エレン「何を言ってるんだアルミン?」

ミカサ「アルミン? 調子が悪いなら休んだ方がいい」

アルミン「いや、僕は大丈夫……っ! 頭が痛い……」

エレン「結構な勢いでぶつかってたからな。無理せず医務室へ行こうぜ」

ミカサ「私達も付きそう」

アルミン「医務室? 医務室って何処の?」

エレン「何言ってんだよ、訓練兵団のに決まってるだろ?」

アルミン「訓練、へいだん?」

ミカサ「これは、まさか……!」




2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:32:15.80 ID:w2gFdXu30
アルミン「待ってよ、意味がわからない。なんで僕たちが訓練兵団にいるの?」

ミカサ「エレン、もしかしてアルミンは……」

エレン「ああ、流石に俺でもわかったぜ。なんてこった、今度はアルミンかよ……」

アルミン「?」

ミカサ「アルミン、驚かないで聞いて欲しい。私達は訓練兵団に属している。貴方も含めて」

アルミン「ええっ?」

エレン「お前の身体をよく見てみろ」

アルミン「身体……え? 僕も成長している、のか?」

エレン「違う、多分今お前は頭を強く打って記憶が退行してるんだ」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:34:52.66 ID:w2gFdXu30
アルミン「退行? つまり本当は僕もこの身体に見合った年齢なの?」

エレン「ああ」

アルミン「い、今は何年なの!?」

ミカサ「850年」

アルミン「五年も経ってるの!? じゃあ僕は今十五歳……はは、なんだよそれ」

エレン「今は混乱してると思うけど、ついてきてくれアルミン。教官に説明しなきゃマズイし、一応怪我も医務室で見て貰おう」

ミカサ「その方がいい」

アルミン「……うん、わかったよ」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:38:44.78 ID:w2gFdXu30
キース「アルレルト訓練生が退行……?」ギロ

アルミン「ひっ?」

エレン「ハッ! その通りです!」

キース「お前達……一体何をどうやればそんな……イヤ、今はそんなことを話していても仕方がない」

キース「三日だ」

エレン「えっ?」

キース「アルレルト訓練生には三日の猶予を与える。それまでに思い出せなければ残念だが訓練兵としてここにはおけない」

ミカサ「お言葉ですが、前例よりも期間が少ないように見受けられます」

キース「お前の知る前例は上位十名候補からのものだ。あれはかなりの特別措置と言える」

アルミン「……」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:41:53.85 ID:w2gFdXu30
エレン「教官! しかしそれでは差別に当たると具申致します!」

キース「訓練生の育成は慈善事業ではない。可能な限り優秀な兵士を速く確実に作る必要がある。本来ならば即刻開拓地送りになるものもいるのだ」

エレン「しかし!」

アルミン「い、いいよエレン。今の僕のおかれている状況が良くわかったから」

エレン「でも……!」

アルミン「……そうやってゴネて期間を延ばして、僕が元に戻らなかったらどうするの?」

エレン「それは……けど!」

アルミン「もし記憶が戻らなかったら僕は僕で、何とかする。そうするしかないんだ」

エレン「アルミン……」

アルミン「行こう」

 

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:44:41.43 ID:w2gFdXu30
ミカサ「アルミン、荷物を持とう」

アルミン「へ、平気だよ、一人で持てる」

エレン「あ、いつも持ち歩いてる鞄か。俺が持ってやろうか?」

アルミン「大丈夫だってば。これくらい自分でちゃんと……わぁっ!?」バサササ

アルミン「……くっ」

エレン「いわんこっちゃない、無理するなよ。普段から重そうだな、とは思ってたんだ」

アルミン「大丈夫だって。いつも持ってたんなら、自分で出来る!」サッサッ

エレン「そ、そうか? ん? アルミン、こっちにも何か落ちてるぞ?」

アルミン「え? あ、うん……なんだろうこれ? 素早く髪を伸ばす方法? なんで僕こんなの調べたんだろう?」

キース「!?」ガタッ

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:48:01.76 ID:w2gFdXu30
キース「」ゴホン

エレン「」ギクッ

ミカサ「」ギクッ

アルミン「」ギクッ

エレン「失礼しました! 直ちに退室します!」

キース「待て」

エレン「ハッ!……え?」

キース「アルレルト訓練生の期間を、やはり一週間とする」

エレン「えっ?」

キース「必ず期間内に戻せ……必ずだ」

エレン「ハッ!」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:52:58.03 ID:w2gFdXu30
エレン「やったなアルミン!」

アルミン「う、うん……でもなんでだろう」

エレン「理由はどうだっていい。一週間あればどうにかなるさ」

ミカサ「そう、私達も全力でサポートする」

アルミン「……二人とも忙しいだろ? そこまでしてくれなくてもいいよ」

エレン「何言ってるんだよ、親友だろ?」

ミカサ「そう、困ってるアルミンを放っておけない」

アルミン「……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:53:29.65 ID:w2gFdXu30
クリスタ「あ、アルミン、エレン、ミカサ!」

エレン「クリスタか、どうした?」

クリスタ「アルミンが訓練中に倒れたって聞いてお見舞いに……」

アルミン「えっと、知り合い?」

エレン「ああ、同期のクリスタだよ」

アルミン「クリスタ、さん……」

クリスタ「ええっ? どうしちゃったのアルミン? いつものクリスタでいいよ!」

ミカサ「実は……」

~~説明ちう~~

クリスタ「今度はアルミンが……?」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:54:01.32 ID:w2gFdXu30
クリスタ「そっか、大変だねアルミン、困ったことがあったら言ってね?」

アルミン「う、うん……ありがとう、ございます。クリスタ、さん」

クリスタ「なんか、さん付けで呼ばれると少しむず痒いかな」

アルミン「……」

エレン「今日はもう訓練も終わりだし、とりあえず食堂に行こうぜ。そこでみんなにも協力を扇ごう」

ミカサ「うん」

アルミン「え? あ、いやみんなって……?」

エレン「ああ、同期だよ、みんな良い奴等だぜ?」

アルミン「でも、僕なんかのことでそんなに人を巻き込むのは……」

エレン「大丈夫、気にするなって!」

ミカサ「アルミンは何も気にしなくていい」

アルミン「……」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:54:43.78 ID:w2gFdXu30
ライナー「よぅ、随分と遅かったな。アルミンは大丈夫か?」

ベルトルト「訓練中に倒れたって聞いたけど」

アルミン「え、えっと」

エレン「実はさ」

~~説明ちう~~

ライナー「マジか」

ベルトルト「それは大変だね」

ミカサ「……」

ライナー「どうしたミカサ?」

ミカサ「ライナーは、怪我をしていたと聞いた気がするけど……」

ライナー「あんなもんすぐ治るさ」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 21:55:22.14 ID:w2gFdXu30
ジャン「んだよ、騒がしいな。まーたお前か死にたがり」

エレン「ああ? 誰が死にたがりだこの敗北主義者!」

アルミン「ちょ、え、エレンやめなよ……」

ライナー「あの二人はいつものことだよ」

ベルトルト「そうだね」

アルミン「そうなんですか? ライ、ナーさん、ベルトルトさん」

ベルトルト「!?」

アルミン「え、僕なにか間違いました?」

ベルトルト「間違ってない……間違ってないよ!」ガシッ

アルミン「ふぇ?」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:01:16.34 ID:w2gFdXu30
アルミン「あ、あの……え? ベルトルトさん?」

ベルトルト「アルミン!君は最高だ! 困った事があったら力になるよ!」

ライナー「おいおいベルトルト、急にどうしたんだ? お前らしくもない」

アルミン「あ、あの、それじゃ、エレンを止めてもらえますか、ベルトルトさん」

ベルトルト「おい二人とも! 喧嘩はやめるんだ!」

ジャン「お、おお……ベル……うんたらに怒られるなんて……」

エレン「悪かったよベルトルト」

ベルトルト「今日の僕はいつもと違う、違うぞ!」

ジャン「おいライナー、ベルト……の奴どうしたんだ?」

ライナー「さあ?」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:02:27.05 ID:w2gFdXu30
アルミン「あの」

ジャン「あ?」

アルミン「」ビクッ

ジャン「なんだよ?」

アルミン「ベルト、じゃなくてベルトルト、だと思います」

ジャン「ああ、まあそうだっけか」

アルミン「はい」

ベルトルト「……僕はここにいてもいいんだ」

ライナー「そりゃいいだろ……今はな」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:07:45.86 ID:w2gFdXu30
アルミン「そ、それであの」

ベルトルト「うん、なんだい?」

アルミン「速く食事を摂らないといけないんじゃ……」

ベルトルト「そうだね、みんな速く食べよう」

エレン「そうだな」

ミカサ「流石アルミン。記憶が無くても正解を導ける力がある」

アルミン「……」

クリスタ「……」ジィ

ユミル「おーいクリスタぁ、はやく一緒に座ろうぜー」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:08:38.25 ID:w2gFdXu30
クリスタ「う、うん」

ユミル「んだよ、どうしたあ?」

クリスタ「ううん、なんでもないの。いこう」

エレン「さ、食おうぜ!」

アルミン「うん」

ミカサ「ジャンも医務室だったような……」

ジャン「よ、呼んだかミカサ?」

ミカサ「呼んでいない」

ミカサ「ので」

ミカサ「あっちへいってほしい。すぐに」

ジャン「」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:12:47.53 ID:w2gFdXu30
アルミン「ねえエレン」

エレン「なんだ?」

アルミン「僕らは巨人に侵攻されて、撤退し、訓練兵団に志願した、で良いんだよね?」

エレン「ああ」

アルミン「その巨人はその後どうなったの?」

エレン「えっ?」

アルミン「エレンの話によると壁を越えるほどの超大型巨人が現れて壁を壊し、鎧の巨人が扉を壊した」

アルミン「その二体は討伐されたの?」

エレン「いや、急にいなくなったらしい」

アルミン「いなくなった?」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:13:35.73 ID:w2gFdXu30
エレン「ああ、不思議なことに扉を壊した後は姿を見てないんだ」

アルミン「……おかしいよね」

エレン「ああ、確かに。何処にいったんだろうな」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

アルミン「うん、そこもそうだけど……超大型巨人や鎧の巨人は壁を壊せる技術があるんだ。なのにエレンの話を聞く限りでは五年間それがない」

エレン「奴等には高度な知性が無いんだろ、確か座学の講義でもそんなことを……」

アルミン「それだけを鵜呑みにするのは早計だよ、だって現に超大型巨人や鎧の巨人は壊している実績があるんだ」

ライナー「……」

ベルトルト「……」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:16:24.70 ID:w2gFdXu30
アルミン「巨人は人間を食べるし、人間のいる方に向かう習性があるんだから……一度やって人間の領域に踏み込めたなら何度も同じようなことをしようとしてもおかしくない」

アルミン「なのに五年間はそれが一度もない」

アルミン「それどころか討伐したわけでも無いのに姿さえ確認出来ない」

アルミン「これは相当妙だよ」

エレン「言われてみてば……考えたこと無かったな」

ライナー「な、なあ」

エレン「どうした?」

ライナー「アルミンって本当に記憶が無いのか?」

エレン「ああ」

ライナー「……末恐ろしいな」

ベルトルト「……」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:20:58.92 ID:w2gFdXu30
アルミン「ねえエレン」

エレン「なんだ?」

アルミン「消灯時間まではまだ時間があるって言ってたよね?」

エレン「ああ」

アルミン「それなら本が読めるところはないかな」

エレン「あるぞ、書庫が。お前は結構通ってるみたいだったな」

アルミン「書庫か、良かったら連れていってよ」

エレン「わかった。メシも食い終わったし行こうぜ」

ミカサ「エレンとアルミンが行くなら私もいこう」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:23:59.60 ID:w2gFdXu30
エレン「ここだよ」

アルミン「わあ……!」キラキラ

ミカサ「アルミンの目が変わった」

エレン「昔から本好きだしな。よく一度読んだ本の内容を忘れて読み直したいなんて言ってたっけ」

アルミン「これ全部読んでいいんだよね?」

エレン「ああ、ただし消灯時間までには戻るぞ」

アルミン「わかってる! わぁ! あっちから読んでみよう!」スタタ

ミカサ「なんだか、本当にアルミンらしい」

エレン「そうだな」

アルミン「エレン! 見てよこれ! 調査兵団の記録だ!」

エレン「なに!? 俺も見る!」

ミカサ「……二人とも、本当に子供の時みたい」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:30:08.05 ID:w2gFdXu30
アルミン「壁外調査記録シガンシナ区から東へ十五㎞ほどの地点、壁内ではそうそうない高さの木々が生い茂る樹林に遭遇」

エレン「樹林? 高さはどれくらいなんだろーな!」

アルミン「待って……えっと、巨人に遭遇するも、高さを生かした立体機動の戦闘により、勝利。被害は二人」

エレン「殺したんだな! 流石調査兵団だぜ!」

アルミン「今後、こういった場所の方が立体機動を生かせる為、おびき寄せて戦闘するための逃げ場所と検討したい」

エレン「人類もまだ負けちゃいねーぜ!」

アルミン「うーん、もう少し外の世界のこと載ってないのかな、戦績ばっかりだよこの本」

エレン「ええーいいだろう別に、これはこれで面白いし」

ミカサ「これじゃどっちが子供かわからない」フフ

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:30:59.34 ID:w2gFdXu30
アルミン「うーん、やっぱり訓練兵団ってだけあって戦術書や参考書、武器に関する本やこれまでの歴史、戦績なんかが多いなあ」

