3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 02:51:07.51 ID:I/NxWcBe0
まどか・ほむら・さやか・あんこ・白いの「「「「「えっ! えっ! えー!」」」」」

マミ「きっと何者にm」

さやか「マミさん! 夢じゃないよね? これ! 生きてるマミさんだ! マミさん! 私魔法少女になったんですよ!」

マミ「……」イラッ

さやか「よかった……。あのときからずっとマミさんのことおおおおおおおおおお!?」ヒュー

まどか「さやかちゃーん!!」

マミ「……きっと何者にもなれn」

まどか「マミさんどうしてさやかちゃんを! というかなんで私たちに手錠してるんですか! いやそれよりもなんで生きてるんですか!」

マミ「……」ポチッポチッ

まどか「マミさああああああああぁぁぁ……」

ほむら「マドカー!!」

白いの「僕は関係ないじゃないかああぁぁぁ……」

あんこ「あれはいいか。というか名前違うんだけど」




5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 02:59:14.75 ID:I/NxWcBe0
マミ「きっと何者にもなれないお前たちに告げる。ピングドラムを手に入れるのだ」

ほむら「ピング……ドラム?」

あんこ「生き返って早々何言ってんだ。マミ」

マミ「我が名はマミではない。プリ……ウィッチオブクリスタルだ」

あんこ「今プリって言ったよな。あ、ごめん。謝るから落とさないで」

ほむら「ウィッチオブクリスタル。ピングドラムとは何?」

マミ「……わからぬ」

ほむら「なぜそれを手に入れなければいけないの?」

マミ「この女の命はそれに掛かっている。救いたければ手に入れろ」

あんこ「あれだろ? いつものてぃろふぃなーれみたいな冗談だろ? ……すみませんでした」

マミ「三度目はないぞ」

ほむら「いいわ。それを手に入れてあげる。その代わり巴マミはきっちりと蘇らせて」

マミ「いいだろう。しかしこの女の命の炎もそう長くは無い。早めに手に入れることだな」


マミ「生存戦略しましょうか」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 03:04:23.12 ID:I/NxWcBe0
あんこ「……消えたな。おかしいな。確か魔女空間にいてそれでいきなりマミが出てきて。
     あ、落ちた二人いるじゃん、起こすか」

まどか「んー……あれ、ここは」

さやか「なんか変な夢を見ていたような……」

ほむら「どうやら夢じゃないみたいね」

マミ「う……」

さやか「夢だけど!」

まどか「夢じゃなかったんだ!」

あんこ「この白いのどうする?」

ほむら「埋めておいて。まずは状況を整理しましょう」



さやか「確か私が使い魔を追ってたら」

まどか「あんこちゃんが飛んできて」

あんこ「キョウコな。んですったもんだしてたら入り口見つけたらからみんなで入って」

ほむら「そして中でまたすったもんだしてるときに私が来た」

マミ「最後頭から食べられた記憶しかないんだけど……」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 03:11:42.37 ID:I/NxWcBe0
さやか「あれ、そういえばあの魔女どこ行ったんだ?」

あんこ「グリーフシードがあるということは誰かが倒したんだろ。えーっと確か物陰から銃が出てきて……」

まどか「ということはマミさんが倒したんだ!」

マミ「え? そうなの? まぁ倒したならこれ貰っておくわね」

あんこ「んであの謎空間に突入か。それでピンクドラムだったっけか。それを手に入れろだのどうのこうの」

さやか「なにそれ? ピンク色のドラム?」

まどか「ピンクとかちょっと趣味悪いね」

あんこ(お前が言うか)

マミ「何にも思い出せないけど……あら、この帽子は誰の?」

さやか「あ! それマミさんが被ってたやつだ」

マミ「私が? これを? 私の趣味じゃないんだけど……」

四人「あーだこーだよよいのよい」

ほむら(これは初めてのパターン。うまくやれば五人でワルプルギスを迎えられるかもしれない。
     だけどあのウィッチオブクリスタルは巴マミの命は長くはないと言っていた。どのくらい持つのだろうか……)

