX94I40
128
--ジャングル--
ざっざっざっ
突撃長「残念でしたな。中々の演説でしたが」
村からの帰り道、突撃長は参謀長に話しかける。
参謀長「? いや、これでいいんです。目的は達成しましたよ」
たんぽぽ星人「どこがだよ。あのじいさんは頑固そうだぜ? ……俺達だけで交わされた会話ならまだしも、村のみんなの前であんなことになっちまったんだ、もう絶対首は縦にふらねぇよ」
突撃長「ですじゃ。次にその話を出したらそのまま抗争に発展するかもしれんですじゃ」
参謀長「ははは……そんなことにはならないですよ」
たんぽぽ星人「? どっからそんな自信がでてくるんだか……」
参謀長「……ふ」
次はないのだから
そう、ボソリと参謀長は呟いた。
--ジャングル--
ざっざっざっ
突撃長「残念でしたな。中々の演説でしたが」
村からの帰り道、突撃長は参謀長に話しかける。
参謀長「? いや、これでいいんです。目的は達成しましたよ」
たんぽぽ星人「どこがだよ。あのじいさんは頑固そうだぜ? ……俺達だけで交わされた会話ならまだしも、村のみんなの前であんなことになっちまったんだ、もう絶対首は縦にふらねぇよ」
突撃長「ですじゃ。次にその話を出したらそのまま抗争に発展するかもしれんですじゃ」
参謀長「ははは……そんなことにはならないですよ」
たんぽぽ星人「? どっからそんな自信がでてくるんだか……」
参謀長「……ふ」
次はないのだから
そう、ボソリと参謀長は呟いた。
786: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:18:13.39 ID:CmKX94I40
129
--ジャングル--
ほーほー
黒肌の青年「……」
ちゃき
青年は槍を握りしめた。
--ジャングル--
ほーほー
黒肌の青年「……」
ちゃき
青年は槍を握りしめた。
787: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:19:05.70 ID:CmKX94I40
130
--ジャングル--
次の日。
がやがやがや
突撃長「? 何やら外が騒がしいようで……」
がらら
黒肌の青年「サンボウ!」
突撃長「おやおや青年殿、これはまた……一体どうしたことで……?」
参謀長達の小屋の前に、黒肌の部族が集まっていた。
ざわざわ
参謀長「……」
それを家の中から眺めている参謀長。
--ジャングル--
次の日。
がやがやがや
突撃長「? 何やら外が騒がしいようで……」
がらら
黒肌の青年「サンボウ!」
突撃長「おやおや青年殿、これはまた……一体どうしたことで……?」
参謀長達の小屋の前に、黒肌の部族が集まっていた。
ざわざわ
参謀長「……」
それを家の中から眺めている参謀長。
788: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:19:34.22 ID:CmKX94I40
131
--ジャングル--
黒肌の青年「サンボウ! いるか!! 部族の長として、そちらの長に会いにきた!」
突撃長「!? 長ですじゃ!?」
たんぽぽ星人「何を言ってんだ」
参謀長「……長? おいおい青年、君は長じゃないだろ?」
黒肌の青年「……」
参謀長「……青年?」
黒肌の青年「長は、死んだ」
たんぽぽ星人「!?」
突撃長「なんと!?」
黒肌の青年「……」
--ジャングル--
黒肌の青年「サンボウ! いるか!! 部族の長として、そちらの長に会いにきた!」
突撃長「!? 長ですじゃ!?」
たんぽぽ星人「何を言ってんだ」
参謀長「……長? おいおい青年、君は長じゃないだろ?」
黒肌の青年「……」
参謀長「……青年?」
黒肌の青年「長は、死んだ」
たんぽぽ星人「!?」
突撃長「なんと!?」
黒肌の青年「……」
789: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:20:04.09 ID:CmKX94I40
132
--ジャングル--
参謀長「……」
青年のわずかな表情の変化を見、参謀長は全てを理解する。
参謀長「……それは残念なことだ。だが成る程。新しい長は、俺達の意見をくんでくれる、と」
黒肌の青年「あぁ」
黒肌の青年は力強く頷いた。
参謀長「……わかった。我らの長、いや、王と合わせよう」
たんぽぽ星人「……王って……姫か」
手で顔を覆うたんぽぽ星人。
突撃長「姫様ですじゃ……」
手で顔を覆う突撃長。
--ジャングル--
参謀長「……」
青年のわずかな表情の変化を見、参謀長は全てを理解する。
参謀長「……それは残念なことだ。だが成る程。新しい長は、俺達の意見をくんでくれる、と」
黒肌の青年「あぁ」
黒肌の青年は力強く頷いた。
参謀長「……わかった。我らの長、いや、王と合わせよう」
たんぽぽ星人「……王って……姫か」
手で顔を覆うたんぽぽ星人。
突撃長「姫様ですじゃ……」
手で顔を覆う突撃長。
790: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:20:36.05 ID:CmKX94I40
133
--ジャングル--
ぎぃ
小屋のドアが開く。
ざわ……ざわ
姫「……」
小屋の中から黄金の装飾をつけ、白く薄い衣装を身に纏った姫があらわれた。
!!
突撃長「」
たんぽぽ星人「」
普段からは想像も出来ない凛々しい表情と荘厳さを感じる振る舞いに、突撃長とたんぽぽ星人はただただ唖然としていた。
--ジャングル--
ぎぃ
小屋のドアが開く。
ざわ……ざわ
姫「……」
小屋の中から黄金の装飾をつけ、白く薄い衣装を身に纏った姫があらわれた。
!!
突撃長「」
たんぽぽ星人「」
普段からは想像も出来ない凛々しい表情と荘厳さを感じる振る舞いに、突撃長とたんぽぽ星人はただただ唖然としていた。
791: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:21:14.42 ID:CmKX94I40
134
--ジャングル--
もこいち、もこじ、もこぞう「「「もぎゅう」」」
のしっ
そして姫のまわりを黄金の金品でかためた力強くも美しい獣が三匹。
ざわ……ざわ
参謀長(……)
口が開く。
姫「余こそが黄金王国七代目国王、黄金姫じゃ」
ざわざわ!
--ジャングル--
もこいち、もこじ、もこぞう「「「もぎゅう」」」
のしっ
そして姫のまわりを黄金の金品でかためた力強くも美しい獣が三匹。
ざわ……ざわ
参謀長(……)
口が開く。
姫「余こそが黄金王国七代目国王、黄金姫じゃ」
ざわざわ!
792: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:21:47.80 ID:CmKX94I40
135
--ジャングル--
有象無象の血統無き大量生産とは一線を画す存在感。
姫「……」
黒肌の青年「う、美しい……」
姿を現し、たった一言発しただけで、その場にいる誰もを魅了した。
参謀長(……ははは)
姫「……」
いつもと違う険しくも凛々しい表情で姫は辺りを見回した。
姫「余の黄金王国に力を貸してくれるのはそなたたちか?」
黒肌の青年「……!? は、はっ!」
知らず傅いて返事をしてしまう。
--ジャングル--
有象無象の血統無き大量生産とは一線を画す存在感。
姫「……」
黒肌の青年「う、美しい……」
姿を現し、たった一言発しただけで、その場にいる誰もを魅了した。
参謀長(……ははは)
姫「……」
いつもと違う険しくも凛々しい表情で姫は辺りを見回した。
姫「余の黄金王国に力を貸してくれるのはそなたたちか?」
黒肌の青年「……!? は、はっ!」
知らず傅いて返事をしてしまう。
793: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:22:17.07 ID:CmKX94I40
136
--ジャングル--
姫「そうか」
姫は歩を進めて青年の目の前に。
姫「余は……かつて不条理に奪われた余の領土を奪い返したいのだ」
そう言って姫は白く光る手のひらを青年に差し出す。
姫「それと同様に、助けを求める子らがいればもれなく助けたく思う」
参謀長「……」
姫「そなたらは余と共に突き進む覚悟があるのかどうか、それを知りたい」
凛とした美しい声が辺りを支配する。
黒肌の青年「わ、我々はあなたと手を組む……いや、あなたの仲間にしてもらいたい!」
姫「……」
黒肌の青年「あ、あなたについていけば、我々はきっと、繁栄の道をいける!」
--ジャングル--
姫「そうか」
姫は歩を進めて青年の目の前に。
姫「余は……かつて不条理に奪われた余の領土を奪い返したいのだ」
そう言って姫は白く光る手のひらを青年に差し出す。
姫「それと同様に、助けを求める子らがいればもれなく助けたく思う」
参謀長「……」
姫「そなたらは余と共に突き進む覚悟があるのかどうか、それを知りたい」
凛とした美しい声が辺りを支配する。
黒肌の青年「わ、我々はあなたと手を組む……いや、あなたの仲間にしてもらいたい!」
姫「……」
黒肌の青年「あ、あなたについていけば、我々はきっと、繁栄の道をいける!」
794: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:23:02.65 ID:CmKX94I40
137
--ジャングル--
姫「そうか……なれば」
バッ
姫「今よりここにいるものらは、余すことなく余の子らだ!」
ざわわ!
姫は周りを見渡し手を広げる。
ざわ、ざわ!
細胞をくすぐるような姫の声と言葉に、その場にいた全ての者が心から沸き立った。
突撃長(こ、これは!!)
たんぽぽ星人(これが姫だって言うのかよ!?)
姫を中心に輪ができていた。
--ジャングル--
姫「そうか……なれば」
バッ
姫「今よりここにいるものらは、余すことなく余の子らだ!」
ざわわ!
姫は周りを見渡し手を広げる。
ざわ、ざわ!
細胞をくすぐるような姫の声と言葉に、その場にいた全ての者が心から沸き立った。
突撃長(こ、これは!!)
たんぽぽ星人(これが姫だって言うのかよ!?)
姫を中心に輪ができていた。
795: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:23:28.98 ID:CmKX94I40
138
--ジャングル--
姫「全て無駄なく愛し尽くし、全て護るとここに誓おう」
ざわざわ!!
姫「そなたらは今より黄金の民ぞ!!」
ばっ!!
「「「うっ、うおぉぉぉぉ!!」」」
黒肌の一族は歓喜の声をあげた。
参謀長「……」
ぎりり
参謀長は右腕で左腕を力いっぱい握りしめていた。
参謀長(……ははは)
それが彼の歓喜の表情だった。
--ジャングル--
姫「全て無駄なく愛し尽くし、全て護るとここに誓おう」
ざわざわ!!
姫「そなたらは今より黄金の民ぞ!!」
ばっ!!
「「「うっ、うおぉぉぉぉ!!」」」
黒肌の一族は歓喜の声をあげた。
参謀長「……」
ぎりり
参謀長は右腕で左腕を力いっぱい握りしめていた。
参謀長(……ははは)
それが彼の歓喜の表情だった。
796: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:24:14.11 ID:CmKX94I40
139
--ジャングル--
突撃長(ひ、姫さま、なんともご立派な……!)
突撃長は溢れかえる涙で何も見えない。
たんぽぽ星人「てかあれ? 王家の聖獣的ポジション奪われてね?」
姫「そなたらが望むのならば、余がそなたらに勝利を与えよう!」
その夜。
姫「ねーねー! 姫ちゃん可愛かった!? 可愛かった!?」
参謀長「……」
突撃長「……」
たんぽぽ星人「……これだよ」
姫「いやー! 姫ちゃん、人前であんなに演説するのはじめてだからさーっ! もー緊張しっぱなしで も垂れ流しだったよーっ!」
えへーっ、と姫。
--ジャングル--
突撃長(ひ、姫さま、なんともご立派な……!)
突撃長は溢れかえる涙で何も見えない。
たんぽぽ星人「てかあれ? 王家の聖獣的ポジション奪われてね?」
姫「そなたらが望むのならば、余がそなたらに勝利を与えよう!」
その夜。
姫「ねーねー! 姫ちゃん可愛かった!? 可愛かった!?」
参謀長「……」
突撃長「……」
たんぽぽ星人「……これだよ」
姫「いやー! 姫ちゃん、人前であんなに演説するのはじめてだからさーっ! もー緊張しっぱなしで も垂れ流しだったよーっ!」
えへーっ、と姫。
797: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/17(火) 01:26:10.06 ID:CmKX94I40
140
--ジャングル--
突撃長「……あ、あれ……あんなに立派だった姫様が……か、霞んで見えないですじゃ」
突撃長は溢れかえる涙で何も見えない。
たんぽぽ星人「……このギャップは……なぁ……」
参謀長「職務ご苦労さまでした」
姫「えへーっ! ねぇねぇ参謀長ー! 姫ちゃん可愛かった!? 可愛かった!?」
参謀長「そうですね、どうでもいいです。俺ツルペタに興味ないし」
姫「つるぺたってゆった!? つるぺた好きにあやまれっ!!」
うわーんと泣きだす姫。
突撃長「そうですじゃ!! 謝ってくださいですじゃ!!」
参謀長「え……なんですかその必死な表情、まさかそっち系……」
もこズ「「「姫ちゃん泣かすなもきゅ!!」」」
たんぽぽ星人「おいおい、女のどんな特徴であれ愛してやるのが男ってもんだぜ青年」
みんなにつめよられる参謀長。
参謀長「ぐ……わかりました。確かに言いすぎました。姫」
姫「ぐすっ……?」
参謀長「……今日は本当にご苦労さまでした。お綺麗でしたよ」
姫「ぐすっ……本当? 姫ちゃん可愛い……?」
参謀長「はいはい可愛い可愛い」
--ジャングル--
突撃長「……あ、あれ……あんなに立派だった姫様が……か、霞んで見えないですじゃ」
突撃長は溢れかえる涙で何も見えない。
たんぽぽ星人「……このギャップは……なぁ……」
参謀長「職務ご苦労さまでした」
姫「えへーっ! ねぇねぇ参謀長ー! 姫ちゃん可愛かった!? 可愛かった!?」
参謀長「そうですね、どうでもいいです。俺ツルペタに興味ないし」
姫「つるぺたってゆった!? つるぺた好きにあやまれっ!!」
うわーんと泣きだす姫。
突撃長「そうですじゃ!! 謝ってくださいですじゃ!!」
参謀長「え……なんですかその必死な表情、まさかそっち系……」
もこズ「「「姫ちゃん泣かすなもきゅ!!」」」
たんぽぽ星人「おいおい、女のどんな特徴であれ愛してやるのが男ってもんだぜ青年」
みんなにつめよられる参謀長。
参謀長「ぐ……わかりました。確かに言いすぎました。姫」
姫「ぐすっ……?」
参謀長「……今日は本当にご苦労さまでした。お綺麗でしたよ」
姫「ぐすっ……本当? 姫ちゃん可愛い……?」
参謀長「はいはい可愛い可愛い」
804: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:26:21.13 ID:XgsqyrWj0
141
--ジャングル--
もこいち「姫ちゃんめっちゃ可愛かったもきゅ!」
もこじ「姫ちゃんめっちゃかっこよかったもきゅ!」
もこぞう「姫ちゃんめっちゃもっきゅもきゅだったもきゅ!」
可愛い姿に戻ったもこもこ達は姫にくっついてもきゅもきゅ言っている。
参謀長「あ、今日の晩御飯担当は俺か」
すたすた
参謀長はやり取りを無視して台所に。
姫「あーっ! 姫ちゃんのこと無視したっ!? いけないんだっ!! こっかげんしゅ無視したらいけないんだっ!!」
もこズ「「「そうもきゅそうもきゅ!!」」」
参謀長(うるせぇ)「今日は麻婆豆腐にしますね突撃長さん」
突撃長「ほっほっ、麻婆豆腐とはご馳走ですじゃ」
姫「まーぼーどうふって何っ!?」
もこズ「「「なにーっ!?」」」
たんぽぽ星人「愉悦」
--ジャングル--
もこいち「姫ちゃんめっちゃ可愛かったもきゅ!」
もこじ「姫ちゃんめっちゃかっこよかったもきゅ!」
もこぞう「姫ちゃんめっちゃもっきゅもきゅだったもきゅ!」
可愛い姿に戻ったもこもこ達は姫にくっついてもきゅもきゅ言っている。
参謀長「あ、今日の晩御飯担当は俺か」
すたすた
参謀長はやり取りを無視して台所に。
姫「あーっ! 姫ちゃんのこと無視したっ!? いけないんだっ!! こっかげんしゅ無視したらいけないんだっ!!」
もこズ「「「そうもきゅそうもきゅ!!」」」
参謀長(うるせぇ)「今日は麻婆豆腐にしますね突撃長さん」
突撃長「ほっほっ、麻婆豆腐とはご馳走ですじゃ」
姫「まーぼーどうふって何っ!?」
もこズ「「「なにーっ!?」」」
たんぽぽ星人「愉悦」
805: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:26:57.24 ID:XgsqyrWj0
142
--ジャングル--
とんとんとん
台所で参謀長が調理を始める。
突撃長「いやしかし国民が一気に増えましたな。気になるところはありますが、まぁさすがは参謀長殿と言ったところですじゃ」
ズズ
突撃長は茶をすすった。
突撃長「……そういえば潜入長は大丈夫なのか心配ですじゃ」
たんぽぽ星人「あぁ……そういえばそうだな。参謀長に何を頼まれたか知らないが、少し帰りが遅いな」
姫「……」
スッ
--ジャングル--
とんとんとん
台所で参謀長が調理を始める。
突撃長「いやしかし国民が一気に増えましたな。気になるところはありますが、まぁさすがは参謀長殿と言ったところですじゃ」
ズズ
突撃長は茶をすすった。
突撃長「……そういえば潜入長は大丈夫なのか心配ですじゃ」
たんぽぽ星人「あぁ……そういえばそうだな。参謀長に何を頼まれたか知らないが、少し帰りが遅いな」
姫「……」
スッ
806: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:27:55.89 ID:XgsqyrWj0
143
--ジャングル--
とんとんとん
参謀長(やれやれ、やっとスタート地点に立てるといったところか)
ばしゃ
参謀長は手慣れた手つきで料理をしている。
参謀長(思ったより手間取ったほうか? あまり間をおかずに次の行動を移した方がいいな)
ぎし
参謀長「ん?」
ぎし
姫「……」
いつのまにか参謀長の後ろには姫がいた。
--ジャングル--
とんとんとん
参謀長(やれやれ、やっとスタート地点に立てるといったところか)
ばしゃ
参謀長は手慣れた手つきで料理をしている。
参謀長(思ったより手間取ったほうか? あまり間をおかずに次の行動を移した方がいいな)
ぎし
参謀長「ん?」
ぎし
姫「……」
いつのまにか参謀長の後ろには姫がいた。
807: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:28:36.60 ID:XgsqyrWj0
144
--ジャングル--
参謀長「……どうかしましたか姫。つまみ食いはダメですよ」
参謀長は床下に作った天然の冷蔵庫から豆腐を取り出した。
姫「……」
参謀長「? 姫?」
何も喋らない姫を不審に思い振りかえる参謀長。
ギシッ
そこには、
姫「こたびの働き、大義であったな」
参謀長「!!」
どくん!
眼を黄金に輝かせる姫の姿があった。
--ジャングル--
参謀長「……どうかしましたか姫。つまみ食いはダメですよ」
参謀長は床下に作った天然の冷蔵庫から豆腐を取り出した。
姫「……」
参謀長「? 姫?」
何も喋らない姫を不審に思い振りかえる参謀長。
ギシッ
そこには、
姫「こたびの働き、大義であったな」
参謀長「!!」
どくん!