ミカサ「アルミン、貸し出しカードを調べてみたらどうだろう」

アルミン「貸し出しカード?」

ミカサ「アルミンはよく本を借りて読んでいた。貸し出しカードにアルミンの名前がある本を読めば、何か思い出すかも知れない」

エレン「なるほどな、それに今まで読んだことあるってことはアルミンが楽しめる本ってことだろうし」

ミカサ「そういうこと」

エレン「ミカサ、考えたな!」

ミカサ「それほどでもない///」

アルミン「なんかエレン少し変わった?」

エレン「え?」

アルミン「なんだろう、大人になったって言うか素直になったっていうか」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:35:30.27 ID:w2gFdXu30
エレン「そうか?」

アルミン「うん、僕の知るエレンならもう少しミカサ相手に尖っていたと思うよ」

ミカサ「アルミンの言うことは間違っていない。言うなれば反抗期をようやくエレンは過ぎたということ」

エレン「俺はお前の子供かよ!」

アルミン「そうそう、そんな感じ。なんだ、やっぱり変わってないや」

ミカサ「反抗期はまだ終わってなかった……」

エレン「だから子供扱いすんなっての!」

エレン「だいたいこの前まではお前の方が子供でだな」

ミカサ「それは聞き捨てならない」

アルミン「ちょっと静かにしてよ! 本が読めない!」

エレン「お、おう」

ミカサ「ごめんなさい」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:40:32.63 ID:w2gFdXu30
エレン「そろそろ戻るぞアルミン」

アルミン「んー」

ミカサ「消灯時間が近い。もう戻らないといけない」

アルミン「あとちょっとー」

エレン「ちょっとってどれくらいだよ?」

アルミン「これ読んだらー」

ミカサ「いくらアルミンでもその厚さの本はすぐに読み切れない。今日は戻るべき」

アルミン「んー」

エレン「だああああああ!」バッ

アルミン「あ、ちょっと!? 何するのエレン!?」

エレン「消灯時間! 戻らないと罰則があるんだよ!」

アルミン「あ、ごめん、もうそんな時間なんだ……」

ミカサ「借りる手続きをしておいてあげるから戻ろう」

アルミン「うん」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:43:46.07 ID:w2gFdXu30
クリスタ「あ、アルミン、エレン、ミカサ」

エレン「よう」

ミカサ「お疲れ様」

アルミン「……」ペコリ

クリスタ「アルミンは相変わらずかあ……少しさびしいな」

アルミン「ごめんなさい、クリスタ、さん」

クリスタ「クリスタでいいって。なんか逆に違和感感じちゃう」

クリスタ「でもアルミンって小さいい時から礼儀正しいんだね」

クリスタ「何かあったら言ってね? 手伝えることなら手伝うから」

エレン「サンキュな」

アルミン「……」

ミカサ「アルミン?」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:48:56.33 ID:w2gFdXu30
アルミン「え、なに? ミカサ」

ミカサ「……なんでもない。でも、考え過ぎはよくない」

アルミン「! うん……」

エレン「さ、行こうぜアルミン」

アルミン「あ、うん」

ミカサ「おやすみなさい」

エレン「おやすみー」

アルミン「おやすみミカサ、クリスタ……さん」

クリスタ「……」

ミカサ「アルミンに悪気はない、許してあげて」

クリスタ「うん……」

クリスタ「……」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:49:35.41 ID:w2gFdXu30
アルミン「」ペラッ

エレン「いい加減消すぞアルミン」

アルミン「あ、うん……ってちょっと待って」

エレン「んだよ?」

アルミン「これなんて読むの?」

エレン「ああ、これはな」

アルミン「へえ……でも僕がエレンに教わる日がくるなんてね」

エレン「しょうがないだろ、今のお前じゃ。それに普段からアルミンには勉強教えてもらってるからな」

アルミン「そっか」

エレン「ああ、消すぞ」

アルミン「うん」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:55:08.86 ID:w2gFdXu30
アルミン「……」

アルミン「……」

アルミン「はぁ、眠れない」

アルミン「散歩でもしてこよう」

アルミン「……」スクッ

ギィィ

バタン

アルミン「……」

アルミン「……月が綺麗だな……」

アルミン「この明るさなら本が読めるかも」

アルミン「……」スッ

アルミン「」ペラッ

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:55:41.01 ID:w2gFdXu30
コケコッコー

クリスタ「ふわぁぁ……顔洗わなきゃ……ん?」

アルミン「」ペラッ

クリスタ「アルミン? こんなに朝早くから外で本を読んでるなんて」

アルミン「」ペラッ

クリスタ「おはようアルミン」

アルミン「」ペラッ

クリスタ「アルミン?」

アルミン「」ペラッ

クリスタ(え? 無視されてる?)グス

アルミン「よし、終わり! ってわああああああっ!? いつからそこに!?」

クリスタ「あ、気付いた」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 22:59:10.57 ID:w2gFdXu30
クリスタ「もう、無視されてるのかと思っちゃった……」

アルミン「ご、ごめんなさい」

クリスタ「でも朝早いんだねアルミン」

アルミン「え? あ、ああああ!? もうこんな時間!?」

クリスタ「え?」

アルミン「本を読むのに夢中で徹夜しちゃった……どうしよう」

クリスタ「ええええええ!? 徹夜!?」

アルミン「はい。とにかく一度部屋に戻ります」

クリスタ「そうした方がいいよ。少しでも寝た方がいいしエレンが心配してるかも」

アルミン「はい。あ、えとクリスタ、さん、寝癖ついてますよ」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:00:39.27 ID:w2gFdXu30
クリスタ「えっ!? あわわわわ///」

アルミン「それじゃ」

クリスタ「……あれがアルミンの素、なのかな。なんか、昨日も思ったけど……」

ユミル「クーリスタ♪」ダキッ

クリスタ「ひゃあああああっ!?」

ユミル「ひでーなあ、おいていくなんて」

クリスタ「ちょっと顔を洗おうと思って、あと寝癖も直さないと」

ユミル「うし、じゃあ行こうぜ」

クリスタ「うん」クルッ

ユミル「? どうした? あれは……アルミン? 奴がどうかしたのか?」

クリスタ「ううん、なんでもない、いこうユミル」

ユミル「……ああ」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:01:11.76 ID:w2gFdXu30
アルミン「うぅ」ウツラウツラ

アルミン「眠い……急に眠くなってきた」

アルミン「お腹もすいた……」

ドンッ

アルミン「あうっ!」

サシャ「あ、すいません!」

アルミン「こちらこそごめんなさい」

サシャ「ってなんだアルミンじゃないですか、おはようございます!」

アルミン「え? 知り合い?」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:01:55.71 ID:w2gFdXu30
サシャ「酷いですね、同期じゃないですか」

アルミン「ああそうなんですか。実は僕、今記憶が退行しているらしいんです」

サシャ「ありゃ、今度はアルミンですか。でもしっかりしてるように見えますね」

アルミン「そう、ですか?」

サシャ「はい! 今でも私より利口そうです」

アルミン「あははは……」グゥ~

サシャ「おや? 腹減りですか?」

アルミン「実は……」

サシャ「むふふ、ではついてきてください!」

アルミン「え? あ、ちょっと……」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:02:27.53 ID:w2gFdXu30
アルミン「あの……ここは?」

サシャ「上官の食糧庫です」

アルミン「え」

サシャ「しっ! みつかったら営倉いきですよ!」

アルミン「それっていけないことなんじゃ」

サシャ「わかってませんねアルミン、危険を冒さなければ美味しい食糧にはありつけないんですよ!」

アルミン「へ、へえ」

アルミン「でも泥棒はいけないことなんじゃ」

サシャ「泥棒じゃありませんよ、これはむしろ狩りの一種なんです」

アルミン「狩り?」

サシャ「ええ、食糧庫に眠る食材をこっそり見つからないように持って帰るという、超難易度の高いね」

アルミン「狩り、かあ……なんか恰好いいかも!」キラキラ

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:05:26.31 ID:w2gFdXu30
サシャ「わかりますかアルミン!」

アルミン「外の世界の事が乗ってる本に書いてあったんだ。狩猟民族のこととか」

アルミン「壁の中でも狩猟で生計を立てている人がいるけど、昔は食べる目的以外でも狩りをしていたんだって」

アルミン「彼らは狩りをするのに犬を使っていたらしいんだ。犬を調教して相棒にしていたんだって」

サシャ「じゃあアルミンは今から私の犬です」

アルミン「うん、わかったよ」

サシャ「違いますよアルミン、そこは「ワン」です」

アルミン「ワン?」クビカシゲ

サシャ(……可愛い)

サシャ「ワン!」

アルミン「ワン!」

サシャ「……」ナデナデ

アルミン「クーン?」

サシャ「///」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:06:32.43 ID:w2gFdXu30
サシャ「アルミンは良い子ですね。名犬になりますよ」ナデナデ

アルミン「ワン!」

サシャ「可愛いなあ、こんなことなら私も相棒を作っておくんだったかなあ」ナデナデ

アルミン「ワン!……あの、そろそろふつうにしゃべっても?」

サシャ「えっ?」

アルミン「う……わ、わん」

サシャ「っ! っ!」ナデナデ

アルミン「わんわんわん!(あんまり撫でないでください!)」

サシャ「おーよしよし、もっと撫でてやるけんね」

アルミン「わんわん!(違います!)」

サシャ「よしよし」

キース「……何をやっている貴様ら」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:13:22.22 ID:w2gFdXu30
サシャ「!?」

アルミン「!?」

キース「朝から上官の食糧庫にいる理由を説明してもらおうか、ブラウス訓練生、アルレルト訓練生」

サシャ「はわわわわ……!」

アルミン「わ、わん!」

キース「は?」

アルミン「あ、じゃない、えっと、このお姉さんに案内してもらっていたんです」

キース「ブラウス訓練兵に?」

アルミン「迷っていしまって、そしたら近くにこの人がいて、えっとついでにこの中を無理言って少し見せてもらってました」

サシャ「」コクコク!

キース「……念のために聞いておこう、何か盗ったものはあるか」

サシャ「まだ何も盗ってません!」

アルミン「あっ」

キース「……ほゥ? まだ、と言ったか、サシャ・ブラウス」

サシャ「!!!!!!!」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:20:27.34 ID:w2gFdXu30
キース「アルレルト訓練生」

アルミン「えっと、僕、ですか?」

キース「その様子ではまだ退行から回復していないようだな」

アルミン「あ、はい……」

キース「今回は貴様の機転に免じて見逃してやろう」

サシャ「!」

キース「ただし」

サシャ「!?」

キース「ブラウス、貴様は朝食抜きだ」

サシャ「!」ガーン

キース「分かったらさっさとここから出て行け」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:23:43.51 ID:w2gFdXu30
アルミン「見つかっちゃいましたね」

サシャ「そんなあ、まだ何も食べてないのに、朝食が食べられないなんて……」

アルミン「僕のを、分けてあげますから元気だしてください、サシャ、さん」

サシャ「!? 神!?」

アルミン「えっ?」

サシャ「いや、でもさすがに今のアルミンからもらうわけには……」

アルミン「え、えっと、ほら、相棒じゃないですか。ご主人様には尽くさないと。だから、ね、サシャ、さん」

サシャ「むぅ、そのサシャさんってのは違和感ありありです。サシャでいいですよ」

アルミン「え、でも……」

サシャ「ご主人様命令です! サシャと呼びなさい!」

アルミン「は、はい、サシャ……ご主人様」

サシャ「い、いやご主人様は付けなくてもいいんですよ」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:31:32.43 ID:w2gFdXu30
食堂

サシャ「それでアルミン? ええとそのぅ」

アルミン「はい、パン半分こしましょう」

サシャ「アルミィン!」パクッ

アルミン「わっ、僕の指まで食べないでください……!」

エレン「あ、いたいた! アルミン心配したんだぞ! 朝からいないから……」

アルミン「あ、エレン、ごめん……それよりサシャご主人様をなんとかしてよ」

エレン「は?」

ミカサ「ごしゅじんさま……?」

ザワ!?

サシャ「!!!」

アルミン「?」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:37:16.86 ID:w2gFdXu30
エレン「おいサシャ! お前アルミンに何教えてんだよ!」

ミカサ「流石にこれは看過できない。サシャ、私たちの友人に変なことを強要するのはやめてほしい」

サシャ「あ、いやこれは違うんです!」

アルミン「そ、そうだよ、サシャ……は悪くないんだ! ただ今朝上官の食糧庫に連れて行かれただけで……」

エレン「上官の食糧庫!?」

ミカサ「下手したら営倉、ううん独房行き……サシャ?」ギロ

サシャ「ひぃぃぃぃぃ!? だ、大丈夫です事なきを得ましたから!」

クリスタ(あれ? 今アルミンサシャのことは呼び捨てにした?)

ユミル「朝から騒がしいなおい、なあクリスタ」

クリスタ「」ジィィ

ユミル「クリスタ?」

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:43:55.82 ID:w2gFdXu30
ユミル(アルミンを気にしていやがるのか?)

ユミル(そういや昨日からそんな節があったな……)

ユミル「……」

エレン「とにかく! 変なことにアルミンを巻き込むなよな!」

ミカサ「アルミンを巻き込んだらあなたを許さない」

アルミン「……てよ」ボソッ

エレン「どうかしたかアルミン?」

ミカサ「アルミン?」

アルミン「……なんでもない」

クリスタ「」ジィ

ユミル「……」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:48:03.15 ID:w2gFdXu30
エレン「アルミン、今日はいきなり立体軌道の訓練なんだ、できそうになかったらやらなくてもいいぞ」

アルミン「ううん、やってみるよ。何か思い出すきっかけになるかもしれないし」

アルミン「さっきおおよそ原理は頭に入れたよ」

エレン「流石だな、昔のままでもアルミンは俺より頭良いんじゃねえか?」

アルミン「ふふふ、そうだといいね。でも読めない字があって困ったよ」

エレン「ああ、昨日もそんなこと言ってたな。とりあえず俺もフォローするから」

アルミン「うん、でもエレンはちゃんと自分のことにも集中してよ」

エレン「わかってるって」

アルミン「えっと、まずはアンカー射出して……わっああああああああっ!?」ギュイン!