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 03:18:45.15 ID:I/NxWcBe0
マミ「まさか自分の家がなくなっているなんて……」

ほむら「……」

マミ「私ホームレス……?」

ほむら「……そんなに私の家が嫌?」

マミ「何か怖いのよ」

ほむら「ホームレスしたいなら好きにすればいいわ。
     うちにくれば衣食住は確保できるし身の安全も確保できるけど」

マミ「……よろしくお願いします」

ほむら「構わないわ。あなたに頼みたいことと聞きたいことがあるし」



マミ「ピングドラム? さっきあんこさんが言ってた?」

ほむら「そうよ」

マミ「楽器のことはちょっとわからないわね」

ほむら「巴マミ。ちょっとこの帽子を被って」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 03:24:05.24 ID:I/NxWcBe0
 
マミ「きっと何者にもなれないお前たちに告げる。ピングドラムは見つけたか?」

ほむら「それについて聞きに来たわ。何かしらの情報はないの?」

マミ「ない」

ほむら「全く?」

マミ「ない」

ほむら「見つけるのは無理ね」

マミ「しかしそれを見つければお前の願いも叶う」

ほむら「なに!?」

マミ「……気がする」

ほむら「何なの……」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 03:29:58.85 ID:I/NxWcBe0
マミ「あ、あれ? 今まで私は何を……」

ほむら(全く有用な情報が引き出せなかった。しかし最後の言葉……。
     手に入れれば私の願いが、この無限の世界から抜け出せる?)

マミ「紅茶を飲んだら落ち着いたわ。それで頼みたいことって何かしら」

ほむら「ワルプルギスの夜が来るわ」

マミ「!? それは本当なの?」

ほむら「間違いなくこの町を襲う。アレを仕留めるには戦力が必要になる。そのためにあなたも協力してほしい」

マミ「……で、ワルプルギスの夜って何かしら」

ほむら「かくかくしかじか」

マミ「最強の魔女……。でもどうしてあなたがその情報を知っているの?」

ほむら「……色々とね」

ほむら(このチャンスを逃す手は無い。巴マミをどうにか生かし必ず五人であれを……!)

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 03:36:15.68 ID:I/NxWcBe0
翌日

あんこ「ん? お前何やってんだ?」

さやか「あ、昨日の!」

あんこ「まぁまぁ落ち着けよ。ポッキーでも食うかい?」

さやか「モグモグ。で。何か用?」

あんこ「いんや、散歩してたら見つけてね……ああ、そうか。この家の坊やがアレかい」

さやかべべべべべべ別にあいつはそんなんじゃ」

あんこ「コレだろ?」

さやか「そういうときに立てるのは親指じゃなかったっけ」

あんこ「あれ? おっかしーな……」

さやか「まぁいいや。場所移そう。ここだと迷惑になるし」

あんこ「ボーイフレンドに?」

さやか「違うっつーの!」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 03:41:18.54 ID:I/NxWcBe0
ほむら「!」キュピーン

マミ「え? 何? このお菓子はもうないわよ?」

ほむら「嫌な予感がする」シュタッ

マミ「え、ちょっと待って、家の鍵閉めて……ほむらさーん!」


あんこ「しかし昨日は邪魔が入っちまったな」

さやか「マミさんのこと?」

あんこ「それとあの黒いのだ。アケミホムラだっけか? 本当はマミがいなくなったこの町を領土にしに来たのによぉ」

さやか「残念でした! どちらにしろ私がいるからこの町は渡さないわよ」

あんこ「いや、お前一人ぐらいならどうにかなるんだけど」

さやか「なんだと」

あんこ「あ?」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 03:46:32.22 ID:I/NxWcBe0
まどか「ちょっと待ったー!」