眼を黄金に輝かせる姫の姿があった。
808: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:29:45.32 ID:XgsqyrWj0
145
--ジャングル--
参謀長「ど」
姫「そなたが裏で動いていたことなど余がわからぬはずもない」
参謀長「」
参謀長が言葉を発する前に、それに対応する返答が返ってくる。
姫「確かに余は領土を取り返せと命じた。だが醜い策謀を巡らせろと命じた覚えはないぞ」
参謀長「……はははっ」
参謀長は顔を歪ませて笑った。
参謀長「やっと……会えたな……やはり夢じゃあ無かった」
参謀長は顔を手で覆う。
姫「……」
ぎち
--ジャングル--
参謀長「ど」
姫「そなたが裏で動いていたことなど余がわからぬはずもない」
参謀長「」
参謀長が言葉を発する前に、それに対応する返答が返ってくる。
姫「確かに余は領土を取り返せと命じた。だが醜い策謀を巡らせろと命じた覚えはないぞ」
参謀長「……はははっ」
参謀長は顔を歪ませて笑った。
参謀長「やっと……会えたな……やはり夢じゃあ無かった」
参謀長は顔を手で覆う。
姫「……」
ぎち
809: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:30:43.94 ID:XgsqyrWj0
146
--ジャングル--
参謀長「……あんたにはばれてるってことくらい百も承知さ。そしてあんたが俺のやり方を気に入らないだろうことも」
姫「……」
参謀長「会ってもいない部族のやつらの行動も、俺が頭の中で巡らせた策略も、全て読みきったからこそ、今日、あの格好で出てきたんだろう?」
姫「……」
参謀長「全く大したものだよ。普段からは想像もつかない……なのに王の言まで使ってあいつらを国民に加えたのは」
姫「あぁでもしなければ、破滅させられていただろう」
参謀長「……はははっ」
彼らが国民になるまで弱らせ続ける。
自分たちを便らざるを得なくなるまで作戦を続ける。
その果てに一族が滅ぶことになろうとも、参謀長は躊躇わない。
姫「……」
そんな参謀長の考えを姫はわかっていたのだろう。
--ジャングル--
参謀長「……あんたにはばれてるってことくらい百も承知さ。そしてあんたが俺のやり方を気に入らないだろうことも」
姫「……」
参謀長「会ってもいない部族のやつらの行動も、俺が頭の中で巡らせた策略も、全て読みきったからこそ、今日、あの格好で出てきたんだろう?」
姫「……」
参謀長「全く大したものだよ。普段からは想像もつかない……なのに王の言まで使ってあいつらを国民に加えたのは」
姫「あぁでもしなければ、破滅させられていただろう」
参謀長「……はははっ」
彼らが国民になるまで弱らせ続ける。
自分たちを便らざるを得なくなるまで作戦を続ける。
その果てに一族が滅ぶことになろうとも、参謀長は躊躇わない。
姫「……」
そんな参謀長の考えを姫はわかっていたのだろう。
810: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:32:00.91 ID:XgsqyrWj0
147
--ジャングル--
参謀長「やはりあんたは……おもしろい」
狂気で淀んだ瞳と黄金に輝く瞳が交差する。
参謀長「それだ、それでこそだ。俺が追い求める理想はあんたじゃあなきゃダメなんだ。あんたならきっと世界の王になれる……。俺は……あんたにどう思われようが構わない。あんたに嫌われ仲間に嫌われ、その果てに自分の全てを失っても構わない」
姫「……」
参謀長は姫の肩を掴む。
ぎっ
参謀長「必ずやあんたには天下を握ってもらう……俺が唯一持ってる信念のために」
姫「……」
黄金が、暗む。
参謀長「……俺の願いはただそれだけなのだから」
姫「……お前の主は己が信念であり、余ではないのだな……」
わかりきったこと、と参謀長は呟く。
姫「……黒虎の一族は余の民となった。以後、余の民を犠牲にすることを前提にした策を禁ず」
参謀長「……仰せのままに」
--ジャングル--
参謀長「やはりあんたは……おもしろい」
狂気で淀んだ瞳と黄金に輝く瞳が交差する。
参謀長「それだ、それでこそだ。俺が追い求める理想はあんたじゃあなきゃダメなんだ。あんたならきっと世界の王になれる……。俺は……あんたにどう思われようが構わない。あんたに嫌われ仲間に嫌われ、その果てに自分の全てを失っても構わない」
姫「……」
参謀長は姫の肩を掴む。
ぎっ
参謀長「必ずやあんたには天下を握ってもらう……俺が唯一持ってる信念のために」
姫「……」
黄金が、暗む。
参謀長「……俺の願いはただそれだけなのだから」
姫「……お前の主は己が信念であり、余ではないのだな……」
わかりきったこと、と参謀長は呟く。
姫「……黒虎の一族は余の民となった。以後、余の民を犠牲にすることを前提にした策を禁ず」
参謀長「……仰せのままに」
811: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:33:53.81 ID:XgsqyrWj0
148
--王国--
妃「新王さん……?」
ポタッ、ポタタッ
新王「ぐ……あ」
妃が部屋に入り視界に飛び込んできたものは、
大臣「ふふ……」
妃「新王さん!」
血まみれで机にしがみついている新王だった。
妃「大丈夫ですか!? しっかり!! ……己くそ大臣~とうとうとち狂いやがりましたですか~!?」
妃が新王に駆け寄る。
妃「!? ……それ、は」
大臣が手にしているものは螺旋状の剣。
妃「キング……キラー……」
--王国--
妃「新王さん……?」
ポタッ、ポタタッ
新王「ぐ……あ」
妃が部屋に入り視界に飛び込んできたものは、
大臣「ふふ……」
妃「新王さん!」
血まみれで机にしがみついている新王だった。
妃「大丈夫ですか!? しっかり!! ……己くそ大臣~とうとうとち狂いやがりましたですか~!?」
妃が新王に駆け寄る。
妃「!? ……それ、は」
大臣が手にしているものは螺旋状の剣。
妃「キング……キラー……」
812: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:34:27.87 ID:XgsqyrWj0
149
--王国--
大臣「はははっ、やっと気付きましたか。冷静に考えて、戦闘能力に乏しい私が新王様にダメージを与えられるはずがないでしょうに」
妃「なぜそれをお前が!!」
大臣「さぁ、なぜでしょう? 大体の推測はつくんじゃないですか?」
妃「……!」
新王「逃げ、るんだ妃さん……」
妃「何を言ってやがりますか!! こんなやつ私が!!」
す
妃「!?」
大臣「確かにこのキングキラーは対王兵装、貴女にはなんの力も発揮しません……が、そのために彼らを忍ばせているんです」
大臣の後ろには二人の男と一人の女がいた。
妃(いつの間に!? 私の感覚で感知出来ないなんて~……というか)
--王国--
大臣「はははっ、やっと気付きましたか。冷静に考えて、戦闘能力に乏しい私が新王様にダメージを与えられるはずがないでしょうに」
妃「なぜそれをお前が!!」
大臣「さぁ、なぜでしょう? 大体の推測はつくんじゃないですか?」
妃「……!」
新王「逃げ、るんだ妃さん……」
妃「何を言ってやがりますか!! こんなやつ私が!!」
す
妃「!?」
大臣「確かにこのキングキラーは対王兵装、貴女にはなんの力も発揮しません……が、そのために彼らを忍ばせているんです」
大臣の後ろには二人の男と一人の女がいた。
妃(いつの間に!? 私の感覚で感知出来ないなんて~……というか)
813: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:35:09.94 ID:XgsqyrWj0
150
--王国--
軍師「……」
妃「貴方も……そっち側だったんですか~」
軍師「申し訳ねぇだぜぃ」
大臣「くくく、表立って力を発揮するのは初めてですから多少不安です。くれぐれも私を失望させないで下さいよ?」
?「任せて大臣様、私達が真の成功作であることを見せてあげるおー」
トリコロールカラーの女性は元気よく手を挙げる。
??「やっちゃるけぇのぉ、覚悟せえやぁあねごおるぁっ!!」
いかにもなリーゼントの男性が力強く答える。
軍師「……」
その二人の後ろに立っている軍師。
妃「ふんっ! 私を誰だか知っているのですか~!? 私は」
大臣「プロトタイプを滅せよ、新型人造勇者達よ」
--王国--
軍師「……」
妃「貴方も……そっち側だったんですか~」
軍師「申し訳ねぇだぜぃ」
大臣「くくく、表立って力を発揮するのは初めてですから多少不安です。くれぐれも私を失望させないで下さいよ?」
?「任せて大臣様、私達が真の成功作であることを見せてあげるおー」
トリコロールカラーの女性は元気よく手を挙げる。
??「やっちゃるけぇのぉ、覚悟せえやぁあねごおるぁっ!!」
いかにもなリーゼントの男性が力強く答える。
軍師「……」
その二人の後ろに立っている軍師。
妃「ふんっ! 私を誰だか知っているのですか~!? 私は」
大臣「プロトタイプを滅せよ、新型人造勇者達よ」
814: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:35:40.32 ID:XgsqyrWj0
151
--王国--
新王、妃「「!!」」
二人が驚きで動きが一瞬止まったのを彼らは見逃さず、
軍師「オーズ、」
?改めオーズ「おーらい!」
シャッ
オーズが拳を叩きこんだ。
ドッガァァァン!!
妃(づっ!!)
部屋をも砕く一撃、二人は城の外に弾き出されてしまった。
--王国--
新王、妃「「!!」」
二人が驚きで動きが一瞬止まったのを彼らは見逃さず、
軍師「オーズ、」
?改めオーズ「おーらい!」
シャッ
オーズが拳を叩きこんだ。
ドッガァァァン!!
妃(づっ!!)
部屋をも砕く一撃、二人は城の外に弾き出されてしまった。
815: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:36:11.85 ID:XgsqyrWj0
152
--王国--
ドッガァァァン!!
王国兵士「! 何だ!?」
がたたたっ
王国細兵士「あぁ、改装工事やるから王のいる塔には近づくな、って奴だろ? 今朝張り出されてたぜ」
ぱし
ポーカーをやっている兵士達。
王国兵士「そうだったか。いや敵国から砲弾でもぶち込まれたのかと」
王国太兵士「そんなことになってたらさすがに気付くは」
ははははっ、と笑い合う三人。
王国細兵士「……」
--王国--
ドッガァァァン!!
王国兵士「! 何だ!?」
がたたたっ
王国細兵士「あぁ、改装工事やるから王のいる塔には近づくな、って奴だろ? 今朝張り出されてたぜ」
ぱし
ポーカーをやっている兵士達。
王国兵士「そうだったか。いや敵国から砲弾でもぶち込まれたのかと」
王国太兵士「そんなことになってたらさすがに気付くは」
ははははっ、と笑い合う三人。
王国細兵士「……」
816: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:36:59.73 ID:XgsqyrWj0
153
--王国--
ズザザザー!!
妃「くっ……随分弾き飛ばされてしまいました~……が」
妃は城の外を見張っている兵士たちと目が合った。
妃「残念暗殺失敗ですね~! そこの者達~! 力を貸しやがれです~! 大臣が無謀をおこしやがりました~!」
妃は兵士達にそう叫んだ。
王国見張り兵「……」
妃「? ……様子が」
ざん!
オーズ「あはは滑稽だおー」
??「まだ仲間がいるとおもっとるんかぬしゃあ!」
妃「!?」
新王「くそ……そういうことか」
--王国--
ズザザザー!!
妃「くっ……随分弾き飛ばされてしまいました~……が」
妃は城の外を見張っている兵士たちと目が合った。
妃「残念暗殺失敗ですね~! そこの者達~! 力を貸しやがれです~! 大臣が無謀をおこしやがりました~!」
妃は兵士達にそう叫んだ。
王国見張り兵「……」
妃「? ……様子が」
ざん!
オーズ「あはは滑稽だおー」
??「まだ仲間がいるとおもっとるんかぬしゃあ!」
妃「!?」
新王「くそ……そういうことか」
817: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:37:53.33 ID:XgsqyrWj0
154
--王国--
軍師「フォーゼ」
??改めフォーゼ「おぅっ!!」
フォーゼは跳躍し、魔力を込めた蹴りを放つ。
ヒュンッ!!
妃「!!!! 舐めるなぁぁ!!」
それを迎え撃つ妃。
ガガガァァン!!
フォーゼ「おっ!」
妃「くっ!」
ざざざー!!!
二人はお互いの蹴りで弾かれた。
--王国--
軍師「フォーゼ」
??改めフォーゼ「おぅっ!!」
フォーゼは跳躍し、魔力を込めた蹴りを放つ。
ヒュンッ!!
妃「!!!! 舐めるなぁぁ!!」
それを迎え撃つ妃。
ガガガァァン!!
フォーゼ「おっ!」
妃「くっ!」
ざざざー!!!
二人はお互いの蹴りで弾かれた。
818: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:39:45.75 ID:XgsqyrWj0
155
--王国--
フォーゼ「おばんのくせに中々えぇキックじゃあのぉ!」
妃「ぶちっっ!?」
妃は新王をそっと地面に下ろす。
妃「あー……もう私キレちゃいましたよ~……」
新王「ちょ、やめ」
妃「そもそも~そういう裏でこそこそして仲間外れにしちゃうような姑息なやつが~」
ぼぶんっ!
妃の脂肪が絞られる。
妃「いっちばん……嫌いなんですよ~!!」
だんっ!
妃は跳躍しながら回転し、舞った。
オーズ「おあー、さすが魔王討伐パーティの一人だおー!」
--王国--
フォーゼ「おばんのくせに中々えぇキックじゃあのぉ!」
妃「ぶちっっ!?」
妃は新王をそっと地面に下ろす。
妃「あー……もう私キレちゃいましたよ~……」
新王「ちょ、やめ」
妃「そもそも~そういう裏でこそこそして仲間外れにしちゃうような姑息なやつが~」
ぼぶんっ!
妃の脂肪が絞られる。
妃「いっちばん……嫌いなんですよ~!!」
だんっ!
妃は跳躍しながら回転し、舞った。
オーズ「おあー、さすが魔王討伐パーティの一人だおー!」
819: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:40:19.73 ID:XgsqyrWj0
156
--王国--
ビキビキビキ!!
妃の右足に氷が巻き付いていく。
バリバリバリダァッ!!
フォーゼ「ちぃっ!! タイマンしたいとこじゃがぁ、今回ばっかは仕方ねぇ!」
軍師「元々おいら達はチーム用だぜぃ」
ひゅるひゅるひゅる
空中で一つの天災である妃が、今まさに狙いを定め落下しようとしていた。
妃「ハイパァァァーフローズンドリル蹴りぃぃぃ!!」
ギャギャギャギャギャ!!
天を裂く氷塊と化した妃の蹴りが新型達を襲う。
--王国--
ビキビキビキ!!
妃の右足に氷が巻き付いていく。
バリバリバリダァッ!!
フォーゼ「ちぃっ!! タイマンしたいとこじゃがぁ、今回ばっかは仕方ねぇ!」
軍師「元々おいら達はチーム用だぜぃ」
ひゅるひゅるひゅる
空中で一つの天災である妃が、今まさに狙いを定め落下しようとしていた。
妃「ハイパァァァーフローズンドリル蹴りぃぃぃ!!」
ギャギャギャギャギャ!!
天を裂く氷塊と化した妃の蹴りが新型達を襲う。
820: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:40:58.25 ID:XgsqyrWj0
157
--王国--
オーズ、フォーゼ「「二属性複合障壁魔法、はぁっ!!」」
ドッ、ギャギャギャギャ!!
咄嗟にオーズとフォーゼは障壁を展開し、妃の蹴りを受けとめた。
妃「……ふん、その程度!!」
ギャギャギャギャ!!
オーズ「おあ!? こりゃ中々凄いお……!」
フォーゼ「しゃらくせぇ!!」
ブブン!!
辺り一帯全てを吸い寄せるほどの螺旋回転、その威力を前にして障壁が歪みはじめていた。
軍師「……」
それを見て軍師は二人に手をかざした。
軍師「土と水属性の障壁を追加」
--王国--
オーズ、フォーゼ「「二属性複合障壁魔法、はぁっ!!」」
ドッ、ギャギャギャギャ!!
咄嗟にオーズとフォーゼは障壁を展開し、妃の蹴りを受けとめた。
妃「……ふん、その程度!!」
ギャギャギャギャ!!
オーズ「おあ!? こりゃ中々凄いお……!」
フォーゼ「しゃらくせぇ!!」
ブブン!!
辺り一帯全てを吸い寄せるほどの螺旋回転、その威力を前にして障壁が歪みはじめていた。
軍師「……」
それを見て軍師は二人に手をかざした。
軍師「土と水属性の障壁を追加」
821: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:41:45.61 ID:XgsqyrWj0
158
--王国--
オーズ「おー!」
フォーゼ「しゃあねぇぜ!」
ブン!
妃「四属性複合障壁……!」
ぎゅるるる、るる
さすがの妃の蹴りも勢いを無くし始め、
軍師「よし、跳ね返せ」
オーズ「おーー」
フォーゼ「らぁぁぁ!!」
障壁の形が変化し、
妃「!!」
バチィン!!
妃を弾き飛ばす。
新王「だめ……だ……逃げるんだ、妃」
--王国--
オーズ「おー!」
フォーゼ「しゃあねぇぜ!」
ブン!
妃「四属性複合障壁……!」
ぎゅるるる、るる
さすがの妃の蹴りも勢いを無くし始め、
軍師「よし、跳ね返せ」
オーズ「おーー」
フォーゼ「らぁぁぁ!!」
障壁の形が変化し、
妃「!!」
バチィン!!
妃を弾き飛ばす。
新王「だめ……だ……逃げるんだ、妃」
822: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:42:42.47 ID:XgsqyrWj0
159
--王国--
オーズ「おらおらいくですおー!」
オーズは追撃を加えんとばかりに走りだす。
妃「! くっ!」
ヒュッ、ガ!
妃の迎撃を片腕で受けてみせるオーズ。
ギシシっ
オーズ「……そんなもんじゃないお? もっと見せてくれお!」
ガガガガッ!!
魔力を込めた拳と足による打ち合い、その破壊力は衝撃で地面が凹むほどである。
妃(さすがは人造勇者! ため込んだ魔力を使ってやっとですか~!)
ガガァン!!
--王国--
オーズ「おらおらいくですおー!」
オーズは追撃を加えんとばかりに走りだす。
妃「! くっ!」
ヒュッ、ガ!
妃の迎撃を片腕で受けてみせるオーズ。
ギシシっ
オーズ「……そんなもんじゃないお? もっと見せてくれお!」
ガガガガッ!!
魔力を込めた拳と足による打ち合い、その破壊力は衝撃で地面が凹むほどである。
妃(さすがは人造勇者! ため込んだ魔力を使ってやっとですか~!)
ガガァン!!
823: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/23(月) 22:43:24.48 ID:XgsqyrWj0
160
--王国--
オーズ(楽しいお! 楽しいお!!)
ガガガガッ!!
フォーゼ「ちぃっ。タイマンモードのスイッチが入っちまったぜオーズのやろぉ」
パキコキ
指を鳴らしその光景を見ているフォーゼ。
軍師「女の子にやろぉは駄目だぜぃ」
オーズ「きゃおーっ!」
ひゅおおおおお
?「……」
その戦いを遥か遠くから見ている者がいた。
--王国--
オーズ(楽しいお! 楽しいお!!)
ガガガガッ!!
フォーゼ「ちぃっ。タイマンモードのスイッチが入っちまったぜオーズのやろぉ」
パキコキ
指を鳴らしその光景を見ているフォーゼ。
軍師「女の子にやろぉは駄目だぜぃ」
オーズ「きゃおーっ!」
ひゅおおおおお
?「……」
その戦いを遥か遠くから見ている者がいた。
832: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 21:57:11.18 ID:baDgqT6V0
161
--王国--
ガガガッガンッ!!
オーズ「おっ」
緩急をつけた妃の攻撃にタイミングを崩され、オーズはガードをし損なった。
妃「しっ!」
決める。
フォーゼ「」
ギンッ!!
妃「!? ッく」
そのつもりで踏み込もうとしたのだが、その瞬間の隙をフォーゼがついてくることを予見し、妃はギリギリのところで踏み止まった。
--王国--
ガガガッガンッ!!
オーズ「おっ」
緩急をつけた妃の攻撃にタイミングを崩され、オーズはガードをし損なった。
妃「しっ!」
決める。
フォーゼ「」
ギンッ!!
妃「!? ッく」
そのつもりで踏み込もうとしたのだが、その瞬間の隙をフォーゼがついてくることを予見し、妃はギリギリのところで踏み止まった。
833: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 21:57:46.70 ID:baDgqT6V0
162
--王国--
フォーゼ「おっ。なんだよ、俺ぁは横槍なんか入れねぇぞこるぁっ! タイマン大好きじゃこるぁっ!」
妃(どうだか~……それに本人にその意志は無くても軍師が動かせばいいだけなんですし~)
軍師「……」
オーズ「今のも面白いお! もっとやるおー!」
ガンッ!!
妃「ッ!!」
ビリビリビリビリ!
考えごとが一瞬ガードを遅らせてしまった。
そのため完全な態勢で受けることが出来ずに、衝撃は妃の体内で暴れ回る。
妃(ぐっ! ぎっ!)
フォーゼ「あ~……ありゃ勝負ついちまったなこるぁっ」
--王国--
フォーゼ「おっ。なんだよ、俺ぁは横槍なんか入れねぇぞこるぁっ! タイマン大好きじゃこるぁっ!」
妃(どうだか~……それに本人にその意志は無くても軍師が動かせばいいだけなんですし~)
軍師「……」
オーズ「今のも面白いお! もっとやるおー!」
ガンッ!!
妃「ッ!!」
ビリビリビリビリ!
考えごとが一瞬ガードを遅らせてしまった。
そのため完全な態勢で受けることが出来ずに、衝撃は妃の体内で暴れ回る。
妃(ぐっ! ぎっ!)
フォーゼ「あ~……ありゃ勝負ついちまったなこるぁっ」
834: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 21:58:41.92 ID:baDgqT6V0
163
--西の王国国境--
潜入兵「はぁっ、はぁっ」
ぎし
潜入長「ぐ……」
潜入長は患者用の衣服で砦内をうろついていた。
潜入長(縄で縛ったぐらいじゃ甘いですね……そんなの簡単ですよ。づっ!)
ジワリと傷口が開くのを感じる。
潜入長(くっ……逃亡防止のために、傷を作って完全に治癒しないのは、どこの国でも一緒ですか)
ずり、ずり
潜入長(ふふ)
潜入長は自分の胸の傷口に手を差し込んだ。
ずる
そして、体内から何かを取り出した。
潜入長(ただでは、負けないんですよ)
--西の王国国境--
潜入兵「はぁっ、はぁっ」
ぎし
潜入長「ぐ……」
潜入長は患者用の衣服で砦内をうろついていた。
潜入長(縄で縛ったぐらいじゃ甘いですね……そんなの簡単ですよ。づっ!)
ジワリと傷口が開くのを感じる。
潜入長(くっ……逃亡防止のために、傷を作って完全に治癒しないのは、どこの国でも一緒ですか)
ずり、ずり
潜入長(ふふ)
潜入長は自分の胸の傷口に手を差し込んだ。
ずる
そして、体内から何かを取り出した。
潜入長(ただでは、負けないんですよ)
835: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 21:59:38.70 ID:baDgqT6V0
164
--西の王国国境--
こく
潜入長「ふぅ……」
潜入長は体内から取り出したカプセル状のものの中身を飲み込むと一気に顔の色が良くなった。
潜入長(生命酒、相変わらず効きますね、一瞬で全快です)
潜入長は体を動かしてみる。
潜入長(……よし、逃げますか)
潜入長は同じく取り出したナイフを装備した。
さささっ
潜入長(今までと普通の配置ですね。これならなんなくいける)
そして誰もいない通路に差し掛かった途端、
カツン
と、誰かの足音が聞こえた。
--西の王国国境--
こく
潜入長「ふぅ……」
潜入長は体内から取り出したカプセル状のものの中身を飲み込むと一気に顔の色が良くなった。
潜入長(生命酒、相変わらず効きますね、一瞬で全快です)
潜入長は体を動かしてみる。
潜入長(……よし、逃げますか)
潜入長は同じく取り出したナイフを装備した。
さささっ
潜入長(今までと普通の配置ですね。これならなんなくいける)
そして誰もいない通路に差し掛かった途端、
カツン
と、誰かの足音が聞こえた。
836: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:00:21.66 ID:baDgqT6V0
165
--西の王国国境--
潜入長(? この時間、ここには見張りがこないはずなんだけど……インビジボォ)
じゅじゅ
潜入長は姿を消してその足音の相手が角を曲がってくるのを待った。
カツン、カツン
潜入長(三強レベルじゃなければ一瞬で倒せます)
カツン、カツン、カツン
潜入長(今だ!)
カツン
潜入長(え……)
??「……なるほど。予め体の中に道具を仕込んでおいて、そこをわざと攻撃させることで回収しやすくすると。弱者の知恵というやつですか?」
潜入長(な……な)
??改め秘書「まぁ私には縁のないことですね」
--西の王国国境--
潜入長(? この時間、ここには見張りがこないはずなんだけど……インビジボォ)
じゅじゅ
潜入長は姿を消してその足音の相手が角を曲がってくるのを待った。
カツン、カツン
潜入長(三強レベルじゃなければ一瞬で倒せます)
カツン、カツン、カツン
潜入長(今だ!)
カツン
潜入長(え……)
??「……なるほど。予め体の中に道具を仕込んでおいて、そこをわざと攻撃させることで回収しやすくすると。弱者の知恵というやつですか?」
潜入長(な……な)
??改め秘書「まぁ私には縁のないことですね」
837: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:00:51.08 ID:baDgqT6V0
166
--西の王国国境--
潜入長(こ、ここ、この人は!!)
しゃりん
秘書はナイフを抜いた。
潜入長(!! で、でも姿が見えない今ならこっちの方が有利!!)
ざぶしゅ
潜入長「え」
秘書「はぁ」
一瞬で秘書は潜入長の後ろに移動していた。
そして
潜入長「あ、が」
秘書「見えようが見えまいが、人には変わりありません」
ぶしゃああああああああああああああ
潜入長「」
大量の血を噴き出しながら潜入長は倒れた。
--西の王国国境--
潜入長(こ、ここ、この人は!!)
しゃりん
秘書はナイフを抜いた。
潜入長(!! で、でも姿が見えない今ならこっちの方が有利!!)
ざぶしゅ
潜入長「え」
秘書「はぁ」
一瞬で秘書は潜入長の後ろに移動していた。
そして
潜入長「あ、が」
秘書「見えようが見えまいが、人には変わりありません」
ぶしゃああああああああああああああ
潜入長「」
大量の血を噴き出しながら潜入長は倒れた。
838: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:01:57.24 ID:baDgqT6V0
167
--王国--
ガガガドボォッ!!
妃「ッ!!」
間もなくして、オーズの拳が妃を完全に捕らえた。
妃「げほっ! がっ!」
妃は地面に倒れ、起き上がることも難しい。
オーズ「お~、防御力はさっきの方があったお~」
じゃり
オーズは
オーズ「もうちょい楽しみたかったのに残念お」
ババチ!!
オーズの右拳に今までの比ではないほどの魔力が一点に集められている。
--王国--
ガガガドボォッ!!
妃「ッ!!」
間もなくして、オーズの拳が妃を完全に捕らえた。
妃「げほっ! がっ!」
妃は地面に倒れ、起き上がることも難しい。
オーズ「お~、防御力はさっきの方があったお~」
じゃり
オーズは
オーズ「もうちょい楽しみたかったのに残念お」
ババチ!!
オーズの右拳に今までの比ではないほどの魔力が一点に集められている。
839: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:02:25.28 ID:baDgqT6V0
168
--王国--
バチバチバチバチ!!!!
オーズ「ふっふっふおー」
ごごごご
妃は拳を握りしめている。
妃(っ!! ……こいつ……今まで手を抜いて~……)
フォーゼ「ちぃっ! 俺の出番は無さそうじゃねぇかこるぁぁっ!」
オーズ「おさらばっ!」
妃「」
ぎゅん!!
妃を絶命させるためにオーズの拳が振り下ろされる。
--王国--
バチバチバチバチ!!!!