エレン「アルミン!?」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:53:52.39 ID:w2gFdXu30
アルミン「わああああああっ!? ぎゃあっ!」ガァンッ!!

エレン「アルミン!」ダッ

アルミン「う、うぅ」

エレン「大丈夫か!?」

アルミン「っ……!」

エレン「くっ!、おぶされ! 医務室へ行こう!」

アルミン「……じょぶ」

エレン「なんだって?」

アルミン「だい、じょぶ、だから……っ!」

エレン「お前でも結構思いっきりぶつかってたろ!」

アルミン「はぁ、はぁ、もう、平気、だから」

エレン「アルミン……」

クリスタ「凄い声が聞こえたけど大丈夫!?」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:54:48.58 ID:w2gFdXu30
エレン「クリスタか、心配かけたな、アルミンがまだ立体軌道になれてなくてな」

クリスタ「無理もないよ、大丈夫? アルミン」

アルミン「だい、じょうぶ、です、クリスタ……さん」

クリスタ「……」

エレン「クリスタ?」

クリスタ「あ、うん大丈夫なら良かった。それとアルミン、私はクリスタでいいからね!」

アルミン「は、はい……クリスタ、さん」

クリスタ「……」シュン

ユミル「」チッ

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:55:32.42 ID:w2gFdXu30
エレン「本当に大丈夫なのか?」

アルミン「大丈夫だよ、けどさすがにしばらくは見学することにする」

エレン「ああ、そうしとけ」

アルミン「エレンはいっていいよ。僕はあそこで見てるから」

エレン「わかった、ゆっくりやすんでろよ」

アルミン「うん」

アルミン「……」

アルミン「っ、痛い……」ボロボロ

アルミン「うぅ……!」



クリスタ「」ジィ


ユミル「」ジィ

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:56:27.62 ID:w2gFdXu30
エレン「次は格闘訓練だけど大丈夫か?」

アルミン「大丈夫だよ、心配性すぎるよエレンは」

アルミン「僕だって……」

エレン「ん?」

アルミン「なんでもない、僕だって格闘なら女の子に負けたりしないさ。ミカサは例外だけど」

エレン「ミカサはなあ、でも同期の女子もみんな強いぜ」

アルミン「えっ、そうなの?」

エレン「ああ、たとえばあそこにいるアニとか、すげえぞ! 前に気付いたら回転させられて地面に転がされてたんだ」

アルミン「へえ」

アニ「なに? 私のこと話してた?」

エレン「お、丁度良かった、アニ、今日こそお前を倒して……」

アルミン「え?」

エレン「ん?」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/14(金) 23:57:45.54 ID:w2gFdXu30
アルミン「エレンはこの人に勝ったことないの?」

エレン「ああ、すげえ強いぜ。でもそのうち抜いてみせるさ」

アニ「ふん、どうだかね」

アルミン「ね、ねえ、じゃあ僕とやってもらったらだめかな」

アニ「私が?」

アルミン「うん」

アニ「どういう風の吹き回しだい?」

アルミン「だ、だめならいいんだ」

エレン「やめとけって。アニは相当強いぞ?」

アルミン「う、うん……」

アニ「別に私は……いいけど」

アルミン「あ」パァァ

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 00:04:41.02 ID:3SyCqFNY0
アニ「ふっ!」

アルミン「わっ!」

ドサッ

アルミン「っ……!」

アニ「大丈夫かい?」

アルミン「……ありがとう」

アニ「そんな腕でなんで私とやろうと思ったんだい?」

アルミン「あの、ちょっと聞きたいんですけど」

アニ「言ってみな」

アルミン「僕って、どれくらい強いですか?」

アニ「……」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 00:05:14.15 ID:3SyCqFNY0
アルミン「あの……」

アニ「あんたの格闘術における技術を訓練兵団の中でランキング化するなら、下の下だろうね」

アニ「ビリ争いの渦中にいるだろうさ」

アニ「そもそもあんた格闘苦手過ぎ」

アルミン「やっぱりそう、ですか、ありがとうございます」

アニ「おかしな奴だね、これだけボロクソに言われてお礼を言うなんて」

アルミン「なんとなく、エレンと話してるのを見て、アニさんはおべっかを使わない素直な人だろうなって思ったから」

アニ「?」

アルミン「正直に、言ってもらいたかったんです。だから……」

アニ「……ふぅん、そうかい」

アニ「……」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 00:05:45.75 ID:3SyCqFNY0
アニ「教官がこっちに向かってるし、もう一回やるよ」

アルミン「はい」

アニ「ふっ!」

アルミン「ぎゃあっ!」

アニ「……」

アルミン「はは、弱いな僕、弱すぎる……ごめんなさいアニさん、これじゃ訓練になりませんよね」

アニ「別に」

アルミン「?」

アニ「私はアンタが格闘苦手だとは言ったけど、弱いとは言ってないよ」

アルミン「えっ」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 00:07:13.38 ID:3SyCqFNY0
アニ「あんたはあれだけ私にやられてるのに泣き言一つ言わないし、相当痛かっただろうに随分と我慢してるじゃないか」

アルミン「そ、それは……」

アニ「あんたには絶望的なまでに格闘術の才がないけど……それがイコール強さじゃない」

アニ「私はそう思ってる。そもそもこんなもの何の役にもたちやしない」

アニ「へこたれない心を持ってる方がよっぽど……」

アルミン「優しいんですね、アニさん」

アニ「……は?」

アルミン「あ、いえ、その、良い人だなって」

アニ「私は別に……そんなんじゃない。アンタも言っただろ? ただ私は本当のことを言ってるだけさ」

アルミン「はい、でも、ありがとうアニさん」

アニ「……次は寝技教えてやるよ」

アルミン「えっ」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 00:08:13.91 ID:3SyCqFNY0
アルミン「ちょっ」

アニ「ほら、ここをこうすると」

アルミン「ちょ、痛い、いたたたたたたっ! 苦しいです!」

アルミン「アニさん離して!」

アニ「アニでいいさ」

アルミン「そ、そんな、アニさっ」

アニ「ふっ!」

アルミン「あだだだだ!? わ、わかりました、わかりましたから!」

アニ「どうわかったんだい?」ギギギ

アルミン「ア、アニ! わかったからやめてアニ! ね、ねえこれで」

アニ「まあ、いいか」スッ

アルミン「ふぅ、いたたた……酷いですよアニさ……アニ」

アニ「……次は無いよ?」

アルミン「」ガクガクブルブル

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 00:09:12.69 ID:3SyCqFNY0
エレン「どうだアルミン、アニは怖かっただろ?」

アルミン「そんなことないよ、とってもいい人だった……ヨ?」

エレン「なんで今間を空けたんだよ」

アルミン「あはは……でも良い人だっていうのは本当だよ」

エレン「強かっただろ?」

アルミン「うん。もう気付いたら地面にドシンって感じだったし、まだ脛が痛い」

エレン「だろ!? 俺も最初辛くてさあ」

アルミン「しかもそのあとアニが寝技なんてかけてくるから関節も痛くて……」

エレン「へえ、あいつ寝技も知ってんのか」

アルミン「エレンは教えてもらったことないの?」

エレン「ああ」

サシャ「アールミン♪」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 00:10:20.52 ID:3SyCqFNY0
アルミン「わっ、サシャ……? ど、どうしたんですか?」

サシャ「むぅ、いつも通りにして欲しいんですけどね、まあいいです。これ今朝のお礼、私のパァンを半分あげます」

エレン「サシャが自分のパンを他人に半分あげるだと!?」

アルミン「何をそんなに驚いてるのエレン?」

エレン「サシャを知ってるヤツが聞いたらそりゃ驚くさ、こりゃ鎧の巨人と超大型巨人が空から降ってくるかもしれんぞ」

アルミン「大げさだなあ、ありがとうございます、サシャさ……サシャ」

サシャ「はい!」

アルミン「……あれ? これ、半分?」

エレン「どうみても四分の一もないな」

サシャ「あ、あはは……気付いたら結構食べちゃってまして。残った分の半分、です」

アルミン「あははは……」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 00:10:50.83 ID:3SyCqFNY0
アニ「邪魔するよ」ドン

アルミン「あ、アニ? どうしたの?」

アニ「別に。偶にはここで食べようと思っただけさ」

アルミン「あ、そうなんだ」

アニ「迷惑かいい?」

アルミン「そんなことないよ」

アニ「フン、ついでにあんたの格闘批評してやるよ」

エレン「あ、ずりぃぞアルミン! 俺も!」

アニ「エレンにはこの間言っただろ」

エレン「足元がお留守ってか? うーん」

アルミン「なんかアニって……おねえちゃんみたい」

アニ「!?」

アニ(おねえちゃん……///)

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 00:11:43.97 ID:3SyCqFNY0
クリスタ「」ジィ

ユミル(まーたアルミン見てるのかクリスタのヤツ)チッ

クリスタ「うん……よし!」

ユミル「あ、おいクリスタ……?」

クリスタ「ね、ねえアルミン、私もここいい?」

アルミン「は、はい!? あ、ど、どうぞクリスタ、さん」

クリスタ「……うん」シュン

ユミル(……あの野郎、またクリスタをしょげさせやがって)

クリスタ「あ、あのねアルミン、私はいつもクリスタって」

ユミル「おうアルミン、てめーいい加減にしろよ!」

アルミン「!?」

207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 20:30:09.04 ID:3SyCqFNY0
ユミル「毎度毎度私のクリスタをしょげさせやがって」グイッ

アルミン「っ、何を?」

ユミル「わかってんだろ? クリスタがさん付けで呼ばれるのを嫌がってるのを」

アルミン「……」

ユミル「周りの奴らもずっと同じならいざ知らず、サシャやアニが呼び捨てになったのに未だにクリスタが呼び捨てにされないってのは納得いかないだろうが」

アルミン「……離してください」

ユミル「あ? てめえ、んなこと言える立場か? ぶん殴ってもいいんだぞ?」

アルミン「じゃあ、そうすればいいでしょう」

ユミル「てめえ、殴れないと思ってるなら思い違いも良い所だ」

アルミン「殴りたければ殴ればいい、僕は何も殴られるようなことはしていない!」

ユミル「よーし歯を食いしばれ」バキッ!

クリスタ「ユミル!」

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 20:30:42.51 ID:3SyCqFNY0
アルミン「っ! 僕が人をどう呼ぼうと僕の自由だ!それを他人に咎められる言われは無い!」

ユミル「てめえ……!」

クリスタ「ユミル止めて!」

アルミン「殴りたければ殴れ! でも何も言い返せないってことは貴方が僕に屈服したってことじゃないのか? 何も言い返せないから、自分が間違ってるってわかってるから殴るんだろ!」

ユミル「おぼっちゃんが、痛い目みないとわかんねえらしい、私はお前の周りの甘ちゃんとは違うぞ」バキッ

アルミン「っ!」

クリスタ「ユミル!」

エレン「ユミル止めろ! アルミンを離せ!」

ユミル「どうだ? あ? 少しは素直に……っ?」

アルミン「」ジッ

ユミル(なんだこいつ……こいつは確か格闘術など肉体系は不得意だったはず)

ユミル(なのに、なんで殴られて、そんな目をしていられる?)

ユミル(怯えじゃない、挑戦するような目で……)

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 20:32:05.94 ID:3SyCqFNY0
ユミル「チッ、やめだやめ」サッ

クリスタ「ユミル、アルミンに謝って!」

ユミル「あーはいはい、ごめんなさいねえ」

クリスタ「ユミル!」

アルミン「……」

ユミル「」チラッ

ユミル(こいつに恐怖が無かったわけじゃないだろう)

ユミル(ただ、こいつの中で芯が通っていただけのこと)

ユミル(それを貫き通せるってことは……こいつ、思ったよりも強い男だったんだな)

ユミル「わかったわかった、クリスタ。確かに今のは私が悪かった、思ったほど、アルミンはガキじゃなかったらしい」

アルミン「……?」

ユミル「……悪かった、許してくれ」

アルミン「う、うん……」

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 20:32:47.70 ID:3SyCqFNY0
アニ「ところでユミル」

サシャ「今の件について、私ものすごく怒りを覚えてます」

アニ「奇遇だね、私もだよ」

アルミン「アニおねえちゃん、顔怖いよ……」

アニ「!? お、おね……」

サシャ「ちょ、私は!? 私はなんですかアルミン!?」

アルミン「え? ごしゅじんさま?」

サシャ「い、いやそれは……それでいい、かも?」

アルミン「でもこれじゃなんか変 みたいですね」

サシャ「アルミン!」

アルミン「ひゃっ!?」

サシャ「」ナデナデ

アルミン「わん……」

サシャ「///」

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 20:37:20.09 ID:3SyCqFNY0
アニ「アルミン、そんな犬みたいな真似しなくていいよ」

アルミン「あはは……」

サシャ「失礼ですね、これは私とアルミンとのスキンシップです!」

ミカサ「なんの騒ぎ?」

アルミン「あ、ミカサ。アニおねえちゃんがサシャとちょっとね」

ミカサ「アニが、おねえちゃん……?」

アニ「///」

ミカサ「考え直した方がいいアルミン」

アルミン「?」

エレン「そうだぞ、アニはお前のねえちゃんじゃねえだろ」

アルミン「そうだけど、さっきの格闘訓練でよく僕の事を見てくれて……」

アルミン「エレンにとってのミカサみたいな感じかな」

アルミン「僕に上の兄妹、家族がいたらこんな感じかなって……」

エレン「ちょっと待てアルミン」

218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 20:39:00.15 ID:3SyCqFNY0
エレン「俺が上だろ、ミカサは下だ」

