本来なら「花さわやかに開く日」ですが、もうすっかり桜は咲いてますので少ししっとり話になります

タイトルにもありますように

ｻﾞｰｻﾞｰ

夕美「雨だねぇ……」

藍子「雨ですね……」

裕子「お花見……いけなくなっちゃいましたね」

聖「歌……届けられない……」

芳乃「残念でしてー」





夕美「でもさぁ……」



友紀「雨がどうした！ビールがうまい！」

早苗「ひゃっほう！酒はまだか！」

心「お、鍋が煮えて来たぞ！」

三人『かんぱーい！』



夕美「お昼からあれはどうかと思うんだけど……」

ﾄｺﾄｺ

唯「ゆーみん、酔っ払いは相手にしないにかぎるよ☆」

心「おっ、唯が来たってことは……」

ｶﾞﾗｯ

千枝「お待たせしました。チーズフォンデュです」

早苗「チーズフォンデュねぇ……パンだけじゃ、お姉さん達を満足させられないぞ」

唯「ダイジョーブ！パンだけじゃなくて、ハムやポテトとかも持ってきたから☆」

茄子「ワインも持ってきましたよ」

朋「あと、余ったチーズを最後にスパゲティに絡ませるとおいしいよ」

友紀「そいつはビールが進む話だね！」

三人「では早速！」

ﾊﾟｸｯ

心「うん、うまい！」

早苗「うまいってねぇ……もう少し女子力を出さないと」

友紀「そういう早苗さんに女子力なんてあるの？」ｷｬﾊﾊ





早苗「あ？」#

友紀「ゴメンナサイ」

心「まったく酔っ払いめ……」ﾊｧ

「んじゃ、こっちはこっちでお芋をチーズにつけて……」

「うまい！」ﾃｰﾚｯﾃﾚｰ

ｶﾞﾗｯ

加蓮「ポテトがおいしいと聞いて！！」

瑞樹「チーズの力はアンチエイジングに繋がるわ！！」

クラリス「海の底からうまそうな匂いがするわ！」

ﾜｲﾜｲｶﾞﾔｶﾞﾔ





唯「つ、追加する？」

千枝「そ、そうしましょうか……」

ﾄﾞﾝﾁｬﾝﾄﾞﾝﾁｬﾝ



唯「じゃあ、ゆい達は……」

夕美「あ、もうそんな時間？」

藍子「天気がよかったら私たちも付いていけたのですけど……」

聖「しゅん……」

裕子「サイキック無念……」

唯「気にすんなって、かな子ちゃんのケーキを持って行ったらすぐに帰るってば☆」

千枝「そうですね。あまりお邪魔できませんし……」





心「何々？どっか行くのか？」

茄子「今日は小さい方の唯ちゃんの誕生日ですからね」

早苗「なるほど……もう三歳だっけ？」

「あれ？でも私ってまだ28歳だし……」

友紀「きゃはは！まだピチピチのハタチだよーっ！」



瑞樹、早苗「あ゛？！」#

友紀「ひぃぃぃぃぃ！」



心「年は取りたくねぇなぁ」

茄子「ですねっ！」

芳乃「ではー、皆様を送りましてー」

クラリス「さくらさんの誕生会までには帰って来てくださいね」

千枝「はいっ！」

唯「じゃっ、しゅっぱーつ！！」





響子「じゃあ、残ったチーズに牛乳と卵を加えて……」

「なんちゃってカルボナーラ完成です！」

みんな「わーい！」



夕美「あっちは既に宴会モードだね……」

藍子「ですね……」

―そうやって死んだはずの唯が戻って来たのはもう四年前になるんだ……

―あの時はびっくりしたな……

―そして……再び私の前に



ｸｲｯ

千絵「ん？」

ゆい「おかーさん、ゆいちゃんとちえちゃんまだー？」

千絵「んー、もうお昼だから来るころかな？」

ゆい「うー、しゅーくりーむぅ……」

千絵「はいはい、もう少し我慢……」



「こんちはーっ！」

「おじゃましまーす！」

ゆい「あ、ゆいちゃんにちえちゃんだ！！」ﾄﾃﾄﾃ

千絵「あ……もう」

「いらっしゃい。お久しぶりね」

「はい、お久しぶりです」

「あ、これ。かな子ちゃんが作ったケーキだぞ☆」

「わーい、けーきだぁ！」

「もう、先に何て言うの？」

「うん。おねーちゃんたち、ありがとー！」

「よしよし、よくできました」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

「えへへー」

「じゃあ、二人とも玄関にいないで入って来てね」

「はーい」

「あ、その前に……」

ﾁｰﾝ

千枝「……」

唯「……」

「唯ちゃん……久しぶりだね」

千枝「お線香が揺れてますからきっと……」

唯「うん……あの娘を見てあげてね」

「まだ小さいけど……唯ちゃんだもんね」

「それじゃあ、ケーキを開けましょうか」

「わーい、けーきけーき」







「……」

「今年は見に行かないでいいんですか？」

「……うん。あんまり昔の自分に会うわけにもいかないからね」

「唯さん……」


未来の唯「じゃあ、帰ろうか」

千歳（千枝の娘）「ですね……」

「智絵里さんに見つかったら、またチョップを「ところがぎっちょん」

二人「え？！」

智絵里「我が名は緒方智絵里。国父倭の赤子にして、天に代わりて不義を討つ皇軍の兵士なり」

未来唯「あわ、わわっ……」

千歳「ち、智絵里さんっ！？」

智絵里「勇戦奮闘でもって必ずや皇国の不朽を勝ち取らん！‘虎徹’秋水一閃！」

二人「ひぃぃぃっ！」



芳乃「そこまででしてー」

智絵里「もう、ネタばらしが早いよーっ」

千歳「え……芳乃さん……？」

未来唯「わぁ……変わってない……」

智絵里「二人とも、せっかく過去に来たんだし」

芳乃「多少のたいむぱらどくすは私が何とかするのでー」

未来唯「あ……」

千歳「い……いいのかな？」

智絵里「早くしないとチョップだよ」

芳乃「あまり時間はありませんのでー」



二人「はいっ！！」

―散った桜は元には戻らない

―けれど、再び咲くことで何度でも会うことはできる

―「今度会うのは来年四月、桜の花の咲く時に」

―そう、春の梢に咲いて会おう……と

―七生報国、命大切に

& HAPPY BIRTHDAY MURAMATSU SAKURA