オーズ「ふっふっふおー」
ごごごご
妃は拳を握りしめている。
妃(っ!! ……こいつ……今まで手を抜いて~……)
フォーゼ「ちぃっ! 俺の出番は無さそうじゃねぇかこるぁぁっ!」
オーズ「おさらばっ!」
妃「」
ぎゅん!!
妃を絶命させるためにオーズの拳が振り下ろされる。
840: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:02:55.44 ID:baDgqT6V0
169
--王国--
かたかたかた
王国太兵士「お?」
かたかたかた
テーブルが揺れている。
王国兵士「おい、良い手でもきたのか? 貧乏揺すりが激しいぞ」
王国太兵士「……いや、俺じゃねえ……地震か?」
王国濃兵士「……なんか寒気がするな」
それは全ての人類が抱く、遺伝子に刻まれた死への恐怖。
王国兵士「なんか……嫌な感じだ。外を見てくるか」
がたっ
--王国--
かたかたかた
王国太兵士「お?」
かたかたかた
テーブルが揺れている。
王国兵士「おい、良い手でもきたのか? 貧乏揺すりが激しいぞ」
王国太兵士「……いや、俺じゃねえ……地震か?」
王国濃兵士「……なんか寒気がするな」
それは全ての人類が抱く、遺伝子に刻まれた死への恐怖。
王国兵士「なんか……嫌な感じだ。外を見てくるか」
がたっ
841: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:03:31.49 ID:baDgqT6V0
170
--王国--
ぎゅおおおお!!
オーズ「!! これって」
フォーゼ「あれが噂のやつかこるぁっ!」
軍師「……」
ぎゅおおおお!!
妃の体から黒い力が勢いよく吹き出している。
ぶちっ!
妃の身体中の血管が破れ、そこから火や風などの各種属性の力が漏れる。
妃「もう、かんっっぺきに怒りました~」
びきびきびき!!
大地が震えるほどのおぞましい力……。
妃「魔王化ですよ~!!」
--王国--
ぎゅおおおお!!
オーズ「!! これって」
フォーゼ「あれが噂のやつかこるぁっ!」
軍師「……」
ぎゅおおおお!!
妃の体から黒い力が勢いよく吹き出している。
ぶちっ!
妃の身体中の血管が破れ、そこから火や風などの各種属性の力が漏れる。
妃「もう、かんっっぺきに怒りました~」
びきびきびき!!
大地が震えるほどのおぞましい力……。
妃「魔王化ですよ~!!」
842: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:03:59.76 ID:baDgqT6V0
171
--王国--
オーズ「!」
フォーゼ「はははっ!」
軍師「残念だぜぃ」
バチバチバチ!!
妃「はぁぁ……」
妃は不完全ながらも魔王化を成功させる。漆黒の鎧を身に纏い、所々切れ目から魔力を噴出させていた。
妃「ぐ……なるべく使いたくなかったですが、背に腹は変えられないですからね~」
ギン!
妃は強大な魔力が込められた眼で三人を見据える。
--王国--
オーズ「!」
フォーゼ「はははっ!」
軍師「残念だぜぃ」
バチバチバチ!!
妃「はぁぁ……」
妃は不完全ながらも魔王化を成功させる。漆黒の鎧を身に纏い、所々切れ目から魔力を噴出させていた。
妃「ぐ……なるべく使いたくなかったですが、背に腹は変えられないですからね~」
ギン!
妃は強大な魔力が込められた眼で三人を見据える。
843: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:04:28.67 ID:baDgqT6V0
172
--王国--
ビリビリビリビリ!
オーズ「おおっ!?」
フォーゼ「いっちょ前にプレッシャーかこるぁっ!」
軍師(ん、睨まれただけで動けないだぜぃ)
三人は動きを束縛されてしまった。
妃「はぁ~」
ビュオオオ!!
妃が力を込めると、右足を中心に黒い竜巻が発生する。
ババチ!!バチバチ!!
--王国--
ビリビリビリビリ!
オーズ「おおっ!?」
フォーゼ「いっちょ前にプレッシャーかこるぁっ!」
軍師(ん、睨まれただけで動けないだぜぃ)
三人は動きを束縛されてしまった。
妃「はぁ~」
ビュオオオ!!
妃が力を込めると、右足を中心に黒い竜巻が発生する。
ババチ!!バチバチ!!
844: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:05:32.74 ID:baDgqT6V0
173
--王国--
オーズ「うわ、雷まで発生してるお」
フォーゼ「上等だこるぁっ!」
軍師「さすがにあれを食らったらおだぶつだぜぃ」
三人は込められた魔力からその威力を推し量る。
軍師「やっぱりこの状態じゃあ、魔王化した相手とは戦えないだぜぃ」
オーズ「死んじゃうお」
フォーゼ「余裕だこるぁっ!」
フォーゼだけは威勢がいい。
軍師「とはいえこのままじゃあ全滅だぜぃ。ならばやるべきことをやるだぜぃ」
軍師は息を吸った。
--王国--
オーズ「うわ、雷まで発生してるお」
フォーゼ「上等だこるぁっ!」
軍師「さすがにあれを食らったらおだぶつだぜぃ」
三人は込められた魔力からその威力を推し量る。
軍師「やっぱりこの状態じゃあ、魔王化した相手とは戦えないだぜぃ」
オーズ「死んじゃうお」
フォーゼ「余裕だこるぁっ!」
フォーゼだけは威勢がいい。
軍師「とはいえこのままじゃあ全滅だぜぃ。ならばやるべきことをやるだぜぃ」
軍師は息を吸った。
845: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:06:54.96 ID:baDgqT6V0
174
--王国--
軍師「というわけでこちらも全制限解除」
オーズ「」
フォーゼ「」
ピシッ
軍師の宣言とともに二人は動かなくなる。
妃「? 何をする気か知りませんが~、こちとら待ってやる義理はねぇんですよ~!! 魔王技!!」
妃が魔力を推進力に跳躍する。
妃「スパ」
軍師「魔殺モード発動」
ぎゅりり
--王国--
軍師「というわけでこちらも全制限解除」
オーズ「」
フォーゼ「」
ピシッ
軍師の宣言とともに二人は動かなくなる。
妃「? 何をする気か知りませんが~、こちとら待ってやる義理はねぇんですよ~!! 魔王技!!」
妃が魔力を推進力に跳躍する。
妃「スパ」
軍師「魔殺モード発動」
ぎゅりり
846: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:07:32.07 ID:baDgqT6V0
175
--王国--
妃「!?」
その時妃は微かな違和感を感じた。
妃(なんだろう、てっきり魔王化してくるのだと思ってましたが~……これは)
妃が空中で足を突き出すまでの僅かな時間に、
ずず
オーズ「」
フォーゼ「」
二人は妃の横にまで跳躍していた。
妃「!?」
ぎゅりり
全身を真っ赤に発光させて。
--王国--
妃「!?」
その時妃は微かな違和感を感じた。
妃(なんだろう、てっきり魔王化してくるのだと思ってましたが~……これは)
妃が空中で足を突き出すまでの僅かな時間に、
ずず
オーズ「」
フォーゼ「」
二人は妃の横にまで跳躍していた。
妃「!?」
ぎゅりり
全身を真っ赤に発光させて。
847: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:08:25.86 ID:baDgqT6V0
176
--王国--
ドゴガッ!!
腹部と背中に強烈な攻撃を受ける妃。
妃(がっあ!! っ今の私が反応出来ない速度です!?)
フォーゼ「おるぁっ!!」
ギャッ!
妃「ッ」
思考がまとまらぬまま、妃はフォーゼに蹴り落とされる。
ズンッ!
妃「くっ」
地面に落下し、なんとか受け身をとるも
バガキッ!!
接近していたオーズに顔を殴り付けられてしまう。
--王国--
ドゴガッ!!
腹部と背中に強烈な攻撃を受ける妃。
妃(がっあ!! っ今の私が反応出来ない速度です!?)
フォーゼ「おるぁっ!!」
ギャッ!
妃「ッ」
思考がまとまらぬまま、妃はフォーゼに蹴り落とされる。
ズンッ!
妃「くっ」
地面に落下し、なんとか受け身をとるも
バガキッ!!
接近していたオーズに顔を殴り付けられてしまう。
848: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:08:54.38 ID:baDgqT6V0
177
--王国--
ガガッ!ドバキッ!!
軍師「……」
ざり
大臣「ほぉ、当たり前ではあるが、うまくいっておるようだな」
軍師「大臣様」
大臣「くく、まともに魔王化もできない出来損ないと聞いていたから心配していたが……なるほど、さすがに意地は見せるか」
大臣はいやらしい笑みを浮かべながら戦いを眺めていた。
大臣「どうだ軍師、お前から見て魔殺モードは」
軍師「悪くないですだぜぃ、上手く機能していますだぜぃ」
大臣「そうか」
ガガガガッ!ゴッ!ガガッ!!
妃(ッ! なぜここまで圧倒的に!)
--王国--
ガガッ!ドバキッ!!
軍師「……」
ざり
大臣「ほぉ、当たり前ではあるが、うまくいっておるようだな」
軍師「大臣様」
大臣「くく、まともに魔王化もできない出来損ないと聞いていたから心配していたが……なるほど、さすがに意地は見せるか」
大臣はいやらしい笑みを浮かべながら戦いを眺めていた。
大臣「どうだ軍師、お前から見て魔殺モードは」
軍師「悪くないですだぜぃ、上手く機能していますだぜぃ」
大臣「そうか」
ガガガガッ!ゴッ!ガガッ!!
妃(ッ! なぜここまで圧倒的に!)
849: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:10:53.94 ID:baDgqT6V0
178
--王国--
ぼろっ
妃「? ……!」
その時妃は、自分の鎧が所々剥がれていっていることにようやく気付いた。
大臣「ふははははどうです!? 魔王の力を封じ込め、その力を自身に転用する新たな力……これこそが勇者の最終形態!!」
妃(!! 私の方が、弱くなっていたのですか!!)
バッキャ!!
妃「」
オーズ「終わりだお」
無慈悲なオーズの右腕が、妃の胸部を鎧ごと貫いた。
妃「ッッ~~!!」
声にならぬ絶叫。
ゴポッ
妃がせりあがってきた血を吐き出す頃には、全身の鎧は完全に剥がれ終わっていた。
フォーゼ「ち、初めての実戦とはいえよぉ、二人がかりとは情けねぇぜこるぁっ!」
軍師(三対一だってばだぜぃ)
--王国--
ぼろっ
妃「? ……!」
その時妃は、自分の鎧が所々剥がれていっていることにようやく気付いた。
大臣「ふははははどうです!? 魔王の力を封じ込め、その力を自身に転用する新たな力……これこそが勇者の最終形態!!」
妃(!! 私の方が、弱くなっていたのですか!!)
バッキャ!!
妃「」
オーズ「終わりだお」
無慈悲なオーズの右腕が、妃の胸部を鎧ごと貫いた。
妃「ッッ~~!!」
声にならぬ絶叫。
ゴポッ
妃がせりあがってきた血を吐き出す頃には、全身の鎧は完全に剥がれ終わっていた。
フォーゼ「ち、初めての実戦とはいえよぉ、二人がかりとは情けねぇぜこるぁっ!」
軍師(三対一だってばだぜぃ)
850: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:11:46.44 ID:baDgqT6V0
179
--王国--
大臣「よくやった。その死体はお前達で処理しておけ」
軍師「はっ」
オーズ「めんどうなことは全部私達かお」
フォーゼ「ちぃっ」
大臣は城へと帰っていく。
軍師「じゃあまあ埋めてやるかだぜぃ。……正直嫌いじゃなかっただぜぃこの人達」
オーズ「そうなのかお? 私達は会ったことなかったから」
フォーゼ「……ふん! よぇぇから死ぬんじゃこるぁあっ!!」
軍師「優しい人達だっただぜぃ……せめて安らかに眠ってもらうのだぜぃ」
ざり
?「……」
フォーゼ「……ん! 誰だてめぇこるぁっ!?」
オーズ「!?」
軍師「……全身包帯巻きの不審者だぜぃ」
その時、どこからともなく、黒い包帯で全身を包んだ、謎の人物があらわれた。
軍師「顔まで包帯だぜぃ……」
フォーゼ「おるぁぁっ!! なんとかいえやこるぁあ!!」
フォーゼが激昂し掴みにかかると、
す
姿が消えた。
--王国--
大臣「よくやった。その死体はお前達で処理しておけ」
軍師「はっ」
オーズ「めんどうなことは全部私達かお」
フォーゼ「ちぃっ」
大臣は城へと帰っていく。
軍師「じゃあまあ埋めてやるかだぜぃ。……正直嫌いじゃなかっただぜぃこの人達」
オーズ「そうなのかお? 私達は会ったことなかったから」
フォーゼ「……ふん! よぇぇから死ぬんじゃこるぁあっ!!」
軍師「優しい人達だっただぜぃ……せめて安らかに眠ってもらうのだぜぃ」
ざり
?「……」
フォーゼ「……ん! 誰だてめぇこるぁっ!?」
オーズ「!?」
軍師「……全身包帯巻きの不審者だぜぃ」
その時、どこからともなく、黒い包帯で全身を包んだ、謎の人物があらわれた。
軍師「顔まで包帯だぜぃ……」
フォーゼ「おるぁぁっ!! なんとかいえやこるぁあ!!」
フォーゼが激昂し掴みにかかると、
す
姿が消えた。
851: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/07/30(月) 22:12:50.12 ID:baDgqT6V0
180
--王国--
オーズ「!! 後ろだおフォーゼ!!」
?「ひゅー、ひゅー」
か細い呼吸音をフォーゼの耳が拾う。
フォーゼ「なにっ!? こるぁっ!!」
振り向きざまに裏拳を放つがそこにはいない。
包帯の人物はフォーゼに攻撃をするでもなく、ただ新王達に向かって歩いていた。
オーズ「な、なんなんだお」
軍師「……」
得体の知れないその人物に警戒する三人。
すっ
そして包帯の人物は新王達の死体に手を伸ばした。
軍師「!! それが目的か! フォーゼ!」
くん!
軍師が命じるとフォーゼが走りだす。
フォーゼ「言われなくてもわかってるぁああ!! 食らえこるぁっ!!」
?「……」
しゅん
フォーゼの攻撃は空振った。そして、
オーズ「そんな……三人とも消えちゃったお……」
軍師「……」
新王と妃の死体が無くなっていた。
--王国--
オーズ「!! 後ろだおフォーゼ!!」
?「ひゅー、ひゅー」
か細い呼吸音をフォーゼの耳が拾う。
フォーゼ「なにっ!? こるぁっ!!」
振り向きざまに裏拳を放つがそこにはいない。
包帯の人物はフォーゼに攻撃をするでもなく、ただ新王達に向かって歩いていた。
オーズ「な、なんなんだお」
軍師「……」
得体の知れないその人物に警戒する三人。
すっ
そして包帯の人物は新王達の死体に手を伸ばした。
軍師「!! それが目的か! フォーゼ!」
くん!
軍師が命じるとフォーゼが走りだす。
フォーゼ「言われなくてもわかってるぁああ!! 食らえこるぁっ!!」
?「……」
しゅん
フォーゼの攻撃は空振った。そして、
オーズ「そんな……三人とも消えちゃったお……」
軍師「……」
新王と妃の死体が無くなっていた。
859: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 00:59:01.19 ID:M08JHtbz0
181
--ジャングル--
参謀長「ふあぁあ……いい朝だ」
突撃長「おはようございますですじゃ参謀長殿」
参謀長「あ、おはようございます。早いですね」
突撃長「はは。老人は朝が早いものですじゃよ。玉子は目玉焼きとスクランブルエッグどっちがお好みかな?」
参謀長「奥さんか!……あ、いや……スクランブルをお願いします」
突撃長「はい喜んで」
ガチャ
参謀長「んー……」
外に出て背伸びをする参謀長。
参謀長「今日もいい策謀日和」
--ジャングル--
参謀長「ふあぁあ……いい朝だ」
突撃長「おはようございますですじゃ参謀長殿」
参謀長「あ、おはようございます。早いですね」
突撃長「はは。老人は朝が早いものですじゃよ。玉子は目玉焼きとスクランブルエッグどっちがお好みかな?」
参謀長「奥さんか!……あ、いや……スクランブルをお願いします」
突撃長「はい喜んで」
ガチャ
参謀長「んー……」
外に出て背伸びをする参謀長。
参謀長「今日もいい策謀日和」
860: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 00:59:40.33 ID:M08JHtbz0
182
--ジャングル--
参謀長「んん……はぁ……ん?」
背伸を終えた参謀長は、小屋の前に見慣れぬ箱があるのを発見する。
参謀長「……まつろわぬ黒き民よ」
ささっ
ごき王「ははっ」
参謀長「あれはなんだ?」
ごき王「はっ、三時間前にジャングルの入り口に放置されたものでございます」
参謀長「……なぜそんなもの」
ごき王「この森にあったことは逐一報告せよとのことだったので」
--ジャングル--
参謀長「んん……はぁ……ん?」
背伸を終えた参謀長は、小屋の前に見慣れぬ箱があるのを発見する。
参謀長「……まつろわぬ黒き民よ」
ささっ
ごき王「ははっ」
参謀長「あれはなんだ?」
ごき王「はっ、三時間前にジャングルの入り口に放置されたものでございます」
参謀長「……なぜそんなもの」
ごき王「この森にあったことは逐一報告せよとのことだったので」
861: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:00:24.93 ID:M08JHtbz0
183
--ジャングル--
参謀長「そうか、ご苦労」
ざっ
参謀長は箱に近づく。
参謀長「中身は調べたのか?」
ごき王「もちろんでございます。危険なものではございません」
参謀長「ん」
参謀長が箱に手をやる。
ごき王「ただ」
参謀長「ん?」
ごき王「お気を悪くされませぬように」
--ジャングル--
参謀長「そうか、ご苦労」
ざっ
参謀長は箱に近づく。
参謀長「中身は調べたのか?」
ごき王「もちろんでございます。危険なものではございません」
参謀長「ん」
参謀長が箱に手をやる。
ごき王「ただ」
参謀長「ん?」
ごき王「お気を悪くされませぬように」
862: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:01:49.19 ID:M08JHtbz0
184
--ジャングル--
参謀長「?」
ガポ
ふたを開けるとそこには
参謀長「ッ!?」
(^p^)
参謀長「……潜入、長」
潜入長の首が入っていた。
--ジャングル--
参謀長「?」
ガポ
ふたを開けるとそこには
参謀長「ッ!?」
(^p^)
参謀長「……潜入、長」
潜入長の首が入っていた。
863: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:02:15.99 ID:M08JHtbz0
185
--遺跡--
びゅおおおおぉ
聖騎士「ぶるぅあぁあ……ばかなぁあ、やつよぉお前もぉ……折角生き延びぃぃぃたのだからぁあ、そのまま黙ってぇ余生を送ればよかったものをぉぉぉ」
亜人王「もう十分過ぎるほど余生を送った。それにお前なら気付いているのだろう? あの時溜めこんでいた力を解放してからというもの、力が抜けていくようだ」
もう長くは無い、と亜人王。
亜人王「一個の武人として、最後は戦いの中で散りたいのだ」
聖騎士「……ふるぅあぁあ。われええぇええをぉぉ、自殺のぉぉ手段にすると言うのかお前はぁぁ」
亜人王「違うわ。貴様を倒し、そして燃え尽きるまで」
聖騎士「……」
亜人王の純粋なる瞳を見て、聖騎士は何かを決心した。
聖騎士「……たわけぇぇ……。お前如きにやられると思うのかぁ、この老いぼれがぁあ」
亜人王「ふん、腰を抜かすなよ、小僧!!」
--遺跡--
びゅおおおおぉ
聖騎士「ぶるぅあぁあ……ばかなぁあ、やつよぉお前もぉ……折角生き延びぃぃぃたのだからぁあ、そのまま黙ってぇ余生を送ればよかったものをぉぉぉ」
亜人王「もう十分過ぎるほど余生を送った。それにお前なら気付いているのだろう? あの時溜めこんでいた力を解放してからというもの、力が抜けていくようだ」
もう長くは無い、と亜人王。
亜人王「一個の武人として、最後は戦いの中で散りたいのだ」
聖騎士「……ふるぅあぁあ。われええぇええをぉぉ、自殺のぉぉ手段にすると言うのかお前はぁぁ」
亜人王「違うわ。貴様を倒し、そして燃え尽きるまで」
聖騎士「……」
亜人王の純粋なる瞳を見て、聖騎士は何かを決心した。
聖騎士「……たわけぇぇ……。お前如きにやられると思うのかぁ、この老いぼれがぁあ」
亜人王「ふん、腰を抜かすなよ、小僧!!」
864: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:02:49.25 ID:M08JHtbz0
186
--巨大クレーター--
ずんっ!どどーんっ!
フォーテ「あははははーっ!! おもしろーいっ!! 強いなァっ! もしかしたらお兄ちゃんは、今まであった中で一番強いかもっ!! あっ! もちろんお姉ちゃんは除いてねっ!!」
カブト「KAGEROU」
デュゥウン!!
カブトが手をかざすと時が止まった。
カブト「……はっ……こいつは」
カブトは眼前に迫るフォーテと、自分の足元の影から伸びている血まみれの手から離れる。
カブト(出鱈目だ……だが)
カブトは魔力を込めた手刀でフォーテの首を落とそうと
フォーテ「」
カブト「!?」
--巨大クレーター--
ずんっ!どどーんっ!
フォーテ「あははははーっ!! おもしろーいっ!! 強いなァっ! もしかしたらお兄ちゃんは、今まであった中で一番強いかもっ!! あっ! もちろんお姉ちゃんは除いてねっ!!」
カブト「KAGEROU」
デュゥウン!!
カブトが手をかざすと時が止まった。
カブト「……はっ……こいつは」
カブトは眼前に迫るフォーテと、自分の足元の影から伸びている血まみれの手から離れる。
カブト(出鱈目だ……だが)
カブトは魔力を込めた手刀でフォーテの首を落とそうと
フォーテ「」
カブト「!?」
865: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:04:08.57 ID:M08JHtbz0
187
--巨大クレーター--
バッ!!
フォーテ「」
カブト「……嫌な顔をしている」
時が止まった世界で動かないはずのフォーテの顔、それを見ただけでカブトは躊躇ってしまう。
カブト「くそ、時間だ」
……デュゥウン
フォーテ「あらっ?」
フォーテの攻撃が空振りするが、フォーテはすぐさまカブトの位置に目をやる。
花師「げほっ……さすがに強いですね……」
風水師「簡単に倒されちゃったある……」
ぼろぼろになったフォーテの仲間四人は遠くから二人の戦いを眺めていた。
--巨大クレーター--
バッ!!
フォーテ「」
カブト「……嫌な顔をしている」
時が止まった世界で動かないはずのフォーテの顔、それを見ただけでカブトは躊躇ってしまう。
カブト「くそ、時間だ」
……デュゥウン
フォーテ「あらっ?」
フォーテの攻撃が空振りするが、フォーテはすぐさまカブトの位置に目をやる。
花師「げほっ……さすがに強いですね……」
風水師「簡単に倒されちゃったある……」
ぼろぼろになったフォーテの仲間四人は遠くから二人の戦いを眺めていた。
866: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:04:49.65 ID:M08JHtbz0
188
--巨大クレーター--
ずずずずずずず
カブト「っ!!」
無数の腕がカブトを掴もうと出現する。
フォーテ「あははっ! 鬼ごっこなのっ!? なら捕まえちゃうよっ! 食べちゃうよっ! 私鬼だよっ!!」
ざわわ
フォーテの背中から黒い触 のような手が生えてくる。
カブト「KAGE」
フォーテ「あははははっ! でも時止められちゃうのはさすがの僕でもめんどくさいから……呪いかけちゃおうかな。次に時を止めたら、そのまま死ぬまで時が止まり続けちゃうような」
カブト「!!」
悪意と呪詛が世界を染め上げる。
--巨大クレーター--
ずずずずずずず
カブト「っ!!」
無数の腕がカブトを掴もうと出現する。
フォーテ「あははっ! 鬼ごっこなのっ!? なら捕まえちゃうよっ! 食べちゃうよっ! 私鬼だよっ!!」
ざわわ
フォーテの背中から黒い触 のような手が生えてくる。
カブト「KAGE」
フォーテ「あははははっ! でも時止められちゃうのはさすがの僕でもめんどくさいから……呪いかけちゃおうかな。次に時を止めたら、そのまま死ぬまで時が止まり続けちゃうような」
カブト「!!」
悪意と呪詛が世界を染め上げる。
867: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:05:23.46 ID:M08JHtbz0
189
--ジャングル--
<作戦フェイズ>
参謀長「作戦会議を行います」
突撃長「なんとまぁ……」
たんぽぽ星人「まさかこんなことになっちまうなんてよ……」
黒肌の青年改め族長「サンボウ……!」
ごき王「ざかざか」
姫「ねーっ! 何があったのー? 姫にも教えてよー」
参謀長「申し訳ありません。今はまだお教えできません。ごき王、眷属を使え」
ごき王「了解ー」
わさわさ!!