ミカサ「エレンは私がいないとだめ、したがってエレンが下」

エレン「いや俺がアニキのようなポジションだろ」

ミカサ「それは納得できない」

エレン「お前はいっつもいっつも人の世話を焼こうとしてるけどな、あそこまでいらねえんだよ!」

アルミン「ちょ、ちょっと、喧嘩は……」

アニ「あんたら二人とも、イチャイチャならよそでやんな」

エレン「イチャイチャなんてしてねーだろうが!」

ミカサ「……」

エレン「否定しろよお前も!」

ミカサ「……」

220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 20:43:52.70 ID:3SyCqFNY0
ミカサ「誠に遺憾ながら、今少々胃の調子が悪い」

ミカサ「ので」

ミカサ「エレンの要求を呑むことが出来ない」

エレン「この……!」

エレン「アルミン、お前からも何か言ってやってくれ」

アルミン「すぅ、すぅ……」

エレン「って、寝てるのかよ!」

サシャ「しぃ!」

アニ「静かにしな」

エレン「あ、ああ……」

222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 20:50:29.17 ID:3SyCqFNY0
クリスタ「無理もないよ、アルミン徹夜だったらしいし」

エレン「ええっ? なんでだよ!」

ミカサ「アルミンのことだからきっと本をずっと読んでいたんだと思う」

アニ「全く、本当にしょうがないね。ここは私が寮まで連れて行ってやるよ」

サシャ「いえいえ、ここは相棒である私が引き受けますよ」

ユミル「そいつには悪いことしたからな、私がおぶってやってもいい」

エレン「アルミン人気者だな。ってそういやなんでクリスタはアルミンが徹夜だって知っていたんだ?」

クリスタ「え?」

ユミル「!?」

224: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:00:53.51 ID:3SyCqFNY0
ユミル「まさかクリスタ、そんな、嘘だろ?」

アニ「どういうことか説明がほしいね」

サシャ「クリスタ? 私の相棒とまさか夜通し一緒だったんですか?」

クリスタ「え? え? え? ち、違うの! 今朝偶然会って聞いただけで!」

ユミル「そ、そうか」ホッ

サシャ「そういえば今朝すごく眠そうでしたね」

アニ「まあ、そんなことだろうと思ってたよ」

エレン「話が纏まったところで俺はアルミン連れてくよ」

225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:04:11.32 ID:3SyCqFNY0
アニ「えっ」

サシャ「えっ」

ユミル「えっ」

エレン「???」

ミカサ「お願い」

エレン「おう、んじゃな」

アニ「……」

サシャ「……」

ユミル「……」

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:15:42.60 ID:3SyCqFNY0
アルミン「うぅん……」

エレン「こうしてると、思い出すな、昔を」

エレン「と言ってもアルミンは決して俺やミカサの差し出す手を取ろうとはしなかったけど」

エレン「速く記憶が戻るといいな、アルミン」

アルミン「むにゃむにゃ……僕は、……とう、に……」

エレン「よっと、」

グイッ

アルミン「ふみゅっ」

エレン「あ、やべ。っっと大丈夫か」

アルミン「zzz」

エレン「……いくか」

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:20:58.68 ID:3SyCqFNY0
アルミン「ん……あさ……」ムク

エレン「zzz」

アルミン「えれんはまだねてる……顔洗ってこよ」

パタン

アルミン「ふぁぁぁ……ん?」

アルミン「あそこにいるのは……」

犬「ハッハッハ……」フリフリ

アルミン「犬だ! わあ!」

犬「クゥーン」スリスリ

アルミン「よしよし」

犬「わん!」

アルミン「可愛いなあ、サシャもこんな気持ちなのかな」

231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:31:36.51 ID:3SyCqFNY0
アルミン「うーん何か食べられるものをあげられれば……そうだ!」

アルミン「サシャに頼んでまた食糧庫に忍び込んで……」

アルミン「うん、そうしよう!」

アルミン「じゃあこの子を何処かに隠さなくちゃ」

アルミン「寮に近い林でいいかな」

アルミン「昨日の立体軌道用のアンカーケーブルの予備が部屋にあったし、首輪の代わりになりそうなのもあったはず」

アルミン「こっそりこの子を育てよう!」

アルミン「ふふふ!」

犬「わん!」

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:37:12.66 ID:3SyCqFNY0
アルミン「サシャ、お願いがあるんですけど」

サシャ「どうしましたアルミン?」

アルミン「え、えと、ちょっと食糧庫に」

サシャ「! ふふふ! 流石は相棒! 良いでしょう付き合いましょう!」

アルミン「ありがとう!」パァ

サシャ(かわええ)

サシャ「さっそくいきますよ!」

アルミン「うん!」

サシャ「私にかかれば食糧庫の一つや二つちょちょいのちょいです!」

234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:43:21.30 ID:3SyCqFNY0
アルミン「サシャのおかげで無事にとって来れた。芋は大丈夫だよね?」

アルミン「はやくもっていってあげよう!」スタタ

クリスタ「あれ? アルミン?」



アルミン「ほら」

犬「ハフッ、ハフッ」

アルミン「かわいいなあ」

クリスタ「アルミン? こんなところで何をしてるの?」

アルミン「!?」

犬「わうわう!」

クリスタ「犬!?」

237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 21:57:14.96 ID:3SyCqFNY0
アルミン「あ、あのその、いや、えっと、これは……」

クリスタ「どうしてこんなところに犬が……って芋!?」

クリスタ「一体どこから……あ、サシャね!?」

アルミン「う」

クリスタ「そっか、サシャと二人で昨日も食糧庫に行ったり犬って言ってたのはこれのせいだったんだ」

アルミン「あ、それは違います」

クリスタ「?」

アルミン「このこと、サシャは知らない、から」

クリスタ「そうなの?」

アルミン「はい。まだ、だれにも言ってません。だから、その、えっと、内緒にしてもらえると……」

クリスタ「ふぅ~ん……そっか、うん、いいよ」

アルミン「あ!」パァァ

クリスタ「ただし」

アルミン「!?」

239: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:02:45.37 ID:3SyCqFNY0
クリスタ「私の事も呼び捨てにすること!」

アルミン「えっ!?」

クリスタ「アルミンはいつも私の事をクリスタって呼び捨てにしていたんだよ?」

アルミン「で、でも……」

クリスタ「じゃないとこの事ばらしちゃう、かも」

アルミン「そんな!」

クリスタ「アルミンは、……今の方が素、なんだよね」

アルミン「?」

クリスタ「私の、ううんみんなの知るいつものアルミンはきっと、素じゃなかった」

クリスタ「アルミンは、いつも自分を殺していたんだね……まるで……みたい」

アルミン「???」

240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:09:07.09 ID:3SyCqFNY0
クリスタ「アルミンは優しいから、今のアルミンからみてみんながすごく年上に見えるんでしょ?」

アルミン「……はい」

クリスタ「だからつい敬語や敬称をつけちゃう。でも実際はそうじゃないんだから、そんなことされたら寂しいよ」

アルミン「う」

クリスタ「ね?」

アルミン「わかりました、クリスタ……さ……クリスタ」

クリスタ「よし! じゃあこのことは二人だけの秘密! そのかわり私もこの子こと手伝うね!」

アルミン「あ、ありがとう……」

クリスタ「どういたしまして!」

241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:12:36.43 ID:3SyCqFNY0
クリスタ「あ、そろそろ朝食の時間! いこう?」

アルミン「は、はい」

クリスタ「敬語も、徐々に直していこうね」

アルミン「う、うん……」

クリスタ(アルミンは、本当は自分の思ったことを言ったりやったりする子だったんだ)

クリスタ(多分、成長するにつれて、自分を殺して周りばかりみるようになった)

クリスタ(……ほんと、わたしみたい……)

アルミン「クリスタ?」

クリスタ「っ! なんでもない、いこっ」

アルミン「うん」

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:15:48.73 ID:3SyCqFNY0
アルミン「あ、パンだ。これもあとでもっていってあげよう」

エレン「ん?なんだアルミン、残すのか?」

アルミン「えっ? あ、えっと、ちょっととっておくだけだよ」

サシャ「ははあ、さてはさっきのでお腹いっぱいなんですね?」フーッドヤ

アルミンじ、実はそうなんだ」

エレン「さっきの?」

サシャ「私とアルミンだけの秘密です、ねー?」

アルミン「う、うん、そうなんだ」

エレン「ちぇ、なんだよアルミン、俺にも秘密なのかよ」

アルミン「ごめんね」

サシャ「ふふふ、相棒故ですね……あれ?クリスタも残すんですか?」

245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:22:20.42 ID:3SyCqFNY0
クリスタ「あ、うん、ちょっととっておきたくてね?」ニコッ

アルミン「あ」

サシャ「むぅ、食べないなら私が!」

ユミル「おーう、クリスタのを取ろうなんてふざけたことしてくれるなよ?」

サシャ「ユ、ユミル……」

クリスタ「もう、喧嘩はだめだよ二人とも」

ミカサ「アルミン、ちゃんと食べないともたない」

アルミン「だ、大丈夫、あとで食べるから」チラッ

クリスタ「!」ニコッ

アルミン「///」



ライナー「……」ジィ

246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:28:26.84 ID:3SyCqFNY0
アルミン「さっきはありがとう」

クリスタ「いいの、協力するって言ったでしょ? 私もこの子一緒に育ててあげたいし」

犬「わぅわぅ!」

アルミン「ふふ」ナデナデ

クリスタ「わあ、私にも撫でさせて!」

アルミン「どうぞ」

クリスタ「いいこいいこ」ナデナデ

犬「くぅ~ん」

クリスタ「かわいー! ねえこの子名前もうつけたの?」

アルミン「ううん、まだ」

クリスタ「じゃあ名前つけようよ!」

アルミン「え? うん、そうだね!」

248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:34:33.42 ID:3SyCqFNY0
アルミン「うーん、何がいいかな」

クリスタ「ううーん」

アルミン「ミカン、とかどうだろう?」

クリスタ「? この子別にオレンジ色してないよ? アルミン蜜柑好きなの?」

アルミン「い、いや、そういうわけじゃないんだけど」

アルミン「ミカサとエレンをくっつけてみたんだ」

クリスタ「ああ……ってなにそれ! おかしー!」アハハ

アルミン「わ、笑わないでよ!」

クリスタ「だって、なんでぷっ、くくく……!」

アルミン「も、もう!」プクッ

クリスタ(あ、怒ったアルミン可愛い。そういえば怒ってるとこ初めてみたかも)

254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 22:59:38.36 ID:3SyCqFNY0
クリスタ「うーん、それじゃクルミ、とかは?」

アルミン「胡桃? どうして?」

クリスタ「私とアルミンの名前を少しずつとって」

アルミン「ああ……ってさっきあれだけ馬鹿にしてたじゃないか!」クワッ

クリスタ「きゃっ!」

アルミン「あ、ごめんなさい」

クリスタ「ううん、いいの。ただこれまでこんなふうにアルミン感情を出すことなかったから」

アルミン「え? そうなの?」

クリスタ(そういえば、なんでアルミンはこうなったんだろう。どうして、自分を殺すように……)

256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:04:15.66 ID:3SyCqFNY0
アルミン「うーん名前早く考えてあげないと」

クリスタ「クルミは却下?」

アルミン「」プクッ

クリスタ(さっきのまだ怒ってるのね。子供みたい……って子供なんだった)

クリスタ(それなら、少し誠意を見せて、イジワルしようかな……)

クリスタ「それなら……ヒルト、なんてどうかな?」

アルミン「ヒルト?」

クリスタ「うん、思いつきだけど」

アルミン「……」

クリスタ「だめ?」

アルミン「いいと思う。恰好いいし、さっきまでとちがって二つの名前がくっついてるわけでもないみたいだし」

クリスタ(……ごめんね)

259: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:12:38.93 ID:3SyCqFNY0
アルミン「よし、じゃあ君は今からヒルトだ」

犬→ヒルト「わう!」

アルミン「よしよしヒルト」

クリスタ「ヒルト~」

ヒルト「わうわう!」

アルミン「ふふふ」

クリスタ「うふふふ」

ヒルト「くぅ~ん」

アルミン(かわいい)

クリスタ(かわいい)

272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:21:38.11 ID:3SyCqFNY0
教官「えー、であるからして」

アルミン「教官! そこについてもう一度お願いします!」ハイッ

教官「む? そうか。では~」

クリスタ(アルミン、前からでは考えられない程発現してるなあ)

クリスタ(退行前と違ってすごく自分をさらけ出してる)

クリスタ(うん、こっちの方がいいよきっと、さらけ出せるなら、その方が)

アルミン「教官! さっきの説明と違います!」

教官「む? む? む?」

アルミン「あと、そこは~」

教官「むむむむ」

273: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:27:15.67 ID:3SyCqFNY0
エレン「アルミンすげえな! 座学はやっぱりアルミンだな!」

アルミン「えへへ」

ミカサ「座学だけはアルミンに勝てる気がしない」

アルミン「ほめ過ぎだよ。あ、僕書庫いきたいからまたね」

エレン「おお、気を付けてな」

アルミン「うん!」

エレン「なんか元気になったなあいつ記憶が無いからもう少し怖がるかと思ったけど」

ミカサ「アルミンは強い子、きっと新しいことを覚えるのが楽しくて仕方がないんだと思う」

ベルトルト「なんか二人とも夫婦が自分たちの子供を見送ってるような会話になってるよ」

エレン「はあ?」

ミカサ「ベルトルト、貴方は天才、あなたにも勝てる気がしない」

ベルトルト(まだ、一回も間違えられてない……ッ!)