さやか「あれ、まどかなんでここに?」

まどか「歩いて……たら……げほっ。ふた……りが……」

あんこ「とりあえず息を整えろ」


まどか「こんなの絶対おかしいよ! 魔法少女同士が争うなんて!」

さやか「だけどこいつはこの町を我が領土にし楽園を築くって言ってんだよ!」

あんこ「言ってないぞ!」

まどか「それでも喧嘩なんて……!」ダッ

さやか「あっ」

まどか「ダメー!」ポイッ

さやか「」ばたり

まどか「あれ、さやかちゃん? どうしたの?」

あんこ「こいつ死んでるぞ!」

ほむら「遅かった……」

マミ「ひー……ひー……げほっ」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 03:52:49.56 ID:I/NxWcBe0
ほむら「くっ」シュタッ

キュゥべえ「今のはまずかったよ。まどか」

まどか「うわ、なんだこの土まみれの生き物」

キュゥべえ「僕だよ。僕」ブルブル

あんこ「僕僕詐欺かぁ……」

マミ「罠ね」

まどか「絶対振り込まないよ!」

キュゥべえ「話進めていいかな。まどか。君は今友達を投げたんだ」

まどか「さやかちゃんを?」

マミ(友達と言われるなんて)ギリィ

キュゥべえ「魔法少女は云々。100メートルがなんだ。そいつは抜け殻にゃんちゃら」

あんこ「ゾンビにされたってことじゃねぇか!」

マミ(抜け殻? ソウルジェムが本体? それじゃあ私たちはもう……)

ほむら「ハァハァ」モドシモドシ

さやか「ん……」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:02:45.38 ID:I/NxWcBe0
あんこ「やっぱり詐欺じゃねぇか!」

キュゥべえ「騙してなんかいないよ。言わなかっただけで。知らなくても不都合なんてないだろう?」

さやか「ぐぬぬ」

キュゥべえ「魂を分離化し痛覚をセーブした体を操作する。そうすればどんな痛みだって耐えれるさ。
        それは君たちだってよくわかるはずだ。魔女と戦う上で必要なことだって」

まどか「どうしてさやかちゃんたちがこんな目に」

キュゥべえ「決まっているだろう。
        願ったからだよ。それにその願いは実現しただろう?」

パァン
キュゥべえ「げふぅ」バタリ

さやか「マ、マミさん……」

マミ「……ほむらちゃん。あなたはこれを知っていたの?」

ほむら「……知っていたわ」

あんこ「だったらなんで話さなかったんだよ!」

ほむら「誰も信じなかったわ」

マミ「……これは奇跡の代価として私たちが背負う罪なのね」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:08:55.15 ID:I/NxWcBe0
翌日
まどか「おはよー……大丈夫?」

さやか「え、ああ。うん。大丈夫。へーきへーき」

仁美「おはようございます。お二人さん……あら、あれは上条君? 退院なさったのですね」

さやか「……」

まどか「行かないの?」

さやか「私は……いい」


さやか「恋の相談?」

仁美「ええ。実はかくがくしかじか」

さやか「へ、へぇ。恭介もやるじゃん」

仁美「よろしいのですね。告白しても」

さやか「私は……」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:16:01.62 ID:I/NxWcBe0
あんこ「よう。今から出撃か?」

さやか「あんたは……」

あんこ「ん? なんか景気悪い顔してんな。まぁいいや。ついて来いよ」


さやか「ここは……教会?」

あんこ「そ。アタシの親父のね」



マミ「せいぞーんせんりゃくー」
 

マミ「今すぐ教会へ向かえ!」

ほむら「お風呂上りにやめてちょうだい。そもそもどこの教会よ」

マミ「えっとだな。この地図で言うとここの…・・・」

ほむら「廃教会ね。わかったわ」


あんこ「奇跡ってのはそんな簡単なもんじゃないんだよ。
     この世の幸福と不幸のバランスを取る為に幸福の分だけ不幸はばらまかれる
     お前だってもう好き勝手に生きればいいじゃないか」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:22:23.31 ID:I/NxWcBe0
 