突撃長「ひっ!?」
屋根裏から這い出てきた無数のGが姫をさらっていった。
ずざざざざざ!!
姫「にゃーー!! おーぼーえーてーろーーー!」
もこもこズ「「「姫ちゃん待ってー!!」」」
--ジャングル--
<作戦フェイズ>
参謀長「作戦会議を行います」
突撃長「なんとまぁ……」
たんぽぽ星人「まさかこんなことになっちまうなんてよ……」
黒肌の青年改め族長「サンボウ……!」
ごき王「ざかざか」
姫「ねーっ! 何があったのー? 姫にも教えてよー」
参謀長「申し訳ありません。今はまだお教えできません。ごき王、眷属を使え」
ごき王「了解ー」
わさわさ!!
突撃長「ひっ!?」
屋根裏から這い出てきた無数のGが姫をさらっていった。
ずざざざざざ!!
姫「にゃーー!! おーぼーえーてーろーーー!」
もこもこズ「「「姫ちゃん待ってー!!」」」
868: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:06:17.71 ID:M08JHtbz0
190
--ジャングル--
ごとっ
テーブルの上に潜入長の首がおかれる。
突撃長「むごい……顔の皮が剥がされた形跡がありますですじゃ。他にも色々と痛々しい拷問の跡が……」
たんぽぽ星人「けっ、胸糞悪い話だぜ」
族長「お、おえっ!!」
たまらず台所に駆けこむ族長。
突撃長「それで、死亡時刻はわかったのですかじゃ?」
参謀長「えぇ、私の魔法、ダメージ履歴観覧で調べた所、約五時間前に殺害されたようです」
突撃長「なるほど……大体こちらの居場所の目星もついているようですじゃな……」
たんぽぽ星人「ん? どういうことだ? 今のそこからどうしてそこまでわかる? 潜入長が全部吐いたってことか?」
参謀長「簡単のことだ」
参謀長はテーブルにおいた紙に字を書き始める。
--ジャングル--
ごとっ
テーブルの上に潜入長の首がおかれる。
突撃長「むごい……顔の皮が剥がされた形跡がありますですじゃ。他にも色々と痛々しい拷問の跡が……」
たんぽぽ星人「けっ、胸糞悪い話だぜ」
族長「お、おえっ!!」
たまらず台所に駆けこむ族長。
突撃長「それで、死亡時刻はわかったのですかじゃ?」
参謀長「えぇ、私の魔法、ダメージ履歴観覧で調べた所、約五時間前に殺害されたようです」
突撃長「なるほど……大体こちらの居場所の目星もついているようですじゃな……」
たんぽぽ星人「ん? どういうことだ? 今のそこからどうしてそこまでわかる? 潜入長が全部吐いたってことか?」
参謀長「簡単のことだ」
参謀長はテーブルにおいた紙に字を書き始める。
869: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:07:13.23 ID:M08JHtbz0
191
--ジャングル--
キュッキュー
参謀長「まず蘇生魔法が効くのは、対象が死亡してから24時間以内に限られるわけだ」
たんぽぽ星人「おう。久しぶりのルール確認だなこれ」
参謀長「そして相手は潜入長を殺害してからジャングルの入り口にこの箱に入れて置いておいたわけだ」
キュッキュー
たんぽぽ星人「? わかってることの確認しかしてねぇぞ」
参謀長「相手側の視点で考えてみろ、もしこの女が重要な存在だったらと。それならなんとしても生きた状態で取り返しに来ると思わないか?」
たんぽぽ星人「思うけど……もう死んでるじゃねぇか。首だけじゃ蘇生は無理だろう?」
参謀長「だから、首から下は預かってるから蘇生が可能な時間無いに取りにこい、ってことなんだよ」
たんぽぽ星人「!!!!」
--ジャングル--
キュッキュー
参謀長「まず蘇生魔法が効くのは、対象が死亡してから24時間以内に限られるわけだ」
たんぽぽ星人「おう。久しぶりのルール確認だなこれ」
参謀長「そして相手は潜入長を殺害してからジャングルの入り口にこの箱に入れて置いておいたわけだ」
キュッキュー
たんぽぽ星人「? わかってることの確認しかしてねぇぞ」
参謀長「相手側の視点で考えてみろ、もしこの女が重要な存在だったらと。それならなんとしても生きた状態で取り返しに来ると思わないか?」
たんぽぽ星人「思うけど……もう死んでるじゃねぇか。首だけじゃ蘇生は無理だろう?」
参謀長「だから、首から下は預かってるから蘇生が可能な時間無いに取りにこい、ってことなんだよ」
たんぽぽ星人「!!!!」
870: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:07:43.15 ID:M08JHtbz0
192
--ジャングル--
突撃長「やられましたなぁ……」
たんぽぽ星人「……それでなんで俺達の場所に目星がついてるって話になるんだよ」
参謀長「全く関係ないところに置いておいて、首が24時間以内に発見されなかったら意味がないだろ? 足取りをたどられて潜入長がジャングルから来たことくらいはばれてるだろうさ」
たんぽぽ星人「!! ……じゃあ、場所がわかっているのに攻めてこない理由は?」
参謀長「あの砦に護りを残しつつ攻めるだけの兵がいない、とか、慣れないジャングルに攻め込むのは良い策ではない、とかか? 考えられるのは。後はそこまでに値する敵と思っていないのか」
突撃長「潜入長が吐いた、もしくは脳を探られて情報を割りだされたという可能性はどうですじゃ?」
参謀長「潜入長は潜入行動だけなら最高の人間だ。何をされても吐きはしないし、脳をいじり回されたとしても自分にロックをかけて漏らしたりはしなかったと思います」
突撃長「……思う?」
参謀長「履歴が改竄されています。死亡時間くらいしかわかりませんでした」
突撃長「なるほど……」
--ジャングル--
突撃長「やられましたなぁ……」
たんぽぽ星人「……それでなんで俺達の場所に目星がついてるって話になるんだよ」
参謀長「全く関係ないところに置いておいて、首が24時間以内に発見されなかったら意味がないだろ? 足取りをたどられて潜入長がジャングルから来たことくらいはばれてるだろうさ」
たんぽぽ星人「!! ……じゃあ、場所がわかっているのに攻めてこない理由は?」
参謀長「あの砦に護りを残しつつ攻めるだけの兵がいない、とか、慣れないジャングルに攻め込むのは良い策ではない、とかか? 考えられるのは。後はそこまでに値する敵と思っていないのか」
突撃長「潜入長が吐いた、もしくは脳を探られて情報を割りだされたという可能性はどうですじゃ?」
参謀長「潜入長は潜入行動だけなら最高の人間だ。何をされても吐きはしないし、脳をいじり回されたとしても自分にロックをかけて漏らしたりはしなかったと思います」
突撃長「……思う?」
参謀長「履歴が改竄されています。死亡時間くらいしかわかりませんでした」
突撃長「なるほど……」
871: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:08:14.40 ID:M08JHtbz0
193
--ジャングル--
たんぽぽ星人「いやちょっとまてよ、そのダメージ履歴まで改竄することができるっていうんなら、五時間前に殺されてるっていうのも嘘かもしれねぇじゃねぇか」
参謀長「だな、その可能性もなくはない」
突撃長「ですじゃ」
たんぽぽ星人「だったら罠かもしれないだろ?」
参謀長「いや元々罠だ」
たんぽぽ星人「そうだが、かかる必要のない罠かもしれないだろってことを言ってんだよ」
突撃長「……」
参謀長「もう蘇生は不可能かもしれないから、諦めて行くのはやめよう、ってことか?」
たんぽぽ星人「……あぁ」
族長「話ワカラナイ……」
--ジャングル--
たんぽぽ星人「いやちょっとまてよ、そのダメージ履歴まで改竄することができるっていうんなら、五時間前に殺されてるっていうのも嘘かもしれねぇじゃねぇか」
参謀長「だな、その可能性もなくはない」
突撃長「ですじゃ」
たんぽぽ星人「だったら罠かもしれないだろ?」
参謀長「いや元々罠だ」
たんぽぽ星人「そうだが、かかる必要のない罠かもしれないだろってことを言ってんだよ」
突撃長「……」
参謀長「もう蘇生は不可能かもしれないから、諦めて行くのはやめよう、ってことか?」
たんぽぽ星人「……あぁ」
族長「話ワカラナイ……」
872: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:08:46.97 ID:M08JHtbz0
194
--ジャングル--
参謀長「これは勘に過ぎないが、この時間だけは信用できると思う」
たんぽぽ星人「なんでだよ」
参謀長「それ以外の情報を全て消して、この時間の情報だけ残したのは、俺達への宣戦布告でもあるんだろう」
突撃長「……」
参謀長「やつらは潜入長を見て中々の使い手であると感じ取ったはずだ。そして潜入長を送り込んだ組織が西の王国に対して何かを企んでいるということも」
突撃長(……あそこまで潜入に特化した人間が、たった一人で動いてるわけがないと思うのが普通ですじゃ)
参謀長「だが、本気を出して駆逐するまでもないと思ったんだろうよ。それなら例え今の状況がどうであれ、全力で狩りにきているはずだ」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「俺が思うに、奴らは潜入長を倒し、数々の拷問をしたはいいが情報を得ることができなかった。みすみす簡単に捕まるようなスパイを送り込んでくるマヌケなバック、だが情報を渡すことはなかったスパイの意地。完全な脅威ではないものの、多少は気になる相手くらいには考えてるんだろう。だから」
参謀長は視点の合っていない潜入長の顔を見る。
--ジャングル--
参謀長「これは勘に過ぎないが、この時間だけは信用できると思う」
たんぽぽ星人「なんでだよ」
参謀長「それ以外の情報を全て消して、この時間の情報だけ残したのは、俺達への宣戦布告でもあるんだろう」
突撃長「……」
参謀長「やつらは潜入長を見て中々の使い手であると感じ取ったはずだ。そして潜入長を送り込んだ組織が西の王国に対して何かを企んでいるということも」
突撃長(……あそこまで潜入に特化した人間が、たった一人で動いてるわけがないと思うのが普通ですじゃ)
参謀長「だが、本気を出して駆逐するまでもないと思ったんだろうよ。それなら例え今の状況がどうであれ、全力で狩りにきているはずだ」
たんぽぽ星人「……」
参謀長「俺が思うに、奴らは潜入長を倒し、数々の拷問をしたはいいが情報を得ることができなかった。みすみす簡単に捕まるようなスパイを送り込んでくるマヌケなバック、だが情報を渡すことはなかったスパイの意地。完全な脅威ではないものの、多少は気になる相手くらいには考えてるんだろう。だから」
参謀長は視点の合っていない潜入長の顔を見る。
873: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:09:20.09 ID:M08JHtbz0
195
--ジャングル--
だん
参謀長「やつらは挑戦状を送りつけてきたんだ。自分から出向くほどの価値はないが、歯向かうのなら潰す、ってな」
たんぽぽ星人「……はぁ……なるほどな。潜入長がなまじ優秀だったから、俺達が見捨てずに取り返しにくるだけの価値はあると、そう思われちまったってのもあるのか?」
参謀長「恐らく」
たんぽぽ星人「……いくのか? 罠だぞ」
突撃長「もちろんですじゃ……! 仲間をこうまでされて黙っていては武人の名折れ!」
ごき王「私は我が主のご意向のままに」
族長「よくわからないが、サンボウの仲間が殺されたのなら、報復するのに力を貸す! 仲間の仇はとる!」
参謀長「あぁ、大事な仲間を失うことはできないからな」
参謀長は小さく、
参謀長「姫のためにも」
と、呟いた。
--ジャングル--
だん
参謀長「やつらは挑戦状を送りつけてきたんだ。自分から出向くほどの価値はないが、歯向かうのなら潰す、ってな」
たんぽぽ星人「……はぁ……なるほどな。潜入長がなまじ優秀だったから、俺達が見捨てずに取り返しにくるだけの価値はあると、そう思われちまったってのもあるのか?」
参謀長「恐らく」
たんぽぽ星人「……いくのか? 罠だぞ」
突撃長「もちろんですじゃ……! 仲間をこうまでされて黙っていては武人の名折れ!」
ごき王「私は我が主のご意向のままに」
族長「よくわからないが、サンボウの仲間が殺されたのなら、報復するのに力を貸す! 仲間の仇はとる!」
参謀長「あぁ、大事な仲間を失うことはできないからな」
参謀長は小さく、
参謀長「姫のためにも」
と、呟いた。
874: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:10:15.19 ID:M08JHtbz0
196
--ジャングル--
参謀長「というわけでこれから西の王国、国境警備の砦にうってでます」
姫「はにゃ?」
泥だらけで返ってきた姫にいきなり宣言する参謀長。
姫「どうして?」
参謀長「領土を取るためです」
姫「ん~? でもいきなりやっちゃったらこくさいしゃかいが黙ってないんじゃないのー?」
もこもこズ「「「そうだそうだそうだー!!」」」
参謀長「……潜入長がとらわれています」
姫「にゃっ!?」
もこもこズ「「「にゃっ!?」」」
--ジャングル--
参謀長「というわけでこれから西の王国、国境警備の砦にうってでます」
姫「はにゃ?」
泥だらけで返ってきた姫にいきなり宣言する参謀長。
姫「どうして?」
参謀長「領土を取るためです」
姫「ん~? でもいきなりやっちゃったらこくさいしゃかいが黙ってないんじゃないのー?」
もこもこズ「「「そうだそうだそうだー!!」」」
参謀長「……潜入長がとらわれています」
姫「にゃっ!?」
もこもこズ「「「にゃっ!?」」」
875: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:10:43.45 ID:M08JHtbz0
197
--ジャングル--
参謀長「我々は潜入長を取り返し、ついでに領土も奪ってきます」
たんぽぽ星人「なんかすごいこと言いだした!?」
姫「わかった! 潜入長捕まえてるやつらぜんいんぶっころしてこいっ!!」
突撃長「姫様っ!?」
族長「それじゃあサンボウ! 俺は若いやつらに声かけてくるぞ!!」
ばたんっ
ごき王「では私めも」
がさささ
突撃長(しかし……どう解決するつもりなのでしょうか……これでは)
--ジャングル--
参謀長「我々は潜入長を取り返し、ついでに領土も奪ってきます」
たんぽぽ星人「なんかすごいこと言いだした!?」
姫「わかった! 潜入長捕まえてるやつらぜんいんぶっころしてこいっ!!」
突撃長「姫様っ!?」
族長「それじゃあサンボウ! 俺は若いやつらに声かけてくるぞ!!」
ばたんっ
ごき王「では私めも」
がさささ
突撃長(しかし……どう解決するつもりなのでしょうか……これでは)
876: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:11:17.35 ID:M08JHtbz0
198
--ジャングル--
ザっ!!
族長「黒虎の部族、精鋭八名参上!!」
ごき王「まつろわぬ黒き民、だいたい七百匹参上!!」
たんぽぽ星人「黄金の獣、たんぽぽ星人、二十三名参上!!」
参謀長「うわっ・・・私の兵力、少なすぎ・・・?」
突撃長「っていうかGとたんぽぽ増えてるですじゃ」
たんぽぽ星人「急すぎたからな、今回じゃこれくらいが精いっぱいだぜ。どうだ? 俺ができるのはここまでだぜ? 後はお前の作戦次第だ。いけるのか?」
参謀長「……あぁ、やってみるさ」
ザザっ!!
参謀長「潜入長奪還作戦、開始!!」
タイムリミットは後、十五時間……
--ジャングル--
ザっ!!
族長「黒虎の部族、精鋭八名参上!!」
ごき王「まつろわぬ黒き民、だいたい七百匹参上!!」
たんぽぽ星人「黄金の獣、たんぽぽ星人、二十三名参上!!」
参謀長「うわっ・・・私の兵力、少なすぎ・・・?」
突撃長「っていうかGとたんぽぽ増えてるですじゃ」
たんぽぽ星人「急すぎたからな、今回じゃこれくらいが精いっぱいだぜ。どうだ? 俺ができるのはここまでだぜ? 後はお前の作戦次第だ。いけるのか?」
参謀長「……あぁ、やってみるさ」
ザザっ!!
参謀長「潜入長奪還作戦、開始!!」
タイムリミットは後、十五時間……
877: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:11:52.00 ID:M08JHtbz0
199
--西の王国国境--
ぴちょん
首の無い死体を前に秘書と槍兵が立っている。
槍兵(いちいちやることがえげつねぇなぁこの人)
秘書に見られないように舌をだす槍兵。
秘書「槍兵、あなた一度捉えた敵兵を脱走させてしまうだなどと、西の三本角にあるまじき行為ですよ?」
槍兵「そんなこと言ったってなぁ。俺の仕事は敵を倒すことだし、倒した後のことなんかしらねぇよ」
秘書「……」
ジロ
槍兵「うっ」
秘書「あなたはここで番をしていなさい」
カッカッ
槍兵(ちぇっ、国家の最高戦力がモルグで店番とは、ね)
--西の王国国境--
ぴちょん
首の無い死体を前に秘書と槍兵が立っている。
槍兵(いちいちやることがえげつねぇなぁこの人)
秘書に見られないように舌をだす槍兵。
秘書「槍兵、あなた一度捉えた敵兵を脱走させてしまうだなどと、西の三本角にあるまじき行為ですよ?」
槍兵「そんなこと言ったってなぁ。俺の仕事は敵を倒すことだし、倒した後のことなんかしらねぇよ」
秘書「……」
ジロ
槍兵「うっ」
秘書「あなたはここで番をしていなさい」
カッカッ
槍兵(ちぇっ、国家の最高戦力がモルグで店番とは、ね)
878: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/07(火) 01:12:35.93 ID:M08JHtbz0
200
--ジャングル--
姫「で、姫ちゃんおいてっちゃうしー」
もこじ「姫ちゃん、僕がいるもきゅよ! 一緒に遊ぼうもきゅ……ん?」
がささ
もこじ「何かいっぱいいるもきゅ!! 僕のうしろに隠れて姫ちゃん!!」
姫「姫ちゃんの方がもこじより体大きくて隠れきれないんだけどどうしたらいいもきゅっ!?」
がさっ
?「す、すまねぇが、水と食料を分けてくれないか……? 子供達もいるんだ……」
ボロボロの衣服で出てきたのはやせ細った男と、
??「お願いします。私たちに出来ることならなんでもいたしますので」
赤毛の猫耳少女と子供達だった。
--ジャングル--
姫「で、姫ちゃんおいてっちゃうしー」
もこじ「姫ちゃん、僕がいるもきゅよ! 一緒に遊ぼうもきゅ……ん?」
がささ
もこじ「何かいっぱいいるもきゅ!! 僕のうしろに隠れて姫ちゃん!!」
姫「姫ちゃんの方がもこじより体大きくて隠れきれないんだけどどうしたらいいもきゅっ!?」
がさっ
?「す、すまねぇが、水と食料を分けてくれないか……? 子供達もいるんだ……」
ボロボロの衣服で出てきたのはやせ細った男と、
??「お願いします。私たちに出来ることならなんでもいたしますので」
赤毛の猫耳少女と子供達だった。
886: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:12:31.06 ID:yUyaJLLp0
201
--西の王国国境--
国境近くの森の終わりに、参謀長達は隠れていた。
参謀長「それでは……作戦開始!!」
黒肌の戦士「ウオオオオオオオオ!!!!」
木々の影からたくさんの兵士達が飛びだした。
見張り兵「!? 敵襲です!! 秘書様のもくろみ通り来ました!!」
秘書「……ですね。」(あの姿……ジャングルに住む原住民?)
兵達は蜘蛛の子を散らしたように一斉に走り始めた。
--西の王国国境--
国境近くの森の終わりに、参謀長達は隠れていた。
参謀長「それでは……作戦開始!!」
黒肌の戦士「ウオオオオオオオオ!!!!」
木々の影からたくさんの兵士達が飛びだした。
見張り兵「!? 敵襲です!! 秘書様のもくろみ通り来ました!!」
秘書「……ですね。」(あの姿……ジャングルに住む原住民?)
兵達は蜘蛛の子を散らしたように一斉に走り始めた。
887: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:13:27.56 ID:yUyaJLLp0
202
--西の王国国境--
見張り兵「弓兵部隊、魔法攻撃部隊! 撃てー!!」
ヒュンヒュンボォォン!!
たんぽぽ星人「おいでなすったぜぇ!!」
ヒューン……ドッゴォーーン!!
族長「サンボウ! まるで雨のように降り注いでいるぞ!!」
族長は後ろの茂みから叫ぶ。
参謀長「ん? 突破できないかの?」
族長「ふっ! まさか!!」
ひゅんひゅん!!
見張り兵「!?」
黒肌の部族達は矢と魔法を交わして進んでいく。
--西の王国国境--
見張り兵「弓兵部隊、魔法攻撃部隊! 撃てー!!」
ヒュンヒュンボォォン!!
たんぽぽ星人「おいでなすったぜぇ!!」
ヒューン……ドッゴォーーン!!
族長「サンボウ! まるで雨のように降り注いでいるぞ!!」
族長は後ろの茂みから叫ぶ。
参謀長「ん? 突破できないかの?」
族長「ふっ! まさか!!」
ひゅんひゅん!!
見張り兵「!?」
黒肌の部族達は矢と魔法を交わして進んでいく。
888: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:14:04.87 ID:yUyaJLLp0
203
--西の王国国境--
族長「俺達は危険を肌で感じる! あんなもの、モンスターの攻撃に比べたら遅いぐらいだ!!」
たんぽぽ星人「俺はよけきれないがな!! ぐああああああああああああ!!」
火の魔法が着弾し、燃えていくたんぽぽ星人。
たんぽぽ星人「あぁ!! 俺が燃えている!? くそう!! おい参謀長!! 本当にこんな戦術でいいのか!?」
参謀長「まぁ、ダメで元々だ」
たんぽぽ星人「!?」
参謀長「それよりさっきの話は本当なんだな? お前はいくらでも分身できるし、分身が殺されてもお前自体が死ぬことはないっていうの
は」
たんぽぽ星人「あぁ。分身を生み出すのは時間と労力がかかるがな。俺さえ死ななければ大丈夫よ。あ!! また死んだあああああ!!」
参謀長(やれやれ。人形師やネクロマンサーも裸足で逃げ出す性能だぜ……)
--西の王国国境--
族長「俺達は危険を肌で感じる! あんなもの、モンスターの攻撃に比べたら遅いぐらいだ!!」
たんぽぽ星人「俺はよけきれないがな!! ぐああああああああああああ!!」
火の魔法が着弾し、燃えていくたんぽぽ星人。
たんぽぽ星人「あぁ!! 俺が燃えている!? くそう!! おい参謀長!! 本当にこんな戦術でいいのか!?」
参謀長「まぁ、ダメで元々だ」
たんぽぽ星人「!?」
参謀長「それよりさっきの話は本当なんだな? お前はいくらでも分身できるし、分身が殺されてもお前自体が死ぬことはないっていうの
は」
たんぽぽ星人「あぁ。分身を生み出すのは時間と労力がかかるがな。俺さえ死ななければ大丈夫よ。あ!! また死んだあああああ!!」
参謀長(やれやれ。人形師やネクロマンサーも裸足で逃げ出す性能だぜ……)
889: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:14:53.62 ID:yUyaJLLp0
204
--西の王国国境--
見張り兵「……本当にこんな作戦でうまくいくと思っているのか? やぶれかぶれに突っ込んで来て……。黒肌の者達にはあまり当っていないようだが、それでもこのままじゃ全滅だぞ?」
秘書「相手の心配ですか?」
見張り兵「い、いえ! 決してそんなことでは! ただ何を考えてこんなことをと……」
秘書「そうですね。何かあると考えて動くべきでしょう。が、そう考えさせられているのが既に術中なのかもしれませんね」
ヒュン、ドズッ!!