ベルトルト(これぞ、あるべき姿ッ!)

274: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:32:28.52 ID:3SyCqFNY0
アルミン「えっと、この辺の本はまだ見てないな」

アルミン「あった貸出カード、これは……うん僕の履歴がある、これにしよう」

アルミン「ん?なんだこれ……良い子の大人の 知識?」

アルミン「卒業生からの贈呈本って書いてる」

アルミン「なんだろう?」パラ

アルミン「!?」

アルミン「こ、これは……///」

アルミン「お、おんなのひとの裸が……なにこれ……」

アルミン「う……? なんか股が……痛い?」

アルミン「///」

279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:41:51.29 ID:3SyCqFNY0
アルミン「と、とりあえす持っていこう///」

アルミン「あとは犬の本があればいいんだけど……」

ドンッ

アルミン「あ、すいませ」

モブ兵A「ケッ、気を付けろよな」

アルミン「……」

モブ兵A「座学しかとりえないくせに、でしゃばりやがって」

アルミン「……」

モブ兵B「どうした?」

モブ兵A「いや」クイッ

モブ兵B「ああ、あいつか、ふん」

アルミン「……」

280: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:49:07.17 ID:3SyCqFNY0
クリスタ「あ、アルミン遅かったね」

アルミン「うん……」

クリスタ「? どうしたの?」

アルミン「……ううんなんでもない、ヒルトは?」

ヒルト「ハッハッハッ」

アルミン「ヒルト」ナデナデ

ヒルト「ばうわぅ!」

アルミン「」ナデナデ

クリスタ「何かあったの? すごくつらそうな顔をしてるよ?」

クリスタ「私は秘密を共有する仲間でしょ? 相談にくらい乗るよ?」

281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/15(土) 23:56:45.47 ID:3SyCqFNY0
アルミン「うん、ありがとう」

クリスタ「夕飯も少し残してもってきてあげよっか」

アルミン「うん……」

クリスタ(まだ元気ない……)

アルミン「」ナデナデ

クリスタ(言ってくれてもいいのに……やっぱりまだ壁があるのかな)

クリスタ(……)

アルミン「僕、なにか悪いことしたのかなあ」ポツリ

クリスタ「?」

アルミン「はぁ……」

283: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:02:37.19 ID:qf9qqJY80
ライナー「なあベルトルト」

ベルトルト「なんだい?」

ライナー「最近クリスタの様子が少しおかしくないか?」

ベルトルト「おかしいって?」

ライナー「なんだかアルミンをジッと見つめているというか」

ベルトルト「アルミンを? 彼女は優しいからね、今のアルミンを放っておけないんじゃないかな」

ライナー「それだけなのか……」

ベルトルト「まあ君が少し嫉妬するのもわかるけど」

ベルトルト「しっかりしなよライナー、僕らは兵士である前に、戦士でいなくちゃ」

ライナー「……ああ」

アニ「……アルミン」ハァ

ベルトルト「……」

ライナー「……」

284: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:06:19.07 ID:qf9qqJY80
ライナー「どうしたんだアニ?」

ベルトルト「浮かない顔だね」

アニ「アルミンが夕食後、すぐにどっかへ消えちまってね。見かけてないかい?」

ライナー「知らないな」

ベルトルト「僕も見てないね」

アニ「そうかい。クリスタと一緒に出たみたいだからクリスタストーカーのライナーなら、と思ったんだけど」

ライナー「おい、変なあだ名をつけるな、失礼だぞ」

アニ「はぁ、アルミン……」

ベルトルト「重症だね、アニ」

アニ「何が?」

ベルトルト「……僕らは戦士だよ。それだけは忘れないで」

アニ「……わかってるさ」

286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:12:09.50 ID:qf9qqJY80
アルミン「」ナデナデ

クリスタ(夕飯持ってきたけど……やっぱり元気ないなあ)

クリスタ「アルミン」

アルミン「え?」

クリスタ「やっぱり何かあったんでしょ? 話してほしいな」

アルミン「それは……」

クリスタ「私はまだ信じられないの?」

アルミン「そんなことないけど」

クリスタ「じゃあ、ね?」

アルミン「さっき、人とぶつかったんだけど、でしゃばるなって言われたんだ」

クリスタ「!?」

287: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:18:46.26 ID:qf9qqJY80
アルミン「僕は何も悪いことしていない」

アルミン「なのに、その人たちは僕の事を邪険にしてくる」

クリスタ「!」

クリスタ(そうか、だからアルミンはずっと自分を抑えてたんだ)

クリスタ(訓練兵団の中は競争意識も高いし、これまで目立っていなかったアルミンが目立つことで面白くない人たちが増えだした)

クリスタ(アルミンはそれを予想していたから、ずっと……)

クリスタ「それはアルミンが悪いんじゃないよ」

アルミン「うん」

クリスタ「しょうがないことかもしれないけど、ここは競争する場でもあるから」

アルミン「うん、多分そうだろうって思った。僕、多分こうなる前はそれにも気をつかっていたんだね。クリスタに言われたことがようやくわかった気がする」

クリスタ「私で良ければなんでも話を聞くよ!」

288: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 00:20:53.52 ID:qf9qqJY80
アルミン「え?」

クリスタ「仲間でしょ?」

アルミン「あ、ありがとう」パァ

アルミン「じゃあさっそく聞いてもいい?」

クリスタ「もちろん」

アルミン「教書庫で見つけて借りてきたんだけど」

クリスタ「うん」

アルミン「よく僕にはわからないこともあって」

アルミン「これを見てると変な気分になるんだ///」

つ良い子の大人の 知識

338: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 07:45:12.36 ID:qf9qqJY80
クリスタ「えっ」

アルミン「?」

クリスタ「こっこれ……///」

アルミン「いっぱい女の人の裸とか」

クリスタ「ひゃわわわわわ///」

アルミン「???」

クリスタ「こ、こんなのどこで///」

アルミン「書庫にあったんだって」

アルミン「それによると夜の立体軌道なんて言葉が出てくるんだけど」

クリスタ「ひゃああ///」

アルミン「クリスタに意味を教えて欲しいな」

クリスタ「そ、それは……///」

339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 07:48:46.83 ID:qf9qqJY80
アルミン「それに裸が多いんだ」

アルミン「夜に立体軌道なんてしたら視界不良で大変だろうし、裸でなんてきっと痛いよ」

アルミン「血が出ちゃう」

クリスタ「痛い、血///」

アルミン「? クリスタ?」

クリスタ「っ///」

アルミン「それに……」

クリスタ「?」

アルミン「その本を読むと股が熱いっていうか痛いんだ」

クリスタ「……」ジィ

クリスタ「!///」

340: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 07:52:50.92 ID:qf9qqJY80
クリスタ「ア、アルミン! いくら男の子だからってこういうのはだめだよ!///」

クリスタ「ましてや女の子に見せるなんてきらわれるんだから!」

アルミン「え? えと、ごめんなさい?」

クリスタ「でも、うわぁ、なにこれ、すご……///」ジロジロ

アルミン(すごく興味深そうに読んでる……あと時々こっち見てる)

ヒルト「くぅん」

アルミン「よしよし」

ヒルト「わんわん!」スリスリ

アルミン「だめだよヒルト、静かにしてね、わっ、くすぐったいよ、そここすっちゃだめだってばぁ」

ヒルト「わうーん」

クリスタ「!? ちょ、ヒルト頭どこに擦り付けてるの! だめでしょ!」

※アルミンのどこに頭をこすりつけてるのかはご想像にお任せ

342: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:00:20.75 ID:qf9qqJY80
アルミン「ねえクリスタ、せめてこの痛いのをなんとかできないかな」

クリスタ「ふぇ?///」

アルミン「クリスタにしかこんなこと相談できないよ」

クリスタ「ふぁぁぁ───────!!!!!///」

クリスタ「わ、私に直してほしいって言うの!?」

クリスタ「アルミンはそんな人じゃないと思っていたのに!?」

アルミン「?」

クリスタ「私だってそんなに知識ないよっ!」

アルミン「???」

344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:06:09.16 ID:qf9qqJY80
ヒルト「わん」ペロ

クリスタ「とにかくこういうのはまだアルミンには早いから! 没収!」

アルミン「え?」

クリスタ「いい?」ジロ

アルミン「う、うんわかった」

クリスタ「///」

ヒルト「クゥーン?」

アルミン「よしよし」

クリスタ「~~~~っ!!」

アルミン(あんなに顔を真っ赤にしながら読むなんて、女の人はよくわからないや)

アルミン「……」

アルミン(また少し股が痛くなってきた)

346: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:10:22.52 ID:qf9qqJY80
アルミン「あ、ところでクリスタ」

クリスタ「な、なに?」

アルミン「今度夜の立体軌道試してみていいかな?」

クリスタ「ぶふぅ!?」

アルミン「だめ? 一人じゃ怖くて」

クリスタ「ダメえええええっ! 絶対だめ!」

アルミン「ええ? うぅん」

クリスタ(ん? 一人? あれ?)

アルミン「じゃあアニおねえちゃんにたのもうかな」

クリスタ「!? も、もっとだめえええええええ!!!」

アルミン「??????」

349: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:15:44.14 ID:qf9qqJY80
翌朝

アルミン「~♪」

モブ兵A「っとアルミンか」

アルミン「あ……」

モブ兵A「なに? 今お前記憶が退行してるんだって?」

アルミン「は、はい、そうらしくて」

モブ兵A「ふぅん、じゃなんでまだ訓練兵団にいるんだよ」

アルミン「え」

モブ兵A「ここは託児所じゃないっつの、はぁ」

アルミン「……」

350: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:18:02.10 ID:qf9qqJY80
モブ兵B「あ、アルミン」

アルミン「あ……」

モブ兵B「わりぃけどさ、水汲みかわってくれない?」

アルミン「え? でも僕何をどうすればいいか……」

モブ兵B「チッ、つかえねーな」

モブ兵B「井戸から水汲んで運べばいいだけだよ、んじゃ」

アルミン「あ、ちょ……」

アルミン「……」

351: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:21:04.12 ID:qf9qqJY80
アルミン「よいしょよいしょ」

アルミン「ふぅ」

クリスタ「アルミン? なにやってるの?」

アルミン「おはようクリスタ、水汲みを頼まれちゃって」

クリスタ「ええ? でも一人じゃ大変でしょ?」

アルミン「うん、これどこにもってけばいいのかな」

クリスタ「そんなこともその人教えてくれなかったの?」

アルミン「うん」

クリスタ「もう酷いなあ、私が手伝ってあげる」

アルミン「ありがとう」


モブ兵A「」チッ
モブ兵B「」チッ

353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:24:40.54 ID:qf9qqJY80
クリスタ(うぅ、昨日の事で変にアルミンを意識しちゃう///)

クリスタ「」チラッ

アルミン「? 」ニコッ 

クリスタ「っ///」プイッ

アルミン「???」

クリスタ「うぅ///」

アルミン「……」

クリスタ「」チラ

アルミン「……」ショボン

クリスタ「???」



クリスタ「これで終わり、じゃああとでね」

アルミン「うん、ありがとう」

354: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:27:42.17 ID:qf9qqJY80
モブ兵A「っと、ごめんよ」ドンッ

アルミン「っ!」



モブ兵B「あ、わり」バシャッ

アルミン「っ!」



アルミン「……」

アルミン「」グス


モブ兵A「」ニヤニヤ
モブ兵B「」ニヤニヤ

355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:31:26.80 ID:qf9qqJY80
アルミン「……」

エレン「どうしたアルミン? なんか元気ないな」

アルミン「え? ううんそんなことないよ!」

エレン「そうか? ならいいんだが。また本の読み過ぎじゃないだろうな? しっかり寝ろよ?」

アルミン「うん、大丈夫」

エレン「ならいいんだけどよ」

ミカサ「アルミン、アルミンは体力があまりないから無理はしないほうがいい」

アルミン「うんわかってる。ありがとうミカサ」

アルミン「……」ハァ

エレン「……」

ミカサ「……」

356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 08:36:26.75 ID:qf9qqJY80
アニ「アルミン、どうしたんだい? 元気ないじゃないか」

アルミン「あ、おねえちゃん」

アニ「何かあるんだったら相談しな」

アニ「お、お、おねえちゃんが力になってやるよ」

アルミン「あ……うん、ありがとう!」パァ

アニ(/// なんだかミカサの気持ちがわかってきた気がする)

サシャ「あぁぁるみぃぃん!」ダキッ

アルミン「わっ!? なにサシャ!?」

サシャ「今朝食糧庫に入ったばれて朝食抜きにされましたあ!」グス

アルミン「もう、しょうがないなあ」クスクス

アルミン「ぼくのを上げる。サシャには一杯お世話になったから」

サシャ「流石アルミン!」


クリスタ「……むぅ」

359: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:00:14.63 ID:qf9qqJY80
さるくらってますorz



クリスタ「」ブスー

ヒルト「わう?」

アルミン「クリスタ何怒ってるの?」

クリスタ「別になんでもない」

アルミン「???」

クリスタ「ただヒルトの為にご飯残してるのに、それをサシャにあげちゃうなんて、と思って」

アルミン「ああ、ごめん。でも前にヒルトに上げたのはサシャのおかげだったし」

クリスタ「……」ブスッ

アルミン「き、機嫌直してよ」

クリスタ「」ツーン

アルミン「……」グス

クリスタ「!?」

360: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:03:44.48 ID:qf9qqJY80
アルミン「」スタスタ

クリスタ「あ、あのねアルミン」

アルミン「」ダダダッ

クリスタ「あっ、行っちゃった……」

クリスタ(なにやってるんだろう私)

クリスタ(謝らなきゃ)タタタ



モブ兵A「」コソッ

ヒルト「わう?」

モブ兵A「」ニヤッ

362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:11:27.37 ID:qf9qqJY80
アルミン「おねえちゃん!」ダキッ

アニ「どうしたんだいアルミン」ナデナデ

アルミン「……」

アニ「話してくれなくちゃ分からないだろ?」

アルミン「うぅ」グス

アニ「!」

アニ(アルミンが泣いている……)ギリギリ

アニ(なんだこのどす黒い感情……自分を制御できない……!)