さやか「私は……」

ほむら「その通りよ!」バァン

あんこ「お前なんでここに!」

ほむら「ウィッチオブクリスタルの導きよ」

さやか「あん?」

あんこ「……つまりこいつが?」

ほむら「そこまではわからない」

さやか「え? 何の話?」

ほむら「美樹さやか」

さやか「はい」

ほむら「あなたは生きなくてはならない」

さやか「でも……もうゾンビみたいなもんじゃん」

あんこ「それでもだよ。私たちは生きるんだ。お前もな」

さやか「う、うーん……?」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:27:29.27 ID:I/NxWcBe0
翌日 夜
さやか「あの魔女は私が見つけた!」

あんこ「お、おう。それは誰も否定してないぞ」

ほむら「ええ」

マミ「でも協力したっていいでしょ?」

さやか「……うん」

戦闘中……
さやか「げふぉぉ!」

あんこ「サヤカー!!」

マミ「さやかさん。引いてなさい」

ほむら「ここは私たちが」

さやか「ぐぬぬぬ……何のこれしきー!! うおおおおお!!」

魔女「ぶへら」

あんこ「おお……腹に穴が開いてるのに……」

さやか「痛みなんてなんぼのもんじゃーい!!」

マミ「無茶しすぎよ。全く」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:35:23.76 ID:I/NxWcBe0
まどか「お疲れ様。でもさやかちゃん。あんな戦い方はダメだよ」

さやか「大丈夫だよ。痛くないし。ほら、傷だってもうないしさ」

マミ「ダ・メ・で・す。別に痛みに耐えて頑張る必要なんてないのよ」

あんこ「ああ、お前はちーっと頼りないかもしれないけどアタシたちが仲間でいるわけだしさ」

さやか「頼りないってなにさー」

マミ「そうよ。仲間なのよ。私たち。仲間よ。仲間。もう少し仲間を頼ったっていいでしょう。ねぇ? 仲間のほむらさん」

ほむら「……そうね」

あんこ「私たち四人入ればどんな魔女だって負けないさ」

さやか「……そっか。そうだね。もうちょっと自分の体を労わることにするよ」

まどか「うんうん。それでいいんだよ!」

ほむら(これで……美樹さやかの魔女化は防げた?)

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:41:18.65 ID:I/NxWcBe0
ほむら「ワルプルギスの出現予測位置はこのあたりね」

あんこ「へぇ。どうやって情報を得たんだい?」

ほむら「……禁則事項よ」

さやか「なんじゃそりゃ」

マミ「しかし規模が大きいわね。これほどの魔女が存在するなんて……」

まどか「……私も魔法少女になったほうがいいかな」

キュゥべえ「ぜひとも」

パァン
マミ「失せなさい」

ほむら「まどかは必要ないわ。私たち四人なら必ず……あ」

マミ「せいぞーんせんりゃくー!」 

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:47:15.25 ID:I/NxWcBe0
マミ「運命の時は近い。が、その前に」ポチッポチッ

さやか・まどか「「ああああああぁぁぁぁぁ……」」

ほむら「なんで二人を?」

マミ「茶々が入っては困る」

あんこ「今気づいたけどこの後ろのペンギンは何なんだ……」

ほむら「それで? 運命の時とは?」

マミ「この先。新たな真実をお前たちは知る。おそらくそこが大きな分かれ道となる」

ほむら(魔女の正体ね)

あんこ「おいおい、そこまでわかってるならどんなのか教えてくれよ」

マミ「わからぬ」

あんこ「またか……。なんでわからないんだ?」

マミ「……もしかしたら我はここに本来いるべきものではないのかもしれない」

あんこ「あん?」

マミ「なんにしろ我は我の役目を果たすのみ。心してかかれ。魔法少女たちよ」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:53:00.72 ID:I/NxWcBe0
さやか「また落とされた……」