見張り兵「ぐえ!?」
黒肌の超戦士「はっはー! あたったぜー!!」
大柄な男が投げた槍は見張り兵の喉を貫いた。
秘書「はぁ。視界の端に入っていたでしょうに。こんなものも避けられないのですか……国境警備の兵のことをもう少し考えねばならないかもしれませんね」
--西の王国国境--
見張り兵「……本当にこんな作戦でうまくいくと思っているのか? やぶれかぶれに突っ込んで来て……。黒肌の者達にはあまり当っていないようだが、それでもこのままじゃ全滅だぞ?」
秘書「相手の心配ですか?」
見張り兵「い、いえ! 決してそんなことでは! ただ何を考えてこんなことをと……」
秘書「そうですね。何かあると考えて動くべきでしょう。が、そう考えさせられているのが既に術中なのかもしれませんね」
ヒュン、ドズッ!!
見張り兵「ぐえ!?」
黒肌の超戦士「はっはー! あたったぜー!!」
大柄な男が投げた槍は見張り兵の喉を貫いた。
秘書「はぁ。視界の端に入っていたでしょうに。こんなものも避けられないのですか……国境警備の兵のことをもう少し考えねばならないかもしれませんね」
890: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:16:01.42 ID:yUyaJLLp0
205
--西の王国国境--
見渡すと、けして少なくはない犠牲者が出ていた。
秘書(こちらは城壁の上だというのに……。あちらの被害は植物系のモンスターだけですか)
ヒュン
秘書は飛んできた槍を軽々と避けて見せる。
秘書(ここで私が下りるのは敵の術中でしょうか? あの配置で紋章陣ということも無いと思いますが……)
ドッ!!
若い見張り「お、おい!! 火のついた槍が投げ込まれたぞ!!」
ドッガーン!!
爆発。
秘書(つっ! ……この城壁を崩す策があったとしたら……後手に回るのは危険ですか)
ザっ
秘書(あれこれ悩んでいる時間が何よりもったいない)「私がでて殲滅します!」
--西の王国国境--
見渡すと、けして少なくはない犠牲者が出ていた。
秘書(こちらは城壁の上だというのに……。あちらの被害は植物系のモンスターだけですか)
ヒュン
秘書は飛んできた槍を軽々と避けて見せる。
秘書(ここで私が下りるのは敵の術中でしょうか? あの配置で紋章陣ということも無いと思いますが……)
ドッ!!
若い見張り「お、おい!! 火のついた槍が投げ込まれたぞ!!」
ドッガーン!!
爆発。
秘書(つっ! ……この城壁を崩す策があったとしたら……後手に回るのは危険ですか)
ザっ
秘書(あれこれ悩んでいる時間が何よりもったいない)「私がでて殲滅します!」
891: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:16:41.90 ID:yUyaJLLp0
206
--西の王国国境--
すたっ
秘書「……」
秘書が地上に降り立った瞬間、なぜか戦場が無音になる。
黒肌の戦士「……ごくり」
たんぽぽ星人「ふぅう。やりなれてる雰囲気出しちゃってまぁ、余裕すら感じるぜ」
ざざっ
黒づくめの醜男「女王」
族長「!? い、いきなり人が増えたぞ!?」
参謀長「……あれは強いな」
--西の王国国境--
すたっ
秘書「……」
秘書が地上に降り立った瞬間、なぜか戦場が無音になる。
黒肌の戦士「……ごくり」
たんぽぽ星人「ふぅう。やりなれてる雰囲気出しちゃってまぁ、余裕すら感じるぜ」
ざざっ
黒づくめの醜男「女王」
族長「!? い、いきなり人が増えたぞ!?」
参謀長「……あれは強いな」
892: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:17:19.83 ID:yUyaJLLp0
206
--西の王国国境--
すたっ
秘書「……」
秘書が地上に降り立った瞬間、なぜか戦場が無音になる。
黒肌の戦士「……ごくり」
たんぽぽ星人「ふぅう。やりなれてる雰囲気出しちゃってまぁ、余裕すら感じるぜ」
ざざっ
黒づくめの醜男「女王」
族長「!? い、いきなり人が増えたぞ!?」
参謀長「……あれは強いな」
--西の王国国境--
すたっ
秘書「……」
秘書が地上に降り立った瞬間、なぜか戦場が無音になる。
黒肌の戦士「……ごくり」
たんぽぽ星人「ふぅう。やりなれてる雰囲気出しちゃってまぁ、余裕すら感じるぜ」
ざざっ
黒づくめの醜男「女王」
族長「!? い、いきなり人が増えたぞ!?」
参謀長「……あれは強いな」
893: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:17:48.25 ID:yUyaJLLp0
206
--西の王国国境--
すたっ
秘書「……」
秘書が地上に降り立った瞬間、なぜか戦場が無音になる。
黒肌の戦士「……ごくり」
たんぽぽ星人「ふぅう。やりなれてる雰囲気出しちゃってまぁ、余裕すら感じるぜ」
ざざっ
黒づくめの醜男「女王」
族長「!? い、いきなり人が増えたぞ!?」
参謀長「……あれは強いな」
--西の王国国境--
すたっ
秘書「……」
秘書が地上に降り立った瞬間、なぜか戦場が無音になる。
黒肌の戦士「……ごくり」
たんぽぽ星人「ふぅう。やりなれてる雰囲気出しちゃってまぁ、余裕すら感じるぜ」
ざざっ
黒づくめの醜男「女王」
族長「!? い、いきなり人が増えたぞ!?」
参謀長「……あれは強いな」
894: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:18:45.63 ID:yUyaJLLp0
207
--西の王国国境--
秘書「何をしていますか、私はあなたたちに出てくるよう連絡をした覚えはありませんが」
黒づくめの醜男「そう言ってくださるな女王。私らは貴女がいなくなってしまっては死ぬしかないのですよ」
秘書「それにしても余計なお世話です。今この状況のいて私は無敵です」
たんぽぽ星人「はん!! それはどうかな!!」
ダダ!!
たんぽぽ星人は巨大な丸太を抱きかかえ、走る。
黒づくめの醜男「!!」
たんぽぽ星人「あんたが強いのは人間にだけだろう!?」
秘書「!」
ブンッ!!
--西の王国国境--
秘書「何をしていますか、私はあなたたちに出てくるよう連絡をした覚えはありませんが」
黒づくめの醜男「そう言ってくださるな女王。私らは貴女がいなくなってしまっては死ぬしかないのですよ」
秘書「それにしても余計なお世話です。今この状況のいて私は無敵です」
たんぽぽ星人「はん!! それはどうかな!!」
ダダ!!
たんぽぽ星人は巨大な丸太を抱きかかえ、走る。
黒づくめの醜男「!!」
たんぽぽ星人「あんたが強いのは人間にだけだろう!?」
秘書「!」
ブンッ!!
895: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:20:02.96 ID:yUyaJLLp0
208
--西の王国国境--
ドシャっ!!
醜男のナイフがたんぽぽ星人の首を斬り落とす。
黒づくめの醜男「くっくっくっ……あんなことをおっしゃっておりますが?」
秘書「……敵が誰なのか興味が出て来ました」
ビリっ
秘書はスカートを破くと、中から、ところどころに刃がついた鎖のようなものを取り出した。
黒づくめの醜男「ほっ? ……それを使うのですか?」
秘書「ええ」
ジャララ
たんぽぽ星人「結構長いのが入ってたんだなぁ」
--西の王国国境--
ドシャっ!!
醜男のナイフがたんぽぽ星人の首を斬り落とす。
黒づくめの醜男「くっくっくっ……あんなことをおっしゃっておりますが?」
秘書「……敵が誰なのか興味が出て来ました」
ビリっ
秘書はスカートを破くと、中から、ところどころに刃がついた鎖のようなものを取り出した。
黒づくめの醜男「ほっ? ……それを使うのですか?」
秘書「ええ」
ジャララ
たんぽぽ星人「結構長いのが入ってたんだなぁ」
896: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:21:18.66 ID:yUyaJLLp0
209
--西の王国国境--
ひゅーん、ひゅーん
それをグルグルと振りまわす。
たんぽぽ星人「それがどうしたっていうんだー!!」
ひゅ
どぶしゅっ!!
たんぽぽ星人の首が秘書の攻撃によって吹き飛ばされる。
族長「!! サンボウ!? あいつは人しか倒せないんじゃないのか!?」
参謀長「奥の手か……美学なんか持っているやつじゃなかったか」
--西の王国国境--
ひゅーん、ひゅーん
それをグルグルと振りまわす。
たんぽぽ星人「それがどうしたっていうんだー!!」
ひゅ
どぶしゅっ!!
たんぽぽ星人の首が秘書の攻撃によって吹き飛ばされる。
族長「!! サンボウ!? あいつは人しか倒せないんじゃないのか!?」
参謀長「奥の手か……美学なんか持っているやつじゃなかったか」
897: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:22:21.14 ID:yUyaJLLp0
210
--西の王国国境--
ひゅーん、どばっ!!
ひゅーん、ずしゅっ!!
黒肌の女戦士「ぎゃああああああああああ!!」
たんぽぽ星人「ふぐぅぅん!!」
秘書が一振りするだけで三つの死体ができあがる。
族長「くっ!! 化物め!! サンボウ!! 俺が行く!!」
参謀長「いやその必要はない」
族長「だが!!」
参謀長「行ってももう、無駄だ」
ひゅーん、ひゅーん
悲鳴はもう聞こえなくなっている。
--西の王国国境--
ひゅーん、どばっ!!
ひゅーん、ずしゅっ!!
黒肌の女戦士「ぎゃああああああああああ!!」
たんぽぽ星人「ふぐぅぅん!!」
秘書が一振りするだけで三つの死体ができあがる。
族長「くっ!! 化物め!! サンボウ!! 俺が行く!!」
参謀長「いやその必要はない」
族長「だが!!」
参謀長「行ってももう、無駄だ」
ひゅーん、ひゅーん
悲鳴はもう聞こえなくなっている。
898: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:22:49.78 ID:yUyaJLLp0
211
--西の王国国境--
秘書「……」
秘書は参謀長を視認した。
参謀長(あれはなんだろうな。魔剣系の武器であることは間違いないんだろうが……。スキルを書き変える能力……とか?)
ひゅーん、ひゅーん
参謀長「あ、やば」
ズドン!!
木々を掻い潜った刃が参謀長の胸を貫いた。
ジャララララララララララ!!!
族長「さ、サンボウ!!」
--西の王国国境--
秘書「……」
秘書は参謀長を視認した。
参謀長(あれはなんだろうな。魔剣系の武器であることは間違いないんだろうが……。スキルを書き変える能力……とか?)
ひゅーん、ひゅーん
参謀長「あ、やば」
ズドン!!
木々を掻い潜った刃が参謀長の胸を貫いた。
ジャララララララララララ!!!
族長「さ、サンボウ!!」
899: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:23:22.66 ID:yUyaJLLp0
212
--西の王国国境--
がさがさがさ
ごき王「こっちの道は見張り一人だけです」
突撃長「……なんだかごき王殿の方が潜入するの得意な気がするのは私の勘違いなんですかじゃ?」
もこいち「もきゅー。ぼくの擬態能力を利用するなんて参謀長は人使い荒いもきゅー」
突撃長「適材適所というやつですじゃ。働かざるもの食うべからずですじゃ」
ごき王「盗み聞きしてきました。どうやらこの先の監房に胴体があるようです」
もこいち「もーさっさと死体回収しておさらばするもきゅー。僕もう姫ちゃんと遊びたいもきゅー」
突撃長「この仕事が終わって平和になったら飽きるほどあそべるですじゃ」
もこいち「本当もきゅかー? 僕をやる気にさせようと嘘ついてるんじゃないもきゅよねー?」
突撃長「嘘なんかついていませんですじゃ。さぁもうひとふんばりですじゃ!」
このもきゅもきゅ言ってる生物がかつて地球を支配していたこと、そして人類を抹殺しようとしていたことを突撃長達は知らない。
--西の王国国境--
がさがさがさ
ごき王「こっちの道は見張り一人だけです」
突撃長「……なんだかごき王殿の方が潜入するの得意な気がするのは私の勘違いなんですかじゃ?」
もこいち「もきゅー。ぼくの擬態能力を利用するなんて参謀長は人使い荒いもきゅー」
突撃長「適材適所というやつですじゃ。働かざるもの食うべからずですじゃ」
ごき王「盗み聞きしてきました。どうやらこの先の監房に胴体があるようです」
もこいち「もーさっさと死体回収しておさらばするもきゅー。僕もう姫ちゃんと遊びたいもきゅー」
突撃長「この仕事が終わって平和になったら飽きるほどあそべるですじゃ」
もこいち「本当もきゅかー? 僕をやる気にさせようと嘘ついてるんじゃないもきゅよねー?」
突撃長「嘘なんかついていませんですじゃ。さぁもうひとふんばりですじゃ!」
このもきゅもきゅ言ってる生物がかつて地球を支配していたこと、そして人類を抹殺しようとしていたことを突撃長達は知らない。
900: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:24:11.72 ID:yUyaJLLp0
213
--西の王国国境--
ごき王「ここですね」
突撃長「ふぅ。後ろから一撃とはいえ中々見張り殿の頭を叩き割るのも大変ですじゃ」
突撃長は斧についた血を拭う。
ごき王「……ん? ちょっと待ってください。中から気配が」
どっがあああああああああああああああああん!!!!
突撃長「!?」
もこいち「もきゅ!?」
ぱらぱら
槍兵「へへ……ここまで来やがったか。いやよくぞ来たと言うべきだな」
ドアから突きだしている槍。
槍兵「やっと俺も暴れられるってもんさ!!」
--西の王国国境--
ごき王「ここですね」
突撃長「ふぅ。後ろから一撃とはいえ中々見張り殿の頭を叩き割るのも大変ですじゃ」
突撃長は斧についた血を拭う。
ごき王「……ん? ちょっと待ってください。中から気配が」
どっがあああああああああああああああああん!!!!
突撃長「!?」
もこいち「もきゅ!?」
ぱらぱら
槍兵「へへ……ここまで来やがったか。いやよくぞ来たと言うべきだな」
ドアから突きだしている槍。
槍兵「やっと俺も暴れられるってもんさ!!」
901: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:24:39.41 ID:yUyaJLLp0
214
--西の王国国境--
突撃長「!? こっ、これは槍兵殿!?」
槍兵「ほう、俺のこと知ってるのか? 俺よもうやく三強として名が知られてきたってところか?」
もこいち「なんてこったもきゅ! まさか槍兵だなんてもきゅ!!」
ごき王「えぇ、驚きですね」
槍兵「んん? 俺がこんなところにいるなんて想像もしなかったか? まあ三強が死体を見張ってるだなんて普通は思わねぇだろうからなぁ!!」
突撃長「い、いえまさかここまで予想通りに行くとは思わなかったものですからじゃ」
槍兵「……ん?」
突撃長「槍兵殿、お手合わせ願いますですじゃ!!」
--西の王国国境--
突撃長「!? こっ、これは槍兵殿!?」
槍兵「ほう、俺のこと知ってるのか? 俺よもうやく三強として名が知られてきたってところか?」
もこいち「なんてこったもきゅ! まさか槍兵だなんてもきゅ!!」
ごき王「えぇ、驚きですね」
槍兵「んん? 俺がこんなところにいるなんて想像もしなかったか? まあ三強が死体を見張ってるだなんて普通は思わねぇだろうからなぁ!!」
突撃長「い、いえまさかここまで予想通りに行くとは思わなかったものですからじゃ」
槍兵「……ん?」
突撃長「槍兵殿、お手合わせ願いますですじゃ!!」
902: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:25:07.52 ID:yUyaJLLp0
215
--西の王国国境--
秘書「!?」
黒づくめの醜男「これは……まさか」
ずらぁあぁあ
黒肌の戦士「あぁーあー」
黒肌の女戦士「あぁあああ」
たんぽぽ星人「にゅおおおおお」
秘書「死体が起きあがった……ネクロマンサーか!」
黒肌の戦士「ぐああああ!!」
武器を握りしめ秘書に殴りかかる戦士。
秘書「!?」
ごっ!!
--西の王国国境--
秘書「!?」
黒づくめの醜男「これは……まさか」
ずらぁあぁあ
黒肌の戦士「あぁーあー」
黒肌の女戦士「あぁあああ」
たんぽぽ星人「にゅおおおおお」
秘書「死体が起きあがった……ネクロマンサーか!」
黒肌の戦士「ぐああああ!!」
武器を握りしめ秘書に殴りかかる戦士。
秘書「!?」
ごっ!!
903: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:25:33.27 ID:yUyaJLLp0
216
--西の王国国境--
族長「!? 入った!?」
たんぽぽ星人「ま、まじか、あの無敵の化物女に一撃入った!?」
ぽたっぽたたっ
秘書「ぐっ」
黒づくめの醜男「女王!! この!!」
醜男はナイフで切りつけるが、
黒肌の戦士「あぉあああ」
黒づくめの醜男「!! 死体相手では我らの技術は!!」
どごすっ!!
黒肌の女戦士「ああああああああ」
後ろから近寄ってきた女戦士の槍が醜男の背中に深々とめり込んだ。
ブシュッ
それは醜男の前の戦士まで刺してしまうほどに。
--西の王国国境--
族長「!? 入った!?」
たんぽぽ星人「ま、まじか、あの無敵の化物女に一撃入った!?」
ぽたっぽたたっ
秘書「ぐっ」
黒づくめの醜男「女王!! この!!」
醜男はナイフで切りつけるが、
黒肌の戦士「あぉあああ」
黒づくめの醜男「!! 死体相手では我らの技術は!!」
どごすっ!!
黒肌の女戦士「ああああああああ」
後ろから近寄ってきた女戦士の槍が醜男の背中に深々とめり込んだ。
ブシュッ
それは醜男の前の戦士まで刺してしまうほどに。
904: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:26:06.21 ID:yUyaJLLp0
217
--西の王国国境--
秘書「ぐっ!!」
ひゅーん、どがっ!!
黒肌の中年戦士「あああぁあ」
たんぽぽ星人「にょわあぁあ」
黒肌の超戦士「おっす! おっす! ばっちしっ!!」
吹き飛ばされては群がる死体の山。
秘書「ぐっ!」(モンスターに相性がよくなるだけの魔剣じゃあ、死体を相手にはできない!)
ひゅーん、がすっ!!
黒肌の女戦士「みゃああああ!」
がぶっ!!
秘書「!!」
後ろから秘書の右肩に齧りつく女戦士。
--西の王国国境--
秘書「ぐっ!!」
ひゅーん、どがっ!!
黒肌の中年戦士「あああぁあ」
たんぽぽ星人「にょわあぁあ」
黒肌の超戦士「おっす! おっす! ばっちしっ!!」
吹き飛ばされては群がる死体の山。
秘書「ぐっ!」(モンスターに相性がよくなるだけの魔剣じゃあ、死体を相手にはできない!)
ひゅーん、がすっ!!
黒肌の女戦士「みゃああああ!」
がぶっ!!
秘書「!!」
後ろから秘書の右肩に齧りつく女戦士。
905: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:27:03.49 ID:yUyaJLLp0
218
--西の王国国境--
ぶしゃっ!!
秘書「くっ!!」
秘書はそれを振りほどく力すら持ち合わせていない。
秘書(……例え人型であろうとも……私のスキルは発動しない)
ばきめき
秘書(づっ!! ……死体は人ではない、から!)
どさっ!
組み伏せられて地面を這いつくばる秘書。
参謀長「ははは」
秘書「!? お前……」
ばたっぼたたっ
胸部に穴の空いた参謀長が立っていた。
--西の王国国境--
ぶしゃっ!!
秘書「くっ!!」
秘書はそれを振りほどく力すら持ち合わせていない。
秘書(……例え人型であろうとも……私のスキルは発動しない)
ばきめき
秘書(づっ!! ……死体は人ではない、から!)
どさっ!