アニ「どうしたの?何かあったの? 言ってごらん」

アルミン「」フルフル

アニ(言いたくないけど、甘えたい、のか)ヨシヨシ

364: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:18:26.19 ID:qf9qqJY80
アルミン(おねえちゃん、やさしい)

モブ兵B「」ジッ

アルミン「!」バッ

アニ「おや? もういいのかい」

アルミン「う、うん、ごめんおねえちゃ……アニ」

アニ「べつに、おねえちゃんでもいいけど」

アルミン「……ごめん」ダッ

アニ「あっ」

アニ「……」

モブ兵B「」ニヤ

367: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:24:46.06 ID:qf9qqJY80
アニ「ねえミカサ、相談があるんだけど」

ミカサ「なに?」

アニ「あんたさ、よくエレンの世話をやくだろ?」

ミカサ「……それが?」

アニ「その、どうしたら私もそうなれる?」

ミカサ「!? それは、どういう意味?」ゴゴゴゴゴ

アニ「アルミンがさ、泣いてたんだ」

ミカサ「!? アルミンが!?」

アニ「私を頼ってくれたんだ。でも、話してはくれなかった」

アニ「力になってやりたい」

ミカサ「わかった、私も協力しよう。アルミンを泣かせたヤツは削ぐ」

ベルトルト「削ぐ」

アニ「!? あんたどっから湧いてでてきた!?」

371: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:32:34.65 ID:qf9qqJY80
クリスタ「あ、ねえアニ、ミカサ! アルミン見なかった?」

アニ「今丁度アルミンについて話していたところさ」

クリスタ「どうかしたの?」

ミカサ「泣いていたらしい」

クリスタ「!」

アニ「会うなり私に抱き着いてね、でも話してくれなかった」

クリスタ「……」

ベルトルト「アルミンは大事な友人だ、泣かせるなんて許せないな」

アニ「いやほんとあんたいつからいたんだよ」

クリスタ(私のせい、なのかな。私のせい、だよね)

373: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:36:01.69 ID:qf9qqJY80
モブ兵A「ほんとさ、お前なんなの?さっきの座学でもあんなに質問して」

モブ兵B「俺たちの勉強進まねえよ」

アルミン「……ごめんなさい」

モブ兵A「ハンッ」

モブ兵B「フンッ」

アルミン「……」

アルミン(ヒルトのとこにいこう……ヒルトだけは僕をわかってくれる)

アルミン「……」

374: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:38:03.90 ID:qf9qqJY80
ヒルト「」チマミレ

アルミン「え」

ヒルト「」

アルミン「そんな、嘘だ、ヒルト!? ねえヒルト!」

アルミン「うわあああああああっ!!!!!」

クリスタ「どうしたのアルミン! え、なにこれ、ヒルト……!?」

アルミン「ヒルトおおおおおっ!」

クリスタ「一体、だれがこんなことを……」

アルミン「わあああああんっ!!」

378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:45:32.67 ID:qf9qqJY80
キース「なんの騒ぎだ」

ゾロゾロ

クリスタ(いけない! アルミンの鳴き声で凄く人が集まってる!)

アルミン「ヒルトおおお!!!」

キース「犬? なんだこれは? どういうことだ、誰か説明しろ」

アルミン「ぐすっ」

エレン「アルミン、どうしたんだ!犬!? なんだこれ、うわひっでえ! でもなんで犬がこんなところに」

アルミン「僕が、たまたま見つけて、ここでかくまってたんだ」グスッ

キース「……」

382: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:49:04.81 ID:qf9qqJY80
モブ兵A「教官! これって立派な兵規範違反じゃないですか!?」

モブ兵B「最近よく食事を残してると思ったらそういうことだったのか!」

モブ兵A「ただでさえ少ない食料を、こんなことに使っていたなんて!」

クリスタ「わ、私も! 私も一緒にかくまってました!」

ザワ!!

キース「……アルレルト訓練生とレンズ訓練生を営倉にぶち込んでおけ」

エレン「教官!」

キース「イェーガー、これは命令だ、隊舎での勝手な動物の飼育など、認められるものではない」

エレン「くっ!」

387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:55:59.54 ID:qf9qqJY80
アルミン「……」

クリスタ「……アルミン、大丈夫?」

アルミン「……」

クリスタ「そのままでいいから聞いて」

クリスタ「さっきはごめんなさい」

アルミン「……」

クリスタ「私のせいで泣かせちゃって」

クリスタ「それに、私が離れなければヒルトはこんなことには……」

アルミン「クリスタのせいで、泣いたんじゃない……」

クリスタ「え?」

388: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 09:59:11.50 ID:qf9qqJY80
アルミン「僕は、情けないんだ。なんだか、周りの人が冷たくて、心細くなって」

アルミン「怖くなって、そんな時に、クリスタまで少し冷たかったから、もうどうしていいかわからなくなって」

アルミン「哀しくなって、ただ逃げたかったんだ」

アルミン「……情けないよ」グス

クリスタ「……そんなことないよ、アルミン」

アルミン「うぅ、ぐすっ」

クリスタ「」ダキッ

アルミン「くりすた……?」

クリスタ「ごめん、ごめんね、気付いてあげられなくて」ギュ

アルミン「うわああああああんっ!」

クリスタ「」ヨシヨシ

390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 10:06:40.83 ID:qf9qqJY80
アルミン「僕は、エレンやミカサと対等でいたかったんだ」

クリスタ「うん」

アルミン「でもいつも助けられてばかりで、とても対等だなんて言えなかった」

クリスタ「そんなことないと思うよ」

アルミン「そうかもしれない、でも僕にはその自信がないんだ」

クリスタ「じゃあ、アルミン、私と対等になろう」

アルミン「え?」

クリスタ「こんなことになっちゃったけど、秘密の共有者だよ? ね?」

アルミン「……うん、ありがとう」ニコ

クリスタ「っ///」ドキドキ

394: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 10:14:11.52 ID:qf9qqJY80
クリスタ「でも、だからエレンたちに心配させることを嫌がってたんだね」

アルミン「え? 気付いてたの?」

クリスタ「うん、ずっとみていたから」

アルミン「どうして?」

クリスタ「それは……」

クリスタ(アルミンは自分を隠して生きてるように見えた。退行アルミンが奔放すぎたから)

クリスタ(それはまるで今の私みたい……勝手にそう思ってた)

クリスタ(親近感? ううん違う、ただ、仲間が欲しかっただけ)

クリスタ(私、最低だな……)

アルミン「クリスタ?」

クリスタ「あ、ううんなんでもない。秘密」

アルミン「ええー……」

397: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 10:20:24.87 ID:qf9qqJY80
キース「二人とも出ろ」

アルミン「……」

クリスタ「……」

キース「申し開きはあるか?」

クリスタ「ありません」

キース「そうか、ではこれより一ヶ月お前たちには食堂の掃除を命じる」

クリスタ「はい」

アルミン「はい」

キース「……これは独り言だが」

アルミン「?」

クリスタ「?」

399: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 10:25:53.79 ID:qf9qqJY80
キース「どんな生き物であれ、害の無い生き物はいない。みな生きることに必死だ」

キース「そんな生き物の命を奪うことは、何人にも許されない」

キース「もしそんなやつらがいたら、大変な罰を与えねばなるまい」

キース「同時に、そんな奴らを突き止められたらそれ相応の表彰もうけるだろう」

アルミン「!」

クリスタ「!」

キース「以上だ」

アルミン「いこうクリスタ!」

クリスタ「うん!」

407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 10:41:17.45 ID:qf9qqJY80
アルミン「おねえちゃん!」

アニ「! アルミン、でてこられたんだね!」

アルミン「うん! 手伝ってほしいことがあるんだ!」

アニ「なんでもいいな、手伝ってあげる」

アルミン「ありがとう!」

ベルトルト「僕も手伝うよ」

アルミン「ありがとうベルトルトさん!」

サシャ「パァン一つで手を打ちます、といいたいところですが相棒の頼みなら特別に引き受けましょう!」

アルミン「ありがとうサシャ!」

408: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 10:43:40.96 ID:qf9qqJY80
クリスタ「お願いユミル! 手を貸して!」

ユミル「愛しのクリスタに頼まれちゃ断れねえな」

ライナー「俺も手伝おう」

ライナー(結婚しよ)

アルミン「クリスタ! みんな手を貸してくれるって!」

クリスタ「良かった!」

エレン「アルミンの頼みを俺たちが断るわけないって!」

ミカサ「そう、アルミンにはいつも助けられてる」

アルミン「ありがとうエレン、ミカサ、じゃあさっそくだけどヒルトを殺した奴を見つけ出したいんだ!」

411: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 10:47:57.85 ID:qf9qqJY80
エレン「ああ、あんなひでえことする奴が兵団の中にいたなんてな」

ミカサ「アルミンを泣かせた」

ベルトルト「削ぐには十分な理由だね」

ライナー「ベルトルトが最近妙に自分を出すな、珍しい」

アニ「アルミンを……泣かせた?」ギリギリ

サシャ「おしおきが必要ですね……」

エレン「でも、犯人はなんでそんなことをしたんだ?」

クリスタ「それは多分、今のアルミンを蹴落とすためだと思う」

エレン「???」

412: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 10:49:45.45 ID:qf9qqJY80
クリスタ「多分、少しでも順位を上げたい人」

クリスタ「最近のアルミンはどんどん目立ってきていたからこのまま抜かれたら面倒だって思った人がいたんだと思う」

エレン「なんだよそれ! そんなのおかしいだろ! 自分の力で頑張れよ!」

ユミル「成績上位に食い込んでるお前にはわかんねえだろうが、下の方は結構ドロドロだよ」

ユミル「隙あらば他人を蹴落として十位以内に入って憲兵団に、ってな」

エレン「なんだよ、そうまでして憲兵団になりたいのかよ! そんなことして憲兵団になったって意味ないじゃないか!」

エレン「そんなやつらが憲兵団になって何ができるって言うんだ!」

アルミン「そうだね、でもここで騒いでても何も変わらない。今は犯人を見つけよう」

エレン「っ、ああそうだな、すまん」

ミカサ「エレンの気持ちはよくわかる」

ベルトルト「アルミンを」

アニ「蹴落とす?」ギリギリ

ライナー「お、おいあんまり手を握り過ぎるなアニ、怪我したら大変だぞ。いろんな意味で

417: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 10:56:21.93 ID:qf9qqJY80
アルミン「現場には何かなかった?」

エレン「いや、俺は気が付かなかった」

ミカサ「あの犬はブレードで刺されてる。間違いなく兵団の中の誰か」

エレン「じゃあ今から全員のブレードを調べにいけば……!」

ライナー「そいつは難しいな、見せてくれって言っても見せてくれない奴らもいるだろ、面倒がったり自分に容疑がかけられてるって不快に思ったり」

ライナー「さらに時間が経ちすぎている。血が拭きとられてたら見てもわからないかもしれない」

アルミン「そっか」

クリスタ「アルミンは心当たりはないの?」

アルミン「二人、あるにはあるんだけど……」

アニ「よしそいつ殴りにいこう、いやいっそ殺そう」

サシャ「動物のエサにしてやりますよ」

ベルトルト「賛成」

ライナー「お前ら少しは落ち着け」

421: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 11:01:30.19 ID:qf9qqJY80
アルミン「何か証拠や手がかりもなしに動いてもきっとだめだよ」

アルミン「そんなことしてもはぐらかされて僕らの負けだ」

アルミン「僕らが正しいことを証明しなくちゃ」

アニ「二、三発殴れば」

アルミン「そんなの、自分が間違ってるって認めているようなものだよおねえちゃん」

アニ「……」

ユミル「……」

アルミン「何かあるはずなんだ、何か」

ライナー「しかしすごいなアルミン、本当に退行してるのかお前?」

アルミン「??? 僕自身に退行してるって自覚はないけど、体はおっきくなってるよ」

クリスタ(別のところも……って何考えてるの私!?)