まどか「こんなの絶対おかしいよ」

あんこ「ま、あいつの言ってたのはモゴォ」

ほむら「大した話ではなかったわ」

マミ「私は一体何を……」

あんこ「言わないのか?」ヒソヒソ

ほむら「二人を外したことには何かしらの意味があるのかもしれない」ヒソヒソ

あんこ「最初の様子を見た感じだと本当にいらなかっただけに思えるけど」ヒソヒソ

さやか「まぁいいや。地図は大体覚えたし帰るね」

まどか「私もー」

あんこ「……そういえばあの女が言ってた本来いるべきものってなんだ?」ヒソヒソ

ほむら「さぁ」

さやか「おらー、あんこも帰るぞー」

あんこ「はいはい。よっこらしょっと」

ほむら(あの女。いや、この帽子は時間の繰り返しが生み出した歪なのかもしれない)

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 04:57:50.69 ID:I/NxWcBe0
何日か経って
さやか(最近魔女いないなー。あんこと一緒にほむらの家にでも……あれは」

上条「――」

仁美「――」

さやか「……」

さやか「ばれないように……」コソコソ


あんこ「さやかがいないだって?」

まどか「うん。家にも帰ってないし……」

マミ「大変。探さないと」

ほむら「……よし、佐倉あんこはここを。巴マミはここ。まどかはこっちを探して」

三人「了解」

ほむら(そんな。回避できたと思ったのに……! このままでは……!)

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 05:06:17.74 ID:I/NxWcBe0
あんこ「やーっと見つけたぜ。さやか」

さやか「……あんこか。どうしたの?」

あんこ「馬鹿野郎が!!」

さやか「いてぇ!?」

あんこ「心配させてんじゃねぇーよ!」

さやか「心……配?」

あんこ「ああ、そうだよ。ちょっと待ってろ……あ、もしもし? ああ、見つけた。えーっとここは……」

さやか「なんかさ。どうでもよくなっちゃって」

あんこ「馬鹿野郎! 変なこと言ってんじゃねぇよ。ん? ああ、なんかさやかがどうでもいいとかなんとか言ってさ」

さやか「前に幸福と不幸はバランスを取り合ってるって言ってたよね。
     私が願った幸福は何の不幸と取り替えることになったんだろう」

あんこ「さやか。まさか。そのソウルジェム」

さやか「気づいたらこうなってたんだ。ねぇ。もしも穢れが溜まり切ったら私たちは……」

ほむら「させないわ!」ヒュン

さやか「あ、飛んできたグリーフシードが穢れを吸っていく……」

ほむら「あなたはそんなこと考えなくていい。美樹さやか」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 05:12:58.76 ID:I/NxWcBe0
ほむら「私が、いや、私たちがいる限りあなたはそんな心配しなくていい」

マミ「ぜぇー……そう、よ・・・…はー……」

さやか「ほむら……マミさん……」

まどか「」ぐてー

さやか「まどか……は少し休んでて」

あんこ「ま、そんなところだ。在り得ないことなんて考えても仕方ないだろ?」

キュゥべえ「じゃあ代わりに答えてあげるけど溜まりきった時。魔法少女は魔女になるのさ」

パァン
ほむら「くっ……あの獣め」

さやか「……今のって」

あんこ「本当なのか? ほむら」

ほむら「……」

マミ「嘘、でしょう? 私たちは魔女を狩って人を助けるはずなのにその果てが魔女になるなんて……そんなの」

ほむら「確かに穢れが溜まった魔法少女はそれ自身が魔女になるわ」

マミ「それならもういっそのこと……」

ほむら「大丈夫!」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 05:18:50.98 ID:I/NxWcBe0
ほむら「さっきも言った通り。私たちの果ては魔女かもしれない。
     だけどそれを止めるためにお互い支えることが出来る仲間がいる。
     たとえあなたたちが諦めても……私は絶対にあなたたちを魔女にさせない」