組み伏せられて地面を這いつくばる秘書。
参謀長「ははは」
秘書「!? お前……」
ばたっぼたたっ
胸部に穴の空いた参謀長が立っていた。
906: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:27:31.31 ID:yUyaJLLp0
219
--西の王国国境--
秘書「……なぜその傷で立っていられる?」
参謀長「さぁ、なぜだと思いますか秘書殿」
秘書「ネクロマンサーの魔法では自我が保てないはずだ……細かい操作もできないゆえの死体操りなのだろう?」
参謀長「その通り」
秘書「なら、お前は一体どうやって死んだままそこにいるんだ!!」
参謀長「申し訳ないことですが、それにはお答えできません秘書殿」
秘書「……お前か。お前が私のことを知っていたのか。私を知る者など数えるほどしかいないというのに」
参謀長「俺のことなんかどうでもいいんです。秘書殿、今日はお願いがあってきました」
秘書「!?」
--西の王国国境--
秘書「……なぜその傷で立っていられる?」
参謀長「さぁ、なぜだと思いますか秘書殿」
秘書「ネクロマンサーの魔法では自我が保てないはずだ……細かい操作もできないゆえの死体操りなのだろう?」
参謀長「その通り」
秘書「なら、お前は一体どうやって死んだままそこにいるんだ!!」
参謀長「申し訳ないことですが、それにはお答えできません秘書殿」
秘書「……お前か。お前が私のことを知っていたのか。私を知る者など数えるほどしかいないというのに」
参謀長「俺のことなんかどうでもいいんです。秘書殿、今日はお願いがあってきました」
秘書「!?」
907: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:28:23.78 ID:yUyaJLLp0
220
--西の王国国境--
秘書「お願い……だと?」
参謀長「はい」
参謀長はしゃがみ込んで秘書の頭に手を伸ばす。
シュン
参謀長「あら?」
秘書が顔をあげ、口から剃刀のようなものを飛ばして参謀長の手首を切断する。
ぶしゅー
参謀長「無駄なことを」
秘書「! ……」
参謀長「お願いの内容を申し上げます秘書殿」
ゴッ
参謀長は秘書の頭を踏みつける。
参謀長「我らの国を、西の王国の同盟に加えて欲しいのです」
--西の王国国境--
秘書「お願い……だと?」
参謀長「はい」
参謀長はしゃがみ込んで秘書の頭に手を伸ばす。
シュン
参謀長「あら?」
秘書が顔をあげ、口から剃刀のようなものを飛ばして参謀長の手首を切断する。
ぶしゅー
参謀長「無駄なことを」
秘書「! ……」
参謀長「お願いの内容を申し上げます秘書殿」
ゴッ
参謀長は秘書の頭を踏みつける。
参謀長「我らの国を、西の王国の同盟に加えて欲しいのです」
908: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/14(火) 00:29:57.86 ID:yUyaJLLp0
それでは本日の更新はここまでになります。
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
……
テレビ<ピロピロピロピロ ゴーウィゴーウィヒカリッヘー
トリガー「BETAこえー」
咲<撃ってよおおこいつらに食われる前にいい
照<うああああああああ
トリガー「今期は中原さんすごいなー。舞HIMEの時からファンなんだよねー。秘書さんの声は中原さんだったら素敵かもー」
疑問、質問等がありましたら、気軽に書きこんでおいてください。
読んでいただきありがとうございました!m(__)m
……
テレビ<ピロピロピロピロ ゴーウィゴーウィヒカリッヘー
トリガー「BETAこえー」
咲<撃ってよおおこいつらに食われる前にいい
照<うああああああああ
トリガー「今期は中原さんすごいなー。舞HIMEの時からファンなんだよねー。秘書さんの声は中原さんだったら素敵かもー」
913: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:22:49.22 ID:kMbFyQSj0
221
--西の王国国境--
秘書「……なぜこの国境の砦に私がいると考えたのですか?」
参謀長「? どういうことです? 秘書殿」
秘書「とぼけるな。私がこの戦場に出現した時、お前の兵達は身構えた。あれは私が現れるのを知っていて、私がどんな存在かわかった上での反応だった!」
参謀長「……」
秘書「私の力を知っている兵もいた。私への対応も悔しいが見事だ。だがそれは私がここにいることを知っていなければ対応できまい」
参謀長「……うーむ」
参謀長は腕を組んで考える。
参謀長「うん……そうですね。我々があなた方にとって有意義な存在であるとわかれば同盟も組みやすいでしょうし、一つ種明かしをしてみますか」
秘書「……」
秘書は参謀長の目を見つめていた。
--西の王国国境--
秘書「……なぜこの国境の砦に私がいると考えたのですか?」
参謀長「? どういうことです? 秘書殿」
秘書「とぼけるな。私がこの戦場に出現した時、お前の兵達は身構えた。あれは私が現れるのを知っていて、私がどんな存在かわかった上での反応だった!」
参謀長「……」
秘書「私の力を知っている兵もいた。私への対応も悔しいが見事だ。だがそれは私がここにいることを知っていなければ対応できまい」
参謀長「……うーむ」
参謀長は腕を組んで考える。
参謀長「うん……そうですね。我々があなた方にとって有意義な存在であるとわかれば同盟も組みやすいでしょうし、一つ種明かしをしてみますか」
秘書「……」
秘書は参謀長の目を見つめていた。
914: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:23:17.05 ID:kMbFyQSj0
222
--西の王国国境--
参謀長「まず我々がこの砦を調べるように命じた潜入長ですが、彼女はあれで中々腕の立つ人物です。堅固な砦であれなんなく潜入し、必ずや中の情報を調べあげてくれるものだと確信していました」
たんぽぽ星人「回復班ー今のうちに回復たのむー」
周りは次のステップへと動き出していた。
参謀長「砦潜入までも含め、全部で二ヵ月以内には任務を完遂させて帰還してくるものだろうと考えていました。が、彼女は帰ってこなかった。これはきっと帰還不可能になる不足の事態が発生したのだと考えました」
秘書「……」
参謀長「簡単に考えれば彼女は倒された可能性がある。しかし彼女は逃げのエキスパート、多人数に発見され袋叩きに合うことはありえない。倒されるとしたらタイマン、それも実力的に言えば三本角以上の相手のみに限られる」
秘書「……それで私がいると?……違いますよ、私は彼女を倒していない」
参謀長「わかります。槍兵に倒されたんでしょう」
秘書「!?」
--西の王国国境--
参謀長「まず我々がこの砦を調べるように命じた潜入長ですが、彼女はあれで中々腕の立つ人物です。堅固な砦であれなんなく潜入し、必ずや中の情報を調べあげてくれるものだと確信していました」
たんぽぽ星人「回復班ー今のうちに回復たのむー」
周りは次のステップへと動き出していた。
参謀長「砦潜入までも含め、全部で二ヵ月以内には任務を完遂させて帰還してくるものだろうと考えていました。が、彼女は帰ってこなかった。これはきっと帰還不可能になる不足の事態が発生したのだと考えました」
秘書「……」
参謀長「簡単に考えれば彼女は倒された可能性がある。しかし彼女は逃げのエキスパート、多人数に発見され袋叩きに合うことはありえない。倒されるとしたらタイマン、それも実力的に言えば三本角以上の相手のみに限られる」
秘書「……それで私がいると?……違いますよ、私は彼女を倒していない」
参謀長「わかります。槍兵に倒されたんでしょう」
秘書「!?」
915: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:23:54.73 ID:kMbFyQSj0
223
--西の王国国境--
参謀長「彼女は槍兵に見つかり、倒され、それから数週間投獄させられていたんでしょうね。本国からの応援が来るまで」
秘書「待ちなさい。なぜ槍兵がここにいると考えたのですか。そもそも最高戦力である三本角がここに来ていることなど普通に考えればあり得ないことでしょう?」
参謀長「確かに確率は低いですが、簡単なことです秘書殿。先ほども述べました通り、潜入長が倒されるとしたら三本角レベルだけだ。だとしたらいる確率は低かろうが、いるに決まっている。私はそう強引に推理しました」
秘書「……」
参謀長(別に強引でもなんでもないけどな)
秘書「……そしてなぜ槍兵がいると考えたのですか」
参謀長「……もし他の三本角、変化師がいたのなら、潜入長を倒した後、彼女に変化してジャングルをうろつけばいい。そうすれば簡単に我らを一掃できたはず」
参謀長は秘書から足をどけた。
参謀長「他の三本角、テンテンがいたとするのなら、とっくに彼女の広域レーダーで我々の位置など把握されてしまっているはず。最も、真の最高戦力である彼女がこんな地方に来たりはしないでしょうが。おつむ的にも」
秘書(こいつ……)
--西の王国国境--
参謀長「彼女は槍兵に見つかり、倒され、それから数週間投獄させられていたんでしょうね。本国からの応援が来るまで」
秘書「待ちなさい。なぜ槍兵がここにいると考えたのですか。そもそも最高戦力である三本角がここに来ていることなど普通に考えればあり得ないことでしょう?」
参謀長「確かに確率は低いですが、簡単なことです秘書殿。先ほども述べました通り、潜入長が倒されるとしたら三本角レベルだけだ。だとしたらいる確率は低かろうが、いるに決まっている。私はそう強引に推理しました」
秘書「……」
参謀長(別に強引でもなんでもないけどな)
秘書「……そしてなぜ槍兵がいると考えたのですか」
参謀長「……もし他の三本角、変化師がいたのなら、潜入長を倒した後、彼女に変化してジャングルをうろつけばいい。そうすれば簡単に我らを一掃できたはず」
参謀長は秘書から足をどけた。
参謀長「他の三本角、テンテンがいたとするのなら、とっくに彼女の広域レーダーで我々の位置など把握されてしまっているはず。最も、真の最高戦力である彼女がこんな地方に来たりはしないでしょうが。おつむ的にも」
秘書(こいつ……)
916: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:24:27.71 ID:kMbFyQSj0
224
--西の王国国境--
参謀長「残るは秘書殿か人造魔王のお二方だけですが、秘書殿がここにいたのなら盗賊なぞせずにすぐに行動に移していたはず。投獄されているような期間があるはずもない。貴女は時間に厳しい人ですから」
秘書(どこかで……会ったことがあるのか?)
参謀長「最後の可能性である人造魔王ですが、馬鹿をこんな所に来させても何もできないでしょうからね。ゆえに推測した答えは、『潜入長が予定を大幅に過ぎているのに帰還しないのは三本角の槍兵に倒されたためである。そして対応を本国に報告したのちにやってきたのが秘書殿』 ってとこですか」
秘書「……なぜ私がここにいるのを知っていたのか、その答えを聞いていないぞ」
参謀長「だってあれは君が好きな拷問の仕方にそっくりだったんだもの」
そう、にやりと参謀長は笑った。
秘書「……!? まさか……まさかお前は……」
参謀長「……はい? 私は亡国のしがない付き人です」
秘書「殺した……はずだ」
--西の王国国境--
参謀長「残るは秘書殿か人造魔王のお二方だけですが、秘書殿がここにいたのなら盗賊なぞせずにすぐに行動に移していたはず。投獄されているような期間があるはずもない。貴女は時間に厳しい人ですから」
秘書(どこかで……会ったことがあるのか?)
参謀長「最後の可能性である人造魔王ですが、馬鹿をこんな所に来させても何もできないでしょうからね。ゆえに推測した答えは、『潜入長が予定を大幅に過ぎているのに帰還しないのは三本角の槍兵に倒されたためである。そして対応を本国に報告したのちにやってきたのが秘書殿』 ってとこですか」
秘書「……なぜ私がここにいるのを知っていたのか、その答えを聞いていないぞ」
参謀長「だってあれは君が好きな拷問の仕方にそっくりだったんだもの」
そう、にやりと参謀長は笑った。
秘書「……!? まさか……まさかお前は……」
参謀長「……はい? 私は亡国のしがない付き人です」
秘書「殺した……はずだ」
917: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:24:54.20 ID:kMbFyQSj0
225
--西の王国国境--
槍兵「……」
突撃長「はっはっ!! 見事な槍捌きですじゃ……これほどの槍使い、二人といないでしょうですじゃ」
もこいち「そもそも接近戦で槍は最強もきゅよ。まともに行ったらかなわないんだもきゅ。さっさと参謀長の作戦通りやっちゃうもきゅよ」
ごき王「そうですね。三方向からの同時攻撃でしたね」
槍兵「……」
スッ
もこいち「あー、作戦ばらすから壁を背にしちゃったもきゅー」
槍兵「なんだ? 後ろから攻撃すりゃ勝てるってかよ」
そう言うと槍兵はあえて三人に近づいていく。
--西の王国国境--
槍兵「……」
突撃長「はっはっ!! 見事な槍捌きですじゃ……これほどの槍使い、二人といないでしょうですじゃ」
もこいち「そもそも接近戦で槍は最強もきゅよ。まともに行ったらかなわないんだもきゅ。さっさと参謀長の作戦通りやっちゃうもきゅよ」
ごき王「そうですね。三方向からの同時攻撃でしたね」
槍兵「……」
スッ
もこいち「あー、作戦ばらすから壁を背にしちゃったもきゅー」
槍兵「なんだ? 後ろから攻撃すりゃ勝てるってかよ」
そう言うと槍兵はあえて三人に近づいていく。
918: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:25:38.71 ID:kMbFyQSj0
226
--西の王国国境--
もこいち「うわー。挑戦的もきゅねー。こりゃー僕も本気を出さなきゃいけないもきゅね」
むき
突撃長「お?」
むききき
もこいち「ふしゅううぅう……」
もこいちの筋肉は数倍に膨れ上がり、先ほどまでの愛くるしい姿からは想像もつかない。
槍兵「……なんかお前見たことあるような気がするんだけど」
もこいち「気のせいもきゅ、僕は本編の第三部になんて出ていないもきゅよ?」
--西の王国国境--
もこいち「うわー。挑戦的もきゅねー。こりゃー僕も本気を出さなきゃいけないもきゅね」
むき
突撃長「お?」
むききき
もこいち「ふしゅううぅう……」
もこいちの筋肉は数倍に膨れ上がり、先ほどまでの愛くるしい姿からは想像もつかない。
槍兵「……なんかお前見たことあるような気がするんだけど」
もこいち「気のせいもきゅ、僕は本編の第三部になんて出ていないもきゅよ?」
919: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:26:08.01 ID:kMbFyQSj0
227
--西の王国国境--
突撃長「ずあぁあーっっ!!」
ドギャン!!
踏み込んできた突撃長を槍先で貫き、
もこいち「もぎゅう!!」
バガッ!!
一瞬で引き抜いて横薙ぎでもこいちを弾き飛ばす。
ごき王「む、強い……!」
突撃長「げっふ……間合いに踏み込むことすらできないとは……」
もこいち「遊んでる場合じゃないもきゅよ突撃長!!」
突撃長「そう、ですじゃな」
突撃長は穴のあいた腹部を押さえている。
--西の王国国境--
突撃長「ずあぁあーっっ!!」
ドギャン!!
踏み込んできた突撃長を槍先で貫き、
もこいち「もぎゅう!!」
バガッ!!
一瞬で引き抜いて横薙ぎでもこいちを弾き飛ばす。
ごき王「む、強い……!」
突撃長「げっふ……間合いに踏み込むことすらできないとは……」
もこいち「遊んでる場合じゃないもきゅよ突撃長!!」
突撃長「そう、ですじゃな」
突撃長は穴のあいた腹部を押さえている。
920: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:26:34.17 ID:kMbFyQSj0
228
--西の王国国境--
突撃長は自慢の斧を握る手に力を込める。
ぎちち
槍兵(じいさんが来るか?)
突撃長「スキル!!」
ダッ!!
駆けだす突撃長。
槍兵(歳か、おっせぇ)
ひゅ
槍兵が迎撃として放った槍は、突撃長の首に正確に向かっていく。
突撃長「槍破壊!!」
槍兵「!?」
--西の王国国境--
突撃長は自慢の斧を握る手に力を込める。
ぎちち
槍兵(じいさんが来るか?)
突撃長「スキル!!」
ダッ!!
駆けだす突撃長。
槍兵(歳か、おっせぇ)
ひゅ
槍兵が迎撃として放った槍は、突撃長の首に正確に向かっていく。
突撃長「槍破壊!!」
槍兵「!?」
921: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:27:05.11 ID:kMbFyQSj0
229
--西の王国国境--
バキャアア!!!!
槍兵「!!!!」
突撃長の斧が振り下ろされ、槍兵の槍が粉々に砕かれた。
カン、カラカラカラ
槍兵「なっ……」
突撃長「ほっほっ。斧をなめたらいけませんよ」
槍兵(高速で接近してくる槍に斧を当てるとは……スキルの速度補正か。ちっ! やっちまったぜ)
槍兵は柄だけになった槍を捨てる。
もこいち「これで僕達の勝利は確定もきゅ!!」
ごき王「……いやどうでしょうかね」
--西の王国国境--
バキャアア!!!!
槍兵「!!!!」
突撃長の斧が振り下ろされ、槍兵の槍が粉々に砕かれた。
カン、カラカラカラ
槍兵「なっ……」
突撃長「ほっほっ。斧をなめたらいけませんよ」
槍兵(高速で接近してくる槍に斧を当てるとは……スキルの速度補正か。ちっ! やっちまったぜ)
槍兵は柄だけになった槍を捨てる。
もこいち「これで僕達の勝利は確定もきゅ!!」
ごき王「……いやどうでしょうかね」
922: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:27:32.29 ID:kMbFyQSj0
230
--西の王国国境--
もこいち「へっ?」
ごき王「なんだかまだ、嫌な予感がするのですよ」
突撃長「ですじゃ」
槍兵「おいおい、攻めてこないのかよ。せっかく槍をぶっ壊したって言うのに。今俺は好きだらけなんだぜ?」
槍兵は両腕を広げてアピールする。
突撃長「……迷っていてもらちがあかないですじゃ。ならば!!」
突撃長は斧をふりかぶった。
がぎぃん!!
突撃長「!!」
槍兵は右腕で斧を受け止めた。
突撃長(さすがに小手だけで受け止めることが……この手ごたえ!!)
--西の王国国境--
もこいち「へっ?」
ごき王「なんだかまだ、嫌な予感がするのですよ」
突撃長「ですじゃ」
槍兵「おいおい、攻めてこないのかよ。せっかく槍をぶっ壊したって言うのに。今俺は好きだらけなんだぜ?」
槍兵は両腕を広げてアピールする。
突撃長「……迷っていてもらちがあかないですじゃ。ならば!!」
突撃長は斧をふりかぶった。
がぎぃん!!
突撃長「!!」
槍兵は右腕で斧を受け止めた。
突撃長(さすがに小手だけで受け止めることが……この手ごたえ!!)
923: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:28:01.46 ID:kMbFyQSj0
231
--西の王国国境--
しゅる
槍兵は小手の下に槍を隠していた。
ガチン!ガチン!!
足にも隠していた四つのパーツはあっという間に組みあがる。
槍兵(そのまま追撃を加えてきたら刺し殺してやったのによ)
ふおん!!
槍兵はぐるりと回すように振るい、そして、
ドキャッ!!
もこいち「もきゅ」
ザシャッ!!
突撃長「が」
刺殺した。
--西の王国国境--
しゅる
槍兵は小手の下に槍を隠していた。
ガチン!ガチン!!
足にも隠していた四つのパーツはあっという間に組みあがる。
槍兵(そのまま追撃を加えてきたら刺し殺してやったのによ)
ふおん!!
槍兵はぐるりと回すように振るい、そして、
ドキャッ!!
もこいち「もきゅ」
ザシャッ!!
突撃長「が」
刺殺した。
924: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:28:29.43 ID:kMbFyQSj0
232
--西の王国国境--
どさどささっ
ごき王「……手を抜いていましたね」
槍兵「あー? たりめーだ。力の差がありすぎる。俺が本気だしたらあっちゅー間に終わっちまうだろ」
ただでさえ最近戦える機会が少ないのに、っと槍兵はぼやく。
ごき王「……」
槍兵「お前、喋ってるってことはモンスターなんだよな? ゴキブリなんてきもちわりぃ。仕方ねぇから全部ぷちぷちと潰すかぁ」
ひゅん
槍兵は一番戦闘にいたゴキブリに槍を振るった。
しゃっ
しかし槍は避けられてしまう。
槍兵「……あら?」
カサカサカサカサ
部屋中に集まってきたゴキブリは一斉に槍兵に飛びかかった。
--西の王国国境--
どさどささっ
ごき王「……手を抜いていましたね」
槍兵「あー? たりめーだ。力の差がありすぎる。俺が本気だしたらあっちゅー間に終わっちまうだろ」
ただでさえ最近戦える機会が少ないのに、っと槍兵はぼやく。
ごき王「……」
槍兵「お前、喋ってるってことはモンスターなんだよな? ゴキブリなんてきもちわりぃ。仕方ねぇから全部ぷちぷちと潰すかぁ」
ひゅん
槍兵は一番戦闘にいたゴキブリに槍を振るった。
しゃっ
しかし槍は避けられてしまう。
槍兵「……あら?」
カサカサカサカサ
部屋中に集まってきたゴキブリは一斉に槍兵に飛びかかった。
925: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:28:58.41 ID:kMbFyQSj0
233
--西の王国国境--
槍兵「う、おおおおおおおおおおお!!!!」
バサバサバサバサバサ!!!!
槍兵はゴキブリの大群を目の当たりにし、高速で槍を回し始める。
槍兵「スキル!! 旋風槍!!」
びゅおおおおおおおおおお!!
ゴキブリ達は風で押し戻され壁に叩きつけられる。
べしっ、べしべしっ!
槍兵「こ、こえぇ……DTBのニカみたいな死に方だけはごめんだぞ……」
ごき王「やれやれ。この姿じゃあどうにもなりませんか」
かさ
槍兵「?」
--西の王国国境--
槍兵「う、おおおおおおおおおおお!!!!」
バサバサバサバサバサ!!!!
槍兵はゴキブリの大群を目の当たりにし、高速で槍を回し始める。
槍兵「スキル!! 旋風槍!!」
びゅおおおおおおおおおお!!
ゴキブリ達は風で押し戻され壁に叩きつけられる。
べしっ、べしべしっ!
槍兵「こ、こえぇ……DTBのニカみたいな死に方だけはごめんだぞ……」
ごき王「やれやれ。この姿じゃあどうにもなりませんか」
かさ
槍兵「?」
926: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:29:34.17 ID:kMbFyQSj0
234
--西の王国国境--
かさ、かさかさかさ
ゴキブリ達は一か所に集まって、巨大な大きな塊になった。
槍兵「うっわ。蠢いてやがる……これはなんぼなんでもきもちわりぃ。くそ、範囲攻撃とか複数対象の技がなぁ……」
ぎゅちぎゅち
それは徐々に人のような姿へと変わっていく。
槍兵(! なんだ? こいついきなり魔力量が増えやがった!?)
ぎゅちぎゅち
たくさんのゴキブリは、一人の人間になった。
ごき王「……ふぅ……」
槍兵「はっ、気持ちのわりぃ外見じゃねぇならなんの抵抗もッ!?」
メギッ
槍兵の顔に拳が叩きこまれる。
--西の王国国境--
かさ、かさかさかさ
ゴキブリ達は一か所に集まって、巨大な大きな塊になった。
槍兵「うっわ。蠢いてやがる……これはなんぼなんでもきもちわりぃ。くそ、範囲攻撃とか複数対象の技がなぁ……」
ぎゅちぎゅち
それは徐々に人のような姿へと変わっていく。
槍兵(! なんだ? こいついきなり魔力量が増えやがった!?)
ぎゅちぎゅち
たくさんのゴキブリは、一人の人間になった。
ごき王「……ふぅ……」
槍兵「はっ、気持ちのわりぃ外見じゃねぇならなんの抵抗もッ!?」
メギッ
槍兵の顔に拳が叩きこまれる。
927: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:30:17.86 ID:kMbFyQSj0
235
--西の王国国境--
ドッガアアアアアアアアアアアアアアン!!!!
それは分厚い壁をぶちぬくほどの威力。
ごき王「……立ちなさい。ノックアウトにはまだ早いでしょう?」
パラパラっ
槍兵「がっ……てめぇ」(この俺が油断していたとはいえ、避けられなかっただと?)
がらがらっ
槍兵「ぺっ……てめぇ……なんだか嫌な感じがしやがるぜ」
ごき王「ほう? わかりますか? 私の内に秘めるこの卑しき力が」
槍兵「どっかでお前みたいなのに会ったことがある……どこだったか、な!!」
ひゅん!!
槍兵の高速の突きを紙一重で交わし柄を握るごき王。
槍兵「なっ!!」
--西の王国国境--
ドッガアアアアアアアアアアアアアアン!!!!
それは分厚い壁をぶちぬくほどの威力。
ごき王「……立ちなさい。ノックアウトにはまだ早いでしょう?」
パラパラっ
槍兵「がっ……てめぇ」(この俺が油断していたとはいえ、避けられなかっただと?)
がらがらっ
槍兵「ぺっ……てめぇ……なんだか嫌な感じがしやがるぜ」
ごき王「ほう? わかりますか? 私の内に秘めるこの卑しき力が」
槍兵「どっかでお前みたいなのに会ったことがある……どこだったか、な!!」
ひゅん!!
槍兵の高速の突きを紙一重で交わし柄を握るごき王。
槍兵「なっ!!」
928: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:30:46.33 ID:kMbFyQSj0
236
--西の王国国境--
ゴッ!!!!
ごき王の右拳が槍兵の頭部を襲う。
槍兵「ッッ!!」
ごき王(すんでの所で防御したか)
シャッ!!
槍兵の左足がごき王に迫るが、それもごき王に掴まれてしまう。
槍兵「っく!!」
ごき王「槍以外で私と互角に戦えるものはないでしょう?」
どげしっ!!
槍兵「あがっ!!」
ごき王は無防備になっている槍兵の腹をけたぐった。
--西の王国国境--
ゴッ!!!!
ごき王の右拳が槍兵の頭部を襲う。
槍兵「ッッ!!」
ごき王(すんでの所で防御したか)
シャッ!!
槍兵の左足がごき王に迫るが、それもごき王に掴まれてしまう。
槍兵「っく!!」
ごき王「槍以外で私と互角に戦えるものはないでしょう?」
どげしっ!!
槍兵「あがっ!!」
ごき王は無防備になっている槍兵の腹をけたぐった。
929: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:31:13.27 ID:kMbFyQSj0
237
--西の王国国境--
槍兵「てっめぇ!!」
ずぼっ!!
間髪いれずに二撃目、さすがの槍兵もたまらず、胃の中のものを吐きだした。
槍兵「げぇへっ!!」
ずぎゃっ!!
更に放たれる三撃目。槍兵は槍を手放して地面に倒れ込む。
どさっ!!
槍兵「ごほっ!! がほっ!! げほっ!!」
ごき王「自分の武器を手放すとは。おろかな。炎属性付加魔法、」
槍兵「!?」
ごき王の右足が燃えている。
ごき王「レベル2」
--西の王国国境--
槍兵「てっめぇ!!」
ずぼっ!!