425: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 11:07:42.55 ID:qf9qqJY80
ライナー「そうか、いや他の二人が幼すぎただけか」

エレン「へっくしょい!」

ミカサ「っくしゅ」

エレン「なんだよミカサ、風邪か?」

ミカサ「エレンこそ」

ライナー「……」

アニ「とりあえずアルミン、心当たりを教えてよ」

アルミン「うん……モブ兵Aさんとモブ兵Bさんなんだけど……」

ミカサ「その二人はアルミンよし少し上の順位だったはず」

アニ「キマリだね」ポキポキ

アルミン「待って! まだ証拠がないよ!」

427: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 11:12:00.32 ID:qf9qqJY80
アニ「無ければ出させるまでさ」

アルミン「そんなこと……」

アニ「それに、あんたその二人に随分嫌がらせされてたろ?」

アルミン「!? ど、どうして」

アニ「おねえちゃんはそれくらいお見通しさ」

アルミン「おねえちゃん……!」ウルウル ダキッ

アニ「///」

クリスタ「はいはい離れて、話はまだ終わってないんだからね!」グイッ

アニ「あっ」

サシャ「アニばっかりずるいです!」

アルミン「???」

エレン「アルミンは鈍感だなあ」

ミカサ「エレンは人のこといえない……」ボソッ

429: 満を持してのジャン再登場 2013/06/16(日) 11:17:38.76 ID:qf9qqJY80
エレン「なあアルミン、今までの話が全部あってたとしての仮定の話だけどさ」

アルミン「うん」

エレン「相手に話させる作戦が一つある」

アルミン「ホント!?」

エレン「ああ、ここにいないヤツの力を借りることになるけど」

エレン「そいつなら、話を聞ける気がするんだ」

アニ「確かかい?」

ベルトルト「それは誰なんだ?」

エレン「話を聞いてて思ったんだ。こういうことが出来るのは」

エレン「ジャンしかいない」



ジャン「ぶぇーくしょい!」

433: ジャンはミカサが好き。確認 2013/06/16(日) 11:22:30.96 ID:qf9qqJY80
ジャン「ミ、ミカサ? 俺に話ってなんだ?」テレテレ

ミカサ「ジャン、折り入ってあなたにお願いがある」

ジャン(ミカサが俺にお願いだと!?)

ジャン「な、何でも言ってくれ!」

ミカサ「ありがとうジャン。じゃあアルミンの件、手伝ってほしい」

ジャン「アルミン? ああ、昼間の件か」

ジャン「俺はどうすればいいんだ?」

ミカサ「それは……」

436: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 11:27:33.50 ID:qf9qqJY80
~~

エレン「ジャンは憲兵団志望だ。どうどうとそう言ってる」

エレン「なおかつ成績上位者だ。ならジャンが憲兵団になるにはどうすればいいか、的な話をそいつらに振って話を引き出させれば……」

ライナー「うまくいくかもしれないってわけか」

ミカサ「なんでその鋭さをもう少し別の方向にも持てないのだろう」

エレン「何か言ったかミカサ?」

ミカサ「なんでもない」

アニ「ならミカサ、あんたがジャンに頼んできな」

ミカサ「私?」

ベルトルト「適任だね、アルミンのためだよ」

ミカサ「わかった」

サシャ「エレン以外にも、アルミンのためってだけで結構ミカサ動きますよね」

クリスタ「むっ」

~~

442: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 11:35:08.96 ID:qf9qqJY80
ジャン「よ、ようお前ら!」

モブ兵A「なんだジャンか」

モブ兵B「どうしたんだ?」

ジャン「いや、お前ら最近成績上がってきたなと思ってよ」

モブ兵A「まあ、まだ十番まで届かないけどな」

ジャン「やっぱ憲兵団になりたいなら立体軌道を押えないとな。ガスを吹かすんじゃなく慣性に身を任せたり」

モブ兵B「簡単に言ってくれるぜ」

ジャン「まあ覚えておいて損はないぜ、憲兵団に入りたいならよ!」

モブ兵A「まあ確かにジャンの話はためになるな」

モブ兵B「全くだ」

447: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 11:39:55.74 ID:qf9qqJY80
ジャン「お前らはどうだ? 最近気づいた事とかないか」

モブ兵A「流石に研究熱心だな」

ジャン「あったりまえだろ、何をしても憲兵団に入る! 内地で快適な暮らしをするためにな」

モブ兵B「違いない」

ジャン「だからいろんな奴の弱点や弱みもよく探すようにしてるぜ、例えばあの死に急ぎ野郎は格闘術こそ上がってきてるけど性格や感情抑制はザルだしな」

モブ兵A「よくジャンがからかうと怒り出すしな」

モブ兵B「子供だよなアイツ、調査兵団にいく、とか馬鹿じゃねえの。もし本気ならせめて成績は落とせっての」

──────

エレン「」ギリギリ

ミカサ「」ギリギリ

アルミン「お、落ち着いてよ二人とも!」

451: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 11:43:49.49 ID:qf9qqJY80
モブ兵A「そういやいつもエレンの金魚のフンみたいに一緒にいるミカサとかさ」

ジャン「あ?」

モブ兵A「えっ」

ジャン「いやなんでもねえ、続けてくれ」イライラ

モブ兵A「エレンがいくなら自分も調査兵団、だとよ。真面目に頑張ってる俺らバカみたいだよなほんと。調査兵団いきたいなら十位以内にはいるなっつの」

ジャン「」ギリ

モブ兵B「エレンの金魚のフンって言えばさ、アルミンもじゃん?」

ジャン「! あ、ああそうだな、幼馴染らしいし、三人よく一緒にいやがる」

モブ兵B「そのアルミン、退行してるらしいけど、昼間の泣きっぷりは笑えたな」

──────

アニ「」ギリギリ

サシャ「」ギリギリ

クリスタ「落ち着いてよ二人とも……」ググッ

ユミル(クリスタ顔怖い)

ベルトルト「殺す殺す殺す殺す殺す殺す……」

453: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 11:49:37.45 ID:qf9qqJY80
ジャン「まあいくらガキになってるからって言ってもな」

ジャン「それに犬なんてかくまってたらしいし」

モブ兵B「そうそう、それなんだけどよ」

モブ兵A「おい!」

モブ兵B「んだよ、いいじゃねえか、いろいろ教えてもらったしよ」

ジャン「なんだよ?」

モブ兵B「実はさ、あの犬ヤったのこいつなんだよ」

モブ兵A「めざわりだったんだよ。どいつもこいつも退行だなんだってなりながらチヤホヤされて。成績上位者ばっかり優遇されやがって」

ジャン「……」

──────

アニ「言質は取った」

サシャ「あとは」

ベルトルト「殺すだけだ」

クリスタ「……」グッ

ユミル(いやとめろよクリスタ、お前らしくないだろおーい)

460: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 11:52:28.95 ID:qf9qqJY80
モブ兵B「傑作だったな!」

モブ兵A「今までは大人しかったから放っておいたのにな!」

ジャン「……お前ら、クズだな」

モブ兵A「は?」

モブ兵B「何言ってんだよ、お前も変わんないだろ」

ジャン「一緒にすんじゃねえよ、俺は確かに憲兵団になって内地で安全に暮らしたい。けどな、人をそんな卑怯な真似までして落として上に行こうなんて思っちゃいねえ」

ジャン「ただ賢く生きたいだけだ」

モブ兵A「だから賢く上に行こうとしてるんじゃねえか」

ジャン「お前らのは賢くねえよ、卑怯っていうんだそういうのは」

ジャン「俺は少なくとも、自分の力で憲兵団に行こうと思ってる! そこまで落ちぶれちゃいねえ! 一緒にすんな! このクズ!」

モブ兵A「なんだと!」

モブ兵B「こっちは二人だぞ、いくら成績上位だからってお前の格闘術はたいしたことないはずだぞ?」

 

479: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 12:37:18.20 ID:qf9qqJY80
ジャン「確かにそうだな、じゃあお前ら後ろを振り向いてみろ」

モブ兵A「そんな古典的なのに騙される奴なんて」

アニ「古典的がなんだって?」ゴゴゴ

ミカサ「エレンを馬鹿にした?」ゴゴゴ

モブ兵B「え」

アルミン「……」

モブ兵A「い、いつからそこに」

ベルトルト「最初からだよ、クズ野郎」ゴゴゴ

モブ兵B「お、お前はベ、ベル、ベル……なんだっけ」

ベルなんとか「は? ここに来て? は? 死ねよ」

ライナー「お前キャラ変わり過ぎだろ」

485: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 12:41:13.09 ID:qf9qqJY80
モブ兵A「なんだよ、ジャン、お前もこいつらの仲間かよ!」

ジャン「別に、ただ俺はお前らとアルミンのことについて話してほしいと頼まれただけだ。ミカサ直々にな」ドヤ

ミカサ「私はみんなにジャンに頼んでと頼まれただけ」

ジャン「……」

モブ兵B「うわぁ」

モブ兵A「良いご身分だなアルミン、結局おまえはそういうやつだってことだ」

アルミン「!」

モブ兵A「確かに俺たちは手を出した。だけどな、お前は俺たちと何にも変わらねえよ」

アルミン「僕は……!」

モブ兵A「同じだろうが! 自分じゃ何もできないくせに! こうやって強い奴らの力を借りてしか何もできない!」

アルミン「! ぼ、僕は……」ジワ

クリスタ「」ブチッ

489: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 12:44:00.03 ID:qf9qqJY80
クリスタ「」スタスタ

バチィィィン!!  バチィィィン!!

クリスタ「アルミンを貴方たちと一緒にしないで!」

アルミン「くりすた……」

クリスタ「アルミンは貴方たちと同じなんかじゃない! 何もできないわけでもない!」

クリスタ「アルミンの何を貴方たちが知ってるって言うの!?」

アニ(クリスタが怒ってるとこ初めて見た)

ユミル(クリスタ怖い)

エレン(張り手痛そう)

ミカサ(完全に出遅れた)

ライナー(結婚しよ)

492: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 12:50:23.17 ID:qf9qqJY80
エレン「クリスタの言う通りだ」

ミカサ「アルミンは正解を導ける力がある、私やエレンはその力に命を救われてる」

アルミン「え?」

エレン「退行した今となっては覚えてないのかもしれないけどな。こいつはやばい時ほどすげえんだ」

モブ兵A「……けっ」

キース「話はすんだようだな」

モブ兵B「き、キース教官」

キース「さて、モブ兵AおよびBよ、お前たちは明日中に荷物を纏めて開拓地だ」

モブ兵A「な!?」

モブ兵B「それは!?」

キース「異論はみとめん、以上だ!」

モブ兵A「そんな……」

モブ兵B「く……!」

498: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 12:58:28.08 ID:qf9qqJY80
キース「さてアルレルト訓練生、レンズ訓練生」

クリスタ「はっ!」

キース「お前たちは見事犯人を割り出した。よって罰掃除を免除する」

クリスタ「ありがとうございます!」

キース「以上だ、解散!」

エレン「終わったな」

アニ「まだ」

ベルトルト「終わってないよ」

アルミン「え?」

499: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 12:59:30.19 ID:qf9qqJY80
アニ「訓練生同士の私闘は禁じられてるけど、こいつらはもう訓練生じゃない」

ベルトルト「つまり」

ミカサ「削いでも」

サシャ「問題ないってことですね!」モグモグ

ライナー「サシャぶれないさすがぶれない」

モブ兵A「ひぃぃぃぃ!」

モブ兵B「ちょちょちょちょとあまままままま」

ミカサ「きっと理解してもらえるだろう。じぶんの為に他人を蹴落としてもいいと思ってるなら」

モブ兵A「こ、ここで俺たちに手を出せば教官に言いつけるぞ!」

アニ「死体が」

ベルトルト「どうやって」

サシャ「言いつけるんですか?」ゴックン フーッ

504: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:05:43.06 ID:qf9qqJY80
アルミン「みんな、もういいんだ」

エレン「アルミンがそういうなら」

アルミン「うん、みんなありがとう」

アニ「チッ、アルミンに感謝しな」

モブ兵A「……」

ベルトルト「ねえ、アニの声聞こえなかったの? ねえ?」

モブ兵B「わ、わわわかった」ゾクッ

ミカサ「アルミンがいいなら私もやめよう」

ジャン「これで一件落着か?」



マルコ「今日は誰もお風呂にこないなー」カポーン

コニー「そうだなー」カポーン

508: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:11:24.23 ID:qf9qqJY80
ユミル「ようやく終わったな」

クリスタ「うん」

ユミル「しかしクリスタがあんなに怒るとはな」

クリスタ「だって、許せなくて……」

ユミル「ほーう? クリスタがアルミンをねえ?」

クリスタ「な、なに?」

ユミル「いや、しかしアルミンは競争率がここ最近グンと上がってるからな」

クリスタ「そんなんじゃないよ! もうユミル! からかわないでよ!」

ユミル「どうだかな、本当にそうだって言えるか?」

クリスタ「えっ」

ユミル「自分にまで嘘をつき続ける必要なんてないと思うけどね私は」

クリスタ「ユミル……?」

514: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:17:11.53 ID:qf9qqJY80
クリスタ「ユミルが変なこと言うから眠れなくなっちゃった……こっそり散歩してこよう」

クリスタ「あれ?」

アルミン「……」

クリスタ「アルミン?」

アルミン「クリスタ?」

クリスタ「どうしたのこんなところで」

アルミン「うん、お墓、作ろうと思って」

クリスタ「ヒルトの?」

アルミン「うん」

515: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:23:00.09 ID:qf9qqJY80
クリスタ「でも亡骸は」

アルミン「うん燃やしちゃったんだって」

アルミン「だからさ、この首輪とアンカーケーブルを繋いでだ場所に埋めようと思うんだ」

クリスタ「アルミン……手伝うよ私も」

アルミン「ありがとう」

クリスタ「秘密の共有者だもんね!」

アルミン「うん」パァ

クリスタ(そう、それだけの、はず……)

516: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:24:29.57 ID:qf9qqJY80
アルミン「……」⊃⊂

クリスタ「……」⊃⊂

アルミン「ふぅ、ありがとうクリスタ」

クリスタ「お礼言ってばかりだねアルミン」

アルミン「お墓のこともそうだけど、クリスタが今日怒ってくれて、言ってくれて、うれしかったよ」ニコ

クリスタ「っ///」

アルミン「クリスタ?」

クリスタ「な、なんでもない」

517: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:27:00.03 ID:qf9qqJY80
アルミン「さあ戻ろう」

クリスタ「あ、ね、ねえアルミン」

アルミン「??」

クリスタ「えっと今のアルミンは記憶が退行してるんでしょ?」

アルミン「そうらしいけど」

クリスタ「それじゃあ昔の、いやアルミンは対抗してるから今、つい最近のことかな、お話してくれない?」

アルミン「え?」

クリスタ「秘密の共有者だったけど、もう秘密なくなっちゃったから、ちゃんとしたお友達になりたいの」

アルミン「ああ……」

クリスタ「だめかな?」

アルミン「ううん! 嬉しいよ!」パァ
 

520: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:38:12.21 ID:qf9qqJY80
クリスタ「良かった♪ いっぱいアルミンのこと教えて」

アルミン「じゃあ、後でクリスタのことも教えてね」

クリスタ「う、うん」

アルミン「えっとねえっとね、これはこの前エレンとシガンシナ区の川遊びをして……」

クリスタ(……いつか、アルミン、貴方には話そうと思う)

クリスタ(私の事)

クリスタ(その時まで、まっててくれる?)