マミ「ほむらちゃん……」

さやか「……ごめん」

ほむら「え?」

さやか「あんたってさ。いつも何か隠しててどこか達観してて全て自分のために動いてる人間だと思ってた」

ほむら(合ってる・・・…)

さやか「でもさ。あんたって本当は仲間思いだったんだね。色々言ってごめん」

ほむら「……気にしなくていいわ」

あんこ「アタシも見直したぜ。まさかあんな熱いこと言うなんてな」

マミ「そうね。私たちが手を取り合って戦えばどんな絶望だって必ず」

まどか「打ち勝つことが出来る」

さやか「もう迷わない。私は……戦うよ。みんなと」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 05:27:00.11 ID:I/NxWcBe0
ほむら「……」

マミ「ここまでよく辿り着いた」

ほむら「……長いようで短い旅だったわ」

マミ「この先、何が起きるか。暁美ほむら。お前は知っているはずだ」

ほむら「知っているわ」

マミ「なら言うこともあるまい」

ほむら「……結局ピングドラムはなんだったの?」

マミ「わからぬ。それに近しい何かは手に入れたはずだがどうやら本来の場所へ行かなければ絶対に手に入らないもののようだ」

ほむら「そう。それなら巴マミは」

マミ「いや、約束どおり生き返るはずだ。多分」

ほむら「わからないことだらけね」

マミ「仕方あるまい。勝手の知らぬ時空なのだからな」

ほむら「やはりあなたは……」

マミ「暁美ほむら」

マミ「あなたの運命を覆すための生存戦略、しましょうか」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 05:32:27.04 ID:I/NxWcBe0
キュゥべえ「時間そk」
パァン
ほむら黙ってなさい。あと少しで終わるのだから」

まどか「ごめんね。こんな時間に」

ほむら「構わないわ」

マミ「はい、紅茶」

まどか「ありがとうございます。
     ……そのワルプルギスの夜は勝てるの?」

ほむら「勝てるわ」

マミ「問題なくね」

まどか「結界も張らず出現する魔女。出てきただけで数千の犠牲者が出るなんて……」

ほむら「大丈夫。安心して」

まどか「でも心配だよ!」


ほむら「……私が今まで繰り返してきた中ではおそらく最高の状況だから」

まどか「えっ……?」

マミ「ほむらちゃん。今なんて」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 05:40:32.11 ID:I/NxWcBe0
ほむら「私は……未来から来たのよ。この夜を越えるために。……そしてあなたたちやあの二人を助けるために」

まどか「え? 未来からなんて……」

マミ「つまりあなたは時間能力者」

ほむら「そう。何度も過去に戻ってこの時間を繰り返してきたわ」

まどか「……だからみんな知ってたんだね」

ほむら「私は幾重もの絶望を乗り越えてここに到達したわ。
     だからこそわかる。この世界は必ず救えると。もう時計の針は戻ることは無いって」

マミ「大丈夫、もう絶対にあなたに絶望を見させない」

まどか「うん。私に出来ることなら何でもするよ!」

ほむら「ありがとう。じゃあ、一つだけ。絶対にアレとは契約しないで。それだけはお願い」

まどか「そんなこと? 大丈夫だよ。それだけはしないよ」

マミ「なんだかそう否定されると悲しいわね」

まどか「あ、いや、そういうわけじゃ」

マミ「冗談よ」

まどか「もう。マミさんったら」

ほむら(必ず……)

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 05:46:08.04 ID:I/NxWcBe0
さやか「すごい嵐だ」