間髪いれずに二撃目、さすがの槍兵もたまらず、胃の中のものを吐きだした。
槍兵「げぇへっ!!」
ずぎゃっ!!
更に放たれる三撃目。槍兵は槍を手放して地面に倒れ込む。
どさっ!!
槍兵「ごほっ!! がほっ!! げほっ!!」
ごき王「自分の武器を手放すとは。おろかな。炎属性付加魔法、」
槍兵「!?」
ごき王の右足が燃えている。
ごき王「レベル2」
930: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:31:39.26 ID:kMbFyQSj0
238
--西の王国国境--
ごおおお!!
ごき王の蹴りを受けた槍兵は、部屋の壁にもたれるように延焼している。
ごき王「……」
からんからん
ごき王は槍を投げ捨てると、突撃長ともこいちに近づいた。
ごき王「水属性蘇生魔法、レベル3」
びゅわわあんん
突撃長「……む、む??」
もこいち「あ、あれ? 僕死んだはずもきゅが」
ごき王「もう大丈夫ですよ。槍兵は私が倒しましたから」
ずがっ!!
ごき王「……」
そう喋るごき王の胸から槍が突きでる。
--西の王国国境--
ごおおお!!
ごき王の蹴りを受けた槍兵は、部屋の壁にもたれるように延焼している。
ごき王「……」
からんからん
ごき王は槍を投げ捨てると、突撃長ともこいちに近づいた。
ごき王「水属性蘇生魔法、レベル3」
びゅわわあんん
突撃長「……む、む??」
もこいち「あ、あれ? 僕死んだはずもきゅが」
ごき王「もう大丈夫ですよ。槍兵は私が倒しましたから」
ずがっ!!
ごき王「……」
そう喋るごき王の胸から槍が突きでる。
931: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:32:06.05 ID:kMbFyQSj0
239
--西の王国国境--
槍兵「はぁーっ!! はぁーっ!!」
ぶすぶす
ごき王「驚いた。その状態でまだ動けるとは……」
ごき王は自分の体から槍を引き抜くと槍兵に向かって投げ返した。
ぎゅん!!
槍兵「!!」
どっ!!
槍兵「がはっ!!」
体力が減った今の槍兵に、その槍は防ぐこともかわすこともできず、そのまま壁に張りつけられてしまった。
突撃長「ごき王殿!! 大丈夫ですかじゃ!! ……ん? あれ? 穴がふさがってるですじゃ」
ごき王「心配には及びませんよ突撃長さん。私は群で個なのですから」
すっ
ごき王は立ち上がり槍兵に向かって歩いていく。
--西の王国国境--
槍兵「はぁーっ!! はぁーっ!!」
ぶすぶす
ごき王「驚いた。その状態でまだ動けるとは……」
ごき王は自分の体から槍を引き抜くと槍兵に向かって投げ返した。
ぎゅん!!
槍兵「!!」
どっ!!
槍兵「がはっ!!」
体力が減った今の槍兵に、その槍は防ぐこともかわすこともできず、そのまま壁に張りつけられてしまった。
突撃長「ごき王殿!! 大丈夫ですかじゃ!! ……ん? あれ? 穴がふさがってるですじゃ」
ごき王「心配には及びませんよ突撃長さん。私は群で個なのですから」
すっ
ごき王は立ち上がり槍兵に向かって歩いていく。
932: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/22(水) 01:32:41.85 ID:kMbFyQSj0
240
--西の王国国境--
槍兵「……てめぇ……思いだしたぜその感覚をよ」
ごき王「ほう?」
槍兵「安心感とも恐怖ともとれる、どっちつかずのいけすかねぇオーラ……てめぇは……人造勇者だな」
突撃長、もこいち「「!?」」
ごき王「……ほう。感覚だけでわかるとは。いやはやすごい。……そうです。あなたのおっしゃる通り、私は人造勇者です」
突撃長、もこいち「「!?」」
ごき王「全てのゴキブリを愛し、群であり個である正義の人造勇者」
槍兵「……」
ごき王「私の名は、人造勇者G」
Gは深々とおじぎする。
ごき王あらためG「以後お見知りおきを」
--西の王国国境--
槍兵「……てめぇ……思いだしたぜその感覚をよ」
ごき王「ほう?」
槍兵「安心感とも恐怖ともとれる、どっちつかずのいけすかねぇオーラ……てめぇは……人造勇者だな」
突撃長、もこいち「「!?」」
ごき王「……ほう。感覚だけでわかるとは。いやはやすごい。……そうです。あなたのおっしゃる通り、私は人造勇者です」
突撃長、もこいち「「!?」」
ごき王「全てのゴキブリを愛し、群であり個である正義の人造勇者」
槍兵「……」
ごき王「私の名は、人造勇者G」
Gは深々とおじぎする。
ごき王あらためG「以後お見知りおきを」
939: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:16:22.24 ID:hAlqkLKF0
241
--西の王国国境--
とことこ
もこじ「もきゅー参謀長参謀長ー、もこいち達が槍兵倒して潜入長の死体を無事回収、今こっちに帰ってきてるもきゅよ」
参謀長「そうか、わかった」
秘書(!……砦内部の話をしているのですか……私を惑わそうとしているのでなければ、通信兵レベルの伝達能力を持つものがいるということですか)
参謀長「ならばこの戦は終わりですな」
参謀長は秘書を立たせて笑う。
参謀長「もこいち、姫様に打電」
もこいち「もきゅー、もこもこちゃんねるにインするもきゅ」
秘書「えっ、今もこもこって」
もこいち「言ってないもきゅ」
--西の王国国境--
とことこ
もこじ「もきゅー参謀長参謀長ー、もこいち達が槍兵倒して潜入長の死体を無事回収、今こっちに帰ってきてるもきゅよ」
参謀長「そうか、わかった」
秘書(!……砦内部の話をしているのですか……私を惑わそうとしているのでなければ、通信兵レベルの伝達能力を持つものがいるということですか)
参謀長「ならばこの戦は終わりですな」
参謀長は秘書を立たせて笑う。
参謀長「もこいち、姫様に打電」
もこいち「もきゅー、もこもこちゃんねるにインするもきゅ」
秘書「えっ、今もこもこって」
もこいち「言ってないもきゅ」
940: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:16:59.45 ID:hAlqkLKF0
242
--ジャングル--
もこぞう「ぴきゅーん! 姫ちゃん姫ちゃん、参謀長達から連絡あったもきゅよ!」
姫「本当!? ってことは潜入長助け出せたんだね!! やったー!!」
姫は急いでドアを開けた。
姫「あ、大きな音しちゃうかもしれないけど、みんなはゆっくり食べててね!! おかわりは台所にあるからっ!」
??「何から何までありがとうございます……」
がつむしゃがつむしゃ
姫「いいって調 師ちゃん! 困った時はお互い様だよっ!」
?「むっちゃええ子や……まるでツインテ様みたい……」
??改め調 師「えぇ……」
--ジャングル--
もこぞう「ぴきゅーん! 姫ちゃん姫ちゃん、参謀長達から連絡あったもきゅよ!」
姫「本当!? ってことは潜入長助け出せたんだね!! やったー!!」
姫は急いでドアを開けた。
姫「あ、大きな音しちゃうかもしれないけど、みんなはゆっくり食べててね!! おかわりは台所にあるからっ!」
??「何から何までありがとうございます……」
がつむしゃがつむしゃ
姫「いいって調 師ちゃん! 困った時はお互い様だよっ!」
?「むっちゃええ子や……まるでツインテ様みたい……」
??改め調 師「えぇ……」
941: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:17:47.48 ID:hAlqkLKF0
243
--ジャングル--
姫「方角はあっちでいいの?」
もこぞう「そうもきゅ。あ、右に五度修正もきゅ。それじゃ参謀長達に当たるもきゅ」
姫「オッケー! じゃあいくよっ!」
すっ
姫の顔から普段のバカさ加減が消えて、高貴な顔つきになっていく。
姫「我が王族のみに代々伝わる重き力よ……」
ズン!!
調 師「!! こ、この魔力量は!? 賭博師様!」
?改め賭博師「あぁ……こりゃあすんげぇ……さっきまでの姫ちゃん様からは想像もつかねぇ」
調 師(!! ナチュラルに様付けになってる……)
--ジャングル--
姫「方角はあっちでいいの?」
もこぞう「そうもきゅ。あ、右に五度修正もきゅ。それじゃ参謀長達に当たるもきゅ」
姫「オッケー! じゃあいくよっ!」
すっ
姫の顔から普段のバカさ加減が消えて、高貴な顔つきになっていく。
姫「我が王族のみに代々伝わる重き力よ……」
ズン!!
調 師「!! こ、この魔力量は!? 賭博師様!」
?改め賭博師「あぁ……こりゃあすんげぇ……さっきまでの姫ちゃん様からは想像もつかねぇ」
調 師(!! ナチュラルに様付けになってる……)
942: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:19:08.00 ID:hAlqkLKF0
244
--ジャングル--
姫「天よりもたらせ……黄金属性魔法、黄金の星」
カッ!!
--西の王国国境--
がやがや
秘書「……戦闘態勢を解くとは……正気とは思えませんね」
参謀長「もう戦う理由は無くなりましたので」
秘書「我々にはありますよ。これは侵略行為です」
参謀長「……では、これを見ていただきましょう」
秘書「……?」
……ぅぅん
秘書(! 何かが高速で接近している?)
--ジャングル--
姫「天よりもたらせ……黄金属性魔法、黄金の星」
カッ!!
--西の王国国境--
がやがや
秘書「……戦闘態勢を解くとは……正気とは思えませんね」
参謀長「もう戦う理由は無くなりましたので」
秘書「我々にはありますよ。これは侵略行為です」
参謀長「……では、これを見ていただきましょう」
秘書「……?」
……ぅぅん
秘書(! 何かが高速で接近している?)
943: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:20:34.45 ID:hAlqkLKF0
245
--西の王国国境--
ウゥン!
秘書(空か!!)
秘書が上を向くと、
ドッガァァン!!
二十メートルはあろうかという巨大な金塊が落ちてきた。
シュウウ
クレーターを作るほどの質量を持ったそれは、
秘書「ッ……。!! こ、これは!!」
それは、
参謀長「示談金ということで一つどうでしょうか」
巨大な黄金の塊だった。
--西の王国国境--
ウゥン!
秘書(空か!!)
秘書が上を向くと、
ドッガァァン!!
二十メートルはあろうかという巨大な金塊が落ちてきた。
シュウウ
クレーターを作るほどの質量を持ったそれは、
秘書「ッ……。!! こ、これは!!」
それは、
参謀長「示談金ということで一つどうでしょうか」
巨大な黄金の塊だった。
944: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:21:08.51 ID:hAlqkLKF0
246
--西の王国国境--
秘書(こんな巨大な黄金が自然にあるはずがない……これは……かつて社会の法則を乱すとされ、一人残らず淘汰された欠陥属性……黄金の持ち主か)
参謀長「……」
参謀長は秘書の反応からその心中を察する。
参謀長「数々の無礼、どうかお許しください。ですがこのひと騒動は、あなた方に我々の有用さを知っていただくためのデモンストレーションだとでも思っていただければと思います」
秘書「……」
参謀長「どうでしょう、先ほども言いましたが、我々と同盟を組みませんか?」
秘書「貴様たちは国と認められていない……」
参謀長「えぇ。ですから、我々の国を、黄金王国を、国と認めるように他の王国に計らっていただきたいのです」
秘書「黄金王国ッ!? ……よくもまぁいけしゃあしゃあと忌むべき呪われた王国の名を」
--西の王国国境--
秘書(こんな巨大な黄金が自然にあるはずがない……これは……かつて社会の法則を乱すとされ、一人残らず淘汰された欠陥属性……黄金の持ち主か)
参謀長「……」
参謀長は秘書の反応からその心中を察する。
参謀長「数々の無礼、どうかお許しください。ですがこのひと騒動は、あなた方に我々の有用さを知っていただくためのデモンストレーションだとでも思っていただければと思います」
秘書「……」
参謀長「どうでしょう、先ほども言いましたが、我々と同盟を組みませんか?」
秘書「貴様たちは国と認められていない……」
参謀長「えぇ。ですから、我々の国を、黄金王国を、国と認めるように他の王国に計らっていただきたいのです」
秘書「黄金王国ッ!? ……よくもまぁいけしゃあしゃあと忌むべき呪われた王国の名を」
945: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:21:35.03 ID:hAlqkLKF0
247
--西の王国国境--
参謀長「うちの大事な姫君のためならば動かぬわけにはいきませんから」
秘書「……魔導大老……」
参謀長「……」
秘書「数々の禁術を生み出した、四代目勇者直系の一族の長」
参謀長「……」
秘書「私が殺した時には、すでに不死の魔法を完成していたのですね」
参謀長「……何のお話やら」
秘書は黙って参謀長の顔を見つめている。
秘書「……いいでしょう。我々とて仲間は多いほうがいいですから」
--西の王国国境--
参謀長「うちの大事な姫君のためならば動かぬわけにはいきませんから」
秘書「……魔導大老……」
参謀長「……」
秘書「数々の禁術を生み出した、四代目勇者直系の一族の長」
参謀長「……」
秘書「私が殺した時には、すでに不死の魔法を完成していたのですね」
参謀長「……何のお話やら」
秘書は黙って参謀長の顔を見つめている。
秘書「……いいでしょう。我々とて仲間は多いほうがいいですから」
946: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:22:17.66 ID:hAlqkLKF0
248
--ジャングル--
姫「うーんっ! ちゃんとできたかなーっ!?」
もこぞう「報告あったもきゅ! 大丈夫もきゅよ!! たんぽぽ星人が三体潰れただけもきゅっ!!」
姫「それならよかった!! ……ありゃ?」
もこぞう「どうしたもきゅ? あ、なんか落ちてくるもきゅ」
ひゅーーん、どがーーん
姫「な、なにあれ!! ジャングルに落ちたよ!!」
もこぞう「三個だか四個落ちたもきゅね。行ってみるもきゅ?」
姫「うんっ!!」
--ジャングル--
姫「うーんっ! ちゃんとできたかなーっ!?」
もこぞう「報告あったもきゅ! 大丈夫もきゅよ!! たんぽぽ星人が三体潰れただけもきゅっ!!」
姫「それならよかった!! ……ありゃ?」
もこぞう「どうしたもきゅ? あ、なんか落ちてくるもきゅ」
ひゅーーん、どがーーん
姫「な、なにあれ!! ジャングルに落ちたよ!!」
もこぞう「三個だか四個落ちたもきゅね。行ってみるもきゅ?」
姫「うんっ!!」
947: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:22:43.28 ID:hAlqkLKF0
249
--ジャングル--
調 師「姫さん。何かあったのですか?」
姫「うん! なんかジャングルに落ちてきたから見てくるのっ!」
賭博師「おいおい、なんだか穏やかじゃねぇなぁ」
むしゃばく
調 師「では、この子をお貸しします」
調 師が超音波を発すると、
バサッ!!
バジリスク「ぎゃおーーーん!」
空からバジリスクが舞い降りた。
姫「うおっ!! かっこいい!! なにこれ!!」
調 師「この子がいれば墜落地点まですぐにいけるでしょうし、ボディーガードもこなせるかと」
--ジャングル--
調 師「姫さん。何かあったのですか?」
姫「うん! なんかジャングルに落ちてきたから見てくるのっ!」
賭博師「おいおい、なんだか穏やかじゃねぇなぁ」
むしゃばく
調 師「では、この子をお貸しします」
調 師が超音波を発すると、
バサッ!!
バジリスク「ぎゃおーーーん!」
空からバジリスクが舞い降りた。
姫「うおっ!! かっこいい!! なにこれ!!」
調 師「この子がいれば墜落地点まですぐにいけるでしょうし、ボディーガードもこなせるかと」
948: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:23:14.69 ID:hAlqkLKF0
250
--ジャングル--
賭博師「本当は恩を返すために俺らがついていくべきなんだろうけど、まだ本調子じゃないんでな」
姫「ううん、ありがとう!! じゃあよろしくねバジちゃん!!」
姫は嬉しそうに笑うとバジリスクにまたがった。
ぽすっ
バジリスク「……!? この感触はノー !?」
賭博師「ガタタッ!?」
調 師「人語喋んなや」
それはそれは恐ろしい目つきだったという。
--ジャングル--
賭博師「本当は恩を返すために俺らがついていくべきなんだろうけど、まだ本調子じゃないんでな」
姫「ううん、ありがとう!! じゃあよろしくねバジちゃん!!」
姫は嬉しそうに笑うとバジリスクにまたがった。
ぽすっ
バジリスク「……!? この感触はノー !?」
賭博師「ガタタッ!?」
調 師「人語喋んなや」
それはそれは恐ろしい目つきだったという。
949: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:23:51.70 ID:hAlqkLKF0
251
--ジャングル--
ふしゅーーー
?「あたたー……さすがに今回は死ぬかと思いましたー……」
??「ごめんなさいですわ……エネルギーが、もう」
???「お腹減ったにょ……」
????「こんな所でギブアップだなんて」
機械の残骸が転がる地面で倒れている四人。
ブラックタイガー「しゃーー!!」
住処を破壊されたモンスターがぞろぞろと集まってくる。
?「あちゃー……潮時ですかー?」
--ジャングル--
ふしゅーーー
?「あたたー……さすがに今回は死ぬかと思いましたー……」
??「ごめんなさいですわ……エネルギーが、もう」
???「お腹減ったにょ……」
????「こんな所でギブアップだなんて」
機械の残骸が転がる地面で倒れている四人。
ブラックタイガー「しゃーー!!」
住処を破壊されたモンスターがぞろぞろと集まってくる。
?「あちゃー……潮時ですかー?」
950: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:24:18.63 ID:hAlqkLKF0
252
--ジャングル--
バジリスク「ぎゃおおおおおおおおおおお!!」
ばさっばさっ!!
その時空から姫ともこぞうが乗ったバジリスクが飛来する。
ブラックタイガー「ぎゃう!?」
ばさっばさっ。
ブラックタイガー「ぎゅ……ぎゅうう」
バジリスク「ぎゃおおぉ」
モンスターの生態系の頂点に座する竜種の出現に、ブラックタイガーの群れはたじろいだ。
バジリスク「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ブラックタイガー「きゃんきゃんっ!!」
バジリスクの咆哮に驚いたブラックタイガーは散り散りになって逃げて行った。
?「た、助かったのですー?」
--ジャングル--
バジリスク「ぎゃおおおおおおおおおおお!!」
ばさっばさっ!!