アルミン「聞いてるクリスタ?」

クリスタ「うん」

521: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:38:43.87 ID:qf9qqJY80
アルミン「zzz」

クリスタ「話しつかれてねむっちゃったか」

クリスタ(アルミン、いつか、話すね?)

クリスタ(だから、その時は、謝らせてね? ヒルトは、私とあなたの名前からつけたのって)

クリスタ「ふふっ、アルミンの寝顔、かわいい」

アルミン「zzz」

クリスタ「zzz」

522: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:41:24.70 ID:qf9qqJY80
アルミン「う、ううん……はっ!?」

クリスタ「すーすー」

アルミン「あれ? なんで僕は外で寝てるんだ? ってクリスタぁ!?」

アルミン「落ち着くんだ、まずは現状確認を」

アルミン「僕がクリスタと外で寄り添って寝ていた、うん、意味がわからない!」

クリスタ「はれ? あさ?」

アルミン「お、おはようクリスタ」

クリスタ「あ、そっか。私も寝ちゃったんだ、おはようアルミン」

アルミン「う、うん。で、そのクリスタ? なんで僕たちここで寝ていたのかな?」

クリスタ「え?覚えてないの?」

アルミン「う、うん、訓練中によそ見をして何かにぶつかった記憶はあるんだけど……」

528: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:45:26.88 ID:qf9qqJY80
クリスタ「もしかして、記憶が戻ったの?」

アルミン「え? なんのこと?」

クリスタ「あれ、じゃあ今までの、昨夜の事も、忘れちゃったの?」

アルミン「えっと、ごめん。僕何かしたのかな?」

クリスタ「そ、そっか……」ズキッ

クリスタ(胸が、痛い……)

アルミン「とりあえず寮に戻ろう、こんなところに朝からいたら怒られちゃうかも」ニコリ

クリスタ「っ」

クリスタ(笑い方が、違う。無邪気な笑いじゃない……あれは、自分を隠してる笑いだ)

クリスタ(アルミン……)

アルミン「あれ?」

530: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 13:46:39.31 ID:qf9qqJY80
アルミン「なんだろうこれ、お墓?」

クリスタ「あ、それは……」

アルミン「少し盛り上がって、何か埋めてあるのかな、どうして、こんな、ところ、に……?」ボタッ ボタタッ

アルミン「あれ? おかしいな? なんで、ぼく、涙が、でて……?」

クリスタ「!」

アルミン「あれっ、あれっ? おかしいな、悲しくなんか、ないはずなのに……涙が……」ボタタッ

クリスタ「いいの、アルミン、いいんだよ!」ダキッ

アルミン「ごめん、なんか、ちょっとよくわからないけど、涙が、とまらないんだ……!」グスッ

クリスタ(アルミンは、戻っても、アルミンだよね……?)

534: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:00:28.52 ID:qf9qqJY80
エレン「しかし記憶が戻ってよかったなアルミン!」

アルミン「信じられないけど、本当なんだね。まさか自分が、とは思うよ」

ミカサ「いろいろ大変だった」

アルミン「迷惑かけたね二人とも」

クリスタ「アルミン、ここいい?」

アルミン「え? クリスタ? あ、うんもちろん」

クリスタ(エレンたちと話してる時はいつものアルミンだけど、私と話すときはやっぱり違う。まるで退行してた最初の時のアルミンみたい)ズキッ

クリスタ(また、ここから始めるのか……)

アルミン「どうかしたのクリスタ?」

クリスタ「う、ううんなんでもない!」

537: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:04:27.55 ID:qf9qqJY80
アニ「はぁ」

ベルトルト「はぁ」

ライナー「お前たち元気がないな」

アニ「私の弟……はぁ」

ベルトルト「うん、別にね今のアルミンがいやってわけじゃないんだ、けどさ」

ライナー「お前らな……」

ベルトルト「わかってる、僕らは戦士だ」

アニ「わかってるさ」

ライナー「ならもう何も言わないさ」

アニ「ちょっと歩いてくる……」スタスタ

540: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:08:16.69 ID:qf9qqJY80
サシャ「アールミーン!」

アルミン「わっ!? 急にどうしたのサシャ!?」

サシャ「記憶が戻ってもアルミンはアルミン! ということで私と一緒に食糧庫に忍び込みましょう!」

アルミン「ええ!?」

クリスタ「もう! だめだよサシャ! アルミンを巻き込んじゃ!」

サシャ「私とアルミンは固い絆で結ばれた相棒なのです!」

クリスタ「固い絆って……そ、そんなのだめ!」

サシャ「? どうしてですか?」

クリスタ「えっ、そ、それは……」

アルミン「一体何がどうなってるんだ」

エレン「ははは、鈍いなあアルミン」

ミカサ「だからエレンは人のこと言えない」ハァ

543: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:12:59.18 ID:qf9qqJY80
アルミン「でもなんていうかさ、こう胸にポッカリと穴があいたような感じがするんだ」

エレン「胸に穴?」

アルミン「うん、なんだかよくわからないんだけど」

クリスタ「……」

アルミン「あれ? どうしたのクリスタ?」ニコリ

クリスタ(……また)ズキッ

クリスタ「気を遣わなくていいよアルミン? 私とあなたの仲でしょ?」

アルミン「え、えええええ!?」

ザワザワ!?

ライナー(俺とクリスタの仲でしょ? だって? 結婚しよ)

546: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:15:30.16 ID:qf9qqJY80
アルミン「エレン! 僕一体なにをやったの!?」

エレン「え? さあ?」ニヤニヤ

ミカサ「私にもわからない」ニコリ

アルミン「ちょ、二人とも!?」

クリスタ「あーあ酷いなアルミン、私にあんな恥ずかしいことまで聞いておいて」

アルミン「えええ!?  一体僕何を聞いたの!?」

クリスタ「ここで言うの? ええーそれは恥ずかしいなあ」

クリスタ「また今度二人きりのときにね?」ニコッ

アルミン「う」ドキ

サシャ「アルミーン! 私も構ってくださーい!」

アルミン「うわあああああ///」ダダダ

サシャ「あ! 逃げた!」

548: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:16:42.57 ID:qf9qqJY80
アニ「わかっては、いたんだけどね……」

アニ「私、なにやってんだろ……」

アルミン「わあああああ///」

アニ「はぁ、なにやってんだい」

アルミン「あ、アニ! 助けてよ!」

アニ「……」

アルミン「え、なんでそんな悲しそうな目で見てるの?」

アニ「おねえちゃん」

アルミン「へ?」

アニ「なんでもない」

549: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:20:35.71 ID:qf9qqJY80
サシャ「アルミーン!」

クリスタ「まてー!」

アルミン「はわわわ」

アニ「やれやれ、騒がしいね朝からまったく」

アニ「ほら、そこに隠れてな」

アルミン「うん、ありがとう。アニはやっぱり優しいね」

アニ「……は?」

アルミン「い、いや、良い人っていうか」

アニ「っ!! いいからさっさと隠れな!」

551: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:23:37.84 ID:qf9qqJY80
アニ(記憶が戻ってもアルミンはアルミンか)

アニ(本質は変わらないんだね)フフ

アニ(私や、ライナーや、ベルトルトの本質が変わらないように)

アニ「……」

サシャ「あ、アニ! アルミンを見ませんでした!?」

アニ「アルミンなら向こうへ行ったよ」

サシャ「ありがとうございます!」

クリスタ「ふふっ」

アニ「?」

クリスタ「なんでもない♪」

アニ「……さっさといきな」

553: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:26:10.91 ID:qf9qqJY80
アルミン「ありがとうアニ」

アニ「別に」

アニ「ほら、向こうでエレンが待ってるようだよ」

アルミン「あ、ほんとだ、おーい!」

アニ「アルミン」

アルミン「?」

アニ「私の目が届く範囲、時期の間はさ」

アルミン「?」

アニ「あんたを、少しだけめにかけてやるよ」

アルミン「え? えっと、ありがとう……?」

アニ「いきな」

アルミン「う、うん」

554: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:26:45.71 ID:qf9qqJY80
アルミン「酷いよエレン、ミカサ!」

エレン「悪い悪い」

ミカサ「アルミンが取り乱すのは珍しいから」

アルミン「もう」

エレン「でもこうして来てやっただろ? 俺たちがお前を見捨てるはずがないさ。逆に俺もお前に見捨てられるなんて思ったことはない」

ミカサ「見捨てるくらいなら自分が死ぬ」

アルミン「二人とも……はぁ、やっぱり僕がいないとまだまだだめだね」

エレン「当たり前だろ? 俺たちは三人で一つみたいなもんだ」

アルミン「うん、そうだね」

ミカサ「私もいつまでも一緒にいる」

556: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:31:44.49 ID:qf9qqJY80
アルミン「いつか、一緒に外の世界へ行こう」

エレン「ああ!」

ミカサ「幼い時の思い出と約束」

アルミン「ずっと忘れずにもっていこう!」

エレン「俺たちの明日はまだまだこれからだ!」

ミカサ「例え忘れようと、決してなくならない」

エレン「その通りだ」

アルミン「僕たちは、三人で一つ、だからね」

クリスタ「四人で一つにしてほしーな」

サシャ「それなら五人で一つなんてどうです?」

「!?」

561: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:33:50.01 ID:qf9qqJY80
エレン「お前たちいつのまに」

ミカサ「迂闊」

サシャ「そりゃあれだけ大声で話してればわかりますよ」

クリスタ「せっかくアニが手を貸してくれたのに、ね?」

アルミン(ばれてた)

アニ「そういうことなら私も入れてもらおうかね」

ベルトルト「僕もいいかな」

ライナー「なら俺も」

ジャン「ミカサいるなら俺も」

エレン「お前ら……!」

562: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:34:26.98 ID:qf9qqJY80
アルミン「ふふっ、エレン、これなら夢はかないそうだね、ううん、絶対叶えようよ!」

エレン「ああ!」

クリスタ(アルミン、すごく楽しそう、自然に笑ってる。いつかまた、あの笑みを私にも向けてくれるかな?)

アルミン「どうしたのクリスタ?」ニコッ

クリスタ「! い、今、心から笑って……」

アルミン「もうクリスタも四人でいや何人もので一つの仲間だからね。しかしまいったな、クリスタは人の心でも読めるの?」

クリスタ「ふふ、多分だけどアルミン限定だよ」

アルミン「えっ、ちょ、それって」

クリスタ(思ったよりもずっと早く見れちゃった。これなら、全部話す日も遠くないかも)

クリスタ(そんな世界が、来ますように……)



おわり

570: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:37:38.17 ID:qf9qqJY80
おまけ

アルミン「急に教官に呼ばれたと思ったら、発毛について、なんて」

アルミン「調べたけど効果的な方法は見つからなかったって言ったらすごく残念そうだったな」

図書委員(女)「あの、アルミンさん」

アルミン「ん? どうしたの」

図書委員(女)「あの、その、そろそろ貸出し中の本を返して欲しいんですけど」

アルミン「え? まだあったかな。おかしいな、全部返してると思ったけど、なんて本」

図書委員(女)「そ、それがその……良い子の大人の 知識って本なんですけど」

アルミン「え」

図書委員(女)「///」

アルミン「え? ちょ、なにそれ? へ!? ええええええええええええ!?!?!?!?」



クリスタ(この本のこの男の子、アルミンに似てる気がする///)

581: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:43:13.70 ID:qf9qqJY80
おまけ?



アニ(クリスタが夜な夜なもだえることがある)

アニ(一体なにいをやってるんだか)

アニ(まあいいさ、私も、せめてこの兵団にいる間は……)フフ

アニ(っと抜け出してきたはいいけど流石に灯りがなくちゃ暗いね)

ライナー「お、早いなアニ」

ベルトルト「お待たせ」

アニ「遅いよ」

ライナー「悪いな」

ベルトルト「もう少しで卒業だね」

アニ「ああ、そうだね」

ライナー「もう少し、か」

582: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/06/16(日) 14:44:41.32 ID:qf9qqJY80
アニ(夜の確認事項は終わり。こうしてられるのもあと少しか……)ギィ

アニ(みんなは寝てるね……ん?本?)

アニ(なんだろう)

クリスタ「ふぁぁ、はっ!? だめっ!?」バッ

アニ「へっ!? きゃっ!?」

ごっちん☆

アニ「いたたた……」

クリスタ「いたたた……」

ミカサ「なにごと?」

サシャ「ですか!?」

ユミル「クリスタ? 大丈夫か?」

アニ「あれ?」

クリスタ「ここどこ?」

「「「!?」」」


ほんとにおわり。

引用元: アルミン「なんでミカサとエレン成長してるの?」エレン「えっ」