あんこ「おい、まどかはちゃんと避難所にいるんだよな?」

マミ「ええ、さっき連絡を取って確認をしたわ」

ほむら「……それじゃあ始めるわ」



まどか「みんな大丈夫かな」

キュゥべえ「心配かい?」

まどか「そりゃ心配するよ」

キュゥべえ「君に蓄積された力を解放すればワルプルギスなんて一撃で殺せるだろう」

まどか「へぇー」

キュゥべえ「彼女たちじゃ荷が重いかもしれない。でも君が契約すれば」

まどか「無駄だよ。私はあなたを信用しないしほむらちゃんたちを信じてる」

キュゥべえ「……そうか。どうやら僕のお役目はここまでのようだ。
        この時間軸ではね」スゥ

まどか「え? ……行っちゃった」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 05:57:51.37 ID:I/NxWcBe0
ほむら(もしもこの戦いに勝てば五人が生存して生き延びることが出来る。最良の終わり方)

さやか「行くよー!! でりゃああああああ!!」

ほむら(何かが引っかかる。今は戦いに集中しなければいけないのに)

あんこ「なんだ? その程度かよ! おらおらおらぁ!!」

ほむら(……彼女はこれで満足したの? 欲しかったピングドラムに近い何かを手に入れたみたいだけど)

マミ「ふふふ。もう何も怖くない」

ほむら(彼女はピングドラムを入手したわけじゃない)

さやか「避難所にほうに向かってるわね」

ほむら(運命を覆す生存戦略。誰の運命を覆すの?)

マミ「行くわよ。ティロ・フィナーレ!!」

ほむら(ここで私たちが勝てば私たちの運命は覆る。でももしも彼女の運命を覆すのだとしたらこの世界に固定されるのは望んだ結果ではない)

あんこ「おうおう、派手だね。アタシも負けられないね!」

ほむら(もしも彼女が自らの世界に戻るために全てを仕組んだとしたならば)

魔女「――――!!」

ほむら(いや、私は迷わない。みんなが信じている。だから私も――)

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 06:04:23.11 ID:I/NxWcBe0
マミ「おそらくこれが最後だ」

ほむら「あなたはこれでよかったの?」

マミ「お前はこう言いたい。『私が時間を戻して再び元の世界に戻りたかったのではないか』と」

ほむら「そうよ。不本意なんでしょ?」

マミ「ならばお前に問おう。私が違う世界のものであるということがなぜわかるのだ?」

ほむら「……」

マミ「例をする代わりに……都心にあるとある水族館に我を置いてきてくれ」

ほむら「それでいいの?」

マミ「おそらく、な」

ほむら「わかったわ。約束する」

マミ「うむ」

マミ「生存戦略。ありがとう」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 06:15:29.19 ID:I/NxWcBe0
ほむら(この辺でいいのかしら)ポン

まどか「ほむらちゃーん。何してるのー? 早くいこーよー」

ほむら「今行くわ」

あんこ「お土産選ぶにはまだ早すぎるだろう」モグモグ

さやか「お前はさっきから食いすぎだ……一口ちょうだい」

マミ「あら、ペンギンね。可愛いわね……最近どっこかで見たような気がするわね」

ほむら(ウィッチオブクリスタル。あなたの近しいものというのが何かはわからない。
     でも私はこの時間の繰り返しでまどかだけを救おうと考えていた。
     今はそうは思わない。もしも再び時間が戻るとしたら
     今度はここにいる最高の友達たちをみんな救う道を探す。絶対に諦めない)



「しょうちゃんコレ見て! この帽子と……あとこの人形がいい!」
「これでいいの? あ、すみません。これ包んでくれますか? ひまり、あまりうろちょろしないでね」
「僕は商品じゃムギュゥ」
「はーい。かんちゃん。あっちの水槽見に行こう!」
「ああ、行くか」

その後の三人の物語は別のお話

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/07/03(火) 06:16:08.32 ID:I/NxWcBe0
                   ∩゚∀゚)')  おわるよ!
                    )  /
                   (_ノ_ノ

               彡
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゙~,,,....-=-‐√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ
                                    糸冬
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引用元: マミ「せいぞーんせんりゃくー」