その時空から姫ともこぞうが乗ったバジリスクが飛来する。
ブラックタイガー「ぎゃう!?」
ばさっばさっ。
ブラックタイガー「ぎゅ……ぎゅうう」
バジリスク「ぎゃおおぉ」
モンスターの生態系の頂点に座する竜種の出現に、ブラックタイガーの群れはたじろいだ。
バジリスク「ぎゃおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ブラックタイガー「きゃんきゃんっ!!」
バジリスクの咆哮に驚いたブラックタイガーは散り散りになって逃げて行った。
?「た、助かったのですー?」
951: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:24:57.47 ID:hAlqkLKF0
253
--西の王国国境--
秘書「……」
参謀長「調印、確かに頂きました」
秘書「いつ頃行動を起こすつもりですか?」
参謀長「一年後、くらいでしょうか。それまでにもう少し国力をあげておきますから」
秘書「そうですか」
参謀長「それでは一年後、連合会議にて」
秘書「……了解しました」
バタン
秘書「……敵になるようならば、次こそ完全に殺しますから」
扉を睨みながら秘書はそう呟いた。
参謀長(……はぁ、よかった……作戦のためとはいえ秘書相手にあんな態度しちゃうなんて……未だに心臓バクバク言ってるよ……)
--西の王国国境--
秘書「……」
参謀長「調印、確かに頂きました」
秘書「いつ頃行動を起こすつもりですか?」
参謀長「一年後、くらいでしょうか。それまでにもう少し国力をあげておきますから」
秘書「そうですか」
参謀長「それでは一年後、連合会議にて」
秘書「……了解しました」
バタン
秘書「……敵になるようならば、次こそ完全に殺しますから」
扉を睨みながら秘書はそう呟いた。
参謀長(……はぁ、よかった……作戦のためとはいえ秘書相手にあんな態度しちゃうなんて……未だに心臓バクバク言ってるよ……)
952: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:25:24.00 ID:hAlqkLKF0
254
--西の王国国境--
潜入長「ご迷惑をおかけしました!」
砦を出るや否や、潜入長は参謀長に頭を下げた。
参謀長「え?」
潜入長「今回私が自分の役目を果たせないばっかりにこんなに大それたことになってしまって……」
突撃長「そ、そんなことはないですじゃ! 潜入長殿のせいではないですじゃ!」
参謀長「あー」
参謀長はぽりぽりと頭をかく。
参謀長「突撃長さんの言う通りですよ、貴女のせいじゃない。どころかこの展開にもってこれたのは全て貴女の功績だ」
潜入長「……え?」
参謀長「潜入長さんが頑張ってくれたおかげです。責任があるとすれば全ては私にあります。相手の力も測りきれずに危険な目に合わせてしまって申し訳ない」
今度は参謀長が頭を下げた。
--西の王国国境--
潜入長「ご迷惑をおかけしました!」
砦を出るや否や、潜入長は参謀長に頭を下げた。
参謀長「え?」
潜入長「今回私が自分の役目を果たせないばっかりにこんなに大それたことになってしまって……」
突撃長「そ、そんなことはないですじゃ! 潜入長殿のせいではないですじゃ!」
参謀長「あー」
参謀長はぽりぽりと頭をかく。
参謀長「突撃長さんの言う通りですよ、貴女のせいじゃない。どころかこの展開にもってこれたのは全て貴女の功績だ」
潜入長「……え?」
参謀長「潜入長さんが頑張ってくれたおかげです。責任があるとすれば全ては私にあります。相手の力も測りきれずに危険な目に合わせてしまって申し訳ない」
今度は参謀長が頭を下げた。
953: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:26:19.18 ID:hAlqkLKF0
255
--西の王国国境--
潜入長「あ、頭をあげてください! 参謀長さんは悪くないのですから!」
突撃長「……そうですじゃ。結果みんな無事だった。そして国として認めてもらえそうになったのですじゃ、結果オーライというやつですじゃよ」
参謀長「……ふ」
族長「サンボウ! 今日は勝利を祝って祭をやろう!!」
族長が駆け寄って来て参謀長と肩を組んだ。
もこいち「空気よめもきゅー」
もこじ「全くだもキュー」
参謀長「俺的にはちょっと休みたいんだが……」
--西の王国国境--
潜入長「あ、頭をあげてください! 参謀長さんは悪くないのですから!」
突撃長「……そうですじゃ。結果みんな無事だった。そして国として認めてもらえそうになったのですじゃ、結果オーライというやつですじゃよ」
参謀長「……ふ」
族長「サンボウ! 今日は勝利を祝って祭をやろう!!」
族長が駆け寄って来て参謀長と肩を組んだ。
もこいち「空気よめもきゅー」
もこじ「全くだもキュー」
参謀長「俺的にはちょっと休みたいんだが……」
954: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:27:17.83 ID:hAlqkLKF0
256
--西の王国国境--
参謀長「あ、そうだ、潜入長さん、今回の件でひどい目に合わせてしまったお詫びをしたいので、何かあれば言ってくださいね」
潜入長「え……い、いやそれでもでも私だけそんな」
突撃長「ほっほっ。男の責任というやつですじゃよ」
もこいち「僕達には褒美ないもきゅかー!」
もこじ「ストしてやるもきゅー!」
もこもこ達は参謀長の足にからみつく。
参謀長「えぇいやめろ! お前らは姫様から褒美がでるだろきっと!」
潜入長「……ほ、本当によろしいのですか?」
参謀長「え? あ、あぁいいですよ、何がいいですか?」
潜入長「じゃあ、この紙にサインをいただけたらと」
潜入長は一枚の紙を差し出す。
--西の王国国境--
参謀長「あ、そうだ、潜入長さん、今回の件でひどい目に合わせてしまったお詫びをしたいので、何かあれば言ってくださいね」
潜入長「え……い、いやそれでもでも私だけそんな」
突撃長「ほっほっ。男の責任というやつですじゃよ」
もこいち「僕達には褒美ないもきゅかー!」
もこじ「ストしてやるもきゅー!」
もこもこ達は参謀長の足にからみつく。
参謀長「えぇいやめろ! お前らは姫様から褒美がでるだろきっと!」
潜入長「……ほ、本当によろしいのですか?」
参謀長「え? あ、あぁいいですよ、何がいいですか?」
潜入長「じゃあ、この紙にサインをいただけたらと」
潜入長は一枚の紙を差し出す。
955: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:28:05.98 ID:hAlqkLKF0
257
--西の王国国境--
参謀長「紙? サイン? 僕は別にプロ野球選手とかじゃないんですけど……!?」
驚愕の表情の参謀長。
突撃長「? どうしましたですかじゃ参謀長殿……ぬあっ!?」
その紙は……婚姻届。
潜入長「私もそろそろ歳が気になる年頃なので、貰っていただけたらと」
もじもじしている潜入長。
参謀長「……」
突撃長「り、リアル男の責任……ですじゃ」
もこいち「結婚は人生の墓場もきゅ」
もこじ「だとすれば墓場への直送チケットってところもきゅ?」
--西の王国国境--
参謀長「紙? サイン? 僕は別にプロ野球選手とかじゃないんですけど……!?」
驚愕の表情の参謀長。
突撃長「? どうしましたですかじゃ参謀長殿……ぬあっ!?」
その紙は……婚姻届。
潜入長「私もそろそろ歳が気になる年頃なので、貰っていただけたらと」
もじもじしている潜入長。
参謀長「……」
突撃長「り、リアル男の責任……ですじゃ」
もこいち「結婚は人生の墓場もきゅ」
もこじ「だとすれば墓場への直送チケットってところもきゅ?」
956: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:28:49.95 ID:hAlqkLKF0
258
--西の王国国境--
参謀長「……そういうのはちょっと」
丁寧に返す参謀長。
潜入長「!? な、なんでですか!?」
参謀長「いやなんでっていうか……いきなりそんな……」
潜入長「私がアラサーだからですか!? アラサーの熟れた肉体はお嫌いですか!? それとも私の外見では貴方の趣味に合いませんか!?」
参謀長「いやそういうんじゃなくて……」
もこいち「にやにや」
もこじ「脂汗かいてるもきゅ」
突撃長「……今夜は祭ですじゃな!!」
--西の王国国境--
参謀長「……そういうのはちょっと」
丁寧に返す参謀長。
潜入長「!? な、なんでですか!?」
参謀長「いやなんでっていうか……いきなりそんな……」
潜入長「私がアラサーだからですか!? アラサーの熟れた肉体はお嫌いですか!? それとも私の外見では貴方の趣味に合いませんか!?」
参謀長「いやそういうんじゃなくて……」
もこいち「にやにや」
もこじ「脂汗かいてるもきゅ」
突撃長「……今夜は祭ですじゃな!!」
957: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:29:26.46 ID:hAlqkLKF0
ずり
たんぽぽ星人「おいお前ら俺を忘れてるんじゃねぇぞ」
戦場で片足をうしなったたんぽぽ星人が、ずるずると参謀長達を追っていた。
259
--ジャングル--
姫「お帰りー!! みんなー!!」
参謀長「……」
潜入長「……」
突撃長「……」
我が家に到着したみんなだったが、小さな家の中には、
調 師「おかえりなさいませ」
猫耳メイドと、
賭博師「おう、姫ちゃん様から聞いてるよぉ。疲れてるだろ? 今鯖缶あけるから」
うさんくさそうなおっさんと、
きゃっきゃっきゃっ
後ろではしゃぐ子供達と、
?「いやはやにぎやかでよいですなー」
カエルヘッドと、
??、???、????「「「ロボチガウロボチガウロボチガウ」」」
充電中の機械人形が三体いた。
たんぽぽ星人「おいお前ら俺を忘れてるんじゃねぇぞ」
戦場で片足をうしなったたんぽぽ星人が、ずるずると参謀長達を追っていた。
259
--ジャングル--
姫「お帰りー!! みんなー!!」
参謀長「……」
潜入長「……」
突撃長「……」
我が家に到着したみんなだったが、小さな家の中には、
調 師「おかえりなさいませ」
猫耳メイドと、
賭博師「おう、姫ちゃん様から聞いてるよぉ。疲れてるだろ? 今鯖缶あけるから」
うさんくさそうなおっさんと、
きゃっきゃっきゃっ
後ろではしゃぐ子供達と、
?「いやはやにぎやかでよいですなー」
カエルヘッドと、
??、???、????「「「ロボチガウロボチガウロボチガウ」」」
充電中の機械人形が三体いた。
958: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/26(日) 21:30:12.22 ID:hAlqkLKF0
260
--ジャングル--
ぎゅうぎゅう
姫「おおー!! じゃあ西の王国と同盟組めたんだねっ!? しかも来年にはうちも国として認められるんだねっ!?」
おおはしゃぎの姫。
参謀長「いやそれよりも姫……なんですかこいつらは」
潜入長(私が潜入してる間に随分と家臣が増えましたね……)
突撃長「これは一体どういうことなのですじゃ姫様」
姫「えっと、ジャングルに落ちてたから拾ったのっ!」
参謀長、潜入長、突撃長「「「犬かっ!!」」」
賭博長「ツインテ様を唯一至上の神とするなら、姫ちゃん様は唯一絶対の王だ。この恩は必ず返すぜぇ。な、研究員?」
?改め研究員「もちろんですよー。生まれて初めて人の温かさを感じた気持ちですー。私は一生姫ちゃん様についていきますよー」
??改めウーノ、???改めドゥーエ、????改めトーレ「「「ロボチガウロボチガウロボチガウ」」」
参謀長(研究員……うわーあいつかー)
--ジャングル--
ぎゅうぎゅう
姫「おおー!! じゃあ西の王国と同盟組めたんだねっ!? しかも来年にはうちも国として認められるんだねっ!?」
おおはしゃぎの姫。
参謀長「いやそれよりも姫……なんですかこいつらは」
潜入長(私が潜入してる間に随分と家臣が増えましたね……)
突撃長「これは一体どういうことなのですじゃ姫様」
姫「えっと、ジャングルに落ちてたから拾ったのっ!」
参謀長、潜入長、突撃長「「「犬かっ!!」」」
賭博長「ツインテ様を唯一至上の神とするなら、姫ちゃん様は唯一絶対の王だ。この恩は必ず返すぜぇ。な、研究員?」
?改め研究員「もちろんですよー。生まれて初めて人の温かさを感じた気持ちですー。私は一生姫ちゃん様についていきますよー」
??改めウーノ、???改めドゥーエ、????改めトーレ「「「ロボチガウロボチガウロボチガウ」」」
参謀長(研究員……うわーあいつかー)
966: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:47:50.42 ID:UcJpdFwT0
261
--ジャングル--
そして一年後。
参謀長「準備はよろしいですか姫」
姫「うんっ! 大丈夫だよっ!! ばっちしっ!! えへへ、どう? 姫ちゃん可愛い?」
姫はふりふりのドレスを着てふわりと回った。
参謀長「あー可愛い可愛い」
参謀長「たたねぇよ」
調 師「姫ちゃん様、こちらの準備は整いました」
バジリスク「ぎゃおー」
たしったしっ
調 師がバジリスクの手綱を引いてやってくる。
--ジャングル--
そして一年後。
参謀長「準備はよろしいですか姫」
姫「うんっ! 大丈夫だよっ!! ばっちしっ!! えへへ、どう? 姫ちゃん可愛い?」
姫はふりふりのドレスを着てふわりと回った。
参謀長「あー可愛い可愛い」
参謀長「たたねぇよ」
調 師「姫ちゃん様、こちらの準備は整いました」
バジリスク「ぎゃおー」
たしったしっ
調 師がバジリスクの手綱を引いてやってくる。
967: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:48:26.46 ID:UcJpdFwT0
262
--ジャングル--
姫「よしっ!! じゃあ行ってくるね!!」
潜入長「行ってらっしゃいませ姫様、参謀長さん」
突撃長「お気をつけてですじゃ姫様。参謀長殿の言うことをしっかり聞くんですじゃぞ?」
たんぽぽ星人「へまぁすんじゃねぇぞ」
族長「いい報告を待ってるぞ! 王! サンボウ!」
G「カサカサ」
--ジャングル--
姫「よしっ!! じゃあ行ってくるね!!」
潜入長「行ってらっしゃいませ姫様、参謀長さん」
突撃長「お気をつけてですじゃ姫様。参謀長殿の言うことをしっかり聞くんですじゃぞ?」
たんぽぽ星人「へまぁすんじゃねぇぞ」
族長「いい報告を待ってるぞ! 王! サンボウ!」
G「カサカサ」
968: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:49:21.53 ID:UcJpdFwT0
263
--ジャングル--
賭博師「東の王はきっとかたぶつだが、まぁ、姫ちゃん様ならなんとかなるだろ。調 師も道中気を抜くなよ」
調 師「わかっています我が主」
子供達「「「ひめちゃんがんばれぇーーー!!」」」
姫「おー! がんばってくるぞー!!」
研究員「私が手を加えたそのドレスはー緊急時には防護服にもなりますからねー」
ウーノ「私達が途中まで送っていかなくて本当に大丈夫なんでしょうかですわ」
ドゥーエ「撃ち落とされたりしたら危ないよー?」
トーレ「うん、心配だよね」
--ジャングル--
賭博師「東の王はきっとかたぶつだが、まぁ、姫ちゃん様ならなんとかなるだろ。調 師も道中気を抜くなよ」
調 師「わかっています我が主」
子供達「「「ひめちゃんがんばれぇーーー!!」」」
姫「おー! がんばってくるぞー!!」
研究員「私が手を加えたそのドレスはー緊急時には防護服にもなりますからねー」
ウーノ「私達が途中まで送っていかなくて本当に大丈夫なんでしょうかですわ」
ドゥーエ「撃ち落とされたりしたら危ないよー?」
トーレ「うん、心配だよね」
969: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:50:40.38 ID:UcJpdFwT0
264
--ジャングル--
参謀長「調 師がいるから大丈夫だろう。それにそんなに戦力を持っていったら、相手側に身構えられてしまうからな」
姫「だってさっ!! じゃあ行ってくるから留守番よろしくねっ!! しゅっぱーつしんこーー!!」
調 師「かしこまりました。バジリスクっ!」
バジリスク「えっ!? 姫ちゃんまたノー ッ!?」
どごっ!!
調 師に殴られるバジリスク。
ばさっばさっ
参謀長(……ちょっと不安)
--ジャングル--
参謀長「調 師がいるから大丈夫だろう。それにそんなに戦力を持っていったら、相手側に身構えられてしまうからな」
姫「だってさっ!! じゃあ行ってくるから留守番よろしくねっ!! しゅっぱーつしんこーー!!」
調 師「かしこまりました。バジリスクっ!」
バジリスク「えっ!? 姫ちゃんまたノー ッ!?」
どごっ!!
調 師に殴られるバジリスク。
ばさっばさっ
参謀長(……ちょっと不安)
970: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:51:17.48 ID:UcJpdFwT0
265
--西の王国--
西の王「今日は各国の三強の情報更新日だが、恐らく勘のいい国は気付いているのだろうなぁ」
秘書「えぇ。この短期間で急成長しすぎですからね」
西の王「しかし研究員め、裏切って新しくできた国に移るとは」
秘書「中々侮れない国になってきましたことですし、ここで恩を売っておくのは得策かと」
西の王「あぁわかってる。これからの世界、もっと強くならねばいけないだろうしな」
秘書「……」
西の王「行くぞ秘書。我々同様、東の王国が手を組んだと言われるもう一つの新国家が気になる」
秘書「はっ」
--西の王国--
西の王「今日は各国の三強の情報更新日だが、恐らく勘のいい国は気付いているのだろうなぁ」
秘書「えぇ。この短期間で急成長しすぎですからね」
西の王「しかし研究員め、裏切って新しくできた国に移るとは」
秘書「中々侮れない国になってきましたことですし、ここで恩を売っておくのは得策かと」
西の王「あぁわかってる。これからの世界、もっと強くならねばいけないだろうしな」
秘書「……」
西の王「行くぞ秘書。我々同様、東の王国が手を組んだと言われるもう一つの新国家が気になる」
秘書「はっ」
971: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:53:32.16 ID:UcJpdFwT0
266
--空--
ばさっばさっ
姫「ねーねーさんぼうちょー!」
参謀長「なんですか姫ー。酸素薄いんであんま話しかけないでくださいー」
姫「えっとねー。色々とありがとーねー!」
参謀長「はい? なんですってー?」
姫「いろいろやってくれてありがとーねー!! ちょっと好ましくない作戦とか、裏で色々あったっぽいけれど、それもこれも私を思ってやってくれたんだよねーーー。そのおかげで領土があんなに増えたー!!」
参謀長「はー? 寮母ー??」
姫「りょーどーーー。それと、いっぱい家族が増えた……」
参謀長「あいー?? 聞こえないんで後でお願いしますーー」
調 師(……耳がいいから全部聞こえてしまいました)
--空--
ばさっばさっ
姫「ねーねーさんぼうちょー!」
参謀長「なんですか姫ー。酸素薄いんであんま話しかけないでくださいー」
姫「えっとねー。色々とありがとーねー!」
参謀長「はい? なんですってー?」
姫「いろいろやってくれてありがとーねー!! ちょっと好ましくない作戦とか、裏で色々あったっぽいけれど、それもこれも私を思ってやってくれたんだよねーーー。そのおかげで領土があんなに増えたー!!」
参謀長「はー? 寮母ー??」
姫「りょーどーーー。それと、いっぱい家族が増えた……」
参謀長「あいー?? 聞こえないんで後でお願いしますーー」
調 師(……耳がいいから全部聞こえてしまいました)
972: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:54:12.23 ID:UcJpdFwT0
267
--北の王国--
北の王「やぁやぁ皆さん一年ぶりですなぁ。お元気してはりましたかー? 今日は遠い所をわざわざありがとうですー」
東の王「……」
北の王「いやー、今回は我が王国から勇者が出てしまったせいで、皆さんをこの国に呼び出さなくてはならんくて、心苦しい限りですわぁ」
東の王「ッ」
見るからにいらいらしている東の王。
西の王「お久しぶりですお二方」
東の王「西の……か。あぁ」
北の王「おぉ! お久しぶりでんがな~!! 最近景気はどうでっか~?」
西の王「まぁまぁですね。後の二人はまだ来ておられないのですか?」
--北の王国--
北の王「やぁやぁ皆さん一年ぶりですなぁ。お元気してはりましたかー? 今日は遠い所をわざわざありがとうですー」
東の王「……」
北の王「いやー、今回は我が王国から勇者が出てしまったせいで、皆さんをこの国に呼び出さなくてはならんくて、心苦しい限りですわぁ」
東の王「ッ」
見るからにいらいらしている東の王。
西の王「お久しぶりですお二方」
東の王「西の……か。あぁ」
北の王「おぉ! お久しぶりでんがな~!! 最近景気はどうでっか~?」
西の王「まぁまぁですね。後の二人はまだ来ておられないのですか?」
973: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:55:00.80 ID:UcJpdFwT0
268
--北の王国--
ザっ
?「遅れて申し訳ない」
東の王「!」
北の王「お~! これはこれは、南の王様! お待ちしてましたで~。と言っても約束の時間までまだありますさかい、ちっとも遅くなんてないでっせ!」
?改め南の王「そうですか、それはよかった」
東の王(あいつは確か……行方不明になっていた南の三獣、鷲男。亜人王が死んでその代わりを引き継いだのか)
北の王「これであと一人、王国の王様の到着を待つだけでんな~」
南の王「王国の王は私とほぼ同じくして到着していましたよ。もうすぐ来るのではないですか?」
北の王「ありゃ、一緒に来られたんでっか? ならもう少し待ちまひょ」
かつんかつん
??「おや、もしや私が最後でしたかな? これは申し訳ない」
--北の王国--
ザっ
?「遅れて申し訳ない」
東の王「!」
北の王「お~! これはこれは、南の王様! お待ちしてましたで~。と言っても約束の時間までまだありますさかい、ちっとも遅くなんてないでっせ!」
?改め南の王「そうですか、それはよかった」
東の王(あいつは確か……行方不明になっていた南の三獣、鷲男。亜人王が死んでその代わりを引き継いだのか)
北の王「これであと一人、王国の王様の到着を待つだけでんな~」
南の王「王国の王は私とほぼ同じくして到着していましたよ。もうすぐ来るのではないですか?」
北の王「ありゃ、一緒に来られたんでっか? ならもう少し待ちまひょ」
かつんかつん
??「おや、もしや私が最後でしたかな? これは申し訳ない」
974: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:55:55.42 ID:UcJpdFwT0
269
--北の王国--
北の王「王国の王さん!! よくぞいらっしゃいました~!!」
??改め中央の王「いやぁ、私初めて北の国に来ましたが、すばらしい景色ですな。一目で気にいりましたよ。はっはっはっ」
東の王(たかだか大臣風情がいまや一国の王か)
南の王「全員そろったようですね」
西の王「えぇ」
北の王「それでは会議所にご案内いたします~」
ざっざっ
五人の王は城の中へと入っていく。
--北の王国--
北の王「王国の王さん!! よくぞいらっしゃいました~!!」
??改め中央の王「いやぁ、私初めて北の国に来ましたが、すばらしい景色ですな。一目で気にいりましたよ。はっはっはっ」
東の王(たかだか大臣風情がいまや一国の王か)
南の王「全員そろったようですね」
西の王「えぇ」
北の王「それでは会議所にご案内いたします~」
ざっざっ
五人の王は城の中へと入っていく。
975: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:56:23.22 ID:UcJpdFwT0
270
--北の王国、待合室--
姫「うえー……無事着いたはいいけど寒いよこの国ー……」
姫はがくがくと震えている。
参謀長「そりゃそれだけ露出の高い服着てれば……」
姫「だって我が王国の民族的伝統的衣装だって突撃長がいっいっぶええっくし!!」
びしゃばちゃ!!
調 師「ふえぇ……」
姫「うぅ……お腹も冷えてきたぁ……」
参謀長「……王が列挙してる席で下痢を漏らしたりしないでくださいね……?」
姫「うぅ……」
--北の王国、待合室--
姫「うえー……無事着いたはいいけど寒いよこの国ー……」
姫はがくがくと震えている。
参謀長「そりゃそれだけ露出の高い服着てれば……」
姫「だって我が王国の民族的伝統的衣装だって突撃長がいっいっぶええっくし!!」
びしゃばちゃ!!
調 師「ふえぇ……」
姫「うぅ……お腹も冷えてきたぁ……」
参謀長「……王が列挙してる席で下痢を漏らしたりしないでくださいね……?」
姫「うぅ……」
976: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:56:50.93 ID:UcJpdFwT0
271
--北の王国、待合室--
???「やれやれ落ち着きが無い娘なのー」
女性はそう言うと魔力を掌に集めた。
参謀長「……ん?」
???「無属性防御魔法、魔力衣」
ほややん
姫「お!! なんか寒くなくなった!?」
???「魔力のベールで外気との壁を作ったなの! これで寒さとは無縁でいられるなの」
姫「ありがとうお姉ちゃんっ!!」
参謀長(あれ? こいつもしかして)
???「どういたしましてなのっ!!」
--北の王国、待合室--
???「やれやれ落ち着きが無い娘なのー」
女性はそう言うと魔力を掌に集めた。
参謀長「……ん?」
???「無属性防御魔法、魔力衣」
ほややん
姫「お!! なんか寒くなくなった!?」
???「魔力のベールで外気との壁を作ったなの! これで寒さとは無縁でいられるなの」
姫「ありがとうお姉ちゃんっ!!」
参謀長(あれ? こいつもしかして)
???「どういたしましてなのっ!!」
977: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:57:16.50 ID:UcJpdFwT0
272
--北の王国、待合室--
姫「ところでお姉ちゃん誰っ!?」
???「私のこと知らないなの? 私結構有名なのに……頭ひやそうか?」
調 師「!! まさか五柱の魔導長様!?」
???改め魔導長「ぴんぽんぴんぽん大正解なの~」
参謀長(うわぁやっぱか……)
調 師「魔導長様がなぜこんなところに……」
魔導長「それはねぇ、きっと君達と同じなんじゃないかな~って思うなの!」
姫「えっ!?」
ガチャ
秘書「姫様、どうぞこちらに。皆様の前にお越しください」
姫「あ、来た」
--北の王国、待合室--
姫「ところでお姉ちゃん誰っ!?」
???「私のこと知らないなの? 私結構有名なのに……頭ひやそうか?」
調 師「!! まさか五柱の魔導長様!?」
???改め魔導長「ぴんぽんぴんぽん大正解なの~」
参謀長(うわぁやっぱか……)
調 師「魔導長様がなぜこんなところに……」
魔導長「それはねぇ、きっと君達と同じなんじゃないかな~って思うなの!」
姫「えっ!?」
ガチャ
秘書「姫様、どうぞこちらに。皆様の前にお越しください」
姫「あ、来た」
978: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:57:51.16 ID:UcJpdFwT0
273
--北の王国、待合室--
姫「じゃあ行ってくるね参謀長!!」
手をぶんぶん振るう姫。
参謀長「お、おう、頑張ってください」
魔導長「あれ?」
魔導長は参謀長を凝視している。
魔導長「……どこかで私、あなたとあったことある? なの」
参謀長「いっ、いやいやそんなことないです私とあなた初めて会ったですなう」
調 師(あからさまに動揺しているっ!?)
魔導長「ふ~ん?」
いぶかしげな表情な魔導長。
--北の王国、待合室--
姫「じゃあ行ってくるね参謀長!!」
手をぶんぶん振るう姫。
参謀長「お、おう、頑張ってください」
魔導長「あれ?」
魔導長は参謀長を凝視している。
魔導長「……どこかで私、あなたとあったことある? なの」
参謀長「いっ、いやいやそんなことないです私とあなた初めて会ったですなう」
調 師(あからさまに動揺しているっ!?)
魔導長「ふ~ん?」
いぶかしげな表情な魔導長。
979: Qw0 ◆7b3JfpIY/2 2012/08/31(金) 23:58:50.46 ID:UcJpdFwT0
274
--北の王国--
ドアの前で立ち止まる姫。
姫「……」
秘書「どうしました?」
姫「いや、ちょっと、さすがに緊張しちゃってるっていうか、感慨深いっていうかっ!」
秘書「そうですか」
姫「……うん!」
姫は顔をあげる。
姫(やるよみんな! 私の、私達の一世一代の大勝負の始まりだっ!!)
ぎぃ
この日、中央、東、西、南、北の王国連合に、二つの王国が加わった。
ざっ
その一つである黄金王国の王、姫は、
ざっ
姫(よしっ!!)
ブリブリブリブリブリブリブリッ!!!!
王達の目の前で盛大に下痢をぶちまけた。
黄金王国戦略侵略記
完
--北の王国--
ドアの前で立ち止まる姫。
姫「……」
秘書「どうしました?」
姫「いや、ちょっと、さすがに緊張しちゃってるっていうか、感慨深いっていうかっ!」
秘書「そうですか」
姫「……うん!」
姫は顔をあげる。
姫(やるよみんな! 私の、私達の一世一代の大勝負の始まりだっ!!)
ぎぃ
この日、中央、東、西、南、北の王国連合に、二つの王国が加わった。
ざっ
その一つである黄金王国の王、姫は、
ざっ
姫(よしっ!!)
ブリブリブリブリブリブリブリッ!!!!
王達の目の前で盛大に下痢をぶちまけた。
黄金王国戦略侵略記
完
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